説明

弁装置

【課題】プランジャに駆動される弁体を弁座に接離させて弁部の開閉や開度調節を行なう弁装置の弁体の径方向の振動を簡単な構造で抑制し、その振動に起因した作動音を低減することを課題としている。
【解決手段】弁座5と、弁室7に設けて弁座5に接離させる弁体8と、この弁体8と一体的に往復運動する弁体駆動用のプランジャ6を備えた弁装置において、一端が弁座5と同軸上に位置決めされて弁座形成部材4に保持され、他端が弁座形成部材4の弁室側端面と対向した部材(図のそれはプランジャ6)に当接されるコイルスプリング25を設け、そのコイルスプリングの軸方向途中に設けた外径ガイド部25aをプランジャ6の外周に接触させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ブレーキ液圧制御装置などに採用される液圧制御用の弁装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のブレーキ液圧制御装置の中に、ホイールシリンダの液圧の増減を、リニア電磁弁で行うものがある。リニア電磁弁は、通電のオン・オフを交互に繰り返すいわゆるオン・オフ電磁弁とは異なり、駆動電流の大きさに応じて弁部の開度がリニアに調整される弁であり、液圧のリニアな調整が可能である。
【0003】
このリニア電磁弁には、常開(ノーマルオープン)型と常閉(ノーマルクローズ)型とがあり、どちらもプランジャ(可動鉄心)と一体的に往復運動する弁体を有している。
【0004】
このリニア電磁弁は、前記プランジャを、コイルに通電してステータコア(固定鉄心)に発生させる磁力で吸引し、磁力の強さを変化させることで弁座から弁体までの距離(弁体の弁座からの離反量)を増減させて弁部の開度を変化させる。
【0005】
このとき、弁体がストロークの途中に位置する状態、すなわち、弁体が弁座からも他の軸方向移動規制部材からも離間した不安定な状態にあると、弁体の周囲に作用する液圧のバランスが崩れたときに径方向の弁体振動が生じ易くなり、その結果、作動音が発生し易くなる。
【0006】
この問題は、開弁しているときに弁体に大きな液圧差が作用するときに起こり易い。
【0007】
そこで、その問題の対策として、下記特許文献1は、スプリングで付勢してステータコアに押圧するリテーナと、そのリテーナの内部に保持されるOリングと、このOリングとステータコアとの間に介在してリテーナを定置させる保持筒を設け、プランジャ(可動鉄心)と弁体間の連結ロッドに前記Oリングを外嵌することで弁体の振動を抑制することを提案している。
【0008】
また、下記特許文献2は、筒状弾性支持部材をステータコアの内部に挿入し、その弾性支持部材の内側に嵌めた樹脂製のリングでプランジャと弁体間の連結ロッドをガイドすることで、弁体の振動を抑制することを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平8−4935号公報
【特許文献2】特開平9−14483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前記特許文献1及び2の対策は、弁体の振動抑制に利用する部品の数が多く、電磁弁の生産性が悪い。また、摩擦抵抗が発生するOリングでロッドを位置決めしているため、弁体の作動に悪影響が出る。
【0011】
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、プランジャに駆動される弁体を弁座に接離させて弁部の開閉や開度調節を行なう弁装置の弁体の振動を簡単な構造で抑制し、その弁装置の弁体の振動に起因した作動音を低減することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するため、この発明においては、
弁室に臨ませた弁座と、前記弁室に設けて前記弁座に接離させる弁体と、この弁体と一体的に往復運動する弁体駆動用のプランジャを備えた弁装置において、
一端が前記弁座を設けた弁座形成部材に保持され、他端が前記弁座形成部材の弁室側端面と対向した部材に当接されるコイルスプリングを設け、そのコイルスプリングの軸方向途中に外径ガイド部を備えさせ、その外径ガイド部を前記プランジャの外周に接触させた。なお、ここで言うプランジャには、プランジャと弁体の連結ロッドも含まれる。
【0013】
この弁装置の好ましい態様や具体的態様を以下に列挙する。
(1)前記コイルスプリングの軸方向中間部を軸方向両端部よりも小径とし、この小径部を前記外径ガイド部としたもの。
【0014】
(2)前記コイルスプリングの一端と他端の径を等しくし、さらに、一端から軸方向中間点までの径変化と、他端から軸方向中間点までの径変化を対称的に生じさせたもの。
【0015】
(3)前記弁座形成部材の弁室側端面の周囲に前記弁座と同芯の円筒部を形成し、その円筒部の内側に前記コイルスプリングの一端を挿入してその一端を前記円筒部の内周面で前記弁座と同軸上に位置決めしたもの。
【0016】
(4)前記外径ガイド部の前記プランジャの外周に対する接触点を、前記弁座の弁口中心と、前記弁室の内周面に開口した流路口の中心とを結ぶ仮想直線よりも弁座から離反した位置に設定したもの。
(5)前記プランジャを初期位置に復帰させる復帰スプリングを備え、その復帰スプリングが前記プランジャと弁体を閉弁方向又は開弁方向に付勢しているもの。
【0017】
(6)前記弁座形成部材の弁室側端面と対向した部材が前記プランジャであり、そのプランジャに前記コイルスプリングの他端が当接し、前記復帰スプリングは、初期荷重が前記コイルスプリングの初期荷重よりも大きく、この復帰スプリングが前記コイルスプリングによるプランジャ付勢方向に対向して前記プランジャを閉弁方向に付勢しているもの。
【0018】
(7)前記弁座形成部材の弁室側端面と対向した部材が前記プランジャに磁気吸引力を作用させる電磁弁のステータコアであり、そのステータコアに前記コイルスプリングの他端が当接し、前記プランジャは、前記ステータコアの磁気吸引力によって閉弁方向に付勢されるように配置され、前記復帰スプリングは、前記プランジャを開弁方向に付勢しているもの。
【0019】
(8)前記弁座形成部材の弁室側端面と対向した部材が前記プランジャであり、そのプランジャに前記コイルスプリングの他端が当接し、前記プランジャは、そのプランジャに作用させる電磁弁のステータコアの磁気吸引力によって閉弁方向に付勢されるように配置され、前記復帰スプリングが前記コイルスプリングで構成されてそのコイルスプリングが前記プランジャを開弁方向に付勢しているもの。
【発明の効果】
【0020】
この発明の弁装置は、一端が弁座と同軸上に位置決めされて弁座形成部材に保持され、他端が前記弁座形成部材の弁室側端面と対向した部材に当接されるコイルスプリングを設け、そのコイルスプリングに備えさせた外径ガイド部を弁体と一体になって動くプランジャ(この発明では、プランジャと弁体を連結する連結ロッドもプランジャの一部とみなす)の外周に接触させるので、弁体の径方向の振動、ひいては、これに起因する弁装置の作動音の発生が抑制される。
【0021】
このような、弁体の振動抑制を1個のコイルスプリングで行えるので、生産性がよい。さらに、Oリングによる振動抑制に比べると外径ガイド部の接触点に生じる摩擦抵抗が小さく、弁体の作動が妨げられることもない。
【0022】
なお、軸方向途中の外径ガイド部をプランジャの外周に接触させる前記コイルスプリングに代えて一端が大径、他端が小径の台形コイルばねを設け、その台形コイルばねの大径端を弁座形成部材で保持し、小径端を前記プランジャの外周に係止させる方法でもある程度の振動抑制効果が望める。
【0023】
この場合、例えば、前記プランジャの外周に弁座形成部材の弁室側端面と対向する面を設け、この面に台形コイルばねの小径端を当接させることで台形コイルばねを弁座形成部材とプランジャとの間に保持可能である。しかしながら、プランジャの外周を係止する台形コイルばねの小径端を本発明の外径ガイド部と軸方向に関して同様の位置に設定した場合、台形コイルばねは当然ながら本発明のコイルスプリングよりも全長が短くなる。
【0024】
従って、プランジャの往復運動によって圧縮されたときの台形コイルばねと本発明のコイルスプリングとを比較すると、全長の異なる両者が同じストローク分だけ圧縮されるため、各々を構成するコイル線材の隙間は、台形コイルばねが本発明のコイルスプリングよりも狭くなる。これにより、台形コイルばねの場合、コイル線材の隙間を液が通過する際の流動抵抗が大きくなってしまう。
【0025】
仮に、この流動抵抗を低減するため台形コイルばねの全長を本発明のコイルスプリングと同等な長さに延長した場合は、プランジャにおいて台形コイルばねの小径部によって係止される箇所が本発明の外径ガイド部よりも弁座形成部材から離間することになり、弁体の径方向の振動を抑制する効果が小さくなってしまう。
【0026】
この発明で用いるコイルスプリングは、軸方向途中に設けた外径ガイド部を前記プランジャの外周に接触させて弁体の径方向振動を抑制するので、台形コイルばね使用時に考えられる上記の不具合が生じない。
【0027】
上記において好ましいとした形態などの作用効果は、後に詳しく述べる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】この発明の弁装置の一例を示す断面図
【図2】図1の電磁弁の一部を拡大して示す断面図
【図3】図1の電磁弁に設けたコイルスプリングの拡大断面図
【図4】コイルスプリングに設ける外径ガイド部の他の形態を示す断面図
【図5】この発明の弁装置の他の例を示す断面図
【図6】この発明の弁装置のさらに他の例を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付図面の図1〜図6に基づいて、この発明の弁装置の実施の形態を説明する。図1の弁装置は、減圧用であって弁ブロック1に常閉型のリニア電磁弁2を組み付けて構成されている。
【0030】
リニア電磁弁2は、弁ブロック1に形成されたボアに組み込まれるガイドスリーブ3と、そのガイドスリーブ3の一端側に圧入固定された弁座形成部材4を有し、この弁座形成部材4の弁室側端面に弁座5が形成されている。
【0031】
ガイドスリーブ3の他端側にはプランジャ(可動鉄心)6が軸方向スライド可能に挿入され、そのプランジャ6と弁座形成部材4との間に弁室7が形成され、その弁室7に弁座5に対して接離させる弁体8が配置されている。
【0032】
その弁体8は、プランジャ6の大径部とは別加工されて大径部に継がれた弁室側小径部6aに設けられており、プランジャ6と一体になって軸方向に往復運動する。ガイドスリーブ3の他端には、非磁性体ピース9を介してステータコア(固定鉄心)10が接続され、そのステータコア10の外周からガイドスリーブ3の他端小径部の外周に至る領域にボビンに巻かれたコイル11が配置されている。
【0033】
また、コイル11の外側は有底円筒状のケース(ヨーク)12で覆われており、さらに、ガイドスリーブ3の大径部とケース12の間には磁性体リング13が介在されている。
【0034】
さらに、プランジャ6とステータコア10との間に、プランジャ6がステータコア10に磁力で吸着されることを阻止する吸着防止ピン14と、プランジャ6を閉弁方向に付勢する復帰スプリング15が設置されている。
【0035】
16は、プランジャ6の反弁室側端面が臨む部屋を弁室に連通させる目的でプランジャ6に設けられた連通孔、17は、ガイドスリーブ3に加工された流路口、18は、弁ブロック1に加工された流体導入側の流路、19は、弁ブロック1に加工された流体流出側の流路、20は、流路口17の出口に配置されるフィルタ、21は、流路18の途中に配置されるフィルタ、22は、コイル11の給電用のターミナルである。
【0036】
流路18と弁室7は、ガイドスリーブ3の内部に形成されたオリフィス23を有する接続流路24を介して連通している。また、弁座5は弁室7を臨み、流路口17は弁室7の内周面に開口している。なお、図1の矢印は、開弁時の流体の流れ方向を表している(以下も同様)。
【0037】
以上の構成は、従来品と変わるところがない。即ち、図1の弁装置は、プランジャ6と弁座形成部材4との間にコイルスプリング25を配置し、そのコイルスプリング25に設けた外径ガイド部25aをプランジャ6の弁室側小径部6aの外周に接触させて弁体8の径方向への振動を抑制しており、ここに、この発明の特徴がある。
【0038】
弁座形成部材4の弁室側端面の外周には、弁座5と同芯の円筒部26が形成されている。その円筒部26の内側にコイルスプリング25の一端を挿入し、その一端を円筒部26の内周面で位置決めして弁座形成部材4で保持している。また、コイルスプリング25の他端をプランジャ6の大径部の弁室側端面に当接させている。
【0039】
このように、コイルスプリング25の一端を弁座5と同芯の円筒部26で位置決めすると、コイルスプリング25の一端の芯出し精度を高めることができる。コイルスプリング25が弁座5と同芯上に位置決めされていると弁体8も弁座5と同芯上に保持され、弁体の周囲に作用する液圧のバランスが崩れ難くなるので、弁体の径方向振動の抑制と作動音の抑制の効果がより高まることが期待できる。
【0040】
さらに、この構造ではコイルスプリング25の力がプランジャ6に対して開弁方向に作用するので、復帰スプリング15の初期荷重をコイルスプリング25の初期荷重よりも大に設定することで復帰スプリング15による閉弁を可能にしている。
【0041】
図1の弁装置に設けたコイルスプリング25は、図3に示すように、軸方向中間部を軸方向両端部よりも小径とし、この小径部を外径ガイド部25aとして働かせるものにしている。このコイルスプリング25を用いると、弁体8の径方向振動の抑制をコイルスプリング25のみで行え、部品数の増加による生産性の悪化やコストアップが抑えられる。
【0042】
そのコイルスプリング25は、図3のように、一端と他端の径を等しくし、さらに、そのスプリングの一端から軸方向中間点までの径変化と、他端から軸方向中間点までの径変化を対称的に生じさせたものを用いると、組み付け時の方向性が無くなって組み付けミスが起こらない。また、プランジャ6に対する外径ガイド部25aの接触領域が小さくなるため、弁体の作動に対する悪影響も出ない。
【0043】
なお、図2に示した外径ガイド部25aのプランジャ6に対する接触点Pは、図のように、弁座5の弁口中心M1cと流路口17の弁室側の開口中心M2cとを結ぶ仮想直線BSLよりも弁座5から離反した位置に設定するのがよい。この条件を満たすものは、弁座5から流路口17に至る間の流路がコイルスプリング25とプランジャ6間の径方向隙間が最も小さくなる外径ガイド部25aによって遮られることが無くなり、減圧制御で流出する流体の移動抵抗の増加が抑制される。
【0044】
なお、図4に示すように、プランジャ6においてコイルスプリング25の内側(外径ガイド部25a)と接触する弁室側小径部6aを樽型(軸方向の中ほどの部分の外径を両端の外径よりも大きくした状態)に形成することもでき、この状態で使用するコイルスプリング25は、径変化のないもの(軸方向の全域にわたり内径が一定のもの)でよい。
【0045】
図5は、増圧用の弁装置に、この発明を適用した例を示している。この図5の弁装置は、弁ブロック1に、常開型のリニア電磁弁2を組み付けて構成されている。この図5の弁装置に採用したリニア電磁弁2は、プランジャ6に磁気吸引力を作用させるステータコア10を弁ブロック1のボアに組み込んでガイドスリーブとして併用している。
【0046】
また、弁体8を駆動するプランジャ6を、ステータコア10の反液室側端面と対向する位置に配置し、そのステータコア10の外周を有底スリーブ27で覆っている。さらに、ステータコア10とプランジャ6との間に、コイル11が通電されていないときに弁体8を開弁位置に戻す復帰スプリング15を配置し、プランジャ6と弁体8との間をステータコア10に貫通させた連結ロッド(これはプランジャの一部と考える)28で繋いでいる。
【0047】
そして、さらに、一端が円筒部26によって位置決めされて弁座形成部材4に保持され、他端がステータコア10に当接されるコイルスプリング25を弁室7に収納し、そのコイルスプリング25の軸方向中間点に設けた外径ガイド部25aを連結ロッド28の外周に接触させて連結ロッド28の径方向振れを防止するようにしており、これにより、連結ロッド28の端部に設けられた弁体8の径方向振動が抑制される。
【0048】
この例でも、外径ガイド部25aは、コイルスプリング25の軸方向中間部を小径にしてその小径部で形成したが、図4のように、連結ロッド28の外周の一部を樽型に膨らませてその外周を直径の一定したコイルスプリングの内径面に接触させるようにしても構わない。
【0049】
図5の電磁弁は、ステータコア10にコイルスプリング25の他端を当接させているので、コイルスプリング25とは別の復帰スプリング15を設けてその復帰スプリング15でプランジャ6を開弁方向に付勢したが、図6に示すような構造にしてコイルスプリング25の力のみでプランジャ6を初期位置に復帰させることもできる。
【0050】
図6の電磁弁2は、ガイドスリーブ3によってガイドされるプランジャ6の弁室側小径部6aに弁室7を臨む段部6bを一体に形成し、その段部6bにコイルスプリング25の他端を当接させている。
【0051】
コイルスプリング25の一端は、弁座形成部材4の弁室側端面に支持されており、コイルスプリング25の外径ガイド部25aは、プランジャ6の弁室側小径部6aの段部6bよりも弁室側の外径がさらに縮められた部分に接触して弁体8の径方向振動を抑制している。
【0052】
この図6の構造によれば、弁体の径方向振動を抑制するコイルスプリング25がプランジャ6を初期位置に復帰させる復帰スプリングを兼ねているため、専用の復帰スプリングを省くことができる。
【0053】
図6の電磁弁のその他の部分は、図1,図5と共通した部材で構成されている。従って、共通した部材に、図1,図5と同一符合を付して説明を省く。
【0054】
なお、ここでの説明は、いずれも、リニア電磁弁を例に挙げて行ったが、この発明は、弁体の作動がその弁体に対向して作用する流体圧の差などによってなされるチェック弁などの非電磁型の弁装置にも適用することができる。リニア電磁弁以外の弁装置も弁体が流体圧で径方向に振動することがあり、この発明を適用することでその振動とそれによる作動音を抑制することが可能になる。
【符号の説明】
【0055】
1 弁ブロック
2 リニア電磁弁
3 ガイドスリーブ
4 弁座形成部材
5 弁座
6 プランジャ
6a 弁室側小径部
6b 段部
7 弁室
8 弁体
9 非磁性体ピース
10 ステータコア
11 コイル
12 ケース
13 磁性体リング
14 吸着防止ピン
15 復帰スプリング
16 連通孔
17 流路口
18 流体導入側の流路
19 流体流出側の流路
20,21 フィルタ
22 ターミナル
23 オリフィス
24 接続流路
25 コイルスプリング
25a 外径ガイド部
26 円筒部
27 有底スリーブ
28 連結ロッド
P 外径ガイド部のプランジャに対する接触点
M1c 弁座の弁口中心
M2c 流路口の弁室側開口中心
BSL 弁座の弁口中心と流路口の弁室側開口中心を結ぶ仮想直線


【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁室(7)に臨ませた弁座(5)と、前記弁室(7)に設けて前記弁座(5)に接離させる弁体(8)と、この弁体(8)と一体的に往復運動する弁体駆動用のプランジャ(6)を備えた弁装置において、
一端が前記弁座(5)を設けた弁座形成部材(4)に保持され、他端が前記弁座形成部材(4)の弁室側端面と対向した部材に当接されるコイルスプリング(25)を設け、そのコイルスプリング(25)の軸方向途中に外径ガイド部(25a)を備えさせ、その外径ガイド部(25a)を前記プランジャ(6)の外周に接触させたことを特徴とする弁装置。
【請求項2】
前記コイルスプリング(25)の軸方向中間部を軸方向両端部よりも小径とし、この小径部を前記外径ガイド部(25a)とした請求項1に記載の弁装置。
【請求項3】
前記コイルスプリング(25)の一端と他端の径を等しくし、さらに、そのスプリングの一端から軸方向中間点までの径変化と、他端から軸方向中間点までの径変化を対称的に生じさせた請求項1又は2に記載の弁装置。
【請求項4】
前記弁座形成部材(4)の弁室側端面の周囲に前記弁座(5)と同芯の円筒部(26)を形成し、その円筒部(26)の内側に前記コイルスプリング(25)の一端を挿入してその一端を前記円筒部(26)の内周面で前記弁座と同軸上に位置決めした請求項1〜3のいずれかに記載の弁装置。
【請求項5】
前記外径ガイド部(25a)の前記プランジャ(6)の外周に対する接触点(P)を、前記弁座(5)の弁口中心(M1c)と前記弁室(7)の内周面に開口した流路口(17)の弁室側開口中心(M2c)とを結ぶ仮想直線(BSL)よりも前記弁座(5)から離反した位置に設定した請求項1〜4のいずれかに記載の弁装置。
【請求項6】
前記プランジャ(6)を初期位置に復帰させる復帰スプリング(15及び/若しくは25)を備え、その復帰スプリング(15及び/若しくは25)が前記プランジャ(6)と弁体(8)を閉弁方向又は開弁方向に付勢している請求項1〜5のいずれかに記載の弁装置。
【請求項7】
前記弁座形成部材(4)の弁室側端面と対向した部材が前記プランジャ(6)であり、前記コイルスプリング(25)の他端がそのプランジャ(6)に当接し、前記復帰スプリング(15)は、初期荷重が前記コイルスプリング(25)の初期荷重よりも大きく、この復帰スプリング(15)が前記コイルスプリング(25)によるプランジャ付勢方向に対向して前記プランジャ(6)を閉弁方向に付勢している請求項6に記載の弁装置。
【請求項8】
前記弁座形成部材(4)の弁室側端面と対向した部材が前記プランジャ(6)に磁気吸引力を作用させる電磁弁のステータコア(10)であり、そのステータコア(10)に前記コイルスプリング(25)の他端が当接し、前記プランジャ(6)は、前記ステータコア(10)の磁気吸引力によって閉弁方向に付勢されるように配置され、前記復帰スプリング(15)は、前記プランジャ(6)を開弁方向に付勢している請求項6に記載の弁装置。
【請求項9】
前記弁座形成部材(4)の弁室側端面と対向した部材が前記プランジャ(6)であり、そのプランジャ(6)に前記コイルスプリング(25)の他端が当接し、前記プランジャ(6)は、そのプランジャ(6)に作用させる電磁弁のステータコア(10)の磁気吸引力によって閉弁方向に付勢されるように配置され、前記復帰スプリングが前記コイルスプリング(25)で構成されてそのコイルスプリング(25)が前記プランジャ(6)を開弁方向に付勢している請求項6に記載の弁装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−172717(P2012−172717A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−33197(P2011−33197)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【出願人】(301065892)株式会社アドヴィックス (1,291)
【Fターム(参考)】