説明

弁閉鎖ユニット及びそれを備えた反応装置

【課題】弁閉鎖ユニット及びそれを備えた反応装置を提供する。
【解決手段】常温で固体の相転移物質及び相転移物質内に分散され、外部からの電磁波の照射による電磁気波エネルギーを吸収して発熱する複数の微細発熱粒子を含んでなる充填物が充填された充填物チャンバと、充填物チャンバとチャンネルを連結する連結通路と、充填物に電磁波を照射するための外部エネルギー源と、を備えており、外部エネルギー源からの電磁波の照射によって発熱した複数の微細発熱粒子は、相転移物質を溶融及び膨脹させることによって充填物を膨張させ、膨張した充填物は、連結通路を通ってチャンネルに流入してチャンネルを閉鎖することを特徴とする弁閉鎖ユニット及びそれを備えた反応装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体の流動を遮断するためのチャンネルを適時閉鎖することができる弁閉鎖ユニット及びそれを備えた反応装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、リシス反応(Lysis Reaction)、PCR反応(Polymerase Chain Reaction)のような生化学反応に使われる基板(言い換えれば、チップ)には、流体の流路となるマイクロチャンネルが形成されている。生化学反応中に流体の蒸発や流動を防止するために、前記マイクロチャンネルは、適時閉鎖されねばならず、このために弁閉鎖ユニットが設けられる。
【0003】
図1は、従来の弁閉鎖ユニットの一例を示す平面図であって、非特許文献1において公知にされたものである。
【0004】
図1を参照すれば、従来の弁閉鎖ユニット10は、基板11に形成されたチャンネル12と、前記チャンネル12に連結されるエアポンプ15と、前記エアポンプ15とチャンネル12の連結通路16に設けられたパラフィンワックスPと、を備えている。また、前記エアポンプ15とパラフィンワックスPを加熱するために基板11に装着され加熱板20を備えている。パラフィンワックスPは、前記加熱板20の発熱によって溶融して流動可能になると、エアポンプ15内部の空気膨脹によってチャンネル12側に押され、二点鎖線で図示されたようにチャンネル12を閉鎖する。一方、反応チャンバ13は、流体の生化学反応が主に発生する場所である。
【0005】
しかし、前記従来の弁閉鎖ユニット10は、エアポンプ15と加熱板20が基板11に設けられるので、基板11を小型化及び集積化するのが困難であるという問題点がある。また、加熱によってパラフィンワックスPがチャンネル12に移動した後に再び凝固してチャンネル12を閉鎖するまでは長時間かかるため、チャンネル12を閉鎖するタイミングを精密に制御することが困難であるという問題点もある。
【非特許文献1】「Analytical Chemistry Vol.76」、2004年発行、p.1824〜1831
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記問題点を解決するためのものであり、生化学反応用の基板の小型化及び集積化が容易になるように改善された弁閉鎖ユニット及びそれを備えた反応装置を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、レーザのような電磁波の照射によってチャンネル閉鎖が誘発される弁閉鎖ユニット及びそれを備えた反応装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために本発明は、常温で固体の相転移物質、及び前記相転移物質内に分散され、外部からの電磁波の照射による電磁気波のエネルギーを吸収して発熱する複数の微細発熱粒子を含んでなる充填物が充填された充填物チャンバと、前記充填物チャンバと流体の流路となるチャンネルを連結するための連結通路と、を備えており、電磁波エネルギーを吸収して発熱された前記複数の微細発熱粒子は、電磁波のエネルギーを吸収して発熱すると、前記相転移物質を溶融及び膨脹させることにより前記充填物を膨張させ、膨張した前記充填物は、前記連結通路を通って前記チャンネルに流入することにより前記チャンネルを閉鎖することを特徴とする弁閉鎖ユニット及びそれを備えた反応装置を提供する。
【0009】
望ましくは、前記弁閉鎖ユニットは、前記充填物に電磁波を照射するための外部エネルギー源をさらに含みうる。
【0010】
望ましくは、前記外部エネルギー源は、レーザを照射するレーザ光源を含みうる。
【0011】
望ましくは、前記レーザ光源は、レーザダイオード(Laser Diode:LD)を含みうる。
【0012】
望ましくは、前記レーザ光源から照射されるレーザは、少なくとも1mJ/パルスのエネルギーを有するパルス電磁波でありうる。
【0013】
望ましくは、前記レーザ光源から照射されるレーザは、少なくとも10mWの出力を有する連続的な電磁波でありうる。
【0014】
望ましくは、前記レーザ光源から照射されるレーザの波長は、750〜1300nmの範囲でありうる。
【0015】
望ましくは、前記微細発熱粒子の直径は、1nm〜100μmの範囲内でありうる。
【0016】
望ましくは、前記微細発熱粒子は、疎水性キャリアオイル内に分散されうる。
【0017】
望ましくは、前記微細発熱粒子は、強磁性物質または金属酸化物を成分として含みうる。
【0018】
望ましくは、前記金属酸化物は、Al2O3、TiO2、Ta2O3、Fe2O3、Fe3O4及び、HfO2からなる群から選択される少なくとも一種を含みうる。
【0019】
望ましくは、前記微細発熱粒子は、重合体粒子、量子ドット及び磁性ビーズからなる群から選択される少なくとも一種の粒子形態を有しうる。
【0020】
望ましくは、前記磁性ビーズは、Fe、Ni、Cr及び、これらの酸化物からなる群から選択される少なくとも一種を成分として含みうる。
【0021】
望ましくは、前記相転移物質は、ワックス、ゲル、熱可塑性樹脂からなる群から選択される少なくとも一種でありうる。
【0022】
望ましくは、前記ワックスは、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、合成ワックス、及び天然ワックスからなる群から選択される少なくとも一種でありうる。
【0023】
望ましくは、前記ゲルは、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート及び、ポリビニルアミドからなる群から選択される少なくとも一つでありうる。
【0024】
望ましくは、前記熱可塑性樹脂は、COC、PMMA、PC、PS、POM、PFA、PVC、PP、PET、PEEK、PA、PSU及び、PVDFからなる群から選択される少なくとも一種でありうる。
【0025】
望ましくは、前記弁閉鎖ユニットの前記連結通路上には、前記充填物の前記チャンネルへの流入を抑制するためのバッファチャンバをさらに備えうる。
【0026】
望ましくは、前記充填物チャンバ及び前記連結通路は、反応チャンバの一側に連結される流体チャンネルと、他側に連結される流体チャンネルをそれぞれ閉鎖するために、一対ずつ備えられうる。
【0027】
望ましくは、前記基板は、相互にボンディングされた下部プレート及び上部プレートから形成されうる。
【0028】
望ましくは、前記下部プレートと上部プレートは、接着剤または超音波融着によってボンディングされうる。
【0029】
望ましくは、前記流体チャンネル、反応チャンバ、充填物チャンバ、及び連結通路は、前記下部プレート及び上部プレートのどちらか一方に形成されうる。
【0030】
望ましくは、前記基板には、前記流体チャンネルに流体を注入するための流体ホールと、前記充填物チャンバに充填物を注入するための充填物ホールが形成されうる。
【0031】
望ましくは、前記基板の少なくとも一部分は、電磁波が透過できるように透明でありうる。
【0032】
また、本発明は、常温で固体の相転移物質を含んでなる充填物が充填された充填物チャンバと、前記充填物チャンバとチャンネルを連結するための連結通路と、を備えており、前記相転移物質は、電磁波のエネルギーを吸収して溶融すると、前記充填物を前記連結通路を通って前記チャンネルに流入させることにより前記チャンネルを閉鎖することを特徴とする弁閉鎖ユニット及びそれを備えた反応装置を提供する。
【0033】
望ましくは、前記弁閉鎖ユニットは、前記充填物に電磁波を照射するための外部エネルギー源をさらに含みうる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、従来技術とは異なり、生化学反応用基板にはエアポンプも加熱板も含まれていないので、生化学反応用基板の小型化及び集積化が容易になる。
【0035】
また、レーザのような電磁波の照射によってチャンネル閉鎖が誘発されるので、迅速なチャンネル閉鎖が可能となり、チャンネル閉鎖タイミングの精密な制御を容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、添付された図面を参照して、本発明の望ましい実施形態による弁閉鎖ユニット及びそれを備えた反応装置を詳細に説明する。
【0037】
図2は、本発明の第1実施形態による弁閉鎖ユニット及びそれを備えた反応装置を示す斜視図であり、図3は、図2のIII−III線に沿った断面図である。
【0038】
図2及び図3を参照すれば、本発明の反応装置100Aは、生化学反応用の流体の流路となる流体チャンネル111、及び前記流体チャンネル111上の反応チャンバ113が形成された基板101と、前記流体チャンネル111を適時閉鎖するための弁閉鎖ユニット110Aとを備えている。前記反応チャンバ113は流体の生化学反応が主に発生する場所であり、そこで生化学反応を観察できる。
【0039】
前記基板101は、接着剤によって相互にボンディングされた下部プレート102と上部プレート105とで形成されている。前記下部プレート102には、前記流体チャンネル111と反応チャンバ113が形成される。前記上部プレート105には、前記流体チャンネル111に流体を注入するための流体ホール115,116と、流体チャンネル111及び反応チャンバ113内でのバブルの発生を防止するためのベントホール117,118とが形成される。
【0040】
接着剤チャンネル131は、接着剤Aの流路となるチャンネルであって、下部プレート102に形成される。前記上部プレート105には、前記接着剤チャンネル131に接着剤Aを注入するための接着剤ホール132,133が形成されている。前記接着剤ホール132,133の片方に接着剤Aを注入すると、もう片方の接着剤ホールから空気が排出さると同時に、接着剤Aが接着剤チャンネル131内に注入される。一定時間経過後に接着剤Aが硬化すると、下部及び上部プレート102,105が互いに接着される。接着剤チャンネル134、141及び146も、接着剤Aの流路となるチャンネルであって下部プレート102に形成される。接着剤ホール135及び136は、接着剤チャンネル134に接着剤Aを注入するためのホールであり、接着剤ホール142、143及び144は、接着剤チャンネル141に接着剤Aを注入するためのホールであり、接着剤ホール147、148及び149は、接着剤チャンネル146に接着剤を注入するためのホールである。
【0041】
前記弁閉鎖ユニット110Aは、第1及び第2充填物チャンバ120A,125Aと、第1及び第2連結通路122A,127Aと、前記第1及び第2充填物チャンバ120A,125Aに電磁波を照射するための外部エネルギー源の一例としてのレーザ光源150とを備えている。前記充填物チャンバ120A,125Aは、基板101の下部プレート102に形成されており、その内部には弁を閉鎖するための充填物Mが充填されている。前記上部プレート105には、前記充填物チャンバ120A,125Aに充填物Mを注入するための第1及び第2充填物ホール121A,126Aがそれぞれ形成されている。
【0042】
前記第1連結通路122Aは、第1充填物チャンバ120Aと流体チャンネル111を連結するためのものであり、第2連結通路127Aは、第2充填物チャンバ125Aと流体チャンネル111を連結するためものであり、これらはいずれも基板101の下部プレート102に形成される。前記第1充填物チャンバ120A及び第1連結通路122Aは、反応チャンバ113の一側に連結される流体チャンネルを閉鎖するために設けられており、前記第2充填物チャンバ125A及び第2連結通路127Aは、反応チャンバ113の他側に連結される流体チャンネルを閉鎖するために設けられている。
【0043】
基板101の上方のレーザ光源150から照射されたレーザが第1充填物チャンバ120Aまたは第2充填物チャンバ125Aを透過するためには、上部プレート105の全面、または少なくとも第1充填物チャンバ120A及び第2充填物チャンバ125Aに対応する部分は透明でなければならない。したがって、上部プレート105は、ガラスまたは透明なプラスチックで形成されることが望ましい。前記下部プレート102も上部プレート105と同じ材質で形成されうる。一方、下部プレート102が、熱伝導性に比較的優れたシリコン(Si)材質で形成されれば、PCRのようにサーマルサイクリングが要求される反応を迅速かつ確実に行えるようになる。
【0044】
前記充填物Mは、常温で固体の相転移物質と、前記相転移物質内に均一に分散された複数の微細発熱粒子とを含んでなる。前記相転移物質としては、例えばワックスが採用されうる。前記ワックスは、加熱されると溶融して液体状態に変化し、その体積が膨脹する。前記ワックスとしては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、合成ワックス、または天然ワックスが採用されうる。
【0045】
一方、前記相転移物質は、ゲルまたは熱可塑性樹脂でもありうる。前記ゲルとしては、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、またはポリビニルアミドが採用されうる。また、前記熱可塑性樹脂としては、COC(Cyclic Olefin Copolymer)、PMMA(Polymethylmethacrylate (acrylic))、PC(Polycarbonate)、PS(Polystyrene)、POM(Polyacetal Engineering Polymers)、PFA(Perfluoroalkoxy)、PVC(Polyvinylchloride)、PP(Polypropylene)、PET(Polyethylene Terephthalate)、PEEK(Polyetheretherketone)、PA(Polyamide)、PSU(Polysulfone)、またはPVDF(Polyvinylidene Difluoride)が採用されうる。
【0046】
前記微細発熱粒子は、幅が数千μmの連結通路第1及び第2連結通路122A,127Aを自由に通過できるように直径が1nm〜100μmの範囲内とされる。前記微細発熱粒子は、例えば、レーザのような電磁波が照射されるとその輻射エネルギーによって発熱して温度が急上昇する性質を有する。また、前記微細発熱粒子は、ワックス内に均一に分散される性質を有する。このような性質を有するために前記微細発熱粒子は、金属成分を含むコアと、疎水性の表面構造とを有しうる。例えば、前記微細発熱粒子は、Feからなるコアと、前記Feを包み込むように前記Feに結合された複数の界面活性成分を含む表面構造とを有しうる。
【0047】
通常、前記微細発熱粒子は、キャリアオイル内に分散された状態で保管される。疎水性の表面構造を有する前記微細発熱粒子が均一に分散されるように、キャリアオイルも疎水性であることが望ましい。ワックスに前記微細発熱粒子が分散されたキャリアオイルを注いで混合することによって充填物Mを製造しうる。前記微細発熱粒子の粒子形態は、一例として重合体の形態でありうるが、必ずしもこれに限定されず、量子ドットまたは磁性ビーズの形態であってもよい。
【0048】
図4は、純粋なパラフィンワックスと、レーザ照射によって発熱する微細発熱粒子が含まれたパラフィンワックスのそれぞれにレーザを照射した場合の融点到達時間を示したグラフである。
【0049】
図4を参照すれば、実線で示されたグラフが純粋(純度100%)なパラフィンワックスの温度を示すグラフであり、点線で示されたグラフが平均直径10nmの微細発熱粒子が分散されたキャリアオイルとパラフィンワックスとが1対1の割合で混合された50%不純物(微細発熱粒子)のパラフィンワックスの温度を示すグラフであり、二点鎖線で示されたグラフは、平均直径10nmの微細発熱粒子が分散されたキャリアオイルとパラフィンワックスとが1:4の割合で混合された20%不純物(微細発熱粒子)のパラフィンワックスの温度を示すグラフである。808nmの波長を有するレーザが実験に使われた。パラフィンワックスの融点は、約68〜74℃である。図4を参照すれば、純粋なパラフィンワックスは、レーザ照射後に20秒以上経過して初めて融点に到達する((ii)参照)。一方、50%不純物(微細発熱粒子)のパラフィンワックス及び20%不純物(微細発熱粒子)のパラフィンワックスは、レーザ照射後に急速に加熱され、約5秒後に融点に到達することが確認できる((i)参照)。
【0050】
図2及び図3を再び参照すれば、微細発熱粒子は、例えば、Fe、Ni、Co、またはこれらの酸化物のような強磁性物質を成分として含みうる。また、Al2O3、TiO2、Ta2O3、Fe2O3、Fe3O4または、HfO2などの金属酸化物を成分として含んでもよい。このように微細発熱粒子に強磁性物質が含まれている場合、微細発熱粒子の位置は、磁石を利用して容易に調整されうる。したがって、充填物ホール121A,126Aに充填物Mを注入した後、基板101の外部から磁石を利用して前記充填物Mを流体チャンネル111の閉鎖にさらに適した位置に移動させることができる。
【0051】
前記レーザ光源150はLD(Laser Diode)を備えうる。レーザ光源150としては、パルスレーザ照射の場合には少なくとも1mJ/パルスのエネルギーを有するパルスレーザを照射可能であり、連続的なレーザ照射の場合には少なくとも10mWの出力を有する連続的なレーザを照射可能であるレーザ光源ならば、いかなるものであっても採用されうる。図2及び図3に示されてはいないが、前記反応装置100Aは、図示されたレーザ光源150以外に第2充填物チャンバ125Aに向けてレーザを照射する他のレーザ光源をさらに備えていてもよく、図示されたレーザ光源150の光路をそれが第2充填物チャンバ125Aに向かうように変更する光路変更手段(例えば、一つ以上のミラー)をさらに備えてもよい。
【0052】
本発明の発明者は、前記弁閉鎖ユニット110Aの動作を確認するための試験を実施した。図5A、図5B及び、図5Cは、その結果を時系列に示す写真である。
【0053】
図5Aを参照すれば、第1充填物チャンバ120A及び第2充填物チャンバ125Aには、黒色の充填物Mが注入されている。前記充填物Mは、平均直径10nmの微細発熱粒子が分散されたキャリアオイルとパラフィンワックスとが1:1の割合で混合された50%不純物(微細発熱粒子)のパラフィンワックスである。図5Bを参照すれば、前記第1充填物チャンバ120Aに1.5W出力の連続波動レーザを照射すると、前記第1充填物チャンバ120A内部の充填物Mは、急速に加熱されて爆発的に膨脹し、第1連結通路122Aを通過して流体チャンネル111に流入する。流体チャンネル111に流入した充填物Mは、レーザ照射が中断されると急速に冷却されて固化し、それによって反応チャンバ113の一側の流体チャンネル111を閉鎖する。
【0054】
図5Cを参照すれば、前記第2充填物チャンバ125Aに出力1.5Wの連続的なレーザを照射すれと、前記第2充填物チャンバ125Aの内部の充填物Mは、急速に加熱されて爆発的に膨脹し、第2連結通路127Aを通過して流体チャンネル111に流入する。流体チャンネル111に流入した充填物Mは、レーザ照射の中断により急速に冷却されて固化し、反応チャンバ113の他側の流体チャンネル111を閉鎖する。流体チャンネル111の閉鎖後に反応チャンバ113の内部の緑色流体にレーザを40秒間照射してリシス反応を誘導することによって、閉鎖された流体チャンネル111への漏れを確認したところ、漏れは確認されなかった。
【0055】
図6は、本発明の第2実施形態による弁閉鎖ユニット及びそれを備えた反応装置を示す斜視図であり、図7は、本発明の第3実施形態による弁閉鎖ユニット及びそれを備えた反応装置を示す斜視図である。本発明の第2及び第3実施形態による弁閉鎖ユニット110B,110Cと反応装置100B,100Cとは、図2及び図3に示された第1実施形態による弁閉鎖ユニット110A及び、反応装置100Aと類似している。したがって、以下では、前記第1実施形態と異なる点を中心に第2実施形態及び第3実施形態を説明する。
【0056】
図6を参照すれば、本発明の第2実施形態による反応装置100Bは、生化学反応用の流体の流路となる流体チャンネル111及び前記流体チャンネル111上の反応チャンバ113が形成された基板101と、前記流体チャンネル111を適時閉鎖するための弁閉鎖ユニット110Bとを備えている。前記基板101は、接着剤によって相互にボンディングされた下部プレート102と上部プレート105とで形成されている。
【0057】
前記下部プレート102には、前記流体チャンネル111と反応チャンバ113が形成されており、前記上部プレート105には、前記流体チャンネル111に流体を注入するための流体ホール115,116と、流体チャンネル111及び反応チャンバ113内でのバブルの生成を防止するためのベントホール117,118が形成される。接着剤チャンネル131、134、141及び146は、接着剤の流路となるチャンネルであって、下部プレート102に形成されており、これらに接着剤を注入するための接着剤ホール132、133、135、136、142、143、144、147、148及び149は、上部プレート105に形成されている。
【0058】
一方、図7を参照すれば、本発明の第3実施形態による反応装置100Cにおいて、下部プレート102と上部プレート105は、超音波融着によって相互にボンディングされる。したがって、前記反応装置100Cの基板101には、接着剤の流路となる接着剤チャンネルと接着剤を注入するための接着剤ホールとが備えられていない。
【0059】
また、図6を参照すれば、弁閉鎖ユニット110Bは、第1及び第2充填物チャンバ120B,125Bと、第1及び第2連結通路122B,127Bと、第1及び第2バッファチャンバ123B,128Bと、レーザ光源150とを備えている。前記充填物チャンバ120B,125Bは、下部プレート102に形成されており、その内部には充填物M(図3を参照)が充填されている。前記上部プレート105には、前記充填物チャンバ120B,125Bに充填物Mを注入するための充填物ホール121B,126Bがそれぞれ形成されている。
【0060】
前記第1連結通路122Bは、第1充填物チャンバ120Bと流体チャンネル111を連結するためのものであり、第2連結通路127Bは、第2充填物チャンバ125Bと流体チャンネル111を連結するためのものであり、それぞれ下部プレート102に形成されている。前記第1バッファチャンバ123Bは、第1充填物チャンバ120Bと流体チャンネル111の間の第1連結通路122B上に設けられており、第2バッファチャンバ128Bは、第2充填物チャンバ125Bと流体チャンネル111の間の第2連結通路127B上に設けられている。前記第1及び第2バッファチャンバ123B,128Bは、下部プレート102に形成されており、上部プレート105の第1及び第2バッファチャンバ123B,128Bに対応する部分には、空気排出のためのベントホール124B,129Bが形成されている。前記バッファチャンバ123B,128Bは、第1及び第2充填物チャンバ120B,125Bに注入される充填物Mの注入量の許容誤差を拡大し、基板101の保管または運搬中における充填物Mの流体チャンネル111への流入を抑制して、基板101の不良を防止する効果がある。
【0061】
前記第1充填物チャンバ120B、第1バッファチャンバ123B及び第1連結通路122Bは、反応チャンバ113の一側に連結される流体チャンネル111を閉鎖するためのものであり、前記第2充填物チャンバ125B、第2バッファチャンバ128B及び第2連結通路127Bは、反応チャンバ113の他側に連結される流体チャンネル111を閉鎖するためのものである。一方、充填物M及びレーザ光源150には、本願発明の第1実施形態による弁閉鎖ユニット110Aについての説明で詳細に言及したので、ここでその説明を省略する。
【0062】
前記反応装置100Bは、前記基板101を支持し、矢印R方向に高速回転するターンテーブル160をさらに備える。前記ターンテーブル160に支持されて回転する基板101には、矢印C方向に遠心力が作用し、この遠心力によって第1及び第2充填物チャンバ120B,125Bに充填された充填物Mは流体チャンネル111に向かって移動される。前記ターンテーブル160は、基板101を高速回転させる回転手段の一例であって、前記回転手段は、図示されたターンテーブル160に限定されない。
【0063】
一方、図7を再び参照すれば、本発明の第3実施形態による反応装置100Cに備えられた第1及び第2弁閉鎖ユニット110C,110C´も、第1及び第2充填物チャンバ120C,125Cと、第1及び第2連結通路122C,127Cと、第1及び第2バッファチャンバ123C,128Cと、レーザ光源150と、を備えている。第1及び第2充填物ホール121C,126Cは、第1及び第2充填物チャンバ120C,125Cに充填物M(図3を参照)を注入するためのホールであり、第1及び第2ベントホール124C,129Cは、空気排出ためのホールである。
【0064】
前記第1充填物チャンバ120C、第1バッファチャンバ123C及び第1連結通路122Cは、反応チャンバ113の一側に連結される流体チャンネル111を閉鎖するためのものであり、前記第2充填物チャンバ125C、第2バッファチャンバ128C及び第2連結通路127Cは、反応チャンバ113の他側に連結される流体チャンネル111を閉鎖するためのものである。前記反応装置100Cも、前記基板101を支持し、矢印R方向に高速回転するターンテーブル160をさらに備える。
【0065】
本発明の発明者は、本発明の第2実施形態による弁閉鎖ユニット110Bの動作を確認するための試験を実施した。図8Aないし図8Dは、その結果を順次に示された写真である。
【0066】
図8Aを参照すれば、第1充填物チャンバ120Bと第2充填物チャンバ125Bには、黒色の充填物Mが注入されている。前記充填物Mは、平均直径10nmの微細発熱粒子が分散されたキャリアオイルとパラフィンワックスが1:1の割合で混合された50%不純物(微細発熱粒子)のパラフィンワックスである。前記第1充填物チャンバ120Bに1.5W出力の連続的なレーザを1秒間照射し、基板101(図6を参照)を3000rpmの角速度で数秒間回転させると、第1充填物チャンバ120B内の充填物Mが溶融・膨脹し、遠心力によって移動される。これにより、前記充填物Mが、図8Aに示されたように、第1バッファチャンバ123Bを通過し、図8Bに示されたように、流体チャンネル111に流入する。流体チャンネル111に流入した前記充填物Mは、急速に冷却されて固化することによって、反応チャンバ113の一側の流体チャンネル111を閉鎖する。
【0067】
前記第2充填物チャンバ125Bに1.5W出力の連続波動レーザを1秒間照射し、再び基板101(図6を参照)を3000rpmの角速度で数秒間回転させると、第2充填物チャンバ125Bの充填物Mが溶融・膨脹し、遠心力によって移動される。これにより、前記充填物Mが、図8Cに示されたように第2バッファチャンバ128Bを通過し、図8Dに示されたように流体チャンネル111に流入する。流体チャンネル111に流入した前記充填物Mは、急速に冷却されて固化することによって、反応チャンバ113の他側の流体チャンネル111を閉鎖する。流体チャンネル111の閉鎖後に前記基板101を3000rpmの角速度で再び回転させて、閉鎖された流体チャンネル111への漏れを調べたところ、漏れは確認されなかった。
【0068】
一方、微細発熱粒子を含んでおらず相転移物質のみからなる充填物に電磁気波を照射して前記充填物を溶融させることによってチャンネルを閉鎖できるように構成された弁閉鎖ユニット及びそれを備えた反応装置も本発明に含まれる。
【0069】
本発明は、図面に示した実施形態を参照して説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であることを理解できるだろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決定されなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、弁閉鎖ユニット及びそれを備えた反応装置関連の技術分野に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】従来の弁閉鎖ユニットの一例を示す平面図である。
【図2】本発明の第1実施形態による弁閉鎖ユニットとそれを備えた反応装置とを示す斜視図である。
【図3】図2のIII−III線に沿った断面図である。
【図4】純粋なパラフィンワックスと、レーザ照射によって発熱する微細発熱粒子が含まれたパラフィンワックスにそれぞれレーザを照射した時の融点到達時間を示したグラフである。
【図5A】図2の弁閉鎖ユニットの動作を試験した結果を時系列に示す写真である。
【図5B】図2の弁閉鎖ユニットの動作を試験した結果を時系列に示す写真である。
【図5C】図2の弁閉鎖ユニットの動作を試験した結果を時系列に示す写真である。
【図6】本発明の第2実施形態による弁閉鎖ユニットとそれを備えた反応装置とを示す斜視図である。
【図7】本発明の第3実施形態による弁閉鎖ユニットとそれを備えた反応装置とを示す斜視図である。
【図8A】図6の弁閉鎖ユニットの動作を試験した結果を時系列に示す写真である。
【図8B】図6の弁閉鎖ユニットの動作を試験した結果を時系列に示す写真である。
【図8C】図6の弁閉鎖ユニットの動作を試験した結果を時系列に示す写真である。
【図8D】図6の弁閉鎖ユニットの動作を試験した結果を時系列に示す写真である。
【符号の説明】
【0072】
100A 反応装置、
101 基板、
102 下部プレート、
105 上部プレート、
110A 弁閉鎖ユニット、
111 流体チャンネル、
113 反応チャンバ、
115 流体ホール、
116 流体ホール、
117 ベントホール、
118 ベントホール、
120A 第1充填物チャンバ、
121A 第1充填物ホール、
122A 第1連絡通路、
125A 第2充填物チャンバ、
126A 第2充填物ホール、
127A 第2連結通路、
131 接着剤チャンネル、
132 接着剤ホール、
133 接着剤ホール、
134 接着剤チャンネル、
135 接着剤ホール、
136 接着剤ホール、
141 接着剤チャンネル、
142 接着剤ホール、
143 接着剤ホール、
144 接着剤ホール、
146 接着剤チャンネル
147 接着剤ホール、
148 接着剤ホール、
149 接着剤ホール、
150 レーザ光源。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
常温で固体の相転移物質、及び前記相転移物質内に分散され、電磁波のエネルギーを吸収して発熱する複数の微細発熱粒子を含んでなる充填物が充填された充填物チャンバと、
前記充填物チャンバと流体の流路となるチャンネルを連結するための連結通路と、を備えており、
前記複数の微細発熱粒子は、電磁波のエネルギーを吸収して発熱すると、前記相転移物質を溶融及び膨脹させることにより前記充填物を膨張させ、
膨張した前記充填物は、前記連結通路を通って前記チャンネルに流入することより前記チャンネルを閉鎖することを特徴とする弁閉鎖ユニット。
【請求項2】
前記弁充填物に電磁波を照射するための外部エネルギー源をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の弁閉鎖ユニット。
【請求項3】
前記外部エネルギー源は、レーザを照射するレーザ光源を含むことを特徴とする請求項2に記載の弁閉鎖ユニット。
【請求項4】
前記レーザ光源は、レーザダイオードを含むことを特徴とする請求項3に記載の弁閉鎖ユニット。
【請求項5】
前記レーザ光源から照射されるレーザは、少なくとも1mJ/パルスのエネルギーを有するパルス電磁波であることを特徴とする請求項3に記載の弁閉鎖ユニット。
【請求項6】
前記レーザ光源から照射されるレーザは、少なくとも10mWの出力を有する連続的な電磁波であることを特徴とする請求項3に記載の弁閉鎖ユニット。
【請求項7】
前記レーザ光源から照射されるレーザの波長は、750〜1300nmの範囲内であることを特徴とする請求項3に記載の弁閉鎖ユニット。
【請求項8】
前記微細発熱粒子の直径は、1nm〜100μmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の弁閉鎖ユニット。
【請求項9】
前記微細発熱粒子は、疎水性のキャリアオイル内に分散されていることを特徴とする請求項8に記載の弁閉鎖ユニット。
【請求項10】
前記微細発熱粒子は、強磁性物質または金属酸化物を成分として含むことを特徴とする請求項1に記載の弁閉鎖ユニット。
【請求項11】
前記金属酸化物は、Al2O3、TiO2、Ta2O3、Fe2O3、Fe3O4及び、HfO2からなる群から選択される少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項10に記載の弁閉鎖ユニット。
【請求項12】
前記微細発熱粒子は、重合体粒子、量子ドット、及び磁性ビーズからなる群から選択される少なくとも一種の粒子形態を有することを特徴とする請求項1に記載の弁閉鎖ユニット。
【請求項13】
前記磁性ビードは、Fe、Ni、Cr及び、これらの酸化物からなる群から選択される少なくとも一種を成分として含むことを特徴とする請求項12に記載の弁閉鎖ユニット。
【請求項14】
前記相転移物質は、ワックス、ゲル、熱可塑性樹脂からなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の弁閉鎖ユニット。
【請求項15】
前記ワックスは、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、合成ワックス、及び天然ワックスからなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項14に記載の弁閉鎖ユニット。
【請求項16】
前記ゲルは、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート及び、ポリビニルアミドからなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項14に記載の弁閉鎖ユニット。
【請求項17】
前記熱可塑性樹脂は、COC、PMMA、PC、PS、POM、PFA、PVC、PP、PET、PEEK、PA、PSU及び、PVDFからなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項14に記載の弁閉鎖ユニット。
【請求項18】
前記連結通路上には、前記充填物の前記チャンネルへの流入を抑制するためのバッファチャンバがさらに備えられていることを特徴とする請求項1に記載の弁閉鎖ユニット。
【請求項19】
流体の流路となる流体チャンネル、及び前記流体チャンネル上に設けられた反応チャンバが形成された基板と、
前記流体チャンネルを適時閉鎖するための弁閉鎖ユニットと、を備えた反応装置において、
前記弁閉鎖ユニットは、前記基板上に備えられており、常温で固体である相転移物質、及び前記相転移物質内に分散された、電磁気波エネルギーを吸収して発熱する複数の微細発熱粒子を含んでなる充填物が充填された充填物チャンバと、前記基板上に備えられており、前記充填物チャンバ及び前記流体チャンネルを連結するための連結通路と、を備えており、
前記複数の微細発熱粒子は、電磁気波エネルギーを吸収して発熱すると、前記相転移物質を溶融・膨脹させることにより前記充填物を溶融・膨張させ、
膨張した前記充填物は、前記連結通路を通って前記流体チャンネルに流入することにより前記流体チャンネルを閉鎖することを特徴とする反応装置。
【請求項20】
前記充填物に電磁波を照射するための外部エネルギー源をさらに含むことを特徴とする請求項19に記載の反応装置。
【請求項21】
前記外部エネルギー源は、レーザを照射するレーザ光源を含むことを特徴とする請求項20に記載の反応装置。
【請求項22】
前記レーザ光源は、レーザダイオードを含むことを特徴とする請求項21に記載の反応装置。
【請求項23】
前記レーザ光源から照射されるレーザは、少なくとも1mJ/パルスのエネルギーを有するパルス電磁波であることを特徴とする請求項21に記載の反応装置。
【請求項24】
前記レーザ光源から照射されるレーザは、少なくとも10mWの出力を有する連続的な電磁波であることを特徴とする請求項21に記載の反応装置。
【請求項25】
前記レーザ光源から照射されるレーザの波長は、750〜1300nmの範囲内であることを特徴とする請求項21に記載の反応装置。
【請求項26】
前記微細発熱粒子の直径は、1nm〜100μmの範囲内であることを特徴とする請求項19に記載の反応装置。
【請求項27】
前記微細発熱粒子は、疎水性のキャリアオイル内に分散されていることを特徴とする請求項19に記載の反応装置。
【請求項28】
前記微細発熱粒子は、強磁性物質または金属酸化物を成分として含むことを特徴とする請求項19に記載の反応装置。
【請求項29】
前記金属酸化物は、Al2O3、TiO2、Ta2O3、Fe2O3、Fe3O4及び、HfO2からなる群から選択される少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項28に記載の反応装置。
【請求項30】
前記微細発熱粒子は、重合体粒子、量子ドット、及び磁性ビーズからなる群から選択される少なくとも一種の粒子形態を有することを特徴とする請求項19に記載の反応装置。
【請求項31】
前記磁性ビードは、Fe、Ni、Cr及び、これらの酸化物からなる群から選択される少なくとも一種を成分として含むことを特徴とする請求項30に記載の反応装置。
【請求項32】
前記相転移物質は、ワックス、ゲル、熱可塑性樹脂からなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項19に記載の反応装置。
【請求項33】
前記ワックスは、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、合成ワックス、及び天然ワックスからなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項32に記載の反応装置。
【請求項34】
前記ゲルは、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート及び、ポリビニルアミドからなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項32に記載の反応装置。
【請求項35】
前記熱可塑性樹脂は、COC、PMMA、PC、PS、POM、PFA、PVC、PP、PET、PEEK、PA、PSU及び、PVDFからなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項32に記載の反応装置。
【請求項36】
前記弁閉鎖ユニットは、前記連結通路上に形成されており、前記充填物の前記チャンネルへの流入を抑制するためのバッファチャンバをさらに備えていることを特徴とする請求項19に記載の反応装置。
【請求項37】
前記複数の微細発熱粒子の電磁波エネルギー吸収により溶融・膨張した前記充填物に遠心力を働かせて前記充填物を前記流体チャンネルに流入させるために前記基板を回転する回転手段をさらに備えていることを特徴とする請求項19に記載の反応装置。
【請求項38】
前記充填物チャンバ及び前記連結通路は、前記反応チャンバの一側に連結される流体チャンネルと他側に連結される流体チャンネルをそれぞれ閉鎖するために一対ずつ備えられていることを特徴とする請求項19に記載の反応装置。
【請求項39】
前記基板は、相互にボンディングされた下部プレート及び上部プレートから形成されることを特徴とする請求項19に記載の反応装置。
【請求項40】
前記下部プレートと上部プレートは、接着剤または超音波融着によってボンディングされることを特徴とする請求項39に記載の反応装置。
【請求項41】
前記流体チャンネル、前記反応チャンバ、前記充填物チャンバ、及び前記連結通路は、前記下部プレート及び上部プレートのどちらか一方に形成されていることを特徴とする請求項39に記載の反応装置。
【請求項42】
前記基板には、前記流体チャンネルに流体を注入するための流体ホールと、前記充填物チャンバに前記充填物を注入するための充填物ホールが形成されていることを特徴とする請求項19に記載の反応装置。
【請求項43】
前記基板の少なくとも一部分は、電磁波が透過できるように透明であることを特徴とする請求項19に記載の反応装置。
【請求項44】
常温で固体である相転移物質を含んでなる充填物が充填された充填物チャンバと、
前記充填物チャンバと、流体の流路となるチャンネルとを連結する連結通路と、を備えており、
前記相転移物質は、電磁波のエネルギーを吸収して溶融すると、前記充填物を前記連結通路を通って前記チャンネルに流入させることにより前記チャンネルを閉鎖することを特徴とする弁閉鎖ユニット。
【請求項45】
前記充填物に電磁波を照射するための外部エネルギー源をさらに含むことを特徴とする請求項44に記載の弁閉鎖ユニット。
【請求項46】
流体の流路となる流体チャンネル、及び前記流体チャンネル上に設けられた反応チャンバが形成された基板と、前記流体チャンネルを適時閉鎖するための弁閉鎖ユニットとを備えた反応装置において、
前記弁閉鎖ユニットは、前記基板に備えられており、常温で固体である相転移物質を含んでなる充填物が充填された充填物チャンバと、前記基板に備えられており、前記充填物チャンバと前記流体チャンネルとを連結するための連結通路と、を備えており、
前記相転移物質は、電磁波エネルギーを吸収して溶融すると、前記充填物を前記連結通路を通って前記流体チャンネルに流入させることにより前記流体チャンネルを閉鎖することを特徴とする反応装置。
【請求項47】
前記充填物に電磁波を照射するための外部エネルギー源をさらに含むことを特徴とする請求項46に記載の弁閉鎖ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【公開番号】特開2008−36628(P2008−36628A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−177679(P2007−177679)
【出願日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】