説明

弁類の作動状態検出装置

【課題】 上下方向の寸法を短くできる弁類の作動状態検出装置を提供する。
【解決手段】 ドレン排出管1に作動状態検出装置2を取り付ける。作動状態検出装置2は作動状態検出用のセンサ3と、作動状態検出用のセンサ3をドレン排出管1に取り付けるセンサ固定部材4とを具備する。センサ固定部材4は断面概略逆L字状で上壁5と側壁6を有するセンサ取り付け部材7と、作動状態検出用のセンサ3との間にドレン排出管1を介在させる挟持部材8と、挟持部材8をドレン排出管1に押し当てて固定する締め付け部材9とを具備する。上壁5を貫通して作動状態検出用のセンサ3を取り付ける。側壁6の雄ねじ部25に挟持部材8を挿入して作動状態検出用のセンサ3との間にドレン排出管1を介在させ、締め付け部材9を側壁6の雄ねじ部25にねじ込むことにより作動状態検出用のセンサ3と挟持部材8とをドレン排出管1に押し当てて固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種用途の弁や蒸気トラップなどに代表される弁類の作動状態検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の弁類の作動状態検出装置としては種々の形式のものが提案されているが、例えば蒸気トラップの作動状態検出装置の場合、特開平10−227687号公報に示されたものがある。これは、蒸気トラップの入口が接続されるドレン排出管に当接される作動状態検出用のセンサと、作動状態検出用のセンサをドレン排出管に固定するセンサ固定部材とを具備し、センサ固定部材は断面概略コ字状で上壁と側壁と下壁を有するセンサ取り付け部材と、作動状態検出用のセンサとの間に被検出部材を介在させて締め付ける締め付け部材とを具備し、センサ取り付け部材の上壁を貫通して作動状態検出用のセンサが取り付けられ、センサ取り付け部材の下壁を貫通して締め付け部材が取り付けられたものであり、この取り付け状態において、蒸気トラップの作動状態を示すドレン排出管の物理量を作動状態検出用のセンサにより検出するようにしている。
【0003】
上記従来技術の蒸気トラップの作動状態検出装置は、作動状態検出用のセンサがセンサ取り付け部材から上方向へ突出し、締め付け部材がセンサ取り付け部材から下方向へ突出するものであるので、上下方向の寸法が長くなってしまう問題点があった。
【特許文献1】特開平10−227686号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の技術的課題は、上下方向の寸法を短くできる弁類の作動状態検出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の技術的課題を解決するために講じた本発明の技術的手段は、弁類或いはその近傍の被検出部材に当接される作動状態検出用のセンサと、作動状態検出用のセンサを被検出部材に固定するセンサ固定部材とを具備し、センサ固定部材は断面概略逆L字状で上壁と側壁を有するセンサ取り付け部材と、作動状態検出用のセンサとの間に被検出部材を介在させる挟持部材と、挟持部材を被検出部材に押し当てて固定する締め付け部材とを具備し、センサ取り付け部材の上壁を貫通して作動状態検出用のセンサが取り付けられ、センサ取り付け部材の側壁に挟持部材と締め付け部材とが取り付けられたことを特徴とする弁類の作動状態検出装置にある。
【発明の効果】
【0006】
本発明の弁類の作動状態検出装置は、センサ固定部材が断面概略逆L字状で上壁と側壁を有するセンサ取り付け部材と、作動状態検出用のセンサとの間に被検出部材を介在させる挟持部材と、挟持部材を被検出部材に押し当てて固定する締め付け部材とを具備し、センサ取り付け部材の上壁を貫通して作動状態検出用のセンサが取り付けられ、センサ取り付け部材の側壁に挟持部材と締め付け部材とが取り付けられたものであるので、作動状態検出装置の上下方向の寸法を短くできるという優れた効果を生じる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、センサ固定部材が断面概略逆L字状で上壁と側壁を有するセンサ取り付け部材と、作動状態検出用のセンサとの間に被検出部材を介在させる挟持部材と、挟持部材を被検出部材に押し当てて固定する締め付け部材とを具備し、センサ取り付け部材の上壁を貫通して作動状態検出用のセンサが取り付けられ、センサ取り付け部材の側壁に挟持部材と締め付け部材とが取り付けられたものである。すなわち、センサ取り付け部材の側壁に挟持部材と締め付け部材とが取り付けられたものであるので、作動状態検出装置の上下方向の寸法を短くすることができる。
【実施例1】
【0008】
上記の技術的手段の具体例を示す実施例を説明する(図1参照)。図1は本発明の実施例である弁類の作動状態検出装置の断面図であり、弁類としての蒸気トラップの入口が接続される被検出部材としてのドレン排出管1に作動状態検出装置2を取り付けたものである。作動状態検出装置2は作動状態検出用のセンサ3と、作動状態検出用のセンサ3をドレン排出管1に固定するセンサ固定部材4とを具備する。センサ固定部材4は断面概略逆L字状で上壁5と側壁6を有するセンサ取り付け部材7と、作動状態検出用のセンサ3との間にドレン排出管1を介在させる挟持部材8と、挟持部材8をドレン排出管1に押し当てて固定する締め付け部材9とを具備する。
【0009】
作動状態検出用のセンサ3は振動センサ10と振動センサ10の先端に取り付けた温度センサ11とから構成する。振動センサ10のケーシングは本体12と、本体12の後端に固定したキャップ13とから形成する。本体12内に検出針14を軸方向に摺動自在に配置する。検出針14の後端に感振素子15を固定する。感振素子15は検出針14の後端に、振動伝達板16をねじ結合すると共に電極板17と圧電素子18と電極板19とウエイト20と防振ゴム21を挿入してナット22で固定したものである。防振ゴム21とキャップ13の間にコイルスプリング23を配置する。コイルスプリング23は検出針14の先端をドレン排出管1に付勢する。振動センサ10と温度センサ11で検出した検出信号を出力信号としてケーブル24ないしは無線式伝送手段により判定器に送ることで、その判定器において蒸気トラップの作動状態を判定する。
【0010】
センサ取り付け部材7の上壁5を貫通して作動状態検出用のセンサ3を取り付ける。センサ取り付け部材7の側壁6は下部に雄ねじ部25を有する。側壁6の雄ねじ部25の外径よりも大きな孔を有する挟持部材8を側壁6の雄ねじ部25に挿入して作動状態検出用のセンサ3との間にドレン排出管1を介在させ、ナットからなる締め付け部材9を側壁6の雄ねじ部25にねじ込むことにより作動状態検出用のセンサ3と挟持部材8とをドレン排出管1に押し当てて固定する。センサ取り付け部材7の側壁6に取り付けられる挟持部材8及び締め付け部材9のそれぞれの下端はセンサ取り付け部材7の側壁6の下端から下方に突出しない。挟持部材8は断面概略V字状部26がドレン排出管1に当接するので、ドレン排出管1の直径にかかわらず、例えば点線で示すように直径が小さなドレン排出管1であっても必ず2箇所が当接する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例である弁類の作動状態検出装置の断面図。
【符号の説明】
【0012】
1 ドレン排出管
2 作動状態検出装置
3 作動状態検出用のセンサ
4 センサ固定部材
5 上壁
6 側壁
7 センサ取り付け部材
8 挟持部材
9 締め付け部材
10 振動センサ
11 温度センサ
12 本体
13 キャップ
14 検出針
15 感振素子
16 振動伝達板
17 電極板
18 圧電素子
19 電極板
20 ウエイト
21 防振ゴム
22 ナット
23 コイルスプリング
24 ケーブル
25 雄ねじ部
26 V字状部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁類或いはその近傍の被検出部材に当接される作動状態検出用のセンサと、作動状態検出用のセンサを被検出部材に固定するセンサ固定部材とを具備し、センサ固定部材は断面概略逆L字状で上壁と側壁を有するセンサ取り付け部材と、作動状態検出用のセンサとの間に被検出部材を介在させる挟持部材と、挟持部材を被検出部材に押し当てて固定する締め付け部材とを具備し、センサ取り付け部材の上壁を貫通して作動状態検出用のセンサが取り付けられ、センサ取り付け部材の側壁に挟持部材と締め付け部材とが取り付けられたことを特徴とする弁類の作動状態検出装置。


【図1】
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【公開番号】特開2010−43950(P2010−43950A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−208187(P2008−208187)
【出願日】平成20年8月12日(2008.8.12)
【出願人】(000133733)株式会社テイエルブイ (913)
【Fターム(参考)】