説明

弓形の底面を備えた積層された履物組立体

使用者の足に履かれるよう構成された履物組立体が提供される。特に、この履物組立体は、使用される際に使用者の足に固定されるよう協働して構成され配置された上方係合構成要素を備えている。加えて、この履物組立体は、協働して構成された少なくとも1つの中底、中物および外底をそれぞれ備えている。中底(単数または複数)は、中物の上方部の頂面に対して上方に在るように配置されるとともに、外底は、中物の少なくとも一部に対して下方に在るように配置される。加えて、履物組立体は、中物と外底との間において、例えばそれらの前方部および後方部のうちの少なくとも一方に近接して配置された少なくとも1つの挿入部を備えていて、追加の支持作用および緩衝作用を付与するよう構成されている。さらに、外底の底面は、その長手方向の長さ部分に沿って少なくとも部分的に弓形の輪郭を形成するように構成されていて、使用される際の揺動作用を促進する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2009年5月29日に出願された米国特許商標庁に継続中の仮出願第61/217484号に基づいていて、35USC§119(e)の規定のもと同出願に基づく優先権を主張するとともに、同出願全体の内容は、参照することにより本明細書の記載に代える。
【0002】
本発明は、履物組立体、例えば靴、サンダル、ビーチサンダル、或いはウォーキング、ジョギングおよびランニングなどのときに使用者の足に履かれるよう協働して構成されたその他のデバイスに関する。特に、本発明の種々の実施形態の履物組立体は、協働して構成され配置される複数の構成要素および層のうちの少なくとも一方を備えており、それらには少なくとも1つの中底(インソール)、中物(ミッドソール)、支持部またはウエッジ挿入部(単数または複数)および少なくとも部分的に弓形をなした外底(アウトソール)または底面が含まれる。
【背景技術】
【0003】
身体運動は、身体の健康を維持するのを助け、健康的な体重、健康的な筋肉および骨構造の維持につながりうるとともに、身体的および心理的健康を全般的に増進させうる点において、すべての人のライフスタイルにおける重要な要素である。したがって、今日の社会における多くの人が、運動を毎日のルーチンに組み入れるべく地域のジムの会員権を購入し、または自宅用の大型運動器具を購入し、或いはこれら両方を購入している。しかしながら、これら2つの手段に係る問題は、地域のジムおよび運動器具はかなり高価でありうるし、さらに、これらの恩恵を被るためには、個人が、仕事、育児、住宅のメンテナンス、雑用などでいっぱいの既に多忙な日々から連続した時間を確保できる必要がある。
【0004】
地域のジムに加入しておらず、または高価で大型の家庭用運動器具を購入していない個人にとって、例えばウォーキング、ジョギングまたはランニングと、スポーツとのうちの少なくとも一方、或いは身体的に負荷を課すその他の活動によって、1つまたは2つ以上の身体的活動を多忙な日常に組み入れるための多くの試みがなされている。同じく、かかる活動の恩恵を被るために、個人は、既に多忙なスケジュールから特定の時間を確保できる必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、多くの個人が、身体上の利点を維持しつつ日々の運動時間を減らすか、或いは運動を彼らの毎日のルーチンに組み入れるための方法を常に探している。このように、身体の健康を促進するとともに身体的活動を個人の毎日のルーチンに組み入れるように構成されていて、少なくとも部分的に弓形をなした底面を備えた改良された履物組立体に対するニーズが存在する。本願により提案される履物組立体は、ウォーキング、ジョギング若しくはランニングの際に、或いは買い物または犬若しくは子供との散歩の際に、或いは職場で、自宅で、または雑用の際に履かれうる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、少なくとも部分的に弓形をなしていて地面その他の歩行面に直接接触して配置されうる底面を備えた積層された履物組立体に関する。特に、本発明の種々の実施形態の履物組立体は、従来の平坦または概ね平坦な構造体に比べて、使用者に多数の利益を与えるように構成される。特に、湾曲した、または弓形をなした底面は、ウォーキング、ランニング、ジョギングその他の用途に際して、使用者の身体の特定の筋肉および骨にかかる衝撃を軽減するように構成される。具体的には、使用者の踵から使用者の爪先までの使用者の足の揺動作用または回動作用を促進するとともに使用者の身体にかかる負担または衝撃を軽減または排除して、腰痛、膝痛その他の筋肉痛を軽減し、さらに適正な姿勢を促進するように弓形の底面が構成される。さらに、底面の湾曲した輪郭によって、使用される際に特定の筋肉、例えば使用者の脚、ふくらはぎ、臀部、腹部、腰部および膝部における筋肉を使用者に働かせる。結果的に、使用者は、より多くのカロリーを消費するとともに身体全体にわたって血液および酸素の循環が増すようになり、体重の減少が可能になり、身体、例えば使用者の脚、臀部、腰部および腹部における調子を調える。
【0007】
さらに、本発明の少なくとも1つの実施形態は、例えば靴の中に配置される1つまたは2つ以上の挿入部を用いることによって、靴の前方部および後方部のうちの少なくとも一方に近接する追加の支持体または緩衝体を備えている。特に、使用者が歩行する際、または本発明の履物組立体を他の用途に使用する際に、前方部および後方部のうちの少なくとも一方に近接する追加の支持挿入部または緩衝挿入部を用いることにより、使用者の骨、筋肉などに対する悪影響が軽減される。
【0008】
さらに、以下の説明から明らかになるように、履物組立体の種々の実施形態は、上方係合部と、1つまたは2つ以上の中底構成要素と、協働して構成され配置される中物構成要素、外底構成要素および挿入部構成要素(単数または複数)とを備える。特に、中物構成要素は、上方部と、下方延在部または底部とを備える。少なくとも1つの実施形態の上方部は、靴の全長に沿って配置されるとともに、靴の前方端および後方端にそれぞれ近接する下方延在部を越えて延在する前方突出部(front ledge)および後方突出部(rear ledge)をそれぞれ備えており、それにより前方キャビティおよび後方キャビティをそれぞれ少なくとも部分的に形成するようになる。より詳細に後述するように、少なくとも1つの実施形態の挿入部は、前方キャビティおよび後方キャビティのうちの少なくとも一方の内部に配置されるように協働して構成される。
【0009】
本発明の履物組立体は、中物構成要素の少なくとも一部に対して概ね鉛直方向に整列して配置された外底構成要素をさらに備える。歩行面に直接接触して配置されうる外底構成要素は、革、ゴム、或いは意図される態様において本発明の実施を促進するよう構成されたその他の材料から形成されうる。外底構成要素の底面は、牽引摩擦要素、或いは使用される際に歩行面とのグリップ係合を促進するためのその他の同様のデバイスを含みうる。
【0010】
さらに、少なくとも1つの実施形態の外底構成要素は、履物組立体の前方部および後方部のうちの少なくとも一方に近接する挿入部(単数または複数)の下方面に接続される。特に、挿入部(単数または複数)の下方面(単数または複数)は、少なくとも部分的に弓形をなした構造部を備えていて、そして履物組立体の外底または底面における少なくとも部分的に弓形をなした構造部の形成作用を促進する。
これらの目的および他の目的、並びに本発明の特徴および利点は、詳細な説明とともに図面を考慮することによってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に従って開示される履物組立体の少なくとも1つの実施形態の斜視図である。
【図2】図1に示される履物組立体の実施形態の側面図である。
【図3】図1および図2に示される履物組立体の実施形態の正面図である。
【図4】本発明に従って開示される履物組立体の少なくとも1つの実施形態の部分分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の本質のより完全なる理解のために、添付図面に関連する以下の詳細な説明を参照されたい。
同様に付された参照符号は、幾つかの図面にわたって同様の部分を示している。
【0013】
添付図面に示されるように、図1〜図3を主として参照すると、本発明は、概して符号10で示される履物組立体に関する。本発明の履物組立体10は、使用者の足に履かれるように、或いは使用者の足に対して配置されるように構成され、したがって、使用者は2つの履物組立体10を履いてもよく、これらのうちの一方は、使用者の左足用に構成されるかまたは使用者の左足に履かれるとともに、他方は、使用者の右足用に構成されるかまたは使用者の右足に履かれる。さらに、以下の詳細な説明から明らかになるように、本発明の履物組立体10の種々の実施形態は、協働して構成された複数の層または構成要素を備えており、これらはそれぞれ概ね鉛直方向において互いに整列した向きに配置されている。本発明の種々の層または構成要素は、接着剤、釘若しくは鋲によって、或いは意図された態様において本発明の実施を促進するように構成された実質的に任意の態様によって、隣接する層または構成要素に接続され、或いは固定されうる。
【0014】
さらに特別には、履物組立体10は、使用者の足を履物組立体10に固定し、保持し、或いは他の態様で着脱可能に係合させるように構成され配置された少なくとも1つの上方係合構成要素20を備えている。図1〜図3に概ね示されるように、上方係合構成要素20は、協働して構成された紐22、ループおよび足用ポート24のうちの少なくとも1つを備えている。使用者の足はポート24内に配置されうるとともに、紐22は足を履物組立体10に固定するために使用されうる。しかしながら、これらに加えて、上方係合構成要素20は、サンダル若しくはビーチサンダル、或いは使用者の足を履物組立体10に固定するように構成され配置されるその他の任意のデバイス(単数または複数)の場合などにおいて、1つまたは2つ以上のストラップ、バックル、ストリング(string)などを備えてもよい。少なくとも1つの実施形態において、上方係合部20は、革、メッシュ材料、プラスチック、金属その他の構成要素を備える。当然ながら、上方係合構成要素20は、複数のデザイン、構造、スタイル、色、材料などのうちの任意の1つまたは2つ以上を備えてもよい。
【0015】
本発明の少なくとも1つの実施形態の履物組立体10は、少なくとも1つの中底構成要素30をさらに備えており、この中底構成要素30は、使用時に使用者の足の底部に直接接触するようになる。したがって、中底構成要素30は、履物組立体10の内方底部に在る。図4の分解図に示されるように、本発明の少なくとも1つの実施形態の履物組立体10は、鉛直方向における積み重ね、整列、および上方への配置のうちの少なくとも1つをなした複数の中底構成要素30,30’を備えている。特に、本発明の少なくとも1つの実施形態の複数の中底構成要素30,30’は、使用者に快適さを与えるとともに、履物組立体10の形状、湿度、香りまたは匂いを調整するためと、その使用者に関連付けられた特定の健康または姿勢に関する問題に対処するためとのうちの少なくとも一方のために概して用いられる。少なくとも1つの実施形態において、中底構成要素(単数または複数)30,30’のうちの1つまたは2つ以上は、容易に置き換えられるように、或いは使用者の望みに応じて追加の中底構成要素を容易に組み入れられるように、履物組立体10内に着脱可能に配置されうる。中底構成要素(単数または複数)30,30’は、使用者の足に支持作用を与えるように構成されうるかまたは設計され、或いは構成されかつ設計されうるとともに、剛体若しくは半剛体からなるか、または可撓性を有していてもよく、限定されないが、木材、ラテックス、織物、ポリウレタン、ポリプロピレンおよびこれらの派生物若しくは組合せのうちの少なくとも1つを含む、実質的に任意の材料から構成されうる。
【0016】
さらに、図1〜図4に示されるように、本発明は中物構成要素40を備えている。少なくとも1つの実施形態の中物構成要素40は、上方部42と、下方延在部または底部44とを備えている。本明細書において述べるように、少なくとも1つの実施形態において、中物構成要素40の上方部42は、下方延在部44の前方周辺縁または表面44’を越えて延在していて前方キャビティを少なくとも部分的に形成する前方突出部42’を備えている。同様に、少なくとも1つの実施形態の中物構成要素40の上方部42は、後方端または後方周辺縁44’’を越えて延在していて後方キャビティを少なくとも部分的に形成する後方突出部42’’を備えている。さらに、中物構成要素40の上方部42は靴の全長に延在していてもよく、また、使用者の足の輪郭に概ね類似する輪郭を備えていてもよい。さらに、少なくとも1つの実施形態において組み立てられたときに、中底構成要素(単数または複数)30,30’は、中物構成要素40の上方部42の頂面43に対して上方に在るように配置される。中物構成要素40は、ポリウレタン、ゴムなど、またはそれらの派生物若しくは組合せから構成され、または形成されうる。特に、少なくとも1つの実施形態の中物構成要素40は、ポリウレタン80%とゴム20%とからおよそなる組成物を含んでいる。中物構成要素40は、上方係合構成要素20および中底(単数または複数)30,30’のうちの少なくとも一方に接着剤、釘、鋲などを介して接続されうる。
【0017】
本発明の種々の実施形態の履物組立体10は、図1〜図4に示されるように、中物構成要素40の少なくとも一部に対して鉛直方向に概ね整列されるか、または少なくとも部分的に下方に在るように配置されるかのうちの少なくとも一方である外底構成要素50をさらに備えている。特に、履物組立体10の外底構成要素50の外表面または底面51は、地面その他の歩行面に直接接触して配置されうる。外底構成要素50は、革、ゴム、或いは意図される態様において本発明の実施を促進するよう構成されたその他の任意の材料から形成されうる。
【0018】
さらに、本発明の種々の実施形態の底面51は、その長手方向の長さ部分に沿って、少なくとも部分的に弓形をなした輪郭を形成するように、少なくとも1つの実施形態においては概ね弓形をなした輪郭を形成するように、或いはその他湾曲した構造部をなすように構成される。外底構成要素50の弓形の輪郭は、従来の平坦または概ね平坦な構造に比べて、使用者に多数の利益を与える。特に、履物組立体10の外底構成要素50若しくは底面51の湾曲された、または弓形をなした輪郭によって、使用者がウォーキング、ランニング、ジョギングをする際、またはその他履物組立体10を使用する際において、使用者の身体の特定の筋肉、骨その他の部位にかかる衝撃が軽減される。具体的には、使用される際に、底面51の弓形の輪郭は、使用者の踵から爪先までの使用者の足の揺動作用または回動作用を促進するように構成される。使用される際における、使用者の足のこの揺動タイプまたは回動タイプの運動によって、使用者の身体にかかる負担若しくは衝撃を軽減または排除し、或いは軽減かつ排除して、腰痛、膝痛その他筋肉痛を軽減するとともに、さらに使用者のための適正な姿勢を促進する。さらに、外底構成要素50の弓形の輪郭によって、使用される際に特定の筋肉、例えば使用者の脚、ふくらはぎ、臀部、腹部、腰部および膝部における筋肉を使用者に働かせる。特に、少なくとも部分的に弓形をなした構造のために、使用者は、使用の際にバランスを維持する必要がある。結果的に、使用者は、より多くのカロリーを消費するとともに身体全体にわたって血液および酸素の循環が増すようになり、体重の減少が可能になり、身体、例えば使用者の脚、臀部、腰部および腹部における調子を調える。
【0019】
図1〜図4を再び参照すると、本発明は、中物構成要素40と外底構成要素50との間に配置された少なくとも1つの挿入部または緩衝構成要素60をさらに備えている。本発明の種々の実施形態の挿入部構成要素(単数または複数)60は、ポリウレタン、ゴム、またはそれらの派生物若しくは組合せから構成され、或いは形成されうるとともに、少なくとも部分的に柔軟な、または概ね柔軟な緩衝材料をさらに含んでもよい。
【0020】
特に、少なくとも1つの実施形態において、前方挿入部62は、中物構成要素40の前方部41と外底構成要素50の前方部52との間において前方キャビティの内部に少なくとも部分的に配置される。本発明の少なくとも1つの実施形態において、前方挿入部62は、中物構成要素40の前方キャビティに接続され、若しくは前方キャビティに当接し、または少なくとも部分的に前方キャビティ内部に嵌め合わされるように協働して構成された頂部63を備えている。図4に示されるように、中物構成要素40の前方キャビティは、中物構成要素40の前方部41に近接して在るとともに、隣接する前面によって、例えば上方部42の下方側の張出面または突出部42’と、下方延在部44の前面または縁部44’とによって少なくとも部分的に形成されている。特に、本発明の少なくとも1つの実施形態の履物組立体10において、中物構成要素40の組み合わされていて隣接するこれら前面42’,44’は、概ね傾斜した構造部、例えば前面42’,44’の間に形成される鈍角を形成するように構成される。したがって、少なくとも1つの実施形態の前方挿入部62の頂部63は、協働して構成されていて概ね傾斜した構造部を備えており、それにより、隣接する前面42’,44’によって形成される前方キャビティの傾斜した構造部に当接するか、またはその内部に嵌め合わされるようになる。
【0021】
本発明の少なくとも1つの実施形態の前方挿入部62は、履物組立体10の前方部および使用者の足に対して追加の支持作用、緩衝作用または快適さを付与するように構成される。さらに特別には、使用者が履物組立体10の前方部および外底構成要素50の前方部52のうちの少なくとも一方へと回動または揺動する際に、前方挿入部62は、使用者に対して支持作用および快適さのうちの少なくとも一方を付与するように構成されている。
【0022】
さらに、本発明の少なくとも1つの実施形態は、中物構成要素40の後方部45と外底構成要素50の後方部55との間において後方キャビティ内部に少なくとも部分的に配置された後方挿入部66を備えている。後方挿入部66は、中物構成要素40の後方キャビティに接続され、若しくは後方キャビティに当接し、または少なくとも部分的に後方キャビティ内部に嵌め合わされるように協働して構成された頂部67を備えている。図4に示されるように、中物構成要素40の後方キャビティは、中物構成要素40の後方部45に近接して配置されるとともに、隣接する後面によって、例えば上方部42の下方面または突出部42’’と、下方延在部44の後面または縁部44’’とによって少なくとも部分的に形成されている。さらに特別には、少なくとも1つの実施形態において、後方挿入部66の上方面67は概ね鋭角をなした構造部を備えている。同様に、後面42’’,44’’により形成される中物構成要素40の後方キャビティは、類似の概ね傾斜した構造部を形成するように協働して構成されている。
【0023】
少なくとも1つの実施形態の後方挿入部66は、履物組立体10の後方部および使用者の足に対して追加の支持作用、緩衝作用または快適さを付与するように構成される。さらに特別には、使用者が、例えば使用者の踵に近接する、履物組立体10の後方部および外底構成要素50の後方部55のうちの少なくとも一方へと回動または揺動する際に、後方挿入部66は、使用者に対して支持作用および快適さのうちの少なくとも一方を付与するように構成されている。
【0024】
なお図4を参照すると、図1および図2にも示されるように、外底構成要素50の少なくとも一部は、特に前方挿入部62と後方挿入部66との間の位置において、中物構成要素40の下方延在部44に接続されている。
【0025】
図4に示される実施形態において最も良く示されるように、前方挿入部62の下方面64と後方挿入部66の下方面68とのうちの少なくとも一方は、少なくとも部分的に湾曲した、または弓形をなした構造部を形成するようにそれぞれ構成されている。少なくとも1つの実施形態の履物組立体10の外底構成要素50は、前方挿入部62の下方面64および後方挿入部66の下方面68にそれぞれ接続されている。したがって、前方挿入部62の下方面64および後方挿入部66の下方面68のうちの少なくとも一方における、少なくとも部分的に湾曲した、または弓形をなした構造部は、組み立てられるときに外底構成要素50の弓形の輪郭を促進するように構成されている。
【0026】
さらに図4の分解図において示されるように、本発明の少なくとも1つの実施形態の履物組立体10において、それぞれの層または構成要素、例えば中底構成要素(単数または複数)30,30’と、中物構成要素40と、外底構成要素50と、前方挿入部62および後方挿入部66のうちの少なくとも一方とは、それぞれ別個になっていて、組立ての前において始めは互いに分離されている。かかる構造および構成により、使用者の身体の特定の部位または足にかかる衝撃を最小化する履物組立体10が提供される。例えば、別個の層または構成要素が始めは分離されているこの特性のために、使用される際の履物組立体10の或る箇所における衝撃が他の箇所にはあまり伝達されない。したがって、履物組立体10の踵部における衝撃は、履物組立体10および使用者の身体のうちの少なくとも一方における他の部位にはあまり伝達されないであろう。
【0027】
前述した本発明の好適な実施形態に対し、その詳細について多くの改変、変形および変更がなされうるので、前述の記載事項および添付図面に示された事項のすべては、本発明の説明のためであって本発明を限定する趣旨ではないよう解釈されることが意図されている。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびその法上の均等物によって確定されるべきである。
以上、本発明について説明した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の足に履かれるよう構成された履物組立体であって、
使用される際に使用者の足に固定されるように協働して構成され配置された上方係合構成要素と、
上方部および下方延在部を備えた中物構成要素とを備え、該中物構成要素の前記上方部は、該中物構成要素の前記下方延在部の後方端を越えて延在していて、後方キャビティを少なくとも部分的に形成しており、
さらに、
前記中物構成要素の少なくとも一部に対して下方に在るように配置された外底構成要素を備え、該外底構成要素の少なくとも一部は、前記中物構成要素の前記下方延在部に接続されており、
さらに、
前記中物構成要素の後方部と前記外底構成要素の後方部との間において、前記後方キャビティ内部に少なくとも部分的に配置された後方挿入部と、
前記外底構成要素の長さ部分に沿って、連続していて少なくとも部分的に弓形をなした輪郭を形成するよう構成された、前記外底構成要素の外表面とを備える、履物組立体。
【請求項2】
前記後方キャビティは、互いに隣接する前記中物構成要素の前記上方部の後面と前記下方延在部の後面とによって形成された概ね傾斜した構造部を備える、請求項1に記載の履物組立体。
【請求項3】
前記後方挿入部が頂面を備えていて、該後方挿入部の頂面は、前記概ね傾斜した後方キャビティに当接するように協働して構成された概ね傾斜した構造部を備える、請求項2に記載の履物組立体。
【請求項4】
前記後方挿入部が少なくとも部分的に柔軟な緩衝材料を備える、請求項3に記載の履物組立体。
【請求項5】
前方キャビティをさらに備えていて、該前方キャビティは、互いに隣接する前記中物構成要素の前記上方部の前面と前記下方延在部の前面とによって形成された概ね傾斜した構造部を備える、請求項1に記載の履物組立体。
【請求項6】
前記中物構成要素の前方部と前記外底構成要素の前方部との間において、前記前方キャビティ内部に少なくとも部分的に配置された前方挿入部をさらに備える、請求項5に記載の履物組立体。
【請求項7】
前記前方挿入部が頂面を備えていて、該前方挿入部の頂面は、前方キャビティの前記概ね傾斜した構造部に当接するように協働して構成された概ね傾斜した構造部を備える、請求項6に記載の履物組立体。
【請求項8】
前記前方挿入部が少なくとも部分的に柔軟な緩衝材料を備える、請求項7に記載の履物組立体。
【請求項9】
使用者の足に履かれるよう構成された履物組立体であって、
使用される際に使用者の足に固定されるように協働して構成され配置された上方係合構成要素と、
上方部および下方延在部を備えた中物構成要素とを備え、該中物構成要素の前記上方部は、前記下方延在部の後方周辺縁を越えて延在していて、後方キャビティを少なくとも部分的に形成しており、前記中物構成要素の前記上方部は、前記下方延在部の前方周辺縁を越えてさらに延在していて、前方キャビティを少なくとも部分的に形成しており、
さらに、
前記中物構成要素の前記上方部の頂面に対して上方に在るように配置された少なくとも1つの中底構成要素を備え、該少なくとも1つの中底構成要素は、使用される際に使用者の足に直接接触して配置されており、
さらに、
前記中物構成要素の少なくとも一部に対して下方に在るように配置されていて、使用される際に歩行面に直接接触して配置されうる外底構成要素と、
前記中物構成要素の前方部と前記外底構成要素の前方部との間において、前記前方キャビティ内部に少なくとも部分的に配置された前方挿入部と、
前記中物構成要素の後方部と前記外底構成要素の後方部との間において、前記後方キャビティ内部に少なくとも部分的に配置された後方挿入部と、
前記外底構成要素の長さ部分に沿って少なくとも部分的に弓形をなした輪郭を形成するよう構成された、前記外底構成要素の外表面とを備える、履物組立体。
【請求項10】
前記前方キャビティおよび前記後方キャビティは、概ね傾斜した構造部をそれぞれ備えていて、前記後方キャビティの前記概ね傾斜した構造部は、互いに隣接する前記中物構成要素の前記上方部の後面と前記下方延在部の後面とによって形成されており、前記前方キャビティの前記概ね傾斜した構造部は、互いに隣接する前記中物構成要素の前記上方部の前面と前記下方延在部の前面とによって形成される、請求項9に記載の履物組立体。
【請求項11】
前記後方挿入部が、前記後方キャビティの前記概ね傾斜した構造部に当接するよう協働して構成された概ね傾斜した頂面を備える、請求項10に記載の履物組立体。
【請求項12】
前記前方挿入部が、前記前方キャビティの前記概ね傾斜した構造部に当接するよう協働して構成された概ね傾斜した頂面を備える、請求項11に記載の履物組立体。
【請求項13】
前記前方挿入部が底面を備えており、該前方挿入部の底面が少なくとも部分的に弓形をなした構造部を備える、請求項9に記載の履物組立体。
【請求項14】
前記後方挿入部が底面を備えており、該後方挿入部の底面が少なくとも部分的に弓形をなした構造部を備える、請求項9に記載の履物組立体。
【請求項15】
前記前方挿入部および前記後方挿入部が、前記外底構成要素の前記外表面における前記少なくとも部分的に弓形をなした輪郭を少なくとも部分的に形成するように協働して構成される、請求項9に記載の履物組立体。
【請求項16】
前記前方挿入部および前記後方挿入部が、少なくとも部分的に柔軟な緩衝材料をそれぞれ備える、請求項9に記載の履物組立体。
【請求項17】
前記中物構成要素がポリウレタンおよびゴムをそれぞれ備える、請求項9に記載の履物組立体。
【請求項18】
使用者の足に履かれるよう構成された履物組立体であって、
上方部および下方延在部を備えた中物構成要素を備えており、
前記中物構成要素の前記上方部は、前記中物構成要素の前記下方延在部の後方端を越えて延在していて、後方キャビティを少なくとも部分的に形成しており、
前記中物構成要素の前記上方部は、前記下方延在部の前方周辺縁を越えてさらに延在していて、前方キャビティを少なくとも部分的に形成しており、
前記前方キャビティおよび前記後方キャビティは、概ね傾斜した構造部をそれぞれ備えており、前記後方キャビティの前記概ね傾斜した構造部は、互いに隣接する前記中物構成要素の前記上方部の後面と前記下方延在部の後面とによって形成されており、前記前方キャビティの前記概ね傾斜した構造部は、互いに隣接する前記中物構成要素の前記上方部の前面と前記下方延在部の前面とによって形成されており、
さらに、
前記後方キャビティの前記概ね傾斜した構造部に当接するよう協働して構成された概ね傾斜した頂面を備えた後方挿入部と、
前記前方キャビティの前記概ね傾斜した構造部に当接するよう協働して構成された概ね傾斜した頂面を備えた前方挿入部と、
前記中物構成要素の少なくとも一部に対して下方に在るように配置された外底構成要素とを備え、該外底構成要素の少なくとも一部は、前記中物構成要素の前記下方延在部に接続されており、
さらに、
前記中物構成要素の後方部と前記外底構成要素の後方部との間において、前記後方キャビティの内部に少なくとも部分的に配置された後方挿入部と、
前記外底構成要素の長さ部分に沿って、連続していて少なくとも部分的に弓形をなした輪郭を形成するよう構成された、前記外底構成要素の外表面とを備える、履物組立体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−527961(P2012−527961A)
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−513151(P2012−513151)
【出願日】平成22年5月24日(2010.5.24)
【国際出願番号】PCT/US2010/035932
【国際公開番号】WO2010/138444
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(511099777)
【Fターム(参考)】