引出し構造体
【課題】 外引出しの引き出しが容易であると共に、外引出しの収容時に衝撃音が発生する虞の無い引出し構造体を提供する。
【解決手段】 引出し構造体は、所定方向(図の左方向)及びその反対方向に移動自在の外引出し30と、外引出し30の内部に設置され、所定方向及び反対方向に移動自在の内引出し40とを備えている。外引出し30の収容側にはオス型嵌合部材10が設置されている。更に、内引出し40の収容側には、オス型嵌合部材10に対して所定方向及びその反対方向において徐々に嵌合、脱出を可能とするメス型嵌合部材20が設置されている。(1)で示す収容状態においては、これらが嵌合状態となるため、外引出し30及び内引出し40は連動して移動する。そして、(2)で示す所定量を超えて外引出し30を引き出すと、これらの嵌合状態が所定方向に解除される。従って、スムースな嵌合部材の解除となり、外引出し30の引出しが容易となる。
【解決手段】 引出し構造体は、所定方向(図の左方向)及びその反対方向に移動自在の外引出し30と、外引出し30の内部に設置され、所定方向及び反対方向に移動自在の内引出し40とを備えている。外引出し30の収容側にはオス型嵌合部材10が設置されている。更に、内引出し40の収容側には、オス型嵌合部材10に対して所定方向及びその反対方向において徐々に嵌合、脱出を可能とするメス型嵌合部材20が設置されている。(1)で示す収容状態においては、これらが嵌合状態となるため、外引出し30及び内引出し40は連動して移動する。そして、(2)で示す所定量を超えて外引出し30を引き出すと、これらの嵌合状態が所定方向に解除される。従って、スムースな嵌合部材の解除となり、外引出し30の引出しが容易となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は引出し構造体に関し、特に、外引出しと外引出しの内部に設置された内引出しとを備える引出し構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
外引出しと、外引出しの内部に設置された内引出しとを備える引出し構造体は種々提案されている。その中で、内引出しの収納物を一度の引出し動作で取り出すために、外引出しを引き出すと内引出しが連動して引き出される引出し構造体(例えば、特許文献1)について説明する。
【0003】
図11は特許文献1で開示されたキッチンキャビネットを組み込み設置したシステムキッチンの斜視図であって、外引出しを引き出した状態を示すものであり、図12は図11で示したXII−XIIラインの拡大断面図である。
【0004】
これらの図を参照して、キッチンキャビネット7は、システムキッチン50のワークトップ51の下に組み込み設置されている。キッチンキャビネット7は、外引出し30及び外引出し30の内部に設置された内引出し40を有する引出し構造体60と、引出し構造体60の下部に設置された蹴込み引出し61とを備えている。
【0005】
外引出し30は、前面側(図12の左側)の板状の前扉31と、底板32と、左右の側板33a、33b(図示せず)と、背板34とによって、上面側を開口とする箱状に形成されている。尚、外引出し30は、図示しない受けレールと、側板33a、33b(図示せず)の下部に設置されたインナーレールとによって引き出し自在に構成されている。
【0006】
内引出し40は、前板41と、底板42と、左右の側板43a、43b(図示せず)と、背板44とによって、上面側を開口とする箱状に形成されている。尚、内引出し40においても、図示しない受けレールと、側板43a、43b(図示せず)の下部に設置されたインナーレールとによって、外引出し30と同一方向に引き出し自在に構成されている。
【0007】
又、外引出し30の背板34の収容側(図12の右側)の面には、マグネット65が設置されている。更に、内引出し40の背板44の収容側の面には、マグネット65の水平位置に対応するように下方に延びる磁性体の金属板よりなるマグネット受け66が、マグネット65より収容側になるように設置されている。従って、外引出し30及び内引出し40が収容状態の時、マグネット65とマグネット受け66とは吸着状態となる。そのため、収容状態から外引出し30を引き出すと内引出し40も連動して引き出されるので、外引出し30を引き出すことで内引出し40の収納物を取り出すことができる。
【0008】
図13は図12の状態から更に外引出しを引き出した状態を示す図であって、図12に対応するものである。
【0009】
図を参照して、外引出し30の引き出しストローク(引き出し行程)の長さは、内引出し40の引き出しストロークの長さより長くなるように構成されている。従って、図12の状態から外引出し30を引き出す力を加え続けることによって、図で示すようにマグネット65とマグネット受け66との吸着状態が解除され、外引出し30のみを更に引き出すことができる。そのため、外引出し30の収納物を容易に取り出すことができる。
【0010】
この時、内引出し40のみを収容側に押し戻すと、外引出し30のみを引き出した状態となり、外引出し30の収容物を更に容易に取り出すことができる。
又、外引出し30及び内引出し40を収容する場合においては、まず外引出し30を収容側へと移動させると、マグネット65と内引出し40のマグネット受け66とが吸着状態となる。そして、そのまま外引出し30を収容側へと移動させると、内引出し40も連動して収容側へと移動し、これらが収容状態となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2006−230676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記のような従来の引出し構造体では、外引出しと内引出しとは、マグネット及びマグネット受けの吸着によって連動して引き出される構造になっていたため、これらの吸着を解除する際には、その吸着状態が瞬間的に解除されてしまっていた。そのため、使用者にとっては所定量を超えると急に外引出しが軽い力で引き出されるような状態となるので、引き出し難く、使い勝手の悪い外引出しとなっていた。
【0013】
又、マグネットとマグネット受けとの吸着状態が解除した状態から、再度吸着状態へと移行する際、即ち、外引出し及び内引出しを収容する際においては、吸着時におけるマグネットとマグネット受けとの吸着音が衝撃音となり、使用者にとって不快なものとなっていた。
【0014】
そして、このような問題を解決すべく、例えばマグネットとマグネット受けとの間にフェルト等を配置させ、これらの衝撃音を緩和させる方法がある。しかしながら、フェルトによってマグネットとマグネット受けとの吸着力が低下することで、外引出しと内引出しとが連動して引き出される際に不用意にこれらの吸着状態が解除されてしまう虞があった。そして、フェルトを介しても外引出しと内引出しとを連動して引き出せるように、マグネットとマグネット受けとの吸着力を大きく設定すると、上述した衝撃音が増加することになってしまう。
【0015】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、外引出しの引き出しが容易であると共に、外引出しの収容時に衝撃音が発生する虞の無い引出し構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、引出し構造体であって、引き出し方向となる所定方向及びその反対方向に移動自在の外引出しと、外引出しの内部に設置され、所定方向及び反対方向に移動自在の内引出しと、外引出し又は内引出しに取り付けられたオス型嵌合部材と、内引出し又は外引出しに取り付けられ、オス型嵌合部材に対して所定方向及び反対方向において徐々に嵌合、脱出を可能とするメス型嵌合部材とを備え、外引出し及び内引出しが収容された状態において、オス型嵌合部材及びメス型嵌合部材は嵌合し、外引出しが所定量引き出されるまではオス型嵌合部材及びメス型嵌合部材は嵌合した状態で外引出し及び内引出しは連動して移動し、外引出しが所定量を超えて引き出されると、オス型嵌合部材及びメス型嵌合部材の嵌合状態が解除されるものである。
【0017】
このように構成すると、外引出しが所定量を超えて引き出されると、オス型嵌合部材及びメス型嵌合部材の嵌合が所定方向において徐々に解除される。又、オス型嵌合部材及びメス型嵌合部材の嵌合が解除した状態から、外引出しを収容状態に移動させると、オス型嵌合部材及びメス型嵌合部材が反対方向において徐々に嵌合する。
【0018】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、オス型嵌合部材及びメス型嵌合部材の嵌合状態が解除された時、内引出しは反対方向に移動可能となるものである。
【0019】
このように構成すると、内引出しを収容状態に移動できる。
【0020】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の構成において、オス型嵌合部材及びメス型嵌合部材は、外引出し及び内引出しの各々において収容側の位置で取り付けられるものである。
【0021】
このように構成すると、外引出し及び内引出しを引き出した状態において、オス型嵌合部材及びメス型嵌合部材が目立たない。
【0022】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明の構成において、オス型嵌合部材及びメス型嵌合部材は、所定方向に対して直交する水平方向において2組設けられるものである。
【0023】
このように構成すると、嵌合、脱出動作が安定する。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、外引出しが所定量を超えて引き出されると、オス型嵌合部材及びメス型嵌合部材の嵌合が所定方向において徐々に解除されるため、スムースな嵌合部材の解除となり、外引出しの引き出しが容易となる。又、オス型嵌合部材及びメス型嵌合部材の嵌合が解除した状態から、外引出しを収容状態に移動させると、オス型嵌合部材及びメス型嵌合部材が反対方向において徐々に嵌合するため、スムースな嵌合部材の嵌合となり、嵌合時に衝撃音が発生する虞が無い。
【0025】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、内引出しを収容状態に移動できるため、外引出しのみを引き出した状態になり、使い勝手が向上する。
【0026】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、外引出し及び内引出しを引き出した状態において、オス型嵌合部材及びメス型嵌合部材が目立たないため、スマートな引出し構造体となる。
【0027】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、嵌合、脱出動作が安定するため、外引出し及び内引出しの連動動作及び分離動作の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】この発明の第1の実施の形態による引出し構造体を示す断面図であって、従来例の図12に対応するものである。
【図2】図1で示したII−IIラインの断面図である。
【図3】図1で示したIII−IIIラインの断面図である。
【図4】図1で示したX部分の拡大図である。
【図5】図4で示したV−Vラインの断面図である。
【図6】図1で示した引出し構造体の引き出し動作の工程を示す断面図である。
【図7】図6で示した引き出し動作に対応したオス型嵌合部材及びメス型嵌合部材の動作を示す図である。
【図8】図1で示した引出し構造体の収容動作の工程を示す断面図である。
【図9】図8で示した収容動作に対応したオス型嵌合部材及びメス型嵌合部材の動作を示す図である。
【図10】この発明の第2の実施の形態の引出し構造体のオス型嵌合部材及びメス型嵌合部材を示す図であって、第1の実施の形態の図5に対応するものである。
【図11】従来のキッチンキャビネットを組み込み設置したシステムキッチンの斜視図であって、外引出しを引き出した状態を示すものである。
【図12】図11で示したXII−XIIラインの拡大断面図である。
【図13】図12の状態から更に外引出しを引き出した状態を示す図であって、図12に対応するものである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1はこの発明の第1の実施の形態による引出し構造体を示す断面図であって、従来例の図12に対応するものであり、図2は図1で示したII−IIラインの断面図であり、図3は図1で示したIII−IIIラインの断面図である。
【0030】
これらの図を参照して、引出し構造体5は、ワークトップ51と、ワークトップ51から下方に垂直に延びる縦仕切板62a、62bと、背板64と、中仕切板63とによって、その前面(図1の左側)が開放された収容スペースを形成している。そして、この収容スペース内に、外引出し30と、外引出し30の内部に設置された内引出し40とを備えている。又、内引出し40は、合成樹脂よりなるオス型嵌合部材10a、10bを備えている。更に、外引出し30は、オス型嵌合部材10a、10bの各々に対して後述する所定方向及びその反対方向において嵌合、脱出が可能である、合成樹脂よりなるメス型嵌合部材20a、20bを備えている。そして、外引出し30と内引出し40とは、オス型嵌合部材10a、10bの各々とメス型嵌合部材20a、20bの各々との嵌合によって連動して移動することができるように構成されている。オス型嵌合部材及びメス型嵌合部材の詳細な構造及び動作については後述する。
【0031】
外引出し30は、その前面に位置する矩形状の前扉31と、前扉31から収容側(図1の右側)に延びる矩形状の底板32及び側板33a、33bと、底板32及び側板33a、33bの収容側端部に接続された矩形状の背板34とによって、上面側を開口とする箱状に形成されている。そして、前扉31と背板34の上端部とを連結する管状のギャラリーバー35a、35bを備えている。尚、外引出し30は、図示しないレールによって引き出し方向となる所定方向(図1の左方向)及びその反対方向(図1の右方向)に移動自在に構成されている。
【0032】
内引出し40は、その前面に位置する矩形状の前板41と、前板41から収容側に延びる矩形状の底板42及び側板43a、43bと、底板42及び側板43a、43bの収容側端部に接続された矩形状の背板44とによって、上面側を開口とする箱状に形成されている。尚、内引出し40は、図示しないレールによって、上述した所定方向及びその反対方向に移動自在に構成されている。
【0033】
又、外引出し30の背板34の収容側の面には、その幅方向(所定方向に対して直交する水平方向)の両端から収容側に延びる矩形状の固定板37a、37bが設置されている。そして、固定板37a、37bの各々の上面には、上述したメス型嵌合部材20a、20bの各々が設置されている。
【0034】
又、内引出し40の背板44の収容側の面には、その幅方向の両端から下方に向かって延びる矩形状の固定板47a、47bが外引出し30の背板34より収容側に位置するように設置されている。そして、固定板47a、47bの各々の前面の下端には、オス型嵌合部材10a、10bがメス型嵌合部材20a、20bに対応する位置に設置されている。
【0035】
このように、オス型嵌合部材10a、10b及びメス型嵌合部材20a、20bは、外引出し30及び内引出し40の各々において収容側の位置で取り付けられている。従って、外引出し30及び内引出し40を引き出した状態において、使用者からオス型嵌合部材10a、10b及びメス型嵌合部材20a、20bが目立たない。そのため、スマートな引出し構造体5となる。
【0036】
次に、オス型嵌合部材及びメス型嵌合部材の詳細な構造について説明する。
【0037】
図4は図1で示したX部分の拡大図であり、図5は図4で示したV−Vラインの断面図である。
【0038】
これらの図を参照して、オス型嵌合部材10aは、固定板47aの前面に設置された板状の固定部13と、固定部13の中央から所定方向に向かって延びる胴部12と、胴部12の所定方向側の端部に形成された矢状の係合部11とから構成されている。尚、固定部13の幅方向の両端は、ネジ19によって固定板47aに固定されている。
【0039】
メス型嵌合部材20aは、固定板37aの上面に設置された板状の固定部23と、固定部23の中央から上方に向かって延びる胴部22と、胴部22の上端から収容側に向かって延びる平面視U字状のローラー胴部21と、ローラー胴部21の収容側端部の各々に垂直方向(図4における上下方向)を軸として回動自在に形成されたローラー25a、25bとから構成されている。尚、固定部23の幅方向の両端部には開口24が形成されており、固定部23の両端は、ネジ29によって開口24を介して固定板37aに固定されている。オス型嵌合部材10a及びメス型嵌合部材20aはこのように構成されており、図3で示したオス型嵌合部材10b及びメス型嵌合部材20bにおいても同様の構成となっている。
【0040】
そして、図で示す嵌合状態においては、オス型嵌合部材10aの係合部11がメス型嵌合部材20aのローラー胴部21内のスペース27に位置している。そして、ローラー25a、25bに挟まれるようにオス型嵌合部材10aの胴部12が位置している。即ち、所定方向及びその反対方向に対して確実に嵌合している。そして、このような嵌合状態が解除された時のオス型嵌合部材10aの位置を二点鎖線で示している。このようなオス型嵌合部材とメス型嵌合部材との嵌合、脱出の動作については後述する。
【0041】
次に、外引出し及び内引出しの収納状態からの引き出し動作及びそれに伴うオス型嵌合部材及びメス型嵌合部材の動作について説明する。
【0042】
図6は図1で示した引出し構造体の引き出し動作の工程を示す断面図であり、図7は図6で示した引き出し動作に対応したオス型嵌合部材及びメス型嵌合部材の動作を示す図である。
【0043】
まず、図6の(1)及び図7の(1)を参照して、外引出し30及び内引出し40が収容された状態の時、オス型嵌合部材10とメス型嵌合部材20とは嵌合状態となっている。オス形嵌合部材10とメス型嵌合部材20との嵌合力は、外引出し30の引き出し移動に伴って内引出し40が連動して移動しても、これらの嵌合が解除されないような大きさに設定されている。従って、矢印で示すように外引出し30を所定方向に引き出すと、同じく矢印で示すように内引出し40も連動して所定方向に移動する。そして、外引出し30を引き出し続けて、所定量である引き出し行程の長さL1まで引き出すと、図6の(2)で示す状態となる。
【0044】
次に、図6の(2)及び図7の(2)を参照して、内引出し40の引き出し行程の長さはL1となるように設定されているため、図6の(2)で示す位置を超えて引き出すことが不可能である。しかしながら、外引出し30は内引出し40より引き出し行程が後述する長さL2分だけ長くなるように設定されているため、この位置を超えて引き出すことが可能である。
【0045】
そして、図6の(2)で示す状態から更に外引出し30を矢印で示すように所定方向に引き出すと、図7の(2)で示すように、オス型嵌合部材10とメス型嵌合部材20との嵌合力以上の力がメス型嵌合部材20に加わり、これらの嵌合状態が解除されようとする。具体的には、メス型嵌合部材20は合成樹脂によって形成されているため、オス型嵌合部材10の係合部11のローラー25a、25bの間への移動に伴って、これらの間を拡げるようにローラー胴部21が矢印で示すように変形する。その際、上述した通りローラー25a、25bは垂直方向(図7の紙面に直交する方向)に回動自在に形成されているため、ローラー25a、25bは収容側の方向に向かって回転する。そのため、係合部11とローラー25a、25bとの間には、主に転がり抵抗のみが作用するので、係合部11のローラー胴部21のスペース27からの脱出が容易となる。
【0046】
このように、オス型嵌合部材10とメス型嵌合部材20とは、徐々に嵌合が解除されるため、従来のマグネット及びマグネット受けのように吸着状態が瞬間的に解除される虞が無い。
【0047】
そして、この状態から外引出し30を所定方向に引き出し続けると、オス型嵌合部材10とメス型嵌合部材20との嵌合状態が所定方向において完全に解除され、図6の(3)で示す状態となる。
【0048】
次に、図6の(3)及び図7の(3)を参照して、オス型嵌合部材10とメス型嵌合部材20との嵌合状態が解除されると、ローラー胴部21が矢印で示すように通常の位置となると共に、ローラー25a、25bが通常の位置に移動する。そして、このようにして外引出し30は長さL2分だけ内引出し40より所定方向に引き出すことができるため、外引出し30の収納物を取り出すことができる。
【0049】
更に、上述した通り、内引出し40は所定方向及びその反対方向に移動自在であるため、二点鎖線で示すように内引出し40を収容側へ移動させることができる。すると、外引出し30のみを引き出した状態となり、外引出し30の収容物の取り出しが更に容易となり、使い勝手が向上する。
【0050】
上述した通り、外引出し30が所定量である長さL1を超えて引き出されると、オス型嵌合部材10及びメス型嵌合部材20の嵌合が所定方向において徐々に解除される。従って、スムーズな嵌合部材の解除となるため、外引出し30の引き出しが容易となる。
【0051】
次に、外引出し及び内引出しの引き出し状態からの収容動作及びそれに伴うオス型嵌合部材及びメス型嵌合部材の動作について説明する。
【0052】
図8は図1で示した引出し構造体の収容動作の工程を示す断面図であり、図9は図8で示した収容動作に対応したオス型嵌合部材及びメス型嵌合部材の動作を示す図である。
【0053】
まず、図8の(1)及び図9の(1)を参照して、外引出し30のみが引き出された状態(図6の(3)に対応した状態)から、外引出し30を矢印で示すように収容側へ移動させる。この時、オス型嵌合部材10とメス型嵌合部材20とは離れており、嵌合状態が解除されているため、外引出し30のみが移動する。
【0054】
次に、図8の(2)及び図9の(2)を参照して、外引出し30を収容側に移動させ続けると、オス型嵌合部材10とメス型嵌合部材20とが接触する。すると、オス型嵌合部材10の係合部11がメス型嵌合部材20のローラー25a、25bの間を挿通しようとする。すると、ローラー25a、25bの間を拡げるようにローラー胴部21が矢印で示すように変形する。その際、ローラー25a、25bは、所定方向に向かって回転するため、係合部11とローラー25a、25bとの間には、主に転がり抵抗のみが作用するので、係合部11のローラー25a、25bの間の挿通が容易となる。そして、この状態から更に外引出し30を収容側に移動させ続けると、オス型嵌合部材10とメス型嵌合部材20とが接触しているため、内引出し40も連動して移動し、図8の(3)で示す状態となる。
【0055】
このように、オス型嵌合部材10とメス型嵌合部材20とは徐々に嵌合するため、従来のマグネット及びマグネット受けのように吸着時に衝撃音が発生する虞が無い。
【0056】
次に、図8の(3)及び図9の(3)を参照して、外引出し30と内引出し40とが矢印で示すように連動して移動すると、これらが収容状態となる。この時、図9の(3)で示すように、オス型嵌合部材10とメス型嵌合部材20とが確実に嵌合状態になる。そして、オス型嵌合部材10の係合部11の挿通により拡がっていたローラー25a、25bは、ローラー胴部21の変形によってオス型嵌合部材10の胴部12を挟むような状態となる。即ち、図6の(1)の状態に戻る。
【0057】
上述した通り、図8の(1)で示したオス型嵌合部材10及びメス型嵌合部材20の嵌合が解除した状態から、外引出し30を収容状態となるように移動させると、オス型嵌合部材10とメス型嵌合部材20とが所定方向の反対方向において徐々に嵌合する。従って、これらがスムースな嵌合となるため、嵌合時に衝撃音が発生する虞が無い。
【0058】
又、上述した通り、オス型嵌合部材10及びメス型嵌合部材20は、幅方向において2組設けられているため、オス型嵌合部材10及びメス型嵌合部材20による嵌合、脱出動作が安定する。従って、外引出し30及び内引出し40の連動動作及び分離動作の信頼性が向上する。
【0059】
図10はこの発明の第2の実施の形態の引出し構造体のオス型嵌合部材及びメス型嵌合部材を示す図であって、第1の実施の形態の図5に対応するものであり、(1)はオス型嵌合部材及びメス型嵌合部材の嵌合状態を示す図であって、(2)はオス型嵌合部材及びメス型嵌合部材の嵌合状態が解除した状態を示す図である。
【0060】
尚、説明に当たっては、基本的には第1の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0061】
まず(1)を参照して、この実施の形態にあっては、オス型嵌合部材及びメス型嵌合部材の形状が大きく異なっている。即ち、この実施の形態におけるオス型嵌合部材70は、合成樹脂によって形成されており、固定板47aの面上に設置される板状の固定部73と、固定部73の中央から所定方向に向かって延びると共に、先太りの棒状の胴部72とから構成されている。
【0062】
メス型嵌合部材80は、合成樹脂によって平面視U字状にオス型嵌合部材70の胴部72の平面形状に対応するように形成されており、その開放部分がオス型嵌合部材70側となるように設置されている。従って、オス型嵌合部材70に対して所定方向及びその反対方向において嵌合、脱出が可能である。尚、メス型嵌合部材80は、その底部がネジ29によって外引出しの背板34に直接固定されている。
【0063】
そして、(1)で示す嵌合状態におけるオス型嵌合部材70とメス型嵌合部材80との嵌合力は、外引出しと内引出しとが連動して移動する際にオス型嵌合部材70とメス型嵌合部材80との嵌合が解除しない大きさとなるように設定されている。従って、外引出しと内引出しとが連動して移動することができる。
【0064】
次に(2)を参照して、オス型嵌合部材70がメス型嵌合部材80から脱出した状態、即ち、これらの嵌合状態が解除された状態を示している。オス型嵌合部材70とメス型嵌合部材80との嵌合状態及び嵌合が解除された状態におけるこれらの動作については、図7及び図9で示した第1の実施の形態におけるオス型嵌合部材及びメス型嵌合部材において、ローラーの動作を除いては略同一である。従って、この実施の形態による引出し構造体にあっては、第1の実施の形態と同様の効果を発揮する。
【0065】
尚、上記の各実施の形態では、引出し構造体はキッチンキャビネットを構成しているが、キッチンキャビネットに限らず、例えばタンス等、他の目的に使用されるものであっても同様に適用できるのは言うまでもない。
【0066】
又、上記の各実施の形態では、オス型嵌合部材及びメス型嵌合部材は合成樹脂によって特定形状に形成されているが、メス型嵌合部材がオス型嵌合部材に対して所定方向及びその反対方向において徐々に嵌合、脱出が行なわれる構造であれば、これらは他の素材によって他の形状に形成されていても良い。
【0067】
更に、上記の各実施の形態では、外引出しにメス型嵌合部材が設置されると共に、内引出しにオス型嵌合部材が設置されているが、オス型嵌合部材とメス型嵌合部材とを入れ替えて設置しても良い。
【0068】
更に、上記の各実施の形態では、外引出し及び内引出しは特定形状に形成されているが、外引出しは引き出し方向となる所定方向及びその反対方向に移動自在であれば、他の形状であっても良く、内引出しは外引出しの内部に設置され、所定方向及びその反対方向に移動自在であれば、他の形状であっても良い。
【0069】
更に、上記の各実施の形態では、オス型嵌合部材及びメス型嵌合部材の嵌合状態が解除された時、内引出しが所定方向の反対方向に移動可能となるように構成されているが、嵌合状態が解除された時、内引出し単独では所定方向の反対方向に移動できないように構成されていても良い。
【0070】
更に、上記の各実施の形態では、オス型嵌合部材及びメス型嵌合部材は、内引出し及び外引出しの各々の収容側の位置に設けられているが、例えば、これらを内引出しの前板の全面及び外引出しの前扉の背面の各々に設ける等、他の位置に設けられていても良い。
【0071】
更に、上記の各実施の形態では、オス型嵌合部材及びメス型嵌合部材は、所定方向に対して直交する水平方向において2組設けられているが、これらは垂直方向であっても良く、又、オス型嵌合部材及びメス型嵌合部材は少なくとも1組設けられていれば良い。
【符号の説明】
【0072】
5…引出し構造体
10、70…オス型嵌合部材
20、80…メス型嵌合部材
30…外引出し
40…内引出し
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
【技術分野】
【0001】
この発明は引出し構造体に関し、特に、外引出しと外引出しの内部に設置された内引出しとを備える引出し構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
外引出しと、外引出しの内部に設置された内引出しとを備える引出し構造体は種々提案されている。その中で、内引出しの収納物を一度の引出し動作で取り出すために、外引出しを引き出すと内引出しが連動して引き出される引出し構造体(例えば、特許文献1)について説明する。
【0003】
図11は特許文献1で開示されたキッチンキャビネットを組み込み設置したシステムキッチンの斜視図であって、外引出しを引き出した状態を示すものであり、図12は図11で示したXII−XIIラインの拡大断面図である。
【0004】
これらの図を参照して、キッチンキャビネット7は、システムキッチン50のワークトップ51の下に組み込み設置されている。キッチンキャビネット7は、外引出し30及び外引出し30の内部に設置された内引出し40を有する引出し構造体60と、引出し構造体60の下部に設置された蹴込み引出し61とを備えている。
【0005】
外引出し30は、前面側(図12の左側)の板状の前扉31と、底板32と、左右の側板33a、33b(図示せず)と、背板34とによって、上面側を開口とする箱状に形成されている。尚、外引出し30は、図示しない受けレールと、側板33a、33b(図示せず)の下部に設置されたインナーレールとによって引き出し自在に構成されている。
【0006】
内引出し40は、前板41と、底板42と、左右の側板43a、43b(図示せず)と、背板44とによって、上面側を開口とする箱状に形成されている。尚、内引出し40においても、図示しない受けレールと、側板43a、43b(図示せず)の下部に設置されたインナーレールとによって、外引出し30と同一方向に引き出し自在に構成されている。
【0007】
又、外引出し30の背板34の収容側(図12の右側)の面には、マグネット65が設置されている。更に、内引出し40の背板44の収容側の面には、マグネット65の水平位置に対応するように下方に延びる磁性体の金属板よりなるマグネット受け66が、マグネット65より収容側になるように設置されている。従って、外引出し30及び内引出し40が収容状態の時、マグネット65とマグネット受け66とは吸着状態となる。そのため、収容状態から外引出し30を引き出すと内引出し40も連動して引き出されるので、外引出し30を引き出すことで内引出し40の収納物を取り出すことができる。
【0008】
図13は図12の状態から更に外引出しを引き出した状態を示す図であって、図12に対応するものである。
【0009】
図を参照して、外引出し30の引き出しストローク(引き出し行程)の長さは、内引出し40の引き出しストロークの長さより長くなるように構成されている。従って、図12の状態から外引出し30を引き出す力を加え続けることによって、図で示すようにマグネット65とマグネット受け66との吸着状態が解除され、外引出し30のみを更に引き出すことができる。そのため、外引出し30の収納物を容易に取り出すことができる。
【0010】
この時、内引出し40のみを収容側に押し戻すと、外引出し30のみを引き出した状態となり、外引出し30の収容物を更に容易に取り出すことができる。
又、外引出し30及び内引出し40を収容する場合においては、まず外引出し30を収容側へと移動させると、マグネット65と内引出し40のマグネット受け66とが吸着状態となる。そして、そのまま外引出し30を収容側へと移動させると、内引出し40も連動して収容側へと移動し、これらが収容状態となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2006−230676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記のような従来の引出し構造体では、外引出しと内引出しとは、マグネット及びマグネット受けの吸着によって連動して引き出される構造になっていたため、これらの吸着を解除する際には、その吸着状態が瞬間的に解除されてしまっていた。そのため、使用者にとっては所定量を超えると急に外引出しが軽い力で引き出されるような状態となるので、引き出し難く、使い勝手の悪い外引出しとなっていた。
【0013】
又、マグネットとマグネット受けとの吸着状態が解除した状態から、再度吸着状態へと移行する際、即ち、外引出し及び内引出しを収容する際においては、吸着時におけるマグネットとマグネット受けとの吸着音が衝撃音となり、使用者にとって不快なものとなっていた。
【0014】
そして、このような問題を解決すべく、例えばマグネットとマグネット受けとの間にフェルト等を配置させ、これらの衝撃音を緩和させる方法がある。しかしながら、フェルトによってマグネットとマグネット受けとの吸着力が低下することで、外引出しと内引出しとが連動して引き出される際に不用意にこれらの吸着状態が解除されてしまう虞があった。そして、フェルトを介しても外引出しと内引出しとを連動して引き出せるように、マグネットとマグネット受けとの吸着力を大きく設定すると、上述した衝撃音が増加することになってしまう。
【0015】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、外引出しの引き出しが容易であると共に、外引出しの収容時に衝撃音が発生する虞の無い引出し構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、引出し構造体であって、引き出し方向となる所定方向及びその反対方向に移動自在の外引出しと、外引出しの内部に設置され、所定方向及び反対方向に移動自在の内引出しと、外引出し又は内引出しに取り付けられたオス型嵌合部材と、内引出し又は外引出しに取り付けられ、オス型嵌合部材に対して所定方向及び反対方向において徐々に嵌合、脱出を可能とするメス型嵌合部材とを備え、外引出し及び内引出しが収容された状態において、オス型嵌合部材及びメス型嵌合部材は嵌合し、外引出しが所定量引き出されるまではオス型嵌合部材及びメス型嵌合部材は嵌合した状態で外引出し及び内引出しは連動して移動し、外引出しが所定量を超えて引き出されると、オス型嵌合部材及びメス型嵌合部材の嵌合状態が解除されるものである。
【0017】
このように構成すると、外引出しが所定量を超えて引き出されると、オス型嵌合部材及びメス型嵌合部材の嵌合が所定方向において徐々に解除される。又、オス型嵌合部材及びメス型嵌合部材の嵌合が解除した状態から、外引出しを収容状態に移動させると、オス型嵌合部材及びメス型嵌合部材が反対方向において徐々に嵌合する。
【0018】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、オス型嵌合部材及びメス型嵌合部材の嵌合状態が解除された時、内引出しは反対方向に移動可能となるものである。
【0019】
このように構成すると、内引出しを収容状態に移動できる。
【0020】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の構成において、オス型嵌合部材及びメス型嵌合部材は、外引出し及び内引出しの各々において収容側の位置で取り付けられるものである。
【0021】
このように構成すると、外引出し及び内引出しを引き出した状態において、オス型嵌合部材及びメス型嵌合部材が目立たない。
【0022】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明の構成において、オス型嵌合部材及びメス型嵌合部材は、所定方向に対して直交する水平方向において2組設けられるものである。
【0023】
このように構成すると、嵌合、脱出動作が安定する。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、外引出しが所定量を超えて引き出されると、オス型嵌合部材及びメス型嵌合部材の嵌合が所定方向において徐々に解除されるため、スムースな嵌合部材の解除となり、外引出しの引き出しが容易となる。又、オス型嵌合部材及びメス型嵌合部材の嵌合が解除した状態から、外引出しを収容状態に移動させると、オス型嵌合部材及びメス型嵌合部材が反対方向において徐々に嵌合するため、スムースな嵌合部材の嵌合となり、嵌合時に衝撃音が発生する虞が無い。
【0025】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、内引出しを収容状態に移動できるため、外引出しのみを引き出した状態になり、使い勝手が向上する。
【0026】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、外引出し及び内引出しを引き出した状態において、オス型嵌合部材及びメス型嵌合部材が目立たないため、スマートな引出し構造体となる。
【0027】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、嵌合、脱出動作が安定するため、外引出し及び内引出しの連動動作及び分離動作の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】この発明の第1の実施の形態による引出し構造体を示す断面図であって、従来例の図12に対応するものである。
【図2】図1で示したII−IIラインの断面図である。
【図3】図1で示したIII−IIIラインの断面図である。
【図4】図1で示したX部分の拡大図である。
【図5】図4で示したV−Vラインの断面図である。
【図6】図1で示した引出し構造体の引き出し動作の工程を示す断面図である。
【図7】図6で示した引き出し動作に対応したオス型嵌合部材及びメス型嵌合部材の動作を示す図である。
【図8】図1で示した引出し構造体の収容動作の工程を示す断面図である。
【図9】図8で示した収容動作に対応したオス型嵌合部材及びメス型嵌合部材の動作を示す図である。
【図10】この発明の第2の実施の形態の引出し構造体のオス型嵌合部材及びメス型嵌合部材を示す図であって、第1の実施の形態の図5に対応するものである。
【図11】従来のキッチンキャビネットを組み込み設置したシステムキッチンの斜視図であって、外引出しを引き出した状態を示すものである。
【図12】図11で示したXII−XIIラインの拡大断面図である。
【図13】図12の状態から更に外引出しを引き出した状態を示す図であって、図12に対応するものである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1はこの発明の第1の実施の形態による引出し構造体を示す断面図であって、従来例の図12に対応するものであり、図2は図1で示したII−IIラインの断面図であり、図3は図1で示したIII−IIIラインの断面図である。
【0030】
これらの図を参照して、引出し構造体5は、ワークトップ51と、ワークトップ51から下方に垂直に延びる縦仕切板62a、62bと、背板64と、中仕切板63とによって、その前面(図1の左側)が開放された収容スペースを形成している。そして、この収容スペース内に、外引出し30と、外引出し30の内部に設置された内引出し40とを備えている。又、内引出し40は、合成樹脂よりなるオス型嵌合部材10a、10bを備えている。更に、外引出し30は、オス型嵌合部材10a、10bの各々に対して後述する所定方向及びその反対方向において嵌合、脱出が可能である、合成樹脂よりなるメス型嵌合部材20a、20bを備えている。そして、外引出し30と内引出し40とは、オス型嵌合部材10a、10bの各々とメス型嵌合部材20a、20bの各々との嵌合によって連動して移動することができるように構成されている。オス型嵌合部材及びメス型嵌合部材の詳細な構造及び動作については後述する。
【0031】
外引出し30は、その前面に位置する矩形状の前扉31と、前扉31から収容側(図1の右側)に延びる矩形状の底板32及び側板33a、33bと、底板32及び側板33a、33bの収容側端部に接続された矩形状の背板34とによって、上面側を開口とする箱状に形成されている。そして、前扉31と背板34の上端部とを連結する管状のギャラリーバー35a、35bを備えている。尚、外引出し30は、図示しないレールによって引き出し方向となる所定方向(図1の左方向)及びその反対方向(図1の右方向)に移動自在に構成されている。
【0032】
内引出し40は、その前面に位置する矩形状の前板41と、前板41から収容側に延びる矩形状の底板42及び側板43a、43bと、底板42及び側板43a、43bの収容側端部に接続された矩形状の背板44とによって、上面側を開口とする箱状に形成されている。尚、内引出し40は、図示しないレールによって、上述した所定方向及びその反対方向に移動自在に構成されている。
【0033】
又、外引出し30の背板34の収容側の面には、その幅方向(所定方向に対して直交する水平方向)の両端から収容側に延びる矩形状の固定板37a、37bが設置されている。そして、固定板37a、37bの各々の上面には、上述したメス型嵌合部材20a、20bの各々が設置されている。
【0034】
又、内引出し40の背板44の収容側の面には、その幅方向の両端から下方に向かって延びる矩形状の固定板47a、47bが外引出し30の背板34より収容側に位置するように設置されている。そして、固定板47a、47bの各々の前面の下端には、オス型嵌合部材10a、10bがメス型嵌合部材20a、20bに対応する位置に設置されている。
【0035】
このように、オス型嵌合部材10a、10b及びメス型嵌合部材20a、20bは、外引出し30及び内引出し40の各々において収容側の位置で取り付けられている。従って、外引出し30及び内引出し40を引き出した状態において、使用者からオス型嵌合部材10a、10b及びメス型嵌合部材20a、20bが目立たない。そのため、スマートな引出し構造体5となる。
【0036】
次に、オス型嵌合部材及びメス型嵌合部材の詳細な構造について説明する。
【0037】
図4は図1で示したX部分の拡大図であり、図5は図4で示したV−Vラインの断面図である。
【0038】
これらの図を参照して、オス型嵌合部材10aは、固定板47aの前面に設置された板状の固定部13と、固定部13の中央から所定方向に向かって延びる胴部12と、胴部12の所定方向側の端部に形成された矢状の係合部11とから構成されている。尚、固定部13の幅方向の両端は、ネジ19によって固定板47aに固定されている。
【0039】
メス型嵌合部材20aは、固定板37aの上面に設置された板状の固定部23と、固定部23の中央から上方に向かって延びる胴部22と、胴部22の上端から収容側に向かって延びる平面視U字状のローラー胴部21と、ローラー胴部21の収容側端部の各々に垂直方向(図4における上下方向)を軸として回動自在に形成されたローラー25a、25bとから構成されている。尚、固定部23の幅方向の両端部には開口24が形成されており、固定部23の両端は、ネジ29によって開口24を介して固定板37aに固定されている。オス型嵌合部材10a及びメス型嵌合部材20aはこのように構成されており、図3で示したオス型嵌合部材10b及びメス型嵌合部材20bにおいても同様の構成となっている。
【0040】
そして、図で示す嵌合状態においては、オス型嵌合部材10aの係合部11がメス型嵌合部材20aのローラー胴部21内のスペース27に位置している。そして、ローラー25a、25bに挟まれるようにオス型嵌合部材10aの胴部12が位置している。即ち、所定方向及びその反対方向に対して確実に嵌合している。そして、このような嵌合状態が解除された時のオス型嵌合部材10aの位置を二点鎖線で示している。このようなオス型嵌合部材とメス型嵌合部材との嵌合、脱出の動作については後述する。
【0041】
次に、外引出し及び内引出しの収納状態からの引き出し動作及びそれに伴うオス型嵌合部材及びメス型嵌合部材の動作について説明する。
【0042】
図6は図1で示した引出し構造体の引き出し動作の工程を示す断面図であり、図7は図6で示した引き出し動作に対応したオス型嵌合部材及びメス型嵌合部材の動作を示す図である。
【0043】
まず、図6の(1)及び図7の(1)を参照して、外引出し30及び内引出し40が収容された状態の時、オス型嵌合部材10とメス型嵌合部材20とは嵌合状態となっている。オス形嵌合部材10とメス型嵌合部材20との嵌合力は、外引出し30の引き出し移動に伴って内引出し40が連動して移動しても、これらの嵌合が解除されないような大きさに設定されている。従って、矢印で示すように外引出し30を所定方向に引き出すと、同じく矢印で示すように内引出し40も連動して所定方向に移動する。そして、外引出し30を引き出し続けて、所定量である引き出し行程の長さL1まで引き出すと、図6の(2)で示す状態となる。
【0044】
次に、図6の(2)及び図7の(2)を参照して、内引出し40の引き出し行程の長さはL1となるように設定されているため、図6の(2)で示す位置を超えて引き出すことが不可能である。しかしながら、外引出し30は内引出し40より引き出し行程が後述する長さL2分だけ長くなるように設定されているため、この位置を超えて引き出すことが可能である。
【0045】
そして、図6の(2)で示す状態から更に外引出し30を矢印で示すように所定方向に引き出すと、図7の(2)で示すように、オス型嵌合部材10とメス型嵌合部材20との嵌合力以上の力がメス型嵌合部材20に加わり、これらの嵌合状態が解除されようとする。具体的には、メス型嵌合部材20は合成樹脂によって形成されているため、オス型嵌合部材10の係合部11のローラー25a、25bの間への移動に伴って、これらの間を拡げるようにローラー胴部21が矢印で示すように変形する。その際、上述した通りローラー25a、25bは垂直方向(図7の紙面に直交する方向)に回動自在に形成されているため、ローラー25a、25bは収容側の方向に向かって回転する。そのため、係合部11とローラー25a、25bとの間には、主に転がり抵抗のみが作用するので、係合部11のローラー胴部21のスペース27からの脱出が容易となる。
【0046】
このように、オス型嵌合部材10とメス型嵌合部材20とは、徐々に嵌合が解除されるため、従来のマグネット及びマグネット受けのように吸着状態が瞬間的に解除される虞が無い。
【0047】
そして、この状態から外引出し30を所定方向に引き出し続けると、オス型嵌合部材10とメス型嵌合部材20との嵌合状態が所定方向において完全に解除され、図6の(3)で示す状態となる。
【0048】
次に、図6の(3)及び図7の(3)を参照して、オス型嵌合部材10とメス型嵌合部材20との嵌合状態が解除されると、ローラー胴部21が矢印で示すように通常の位置となると共に、ローラー25a、25bが通常の位置に移動する。そして、このようにして外引出し30は長さL2分だけ内引出し40より所定方向に引き出すことができるため、外引出し30の収納物を取り出すことができる。
【0049】
更に、上述した通り、内引出し40は所定方向及びその反対方向に移動自在であるため、二点鎖線で示すように内引出し40を収容側へ移動させることができる。すると、外引出し30のみを引き出した状態となり、外引出し30の収容物の取り出しが更に容易となり、使い勝手が向上する。
【0050】
上述した通り、外引出し30が所定量である長さL1を超えて引き出されると、オス型嵌合部材10及びメス型嵌合部材20の嵌合が所定方向において徐々に解除される。従って、スムーズな嵌合部材の解除となるため、外引出し30の引き出しが容易となる。
【0051】
次に、外引出し及び内引出しの引き出し状態からの収容動作及びそれに伴うオス型嵌合部材及びメス型嵌合部材の動作について説明する。
【0052】
図8は図1で示した引出し構造体の収容動作の工程を示す断面図であり、図9は図8で示した収容動作に対応したオス型嵌合部材及びメス型嵌合部材の動作を示す図である。
【0053】
まず、図8の(1)及び図9の(1)を参照して、外引出し30のみが引き出された状態(図6の(3)に対応した状態)から、外引出し30を矢印で示すように収容側へ移動させる。この時、オス型嵌合部材10とメス型嵌合部材20とは離れており、嵌合状態が解除されているため、外引出し30のみが移動する。
【0054】
次に、図8の(2)及び図9の(2)を参照して、外引出し30を収容側に移動させ続けると、オス型嵌合部材10とメス型嵌合部材20とが接触する。すると、オス型嵌合部材10の係合部11がメス型嵌合部材20のローラー25a、25bの間を挿通しようとする。すると、ローラー25a、25bの間を拡げるようにローラー胴部21が矢印で示すように変形する。その際、ローラー25a、25bは、所定方向に向かって回転するため、係合部11とローラー25a、25bとの間には、主に転がり抵抗のみが作用するので、係合部11のローラー25a、25bの間の挿通が容易となる。そして、この状態から更に外引出し30を収容側に移動させ続けると、オス型嵌合部材10とメス型嵌合部材20とが接触しているため、内引出し40も連動して移動し、図8の(3)で示す状態となる。
【0055】
このように、オス型嵌合部材10とメス型嵌合部材20とは徐々に嵌合するため、従来のマグネット及びマグネット受けのように吸着時に衝撃音が発生する虞が無い。
【0056】
次に、図8の(3)及び図9の(3)を参照して、外引出し30と内引出し40とが矢印で示すように連動して移動すると、これらが収容状態となる。この時、図9の(3)で示すように、オス型嵌合部材10とメス型嵌合部材20とが確実に嵌合状態になる。そして、オス型嵌合部材10の係合部11の挿通により拡がっていたローラー25a、25bは、ローラー胴部21の変形によってオス型嵌合部材10の胴部12を挟むような状態となる。即ち、図6の(1)の状態に戻る。
【0057】
上述した通り、図8の(1)で示したオス型嵌合部材10及びメス型嵌合部材20の嵌合が解除した状態から、外引出し30を収容状態となるように移動させると、オス型嵌合部材10とメス型嵌合部材20とが所定方向の反対方向において徐々に嵌合する。従って、これらがスムースな嵌合となるため、嵌合時に衝撃音が発生する虞が無い。
【0058】
又、上述した通り、オス型嵌合部材10及びメス型嵌合部材20は、幅方向において2組設けられているため、オス型嵌合部材10及びメス型嵌合部材20による嵌合、脱出動作が安定する。従って、外引出し30及び内引出し40の連動動作及び分離動作の信頼性が向上する。
【0059】
図10はこの発明の第2の実施の形態の引出し構造体のオス型嵌合部材及びメス型嵌合部材を示す図であって、第1の実施の形態の図5に対応するものであり、(1)はオス型嵌合部材及びメス型嵌合部材の嵌合状態を示す図であって、(2)はオス型嵌合部材及びメス型嵌合部材の嵌合状態が解除した状態を示す図である。
【0060】
尚、説明に当たっては、基本的には第1の実施の形態によるものと同一であるため、その相違点を中心に説明する。
【0061】
まず(1)を参照して、この実施の形態にあっては、オス型嵌合部材及びメス型嵌合部材の形状が大きく異なっている。即ち、この実施の形態におけるオス型嵌合部材70は、合成樹脂によって形成されており、固定板47aの面上に設置される板状の固定部73と、固定部73の中央から所定方向に向かって延びると共に、先太りの棒状の胴部72とから構成されている。
【0062】
メス型嵌合部材80は、合成樹脂によって平面視U字状にオス型嵌合部材70の胴部72の平面形状に対応するように形成されており、その開放部分がオス型嵌合部材70側となるように設置されている。従って、オス型嵌合部材70に対して所定方向及びその反対方向において嵌合、脱出が可能である。尚、メス型嵌合部材80は、その底部がネジ29によって外引出しの背板34に直接固定されている。
【0063】
そして、(1)で示す嵌合状態におけるオス型嵌合部材70とメス型嵌合部材80との嵌合力は、外引出しと内引出しとが連動して移動する際にオス型嵌合部材70とメス型嵌合部材80との嵌合が解除しない大きさとなるように設定されている。従って、外引出しと内引出しとが連動して移動することができる。
【0064】
次に(2)を参照して、オス型嵌合部材70がメス型嵌合部材80から脱出した状態、即ち、これらの嵌合状態が解除された状態を示している。オス型嵌合部材70とメス型嵌合部材80との嵌合状態及び嵌合が解除された状態におけるこれらの動作については、図7及び図9で示した第1の実施の形態におけるオス型嵌合部材及びメス型嵌合部材において、ローラーの動作を除いては略同一である。従って、この実施の形態による引出し構造体にあっては、第1の実施の形態と同様の効果を発揮する。
【0065】
尚、上記の各実施の形態では、引出し構造体はキッチンキャビネットを構成しているが、キッチンキャビネットに限らず、例えばタンス等、他の目的に使用されるものであっても同様に適用できるのは言うまでもない。
【0066】
又、上記の各実施の形態では、オス型嵌合部材及びメス型嵌合部材は合成樹脂によって特定形状に形成されているが、メス型嵌合部材がオス型嵌合部材に対して所定方向及びその反対方向において徐々に嵌合、脱出が行なわれる構造であれば、これらは他の素材によって他の形状に形成されていても良い。
【0067】
更に、上記の各実施の形態では、外引出しにメス型嵌合部材が設置されると共に、内引出しにオス型嵌合部材が設置されているが、オス型嵌合部材とメス型嵌合部材とを入れ替えて設置しても良い。
【0068】
更に、上記の各実施の形態では、外引出し及び内引出しは特定形状に形成されているが、外引出しは引き出し方向となる所定方向及びその反対方向に移動自在であれば、他の形状であっても良く、内引出しは外引出しの内部に設置され、所定方向及びその反対方向に移動自在であれば、他の形状であっても良い。
【0069】
更に、上記の各実施の形態では、オス型嵌合部材及びメス型嵌合部材の嵌合状態が解除された時、内引出しが所定方向の反対方向に移動可能となるように構成されているが、嵌合状態が解除された時、内引出し単独では所定方向の反対方向に移動できないように構成されていても良い。
【0070】
更に、上記の各実施の形態では、オス型嵌合部材及びメス型嵌合部材は、内引出し及び外引出しの各々の収容側の位置に設けられているが、例えば、これらを内引出しの前板の全面及び外引出しの前扉の背面の各々に設ける等、他の位置に設けられていても良い。
【0071】
更に、上記の各実施の形態では、オス型嵌合部材及びメス型嵌合部材は、所定方向に対して直交する水平方向において2組設けられているが、これらは垂直方向であっても良く、又、オス型嵌合部材及びメス型嵌合部材は少なくとも1組設けられていれば良い。
【符号の説明】
【0072】
5…引出し構造体
10、70…オス型嵌合部材
20、80…メス型嵌合部材
30…外引出し
40…内引出し
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
引出し構造体であって、
引き出し方向となる所定方向及びその反対方向に移動自在の外引出しと、
前記外引出しの内部に設置され、前記所定方向及び前記反対方向に移動自在の内引出しと、
前記外引出し又は前記内引出しに取り付けられたオス型嵌合部材と、
前記内引出し又は前記外引出しに取り付けられ、前記オス型嵌合部材に対して前記所定方向及び前記反対方向において徐々に嵌合、脱出を可能とするメス型嵌合部材とを備え、
前記外引出し及び前記内引出しが収容された状態において、前記オス型嵌合部材及び前記メス型嵌合部材は嵌合し、前記外引出しが所定量引き出されるまでは前記オス型嵌合部材及び前記メス型嵌合部材は嵌合した状態で前記外引出し及び前記内引出しは連動して移動し、前記外引出しが前記所定量を超えて引き出されると、前記オス型嵌合部材及び前記メス型嵌合部材の嵌合状態が解除される、引出し構造体。
【請求項2】
前記オス型嵌合部材及び前記メス型嵌合部材の嵌合状態が解除された時、前記内引出しは前記反対方向に移動可能となる、請求項1記載の引出し構造体。
【請求項3】
前記オス型嵌合部材及び前記メス型嵌合部材は、前記外引出し及び前記内引出しの各々において収容側の位置で取り付けられる、請求項1又は請求項2記載の引出し構造体。
【請求項4】
前記オス型嵌合部材及び前記メス型嵌合部材は、前記所定方向に対して直交する水平方向において2組設けられる、請求項1から請求項3のいずれかに記載の引出し構造体。
【請求項1】
引出し構造体であって、
引き出し方向となる所定方向及びその反対方向に移動自在の外引出しと、
前記外引出しの内部に設置され、前記所定方向及び前記反対方向に移動自在の内引出しと、
前記外引出し又は前記内引出しに取り付けられたオス型嵌合部材と、
前記内引出し又は前記外引出しに取り付けられ、前記オス型嵌合部材に対して前記所定方向及び前記反対方向において徐々に嵌合、脱出を可能とするメス型嵌合部材とを備え、
前記外引出し及び前記内引出しが収容された状態において、前記オス型嵌合部材及び前記メス型嵌合部材は嵌合し、前記外引出しが所定量引き出されるまでは前記オス型嵌合部材及び前記メス型嵌合部材は嵌合した状態で前記外引出し及び前記内引出しは連動して移動し、前記外引出しが前記所定量を超えて引き出されると、前記オス型嵌合部材及び前記メス型嵌合部材の嵌合状態が解除される、引出し構造体。
【請求項2】
前記オス型嵌合部材及び前記メス型嵌合部材の嵌合状態が解除された時、前記内引出しは前記反対方向に移動可能となる、請求項1記載の引出し構造体。
【請求項3】
前記オス型嵌合部材及び前記メス型嵌合部材は、前記外引出し及び前記内引出しの各々において収容側の位置で取り付けられる、請求項1又は請求項2記載の引出し構造体。
【請求項4】
前記オス型嵌合部材及び前記メス型嵌合部材は、前記所定方向に対して直交する水平方向において2組設けられる、請求項1から請求項3のいずれかに記載の引出し構造体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−92227(P2011−92227A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−246085(P2009−246085)
【出願日】平成21年10月27日(2009.10.27)
【出願人】(591260166)太陽パーツ株式会社 (18)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月27日(2009.10.27)
【出願人】(591260166)太陽パーツ株式会社 (18)
【Fターム(参考)】
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