引出装置
【課題】引き出そうとする巻体が、回転リールの回転体の周囲と外包囲体の支柱との隙間に挟まってしまったり、この隙間から回転体の下方に脱落し、からまったりすることがないようにして、回転リールが回転しなくなることがなく、巻体の引き出し操作ができなくなることのない引出装置を提供する。
【解決手段】巻体Rを保持する回転リール1を回転自在として、外包囲体2の内方に設置したものとし、前記外包囲体2を、適宜間隔をおいて支柱7を複数本、立設したものとし、これら支柱7間から前記巻体Rを引き出せるようにしており、前記支柱7には、前記回転リール1の回転体3の周端部の少なくとも上方または下方を覆うようにした突起12を設けたものとし、前記突起12によって、前記回転リール1の回転体3の周囲と前記外包囲体2の支柱7との隙間Sを塞ぐようにしている。
【解決手段】巻体Rを保持する回転リール1を回転自在として、外包囲体2の内方に設置したものとし、前記外包囲体2を、適宜間隔をおいて支柱7を複数本、立設したものとし、これら支柱7間から前記巻体Rを引き出せるようにしており、前記支柱7には、前記回転リール1の回転体3の周端部の少なくとも上方または下方を覆うようにした突起12を設けたものとし、前記突起12によって、前記回転リール1の回転体3の周囲と前記外包囲体2の支柱7との隙間Sを塞ぐようにしている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電線やケーブルなどの巻体を保持し、その巻体を使用時に引き出せるようにした引出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の引出装置としては、例えば、図31、32に示したようなものが存在する。図示した引出装置は、電線やケーブルなどの巻体Rを保持する回転リール21を、垂直支軸22の回りに回転自在として、外包囲体23の内方に設置したものとしている(非特許文献1)。
【0003】
前記回転リール21は、円板状の回転体24の中央部に、前記垂直支軸22に軸支される支持筒25が設けられ、この支持筒25の周囲には電線やケーブルなどの巻体Rの中心空洞部Oが保持される保持枠26が設けられている。さらに、前記支持筒25には、その側部からねじ込んで、前記垂直支軸22に押し付けられて回転リール21の回転速度を加減するようにしたブレーキ部材27が取り付けられている。
【0004】
前記外包囲体23は、前記回転リール21の回転体24の周囲に設置されており、適宜間隔をおいて四本、立設した支柱28のそれぞれ隣り合う二本どうしの上端間を連結体29で連結し、これら対向する連結体29のそれぞれに外出し枠30を設けたものとしている。さらに、前記連結体29の一方に、回転リール21に保持された巻体Rの中心空洞部Oと略同一径の蓋体31を中央部に取り付け、その両端部に中出し枠32を形成した枠体33の一端を軸支し、この枠体33の他端を前記連結体29の他方に着脱自在にすることにより、この枠体33で前記巻体Rの上方を開閉できるようにしている。なお、前記回転リール21の回転体24の周囲と外包囲体23のそれぞれの支柱28との間には、回転体24が支柱28に接触してその回転が阻止されないように、隙間Sを有したものとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【非特許文献1】ジェフコム株式会社発行の「2010〜2011ジェフコム総合カタログvol.19」の第62ページ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の引出装置では、電線やケーブルなどの巻体Rの使用時に、図32の矢印Aに示すように、前記巻体Rを外出しする(外出し枠30から引き出す)場合には、その引き出そうとする巻体Rが、弛んだりして、回転リール21の回転体24の周囲と外包囲体23の支柱28との隙間Sに挟まってしまったり、この隙間Sから回転体24の下方に脱落し、からまったりすることがある。すると、回転リール21が回転しなくなり、巻体Rの引き出し操作ができなくなるという問題点を有していた。
【0007】
そこで、この発明は、上記従来の問題点を解決することをその課題としており、引き出そうとする巻体が、回転リールの回転体の周囲と外包囲体の支柱との隙間に挟まってしまったり、この隙間から回転体の下方に脱落し、からまったりすることがないようにして、回転リールが回転しなくなることがなく、巻体の引き出し操作ができなくなることのない引出装置を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の引出装置は、巻体Rを保持する回転リール1を回転自在として、外包囲体2の内方に設置したものとし、前記外包囲体2を、適宜間隔をおいて支柱7を複数本、立設したものとし、これら支柱7間から前記巻体Rを引き出せるようにしており、前記支柱7には、前記回転リール1の回転体3の周端部の少なくとも上方または下方を覆うようにした突起12を設けたものとし、前記突起12によって、前記回転リール1の回転体3の周囲と前記外包囲体2の支柱7との隙間Sを塞ぐようにしている。
【0009】
そして、この発明の引出装置は、前記突起12をフランジFとし、このフランジFを前記回転リール1の回転体3の周端部の上方または下方に位置するようにしている。
【0010】
さらに、この発明の引出装置は、前記突起12をフランジFを有する短筒体とし、この短筒体のフランジFを前記回転リール1の回転体3の周端部の上方または下方に位置するようにしている。
【0011】
また、この発明の引出装置は、前記突起12を周溝11を有する短筒体とし、この短筒体の周溝11に前記回転リール1の回転体3の周端部を遊嵌合するようにしている。
【0012】
さらに、この発明の引出装置は、前記突起12を頭部16と胴部17を有したものとし、前記頭部16の上面を外下がりの傾斜面αにしている。
【発明の効果】
【0013】
この発明の引出装置は、以上に述べたように構成されているので、引き出そうとする巻体が、弛んだりしても、回転リールの回転体の周囲と外包囲体の支柱との隙間に挟まってしまったり、この隙間から回転体の下方に脱落し、からまったりすることがなくなり、回転リールが回転しなくなることがなく、巻体の引き出し操作ができなくなることのないものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の引出装置を斜め上方から見た状態の斜視図である。
【図2】この発明の引出装置を図1とは方向を変えて斜め上方から見た状態の斜視図である。
【図3】この発明の引出装置に保持される巻体を斜め上方から見た状態の斜視図である。
【図4】この発明の引出装置を斜め下方から見た状態の斜視図である。
【図5】この発明の引出装置の平面図である。
【図6】この発明の引出装置の底面図である。
【図7】この発明の引出装置の側面図である。
【図8】この発明の引出装置の突起を正面上方から見た状態の斜視図である。
【図9】この発明の引出装置の突起を正面下方から見た状態の斜視図である。
【図10】この発明の引出装置の突起の分解斜視図である。
【図11】この発明の引出装置の他の実施形態を斜め上方から見た状態の斜視図である。
【図12】図11に示すこの発明の引出装置を斜め下方から見た状態の斜視図である。
【図13】図11に示すこの発明の引出装置の平面図である。
【図14】図11に示すこの発明の引出装置の部分拡大斜視図である。
【図15】この発明の引出装置のさらに他の実施形態を斜め上方から見た状態の斜視図である。
【図16】図15に示すこの発明の引出装置を斜め下方から見た状態の斜視図である。
【図17】図15に示すこの発明の引出装置の平面図である。
【図18】図15に示すこの発明の引出装置の部分拡大斜視図である。
【図19】この発明の引出装置のさらに他の実施形態を斜め上方から見た状態の斜視図である。
【図20】図19に示すこの発明の引出装置を斜め下方から見た状態の斜視図である。
【図21】図19に示すこの発明の引出装置の平面図である。
【図22】図19に示すこの発明の引出装置の部分拡大斜視図である。
【図23】この発明の引出装置のさらに他の実施形態を斜め上方から見た状態の斜視図である。
【図24】図23に示すこの発明の引出装置を斜め下方から見た状態の斜視図である。
【図25】図23に示すこの発明の引出装置の平面図である。
【図26】図23に示すこの発明の引出装置の部分拡大斜視図である。
【図27】この発明の引出装置のさらに他の実施形態を斜め上方から見た状態の斜視図である。
【図28】図27に示すこの発明の引出装置を斜め下方から見た状態の斜視図である。
【図29】図27に示すこの発明の引出装置の平面図である。
【図30】図27に示すこの発明の引出装置の部分拡大斜視図である。
【図31】従来の引出装置の巻体を保持する前の状態を示す説明図である。
【図32】従来の引出装置の使用状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明の引出装置を実施するための一形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
図1〜7に示したように、この発明の引出装置は、電線やケーブルなどの巻体Rを保持する回転リール1を回転自在として、外包囲体2の内方に設置したものとしている。なお、前記回転リール1は、図示したものでは、垂直支軸(図示せず)の回りに回転自在としているが、この回転リール1を回転自在とするには、このような構造に限定されることはない。
【0017】
前記回転リール1は、円板状や皿状等とした回転体3の中央部に、前記垂直支軸に軸支される支持筒4が設けられ、この支持筒4の周囲には電線やケーブルなどの巻体Rの中心空洞部Oが保持される保持枠5が設けられている。さらに、前記支持筒4には、その側部からねじ込んで、前記垂直支軸に押し付けられて、回転リール1の回転速度を加減するようにしたブレーキ部材6が取り付けられている。
【0018】
前記外包囲体2は、前記回転リール1の回転体3の周囲に設置されており、適宜間隔をおいて支柱7を四本、立設したものとし、これら支柱7間から前記巻体Rを引き出せるようにしている。図示したものは、前記支柱7のそれぞれ隣り合う二本どうしの上端間を連結体8で連結したものとし、これら支柱7間の連結体8とで囲まれる部分から前記巻体Rを引き出せるようにしている。より詳細には、前記支柱7間の連結体8とで囲まれる部分において、対向する連結体8のそれぞれに外出し枠9を設けたものとし、この外出し枠9から前記巻体Rを引き出せるようにしている。
【0019】
そして、前記回転リール1の回転体3の周囲と外包囲体2のそれぞれの支柱7との間には、隙間Sを有したものとしている。なお、前記支柱7は、四本にする場合には、図示したように、十字状に交差させた支持体10のそれぞれの両端部に立設したものとしているが、円形枠状に形成した支持体(図示せず)の周囲にそれぞれ立設したものとしてもよい。また、前記支柱7は、四本以外にも、三本、五本、六本、八本などにすることができ、この場合にも円形枠状に形成した支持体の周囲にそれぞれの本数を立設したものとすることができる。
【0020】
前記支柱7には、前記回転リール1の回転体3の周端部の少なくとも上方または下方を覆うようにした突起12を設けたものとしている。そして、この突起12によって、前記回転リール1の回転体3の周囲と前記外包囲体2の支柱7との隙間Sを塞ぐようにしている。
【0021】
前記連結体8の一方には、回転リール1に保持された巻体Rの中心空洞部Oと略同一径の蓋体13を中央部に取り付け、その両端部に中出し枠14を形成した枠体15の一端を軸支し、この枠体15の他端を前記対向する連結体8の他方に着脱自在にすることにより、この枠体15で前記巻体Rの上方を開閉できるようにしている。
【0022】
前記突起12は、周溝11を有する短筒体とし、この短筒体の周溝11に前記回転リール1の回転体3の周端部を遊嵌合するようにし、その回転体3の周端部の上方および下方を覆うようにしている。
【0023】
そして、前記突起12は、図8〜10に示したように、頭部16と胴部17を有したものとし、軸方向に二分割できるようにした分割体12a、12bからなるものとしている。さらに、前記頭部16の上面を外下がりの傾斜面αにしており、この頭部16の下周端部に前記回転リール1の回転体3の周端部に遊嵌合する周溝11を設けたものとしている。また、前記分割体12a、12bのそれぞれの両側部には連結部18を設け、これら連結部18には、凹凸嵌合部19a、19bと止着孔20を設けたものとし、前記分割体12a、12bの連結部18どうしを向かい合わせ、凹凸嵌合部19a、19どうしを嵌め合わせ、止着孔20をネジ・ボルト類などで止めたり、前記連結部18どうしを接着剤で止めたりすることにより、分割体12a、12bを一体化して、前記突起12を上下動可能として、または上下動しないようにして支柱7に装着できるものとしている。このようにすることにより、前記突起12は、前記支柱に非常に装着し易いものとなる。さらに、前記頭部16の内部は、肉抜きをすると共にリブ16aを形成したものとし、軽量化すると共に強度が低下しないものとしている。なお、前記突起12は、分割体12a、12bからなるものとはせず、一体としたものとしてもよいのは言うまでもない。
【0024】
さらに、前記突起12は、図11〜14に示したような略円形状のフランジFとしたり、図15〜18に示したような略半円形状のフランジFとし、このフランジFを前記回転リール1の回転体3の周端部の上方に位置するようにし、その回転体3の周端部の上方を覆うようにしてもよい。
【0025】
また、前記突起12は、図19〜22に示したような略円形状のフランジFを下端に有する短小の円筒体としたり、図23〜26に示したような略半円形状のフランジFを下端に有する短小の半円筒体とし、このフランジFを前記回転リール1の回転体3の周端部の上方に位置するようにし、その回転体3の周端部の上方を覆うようにしてもよい。
【0026】
さらにまた、前記突起12は、図27〜31に示したような略円形状のフランジFを上端に有する短小の円筒体とし、このフランジFを前記回転リール1の回転体3の周端部の下方に位置するようにし、その回転体3の周端部の下方を覆うようにしてもよい。
【0027】
なお、前記突起12は、図示した実施形態に限定されることなく、前記回転リール1の回転体3の周端部の少なくとも上方または下方を覆うようにしたものであれば、どのような形態であってもよい。
【0028】
以上のように構成したこの発明の引出装置では、電線やケーブルなどの巻体Rの使用時に、その巻体Rを外出しする(外出し枠9から引き出す)場合には、その引き出そうとする巻体Rが弛んだりしても、その巻体Rは、前記突起12の頭部16やフランジFに乗り上げられた状態で引き出されるので、回転リール1の回転体3の周囲と外包囲体2の支柱7との隙間Sに挟まってしまったり、この隙間Sから回転体3の下方に脱落し、からまったりすることがない。したがって、回転リール1が回転しなくなることがなく、巻体Rの引き出し操作ができなくなるということもなくなる。
【0029】
なお、前記突起12を図8〜10に示したようなものにすれば、電線やケーブルなどの巻体Rは、その突起12の頭部16の傾斜面αに乗り上げられた状態で引き出した後、その引き出し操作を止めると、前記頭部16の傾斜面αを滑って回転リール1側に戻されるので、次に引き出す場合には巻体Rの引き出し操作がより行い易いものとなる。
【0030】
さらに、図8〜10に示したような突起12にして、上下動可能として支柱7に装着したものにすれば、前記回転リール1の回転が振れて周端部が上下動した場合にも、この回転リール1の周端部の上下動に伴って突起12も上下動するので、回転リール1の回転体3の周囲と前記外包囲体2の支柱7との隙間Sは、前記突起12によって常に塞がれた状態となっている。
【0031】
また、図8〜10に示したような突起12にして、上下動しないように支柱7に装着したものにすれば、その突起12の周溝11に前記回転リール1の回転体3の周端部が遊嵌合した状態で、この回転リール1が回転することになり、回転体3の周端部が前記突起12の周溝11に支えられた状態となるので、前記回転リール1の回転は振れることなく、スムーズなものとなる。
【符号の説明】
【0032】
1 回転リール
2 外包囲体
3 回転体
7 支柱
8 連結体
11 周溝
12 突起
12a、12b 分割体
16 頭部
17 胴部
18 連結部
19a、19b 凹凸嵌合部
20 止着孔
R 巻体
S 隙間
α 傾斜面
【技術分野】
【0001】
この発明は、電線やケーブルなどの巻体を保持し、その巻体を使用時に引き出せるようにした引出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の引出装置としては、例えば、図31、32に示したようなものが存在する。図示した引出装置は、電線やケーブルなどの巻体Rを保持する回転リール21を、垂直支軸22の回りに回転自在として、外包囲体23の内方に設置したものとしている(非特許文献1)。
【0003】
前記回転リール21は、円板状の回転体24の中央部に、前記垂直支軸22に軸支される支持筒25が設けられ、この支持筒25の周囲には電線やケーブルなどの巻体Rの中心空洞部Oが保持される保持枠26が設けられている。さらに、前記支持筒25には、その側部からねじ込んで、前記垂直支軸22に押し付けられて回転リール21の回転速度を加減するようにしたブレーキ部材27が取り付けられている。
【0004】
前記外包囲体23は、前記回転リール21の回転体24の周囲に設置されており、適宜間隔をおいて四本、立設した支柱28のそれぞれ隣り合う二本どうしの上端間を連結体29で連結し、これら対向する連結体29のそれぞれに外出し枠30を設けたものとしている。さらに、前記連結体29の一方に、回転リール21に保持された巻体Rの中心空洞部Oと略同一径の蓋体31を中央部に取り付け、その両端部に中出し枠32を形成した枠体33の一端を軸支し、この枠体33の他端を前記連結体29の他方に着脱自在にすることにより、この枠体33で前記巻体Rの上方を開閉できるようにしている。なお、前記回転リール21の回転体24の周囲と外包囲体23のそれぞれの支柱28との間には、回転体24が支柱28に接触してその回転が阻止されないように、隙間Sを有したものとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【非特許文献1】ジェフコム株式会社発行の「2010〜2011ジェフコム総合カタログvol.19」の第62ページ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の引出装置では、電線やケーブルなどの巻体Rの使用時に、図32の矢印Aに示すように、前記巻体Rを外出しする(外出し枠30から引き出す)場合には、その引き出そうとする巻体Rが、弛んだりして、回転リール21の回転体24の周囲と外包囲体23の支柱28との隙間Sに挟まってしまったり、この隙間Sから回転体24の下方に脱落し、からまったりすることがある。すると、回転リール21が回転しなくなり、巻体Rの引き出し操作ができなくなるという問題点を有していた。
【0007】
そこで、この発明は、上記従来の問題点を解決することをその課題としており、引き出そうとする巻体が、回転リールの回転体の周囲と外包囲体の支柱との隙間に挟まってしまったり、この隙間から回転体の下方に脱落し、からまったりすることがないようにして、回転リールが回転しなくなることがなく、巻体の引き出し操作ができなくなることのない引出装置を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の引出装置は、巻体Rを保持する回転リール1を回転自在として、外包囲体2の内方に設置したものとし、前記外包囲体2を、適宜間隔をおいて支柱7を複数本、立設したものとし、これら支柱7間から前記巻体Rを引き出せるようにしており、前記支柱7には、前記回転リール1の回転体3の周端部の少なくとも上方または下方を覆うようにした突起12を設けたものとし、前記突起12によって、前記回転リール1の回転体3の周囲と前記外包囲体2の支柱7との隙間Sを塞ぐようにしている。
【0009】
そして、この発明の引出装置は、前記突起12をフランジFとし、このフランジFを前記回転リール1の回転体3の周端部の上方または下方に位置するようにしている。
【0010】
さらに、この発明の引出装置は、前記突起12をフランジFを有する短筒体とし、この短筒体のフランジFを前記回転リール1の回転体3の周端部の上方または下方に位置するようにしている。
【0011】
また、この発明の引出装置は、前記突起12を周溝11を有する短筒体とし、この短筒体の周溝11に前記回転リール1の回転体3の周端部を遊嵌合するようにしている。
【0012】
さらに、この発明の引出装置は、前記突起12を頭部16と胴部17を有したものとし、前記頭部16の上面を外下がりの傾斜面αにしている。
【発明の効果】
【0013】
この発明の引出装置は、以上に述べたように構成されているので、引き出そうとする巻体が、弛んだりしても、回転リールの回転体の周囲と外包囲体の支柱との隙間に挟まってしまったり、この隙間から回転体の下方に脱落し、からまったりすることがなくなり、回転リールが回転しなくなることがなく、巻体の引き出し操作ができなくなることのないものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の引出装置を斜め上方から見た状態の斜視図である。
【図2】この発明の引出装置を図1とは方向を変えて斜め上方から見た状態の斜視図である。
【図3】この発明の引出装置に保持される巻体を斜め上方から見た状態の斜視図である。
【図4】この発明の引出装置を斜め下方から見た状態の斜視図である。
【図5】この発明の引出装置の平面図である。
【図6】この発明の引出装置の底面図である。
【図7】この発明の引出装置の側面図である。
【図8】この発明の引出装置の突起を正面上方から見た状態の斜視図である。
【図9】この発明の引出装置の突起を正面下方から見た状態の斜視図である。
【図10】この発明の引出装置の突起の分解斜視図である。
【図11】この発明の引出装置の他の実施形態を斜め上方から見た状態の斜視図である。
【図12】図11に示すこの発明の引出装置を斜め下方から見た状態の斜視図である。
【図13】図11に示すこの発明の引出装置の平面図である。
【図14】図11に示すこの発明の引出装置の部分拡大斜視図である。
【図15】この発明の引出装置のさらに他の実施形態を斜め上方から見た状態の斜視図である。
【図16】図15に示すこの発明の引出装置を斜め下方から見た状態の斜視図である。
【図17】図15に示すこの発明の引出装置の平面図である。
【図18】図15に示すこの発明の引出装置の部分拡大斜視図である。
【図19】この発明の引出装置のさらに他の実施形態を斜め上方から見た状態の斜視図である。
【図20】図19に示すこの発明の引出装置を斜め下方から見た状態の斜視図である。
【図21】図19に示すこの発明の引出装置の平面図である。
【図22】図19に示すこの発明の引出装置の部分拡大斜視図である。
【図23】この発明の引出装置のさらに他の実施形態を斜め上方から見た状態の斜視図である。
【図24】図23に示すこの発明の引出装置を斜め下方から見た状態の斜視図である。
【図25】図23に示すこの発明の引出装置の平面図である。
【図26】図23に示すこの発明の引出装置の部分拡大斜視図である。
【図27】この発明の引出装置のさらに他の実施形態を斜め上方から見た状態の斜視図である。
【図28】図27に示すこの発明の引出装置を斜め下方から見た状態の斜視図である。
【図29】図27に示すこの発明の引出装置の平面図である。
【図30】図27に示すこの発明の引出装置の部分拡大斜視図である。
【図31】従来の引出装置の巻体を保持する前の状態を示す説明図である。
【図32】従来の引出装置の使用状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明の引出装置を実施するための一形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
図1〜7に示したように、この発明の引出装置は、電線やケーブルなどの巻体Rを保持する回転リール1を回転自在として、外包囲体2の内方に設置したものとしている。なお、前記回転リール1は、図示したものでは、垂直支軸(図示せず)の回りに回転自在としているが、この回転リール1を回転自在とするには、このような構造に限定されることはない。
【0017】
前記回転リール1は、円板状や皿状等とした回転体3の中央部に、前記垂直支軸に軸支される支持筒4が設けられ、この支持筒4の周囲には電線やケーブルなどの巻体Rの中心空洞部Oが保持される保持枠5が設けられている。さらに、前記支持筒4には、その側部からねじ込んで、前記垂直支軸に押し付けられて、回転リール1の回転速度を加減するようにしたブレーキ部材6が取り付けられている。
【0018】
前記外包囲体2は、前記回転リール1の回転体3の周囲に設置されており、適宜間隔をおいて支柱7を四本、立設したものとし、これら支柱7間から前記巻体Rを引き出せるようにしている。図示したものは、前記支柱7のそれぞれ隣り合う二本どうしの上端間を連結体8で連結したものとし、これら支柱7間の連結体8とで囲まれる部分から前記巻体Rを引き出せるようにしている。より詳細には、前記支柱7間の連結体8とで囲まれる部分において、対向する連結体8のそれぞれに外出し枠9を設けたものとし、この外出し枠9から前記巻体Rを引き出せるようにしている。
【0019】
そして、前記回転リール1の回転体3の周囲と外包囲体2のそれぞれの支柱7との間には、隙間Sを有したものとしている。なお、前記支柱7は、四本にする場合には、図示したように、十字状に交差させた支持体10のそれぞれの両端部に立設したものとしているが、円形枠状に形成した支持体(図示せず)の周囲にそれぞれ立設したものとしてもよい。また、前記支柱7は、四本以外にも、三本、五本、六本、八本などにすることができ、この場合にも円形枠状に形成した支持体の周囲にそれぞれの本数を立設したものとすることができる。
【0020】
前記支柱7には、前記回転リール1の回転体3の周端部の少なくとも上方または下方を覆うようにした突起12を設けたものとしている。そして、この突起12によって、前記回転リール1の回転体3の周囲と前記外包囲体2の支柱7との隙間Sを塞ぐようにしている。
【0021】
前記連結体8の一方には、回転リール1に保持された巻体Rの中心空洞部Oと略同一径の蓋体13を中央部に取り付け、その両端部に中出し枠14を形成した枠体15の一端を軸支し、この枠体15の他端を前記対向する連結体8の他方に着脱自在にすることにより、この枠体15で前記巻体Rの上方を開閉できるようにしている。
【0022】
前記突起12は、周溝11を有する短筒体とし、この短筒体の周溝11に前記回転リール1の回転体3の周端部を遊嵌合するようにし、その回転体3の周端部の上方および下方を覆うようにしている。
【0023】
そして、前記突起12は、図8〜10に示したように、頭部16と胴部17を有したものとし、軸方向に二分割できるようにした分割体12a、12bからなるものとしている。さらに、前記頭部16の上面を外下がりの傾斜面αにしており、この頭部16の下周端部に前記回転リール1の回転体3の周端部に遊嵌合する周溝11を設けたものとしている。また、前記分割体12a、12bのそれぞれの両側部には連結部18を設け、これら連結部18には、凹凸嵌合部19a、19bと止着孔20を設けたものとし、前記分割体12a、12bの連結部18どうしを向かい合わせ、凹凸嵌合部19a、19どうしを嵌め合わせ、止着孔20をネジ・ボルト類などで止めたり、前記連結部18どうしを接着剤で止めたりすることにより、分割体12a、12bを一体化して、前記突起12を上下動可能として、または上下動しないようにして支柱7に装着できるものとしている。このようにすることにより、前記突起12は、前記支柱に非常に装着し易いものとなる。さらに、前記頭部16の内部は、肉抜きをすると共にリブ16aを形成したものとし、軽量化すると共に強度が低下しないものとしている。なお、前記突起12は、分割体12a、12bからなるものとはせず、一体としたものとしてもよいのは言うまでもない。
【0024】
さらに、前記突起12は、図11〜14に示したような略円形状のフランジFとしたり、図15〜18に示したような略半円形状のフランジFとし、このフランジFを前記回転リール1の回転体3の周端部の上方に位置するようにし、その回転体3の周端部の上方を覆うようにしてもよい。
【0025】
また、前記突起12は、図19〜22に示したような略円形状のフランジFを下端に有する短小の円筒体としたり、図23〜26に示したような略半円形状のフランジFを下端に有する短小の半円筒体とし、このフランジFを前記回転リール1の回転体3の周端部の上方に位置するようにし、その回転体3の周端部の上方を覆うようにしてもよい。
【0026】
さらにまた、前記突起12は、図27〜31に示したような略円形状のフランジFを上端に有する短小の円筒体とし、このフランジFを前記回転リール1の回転体3の周端部の下方に位置するようにし、その回転体3の周端部の下方を覆うようにしてもよい。
【0027】
なお、前記突起12は、図示した実施形態に限定されることなく、前記回転リール1の回転体3の周端部の少なくとも上方または下方を覆うようにしたものであれば、どのような形態であってもよい。
【0028】
以上のように構成したこの発明の引出装置では、電線やケーブルなどの巻体Rの使用時に、その巻体Rを外出しする(外出し枠9から引き出す)場合には、その引き出そうとする巻体Rが弛んだりしても、その巻体Rは、前記突起12の頭部16やフランジFに乗り上げられた状態で引き出されるので、回転リール1の回転体3の周囲と外包囲体2の支柱7との隙間Sに挟まってしまったり、この隙間Sから回転体3の下方に脱落し、からまったりすることがない。したがって、回転リール1が回転しなくなることがなく、巻体Rの引き出し操作ができなくなるということもなくなる。
【0029】
なお、前記突起12を図8〜10に示したようなものにすれば、電線やケーブルなどの巻体Rは、その突起12の頭部16の傾斜面αに乗り上げられた状態で引き出した後、その引き出し操作を止めると、前記頭部16の傾斜面αを滑って回転リール1側に戻されるので、次に引き出す場合には巻体Rの引き出し操作がより行い易いものとなる。
【0030】
さらに、図8〜10に示したような突起12にして、上下動可能として支柱7に装着したものにすれば、前記回転リール1の回転が振れて周端部が上下動した場合にも、この回転リール1の周端部の上下動に伴って突起12も上下動するので、回転リール1の回転体3の周囲と前記外包囲体2の支柱7との隙間Sは、前記突起12によって常に塞がれた状態となっている。
【0031】
また、図8〜10に示したような突起12にして、上下動しないように支柱7に装着したものにすれば、その突起12の周溝11に前記回転リール1の回転体3の周端部が遊嵌合した状態で、この回転リール1が回転することになり、回転体3の周端部が前記突起12の周溝11に支えられた状態となるので、前記回転リール1の回転は振れることなく、スムーズなものとなる。
【符号の説明】
【0032】
1 回転リール
2 外包囲体
3 回転体
7 支柱
8 連結体
11 周溝
12 突起
12a、12b 分割体
16 頭部
17 胴部
18 連結部
19a、19b 凹凸嵌合部
20 止着孔
R 巻体
S 隙間
α 傾斜面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻体(R)を保持する回転リール(1)を回転自在として、外包囲体(2)の内方に設置したものとし、前記外包囲体(2)を、適宜間隔をおいて支柱(7)を複数本、立設したものとし、これら支柱(7)間から前記巻体(R)を引き出せるようにしており、前記支柱(7)には、前記回転リール(1)の回転体(3)の周端部の少なくとも上方または下方を覆うようにした突起(12)を設けたものとし、前記突起(12)によって、前記回転リール(1)の回転体(3)の周囲と前記外包囲体(2)の支柱(7)との隙間(S)を塞ぐようにしたことを特徴とする引出装置。
【請求項2】
前記突起(12)をフランジ(F)とし、このフランジ(F)を前記回転リール(1)の回転体(3)の周端部の上方または下方に位置するようにしたことを特徴とする請求項1記載の引出装置。
【請求項3】
前記突起(12)をフランジ(F)を有する短筒体とし、この短筒体のフランジ(F)を前記回転リール(1)の回転体(3)の周端部の上方または下方に位置するようにしたことを特徴とする請求項1記載の引出装置。
【請求項4】
前記突起(12)を周溝(11)を有する短筒体とし、この短筒体の周溝(11)に前記回転リール(1)の回転体(3)の周端部を遊嵌合するようにしたことを特徴とする請求項1記載の引出装置。
【請求項5】
前記突起(12)を頭部(16)と胴部(17)を有したものとし、前記頭部(16)の上面を外下がりの傾斜面(α)にしたことを特徴とする請求項3または4記載の引出装置。
【請求項1】
巻体(R)を保持する回転リール(1)を回転自在として、外包囲体(2)の内方に設置したものとし、前記外包囲体(2)を、適宜間隔をおいて支柱(7)を複数本、立設したものとし、これら支柱(7)間から前記巻体(R)を引き出せるようにしており、前記支柱(7)には、前記回転リール(1)の回転体(3)の周端部の少なくとも上方または下方を覆うようにした突起(12)を設けたものとし、前記突起(12)によって、前記回転リール(1)の回転体(3)の周囲と前記外包囲体(2)の支柱(7)との隙間(S)を塞ぐようにしたことを特徴とする引出装置。
【請求項2】
前記突起(12)をフランジ(F)とし、このフランジ(F)を前記回転リール(1)の回転体(3)の周端部の上方または下方に位置するようにしたことを特徴とする請求項1記載の引出装置。
【請求項3】
前記突起(12)をフランジ(F)を有する短筒体とし、この短筒体のフランジ(F)を前記回転リール(1)の回転体(3)の周端部の上方または下方に位置するようにしたことを特徴とする請求項1記載の引出装置。
【請求項4】
前記突起(12)を周溝(11)を有する短筒体とし、この短筒体の周溝(11)に前記回転リール(1)の回転体(3)の周端部を遊嵌合するようにしたことを特徴とする請求項1記載の引出装置。
【請求項5】
前記突起(12)を頭部(16)と胴部(17)を有したものとし、前記頭部(16)の上面を外下がりの傾斜面(α)にしたことを特徴とする請求項3または4記載の引出装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【公開番号】特開2013−6682(P2013−6682A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−142028(P2011−142028)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(397016448)ジェフコム株式会社 (37)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(397016448)ジェフコム株式会社 (37)
【Fターム(参考)】
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