引分のゲーム結果の共通ゲームをスキップ可能にするゲーミングマシンおよびそのゲーム制御方法
【課題】高いエンターテイメント性を実現可能な共通ゲームの機能を備える。
【解決手段】ゲーミングマシンは、クラップスゲームのゲーム結果の決定を引分以外のゲーム結果になるまで一括して順に行い、一括して順に決定されたゲーム結果の中から、引分のゲーム結果については少なくとも一部をスキップし、残りのゲーム結果を各スロットマシン10において実行させる。
【解決手段】ゲーミングマシンは、クラップスゲームのゲーム結果の決定を引分以外のゲーム結果になるまで一括して順に行い、一括して順に決定されたゲーム結果の中から、引分のゲーム結果については少なくとも一部をスキップし、残りのゲーム結果を各スロットマシン10において実行させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クラップスゲーム等の共通ゲームを複数のゲーム端末で実行するゲーミングマシンおよびそのゲーム制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のゲーミングマシンは、特許文献1〜4に開示されているように、複数のゲーム端末と、ゲーム端末毎に設けられ、ゲーム端末にゲームを実行させる端末コントローラと、各端末コントローラを制御するセンターコントローラとを有し、各ゲーム端末において個別に実行可能なベースゲームに加えて、ジャックポットを各ゲーム端末の共通ゲームとして実行可能にし、ジャックポットの配当を複数のプレーヤに分配する機能を備えている。
【0003】
また、特許文献5〜9には、各ゲーム端末間において同期的にクラップスゲーム等の共通ゲームを実行可能な構成が開示されている。また、特許文献10には、所定回数分のゲーム結果を予め決定しておき、これらのゲーム結果のゲームを1セットとして連続して実行しながら1セット分の演出を行う構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許5564700号
【特許文献2】米国特許6077162号
【特許文献3】米国特許6375568号
【特許文献4】米国特許6312332号
【特許文献5】米国特許6656040号
【特許文献6】米国特許7458891号
【特許文献7】米国特許7452273号
【特許文献8】米国特許5823879号
【特許文献9】国際公開第2005/109121号
【特許文献10】特開2007−130296号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上のように、従来のゲーミングマシンは、各プレーヤが個々にベースゲームを行うことに加えて、複数のプレーヤが一つの共通ゲームを行うことができるというエンターテイメント性を備えている。さらに、従来のゲーミングマシンは、複数のゲームを1セットとして連続して実行しながら1セット分の演出を行うことによって、エンターテイメント性の自由度を拡大している。このように、従来から、複数のゲーム端末を備えたゲーミングマシンは、共通ゲームを各ゲーム端末間においてどのように実行させるかが、エンターテイメント性を高める上で重要となっている。
【0006】
本発明は、高いエンターテイメント性を実現可能な共通ゲームの機能を備えたゲーミングマシン及びそのゲーム制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、下記構成を備えるゲーミングマシンであり、外部からの入力が可能なインプットデバイスと、以下(a1)〜(a3)の処理を実行するようにプログラムされた端末コントローラとを有する複数のゲーム端末と、前記ゲーム端末に対して通信可能に接続(有線、無線を問わない)され、以下(b1)〜(b3)の処理を実行するようにプログラムされたセンターコントローラとを有しており、
前記端末コントローラは、
(a1)前記インプットデバイスのスタート操作の入力によりベースゲーム(通常ゲーム、ボーナスゲーム、フリーゲーム等)を実行する処理、
(a2)前記センターコントローラからのゲーム開始指令により引分のゲーム結果を有する共通ゲーム(クラップスゲーム等)を実行する処理、
(a3)前記センターコントローラからのゲーム結果情報に基づいて前記共通ゲームのゲーム結果を判定し、引分のゲーム結果であれば次の前記ゲーム結果情報に基づいて前記共通ゲームを再実行する処理を実行する。
【0008】
前記センターコントローラは、
(b1)ゲーム実行条件を満たす前記ゲーム端末に対して前記ゲーム開始指令を所定のタイミングで出力する処理、
(b2)前記共通ゲームのゲーム結果の決定を引分以外のゲーム結果になるまで一括して順に行う処理、
(b3)(b2)の処理において決定された前記ゲーム結果の中から、前記引分のゲーム結果については少なくとも一部をスキップし、残りの前記ゲーム結果を前記ゲーム結果情報として順に前記各ゲーム端末に出力する処理を実行する。
【0009】
上記の構成によれば、センターコントローラにおいて、共通ゲームのゲーム結果の決定が一括して順番に行われ、引分のゲーム結果の内の少なくとも一部がスキップされ、残りのゲーム結果がゲーム結果情報としてゲーム端末に出力される。これにより、ゲーム端末においては、引分のゲーム結果となる共通ゲームの少なくとも一部の実行が省略されるため、引分のゲーム結果の決定が多数回行われた場合でも、スキップするゲーム数を調整することにより共通ゲームの繰り返しが過大になることを防止することができる。この結果、引分の共通ゲームの繰り返しによるプレーヤの待ち時間が過大となって、共通ゲームに対するプレーヤの飽きの発生を防止することが可能になる。
【0010】
また、本発明は、前記センターコントローラにおいて、前記共通ゲームが所定回数連続して実行されることを条件として前記(b2)の処理を実行してもよい。
【0011】
上記の構成によれば、引分の共通ゲームの繰り返しによるプレーヤの待ち時間が過大とならない範囲で所定回数を設定することができるため、共通ゲームをプレーヤに飽きさせないようにして提供することができる。
【0012】
また、本発明は、前記センターコントローラにおける(b3)の処理において、前記端末コントローラで前記ゲーム結果情報に基づいて再実行される前記共通ゲームの再実行回数をランダムに決定し、(b2)の処理で決定された前記引分のゲーム結果が前記再実行回数よりも連続した場合、該再実行回数となるように、前記引分のゲーム結果のスキップ数を求めてもよい。
【0013】
上記の構成によれば、勝敗が決定する共通ゲームとなるまでの再実行回数が不特定となるため、プレーヤに対して共通ゲームの終了するタイミングを予測されないようにすることができる。
【0014】
また、本発明は、前記センターコントローラにおいて、(b2)の処理で決定された前記引分のゲーム結果が所定回数連続することを条件として、前記(b3)の処理を実行してもよい。
【0015】
上記の構成によれば、引分の共通ゲームの繰り返しによるプレーヤの待ち時間が過大とならない範囲で所定回数を設定することができるため、共通ゲームをプレーヤに飽きさせないようにして提供することができる。
【0016】
また、本発明は、前記センターコントローラにおいて、前記引分のゲーム結果となる前記共通ゲームの連続回数を予め設定し、前記共通ゲームが前記連続回数繰り返して実行されることを条件として前記(b2)の処理を実行し、(b3)の処理において、(b2)の処理において決定された前記ゲーム結果の中から、前記引分のゲーム結果については全てをスキップし、最終の前記ゲーム結果を前記ゲーム結果情報として前記各ゲーム端末に出力する処理を実行する。
【0017】
上記の構成によれば、引分の共通ゲームが予め設定された連続回数分繰り返されると、一括して共通ゲームのゲーム結果が決定された後、決定されたゲーム結果の中から、引分のゲーム結果については全てがスキップされ、最終のゲーム結果の共通ゲームが実行される。これにより、引分の共通ゲームが連続回数分繰り返された後の次の共通ゲームで必ず勝敗がつくため、共通ゲームが過剰に繰り返されることによる共通ゲームのゲーム時間が過大になることを容易に防止することができる。
【0018】
また、本発明における前記ゲーム端末は、さらに、表示装置を有し、前記端末コントローラは、(a4)前記センターコントローラからのスキップ情報を前記表示装置に表示する処理を実行し、前記センターコントローラは、(b4)(b3)の処理においてスキップした前記引分のゲーム結果を、前記スキップ情報として前記各ゲーム端末に出力する処理を実行してもよい。
【0019】
上記の構成によれば、スキップした引分のゲーム結果が各ゲーム端末の表示装置において表示されることによって、プレーヤにスキップした回数を認識させることができる。
【0020】
また、本発明は、前記共通ゲームがクラップスゲームであってもよい。
【0021】
また、本発明は、下記構成を備えるゲーミングマシンであり、外部からの入力が可能なインプットデバイスと、以下(c1)〜(c4)の処理を実行するようにプログラムされた端末コントローラとを有する複数のゲーム端末と、前記ゲーム端末に対して通信可能に接続(有線、無線を問わない)され、以下(d1)〜(d5)の処理を実行するようにプログラムされたセンターコントローラとを有している。
【0022】
前記端末コントローラは、
(c1)前記インプットデバイスのスタート操作の入力によりベースゲームを実行する処理、
(c2)前記センターコントローラからのゲーム開始指令によりクラップスゲームを実行する処理、
(c3)前記センターコントローラからのシューター指令に基づいて、前記クラップスゲームのシューターであるか否かを判定し、シューターである場合、前記インプットデバイスのロール操作の入力を受け付けることにより前記センターコントローラに対してロール操作指令を出力可能にする処理、
(c4)前記センターコントローラからのゲーム結果情報に基づいて、前記クラップスゲームのゲーム結果を判定し、引分のゲーム結果であれば次の前記ゲーム結果情報に基づいて前記クラップスゲームを再実行する処理を実行する。
【0023】
前記センターコントローラは、
(d1)前記各ゲーム端末における前記ベースゲームの実行状態に基づいてクラップスゲーム開始条件が成立したか否かを判定する処理、
(d2)前記クラップスゲーム開始条件が成立した場合、ゲーム実行条件を満たす前記ゲーム端末に対して前記ゲーム開始指令を出力する処理、
(d3)前記ゲーム開始指令の出力後、前記ゲーム実行条件を満たす前記ゲーム端末の中から特定のゲーム端末を選択し、該特定のゲーム端末に対して前記シューター指令を出力する処理、
(d4)前記特定のゲーム端末からの前記ロール操作指令により前記クラップスゲームのゲーム結果の決定を引分以外のゲーム結果になるまで一括して順に行う処理、
(d5)(d4)の処理において決定された前記ゲーム結果の中から、前記引分のゲーム結果については少なくとも一部をスキップし、残りの前記ゲーム結果を前記ゲーム結果情報として順に前記各ゲーム端末に出力する処理を実行する。
【0024】
上記の構成によれば、センターコントローラにおいて、クラップスゲームのゲーム結果の決定が一括して順番に行われ、引分のゲーム結果の内の少なくとも一部がスキップされ、残りのゲーム結果がゲーム結果情報としてゲーム端末に出力される。これにより、ゲーム端末においては、引分のゲーム結果となるクラップスゲームの少なくとも一部の実行が省略されるため、引分のゲーム結果の決定が多数回行われた場合でも、クラップスゲームの繰り返しが過大になることが防止される。この結果、引分のクラップスゲームの繰り返しによるプレーヤの待ち時間が過大となって、クラップスゲームに対するプレーヤの飽きの発生を防止することが可能になる。
【0025】
また、本発明は、外部からの入力が可能なインプットデバイスと、以下のステップを実行する端末コントローラとを有する複数のゲーム端末と、前記ゲーム端末に対して通信可能に接続され、以下のステップを実行するセンターコントローラとを有したゲーミングマシンのゲーム制御方法である。
【0026】
前記端末コントローラは、
前記インプットデバイスのスタート操作の入力によりベースゲームを実行するステップ、
前記センターコントローラからのゲーム開始指令により引分のゲーム結果を有する共通ゲームを実行するステップ、
前記センターコントローラからのゲーム結果情報に基づいて前記共通ゲームのゲーム結果を判定し、引分のゲーム結果であれば次の前記ゲーム結果情報に基づいて前記共通ゲームを再実行するステップを実行する。
【0027】
前記センターコントローラは、
ゲーム実行条件を満たす前記ゲーム端末に対して前記ゲーム開始指令を所定のタイミングで出力するステップ、
前記共通ゲームのゲーム結果の決定を引分以外のゲーム結果になるまで一括して順に行うステップ、
前記一括して順に決定されたゲーム結果の中から、前記引分のゲーム結果については少なくとも一部をスキップし、残りの前記ゲーム結果を前記ゲーム結果情報として順に前記各ゲーム端末に出力するステップを実行する。
【発明の効果】
【0028】
本発明は、高いエンターテイメント性を実現可能な共通ゲームの機能を備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】ゲーミングマシンのプレイ方法を示す説明図である。
【図2】ゲーミングマシンの機能フローを示す説明図である。
【図3】ゲーミングマシンの機能フローを示す説明図である。
【図4】ゲーミングマシンのプレイ方法を示すフローチャートである。
【図5】ゲーミングマシンの全体を示す斜視図である。
【図6】ゲーミングシステムのブロック図である。
【図7】PTSシステムのブロック図である。
【図8】ゲーミングマシンにおけるスロットマシン斜視図である。
【図9】コントロールパネルのボタンレイアウトを示す説明図である。
【図10】PTS端末の拡大斜視図である。
【図11】スロットマシンの電気ブロック図である。
【図12】PTS端末の電気ブロック図である。
【図13】ICカードの電気ブロック図である。
【図14】通常ゲーム用シンボルデータテーブルの説明図である。
【図15】ボーナスゲーム用シンボルテーブルの説明図である。
【図16】シンボル列決定テーブルの説明図である。
【図17】コードNo.決定テーブルの説明図である。
【図18】ワイルドシンボル増加数決定テーブルの説明図である。
【図19】トリガーシンボル増加数決定テーブルの説明図である。
【図20】配当テーブルの説明図である。
【図21】ゲーム端末管理テーブルの説明図である。
【図22】共通ゲーム管理テーブルの説明図である。
【図23】ダイス目格納テーブルの説明図である。
【図24】演算値決定テーブルの説明図である。
【図25】シンボル表示装置の表示状態を示す説明図である。
【図26】シンボル表示装置の表示状態を示す説明図である。
【図27】シンボル表示装置の表示状態を示す説明図である。
【図28】クラップスゲームのゲーム過程を示す説明図である。
【図29】通常ゲーム実行処理のフローチャートである。
【図30】ボーナスゲーム実行処理のフローチャートである。
【図31】端末側共通ゲーム処理のフローチャートである。
【図32】実行条件成立処理のフローチャートである。
【図33】モード選択処理のフローチャートである。
【図34】端末側ベット処理のフローチャートである。
【図35】引分処理のフローチャートである。
【図36】端末側スキップ処理のフローチャートである。
【図37】センター側共通ゲーム処理のフローチャートである。
【図38】共通ゲーム開始処理のフローチャートである。
【図39】センター側スキップ処理のフローチャートである。
【図40】ロール情報出力処理のフローチャートである。
【図41】センター側スキップ処理のフローチャートである。
【図42】端末側共通ゲーム処理のフローチャートである。
【図43】センター側共通ゲーム処理のフローチャートである。
【図44】センター側スキップ処理のフローチャートである。
【図45】クラップスゲームのゲーム手順を示すフローチャートである。
【図46】イージーモード処理を示すフローチャートである。
【図47】プロモード処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
(ゲーミングマシンの概要)
ゲーミングマシンは、ゲーム端末の複数台をデータ通信可能にセンターコントローラに接続し、各ゲーム端末において引分のゲーム結果を有する共通ゲームを実行する際に、引分のゲーム結果については少なくとも一部をスキップし、ゲーム結果が引分以外のゲーム結果になるまで共通ゲームを行う第1の構成を備えている。
【0031】
第1の構成を具体的に説明すると、図1〜図3に示すように、ゲーミングマシン300は、複数人参加型の構成にされており、ゲーム端末であるスロットマシン10の複数台をデータ通信可能にセンターコントローラ200に接続する。そして、ゲーミングマシン300は、スロットゲーム等のベースゲームを各スロットマシン10で個別に実行可能にしていると共に、各スロットマシン10間で同期を取って共通ゲームとしてのクラップスゲームを実行可能にしている。さらに、ゲーミングマシン300は、クラップスゲームを実行する際に、引分のゲーム結果については少なくとも一部をスキップし、ゲーム結果が引分以外のゲーム結果になるまでクラップスゲームを実行する。尚、スロットマシン10とセンターコントローラ200との接続は、有線及び無線の何れでもよいし、これらの組み合わせでもよい。また、ベット額の単位は、ドルや円、ユーロ等の国や地域の通貨であってもよいし、ゲーミングマシン300を備えたホールや業界だけで使用されるゲームポイントであってもよい。
【0032】
第1の構成をより具体的に説明すると、ゲーミングマシン300は、外部からの入力が可能なインプットデバイスと、各々個別にベースゲームを実行すると共に、複数のスロットマシン10で実行される共通ゲームのプレーを行うために、以下(a1)〜(a3)の処理を実行するようにプログラムされた端末コントローラとを有する複数のスロットマシン10と、複数のスロットマシン10に対して通信可能に接続され、以下(b1)〜(b3)の処理を実行するようにプログラムされたセンターコントローラ200とを有している。
【0033】
スロットマシン10の端末コントローラが実行するステップ(a1)〜(a3)の内容について説明すると、ステップ(a1)は、インプットデバイスのスタート操作の入力によりベースゲームを実行する処理である。ステップ(a2)は、センターコントローラ200からのゲーム開始指令により引分のゲーム結果を有する共通ゲームを実行する処理である。ステップ(a3)は、センターコントローラ200からのゲーム結果情報に基づいて共通ゲームのゲーム結果を判定し、引分のゲーム結果であれば次のゲーム結果情報に基づいて共通ゲームを再実行する処理である。
【0034】
尚、クラップスゲーム等の共通ゲームは、ベースゲームに代えて実行されてもよいし、ベースゲームとクラップスゲームとが並列的に実行されてもよい。
【0035】
スロットマシン10のセンターコントローラ200が実行するステップ(b1)〜(b3)の内容について説明すると、ステップ(b1)は、ゲーム実行条件を満たすスロットマシン10に対してゲーム開始指令を所定のタイミングで出力する処理である。ステップ(b2)は、共通ゲームのゲーム結果の決定を引分以外のゲーム結果になるまで一括して順に行う処理である。ステップ(b3)は、ステップ(b2)の処理において決定されたゲーム結果の中から、引分のゲーム結果については少なくとも一部をスキップし、残りのゲーム結果をゲーム結果情報として順に各スロットマシン10に出力する処理である。
【0036】
ステップ(b1)における『ゲーム実行条件』とは、クラップスゲーム等の共通ゲームに参加する資格を有するための条件であり、例えば、ベースゲームのベット額の累積値が最低ベット額以上であったり、ベースゲームのゲーム数が最低ベット回数以上である等の条件である。尚、『ゲーム実行条件』は、共通ゲームを開始する直前に、プレーヤの意思により条件を満たすことが可能にされている。例えば、ベースゲームのベット額の累積値が最低ベット額未満であることが原因でゲーム実行条件を満たしていない場合には、共通ゲームを開始する直前に、最低ベット額とベット額の累積値との差分が支払われたり、所定の条件成立額の支払いが行われることによって、ゲーム実行条件を満たした状態にされる。また、ベースゲームのゲーム回数の不足であれば、不足分に対応する額の支払いであったり、所定の条件成立額の支払いが行われることによって、ゲーム実行条件を満たした状態にされる。
【0037】
また、ステップ(b1)におけるゲーム開始指令を出力する所定のタイミングは、何れか一つのスロットマシン10において共通ゲーム開始条件が成立したときである。ここで、『共通ゲーム開始条件』は、ベット額情報の累積値やベースゲームのゲーム数の累積値等である。尚、本実施形態においては、スロットマシン10とは別に、センターコントローラ200を備えたゲーミングマシン300を用いて説明するが、これに限定されるものではない。ゲーミングマシン300は、1以上のスロットマシン10がセンターコントローラ200の機能を備え、スロットマシン10同士が相互にデータ通信可能に接続された構成にされていてもよい。
【0038】
上記の『スロットマシン10』は、ゲーミングマシン300におけるゲーム端末の一種である。尚、本実施形態においては、スロットマシン10をゲーム端末の一例として説明するが、これに限定されるものではなく、何らかのベースゲームを独立して実行可能な端末コントローラを備えた機種をゲーム端末として適用できる。
【0039】
本実施形態における『ベースゲーム』は、スロットマシン10により実行される。ベースゲームは、複数のシンボル501を再配置するスロットゲームである。尚、ベースゲームは、スロットゲームに限定されるものではなく、スロットマシン10等のゲーム端末において独立して実行可能なゲームであればよい。
【0040】
スロットゲームにおけるシンボル501の再配置は、シンボル表示装置16において行われる。スロットゲームは、遊技価値のベットを条件として、シンボル表示装置16においてシンボル501を再配置し、再配置されたシンボル501に応じた通常配当を付与する通常ゲームを実行する処理と、通常ゲームにおいてシンボル501が所定条件で再配置された場合、通常ゲームよりも大きなペイアウト率となる条件でシンボル501を再配置し、再配置されたシンボル501に応じたボーナス配当を付与するボーナスゲームを実行する処理と、レスキュー開始条件が成立した場合、レスキュー処理を実行する処理とを有している。
【0041】
『シンボル501』は、特定シンボル503と通常シンボル502とで複数のシンボル501を構成している。即ち、シンボル501は、特定シンボル503及び通常シンボル502の上位概念である。特定シンボル503は、図25に示すように、ワイルドシンボル503aとトリガーシンボル503bとを含む。ワイルドシンボル503aは、任意の種類のシンボル501として代用することが可能なシンボルである。トリガーシンボル503bは、少なくともボーナスゲームの実行を開始させるトリガーとなるシンボルである。即ち、トリガーシンボル503bは、通常ゲームからボーナスゲームに移行させるトリガーとなり、ボーナスゲームの実行を開始してから特定シンボル503を時間を置いて段階的に増加させるトリガーとなる。さらに、トリガーシンボル503bは、ボーナスゲームにおいて特定シンボル503を増加、即ち、トリガーシンボル503b及びワイルドシンボル503aの少なくとも一方の特定シンボル503を増加させるトリガーとなる。尚、トリガーシンボル503bは、ボーナスゲームにおいてボーナスゲームのゲーム数を増加させるトリガーとされてもよい。
【0042】
『遊技価値』とは、コイン、紙幣又はこれらに相当する電子的な有価情報である。尚、本発明における遊技価値は、特に限定されるものではなく、例えば、メダル、トークン、電子マネー、チケット等の遊技媒体であってもよい。チケットは、特に限定されるものではなく、例えば、後述のバーコード付きチケット等であってもよい。
【0043】
『ボーナスゲーム』とは、フィーチャーゲームと同義である。本実施形態におけるボーナスゲームは、フリーゲームを繰り返すゲームとして説明しているが、ボーナスゲームは、通常ゲームよりも有利な遊技状態であれば、どのような種類のゲームであってもよい。また、プレーヤにとって有利な遊技状態、即ち、通常ゲームより有利な遊技状態であれば、他のボーナスゲームを合わせて採用してもよい。例えば、ボーナスゲームは、通常ゲームより多くの遊技価値を獲得し得る状態、通常ゲームより高い確率で遊技価値を獲得し得る状態、通常ゲームより遊技価値の消費数が少なくなる状態等の各種の状態を単独や組み合わせて実現されてもよい。
【0044】
『フリーゲーム』とは、通常ゲームよりも遊技価値のベットを少なく実行可能であるゲームのことである。『遊技価値のベットを少なく実行可能』は、ベットが“0”の場合を含む。従って、『フリーゲーム』は、遊技価値のベットを条件とすることなく実行され、再配置されたシンボル501に応じた量の遊技価値を支払うゲームのことであってもよい。換言すれば、『フリーゲーム』とは、遊技価値の消費を前提とせずに開始されるゲームであってもよい。これに対し、『通常ゲーム』は、遊技価値のベットを条件として実行され、再配置されたシンボル501に応じた量の遊技価値を支払うゲームのことである。換言すれば、『通常ゲーム』とは、遊技価値の消費を前提として開始されるゲームのことである。
【0045】
『再配置』とは、シンボル501の配置が解除された後、再びシンボル501が配置される状態を意味する。『配置』とは、シンボル501が外部のプレーヤに対して目視により確認可能な状態であることを意味する。
【0046】
『再配置されたシンボル501に応じた通常配当』とは、再配置されたウィニングコンビネーションに対応する通常配当を意味する。また、『再配置されたシンボル501に応じたボーナス配当』とは、再配置されたウィニングコンビネーションに対応するボーナス配当を意味する。尚、『ウィニングコンビネーション』とは、賞を成立させることを意味する。ウィニングコンビネーションの詳細は後述する。
【0047】
『通常ゲームよりも大きなペイアウト率となる条件』は、フリーゲームの実行やワイルドシンボル503aやトリガーシンボル503bの増加や置換されたシンボルテーブルを用いてのゲームの実行等が例示される。『レスキュー開始条件』は、通常ゲームの過大な連続、即ち、通常ゲームが所定回数以上にわたって繰り返された状態であったり、配当の獲得総量の過小、即ち、同一のプレーヤがゲームを所定回数以上にわたって繰り返したときに獲得した通常配当やボーナス配当が所定値以下である場合が例示される。『レスキュー処理』は、プレーヤを救済するための処理である。例えば、フリーゲームの実行や、ワイルドシンボル503aやトリガーシンボル503bの増加や置換されたシンボルテーブルを用いてのゲームの実行、インシュランス配当の付与等が、レスキュー処理として例示される。
【0048】
このような第1の構成を有したゲーミングマシン300は、各スロットマシン10において引分のゲーム結果を有するクラップスゲーム等の共通ゲームを実行する際に、引分のゲーム結果については少なくとも一部をスキップし、ゲーム結果が引分以外のゲーム結果になるまで共通ゲームを行うゲーム方法を実現している。換言すれば、ゲーミングマシン300は、各スロットマシン10において引分のゲーム結果を有する共通ゲームを実行する際に、引分のゲーム結果については少なくとも一部をスキップし、ゲーム結果が引分以外のゲーム結果になるまで共通ゲームを行うゲーム制御方法により少なくとも動作可能にされている。
【0049】
具体的には、ゲーミングマシン300のゲーム方法及びゲーム制御方法は、外部からの入力が可能なインプットデバイスと、各々個別にベースゲームを実行すると共に、複数のスロットマシン10で実行される共通ゲームのプレーを行うための端末コントローラとを有する複数のスロットマシン10と、複数のスロットマシン10に対して通信可能に接続され、これら複数のスロットマシン10で共通に実行される共通ゲームを行うためのセンターコントローラ200とを有したゲーミングマシンにおいて実行されるものである。
【0050】
スロットマシン10の端末コントローラは、インプットデバイスのスタート操作の入力によりベースゲームを実行するステップと、センターコントローラ200からのゲーム開始指令により引分のゲーム結果を有する共通ゲームを実行するステップと、センターコントローラ200からのゲーム結果情報に基づいて共通ゲームのゲーム結果を判定し、引分のゲーム結果であれば次のゲーム結果情報に基づいて共通ゲームを再実行するステップとを実行する。
【0051】
センターコントローラ200は、ゲーム実行条件を満たすスロットマシン10に対してゲーム開始指令を所定のタイミングで出力するステップと、共通ゲームのゲーム結果の決定を引分以外のゲーム結果になるまで一括して順に行うステップと、一括して順に決定されたゲーム結果の中から、引分のゲーム結果については少なくとも一部をスキップし、残りのゲーム結果をゲーム結果情報として順に各スロットマシン10に出力するステップとを実行する。
【0052】
このように、第1の構成を備えたゲーミングマシン300や上記の各ステップを備えたゲーム方法、ゲーム制御方法によれば、センターコントローラ200において、共通ゲームのゲーム結果の決定が一括して順番に行われ、引分のゲーム結果の内の少なくとも一部がスキップされ、残りのゲーム結果がゲーム結果情報としてスロットマシン10に出力される。これにより、スロットマシン10においては、引分のゲーム結果となる共通ゲームの少なくとも一部の実行が省略されるため、引分のゲーム結果の決定が多数回行われた場合でも、スキップするゲーム数を調整することにより共通ゲームの繰り返しが過大になることを防止することができる。この結果、引分の共通ゲームの繰り返しによるプレーヤの待ち時間が過大となって、共通ゲームに対するプレーヤの飽きの発生を防止することが可能になる。従って、ゲーミングマシンは、高いエンターテイメント性を実現可能な共通ゲームの機能を備えることができる。
【0053】
また、ゲーミングマシン300は、第1の構成に加えて、センターコントローラ200において、共通ゲームが所定回数連続して実行されることを条件として(b2)の処理を実行する第2の構成を有している。上記の構成によれば、引分の共通ゲームの繰り返しによるプレーヤの待ち時間が過大とならない範囲で所定回数を設定することができるため、共通ゲームをプレーヤに飽きさせないようにして提供することができる。
【0054】
また、ゲーミングマシン300は、第1又は第2の構成に加えて、センターコントローラ200における(b3)の処理において、スロットマシン10の端末コントローラでゲーム結果情報に基づいて再実行される共通ゲームの再実行回数をランダムに決定し、(b2)の処理で決定された前記引分のゲーム結果が再実行回数よりも連続した場合、この再実行回数となるように、引分のゲーム結果のスキップ数を求める第3の構成を備えていてもよい。上記の構成によれば、勝敗が決定する共通ゲームとなるまでの再実行回数が不特定となるため、プレーヤに対して共通ゲームの終了するタイミングを予測されないようにすることができる。
【0055】
また、ゲーミングマシン300は、第1〜第3の何れかの構成に加えて、センターコントローラ200において、(b2)の処理で決定された引分のゲーム結果が所定回数連続することを条件として、(b3)の処理を実行する第4の構成を有していてもよい。上記の構成によれば、引分の共通ゲームの繰り返しによるプレーヤの待ち時間が過大とならない範囲で所定回数を設定することができるため、共通ゲームをプレーヤに飽きさせないようにして提供することができる。
【0056】
また、ゲーミングマシン300は、第1〜第4の何れかの構成に加えて、センターコントローラ200における(b3)の処理において、引分のゲーム結果となる共通ゲームが連続回数繰り返して実行されることを条件として(b2)の処理を実行し、(b3)の処理において、(b2)の処理において決定されたゲーム結果の中から、引分のゲーム結果については全てをスキップし、最終の前記ゲーム結果をゲーム結果情報として各スロットマシン10に出力する第5の構成を有している。
【0057】
上記の構成によれば、引分の共通ゲームが予め設定された連続回数分繰り返されると、一括して共通ゲームのゲーム結果が決定された後、決定されたゲーム結果の中から、引分のゲーム結果については全てがスキップされ、最終のゲーム結果の共通ゲームが実行される。これにより、引分の共通ゲームが連続回数分繰り返された後の次の共通ゲームで必ず勝敗がつくため、共通ゲームが過剰に繰り返されることによる共通ゲームのゲーム時間が過大になることを容易に防止することができる。
【0058】
また、ゲーミングマシン300は、第1〜第5の何れかの構成に加えて、スロットマシン10は、さらに、シンボル表示装置16を有し、スロットマシン10の端末コントローラが(a4)センターコントローラ200からのスキップ情報をシンボル表示装置16に表示する処理を実行し、センターコントローラ200が(b4)(b3)の処理においてスキップした引分のゲーム結果を、スキップ情報として各スロットマシン10に出力する処理を実行する第6の構成を備えている。上記の構成によれば、スキップした引分のゲーム結果が各スロットマシン10のシンボル表示装置16において表示されることによって、プレーヤにスキップした回数を認識させることができる。
【0059】
さらに、ゲーミングマシン300は、以下(c1)〜(c4)の処理を実行するようにプログラムされた端末コントローラとを有する複数のスロットマシン10と、複数のスロットマシン10に対して通信可能に接続され、以下(d1)〜(d5)の処理を実行するようにプログラムされたセンターコントローラ200とを有した構成にされていてもよい。
【0060】
ステップ(c1)は、インプットデバイスのスタート操作の入力によりベースゲームを実行する処理である。ステップ(c2)は、センターコントローラ200からのゲーム開始指令によりクラップスゲームを実行する処理である。ステップ(c3)は、センターコントローラ200からのシューター指令に基づいて、クラップスゲームのシューターであるか否かを判定し、シューターである場合、インプットデバイスのロール操作の入力を受け付けることによりセンターコントローラ200に対してロール操作指令を出力可能にする処理である。ステップ(c4)は、センターコントローラ200からのゲーム結果情報に基づいて、クラップスゲームのゲーム結果を判定し、引分のゲーム結果であれば次のゲーム結果情報に基づいてクラップスゲームを再実行する処理である。
【0061】
ステップ(d1)は、各スロットマシン10におけるベースゲームの実行状態に基づいてクラップスゲーム開始条件が成立したか否かを判定する処理である。ステップ(d2)は、クラップスゲーム開始条件が成立した場合、ゲーム実行条件を満たすゲーム端末に対してゲーム開始指令を出力する処理である。ステップ(d3)は、ゲーム開始指令の出力後、ゲーム実行条件を満たすスロットマシン10の中から特定のスロットマシン10を選択し、特定のスロットマシン10に対してシューター指令を出力する処理である。ステップ(d4)は、特定のスロットマシン10からのロール操作指令によりクラップスゲームのゲーム結果の決定を引分以外のゲーム結果になるまで一括して順に行う処理である。ステップ(d5)は、(d4)の処理において決定されたゲーム結果の中から、引分のゲーム結果については少なくとも一部をスキップし、残りのゲーム結果をゲーム結果情報として順に各スロットマシン10に出力する処理である。
【0062】
ここで、『シューター』とは、クラップスゲームにおいてはダイスを投げるプレーヤを意味するが、共通ゲームにおいては共通ゲームの実行を開始するスロットマシン10のプレーヤを意味する。また、『ロール操作』とは、クラップスゲームにおいてはダイスを投げる動作を言うが、共通ゲームにおいては共通ゲームの実行を開始することを言う。
【0063】
上記の構成によれば、第1〜第6の構成を備えることによる効果に加えて、クラップスゲーム開始条件を成立させたプレーヤが、クラップスゲームのゲーム結果を決定するシューターとなるため、クラップスゲームのシューターとなるようにベースゲームを行う意識を持たせることができる。
【0064】
尚、ゲーミングマシン300は、第1〜第6の構成に加えて、さらに下記の各構成を備えていてもよい。
【0065】
具体的には、ゲーミングマシン300は、センターコントローラ200における(b3)の処理において、引分のゲーム結果が所定回数連続することを条件として引分のゲーム結果のスキップを行う構成を備えていてもよい。上記の構成によれば、引分の共通ゲームの繰り返しによるプレーヤの待ち時間が過大とならない範囲で所定回数を設定することができるため、通常の共通ゲームをプレーヤに飽きさせないようにして提供することができる。
【0066】
また、ゲーミングマシン300は、センターコントローラ200における(b3)の処理において、引分のゲーム結果のスキップ数をランダムに決定する構成を備えていてもよい。上記の構成によれば、引分のゲーム結果のスキップ数がランダムに決定されることによって、勝敗が決定する共通ゲームとなるまでのゲーム数が不特定となり、結果として、プレーヤに対して共通ゲームの終了するタイミングを予測されないようにすることができる。
【0067】
また、ゲーミングマシン300は、端末コントローラが、さらに、共通ゲームにおける複数のゲームモードの中から特定のゲームモードを選択する処理を実行する構成を有していてもよい。ここで、『ゲームモード』とは、共通ゲーム自体の難易度や複雑さに応じて設定されていてもよいし、共通ゲームのベット方法の複雑さに応じて設定されていてもよい。
【0068】
具体的には、ゲーミングマシン300は、共通ゲームがクラップスゲームであって、クラップスゲームが、パスラインへの自動ベットだけの単純化されたベット形態のイージーモードと、自動ベットに加えて手動によるパスライン以外の追加ベットが可能な複雑なベット形態のプロモードとを含む機能を有していてもよい。そして、ゲーミングマシン300は、イージーモードにおいてだけ引分のゲーム結果のクラップスゲームをスキップする構成を備えていてもよい。この場合には、プレーヤによるゲームモードの選択により難易度の異なるクラップスゲームに参加することができると共に、ベット形態が単純化されたイージーモードにおいては、スキップ処理により短時間でクラップスゲームを終了することができる。
【0069】
また、ゲーミングマシン300は、スロットマシン10が、さらに、端末用表示装置としてのシンボル表示装置16を有し、スロットマシン10が、センターコントローラ200に対してロール操作指令を出力してから、センターコントローラ200からのゲーム結果情報を受けるまでの期間において、ロール操作に関係するムービーを表示する処理を実行する構成を有していてもよい。例えば、『ロール操作に関係するムービー』は、ダイス画像が転がる状態である。この構成を有したゲーミングマシン300によれば、ロールを行ってからゲーム結果情報を得るまでの待ち時間に、ロール操作に関係するムービーが表示されることによって、各プレーヤの注意をクラップスゲームに向かわせることができる。
【0070】
また、ゲーミングマシン300は、さらに、全てのスロットマシン10の操作位置から視認可能な位置に設けられた共用表示装置700を有しており、センターコントローラ200が、クラップスゲーム開始条件が成立するまでの状態を、共用表示装置700に表示してもよい。尚、『操作位置』とは、スロットマシン10を操作するプレーヤの目線位置である。この構成を有したゲーミングマシン300によれば、クラップスゲーム開始条件が成立するまでの状態が共用表示装置700に表示されることによって、クラップスゲームが開始されるまでの待ち時間を各プレーヤに予想させることができる。
【0071】
(ゲーミングマシン300の機能フロー:スロットマシン)
上記のように構成されたゲーミングマシン300は、図2及び図3に示すように、スロットマシン10と、スロットマシン10にデータ通信可能に接続された外部制御装置621(センターコントローラ200)とを有している。外部制御装置621は、ホール内に設置された複数のスロットマシン10にデータ通信可能に接続されている。
【0072】
スロットマシン10は、BETボタン601とスピンボタン602とディスプレイ614とを有していると共に、これらの各部を制御するゲームコントローラ100を有している。尚、BETボタン601とスピンボタン602は、インプットデバイスの一種である。さらに、スロットマシン10は、外部制御装置621とのデータ通信を可能にする送受信部652を有している。
【0073】
上記のBETボタン601は、プレーヤの操作によりBET額を受け付ける機能を有している。スピンボタン602は、プレーヤの操作、即ち、スタート操作により通常ゲームなどのゲームの開始を受け付ける機能を有している。ディスプレイ614は、各種のシンボル501や数値、記号などの静止画情報および演出映像などの動画情報を表示する機能を有している。さらに、ディスプレイ614は、インプットデバイスとしてタッチパネル69を有し、プレーヤの押圧動作による各種の指令を受付可能な機能を有している。ディスプレイ614は、シンボル表示領域614aと映像表示領域614bと共通ゲーム表示領域614cとを有している。シンボル表示領域614aは、図1のシンボル501を表示する。映像表示領域614bは、ゲーム進行中に実行される各種の演出映像情報を動画や静止画により表示する。共通ゲーム表示領域614cは、例えばジャックポットゲームなどの共通ゲームを表示する領域である。尚、共通ゲーム表示領域614cは、シンボル表示領域614aや映像表示領域614bと一緒に形成されてもよいし、共通ゲームを実行するときにだけ置き換えて出現されてもよい。
【0074】
ゲームコントローラ100は、コイン投入・スタートチェック部603と、通常ゲーム実行部605と、ボーナスゲーム開始判定部606と、ボーナスゲーム実行部607と、乱数値抽出部615と、シンボル決定部612と、演出用乱数値抽出部616と、演出内容決定部613と、スピーカ部617と、ランプ部618と、入賞判定部619と、払い出し部620と、を有している。
【0075】
通常ゲーム実行部605は、BETボタン601の操作を条件として通常ゲームを実行する機能を有している。ボーナスゲーム開始判定部606は、通常ゲームにおいて再配置されたシンボル501の組み合わせに基づいてボーナスゲームを実行するか否かを判定する。即ち、ボーナスゲーム開始判定部606は、後述するトリガーシンボル503bが所定条件で再配置されたときに、ボーナスゲームに当籤したと判定し、次回の単位ゲームからボーナスゲームを実行するようにボーナスゲーム実行部607に処理を移行する機能を有している。
【0076】
ここで、『単位ゲーム』とは、BETの受付開始から賞成立となり得る状態までの一連の動作である。例えば、通常ゲームの単位ゲームは、BETを受け付けるBETタイムと、停止されたシンボル501を再配置するゲームタイムと、配当を付与する払出処理の払出タイムと、をそれぞれ1回含む状態である。尚、通常ゲームにおける単位ゲームは、単位通常ゲームと言う。
【0077】
ボーナスゲーム実行部607は、スピンボタン602の操作だけでフリーゲームを複数のゲーム数で繰り返すボーナスゲームを実行する機能を有している。
【0078】
シンボル決定部612は、乱数値抽出部615からの乱数値を用いて、再配置の対象となるシンボル501を決定する機能と、決定したシンボル501をディスプレイ614のシンボル表示領域614aに再配置する機能と、シンボル501の再配置情報を入賞判定部619に出力する機能と、増加した特定シンボル503をシンボル決定に用いる複数のシンボル501の一部として加える機能と、増加した特定シンボル503の一部や全部をシンボル決定に用いる複数のシンボル501の一部や全部と置き換える機能と、シンボル501の再配置の状態に基づいて演出指定信号を演出用乱数値抽出部616に出力する機能と、を有している。
【0079】
演出用乱数値抽出部616は、シンボル決定部612から演出指令信号を受けた場合に、演出用乱数値を抽出する機能と、演出用乱数値を演出内容決定部613に出力する機能と、を有している。演出内容決定部613は、演出用乱数値を用いて演出内容を決定する機能と、決定した演出内容の映像情報をディスプレイ614の映像表示領域614bに出力する機能と、決定した演出内容の音声・発光情報をスピーカ部617およびランプ部618に出力する機能と、を有している。
【0080】
入賞判定部619は、ディスプレイ614において再配置された表示状態であるシンボル501の再配置情報が得られた場合に、入賞の有無を判定する機能と、入賞したと判定したときに入賞役に基づいて払い出し量を算出する機能と、払い出し量に基づいた払い出し信号を払い出し部620に出力する機能と、を有している。払い出し部620は、コインやメダル、クレジットなどの形態で遊技価値をプレーヤに払い出す機能を有している。また、払い出し部620は、後述するPTS端末700に挿入されたICカード500に記憶されたクレジットデータに、払い出されるクレジットに応じたクレジットデータを加算する機能を有している。
【0081】
さらに、ゲームコントローラ100は、各種のBET額データを記憶する記憶部661を有している。記憶部661は、ハードディスク装置やメモリなどのデータを書き替え可能に記憶する装置である。
【0082】
さらに、ゲームコントローラ100は、共通ゲーム実行部653と追加BET部651とゲームモード選択部662とを有している。追加BET部651は、共通ゲームの開始時や共通ゲームの勝敗が付かなかった場合、ディスプレイ614のタッチパネル69による賭け増しを可能にする機能を有している。ゲームモード選択部662は、共通ゲームにおける複数のゲームモードの中から特定のゲームモードを選択可能にする機能を有している。例えば、ゲームモード選択部662は、後述のイージーモードとプロモードとを選択可能にする機能を有している。
【0083】
共通ゲーム実行部653は、通常ゲームでBETされたBET額に基づいたBET額情報を単位ベースゲーム毎に外部制御装置621に出力する機能と、外部制御装置621からのゲーム開始指令により共通ゲームを実行する機能と、記憶部661に記憶され、共通ゲームに対してBET可能な共通ゲーム用のBET額データに対応するBET額についてBETボタン601によるBET入力を受け付ける機能と、を有している。
【0084】
さらに、共通ゲーム実行部653は、外部制御装置621からのゲーム結果情報に基づいて共通ゲームのゲーム結果を判定し、引分のゲーム結果であれば次のゲーム結果情報に基づいて共通ゲームを再実行する機能と、センターコントローラからのスキップ情報を表示装置に表示する処理を実行する機能と、外部制御装置621からのシューター指令に基づいて、共通ゲームであるクラップスゲームのシューターであるか否かを判定し、シューターである場合、ロール操作の入力を受け付けることにより外部制御装置621に対してロール操作指令を出力可能にする機能とを有している。ここで、『ゲーム結果情報』とは、共通ゲームを実行したときの結果であり、勝利と負けと引分との3態様がある。また、『スキップ情報』とは、共通ゲームのゲーム結果の決定が引分以外のゲーム結果になるまで一括して順に行われた一連のゲーム結果の中からスキップした1以上の引分のゲーム結果のことである。
【0085】
さらに、共通ゲーム実行部653は、外部制御装置621からのゲーム結果情報に基づいて、共通ゲームの終了となる勝敗を判定し、勝利した場合、勝利配当を付与すると共に、シューターであれば特別配当を付与する機能と、共通ゲームの勝利配当に対応するベット額を共通ゲームにおいて自動的にベットするイージーモードを実行する機能と、自動ベットに加えて追加ベットが可能なプロモードを実行する機能と、イージーモードとプロモードとをゲームモード選択部662により選択して実行する機能とを有している。
【0086】
また、ゲームコントローラ100は、PTS端末700と接続されている。PTS端末700は、LCD719やマイク704・705、人体検出カメラ712・713などが一体となったユニットであり、ゲームコントローラ100と相互通信することによって、例えばゲームの演出をする機能を有する。特に、PTS端末700には、カード挿入口706が設けられており、ICカード500を挿入できるようになっている。これにより、プレーヤは、カード挿入口706にICカード500を挿入して、ICカード500に記憶されたクレジットをスロットマシン10で使用することができる。尚、PTS端末700の機械構成については、後述する。
【0087】
また、ゲームコントローラ100は、PTS端末700からクレジットデータを受信した際、ディスプレイ614のクレジット表示を更新する。さらに、ゲームコントローラ100は、ゲームの精算があった場合に、PTS端末700に精算クレジットデータを出力する。
【0088】
また、ゲーミングマシン300を構成する複数のスロットマシン10がそれぞれ有するPTS端末700は、管理サーバ800と通信可能に接続されており、画像のダウンロードやICカード500やクレジットの管理を一括している。
【0089】
(ゲーミングマシン300の機能フロー:外部制御装置)
上記のように構成されたスロットマシン10は、センターコントローラ200となる外部制御装置621に接続されている。外部制御装置621は、各スロットマシン10の動作状況や各種のゲーム設定値の変更等の処理を遠隔操作および遠隔監視する機能を備えている。さらに、外部制御装置621は、ゲーム端末毎に共通ゲーム開始条件を判定し、何れかのゲーム端末において共通ゲーム開始条件を満足する判定結果を得たときにクラップスゲーム等の共通ゲームを複数のスロットマシン10で実行する機能を有している。さらに、外部制御装置621は、共通ゲームのゲーム結果の決定を引分以外のゲーム結果になるまで一括して順に行い、決定したゲーム結果の中から、引分のゲーム結果については少なくとも一部をスキップし、残りのゲーム結果をゲーム結果情報として順に各スロットマシン10に出力する機能を備えている。
【0090】
詳細に説明すると、図3に示すように、外部制御装置621は、共通ゲーム開始部6213と、ゲーム端末選択部6215と、勝敗決定部6216(ゲーム結果決定部)と、送受信部6217と、スキップ処理部6218とを有している。
【0091】
共通ゲーム開始判定部6213は、スロットマシン10から単位ベースゲーム毎に送信されるベット額情報の累積値に基づいて共通ゲーム開始条件が成立するか否かを判定する機能と、複数のスロットマシン10に対してゲーム開始指令を出力する機能と、共通ゲーム開始条件が成立するまでの状態を共用表示装置700に表示する機能とを有している。
【0092】
尚、共通ゲーム開始条件が成立するか否かの判定は、ベット額情報の累積値に基づいて行うことの他、単位ベースゲームの繰り返しにより増加する全ての累積値に基づいて行うことができる。例えば、ベースゲームのゲーム回数やベースゲームのゲーム時間等を累積値としてもよい。
【0093】
さらに、共通ゲーム開始部6213は、ベースゲームの繰り返しにより増加する累積値がゲーム実行条件を満たすスロットマシン10に対してゲーム開始指令を出力する機能を有している。これにより、共通ゲーム開始部6213は、累積値が最低設定値未満であるスロットマシン10に対して共通ゲームに参加する資格を付与しないため、プレーヤに対してベースゲームを積極的に繰り返そうという意識を持たせることを可能にする。
【0094】
さらに、共通ゲーム開始部6213は、スタート操作が行われない未入力時間を監視し、未入力時間がタイムアウト時間以上のスロットマシン10を除いたスロットマシン10に対してゲーム開始指令を出力する機能を有している。これにより、共通ゲーム開始部6213は、ベースゲームがタイムアウト時間以上に亘って実行されていないスロットマシン10について、プレーヤが不在であると判定することが可能になり、このようなスロットマシン10に対する共通ゲームの実行を回避することを可能にする。
【0095】
ゲーム端末選択部6215は、複数のスロットマシン10の中から特定のスロットマシン10を選択し、特定のスロットマシン10に対してシューター指令信号を出力する機能を有している。勝敗決定部6216は、特定のスロットマシン10からのロール操作指令により共通ゲームのゲーム結果を決定する機能を有している。送受信部6217は、スロットマシン10との間でデータを送受信可能にする機能を有している。
【0096】
スキップ処理部6218は、共通ゲームのゲーム結果の決定を引分以外のゲーム結果になるまで一括して順に行う機能と、引分のゲーム結果については少なくとも一部をスキップし、残りのゲーム結果をゲーム結果情報として順に各スロットマシン10に出力する機能とを有している。これにより、スキップ処理部6218は、スロットマシン10において、引分のゲーム結果となる共通ゲームの少なくとも一部の実行を省略させることができるため、引分のゲーム結果の決定が多数回行われた場合でも、スキップするゲーム数を調整することにより共通ゲームの繰り返しが過大になることを防止することを可能にしている。
【0097】
さらに、スキップ処理部6218は、引分のゲーム結果が所定回数連続することを条件として引分のゲーム結果のスキップを行う機能を有している。これにより、スキップ処理部6218は、引分の共通ゲームの繰り返しによるプレーヤの待ち時間が過大とならない範囲で所定回数を設定することを可能にし、共通ゲームをプレーヤに飽きさせないようにして提供することを可能にする。さらに、スキップ処理部6218は、引分のゲーム結果のスキップ数をランダムに決定する機能を有している。これにより、スキップ処理部6218は、引分のゲーム結果のスキップ数をランダムに決定することによって、勝敗が決定する共通ゲームとなるまでのゲーム数を不特定とし、結果として、プレーヤに対して共通ゲームの終了するタイミングを予測されないようにすることを可能にしている。
【0098】
さらに、スキップ処理部6218は、共通ゲームが所定回数連続して実行されることを条件として、共通ゲームのゲーム結果の決定を引分以外のゲーム結果になるまで一括して順に行う機能を有している。これにより、スキップ処理部6218は、引分の共通ゲームの繰り返しによるプレーヤの待ち時間が過大とならない範囲で所定回数を設定することができるため、共通ゲームをプレーヤに飽きさせないようにして提供することができる。
【0099】
さらに、スキップ処理部6218は、ゲームコントローラ100においてゲーム結果情報に基づいて再実行される共通ゲームの再実行回数をランダムに決定し、一括して決定された引分のゲーム結果が再実行回数よりも連続した場合、この再実行回数となるように、引分のゲーム結果のスキップ数を求める機能を有している。これにより、スキップ処理部6218は、勝敗が決定する共通ゲームとなるまでの再実行回数が不特定となるため、プレーヤに対して共通ゲームの終了するタイミングを予測されないようにすることができる。
【0100】
さらに、スキップ処理部6218は、センターコントローラ200において、一括して決定された引分のゲーム結果が所定回数連続することを条件として、引分のゲーム結果については少なくとも一部をスキップし、残りの前記ゲーム結果を前記ゲーム結果情報として順に各スロットマシン10に出力する機能を有している。これにより、スキップ処理部6218は、引分の共通ゲームの繰り返しによるプレーヤの待ち時間が過大とならない範囲で所定回数を設定することができるため、共通ゲームをプレーヤに飽きさせないようにして提供することができる。
【0101】
さらに、スキップ処理部6218は、引分のゲーム結果となる共通ゲームが連続回数繰り返して実行されることを条件として、一括して決定されたゲーム結果の中から、引分のゲーム結果については全てをスキップし、最終の前記ゲーム結果をゲーム結果情報とする機能を有していてもよい。これにより、スキップ処理部6218は、引分の共通ゲームが連続回数分繰り返された後の次の共通ゲームで必ず勝敗をつかすことができるため、共通ゲームが過剰に繰り返されることによる共通ゲームのゲーム時間が過大になることを容易に防止することができる。
【0102】
さらに、スキップ処理部6218は、スキップした引分のゲーム結果を、スキップ情報として各スロットマシン10に出力する機能を有している。これにより、スキップ処理部6218は、スキップした引分のゲーム結果を各スロットマシン10の表示装置において表示させることを可能にすることによって、プレーヤにスキップした回数を認識させることができる。
【0103】
(ゲーミングマシン300の動作)
上記の機能ブロックで構成されたゲーミングマシン300の動作を図4のフローチャートを用いて説明する。尚、本実施形態においてフローチャートにおける『ゲーム端末』は、スロットゲームを実行するスロットマシン10を意味するが、これに限定されるものではない。
【0104】
(スロットマシン10の動作)
ゲーム端末であるスロットマシン10は、端末側処理(A1)〜(A7)を実行する。具体的には、先ず、ベースゲーム処理(通常ゲーム等)が実行される(A1)。以下の一連の動作が実行される。
【0105】
(コイン投入・スタートチェック)
先ず、スロットマシン10は、BETボタン部601がプレーヤにより押されたか否かをチェックし、続いて、スピンボタン部602がプレーヤにより押されたか否かをチェックする。
【0106】
(シンボル決定)
次に、スロットマシン10は、スピンボタン部602がプレーヤにより押されると、シンボル決定用乱数値を抽出し、ディスプレイ部614上に表示する複数のビデオリールのそれぞれに応じて、シンボル列のスクロールを停止させたときにプレーヤに表示するシンボル501を決定する。
【0107】
(シンボル表示)
次に、スロットマシン10は、各ビデオリールのシンボル列のスクロールを開始させ、決定されたシンボル501がプレーヤに表示されるようにスクロールを停止させる。
【0108】
(入賞判定)
次に、スロットマシン10は、各ビデオリールのシンボル列のスクロールが停止されると、プレーヤに表示されたシンボル501の組合せが入賞に係るものであるか否かを判定する。
【0109】
(払い出し)
次に、スロットマシン10は、プレーヤに表示されたシンボル501の組合せが入賞に係るものであるとき、そのシンボル501の組合せの種類に応じた特典をプレーヤに与える。
【0110】
例えば、スロットマシン10は、コインの払い出しに係るシンボル501の組合せが表示されたとき、そのシンボル501の組合せに応じた数のコインをプレーヤに払い出す。
【0111】
次に、ボーナス役に入賞したか否かが判定される。ボーナス役に入賞した場合には、ボーナスゲーム処理が実行される。一方、ボーナス役に入賞しなかった場合には、通常ゲームが再実行される。このような通常ゲーム及びボーナスゲームを含むベースゲームが実行されている期間において、通常ゲーム等の単位ゲームの開始や終了、単位ゲームのベット額を示す実行状態情報が外部制御装置621に送信される。これにより、各スロットマシン10の実行状態情報が外部制御装置621において集中管理されることになる。
【0112】
スロットマシン10は、外部制御装置621からのゲーム開始信号を受信すると、クラップスゲーム等の共通ゲームを開始及び実行する(A2)。これにより、例えば図1に示すように、ベースゲームの画面表示がベットテーブル901の画面表示に切り替えられる。そして、クラップスゲーム等の共通ゲームをプレーヤに連想させる動画や画像が表示される。
【0113】
次に、スロットマシン10は、外部制御装置621からのシューター指令に基づいて、共通ゲームのシューターであるか否かを判定する。即ち、シュータ指令が自己宛である場合には、スロットマシン10は、シューターに指名されたと判定し、ロール操作の入力を受け付ける(A3)。これにより、スロットマシン10は、タッチパネル等のインプットデバイスのロール操作の入力を受け付けることにより外部制御装置621に対してロール操作指令を出力可能にする。そして、プレーヤがロール操作を行えば、シューターに指名されたスロットマシン10からロール操作指令が外部制御装置621に送信される。尚、シュータ指令が自己宛でない場合、スロットマシン10は、シュータに指名されなかったと判定し、共通ゲームのムービーを表示し続ける。
【0114】
次に、スロットマシン10は、スキップ処理を実行する(A4)。即ち、スロットマシン10は、外部制御装置621からのスキップ情報を受け付け、スキップ情報を受信した場合は、スキップ情報に基づいた内容を表示装置に表示する。この後、スロットマシン10は、ゲーム結果情報に基づいて、共通ゲームの終了となる勝敗を判定し、勝敗が付かない引分のゲーム結果であれば、次のゲーム結果情報に基づいて共通ゲームを再実行する。
【0115】
共通ゲームが再実行されると、A3のロール操作処理と同様に、スロットマシン10は、タッチパネル等のインプットデバイスのロール操作の入力を受け付けることにより外部制御装置621に対してロール操作指令を出力可能にする。そして、プレーヤがロール操作を行えば、シューターに指名されたスロットマシン10からロール操作指令が外部制御装置621に送信される。
【0116】
この後、スロットマシン10は、ゲーム結果情報を受け付け、ゲーム結果情報に基づいて共通ゲームに引き分けたか否かを判定する(A6)。引き分けた場合、即ち、勝敗が付かなかった場合には(A6,YES)、共通ゲームが継続され、シューター指令に基づいたシューターの指名の有無の判定や共通ゲームのムービー表示が行われる。
【0117】
一方、引き分けなかった場合、即ち、勝敗が付いた場合には(A6,NO)、続いて、共通ゲームに勝利したか否かが判定される(A7)。共通ゲームに負けた場合には(A7,NO)、A1のベースゲームが再実行される。一方、共通ゲームに勝利した場合には(A7,YES)、外部制御装置621からの払出情報に基づいて勝利配当が付与される。この後、A1のベースゲームが再実行される。
【0118】
(外部制御装置621の動作)
上記のようにしてスロットマシン10が動作しているときに、外部制御装置621は、スロットマシン10と同期しながら以下のセンター側処理(B1)〜(B9)を実行している。
【0119】
先ず、外部制御装置621は、各スロットマシン10から実行状態情報を受信し、ベースゲームの実行状態を取得する(B1)。この後、ベースゲームの繰り返し数やベット額の累積額等に基づいて、何れかのスロットマシン10で共通ゲーム開始条件が成立したか否かを判定する(B2)。共通ゲーム開始条件が成立しない場合には(B2,NO)、B1を再実行し、各スロットマシン10におけるベースゲームの実行状態を取得する。
【0120】
一方、共通ゲーム開始条件が成立した場合には(B2,YES)、ゲーム実行条件を満たすスロットマシン10に対して同時にゲーム開始指令が出力される(B3)。この後、ゲーム実行条件を満たすスロットマシン10の中から特定のスロットマシン10が選択され、特定のスロットマシン10に対してシューター指令が出力される(B4)。
【0121】
次に、外部制御装置621は、特定のスロットマシン10から送信されたロール操作指令を受信するまで待機する。ロール操作指令が受信されると、この受信をトリガーとして共通ゲームの勝敗がゲーム結果として決定される。即ち、勝利と負けと引き分けの何れかが決定される。決定されたゲーム結果は、ゲーム結果情報やスキップ情報として使用するため、一時的に記憶される(B5)。この後、ゲーム結果が引き分けであるか否かが判定される(B6)。引き分けた場合には(B6,YES)、B5が再実行されることによって、次のゲーム結果が決定および記憶されることになる。、これにより、ゲーム結果の決定は、引分以外のゲーム結果になるまで一括して順に行われることになる。
【0122】
B6において、ゲーム結果が引き分けでないと判定された場合には(B6,NO)、一時的に記憶されていた一連のゲーム結果の中から、引分のゲーム結果については少なくとも一部がスキップされ、残りのゲーム結果がゲーム結果情報として順に各スロットマシン10に出力される。また、スキップされたゲーム結果は、スキップ情報として順に各スロットマシン10に出力される。
【0123】
この後、勝敗のついたゲーム結果に基づいて共通ゲームに勝利したか否かが判定される(B8)。負けた場合には(B8,NO)、B1から再実行され、各スロットマシン10におけるベースゲームの実行状態が新たに取得される。一方、勝利した場合には(B8,YES)、各スロットマシン10における共通ゲームでベットされたベット額に基づいて、払出金額が計算され、払出情報として各スロットマシン10に送信される(B9)。
【0124】
以上のように、ゲーミングマシン300は、端末側処理(A1)〜(A8)を実行する複数のスロットマシン10とセンター側処理(B1)〜(B9)を実行する外部制御装置621とを有している。
【0125】
これにより、ゲーミングマシン300は、外部制御装置621において、共通ゲームのゲーム結果の決定が一括して順番に行われ、引分のゲーム結果の内の少なくとも一部がスキップされ、残りのゲーム結果がゲーム結果情報としてスロットマシン10に出力される。これにより、スロットマシン10においては、引分のゲーム結果となる共通ゲームの少なくとも一部の実行が省略されるため、引分のゲーム結果の決定が多数回行われた場合でも、スキップするゲーム数を調整することにより共通ゲームの繰り返しが過大になることを防止することができる。この結果、引分の共通ゲームの繰り返しによるプレーヤの待ち時間が過大となって、共通ゲームに対するプレーヤの飽きの発生を防止することが可能になる。
【0126】
(ゲームシステムの全体構成)
以上の各機能を備えたゲーミングマシン300を含むゲームシステム350について説明する。
【0127】
図5に示すように、ゲームシステム350は、複数のスロットマシン10と、各スロットマシン10に通信回線301を介して接続された外部制御装置621とを備えている。
【0128】
外部制御装置621は、複数のスロットマシン10を制御するものである。本実施形態において、外部制御装置621は、複数のスロットマシン10を有する遊技施設に設置されているいわゆるホールサーバである。各スロットマシン10にはそれぞれ固有の識別番号が付されており、外部制御装置621は、識別番号により、各スロットマシン10から送られてくるデータの出所を判別している。また、外部制御装置621からスロットマシン10にデータを送信する場合にも、識別番号を用いて送信先を指定している。
【0129】
尚、ゲームシステム350は、カジノなどの様々な遊技を行うことが可能な1つの遊技施設内に構築されてもよいし、複数の遊技施設間に構築されてもよい。また、1つの遊技施設内に構築される場合には、遊技施設のフロアやセクションごとにゲームシステム350が構築されてもよい。通信回線301は、有線であっても無線であってもよく、専用回線又は交換回線等を採用することが可能である。
【0130】
図6に示すように、ゲームシステムは、管理サーバブロック、顧客端末ブロック、スタッフ端末ブロックの3つに大別される。管理サーバブロックは、カジノホールサーバ850と、為替サーバ860と、カジノ・ホテルスタッフ管理サーバ870と、ダウンロードサーバ880と、を有している。
【0131】
カジノホールサーバ850は、スロットマシン10が設置されたカジノホール全体を管理するサーバである。為替サーバ860は、為替情報などを基に、為替レートデータを作成するサーバである。カジノ・ホテルスタッフ管理サーバ870は、カジノホール、若しくはカジノホールと関係するホテルのスタッフを管理するサーバである。ダウンロードサーバ880は、例えば、ゲームに関する情報やニュースなどの最新情報をダウンロードして、各種スロットマシン10のPTS端末700を通してプレーヤに報知するサーバである。
【0132】
また、管理サーバブロックは、会員管理サーバ810と、ICカード&金銭管理サーバ820と、メガバックスサーバ830と、画像サーバ840と、を有している。
【0133】
会員管理サーバ810は、スロットマシン10を遊技するプレーヤの会員情報などを管理するサーバである。ICカード&金銭管理サーバ820は、スロットマシン10で使用されるICカード500を管理するサーバである。具体的には、ICカード&金銭管理サーバ820は、端数現金データを識別コードに対応させて記憶したり、PTS端末700に端数現金データを出力したり、するサーバである。尚、ICカード&金銭管理サーバ820は、デノミレートデータなども作成、管理している。メガバックスサーバ830は、例えば、複数のカジノホールなどに設置された複数のスロットマシン10の掛け金の総合計が配当となるゲームであるメガバックスを管理するサーバである。画像サーバ840は、例えば、ゲームに関する画像やニュースなどの最新画像をダウンロードして、各種スロットマシン10のPTS端末700を通してプレーヤに報知するサーバである。
【0134】
顧客端末ブロックは、スロットマシン10と、PTS端末700と、精算機750と、を有している。PTS端末700は、スロットマシン10に取り付け可能となっており、管理サーバ800と相互通信可能になっている。精算機750は、プレーヤが所有するICカード500に記憶された現金データを換金して精算したり、コインや紙幣などを現金データとしてICカード500に記憶させたりする機械である。
【0135】
スタッフ端末ブロックは、スタッフ管理端末900と、会員カード発券端末950と、を有している。スタッフ管理端末900は、カジノホールのスタッフが各種スロットマシン10の管理をする端末である。特に、本実施形態の場合、カジノホールのスタッフは、PTS端末700にストックされたICカード500の数が溜まり過ぎたり、不足したりしていないかを管理する。会員カード発券端末950は、カジノホールでゲームするプレーヤが、会員カードを発券する際に使用する端末である。
【0136】
(PTS端末700)
PTS端末700は、図7に示すように、PTSシステムに組み込まれている。スロットマシン10に取り付けられたPTS端末700は、スロットマシン10のゲームコントローラ100およびビルバリコントローラ890と通信可能に接続されている。
【0137】
PTS端末700は、ゲームコントローラ100との通信において、音や画像などによるゲームの演出やクレジットデータの更新などを行っている。また、PTS端末700は、ビルバリコントローラ890との通信において、精算時に必要なクレジットデータを送信している。
【0138】
また、PTS端末700は、管理サーバ800と通信可能に接続されている。PTS端末700は、管理サーバ800との間において、一般通信ラインと追加機能通信ラインの2つのライン間で通信している。
【0139】
PTS端末700は、一般通信ラインにおいて、例えば現金データや識別コードデータ、プレーヤの会員情報などデータを通信している。一方、PTS端末700は、追加機能通信ラインにおいて、新たに追加される機能に関する通信をしている。本実施形態の場合、PTS端末700は、追加機能通信ラインにおいて、エクスチェンジ機能と、ICカード機能と、生体認証機能と、カメラ機能と、電波を使用した固体識別をする機能であるRFID(Radio Frequency IDentification)機能と、に関する通信をしている。
【0140】
(スロットマシンの機械構成)
図8を参照して、スロットマシン10の全体構造について説明する。
【0141】
スロットマシン10では、遊技媒体として、コイン、紙幣又はこれらに相当する電子的な有価情報が用いられる。特に、本実施形態では、ICカード500に記憶された現金データなどのクレジット関連データが用いられている。
【0142】
スロットマシン10は、キャビネット11と、キャビネット11の上側に設置されたトップボックス12と、キャビネット11の前面に設けられたメインドア13と、を備えている。
【0143】
メインドア13には、下側画像表示パネル141と称されるシンボル表示装置16が設けられている。シンボル表示装置16は、透明液晶パネルにより形成されている。シンボル表示装置16が表示する画面では、中央部に表示窓150を有している。表示窓150は、5列、4行の20個の表示ブロック28により構成されている。各列の4個の表示ブロック28は、擬似リール151〜155を形成している。各擬似リール151〜155は、4個の表示ブロック28が全体的に速度を変更しながら下方向に移動表示されることによって、各表示ブロック28に表示されたシンボル501を縦方向に回転させた後に停止する再配置を行うことを可能にしている。
【0144】
ここで、図25に示すように、表示窓150の左側および右側には、ペイライン発生列が左右対称に配置されている。プレーヤ側から見て左側のペイライン発生列は、25個のペイライン発生部65L(65La、65Lb、65Lc、65Ld、65Le、65Lf、65Lg、65Lh、65Li、65Lj、65Lk、65Ll、65Lm、65Ln、65Lo、65Lp、65Lq、65Lr、65LS、65Lt、65Lu、65Lv、65Lw、65Lx、65Ly)を有している。
【0145】
一方、右側のペイライン発生列は、25個のペイライン発生部65R(65Ra、65Rb、65Rc、65Rd、65Re、65Rf、65Rg、65Rh、65Ri、65Rj、65Rk、65Rl、65Rm、65Rn、65Ro、65Rp、65Rq、65Rr、65RS、65Rt、65Ru、65Rv、65Rw、65Rx、65Ry)を有している。
【0146】
ペイライン発生部65Lは、何れかのペイライン発生部65Rとペアを形成している。各ペイライン発生部65Lから、当該ペイライン発生部65Lとペアの関係にあるペイライン発生部65Rへと向かう線であるペイラインLが予め規定されている。尚、図25では、説明を行いやすくするために、ペイラインLを1個しか描いていないが、本実施形態では、ペイラインLは25個規定されている。
【0147】
上記のペイラインLは、ペイライン発生部65L・65R間を結ぶことにより有効化される。それ以外の場合は、無効化されている。ペイラインLの有効数は、BET額に基づいて決定される。最大のBET額であるMAXBETの場合においては、最大数である25個のペイラインLが有効化される。有効化されたペイラインLは、各シンボル501についての各種のウィニングコンビネーションを成立させる。ウィニングコンビネーションの詳細については後述する。
【0148】
尚、本実施形態では、スロットマシン10が所謂ビデオスロットマシンである場合について説明しているが、本発明のスロットマシン10は、所謂機械式リールを一部の擬似リール151〜155に代用してもよい。
【0149】
さらに、図8に示すように、シンボル表示装置16の前面には、タッチパネル69が設けられていて、プレーヤはタッチパネル69を操作して各種の指示を入力することができる。タッチパネル69から入力信号がメインCPU71に対して送信される。
【0150】
下側画像表示パネル141の下方には、コントロールパネル30が配置されている。コントロールパネル30は、各種ボタンをはじめ、コインをキャビネット11内に受け入れるコインエントリー21と、ビルエントリー22とを備えている。
【0151】
具体的には、コントロールパネル30は、図9に示すように、リザーブボタン31とコレクトボタン32とゲームルールボタン33とを向かって左側領域の上段に配置し、1−BETボタン34と2−BETボタン35と3−BETボタン37と5−BETボタン38と10−BETボタン39とを左側領域の中段に配置し、プレイ2LINESボタン40とプレイ10LINESボタン41とプレイ20LINESボタン42とプレイ40LINESボタン43とMAX LINESボタン44とを左側領域の下段に配置した態様で備えている。
【0152】
さらに、コントロールパネル30は、コインエントリー21およびビルエントリー22を向かって右側領域の上段に配置し、ギャンブルボタン45とスタートボタン46とを右側領域の下段に配置した態様で備えている。
【0153】
上記のリザーブボタン31は、席を離れたりする際や遊技施設の係員に両替を要求する際に用いられる操作ボタンである。コレクトボタン32は、各種ゲームにおいて取得したクレジットに関するクレジットデータをPTS端末700に挿入されたICカード500に記憶されたクレジットデータに加算する、所謂精算ボタンである。ゲームルールボタン33は、ゲームの操作方法等が不明な場合に押圧されるボタンであり、ゲームルールボタン33が押圧されると、後述する上側画像表示パネル131や下側画像表示パネル141に各種のヘルプ情報が表示される。
【0154】
1−BETボタン34は、1回押圧する毎に、各有効ペイラインLに対して、プレーヤの現在所有するクレジットが1ずつBETされるボタンである。2−BETボタン35は、各有効ペイラインLに対して、2BETでゲームを開始するためのボタンである。また、3−BETボタン37は、各有効ペイラインLに対して、3BETでゲームを開始するためのボタンである。また、5−BETボタン38は、各有効ペイラインLに対して、5BETでゲームを開始するためのボタンである。また、10−BETボタン39は、各有効ペイラインLに対して、10BETでゲームを開始するためのボタンである。従って、1−BETボタン34、2−BETボタン35、3−BETボタン37、5−BETボタン38、10−BETボタン39の押圧により、有効ペイラインLの1ライン毎にBETされるBET数が決定する。
【0155】
プレイ2LINESボタン40は、押圧により、ペイラインLを有効化するボタンである。これにより、有効化されたペイラインLの本数が「2」となる。プレイ10LINESボタン41は、押圧により、ペイラインLを有効化するボタンである。これにより、有効化されたペイラインの本数が「10」となる。プレイ20LINESボタン42は、押圧により、ペイラインLを有効化するボタンである。これにより、有効化されたペイラインLの本数が「20」となる。プレイ40LINESボタン43は、押圧により、ペイラインLを有効化するボタンである。これにより、有効化されたペイラインLの本数が「40」となる。更に、MAX LINESボタン44は、押圧により、ペイラインLを有効化するボタンである。これにより、有効化されたペイラインLの本数が最大の「50」となる。
【0156】
ギャンブルボタン45は、ボーナスゲームが終了した後などにギャンブルゲームに移行させたりする際に用いられる操作ボタンである。ここで、ギャンブルゲームとは、獲得したクレジットを使用して行われるゲームである。
【0157】
スタートボタン46は、シンボル501のスクロールを開始する際に用いられるボタンである。また、このスタートボタン46は、ボーナスゲームを開始させたり、ボーナスゲームで獲得した配当をクレジットに加算したりするためのボタンとしても機能する。コインエントリー21は、コインをキャビネット11内に受け入れるものである。ビルエントリー22は、紙幣の適否を識別すると共に正規の紙幣をキャビネット11内に受け入れるものである。
【0158】
図8に示すように、メインドア13の下部前面、即ち、コントロールパネル30の下方には、コインを受け入れるためのコイン受入口18と、スロットマシン10のキャラクタなどが描かれたベリーガラス132と、が設けられている。
【0159】
トップボックス12の前面には、上側画像表示パネル131が設けられている。上側画像表示パネル131は、液晶パネルからなり、ディスプレイを構成する。上側画像表示パネル131は、演出にかかる画像や、遊技の内容の紹介やルールの説明を示す画像が表示される。また、トップボックス12には、スピーカ112およびランプ111が設けられている。スロットマシン10では、画像の表示、音の出力および光の出力によって演出が実行される。
【0160】
上側画像表示パネル131の下方には、データ表示器174と、キーパッド173と、が設けられている。データ表示器174は、蛍光ディスプレイやLEDなどからなり、例えば、PTS端末700から挿入されたICカード500から読み取った会員データや、プレーヤによってキーパッド173を介して入力されたデータを表示するものである。キーパッド173は、データを入力するためのものである。
【0161】
(PTS端末の機械構成)
また、下側画像表示パネル141とコントロールパネル30との間には、PTS端末700が取り付けられている。PTS端末700は、図10に示すように、LCD719を備えている。LCD719は、PTS端末700の中央部に配置されている。LCD719は、例えば、ゲームを演出する演出画像を表示する。
【0162】
PTS端末700の上部には、人体検出カメラ712・713と、マイク704・705と、バスレフ型(バス・レフレックス型)のスピーカ707・708とが配置されている。
【0163】
人体検出カメラ712・713は、カメラ機能によって、プレーヤの有無を検出し、後述するユニットコントローラ730に信号を出力する。マイク704・705は、プレーヤが音声によってゲームに参加したり、音声認識によるプレーヤの認証をしたりするのに使用される。スピーカ707・708は、音声によるゲームの演出をし、また、ICカード500の抜き忘れによる報知音を出力する。さらに、スピーカ707・708は、挿入されたICカード500の認証が失敗した場合においても、報知音を出力する。尚、スピーカ707・708は、LCD719の裏側からダクトで音を前方(プレーヤ側)にステレオで聞こえるように設置されているため、省スペースで設置することができる。
【0164】
また、PTS端末700には、LED709とカード挿入口706とが設けられている。LED709は、複数色に点灯することによって、後述するカードスタッカー714に溜まったICカード500の残数を報知する。具体的には、LED709は、ICカード500の残数が5枚以下の場合、黄色に点灯し、6〜24枚の場合、青色に点灯し、25枚以上の場合、緑色に点灯する。尚、ICカード500の残数が0枚、若しくは30枚の場合、LED709は、灰色に点灯すると共に、実行中のゲームが停止されるようになっている。これにより、例えば、LED709が黄色に点灯していた場合、カジノホールのスタッフがICカード500の残数が少ないことを即座に判断して、ICカード500を補充することができる。一方、例えば、LED709が緑色に点灯していた場合、カジノホールのスタッフがICカード500の残数がいっぱいであることを即座に判断して、ICカード500を抜き取ることができる。尚、ICカード500を補充する場合は、それぞれのスタッフのみが所有するICカード500をカード挿入口706から挿入することで補充できる。一方、ICカード500を抜き取る場合は、カード挿入口706から補充カードと呼ばれるカードを1枚挿入することにより、補充カードと共に、10枚のICカード500が排出されるようになっている。このように、スタッフが管理サーバ上で各スロットマシン10のICカード500の残数を確認したり、実際にスロットマシン10のメインドア13を開けて確認したりする必要がないため、セキュリティの向上に繋がる。
【0165】
カード挿入口706は、ICカード500を挿入若しくは取り出せる機構を有する。ICカード500は、表示部510が上方で、且つ、カード挿入口706とは反対に向くように挿入される。また、ICカード500は、プレーヤがゲーム中においては、完全に内部に入っているが、精算時には表示部510が露出するように、排出される。これにより、プレーヤは、更新された現金データなどのクレジット関連データを確認することができる。さらに、ICカード500は、プレーヤがゲーム中においても完全に内部に入らずに、表示部510が露出するように保持されていてもよい。これにより、プレーヤは、ゲーム中においてクレジットが更新される様を常に確認することができる。尚、クレジットの精算時において、人体検出カメラ712・713を用いてプレーヤがいないことが検出された場合、ICカード500は内部に引き込まれて、カードスタッカー714に保管されるようになっている。これにより、例えば、残りクレジットが少ないことを表示部514で確認したプレーヤが、わざとICカード500を残して席を立った場合でも、ICカード500が長時間挿入されたままになることがない。尚、本実施形態の場合、カードスタッカー714は、30枚まで保管することができるようになっている。
【0166】
上述したように、本実施形態のPTS端末700は、マイク機能、カメラ機能、スピーカ機能、表示機能、などを有する各種装置が、一体となって一つのユニットを形成しているため、省スペース化を実現している。これにより、例えば、それぞれの機能が単品で設置されることによって、LCDをプレーヤの方に向けると、スピーカがプレーヤの方に向けて設置できないなどの不都合を生じることがない。
【0167】
(スロットマシンの電気構成)
【0168】
次に、図11を参照して、スロットマシン10が備える回路の構成について説明する。
【0169】
ゲーミングボード50は、内部バスによって互いに接続されたCPU51、ROM52およびブートROM53と、メモリカード54に対応したカードスロット55と、GAL(Generic Array Logic)56に対応したICソケット57と、を備えている。
【0170】
メモリカード54は、不揮発性メモリからなり、ゲームプログラムおよびゲームシステムプログラムを記憶している。ゲームプログラムには、遊技進行に係るプログラム、画像や音による演出を実行するためのプログラムが含まれている。また、上記ゲームプログラムには、シンボル決定プログラムが含まれている。シンボル決定プログラムは、表示ブロック28に再配置されるシンボルを決定するためのプログラムである。
【0171】
また、ゲームプログラムには、表示ブロックの各シンボル列の各シンボルと、コードNo.と、乱数値との対応関係を示す通常ゲーム用シンボルテーブル(図14参照)を示す通常ゲーム用シンボルテーブルデータ、表示ブロックの各シンボル列の各シンボルと、コードNo.と、乱数値との対応関係を示すボーナスゲーム用シンボルテーブル(図15参照)を示すボーナスゲーム用シンボルテーブルデータ、シンボル列決定テーブル(図16参照)を示すシンボルNo.決定テーブルデータ、コードNo.決定テーブル(図17参照)を示すコードNo.決定テーブルデータ、ワイルドシンボル増加数決定テーブル(図18参照)を示すワイルドシンボル増加数決定テーブルデータ、トリガーシンボル増加数決定テーブル(図19参照)を示すトリガーシンボル増加数決定テーブルデータ、ペイラインL上に再配置されたシンボルの種類および個数と、配当量との対応関係(図20参照)を示すオッズデータ、などが含まれている。
【0172】
また、カードスロット55は、メモリカード54を挿抜可能なように構成されており、IDEバスによってマザーボード70に接続されている。従って、カードスロット53Sからメモリカード54を抜き取り、メモリカード54に別のゲームプログラムを書き込み、そのメモリカード54をカードスロット53Sに差し込むことにより、スロットマシン10で行われるゲームの種類や内容を変更することができる。
【0173】
GAL56は、OR固定型アレイ構造を有するPLD(Programmable Logic Device)の一種である。GAL56は、複数の入力ポートと出力ポートとを備えており、入力ポートに所定の入力があると、対応するデータを出力ポートから出力する。
【0174】
また、ICソケット57は、GAL56を着脱可能なように構成されており、PCIバスによってマザーボード70に接続されている。メモリカード54を別のプログラムが書き込まれたものに差し替えるか、または、メモリカード54に書き込まれたプログラムを別のものに書き換えることによって、スロットマシン10で行われる遊技の内容を変更することができる。
【0175】
内部バスによって互いに接続されたCPU51、ROM52およびブートROM53は、PCIバスによってマザーボード70に接続されている。PCIバスは、マザーボード70とゲーミングボード50との間の信号伝達を行うと共に、マザーボード70からゲーミングボード50への電力供給を行う。
【0176】
ROM52には、認証プログラムが記憶される。ブートROM53には、予備認証プログラムおよびCPU51が予備認証プログラムを起動するためのプログラム(ブートコード)等が記憶されている。
【0177】
認証プログラムは、ゲームプログラムおよびゲームシステムプログラムを認証するためのプログラム(改竄チェックプログラム)である。予備認証プログラムは、上記認証プログラムを認証するためのプログラムである。認証プログラムおよび予備認証プログラムは、対象となるプログラムが改竄されていないことの認証を行う手順(認証手順)に沿って記述されている。
【0178】
マザーボード70は、市販の汎用マザーボード(パーソナルコンピュータの基本部品を実装したプリント配線板)を用いて構成され、メインCPU71と、ROM(Read Only Memory)72と、RAM(Random Access Memory)73と、通信インターフェイス82と、を備えている。尚、マザーボード70は、本実施形態におけるゲームコントローラ100に相当する。
【0179】
ROM72は、フラッシュメモリ等のメモリデバイスからなり、メインCPU71により実行されるBIOS(Basic Input/Output System)などのプログラムと恒久的なデータとが記憶されている。メインCPU71によってBIOSが実行されると、所定の周辺装置の初期化処理が行われる。また、ゲーミングボード50を介して、メモリカード54に記憶されているゲームプログラムおよびゲームシステムプログラムの取込処理が開始される。尚、本発明に置いて、ROM72は、内容の書き換えが可能なものであってもよく、不可能なものであってもよい。
【0180】
RAM73には、メインCPU71が動作する際に用いられるデータやシンボル決定プログラムなどのプログラムが記憶される。例えば、前述のゲームプログラムおよびゲームシステムプログラムや認証プログラムの取込処理を行った際、これらを記憶することができる。また、RAM73には、上記プログラムを実行する際の作業用の領域が設けられている。例えば、遊技回数、BET数、払出数、クレジット数などを管理するカウンタを記憶する領域や、抽籤により決定したシンボル(コードナンバー)を記憶する領域などが設けられている。
【0181】
通信インターフェイス82は、通信回線301を介して、サーバ等の外部制御装置621との通信を行うためのものである。また、マザーボード70には、後述するドアPCB(Printed Circuit Board)90および本体PCB110が、それぞれUSBによって接続されている。また、マザーボード70には、電源ユニット81が接続されている。さらに、マザーボード70には、PTS端末700がUSBによって接続されている。
【0182】
電源ユニット81からマザーボード70に電力が供給されると、マザーボード70のメインCPU71が起動すると共に、PCIバスを介してゲーミングボード50に電力が供給されてCPU51が起動される。
【0183】
ドアPCB90および本体PCB110には、スイッチやセンサなどの入力装置や、メインCPU71により動作が制御される周辺装置が接続されている。
【0184】
ドアPCB90には、コントロールパネル30、リバータ91、コインカウンタ92Cおよび冷陰極管93が接続されている。
【0185】
コントロールパネル30には、前述の各ボタンに対応して、リザーブスイッチ31Sと、コレクトスイッチ32Sと、ゲームルールスイッチ33Sと、1−BETスイッチ34Sと、2−BETスイッチ35Sと、3−BETスイッチ37Sと、5−BETスイッチ38Sと、10−BETスイッチ39Sと、プレイ2LINESスイッチ40Sと、プレイ10LINESスイッチ41Sと、プレイ20LINESスイッチ42Sと、プレイ40LINESスイッチ43Sと、MAX LINESスイッチ44Sと、ギャンブルスイッチ45Sと、スタートスイッチ46Sと、が設けられている。各スイッチは、対応するボタンがプレーヤによって押されたことを検出し、メインCPU71に対して信号を出力する。
【0186】
コインエントリー36の内部には、リバータ91およびコインカウンタ92Cが設けられている。そして、リバータ91によってコインエントリー36に投入されたコインの適否を識別し、正規のコイン以外のものは、コイン払出口から排出する。また、コインカウンタ92Cによって、受け入れられた正規のコインを検出し、その枚数をカウントする。
【0187】
リバータ91は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて動作するものであり、コインカウンタ92Cによって選別された適正なコインを、ホッパー113またはキャッシュボックス(図示せず)に振り分ける。ホッパー113がコインで満たされていない場合はホッパー113に、ホッパー113がコインで満たされている場合はキャッシュボックスに振り分けられる。
【0188】
冷陰極管93は、上側画像表示パネル131および下側画像表示パネル141の背面側に設置されるバックライトとして機能するものであり、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて点灯する。
【0189】
本体PCB110には、ランプ111、スピーカ112、ホッパー113、コイン検出部113S、タッチパネル69、ビルエントリー22、グラフィックボード130、キースイッチ173Sおよびデータ表示器174が接続されている。
【0190】
ランプ111は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて点灯する。スピーカ112は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいてBGM等の音を出力する。
【0191】
ホッパー113は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて動作し、指定された払出数のコインをコイン払出口から図示しないコイントレイに払い出す。コイン検出部113Sは、ホッパー113により払い出されるコンを検出し、メインCPU71に対して信号を出力する。
【0192】
タッチパネル69は、下側画像表示パネル141上でプレーヤの指などが触れた位置を検出し、その検出した位置に対応した信号をメインCPU71に対して出力する。
【0193】
ビルエントリー22は、紙幣の適否を識別するとともに正規の紙幣をキャビネット11内に受け入れるものである。そして、キャビネット11内に投入された紙幣はコイン枚数に換算され、換算されたコイン枚数に相当するクレジットがプレーヤの所有クレジットとして加算される。
【0194】
グラフィックボード130は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて、上側画像表示パネル131および下側画像表示パネル141のそれぞれにより行う画像の表示を制御する。グラフィックボード130は、画像データを生成するVDP(Video Display Processor)や、VDPによって生成される画像データを記憶するビデオRAMなどを備えている。尚、VDPによって画像データを生成する際に用いられる画像データは、メモリカード54から読み出されてRAM73に記憶されたゲームプログラム内に含まれている。
【0195】
また、グラフィックボード130は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて、画像データを生成するVDP(Video Display Processor)や、VDPによって生成される画像データを一時的に記憶するビデオRAMなどを備えている。尚、VDPによって画像データを生成する際に用いられる画像データは、メモリカード54から読み出されてRAM73に記憶されたゲームプログラム内に含まれている。
【0196】
キースイッチ173Sは、キーパッド173に設けられており、キーパッド173がプレーヤによって操作されたとき、所定の信号をメインCPU71へ出力する。
【0197】
データ表示器174は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて、カードリーダ172が読み取ったデータや、プレーヤによってキーパッド173を介して入力されたデータを表示する。
(PTS端末の電気構成)
【0198】
次に、図12を参照して、PTS端末700が備える回路の構成について説明する。
【0199】
PTS端末700を制御するPTSコントローラ720は、ユニットコントローラ730を中心として各種機能部が接続されており、CPU731と、通信部734と、ROM733と、RAM732と、を有する。
【0200】
CPU731は、後述するROM733に格納された各種プログラムを実行したり、演算したりする。特に、CPU731は、クレジット更新プログラムを実行して、ゲームコントローラ100から取得したクレジットデータを現金データに換算し、管理サーバ800内の端数現金データと合算して、ICカード500に送信する。
【0201】
また、CPU731は、人体検出作動プログラムを実行して、ゲームコントローラ100から取得したクレジットデータに基づくクレジット数が”0”でなかった場合、人体検出カメラ712・713を用いてカードスタッカー714へICカード500を取り込むか否かを判定する。
【0202】
また、CPU731は、認証プログラムを実行して、ICカード500内の識別コードと管理サーバ800内の識別コードとを照合する。
【0203】
また、CPU731は、音声制御プログラムを実行して、認証結果に基づき、後述する音声制御回路部724を制御する。ここでの音声制御とは、認証失敗の場合、CPU731が、後述する音声制御回路部724を制御して、スピーカ707・708から認証失敗の報知をする制御のことである。通信部734は、ゲームコントローラ100との通信を可能にしている。
【0204】
また、CPU731は、デバイスプログラムを実行して、LCD719、マイク704・705、スピーカ707・708を作動制御する。さらに、CPU731は、LED制御プログラムを実行して、ICカード500の残り枚数によって、LED718を点灯制御する。
【0205】
ROM733は、フラッシュメモリなどのメモリデバイスからなり、CPU731により実行される恒久的なデータが記憶されている。例えば、ROM733には、ゲームコントローラ100からの指令によって、ICカード500に記憶されたクレジットデータを書き換えるクレジット更新プログラムと、人体検出作動プログラムと、認証プログラムと、音声制御プログラムと、デバイスプログラムと、LED制御プログラムと、を有する。
【0206】
RAM732には、ROM733に記憶された各種プログラムを実行する際に必要なデータを一時的に記憶する。例えば、RAM732は、ゲームコントローラ100からの信号に基づいて、更新するクレジットデータを記憶する。また、RAM732は、人体検出カメラ712・713によってプレーヤを検出した時刻とその時点からカウントする時間とを記憶する。
【0207】
また、ユニットコントローラ730には、人体検出カメラ制御部722と、LCD駆動部723と、音声制御回路部724と、残カード認識入力部727と、カード吸入排出駆動部726と、カード検出入力部725と、LED駆動部728と、変復調部721と、に接続されている。
【0208】
人体検出カメラ制御部722は、ユニットコントローラ730からの指令に基づき、人体検出カメラ712・713を作動制御する。
【0209】
LCD駆動部723は、ユニットコントローラ730からの指令に基づき、LCD719を作動制御する。
【0210】
音声制御回路部724は、ユニットコントローラ730からの指令に基づき、マイク704・705およびスピーカ707・708を作動制御する。
【0211】
残カード認識入力部727は、残カード認識センサ717によるカードスタッカー714に溜まったICカード500の残数を判定する信号をユニットコントローラ730に入力する。ここで、残カード認識センサ717は、例えば、図示しない赤外線検出機構などを用いて、カードスタッカー714に溜まったICカード500の残数を判定する機能を有する。
【0212】
カード吸入排出駆動部726は、ユニットコントローラ730からの指令に基づき、カード吸入排出機構716を駆動制御する。ここで、カード吸入排出機構716は、ICカード500を内部に取り込む機構、および外部に排出する機構、を有する。
【0213】
カード検出入力部725は、カード検出センサ715からの信号をユニットコントローラ730に入力する。ここで、カード検出センサ715は、挿入されたICカード500から現金データや識別コードなどの各種データを取得する。
【0214】
LED駆動部728は、ユニットコントローラ730からの指令に基づき、LED718を点灯させるために駆動制御する。
【0215】
変復調部721は、アンテナ701からの高周波信号をユニットコントローラ730が制御できる信号に変換する一方、アンテナ701を介してユニットコントローラ730からの信号をICカード500に送信できる信号に変換する。
【0216】
尚、前述のユニットコントローラ730と、カード吸入排出駆動部726と、カード検出入力部725と、変復調部721と、を併せて、カードユニット制御コントローラとも呼称する。
(ICカードの電気構成)
【0217】
次に、図12および図13を参照して、ICカード500が備える回路の構成について説明する。
【0218】
図12に示すように、ICカード500は、アンテナ507と、電源制御回路504と、変復調回路508と、表示書き込みIC505と、表示ドライバ506と、表示部510と、を有する。
【0219】
アンテナ507は、PTS端末700が有するアンテナ701を介して各種信号を送受信する。
【0220】
電源制御回路504は、第2昇圧回路531と第3昇圧回路532を有している。第2昇圧回路531は、アンテナ507からの信号を、後述する変復調回路508が処理できる電圧まで昇圧する。第3昇圧回路532は、電源からの電圧を、後述する表示ドライバ506を駆動する電圧まで昇圧する。
【0221】
変復調回路508は、発信器521と検波回路522とを有している。発信器521は、ある特定周波数の信号を出力し、アンテナ507から受信した信号とミキシングすることによって、後述する表示書き込みIC505が処理できる信号に変換する。検波回路522は、アンテナ507から受信した信号を検波する。
【0222】
表示書き込みIC505は、CPU553と、クレジットデータメモリ552と、表示コントローラ551と、を有する。
【0223】
CPU553は、現金データ書き換え更新プログラムを実行して、PTS端末700から取得した現金データに基づき、クレジットデータメモリ552に記憶された現金データを書き換え更新する。
【0224】
また、CPU553は、表示コントローラ551を制御して、クレジットデータメモリ552に記憶された現金データを表示用のデータとして使用させ、後述する表示ドライバ506を介して表示部510に表示させる。
【0225】
クレジットデータメモリ552は、前述の現金データ書き換え更新プログラム、現金データ、識別コード、表示用の現金データ、などのクレジット関連データと、を記憶する。尚、クレジットデータメモリ552が記憶するクレジット関連データは、演算用にも表示用にも使用される。
【0226】
表示コントローラ551は、CPU553制御信号に基づき、クレジットデータメモリ552に記憶された表示用のクレジットデータを取得して、表示ドライバ506を介して表示部510に表示させる。
【0227】
ICカード500は、通信IC509を有する。通信IC509は、第1昇圧回路543と、発信器546と、検波回路545と、送信制御部544と、CPU542と、認証用メモリ541と、を有する。第1昇圧回路543は、PTS端末700から取得した端末側の認証データを後述するCPU542が処理できる電圧まで昇圧する。
【0228】
発信器546は、ある特定周波数の信号を出力し、アンテナ507から受信した信号とミキシングすることによって、CPU542が処理できる信号に変換する。検波回路522は、アンテナ507から受信した信号を検波する。
【0229】
CPU542は、認証ルーチンプログラムを実行して、PTS端末700からの認証要求があった際、後述する認証用メモリ541に記憶された識別コードをPTS端末700に送信する。認証用メモリ541は、CPU542が使用する認証ルーチンプログラムと、識別コードと、を記憶する。
(シンボル、コンビネーションなど)
【0230】
上記スロットマシン10の擬似リール151〜155に表示されるシンボル501は、複数のシンボル501によりシンボル列を形成している。各シンボル列を構成するシンボル501には、図14に示すように、0〜19以上の何れかのコード番号が付与される。各シンボル列は、『WILD』、『FEATURE』、『A』、『Q』、『J』、『K』、『BAT』、『HAMMER』、『SWORD』、『RHINOCEROS』、『BUFFALO』、および『DEER』のシンボル501が組み合わされて構成されている。
【0231】
シンボル列の内の3個の連続したシンボル501は、図8に示すように、各擬似リール151〜155の表示領域の最上段、上段、下段、最下段のそれぞれに表示(配置)されることによって、表示窓150において5列4行のシンボルマトリクスを構成している。シンボルマトリクスを構成するシンボル501は、少なくともスタートボタン46が押圧されてゲームが開始されると、スクロールを開始する。スクロールが開始されてから所定時間が経過すると、各シンボル501のスクロールが停止する(再配置)。
【0232】
また、各シンボル501について、各種のウィニングコンビネーションが予め定められている。尚、ウィニングコンビネーションは、賞を成立させることを意味する。ウィニングコンビネーションは、ペイラインL上で停止したシンボル501のコンビネーションがプレーヤにとって有利な状態になるコンビネーションのことである。有利な状態とは、ウィニングコンビネーションに応じたコインが払い出される状態、コインの払出数がクレジットに加算される状態、ボーナスゲームが開始される状態などのことである。
【0233】
本実施形態におけるウィニングコンビネーションは、『WILD』、『FEATURE』、『A』、『Q』、『J』、『K』、『BAT』、『HAMMER』、『SWORD』、『RHINOCEROS』、『BUFFALO』、及び『DEER』のうち少なくとも1種類のシンボル501が、有効化されたペイラインL上に、所定数以上で再配置された場合をいう。また、所定種類のシンボル501がスキャッタシンボルとして設定されている場合には、ペイラインLの有効及び無効に拘らずに、所定数以上で再配置された場合にウィニングコンビネーションとなる。
【0234】
具体的には、ペイラインL上に『FEATURE』のトリガーシンボル503bがウィニングコンビネーションの態様で停止したときにボーナストリガーとなり、遊技状態が通常ゲームからボーナスゲームに移行すると共に、BET額に応じた払い出しが行われる。また、通常ゲームにおいて、ペイラインL上に『BAT』のシンボル501がウィニングコンビネーションの態様で停止した場合には、『BAT』の基本払い出し数にBET額を乗算した払い出し数のコイン(有価価値)の払い出しが行われる。
(通常ゲーム用シンボルテーブル)
【0235】
図14は、通常ゲームにおいて用いられる再配置の対象となるシンボル501を決定する際に用いられるテーブルである。通常ゲーム用シンボルテーブルは、各シンボル列における表示ブロック28の各シンボル501と、コードNo.とが対応付けられていると共に、0〜65535の範囲を20区分した数値値範囲が各コードNo.に対応付けられている。
【0236】
尚、区分の態様は、均等であってもよいし、不均等であってもよい。不均等の場合には、乱数値の範囲により当籤する確率をシンボル501の種類により調整することが可能になる。また、特定シンボル503のトリガーシンボル503bに対応する『FEATURE』やワイルドシンボル503aに対応する『WILD』に対応した範囲が、他種類のシンボル501よりも狭い範囲に設定されていてもよい。この場合には、ゲームの状況に応じて、価値のある種類のシンボル501を当籤し難くして、勝敗を容易に調整することができる。
【0237】
例えば、1列目において、ランダムに選ばれた乱数値が“10000”であれば、この乱数値を含む乱数範囲に対応付けられたコードNo.3の『J』が、1列目の擬似リール151において再配置の対象とされる。また、例えば、4列目において、ランダムに選ばれた乱数値が“40000”であれば、この乱数値を含む乱数範囲に対応付けられたコードNo.12の『FEATURE』が、4列目の擬似リール151において再配置の対象とされる。
(ボーナスゲーム用シンボルテーブル)
【0238】
図15は、ボーナスゲームにおいて用いられる再配置の対象となるシンボル501を決定する際に用いられるテーブルである。本ボーナスゲーム用シンボルテーブルは、通常ゲーム用シンボルテーブルと同様に、各シンボル列における表示ブロック28の各シンボル501と、コードNo.とが対応付けられていると共に、0〜65535の範囲を区分した数値範囲が各コードNo.に対応付けられている。尚、区分の態様は、通常ゲーム用シンボルテーブルと同一である。
【0239】
さらに、ボーナスゲーム用シンボルテーブルは、特定シンボル503が追加や置換されている。ここで、『置換』とは、新規のシンボルデータが既存のシンボルデータに上書きされることを意味する。追加や置換する個数やシンボル列は、ランダムに選ばれてもよいし、予め決められていてもよい。本実施形態においては、図18のワイルドシンボル増加数決定テーブル及び図19のトリガーシンボル増加数決定テーブルにより増加数がランダムに選ばれている。尚、シンボルデータが置換された場合、停止表示されたシンボル501に置き換わって、上書き(置換)されたシンボルデータの画像が表示されてもよい。
【0240】
例えば、図15のボーナスゲーム用シンボルテーブルにおいては、各シンボル列(L1)〜(L5)に対して、均等に10個のワイルドシンボル503aが追加された状態を示している。この場合には、全てのシンボル列(L1)〜(L5)においてワイルドシンボル503aがランダムに選ばれ易い状態となる。
(シンボル列決定テーブル)
【0241】
図16は、特定シンボル503が追加や置換される対象となるシンボル列(L1)〜(L5)を決定する際に用いられるシンボル列決定テーブルを示す図である。シンボル列決定テーブルは、シンボル列No.と乱数値との対応関係を示している。シンボル列No.1は、表示ブロック28の1列目を、シンボル列No.2は、表示ブロック28の2列目を、シンボル列No.3は、表示ブロック28の3列目を、シンボル列No.4は、表示ブロック28の4列目を、シンボル列No.5は、表示ブロック28の5列目を示す。
【0242】
本実施形態では、取得した乱数値とシンボル列決定テーブルとに基づいて、シンボル列毎の特定シンボル503の増加数や置換数を決定する場合について説明するが、これに限定されるものではなく、シンボル列毎に特定シンボル503の増加数や置換数を予め定めておいてもよい。また、特定シンボル503の種類に応じて、増加数や置換数を定めておいてもよい。
【0243】
(コードNo.決定テーブル)
図17は、コードNo.決定テーブルを示す図である。コードNo.決定テーブルは、コードNo.と乱数値との対応関係を示している。例えば、第1のシンボル列No.(1列目)用の乱数値が40567、63535、65323である場合には、コードNo.として、12と、末尾と、末尾とが決定される。
【0244】
本実施形態では、取得した乱数値とコードNo.決定テーブルとに基づいて、各シンボル列に増加される特定シンボルのコードNo.をシンボル列毎に決定する場合について説明したが、本発明では、増加される特定シンボル503のコードNo.をシンボル列毎に予め定めておいてもよい。
【0245】
(ワイルドシンボル増加数決定テーブル)
図18は、ワイルドシンボル増加数決定テーブルを示す図である。ワイルドシンボル増加数決定テーブルは、ワイルドシンボル増加数と乱数値との対応関係を示している。ワイルドシンボル増加数は、“10”、“30”、“50”、“70”、“90”の5種類の数値を有している。例えば、乱数値が17235である場合には、ワイルドシンボル増加数として、“30”が選択される。尚、ワイルドシンボル増加数は、1以上の増加数の数値を複数種類で有していればよい。また、増加数は、単位ゲーム毎などの所定のタイミングで変更可能にされていてもよい。
【0246】
(トリガーシンボル増加数決定テーブル)
図19は、トリガーシンボル増加数決定テーブルを示す図である。トリガーシンボル増加数決定テーブルは、トリガーシンボル増加数と乱数値との対応関係を示している。トリガーシンボル増加数は、“2”、“4”、“6”、“8”、“10”の5種類の数値に設定されている。例えば、乱数値が17235である場合には、トリガーシンボル増加数として、“4”が選択される。尚、トリガーシンボル増加数は、1以上の増加数の数値を複数種類で有していればよい。また、テーブル内の増加数は、単位ゲーム毎などの所定のタイミングで変更可能にされていてもよい。
【0247】
(配当テーブル)
図20は、ウィニングコンビネーションに基づいて付与される配当を管理する配当テーブルである。この配当テーブルは、マザーボード70のROM72に記憶されており、配当の情報(配当倍率)が、ウィニングコンビネーションの種類に対応付けられている。例えば、3個の『A』が再配置されたウィニングコンビネーションに対応する配当倍率は、4倍である。従って、この場合には、BET額に4が積算された配当がプレーヤに付与される。5個の『BUFFALO』が再配置されたウィニングコンビネーションに対応する配当倍率は100倍である。尚、本実施の形態では、通常ゲーム及びフリーゲームにおける配当倍率は同率に設定されるが、これに限定されるものではない。即ち、通常ゲーム及びフリーゲームにおける配当倍率が異なっていてもよい。
【0248】
以上の各テーブルのデータは、スロットマシン10のマザーボード70(ゲームコントローラ100)におけるROM72やRAM73に記憶されている。これにより、スロットマシン10は、外部制御装置621(センターコントローラ200)から分離されることにより単体とされた場合でも、ベースゲームを実行可能になっている。
【0249】
(ゲーム端末管理テーブル)
図21は、センターコントローラ200において各スロットマシン10のベースゲームの状態を管理するゲーム端末管理テーブルである。この管理テーブルは、ゲーム端末欄とゲーム種類欄とゲーム状態欄と累積ゲーム回数欄とを有している。ゲーム端末欄は、各スロットマシン10に設定された固有の機台番号を格納している。例えば、5台のスロットマシン10が接続されている場合には、“001”〜“005”の機台番号が格納される。
【0250】
ゲーム種類欄は、各スロットマシン10が実行中のベースゲームの種類を機台番号に対応付けて格納している。ベースゲームの種類は、“通常ゲーム”や“ボーナスゲーム”等である。例えば、“001”の機台番号を有したスロットマシン10においては、ゲーム種類欄が“通常ゲーム”であるため、通常ゲームの単位ゲームを繰り返していることになる。
【0251】
ゲーム状態欄は、各スロットマシン10が実行中のベースゲームの状態、即ち、単位ゲームのゲーム状態を機台番号に対応付けて格納している。ゲーム状態は、“実行”及び“停止”である。例えば、“002”の機台番号を有したスロットマシン10においては、ゲーム種類が“通常ゲーム”及びゲーム状態が“停止”であるため、通常ゲームの単位ゲームの勝敗がついて次の単位ゲームが開始されるまでの状態となっている。また、“004”の機台番号を有したスロットマシン10においては、ゲーム種類が“ボーナスゲーム”及びゲーム状態が“実行”であるため、ボーナスゲームの単位ゲームが実行中の状態となっている。
【0252】
累積ゲーム回数欄は、クラップスゲームが終了してスロットゲームが再開された時点を初期値とし、通常ゲームの単位ゲームのゲーム数の累積値を累積ゲーム回数として格納している。これらの各スロットマシン10における累積ゲーム回数は、全てのスロットマシン10における累積ゲーム回数がそれぞれ加算されることによって、共通ゲーム可能条件の判定値となる総累積ゲーム回数の算出に用いられる。
【0253】
(共通ゲーム管理テーブル)
図22は、センターコントローラ200において各スロットマシン10の共通ゲームの状態を管理する共通ゲーム管理テーブルである。この管理テーブルは、ゲーム端末欄と、ベット額Sn欄と、配当倍率An欄と、シューター欄と、累積ベット額Bn欄と、特別ベット額Cn欄と、基本ベット額Dn欄と、共通ゲームベット額Tn欄と、基本ベット総額F欄と、特別ベット総額G欄と、モードH欄と、イージーモード総額I欄と、プロモード総額J欄と、配当割合Kn(貢献度En)と、修正特別ベット額Lnと、合計ベット額Mn欄と、次回繰越額Nn欄とを有している。
【0254】
ゲーム端末欄は、ゲーム端末欄は、各スロットマシン10に設定された固有の機台番号を格納している。尚、本実施形態においては、“001”〜“005”の5台分の機台番号を格納している。ベット額Sn欄は、ベースゲームであるスロットゲームにおいてベットされたベット額を単位ゲーム毎に格納している。例えば、機台番号“001”のスロットマシン10においては、今回のスロットゲームにおいて“10.4”のベット額をベットしている。機台番号“004”のスロットマシン10においては、今回のスロットゲームにおいて“12.4”のベット額をベットしている。
【0255】
配当倍率An欄は、共通ゲームにおける配当倍率Anを格納している。本実施形態においては、“2倍”の配当倍率Anに設定されているため、共通ゲームに勝利すると、共通ゲームのベット額と同額の払出しが行われることになる。即ち、共通ゲームに勝利した場合は、共通ゲームに引き分けた場合と同様に、ベット額が維持された状態となる。
【0256】
シューター欄は、シューターに選定されたことを示す“1”と、シューターに選定されていないことを示す“0”とを格納する。本実施形態においては、機台番号“002”のスロットマシン10がシューターとして選定されている。
【0257】
累積ベット額Bn欄は、Bn=Σ(Sn−Cn−Dn)の計算式により算出された累積ベット額Bnを格納する。即ち、累積ベット額Bnは、ベースゲームのベット額から特別ベット額Cnと基本ベット額Dnとを減算したベット額を単位ベースゲーム毎に加算したベット額である。特別ベット額Cn欄は、Cn=Bn×3%の計算式により算出された特別ベット額Cnを格納する。尚、式中の“3%”は、例示であり、適宜変更することができる。特別ベット額Cnは、共通ゲームのシューターに選定されたスロットマシン10のベット額に加算される特別ベット総額Gの算出根拠として使用される。
【0258】
基本ベット額Dn欄は、Dn=Bn×7%の計算式により算出された基本ベット額Dnを格納する。尚、式中の“7%”は、例示であり、適宜変更することができる。基本ベット額Dnは、共通ゲームベット額Tn欄の共通ゲームベット額Tnとされる。共通ゲームベット額Tnは、共通ゲームの最初にベットされるベット額であり、共通ゲームの最低ベット額である。例えば、機台番号“002”のスロットマシン10においては、今回の共通ゲームにおいて“7.20”の共通ゲームベット額をベットしている。機台番号“004”のスロットマシン10においては、今回の共通ゲームにおいて“3.60”の共通ゲームベット額をベットしている。
【0259】
基本ベット総額F欄は、F=ΣDnの計算式により算出された基本ベット総額Fを格納する。基本ベット総額Fは、全スロットマシン10における基本ベット額Dnの総額であり、各スロットマシン10の配当割合Kn(貢献度En)を算出する際に用いられる。特別ベット総額G欄は、G=ΣCnの計算式により算出された特別ベット総額Gを格納する。特別ベット総額Gは、全スロットマシン10における特別ベット額Cnの総額であり、シューターに選定された特定のスロットマシン10に対して共通ゲームベット額Tnに加算される。
【0260】
モードH欄は、共通ゲームにおけるゲームモードの種別データを格納する。具体的には、 プロモードを示す“P”と、イージーモードを示す“E”との何れかを格納する。本実施形態においては、機台番号“001”、“002”のスロットマシン10がプロモードの共通ゲームでプレイしており、機台番号“003”、“004”、“005”のスロットマシン10がイージーモードの共通ゲームでプレイしている。
【0261】
イージーモード総額I欄は、I=G×(i/5)の計算式で算出されたイージーモード総額Iを格納する。ここで、“i/5”は、全スロットマシン10の台数(5台)に対するイージーモードのスロットマシン10の台数(i)の割合である。全スロットマシン10の台数が増減すれば、その増減に応じて“5”が変更される。本実施形態においては、イージーモード“E”が3台であるため、G×3/5の計算式によりイージーモード総額Iが算出されている。
【0262】
プロモード総額J欄は、I=G×(5−i)/5の計算式で算出されたプロモード総額Jを格納する。ここで、“(5−i)/5”は、全スロットマシン10の台数(5台)に対するプロモードのスロットマシン10の台数(5−i)の割合である。全スロットマシン10の台数が増減すれば、その増減に応じて“5”が変更される。本実施形態においては、イージーモード“E”が3台であるため、G×(5−3)/5の計算式によりプロモード総額Jが算出されている。
【0263】
配当割合Kn(貢献度En)は、Kn=Dn/Dmaxの計算式で算出された配当割合Knを格納する。ここで、“Dmax”は、同一種類のゲームモードの中で最大の基本ベット額Dnを意味する。例えば、機台番号“001”、“002”のスロットマシン10がプロモードの共通ゲームでプレイしており、機台番号“003”、“004”、“005”のスロットマシン10がイージーモードの共通ゲームでプレイしている。
【0264】
修正特別ベット額Ln欄は、Ln=(I又はJ)×Knの計算式で算出された修正特別ベット額Lnを格納する。修正特別ベット額Lnは、同一種類のゲームモードでゲームを行っているスロットマシン10間において、各モードの総額を貢献度(配当割合)を考慮して算出したベット額である。合計ベット額Mn欄は、Mn=Ln+Dnの計算式で算出された合計ベット額Mnを格納する。この合計ベット額Mnは、シューターとなった場合のベット額である。次回繰越額Nn欄は、各共通ゲームベット額Tnに繰り越される次回繰越額Nnを格納する。次回繰越額Nnは、同一種類のゲームモード内において、最大の共通ゲームベット額Tmaxから自己の共通ゲームベット額Tnを差し引いた額である。この次回繰越額Nnは、現在の共通ゲームが終了したときに、次回の共通ゲームにおける共通ゲームベット額Tnの初期値とされる。
【0265】
(ダイス目格納テーブル)
図23は、センターコントローラ200において勝敗がつくまで繰り返されるクラップスゲームのダイス目を格納するデータテーブルである。本テーブルは、累積ゲーム数欄とダイス目欄とを有している。累積ゲーム数欄は、勝敗が決定するまで繰り返されるクラップスゲームのゲーム回数を記憶するものであり、1回目は“1”、2回目は“2”のように、順番に繰り上げられながら格納される。一方、ダイス目欄は、各ゲーム回数においてランダムに決定されたダイス目を格納する。これにより、ダイス目格納テーブルは、各ゲーム回数において、どのようなダイス目で引き分けたかを確認することを可能していると共に、最終のゲームにおいて。どのようなダイス目で勝利または負けたかを確認することを可能にしている。
【0266】
(減算値決定テーブル)
図24は、センターコントローラ200において、スキップ後に引分となるクラップスゲームの実行数を決定するためのデータテーブルである。本テーブルは、減算値欄と乱数範囲欄とを有している。減算値欄は、“1”、“2”、“3”からなる3種類の減算値を格納している。“1”の減算値が選択された場合には、引分のクラップスゲームがスキップされた後に、1回の引分のクラップスゲームと、勝敗のついたクラップスゲームとが実行されることになる。“2”の減算値が選択された場合には、引分のクラップスゲームがスキップされた後に、2回の引分のクラップスゲームと、勝敗のついたクラップスゲームとが実行されることになる。尚、減算値は、3種類に限定されるものではなく、2種類以上であればよい。また、減算値は、連続した数値である必要もなく、例えば、“3”、“5”、“7”、“0”等であってもよい。
【0267】
乱数範囲欄は、減算値欄の各減算値に対応付けられている。“1”の減算値には、“0〜77”の乱数範囲が設定され、“2”の減算値には、“78〜205”の乱数範囲が設定され、“3”の減算値には、“206〜255”の乱数範囲が設定されている。これにより、減算値決定テーブルは、“0〜255”の乱数範囲でランダムに数値が選択されることによって、選択された数値を含む乱数範囲に対応する減算値が所定の確率で決定されることになる。
【0268】
(表示状態)
上記のスロットマシン10の動作過程におけるシンボル表示装置16の表示状態の一例を具体的に説明する。
【0269】
(スロットゲーム:通常ゲーム画面)
図25は、シンボル表示装置16における通常ゲームの表示画面である通常ゲーム画面の一例を示している。
【0270】
具体的に説明すると、通常ゲーム画面は、中央部に配置され、5列の擬似リール151〜155を有した表示窓150と、表示窓150を中心として左右対称に配置されたペイライン発生部65L・65Rとを有している。尚、図26の通常ゲーム画面においては、1列目〜3列目の擬似リール151・152・153が停止された状態である一方、4列目及び5列目の擬似リール154・155が回転中である。
【0271】
表示窓150の上方には、クレジット数表示部400と、端数現金表示部403と、BET数表示部401と、ワイルドシンボル数表示部415と、トリガーシンボル数表示部416と、ペイアウト表示部402と、が配置されている。これらの各部400・401・415・416・402は、プレーヤから見て左端から右端にかけて順に配置されている。
【0272】
クレジット数表示部400は、クレジット数を表示する。端数現金表示部403は、端数現金を表示する。BET数表示部401は、今回の単位ゲームにおけるBET額を表示する。ワイルドシンボル数表示部415は、今回の単位ゲームにおけるワイルドシンボル503aの個数を表示する。これにより、通常ゲームにおいては、5個のワイルドシンボル503aが存在することを、予めプレーヤに報知することができる。トリガーシンボル数表示部416は、今回の単位ゲームにおけるトリガーシンボル503bの個数を表示する。これにより、通常ゲームにおいては、5個のトリガーシンボル503bが存在することを、予めプレーヤに報知することができる。ペイアウト表示部402は、ウィニングコンビネーションとなったときのコインの払出数を表示する。
【0273】
一方、表示窓150の下方には、ヘルプボタン410と、ペイテーブルボタン411と、BET単位表示部412と、ストック表示部413と、フリーゲーム数表示部414と、が配置されている。これらの各部410・411・412・413・414は、プレーヤから見て左端から右端にかけて順に配置されている。
【0274】
ヘルプボタン410は、プレーヤの押圧操作によりヘルプモードを実行可能にしている。ヘルプモードは、プレーヤに対してゲームに関係する疑問を解消するための情報を提供するモードである。ペイテーブルボタン411は、プレーヤの押圧操作により配当内容を表示する配当表示モードを実行可能にしている。配当表示モードは、プレーヤに対してウィニングコンビネーションと配当倍率との関係を示す説明画面を表示するモードである。
【0275】
BET単位表示部412は、現時点におけるBET単位(支払い単位)を表示する。これにより、BET単位表示部412は、プレーヤに対して例えば1セント単位でゲームに参加できることを認識可能にしている。
【0276】
ストック表示部413は、ボーナスゲームの繰り越し数を表示する。ここで、『繰り越し数』とは、ボーナスゲームが終了したときに、引き続いてボーナスゲームを実行可能な残りの回数を意味する。即ち、ストック表示部413に『3』と表示されていれば、現在のボーナスゲームが終了した後に、3回連続してボーナスゲームを繰り返すことが可能になる。尚、通常ゲームにおいては、“0”が表示される。
【0277】
フリーゲーム数表示部414は、ボーナスゲームの繰り返し数と総数とを表示する。即ち、フリーゲーム数表示部414に『0 of 0』と表示されていれば、フリーゲームの総数が0回、即ち、ボーナスゲームでないことを示す。また、『5 of 8』と表示されていれば、フリーゲームの総数が8回のボーナスゲームにおいて、5回目のフリーゲームであることを示す。
【0278】
(通常ゲームにおけるボーナス当籤画面)
図26は、ボーナス当籤してから一定期間内の状態を示している。具体的には、3個のトリガーシンボル503bが再配置されることによって、ボーナス当籤した後の状態を示している。尚、トリガーシンボル503bは、ボーナス当籤に関係するシンボルであることを明確にプレーヤに認識させることができるように、『FEATURE』と判読可能な文字を有することが好ましい。
【0279】
本画面において、ボーナス当籤した旨をシンボル画像と『FEATURE IN』の文字画像とで報知するボーナス当籤画面420がポップアップ表示される。そして、ボーナス当籤画面420の表示と同時や直後に、フリーゲーム数表示部414の総数が“0”から“7”に切り替えられる。これにより、プレーヤは、ボーナス当籤し、7回のフリーゲームからなるボーナスゲームに移行されることを認識することが可能になる。
(スロットゲーム:ボーナスゲーム画面)
【0280】
図27は、シンボル表示装置16におけるボーナスゲームの表示画面であるボーナスゲーム画面の一例を示している。
【0281】
具体的に説明すると、フリーゲーム数表示部414においてフリーゲームの総数が表示されると共に、現在のゲーム数が表示される。例えば、7回のフリーゲームの内の1回目のフリーゲームが実行されていることが表示される。その他の動作は、通常ゲームと同じである。
(クラップスゲーム画面)
図28は、イージーモードのクラップスゲームにおける各過程の表示画面の一例を示している。
【0282】
最初のクラップスゲームが始まってから数ゲームが繰り返されるまでの初期過程においては、ロール操作のロール要求画面801と、ロール操作によるダイスの転がり状態をムービー表示するダイス動画画面802とがゲーム毎に表示される。この後、スキップ過程に突入すると、スキップ画面803が表示される。スキップ画面803は、引分のゲーム結果となるクラップスゲームを一括処理して短期間で終了させるスキップ処理中である旨を示すスキップ報知部803aと、スキップ処理したゲーム結果であるダイス目を一覧表示するダイス目表示部803bとを有している。このスキップ画面803は、数秒間等の処理時間表示される。
【0283】
次に、終了過程において、引分のクラップスゲームが数ゲーム実行される。このときの表示画面は、初期課程と同じロール要求画面801およびダイス動画画面802である。この後、勝利した最終のクラップスゲームが実行されると、勝利のダイス目を表示した勝利画面804が表示された後、勝利した旨と配当額とを示すを配当画面805が表示される。一方、負けた最終のクラップスゲームが実行されると、負けたダイス目を表示した負け画面806が表示された後、ゲーム結果画面807が表示される。
【0284】
(スロットマシン10の処理動作:通常ゲーム実行処理)
上記の構成において、スロットマシン10の動作について説明する。図29における通常ゲーム実行処理は、スロットマシン10のメインCPU71により実行される。尚、スロットマシン10は予め起動されている。
【0285】
図29に示すように、まず、メインCPU71は、クレジット要求処理を実行する(S10)。この処理では、ICカード500に記憶されたクレジットから幾つかのクレジットを使用するか否かの判断がプレーヤによりなされる。
【0286】
コインがBETされたか否かを判定する(S11)。この処理において、メインCPU71は、1−BETボタン34が操作された際に1−BETスイッチ34Sから出力される入力信号、または、10−BETボタン39が操作された際に10−BETスイッチ39Sから出力される入力信号を受信したか否かを判定する。コインがBETされていないと判定した場合、S10に処理を戻す。
【0287】
一方、S11において、コインがBETされたと判定した場合、メインCPU71は、BETされたコインの枚数に応じて、RAM73に記憶されたクレジット数を減算する処理を行う(S12)。尚、BETされるコインの枚数がRAM73に記憶されたクレジット数より多い場合には、RAM73に記憶されたクレジット数を減算する処理を行わずに、S11に処理を戻す。また、BETされるコインの枚数が、1回の遊技にBETすることが可能な上限値(本実施形態では500枚)を超える場合には、RAM73に記憶されたクレジット数を減算する処理を行わずに、S13に処理を進める。
【0288】
次に、メインCPU71は、スタートボタン46がONされたか否かを判定する(S13)。この処理に置いて、メインCPU71は、スタートボタン46が押圧された際にスタートスイッチ46Sから出力される入力信号を受信したか否かを判定する。スタートボタン46がONされていないと判定した場合、S11に処理を戻す。尚、スタートボタン46がONされなかった場合(例えば、スタートボタン46がONされずに遊技を終了する旨の指示が入力された場合)には、メインCPU71は、S12における減算結果をキャンセルする。
【0289】
一方、S13において、スタートボタン46がONされたと判定した場合、メインCPU71は、端末側ゲーム情報をセンターコントローラ200に送信した後(S14)、通常ゲーム用シンボル決定処理を実行する(S15)。通常ゲーム用シンボル決定処理では、シンボルの停止時におけるコードNo.を決定する。具体的には、乱数値を取得し、取得した乱数値と、図14の通常ゲーム用シンボルテーブルとに基づいて、表示ブロック28の各シンボル列の停止時におけるコードNo.を決定する。
【0290】
次に、S16において、メインCPU71は、スクロール表示制御処理を行う。この処理は、シンボル501のスクロールを開始した後、S15において決定されたシンボル501で再配置されるように、表示制御する処理である。
【0291】
次に、メインCPU71は、賞が成立したか否かを判定する(S17)。S17の処理において、メインCPU71は、S16により再配置されたシンボル501について、ペイラインL毎に、ペイラインL上に再配置された個数をシンボル501の種類毎にカウントする。そして、カウントされた個数が2以上であるか否かを判定する。
【0292】
賞が成立したと判定した場合、メインCPU71は、コインの払出に係る処理を行う(S18)。この処理において、メインCPU71は、RAM73に記憶されているオッズデータを参照し、ペイラインL上に再配置されたシンボル501の個数に基づいて、配当倍率を決定する。オッズデータは、ペイラインL上に再配置されたシンボル501の個数と、配当倍率との対応関係を示すデータである(図20参照)。尚、入賞が成立したペイラインL上に「WILD」が1個表示される毎に、配当は2倍となる。即ち、入賞が成立したペイラインL上に「WILD」が3個表示されている場合には、配当は、8倍となる。
【0293】
本実施形態では、少なくとも1種類のシンボル501が、ペイラインL上に、2個以上再配置された場合に、賞が成立したと判定する場合について説明するが、本発明では、ペイラインLを設けずに、表示ブロック28において再配置されるシンボル501のうち少なくとも1種類のシンボル501が、2個以上再配置された場合に、賞が成立したと判定することとしてもよい。
【0294】
S17において賞が成立していないと判定した場合、または、S17の処理を実行した後、メインCPU71は、トリガーシンボル503bが3個以上再配置されたか否かを判定する(S19)。この処理では、ペイラインLを考慮せず、表示ブロック28内にトリガーシンボル503bが3個以上再配置されたか否かを判定する。S19において、図26に示すように、トリガーシンボル503bが3個以上再配置されたと判定した場合、メインCPU71は、端末側ゲーム情報をセンターコントローラ200に送信した後(S20)、ボーナスゲーム実行処理を実行する(S21)。ボーナスゲーム実行処理では、ワイルドシンボル503aの数が増加したフリーゲームが実行される。ボーナスゲーム実行処理については、後で詳述する。
【0295】
S19において、トリガーシンボル503bが3個以上再配置されていないと判定した場合、または、S20の処理を実行した後、メインCPU71は、所定のレスキュー実行条件が成立していれば、プレーヤを救済するため、レスキュー処理を実行する(S22)。
【0296】
S22の処理を実行した後、メインCPU71は、全スロットマシン10において同時に共通ゲームを開始させるための情報としてゲーム終了情報を送信する(S23)。この後、図31の端末側共通ゲーム処理を実行する(S24)。そして、本サブルーチンを終了する。
【0297】
(スロットマシンの処理動作:ボーナスゲーム実行処理)
【0298】
続いて、図30を用いて、ボーナスゲーム実行処理について説明する。
【0299】
ボーナスゲームでは、プレーヤは、コインをBETすることなく遊技を行うことができる。先ず、メインCPU71は、RAM73のフリーゲーム回数記憶領域において、フリーゲームの残り回数Tを、T=F1(=特定回数=7)にセットする(S30)。
【0300】
また、メインCPU71は、シンボル表示装置16に、図26に示すように、ボーナス当籤画面420をポップアップ表示させる。
【0301】
次に、メインCPU71は、ワイルドシンボル増加数決定処理を実行する(S31)。具体的には、トリガーシンボル503bが3個以上再配置されると、先ず、乱数値が取得される。そして、この乱数値とワイルドシンボル増加数決定テーブルとに基づいて、ワイルドシンボル増加総数が決定される。この後、ワイルドシンボル数が段階的に増加、若しくは一括して増加される。
【0302】
また、メインCPU71は、ボーナスゲーム用シンボルテーブル更新処理を実行する(S32)。ボーナスゲーム用シンボルテーブル更新処理では、メインCPU71は、ワイルドシンボル増加数決定処理により決定されたワイルドシンボル503aの増加数に基づいて、ボーナスゲーム用シンボルテーブルを更新する。
【0303】
次に、ステップS33において、メインCPU71は、シンボル追加演出処理を実行する。
【0304】
次に、メインCPU71は、ボーナスゲーム用シンボル決定処理を実行する(S34)。ボーナスゲーム用シンボル決定処理では、メインCPU71は、RAM73に記憶されたシンボル決定プログラムを実行することにより、シンボル501の停止時におけるコードNo.を決定する。具体的には、乱数値を取得し、取得した欄数値と、ボーナスゲーム用シンボルテーブルとに基づいて、表示ブロック28の各シンボル列のシンボルの停止時におけるコードNo.を決定する。
【0305】
次に、S35において、メインCPU71は、スクロール表示制御処理を行う。この処理は、シンボルのスクロールを開始した後、S34において決定されたシンボル501で再配置されるように、表示制御する処理である。
【0306】
次に、メインCPU71は、賞が成立したか否かを判定する(S36)。本実施形態における賞の成立とは、上述したように、少なくとも1種類のシンボル501が、ペイラインL上に、2個以上再配置された場合をいう。ワイルドシンボル503aである「WILD」は、他のシンボル501に代用することが可能なシンボル501である。ボーナスゲームでは、ワイルドシンボル503aの数が通常ゲームに比べて増加しているため、通常ゲームよりも賞が成立しやすくなっている。
【0307】
S36の処理において、メインCPU71は、S35により再配置されたシンボル501について、ペイラインL毎に、ペイラインL上に再配置された個数をシンボル501の種類毎にカウントする。そして、カウントされた個数が2以上であるか否かを判定する。
【0308】
賞が成立したと判定した場合、メインCPU71は、コインの払出に係る処理を行う(S37)。
【0309】
S36の処理において賞が成立していないと判定した場合、または、S37の処理を実行した後、メインCPU71は、トリガーシンボル503bが3個以上再配置されたか否かを判定する(S38)。この処理では、ペイラインLを考慮せず、表示ブロック28内にトリガーシンボル503bが3個以上再配置されたか否かを判定する。
【0310】
ステップS38において、トリガーシンボル503bが3個以上再配置されたと判断した場合、メインCPU71は、RAM73のフリーゲーム回数記憶領域において、フリーゲームの残り回数Tを、T=T+F1(F1=第1特定回数=7)にセットする(S39)。
【0311】
ステップS38において、トリガーシンボル503bが3個以上再配置されていないと判断した場合、または、ステップS39の処理を実行した後、メインCPU71は、RAM73のフリーゲーム回数記憶領域において、フリーゲームの残り回数Tを、T=T−1にセットする(S40)。
【0312】
次に、メインCPU71は、RAM73のフリーゲーム回数記憶領域に記憶されている残り回数データに基づいて、T=0であるか否かを判定する(S41)。
【0313】
T=0ではないと判断した場合、メインCPU71は、処理をステップS34に戻す。一方、T=0であると判断した場合、メインCPU71は、本サブルーチンを終了する。
【0314】
(スロットマシン10の処理動作:端末側共通ゲーム処理)
上記の通常ゲーム実行処理やボーナスゲーム実行処理において、端末側ゲーム処理が実行されると、図31に示すように、先ず、センターコントローラ200からの共通ゲーム可能情報に基づいて、共通ゲーム可能状態であるか否かが判定される(S49)。共通ゲーム可能状態でなければ(S49,NO)、本ルーチンが終了され、通常ゲームやボーナスゲームの状態が継続される。
【0315】
一方、共通ゲーム可能状態である場合には(S49,YES)、ベースゲームのベット額の合計が最低ベット額未満等のため、ゲーム実行条件を満たさずにクラップスゲームへの参加資格を有しないスロットマシン10のプレーヤに対して、クラップスゲームに参加するか否かを問い合わせる実行条件成立処理が実行される(S50)。この後、クラップスゲームに参加しない旨を示す不参加信号を出力したか否かが判定され(S51)、この信号を出力した場合には(S51,YES)、今回のクラップスゲームに参加しないものとして端末側共通ゲーム処理が終了される。
【0316】
一方、元々、ゲーム実行条件を満たしていたり、ゲーム実行条件を満たしていなくても参加信号を出力した場合のように、不参加信号を出力していない場合には(S51,NO)、クラップスゲームへの参加資格を有した共通ゲーム可能状態であるため、プロモードとイージーモードとを選択するモード選択処理が実行される(S52)。この後、センターコントローラ200からの共通ゲーム開始情報に基づいて、共通ゲームを開始するか否かが判定される(S53)。共通ゲームを開始しない場合には(S53,NO)、S52が再実行されることによって、ロール画面を表示しながら待機状態となる。
【0317】
共通ゲームを開始する場合には(S53,YES)、続いて、端末側ベット処理が実行される(S54)。この後、センターコントローラ200からのシューター情報に基づいて、自己がシューターとして選定されたか否かが判定される(S55)。シュータとして選定されていない場合には(S55,NO)、続いて、センターコントローラ200からのロール開始情報に基づいて、ロールが実行されたか否かが判定される(S58)。ロールが実行されなければ(S58,NO)、S58の実行が繰り返されることにより待機状態とされる。ロールが実行された場合には(S58,YES)、ロール実行画像が表示される(S59)。
【0318】
一方、シュータとして選定された場合には(S55,YES)、シュータに選定されたことを報知するシューター選定画像が出現する(S56)。これにより、プレーヤは、シューター選定画像を目視することにより自己がシューターに選定されたことを認識する。そして、プレーヤがロール操作を行うと、ロール実行の処理が行われ、ロール開始情報がセンターコントローラ200に送信される(S57)。この後、シンボル表示装置16において、ダイス画像905が出現し、ダイス画像905の転がっている様子がムービー表示される(S59)。尚、ムービー表示は、クラップスゲームの勝敗が決定するまで継続される。
【0319】
次に、センターコントローラ200からの勝敗情報に基づいて、クラップスゲームに引き分けたか否かが判定される(S60)。引き分けた場合には(S60,YES)、引分処理が実行される(S61)。この後、クラップスゲームがイージーモードであるか否かが判定され(S65)、イージーモードでない場合には(S65,NO)、S54が再実行される。一方、イージーモードである場合には(S65,YES)、イージーモードが3回連続で繰り返されたじか否かが判定される(S66)。3回連続でない場合には(S66,NO)、S54が再実行される。一方、3回連続である場合には(S66,YES)、端末側スキップ処理が実行される(S67)。
【0320】
S67が実行されたり、或いはクラップスゲームに引き分けていない場合には(S60,NO)、クラップスゲームに勝利したか否かが判定される(S62)。勝利していない場合には(S62,NO)、クラップスゲームに負けたと判定され、クラップスゲームに移行する直前の通常ゲームやボーナスゲームのスロットゲーム画面に復帰された後(S64)、本ルーチンが終了される。一方、勝利した場合には(S62,YES)、センターコントローラ200からの払出情報に基づいて払出処理が行われる。例えば、共通ゲームにおける基本ベット額に2倍等の所定の倍率が乗算された額を払い出す払出処理が行われる。さらに、シューターである場合には、特別ベット額に相当する額が払い出される(S63)。この後、S52が再実行される。
【0321】
(スロットマシン10の処理動作:実行条件成立処理)
端末側共通ゲーム処理のS50において、実行条件成立処理が実行されると、図32に示すように、センターコントローラ200から自己宛に共通ゲーム参加の問合せがあったか否かが判定される(S501)。問合せが無かった場合には(S501,YES)、ゲーム実行条件を満たすことによりクラップスゲームへの参加資格があるとして本ルーチンが終了される。
【0322】
一方、共通ゲーム参加の問合せがあった場合には(S501,YES)、参加問合せ画面が表示され、プレーヤに対してクラップスゲームに参加するか否かが質問されると共に、参加方法や不参加方法等の説明が行われる。尚、参加方法としては、表示画面に参加ボタンと参加額とを表示しておき、プレーヤに参加ボタンを押圧させた後、ベースゲームのベット額の合計と最低ベット額との差額等の参加額を一定時間内に払い払い込ませる方法が挙げられる。また、不参加方法としては、表示画面に不参加ボタンを表示しておき、プレーヤに不参加ボタンを押圧させる方法が挙げられる(S502)。
【0323】
この後、上記の参加方法および不参加方法等により参加するか否かが判定される(S503)。参加する場合には(S503,YES)、参加信号がセンターコントローラ200に出力された後(S505)、本ルーチンが終了される。一方、参加しない場合には(S503,NO)、不参加信号がセンターコントローラ200に出力された後(S504)、本ルーチンが終了される。
【0324】
(スロットマシン10の処理動作:モード選択処理)
端末側共通ゲーム処理のS52において、モード選択処理が実行されると、図33に示すように、ゲーム初期画面が表示される(S521)。一定時間の後に、ゲーム説明画面が表示された後(S522)、モード選択画面が表示される(S523)。
【0325】
次に、モード選択が行われたか否かが判定される(S524)。モード選択が行われていない場合には(S524,NO)、所定時間が経過したか否かが判定される(S525)。所定時間が経過していない場合には(S525,NO)、S524が再実行される。一方、所定時間が経過した場合には(S525,YES)、自動的にイージーモードが選択され、このイージーモードの選択を示すイージモード選択情報が送信された後(S527)、本ルーチンが終了される。
【0326】
一方、所定時間内にモード選択が行われた場合には(S524,YES)、続いて、選択されたモードがイージーモードであるか否かが判定される(S526)。イージーモードである場合には(S526,YES)、イージーモードの選択を示すイージモード選択情報が送信された後(S527)、本ルーチンが終了される。一方、イージーモードでない場合には(S526,NO)、プロモードの選択を示すプロモード選択情報が送信された後(S528)、本ルーチンが終了される。
【0327】
(スロットマシン10の処理動作:端末側ベット処理)
端末側共通ゲーム処理のS54において、端末側ベット処理が実行されると、図34に示すように、イージーモードが選択されたか否かが判定される(S541)。イージーモードが選択された場合には(S541,YES)、初心者においても簡単にベット操作を行うことが可能なイージー用ベット画面が表示される(S543)。尚、イージー用ベット画面は、自動のベット操作だけを許可するものであってもよいし、一定時間が経過すると、手動ベット操作から自動ベット操作に切り替わるものであってもよい。この後、イージー用ベット画面における自動や手動によるベット操作のベット情報が送信された後(S547)、本ルーチンが終了される。
【0328】
一方、イージーモードが選択されなかった場合には(S541,NO)、ゲームに詳しい熟練者にとって好適なプロ用ベット画面が表示される(S542)。この後、手動ベットの受け付けが行われ(S544)、所定時間が経過したか否かがが判定される(S545)。所定時間が経過しない場合には(S545,NO)、S544が再実行される。所定時間が経過した場合には(S545,YES)、手動ベット終了画面が表示される(S546)。この際、手動ベットが行われていれば、その手動ベットのベット額が維持される。一方、手動のベット操作が行われていなければ、自動ベットが行われる。この後、プロ用ベット画面における自動や手動によるベット操作のベット情報が送信された後(S547)、本ルーチンが終了される。
【0329】
(スロットマシン10の処理動作:引分処理)
端末側共通ゲーム処理のS61において、引分処理が実行されると、図35に示すように、イージーモードが選択されていたか否かが判定される(S611)。イージーモードが選択されていた場合には(S611,YES)、イージー用引分画面が表示された後(S612)、本ルーチンが終了される。
【0330】
一方、イージーモードが選択されていなかった場合には(S611,NO)、プロモードが選択されていたと判定され、プロ用引分画面が表示される(S613)。この後、手動ベットの受け付けが行われ(S614)、所定時間が経過したか否かが判定される(S615)。所定時間が経過しない場合には(S615,NO)、S614が再実行される。そして、所定時間が経過すると(S615,YES)、手動ベット終了画面が表示された後(S616)、本ルーチンが終了される。
【0331】
(スロットマシン10の処理動作:端末側スキップ処理)
端末側共通ゲーム処理のS67において、端末側スキップ処理が実行されると、図36に示すように、センターコントローラ200においてセンター側スキップ処理を実行させるように、スキップ開始信号が出力される(S671)。そして、センターコントローラ200からスキップ情報やロール情報を得るため、情報要求信号が出力される(S672)。
【0332】
次に、スキップ情報が入力されたか否かが判定される(S673)。スキップ情報が入力された場合には(S673,YES)、スキップ画面が表示および更新される(S674)。この後、自己がシューターであるか否かが判定される(S675)。シューターである場合には(S675,YES)、ロール許可の報知がなされた後(S676)、ロール実行の処理が行われる(S677)。そして、S679が実行される。一方、シューターでない場合には(S675,NO)、ロール実行が行われたか否かが判定され(S678)、ロール実行が行われるまで(S678,NO)、待機状態とされる。ロール実行が行われると(S678,YES)、S679が実行される。
【0333】
S679においては、ロール情報に基づいたロール実行画像が表示される(S679)。そして、情報要求信号が出力され(S680)、ロール情報が入力されたか否かが判定される(S681)。ロール情報が入力された場合には(S681,YES)、S675が再実行される。一方、ロール情報が入力されない場合には(S682)、最新のロール情報が勝敗情報に転用された後(S682)、本ルーチンが終了される。
【0334】
(センターコントローラ200の処理動作:センター側共通ゲーム処理)
図37に示すように、センターコントローラ200は、各スロットマシン10との間でデータ通信を行いながら、センター側共通ゲーム処理を実行している。具体的には、先ず、各スロットマシン10からの端末側ゲーム情報を受信したか否かが判定される(S71)。端末側ゲーム情報を受信していない場合には(S71,NO)、本ルーチンが終了される。一方、端末側ゲーム情報を受信した場合には(S71,YES)、端末側ゲーム情報に含まれているゲーム種類やゲーム数、機台番号、ベット額等の各種の情報が取り出され、図21のゲーム端末管理テーブルが更新される(S72)。
【0335】
この後、ベット更新処理が実行され、ベースゲームのベット額Sn毎にベット額の一部が徴収及び蓄積されることによって、クラップスゲームにおけるベット及び配当のための原資とされる(S73)。
【0336】
続いて、スロットゲームからクラップスゲームへの移行タイミングを示すセンター側進捗処理が実行される(S74)。例えば、各スロットマシン10の累積ベット額Bnとイベント発生額とが比較され、累積ベット額Bnがイベント発生額以上となる比較結果が何れかのスロットマシン10において得られた場合には、条件成立を意味するように、ゲーム可能条件成立フラグが“1”にセットされる一方、各最大の累積ベット額Bnが各イベント発生額以上でない場合には、条件不成立を意味するように、ゲーム可能条件成立フラグが“0”にりセットされる。
【0337】
上記のようにしてベット更新処理が実行されると、続いて、ゲーム可能条件成立フラグが参照され、共通ゲーム可能条件が成立したか否かが判定される(S75)。共通ゲーム可能条件が成立しない場合には(S75,NO)、本ルーチンが終了され、S71から再実行される。尚、共通ゲーム可能条件は、総累積ゲーム回数や総累積ベット額と所定値とを比較することにより成立の有無が判定されてもよい。
【0338】
共通ゲーム可能条件が成立した場合には(S75,YES)、図28に示すように、経過画面から共通ゲーム画面に切り替えられる(S76)。そして、共通ゲーム可能条件が成立したことを示す共通ゲーム可能情報が各スロットマシン10に送信される(S77)。
【0339】
次に、図21のゲーム端末管理テーブルが参照され、各スロットマシン10における通常ゲームやボーナスゲームの単位ゲームのゲーム状態が取得される。そして、全てのゲーム状態が『停止』し、何れか1以上のスロットマシン10においてベースゲームのベット額の累積値やベースゲームのゲーム数の累積値等が所定値以上であるという共通ゲーム開始条件が成立したか否かが判定される(S78)。共通ゲーム開始条件が成立していない場合には(S78,NO)、本ルーチンが終了され、S71から再実行される。
【0340】
共通ゲーム開始条件が成立した場合には(S78,YES)、共通ゲーム開始処理が実行される(S79)。即ち、図38に示すように、ベースゲームのベット額の合計が最低ベット額未満であったり、ベースゲームのゲーム数が最低ベット回数未満等のため、ゲーム実行条件を満たさずにクラップスゲームへの参加資格を有しないゲーム端末であるスロットマシン10が抽出される(S791)。この後、抽出したスロットマシン10(ゲーム端末)に対してクラップスゲームへの参加問合せが行われる(S792)。抽出した各スロットマシン10から入力された参加信号または不参加信号に基づいて、各スロットマシン10がクラップスゲームに参加するか否かが個々に判定される(S793)。参加しないスロットマシン10においては(S793,NO)、ゲーム実行条件の不成立が維持される一方、参加するスロットマシン10においては(S793,YES)、ゲーム実行条件の成立が設定される(S794)。この後、ゲーム実行条件を満たすスロットマシン10に対して共通ゲーム開始情報が出力され(S795)、本ルーチンが終了される。
【0341】
次に、図37に示すように、各スロットマシン10からのベット情報に基づいて、センター側ベット処理が実行され、図22の共通ゲーム管理テーブルのデータが更新される(S80)。
【0342】
続いて、シューターがランダムに選定され、選定された特定のスロットマシン10に対してシューター情報が送信される(S81)。次に、特定のスロットマシン10からのロール開始情報が受信されたタイミングで、共通ゲーム勝敗処理が実行される(S82)。
【0343】
具体的には、先ず、ロールされたことを示すロール開始情報がゲーム実行条件を満たすスロットマシン10に送信される。そして、共通ゲームであるクラップスゲームに対して、勝利、負け、引き分けの3種類の勝敗態様の中から一つの勝敗態様がランダムに選択される。尚、勝敗態様のランダムの選択は、選択される確率が種類に応じて異なるようにされていてもよい。例えば、引き分けの勝敗態様が他の勝敗態様よりも大きな確率で選択されるようにされていてもよい。勝敗態様が選択されると、選択された勝敗態様を示す勝敗情報がゲーム実行条件を満たすスロットマシン10に送信される。
【0344】
この後、センター側スキップ処理が実行され、スロットマシン10からのスキップ開始信号の受信を条件として、勝敗態様のランダムの選択が勝敗が付くまで繰り返される(S83)。
【0345】
この後、共通ゲーム勝敗処理において選択された勝敗態様が、引き分けであるか否かが判定される(S84)。引き分けである場合には(S84,YES)、同じシューターが維持されながら、上述のS82における共通ゲーム勝敗処理が実行される。尚、引き分けである場合には、次のシューターの選定が行われてもよい。この場合におけるシューターの選定方法は、ゲーム実行条件を満たすスロットマシン10からランダムに選択される方法であってもよいし、スロットゲームにおけるベット額やゲーム数の合計値が大きなスロットマシン10から順番に選定されてもよいし、スロットマシン10の配置順序や機台番号の順番で選定されてもよい。
【0346】
一方、勝敗態様が引き分けでない場合には(S84,NO)、続いて、プレーヤの勝利であるか否かが判定される(S85)。プレーヤの勝利である場合には(S85,YES)、各スロットマシン10における払出額が算出されると共に、払出額を示す払出情報が各スロットマシン10に送信された後(S86)、S87が実行される。一方、プレーヤの負けである場合には(S86,NO)、即座にS87が実行される。即ち、クラップスゲーム画面が初期状態の経過画面に切り替えられる(S87)。この後、図21の共通ゲーム管理テーブルが更新処理され(S88)、本ルーチンが終了される。
【0347】
(センターコントローラ200の処理動作:センター側スキップ処理)
図39に示すように、S83においてセンター側スキップ処理が実行されると、先ず、スロットマシン10からのスキップ開始信号を受信したか否かによりスキップを開始するか否かが判定される(S831)。スキップを開始しない場合には(S831,NO)、本ルーチンが終了される。一方、スキップ開始信号の受信によりスキップを開始する場合には(S831,YES)、自動ロール処理され、ダイス目が自動的にランダムに決定される(S832)。
【0348】
この後、ダイス目を用いて引分か否かが判定される(S833)。引分である場合には(S833,YES)、引分計数値がカウントアップされた後(S834)、引分計数値に対応付けてダイス目が格納される(S835)。そして、S832が再実行され、次の自動ロール処理が実行される。
【0349】
一方、引分でない場合には(S833,NO)、続いて、引分計数値が“3”以下であるか否かが判定される(S836)。引分計数値が“3”以下でない場合には(S836,NO)、“1”、“2”、“3”の各減算値の中から一つの減算値がランダムに決定される(S838)。この後、引分計数値から減算値が引き算されることによって、スキップ値が算出される(S839)。“1”から“スキップ値”に対応するダイス目が読み出され(S842)、各ダイス目がロール情報として順に出力される(S843)。そして、引分計数値が“1”にリセットされた後(S844)、本ルーチンが終了される。
【0350】
一方、引分計数値が“3”以下である場合には(S836,YES)、ロール情報出力処理が実行される(S837)。
【0351】
即ち、図40に示すように、引分計数値が“1”であるか否かが判定される(S8371)。引分計数値が“1”である場合には(S8371,YES)、“1”に対応するダイス目がロール情報として出力された後(S8371)、本ルーチンが終了される。これにより、センター側スキップ処理において1回目の自動ロールで勝敗がついた場合には、勝敗のついたゲーム結果のロール演出が1回目のクラップスゲームにおいて行われることになる。
【0352】
引分計数値が“1”でない場合には(S8371,NO)、続いて、引分計数値が“2”であるか否かが判定される(S8373)。引分計数値が“2”である場合には(S8373,YES)、“1”および“2”の内の何れかがランダムに決定される(S8374)。この後、決定された読出し値が“1”であるか否かが判定され(S8375)、“1”である場合には(S8375,YES)、“1”に対応する引分のダイス目がスキップ情報として出力される(S8376)。続いて、勝敗のついた最終の引分計数値である“2”に対応するダイス目がロール情報として出力された後(S8377)、本ルーチンが終了される。一方、決定された読出し値が“1”でない場合には(S8375,NO)、“1”・“2”に対応するダイス目がロール情報として順に出力された後(S8378)、本ルーチンが終了される。これにより、センター側スキップ処理において2回目の自動ロールで勝敗がついた場合には、ランダムに決定された1回目または2回目のクラップスゲームにおいて、勝敗のついたゲーム結果のロール演出が行われることになる。
【0353】
引分計数値が“2”でない場合には(S8373,NO)、引分計数値が“3”であると判定され、“1”、“2”および“3”の内の何れかがランダムに決定される(S8379)。この後、決定された読出し値が“1”であるか否かが判定され(S8380)、“1”である場合には(S8380,YES)、“1”と“2”に対応する引分のダイス目がスキップ情報として順に出力される(S8381)。続いて、勝敗のついた最終の引分計数値である“3”に対応するダイス目がロール情報として出力された後(S8382)、本ルーチンが終了される。
【0354】
一方、決定された読出し値が“1”でない場合には(S8380,NO)、続いて、決定された読出し値が“2”であるか否かが判定される(S8383)。読出し値が“2”である場合には(S8383,YES)、“1”に対応する引分のダイス目がスキップ情報として出力される(S8386)。続いて、“2”・“3”に対応するダイス目がロール情報として順に出力された後(S8387)、本ルーチンが終了される。一方、読出し値が“2”でない場合には(S8383,NO)、“1”〜“3”に対応するダイス目がロール情報として順に出力された後(S8385)、本ルーチンが終了される。
【0355】
これにより、センター側スキップ処理において3回目の自動ロールで勝敗がついた場合には、ランダムに決定された1回目〜3回目の何れかの回数目のクラップスゲームにおいて、勝敗のついたゲーム結果のロール演出が行われることになる。
【0356】
(変形例1)
以上の実施形態においては、スキップ後のクラップスゲームの実行回数(減算値、読出値)をランダムに求めてスキップ数を決定しているが、これに限定されるものではない。即ち、ゲーミングマシンは、クラップスゲームの引分の繰り返しによる連続回数を“3”等に予め設定しておき、連続回数を超えたときに実行されるスキップ後の最初のクラップスゲームで勝敗がつくように、スキップ数が決定されてもよい。この場合には、4回等の所定回数以内で必ずクラップスゲームの勝敗がつくため、クラップスゲームが過剰に長く繰り返されるという事態の発生を容易に防止することができる。
【0357】
具体的には、イージーモードのクラップスゲームが3回連続して引分である場合、図41のセンター側スキップ処理が実行される。そして、自動ロールによりダイス目が決定された後(S832)、勝敗がついた場合には(S833,NO)、引分計数値が“1”であるか否かが判定される(S836)。引分計数値が“1”である場合、即ち、スキップ処理の開始から1回目のダイス目の決定で勝敗がついた場合には(S836,YES)、決定されたダイス目がロール情報として出力される(S854)。
【0358】
一方、引分計数値が“1”でない場合、即ち、スキップ処理の開始から2回目以後のダイス目の決定で勝敗がついた場合には(S836,NO)、1〜(引分計数値−1)に対応した引分のダイス目が読み出され(S851)、各ダイス目がスキップ情報として順に出力される(S852)。この後、引分計数値に対応する勝敗のついたダイス目が読み出され(S853)、このダイス目がロール情報として出力される(S854)。
【0359】
これにより、イージーモードのクラップスゲームは、スキップ処理後の1回目で勝敗がつくように処理されるため、3回連続して引分のゲームが繰り返されたときには必ず4回目で勝敗がつくことになる。その他のステップは図39のセンター側スキップ処理と同一のため、説明を省略する
【0360】
(変形例2)
また、ゲーミングマシンは、共通ゲーム開始時点から共通ゲームの勝敗がつくまでのゲーム回数(再実行回数)をランダムに決定し、このゲーム回数となるようにスキップ数を求めてもよい。このようなクラップスゲームのスキップは、図31の端末側共通ゲーム処理と、図37のセンター側共通ゲーム処理と、図39のセンター側スキップ処理とを、図42〜図44の各処理に置き換えることにより実現することができる。
【0361】
具体的には、図42に示すように、端末側共通ゲーム処理において、モード選択処理後に(S52)、共通ゲームが開始されると(S52,YES)、イージーモードが選択されたか否かが判定される(S68)。イージーモードでない場合には(S68,NO)、プロモードが選択されたと判定され、クラップスゲームがロール実行画面に表示されながら行われる(S54〜S64)。一方、イージーモードである場合には(S68,YES)、端末側スキップ処理が実行され、センターコントローラ200からのスキップ情報およびロール情報に基づいて、予め決定されたゲーム回数のクラップスゲームが実行された後(S67)、最終のクラップスゲームの勝敗が判定される(S62)。その他のステップは図31の端末側共通ゲーム処理と同一のため、説明を省略する。
【0362】
また、図43に示すように、センター側共通ゲーム処理においては、上述の端末側スキップ処理で用いられるスキップ情報およびロール情報を形成および出力するセンター側スキップ処理を実行する(S90)。具体的には、シューターの選定が行われた後(S81)、各スロットマシン10においてイージーモードが選択されているか否かが判定される(S89)。イージーモードでない場合には(S89,NO)、プロモードが選択されたと判定され、プロモードにおける勝敗の決定や判定、払出し等が行われる(S82〜S88)。一方、イージーモードである場合には(S89,YES)、センター側スキップ処理が実行された後(S90)、イージーモードにおける勝敗の判定が行われる(S85)。その他のステップは図31の端末側共通ゲーム処理と同一のため、説明を省略する。
【0363】
センター側スキップ処理は、図44に示すように、自動ロールが実行された後(S901)、自動ロールによるゲーム結果が引分であるか否かが判定される(S902)。引分である場合には(S902,YES)、引分計数値がカウントアップされた後(S903)、引分計数値に対応付けられてダイス目が格納される(S904)。この後、S901が再実行される。
【0364】
一方、引分でない場合には(S902,NO)、“1”〜“7”の数値範囲の中からゲーム終了値がランダムに決定される(S905)。そして、引分計数値がゲーム終了値以下であるか否かが判定される(S906)。引分計数値がゲーム終了値以下である場合には(S906,YES)、“1”〜引分計数値に対応するダイス目が読み出され(S907)、各ダイス目がロール情報として順に出力される(S908)。そして、本ルーチンが終了される。これにより、引分計数値がゲーム終了値以下である場合は、スキップが行われることなく、ゲーム終了値に一致するゲーム回数でクラップスゲームが行われることになる。
【0365】
一方、引分計数値がゲーム終了値以下である場合には(S906,YES)、引分計数値からゲーム終了値が減算されることによって、スキップ値が算出される(S909)。そして、“1”〜スキップ値に対応するダイス目が読み出され(S910)、各ダイス目がスキップ情報として順に出力される(S911)。この後、“スキップ値+1”〜引分計数値に対応するダイス目が読み出され(S912)、各ダイス目がロール情報として順に出力される(S913)。そして、本ルーチンが終了される。これにより、引分計数値がゲーム終了値よりも大きな場合は、スキップが行われた後、ゲーム終了値に一致するゲーム回数でクラップスゲームが行われることになる。
【0366】
(ゲーム手順)
上記の各フローチャートの実行により実現されるゲーム手順を詳細に説明する。
図45に示すように、共通ゲームであるスロットゲームが実行される。これにより、スロットゲームのベット額から共通ゲーム用のベット額として基本ベット額及び特別ベット額が徴収される(C1)。このようなスロットゲームが繰り返されながら、共通ゲーム開始条件が成立すると、スロットゲームが開始される(C2)。即ち、シンボル表示装置16において、スロットゲーム画面から『CRAPS GAME』の開始画面に表示が切り替えられた後、ゲーム内容を示す説明画面が一定時間表示される。
【0367】
この後、モード選択画面に切り替えられ、ゲームモードがプロモードであるか否かが判定される(C4)。モード選択画面において、イージーモードボタンが押圧操作された場合には、イージーモード処理が実行される(C5)。一方、モード選択画面において、プロモードボタンが押圧操作された場合には、プロモード処理が実行される(C6)。
【0368】
(ゲーム手順:イージーモード処理)
図46に示すように、イージーモード処理が選択された場合には、スロットマシン10を正面視したマシン画像の整列画面が表示され、シューターが選択される(C51)。この後、シューターが決定され、シューターとなったマシン画像が強調表示される(C52)。クラップスゲームの勝敗等を単純化したイージーモード画面が表示され、自動ベットが行われる。尚、自動ベットは、クラップスゲームにおけるベットにより徴収された基本ベット額及び特別ベット額が用いられる(C53)。そして、自動ベットによる条件と賞金が表示される。具体的には、勝利の条件と引分の条件と負けの条件とが、数字により示されると共に、ダイス画像の組み合せにより示される。また、勝利した場合の獲得賞金が表示される(C54)。
【0369】
次に、シューターに選定されたスロットマシン10において、ロールが行われる。具体的には、シューターに選定されたスロットマシン10において、ロール画面が表示される。ロール画面は、手動によるロール操作が可能な残り時間を表示することによりロール操作をプレーヤに促している。そして、残り時間のカウントダウン内にロールボタン902が押圧操作されれば、押圧操作されたタイミングで、ダイス画像905が転動する様子を示すムービーが表示される。一方、残り時間のカウントダウン内にロールボタン902が押圧操作されなければ、カウントダウン値が“0”となったタイミングで自動的にダイス画像905が転動する様子を示すムービーが表示される(C55)。
【0370】
ロールによる出目が“7”又は“11”の場合に勝利となる(C56)。そして、ベット額に対応する賞金の払出しが行われる。例えば、ダイス画像905の出目が“7”となる組み合わせの静止画が表示された後、獲得賞金として“$150.20”等が表示される(C57)。この後、C53におけるパスラインの自動ベットが行われ、次のクラップスゲームが行われる。
【0371】
また、ロールによる出目が“2”、“3”、“12”の場合に負けとなる。例えば、ダイス画像905の出目が“2”となる組み合わせの静止画が表示された後、負けを示す文字画像が表示される。そして、イージーモードが終了される(C58)。
【0372】
また、ロールによる出目が“4”、“5”、“6”、“8”、“9”、“10”の場合に引分となる(C59)。そして、ポイントが確定する(C60)。例えば、ダイス画像905の出目が“5”となる組み合わせの静止画が表示された後、引分を示す文字画像が表示されると共に、ポイント“5”がポップアップ表示される。
【0373】
この後、次のクラップスゲームで勝利、引分、負けとなる条件と賞金が表示される。具体的には、勝利の条件と引分の条件と負けの条件とが、数字により示されると共に、ダイス画像の組み合せにより示される。また、勝利した場合の獲得賞金が表示される(C61)。
【0374】
次に、ロール画面が表示され、ロールボタン902がカウントダウン内に押圧操作されれば、手動によるロール操作が行われる一方、カウントダウン値が“0”となれば、自動でロール操作が行われる(C62)。ロールによる出目が“5”の場合には、ポイント“5”と一致しているため、勝利となる(C63)。そして、表示されている獲得賞金“$150.20”の払出が行われる(C57)。この後、次のクラップスゲームが開始され、C53におけるパスラインの自動ベットが行われる。
【0375】
また、ロールによる出目が“7”の場合に負けとなる(C65)。負けを示す文字画像等が一定時間において表示された後、イージーモードが終了される。また、ロールによる出目が“9”等のように、ポイント“7”以外の場合に引分となる(C64)。この場合において、引分のゲーム結果が所定回数連続するまではC61が実行される。一方、例えば引分のゲーム結果が所定回数連続すると、ロールによるゲーム結果の決定が引分以外のゲーム結果になるまで一括して順に行われる。これらの一連のゲーム結果の中から、引分のゲーム結果については少なくとも一部がスキップされた後、残りのゲーム結果のクラップスゲームが順に実行される。そして、勝利のゲーム結果となるクラップスゲームであれば、C63が実行され。一方、負けのゲーム結果となるクラップスゲームであれば、C65が実行される(C66)。
【0376】
(ゲーム手順:プロモード処理)
図47に示すように、プロモード処理が選択された場合には、スロットマシン10を正面視したマシン画像の整列画面が表示され、シューターが選択される(C71)。この後、シューターが決定され、シューターとなったマシン画像が強調表示される(C72)。
【0377】
次に、クラップスゲームのテーブル面を模擬したプロ用ベット画面が表示され、パスラインに対して自動ベットが行われる。尚、自動ベットは、クラップスゲームにおけるベットにより徴収された基本ベット額及び特別ベット額が用いられる(C73)。さらに、手動ベットが許可される。手動ベットが許可されると同時のタイミングで、許可時間のカウントダウンが開始される。カウント値が“0”になったときに、手動ベットが禁止され、手動ベットが禁止された旨の画像がポップアップ表示される(C74)。
【0378】
次に、シューターに選定されたスロットマシン10において、ロール画面が表示される。そして、手動によるロール又は自動によるロールが行われる(C75)。ロールによる出目が“7”又は“11”の場合に勝利となる(C76)。これにより、ベット額に応じた“$150.20”等の払出が行われる(C77)。この後、次のクラップスゲームが行われる。
【0379】
また、ロールによる出目が“2”、“3”、“12”の場合に負けとなる(C78)。この場合には、クラップスゲームによる獲得賞金額等のゲーム結果が表示されると共に、ゲーム終了の旨を示す画像が表示され、プロモードのクラップスゲームが終了される。
【0380】
また、ロールによる出目が“4”、“5”、“6”、“8”、“9”、“10”の場合に引分となる(C79)。この場合は、出目が“5”であれば、ポイントが“5”として確定し、このポイントに対応するベット画面の表示領域が強調表示される(C80)。この後、一定時間において手動によるベットの受け付けが行われる(C81)。そして、手動又は自動によるロールが行われる(C82)。ロールによる出目がポイント“5”と同一の場合に勝利となる(C83)。この場合には、クラップスゲームのゲーム結果が表示されながら払出が行われる(C77)。この後、次のクラップスゲームが行われる。
【0381】
また、ロールによる出目が“7”の場合に負けとなる(C85)。この場合には、イージーモードが終了される。また、ロールによる出目がポイント“5”以外の場合に引分となり(C84)、次のクラップスゲームが再実行される。
【0382】
尚、本実施形態では、ペイラインLの数が25個である場合について説明したが、本発明では、ペイラインの数は、特に限定されず、例えば、30個であってもよい。
【0383】
本実施形態では、ボーナス当選は、トリガーシンボルが3個以上再配置されることである場合について説明したが、特に限定されない。例えば、ボーナス当選は、前回のボーナスゲームが終了してから所定時間が経過したことであってもよい。
【0384】
また、本実施形態では、フリーゲームのゲーム内容を、表示ブロック28において複数のシンボルの変動表示を行った後に停止表示を行い、停止表示されたシンボル又はそれらの組合せに応じて配当量が決定されるゲーム(スロットマシンにおいて通常行われるゲーム)としている。しかし、本発明におけるフリーゲームは、この例に限定されず、スロットマシンとは異なるゲームが行われることとしてもよい。例えば、ポーカー等のカードゲームやシューティングゲーム、格闘技ゲーム等のゲームが行われることとしてもよい。フリーゲームは、遊技媒体が支払われるゲームであってもよいし、遊技媒体が支払われないゲームであってもよい。
【0385】
また、保険有モードにおいてカウントされた通常ゲームの回数が所定回数に達したことに基づいてフリーゲームが行われた後、再度、保険有モードにおいてカウントされた通常ゲームの回数が所定回数に達したとき、前回行われたフリーゲームとは異なる内容のフリーゲームが行われることとしてもよい。本発明におけるフリーゲームは、遊技媒体がベットされなくても行われるゲームである限り、特に限定されるものではなく、適宜設計することが可能である。
【0386】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。例えば、本実施形態や変形例1・2における引分計数値や減算値、スキップ値、読出し値等に用いた各数値は例示であり、これらの数値に限定されるものではない。
【0387】
また、上述した詳細な説明では、本発明をより容易に理解できるように、特徴的部分を中心に説明した。本発明は、上述した詳細な説明に記載する実施形態に限定されず、その他の実施形態にも適用することができ、その適用範囲は多様である。また、本明細書において用いた用語及び語法は、本発明を的確に説明するために用いたものであり、本発明の解釈を制限するために用いたものではない。また、当業者であれば、本明細書に記載された発明の概念から、本発明の概念に含まれる他の構成、システム、方法等を推考することは容易であると思われる。従って、請求の範囲の記載は、本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で均等な構成を含むものであるとみなされなければならない。また、要約書の目的は、特許庁及び一般的公共機関や、特許、法律用語又は専門用語に精通していない本技術分野に属する技術者等が本出願の技術的な内容及びその本質を簡易な調査で速やかに判定し得るようにするものである。従って、要約書は、請求の範囲の記載により評価されるべき発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、本発明の目的及び本発明の特有の効果を十分に理解するために、すでに開示されている文献等を充分に参酌して解釈されることが望まれる。
【0388】
上述した詳細な説明は、コンピュータで実行される処理を含むものである。以上での説明及び表現は、当業者が最も効率的に理解することを目的として記載している。本明細書では、1の結果を導き出すために用いられる各ステップは、自己矛盾がない処理として理解されるべきである。また、各ステップでは、電気的又は磁気的な信号の送受信、記録等が行われる。各ステップにおける処理では、このような信号を、ビット、値、シンボル、文字、用語、数字等で表現しているが、これらは単に説明上便利であるために用いたものであることに留意する必要がある。また、各ステップにおける処理は、人間の行動と共通する表現で記載される場合があるが、本明細書で説明する処理は、原則的に各種の装置により実行されるものである。また、各ステップを行うために要求されるその他の構成は、以上の説明から自明になるものである。
【符号の説明】
【0389】
10 スロットマシン
16 シンボル表示装置
69 タッチパネル
200 センターコントローラ
300 ゲーミングマシン
700 共用表示装置
501 シンボル
502 通常シンボル
503 特定シンボル
【技術分野】
【0001】
本発明は、クラップスゲーム等の共通ゲームを複数のゲーム端末で実行するゲーミングマシンおよびそのゲーム制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のゲーミングマシンは、特許文献1〜4に開示されているように、複数のゲーム端末と、ゲーム端末毎に設けられ、ゲーム端末にゲームを実行させる端末コントローラと、各端末コントローラを制御するセンターコントローラとを有し、各ゲーム端末において個別に実行可能なベースゲームに加えて、ジャックポットを各ゲーム端末の共通ゲームとして実行可能にし、ジャックポットの配当を複数のプレーヤに分配する機能を備えている。
【0003】
また、特許文献5〜9には、各ゲーム端末間において同期的にクラップスゲーム等の共通ゲームを実行可能な構成が開示されている。また、特許文献10には、所定回数分のゲーム結果を予め決定しておき、これらのゲーム結果のゲームを1セットとして連続して実行しながら1セット分の演出を行う構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許5564700号
【特許文献2】米国特許6077162号
【特許文献3】米国特許6375568号
【特許文献4】米国特許6312332号
【特許文献5】米国特許6656040号
【特許文献6】米国特許7458891号
【特許文献7】米国特許7452273号
【特許文献8】米国特許5823879号
【特許文献9】国際公開第2005/109121号
【特許文献10】特開2007−130296号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上のように、従来のゲーミングマシンは、各プレーヤが個々にベースゲームを行うことに加えて、複数のプレーヤが一つの共通ゲームを行うことができるというエンターテイメント性を備えている。さらに、従来のゲーミングマシンは、複数のゲームを1セットとして連続して実行しながら1セット分の演出を行うことによって、エンターテイメント性の自由度を拡大している。このように、従来から、複数のゲーム端末を備えたゲーミングマシンは、共通ゲームを各ゲーム端末間においてどのように実行させるかが、エンターテイメント性を高める上で重要となっている。
【0006】
本発明は、高いエンターテイメント性を実現可能な共通ゲームの機能を備えたゲーミングマシン及びそのゲーム制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、下記構成を備えるゲーミングマシンであり、外部からの入力が可能なインプットデバイスと、以下(a1)〜(a3)の処理を実行するようにプログラムされた端末コントローラとを有する複数のゲーム端末と、前記ゲーム端末に対して通信可能に接続(有線、無線を問わない)され、以下(b1)〜(b3)の処理を実行するようにプログラムされたセンターコントローラとを有しており、
前記端末コントローラは、
(a1)前記インプットデバイスのスタート操作の入力によりベースゲーム(通常ゲーム、ボーナスゲーム、フリーゲーム等)を実行する処理、
(a2)前記センターコントローラからのゲーム開始指令により引分のゲーム結果を有する共通ゲーム(クラップスゲーム等)を実行する処理、
(a3)前記センターコントローラからのゲーム結果情報に基づいて前記共通ゲームのゲーム結果を判定し、引分のゲーム結果であれば次の前記ゲーム結果情報に基づいて前記共通ゲームを再実行する処理を実行する。
【0008】
前記センターコントローラは、
(b1)ゲーム実行条件を満たす前記ゲーム端末に対して前記ゲーム開始指令を所定のタイミングで出力する処理、
(b2)前記共通ゲームのゲーム結果の決定を引分以外のゲーム結果になるまで一括して順に行う処理、
(b3)(b2)の処理において決定された前記ゲーム結果の中から、前記引分のゲーム結果については少なくとも一部をスキップし、残りの前記ゲーム結果を前記ゲーム結果情報として順に前記各ゲーム端末に出力する処理を実行する。
【0009】
上記の構成によれば、センターコントローラにおいて、共通ゲームのゲーム結果の決定が一括して順番に行われ、引分のゲーム結果の内の少なくとも一部がスキップされ、残りのゲーム結果がゲーム結果情報としてゲーム端末に出力される。これにより、ゲーム端末においては、引分のゲーム結果となる共通ゲームの少なくとも一部の実行が省略されるため、引分のゲーム結果の決定が多数回行われた場合でも、スキップするゲーム数を調整することにより共通ゲームの繰り返しが過大になることを防止することができる。この結果、引分の共通ゲームの繰り返しによるプレーヤの待ち時間が過大となって、共通ゲームに対するプレーヤの飽きの発生を防止することが可能になる。
【0010】
また、本発明は、前記センターコントローラにおいて、前記共通ゲームが所定回数連続して実行されることを条件として前記(b2)の処理を実行してもよい。
【0011】
上記の構成によれば、引分の共通ゲームの繰り返しによるプレーヤの待ち時間が過大とならない範囲で所定回数を設定することができるため、共通ゲームをプレーヤに飽きさせないようにして提供することができる。
【0012】
また、本発明は、前記センターコントローラにおける(b3)の処理において、前記端末コントローラで前記ゲーム結果情報に基づいて再実行される前記共通ゲームの再実行回数をランダムに決定し、(b2)の処理で決定された前記引分のゲーム結果が前記再実行回数よりも連続した場合、該再実行回数となるように、前記引分のゲーム結果のスキップ数を求めてもよい。
【0013】
上記の構成によれば、勝敗が決定する共通ゲームとなるまでの再実行回数が不特定となるため、プレーヤに対して共通ゲームの終了するタイミングを予測されないようにすることができる。
【0014】
また、本発明は、前記センターコントローラにおいて、(b2)の処理で決定された前記引分のゲーム結果が所定回数連続することを条件として、前記(b3)の処理を実行してもよい。
【0015】
上記の構成によれば、引分の共通ゲームの繰り返しによるプレーヤの待ち時間が過大とならない範囲で所定回数を設定することができるため、共通ゲームをプレーヤに飽きさせないようにして提供することができる。
【0016】
また、本発明は、前記センターコントローラにおいて、前記引分のゲーム結果となる前記共通ゲームの連続回数を予め設定し、前記共通ゲームが前記連続回数繰り返して実行されることを条件として前記(b2)の処理を実行し、(b3)の処理において、(b2)の処理において決定された前記ゲーム結果の中から、前記引分のゲーム結果については全てをスキップし、最終の前記ゲーム結果を前記ゲーム結果情報として前記各ゲーム端末に出力する処理を実行する。
【0017】
上記の構成によれば、引分の共通ゲームが予め設定された連続回数分繰り返されると、一括して共通ゲームのゲーム結果が決定された後、決定されたゲーム結果の中から、引分のゲーム結果については全てがスキップされ、最終のゲーム結果の共通ゲームが実行される。これにより、引分の共通ゲームが連続回数分繰り返された後の次の共通ゲームで必ず勝敗がつくため、共通ゲームが過剰に繰り返されることによる共通ゲームのゲーム時間が過大になることを容易に防止することができる。
【0018】
また、本発明における前記ゲーム端末は、さらに、表示装置を有し、前記端末コントローラは、(a4)前記センターコントローラからのスキップ情報を前記表示装置に表示する処理を実行し、前記センターコントローラは、(b4)(b3)の処理においてスキップした前記引分のゲーム結果を、前記スキップ情報として前記各ゲーム端末に出力する処理を実行してもよい。
【0019】
上記の構成によれば、スキップした引分のゲーム結果が各ゲーム端末の表示装置において表示されることによって、プレーヤにスキップした回数を認識させることができる。
【0020】
また、本発明は、前記共通ゲームがクラップスゲームであってもよい。
【0021】
また、本発明は、下記構成を備えるゲーミングマシンであり、外部からの入力が可能なインプットデバイスと、以下(c1)〜(c4)の処理を実行するようにプログラムされた端末コントローラとを有する複数のゲーム端末と、前記ゲーム端末に対して通信可能に接続(有線、無線を問わない)され、以下(d1)〜(d5)の処理を実行するようにプログラムされたセンターコントローラとを有している。
【0022】
前記端末コントローラは、
(c1)前記インプットデバイスのスタート操作の入力によりベースゲームを実行する処理、
(c2)前記センターコントローラからのゲーム開始指令によりクラップスゲームを実行する処理、
(c3)前記センターコントローラからのシューター指令に基づいて、前記クラップスゲームのシューターであるか否かを判定し、シューターである場合、前記インプットデバイスのロール操作の入力を受け付けることにより前記センターコントローラに対してロール操作指令を出力可能にする処理、
(c4)前記センターコントローラからのゲーム結果情報に基づいて、前記クラップスゲームのゲーム結果を判定し、引分のゲーム結果であれば次の前記ゲーム結果情報に基づいて前記クラップスゲームを再実行する処理を実行する。
【0023】
前記センターコントローラは、
(d1)前記各ゲーム端末における前記ベースゲームの実行状態に基づいてクラップスゲーム開始条件が成立したか否かを判定する処理、
(d2)前記クラップスゲーム開始条件が成立した場合、ゲーム実行条件を満たす前記ゲーム端末に対して前記ゲーム開始指令を出力する処理、
(d3)前記ゲーム開始指令の出力後、前記ゲーム実行条件を満たす前記ゲーム端末の中から特定のゲーム端末を選択し、該特定のゲーム端末に対して前記シューター指令を出力する処理、
(d4)前記特定のゲーム端末からの前記ロール操作指令により前記クラップスゲームのゲーム結果の決定を引分以外のゲーム結果になるまで一括して順に行う処理、
(d5)(d4)の処理において決定された前記ゲーム結果の中から、前記引分のゲーム結果については少なくとも一部をスキップし、残りの前記ゲーム結果を前記ゲーム結果情報として順に前記各ゲーム端末に出力する処理を実行する。
【0024】
上記の構成によれば、センターコントローラにおいて、クラップスゲームのゲーム結果の決定が一括して順番に行われ、引分のゲーム結果の内の少なくとも一部がスキップされ、残りのゲーム結果がゲーム結果情報としてゲーム端末に出力される。これにより、ゲーム端末においては、引分のゲーム結果となるクラップスゲームの少なくとも一部の実行が省略されるため、引分のゲーム結果の決定が多数回行われた場合でも、クラップスゲームの繰り返しが過大になることが防止される。この結果、引分のクラップスゲームの繰り返しによるプレーヤの待ち時間が過大となって、クラップスゲームに対するプレーヤの飽きの発生を防止することが可能になる。
【0025】
また、本発明は、外部からの入力が可能なインプットデバイスと、以下のステップを実行する端末コントローラとを有する複数のゲーム端末と、前記ゲーム端末に対して通信可能に接続され、以下のステップを実行するセンターコントローラとを有したゲーミングマシンのゲーム制御方法である。
【0026】
前記端末コントローラは、
前記インプットデバイスのスタート操作の入力によりベースゲームを実行するステップ、
前記センターコントローラからのゲーム開始指令により引分のゲーム結果を有する共通ゲームを実行するステップ、
前記センターコントローラからのゲーム結果情報に基づいて前記共通ゲームのゲーム結果を判定し、引分のゲーム結果であれば次の前記ゲーム結果情報に基づいて前記共通ゲームを再実行するステップを実行する。
【0027】
前記センターコントローラは、
ゲーム実行条件を満たす前記ゲーム端末に対して前記ゲーム開始指令を所定のタイミングで出力するステップ、
前記共通ゲームのゲーム結果の決定を引分以外のゲーム結果になるまで一括して順に行うステップ、
前記一括して順に決定されたゲーム結果の中から、前記引分のゲーム結果については少なくとも一部をスキップし、残りの前記ゲーム結果を前記ゲーム結果情報として順に前記各ゲーム端末に出力するステップを実行する。
【発明の効果】
【0028】
本発明は、高いエンターテイメント性を実現可能な共通ゲームの機能を備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】ゲーミングマシンのプレイ方法を示す説明図である。
【図2】ゲーミングマシンの機能フローを示す説明図である。
【図3】ゲーミングマシンの機能フローを示す説明図である。
【図4】ゲーミングマシンのプレイ方法を示すフローチャートである。
【図5】ゲーミングマシンの全体を示す斜視図である。
【図6】ゲーミングシステムのブロック図である。
【図7】PTSシステムのブロック図である。
【図8】ゲーミングマシンにおけるスロットマシン斜視図である。
【図9】コントロールパネルのボタンレイアウトを示す説明図である。
【図10】PTS端末の拡大斜視図である。
【図11】スロットマシンの電気ブロック図である。
【図12】PTS端末の電気ブロック図である。
【図13】ICカードの電気ブロック図である。
【図14】通常ゲーム用シンボルデータテーブルの説明図である。
【図15】ボーナスゲーム用シンボルテーブルの説明図である。
【図16】シンボル列決定テーブルの説明図である。
【図17】コードNo.決定テーブルの説明図である。
【図18】ワイルドシンボル増加数決定テーブルの説明図である。
【図19】トリガーシンボル増加数決定テーブルの説明図である。
【図20】配当テーブルの説明図である。
【図21】ゲーム端末管理テーブルの説明図である。
【図22】共通ゲーム管理テーブルの説明図である。
【図23】ダイス目格納テーブルの説明図である。
【図24】演算値決定テーブルの説明図である。
【図25】シンボル表示装置の表示状態を示す説明図である。
【図26】シンボル表示装置の表示状態を示す説明図である。
【図27】シンボル表示装置の表示状態を示す説明図である。
【図28】クラップスゲームのゲーム過程を示す説明図である。
【図29】通常ゲーム実行処理のフローチャートである。
【図30】ボーナスゲーム実行処理のフローチャートである。
【図31】端末側共通ゲーム処理のフローチャートである。
【図32】実行条件成立処理のフローチャートである。
【図33】モード選択処理のフローチャートである。
【図34】端末側ベット処理のフローチャートである。
【図35】引分処理のフローチャートである。
【図36】端末側スキップ処理のフローチャートである。
【図37】センター側共通ゲーム処理のフローチャートである。
【図38】共通ゲーム開始処理のフローチャートである。
【図39】センター側スキップ処理のフローチャートである。
【図40】ロール情報出力処理のフローチャートである。
【図41】センター側スキップ処理のフローチャートである。
【図42】端末側共通ゲーム処理のフローチャートである。
【図43】センター側共通ゲーム処理のフローチャートである。
【図44】センター側スキップ処理のフローチャートである。
【図45】クラップスゲームのゲーム手順を示すフローチャートである。
【図46】イージーモード処理を示すフローチャートである。
【図47】プロモード処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
(ゲーミングマシンの概要)
ゲーミングマシンは、ゲーム端末の複数台をデータ通信可能にセンターコントローラに接続し、各ゲーム端末において引分のゲーム結果を有する共通ゲームを実行する際に、引分のゲーム結果については少なくとも一部をスキップし、ゲーム結果が引分以外のゲーム結果になるまで共通ゲームを行う第1の構成を備えている。
【0031】
第1の構成を具体的に説明すると、図1〜図3に示すように、ゲーミングマシン300は、複数人参加型の構成にされており、ゲーム端末であるスロットマシン10の複数台をデータ通信可能にセンターコントローラ200に接続する。そして、ゲーミングマシン300は、スロットゲーム等のベースゲームを各スロットマシン10で個別に実行可能にしていると共に、各スロットマシン10間で同期を取って共通ゲームとしてのクラップスゲームを実行可能にしている。さらに、ゲーミングマシン300は、クラップスゲームを実行する際に、引分のゲーム結果については少なくとも一部をスキップし、ゲーム結果が引分以外のゲーム結果になるまでクラップスゲームを実行する。尚、スロットマシン10とセンターコントローラ200との接続は、有線及び無線の何れでもよいし、これらの組み合わせでもよい。また、ベット額の単位は、ドルや円、ユーロ等の国や地域の通貨であってもよいし、ゲーミングマシン300を備えたホールや業界だけで使用されるゲームポイントであってもよい。
【0032】
第1の構成をより具体的に説明すると、ゲーミングマシン300は、外部からの入力が可能なインプットデバイスと、各々個別にベースゲームを実行すると共に、複数のスロットマシン10で実行される共通ゲームのプレーを行うために、以下(a1)〜(a3)の処理を実行するようにプログラムされた端末コントローラとを有する複数のスロットマシン10と、複数のスロットマシン10に対して通信可能に接続され、以下(b1)〜(b3)の処理を実行するようにプログラムされたセンターコントローラ200とを有している。
【0033】
スロットマシン10の端末コントローラが実行するステップ(a1)〜(a3)の内容について説明すると、ステップ(a1)は、インプットデバイスのスタート操作の入力によりベースゲームを実行する処理である。ステップ(a2)は、センターコントローラ200からのゲーム開始指令により引分のゲーム結果を有する共通ゲームを実行する処理である。ステップ(a3)は、センターコントローラ200からのゲーム結果情報に基づいて共通ゲームのゲーム結果を判定し、引分のゲーム結果であれば次のゲーム結果情報に基づいて共通ゲームを再実行する処理である。
【0034】
尚、クラップスゲーム等の共通ゲームは、ベースゲームに代えて実行されてもよいし、ベースゲームとクラップスゲームとが並列的に実行されてもよい。
【0035】
スロットマシン10のセンターコントローラ200が実行するステップ(b1)〜(b3)の内容について説明すると、ステップ(b1)は、ゲーム実行条件を満たすスロットマシン10に対してゲーム開始指令を所定のタイミングで出力する処理である。ステップ(b2)は、共通ゲームのゲーム結果の決定を引分以外のゲーム結果になるまで一括して順に行う処理である。ステップ(b3)は、ステップ(b2)の処理において決定されたゲーム結果の中から、引分のゲーム結果については少なくとも一部をスキップし、残りのゲーム結果をゲーム結果情報として順に各スロットマシン10に出力する処理である。
【0036】
ステップ(b1)における『ゲーム実行条件』とは、クラップスゲーム等の共通ゲームに参加する資格を有するための条件であり、例えば、ベースゲームのベット額の累積値が最低ベット額以上であったり、ベースゲームのゲーム数が最低ベット回数以上である等の条件である。尚、『ゲーム実行条件』は、共通ゲームを開始する直前に、プレーヤの意思により条件を満たすことが可能にされている。例えば、ベースゲームのベット額の累積値が最低ベット額未満であることが原因でゲーム実行条件を満たしていない場合には、共通ゲームを開始する直前に、最低ベット額とベット額の累積値との差分が支払われたり、所定の条件成立額の支払いが行われることによって、ゲーム実行条件を満たした状態にされる。また、ベースゲームのゲーム回数の不足であれば、不足分に対応する額の支払いであったり、所定の条件成立額の支払いが行われることによって、ゲーム実行条件を満たした状態にされる。
【0037】
また、ステップ(b1)におけるゲーム開始指令を出力する所定のタイミングは、何れか一つのスロットマシン10において共通ゲーム開始条件が成立したときである。ここで、『共通ゲーム開始条件』は、ベット額情報の累積値やベースゲームのゲーム数の累積値等である。尚、本実施形態においては、スロットマシン10とは別に、センターコントローラ200を備えたゲーミングマシン300を用いて説明するが、これに限定されるものではない。ゲーミングマシン300は、1以上のスロットマシン10がセンターコントローラ200の機能を備え、スロットマシン10同士が相互にデータ通信可能に接続された構成にされていてもよい。
【0038】
上記の『スロットマシン10』は、ゲーミングマシン300におけるゲーム端末の一種である。尚、本実施形態においては、スロットマシン10をゲーム端末の一例として説明するが、これに限定されるものではなく、何らかのベースゲームを独立して実行可能な端末コントローラを備えた機種をゲーム端末として適用できる。
【0039】
本実施形態における『ベースゲーム』は、スロットマシン10により実行される。ベースゲームは、複数のシンボル501を再配置するスロットゲームである。尚、ベースゲームは、スロットゲームに限定されるものではなく、スロットマシン10等のゲーム端末において独立して実行可能なゲームであればよい。
【0040】
スロットゲームにおけるシンボル501の再配置は、シンボル表示装置16において行われる。スロットゲームは、遊技価値のベットを条件として、シンボル表示装置16においてシンボル501を再配置し、再配置されたシンボル501に応じた通常配当を付与する通常ゲームを実行する処理と、通常ゲームにおいてシンボル501が所定条件で再配置された場合、通常ゲームよりも大きなペイアウト率となる条件でシンボル501を再配置し、再配置されたシンボル501に応じたボーナス配当を付与するボーナスゲームを実行する処理と、レスキュー開始条件が成立した場合、レスキュー処理を実行する処理とを有している。
【0041】
『シンボル501』は、特定シンボル503と通常シンボル502とで複数のシンボル501を構成している。即ち、シンボル501は、特定シンボル503及び通常シンボル502の上位概念である。特定シンボル503は、図25に示すように、ワイルドシンボル503aとトリガーシンボル503bとを含む。ワイルドシンボル503aは、任意の種類のシンボル501として代用することが可能なシンボルである。トリガーシンボル503bは、少なくともボーナスゲームの実行を開始させるトリガーとなるシンボルである。即ち、トリガーシンボル503bは、通常ゲームからボーナスゲームに移行させるトリガーとなり、ボーナスゲームの実行を開始してから特定シンボル503を時間を置いて段階的に増加させるトリガーとなる。さらに、トリガーシンボル503bは、ボーナスゲームにおいて特定シンボル503を増加、即ち、トリガーシンボル503b及びワイルドシンボル503aの少なくとも一方の特定シンボル503を増加させるトリガーとなる。尚、トリガーシンボル503bは、ボーナスゲームにおいてボーナスゲームのゲーム数を増加させるトリガーとされてもよい。
【0042】
『遊技価値』とは、コイン、紙幣又はこれらに相当する電子的な有価情報である。尚、本発明における遊技価値は、特に限定されるものではなく、例えば、メダル、トークン、電子マネー、チケット等の遊技媒体であってもよい。チケットは、特に限定されるものではなく、例えば、後述のバーコード付きチケット等であってもよい。
【0043】
『ボーナスゲーム』とは、フィーチャーゲームと同義である。本実施形態におけるボーナスゲームは、フリーゲームを繰り返すゲームとして説明しているが、ボーナスゲームは、通常ゲームよりも有利な遊技状態であれば、どのような種類のゲームであってもよい。また、プレーヤにとって有利な遊技状態、即ち、通常ゲームより有利な遊技状態であれば、他のボーナスゲームを合わせて採用してもよい。例えば、ボーナスゲームは、通常ゲームより多くの遊技価値を獲得し得る状態、通常ゲームより高い確率で遊技価値を獲得し得る状態、通常ゲームより遊技価値の消費数が少なくなる状態等の各種の状態を単独や組み合わせて実現されてもよい。
【0044】
『フリーゲーム』とは、通常ゲームよりも遊技価値のベットを少なく実行可能であるゲームのことである。『遊技価値のベットを少なく実行可能』は、ベットが“0”の場合を含む。従って、『フリーゲーム』は、遊技価値のベットを条件とすることなく実行され、再配置されたシンボル501に応じた量の遊技価値を支払うゲームのことであってもよい。換言すれば、『フリーゲーム』とは、遊技価値の消費を前提とせずに開始されるゲームであってもよい。これに対し、『通常ゲーム』は、遊技価値のベットを条件として実行され、再配置されたシンボル501に応じた量の遊技価値を支払うゲームのことである。換言すれば、『通常ゲーム』とは、遊技価値の消費を前提として開始されるゲームのことである。
【0045】
『再配置』とは、シンボル501の配置が解除された後、再びシンボル501が配置される状態を意味する。『配置』とは、シンボル501が外部のプレーヤに対して目視により確認可能な状態であることを意味する。
【0046】
『再配置されたシンボル501に応じた通常配当』とは、再配置されたウィニングコンビネーションに対応する通常配当を意味する。また、『再配置されたシンボル501に応じたボーナス配当』とは、再配置されたウィニングコンビネーションに対応するボーナス配当を意味する。尚、『ウィニングコンビネーション』とは、賞を成立させることを意味する。ウィニングコンビネーションの詳細は後述する。
【0047】
『通常ゲームよりも大きなペイアウト率となる条件』は、フリーゲームの実行やワイルドシンボル503aやトリガーシンボル503bの増加や置換されたシンボルテーブルを用いてのゲームの実行等が例示される。『レスキュー開始条件』は、通常ゲームの過大な連続、即ち、通常ゲームが所定回数以上にわたって繰り返された状態であったり、配当の獲得総量の過小、即ち、同一のプレーヤがゲームを所定回数以上にわたって繰り返したときに獲得した通常配当やボーナス配当が所定値以下である場合が例示される。『レスキュー処理』は、プレーヤを救済するための処理である。例えば、フリーゲームの実行や、ワイルドシンボル503aやトリガーシンボル503bの増加や置換されたシンボルテーブルを用いてのゲームの実行、インシュランス配当の付与等が、レスキュー処理として例示される。
【0048】
このような第1の構成を有したゲーミングマシン300は、各スロットマシン10において引分のゲーム結果を有するクラップスゲーム等の共通ゲームを実行する際に、引分のゲーム結果については少なくとも一部をスキップし、ゲーム結果が引分以外のゲーム結果になるまで共通ゲームを行うゲーム方法を実現している。換言すれば、ゲーミングマシン300は、各スロットマシン10において引分のゲーム結果を有する共通ゲームを実行する際に、引分のゲーム結果については少なくとも一部をスキップし、ゲーム結果が引分以外のゲーム結果になるまで共通ゲームを行うゲーム制御方法により少なくとも動作可能にされている。
【0049】
具体的には、ゲーミングマシン300のゲーム方法及びゲーム制御方法は、外部からの入力が可能なインプットデバイスと、各々個別にベースゲームを実行すると共に、複数のスロットマシン10で実行される共通ゲームのプレーを行うための端末コントローラとを有する複数のスロットマシン10と、複数のスロットマシン10に対して通信可能に接続され、これら複数のスロットマシン10で共通に実行される共通ゲームを行うためのセンターコントローラ200とを有したゲーミングマシンにおいて実行されるものである。
【0050】
スロットマシン10の端末コントローラは、インプットデバイスのスタート操作の入力によりベースゲームを実行するステップと、センターコントローラ200からのゲーム開始指令により引分のゲーム結果を有する共通ゲームを実行するステップと、センターコントローラ200からのゲーム結果情報に基づいて共通ゲームのゲーム結果を判定し、引分のゲーム結果であれば次のゲーム結果情報に基づいて共通ゲームを再実行するステップとを実行する。
【0051】
センターコントローラ200は、ゲーム実行条件を満たすスロットマシン10に対してゲーム開始指令を所定のタイミングで出力するステップと、共通ゲームのゲーム結果の決定を引分以外のゲーム結果になるまで一括して順に行うステップと、一括して順に決定されたゲーム結果の中から、引分のゲーム結果については少なくとも一部をスキップし、残りのゲーム結果をゲーム結果情報として順に各スロットマシン10に出力するステップとを実行する。
【0052】
このように、第1の構成を備えたゲーミングマシン300や上記の各ステップを備えたゲーム方法、ゲーム制御方法によれば、センターコントローラ200において、共通ゲームのゲーム結果の決定が一括して順番に行われ、引分のゲーム結果の内の少なくとも一部がスキップされ、残りのゲーム結果がゲーム結果情報としてスロットマシン10に出力される。これにより、スロットマシン10においては、引分のゲーム結果となる共通ゲームの少なくとも一部の実行が省略されるため、引分のゲーム結果の決定が多数回行われた場合でも、スキップするゲーム数を調整することにより共通ゲームの繰り返しが過大になることを防止することができる。この結果、引分の共通ゲームの繰り返しによるプレーヤの待ち時間が過大となって、共通ゲームに対するプレーヤの飽きの発生を防止することが可能になる。従って、ゲーミングマシンは、高いエンターテイメント性を実現可能な共通ゲームの機能を備えることができる。
【0053】
また、ゲーミングマシン300は、第1の構成に加えて、センターコントローラ200において、共通ゲームが所定回数連続して実行されることを条件として(b2)の処理を実行する第2の構成を有している。上記の構成によれば、引分の共通ゲームの繰り返しによるプレーヤの待ち時間が過大とならない範囲で所定回数を設定することができるため、共通ゲームをプレーヤに飽きさせないようにして提供することができる。
【0054】
また、ゲーミングマシン300は、第1又は第2の構成に加えて、センターコントローラ200における(b3)の処理において、スロットマシン10の端末コントローラでゲーム結果情報に基づいて再実行される共通ゲームの再実行回数をランダムに決定し、(b2)の処理で決定された前記引分のゲーム結果が再実行回数よりも連続した場合、この再実行回数となるように、引分のゲーム結果のスキップ数を求める第3の構成を備えていてもよい。上記の構成によれば、勝敗が決定する共通ゲームとなるまでの再実行回数が不特定となるため、プレーヤに対して共通ゲームの終了するタイミングを予測されないようにすることができる。
【0055】
また、ゲーミングマシン300は、第1〜第3の何れかの構成に加えて、センターコントローラ200において、(b2)の処理で決定された引分のゲーム結果が所定回数連続することを条件として、(b3)の処理を実行する第4の構成を有していてもよい。上記の構成によれば、引分の共通ゲームの繰り返しによるプレーヤの待ち時間が過大とならない範囲で所定回数を設定することができるため、共通ゲームをプレーヤに飽きさせないようにして提供することができる。
【0056】
また、ゲーミングマシン300は、第1〜第4の何れかの構成に加えて、センターコントローラ200における(b3)の処理において、引分のゲーム結果となる共通ゲームが連続回数繰り返して実行されることを条件として(b2)の処理を実行し、(b3)の処理において、(b2)の処理において決定されたゲーム結果の中から、引分のゲーム結果については全てをスキップし、最終の前記ゲーム結果をゲーム結果情報として各スロットマシン10に出力する第5の構成を有している。
【0057】
上記の構成によれば、引分の共通ゲームが予め設定された連続回数分繰り返されると、一括して共通ゲームのゲーム結果が決定された後、決定されたゲーム結果の中から、引分のゲーム結果については全てがスキップされ、最終のゲーム結果の共通ゲームが実行される。これにより、引分の共通ゲームが連続回数分繰り返された後の次の共通ゲームで必ず勝敗がつくため、共通ゲームが過剰に繰り返されることによる共通ゲームのゲーム時間が過大になることを容易に防止することができる。
【0058】
また、ゲーミングマシン300は、第1〜第5の何れかの構成に加えて、スロットマシン10は、さらに、シンボル表示装置16を有し、スロットマシン10の端末コントローラが(a4)センターコントローラ200からのスキップ情報をシンボル表示装置16に表示する処理を実行し、センターコントローラ200が(b4)(b3)の処理においてスキップした引分のゲーム結果を、スキップ情報として各スロットマシン10に出力する処理を実行する第6の構成を備えている。上記の構成によれば、スキップした引分のゲーム結果が各スロットマシン10のシンボル表示装置16において表示されることによって、プレーヤにスキップした回数を認識させることができる。
【0059】
さらに、ゲーミングマシン300は、以下(c1)〜(c4)の処理を実行するようにプログラムされた端末コントローラとを有する複数のスロットマシン10と、複数のスロットマシン10に対して通信可能に接続され、以下(d1)〜(d5)の処理を実行するようにプログラムされたセンターコントローラ200とを有した構成にされていてもよい。
【0060】
ステップ(c1)は、インプットデバイスのスタート操作の入力によりベースゲームを実行する処理である。ステップ(c2)は、センターコントローラ200からのゲーム開始指令によりクラップスゲームを実行する処理である。ステップ(c3)は、センターコントローラ200からのシューター指令に基づいて、クラップスゲームのシューターであるか否かを判定し、シューターである場合、インプットデバイスのロール操作の入力を受け付けることによりセンターコントローラ200に対してロール操作指令を出力可能にする処理である。ステップ(c4)は、センターコントローラ200からのゲーム結果情報に基づいて、クラップスゲームのゲーム結果を判定し、引分のゲーム結果であれば次のゲーム結果情報に基づいてクラップスゲームを再実行する処理である。
【0061】
ステップ(d1)は、各スロットマシン10におけるベースゲームの実行状態に基づいてクラップスゲーム開始条件が成立したか否かを判定する処理である。ステップ(d2)は、クラップスゲーム開始条件が成立した場合、ゲーム実行条件を満たすゲーム端末に対してゲーム開始指令を出力する処理である。ステップ(d3)は、ゲーム開始指令の出力後、ゲーム実行条件を満たすスロットマシン10の中から特定のスロットマシン10を選択し、特定のスロットマシン10に対してシューター指令を出力する処理である。ステップ(d4)は、特定のスロットマシン10からのロール操作指令によりクラップスゲームのゲーム結果の決定を引分以外のゲーム結果になるまで一括して順に行う処理である。ステップ(d5)は、(d4)の処理において決定されたゲーム結果の中から、引分のゲーム結果については少なくとも一部をスキップし、残りのゲーム結果をゲーム結果情報として順に各スロットマシン10に出力する処理である。
【0062】
ここで、『シューター』とは、クラップスゲームにおいてはダイスを投げるプレーヤを意味するが、共通ゲームにおいては共通ゲームの実行を開始するスロットマシン10のプレーヤを意味する。また、『ロール操作』とは、クラップスゲームにおいてはダイスを投げる動作を言うが、共通ゲームにおいては共通ゲームの実行を開始することを言う。
【0063】
上記の構成によれば、第1〜第6の構成を備えることによる効果に加えて、クラップスゲーム開始条件を成立させたプレーヤが、クラップスゲームのゲーム結果を決定するシューターとなるため、クラップスゲームのシューターとなるようにベースゲームを行う意識を持たせることができる。
【0064】
尚、ゲーミングマシン300は、第1〜第6の構成に加えて、さらに下記の各構成を備えていてもよい。
【0065】
具体的には、ゲーミングマシン300は、センターコントローラ200における(b3)の処理において、引分のゲーム結果が所定回数連続することを条件として引分のゲーム結果のスキップを行う構成を備えていてもよい。上記の構成によれば、引分の共通ゲームの繰り返しによるプレーヤの待ち時間が過大とならない範囲で所定回数を設定することができるため、通常の共通ゲームをプレーヤに飽きさせないようにして提供することができる。
【0066】
また、ゲーミングマシン300は、センターコントローラ200における(b3)の処理において、引分のゲーム結果のスキップ数をランダムに決定する構成を備えていてもよい。上記の構成によれば、引分のゲーム結果のスキップ数がランダムに決定されることによって、勝敗が決定する共通ゲームとなるまでのゲーム数が不特定となり、結果として、プレーヤに対して共通ゲームの終了するタイミングを予測されないようにすることができる。
【0067】
また、ゲーミングマシン300は、端末コントローラが、さらに、共通ゲームにおける複数のゲームモードの中から特定のゲームモードを選択する処理を実行する構成を有していてもよい。ここで、『ゲームモード』とは、共通ゲーム自体の難易度や複雑さに応じて設定されていてもよいし、共通ゲームのベット方法の複雑さに応じて設定されていてもよい。
【0068】
具体的には、ゲーミングマシン300は、共通ゲームがクラップスゲームであって、クラップスゲームが、パスラインへの自動ベットだけの単純化されたベット形態のイージーモードと、自動ベットに加えて手動によるパスライン以外の追加ベットが可能な複雑なベット形態のプロモードとを含む機能を有していてもよい。そして、ゲーミングマシン300は、イージーモードにおいてだけ引分のゲーム結果のクラップスゲームをスキップする構成を備えていてもよい。この場合には、プレーヤによるゲームモードの選択により難易度の異なるクラップスゲームに参加することができると共に、ベット形態が単純化されたイージーモードにおいては、スキップ処理により短時間でクラップスゲームを終了することができる。
【0069】
また、ゲーミングマシン300は、スロットマシン10が、さらに、端末用表示装置としてのシンボル表示装置16を有し、スロットマシン10が、センターコントローラ200に対してロール操作指令を出力してから、センターコントローラ200からのゲーム結果情報を受けるまでの期間において、ロール操作に関係するムービーを表示する処理を実行する構成を有していてもよい。例えば、『ロール操作に関係するムービー』は、ダイス画像が転がる状態である。この構成を有したゲーミングマシン300によれば、ロールを行ってからゲーム結果情報を得るまでの待ち時間に、ロール操作に関係するムービーが表示されることによって、各プレーヤの注意をクラップスゲームに向かわせることができる。
【0070】
また、ゲーミングマシン300は、さらに、全てのスロットマシン10の操作位置から視認可能な位置に設けられた共用表示装置700を有しており、センターコントローラ200が、クラップスゲーム開始条件が成立するまでの状態を、共用表示装置700に表示してもよい。尚、『操作位置』とは、スロットマシン10を操作するプレーヤの目線位置である。この構成を有したゲーミングマシン300によれば、クラップスゲーム開始条件が成立するまでの状態が共用表示装置700に表示されることによって、クラップスゲームが開始されるまでの待ち時間を各プレーヤに予想させることができる。
【0071】
(ゲーミングマシン300の機能フロー:スロットマシン)
上記のように構成されたゲーミングマシン300は、図2及び図3に示すように、スロットマシン10と、スロットマシン10にデータ通信可能に接続された外部制御装置621(センターコントローラ200)とを有している。外部制御装置621は、ホール内に設置された複数のスロットマシン10にデータ通信可能に接続されている。
【0072】
スロットマシン10は、BETボタン601とスピンボタン602とディスプレイ614とを有していると共に、これらの各部を制御するゲームコントローラ100を有している。尚、BETボタン601とスピンボタン602は、インプットデバイスの一種である。さらに、スロットマシン10は、外部制御装置621とのデータ通信を可能にする送受信部652を有している。
【0073】
上記のBETボタン601は、プレーヤの操作によりBET額を受け付ける機能を有している。スピンボタン602は、プレーヤの操作、即ち、スタート操作により通常ゲームなどのゲームの開始を受け付ける機能を有している。ディスプレイ614は、各種のシンボル501や数値、記号などの静止画情報および演出映像などの動画情報を表示する機能を有している。さらに、ディスプレイ614は、インプットデバイスとしてタッチパネル69を有し、プレーヤの押圧動作による各種の指令を受付可能な機能を有している。ディスプレイ614は、シンボル表示領域614aと映像表示領域614bと共通ゲーム表示領域614cとを有している。シンボル表示領域614aは、図1のシンボル501を表示する。映像表示領域614bは、ゲーム進行中に実行される各種の演出映像情報を動画や静止画により表示する。共通ゲーム表示領域614cは、例えばジャックポットゲームなどの共通ゲームを表示する領域である。尚、共通ゲーム表示領域614cは、シンボル表示領域614aや映像表示領域614bと一緒に形成されてもよいし、共通ゲームを実行するときにだけ置き換えて出現されてもよい。
【0074】
ゲームコントローラ100は、コイン投入・スタートチェック部603と、通常ゲーム実行部605と、ボーナスゲーム開始判定部606と、ボーナスゲーム実行部607と、乱数値抽出部615と、シンボル決定部612と、演出用乱数値抽出部616と、演出内容決定部613と、スピーカ部617と、ランプ部618と、入賞判定部619と、払い出し部620と、を有している。
【0075】
通常ゲーム実行部605は、BETボタン601の操作を条件として通常ゲームを実行する機能を有している。ボーナスゲーム開始判定部606は、通常ゲームにおいて再配置されたシンボル501の組み合わせに基づいてボーナスゲームを実行するか否かを判定する。即ち、ボーナスゲーム開始判定部606は、後述するトリガーシンボル503bが所定条件で再配置されたときに、ボーナスゲームに当籤したと判定し、次回の単位ゲームからボーナスゲームを実行するようにボーナスゲーム実行部607に処理を移行する機能を有している。
【0076】
ここで、『単位ゲーム』とは、BETの受付開始から賞成立となり得る状態までの一連の動作である。例えば、通常ゲームの単位ゲームは、BETを受け付けるBETタイムと、停止されたシンボル501を再配置するゲームタイムと、配当を付与する払出処理の払出タイムと、をそれぞれ1回含む状態である。尚、通常ゲームにおける単位ゲームは、単位通常ゲームと言う。
【0077】
ボーナスゲーム実行部607は、スピンボタン602の操作だけでフリーゲームを複数のゲーム数で繰り返すボーナスゲームを実行する機能を有している。
【0078】
シンボル決定部612は、乱数値抽出部615からの乱数値を用いて、再配置の対象となるシンボル501を決定する機能と、決定したシンボル501をディスプレイ614のシンボル表示領域614aに再配置する機能と、シンボル501の再配置情報を入賞判定部619に出力する機能と、増加した特定シンボル503をシンボル決定に用いる複数のシンボル501の一部として加える機能と、増加した特定シンボル503の一部や全部をシンボル決定に用いる複数のシンボル501の一部や全部と置き換える機能と、シンボル501の再配置の状態に基づいて演出指定信号を演出用乱数値抽出部616に出力する機能と、を有している。
【0079】
演出用乱数値抽出部616は、シンボル決定部612から演出指令信号を受けた場合に、演出用乱数値を抽出する機能と、演出用乱数値を演出内容決定部613に出力する機能と、を有している。演出内容決定部613は、演出用乱数値を用いて演出内容を決定する機能と、決定した演出内容の映像情報をディスプレイ614の映像表示領域614bに出力する機能と、決定した演出内容の音声・発光情報をスピーカ部617およびランプ部618に出力する機能と、を有している。
【0080】
入賞判定部619は、ディスプレイ614において再配置された表示状態であるシンボル501の再配置情報が得られた場合に、入賞の有無を判定する機能と、入賞したと判定したときに入賞役に基づいて払い出し量を算出する機能と、払い出し量に基づいた払い出し信号を払い出し部620に出力する機能と、を有している。払い出し部620は、コインやメダル、クレジットなどの形態で遊技価値をプレーヤに払い出す機能を有している。また、払い出し部620は、後述するPTS端末700に挿入されたICカード500に記憶されたクレジットデータに、払い出されるクレジットに応じたクレジットデータを加算する機能を有している。
【0081】
さらに、ゲームコントローラ100は、各種のBET額データを記憶する記憶部661を有している。記憶部661は、ハードディスク装置やメモリなどのデータを書き替え可能に記憶する装置である。
【0082】
さらに、ゲームコントローラ100は、共通ゲーム実行部653と追加BET部651とゲームモード選択部662とを有している。追加BET部651は、共通ゲームの開始時や共通ゲームの勝敗が付かなかった場合、ディスプレイ614のタッチパネル69による賭け増しを可能にする機能を有している。ゲームモード選択部662は、共通ゲームにおける複数のゲームモードの中から特定のゲームモードを選択可能にする機能を有している。例えば、ゲームモード選択部662は、後述のイージーモードとプロモードとを選択可能にする機能を有している。
【0083】
共通ゲーム実行部653は、通常ゲームでBETされたBET額に基づいたBET額情報を単位ベースゲーム毎に外部制御装置621に出力する機能と、外部制御装置621からのゲーム開始指令により共通ゲームを実行する機能と、記憶部661に記憶され、共通ゲームに対してBET可能な共通ゲーム用のBET額データに対応するBET額についてBETボタン601によるBET入力を受け付ける機能と、を有している。
【0084】
さらに、共通ゲーム実行部653は、外部制御装置621からのゲーム結果情報に基づいて共通ゲームのゲーム結果を判定し、引分のゲーム結果であれば次のゲーム結果情報に基づいて共通ゲームを再実行する機能と、センターコントローラからのスキップ情報を表示装置に表示する処理を実行する機能と、外部制御装置621からのシューター指令に基づいて、共通ゲームであるクラップスゲームのシューターであるか否かを判定し、シューターである場合、ロール操作の入力を受け付けることにより外部制御装置621に対してロール操作指令を出力可能にする機能とを有している。ここで、『ゲーム結果情報』とは、共通ゲームを実行したときの結果であり、勝利と負けと引分との3態様がある。また、『スキップ情報』とは、共通ゲームのゲーム結果の決定が引分以外のゲーム結果になるまで一括して順に行われた一連のゲーム結果の中からスキップした1以上の引分のゲーム結果のことである。
【0085】
さらに、共通ゲーム実行部653は、外部制御装置621からのゲーム結果情報に基づいて、共通ゲームの終了となる勝敗を判定し、勝利した場合、勝利配当を付与すると共に、シューターであれば特別配当を付与する機能と、共通ゲームの勝利配当に対応するベット額を共通ゲームにおいて自動的にベットするイージーモードを実行する機能と、自動ベットに加えて追加ベットが可能なプロモードを実行する機能と、イージーモードとプロモードとをゲームモード選択部662により選択して実行する機能とを有している。
【0086】
また、ゲームコントローラ100は、PTS端末700と接続されている。PTS端末700は、LCD719やマイク704・705、人体検出カメラ712・713などが一体となったユニットであり、ゲームコントローラ100と相互通信することによって、例えばゲームの演出をする機能を有する。特に、PTS端末700には、カード挿入口706が設けられており、ICカード500を挿入できるようになっている。これにより、プレーヤは、カード挿入口706にICカード500を挿入して、ICカード500に記憶されたクレジットをスロットマシン10で使用することができる。尚、PTS端末700の機械構成については、後述する。
【0087】
また、ゲームコントローラ100は、PTS端末700からクレジットデータを受信した際、ディスプレイ614のクレジット表示を更新する。さらに、ゲームコントローラ100は、ゲームの精算があった場合に、PTS端末700に精算クレジットデータを出力する。
【0088】
また、ゲーミングマシン300を構成する複数のスロットマシン10がそれぞれ有するPTS端末700は、管理サーバ800と通信可能に接続されており、画像のダウンロードやICカード500やクレジットの管理を一括している。
【0089】
(ゲーミングマシン300の機能フロー:外部制御装置)
上記のように構成されたスロットマシン10は、センターコントローラ200となる外部制御装置621に接続されている。外部制御装置621は、各スロットマシン10の動作状況や各種のゲーム設定値の変更等の処理を遠隔操作および遠隔監視する機能を備えている。さらに、外部制御装置621は、ゲーム端末毎に共通ゲーム開始条件を判定し、何れかのゲーム端末において共通ゲーム開始条件を満足する判定結果を得たときにクラップスゲーム等の共通ゲームを複数のスロットマシン10で実行する機能を有している。さらに、外部制御装置621は、共通ゲームのゲーム結果の決定を引分以外のゲーム結果になるまで一括して順に行い、決定したゲーム結果の中から、引分のゲーム結果については少なくとも一部をスキップし、残りのゲーム結果をゲーム結果情報として順に各スロットマシン10に出力する機能を備えている。
【0090】
詳細に説明すると、図3に示すように、外部制御装置621は、共通ゲーム開始部6213と、ゲーム端末選択部6215と、勝敗決定部6216(ゲーム結果決定部)と、送受信部6217と、スキップ処理部6218とを有している。
【0091】
共通ゲーム開始判定部6213は、スロットマシン10から単位ベースゲーム毎に送信されるベット額情報の累積値に基づいて共通ゲーム開始条件が成立するか否かを判定する機能と、複数のスロットマシン10に対してゲーム開始指令を出力する機能と、共通ゲーム開始条件が成立するまでの状態を共用表示装置700に表示する機能とを有している。
【0092】
尚、共通ゲーム開始条件が成立するか否かの判定は、ベット額情報の累積値に基づいて行うことの他、単位ベースゲームの繰り返しにより増加する全ての累積値に基づいて行うことができる。例えば、ベースゲームのゲーム回数やベースゲームのゲーム時間等を累積値としてもよい。
【0093】
さらに、共通ゲーム開始部6213は、ベースゲームの繰り返しにより増加する累積値がゲーム実行条件を満たすスロットマシン10に対してゲーム開始指令を出力する機能を有している。これにより、共通ゲーム開始部6213は、累積値が最低設定値未満であるスロットマシン10に対して共通ゲームに参加する資格を付与しないため、プレーヤに対してベースゲームを積極的に繰り返そうという意識を持たせることを可能にする。
【0094】
さらに、共通ゲーム開始部6213は、スタート操作が行われない未入力時間を監視し、未入力時間がタイムアウト時間以上のスロットマシン10を除いたスロットマシン10に対してゲーム開始指令を出力する機能を有している。これにより、共通ゲーム開始部6213は、ベースゲームがタイムアウト時間以上に亘って実行されていないスロットマシン10について、プレーヤが不在であると判定することが可能になり、このようなスロットマシン10に対する共通ゲームの実行を回避することを可能にする。
【0095】
ゲーム端末選択部6215は、複数のスロットマシン10の中から特定のスロットマシン10を選択し、特定のスロットマシン10に対してシューター指令信号を出力する機能を有している。勝敗決定部6216は、特定のスロットマシン10からのロール操作指令により共通ゲームのゲーム結果を決定する機能を有している。送受信部6217は、スロットマシン10との間でデータを送受信可能にする機能を有している。
【0096】
スキップ処理部6218は、共通ゲームのゲーム結果の決定を引分以外のゲーム結果になるまで一括して順に行う機能と、引分のゲーム結果については少なくとも一部をスキップし、残りのゲーム結果をゲーム結果情報として順に各スロットマシン10に出力する機能とを有している。これにより、スキップ処理部6218は、スロットマシン10において、引分のゲーム結果となる共通ゲームの少なくとも一部の実行を省略させることができるため、引分のゲーム結果の決定が多数回行われた場合でも、スキップするゲーム数を調整することにより共通ゲームの繰り返しが過大になることを防止することを可能にしている。
【0097】
さらに、スキップ処理部6218は、引分のゲーム結果が所定回数連続することを条件として引分のゲーム結果のスキップを行う機能を有している。これにより、スキップ処理部6218は、引分の共通ゲームの繰り返しによるプレーヤの待ち時間が過大とならない範囲で所定回数を設定することを可能にし、共通ゲームをプレーヤに飽きさせないようにして提供することを可能にする。さらに、スキップ処理部6218は、引分のゲーム結果のスキップ数をランダムに決定する機能を有している。これにより、スキップ処理部6218は、引分のゲーム結果のスキップ数をランダムに決定することによって、勝敗が決定する共通ゲームとなるまでのゲーム数を不特定とし、結果として、プレーヤに対して共通ゲームの終了するタイミングを予測されないようにすることを可能にしている。
【0098】
さらに、スキップ処理部6218は、共通ゲームが所定回数連続して実行されることを条件として、共通ゲームのゲーム結果の決定を引分以外のゲーム結果になるまで一括して順に行う機能を有している。これにより、スキップ処理部6218は、引分の共通ゲームの繰り返しによるプレーヤの待ち時間が過大とならない範囲で所定回数を設定することができるため、共通ゲームをプレーヤに飽きさせないようにして提供することができる。
【0099】
さらに、スキップ処理部6218は、ゲームコントローラ100においてゲーム結果情報に基づいて再実行される共通ゲームの再実行回数をランダムに決定し、一括して決定された引分のゲーム結果が再実行回数よりも連続した場合、この再実行回数となるように、引分のゲーム結果のスキップ数を求める機能を有している。これにより、スキップ処理部6218は、勝敗が決定する共通ゲームとなるまでの再実行回数が不特定となるため、プレーヤに対して共通ゲームの終了するタイミングを予測されないようにすることができる。
【0100】
さらに、スキップ処理部6218は、センターコントローラ200において、一括して決定された引分のゲーム結果が所定回数連続することを条件として、引分のゲーム結果については少なくとも一部をスキップし、残りの前記ゲーム結果を前記ゲーム結果情報として順に各スロットマシン10に出力する機能を有している。これにより、スキップ処理部6218は、引分の共通ゲームの繰り返しによるプレーヤの待ち時間が過大とならない範囲で所定回数を設定することができるため、共通ゲームをプレーヤに飽きさせないようにして提供することができる。
【0101】
さらに、スキップ処理部6218は、引分のゲーム結果となる共通ゲームが連続回数繰り返して実行されることを条件として、一括して決定されたゲーム結果の中から、引分のゲーム結果については全てをスキップし、最終の前記ゲーム結果をゲーム結果情報とする機能を有していてもよい。これにより、スキップ処理部6218は、引分の共通ゲームが連続回数分繰り返された後の次の共通ゲームで必ず勝敗をつかすことができるため、共通ゲームが過剰に繰り返されることによる共通ゲームのゲーム時間が過大になることを容易に防止することができる。
【0102】
さらに、スキップ処理部6218は、スキップした引分のゲーム結果を、スキップ情報として各スロットマシン10に出力する機能を有している。これにより、スキップ処理部6218は、スキップした引分のゲーム結果を各スロットマシン10の表示装置において表示させることを可能にすることによって、プレーヤにスキップした回数を認識させることができる。
【0103】
(ゲーミングマシン300の動作)
上記の機能ブロックで構成されたゲーミングマシン300の動作を図4のフローチャートを用いて説明する。尚、本実施形態においてフローチャートにおける『ゲーム端末』は、スロットゲームを実行するスロットマシン10を意味するが、これに限定されるものではない。
【0104】
(スロットマシン10の動作)
ゲーム端末であるスロットマシン10は、端末側処理(A1)〜(A7)を実行する。具体的には、先ず、ベースゲーム処理(通常ゲーム等)が実行される(A1)。以下の一連の動作が実行される。
【0105】
(コイン投入・スタートチェック)
先ず、スロットマシン10は、BETボタン部601がプレーヤにより押されたか否かをチェックし、続いて、スピンボタン部602がプレーヤにより押されたか否かをチェックする。
【0106】
(シンボル決定)
次に、スロットマシン10は、スピンボタン部602がプレーヤにより押されると、シンボル決定用乱数値を抽出し、ディスプレイ部614上に表示する複数のビデオリールのそれぞれに応じて、シンボル列のスクロールを停止させたときにプレーヤに表示するシンボル501を決定する。
【0107】
(シンボル表示)
次に、スロットマシン10は、各ビデオリールのシンボル列のスクロールを開始させ、決定されたシンボル501がプレーヤに表示されるようにスクロールを停止させる。
【0108】
(入賞判定)
次に、スロットマシン10は、各ビデオリールのシンボル列のスクロールが停止されると、プレーヤに表示されたシンボル501の組合せが入賞に係るものであるか否かを判定する。
【0109】
(払い出し)
次に、スロットマシン10は、プレーヤに表示されたシンボル501の組合せが入賞に係るものであるとき、そのシンボル501の組合せの種類に応じた特典をプレーヤに与える。
【0110】
例えば、スロットマシン10は、コインの払い出しに係るシンボル501の組合せが表示されたとき、そのシンボル501の組合せに応じた数のコインをプレーヤに払い出す。
【0111】
次に、ボーナス役に入賞したか否かが判定される。ボーナス役に入賞した場合には、ボーナスゲーム処理が実行される。一方、ボーナス役に入賞しなかった場合には、通常ゲームが再実行される。このような通常ゲーム及びボーナスゲームを含むベースゲームが実行されている期間において、通常ゲーム等の単位ゲームの開始や終了、単位ゲームのベット額を示す実行状態情報が外部制御装置621に送信される。これにより、各スロットマシン10の実行状態情報が外部制御装置621において集中管理されることになる。
【0112】
スロットマシン10は、外部制御装置621からのゲーム開始信号を受信すると、クラップスゲーム等の共通ゲームを開始及び実行する(A2)。これにより、例えば図1に示すように、ベースゲームの画面表示がベットテーブル901の画面表示に切り替えられる。そして、クラップスゲーム等の共通ゲームをプレーヤに連想させる動画や画像が表示される。
【0113】
次に、スロットマシン10は、外部制御装置621からのシューター指令に基づいて、共通ゲームのシューターであるか否かを判定する。即ち、シュータ指令が自己宛である場合には、スロットマシン10は、シューターに指名されたと判定し、ロール操作の入力を受け付ける(A3)。これにより、スロットマシン10は、タッチパネル等のインプットデバイスのロール操作の入力を受け付けることにより外部制御装置621に対してロール操作指令を出力可能にする。そして、プレーヤがロール操作を行えば、シューターに指名されたスロットマシン10からロール操作指令が外部制御装置621に送信される。尚、シュータ指令が自己宛でない場合、スロットマシン10は、シュータに指名されなかったと判定し、共通ゲームのムービーを表示し続ける。
【0114】
次に、スロットマシン10は、スキップ処理を実行する(A4)。即ち、スロットマシン10は、外部制御装置621からのスキップ情報を受け付け、スキップ情報を受信した場合は、スキップ情報に基づいた内容を表示装置に表示する。この後、スロットマシン10は、ゲーム結果情報に基づいて、共通ゲームの終了となる勝敗を判定し、勝敗が付かない引分のゲーム結果であれば、次のゲーム結果情報に基づいて共通ゲームを再実行する。
【0115】
共通ゲームが再実行されると、A3のロール操作処理と同様に、スロットマシン10は、タッチパネル等のインプットデバイスのロール操作の入力を受け付けることにより外部制御装置621に対してロール操作指令を出力可能にする。そして、プレーヤがロール操作を行えば、シューターに指名されたスロットマシン10からロール操作指令が外部制御装置621に送信される。
【0116】
この後、スロットマシン10は、ゲーム結果情報を受け付け、ゲーム結果情報に基づいて共通ゲームに引き分けたか否かを判定する(A6)。引き分けた場合、即ち、勝敗が付かなかった場合には(A6,YES)、共通ゲームが継続され、シューター指令に基づいたシューターの指名の有無の判定や共通ゲームのムービー表示が行われる。
【0117】
一方、引き分けなかった場合、即ち、勝敗が付いた場合には(A6,NO)、続いて、共通ゲームに勝利したか否かが判定される(A7)。共通ゲームに負けた場合には(A7,NO)、A1のベースゲームが再実行される。一方、共通ゲームに勝利した場合には(A7,YES)、外部制御装置621からの払出情報に基づいて勝利配当が付与される。この後、A1のベースゲームが再実行される。
【0118】
(外部制御装置621の動作)
上記のようにしてスロットマシン10が動作しているときに、外部制御装置621は、スロットマシン10と同期しながら以下のセンター側処理(B1)〜(B9)を実行している。
【0119】
先ず、外部制御装置621は、各スロットマシン10から実行状態情報を受信し、ベースゲームの実行状態を取得する(B1)。この後、ベースゲームの繰り返し数やベット額の累積額等に基づいて、何れかのスロットマシン10で共通ゲーム開始条件が成立したか否かを判定する(B2)。共通ゲーム開始条件が成立しない場合には(B2,NO)、B1を再実行し、各スロットマシン10におけるベースゲームの実行状態を取得する。
【0120】
一方、共通ゲーム開始条件が成立した場合には(B2,YES)、ゲーム実行条件を満たすスロットマシン10に対して同時にゲーム開始指令が出力される(B3)。この後、ゲーム実行条件を満たすスロットマシン10の中から特定のスロットマシン10が選択され、特定のスロットマシン10に対してシューター指令が出力される(B4)。
【0121】
次に、外部制御装置621は、特定のスロットマシン10から送信されたロール操作指令を受信するまで待機する。ロール操作指令が受信されると、この受信をトリガーとして共通ゲームの勝敗がゲーム結果として決定される。即ち、勝利と負けと引き分けの何れかが決定される。決定されたゲーム結果は、ゲーム結果情報やスキップ情報として使用するため、一時的に記憶される(B5)。この後、ゲーム結果が引き分けであるか否かが判定される(B6)。引き分けた場合には(B6,YES)、B5が再実行されることによって、次のゲーム結果が決定および記憶されることになる。、これにより、ゲーム結果の決定は、引分以外のゲーム結果になるまで一括して順に行われることになる。
【0122】
B6において、ゲーム結果が引き分けでないと判定された場合には(B6,NO)、一時的に記憶されていた一連のゲーム結果の中から、引分のゲーム結果については少なくとも一部がスキップされ、残りのゲーム結果がゲーム結果情報として順に各スロットマシン10に出力される。また、スキップされたゲーム結果は、スキップ情報として順に各スロットマシン10に出力される。
【0123】
この後、勝敗のついたゲーム結果に基づいて共通ゲームに勝利したか否かが判定される(B8)。負けた場合には(B8,NO)、B1から再実行され、各スロットマシン10におけるベースゲームの実行状態が新たに取得される。一方、勝利した場合には(B8,YES)、各スロットマシン10における共通ゲームでベットされたベット額に基づいて、払出金額が計算され、払出情報として各スロットマシン10に送信される(B9)。
【0124】
以上のように、ゲーミングマシン300は、端末側処理(A1)〜(A8)を実行する複数のスロットマシン10とセンター側処理(B1)〜(B9)を実行する外部制御装置621とを有している。
【0125】
これにより、ゲーミングマシン300は、外部制御装置621において、共通ゲームのゲーム結果の決定が一括して順番に行われ、引分のゲーム結果の内の少なくとも一部がスキップされ、残りのゲーム結果がゲーム結果情報としてスロットマシン10に出力される。これにより、スロットマシン10においては、引分のゲーム結果となる共通ゲームの少なくとも一部の実行が省略されるため、引分のゲーム結果の決定が多数回行われた場合でも、スキップするゲーム数を調整することにより共通ゲームの繰り返しが過大になることを防止することができる。この結果、引分の共通ゲームの繰り返しによるプレーヤの待ち時間が過大となって、共通ゲームに対するプレーヤの飽きの発生を防止することが可能になる。
【0126】
(ゲームシステムの全体構成)
以上の各機能を備えたゲーミングマシン300を含むゲームシステム350について説明する。
【0127】
図5に示すように、ゲームシステム350は、複数のスロットマシン10と、各スロットマシン10に通信回線301を介して接続された外部制御装置621とを備えている。
【0128】
外部制御装置621は、複数のスロットマシン10を制御するものである。本実施形態において、外部制御装置621は、複数のスロットマシン10を有する遊技施設に設置されているいわゆるホールサーバである。各スロットマシン10にはそれぞれ固有の識別番号が付されており、外部制御装置621は、識別番号により、各スロットマシン10から送られてくるデータの出所を判別している。また、外部制御装置621からスロットマシン10にデータを送信する場合にも、識別番号を用いて送信先を指定している。
【0129】
尚、ゲームシステム350は、カジノなどの様々な遊技を行うことが可能な1つの遊技施設内に構築されてもよいし、複数の遊技施設間に構築されてもよい。また、1つの遊技施設内に構築される場合には、遊技施設のフロアやセクションごとにゲームシステム350が構築されてもよい。通信回線301は、有線であっても無線であってもよく、専用回線又は交換回線等を採用することが可能である。
【0130】
図6に示すように、ゲームシステムは、管理サーバブロック、顧客端末ブロック、スタッフ端末ブロックの3つに大別される。管理サーバブロックは、カジノホールサーバ850と、為替サーバ860と、カジノ・ホテルスタッフ管理サーバ870と、ダウンロードサーバ880と、を有している。
【0131】
カジノホールサーバ850は、スロットマシン10が設置されたカジノホール全体を管理するサーバである。為替サーバ860は、為替情報などを基に、為替レートデータを作成するサーバである。カジノ・ホテルスタッフ管理サーバ870は、カジノホール、若しくはカジノホールと関係するホテルのスタッフを管理するサーバである。ダウンロードサーバ880は、例えば、ゲームに関する情報やニュースなどの最新情報をダウンロードして、各種スロットマシン10のPTS端末700を通してプレーヤに報知するサーバである。
【0132】
また、管理サーバブロックは、会員管理サーバ810と、ICカード&金銭管理サーバ820と、メガバックスサーバ830と、画像サーバ840と、を有している。
【0133】
会員管理サーバ810は、スロットマシン10を遊技するプレーヤの会員情報などを管理するサーバである。ICカード&金銭管理サーバ820は、スロットマシン10で使用されるICカード500を管理するサーバである。具体的には、ICカード&金銭管理サーバ820は、端数現金データを識別コードに対応させて記憶したり、PTS端末700に端数現金データを出力したり、するサーバである。尚、ICカード&金銭管理サーバ820は、デノミレートデータなども作成、管理している。メガバックスサーバ830は、例えば、複数のカジノホールなどに設置された複数のスロットマシン10の掛け金の総合計が配当となるゲームであるメガバックスを管理するサーバである。画像サーバ840は、例えば、ゲームに関する画像やニュースなどの最新画像をダウンロードして、各種スロットマシン10のPTS端末700を通してプレーヤに報知するサーバである。
【0134】
顧客端末ブロックは、スロットマシン10と、PTS端末700と、精算機750と、を有している。PTS端末700は、スロットマシン10に取り付け可能となっており、管理サーバ800と相互通信可能になっている。精算機750は、プレーヤが所有するICカード500に記憶された現金データを換金して精算したり、コインや紙幣などを現金データとしてICカード500に記憶させたりする機械である。
【0135】
スタッフ端末ブロックは、スタッフ管理端末900と、会員カード発券端末950と、を有している。スタッフ管理端末900は、カジノホールのスタッフが各種スロットマシン10の管理をする端末である。特に、本実施形態の場合、カジノホールのスタッフは、PTS端末700にストックされたICカード500の数が溜まり過ぎたり、不足したりしていないかを管理する。会員カード発券端末950は、カジノホールでゲームするプレーヤが、会員カードを発券する際に使用する端末である。
【0136】
(PTS端末700)
PTS端末700は、図7に示すように、PTSシステムに組み込まれている。スロットマシン10に取り付けられたPTS端末700は、スロットマシン10のゲームコントローラ100およびビルバリコントローラ890と通信可能に接続されている。
【0137】
PTS端末700は、ゲームコントローラ100との通信において、音や画像などによるゲームの演出やクレジットデータの更新などを行っている。また、PTS端末700は、ビルバリコントローラ890との通信において、精算時に必要なクレジットデータを送信している。
【0138】
また、PTS端末700は、管理サーバ800と通信可能に接続されている。PTS端末700は、管理サーバ800との間において、一般通信ラインと追加機能通信ラインの2つのライン間で通信している。
【0139】
PTS端末700は、一般通信ラインにおいて、例えば現金データや識別コードデータ、プレーヤの会員情報などデータを通信している。一方、PTS端末700は、追加機能通信ラインにおいて、新たに追加される機能に関する通信をしている。本実施形態の場合、PTS端末700は、追加機能通信ラインにおいて、エクスチェンジ機能と、ICカード機能と、生体認証機能と、カメラ機能と、電波を使用した固体識別をする機能であるRFID(Radio Frequency IDentification)機能と、に関する通信をしている。
【0140】
(スロットマシンの機械構成)
図8を参照して、スロットマシン10の全体構造について説明する。
【0141】
スロットマシン10では、遊技媒体として、コイン、紙幣又はこれらに相当する電子的な有価情報が用いられる。特に、本実施形態では、ICカード500に記憶された現金データなどのクレジット関連データが用いられている。
【0142】
スロットマシン10は、キャビネット11と、キャビネット11の上側に設置されたトップボックス12と、キャビネット11の前面に設けられたメインドア13と、を備えている。
【0143】
メインドア13には、下側画像表示パネル141と称されるシンボル表示装置16が設けられている。シンボル表示装置16は、透明液晶パネルにより形成されている。シンボル表示装置16が表示する画面では、中央部に表示窓150を有している。表示窓150は、5列、4行の20個の表示ブロック28により構成されている。各列の4個の表示ブロック28は、擬似リール151〜155を形成している。各擬似リール151〜155は、4個の表示ブロック28が全体的に速度を変更しながら下方向に移動表示されることによって、各表示ブロック28に表示されたシンボル501を縦方向に回転させた後に停止する再配置を行うことを可能にしている。
【0144】
ここで、図25に示すように、表示窓150の左側および右側には、ペイライン発生列が左右対称に配置されている。プレーヤ側から見て左側のペイライン発生列は、25個のペイライン発生部65L(65La、65Lb、65Lc、65Ld、65Le、65Lf、65Lg、65Lh、65Li、65Lj、65Lk、65Ll、65Lm、65Ln、65Lo、65Lp、65Lq、65Lr、65LS、65Lt、65Lu、65Lv、65Lw、65Lx、65Ly)を有している。
【0145】
一方、右側のペイライン発生列は、25個のペイライン発生部65R(65Ra、65Rb、65Rc、65Rd、65Re、65Rf、65Rg、65Rh、65Ri、65Rj、65Rk、65Rl、65Rm、65Rn、65Ro、65Rp、65Rq、65Rr、65RS、65Rt、65Ru、65Rv、65Rw、65Rx、65Ry)を有している。
【0146】
ペイライン発生部65Lは、何れかのペイライン発生部65Rとペアを形成している。各ペイライン発生部65Lから、当該ペイライン発生部65Lとペアの関係にあるペイライン発生部65Rへと向かう線であるペイラインLが予め規定されている。尚、図25では、説明を行いやすくするために、ペイラインLを1個しか描いていないが、本実施形態では、ペイラインLは25個規定されている。
【0147】
上記のペイラインLは、ペイライン発生部65L・65R間を結ぶことにより有効化される。それ以外の場合は、無効化されている。ペイラインLの有効数は、BET額に基づいて決定される。最大のBET額であるMAXBETの場合においては、最大数である25個のペイラインLが有効化される。有効化されたペイラインLは、各シンボル501についての各種のウィニングコンビネーションを成立させる。ウィニングコンビネーションの詳細については後述する。
【0148】
尚、本実施形態では、スロットマシン10が所謂ビデオスロットマシンである場合について説明しているが、本発明のスロットマシン10は、所謂機械式リールを一部の擬似リール151〜155に代用してもよい。
【0149】
さらに、図8に示すように、シンボル表示装置16の前面には、タッチパネル69が設けられていて、プレーヤはタッチパネル69を操作して各種の指示を入力することができる。タッチパネル69から入力信号がメインCPU71に対して送信される。
【0150】
下側画像表示パネル141の下方には、コントロールパネル30が配置されている。コントロールパネル30は、各種ボタンをはじめ、コインをキャビネット11内に受け入れるコインエントリー21と、ビルエントリー22とを備えている。
【0151】
具体的には、コントロールパネル30は、図9に示すように、リザーブボタン31とコレクトボタン32とゲームルールボタン33とを向かって左側領域の上段に配置し、1−BETボタン34と2−BETボタン35と3−BETボタン37と5−BETボタン38と10−BETボタン39とを左側領域の中段に配置し、プレイ2LINESボタン40とプレイ10LINESボタン41とプレイ20LINESボタン42とプレイ40LINESボタン43とMAX LINESボタン44とを左側領域の下段に配置した態様で備えている。
【0152】
さらに、コントロールパネル30は、コインエントリー21およびビルエントリー22を向かって右側領域の上段に配置し、ギャンブルボタン45とスタートボタン46とを右側領域の下段に配置した態様で備えている。
【0153】
上記のリザーブボタン31は、席を離れたりする際や遊技施設の係員に両替を要求する際に用いられる操作ボタンである。コレクトボタン32は、各種ゲームにおいて取得したクレジットに関するクレジットデータをPTS端末700に挿入されたICカード500に記憶されたクレジットデータに加算する、所謂精算ボタンである。ゲームルールボタン33は、ゲームの操作方法等が不明な場合に押圧されるボタンであり、ゲームルールボタン33が押圧されると、後述する上側画像表示パネル131や下側画像表示パネル141に各種のヘルプ情報が表示される。
【0154】
1−BETボタン34は、1回押圧する毎に、各有効ペイラインLに対して、プレーヤの現在所有するクレジットが1ずつBETされるボタンである。2−BETボタン35は、各有効ペイラインLに対して、2BETでゲームを開始するためのボタンである。また、3−BETボタン37は、各有効ペイラインLに対して、3BETでゲームを開始するためのボタンである。また、5−BETボタン38は、各有効ペイラインLに対して、5BETでゲームを開始するためのボタンである。また、10−BETボタン39は、各有効ペイラインLに対して、10BETでゲームを開始するためのボタンである。従って、1−BETボタン34、2−BETボタン35、3−BETボタン37、5−BETボタン38、10−BETボタン39の押圧により、有効ペイラインLの1ライン毎にBETされるBET数が決定する。
【0155】
プレイ2LINESボタン40は、押圧により、ペイラインLを有効化するボタンである。これにより、有効化されたペイラインLの本数が「2」となる。プレイ10LINESボタン41は、押圧により、ペイラインLを有効化するボタンである。これにより、有効化されたペイラインの本数が「10」となる。プレイ20LINESボタン42は、押圧により、ペイラインLを有効化するボタンである。これにより、有効化されたペイラインLの本数が「20」となる。プレイ40LINESボタン43は、押圧により、ペイラインLを有効化するボタンである。これにより、有効化されたペイラインLの本数が「40」となる。更に、MAX LINESボタン44は、押圧により、ペイラインLを有効化するボタンである。これにより、有効化されたペイラインLの本数が最大の「50」となる。
【0156】
ギャンブルボタン45は、ボーナスゲームが終了した後などにギャンブルゲームに移行させたりする際に用いられる操作ボタンである。ここで、ギャンブルゲームとは、獲得したクレジットを使用して行われるゲームである。
【0157】
スタートボタン46は、シンボル501のスクロールを開始する際に用いられるボタンである。また、このスタートボタン46は、ボーナスゲームを開始させたり、ボーナスゲームで獲得した配当をクレジットに加算したりするためのボタンとしても機能する。コインエントリー21は、コインをキャビネット11内に受け入れるものである。ビルエントリー22は、紙幣の適否を識別すると共に正規の紙幣をキャビネット11内に受け入れるものである。
【0158】
図8に示すように、メインドア13の下部前面、即ち、コントロールパネル30の下方には、コインを受け入れるためのコイン受入口18と、スロットマシン10のキャラクタなどが描かれたベリーガラス132と、が設けられている。
【0159】
トップボックス12の前面には、上側画像表示パネル131が設けられている。上側画像表示パネル131は、液晶パネルからなり、ディスプレイを構成する。上側画像表示パネル131は、演出にかかる画像や、遊技の内容の紹介やルールの説明を示す画像が表示される。また、トップボックス12には、スピーカ112およびランプ111が設けられている。スロットマシン10では、画像の表示、音の出力および光の出力によって演出が実行される。
【0160】
上側画像表示パネル131の下方には、データ表示器174と、キーパッド173と、が設けられている。データ表示器174は、蛍光ディスプレイやLEDなどからなり、例えば、PTS端末700から挿入されたICカード500から読み取った会員データや、プレーヤによってキーパッド173を介して入力されたデータを表示するものである。キーパッド173は、データを入力するためのものである。
【0161】
(PTS端末の機械構成)
また、下側画像表示パネル141とコントロールパネル30との間には、PTS端末700が取り付けられている。PTS端末700は、図10に示すように、LCD719を備えている。LCD719は、PTS端末700の中央部に配置されている。LCD719は、例えば、ゲームを演出する演出画像を表示する。
【0162】
PTS端末700の上部には、人体検出カメラ712・713と、マイク704・705と、バスレフ型(バス・レフレックス型)のスピーカ707・708とが配置されている。
【0163】
人体検出カメラ712・713は、カメラ機能によって、プレーヤの有無を検出し、後述するユニットコントローラ730に信号を出力する。マイク704・705は、プレーヤが音声によってゲームに参加したり、音声認識によるプレーヤの認証をしたりするのに使用される。スピーカ707・708は、音声によるゲームの演出をし、また、ICカード500の抜き忘れによる報知音を出力する。さらに、スピーカ707・708は、挿入されたICカード500の認証が失敗した場合においても、報知音を出力する。尚、スピーカ707・708は、LCD719の裏側からダクトで音を前方(プレーヤ側)にステレオで聞こえるように設置されているため、省スペースで設置することができる。
【0164】
また、PTS端末700には、LED709とカード挿入口706とが設けられている。LED709は、複数色に点灯することによって、後述するカードスタッカー714に溜まったICカード500の残数を報知する。具体的には、LED709は、ICカード500の残数が5枚以下の場合、黄色に点灯し、6〜24枚の場合、青色に点灯し、25枚以上の場合、緑色に点灯する。尚、ICカード500の残数が0枚、若しくは30枚の場合、LED709は、灰色に点灯すると共に、実行中のゲームが停止されるようになっている。これにより、例えば、LED709が黄色に点灯していた場合、カジノホールのスタッフがICカード500の残数が少ないことを即座に判断して、ICカード500を補充することができる。一方、例えば、LED709が緑色に点灯していた場合、カジノホールのスタッフがICカード500の残数がいっぱいであることを即座に判断して、ICカード500を抜き取ることができる。尚、ICカード500を補充する場合は、それぞれのスタッフのみが所有するICカード500をカード挿入口706から挿入することで補充できる。一方、ICカード500を抜き取る場合は、カード挿入口706から補充カードと呼ばれるカードを1枚挿入することにより、補充カードと共に、10枚のICカード500が排出されるようになっている。このように、スタッフが管理サーバ上で各スロットマシン10のICカード500の残数を確認したり、実際にスロットマシン10のメインドア13を開けて確認したりする必要がないため、セキュリティの向上に繋がる。
【0165】
カード挿入口706は、ICカード500を挿入若しくは取り出せる機構を有する。ICカード500は、表示部510が上方で、且つ、カード挿入口706とは反対に向くように挿入される。また、ICカード500は、プレーヤがゲーム中においては、完全に内部に入っているが、精算時には表示部510が露出するように、排出される。これにより、プレーヤは、更新された現金データなどのクレジット関連データを確認することができる。さらに、ICカード500は、プレーヤがゲーム中においても完全に内部に入らずに、表示部510が露出するように保持されていてもよい。これにより、プレーヤは、ゲーム中においてクレジットが更新される様を常に確認することができる。尚、クレジットの精算時において、人体検出カメラ712・713を用いてプレーヤがいないことが検出された場合、ICカード500は内部に引き込まれて、カードスタッカー714に保管されるようになっている。これにより、例えば、残りクレジットが少ないことを表示部514で確認したプレーヤが、わざとICカード500を残して席を立った場合でも、ICカード500が長時間挿入されたままになることがない。尚、本実施形態の場合、カードスタッカー714は、30枚まで保管することができるようになっている。
【0166】
上述したように、本実施形態のPTS端末700は、マイク機能、カメラ機能、スピーカ機能、表示機能、などを有する各種装置が、一体となって一つのユニットを形成しているため、省スペース化を実現している。これにより、例えば、それぞれの機能が単品で設置されることによって、LCDをプレーヤの方に向けると、スピーカがプレーヤの方に向けて設置できないなどの不都合を生じることがない。
【0167】
(スロットマシンの電気構成)
【0168】
次に、図11を参照して、スロットマシン10が備える回路の構成について説明する。
【0169】
ゲーミングボード50は、内部バスによって互いに接続されたCPU51、ROM52およびブートROM53と、メモリカード54に対応したカードスロット55と、GAL(Generic Array Logic)56に対応したICソケット57と、を備えている。
【0170】
メモリカード54は、不揮発性メモリからなり、ゲームプログラムおよびゲームシステムプログラムを記憶している。ゲームプログラムには、遊技進行に係るプログラム、画像や音による演出を実行するためのプログラムが含まれている。また、上記ゲームプログラムには、シンボル決定プログラムが含まれている。シンボル決定プログラムは、表示ブロック28に再配置されるシンボルを決定するためのプログラムである。
【0171】
また、ゲームプログラムには、表示ブロックの各シンボル列の各シンボルと、コードNo.と、乱数値との対応関係を示す通常ゲーム用シンボルテーブル(図14参照)を示す通常ゲーム用シンボルテーブルデータ、表示ブロックの各シンボル列の各シンボルと、コードNo.と、乱数値との対応関係を示すボーナスゲーム用シンボルテーブル(図15参照)を示すボーナスゲーム用シンボルテーブルデータ、シンボル列決定テーブル(図16参照)を示すシンボルNo.決定テーブルデータ、コードNo.決定テーブル(図17参照)を示すコードNo.決定テーブルデータ、ワイルドシンボル増加数決定テーブル(図18参照)を示すワイルドシンボル増加数決定テーブルデータ、トリガーシンボル増加数決定テーブル(図19参照)を示すトリガーシンボル増加数決定テーブルデータ、ペイラインL上に再配置されたシンボルの種類および個数と、配当量との対応関係(図20参照)を示すオッズデータ、などが含まれている。
【0172】
また、カードスロット55は、メモリカード54を挿抜可能なように構成されており、IDEバスによってマザーボード70に接続されている。従って、カードスロット53Sからメモリカード54を抜き取り、メモリカード54に別のゲームプログラムを書き込み、そのメモリカード54をカードスロット53Sに差し込むことにより、スロットマシン10で行われるゲームの種類や内容を変更することができる。
【0173】
GAL56は、OR固定型アレイ構造を有するPLD(Programmable Logic Device)の一種である。GAL56は、複数の入力ポートと出力ポートとを備えており、入力ポートに所定の入力があると、対応するデータを出力ポートから出力する。
【0174】
また、ICソケット57は、GAL56を着脱可能なように構成されており、PCIバスによってマザーボード70に接続されている。メモリカード54を別のプログラムが書き込まれたものに差し替えるか、または、メモリカード54に書き込まれたプログラムを別のものに書き換えることによって、スロットマシン10で行われる遊技の内容を変更することができる。
【0175】
内部バスによって互いに接続されたCPU51、ROM52およびブートROM53は、PCIバスによってマザーボード70に接続されている。PCIバスは、マザーボード70とゲーミングボード50との間の信号伝達を行うと共に、マザーボード70からゲーミングボード50への電力供給を行う。
【0176】
ROM52には、認証プログラムが記憶される。ブートROM53には、予備認証プログラムおよびCPU51が予備認証プログラムを起動するためのプログラム(ブートコード)等が記憶されている。
【0177】
認証プログラムは、ゲームプログラムおよびゲームシステムプログラムを認証するためのプログラム(改竄チェックプログラム)である。予備認証プログラムは、上記認証プログラムを認証するためのプログラムである。認証プログラムおよび予備認証プログラムは、対象となるプログラムが改竄されていないことの認証を行う手順(認証手順)に沿って記述されている。
【0178】
マザーボード70は、市販の汎用マザーボード(パーソナルコンピュータの基本部品を実装したプリント配線板)を用いて構成され、メインCPU71と、ROM(Read Only Memory)72と、RAM(Random Access Memory)73と、通信インターフェイス82と、を備えている。尚、マザーボード70は、本実施形態におけるゲームコントローラ100に相当する。
【0179】
ROM72は、フラッシュメモリ等のメモリデバイスからなり、メインCPU71により実行されるBIOS(Basic Input/Output System)などのプログラムと恒久的なデータとが記憶されている。メインCPU71によってBIOSが実行されると、所定の周辺装置の初期化処理が行われる。また、ゲーミングボード50を介して、メモリカード54に記憶されているゲームプログラムおよびゲームシステムプログラムの取込処理が開始される。尚、本発明に置いて、ROM72は、内容の書き換えが可能なものであってもよく、不可能なものであってもよい。
【0180】
RAM73には、メインCPU71が動作する際に用いられるデータやシンボル決定プログラムなどのプログラムが記憶される。例えば、前述のゲームプログラムおよびゲームシステムプログラムや認証プログラムの取込処理を行った際、これらを記憶することができる。また、RAM73には、上記プログラムを実行する際の作業用の領域が設けられている。例えば、遊技回数、BET数、払出数、クレジット数などを管理するカウンタを記憶する領域や、抽籤により決定したシンボル(コードナンバー)を記憶する領域などが設けられている。
【0181】
通信インターフェイス82は、通信回線301を介して、サーバ等の外部制御装置621との通信を行うためのものである。また、マザーボード70には、後述するドアPCB(Printed Circuit Board)90および本体PCB110が、それぞれUSBによって接続されている。また、マザーボード70には、電源ユニット81が接続されている。さらに、マザーボード70には、PTS端末700がUSBによって接続されている。
【0182】
電源ユニット81からマザーボード70に電力が供給されると、マザーボード70のメインCPU71が起動すると共に、PCIバスを介してゲーミングボード50に電力が供給されてCPU51が起動される。
【0183】
ドアPCB90および本体PCB110には、スイッチやセンサなどの入力装置や、メインCPU71により動作が制御される周辺装置が接続されている。
【0184】
ドアPCB90には、コントロールパネル30、リバータ91、コインカウンタ92Cおよび冷陰極管93が接続されている。
【0185】
コントロールパネル30には、前述の各ボタンに対応して、リザーブスイッチ31Sと、コレクトスイッチ32Sと、ゲームルールスイッチ33Sと、1−BETスイッチ34Sと、2−BETスイッチ35Sと、3−BETスイッチ37Sと、5−BETスイッチ38Sと、10−BETスイッチ39Sと、プレイ2LINESスイッチ40Sと、プレイ10LINESスイッチ41Sと、プレイ20LINESスイッチ42Sと、プレイ40LINESスイッチ43Sと、MAX LINESスイッチ44Sと、ギャンブルスイッチ45Sと、スタートスイッチ46Sと、が設けられている。各スイッチは、対応するボタンがプレーヤによって押されたことを検出し、メインCPU71に対して信号を出力する。
【0186】
コインエントリー36の内部には、リバータ91およびコインカウンタ92Cが設けられている。そして、リバータ91によってコインエントリー36に投入されたコインの適否を識別し、正規のコイン以外のものは、コイン払出口から排出する。また、コインカウンタ92Cによって、受け入れられた正規のコインを検出し、その枚数をカウントする。
【0187】
リバータ91は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて動作するものであり、コインカウンタ92Cによって選別された適正なコインを、ホッパー113またはキャッシュボックス(図示せず)に振り分ける。ホッパー113がコインで満たされていない場合はホッパー113に、ホッパー113がコインで満たされている場合はキャッシュボックスに振り分けられる。
【0188】
冷陰極管93は、上側画像表示パネル131および下側画像表示パネル141の背面側に設置されるバックライトとして機能するものであり、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて点灯する。
【0189】
本体PCB110には、ランプ111、スピーカ112、ホッパー113、コイン検出部113S、タッチパネル69、ビルエントリー22、グラフィックボード130、キースイッチ173Sおよびデータ表示器174が接続されている。
【0190】
ランプ111は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて点灯する。スピーカ112は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいてBGM等の音を出力する。
【0191】
ホッパー113は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて動作し、指定された払出数のコインをコイン払出口から図示しないコイントレイに払い出す。コイン検出部113Sは、ホッパー113により払い出されるコンを検出し、メインCPU71に対して信号を出力する。
【0192】
タッチパネル69は、下側画像表示パネル141上でプレーヤの指などが触れた位置を検出し、その検出した位置に対応した信号をメインCPU71に対して出力する。
【0193】
ビルエントリー22は、紙幣の適否を識別するとともに正規の紙幣をキャビネット11内に受け入れるものである。そして、キャビネット11内に投入された紙幣はコイン枚数に換算され、換算されたコイン枚数に相当するクレジットがプレーヤの所有クレジットとして加算される。
【0194】
グラフィックボード130は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて、上側画像表示パネル131および下側画像表示パネル141のそれぞれにより行う画像の表示を制御する。グラフィックボード130は、画像データを生成するVDP(Video Display Processor)や、VDPによって生成される画像データを記憶するビデオRAMなどを備えている。尚、VDPによって画像データを生成する際に用いられる画像データは、メモリカード54から読み出されてRAM73に記憶されたゲームプログラム内に含まれている。
【0195】
また、グラフィックボード130は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて、画像データを生成するVDP(Video Display Processor)や、VDPによって生成される画像データを一時的に記憶するビデオRAMなどを備えている。尚、VDPによって画像データを生成する際に用いられる画像データは、メモリカード54から読み出されてRAM73に記憶されたゲームプログラム内に含まれている。
【0196】
キースイッチ173Sは、キーパッド173に設けられており、キーパッド173がプレーヤによって操作されたとき、所定の信号をメインCPU71へ出力する。
【0197】
データ表示器174は、メインCPU71から出力される制御信号に基づいて、カードリーダ172が読み取ったデータや、プレーヤによってキーパッド173を介して入力されたデータを表示する。
(PTS端末の電気構成)
【0198】
次に、図12を参照して、PTS端末700が備える回路の構成について説明する。
【0199】
PTS端末700を制御するPTSコントローラ720は、ユニットコントローラ730を中心として各種機能部が接続されており、CPU731と、通信部734と、ROM733と、RAM732と、を有する。
【0200】
CPU731は、後述するROM733に格納された各種プログラムを実行したり、演算したりする。特に、CPU731は、クレジット更新プログラムを実行して、ゲームコントローラ100から取得したクレジットデータを現金データに換算し、管理サーバ800内の端数現金データと合算して、ICカード500に送信する。
【0201】
また、CPU731は、人体検出作動プログラムを実行して、ゲームコントローラ100から取得したクレジットデータに基づくクレジット数が”0”でなかった場合、人体検出カメラ712・713を用いてカードスタッカー714へICカード500を取り込むか否かを判定する。
【0202】
また、CPU731は、認証プログラムを実行して、ICカード500内の識別コードと管理サーバ800内の識別コードとを照合する。
【0203】
また、CPU731は、音声制御プログラムを実行して、認証結果に基づき、後述する音声制御回路部724を制御する。ここでの音声制御とは、認証失敗の場合、CPU731が、後述する音声制御回路部724を制御して、スピーカ707・708から認証失敗の報知をする制御のことである。通信部734は、ゲームコントローラ100との通信を可能にしている。
【0204】
また、CPU731は、デバイスプログラムを実行して、LCD719、マイク704・705、スピーカ707・708を作動制御する。さらに、CPU731は、LED制御プログラムを実行して、ICカード500の残り枚数によって、LED718を点灯制御する。
【0205】
ROM733は、フラッシュメモリなどのメモリデバイスからなり、CPU731により実行される恒久的なデータが記憶されている。例えば、ROM733には、ゲームコントローラ100からの指令によって、ICカード500に記憶されたクレジットデータを書き換えるクレジット更新プログラムと、人体検出作動プログラムと、認証プログラムと、音声制御プログラムと、デバイスプログラムと、LED制御プログラムと、を有する。
【0206】
RAM732には、ROM733に記憶された各種プログラムを実行する際に必要なデータを一時的に記憶する。例えば、RAM732は、ゲームコントローラ100からの信号に基づいて、更新するクレジットデータを記憶する。また、RAM732は、人体検出カメラ712・713によってプレーヤを検出した時刻とその時点からカウントする時間とを記憶する。
【0207】
また、ユニットコントローラ730には、人体検出カメラ制御部722と、LCD駆動部723と、音声制御回路部724と、残カード認識入力部727と、カード吸入排出駆動部726と、カード検出入力部725と、LED駆動部728と、変復調部721と、に接続されている。
【0208】
人体検出カメラ制御部722は、ユニットコントローラ730からの指令に基づき、人体検出カメラ712・713を作動制御する。
【0209】
LCD駆動部723は、ユニットコントローラ730からの指令に基づき、LCD719を作動制御する。
【0210】
音声制御回路部724は、ユニットコントローラ730からの指令に基づき、マイク704・705およびスピーカ707・708を作動制御する。
【0211】
残カード認識入力部727は、残カード認識センサ717によるカードスタッカー714に溜まったICカード500の残数を判定する信号をユニットコントローラ730に入力する。ここで、残カード認識センサ717は、例えば、図示しない赤外線検出機構などを用いて、カードスタッカー714に溜まったICカード500の残数を判定する機能を有する。
【0212】
カード吸入排出駆動部726は、ユニットコントローラ730からの指令に基づき、カード吸入排出機構716を駆動制御する。ここで、カード吸入排出機構716は、ICカード500を内部に取り込む機構、および外部に排出する機構、を有する。
【0213】
カード検出入力部725は、カード検出センサ715からの信号をユニットコントローラ730に入力する。ここで、カード検出センサ715は、挿入されたICカード500から現金データや識別コードなどの各種データを取得する。
【0214】
LED駆動部728は、ユニットコントローラ730からの指令に基づき、LED718を点灯させるために駆動制御する。
【0215】
変復調部721は、アンテナ701からの高周波信号をユニットコントローラ730が制御できる信号に変換する一方、アンテナ701を介してユニットコントローラ730からの信号をICカード500に送信できる信号に変換する。
【0216】
尚、前述のユニットコントローラ730と、カード吸入排出駆動部726と、カード検出入力部725と、変復調部721と、を併せて、カードユニット制御コントローラとも呼称する。
(ICカードの電気構成)
【0217】
次に、図12および図13を参照して、ICカード500が備える回路の構成について説明する。
【0218】
図12に示すように、ICカード500は、アンテナ507と、電源制御回路504と、変復調回路508と、表示書き込みIC505と、表示ドライバ506と、表示部510と、を有する。
【0219】
アンテナ507は、PTS端末700が有するアンテナ701を介して各種信号を送受信する。
【0220】
電源制御回路504は、第2昇圧回路531と第3昇圧回路532を有している。第2昇圧回路531は、アンテナ507からの信号を、後述する変復調回路508が処理できる電圧まで昇圧する。第3昇圧回路532は、電源からの電圧を、後述する表示ドライバ506を駆動する電圧まで昇圧する。
【0221】
変復調回路508は、発信器521と検波回路522とを有している。発信器521は、ある特定周波数の信号を出力し、アンテナ507から受信した信号とミキシングすることによって、後述する表示書き込みIC505が処理できる信号に変換する。検波回路522は、アンテナ507から受信した信号を検波する。
【0222】
表示書き込みIC505は、CPU553と、クレジットデータメモリ552と、表示コントローラ551と、を有する。
【0223】
CPU553は、現金データ書き換え更新プログラムを実行して、PTS端末700から取得した現金データに基づき、クレジットデータメモリ552に記憶された現金データを書き換え更新する。
【0224】
また、CPU553は、表示コントローラ551を制御して、クレジットデータメモリ552に記憶された現金データを表示用のデータとして使用させ、後述する表示ドライバ506を介して表示部510に表示させる。
【0225】
クレジットデータメモリ552は、前述の現金データ書き換え更新プログラム、現金データ、識別コード、表示用の現金データ、などのクレジット関連データと、を記憶する。尚、クレジットデータメモリ552が記憶するクレジット関連データは、演算用にも表示用にも使用される。
【0226】
表示コントローラ551は、CPU553制御信号に基づき、クレジットデータメモリ552に記憶された表示用のクレジットデータを取得して、表示ドライバ506を介して表示部510に表示させる。
【0227】
ICカード500は、通信IC509を有する。通信IC509は、第1昇圧回路543と、発信器546と、検波回路545と、送信制御部544と、CPU542と、認証用メモリ541と、を有する。第1昇圧回路543は、PTS端末700から取得した端末側の認証データを後述するCPU542が処理できる電圧まで昇圧する。
【0228】
発信器546は、ある特定周波数の信号を出力し、アンテナ507から受信した信号とミキシングすることによって、CPU542が処理できる信号に変換する。検波回路522は、アンテナ507から受信した信号を検波する。
【0229】
CPU542は、認証ルーチンプログラムを実行して、PTS端末700からの認証要求があった際、後述する認証用メモリ541に記憶された識別コードをPTS端末700に送信する。認証用メモリ541は、CPU542が使用する認証ルーチンプログラムと、識別コードと、を記憶する。
(シンボル、コンビネーションなど)
【0230】
上記スロットマシン10の擬似リール151〜155に表示されるシンボル501は、複数のシンボル501によりシンボル列を形成している。各シンボル列を構成するシンボル501には、図14に示すように、0〜19以上の何れかのコード番号が付与される。各シンボル列は、『WILD』、『FEATURE』、『A』、『Q』、『J』、『K』、『BAT』、『HAMMER』、『SWORD』、『RHINOCEROS』、『BUFFALO』、および『DEER』のシンボル501が組み合わされて構成されている。
【0231】
シンボル列の内の3個の連続したシンボル501は、図8に示すように、各擬似リール151〜155の表示領域の最上段、上段、下段、最下段のそれぞれに表示(配置)されることによって、表示窓150において5列4行のシンボルマトリクスを構成している。シンボルマトリクスを構成するシンボル501は、少なくともスタートボタン46が押圧されてゲームが開始されると、スクロールを開始する。スクロールが開始されてから所定時間が経過すると、各シンボル501のスクロールが停止する(再配置)。
【0232】
また、各シンボル501について、各種のウィニングコンビネーションが予め定められている。尚、ウィニングコンビネーションは、賞を成立させることを意味する。ウィニングコンビネーションは、ペイラインL上で停止したシンボル501のコンビネーションがプレーヤにとって有利な状態になるコンビネーションのことである。有利な状態とは、ウィニングコンビネーションに応じたコインが払い出される状態、コインの払出数がクレジットに加算される状態、ボーナスゲームが開始される状態などのことである。
【0233】
本実施形態におけるウィニングコンビネーションは、『WILD』、『FEATURE』、『A』、『Q』、『J』、『K』、『BAT』、『HAMMER』、『SWORD』、『RHINOCEROS』、『BUFFALO』、及び『DEER』のうち少なくとも1種類のシンボル501が、有効化されたペイラインL上に、所定数以上で再配置された場合をいう。また、所定種類のシンボル501がスキャッタシンボルとして設定されている場合には、ペイラインLの有効及び無効に拘らずに、所定数以上で再配置された場合にウィニングコンビネーションとなる。
【0234】
具体的には、ペイラインL上に『FEATURE』のトリガーシンボル503bがウィニングコンビネーションの態様で停止したときにボーナストリガーとなり、遊技状態が通常ゲームからボーナスゲームに移行すると共に、BET額に応じた払い出しが行われる。また、通常ゲームにおいて、ペイラインL上に『BAT』のシンボル501がウィニングコンビネーションの態様で停止した場合には、『BAT』の基本払い出し数にBET額を乗算した払い出し数のコイン(有価価値)の払い出しが行われる。
(通常ゲーム用シンボルテーブル)
【0235】
図14は、通常ゲームにおいて用いられる再配置の対象となるシンボル501を決定する際に用いられるテーブルである。通常ゲーム用シンボルテーブルは、各シンボル列における表示ブロック28の各シンボル501と、コードNo.とが対応付けられていると共に、0〜65535の範囲を20区分した数値値範囲が各コードNo.に対応付けられている。
【0236】
尚、区分の態様は、均等であってもよいし、不均等であってもよい。不均等の場合には、乱数値の範囲により当籤する確率をシンボル501の種類により調整することが可能になる。また、特定シンボル503のトリガーシンボル503bに対応する『FEATURE』やワイルドシンボル503aに対応する『WILD』に対応した範囲が、他種類のシンボル501よりも狭い範囲に設定されていてもよい。この場合には、ゲームの状況に応じて、価値のある種類のシンボル501を当籤し難くして、勝敗を容易に調整することができる。
【0237】
例えば、1列目において、ランダムに選ばれた乱数値が“10000”であれば、この乱数値を含む乱数範囲に対応付けられたコードNo.3の『J』が、1列目の擬似リール151において再配置の対象とされる。また、例えば、4列目において、ランダムに選ばれた乱数値が“40000”であれば、この乱数値を含む乱数範囲に対応付けられたコードNo.12の『FEATURE』が、4列目の擬似リール151において再配置の対象とされる。
(ボーナスゲーム用シンボルテーブル)
【0238】
図15は、ボーナスゲームにおいて用いられる再配置の対象となるシンボル501を決定する際に用いられるテーブルである。本ボーナスゲーム用シンボルテーブルは、通常ゲーム用シンボルテーブルと同様に、各シンボル列における表示ブロック28の各シンボル501と、コードNo.とが対応付けられていると共に、0〜65535の範囲を区分した数値範囲が各コードNo.に対応付けられている。尚、区分の態様は、通常ゲーム用シンボルテーブルと同一である。
【0239】
さらに、ボーナスゲーム用シンボルテーブルは、特定シンボル503が追加や置換されている。ここで、『置換』とは、新規のシンボルデータが既存のシンボルデータに上書きされることを意味する。追加や置換する個数やシンボル列は、ランダムに選ばれてもよいし、予め決められていてもよい。本実施形態においては、図18のワイルドシンボル増加数決定テーブル及び図19のトリガーシンボル増加数決定テーブルにより増加数がランダムに選ばれている。尚、シンボルデータが置換された場合、停止表示されたシンボル501に置き換わって、上書き(置換)されたシンボルデータの画像が表示されてもよい。
【0240】
例えば、図15のボーナスゲーム用シンボルテーブルにおいては、各シンボル列(L1)〜(L5)に対して、均等に10個のワイルドシンボル503aが追加された状態を示している。この場合には、全てのシンボル列(L1)〜(L5)においてワイルドシンボル503aがランダムに選ばれ易い状態となる。
(シンボル列決定テーブル)
【0241】
図16は、特定シンボル503が追加や置換される対象となるシンボル列(L1)〜(L5)を決定する際に用いられるシンボル列決定テーブルを示す図である。シンボル列決定テーブルは、シンボル列No.と乱数値との対応関係を示している。シンボル列No.1は、表示ブロック28の1列目を、シンボル列No.2は、表示ブロック28の2列目を、シンボル列No.3は、表示ブロック28の3列目を、シンボル列No.4は、表示ブロック28の4列目を、シンボル列No.5は、表示ブロック28の5列目を示す。
【0242】
本実施形態では、取得した乱数値とシンボル列決定テーブルとに基づいて、シンボル列毎の特定シンボル503の増加数や置換数を決定する場合について説明するが、これに限定されるものではなく、シンボル列毎に特定シンボル503の増加数や置換数を予め定めておいてもよい。また、特定シンボル503の種類に応じて、増加数や置換数を定めておいてもよい。
【0243】
(コードNo.決定テーブル)
図17は、コードNo.決定テーブルを示す図である。コードNo.決定テーブルは、コードNo.と乱数値との対応関係を示している。例えば、第1のシンボル列No.(1列目)用の乱数値が40567、63535、65323である場合には、コードNo.として、12と、末尾と、末尾とが決定される。
【0244】
本実施形態では、取得した乱数値とコードNo.決定テーブルとに基づいて、各シンボル列に増加される特定シンボルのコードNo.をシンボル列毎に決定する場合について説明したが、本発明では、増加される特定シンボル503のコードNo.をシンボル列毎に予め定めておいてもよい。
【0245】
(ワイルドシンボル増加数決定テーブル)
図18は、ワイルドシンボル増加数決定テーブルを示す図である。ワイルドシンボル増加数決定テーブルは、ワイルドシンボル増加数と乱数値との対応関係を示している。ワイルドシンボル増加数は、“10”、“30”、“50”、“70”、“90”の5種類の数値を有している。例えば、乱数値が17235である場合には、ワイルドシンボル増加数として、“30”が選択される。尚、ワイルドシンボル増加数は、1以上の増加数の数値を複数種類で有していればよい。また、増加数は、単位ゲーム毎などの所定のタイミングで変更可能にされていてもよい。
【0246】
(トリガーシンボル増加数決定テーブル)
図19は、トリガーシンボル増加数決定テーブルを示す図である。トリガーシンボル増加数決定テーブルは、トリガーシンボル増加数と乱数値との対応関係を示している。トリガーシンボル増加数は、“2”、“4”、“6”、“8”、“10”の5種類の数値に設定されている。例えば、乱数値が17235である場合には、トリガーシンボル増加数として、“4”が選択される。尚、トリガーシンボル増加数は、1以上の増加数の数値を複数種類で有していればよい。また、テーブル内の増加数は、単位ゲーム毎などの所定のタイミングで変更可能にされていてもよい。
【0247】
(配当テーブル)
図20は、ウィニングコンビネーションに基づいて付与される配当を管理する配当テーブルである。この配当テーブルは、マザーボード70のROM72に記憶されており、配当の情報(配当倍率)が、ウィニングコンビネーションの種類に対応付けられている。例えば、3個の『A』が再配置されたウィニングコンビネーションに対応する配当倍率は、4倍である。従って、この場合には、BET額に4が積算された配当がプレーヤに付与される。5個の『BUFFALO』が再配置されたウィニングコンビネーションに対応する配当倍率は100倍である。尚、本実施の形態では、通常ゲーム及びフリーゲームにおける配当倍率は同率に設定されるが、これに限定されるものではない。即ち、通常ゲーム及びフリーゲームにおける配当倍率が異なっていてもよい。
【0248】
以上の各テーブルのデータは、スロットマシン10のマザーボード70(ゲームコントローラ100)におけるROM72やRAM73に記憶されている。これにより、スロットマシン10は、外部制御装置621(センターコントローラ200)から分離されることにより単体とされた場合でも、ベースゲームを実行可能になっている。
【0249】
(ゲーム端末管理テーブル)
図21は、センターコントローラ200において各スロットマシン10のベースゲームの状態を管理するゲーム端末管理テーブルである。この管理テーブルは、ゲーム端末欄とゲーム種類欄とゲーム状態欄と累積ゲーム回数欄とを有している。ゲーム端末欄は、各スロットマシン10に設定された固有の機台番号を格納している。例えば、5台のスロットマシン10が接続されている場合には、“001”〜“005”の機台番号が格納される。
【0250】
ゲーム種類欄は、各スロットマシン10が実行中のベースゲームの種類を機台番号に対応付けて格納している。ベースゲームの種類は、“通常ゲーム”や“ボーナスゲーム”等である。例えば、“001”の機台番号を有したスロットマシン10においては、ゲーム種類欄が“通常ゲーム”であるため、通常ゲームの単位ゲームを繰り返していることになる。
【0251】
ゲーム状態欄は、各スロットマシン10が実行中のベースゲームの状態、即ち、単位ゲームのゲーム状態を機台番号に対応付けて格納している。ゲーム状態は、“実行”及び“停止”である。例えば、“002”の機台番号を有したスロットマシン10においては、ゲーム種類が“通常ゲーム”及びゲーム状態が“停止”であるため、通常ゲームの単位ゲームの勝敗がついて次の単位ゲームが開始されるまでの状態となっている。また、“004”の機台番号を有したスロットマシン10においては、ゲーム種類が“ボーナスゲーム”及びゲーム状態が“実行”であるため、ボーナスゲームの単位ゲームが実行中の状態となっている。
【0252】
累積ゲーム回数欄は、クラップスゲームが終了してスロットゲームが再開された時点を初期値とし、通常ゲームの単位ゲームのゲーム数の累積値を累積ゲーム回数として格納している。これらの各スロットマシン10における累積ゲーム回数は、全てのスロットマシン10における累積ゲーム回数がそれぞれ加算されることによって、共通ゲーム可能条件の判定値となる総累積ゲーム回数の算出に用いられる。
【0253】
(共通ゲーム管理テーブル)
図22は、センターコントローラ200において各スロットマシン10の共通ゲームの状態を管理する共通ゲーム管理テーブルである。この管理テーブルは、ゲーム端末欄と、ベット額Sn欄と、配当倍率An欄と、シューター欄と、累積ベット額Bn欄と、特別ベット額Cn欄と、基本ベット額Dn欄と、共通ゲームベット額Tn欄と、基本ベット総額F欄と、特別ベット総額G欄と、モードH欄と、イージーモード総額I欄と、プロモード総額J欄と、配当割合Kn(貢献度En)と、修正特別ベット額Lnと、合計ベット額Mn欄と、次回繰越額Nn欄とを有している。
【0254】
ゲーム端末欄は、ゲーム端末欄は、各スロットマシン10に設定された固有の機台番号を格納している。尚、本実施形態においては、“001”〜“005”の5台分の機台番号を格納している。ベット額Sn欄は、ベースゲームであるスロットゲームにおいてベットされたベット額を単位ゲーム毎に格納している。例えば、機台番号“001”のスロットマシン10においては、今回のスロットゲームにおいて“10.4”のベット額をベットしている。機台番号“004”のスロットマシン10においては、今回のスロットゲームにおいて“12.4”のベット額をベットしている。
【0255】
配当倍率An欄は、共通ゲームにおける配当倍率Anを格納している。本実施形態においては、“2倍”の配当倍率Anに設定されているため、共通ゲームに勝利すると、共通ゲームのベット額と同額の払出しが行われることになる。即ち、共通ゲームに勝利した場合は、共通ゲームに引き分けた場合と同様に、ベット額が維持された状態となる。
【0256】
シューター欄は、シューターに選定されたことを示す“1”と、シューターに選定されていないことを示す“0”とを格納する。本実施形態においては、機台番号“002”のスロットマシン10がシューターとして選定されている。
【0257】
累積ベット額Bn欄は、Bn=Σ(Sn−Cn−Dn)の計算式により算出された累積ベット額Bnを格納する。即ち、累積ベット額Bnは、ベースゲームのベット額から特別ベット額Cnと基本ベット額Dnとを減算したベット額を単位ベースゲーム毎に加算したベット額である。特別ベット額Cn欄は、Cn=Bn×3%の計算式により算出された特別ベット額Cnを格納する。尚、式中の“3%”は、例示であり、適宜変更することができる。特別ベット額Cnは、共通ゲームのシューターに選定されたスロットマシン10のベット額に加算される特別ベット総額Gの算出根拠として使用される。
【0258】
基本ベット額Dn欄は、Dn=Bn×7%の計算式により算出された基本ベット額Dnを格納する。尚、式中の“7%”は、例示であり、適宜変更することができる。基本ベット額Dnは、共通ゲームベット額Tn欄の共通ゲームベット額Tnとされる。共通ゲームベット額Tnは、共通ゲームの最初にベットされるベット額であり、共通ゲームの最低ベット額である。例えば、機台番号“002”のスロットマシン10においては、今回の共通ゲームにおいて“7.20”の共通ゲームベット額をベットしている。機台番号“004”のスロットマシン10においては、今回の共通ゲームにおいて“3.60”の共通ゲームベット額をベットしている。
【0259】
基本ベット総額F欄は、F=ΣDnの計算式により算出された基本ベット総額Fを格納する。基本ベット総額Fは、全スロットマシン10における基本ベット額Dnの総額であり、各スロットマシン10の配当割合Kn(貢献度En)を算出する際に用いられる。特別ベット総額G欄は、G=ΣCnの計算式により算出された特別ベット総額Gを格納する。特別ベット総額Gは、全スロットマシン10における特別ベット額Cnの総額であり、シューターに選定された特定のスロットマシン10に対して共通ゲームベット額Tnに加算される。
【0260】
モードH欄は、共通ゲームにおけるゲームモードの種別データを格納する。具体的には、 プロモードを示す“P”と、イージーモードを示す“E”との何れかを格納する。本実施形態においては、機台番号“001”、“002”のスロットマシン10がプロモードの共通ゲームでプレイしており、機台番号“003”、“004”、“005”のスロットマシン10がイージーモードの共通ゲームでプレイしている。
【0261】
イージーモード総額I欄は、I=G×(i/5)の計算式で算出されたイージーモード総額Iを格納する。ここで、“i/5”は、全スロットマシン10の台数(5台)に対するイージーモードのスロットマシン10の台数(i)の割合である。全スロットマシン10の台数が増減すれば、その増減に応じて“5”が変更される。本実施形態においては、イージーモード“E”が3台であるため、G×3/5の計算式によりイージーモード総額Iが算出されている。
【0262】
プロモード総額J欄は、I=G×(5−i)/5の計算式で算出されたプロモード総額Jを格納する。ここで、“(5−i)/5”は、全スロットマシン10の台数(5台)に対するプロモードのスロットマシン10の台数(5−i)の割合である。全スロットマシン10の台数が増減すれば、その増減に応じて“5”が変更される。本実施形態においては、イージーモード“E”が3台であるため、G×(5−3)/5の計算式によりプロモード総額Jが算出されている。
【0263】
配当割合Kn(貢献度En)は、Kn=Dn/Dmaxの計算式で算出された配当割合Knを格納する。ここで、“Dmax”は、同一種類のゲームモードの中で最大の基本ベット額Dnを意味する。例えば、機台番号“001”、“002”のスロットマシン10がプロモードの共通ゲームでプレイしており、機台番号“003”、“004”、“005”のスロットマシン10がイージーモードの共通ゲームでプレイしている。
【0264】
修正特別ベット額Ln欄は、Ln=(I又はJ)×Knの計算式で算出された修正特別ベット額Lnを格納する。修正特別ベット額Lnは、同一種類のゲームモードでゲームを行っているスロットマシン10間において、各モードの総額を貢献度(配当割合)を考慮して算出したベット額である。合計ベット額Mn欄は、Mn=Ln+Dnの計算式で算出された合計ベット額Mnを格納する。この合計ベット額Mnは、シューターとなった場合のベット額である。次回繰越額Nn欄は、各共通ゲームベット額Tnに繰り越される次回繰越額Nnを格納する。次回繰越額Nnは、同一種類のゲームモード内において、最大の共通ゲームベット額Tmaxから自己の共通ゲームベット額Tnを差し引いた額である。この次回繰越額Nnは、現在の共通ゲームが終了したときに、次回の共通ゲームにおける共通ゲームベット額Tnの初期値とされる。
【0265】
(ダイス目格納テーブル)
図23は、センターコントローラ200において勝敗がつくまで繰り返されるクラップスゲームのダイス目を格納するデータテーブルである。本テーブルは、累積ゲーム数欄とダイス目欄とを有している。累積ゲーム数欄は、勝敗が決定するまで繰り返されるクラップスゲームのゲーム回数を記憶するものであり、1回目は“1”、2回目は“2”のように、順番に繰り上げられながら格納される。一方、ダイス目欄は、各ゲーム回数においてランダムに決定されたダイス目を格納する。これにより、ダイス目格納テーブルは、各ゲーム回数において、どのようなダイス目で引き分けたかを確認することを可能していると共に、最終のゲームにおいて。どのようなダイス目で勝利または負けたかを確認することを可能にしている。
【0266】
(減算値決定テーブル)
図24は、センターコントローラ200において、スキップ後に引分となるクラップスゲームの実行数を決定するためのデータテーブルである。本テーブルは、減算値欄と乱数範囲欄とを有している。減算値欄は、“1”、“2”、“3”からなる3種類の減算値を格納している。“1”の減算値が選択された場合には、引分のクラップスゲームがスキップされた後に、1回の引分のクラップスゲームと、勝敗のついたクラップスゲームとが実行されることになる。“2”の減算値が選択された場合には、引分のクラップスゲームがスキップされた後に、2回の引分のクラップスゲームと、勝敗のついたクラップスゲームとが実行されることになる。尚、減算値は、3種類に限定されるものではなく、2種類以上であればよい。また、減算値は、連続した数値である必要もなく、例えば、“3”、“5”、“7”、“0”等であってもよい。
【0267】
乱数範囲欄は、減算値欄の各減算値に対応付けられている。“1”の減算値には、“0〜77”の乱数範囲が設定され、“2”の減算値には、“78〜205”の乱数範囲が設定され、“3”の減算値には、“206〜255”の乱数範囲が設定されている。これにより、減算値決定テーブルは、“0〜255”の乱数範囲でランダムに数値が選択されることによって、選択された数値を含む乱数範囲に対応する減算値が所定の確率で決定されることになる。
【0268】
(表示状態)
上記のスロットマシン10の動作過程におけるシンボル表示装置16の表示状態の一例を具体的に説明する。
【0269】
(スロットゲーム:通常ゲーム画面)
図25は、シンボル表示装置16における通常ゲームの表示画面である通常ゲーム画面の一例を示している。
【0270】
具体的に説明すると、通常ゲーム画面は、中央部に配置され、5列の擬似リール151〜155を有した表示窓150と、表示窓150を中心として左右対称に配置されたペイライン発生部65L・65Rとを有している。尚、図26の通常ゲーム画面においては、1列目〜3列目の擬似リール151・152・153が停止された状態である一方、4列目及び5列目の擬似リール154・155が回転中である。
【0271】
表示窓150の上方には、クレジット数表示部400と、端数現金表示部403と、BET数表示部401と、ワイルドシンボル数表示部415と、トリガーシンボル数表示部416と、ペイアウト表示部402と、が配置されている。これらの各部400・401・415・416・402は、プレーヤから見て左端から右端にかけて順に配置されている。
【0272】
クレジット数表示部400は、クレジット数を表示する。端数現金表示部403は、端数現金を表示する。BET数表示部401は、今回の単位ゲームにおけるBET額を表示する。ワイルドシンボル数表示部415は、今回の単位ゲームにおけるワイルドシンボル503aの個数を表示する。これにより、通常ゲームにおいては、5個のワイルドシンボル503aが存在することを、予めプレーヤに報知することができる。トリガーシンボル数表示部416は、今回の単位ゲームにおけるトリガーシンボル503bの個数を表示する。これにより、通常ゲームにおいては、5個のトリガーシンボル503bが存在することを、予めプレーヤに報知することができる。ペイアウト表示部402は、ウィニングコンビネーションとなったときのコインの払出数を表示する。
【0273】
一方、表示窓150の下方には、ヘルプボタン410と、ペイテーブルボタン411と、BET単位表示部412と、ストック表示部413と、フリーゲーム数表示部414と、が配置されている。これらの各部410・411・412・413・414は、プレーヤから見て左端から右端にかけて順に配置されている。
【0274】
ヘルプボタン410は、プレーヤの押圧操作によりヘルプモードを実行可能にしている。ヘルプモードは、プレーヤに対してゲームに関係する疑問を解消するための情報を提供するモードである。ペイテーブルボタン411は、プレーヤの押圧操作により配当内容を表示する配当表示モードを実行可能にしている。配当表示モードは、プレーヤに対してウィニングコンビネーションと配当倍率との関係を示す説明画面を表示するモードである。
【0275】
BET単位表示部412は、現時点におけるBET単位(支払い単位)を表示する。これにより、BET単位表示部412は、プレーヤに対して例えば1セント単位でゲームに参加できることを認識可能にしている。
【0276】
ストック表示部413は、ボーナスゲームの繰り越し数を表示する。ここで、『繰り越し数』とは、ボーナスゲームが終了したときに、引き続いてボーナスゲームを実行可能な残りの回数を意味する。即ち、ストック表示部413に『3』と表示されていれば、現在のボーナスゲームが終了した後に、3回連続してボーナスゲームを繰り返すことが可能になる。尚、通常ゲームにおいては、“0”が表示される。
【0277】
フリーゲーム数表示部414は、ボーナスゲームの繰り返し数と総数とを表示する。即ち、フリーゲーム数表示部414に『0 of 0』と表示されていれば、フリーゲームの総数が0回、即ち、ボーナスゲームでないことを示す。また、『5 of 8』と表示されていれば、フリーゲームの総数が8回のボーナスゲームにおいて、5回目のフリーゲームであることを示す。
【0278】
(通常ゲームにおけるボーナス当籤画面)
図26は、ボーナス当籤してから一定期間内の状態を示している。具体的には、3個のトリガーシンボル503bが再配置されることによって、ボーナス当籤した後の状態を示している。尚、トリガーシンボル503bは、ボーナス当籤に関係するシンボルであることを明確にプレーヤに認識させることができるように、『FEATURE』と判読可能な文字を有することが好ましい。
【0279】
本画面において、ボーナス当籤した旨をシンボル画像と『FEATURE IN』の文字画像とで報知するボーナス当籤画面420がポップアップ表示される。そして、ボーナス当籤画面420の表示と同時や直後に、フリーゲーム数表示部414の総数が“0”から“7”に切り替えられる。これにより、プレーヤは、ボーナス当籤し、7回のフリーゲームからなるボーナスゲームに移行されることを認識することが可能になる。
(スロットゲーム:ボーナスゲーム画面)
【0280】
図27は、シンボル表示装置16におけるボーナスゲームの表示画面であるボーナスゲーム画面の一例を示している。
【0281】
具体的に説明すると、フリーゲーム数表示部414においてフリーゲームの総数が表示されると共に、現在のゲーム数が表示される。例えば、7回のフリーゲームの内の1回目のフリーゲームが実行されていることが表示される。その他の動作は、通常ゲームと同じである。
(クラップスゲーム画面)
図28は、イージーモードのクラップスゲームにおける各過程の表示画面の一例を示している。
【0282】
最初のクラップスゲームが始まってから数ゲームが繰り返されるまでの初期過程においては、ロール操作のロール要求画面801と、ロール操作によるダイスの転がり状態をムービー表示するダイス動画画面802とがゲーム毎に表示される。この後、スキップ過程に突入すると、スキップ画面803が表示される。スキップ画面803は、引分のゲーム結果となるクラップスゲームを一括処理して短期間で終了させるスキップ処理中である旨を示すスキップ報知部803aと、スキップ処理したゲーム結果であるダイス目を一覧表示するダイス目表示部803bとを有している。このスキップ画面803は、数秒間等の処理時間表示される。
【0283】
次に、終了過程において、引分のクラップスゲームが数ゲーム実行される。このときの表示画面は、初期課程と同じロール要求画面801およびダイス動画画面802である。この後、勝利した最終のクラップスゲームが実行されると、勝利のダイス目を表示した勝利画面804が表示された後、勝利した旨と配当額とを示すを配当画面805が表示される。一方、負けた最終のクラップスゲームが実行されると、負けたダイス目を表示した負け画面806が表示された後、ゲーム結果画面807が表示される。
【0284】
(スロットマシン10の処理動作:通常ゲーム実行処理)
上記の構成において、スロットマシン10の動作について説明する。図29における通常ゲーム実行処理は、スロットマシン10のメインCPU71により実行される。尚、スロットマシン10は予め起動されている。
【0285】
図29に示すように、まず、メインCPU71は、クレジット要求処理を実行する(S10)。この処理では、ICカード500に記憶されたクレジットから幾つかのクレジットを使用するか否かの判断がプレーヤによりなされる。
【0286】
コインがBETされたか否かを判定する(S11)。この処理において、メインCPU71は、1−BETボタン34が操作された際に1−BETスイッチ34Sから出力される入力信号、または、10−BETボタン39が操作された際に10−BETスイッチ39Sから出力される入力信号を受信したか否かを判定する。コインがBETされていないと判定した場合、S10に処理を戻す。
【0287】
一方、S11において、コインがBETされたと判定した場合、メインCPU71は、BETされたコインの枚数に応じて、RAM73に記憶されたクレジット数を減算する処理を行う(S12)。尚、BETされるコインの枚数がRAM73に記憶されたクレジット数より多い場合には、RAM73に記憶されたクレジット数を減算する処理を行わずに、S11に処理を戻す。また、BETされるコインの枚数が、1回の遊技にBETすることが可能な上限値(本実施形態では500枚)を超える場合には、RAM73に記憶されたクレジット数を減算する処理を行わずに、S13に処理を進める。
【0288】
次に、メインCPU71は、スタートボタン46がONされたか否かを判定する(S13)。この処理に置いて、メインCPU71は、スタートボタン46が押圧された際にスタートスイッチ46Sから出力される入力信号を受信したか否かを判定する。スタートボタン46がONされていないと判定した場合、S11に処理を戻す。尚、スタートボタン46がONされなかった場合(例えば、スタートボタン46がONされずに遊技を終了する旨の指示が入力された場合)には、メインCPU71は、S12における減算結果をキャンセルする。
【0289】
一方、S13において、スタートボタン46がONされたと判定した場合、メインCPU71は、端末側ゲーム情報をセンターコントローラ200に送信した後(S14)、通常ゲーム用シンボル決定処理を実行する(S15)。通常ゲーム用シンボル決定処理では、シンボルの停止時におけるコードNo.を決定する。具体的には、乱数値を取得し、取得した乱数値と、図14の通常ゲーム用シンボルテーブルとに基づいて、表示ブロック28の各シンボル列の停止時におけるコードNo.を決定する。
【0290】
次に、S16において、メインCPU71は、スクロール表示制御処理を行う。この処理は、シンボル501のスクロールを開始した後、S15において決定されたシンボル501で再配置されるように、表示制御する処理である。
【0291】
次に、メインCPU71は、賞が成立したか否かを判定する(S17)。S17の処理において、メインCPU71は、S16により再配置されたシンボル501について、ペイラインL毎に、ペイラインL上に再配置された個数をシンボル501の種類毎にカウントする。そして、カウントされた個数が2以上であるか否かを判定する。
【0292】
賞が成立したと判定した場合、メインCPU71は、コインの払出に係る処理を行う(S18)。この処理において、メインCPU71は、RAM73に記憶されているオッズデータを参照し、ペイラインL上に再配置されたシンボル501の個数に基づいて、配当倍率を決定する。オッズデータは、ペイラインL上に再配置されたシンボル501の個数と、配当倍率との対応関係を示すデータである(図20参照)。尚、入賞が成立したペイラインL上に「WILD」が1個表示される毎に、配当は2倍となる。即ち、入賞が成立したペイラインL上に「WILD」が3個表示されている場合には、配当は、8倍となる。
【0293】
本実施形態では、少なくとも1種類のシンボル501が、ペイラインL上に、2個以上再配置された場合に、賞が成立したと判定する場合について説明するが、本発明では、ペイラインLを設けずに、表示ブロック28において再配置されるシンボル501のうち少なくとも1種類のシンボル501が、2個以上再配置された場合に、賞が成立したと判定することとしてもよい。
【0294】
S17において賞が成立していないと判定した場合、または、S17の処理を実行した後、メインCPU71は、トリガーシンボル503bが3個以上再配置されたか否かを判定する(S19)。この処理では、ペイラインLを考慮せず、表示ブロック28内にトリガーシンボル503bが3個以上再配置されたか否かを判定する。S19において、図26に示すように、トリガーシンボル503bが3個以上再配置されたと判定した場合、メインCPU71は、端末側ゲーム情報をセンターコントローラ200に送信した後(S20)、ボーナスゲーム実行処理を実行する(S21)。ボーナスゲーム実行処理では、ワイルドシンボル503aの数が増加したフリーゲームが実行される。ボーナスゲーム実行処理については、後で詳述する。
【0295】
S19において、トリガーシンボル503bが3個以上再配置されていないと判定した場合、または、S20の処理を実行した後、メインCPU71は、所定のレスキュー実行条件が成立していれば、プレーヤを救済するため、レスキュー処理を実行する(S22)。
【0296】
S22の処理を実行した後、メインCPU71は、全スロットマシン10において同時に共通ゲームを開始させるための情報としてゲーム終了情報を送信する(S23)。この後、図31の端末側共通ゲーム処理を実行する(S24)。そして、本サブルーチンを終了する。
【0297】
(スロットマシンの処理動作:ボーナスゲーム実行処理)
【0298】
続いて、図30を用いて、ボーナスゲーム実行処理について説明する。
【0299】
ボーナスゲームでは、プレーヤは、コインをBETすることなく遊技を行うことができる。先ず、メインCPU71は、RAM73のフリーゲーム回数記憶領域において、フリーゲームの残り回数Tを、T=F1(=特定回数=7)にセットする(S30)。
【0300】
また、メインCPU71は、シンボル表示装置16に、図26に示すように、ボーナス当籤画面420をポップアップ表示させる。
【0301】
次に、メインCPU71は、ワイルドシンボル増加数決定処理を実行する(S31)。具体的には、トリガーシンボル503bが3個以上再配置されると、先ず、乱数値が取得される。そして、この乱数値とワイルドシンボル増加数決定テーブルとに基づいて、ワイルドシンボル増加総数が決定される。この後、ワイルドシンボル数が段階的に増加、若しくは一括して増加される。
【0302】
また、メインCPU71は、ボーナスゲーム用シンボルテーブル更新処理を実行する(S32)。ボーナスゲーム用シンボルテーブル更新処理では、メインCPU71は、ワイルドシンボル増加数決定処理により決定されたワイルドシンボル503aの増加数に基づいて、ボーナスゲーム用シンボルテーブルを更新する。
【0303】
次に、ステップS33において、メインCPU71は、シンボル追加演出処理を実行する。
【0304】
次に、メインCPU71は、ボーナスゲーム用シンボル決定処理を実行する(S34)。ボーナスゲーム用シンボル決定処理では、メインCPU71は、RAM73に記憶されたシンボル決定プログラムを実行することにより、シンボル501の停止時におけるコードNo.を決定する。具体的には、乱数値を取得し、取得した欄数値と、ボーナスゲーム用シンボルテーブルとに基づいて、表示ブロック28の各シンボル列のシンボルの停止時におけるコードNo.を決定する。
【0305】
次に、S35において、メインCPU71は、スクロール表示制御処理を行う。この処理は、シンボルのスクロールを開始した後、S34において決定されたシンボル501で再配置されるように、表示制御する処理である。
【0306】
次に、メインCPU71は、賞が成立したか否かを判定する(S36)。本実施形態における賞の成立とは、上述したように、少なくとも1種類のシンボル501が、ペイラインL上に、2個以上再配置された場合をいう。ワイルドシンボル503aである「WILD」は、他のシンボル501に代用することが可能なシンボル501である。ボーナスゲームでは、ワイルドシンボル503aの数が通常ゲームに比べて増加しているため、通常ゲームよりも賞が成立しやすくなっている。
【0307】
S36の処理において、メインCPU71は、S35により再配置されたシンボル501について、ペイラインL毎に、ペイラインL上に再配置された個数をシンボル501の種類毎にカウントする。そして、カウントされた個数が2以上であるか否かを判定する。
【0308】
賞が成立したと判定した場合、メインCPU71は、コインの払出に係る処理を行う(S37)。
【0309】
S36の処理において賞が成立していないと判定した場合、または、S37の処理を実行した後、メインCPU71は、トリガーシンボル503bが3個以上再配置されたか否かを判定する(S38)。この処理では、ペイラインLを考慮せず、表示ブロック28内にトリガーシンボル503bが3個以上再配置されたか否かを判定する。
【0310】
ステップS38において、トリガーシンボル503bが3個以上再配置されたと判断した場合、メインCPU71は、RAM73のフリーゲーム回数記憶領域において、フリーゲームの残り回数Tを、T=T+F1(F1=第1特定回数=7)にセットする(S39)。
【0311】
ステップS38において、トリガーシンボル503bが3個以上再配置されていないと判断した場合、または、ステップS39の処理を実行した後、メインCPU71は、RAM73のフリーゲーム回数記憶領域において、フリーゲームの残り回数Tを、T=T−1にセットする(S40)。
【0312】
次に、メインCPU71は、RAM73のフリーゲーム回数記憶領域に記憶されている残り回数データに基づいて、T=0であるか否かを判定する(S41)。
【0313】
T=0ではないと判断した場合、メインCPU71は、処理をステップS34に戻す。一方、T=0であると判断した場合、メインCPU71は、本サブルーチンを終了する。
【0314】
(スロットマシン10の処理動作:端末側共通ゲーム処理)
上記の通常ゲーム実行処理やボーナスゲーム実行処理において、端末側ゲーム処理が実行されると、図31に示すように、先ず、センターコントローラ200からの共通ゲーム可能情報に基づいて、共通ゲーム可能状態であるか否かが判定される(S49)。共通ゲーム可能状態でなければ(S49,NO)、本ルーチンが終了され、通常ゲームやボーナスゲームの状態が継続される。
【0315】
一方、共通ゲーム可能状態である場合には(S49,YES)、ベースゲームのベット額の合計が最低ベット額未満等のため、ゲーム実行条件を満たさずにクラップスゲームへの参加資格を有しないスロットマシン10のプレーヤに対して、クラップスゲームに参加するか否かを問い合わせる実行条件成立処理が実行される(S50)。この後、クラップスゲームに参加しない旨を示す不参加信号を出力したか否かが判定され(S51)、この信号を出力した場合には(S51,YES)、今回のクラップスゲームに参加しないものとして端末側共通ゲーム処理が終了される。
【0316】
一方、元々、ゲーム実行条件を満たしていたり、ゲーム実行条件を満たしていなくても参加信号を出力した場合のように、不参加信号を出力していない場合には(S51,NO)、クラップスゲームへの参加資格を有した共通ゲーム可能状態であるため、プロモードとイージーモードとを選択するモード選択処理が実行される(S52)。この後、センターコントローラ200からの共通ゲーム開始情報に基づいて、共通ゲームを開始するか否かが判定される(S53)。共通ゲームを開始しない場合には(S53,NO)、S52が再実行されることによって、ロール画面を表示しながら待機状態となる。
【0317】
共通ゲームを開始する場合には(S53,YES)、続いて、端末側ベット処理が実行される(S54)。この後、センターコントローラ200からのシューター情報に基づいて、自己がシューターとして選定されたか否かが判定される(S55)。シュータとして選定されていない場合には(S55,NO)、続いて、センターコントローラ200からのロール開始情報に基づいて、ロールが実行されたか否かが判定される(S58)。ロールが実行されなければ(S58,NO)、S58の実行が繰り返されることにより待機状態とされる。ロールが実行された場合には(S58,YES)、ロール実行画像が表示される(S59)。
【0318】
一方、シュータとして選定された場合には(S55,YES)、シュータに選定されたことを報知するシューター選定画像が出現する(S56)。これにより、プレーヤは、シューター選定画像を目視することにより自己がシューターに選定されたことを認識する。そして、プレーヤがロール操作を行うと、ロール実行の処理が行われ、ロール開始情報がセンターコントローラ200に送信される(S57)。この後、シンボル表示装置16において、ダイス画像905が出現し、ダイス画像905の転がっている様子がムービー表示される(S59)。尚、ムービー表示は、クラップスゲームの勝敗が決定するまで継続される。
【0319】
次に、センターコントローラ200からの勝敗情報に基づいて、クラップスゲームに引き分けたか否かが判定される(S60)。引き分けた場合には(S60,YES)、引分処理が実行される(S61)。この後、クラップスゲームがイージーモードであるか否かが判定され(S65)、イージーモードでない場合には(S65,NO)、S54が再実行される。一方、イージーモードである場合には(S65,YES)、イージーモードが3回連続で繰り返されたじか否かが判定される(S66)。3回連続でない場合には(S66,NO)、S54が再実行される。一方、3回連続である場合には(S66,YES)、端末側スキップ処理が実行される(S67)。
【0320】
S67が実行されたり、或いはクラップスゲームに引き分けていない場合には(S60,NO)、クラップスゲームに勝利したか否かが判定される(S62)。勝利していない場合には(S62,NO)、クラップスゲームに負けたと判定され、クラップスゲームに移行する直前の通常ゲームやボーナスゲームのスロットゲーム画面に復帰された後(S64)、本ルーチンが終了される。一方、勝利した場合には(S62,YES)、センターコントローラ200からの払出情報に基づいて払出処理が行われる。例えば、共通ゲームにおける基本ベット額に2倍等の所定の倍率が乗算された額を払い出す払出処理が行われる。さらに、シューターである場合には、特別ベット額に相当する額が払い出される(S63)。この後、S52が再実行される。
【0321】
(スロットマシン10の処理動作:実行条件成立処理)
端末側共通ゲーム処理のS50において、実行条件成立処理が実行されると、図32に示すように、センターコントローラ200から自己宛に共通ゲーム参加の問合せがあったか否かが判定される(S501)。問合せが無かった場合には(S501,YES)、ゲーム実行条件を満たすことによりクラップスゲームへの参加資格があるとして本ルーチンが終了される。
【0322】
一方、共通ゲーム参加の問合せがあった場合には(S501,YES)、参加問合せ画面が表示され、プレーヤに対してクラップスゲームに参加するか否かが質問されると共に、参加方法や不参加方法等の説明が行われる。尚、参加方法としては、表示画面に参加ボタンと参加額とを表示しておき、プレーヤに参加ボタンを押圧させた後、ベースゲームのベット額の合計と最低ベット額との差額等の参加額を一定時間内に払い払い込ませる方法が挙げられる。また、不参加方法としては、表示画面に不参加ボタンを表示しておき、プレーヤに不参加ボタンを押圧させる方法が挙げられる(S502)。
【0323】
この後、上記の参加方法および不参加方法等により参加するか否かが判定される(S503)。参加する場合には(S503,YES)、参加信号がセンターコントローラ200に出力された後(S505)、本ルーチンが終了される。一方、参加しない場合には(S503,NO)、不参加信号がセンターコントローラ200に出力された後(S504)、本ルーチンが終了される。
【0324】
(スロットマシン10の処理動作:モード選択処理)
端末側共通ゲーム処理のS52において、モード選択処理が実行されると、図33に示すように、ゲーム初期画面が表示される(S521)。一定時間の後に、ゲーム説明画面が表示された後(S522)、モード選択画面が表示される(S523)。
【0325】
次に、モード選択が行われたか否かが判定される(S524)。モード選択が行われていない場合には(S524,NO)、所定時間が経過したか否かが判定される(S525)。所定時間が経過していない場合には(S525,NO)、S524が再実行される。一方、所定時間が経過した場合には(S525,YES)、自動的にイージーモードが選択され、このイージーモードの選択を示すイージモード選択情報が送信された後(S527)、本ルーチンが終了される。
【0326】
一方、所定時間内にモード選択が行われた場合には(S524,YES)、続いて、選択されたモードがイージーモードであるか否かが判定される(S526)。イージーモードである場合には(S526,YES)、イージーモードの選択を示すイージモード選択情報が送信された後(S527)、本ルーチンが終了される。一方、イージーモードでない場合には(S526,NO)、プロモードの選択を示すプロモード選択情報が送信された後(S528)、本ルーチンが終了される。
【0327】
(スロットマシン10の処理動作:端末側ベット処理)
端末側共通ゲーム処理のS54において、端末側ベット処理が実行されると、図34に示すように、イージーモードが選択されたか否かが判定される(S541)。イージーモードが選択された場合には(S541,YES)、初心者においても簡単にベット操作を行うことが可能なイージー用ベット画面が表示される(S543)。尚、イージー用ベット画面は、自動のベット操作だけを許可するものであってもよいし、一定時間が経過すると、手動ベット操作から自動ベット操作に切り替わるものであってもよい。この後、イージー用ベット画面における自動や手動によるベット操作のベット情報が送信された後(S547)、本ルーチンが終了される。
【0328】
一方、イージーモードが選択されなかった場合には(S541,NO)、ゲームに詳しい熟練者にとって好適なプロ用ベット画面が表示される(S542)。この後、手動ベットの受け付けが行われ(S544)、所定時間が経過したか否かがが判定される(S545)。所定時間が経過しない場合には(S545,NO)、S544が再実行される。所定時間が経過した場合には(S545,YES)、手動ベット終了画面が表示される(S546)。この際、手動ベットが行われていれば、その手動ベットのベット額が維持される。一方、手動のベット操作が行われていなければ、自動ベットが行われる。この後、プロ用ベット画面における自動や手動によるベット操作のベット情報が送信された後(S547)、本ルーチンが終了される。
【0329】
(スロットマシン10の処理動作:引分処理)
端末側共通ゲーム処理のS61において、引分処理が実行されると、図35に示すように、イージーモードが選択されていたか否かが判定される(S611)。イージーモードが選択されていた場合には(S611,YES)、イージー用引分画面が表示された後(S612)、本ルーチンが終了される。
【0330】
一方、イージーモードが選択されていなかった場合には(S611,NO)、プロモードが選択されていたと判定され、プロ用引分画面が表示される(S613)。この後、手動ベットの受け付けが行われ(S614)、所定時間が経過したか否かが判定される(S615)。所定時間が経過しない場合には(S615,NO)、S614が再実行される。そして、所定時間が経過すると(S615,YES)、手動ベット終了画面が表示された後(S616)、本ルーチンが終了される。
【0331】
(スロットマシン10の処理動作:端末側スキップ処理)
端末側共通ゲーム処理のS67において、端末側スキップ処理が実行されると、図36に示すように、センターコントローラ200においてセンター側スキップ処理を実行させるように、スキップ開始信号が出力される(S671)。そして、センターコントローラ200からスキップ情報やロール情報を得るため、情報要求信号が出力される(S672)。
【0332】
次に、スキップ情報が入力されたか否かが判定される(S673)。スキップ情報が入力された場合には(S673,YES)、スキップ画面が表示および更新される(S674)。この後、自己がシューターであるか否かが判定される(S675)。シューターである場合には(S675,YES)、ロール許可の報知がなされた後(S676)、ロール実行の処理が行われる(S677)。そして、S679が実行される。一方、シューターでない場合には(S675,NO)、ロール実行が行われたか否かが判定され(S678)、ロール実行が行われるまで(S678,NO)、待機状態とされる。ロール実行が行われると(S678,YES)、S679が実行される。
【0333】
S679においては、ロール情報に基づいたロール実行画像が表示される(S679)。そして、情報要求信号が出力され(S680)、ロール情報が入力されたか否かが判定される(S681)。ロール情報が入力された場合には(S681,YES)、S675が再実行される。一方、ロール情報が入力されない場合には(S682)、最新のロール情報が勝敗情報に転用された後(S682)、本ルーチンが終了される。
【0334】
(センターコントローラ200の処理動作:センター側共通ゲーム処理)
図37に示すように、センターコントローラ200は、各スロットマシン10との間でデータ通信を行いながら、センター側共通ゲーム処理を実行している。具体的には、先ず、各スロットマシン10からの端末側ゲーム情報を受信したか否かが判定される(S71)。端末側ゲーム情報を受信していない場合には(S71,NO)、本ルーチンが終了される。一方、端末側ゲーム情報を受信した場合には(S71,YES)、端末側ゲーム情報に含まれているゲーム種類やゲーム数、機台番号、ベット額等の各種の情報が取り出され、図21のゲーム端末管理テーブルが更新される(S72)。
【0335】
この後、ベット更新処理が実行され、ベースゲームのベット額Sn毎にベット額の一部が徴収及び蓄積されることによって、クラップスゲームにおけるベット及び配当のための原資とされる(S73)。
【0336】
続いて、スロットゲームからクラップスゲームへの移行タイミングを示すセンター側進捗処理が実行される(S74)。例えば、各スロットマシン10の累積ベット額Bnとイベント発生額とが比較され、累積ベット額Bnがイベント発生額以上となる比較結果が何れかのスロットマシン10において得られた場合には、条件成立を意味するように、ゲーム可能条件成立フラグが“1”にセットされる一方、各最大の累積ベット額Bnが各イベント発生額以上でない場合には、条件不成立を意味するように、ゲーム可能条件成立フラグが“0”にりセットされる。
【0337】
上記のようにしてベット更新処理が実行されると、続いて、ゲーム可能条件成立フラグが参照され、共通ゲーム可能条件が成立したか否かが判定される(S75)。共通ゲーム可能条件が成立しない場合には(S75,NO)、本ルーチンが終了され、S71から再実行される。尚、共通ゲーム可能条件は、総累積ゲーム回数や総累積ベット額と所定値とを比較することにより成立の有無が判定されてもよい。
【0338】
共通ゲーム可能条件が成立した場合には(S75,YES)、図28に示すように、経過画面から共通ゲーム画面に切り替えられる(S76)。そして、共通ゲーム可能条件が成立したことを示す共通ゲーム可能情報が各スロットマシン10に送信される(S77)。
【0339】
次に、図21のゲーム端末管理テーブルが参照され、各スロットマシン10における通常ゲームやボーナスゲームの単位ゲームのゲーム状態が取得される。そして、全てのゲーム状態が『停止』し、何れか1以上のスロットマシン10においてベースゲームのベット額の累積値やベースゲームのゲーム数の累積値等が所定値以上であるという共通ゲーム開始条件が成立したか否かが判定される(S78)。共通ゲーム開始条件が成立していない場合には(S78,NO)、本ルーチンが終了され、S71から再実行される。
【0340】
共通ゲーム開始条件が成立した場合には(S78,YES)、共通ゲーム開始処理が実行される(S79)。即ち、図38に示すように、ベースゲームのベット額の合計が最低ベット額未満であったり、ベースゲームのゲーム数が最低ベット回数未満等のため、ゲーム実行条件を満たさずにクラップスゲームへの参加資格を有しないゲーム端末であるスロットマシン10が抽出される(S791)。この後、抽出したスロットマシン10(ゲーム端末)に対してクラップスゲームへの参加問合せが行われる(S792)。抽出した各スロットマシン10から入力された参加信号または不参加信号に基づいて、各スロットマシン10がクラップスゲームに参加するか否かが個々に判定される(S793)。参加しないスロットマシン10においては(S793,NO)、ゲーム実行条件の不成立が維持される一方、参加するスロットマシン10においては(S793,YES)、ゲーム実行条件の成立が設定される(S794)。この後、ゲーム実行条件を満たすスロットマシン10に対して共通ゲーム開始情報が出力され(S795)、本ルーチンが終了される。
【0341】
次に、図37に示すように、各スロットマシン10からのベット情報に基づいて、センター側ベット処理が実行され、図22の共通ゲーム管理テーブルのデータが更新される(S80)。
【0342】
続いて、シューターがランダムに選定され、選定された特定のスロットマシン10に対してシューター情報が送信される(S81)。次に、特定のスロットマシン10からのロール開始情報が受信されたタイミングで、共通ゲーム勝敗処理が実行される(S82)。
【0343】
具体的には、先ず、ロールされたことを示すロール開始情報がゲーム実行条件を満たすスロットマシン10に送信される。そして、共通ゲームであるクラップスゲームに対して、勝利、負け、引き分けの3種類の勝敗態様の中から一つの勝敗態様がランダムに選択される。尚、勝敗態様のランダムの選択は、選択される確率が種類に応じて異なるようにされていてもよい。例えば、引き分けの勝敗態様が他の勝敗態様よりも大きな確率で選択されるようにされていてもよい。勝敗態様が選択されると、選択された勝敗態様を示す勝敗情報がゲーム実行条件を満たすスロットマシン10に送信される。
【0344】
この後、センター側スキップ処理が実行され、スロットマシン10からのスキップ開始信号の受信を条件として、勝敗態様のランダムの選択が勝敗が付くまで繰り返される(S83)。
【0345】
この後、共通ゲーム勝敗処理において選択された勝敗態様が、引き分けであるか否かが判定される(S84)。引き分けである場合には(S84,YES)、同じシューターが維持されながら、上述のS82における共通ゲーム勝敗処理が実行される。尚、引き分けである場合には、次のシューターの選定が行われてもよい。この場合におけるシューターの選定方法は、ゲーム実行条件を満たすスロットマシン10からランダムに選択される方法であってもよいし、スロットゲームにおけるベット額やゲーム数の合計値が大きなスロットマシン10から順番に選定されてもよいし、スロットマシン10の配置順序や機台番号の順番で選定されてもよい。
【0346】
一方、勝敗態様が引き分けでない場合には(S84,NO)、続いて、プレーヤの勝利であるか否かが判定される(S85)。プレーヤの勝利である場合には(S85,YES)、各スロットマシン10における払出額が算出されると共に、払出額を示す払出情報が各スロットマシン10に送信された後(S86)、S87が実行される。一方、プレーヤの負けである場合には(S86,NO)、即座にS87が実行される。即ち、クラップスゲーム画面が初期状態の経過画面に切り替えられる(S87)。この後、図21の共通ゲーム管理テーブルが更新処理され(S88)、本ルーチンが終了される。
【0347】
(センターコントローラ200の処理動作:センター側スキップ処理)
図39に示すように、S83においてセンター側スキップ処理が実行されると、先ず、スロットマシン10からのスキップ開始信号を受信したか否かによりスキップを開始するか否かが判定される(S831)。スキップを開始しない場合には(S831,NO)、本ルーチンが終了される。一方、スキップ開始信号の受信によりスキップを開始する場合には(S831,YES)、自動ロール処理され、ダイス目が自動的にランダムに決定される(S832)。
【0348】
この後、ダイス目を用いて引分か否かが判定される(S833)。引分である場合には(S833,YES)、引分計数値がカウントアップされた後(S834)、引分計数値に対応付けてダイス目が格納される(S835)。そして、S832が再実行され、次の自動ロール処理が実行される。
【0349】
一方、引分でない場合には(S833,NO)、続いて、引分計数値が“3”以下であるか否かが判定される(S836)。引分計数値が“3”以下でない場合には(S836,NO)、“1”、“2”、“3”の各減算値の中から一つの減算値がランダムに決定される(S838)。この後、引分計数値から減算値が引き算されることによって、スキップ値が算出される(S839)。“1”から“スキップ値”に対応するダイス目が読み出され(S842)、各ダイス目がロール情報として順に出力される(S843)。そして、引分計数値が“1”にリセットされた後(S844)、本ルーチンが終了される。
【0350】
一方、引分計数値が“3”以下である場合には(S836,YES)、ロール情報出力処理が実行される(S837)。
【0351】
即ち、図40に示すように、引分計数値が“1”であるか否かが判定される(S8371)。引分計数値が“1”である場合には(S8371,YES)、“1”に対応するダイス目がロール情報として出力された後(S8371)、本ルーチンが終了される。これにより、センター側スキップ処理において1回目の自動ロールで勝敗がついた場合には、勝敗のついたゲーム結果のロール演出が1回目のクラップスゲームにおいて行われることになる。
【0352】
引分計数値が“1”でない場合には(S8371,NO)、続いて、引分計数値が“2”であるか否かが判定される(S8373)。引分計数値が“2”である場合には(S8373,YES)、“1”および“2”の内の何れかがランダムに決定される(S8374)。この後、決定された読出し値が“1”であるか否かが判定され(S8375)、“1”である場合には(S8375,YES)、“1”に対応する引分のダイス目がスキップ情報として出力される(S8376)。続いて、勝敗のついた最終の引分計数値である“2”に対応するダイス目がロール情報として出力された後(S8377)、本ルーチンが終了される。一方、決定された読出し値が“1”でない場合には(S8375,NO)、“1”・“2”に対応するダイス目がロール情報として順に出力された後(S8378)、本ルーチンが終了される。これにより、センター側スキップ処理において2回目の自動ロールで勝敗がついた場合には、ランダムに決定された1回目または2回目のクラップスゲームにおいて、勝敗のついたゲーム結果のロール演出が行われることになる。
【0353】
引分計数値が“2”でない場合には(S8373,NO)、引分計数値が“3”であると判定され、“1”、“2”および“3”の内の何れかがランダムに決定される(S8379)。この後、決定された読出し値が“1”であるか否かが判定され(S8380)、“1”である場合には(S8380,YES)、“1”と“2”に対応する引分のダイス目がスキップ情報として順に出力される(S8381)。続いて、勝敗のついた最終の引分計数値である“3”に対応するダイス目がロール情報として出力された後(S8382)、本ルーチンが終了される。
【0354】
一方、決定された読出し値が“1”でない場合には(S8380,NO)、続いて、決定された読出し値が“2”であるか否かが判定される(S8383)。読出し値が“2”である場合には(S8383,YES)、“1”に対応する引分のダイス目がスキップ情報として出力される(S8386)。続いて、“2”・“3”に対応するダイス目がロール情報として順に出力された後(S8387)、本ルーチンが終了される。一方、読出し値が“2”でない場合には(S8383,NO)、“1”〜“3”に対応するダイス目がロール情報として順に出力された後(S8385)、本ルーチンが終了される。
【0355】
これにより、センター側スキップ処理において3回目の自動ロールで勝敗がついた場合には、ランダムに決定された1回目〜3回目の何れかの回数目のクラップスゲームにおいて、勝敗のついたゲーム結果のロール演出が行われることになる。
【0356】
(変形例1)
以上の実施形態においては、スキップ後のクラップスゲームの実行回数(減算値、読出値)をランダムに求めてスキップ数を決定しているが、これに限定されるものではない。即ち、ゲーミングマシンは、クラップスゲームの引分の繰り返しによる連続回数を“3”等に予め設定しておき、連続回数を超えたときに実行されるスキップ後の最初のクラップスゲームで勝敗がつくように、スキップ数が決定されてもよい。この場合には、4回等の所定回数以内で必ずクラップスゲームの勝敗がつくため、クラップスゲームが過剰に長く繰り返されるという事態の発生を容易に防止することができる。
【0357】
具体的には、イージーモードのクラップスゲームが3回連続して引分である場合、図41のセンター側スキップ処理が実行される。そして、自動ロールによりダイス目が決定された後(S832)、勝敗がついた場合には(S833,NO)、引分計数値が“1”であるか否かが判定される(S836)。引分計数値が“1”である場合、即ち、スキップ処理の開始から1回目のダイス目の決定で勝敗がついた場合には(S836,YES)、決定されたダイス目がロール情報として出力される(S854)。
【0358】
一方、引分計数値が“1”でない場合、即ち、スキップ処理の開始から2回目以後のダイス目の決定で勝敗がついた場合には(S836,NO)、1〜(引分計数値−1)に対応した引分のダイス目が読み出され(S851)、各ダイス目がスキップ情報として順に出力される(S852)。この後、引分計数値に対応する勝敗のついたダイス目が読み出され(S853)、このダイス目がロール情報として出力される(S854)。
【0359】
これにより、イージーモードのクラップスゲームは、スキップ処理後の1回目で勝敗がつくように処理されるため、3回連続して引分のゲームが繰り返されたときには必ず4回目で勝敗がつくことになる。その他のステップは図39のセンター側スキップ処理と同一のため、説明を省略する
【0360】
(変形例2)
また、ゲーミングマシンは、共通ゲーム開始時点から共通ゲームの勝敗がつくまでのゲーム回数(再実行回数)をランダムに決定し、このゲーム回数となるようにスキップ数を求めてもよい。このようなクラップスゲームのスキップは、図31の端末側共通ゲーム処理と、図37のセンター側共通ゲーム処理と、図39のセンター側スキップ処理とを、図42〜図44の各処理に置き換えることにより実現することができる。
【0361】
具体的には、図42に示すように、端末側共通ゲーム処理において、モード選択処理後に(S52)、共通ゲームが開始されると(S52,YES)、イージーモードが選択されたか否かが判定される(S68)。イージーモードでない場合には(S68,NO)、プロモードが選択されたと判定され、クラップスゲームがロール実行画面に表示されながら行われる(S54〜S64)。一方、イージーモードである場合には(S68,YES)、端末側スキップ処理が実行され、センターコントローラ200からのスキップ情報およびロール情報に基づいて、予め決定されたゲーム回数のクラップスゲームが実行された後(S67)、最終のクラップスゲームの勝敗が判定される(S62)。その他のステップは図31の端末側共通ゲーム処理と同一のため、説明を省略する。
【0362】
また、図43に示すように、センター側共通ゲーム処理においては、上述の端末側スキップ処理で用いられるスキップ情報およびロール情報を形成および出力するセンター側スキップ処理を実行する(S90)。具体的には、シューターの選定が行われた後(S81)、各スロットマシン10においてイージーモードが選択されているか否かが判定される(S89)。イージーモードでない場合には(S89,NO)、プロモードが選択されたと判定され、プロモードにおける勝敗の決定や判定、払出し等が行われる(S82〜S88)。一方、イージーモードである場合には(S89,YES)、センター側スキップ処理が実行された後(S90)、イージーモードにおける勝敗の判定が行われる(S85)。その他のステップは図31の端末側共通ゲーム処理と同一のため、説明を省略する。
【0363】
センター側スキップ処理は、図44に示すように、自動ロールが実行された後(S901)、自動ロールによるゲーム結果が引分であるか否かが判定される(S902)。引分である場合には(S902,YES)、引分計数値がカウントアップされた後(S903)、引分計数値に対応付けられてダイス目が格納される(S904)。この後、S901が再実行される。
【0364】
一方、引分でない場合には(S902,NO)、“1”〜“7”の数値範囲の中からゲーム終了値がランダムに決定される(S905)。そして、引分計数値がゲーム終了値以下であるか否かが判定される(S906)。引分計数値がゲーム終了値以下である場合には(S906,YES)、“1”〜引分計数値に対応するダイス目が読み出され(S907)、各ダイス目がロール情報として順に出力される(S908)。そして、本ルーチンが終了される。これにより、引分計数値がゲーム終了値以下である場合は、スキップが行われることなく、ゲーム終了値に一致するゲーム回数でクラップスゲームが行われることになる。
【0365】
一方、引分計数値がゲーム終了値以下である場合には(S906,YES)、引分計数値からゲーム終了値が減算されることによって、スキップ値が算出される(S909)。そして、“1”〜スキップ値に対応するダイス目が読み出され(S910)、各ダイス目がスキップ情報として順に出力される(S911)。この後、“スキップ値+1”〜引分計数値に対応するダイス目が読み出され(S912)、各ダイス目がロール情報として順に出力される(S913)。そして、本ルーチンが終了される。これにより、引分計数値がゲーム終了値よりも大きな場合は、スキップが行われた後、ゲーム終了値に一致するゲーム回数でクラップスゲームが行われることになる。
【0366】
(ゲーム手順)
上記の各フローチャートの実行により実現されるゲーム手順を詳細に説明する。
図45に示すように、共通ゲームであるスロットゲームが実行される。これにより、スロットゲームのベット額から共通ゲーム用のベット額として基本ベット額及び特別ベット額が徴収される(C1)。このようなスロットゲームが繰り返されながら、共通ゲーム開始条件が成立すると、スロットゲームが開始される(C2)。即ち、シンボル表示装置16において、スロットゲーム画面から『CRAPS GAME』の開始画面に表示が切り替えられた後、ゲーム内容を示す説明画面が一定時間表示される。
【0367】
この後、モード選択画面に切り替えられ、ゲームモードがプロモードであるか否かが判定される(C4)。モード選択画面において、イージーモードボタンが押圧操作された場合には、イージーモード処理が実行される(C5)。一方、モード選択画面において、プロモードボタンが押圧操作された場合には、プロモード処理が実行される(C6)。
【0368】
(ゲーム手順:イージーモード処理)
図46に示すように、イージーモード処理が選択された場合には、スロットマシン10を正面視したマシン画像の整列画面が表示され、シューターが選択される(C51)。この後、シューターが決定され、シューターとなったマシン画像が強調表示される(C52)。クラップスゲームの勝敗等を単純化したイージーモード画面が表示され、自動ベットが行われる。尚、自動ベットは、クラップスゲームにおけるベットにより徴収された基本ベット額及び特別ベット額が用いられる(C53)。そして、自動ベットによる条件と賞金が表示される。具体的には、勝利の条件と引分の条件と負けの条件とが、数字により示されると共に、ダイス画像の組み合せにより示される。また、勝利した場合の獲得賞金が表示される(C54)。
【0369】
次に、シューターに選定されたスロットマシン10において、ロールが行われる。具体的には、シューターに選定されたスロットマシン10において、ロール画面が表示される。ロール画面は、手動によるロール操作が可能な残り時間を表示することによりロール操作をプレーヤに促している。そして、残り時間のカウントダウン内にロールボタン902が押圧操作されれば、押圧操作されたタイミングで、ダイス画像905が転動する様子を示すムービーが表示される。一方、残り時間のカウントダウン内にロールボタン902が押圧操作されなければ、カウントダウン値が“0”となったタイミングで自動的にダイス画像905が転動する様子を示すムービーが表示される(C55)。
【0370】
ロールによる出目が“7”又は“11”の場合に勝利となる(C56)。そして、ベット額に対応する賞金の払出しが行われる。例えば、ダイス画像905の出目が“7”となる組み合わせの静止画が表示された後、獲得賞金として“$150.20”等が表示される(C57)。この後、C53におけるパスラインの自動ベットが行われ、次のクラップスゲームが行われる。
【0371】
また、ロールによる出目が“2”、“3”、“12”の場合に負けとなる。例えば、ダイス画像905の出目が“2”となる組み合わせの静止画が表示された後、負けを示す文字画像が表示される。そして、イージーモードが終了される(C58)。
【0372】
また、ロールによる出目が“4”、“5”、“6”、“8”、“9”、“10”の場合に引分となる(C59)。そして、ポイントが確定する(C60)。例えば、ダイス画像905の出目が“5”となる組み合わせの静止画が表示された後、引分を示す文字画像が表示されると共に、ポイント“5”がポップアップ表示される。
【0373】
この後、次のクラップスゲームで勝利、引分、負けとなる条件と賞金が表示される。具体的には、勝利の条件と引分の条件と負けの条件とが、数字により示されると共に、ダイス画像の組み合せにより示される。また、勝利した場合の獲得賞金が表示される(C61)。
【0374】
次に、ロール画面が表示され、ロールボタン902がカウントダウン内に押圧操作されれば、手動によるロール操作が行われる一方、カウントダウン値が“0”となれば、自動でロール操作が行われる(C62)。ロールによる出目が“5”の場合には、ポイント“5”と一致しているため、勝利となる(C63)。そして、表示されている獲得賞金“$150.20”の払出が行われる(C57)。この後、次のクラップスゲームが開始され、C53におけるパスラインの自動ベットが行われる。
【0375】
また、ロールによる出目が“7”の場合に負けとなる(C65)。負けを示す文字画像等が一定時間において表示された後、イージーモードが終了される。また、ロールによる出目が“9”等のように、ポイント“7”以外の場合に引分となる(C64)。この場合において、引分のゲーム結果が所定回数連続するまではC61が実行される。一方、例えば引分のゲーム結果が所定回数連続すると、ロールによるゲーム結果の決定が引分以外のゲーム結果になるまで一括して順に行われる。これらの一連のゲーム結果の中から、引分のゲーム結果については少なくとも一部がスキップされた後、残りのゲーム結果のクラップスゲームが順に実行される。そして、勝利のゲーム結果となるクラップスゲームであれば、C63が実行され。一方、負けのゲーム結果となるクラップスゲームであれば、C65が実行される(C66)。
【0376】
(ゲーム手順:プロモード処理)
図47に示すように、プロモード処理が選択された場合には、スロットマシン10を正面視したマシン画像の整列画面が表示され、シューターが選択される(C71)。この後、シューターが決定され、シューターとなったマシン画像が強調表示される(C72)。
【0377】
次に、クラップスゲームのテーブル面を模擬したプロ用ベット画面が表示され、パスラインに対して自動ベットが行われる。尚、自動ベットは、クラップスゲームにおけるベットにより徴収された基本ベット額及び特別ベット額が用いられる(C73)。さらに、手動ベットが許可される。手動ベットが許可されると同時のタイミングで、許可時間のカウントダウンが開始される。カウント値が“0”になったときに、手動ベットが禁止され、手動ベットが禁止された旨の画像がポップアップ表示される(C74)。
【0378】
次に、シューターに選定されたスロットマシン10において、ロール画面が表示される。そして、手動によるロール又は自動によるロールが行われる(C75)。ロールによる出目が“7”又は“11”の場合に勝利となる(C76)。これにより、ベット額に応じた“$150.20”等の払出が行われる(C77)。この後、次のクラップスゲームが行われる。
【0379】
また、ロールによる出目が“2”、“3”、“12”の場合に負けとなる(C78)。この場合には、クラップスゲームによる獲得賞金額等のゲーム結果が表示されると共に、ゲーム終了の旨を示す画像が表示され、プロモードのクラップスゲームが終了される。
【0380】
また、ロールによる出目が“4”、“5”、“6”、“8”、“9”、“10”の場合に引分となる(C79)。この場合は、出目が“5”であれば、ポイントが“5”として確定し、このポイントに対応するベット画面の表示領域が強調表示される(C80)。この後、一定時間において手動によるベットの受け付けが行われる(C81)。そして、手動又は自動によるロールが行われる(C82)。ロールによる出目がポイント“5”と同一の場合に勝利となる(C83)。この場合には、クラップスゲームのゲーム結果が表示されながら払出が行われる(C77)。この後、次のクラップスゲームが行われる。
【0381】
また、ロールによる出目が“7”の場合に負けとなる(C85)。この場合には、イージーモードが終了される。また、ロールによる出目がポイント“5”以外の場合に引分となり(C84)、次のクラップスゲームが再実行される。
【0382】
尚、本実施形態では、ペイラインLの数が25個である場合について説明したが、本発明では、ペイラインの数は、特に限定されず、例えば、30個であってもよい。
【0383】
本実施形態では、ボーナス当選は、トリガーシンボルが3個以上再配置されることである場合について説明したが、特に限定されない。例えば、ボーナス当選は、前回のボーナスゲームが終了してから所定時間が経過したことであってもよい。
【0384】
また、本実施形態では、フリーゲームのゲーム内容を、表示ブロック28において複数のシンボルの変動表示を行った後に停止表示を行い、停止表示されたシンボル又はそれらの組合せに応じて配当量が決定されるゲーム(スロットマシンにおいて通常行われるゲーム)としている。しかし、本発明におけるフリーゲームは、この例に限定されず、スロットマシンとは異なるゲームが行われることとしてもよい。例えば、ポーカー等のカードゲームやシューティングゲーム、格闘技ゲーム等のゲームが行われることとしてもよい。フリーゲームは、遊技媒体が支払われるゲームであってもよいし、遊技媒体が支払われないゲームであってもよい。
【0385】
また、保険有モードにおいてカウントされた通常ゲームの回数が所定回数に達したことに基づいてフリーゲームが行われた後、再度、保険有モードにおいてカウントされた通常ゲームの回数が所定回数に達したとき、前回行われたフリーゲームとは異なる内容のフリーゲームが行われることとしてもよい。本発明におけるフリーゲームは、遊技媒体がベットされなくても行われるゲームである限り、特に限定されるものではなく、適宜設計することが可能である。
【0386】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。例えば、本実施形態や変形例1・2における引分計数値や減算値、スキップ値、読出し値等に用いた各数値は例示であり、これらの数値に限定されるものではない。
【0387】
また、上述した詳細な説明では、本発明をより容易に理解できるように、特徴的部分を中心に説明した。本発明は、上述した詳細な説明に記載する実施形態に限定されず、その他の実施形態にも適用することができ、その適用範囲は多様である。また、本明細書において用いた用語及び語法は、本発明を的確に説明するために用いたものであり、本発明の解釈を制限するために用いたものではない。また、当業者であれば、本明細書に記載された発明の概念から、本発明の概念に含まれる他の構成、システム、方法等を推考することは容易であると思われる。従って、請求の範囲の記載は、本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で均等な構成を含むものであるとみなされなければならない。また、要約書の目的は、特許庁及び一般的公共機関や、特許、法律用語又は専門用語に精通していない本技術分野に属する技術者等が本出願の技術的な内容及びその本質を簡易な調査で速やかに判定し得るようにするものである。従って、要約書は、請求の範囲の記載により評価されるべき発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、本発明の目的及び本発明の特有の効果を十分に理解するために、すでに開示されている文献等を充分に参酌して解釈されることが望まれる。
【0388】
上述した詳細な説明は、コンピュータで実行される処理を含むものである。以上での説明及び表現は、当業者が最も効率的に理解することを目的として記載している。本明細書では、1の結果を導き出すために用いられる各ステップは、自己矛盾がない処理として理解されるべきである。また、各ステップでは、電気的又は磁気的な信号の送受信、記録等が行われる。各ステップにおける処理では、このような信号を、ビット、値、シンボル、文字、用語、数字等で表現しているが、これらは単に説明上便利であるために用いたものであることに留意する必要がある。また、各ステップにおける処理は、人間の行動と共通する表現で記載される場合があるが、本明細書で説明する処理は、原則的に各種の装置により実行されるものである。また、各ステップを行うために要求されるその他の構成は、以上の説明から自明になるものである。
【符号の説明】
【0389】
10 スロットマシン
16 シンボル表示装置
69 タッチパネル
200 センターコントローラ
300 ゲーミングマシン
700 共用表示装置
501 シンボル
502 通常シンボル
503 特定シンボル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記構成を備えるゲーミングマシンであり、
外部からの入力が可能なインプットデバイスと、以下(a1)〜(a3)の処理を実行するようにプログラムされた端末コントローラとを有する複数のゲーム端末と、
前記ゲーム端末に対して通信可能に接続され、以下(b1)〜(b3)の処理を実行するようにプログラムされたセンターコントローラと
を有しており、
前記端末コントローラは、
(a1)前記インプットデバイスのスタート操作の入力によりベースゲームを実行する処理、
(a2)前記センターコントローラからのゲーム開始指令により引分のゲーム結果を有する共通ゲームを実行する処理、
(a3)前記センターコントローラからのゲーム結果情報に基づいて前記共通ゲームのゲーム結果を判定し、引分のゲーム結果であれば次の前記ゲーム結果情報に基づいて前記共通ゲームを再実行する処理を実行し、
前記センターコントローラは、
(b1)ゲーム実行条件を満たす前記ゲーム端末に対して前記ゲーム開始指令を所定のタイミングで出力する処理、
(b2)前記共通ゲームのゲーム結果の決定を引分以外のゲーム結果になるまで一括して順に行う処理、
(b3)(b2)の処理において決定された前記ゲーム結果の中から、前記引分のゲーム結果については少なくとも一部をスキップし、残りの前記ゲーム結果を前記ゲーム結果情報として順に前記各ゲーム端末に出力する処理を実行する。
【請求項2】
請求項1のゲーミングマシンであって、
前記センターコントローラは、前記共通ゲームが所定回数連続して実行されることを条件として前記(b2)の処理を実行する。
【請求項3】
請求項1のゲーミングマシンであって、
前記センターコントローラは、
(b3)の処理において、
前記端末コントローラで前記ゲーム結果情報に基づいて再実行される前記共通ゲームの再実行回数をランダムに決定し、(b2)の処理で決定された前記引分のゲーム結果が前記再実行回数よりも連続した場合、該再実行回数となるように、前記引分のゲーム結果のスキップ数を求める。
【請求項4】
請求項3のゲーミングマシンであって、
前記センターコントローラは、
(b2)の処理で決定された前記引分のゲーム結果が所定回数連続することを条件として、前記(b3)の処理を実行する。
【請求項5】
請求項1のゲーミングマシンであって、
前記センターコントローラは、前記引分のゲーム結果となる前記共通ゲームが前記連続回数繰り返して実行されることを条件として前記(b2)の処理を実行し、
(b3)の処理において、
(b2)の処理において決定された前記ゲーム結果の中から、前記引分のゲーム結果については全てをスキップし、最終の前記ゲーム結果を前記ゲーム結果情報として前記各ゲーム端末に出力する処理を実行する。
【請求項6】
請求項1又は5のゲーミングマシンであって、
前記ゲーム端末は、さらに、表示装置を有し、
前記端末コントローラは、
(a4)前記センターコントローラからのスキップ情報を前記表示装置に表示する処理を実行し、
前記センターコントローラは、
(b4)(b3)の処理においてスキップした前記引分のゲーム結果を、前記スキップ情報として前記各ゲーム端末に出力する処理を実行する。
【請求項7】
請求項1のゲーミングマシンであって、前記共通ゲームがクラップスゲームである。
【請求項8】
下記構成を備えるゲーミングマシンであり、
外部からの入力が可能なインプットデバイスと、以下(c1)〜(c4)の処理を実行するようにプログラムされた端末コントローラとを有する複数のゲーム端末と、
前記ゲーム端末に対して通信可能に接続され、以下(d1)〜(d6)の処理を実行するようにプログラムされたセンターコントローラと
を有しており、
前記端末コントローラは、
(c1)前記インプットデバイスのスタート操作の入力によりベースゲームを実行する処理、
(c2)前記センターコントローラからのゲーム開始指令によりクラップスゲームを実行する処理、
(c3)前記センターコントローラからのシューター指令に基づいて、前記クラップスゲームのシューターであるか否かを判定し、シューターである場合、前記インプットデバイスのロール操作の入力を受け付けることにより前記センターコントローラに対してロール操作指令を出力可能にする処理、
(c4)前記センターコントローラからのゲーム結果情報に基づいて、前記クラップスゲームのゲーム結果を判定し、引分のゲーム結果であれば次の前記ゲーム結果情報に基づいて前記クラップスゲームを再実行する処理を実行し、
前記センターコントローラは、
(d1)前記各ゲーム端末における前記ベースゲームの実行状態に基づいてクラップスゲーム開始条件が成立したか否かを判定する処理、
(d2)前記クラップスゲーム開始条件が成立した場合、ゲーム実行条件を満たす前記ゲーム端末に対して前記ゲーム開始指令を出力する処理、
(d3)前記ゲーム開始指令の出力後、前記ゲーム実行条件を満たす前記ゲーム端末の中から特定のゲーム端末を選択し、該特定のゲーム端末に対して前記シューター指令を出力する処理、
(d4)前記特定のゲーム端末からの前記ロール操作指令により前記クラップスゲームのゲーム結果の決定を引分以外のゲーム結果になるまで一括して順に行う処理、
(d5)(d4)の処理において決定された前記ゲーム結果の中から、前記引分のゲーム結果については少なくとも一部をスキップし、残りの前記ゲーム結果を前記ゲーム結果情報として順に前記各ゲーム端末に出力する処理を実行する。
【請求項9】
外部からの入力が可能なインプットデバイスと、以下のステップを実行する端末コントローラとを有する複数のゲーム端末と、
前記ゲーム端末に対して通信可能に接続され、以下のステップを実行するセンターコントローラと
を有したゲーミングマシンのゲーム制御方法であり、
前記端末コントローラは、
前記インプットデバイスのスタート操作の入力によりベースゲームを実行するステップ、
前記センターコントローラからのゲーム開始指令により引分のゲーム結果を有する共通ゲームを実行するステップ、
前記センターコントローラからのゲーム結果情報に基づいて前記共通ゲームのゲーム結果を判定し、引分のゲーム結果であれば次の前記ゲーム結果情報に基づいて前記共通ゲームを再実行するステップを実行し、
前記センターコントローラは、
ゲーム実行条件を満たす前記ゲーム端末に対して前記ゲーム開始指令を所定のタイミングで出力するステップ、
前記共通ゲームのゲーム結果の決定を引分以外のゲーム結果になるまで一括して順に行うステップ、
前記一括して順に決定されたゲーム結果の中から、前記引分のゲーム結果については少なくとも一部をスキップし、残りの前記ゲーム結果を前記ゲーム結果情報として順に前記各ゲーム端末に出力するステップを実行する。
【請求項1】
下記構成を備えるゲーミングマシンであり、
外部からの入力が可能なインプットデバイスと、以下(a1)〜(a3)の処理を実行するようにプログラムされた端末コントローラとを有する複数のゲーム端末と、
前記ゲーム端末に対して通信可能に接続され、以下(b1)〜(b3)の処理を実行するようにプログラムされたセンターコントローラと
を有しており、
前記端末コントローラは、
(a1)前記インプットデバイスのスタート操作の入力によりベースゲームを実行する処理、
(a2)前記センターコントローラからのゲーム開始指令により引分のゲーム結果を有する共通ゲームを実行する処理、
(a3)前記センターコントローラからのゲーム結果情報に基づいて前記共通ゲームのゲーム結果を判定し、引分のゲーム結果であれば次の前記ゲーム結果情報に基づいて前記共通ゲームを再実行する処理を実行し、
前記センターコントローラは、
(b1)ゲーム実行条件を満たす前記ゲーム端末に対して前記ゲーム開始指令を所定のタイミングで出力する処理、
(b2)前記共通ゲームのゲーム結果の決定を引分以外のゲーム結果になるまで一括して順に行う処理、
(b3)(b2)の処理において決定された前記ゲーム結果の中から、前記引分のゲーム結果については少なくとも一部をスキップし、残りの前記ゲーム結果を前記ゲーム結果情報として順に前記各ゲーム端末に出力する処理を実行する。
【請求項2】
請求項1のゲーミングマシンであって、
前記センターコントローラは、前記共通ゲームが所定回数連続して実行されることを条件として前記(b2)の処理を実行する。
【請求項3】
請求項1のゲーミングマシンであって、
前記センターコントローラは、
(b3)の処理において、
前記端末コントローラで前記ゲーム結果情報に基づいて再実行される前記共通ゲームの再実行回数をランダムに決定し、(b2)の処理で決定された前記引分のゲーム結果が前記再実行回数よりも連続した場合、該再実行回数となるように、前記引分のゲーム結果のスキップ数を求める。
【請求項4】
請求項3のゲーミングマシンであって、
前記センターコントローラは、
(b2)の処理で決定された前記引分のゲーム結果が所定回数連続することを条件として、前記(b3)の処理を実行する。
【請求項5】
請求項1のゲーミングマシンであって、
前記センターコントローラは、前記引分のゲーム結果となる前記共通ゲームが前記連続回数繰り返して実行されることを条件として前記(b2)の処理を実行し、
(b3)の処理において、
(b2)の処理において決定された前記ゲーム結果の中から、前記引分のゲーム結果については全てをスキップし、最終の前記ゲーム結果を前記ゲーム結果情報として前記各ゲーム端末に出力する処理を実行する。
【請求項6】
請求項1又は5のゲーミングマシンであって、
前記ゲーム端末は、さらに、表示装置を有し、
前記端末コントローラは、
(a4)前記センターコントローラからのスキップ情報を前記表示装置に表示する処理を実行し、
前記センターコントローラは、
(b4)(b3)の処理においてスキップした前記引分のゲーム結果を、前記スキップ情報として前記各ゲーム端末に出力する処理を実行する。
【請求項7】
請求項1のゲーミングマシンであって、前記共通ゲームがクラップスゲームである。
【請求項8】
下記構成を備えるゲーミングマシンであり、
外部からの入力が可能なインプットデバイスと、以下(c1)〜(c4)の処理を実行するようにプログラムされた端末コントローラとを有する複数のゲーム端末と、
前記ゲーム端末に対して通信可能に接続され、以下(d1)〜(d6)の処理を実行するようにプログラムされたセンターコントローラと
を有しており、
前記端末コントローラは、
(c1)前記インプットデバイスのスタート操作の入力によりベースゲームを実行する処理、
(c2)前記センターコントローラからのゲーム開始指令によりクラップスゲームを実行する処理、
(c3)前記センターコントローラからのシューター指令に基づいて、前記クラップスゲームのシューターであるか否かを判定し、シューターである場合、前記インプットデバイスのロール操作の入力を受け付けることにより前記センターコントローラに対してロール操作指令を出力可能にする処理、
(c4)前記センターコントローラからのゲーム結果情報に基づいて、前記クラップスゲームのゲーム結果を判定し、引分のゲーム結果であれば次の前記ゲーム結果情報に基づいて前記クラップスゲームを再実行する処理を実行し、
前記センターコントローラは、
(d1)前記各ゲーム端末における前記ベースゲームの実行状態に基づいてクラップスゲーム開始条件が成立したか否かを判定する処理、
(d2)前記クラップスゲーム開始条件が成立した場合、ゲーム実行条件を満たす前記ゲーム端末に対して前記ゲーム開始指令を出力する処理、
(d3)前記ゲーム開始指令の出力後、前記ゲーム実行条件を満たす前記ゲーム端末の中から特定のゲーム端末を選択し、該特定のゲーム端末に対して前記シューター指令を出力する処理、
(d4)前記特定のゲーム端末からの前記ロール操作指令により前記クラップスゲームのゲーム結果の決定を引分以外のゲーム結果になるまで一括して順に行う処理、
(d5)(d4)の処理において決定された前記ゲーム結果の中から、前記引分のゲーム結果については少なくとも一部をスキップし、残りの前記ゲーム結果を前記ゲーム結果情報として順に前記各ゲーム端末に出力する処理を実行する。
【請求項9】
外部からの入力が可能なインプットデバイスと、以下のステップを実行する端末コントローラとを有する複数のゲーム端末と、
前記ゲーム端末に対して通信可能に接続され、以下のステップを実行するセンターコントローラと
を有したゲーミングマシンのゲーム制御方法であり、
前記端末コントローラは、
前記インプットデバイスのスタート操作の入力によりベースゲームを実行するステップ、
前記センターコントローラからのゲーム開始指令により引分のゲーム結果を有する共通ゲームを実行するステップ、
前記センターコントローラからのゲーム結果情報に基づいて前記共通ゲームのゲーム結果を判定し、引分のゲーム結果であれば次の前記ゲーム結果情報に基づいて前記共通ゲームを再実行するステップを実行し、
前記センターコントローラは、
ゲーム実行条件を満たす前記ゲーム端末に対して前記ゲーム開始指令を所定のタイミングで出力するステップ、
前記共通ゲームのゲーム結果の決定を引分以外のゲーム結果になるまで一括して順に行うステップ、
前記一括して順に決定されたゲーム結果の中から、前記引分のゲーム結果については少なくとも一部をスキップし、残りの前記ゲーム結果を前記ゲーム結果情報として順に前記各ゲーム端末に出力するステップを実行する。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【公開番号】特開2011−45423(P2011−45423A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−194409(P2009−194409)
【出願日】平成21年8月25日(2009.8.25)
【出願人】(598098526)株式会社ユニバーサルエンターテインメント (7,628)
【出願人】(507332387)アルゼゲーミングアメリカインク (176)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月25日(2009.8.25)
【出願人】(598098526)株式会社ユニバーサルエンターテインメント (7,628)
【出願人】(507332387)アルゼゲーミングアメリカインク (176)
【Fターム(参考)】
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