説明

引取共振抵抗多層フィルム

本開示は第一層(102)と第二層(104)を含む多層フィルム(100)に向けたものである。第一層(102)はフッ素化処理されたポリマーを有する。第二層(104)は溶融歪み硬化性の構成要素を含みかつ多層フィルム(100)の約30体積パーセントを形成するにすぎない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、引取共振抵抗多層フィルム、その製造方法及びそれを含んだ品物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
製造者は化学的及び環境的なダメージに対して抵抗性のある表面を創るために、ますますポリマーに頼っている。例えば、フッ素化処理されたポリマーは、メチルエチルケトン(MEK)のような化学品に曝されることによって生じるダメージに対する抵抗、汚れに対する抵抗、及び環境条件に曝されることによって生じるダメージに対する抵抗を示す。このようなポリマーは、飛行機や列車の貨物倉庫のライナー(裏地)、ビニルサイド表面処理、及び光電池の保護カバーのような用途で使用されてきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような用途で使用するためのフィルムのプロセスは難しい。製造ライン速度は、50フィート/分以下のような比較的低いライン速度で引取共振が生じることによってしばしば限定される。これらのプロセシングの制限はコストを増大し、これらの有益なフィルムの入手性を低下させる。このようにして、好ましい機械的特性やプロセシング特性を有する丈夫な多層フィルムは、概して当該技術において望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
特別な実施態様において、多層フィルムは第一層と第二層を含む。この第一層はフッ素化処理されたポリマーを有する。第二層は少なくとも約70質量%の溶融歪み硬化性の構成要素を含み、そしてこの多層フィルムの約30体積%以下を形成する。
【0005】
別の実施態様において、多層フィルムは第一層と第二層を含む。第一層は約70質量%より多くの非ポリオレフィン系溶融歪み硬化性ポリマーを含む。この非ポリオレフィン系溶融歪み硬化性ポリマーは、約5:1〜30:1の延伸比領域において引張力が増加する。第一層はこの多層フィルムの約30体積%以下を形成する。第二層は第二ポリマーを含む。この第二ポリマーは概して、該延伸比領域で平坦な引張力を有する。
【0006】
さらなる実施態様において、多層フィルムの製造方法は、約70質量%より多くの非ポリオレフィン系溶融歪み硬化性ポリマーを有する第一層を押し出すことを含む。この非ポリオレフィン系溶融歪み硬化性ポリマーは、約5:1〜30:1の延伸比領域において引張力が増加する。第一層はこの多層フィルムの約30体積%以下を形成する。本方法は第二ポリマーを含む第二層を押し出すことをさらに含む。この第二ポリマーは概して、該延伸比領域で平坦な引張力を有する。
【0007】
ある特別な実施態様において、本開示は第一ポリマー層と第二ポリマー層を含む多層フィルムに向けられる。この第一ポリマー層は、第一平均分子量を有する第一フッ素ポリマーと、第二平均分子量を有する第二フッ素ポリマーとの配合物を含む。この第一平均分子量は第二平均分子量より大きい。
【0008】
さらなる実施態様において、本開示は第一ポリマー層と第二ポリマー層を含む多層ポリマーフィルムに向けられる。この第一ポリマー層は二モード分子量分布を有するフッ素ポリマーを含む。
【0009】
別の実施態様において、本開示は第一平均分子量を有する第一フッ素ポリマーと、第二平均分子量を有する第二フッ素ポリマーとを含むポリマー層を含む多層フィルムに向けられる。この第一平均分量は第二平均分子量より大きい。この多層フィルムは少なくとも約50フィート/分のライン速度で、厚みの変動が約5%以下で、引き取りされることに適応する。
【0010】
さらなる実施態様において、本開示は多層フィルム製造方法に向けられる。この方法は第一ポリマー層を押し出すことおよび第二ポリマー層を押し出すことを含む。この第一ポリマー層は第一平均分子量を有する第一フッ素ポリマーと、第二平均分子量を有する第二フッ素ポリマーとの配合物を含む。この第一平均分子量は第二平均分子量より大きい。
【0011】
別の実施態様において、多層ポリマーフィルムは第一ポリマー層と第二ポリマー層を含む。この第一ポリマー層は分子の二モード分子量分布を有するフッ素ポリマーを含み、かつこの第一ポリマー層は第二層の溶融相引張強さより少なくとも約50%大きい溶融相引張強さを有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
特別な実施態様において、本開示は多層フィルムに向けられる。この多層フィルムは化学的および/または環境的な曝露によって生じるダメージに対する抵抗性のある材料を含む層を通常有する。この多層フィルムもまた溶融歪み硬化性の材料を含む第二層を有する。この多層フィルムは望ましい機械的特性を有する材料を含む付加的な層をさらに含んでもよい。
【0013】
別の実施態様において、本開示は、この多層フィルムのプロセシングに有用な特性を有する層と、機械的特性を結果物の多層フィルムに提供するという特質を有する層とを、通常含む多層フィルムに向けられる。この多層フィルムは望ましい表面特性を提供する層をさらに含んでも良い。これらの表面特性は化学的な抵抗性または付着性を含む。一例の用途で、この多層フィルムはフッ素ポリマープロセシングで使用されてもよい。
【0014】
図1は多層フィルムの一例を描いたものである。この例のフィルム100は少なくとも二の層、102及び104を有する。層102は化学的および環境的な曝露によるダメージに対して抵抗するダメージ抵抗性ポリマーを含む。層104はプロセシングの特徴及び
望ましいプロセシングの挙動を提供するポリマーまたはポリマー配合物を含む。例えば、層104は溶融相で第一層のポリマーよりも高い引張力を示す溶融歪み硬化性の構成要素を含んでも良い。別の例では、層104は異なる分子量を有するフッ素ポリマーの配合物を含む。特別な実施態様において、層104は多層フィルム100の約30体積%以下を形成する。例えば、層104は、例えばこの多層フィルムの約5体積%のように、この多層フィルムの約10体積%以下を形成することもある。
【0015】
層102は化学的及び/または環境的な曝露に対する抵抗性のあるポリマー構成要素を含む。他の例の実施態様において、この材料は汚れがこびりつかない特性を有しかつ汚れに対する抵抗性があってもよい。このポリマー構成要素はフッ素化処理されたポリマーでもよい。例えば、このポリマー構成要素は、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、エチレンクロロトリフルオロエチレンからなる群から選択されたモノマーを少なくとも一種含むフッ素置換されたオレフィン系ポリマーのようなフッ素化処理されたポリマー、及びこれらのフッ素ポリマーの混合物でもよい。このフッ素ポリマーのポリマーはフッ化ポリビニリデン(PVDF)及びフッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレンコポリマーのようなPVDFコポリマーを含む。多くのフッ素ポリマーは様々なグレードでサプライヤーから市販されている。例えばサプライヤーは、例えば異なる分子量が比粘度特性を提供するように、同じ組成だが異なる特性を名目上有する複数の樹脂を供給することができる。例えばPVDFポリマーはソルベー社のPVDF1010及びPVDF21510、及びアトフィーナ社のKynar760、Kynar740及びKynar720を含む。この102層のフッ素ポリマー構成要素はこのようなポリマーの代わりに複数のフッ素ポリマー溶融配合物を含むことが可能であることが考えられる。PVDFホモポリマーとPVDFコポリマーとのアロイは改善した弾性率と光沢の減少を伴うフィルムを提供しうる。ある例の実施態様において、このポリマーは本質的にフッ素化処理されたポリマーから構成され、そして実質的に溶融歪み硬化性の構成要素は含まない。
【0016】
層104はプロセシング条件において溶融歪み硬化性及び/または高くて多相の引張力を示すポリマー構成要素を含んでもよい。あるポリマー構成要素について、延伸比領域に対する溶融相引張力のなだらかな勾配が相当正(プラス)である時、溶融歪み硬化性が示される。ある例の実施態様において、この溶融歪み硬化性の構成要素は10:1より大きい延伸比で溶融歪み硬化性を示す非ポリオレフィン系ポリマーである。別の例の実施態様において、この溶融歪み硬化性の構成要素は、延伸比が0から30:1より大きい場合に約0.03cNより大きい、溶融相における溶融相引張力のなだらかな勾配を示す非ポリオレフィン系ポリマー構成要素である。例えば、この延伸比勾配に対する溶融相引張力は、約10:1〜約20:1の間または約10:1〜約15:1の間にある延伸比領域において、例えば少なくとも約0.05cNまたは少なくとも約0.08cNのように、約0.04cNより大きくてよい。別の実施態様において、この溶融歪み硬化性の構成要素は、例えば約10:1〜約15:1または約20:1〜約30:1のような、約5:1〜約30:1の間にある延伸比領域において、なだらかな溶融相引張力の増加を示してもよい。さらなる例の実施態様において、この溶融歪み硬化性ポリマーは、第一延伸比と第二延伸比の間の延伸比領域で溶融相引張力の正の変化率が変化することが示される、溶融歪み硬化性を示す。ここで、このダメージ抵抗性ポリマーは同領域で溶融平坦域を示しても良い。特別な実施態様によると、この溶融歪み硬化性ポリマーは、望ましい延伸比領域において約0.03cNより大きい延伸比勾配に対する溶融相引張力を示す。例えば、この溶融歪み硬化性ポリマーが、例えば特定の延伸比領域に対して少なくとも約0.04cN、少なくとも約0.05cN、または少なくとも約0.08cNのように、特定の延伸比領域に対して少なくとも約0.03cNの勾配を示しても良い。対照的に、機械的特性または表面特性ポリマーは小さな勾配または、例えば特定の延伸比領域に対して約0.005cNまたは実質的に0cNのように、約0.03cNよりも小さく概して平坦な勾配を示しても良い。さらなる例の実施態様において、この溶融歪み硬化性ポリマーは、約10:1と約15:1の延伸比領域で、約230℃のプロセシング中に、延伸比の変化に対する溶融相引張力の変化の正の比率を示す。このダメージ抵抗性ポリマーは、同延伸比領域において、同じプロセシング条件下で、概して平坦な勾配を示す。さらなる例の実施態様において、この溶融歪み硬化性の構成要素は、例えば少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約80%、少なくとも約100%または少なくとも約300%大きい勾配のように、ある延伸比領域を通じて機械的構成要素または表面的構成要素より大きい延伸比に対する溶融相引張力の勾配を示しても良い。
【0017】
この溶融歪み硬化性ポリマーは、例えば、アクリル系ポリマーのような非ポリオレフィン系ポリマーであってもよく、ポリエチレンまたはポリプロピレンでなくてもよい。別の例の実施態様において、この溶融歪み硬化性ポリマーは高い平均分子量のフッ素ポリマーであってもよい。ある例の実施態様において、非ポリオレフィン系ポリマーは枝分かれ状ポリマーでもよい。別の例の実施態様において、この非ポリオレフィン系ポリマーは線状ポリマーでもよい。このアクリル系ポリマーは1〜4の炭素原子を有するアルキル基、グリシジル基または1〜4の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基でもよい。代表的なアクリル系ポリマーはポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリグリシジルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリグリシジルアクリレート、ポリヒドロキシエチルアクリレート及びそれらの混合物を含む。
【0018】
このアクリル系ポリマーは、例えば、耐衝撃グレードのまたは改質耐衝撃グレードのアクリル系誘導体である。改質耐衝撃グレードのアクリル系ポリマーは、望ましい弾性率と衝撃抵抗性を生むため、実効的な量の好適なコモノマーまたはグラフト部分と、アクリル系モノマーのモノマーとの、コポリマーを概して含む。ときどきアクリレートゴム、ポリアクリレートゴム、ポリアクリル系エラストマーまたは「ACM」として言及され、そしてポリアクリレートとポリメタクリレート、ポリアクリレートとエチレンメタクリレートコポリマー(「EMAC」)(例えばシェブロンケミカル社 EMAC2260)、またはポリアクリレートとエチレンブチルアクリレート(「EBAC」)の混合物に基づく組成物である、アクリル系エラストマーを使用することが可能である。あるいは、熱可塑性の改質耐衝撃グレードのアクリル系ポリマーは例えば、アクリル酸、メタクリル酸、及びそれらの混合物から選択されるカルボキシル酸化合物とエチレンとのプラスチックコポリマーのような透明でガラス質のアクリル系ポリマーと、エラストマー構成要素との、配合物であることも可能である。
【0019】
この改質耐衝撃グレードのアクリル系ポリマーは概してプラスチックコポリマー中に均一に分散したエラストマーの微粒子を含む。この耐衝撃グレードのアクリル系誘導体は、10〜99質量パーセントのブロックコポリマー、0.1〜10μmの粒子サイズを有する粒子状ゴム0.1〜1質量パーセント、および残りは透明なガラス質ポリマーを配合することによって作製された、透明で頑丈な熱可塑性の配合物を含んでも良い。別の好適な改質耐衝撃グレードのアクリル系ポリマーを作製するための技術は、アトフィーナ社のDR−101樹脂のような、いわゆる「コア/シェル」製品を使用することを採用する。これらは概して、別のポリマーのシェルに囲まれた一つのポリマーの中心コアを有する、ポリマー粒子である。このコアはプラスチックまたはエラストマー構成要素のいずれかとすることができ、シェルはその反対のもの(すなわちエラストマーかプラスチック構成要素)になる。このコア/シェル粒子は、コアとシェルの範囲が溶融相状態で混合され非常に小さい規模で均質な混合物を形成する溶融押出機のような溶融混合装置に供給され、そしてこの均質な混合物を押し出したものからフィルムが形成される。
【0020】
ある特別な実施態様において、この溶融歪み硬化性材料は、線状の改質耐衝撃グレードのアクリル系誘導体でもよい。さらなる例の実施態様において、この溶融歪み硬化性のアクリル系誘導体は、枝分かれ状の改質耐衝撃グレードのアクリル系誘導体でもよい。概して、付着性の相で通常使用されるような、耐衝撃グレードが改質されていない線状のアクリル系ポリマーは、好適でない。しかしながら、望ましい延伸比領域で溶融歪み硬化性の挙動を実現するアクリル系誘導体は好適である。
【0021】
あるひとつの例の実施態様において、この104層は溶融歪み硬化性ポリマーと他の構成要素との混合物を含む。例えば、この104層は耐衝撃グレードのアクリル系誘導体のような、溶融歪み硬化性の構成要素を約70%より多く含んでも良い。ある例の実施態様において、この層は耐衝撃グレードのアクリル系誘導体を約75%より多く、またはアクリル系誘導体を約80%より多く含んでも良い。104層はまた、ダメージ抵抗性ポリマーのような他の構成要素を含んでも良い。例えば、この104層は耐衝撃グレードのアクリル系誘導体と約25質量%以下のPVDF、PVDFコポリマーまたはそれらの混合物とを有するポリマー混合物を含んでも良い。他の例の実施態様において、この混合物は、約10質量%以下のPVDFのように、約20質量%以下のPVDFを含んでも良い。一実施態様において、104層は本質的に溶融歪み硬化性の構成要素から構成される。
【0022】
別の例の実施態様において、この溶融歪み硬化性の構成要素または高い溶融相引張力構成要素が高い平均分子量のポリマーを含んでも良い。例えば、フッ素ポリマーの用途において、104層は、低から中程度の平均分子量のフッ素ポリマーと、所定の延伸比において溶融歪み硬化性と高い溶融相引張力を示す高い平均分子量のフッ素ポリマーとの混合物を含んでも良い。一つの特別な実施態様において、この低い平均分子量のポリマーは、約190kg/mol以下または約180kg/mol以下のように、約200kg/mol以下の平均分子量を有するPVDFを含んでも良い。この高い平均分子量のポリマーは少なくとも約250kg/mol、少なくとも約285kg/mol、または少なくとも約365kg/molのように、少なくとも約200kg/molの分子量を有するPVDFを含んでも良い。代わりの実施態様において、この平均分子量は数平均分子量とz−平均分子量法を使って決定されてもよい。この高い平均分子量のポリマーは低い平均分子量のポリマーの分子量ピークより少なくとも約25%高い分子量でピークとなる分子量分布を有しても良い。例えば、この高い平均分子量のポリマーの分布ピークは、低い平均分子量のポリマーの分布のピークより、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約80%または少なくとも約90%高くてもよい。このフッ素ポリマーが同じモノマーから派生したものである場合の一例の実施態様において、結果物である混合物はポリマー分子の二モード分子量分布を生じる。
【0023】
一例のフッ素ポリマーは、フッ素置換オレフィン系ポリマーと、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、エチレン−クロロトリフルオロエチレンからなる群から選択されるモノマーを少なくとも一種含むポリマーと、このようなフッ素ポリマーの混合物とを含む。このフッ素ポリマーのポリマーはフッ化ポリビニリデン(PVDF)及び、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレンコポリマーのようなPVDFコポリマーを含む。多くのフッ素ポリマーは様々なグレードでサプライヤーから市販されている。例えばサプライヤーは、例えば異なる分子量が比粘度特性を提供するように、同じ組成だが異なる特性を名目上有する複数の樹脂を供給することができる。例えばPVDFポリマーはソルベーソレキシス社のPVDF1010及びPVDF21510を含む。他の例はアトフィーナ社のKynar720、Kynar740及びKynar760を含む。Kynar760は、Kynar720とKynar740よりも高い平均分子量を有する。この104層のフッ素ポリマー構成要素はこのようなポリマーの代わりに複数のフッ素ポリマー溶融混合物を含んでもよいことが考えられる。PVDFホモポリマーとPVDFコポリマーとのアロイは改善した弾性率と光沢の減少を伴うフィルムを提供してもよい。ある例の実施態様において、このポリマーは本質的にフッ素化処理されたポリマーから構成されてもよい。
【0024】
ある特別な実施態様において、104層は高い平均分子量のポリマーと低いまたは中程度の平均分子量のポリマーとの配合物を含む。特別な実施態様において、この配合物は少なくとも約60質量%の高い平均分子量のポリマーを含む。例えば、この配合物は少なくとも約70質量%、少なくとも約75質量%、少なくとも約80質量%、少なくとも約85質量%、少なくとも約90質量%または100質量%と同等の、高い高分子量のポリマーを含んでも良い。別の例の実施態様において、このポリマー配合物は約40質量%以下の低いまたは中程度の平均分子量のポリマーを含んでも良い。例えば、このポリマー配合物は約30質量%以下、約25質量%以下、約20質量%以下、約15質量%以下または約10質量%以下の低いまたは中程度の平均分子量のポリマーを含んでも良い。ある特別な実施態様において、この高い平均分子量のポリマーはKynar760であり、中程度の平均分子量のポリマーはKynar740であり、そして低い平均分子量のポリマーはKynar720である。
【0025】
加えて、102層と104層は数ある中でも特に、無機充填剤、有機充填剤、酸化防止剤、UV添加物、難燃剤、分解防止添加剤、及び助剤を含んでも良い。例えば、102層は少量であるが重要な部分である分解防止添加物及び助剤を含んでも良い。この無機充填剤は、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、炭酸カルシウム、カーボンブラック、着色顔料及び粘土を含んでもよい。
【0026】
図2は多層フィルムの別の例の実施態様を表す。この多層フィルム200は層202、204および206を含む。層202は、例えば、ダメージ抵抗性ポリマーを含む。代わりの実施態様において、層202は付着層であってもよい。層204は溶融相において望ましいプロセシング特性及び挙動を提供し、そして望ましいプロセシング挙動を示すポリマーまたはポリマー配合物を含んでも良い。例えば、層204は特定の延伸比領域内でまたは特定の延伸比で望ましいプロセシング挙動を示す溶融歪み硬化性ポリマーまたは高い溶融相引張力ポリマーを含んでも良い。ある例の実施態様において、層204はアクリル系誘導体またはアクリル系誘導体配合物を含んでも良い。別の例の実施態様において、層204は高い平均分子量のポリマーまたは一般的なモノマーから形成される分子の二モード分子量分布を含んでも良い。層206は望ましい機械的特性を示すポリマー構成要素を含んでも良い。ある例の実施態様において、層206はフッ素ポリマー/アクリル系誘導体配合物を含む。かわりの実施態様において、層204と層206は互いに置き換えられても良い。
【0027】
ある例の実施態様において、層202は多層フィルムの約30体積%以下を構成する。例えば、層202は多層フィルムの約20体積%以下、約10体積%以下または約5体積%以下を構成してもよい。層204は多層フィルムの約30体積%以下を構成する。例えば、層204は多層フィルムの約20体積%以下、約10体積%以下または約5体積%以下を構成してもよい。層206は多層フィルムの約40体積%より多くを構成してもよい。例えば、層206は多層フィルムの約60体積%より多く、約80体積%より多く、または少なくとも約90体積%を構成してもよい。
【0028】
層202はダメージ抵抗性ポリマーと、他のポリマーと、及び無機充填剤との配合物を含んでも良い。例えば、層202はフッ素化処理されたポリマー(例えばPVDF)のような、ダメージ抵抗性ポリマーを含んでも良い。代わりの実施態様において、層202は付着性の構成要素、他のポリマー、及び無機充填剤を含んでも良い。層204は溶融歪み硬化性の構成要素を含んでもよく、そしてこのダメージ抵抗性構成要素のような他のポリマーを含む配合物であっても良い。あるいは、層204は高い平均分子量、高い引張力のフッ素化処理されたポリマーを含むフッ素化処理されたポリマーの配合物を含んでも良い。
【0029】
層206は、望ましい機械的特性を有する構成要素を含んでも良く、その特性は結果物である多層フィルムにおいて明白なものである。このような機械的特性は延長性(エロンゲーション)、柔軟性(フレキシビリティ)、被覆性(ドレープ)を含む。これらの特性は、例えば、フッ素ポリマーフィルムの特性に類似している。ある例の実施態様において、層206は他の構成要素との配合物中にダメージ抵抗性構成要素を含む。層206はフッ素化処理されたポリマーを含んでも良い。特別な実施態様において、層206は上記にリストされたフッ素化処理されたポリマー(例えばPVDF)のような、フッ素化処理されたポリマーを約20質量%より多く含む。層206はまた中でもとりわけ、無機充填剤、有機充填剤、酸化防止剤、UV添加物、難燃剤、分解防止添加物及び助剤、溶融歪み硬化性の構成要素(例えば耐衝撃グレードのアクリル系誘導体)、及び他のアクリル系誘導体も含んでも良い。例えば、層206は少量であるが重要な部分である分解防止添加物及び助剤を含んでも良い。無機充填剤は、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、炭酸カルシウム、カーボンブラック、着色顔料及び粘土であってもよい。ある例の実施態様において、層206は約30質量%より多くのPVDF、約35質量%以下の耐衝撃グレードのアクリル系誘導体、無機充填剤、及び分解防止添加物を含む。
【0030】
層は隣接する層及び基板組成物と適当な親和性を有し、その両方によく付着する。代わりの実施態様において、層206と204は順番を逆にしてもよい。別の代わりの実施態様において、層202は無くても良いかまたは層206と同一の層で置換されても良い。
【0031】
図3は多層フィルムの別の例の実施態様を表す。この多層フィルムは5つの層302、304、306、308および310を含む。層302と310は、例えば、フッ素化処理されたポリマー(例えばPVDF)のようなダメージ抵抗性ポリマー、またはアクリル系誘導体のような付着性のポリマーを含んでもよい。層304と308は、例えば、耐衝撃グレードのアクリル系ポリマーのような溶融歪み硬化性の構成要素を含んでもよく、または例えば、高い分子量のフッ素ポリマーを含んでも良い。層306は、例えば望ましい機械的特性を有するポリマーを含んでもよく、そして例えば、フッ素化処理されたポリマーとアクリル系誘導体との配合物であってもよい。代わりの実施態様において、層304と308は望ましい機械的特性を有するポリマーを含んでも良く、そして層306は溶融歪み硬化性の構成要素を含んでも良い。
【0032】
ある実施態様において、ダメージ抵抗性ポリマーの構成要素から形成される層302と310は合わせてこの多層フィルムの約20体積%以下を構成する。例えば、302と310の各層はこの多層フィルムの約10体積%以下、または約5体積%以下を構成してもよい。溶融歪み硬化性の構成要素または高い分子量の、高い引張力の構成要素から形成される層304と308は合わせてこの多層フィルムの約40体積%以下を構成する。例えば、層304と308はそれぞれこの多層フィルムの約10体積%以下、または5体積%以下を構成する。望ましい機械的特性を有する構成要素から形成される層306は、この多層フィルムの約40体積%より多くを構成しても良い。例えば、層306はこの多層フィルムの約60体積%より多く、またはこの多層フィルムの約80体積%よりさらに多くを形成しても良い。代わりの実施態様において、層306が複数の層に分割される場合、その結合層はこの多層フィルムの約40体積%より多くを提供する。
【0033】
ある例の実施態様において、このフィルム構造はA/C/B/C/Aであってもよく、ここで各文字は固有の押出機から押し出された異なる材料を表す。層Aは、例えば、100%ソルベー社のPVDF1010であってもよく、そしてそれぞれの層Aは多層フィルムの約10体積%を形成してもよい。層Bは約60質量%より多いPVDFホモポリマーおよび/またはコポリマーおよび約40質量%以下のアクリル系誘導体を含むPVDF/アクリル系誘導体配合物であってよい。層Bは多層フィルムの約40体積%より多くを形成してもよい。層Cはアトフィーナ社の耐衝撃グレードのアクリル系誘導体DR101で形成されてもよく、そしてそれぞれのC層は多層フィルムの、約5体積%のように、約10体積%未満を構成してもよい。あるいは、このC層は、PVDFポリマーの配合物のような、高い平均分子量の、高い溶融相引張力構成要素と低い平均分子量の構成要素との配合物から形成されてもよい。
【0034】
別の例の実施態様において、このフィルム構造はA/C/B/C/Dであってもよく、ここで各文字は固有の押出機から押し出された異なる材料を表す。層Aは、例えば、100%ソルベー社のPVDF1010であってもよく、そして多層フィルムの約10体積%を形成してもよい。層Bは約60質量%より多いPVDFおよび約40質量%以下のアクリル系誘導体を含むPVDF/アクリル系誘導体配合物であってよい。層Bは多層フィルムの約40体積%より多くを形成してもよい。層Cはアトフィーナ社の耐衝撃グレードのアクリル系誘導体DR101で形成されてもよく、そしてそれぞれのC層は、多層フィルムの約5体積%のように、約10体積%未満を構成している。あるいは、このC層は、PVDFポリマーの配合物のような、高い平均分子量の、高い溶融相引張力構成要素と低い平均分子量の構成要素との配合物から形成されてもよい。層Dは多層フィルムのおよそ30体積%を形成する。層Dは層Bに似た材料を含んでもよい。しかしながら、層Dは、熱シールのための低融点を有するというような(例えば多くのアクリル系誘導体)、特別注文の特性が強められてもよい。層Bはまたリサイクル性とトリム性の追加のためにもっぱら使用されてもよい。
【0035】
別の例の実施態様において、このフィルム構造はA/C/B/C/Bであってもよい。層Aは100%ソルベー社のPVDF1010であってもよく、そして多層フィルムの約10体積%を構成してもよい。層Bは約60質量%より多いPVDFおよび約40質量%以下のアクリル系誘導体を含むPVDF/アクリル系誘導体配合物であってよい。層Bは、組み合わせて、多層フィルムの約70体積%より多くを構成してもよい。ある例の実施態様において、外側のB層は全フィルム体積の約20〜35体積%を構成してもよい。C層はアトフィーナ社の耐衝撃グレードのアクリル系誘導体DR101であってもよい。あるいは、このC層は、PVDFポリマーの配合物のような、高い平均分子量の、高い溶融相引張力構成要素と低い平均分子量の構成要素との配合物から形成されてもよい。それぞれのC層は、全フィルム体積の約5体積%を構成してもよい。
【0036】
さらなる例の実施態様において、このフィルム構造はA/B/Cであってもよく、ここで層Aは100%ソルベー社のPVDF1010であって、そしてこのフィルムの約5〜10体積%を構成する。層Bは、約60質量%のPVDFと約40質量%のアクリル系誘導体のような、約30〜80質量%のPVDFを含むPVDFとアクリル系誘導体との配合物である。層Bはこのフィルムの約80〜90体積%を構成する。層Cは、約60〜90質量%のアクリル系誘導体と約30〜40質量%のPVDFのような、約55〜100質量%のアクリル系誘導体を含むPVDFとアクリル系誘導体の配合物である。層Cはこのフィルムの約5〜10体積%を構成する。ある例において、層Cは70質量%より多い溶融歪み硬化性のアクリル系誘導体を含んでもよい。別の例において、付加層Dは70質量%より多い溶融歪み硬化性のアクリル系誘導体を含むように付加されてもよい。
【0037】
別の例の構造はA/BまたはA/B/A構造であってもよい。例えば、層Aは、70%の改質耐衝撃グレードのまたは溶融歪み硬化性のアクリル系誘導体を有するPVDF/アクリル系誘導体の配合物のような、溶融歪み硬化性ポリマーとフッ素化処理されたポリマーを含んでも良く、そして層Bは少なくとも約70%のPVDFを含むPVDFとアクリル系ポリマーとのポリマー配合物を含んでも良い。別の例において、層Aは非溶融歪み硬化性フッ素ポリマーを含み、そして層Bは少なくとも約70%の溶融歪み硬化性ポリマーまたは二モード分子量フッ素ポリマーを含むPVDFとアクリル系誘導体との配合物を含む。
【0038】
別の例の構造はC/B/Cであってもよく、ここで層Cは、約60〜90%のアクリル系誘導体と約10〜40質量%のPVDFのような、約55〜100質量%のアクリル系誘導体を含むPVDFとアクリル系誘導体との配合物である。層Bは、約60質量%のPVDFと約40質量%のアクリル系誘導体のような、約30〜80質量%のPVDFを含むPVDFとアクリル系誘導体との配合物である。層Cはこのフィルムの約5〜10体積%を構成し、そして層Bはこのフィルムの約80〜90体積%を構成する。ある例の実施態様において、層Cの少なくとも一つが70質量%より多い溶融歪み硬化性のアクリル系誘導体を含んでいる。別の例において、付加層Dは70質量%より多い溶融歪み硬化性のアクリル系誘導体を含むように付加されてもよい。
【0039】
さらなる例の実施態様は3つの押出機から押し出された3層を少なくとも含む。第一の層はフッ素ポリマーを含む。第二の層は溶融歪み硬化性の構成要素を含み、そして第三の層は、約70質量%より多いアクリル系誘導体のような、約55質量%より多い付着性のアクリル系誘導体を含む付着層である。
【0040】
別の例の実施態様は、5層のように、少なくとも4つの層を含む。層1はフッ素ポリマーを含む。層2は溶融歪み硬化性の構成要素を含む。層3は約20質量%〜80質量%のアクリル系誘導体と約20質量%〜80質量%のフッ素ポリマーを含む。随意的な層4は溶融歪み硬化性の構成要素を含む。層5は付着層である。この五層構造は4つの押出機を使って形成されてもよい。
【0041】
他の例の実施態様は、5層のように、少なくとも4つの層を含む。層1は付着層である。層2は溶融歪み硬化性の構成要素を含む。層3は約20質量%〜80質量%のアクリル系誘導体と約20質量%〜80質量%のフッ素ポリマーを含む。随意的な層4は溶融歪み硬化性の構成要素または高い溶融相引張力の構成要素を含む。層5は付着層である。この五層構造は4つの押出機を使って形成されてもよい。
【0042】
さらなる例の実施態様において、フィルムは一般的なモノマーから派生した分子の二モード分子量分布を有するフッ素ポリマー配合物を含む。例えば、この一般的なモノマーはPVDFのようなフッ素化処理されたモノマーであってもよい。この配合物は異なる平均分子量を有する混合ポリマーを通して形成されても良い。
【0043】
別の例の実施態様において、多層フィルムは層構造A/B/C/B/Aを含む。層AはPVDF層またはアクリル系誘導体層のような表面特性層であってもよい。層Bは、異なる平均分子量を有するフッ素ポリマーのような、一般的なモノマーまたは2つのポリマーの配合物から形成される分子の二モード分子量分布を有する、ポリマーまたはポリマー配合物を含んでも良い。層CはPVDF/アクリル系誘導体の配合物で形成されてもよい。層Aはそれぞれは多層フィルムの約10%以下、または組み合わせて多層フィルムの約20%以下を含んでもよい。層Bは単独で多層フィルムの約10体積%以下、または組み合わせて多層フィルムの約20体積%以下を形成してもよい。層Cは多層フィルムの少なくとも約60体積%を構成してもよい。かわりの実施態様において、層Bは層Cを形成するように結合されてもよく、そして層Cは層Bと置換するために分割されてもよい。
【0044】
さらなる例の実施態様において、二層フィルムは高い平均分子量のポリマーと低いまたは中程度の平均分子量のポリマーとの配合物を有する第一層を含んでも良い。この配合物は高い平均分子量のポリマーを60質量%より多く含んでも良い。ある特別な実施態様において、Kynar720とkynar760のそれぞれが質量30/70の配合物が使用されてもよい。第一層は多層フィルムの約20体積%以下を含んでもよい。第二層はフッ素ポリマーまたはフッ素ポリマー/アクリル系誘導体配合物から形成されてもよく、そして多層フィルムの少なくとも約80体積%を構成する。
【0045】
このような多層フィルムは前述の実施態様を協働して押し出すことによって製造されてもよい。特別な実施態様において、この協働して押し出されたフィルムは、少なくとも約60フィート/分または少なくとも約100フィート/分のような、少なくとも約50フィート/分のライン速度で引き取られても良い。結果物である多層フィルムは、約4%以下、約3%以下、約2%以下、または約1%以下のような、約5%以下の厚み変動を有し、そして実質的に引取共振がない。例えば、この厚みは統計的に平均厚みから平均厚みの約5%以下の変動をしてもよい。
【0046】
図4は、ダメージ抵抗性ポリマーPVDF1010とPVDF21510、およびアトフィーナ社のDR101のような溶融歪み硬化性のアクリル系ポリマーを含む、いくつかの材料の挙動の特性を示す。この試験はゴートフェルト社のレオテンス装置を使って行われた。この溶融チャンバーは12mmの直径を有する。試験は0.060764mm/sのピストン速度、187barのチャンバー圧力、そして230℃の温度で行われた。キャピラリーの入り口角度は70度であった。キャピラリーは1mmの直径と直径に対する比が20の長さを有する。引取ストランド(ひも)の長さは115mmだった。ホイールは標準0.1mmのギャップ(隙間)を有する標準的なものだった。引き落とし速度の加速は3mm/sであった。
【0047】
この一例のダメージ抵抗性構成要素およびアクリル系誘導物シロ社のH−15は延伸比に対する引張力の変化の勾配が小さく0に近く、概して10:1〜20:1の延伸比領域で約0.03cNより小さい、溶融平坦域を表す。対照的に、アトフィーナ社のDR101のような、溶融歪み硬化性の構成要素は、PVDFの例の場合に溶融平坦域が生じる同領域で正の勾配を示す。特に溶融歪み硬化性のポリマーは10:1〜20:1の延伸比に対して約0.03cNより大きい勾配を示す。ある例の構成要素において、勾配が0.04cNより大きく、そして10:1〜20:1の延伸比で約0.1cNより大きくても良い。
【0048】
図5はある延伸比領域での一例のポリマー及びポリマー配合物の溶融相引張力を表す。溶融相引張力はゴートフェルト社のレオテンス装置を使って測定してもよい。ある例において、ゴートフェルト社のレオテンス装置のパラメータは、ダイ(押出型)よりおよそ110mm下のホイール位置、0.06mm/sのピストン速度、ホイール周囲温度、12mmのバレル直径、180度のダイ入り口角度、1mmのダイ内径、20mmのダイ長さ、6分の一時停止時間、および230℃のバレル温度を含む。引取装置はおよそ4mmのホイールギャップを有しても良い。
【0049】
アトフィーナ社による改質耐衝撃グレードのアクリル系誘導体(DR101)は延伸比10:1〜20:1の望ましい領域で溶融歪み硬化性を示す。同様に、アトフィーナ社によるKynar760のような高い分子量のPVDFは、同延伸比領域において溶融歪み硬化性を示す。これらのポリマーの両方はソルベーソレキシス社によるPVDFポリマー(PVDF1010)より高い溶融相引張力を示す。
【0050】
加えて、図5に示されるグラフは高い分子量のアトフィーナ社のKynar760と低い分子量のアトフィーナ社のKynar720との配合物の溶融相引張力挙動を表す。この配合物は、この場合PVDFのような、一般的なモノマーから形成された分子の二モード分子量分布を有するポリマー配合物に帰結する。配合物はKynar720とKynar760の質量比を有することが示される。Kynar760の量が減少するにつれ、所定の延伸比領域において示される溶融相引張力は減少する。例えば、Kynar720とKynar760のそれぞれが20/80の配合物は30/70の配合物より高い溶融相引張力を示し、そして30/70の配合物は40/60の配合物より高い溶融相引張力を示す。中程度の平均分子量のPVDF、Kynar740、及び低い分子量のPVDF、Kynar720が比較のためにグラフ上に示される。
【0051】
ある実施態様において、結果物のフィルムの機械的特性層は、例えば、ソルベーソレキシス社のPVDF1010またはソルベーソレキシス社のPVDF1010と線形非耐衝撃グレード改質アクリル系誘導体を含むアクリル系誘導体との配合物を使って形成されてもよい。プロセシング層はアトフィーナ社のDR101耐衝撃グレード改質アクリル系誘導体、アトフィーナ社のDR101耐衝撃グレード改質アクリル系誘導体とPVDF1010もしくはKynarPVDF720のようなPVDFとの配合物、またはKynar720とKynar760との配合物(例えば20/80配合物もしくは30/70配合物)を利用して形成されてもよい。
【0052】
本発明の実施態様によると、多様な望ましいフィルム特性を有し、そして経済的に製造されうる多層フィルムが提供される。特に、約50フィート/分よりも速いライン速度で引取が可能で、実質的に引取共振のない、押し出し多層フィルムが概して供給される。実際に、実施態様は実質的に、約75フィート/分より速くまたはさらに100フィート/分より速くというような、速いライン速度で形成されてもよい。ある例において、100%溶融歪み硬化性のアクリル系誘導体を含む10%タイ層は約100フィート/分のライン速度における引取共振を効果的に低減することが示される。ここで使用されるように、記述的な語句「実質的に引取共振の無い」は概してウェブ(押し出されてきたフィルム)方向での30%以上の周期的な厚みの変動がないことを意味する。最高ライン速度のような速いライン速度での製造は通常好ましいが、このライン速度では予期せぬ引取共振が発生しまたは他の望ましくないプロセシング条件が発生し、概して生産処理能力に影響する。前述のラインにおいて、本発明の実施態様により、多層フィルムが約10:1より大きい、またはさらに約15:1より大きいような比較的高い延伸比でうまく形成されることが可能である。望ましいプロセシング特性に加えて、多層フィルムは望ましい機械的及び/または化学的特性を示す。例えば、この多層フィルムは望ましい柔軟性(フレキシビリティ)、延長性(エロンゲーション)、及び被覆性(ドレープ)を示す。
【0053】
多様な成分及びフィルムがある範囲のパーセンテージの一以上の構成要素を含むとして記述されるが、当然のことながら、ある構成要素のパーセンテージの変化は対応する別の構成要素のパーセンテージの調整に帰結し、全構成要素の全パーセンテージは100%を超えない。
【0054】
上記の開示された主題は例示であって、限定的なものではないと考えられ、そして添付の請求項は真の発明の範囲内に包含されるような改変、強化およびその他の実施態様をカバーすることが意図される。多様な例及び実施態様が上述されているが、当該分野において当然のことながら、本発明の請求の範囲から逸脱することなく当業者によって、その改変が実施されうる。従って、法で許される最大の範囲で、本発明の範囲は以下の請求項およびその均等物の最も広く許容される解釈によって決定され、そして前述の詳細な説明によって減縮または限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
添付の図面を参照することによって、本開示はより理解され、そしてその多くの対象、特徴、および利点が当業者に明らかにされることが可能となる。
【図1】多層フィルムの実施態様例
【図2】多層フィルムの実施態様例
【図3】多層フィルムの実施態様例
【図4】一例であるフィルム構成要素の外延速度データ
【図5】一例であるフィルム構成要素の外延速度データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層フィルムであって、
フッ素化処理されたポリマーを含む第一層と、少なくとも約70質量パーセントの溶融歪み硬化性の構成要素を含みかつ該多層フィルムの約30体積パーセント以下を構成する第二層とを、含んでなる多層フィルム。
【請求項2】
該第二層が本質的に該溶融歪み硬化性の構成要素からなる、請求項1に記載された多層フィルム。
【請求項3】
フッ素化処理されたポリマーを含みかつ該多層フィルムの約40体積パーセントより多くを構成する第三層をさらに含んでなる、請求項1に記載された多層フィルム。
【請求項4】
該第三層が約20質量パーセントより多くのフッ素化処理されたポリマーを含んでなる、請求項3に記載された多層フィルム。
【請求項5】
該第三層が約80質量パーセント未満の溶融歪み硬化性の構成要素を含んでなる、請求項4に記載された多層フィルム。
【請求項6】
該第三層が該溶融歪み硬化性の構成要素及び約30質量%より多くの該フッ素化処理されたポリマーを含んでなる、請求項3に記載された多層フィルム。
【請求項7】
請求項3に記載された多層フィルムであって、
溶融歪み硬化性の構成要素を含みかつ該多層フィルムの約20体積パーセント以下を構成する第四層と、フッ素化処理されたポリマーを含む第五層とを、さらに含んでなる請求項3に記載された多層フィルム。
【請求項8】
該第二層と第四層の組合せが該多層フィルムの約40体積%以下を構成する、請求項7に記載された多層フィルム。
【請求項9】
該第二層が該多層フィルムの約10体積パーセント以下を構成する、請求項1に記載された多層フィルム。
【請求項10】
該第二層が該多層フィルムの約5体積パーセントを構成する、請求項1に記載された多層フィルム。
【請求項11】
該フッ素化処理されたポリマーがPVDFを含んでなる、請求項1に記載された多層フィルム。
【請求項12】
該溶融歪み硬化性の構成要素が非ポリオレフィン系ポリマーを含んでなる、請求項1に記載された多層フィルム。
【請求項13】
該溶融歪み硬化性の構成要素が線形鎖状ポリマーを含んでなる、請求項1に記載された多層フィルム。
【請求項14】
該線形鎖状の非オレフィン系ポリマーが耐衝撃グレードのアクリル系誘導体である、請求項13に記載された多層フィルム。
【請求項15】
該溶融歪み硬化性の構成要素が耐衝撃グレードのアクリル系誘導体を含んでなる、請求項1に記載された多層フィルム。
【請求項16】
延伸比が約5:1〜約30:1で該溶融歪み硬化性の構成要素が引張力の増加を示す、請求項1に記載された多層フィルム。
【請求項17】
延伸比が約10:1〜約15:1で該溶融歪み硬化性の構成要素が引張力の増加を示す、請求項1に記載された多層フィルム。
【請求項18】
該溶融歪み硬化性の構成要素が、第一延伸比と第二延伸比の間の延伸比領域において、延伸比の変化に対する引張力の変化の正のなだらかな勾配を示す、請求項1に記載された多層フィルム。
【請求項19】
該第一延伸比が10:1かつ該第二延伸比が15:1である、請求項18に記載された多層フィルム。
【請求項20】
該第一延伸比が20:1かつ該第二延伸比が30:1である、請求項18に記載された多層フィルム。
【請求項21】
該正のなだらかな勾配が少なくとも0.03cNである、請求項18に記載された多層フィルム。
【請求項23】
該第二層がフッ素化処理されたポリマーと、約70質量%より多くの歪み硬化性の構成要素とを含み、該歪み硬化性の構成要素が耐衝撃グレードのアクリル系誘導体である、請求項1に記載された多層フィルム。
【請求項24】
該第一層が第一表面を画定し、該第二層が第一表面の反対側にある第二表面を画定し、かつ該溶融歪み硬化性の構成要素がアクリル系誘導体を含み、さらに該多層フィルムが約40質量%より多くのフッ素化処理されたポリマーを含む内部層を含んでなる、請求項1に記載された多層フィルム。
【請求項25】
約55質量%より多くのアクリル系誘導体を含む第三層をさらに含んでなる、請求項1に記載された多層フィルム。
【請求項26】
該第三層が表面を画定する、請求項25に記載された多層フィルム。
【請求項27】
約30質量%より多くのフッ素化処理されたポリマーを含む第四層をさらに含んでなる、請求項25に記載された多層フィルム。
【請求項28】
該第一層が第一表面を画定し、該第三層が第一表面の反対側にある第二表面を画定し、かつ第二層と第四層が第一層と第三層の間に置かれている、請求項27に記載された多層フィルム。
【請求項29】
該第一層がアクリル系誘導体及び約30質量%より多くのフッ素化処理されたポリマーを含み、かつ該第二層が表面を画定する、請求項1に記載された多層フィルム。
【請求項30】
約55質量%より多くのアクリル系誘導体を含む第三層をさらに含み、該第三層が表面を画定する、請求項1に記載された多層フィルム。
【請求項31】
多層フィルムであって、
延伸比約5:1〜約30:1の延伸比領域で引張力が増加する非ポリオレフィン系溶融歪み硬化性ポリマーを約70質量%より多く含み、該多層フィルムの約30体積%以下を構成する第一層と、
該延伸比領域で概して平坦な引張力を有する第二ポリマーを含む第二層とを、含んでなる多層フィルム。
【請求項32】
該非ポリオレフィン系溶融歪み硬化性ポリマーが線形鎖状ポリマーを含んでなる、請求項31に記載された多層フィルム。
【請求項33】
該非ポリオレフィン系溶融歪み硬化性ポリマーが耐衝撃グレードのアクリル系誘導体を含んでなる、請求項31に記載された多層フィルム。
【請求項34】
該耐衝撃グレードのアクリル系誘導体が、その中に特別な相を有するアクリル系誘導体母材を含んでなる、請求項33に記載された多層フィルム。
【請求項35】
該第一層がフッ素化処理されたポリマーをさらに含んでなる、請求項31に記載された多層フィルム。
【請求項36】
該フッ素化処理されたポリマーがPVDFである、請求項35に記載された多層フィルム。
【請求項37】
該第二ポリマーがフッ素化処理されたポリマーである、請求項31に記載された多層フィルム。
【請求項38】
該フッ素化処理されたポリマーがPVDFである、請求項37に記載された多層フィルム。
【請求項39】
該第二層が付着層である、請求項31に記載された多層フィルム。
【請求項40】
該第二層が約40質量%以下の非ポリオレフィン系溶融歪み硬化性ポリマーをさらに含んでなる、請求項31に記載された多層フィルム。
【請求項41】
該第二層が該多層フィルムの約20体積%より多くを構成してなる、請求項31に記載された多層フィルム。
【請求項42】
フッ素化処理されたポリマーを含み、かつ実質的に非ポリオレフィン系溶融歪み硬化性ポリマーを含まない第三層をさらに含んでなる、請求項31に記載された多層フィルム。
【請求項43】
該第二ポリマーが該延伸比領域で溶融平坦域を示す、請求項31に記載された多層フィルム。
【請求項44】
該延伸比領域が約10:1〜約15:1である、請求項43に記載された多層フィルム。
【請求項45】
該延伸比領域が約20:1〜約30:1である、請求項43に記載された多層フィルム。
【請求項46】
該非ポリオレフィン系溶融歪み硬化性ポリマーが少なくとも0.03cNの正の溶融歪み比を示す、請求項43に記載された多層フィルム。
【請求項47】
多層フィルムの製造方法であって、
延伸比が約5:1〜約30:1の延伸比領域において引張力が増加する非ポリオレフィン系溶融歪み硬化性ポリマーを約70質量%より多く含み、該多層フィルムの約30体積%以下を構成する第一層を押し出すことと、該延伸比領域において概して平坦な引張力を有する第二ポリマーを含む第二層を押し出すこと、とを含んでなる多層フィルムの製造方法。
【請求項47】
実質的に引取共振なく約50フィート/分より速い速度で多層フィルムを引き取ることをさらに含んでなる、請求項47に記載された方法。
【請求項48】
多層フィルムであって、
第二平均分子量より大きい第一平均分子量を有する第一フッ素ポリマーと、第二平均分子量を有する第二フッ素ポリマーとの配合物を含む第一ポリマー層、
及び第二ポリマー層、を含んでなる多層フィルム。
【請求項49】
該第一フッ素ポリマーと第二フッ素ポリマーが一般的なモノマーから派生したものである、請求項48に記載された多層フィルム。
【請求項50】
該第一フッ素ポリマーが、溶融相状態で、ある延伸比において、第二フッ素ポリマーが示す溶融相引張力よりも少なくとも約50%大きい溶融相引張力を示す、請求項48に記載された多層フィルム。
【請求項51】
該延伸比が約10:1〜約30:1にある、請求項50に記載された多層フィルム。
【請求項52】
該延伸比が約10:1〜約15:1にある、請求項50に記載された多層フィルム。
【請求項53】
該第一ポリマー層が該多層フィルムの約30体積%以下を構成する、請求項48に記載された多層フィルム。
【請求項54】
該第一フッ素ポリマーが該第一層の少なくとも約60質量%を構成する、請求項48に記載された多層フィルム。
【請求項55】
該第二フッ素ポリマーが該第一層の約40質量%以下を構成する、請求項48に記載された多層フィルム。
【請求項56】
該第一フッ素ポリマーがPVDFを含んでなる、請求項48に記載された多層フィルム。
【請求項57】
該第二フッ素ポリマーがPVDFを含んでなる、請求項48に記載された多層フィルム。
【請求項58】
該第二ポリマー層がフッ素ポリマーを含んでなる、請求項48に記載された多層フィルム。
【請求項59】
該第二ポリマー層がPVDFを含んでなる、請求項48に記載された多層フィルム。
【請求項60】
該第二ポリマー層が付着物を含んでなる、請求項48に記載された多層フィルム。
【請求項61】
該第二ポリマー層がフッ素ポリマー及びアクリル系誘導体を含んでなる、請求項48に記載された多層フィルム。
【請求項62】
該第二ポリマー層が少なくとも約20質量%のフッ素ポリマーを含んでなる、請求項61に記載された多層フィルム。
【請求項63】
該フッ素ポリマーがPVDFを含んでなる、請求項61に記載された多層フィルム。
【請求項64】
該多層フィルムが少なくとも約50フィート/分のライン速度で引取されることに適応した、請求項48に記載された多層フィルム。
【請求項65】
該多層フィルムのフィルム厚の変動が約5%以下である、請求項64に記載された多層フィルム。
【請求項66】
二モード分子量分布を有するフッ素ポリマーを含む第一ポリマー層と、第二ポリマー層とを、含んでなる多層ポリマーフィルム。
【請求項67】
該第一ポリマー層が、同じ延伸比で該第二層の溶融相引張強さより少なくとも50%大きい溶融相引張強さを有してなる、請求項66に記載された多層フィルム。
【請求項68】
該延伸比が約10:1〜約30:1にある、請求項67に記載された多層フィルム。
【請求項69】
該延伸比が約10:1〜約15:1にある、請求項67に記載された多層フィルム。
【請求項70】
該フッ素ポリマーがPVDFを含んでなる、請求項66に記載された多層フィルム。
【請求項71】
該第二ポリマー層が該多層フィルムの少なくとも約40体積%を構成してなる、請求項66に記載された多層フィルム。
【請求項72】
二モード分子量分布における高い側の分子量ピークが、二モード分子量分布における低い側の分子量ピークより少なくとも約50%大きい、請求項66に記載された多層フィルム。
【請求項73】
該第二ポリマー層が少なくとも約20%のフッ素ポリマーを含んでなる、請求項66に記載された多層フィルム。
【請求項74】
該第二ポリマー層がアクリル系誘導体を含んでなる、請求項73に記載された多層フィルム。
【請求項75】
該多層フィルムが少なくとも約50フィート/分のライン速度で引取されることに適応した、請求項66に記載された多層フィルム。
【請求項76】
該多層フィルムのフィルム厚の変動が約5%以下である、請求項75に記載された多層フィルム。
【請求項77】
第一平均分子量を有する第一フッ素ポリマーと、第二平均分子量を有する第二フッ素ポリマーとを含むポリマー層を含む多層フィルムであって、該第一平均分子量は第二平均分子量より大きく、該多層フィルムは少なくとも約50フィート/分のライン速度で引取され、該多層フィルムの厚さの変動が約5%以下である、多層フィルム。
【請求項78】
該変動が約3%以下である、請求項77に記載された多層フィルム。
【請求項79】
該第一フッ素ポリマーと第二フッ素ポリマーが一般的なモノマーから派生したものである、請求項77に記載された多層フィルム。
【請求項80】
該第一フッ素ポリマーがPVDFである、請求項77に記載された多層フィルム。
【請求項81】
フッ素ポリマーとアクリル系誘導体との配合物を含む第二ポリマー層をさらに含んでなる、請求項77に記載された多層フィルム。
【請求項82】
該ポリマー層が該多層フィルムの約30体積%以下を構成する、請求項77に記載された多層フィルム。
【請求項83】
多層フィルムの製造方法であって、
第二平均分子量より大きい第一平均分子量を有する第一フッ素ポリマー、及び第二平均分子量を有する第二フッ素ポリマーの配合物を含む第一ポリマー層を押し出すことと、
第二ポリマー層を押し出すこと、とを含んでなる多層フィルムの製造方法。
【請求項84】
該第一ポリマーを押し出すこと及び該第二ポリマーを押し出すことが、該第一ポリマーと該第二ポリマーを協働して押し出すことを含んでなる、請求項83に記載された方法。
【請求項85】
該第一フッ素ポリマー及び第二フッ素ポリマーが一般的なモノマーから派生したものである、請求項83に記載された方法。
【請求項86】
該第一フッ素ポリマーが、ある延伸比において第二フッ素ポリマーが示す溶融相引張力より少なくとも約50%大きい溶融相引張力を示す、請求項83に記載された方法。
【請求項87】
該延伸比が約10:1〜約30:1にある、請求項86に記載された方法。
【請求項88】
該第一ポリマー層が該多層フィルムの約30体積%以下を構成する、請求項83に記載された方法。
【請求項89】
該第一フッ素ポリマーが該第一層の少なくとも約60質量%を構成する、請求項83に記載された方法。
【請求項90】
該第一フッ素ポリマーがPVDFを含む、請求項83に記載された方法。
【請求項91】
該第二ポリマー層がフッ素ポリマー及びアクリル系誘導体を含む、請求項83に記載された方法。
【請求項92】
該第一層と第二層を少なくとも約50フィート/分のライン速度で引き取ることをさらに含む、請求項83に記載された方法。
【請求項93】
該多層フィルムのフィルム厚の変動が約5%以下である、請求項83に記載された方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−524532(P2007−524532A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−554224(P2006−554224)
【出願日】平成17年2月18日(2005.2.18)
【国際出願番号】PCT/US2005/005172
【国際公開番号】WO2005/081859
【国際公開日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(500149223)サン−ゴバン パフォーマンス プラスティックス コーポレイション (64)
【Fターム(参考)】