説明

引換えチケット発行システム

【課題】店舗側および顧客側のリスクを低減しつつ、顧客の来訪意欲を高める引換えチケット発行システムを提供する。
【解決手段】引換えチケット発行装置1は、電気通信回線5によって顧客端末4と接続されるサーバー2と、サーバー2を介して送受信されるデータおよび所定の店舗の店舗情報の少なくとも一方を記憶する記憶部3と、を備え、サーバー2は、顧客端末4からの対象店舗の引換えチケット発行要求および顧客の識別子を受ける受付手段6と、識別子および対象店舗の店舗情報の少なくとも一方に基づいて、引換えチケットの発行条件および発行態様の少なくとも一方を決定する決定手段7と、発行条件および発行態様の少なくとも一方に基づいた対象店舗に対応する引換えチケットを発行する発行手段8と、を有し、引換えチケットは、対象店舗での決済時の金券としての権利を有すると共に決済時の認証コードを有し、認証コードは引換えチケット毎に異なる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商店や飲食店でのショッピングにおいて、金券としての引換え機能を有する引換えチケットを発行する発行システムに関する。
【背景技術】
【0002】
商店や飲食店は、宣伝や顧客獲得のために、様々なイベントや特典を活用する。例えば、顧客誘引を考慮して、商店や飲食店は、前売り券、プリペイドカードなどのプリペイド方式の金券を発行したり、割引特典のある特典クーポンを発行したりする。プリペイド方式の金券は、予め支払いが終了していることや割引特典などがあることで、顧客の商店や飲食店への来訪意欲を高める。また、割引特典などのあるクーポンは、顧客にとってお得感を生じさせるので、プリペイド方式の金券と同様に、顧客の商店や飲食店への来訪意欲を高める。
【0003】
ここで、プリペイド方式の金券は、換金可能な金額の支払いが済まされているので、金券を発行する商店や飲食店にとっては、金銭回収不能とのリスクは少ない。一方で、プリペイド方式の金券は、顧客にとっては商店や飲食店での実際の購入前に費用の支払いを要求する。このため、種々の理由で商店や飲食店に来訪できなかったり、プリペイド方式の金券を紛失したりするなどで、顧客にとっては、支払った対価に対応する購入ができないリスクを有している。
【0004】
割引特典のある特典クーポンは、例えば雑誌やインターネットのWEBサイトなどから印刷できる。会計時に「**円引き」のような割引特典を提供したり、「おまけ商品あり」のようなおまけを提供したりする。このような特典クーポンは、特典クーポン入手の際には顧客にとっては支払い義務や決済処理は生じないので、顧客にとってのリスクは発生しにくい。しかしながら、特典クーポンの偽造や乱発がなされると、商店や飲食店にとっては、不利益が発生する。また、特典クーポンは、発行時や入手時において、顧客にとっては支払い義務が生じないので、顧客は特典クーポンを入手しても、実際に商店や飲食店を来訪しないことも多い。すなわち、商店や飲食店にとっては、顧客の来訪意欲を高めることが、特典クーポンでは難しい(できないか、できても予測が困難である)という問題もある。
【0005】
このような状況において、商店や飲食店など店舗側および顧客側の双方にとって、リスクを低減しつつ顧客の来訪意欲を高める仕組みが求められている。
【0006】
これに合わせて、例えばクーポン券の発行と認証を行うシステムが提案されている(例えば、特許文献1〜6参照)。これらのシステムは、インターネットなどのネットワークを介してクーポンを発行し、発行されたクーポンを店舗において認証する仕組みを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−140667号公報
【特許文献2】特開2007−72557号公報
【特許文献3】特開2007−172023号公報
【特許文献4】特開2010−152757号公報
【特許文献5】特開2002−117307号公報
【特許文献6】特開2010−102421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1は、店舗のQRコードをキャプチャし、店舗の会員登録などの種々の条件に対応することで、顧客が電子クーポンを入手し、顧客は店舗において電子クーポンを示して特典を入手するシステムを開示する。
【0009】
しかしながら、特許文献1に開示されるシステムは、顧客が携帯端末などで示す電子クーポンを店舗の店員が目視等で確認するため、電子クーポンの不正や偽造などの問題に対応できない。また、電子クーポンが不正や偽造の対象となることで、電子クーポンに対する信頼性が低くなり、店舗にとっても顧客にとっても、電子クーポンを用いることへの意欲が低くなる問題がある。
【0010】
特許文献2は、クーポン券などの認証において、店舗において目視等で確認した上で、端末を操作して認証を行う技術を開示する。
【0011】
しかしながら、特許文献1と同様に、電子クーポンが店員の目視によって確認されるため、電子クーポンの不正や偽造などの問題に対応できない。結局、クーポンの信頼性が低くなって、店舗および顧客の双方に不利益が生じ、クーポンの活用が図られない問題がある。クーポンの活用が図られなければ、クーポンを用いて顧客拡大を図るという店舗側の目的は達成されなくなってしまう問題にも繋がる。
【0012】
特許文献3は、クーポンサーバがクーポン情報の要求に応じて、種々の要素を埋め込んだクーポンを発行する技術を開示する。しかしながら、特許文献3の技術では、各店舗において、クーポンサーバと同様の機能を有する専用の装置が設置される必要があり、コストメリットが合わない問題がある。
【0013】
特許文献4は、携帯電話機100の第1の記憶領域から読み取ったチップ識別情報と、読み取った電子クーポン情報に含まれるチップ識別情報IDmとを比較し、読み取った電子クーポン情報に含まれるユニーク番号情報がログ記憶手段26に記憶されているユニーク番号情報と一致するか否か比較を行い、ネガ記憶手段27に記憶されたユニーク番号情報と、読み取ったクーポン情報に含まれるユニーク番号情報とが一致するか否か比較を行い、携帯電話機100の第3の記憶領域にネガフラグ情報が書き込まれているか否かを検出し、携帯電話機100の第3の記憶領域から読み取ったユニーク番号情報と、第2の記憶領域から読み取ったクーポン情報に含まれるユニーク番号情報とが一致するか否か比較を行い、比較結果及び検出結果に応じてサービスまたは商品の提供・提供拒否を制御する技術を開示する。
【0014】
しかしながら、特許文献4に開示される技術は、クーポンの正当性を認証するための特殊な技術であって、クーポンを発行するための技術を開示していない。また、認証においても、種々の特殊な要素を用いるので、店舗におけるコスト負担が大きい問題もある。また、クーポンの正当性を認証するだけでは、クーポンの不正発行や偽造を防止することは十分ではなく、仮に十分にするために認証を厳しくしすぎれば、顧客がクーポン券を発行する意欲を持てなくなる問題がある。
【0015】
特許文献5は、ユーザ40の個人情報を含むユーザ情報をセンタ20で管理し、センタ20は、ユーザ40からクーポンの発券要求があった場合に、指定されたクーポン若しくはユーザ毎に付与された認証情報をユーザ40に送信し、ユーザ40が認証情報に基づいて画像形成装置10からクーポンの発券を受ける際に、画像形成装置10がクーポンの券面に認証情報を印刷し、クーポンが使用された際に店舗30が印刷された認証情報を読み取ってセンタ20に通知し、センタ20がこれを管理する技術を開示する。
【0016】
特許文献5も、特許文献4と同じ問題を有している。
【0017】
特許文献6は、POS端末14A、14Bは、発行時刻を含む発行日時情報と、クーポン内容を特定するためのクーポン特定情報と、を有するクーポン生成情報に基づいてクーポンが記録された記録媒体から、あるいは、クーポン生成情報に基づいてクーポンを表示する表示媒体から、発行時刻情報とクーポン特定情報とを読み取り、利用済クーポン情報としてインターネット網13を介してクーポン管理サーバ11に送信し、クーポン管理サーバ11は、POS端末14A、14Bからインターネット網13を介して送信された利用済クーポン情報を受信し、当該クーポン内容と発行日時情報とを集計し、クーポン内容及び発行日時と、クーポンの利用状況と、の関連性を解析する技術を開示する。
【0018】
しかしながら、特許文献6に開示されるシステムは、発行されたクーポンの使用状態を追跡したり、使用状態に合わせた発行を行ったりするシステムであり、店舗側や顧客側のリスクを低減できることには繋がらない。もちろん、来訪意欲を高めることにも繋がらない問題がある。
【0019】
先行技術のいずれも、所定手順でクーポンを発行し、発行されたクーポンが商店や飲食店の手元において認証される技術を開示している。しかしながら、これらの技術は、発行されたクーポン券の認証に関するものがほとんどであり、店舗側および顧客側双方のリスク低減と顧客に対する来訪意欲向上を実現するものではない。特に、特許文献1〜5のいずれも、来訪された商店や飲食店でのクーポン券の認証において、認証の不確実性、認証における顧客への不愉快などの問題がある。また、特許文献6のように、クーポン券発行の技術も、店舗側および顧客側双方のリスク低減としては不十分であり、来訪意欲向上も実現困難である。
【0020】
特に、特許文献1〜6は、(1)クーポン券の認証を厳しくすることで、信頼性を高めようとするアプローチであるが、顧客に不信感や不快感を生じさせてしまい、クーポン券発行の意欲が薄れる、(2)クーポン券発行での条件を考慮しているが、実際の認証に対応した条件ではないので、クーポン券の使用実績が下がる、といった、認証のみに着目したアプローチもしくは発行のみに着目したアプローチのいずれかに偏っている。この結果、店舗側および顧客側の双方のリスクを低減すると共に来訪意欲を高めるクーポン券を用いるシステムが実現できていない問題がある。
【0021】
以上のことから、従来技術においては、店舗側および顧客側のリスクを低減しつつ、顧客の来訪意欲を高めるプリペイド式金券や特典クーポンを発行することができていなかった。このような目的を達成する特典クーポンを発行するためには、次の仕様を満足するシステムが必要である。
【0022】
(仕様1)特典クーポン発行時には、費用支払いが不要であって、実際に商店や飲食店などの店舗での購入時に費用決済がされる前提であること。
(仕様2)店舗で決済されることを前提としているので、特典クーポン券は、費用処理の金銭と変換可能な権利を有していること。
(仕様3)不正や偽造が働きにくい条件で、特典クーポン券が発行されること。
(仕様4)顧客の来訪意欲を向上させる条件を有する特典クーポン券であること。
(仕様5)仕様4と仕様4とが相まって、特典クーポンに対する店舗および顧客双方の信頼性が高くなること。
【0023】
特に、特典クーポンの認証を厳しくするアプローチでは、特典クーポン発行の意欲が下がるので、特典クーポン発行時の条件の明確化によって、店舗および顧客双方のリスクを低減しながらも使用意欲を削がないことが重要である。
【0024】
本発明は、仕様1〜仕様4を満足することで、店舗側および顧客側のリスクを低減しつつ、顧客の来訪意欲を高める引換えチケット発行システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上記課題に鑑み、本発明の引換えチケット発行装置は、電気通信回線によって顧客端末と接続されるサーバーと、サーバーを介して送受信されるデータおよび所定の店舗の店舗情報の少なくとも一方を記憶する記憶部と、を備え、サーバーは、顧客端末からの対象店舗の引換えチケット発行要求および顧客の識別子を受ける受付手段と、識別子および対象店舗の店舗情報の少なくとも一方に基づいて、引換えチケットの発行条件および発行態様の少なくとも一方を決定する決定手段と、発行条件および発行態様の少なくとも一方に基づいた対象店舗に対応する引換えチケットを発行する発行手段と、を有し、引換えチケットは、対象店舗での決済時の金券としての権利を有すると共に決済時の認証コードを有し、認証コードは引換えチケット毎に異なる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の引換えチケット発行システムは、発行される引換えチケットが不正や偽造の対象とならない制限や条件を含んでいることで、提供側および顧客側の双方にとって引き換えチケットに対する信頼性を高めることができ、結果的に来訪意欲が高まる。また、引換えチケットの認証を厳しくしすぎたり、手間を掛けすぎたりすると、顧客にとって引換えチケットを発行する意欲が低くなってしまうので、認証は速やかに処理すると共に、引換えチケット発行時の条件を適切に設定することが適当である。この結果、引換えチケット発行枚数に対する使用実績を向上させることができ、引換えチケットを用いた顧客拡大という引換えチケットのあるべき目的を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態1における引換えチケット発行装置とその周辺とのブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1における引換えチケットの一例を示す模式図である。
【図3】本発明の実施の形態1における引換えチケット10の決済状態を示す模式図である。
【図4】本発明の実施の形態1における決定手段7のブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態1における決定手段での処理模式図である。
【図6】本発明の実施の形態2における引換えチケット発行装置とその周辺のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の第1の発明に係る引換えチケット発行装置は、電気通信回線によって顧客端末と接続されるサーバーと、サーバーを介して送受信されるデータおよび所定の店舗の店舗情報の少なくとも一方を記憶する記憶部と、を備え、サーバーは、顧客端末からの対象店舗の引換えチケット発行要求および顧客の識別子を受ける受付手段と、識別子および対象店舗の店舗情報の少なくとも一方に基づいて、引換えチケットの発行条件および発行態様の少なくとも一方を決定する決定手段と、発行条件および発行態様の少なくとも一方に基づいた対象店舗に対応する引換えチケットを発行する発行手段と、を有し、引換えチケットは、対象店舗での決済時の金券としての権利を有すると共に決済時の認証コードを有し、認証コードは引換えチケット毎に異なる。
【0029】
この構成により、引換えチケット発行装置は、乱発や偽造の無い引換えチケットを発行できる。また、顧客および店舗の双方にとって使い勝手と信頼性の高い引換えチケットを発行できる。
【0030】
本発明の第2の発明に係る引換えチケット発行装置では、第1の発明に加えて、識別子は、顧客の識別コード、氏名、年齢、性別、住所、国籍、使用言語、発行済み引換えチケットの決済履歴、決済口座、口座残高および決済実績の少なくとも一つの情報を含む。
【0031】
この構成により、決定部は、顧客に関る様々な情報に適切に対応して、引換えチケットの発行条件および発行態様を決定できる。
【0032】
本発明の第3の発明に係る引換えチケット発行装置では、第1又は第2の発明に加えて、店舗情報は、対象店舗に依存して定められる店舗依存情報およびサーバーによって定められるサーバー依存情報の少なくとも一方を含む。
【0033】
この構成により、決定部は、店舗に依存するほうが良い発行条件、サーバーに依存するほうが良い発行条件を切り分けることができる。
【0034】
本発明の第4の発明に係る引換えチケット発行装置では、第1から第3のいずれかの発明に加えて、発行条件は、引換えチケットの発行の許諾、引換えチケットの発行枚数、引換えチケットの有効期限、引換えチケットの金券金額、引き換えチケットの割引率、引換えチケット、引換えチケットの使用者および引換えチケットによる引換え対象物の割引額の少なくとも一つに関する。
【0035】
この構成により、決定手段は、顧客および店舗の双方にとって、使用へのモチベーションの高い引換えチケットを発行できるようになる。
【0036】
本発明の第5の発明に係る引換えチケット発行装置では、第4の発明に加えて、決定手段は、識別子および店舗情報の少なくとも一方に基づいて、顧客が決済口座を有する場合、顧客が所定金額以上の口座残高を有する場合、決済口座への送金口座を有する場合および顧客が所定数以上の決済実績を有する場合の少なくとも一つの場合に、引換えチケットの発行を許諾するように発行条件を決定する。
【0037】
この構成により、引換えチケット発行装置は、引換えチケットの乱発を防止できる。
【0038】
本発明の第6の発明に係る引換えチケット発行装置では、第4又は第5の発明に加えて、決定手段は、識別子および店舗情報の少なくとも一方に基づいて、顧客が所定数以上の未決済の発行済み引換えチケットを有している場合には、引換えチケットの発行を不許可とするように発行条件を決定する。
【0039】
この構成により、引換えチケット発行装置は、引換えチケットの乱発を防止できる。
【0040】
本発明の第7の発明に係る引換えチケット発行装置では、第4から第6のいずれかの発明に加えて、決定手段は、顧客の決済履歴、口座残高、決済実績、送金口座および店舗情報の少なくとも一つに基づいて、引換えチケットの発行枚数、引換えチケットの有効期限および引換えチケットの金券金額の少なくとも一つについての発行条件を決定する。
【0041】
この構成により、引換えチケット発行装置は、引換えチケットの使用の可能性を高めることができる。
【0042】
本発明の第8の発明に係る引換えチケット発行装置では、第4から第7のいずれかの発明に加えて、決定手段は、サーバー依存情報に基づいて、引換え対象物、引換えチケットの割引率および割引額の少なくとも一方についての、発行条件を決定する。
【0043】
この構成により、引換えチケット発行装置は、サーバーに依存するほうが好ましい条件によって、引換えチケットを発行できる。
【0044】
本発明の第9の発明に係る引換えチケット発行装置では、第4から第8のいずれかの発明に加えて、識別子は、対象店舗の地域における顧客の滞在期間の情報を更に含み、決定手段は、滞在期間に基づいて、引換えチケットの有効期間についての、発行条件を決定する。
【0045】
この構成により、引換えチケットは、旅行者や出張者にとっても、高い可能性で使用されやすくなる。
【0046】
本発明の第10の発明に係る引換えチケット発行装置では、第4から第9のいずれかの発明に加えて、決定手段は、店舗依存情報に基づいて、引換えチケットの金券金額、使用者条件および引換え対象物の少なくとも一つについての、発行条件を決定する。
【0047】
この構成により、引換えチケット発行装置は、店舗に依存するほうが好ましい条件によって、引換えチケットを発行できる。
【0048】
本発明の第11の発明に係る引換えチケット発行装置では、第1から第10のいずれかの発明に加えて、発行態様は、引換えチケットの印刷状態、表示言語および表示方法の少なくとも一つに関する。
【0049】
この構成により、引換えチケットは、顧客および店舗にとって使い勝手が良くなる。
【0050】
本発明の第12の発明に係る引換えチケット発行装置では、第11の発明に加えて、決定手段は、引換えチケットの印刷時に引換えチケットがA41枚で印刷されるように、印刷状態についての、発行態様を決定する。
【0051】
この構成により、引換えチケットは、使い勝手が良くなる。
【0052】
本発明の第13の発明に係る引換えチケット発行装置では、第11の発明に加えて、決定手段は、識別子の国籍、使用言語および店舗の住所情報の少なくとも一つに基づいて、表示言語についての、発行態様を決定する。
【0053】
この構成により、引換えチケットの使用時における不安が解消される。
【0054】
本発明の第14の発明に係る引換えチケット発行装置では、第1から第13のいずれかの発明に加えて、店舗の特性を抽出する抽出手段を更に備え、決定手段は、特性に基づいて、発行条件および発行態様を決定する。
【0055】
この構成により、リアルタイム性の高い特性に基づいた、引換えチケットの発行ができる。
【0056】
本発明の第15の発明に係る引換えチケット発行装置では、第1から第14のいずれかの発明に加えて、発行手段は、既に使用された認証コードと同じ認証コードを使用しない。
【0057】
この構成により、引換えチケット発行装置は、引換えチケットの偽造を防止できる。
【0058】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0059】
(実施の形態1)
【0060】
(全体概要)
図1、図2を用いて、実施の形態1における引換えチケット発行装置の全体概要について説明する。図1は、本発明の実施の形態1における引換えチケット発行装置とその周辺とのブロック図である。図2は、本発明の実施の形態1における引換えチケットの一例を示す模式図である。図2の引換えチケットは、簡易化して示されている。この図2に示される引換えチケットは、一例であって、符号103で示される言語の全てが表示されている必要があるわけではない。
【0061】
引換えチケット発行装置1は、サーバー2と記憶部3を備えている。サーバー2は、電気通信回線5によって顧客端末4と接続されている。顧客端末4は、引換えチケットの発行を要望する消費者であり、消費者が用いる通信機能を有するパーソナルコンピュータ、携帯電話機、スマートフォン、携帯端末などを含む。電気通信回線5は、インターネット回線、電話回線、ISDN回線、専用回線などを含む。
【0062】
記憶部3は、サーバー2を介して送受信されるデータおよび引換えチケットの対象となる店舗の店舗情報の少なくとも一方を記憶する。すなわち、記憶部3は、予め記憶するデータ(店舗情報)と処理によって生じるデータ(送受信データなど)を、合わせて記憶する。記憶部3は、サーバー2に接続される専用の記憶装置であっても良いし、電気通信回線5を通じて接続される外部記憶装置であってもよい。
【0063】
サーバー2は、受付手段6、決定手段7および発行手段8を備える。受付手段6は、顧客端末4からの対象店舗に対する引換えチケット発行要求および顧客の識別子の少なくとも一方を受ける。決定手段7は、受付手段6が受け取った識別子および店舗情報の少なくとも一方に基づいて、引換えチケットの発行条件および発行態様の少なくとも一方を決定する。また、発行手段8は、発行条件および発行態様の少なくとも一方に基づいて、対象店舗に対する引換えチケットを発行する。
【0064】
発行手段8が発行する引換えチケット10は、図2に示されるように、認証コード101、割引内容102、説明103を表示する。引換えチケット10は、対象店舗での決済時の金券としての権利を有する。このとき、認証コード101は、対象店舗での決済時の認証に用いられる。発行手段8は(引換えチケット発行装置1は)、引換えチケット10を発行するが、この発行する引換えチケット10毎に、この認証コード101は、異なる。すなわち、発行手段8は、顧客端末4からの要求に応じて複数の引換えチケット10を発行するが、この複数の引換えチケット10のそれぞれは、異なる認証コード101を有している。個々の引換えチケット10は、他の引換えチケット10と同じ認証コード101を有することは無い。また、引換えチケット10は、決定手段7によって決定される発行条件および発行態様の少なくとも一方に基づいて発行される。
【0065】
引換えチケット発行装置1は、このように顧客端末4を通じた要求に従って、顧客に対して顧客端末を通じて対象店舗での割引や金券として使用できる権利を有する引換えチケット10を発行できる。
【0066】
(引換えチケット発行装置の処理手順)
サーバー2は、引換えチケット10の発行対象となる対象店舗の情報を公開可能に有している。顧客は、顧客端末4を用いて、電気通信回線5を通じて公開されるこれらの対象店舗の情報を閲覧、確認できる。顧客は、閲覧して興味を持ったり訪問を希望したりする対象店舗をチェックする。このとき、各対象店舗の公開情報は、割引率や割引額などの条件を含む引換えチケットの情報も表示している。顧客は、これら対象店舗の情報や引換えチケットの情報に基づいて、対象店舗の引換えチケットの発行を要求する。例えば、顧客は、顧客端末4から、発行要求を送信する。また、顧客端末4は、予め顧客の情報を含む識別子も合わせて送信する。
【0067】
顧客端末4は、電気通信回線5を通じて、発行要求および識別子をサーバー2に送信する。受付手段6は、この発行要求および識別子を受け付ける。受け付け手段6は、必要に応じて記憶部3にこの発行要求や識別子を記憶させる。記憶部3は、対象店舗の店舗情報を予め記憶している。受付手段6は、受け取った発行要求と識別子を決定手段7に出力する。
【0068】
識別子は、顧客の識別コード、氏名、年齢、性別、住所、国籍、使用言語、発行済み引換えチケットの決済履歴、決済口座、口座残高、送金口座および決済実績の少なくとも一つを含む。決定手段7は、これらの情報の少なくとも一つを、用いて、発行条件や発行態様の決定を行う。
【0069】
決定手段7は、発行要求を受け取ると、記憶部3から店舗情報を読み出す。決定手段7は、この店舗情報および識別子の少なくとも一方に基づいて、引換えチケット10の発行条件および発行態様の少なくとも一方を決定する。
【0070】
ここで発行条件とは、引換えチケット10の発行の許諾、引換えチケット10の発行枚数、引換えチケット10の割引率、引換えチケット10の割引額、引換えチケット10の金券金額、引換えチケット10の使用者および引換えチケット10による引換え対象物の少なくとも一つに関する。これらいずれかに関する発行条件に従うことで、発行手段8は、引換えチケット10の乱発や偽造を防止でき、引換えチケット10の使用欲求を向上させる引換えチケット10を発行できる。
【0071】
また、発行態様は、引換えチケット10の印刷状態、表示言語および表示方法の少なくとも一つに関する。発行手段8は、決定された発行態様に応じて引換えチケット10を発行する。引換えチケット10は、この発行態様に基づくことで、実際に使用する顧客にとって使い勝手の良いものとなる。
【0072】
発行手段8は、決定手段7で決定された発行条件および発行態様の少なくとも一つに基づいて、引換えチケット10を発行する。発行される引換えチケット10は、信頼性や使い勝手の点で、様々なメリットを生じさせる。この結果、引換えチケット発行装置1は、次の仕様1〜仕様5を充足する引換えチケット10を発行できる。図2に示されるように、引換えチケット10は、店舗での決済時に必要となる認証コード101だけでなく、割引内容102および説明103を表示しているので、引換えチケット10を使用する顧客は、引換えチケット10の使用が容易となる。
【0073】
(引換えチケットの使用)
引換えチケット10は、発行手段8によって顧客端末4に対して発行される。例えば、発行手段8は、電気通信回線5を通じて、電子データとして引換えチケット10を顧客端末4に送信する。顧客端末4を操作する顧客は、顧客端末4に送信された電子データである引換えチケット10を印刷したり携帯端末で表示可能にしたりして、店舗に持参して使用する。ここで、引換えチケット10が発行される際には、顧客は、費用負担を有さない。引換えチケット10は、割引金額や割引内容に基づいた金券の権利を有しているが、発行の段階では決済がなされていないので、顧客に対しての費用負担は生じない。
【0074】
顧客は、印刷や表示可能とした引換えチケット10を対象店舗に持参して、認証コード101の認証を用いて対象店舗において決済することで、金券としての使用ができる。また、引換えチケット10には、割引内容102などが表示されており、顧客は引換えチケット10を使用する店舗や割引金額などを容易に把握できる。例えば、引換えチケット10が、ある対象店舗での買い物において、1000円分割引を示す場合には、顧客は、この対象店舗で買い物をした際に、1000円分の割引を受けることができる。あるいは、引換えチケット10が、対象店舗での買い物において、特定商品との引換えを示す場合には、顧客はこの対象店舗において特定商品を入手することができる。
【0075】
図3は、本発明の実施の形態1における引換えチケット10の決済状態を示す模式図である。顧客は対象店舗20に引換えチケット10を持参する。このとき顧客は、印刷された引換えチケット10を持参しても良いし、携帯端末(携帯電話機、スマートフォン、ノートブック型パソコン、電子書籍)に表示された状態で持参しても良い。顧客は、対象店舗20に備わっている店舗端末21に、引換えチケット10の認証コード101を当てることで、引換えチケット10の認証を要求する。
【0076】
店舗端末20は、認証コード101を読み取って、決済サーバ30に読み取ったデータを送信する。決済サーバー30は、自らが記憶している認証コード101と比較することで、認証コード101の適否を確認する。決済サーバー30は、認証コード101が適切であると確認する場合には、顧客口座データベース31と通信して、顧客の対象店舗20での買い物を決済する。この決済によって、顧客は、引換えチケット10の割引などの金券の権利を行使できる。すなわち、顧客は、引換えチケット10を実際に店舗に持参して決済して初めて自分の費用負担を生じさせる。また、この決済において、顧客の有する決済口座(引換えチケット10の決済用の専用口座、引換えチケット10の決済口座と連動する銀行口座、引換えチケット10の決済口座と連動するクレジット口座など)での、費用処理がなされる。すなわち、引換えチケット10の認証が行われて初めて、顧客は、費用負担を生じることになる。もちろん、このときには、対象店舗での買い物を行っているので、引換えチケット10の割引等の特典を受けることになる。対象店舗は、割引部分については、自己負担となるが、割引部分を越える買い物による利益を得ることができる。
【0077】
店舗端末20で読み取られる認証コード101は、発行される引換えチケット10毎に異なり(ユニークであり)、一度決済された認証コード101は、二度と認証許諾されない。このため、店舗にとっても、引換えチケット10の乱発や偽造のリスクが無い。結果として、対象店舗20にとっても、引換えチケット10の発行を歓迎するモチベーションが生じる。特に、引換えチケット10の信頼性が高いことで、顧客にとっても、引換えチケット10の発行や使用に対するモチベーションが生じる。
【0078】
この結果、実施の形態1の引換えチケット発行装置1は、次の仕様1〜仕様5の効果を発揮できる。
【0079】
(仕様1)引換えチケット10は、発行の際には、顧客および対象店舗は、費用支払いが不要である。
(仕様2)引換えチケット10は、割引内容102に示される割引や交換などの金券としての権利を有している。
(仕様3)
認証コード101は、発行される引換えチケット10毎にユニークであるので、不正や偽造が行われず、高い信頼性を有する。
(仕様4)
信頼性が高いことや、顧客や店舗に即した発行条件および発行態様で発行されるので、引換えチケット10は、顧客の店舗への来訪意欲を高める。
(仕様5)
信頼性や来訪意欲が相まって、引換えチケット10に対する、店舗および顧客の信頼性が高くなり、引換えチケット10を用いた購買行動が活発化する。
【0080】
なお、発行要求、識別子、店舗情報、引換えチケット10のそれぞれは、電子機器で処理可能な電子データとして処理されれば良い。
【0081】
次に、各部の詳細について説明する。
【0082】
(記憶部)
記憶部3は、サーバー2を介して送受信されるデータおよび所定の店舗の店舗情報の少なくとも一方を記憶する。記憶部3は、サーバー2と電気的に接続されており、サーバー2と電子データをやり取りできる。記憶部3は、店舗情報について予め記憶している。また、必要に応じて、記憶部3は、店舗情報をアップデートする。記憶部3は、サーバー2と直接的に電気的に接続されていても良いし、インターネットなどの電気通信回線(有線および無線の両方がありうる)を介して間接的に接続されても良い。例えば、クラウドコンピューターやネットストレージなどのような、仮想的な記憶装置が、記憶部3として用いられても良い。
【0083】
記憶部3は、ハードディスクドライブ、半導体メモリ、光メモリ、磁気メモリ、CD、DVDなど、様々な要素を使用すれば良い。
【0084】
記憶部3が記憶する店舗情報は、対象店舗に依存して定められる店舗依存情報およびサーバー2によって定められるサーバー依存情報の少なくとも一方を含む。店舗情報は、このように店舗依存情報およびサーバー依存情報の少なくとも一方の属性で構成される。
【0085】
店舗依存情報は、引換えチケット発行装置1を運営する場合に、店舗側にその決定や調整がゆだねられる情報である。すなわち、店舗は、店舗依存情報を決定することができる。これに対して、サーバー依存情報は、引換えチケット発行装置1を運営する運営事業者(サーバー2を運営する事業者)に、その決定や調整がゆだねられる情報である。サーバー2は、事業者による指示あるいは自らの判断で、サーバー依存情報を決定したり調整したりする。
【0086】
顧客および店舗の双方に生じるリスクが小さく、顧客に対して店舗への来訪意欲を高める引換えチケット10の発行を実現するためには、発行条件や発行態様の基礎情報となる店舗情報の決定が重要である。このため、店舗情報のある部分は、店舗側のオリジナリティを優先することが好ましい。一方、店舗情報のある部分は運営者側の管理を優先することが好ましい。
【0087】
このように、記憶部3は、店舗情報を記憶する。更には、店舗情報において、店舗依存情報およびサーバー依存情報の双方を記憶する。この記憶部3が記憶する情報は、決定手段7に出力される。
【0088】
(顧客端末)
顧客端末4は、店舗に来訪することを希望する一般消費者である顧客が使用する端末である。上述の通り、パーソナルコンピュータや携帯端末など、電気通信回線と接続可能であって、電子データを処理できる装置を含む。顧客端末4は、顧客によって個人的に使用されたり、業務において使用されたりする。あるいは、顧客の家族、友人が、この顧客端末4を使用する。家族や友人が、プレゼントとして引換えチケット10を発行することがありうるからである。同様に、会社や職場において、顧客端末4を使用する使用権限のあるものが、社員や職員のために、顧客端末4を使用することもある。社内で使用する必要がある引換えチケット10が発行される場合などである。又、場合によっては、代理権のある代理人が顧客端末4を使用する。法定代理人や委任代理人が、本人の都合に応じて、顧客端末4を使用して、必要となる引換えチケット10を発行することがあるからである。例えば、顧客が旅行代理店を通じて旅行に行く場合に、旅行代理店が、この顧客に代わって必要な引換えチケット10を発行する場合である。
【0089】
顧客端末4は、インターネットなどの電気通信回線で接続されており(有線および無線のいずれの場合も含む)、発行要求や識別子をサーバー2に送信できる。また、サーバー2は、ある顧客端末4から発行要求を送信する顧客を、他の顧客と区別するために、識別子を要求する。顧客は、例えば予めサーバー2への登録の際に、この識別子を生成しておく。あるいは、顧客端末4からサーバー2へ、引換えチケット10の発行要求を送信する際に、サーバー2の要求態様に従って、識別子を送信する。顧客は、顧客端末4を操作して、訪問してみたい店舗の引換えチケット10の発行要求を送信し、この際に合わせて識別子を送信する。
【0090】
このように、顧客端末4は、顧客の操作に従って、引換えチケット10の発行要求と識別子(識別子の一部であることもある)を、サーバー2に送信する。
【0091】
(電気通信回線)
電気通信回線5は、インターネット、電話回線、ISDN回線、専用回線などの電気信号を送受信できる回線である。電気通信回線5は、有線および無線の少なくとも一方を含み、有線部分と無線部分とを混在させても良い。電気通信回線5は、電子データの送信および受信を可能とさせるので、上り回線と下り回線とを備えている。
【0092】
(受付手段)
受付手段6は、顧客端末4から送信される発行要求および識別子の少なくとも一方を受信する。ここで、受付手段6は、必要な情報要素の全てを含む識別子を、顧客端末4から受信するだけでなく、記憶部3に記憶されている情報要素(識別子を構成する情報要素)を得ても良い。
【0093】
例えば、記憶部3が、予め顧客の登録作業において得られた識別子に含まれる情報を有しており、ある顧客から発行要求が到達した場合に、受付手段6は、記憶部3からこの顧客に対応する識別子を構成する情報を取り出す。
【0094】
識別子は、顧客の識別コード、氏名、年齢、性別、住所、国籍、使用言語、発行済み引換えチケットの決済履歴、決済口座、口座残高、決済実績および送金口座の少なくとも一つを含む。これらを記憶部3が記憶しておき、顧客端末4は、引換えチケット10の発行要求を送信する際には、この識別コードのみ送信する。受付手段6は、識別コードを受け取り、記憶部3にこの識別コードを照会して、記憶部3に記憶されている対応する顧客の氏名等のその他の情報を読み出しても良い。このように、受付手段6は、顧客端末4から送信される情報と記憶部3の情報とを合わせて、発行要求および識別子を把握できる。
【0095】
受付手段6は、顧客端末4からの発行要求を受け取ると、発行要求および識別子(この識別子は、顧客端末4から受け取ったものである場合もあるし、記憶部3から得られたものである場合もある)を、決定手段7に出力する。すなわち、受付手段6によって顧客端末4から発行要求を受け取ることが、引換えチケット10の発行の契機となる。
【0096】
受付手段6は、サーバー2が備える装置、電子回路、半導体集積回路などで構成されても良いし、サーバー2が演算処理機能を有する場合には、この演算処理機能によって構成されても良い。後者の場合には、中央演算処理装置(以下、「CPU」という)によって動作するソフトウェアで、受付手段6が構成される。
【0097】
(決定手段)
【0098】
(発行条件)
決定手段7は、識別子および店舗情報の少なくとも一方に基づいて、引換えチケット10の発行条件および発行態様の少なくとも一つを決定する。図4は、本発明の実施の形態1における決定手段7のブロック図である。決定手段7は、受付手段6から識別子を受け取り、記憶部3から店舗情報を受け取る。また、識別子に含まれる情報の少なくとも一部を、決定手段7は、記憶部3から受け取る。決定手段7は、これらの情報を用いて、引換えチケット10の発行条件および発行態様を決定して、出力する。これら条件は、発行手段8で用いられる。
【0099】
発行条件は、引換えチケット10の発行の許諾、引換えチケット10の発行枚数、引換えチケット10の有効期限、引換えチケット10の金券金額、引換えチケット10の割引率、引換えチケット10の割引額、引換えチケット10の使用者および引換えチケット10の引換え対象物の少なくとも一つに関する。すなわち、発行条件は、顧客端末4からの発行要求に対して、引換えチケット10を実際に発行しても良いのか、発行する場合に加重する要件は何か、といった条件を含む。決定手段7が発行条件を決定することで、引換えチケット10の最適な発行が行われる。場合によっては、発行されなかったり、発行に制限が生じたりすることで、引換えチケット10に対する信頼性が高まるようになる。
【0100】
(引換えチケットの発行の許諾)
決定手段7は、顧客の識別子に含まれる情報を分析する。識別子は、上述の通り、氏名だけでなく、引換えチケット10の決済口座や引換えチケット10の決済実績の情報を含んでいる。決定手段7は、顧客が決済口座を有する場合、所定金額以上の口座残高を有する場合、決済口座への送金口座を有する場合および所定数以上の決済実績を有する場合の少なくとも一つの場合に、引換えチケット10の発行を許諾する。
【0101】
ここで、決済口座とは、顧客が店舗で買い物をする際に、引換えチケット10の認証を行う場合に必要となる口座である。これは、引換えチケット10の決済のために開設された専用の口座であったり、既存の銀行口座であって引換えチケット10の決済に連動する口座であったり、クレジットカードの口座であって、引換えチケット10の決済に連動する口座であったりする。また、決済口座への送金口座は、引換えチケット10の決済に連動する銀行口座やクレジットカード口座であったり、銀行間送金が行われる口座であったりする。
【0102】
決定手段7は、識別子に含まれる決済口座の情報を確認できる。決定手段7は、発行要求を出力した顧客が、この決済口座を有する場合に、引換えチケット10の発行を許諾するように発行条件を決めることができる。顧客が決済口座を保有していない場合には、引換えチケット10の決済が完了しないことになり、顧客にとっても対象店舗にとっても不利益となりうるからである。
【0103】
但し、決定手段7は、顧客が決済口座を有していない場合でも、送金可能な送金口座を有している場合には、引換えチケット10の発行を許諾する。例えば、決済口座が無くても、クレジットカードや為替送金できる送金口座が、決済サーバーにとって把握できる状態であれば、引換えチケット10の決済は可能である。このため、送金口座が存在する場合には、引換えチケット10の発行リスクは少ないと考えられるので、決定手段7は、発行を許諾するように発行条件を決定する。
【0104】
また、決定手段7は、決済口座および送金口座の少なくとも一方の口座残高が所定金額以上である場合に、引換えチケット10の発行を許諾するように発行条件を決定してもよい。顧客が決済口座や送金口座を有していても、口座残高がほとんど無い状態では、実際の引換えチケット10の決済が困難となりうるからである。引換えチケット10は、顧客および対象店舗双方のリスクを低減させつつも、確実に決済されることが好ましい。確実に決済される期待感が、顧客および対象店舗双方の信頼関係を構築するからである。口座残高の所定金額としては、対象店舗の割引金額を超える金額や割引率に対応する金額が、一例となる。
【0105】
あるいは、決定手段7は、顧客が所定数以上(所定量以上)の決済実績を有する場合に、引換えチケット10の発行を許諾するように発行条件を決定しても良い。顧客が決済口座を有していたり口座残高を有していたりする場合でも、顧客の決済実績から、引換えチケット10を持参して対象店舗への来訪が期待できない場合もある。例えば、引換えチケット10の発行履歴は非常に多いが、決済実績が少ない場合には、当該顧客は引換えチケット10を実際に使用する可能性が低いと考えられる。このような顧客は、来訪の可能性が低く、引換えチケット10を発行することは、引換えチケット10への信頼性を低下させることになりかねない(他の顧客や店舗にとって)。このため、決済実績が所定数以上(所定量以上)である場合のみ、決定手段7は、引換えチケット10の発行を許諾することでも良い。
【0106】
また、決定手段7は、決済実績によって、引換えチケット10の発行枚数に制限を掛けても良い。決済実績が低い場合でも、発行そのものを不許可とするだけでなく、発行枚数に制限を設けて、顧客に対する使用のモチベーションを高めることも好適だからである。
【0107】
決定手段7は、顧客が未決済の発行済み引換えチケット10を有する場合には、引換えチケット10の発行を不許可とするように、発行条件を決定することも好適である。サーバー2は、顧客ごとに異なる識別コードによって、引換えチケット10の発行の有無を把握できる。また、サーバー2は、決済サーバーを兼用したり、決済サーバーと通信を行なったりすることで、当該引換えチケット10の決済状況も確認できる。このため、サーバー2は、ある顧客の発行済み引換えチケット10の決済状態を把握することができる。
【0108】
発行済み引換えチケット10が未決済の場合に、当該顧客に新たな引換えチケット10が発行されてしまうと、顧客は、対象店舗にいつでもいける安心感から、高い来訪意欲を持てなくなる可能性がある。引換えチケット10の発行対象となった対象店舗も未決済(未使用)の引換えチケット10が、同一顧客に次々と発行されている状態では、偽造や不正使用の不安を抱えることになりかねない。このため、決定手段7は、未決済の発行済み引換えチケット10を有する場合には、引換えチケット10の発行を不許可とする決定を下すことも好適である。
【0109】
なお、同一の店舗に関する未決済の引換えチケット10がある場合に、同じ店舗に対する引換えチケット10の発行を不許可とするように、同一店舗に限って、決定手段7は、決定を行っても良い。店舗毎での管理や信頼性を高めるためである。あるいは、対象店舗の違いに関らず、顧客が同一である場合には、未決済の発行済み引換えチケット10の存在によって、引換えチケット10の発行を不許可としても良い。これは、顧客単位での管理となり、顧客単位での引換えチケット10発行の制限を強くすることで、顧客に対する使用モチベーションを高めるためである。
【0110】
なお、未決済の発行済み引換えチケット10の残数によって、引換えチケット10の発行を不許可/許可とするように、決定手段7は、発行条件を決定しても良い。この場合も、ある顧客に関る未決済の発行済み引換えチケットの残数を基準としても良いし、ある対象店舗に対するある顧客に関る未決済の発行済み引換えチケットの残数を基準としてもよい。
【0111】
以上のように、決定手段7は、発行許諾の点で発行条件を決定する。決定手段7が、所定の場合には、引換えチケット10の発行を不許可とすることで、引換えチケット10の乱発を防止でき、顧客にとっても店舗にとっても、引換えチケット10に対する信頼性が高まる。
【0112】
また、決定手段7は、顧客の決済履歴、口座残高、送金口座、決済実績および店舗情報の少なくとも一つに基づいて、引換えチケット10の発行枚数、引換えチケット10の有効期間および引換えチケット10の金券金額の少なくとも一つについての発行条件を決定することも好適である。決定手段7は、引換えチケット10の発行における発行条件において、発行枚数、有効期間および金券金額の少なくとも一つを決定することで、引換えチケット10の乱発を防止し、発行された引換えチケット10の使用実績率を高めることができるからである。使用実績率が高まれば、顧客および店舗双方にとって、引換えチケット10の魅力が高まる。更には、引換えチケット10を使用したことのない潜在的な顧客にとっても、魅力が高まる。
【0113】
例えば、決済履歴や決済実績が少ない顧客に対しては、決定手段7は、引換えチケット10の発行枚数が少なくなるように、発行条件を決定する。このような顧客に多数の引換えチケット10を発行しても、店舗を実際に訪問する可能性が低いからである。あるいは、口座残高や送金口座残高が所定金額未満の顧客も、実際に店舗を訪問して買い物をする可能性が低いので、引換えチケット10の発行枚数を制限することが好ましい。
【0114】
また、決済履歴や決済実績などによっては、顧客の来訪意欲を高めるために、有効期間を短めにすることも好適である。このため、決定部7は、有効期間を決定する。あるいは、店舗の特性(季節商品や限定商品の販売などを、引換えチケット10の目的としている場合)によっては、決定部7は、引換えチケット10の有効期間を、この引換え対象物に合わせて設定することも好適である。もちろん、決済履歴、決済実績、口座残高によって、割引金額や割引率など、引換えチケット10の金券額を調整することも好適である。
【0115】
また、店舗情報に含まれる店舗の特性や、識別子に含まれる顧客の特性に基づいて、決定手段7は、引換えチケット10の使用者を決定することも好適である。例えば、引換えチケット10の対象店舗が飲食店の場合には、引換えチケット10を使用する人数が、発行に関った顧客だけでなく、その友人や家族まで拡大されても良い。対象店舗にとっても、メリットが生じるからである。あるいは、顧客が、配偶者を有している特性であったり、会社のグループの代表者である特性であったりする場合には、使用者を本人以外に拡大しても良い。この場合にも、決定手段7は、使用者を決定できる。
【0116】
(店舗依存情報およびサーバー依存情報に基づく処理)
決定手段7は、店舗情報に基づいて(もちろん、前提として識別子にも基づく)、発行条件の要素を様々に決定する。このとき、店舗に依存する店舗依存情報に基づいて決定することが好適である要素と、サーバーに依存するサーバー依存情報に基づいて決定することが好適である要素とが、ある。
【0117】
店舗依存情報は、店舗側の都合やオリジナリティに依存する情報である。このため、店舗の特性や店舗側の希望が反映されやすい情報である。このため、店舗依存情報は、引換えチケット10における金券金額、引き換え対象物、使用者条件を決定するための要素となる。引換えチケット10が権利として有する金券金額や引換え対象物(引換えチケット10が金券としてではなく、特定商品の引換券として使われる場合)は、店舗側が、決定したい要素である。あるいは、店舗側が決定するほうが顧客にとってもメリットが高い要素である。このため、図5に示されるように、決定手段7は、店舗依存情報に基づいて、引換えチケット10における金券金額、引き換え対象物および使用者条件の少なくとも一つを決定する。図5は、本発明の実施の形態1における決定手段での処理模式図である。
【0118】
一方、サーバー依存情報は、引換えチケット発行装置1の運営業者や運営業者の意向を有するサーバー2に依存する情報である。すなわち、運営業者の意向が反映されやすい情報である。引換えチケット10は、顧客と対象店舗との間で決済されることで成立するが、この決済によって、運営業者は、その事業を成立させる。このため、顧客にとって魅力ある引換えチケット10を発行することが、運営業者にとっては重要である。顧客にとって魅力ある引換えチケット10は、割引率や割引金額の値ごろ感を有している。このため、割引率や割引金額を決定する際に参考にする店舗情報は、サーバー依存情報であることが、引換えチケット発行装置1の運営においては好ましい。
【0119】
例えば、店舗の商品特性、顧客滞留特性、事業特性などが、サーバー依存情報であり、決定手段7は、このサーバー依存情報に基づいて、割引率や割引金額を決定する。図5に示されるとおりである。
【0120】
以上のように、決定手段7は、サーバー依存情報に基づいて特定の要素に関する発行条件を決定したり、店舗依存情報に基づいて特定の要素に関する発行条件を決定したりする。これらの決定によって、引換えチケット10の魅力や信頼性が高まり、顧客、店舗および運営業者の全てにとってメリットが生じる。
【0121】
(発行態様)
決定手段7は、店舗情報および識別子の少なくとも一方に基づいて、発行態様も決定する。発行態様は、引換えチケット10の印刷状態、表示言語および表示方法の少なくとも一つに関する。すなわち、決定手段7は、引換えチケット10の印刷状態、表示言語および表示方法の少なくとも一つの要素を決定する。引換えチケット10は、図2に示されるように、認証コード101や割引内容102を表示している。発行態様は、このような引換えチケット10の表示内容や表示形態に関る。
【0122】
引換えチケット10は、顧客にとって使われるので、顧客にとって使い勝手が良いことが好ましい。顧客は、外国からの旅行者であったり外国への旅行者で会ったりする。店舗は、日本国内にあったり外国にあったりする。また店舗へ来訪する顧客は、日本人であったり外国人であったり(あるいは母語や使用言語が異なったり)する。引換えチケット発行装置10は、広い顧客層、広い店舗層に利用される。このため、引換えチケット10は、顧客および店舗の双方にとって使い勝手の良い態様を有していることが、引換えチケット10への信頼性の高まりや流通の高まりを生じさせる。このため、決定手段7は、店舗情報および識別子の少なくとも一方に基づいてこの発行態様を決定する。
【0123】
例えば、決定手段7は、引換えチケット10が印刷時に、A4サイズで1枚に収まる印刷状態となるように、発行態様を決定する。A4サイズ1枚に収まることで、引換えチケット10を印刷して店舗に持参する顧客にとって至便である。複数ページに渡ってしまう場合のように、持参の際に、引換えチケット10の一部を紛失することもない。
【0124】
また、引換えチケット10を受け取って、引き換え内容を確認する店舗にとっても、A4サイズ1枚に収まっていることで内容を容易に把握できるメリットがある。店舗においても、引換えチケット10の仕組みに熟知した店員だけでなく、アルバイトの店員など、引換えチケット10の仕組みを知らない店員が対応することもある。このような場合に、店員の勘違いで引換えチケット10の特典が使えないようなことがあると、顧客にとっての引換えチケット10に対する信頼性が著しく減少する。引換えチケット10がA4サイズ1枚に収まって表示されていると、必要な情報が簡単に把握できるので、このような店員のミスによる行き違いも生じにくい。
【0125】
また、決定手段7は、識別子が含む国籍、使用言語、店舗情報が含む店舗住所の情報の少なくとも一つに基づいて、引換えチケット10の使用言語についての、発行態様を決定する。図2に示されるように、引換えチケット10は、例えば日本語、韓国語、英語など、顧客や店舗にとって便利な言語を用いている。例えば、韓国から日本への来訪者が、この引換えチケット10を用いる場合には、韓国語と日本語で、使用条件や割引内容の表示がされていることが好ましい。顧客にとっても店舗にとっても使い勝手がよく、間違いがおきにくいからである。あるいは、日本からの来訪者が米国の店舗を訪問する場合には、英語と日本語で、使用条件や割引内容が表示されていることが好ましい。同様の理由である。
【0126】
以上のように、識別子や店舗情報に含まれる言語に関る要素に基づいて、決定手段7は、使用言語を決定する。
【0127】
このように、決定手段7は、顧客の情報および店舗の情報に基づいて、引換えチケット10の発行条件や発行態様を決定する。様々な条件で、これら発行条件や発行態様が決定されることで、引換えチケット10の信頼性や使い勝手が高まり、引換えチケット10の使用へのモチベーションが高まる。結果として、顧客および店舗の双方にとってメリットがもたらされる。当然ながら、顧客と店舗の双方へのリスクも低減する。
【0128】
(発行手段)
発行手段8は、決定手段7で決定された発行条件および発行態様に基づいて、引換えチケット10を発行する。
【0129】
具体的には、発行手段8は、電気通信回線5を通じて、顧客端末4に引換えチケット10の電子データを送信する。顧客は、顧客端末4において、電子データをダウンロードすることで、引換えチケット10を入手できる。
【0130】
以上のように、実施の形態1における引換えチケット発行装置1は、店舗や顧客にとってのリスクを最小化すると共に、信頼性と使い勝手のよい引換えチケット10を発行できる。この結果、様々な店舗の経済活動にも、高いメリットがもたらされる。
【0131】
(実施の形態2)
【0132】
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2では、引換えチケット発行装置の様々なバリエーションについて説明する。
【0133】
(旅行者等への便宜)
国内旅行者、海外旅行者(日本から海外への旅行および海外から日本への旅行を含む)は、この引換えチケット10を有効活用することが多いと考えられる。もちろん、旅行者だけでなく出張者などのビジネス用途でも同じである。このような旅行者や出張者にとっては、実施の形態1で説明した通りの引換えチケット10を得ることも重要であるが、これらの者は、引換えチケット10の対象となる対象店舗の地域に、短期的に滞在するという特徴を有している。
【0134】
例えば、識別子は、対象店舗の地域における顧客の滞在期間の情報を含んでいることがある。顧客に対して引換えチケット10の提案を、顧客の旅行を手配した代理店などが行っている場合には、代理店によって滞在期間が識別子に組み込まれることがある。引換えチケット発行装置1は、引換えチケット10が実際に使用されることを重視しているので、物理的に引換えチケット10が使用されない状態であることは好ましくない。
【0135】
決定手段7は、この滞在期間に基づいて、引換えチケット10の有効期間を決定する。例えば、滞在期間が2週間程度であるのに、引換えチケット10の有効期間が半年間であると、顧客にとっては、引換えチケット10の使用に対するモチベーションが沸かない。このような場合には、引換えチケット10の有効期間は、滞在期間に合致していることが好ましい。有効期間が滞在中で終わるとなれば、顧客もなるべく対象店舗を訪問しようと考えるからである。
【0136】
あるいは、決定手段7は、滞在期間の時期に合わせて引換えチケット10の有効期間を決定する。例えば滞在期間が、7月から8月である場合には、引換えチケット10の発行要求が4月や5月に出されたとしても、決定手段7は、引換えチケット10の有効期間を7月から8月になるように決定する。この場合にも、顧客は、引換えチケット10を滞在中に使用するモチベーションを有することになる。
【0137】
このような滞在期間に合わせた有効期間の決定は、旅行者本人が引換えチケット10の発行要求を行う場合ではなく、旅行代理店、会社の事務などの代行者が発行要求を行う場合にも有効である。これらの代行者が行う場合には、滞在期間を設定することが容易であるので、識別子に滞在期間が組み込まれる。例えば、旅行代理店で旅行の手配に合わせて引換えチケット10の手配も行う場合である。
【0138】
このように、識別子が滞在期間を含む場合には、決定手段7は、この滞在期間に合わせた有効期間を決定する。
【0139】
(抽出手段)
また、引換えチケット発行装置1は、抽出手段を更に備えることも好適である。図6は、本発明の実施の形態2における引換えチケット発行装置とその周辺のブロック図である。
【0140】
抽出手段9は、店舗の特性を抽出する。サーバー2は、引換えチケット10の発行対象となる様々な店舗を登録している。抽出手段9は、この登録されている店舗の情報から、店舗の特性を抽出する。例えば、店舗の事業特性、商品特性、営業特性、評価などである。インターネット上には、グルメや商品評価など、店舗の評価を行っている様々な情報が存在する。あるいは、店舗自身のホームページも存在する。抽出手段9は、このようなインターネット上の情報を検索して、店舗の特性を抽出する。例えば、商品評価の高い商品の情報を抽出し、店舗情報にこの商品情報をアップデートする。
【0141】
決定手段7は、この抽出手段9から得られた情報に基づいて、発行条件や発行態様を決定する。例えば、上述の通り、抽出手段9が商品評価の高い商品の情報を抽出している場合には、決定手段は、引換えチケット10の引換え対象物をこの商品に合わせて決定したり、引換えチケット10の割引額をこの商品に合わせて決定したりする。
【0142】
店舗情報は、店舗側の指示あるいは運営側の作業によってアップデートされるが、このような指示や作業はリアルタイム性に劣る。これに対して、抽出手段9は、自ら情報を抽出するので、リアルタイム性が高い。このようなリアルタイム性が高いことで、引換えチケット発行装置1は、旬な特典を、引換えチケット10によって提供できるようになる。
【0143】
以上のように、引換えチケット発行装置1は、引換えチケット10を使用する顧客の特性や店舗の特性に応じた、引換えチケット10を発行できるようになる。結果として、顧客にとっても店舗にとっても魅力的な引換えチケット10の発行が可能となり、経済活動が高まることになる。
【0144】
なお、実施の形態1〜2で説明された引換えチケット発行装置は、本発明の趣旨を説明する一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含む。
【符号の説明】
【0145】
1 引換えチケット発行装置
2 サーバー
3 記憶部
4 顧客端末
5 電気通信回線
6 受付手段
7 決定手段
8 発行手段
9 抽出手段
10 引換えチケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気通信回線によって顧客端末と接続されるサーバーと、
前記サーバーを介して送受信されるデータおよび所定の店舗の店舗情報の少なくとも一方を記憶する記憶部と、を備え、
前記サーバーは、
前記顧客端末からの対象店舗の引換えチケット発行要求および顧客の識別子を受ける受付手段と、
前記識別子および前記対象店舗の店舗情報の少なくとも一方に基づいて、前記引換えチケットの発行条件および発行態様の少なくとも一方を決定する決定手段と、
前記発行条件および発行態様の少なくとも一方に基づいた前記対象店舗に対応する前記引換えチケットを発行する発行手段と、を有し、
前記引換えチケットは、前記対象店舗での決済時の金券としての権利を有すると共に決済時の認証コードを有し、前記認証コードは前記引換えチケット毎に異なる、引換えチケット発行装置。
【請求項2】
前記識別子は、前記顧客の識別コード、氏名、年齢、性別、住所、国籍、使用言語、発行済み引換えチケットの決済履歴、決済口座、口座残高および決済実績の少なくとも一つの情報を含む、請求項1記載の引換えチケット発行装置。
【請求項3】
前記店舗情報は、前記対象店舗に依存して定められる店舗依存情報およびサーバーによって定められるサーバー依存情報の少なくとも一方を含む、請求項1又は2記載の引換えチケット発行装置。
【請求項4】
前記発行条件は、前記引換えチケットの発行の許諾、前記引換えチケットの発行枚数、前記引換えチケットの有効期限、前記引換えチケットの金券金額、前記引き換えチケットの割引率、前記引換えチケット、前記引換えチケットの使用者および前記引換えチケットによる引換え対象物の割引額の少なくとも一つに関する、請求項1から3のいずれか記載の引換えチケット発行装置。
【請求項5】
前記決定手段は、前記識別子および前記店舗情報の少なくとも一方に基づいて、前記顧客が前記決済口座を有する場合、前記顧客が所定金額以上の口座残高を有する場合、前記決済口座への送金口座を有する場合および前記顧客が所定数以上の前記決済実績を有する場合の少なくとも一つの場合に、前記引換えチケットの発行を許諾するように前記発行条件を決定する、請求項4記載の引換えチケット発行装置。
【請求項6】
前記決定手段は、前記識別子および前記店舗情報の少なくとも一方に基づいて、前記顧客が所定数以上の未決済の発行済み引換えチケットを有している場合には、前記引換えチケットの発行を不許可とするように前記発行条件を決定する、請求項4又は5記載の引換えチケット発行装置。
【請求項7】
前記決定手段は、前記顧客の前記決済履歴、前記口座残高、前記決済実績、前記送金口座および前記店舗情報の少なくとも一つに基づいて、前記引換えチケットの発行枚数、前記引換えチケットの有効期限および前記引換えチケットの金券金額の少なくとも一つについての前記発行条件を決定する、請求項4から6のいずれか記載の引換えチケット発行装置。
【請求項8】
前記決定手段は、前記サーバー依存情報に基づいて、前記引換え対象物、前記引換えチケットの割引率および割引額の少なくとも一方についての、前記発行条件を決定する、請求項4から7のいずれか記載の引換えチケット発行装置。
【請求項9】
前記識別子は、前記対象店舗の地域における前記顧客の滞在期間の情報を更に含み、
前記決定手段は、前記滞在期間に基づいて、前記引換えチケットの有効期間についての、前記発行条件を決定する、請求項4から8のいずれか記載の引換えチケット発行装置。
【請求項10】
前記決定手段は、前記店舗依存情報に基づいて、前記引換えチケットの金券金額、使用者条件および引換え対象物の少なくとも一つについての、前記発行条件を決定する、請求項4から9のいずれか記載の引換えチケット発行装置。
【請求項11】
前記発行態様は、前記引換えチケットの印刷状態、表示言語および表示方法の少なくとも一つに関する、請求項1から10のいずれか記載の引換えチケット発行装置。
【請求項12】
前記決定手段は、前記引換えチケットの印刷時に前記引換えチケットがA41枚で印刷されるように、前記印刷状態についての、前記発行態様を決定する、請求項11記載の引換えチケット発行装置。
【請求項13】
前記決定手段は、前記識別子の国籍、使用言語および前記店舗の住所情報の少なくとも一つに基づいて、前記表示言語についての、前記発行態様を決定する、請求項11記載の引換えチケット発行装置。
【請求項14】
前記店舗の特性を抽出する抽出手段を更に備え、
前記決定手段は、前記特性に基づいて、前記発行条件および前記発行態様を決定する、請求項1から13のいずれか記載の引換えチケット発行装置。
【請求項15】
前記発行手段は、既に使用された前記認証コードと同じ認証コードを使用しない、請求項1から14のいずれか記載の引換えチケット発行装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−41383(P2013−41383A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177348(P2011−177348)
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(510016634)株式会社ホスピタブル (3)