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強く着色した赤色効果顔料
説明

強く着色した赤色効果顔料

【課題】改良された光学的性質をもち、特に純粋な赤の色相をもち、応用上の欠点を示さず広範囲の応用において普遍的に用いることができる赤色効果顔料を提供すること。
【解決手段】その全厚が500nm(+/−30nm)を超えない、酸化鉄被覆SiO2フレークを含む強く着色した赤色効果顔料に関し、またその全厚が500nm(+/−30nm)を超えないように、SiO2フレークおよび酸化鉄層の厚さを選択して、SiO2フレークを酸化鉄で被覆するという効果顔料の製造方法、さらにこの顔料を化粧品、塗料、コーティング、プラスチック、フィルムに、セキュリティ印刷、書類におけるセキュリティ特色および身元証明書、種子の着色、食品の着色、薬剤のコーティング、顔料組成物および乾燥製剤の製造に使用することに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化鉄被覆SiO2フレークを含む、全厚が500nm(+/−30nm)を超えない、強く着色した赤色効果顔料に関する。本発明はまた、赤色効果顔料の全厚が500nm(+/−30nm)を超えないように、SiO2フレークおよび酸化鉄層の厚さを選択して、SiO2フレークを酸化鉄で被覆することを含む効果顔料の製造方法ならびにこれらの顔料を化粧品、塗料、コーティング、プラスチック、フィルムに、セキュリティ印刷に、書類におけるセキュリティ特色(security feature)および身元証明書に、種子の着色に、食品の着色に、または薬剤のコーティングに、ならびに顔料組成物および乾燥製剤(dry preparation)の製造に使用することに関する。
【背景技術】
【0002】
赤色光沢すなわち効果顔料は広く使用されている。この種の顔料は、自動車塗料、あらゆる種類の装飾コーティングに、およびプラスチックの着色に、塗料および印刷インクに、および化粧品への応用において必要欠くべからざるものとなっている。これらの顔料を取り囲むマトリックス中で、これらの顔料がコーティングの表面に平行に整列して、内部光の複雑な干渉、反射および吸収を通じて、光学的効果を発揮するのが理想的である。明色および高光沢は種々の応用に対する興味の焦点である。
【0003】
この種の顔料は、通常フレーク状の雲母を金属酸化物層、とりわけ酸化鉄層で被覆して製造する。雲母は特に、基材の厚さが広範囲に変動して一定に整えることができないという欠点があって、その結果、透明な基材の場合でさえも基材での光透過および反射が実質上制御不能な様式で起こり、それ故特定したように使用することができない。
【0004】
WO93/08237は、酸化鉄層で被覆された基材としての二酸化ケイ素マトリックスからなるフレーク状赤色顔料を開示している。この場合、そのマトリックスの厚さは広範囲で調整することができる。WO93/08237に記載された赤色顔料は、視角を平坦な方へ傾けたとき、好ましくない褐色がかった色相を呈するという欠点を有する。それよりも、純赤色と高光沢をもつ強く着色した赤色効果顔料が求められている。それに加えて、基材の厚さが500nmであるが、使用される層の好ましい厚さは20〜250nmである。このように全体として、全厚の比較的大きい顔料が得られる。しかしこれは多くの応用にとって不利である。何故なら顔料の応用特性が、例えばP.Hoffmann、W.Duschek、New Effect Pigments in report volume DFG41、1999、50、123〜132で述べられている現象によって損なわれるからである。例えばコーティングへの応用で、厚い顔料はコーティング対象に平行な整列に対して問題を生じる。比較的厚い顔料粒子の不利な外形により、バインダー系中において顔料粒子が表面に平行な所望の整列をすることが一層困難になる。比較的厚い顔料粒子は互いに角度をなして並ぶ傾向があり、その結果光はもはや最適の方向へ反射せず、散乱効果が指示された光沢を減少させる。加えて、例えば顔料含有コーティングのヘイズ効果(光沢曇り)増加および像の鮮明性(DOI)悪化のような不都合が生じる。さらに、同質量中の個々の粒子の質量が大きければ、コーティングに応用したときに顔料粒子の数は相当減ることになるという単純な事実によって彩色上の不利が生ずる。このことは、隠蔽力、光沢および色印象全体に不利な効果をもつ。それ故、厚い顔料粒子の場合には、所望の性質を達成するには困難が避けられない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO93/08237
【特許文献2】WO93/08237
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】P.Hoffmann、W.Duschek、New Effect Pigments in report volume DFG41、1999、50、123〜132
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、改良された光学的性質をもつ、特に純粋な赤の色相をもつ、応用上の欠点を示さず非常に広範囲の応用において普遍的に用いることができる赤色効果顔料を見出すことであった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的は、本発明の顔料によって達成される。したがって、本発明は、効果顔料の全厚が500nm(+/−30nm)を超えない、酸化鉄被覆SiO2フレークを含む強く着色した赤色効果顔料に関する。
【0009】
また本発明は、赤色効果顔料の全厚が500nm(+/−30nm)を超えないように、SiO2フレークおよび酸化鉄層の厚さを選択して、SiO2フレークを酸化鉄で被覆する効果顔料の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の顔料は、特に強い純粋な赤色効果によって特徴づけられる。驚くべきことに、本発明の赤色効果顔料は非常に僅かのカラーフロップ効果を示すのみであるか、または全く示さず、酸化鉄層をもつ他の赤色顔料にある干渉褐色色相がない。加えて、本発明の顔料は、非常に広範囲の応用分野で使用することができるという利点があり、改良された応用特性、例えばコーティングへの応用におけるヘイズ効果の低減および像鮮明度(DOI)の改善あるいは化粧品製剤における皮膚触感の改善を示す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の顔料の赤色色相と従来技術による顔料の赤色色相との比較を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
有利な性質により、本発明の効果顔料は非常に広範囲の種類の多くの応用分野に普遍的に適している。したがって、本発明はまた、これらの顔料を、化粧品、塗料、コーティング、プラスチック、フィルムに、セキュリティ印刷に、書類におけるセキュリティ特色および身元証明書に、種子の着色に、食品の着色に、または薬剤のコーティングに、ならびに顔料組成物および乾燥製剤の製造に使用することに関する。
【0013】
本発明の顔料は、基材として、層厚が一様な、好ましくは国際出願WO93/08237にしたがって、水ガラス溶液の固化および加水分解により連続ベルト上で製造された合成SiO2フレークをベースとする。ここで、均一な層厚とは、層厚許容誤差が粒子の全乾燥層厚の3%から10%まで、好ましくは3%から5%までであるという意味に解釈する。フレーク状の二酸化ケイ素は一般に非晶質形である。この種の合成フレークは、例えば雲母のような天然材料に対して、層厚を所望の効果に合わせて調節でき、また層厚許容誤差がせばめられるという利点を有する。
【0014】
基材の直径は、通常1μmと250μmの間、好ましくは2μmと100μmの間である。基材の厚さは250nmと400nmの間、好ましくは330nmと350nmの間である。フレーク状基材の平均アスペクト比すなわち、ここでは平均直径に当る平均長測定値と平均厚測定値との比は、一般に5から200まで、好ましくは20から150まで、そして特に好ましくは30から120までである。
【0015】
本発明の顔料中の上記の基材は酸化鉄層により、特にヘマタイト(α−Fe23)層で被覆する。個々の酸化鉄層の厚さは30nmと150nmの間、好ましくは50nmと130nmの間である。本発明にとって、赤色効果顔料の全厚が500nm(+/−30nm)を超えないことが絶対不可欠である。SiO2フレークの酸化鉄被覆は、2つの最も大きな対向する表面にのみ存在するか、または鞘に収めるようになって存在しており、SiO2フレークは完全に酸化鉄の鞘で覆われているのが望ましい。このことから、断面では下記の顔料構造が現れる。
Fe23/SiO2/Fe23
3層全体の厚さの合計が必要条件500nm(+/−30nm)を超えてはならない。
【0016】
所望の純粋な赤い色相を最適化するためには、基材および酸化鉄層の厚さを精密に合わせることが得策である。基材および個々の酸化鉄層に対する下記の厚さ分布が、本発明においては特に望ましい。
【0017】
【表1】

【0018】
本発明のさらなる実施形態において、本発明の効果顔料はさらに外層として付加的な安定化有機コーティングを備えることができる。そのような被覆の例を挙げれば、例えば、EP0632109、US5759255、DE4317019、DE3929423、DE3235017、EP0492223、EP0342533、EP0268918、EP0141174、EP0764191、WO98/13426またはEP0465805があり、これらの開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。例えばオルガノシランまたは有機チタン酸エステルまたは有機ジルコン酸エステルの有機コーティングを含む効果顔料は、上述した光学特性に加えて、例えば湿気および光線のような屋外暴露の影響に対する安定性の増大を示すが、この安定性は工業的コーティングにとって、および自動車産業部門において特別の関心事である。安定化は付加的コーティングの無機成分によって改良することができる。全体として、付加的な安定化コーティングに対するそれぞれの比率は、本発明の効果顔料の光学特性が大きく影響されないように選択するべきである。
【0019】
また本発明は、赤色効果顔料の全厚が500nm(+/−30nm)を超えないように、SiO2フレークおよび酸化鉄層の厚さを選択して、SiO2フレークを酸化鉄で被覆することを含む赤色効果顔料の製造方法に関する。適用した酸化鉄層の厚さに基材の厚さを、それぞれ合わせることはすでに上で説明した。
【0020】
酸化鉄層での被覆は湿式化学法および/またはCVDもしくはPVDプロセスによって実施することができる。
【0021】
効果顔料製造のための本発明の方法は、例えば次の公告に記載されている真珠光沢顔料の製造のために開発された公知の湿式化学コーティング技術を利用する湿式化学コーティングプロセスであるのが好ましい:
DE1467468、DE1959988、DE2009566、DE2214545、DE2215191、DE2244298、DE2313331、DE2522572、DE3137808、DE3137809、DE3151343、DE3151354、DE3151355、DE3211602、DE3235017。
【0022】
被覆のためには、SiO2フレークを水に懸濁して対応する無機金属化合物を添加し、酸または塩基の同時添加により調節し一定に維持した、酸化鉄の沈殿に必要なpHで沈殿させることにより酸化鉄で被覆する。次に被覆された基材は水性懸濁液から分離して乾燥し、場合によって焼成するが、その際、乾燥および場合によって焼成後、顔料の厚さが500nm(+/−30nm)を超えないように、個々の層厚を調節する。
【0023】
焼成温度は一般には250℃と1000℃の間、特に350℃と900℃の間である。
【0024】
原理的に、酸化鉄で粒子を被覆するためのCVDまたはPVDプロセスもまた、本発明の顔料の製造に適している。この種のプロセスは、例えばW.Ostertag,Nachr.Chem.Tech.Lab 1994,42,849に記載されている。本発明においては、全粒子表面の均一被覆を確実にするために蒸着工程の間、基材の動きを一様に保つことが必要である。
【0025】
加えてまた、本発明の方法において、有機コーティングも外層として追加して付着させることができる。この種のコーティングプロセスの例はとりわけ、EP0632109、US5759255、DE4317019、DE3929423、DE3235017、EP0492223、EP0342533、EP0268918、EP0141174、EP0764191、WO98/13426またはEP0465805に提示されている。有機コーティングの例および関連する利点は、すでに本発明の顔料の構造のところで述べた。有機コーティング適用の工程ステップは本発明の工程の他のステップをそのまま踏襲することができる。ここでのみ適用される物質は、顔料全体の中で0.1から5重量%、好ましくは0.5から3重量%の重量比率をもつ。
【0026】
本発明の効果顔料は種々な用途で使用することができる。したがって、本発明はまた、本発明の顔料を、化粧品、塗料、コーティング、プラスチック、フィルムに、セキュリティ印刷に、書類におけるセキュリティ特色および身元証明書に、種子の着色に、食品の着色に、または薬剤のコーティングに、ならびに顔料組成物および乾燥製剤の製造に使用することに関する。
【0027】
化粧品の場合本発明の効果顔料は、例えばマニキュア、カラーパウダー、口紅、またはアイシャドウ、石鹸、歯磨きペースト等々のような装飾的化粧品における製品および製剤に特に適している。本発明の効果顔料は、勿論、製剤中ですべての種類の化粧品原料および助剤と配合することもできる。これらに含まれるものは、とりわけ、油、脂肪、蝋、皮膜形成剤、保存剤、および応用特性を概して決定する助剤、例えば増粘剤のようなものおよびレオロジカル添加剤、例えばベントナイト、ヘクトライト、二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、ゼラチン、高分子量炭水化物、および/または表面活性助剤等々のようなものである。本発明の効果顔料を含む製剤は親油性、親水性または疎水性のタイプのものであってよい。不連続の水相および非水相を有する不均一な製剤の場合に、本発明の粒子は各場合に2相の一方にのみ存在してもよく、あるいはまたは両相に分布していてもよい。
【0028】
水性製剤のpHは1と14の間であることが可能であるが、好ましくは、2と11の間であり、特に5と8の間が好ましい。本発明の効果顔料の製剤中濃度に限度はない。用途によって、濃度は0.001%(リンス用製品、例えばシャワージェル)と99%(例えば特殊用途の光沢効果商品)の間であってよい。本発明の効果顔料は、さらに化粧品の活性成分とも配合できる。適当な活性成分は、例えば、昆虫忌避剤、UV A/BC防護フィルター(例えばOMC、B3、MBC)、老化防止活性成分、ビタミンおよびその誘導体(例えばビタミンA、C、Eその他)、自己日焼け剤(self−tanning agent)(例えば特にDHA、エリトルロース)、およびさらに他の化粧用活性成分、例えばビサボロール、LPO、エクトイン、エンブリカ、アラントイン、ビオフラボノイドおよびその誘導体である。
【0029】
効果顔料を塗料およびコーティングに使用するにあたって、当業者に知られているすべての領域の応用が可能であり、そのようなものの例を挙げれば、粉末コーティング、自動車塗料、印刷インクとしてグラビア、オフセット、スクリーンもしくはフレクソグラフ用のもの、および屋外用途におけるコーティングである。本発明における塗料およびコーティングは、例えば、放射線硬化、物理的乾燥、または化学的硬化でよい。印刷インクまたは液状コーティング材を製造するためには、たとえばアクリレート、メタクリレート、ポリエステル、ポリウレタン、ニトロセルロース、エチルセルロース、ポリアミド、ポリビニルブチレート、フェノール樹脂、マレイン酸樹脂、デンプン、またはポリビニルアルコール、アミノ樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニルまたはこれらの混合物をベースとする多種類のバインダーが、とりわけ水溶性グレードのものが適している。コーティングは、水または溶媒をベースとするコーティングで、コーティング成分の選択は当業者の通常の知識で可能である。粉末コーティングによく使われるポリマーバインダーは、たとえばポリエステル、エポキシド、ポリウレタン、アクリレート、またはこれらの混合物である。
【0030】
さらに、本発明の効果顔料は、フィルムおよびプラスチック、それから例えば農業用シート、赤外線反射フィルムおよびシート、ギフトフォイル、プラスチック容器ならびに当業者に知られているすべての用途のための成形品に使用できる。本発明の効果顔料の導入に適したプラスチックはすべての一般的なプラスチックで、例えば熱硬化性または熱可塑性プラスチックである。可能な応用および適当なプラスチック、加工法および添加剤は、例えばRD 472005またはR.Glausch、M.Kieser、R.Maisch、G.Pfaff、J.Weitzel、Perlglanzpigmente[Pearlescent Pigments]、Curt R.Vincentz Verlag、1996、83 ff.に示されており、その開示内容は本明細書に組み込まれる。
【0031】
さらに、本発明の効果顔料はセキュリティ印刷およびセキュリティ関連のフィーチャー例えば偽造防止カードおよび身元証明書例えば入場券、個人身分証明書、銀行券、小切手、小切手保証カード、およびその他の偽造防止書類に使用するのに適している。効果顔料は、農業分野では種子および他の出発材料の着色用に、さらに食品部門において食品着色用に使用できる。本発明の効果顔料はまた、例えば錠剤または糖衣錠のような薬剤における着色被覆のために使用できる。
【0032】
上述の応用分野において本発明の効果顔料は、有機染料および/または顔料例えば透明および不透明な白色、着色および黒色顔料など、ならびにフレーク状の酸化鉄、有機顔料、ホログラフ顔料、LCPs(液晶ポリマー)ならびに雲母、ガラス、Al23、Fe23、SiO2等をベースにした在来の透明な、着色したおよび黒色の光沢顔料と混合して使用するのにもまた適する。本発明の効果顔料は市場で入手可能な顔料および充填材といかなる比でも混合可能である。
【0033】
名を挙げることができる充填材は、例えば天然および合成雲母、ナイロン粉末、純粋もしくは充填材入りのメラミン樹脂、滑石、ガラス、カオリン、酸化もしくは水酸化アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、BiOCl,硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭素、およびこれらの物質の物理的または化学的組み合わせである。充填材の粒子形状に関する制限はない。充填材は要求に合わせて、例えばフレーク状、球形または針状でもよい。
【0034】
さらに本発明の効果顔料は、1種または複数種の本発明の粒子、バインダーおよび場合によって1種または複数種の添加物を含む流動性顔料組成物および乾燥製剤の製造に適している。乾燥製剤という用語は、重量で0から8%、好ましくは重量で2から8%、特に重量で3から6%の水および/または溶媒または混合溶媒を含む製剤を意味すると解釈する。乾燥製剤は、好ましくはペレット、顆粒、チップ、ソーセージ状、または豆炭状の形状で、粒子サイズは0.2〜80mmである。乾燥製剤は、特に印刷インクおよび化粧品製剤の製造に使用される。
【0035】
上記のすべての特許出願、特許および刊行物の完全な開示内容は参照により本出願中に組み込まれる。
【実施例】
【0036】
次の実施例は本発明をさらに詳細に説明することを意図するもので、本発明を限定するものではない。
実施例1
100gのSiO2フレーク(厚さ365nm)を2lの脱塩水中で75℃に加熱する。1120mlのFeCl3溶液(130%のFe23に相当)を撹拌しつつ加える。反応混合物のpHは水酸化ナトリウム溶液(30%)の添加により3で一定に保つ。FeCl3溶液を加えた後、水酸化ナトリウム溶液(30%)を使用してpHを5に上げる。生成物を濾別して脱塩水で洗う。110℃で乾燥後、生成物を800℃で焼成する。
このようにして調製した顔料は、図1の(−▲−)に示した色特性を示す。
【0037】
比較例
100gのSiO2フレーク(厚さ445nm)を1lの脱塩水中で75℃に加熱する。237mlのFeCl3溶液(27.5%のFe23に相当)を撹拌しつつ加える。反応混合物のpHは水酸化ナトリウム溶液(30%)の添加により3で一定に保つ。FeCl3溶液を加えた後、水酸化ナトリウム溶液(30%)を使用してpH5に上げる。生成物を濾別して脱塩水で洗う。110℃で乾燥後、生成物を800℃で焼成する。
このようにして調製した顔料は、図1の(−◆−)に示した色特性を示す。
【0038】
図1は異なった赤色色相および異なった色フロップ特性をもつ効果顔料の比較により色の状態を示す。ここで色曲線はa、b表色系における表色値の変化を示し、この曲線は顔料を含む塗料カードを垂直の角度(平面図で90度)から180度へ傾ければ得られる。(横軸はa軸で、左=緑から右=赤へ、縦軸はb軸で、下=青から上=黄へ)
典型的な酸化鉄雲母顔料(−●−)は色が比較的弱く、カラーフロップを示さない。傾斜による典型的な褐色色相が曲線で明確でない。
【0039】
WO93/08237に記載されている酸化鉄被覆をもつ典型的なSiO2フレーク顔料(−◆−)は初期の色相において明確な赤色を示さない。傾けると強いカラーフロップが起こり、この例では緑色に変化する。
【0040】
本発明の顔料の色(−▲−)は飽和した赤色を示し、傾斜しても赤のままである。その色はa、b表色系の1つの象限に常にとどまり、色フロップは非常に小さい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化鉄被覆SiO2フレークを含む、その全厚が500nm(+/−30nm)を超えない、強く着色した赤色効果顔料。
【請求項2】
SiO2フレークの直径が1μmと250μmの間であり、SiO2フレークの厚さが250nmと400nmの間であることを特徴とする請求項1に記載の効果顔料。
【請求項3】
SiO2フレークの厚さが250、300、350または400nmであることを特徴とする請求項1または2に記載の効果顔料。
【請求項4】
酸化鉄がヘマタイト(α−Fe23)であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の効果顔料。
【請求項5】
酸化鉄層の厚さが30から150nmまでであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の効果顔料。
【請求項6】
効果顔料に有機コーティングを追加して適用することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の効果顔料。
【請求項7】
赤色効果顔料の全厚が500nm(+/−30nm)を超えないように、SiO2フレークおよび酸化鉄層の厚さを選択して、SiO2フレークを酸化鉄で被覆することを特徴とする請求項1に記載の効果顔料の製造方法。
【請求項8】
酸化鉄による被覆を層の厚さが30nmと150nmの間になるように実施することを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
酸化鉄による被覆を湿式化学法および/またはCVDもしくはPVDプロセスによって実施することを特徴とする請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
請求項1に記載の効果顔料の、化粧品、塗料、コーティング、プラスチック、フィルムに、セキュリティ印刷に、書類におけるセキュリティ特色および身元証明書に、種子の着色に、食品の着色に、または薬剤のコーティングに、ならびに顔料組成物および乾燥製剤の製造への使用。

【図1】
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【公開番号】特開2013−100524(P2013−100524A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−226(P2013−226)
【出願日】平成25年1月4日(2013.1.4)
【分割の表示】特願2006−7264(P2006−7264)の分割
【原出願日】平成18年1月16日(2006.1.16)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】