説明

強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションの製造法及び該製造法によって設けた強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルション

【課題】ホホバオイルは「油」であるため、従来は、他の油性材料と混合、溶解、若しくは希釈して使用したおり、よって、ホホバオイルを皮膚の美容・治療等に使用しても、それを洗い落としするために油性溶剤、界面活性剤(洗剤、石鹸等)を使用せざるをえなかったので、同時に皮膚の油脂、有効なホホバオイルの成分、皮膚中に浸透したホホバオイルまで洗い落として、皮膚を傷め、保湿力を失わせて折角のホホバオイルの特性効果を減殺してしまう課題があり、一方、強アルカリ性天然水は極めて稀で優れた特性を有する温泉水・鉱泉水ということだけで新規な使用目的は全く考慮されたことが無かった。
【解決手段】pH8乃至10以上の強アルカリ性天然水を設定比率と該強アルカリ性天然水に対し設定比率のホホバオイルを攪拌・混合し、前記強アルカリ性天然水を乳化剤としその乳化作用で強アルカリ性天然水とホホバオイルを分離しない安定した状態に乳化して、強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションを製造するようにした強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションの製造法及びその製品によって課題を解決した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水(HO)と油(ホホバオイル)のエマルションの製造法及び該製造法によって設けた水と油(ホホバオイル)のエマルションに係るものである。
即ち本発明は、「水」として及び水と油(ホホバオイル)を乳化する乳化剤として、下記のように極めて特殊で極めて優れた特性を有する強アルカリ性天然水を使用する一方、「油」として下記のように極めて優れた特性を有するホホバオイルを使用して、通常は分離して乳化すること困難な「水(強アルカリ性天然水)」と「油(ホホバオイル)」を長期間分離しない安定した状態に乳化して強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションを設けるようにしたことを特徴とする、強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションの製造法及び該製造法によって設けた強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションに係るものである。
【0002】
また、本発明は、前記強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションに種々の添加物及び/又はシリコーンを加え、強アルカリ性天然水・ホホバオイルとシリコーン及び/又は種々の添加物を分離しない安定した状態に乳化して、強アルカリ性天然水・ホホバオイル・シリコーン及び/又は種々の添加物のエマルションを設けるようにしたことを特徴とする、強アルカリ性天然水・ホホバオイル・シリコーン及び/又は種々の添加物のエマルションの製造法及び該製造法よって設けた強アルカリ性天然水・ホホバオイル・シリコーン及び/又は種々の添加物のエマルションに係るものである。
【背景技術】
【0003】
「人工の強アルカリ性水」
通常水(HO)の水素イオン濃度(以下、pH(ピーエッチ、ペーハー)と記す。)はpH7前後(略中性)であるが、pH8乃至10以上の強アルカリ性水も例えば電解当で人工的に製造することができる。ところが、pH乃至10以上の人工強アルカリ性水は、還元、消毒、殺菌、滅菌、漂白等の作用に優れた特性を有するが、同時に、腐食性・毒性が強く、たんぱく質を分解するので直接皮膚に触れると炎症を起こし、目に入ると視力低下・失明の恐れがあり、そのような場合は直ちに多量の水で洗浄し、ホウ酸等で中和しないと極めて危険であり、直接、人体、皮膚等には到底使用できないものであり、また、短時間経過で元のpH7前後(略中性)に自然に戻ってしまう課題があった。
【0004】
「強アルカリ性天然水」
(1)上記に対し、pH濃度が上記人工の強アルカリ性水と同等のpH8乃至10以上の強アルカリ性でありながら、人体に無害なばかりでなく、きわめて有益な天然水が存在する。
即ち、その天然水とは、pH8乃至10以上の強アルカリ性天然水を指し、該強アルカリ性天然水は自然界において温泉・鉱泉(温泉水・鉱泉水・ミネラルウォーターとして存在している。
本発明は、本発明に使用する「水」として及び「水」と「油(ホホバオイル)」を乳化する乳化剤として、前記pH8乃至10以上の強アルカリ性天然水を特定して使用することを特徴とするものである。
(2)従来から温泉・鉱泉等を酸性泉,中性泉、アルカリ性泉のようにpH濃度で分類することが行われており、その内、pH8乃至10以上の温泉・鉱泉等を強アルカリ性泉と称しているが、この自然界に存在する強アルカリ性泉は世界的にも稀にしか知られておらず若しくはこれまでは殆ど注目されたことが無く、また、これまでは国内でも殆ど知られておらず、存在してもあまり注目されなかったが、近年、国内処々で主として非火山性(火山の影響の少ない所)の地下深層水(地中深くボーリングして汲み上げた)としてこの強アルカリ性泉水が発見され、また、温泉水・鉱泉水・ミネラルウォーターとして種々の優れた特徴を有することが判明するに及んで、新しい温泉(場)が処々に開かれ、また、旧来の温泉(場)・鉱泉(場)でも、この泉質を有する温泉(場)・鉱泉(場)が見直されつつある。
(3)本発明においては、前記強アルカリ性泉の温泉水・鉱泉水・ミネラルウォーターを「強アルカリ性天然水」と記すものとする。
(4)前記強アルカリ性泉は、現在、国内で下記その他20箇所以上の温泉(場)・鉱泉(場)・湧出泉地域が知られており、何れも、pH8乃至10以上の強アルカリ性天然水を湧出しており、その多くは温泉法で公認された温泉若しくは鉱泉であり、泉質は単純アルカリ泉のものが多いが、それ以外のものもある。
(5)一般的に「酸性泉」は物質を溶かす力が強く溶存物質が多くなる傾向があるが、反対に「アルカリ性泉」は物質が沈殿しやすいために含有成分・溶存物質が少なく、従って、無色澄明、無味無臭で身体に対する刺激が強くなく、皮膚病、消化器病、神経病、婦人病、痔疾、特に皮膚病に効くと言われ、肌がすべすべになり、お湯がやわらかくて入り心地がよく、湯冷めがしにくく、「美人の湯」などと呼ばれる温泉として多くの人に好まれている。
また、多くは安全に飲用できて、上記諸病に効くとされ、ミネラルウォーターとしても使用・販売されている。
(6)実施例に使用した国内某温泉の強アルカリ性天然水は、湧出時pH10.0であり、その後2年間以上に亘る測定でもpHに殆ど変化がなく、極めて安定していることが確認されている。
(7)強アルカリ性天然水は前記のように含有成分・溶存物質が少ないが、実施例に使用した強アルカリ性天然水からは100ml当り、ナトリウム5.00mg、カリウム0.08mg、カルシウム0.05mg、マグネシウム0.01mg、その他多くのミネラルが検出されており、通常、他の強アルカリ性鉱泉(温泉・冷泉)の温泉水・鉱泉水・ミネラルウォーターからも略同様の含有成分・溶存物質が検出されている。
(8)また、多くの強アルカリ性天然水は、極めて低硬度(硬度10以下)の「軟水」であり、よって、刺激が無くまろやかであるため、ミネラルウォーターとして飲用に適して美味であり、料理等にも最適な水として使用・販売されている。
(9)また、実施例に使用した強アルカリ性天然水に鉄(鉄板、釘、針金等)を2年間以上浸漬しておいても全然錆びないことが確認されている。
(10)国内の温泉(場)・鉱泉(場)・湧出泉地域とそのpH値
1.東京都西多摩郡−H温泉・・pH10.4、泉温・17.5℃
2.神奈川県厚木市−I温泉・・pH10.4、泉温・28.5℃
3.埼玉県比企郡−O温泉・・pH10.1、泉温・27.8℃
4.埼玉県比企郡−T温泉・・pH11.3、泉温・14.9℃
5.山梨県南都留郡−Y温泉・・pH10.0、泉温・25.6℃
6.山梨県塩山市−D温泉・・pH10.0、泉温・30.3℃
7.長野県北安曇郡−H温泉・・pH11.3、泉温・52.4℃
8.長野県下伊那郡−A温泉・・pH10.4、泉温・28.5℃
9.石川県輪島市−N温泉・・pH10.5、泉温・38.0℃
10.岩手県久慈市−S温泉・・pH10.5、泉温・17.8℃
【0005】
「ホホバオイル」
本発明は、本発明に使用する「油」として、極めて特殊な天然の「ホホバオイル」を使用することを特徴としている。
ホホバは、オーストラリア、メキシコ、アメリカ等の砂漠の極めて過酷な乾燥気象環境に自生(現在は栽培)する柘植科の潅木であり、樹齢が極めて長く、生命力が非常に強いことが知られている。
ホホバオイルは、前記ホホバの完熟した実(種子)から搾取される天然オイルである。
【0006】
「ホホバオイルの特徴」
(1)ホホバオイルには天然ビタミンE(細胞の活性化、血流促進)、ビタミンA(皮膚の角質化や乾燥を防ぐ)、ビタミンD(髪の再生を促進する)、アミノ酸、ミネラル等が豊富に含まれ、
特に、その分子構造が人間の皮膚細胞、角質成分、皮脂等と非常によく似た構造(植物性高級不飽和脂肪酸と高級不飽和アルコールのエステル)であるため、人の皮膚・肌への浸透性に極めて優れ、砂漠で育つ生物のため水分を逃がさない特性があって高い保湿力を保有し、肌にのばし易く、良く馴染み浸透し、べたつかない。
(2)ホホバオイルは、常温でやや粘性の液状をなし、腐らないオイルと言われているほどで、その特性は酸化しにくい高い安定性、高い誘導性、低い揮発性等を有し、その構成は300℃まで殆ど影響されない。
酸化しにくいため、大豆,トウモロコシ、オリーブ、ピーナッツのような従来の種子油と比較して酸化速度は極めて遅く極めて安定しており、よって、防腐剤や酸化防止剤等の添加物(石油由来成分や界面活性剤など)の必要なしに長期間保存が可能である。
(3)前記のように、安全性が高く、皮膚に調和し易く、アレルギー性が無く、浸透性に優れるので、アトピー性皮膚炎等の乾燥肌、敏感肌の人の保湿対策として適し、患部に塗るだけで、しみ、痔、紫外線から肌を守る効果があり、皮膚を清潔に保ってpHバランスを整え、爪の乾燥防止に適する。
また、頭皮に塗ると浸透して固まった皮脂を溶かし、毛穴の汚れをとり、皮脂分泌を正常にするので、育毛効果がある。
皮膚菌類、皮膚バクテリヤ、ブドウ球菌等に対する殺菌力があり、炎症を抑え、オイルであるのにニキビ治癒の効能がある。
【0007】
「ホホバオイルの現在の主な使用例と効能」
(1)医療関係では、皮膚科のやけど治療、アトピー性皮膚炎の保湿、人工心臓の潤滑油として使用して効能がある。
ドクター、ナース等は消毒液等から肌を保護することに使用して効能がある。
産婦人科ではアロマセラピーと妊娠線の予防と乾燥肌に使用して効能がある。
(2)高級リゾートスパ、デイスパ等ではマッサージオイルとして使用して効能がある。リゾートホテル等の乾燥した部屋での就寝時の肌を保護することに使用して効能がある。
(3)理・美容サロンでは、殆どのタイプの肌に安全でたくさんの有効成分を含み、健康や美容に大きな効果をもたらし、また、殆どのオイルと相性よくブレンドでき、それぞれのオイルの特性を生かすことができる。
頭皮エステ、育毛剤、スタイリング剤として、髪と頭皮の健康改善、育毛効果のメニューとして使用して効能がある。
(4)美容エステでは、アロマオイルとブレンドでフェイシャルメニューや、脱毛コースの肌の仕上げに使用して効能がある。
(5)病人・老人の介護施設では、その乾燥肌、寝たきりの患者の肌の保湿とかぶれ予防に使用され、入浴回数の少ない肌と髪、頭皮の匂いの解消に使用して効能がある。また、老人等の肌の乾燥には特に効果的があり多くの介護施設等で使用されている。
(6)ネイルサロンでは、除光液から爪の保護・保湿して、艶のあるネイルにすることに使用して効能がある。かかと、足の裏の硬くなった肌の保護、保湿に使用して、角質、タコや角質のできにくい足にすることができる。
【0008】
上記のように、ホホバオイルには、特に人(全身)の皮膚・肌の美容・健康状態保全・治療等に極めて優れた特性を保有していて、顕著な効果を発揮できるため、上記のように、極めて多方面において使用され、また、極めて多方面から注目されている。
【0009】
「ホホバオイルの現在の課題」
なお、ホホバオイルの実際の使用時には、高価なことや、使用目的に対する粘性度その他の状態の適合性などの点から、ホホバオイル100%のまま使用することは少なく、多くの場合は設定割合のホホバオイルを他の材料(主に油性分)と混合、溶解、若しくは希釈等して使用している。
ところが、ホホバオイルは天然の植物性オイルであるが、「オイル(油)」であることに相違ないため、ホホバオイルとの混合、溶解、若しくは希釈等が可能な材料は主に「油性」のものであって、当然、「水」以外のものに限られていた。
【0010】
従って、前記ホホバオイル自体、若しくはホホバオイルと他の材料(主に油)と混合、溶解、若しくは希釈などしたものを、人(全身)の皮膚・肌の美容・健康状態保全・治療等に使用したのち、それを洗い落とし(洗浄)するためには、当然、油分を洗い落とし(洗浄)するための油性溶剤、界面活性剤(洗剤、石鹸等)を使用せざるをえないので、人(全身)の皮膚・肌の油脂を洗い落としすぎ若しくは取去ってしまうため、有効な皮膚・肌表面のホホバオイルの成分を洗い落とすばかりか、皮膚・肌中に浸透したホホバオイルまで洗い落としてしまって、逆に皮膚を傷め、保湿力を失わせるなど、折角のホホバオイルの特性効果を減殺してしまう大きな課題があった。
【0011】
一方、「水」と「油(ホホバオイル)」を長期間安定した状態に乳化してエマルションを製造するようなことは、常識では全く不可能とされ、事実、全く存在しなかったので、当然、その用途、効用などについても考えられなかった。
ところが、本発明は「水」としてまた「油(ホホバオイル)」を乳化する作用がある乳化剤として前記強アルカリ性天然水を用いて、水・ホホバオイルのエマルションを製造することを発明したものである。
【0012】
而して、pH8乃至10以上の強アルカリ性水は電解等で人工的に製造する他は存在せず、また、人工の強アルカリ性水は放置すると短時間で元のPH7に戻ってしまって安定性が無く、その人工的強アルカリ性水の湯に人が入湯することなどは想像も出来ない位に極めて危険であった。
然るに、強アルカリ性天然水はpH8乃至10以上の強アルカリ性でありながら、所謂温泉等としての効能が認められて公認された温泉等として厳然として存在しており、本発明は、その強アルカリ性天然水を油(ホホバオイル)」を乳化剤として用いて、水・ホホバオイルのエマルションを製造することを発明したものである。
なお、前記のように、強アルカリ性天然水は、これまでは、極めて稀で特異かつ優れた特性を有する温泉水・鉱泉水・ミネラルウォーターということだけで、それ以外の特性、使用目的等の発明・開発については全く考慮されたことが無かったものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2001−316236号公報
【特許文献2】特開2001−335722号公報
【特許文献3】特開2003−277219号公報
【特許文献4】特開2005−097219号公報
【特許文献5】特開2007−084940号公報
【特許文献6】特開2008−231007号公報
【特許文献7】特許願2009−193638号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ホホバオイル(油)を水(HO)だけで簡単に洗い落とすことができれば、前記のように、ホホバオイルを洗い落とすための洗剤、油性溶剤、石鹸を使用せずにすんで、前記の課題を解決することができる。
そこで本願発明者は、当初、ホホバオイル(油)を水で混合・希釈等する、即ち、水溶液とすることが可能であれば、簡単に水で洗い落とすことができて、ホホバオイル(油)を洗い落とすために油性溶剤、洗剤、石鹸等を使用する場合に生じる前記課題を解決することができることに着眼し種々行ってみたが、結局、「水」と「油」を混合・希釈等することはできなかった。
次に、本願発明者が発想したのは、ホホバオイルと水を何らかの乳化剤を用いて乳化してエマルションを生成することであった。
ホホバオイル・水のエマルションができれば、水で簡単に洗い落とすことができるからである。
そこで、両者を乳化する乳化剤として考えられるものを種々用い、種々の手段で行ったのであるが、容易に分離しない安定状態に乳化することはできなかったものである。
【0015】
他方、本願発明者は、pH8乃至10以上の強アルカリ性の国内某温泉場(泉温45℃)の存在を知り、その強アルカリ性天然水(温泉用の他、飲用のミネラルウォーターとしても販売されている。)を入手して、この天然水の温泉が「美人の湯」、「美肌の湯」などと呼ばれて特に人の肌・皮膚の治療・保健に特効があると言われていることに注目し、その新規な利用価値・用途等を開発する研究・開発を行っていたものである。
そして、前記強アルカリ性天然水とホホバオイルが共通して人の肌・皮膚の保健に特効がある点から両者をうまく組合すことができたら極めて興味深いものができるという発想に到達し、更に両者を攪拌・混合すれば強アルカリ性天然水の強アルカリ性と共に強アルカリ性天然水の含有成分(ナトリウム、カリウム等)が乳化剤となってホホバオイル(油)に界面活性効果を生じ、両者を乳化する作用を行うことを発明したものであり、この発明方法によって両者を攪拌・混合した結果、強アルカリ性天然水とホホバオイルを分離しない安定状態に乳化してエマルションを製造し得たものである。
【0016】
本発明の原点は、強アルカリ性天然水の温泉が「お肌がつるつる」、「美人の湯」、「美肌の湯」などと呼ばれて、女性に絶大な人気があることに着眼した点にある。
即ち、「お肌がつるつる」になる原因は、この強アルカリ性天然水に入浴すると、人の「皮脂」と強アルカリ性天然水の含有成分のアルカリ金属イオン(ナトリウムNa、カリウムK・・アルカリ金属元素)が作用してセッケン状の物質を作るためである。
つまり、セッケンの場合は、油脂に炭酸ナトリウム(NaCO)や苛性ソーダ(NaOH)のような強アルカリ物質を加えて加熱すると、油脂とナトリウムNaが結合してセッケンとグリセリン(ワセリン)に分解し、これに塩水を混ぜてセッケンを分離し固めて作るのである。なお、前記ナトリウムNaの代わりにカリウムKを使ったカリセッケンもある。
そして、本発明で使用する強アルカリ性天然水の場合も、該強アルカリ性天然水のアルカリナトリウムイオンと人の皮脂が作用して重曹(重炭酸ナトリウム・NaHCO)成分が生じ、その重曹成分が皮脂の脂肪の溶け出しを助成し、前記石鹸作成の場合に似て、溶け出した脂肪とナトリウムが結合してセッケンに似た謂わば「皮脂セッケン」が生成され、該「皮脂セッケン」の界面活性作用によって「お肌がつるつる」の感覚が生じるものである。
【0017】
而して、本発明は、上記の「お肌がつるつる」の「皮脂セッケン」の界面活性作用が物質同士を混合して乳化する場合の乳化剤と同様であることに着眼して、強アルカリ性天然水を乳化剤としてホホバオイル(油)を混合・攪拌し、両者を分離しない安定状態に乳化して、強アルカリ性天然水とホホバオイル(油)のエマルションを製造することを発明したものである。
【0018】
また、油脂(ホホバオイル)のエステルにアルカリを作用させると酸のアルカリ塩とアルコールとに分解することが知られているが、本発明において、ホホバオイルは植物性の高級不飽和脂肪酸と高級不飽和アルコールのエステルであるので、ホホバオイルの一部、例えば、攪拌で生じたホホバオイルの粒子・微粒子の一部若しくはそれらの表面などに強アルカリ性天然水の強アルカリ性が作用して、酸のアルカリ塩(水溶性)とアルコール(水溶性)とに分解する現象が界面活性効果を生じ、両者の乳化作用に有効に作用するものである。
【0019】
また、本発明において、強アルカリ性天然水とホホバオイル(油)を攪拌・混合する過程で、水(HO)+強アルカリ性+含有成分(アルカリ金属イオン・ナトリウム、カリウム)+ホホバオイル(油)の成分等が影響しあって、「錯体」が生成され、該錯体が乳化媒体として作用するものである。
【0020】
本発明によって得た強アルカリ性天然水とホホバオイルのエマルションは安定状態に乳化しているので長期間分離することがなく、特に、「水」と「油(ホホバオイル)」のエマルションであるため、皮膚・肌などに塗布・付着したものは水で簡単に洗い落とすことができ、また、従来の洗剤・溶剤などと相違して、水で洗い落とした後でも、皮膚・肌などの表面に付着した分、及び皮膚・肌に浸透した分、の強アルカリ性天然水とホホバオイルが残存するので、それらの特性で皮膚・肌などの美容・治療・保険効果、保湿効果を長時間保持し得て、前記従来の課題を有効に解決できものである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の請求項1に記載の発明は、pH8乃至10以上の強アルカリ性天然水を設定比率と該強アルカリ性天然水に対し設定比率のホホバオイルを攪拌・混合し、前記強アルカリ性天然水を乳化剤としその乳化作用で強アルカリ性天然水とホホバオイルを分離しない安定した状態に乳化して、強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションを製造するようにしたことを特徴とする、強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションの製造法によって課題を解決したものである。
【0022】
請求項2に記載の発明は、pH8乃至10以上の強アルカリ性天然水を設定比率と該強アルカリ性天然水に対し設定比率のホホバオイルを攪拌・混合し、前記強アルカリ性天然水を乳化剤としその乳化作用で強アルカリ性天然水とホホバオイルを分離しない安定した状態に乳化して設けた、強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションによって課題を解決したものである。
【0023】
請求項3に記載の発明は、pH8乃至10以上の強アルカリ性天然水を設定比率と該強アルカリ性天然水に対し設定比率のホホバオイルを攪拌・混合し、前記強アルカリ性天然水を乳化剤としその乳化作用で前記強アルカリ性天然水とホホバオイルを分離しない安定した状態に乳化して、強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションを設け、
前記強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションを設定比率と該エマルションに対し設定比率のシリコーンを攪拌・混合して、前記強アルカリ性天然水とホホバオイルとシリコーンを分離しない安定した状態に乳化して、強アルカリ性天然水・ホホバオイル・シリコーンのエマルションを設けるようにしたことを特徴とする、強アルカリ性天然水・ホホバオイル・シリコーンのエマルションの製造法によって課題を解決したものである。
【0024】
請求項4に記載の発明は、pH8乃至10以上の強アルカリ性天然水を設定比率と該強アルカリ性天然水に対し設定比率のホホバオイルを攪拌・混合し、前記強アルカリ性天然水とホホバオイルを分離しない安定した状態に乳化して設けた前記強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションを設定比率と、該エマルションに対し設定比率のシリコーンを攪拌・混合し、前記強アルカリ性天然水を乳化剤としその乳化作用で強アルカリ性天然水とホホバオイルとシリコーンを分離しない安定した状態に乳化して設けた、強アルカリ性天然水・ホホバオイル・シリコーンのエマルションによって課題を解決したものである。
【0025】
請求項5に記載の発明は、強アルカリ性天然水97%内外〜50%内外とホホバオイル3%内外〜50%内外を攪拌・混合して、強アルカリ性天然水とホホバオイルを乳化して、サラサラした触感で白濁液状の強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションを製造するようにしたことを特徴とする、請求項1の強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションの製造法によって課題を解決したものである。
【0026】
請求項6に記載の発明は、強アルカリ性天然水97%内外〜50%内外とホホバオイル3%内外〜50%内外を攪拌・混合し、強アルカリ性天然水とホホバオイルをサラサラした触感の白濁液状に乳化して設けた、請求項2の強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションによって課題を解決したものである。
【0027】
請求項7に記載の発明は、強アルカリ性天然水50%内外〜30%内外とホホバオイル50%内外〜70%内外を攪拌・混合して、強アルカリ性天然水とホホバオイルを乳化して、クリーム状の強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションを製造するようにしたことを特徴とする、請求項1の強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションの製造法によって課題を解決したものである。
【0028】
請求項8に記載の発明は、強アルカリ性天然水50%内外〜30%内外とホホバオイル50%内外〜70%内外を攪拌・混合し、強アルカリ性天然水とホホバオイルをクリーム状に乳化して設けた、請求項2の強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションによって課題を解決したものである。
【0029】
請求項9に記載の発明は、前記強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルション97%内外〜70%内外とシリコーン3%内外〜30%内外を攪拌・混合して、強アルカリ性天然水とホホバオイルとシリコーンを分離しない安定した状態に乳化して、強アルカリ性天然水・ホホバオイル・シリコーンのエマルションを設けるようにしたことを特徴とする、
請求項3の強アルカリ性天然水・ホホバオイル・シリコーンのエマルルションの製造法によって課題を解決したものである。
【0030】
請求項10に記載の発明は、前記強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルション97%内外〜70%内外とシリコーン3%内外〜30%内外を攪拌・混合し、強アルカリ性天然水とホホバオイルとシリコーンを分離しない安定した状態に乳化して設けた、
請求項4の強アルカリ性天然水・ホホバオイル・シリコーンのエマルションによって課題を解決したものである。
【0031】
請求項11に記載の発明は、前記強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションに添加物として安定化二酸化塩素、増粘剤、グリセリン、アルコール、木・竹酢、香料の少なくても1を添加して攪拌・混合したことを特徴とする、請求項1の強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションの製造法によって課題を解決したものである。
【0032】
請求項12に記載の発明は、前記強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションに添加物として安定化二酸化塩素、増粘剤、グリセリン、アルコール、木・竹酢、香料の少なくても1を添加し攪拌・混合して設けた、請求項2の強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションによって課題を解決したものである。
【0033】
請求項13に記載の発明は、前記強アルカリ性天然水・ホホバオイル・シリコーンのエマルションに添加物として安定化二酸化塩素、増粘剤、グリセリン、アルコール、木・竹酢、香料の少なくても1を添加して攪拌・混合したことを特徴とする、請求項3の強アルカリ性天然水・ホホバオイル・シリコーンのエマルションの製造法によって課題を解決したものである。
【0034】
請求項14に記載の発明は、前記強アルカリ性天然水・ホホバオイル・シリコーンのエマルションに添加物として安定化二酸化塩素、増粘剤、グリセリン、アルコール、木・竹酢、香料の少なくても1を添加し攪拌・混合して設けた、
請求項4の強アルカリ性天然水・ホホバオイル・シリコーンのエマルションによって課題を解決したものである。
【0035】
なお、前記請求項11〜請求項14に記載の「添加物」は、前記の安定化二酸化塩素、増粘剤、グリセリン、アルコール、木・竹酢、香料、調味料、香辛料に限定されず、エマルションの製造、使用、保管等に支障を来たさない物であれば任意である。
【発明の効果】
【0036】
本発明の最大の特徴は、水だけで簡単に洗い落とすことが可能な、水(強アルカリ性天然水)と油(ホホバオイル)のエマルションを発明したことである。
本発明は、油(ホホバオイル)を水だけで簡単に洗い落とすことができるようにすることを主たる目的とするものであるところ、本発明は、強アルカリ性天然水を乳化剤として、水と油(ホホバオイル)を乳化して得たエマルションであって、その界面活性効果によって、水と油(ホホバオイル)が一体的に結合した状態、若しくは、水が油(ホホバオイル)を抱き込んだような状態となっているので、油(ホホバオイル)を水で簡単に洗い落とすことが可能な、極めて画期的な特徴がある。
【0037】
従来、「油」(ホホバオイルを含めて)の混合、溶解、若しくは希釈等が可能な材料は、主に油性のものに限られており、当然、「水」以外のものに限られており、従って、前記「油」自体、若しくは、油と他の材料(主に油)と混合、溶解、若しくは希釈などしたものを、洗い落とし(洗浄)するためには、当然、油分を洗い落とし(洗浄)するための油性溶剤、界面活性剤(洗剤、石鹸等)を使用せざるをえないので、油性の化粧品・医薬品等の場合は、人体の皮膚・肌の油脂を洗い落としすぎ若しくは取去ってしまうため、皮膚を傷め、保湿力を失わせるなど、折角の油(ホホバオイルを含めて)の特性効果を減殺してしまう課題があった。
【0038】
而して、本発明強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションは、基本的に水と油を乳化したエマルションであり、水で簡単に洗い落とすことができ、その上、洗い落とした後でも、強アルカリ性天然水とホホバオイルの成分を充分に残すことができるため、従来の洗剤などと異なり皮膚・肌を傷めることがない優れた効果がある。
また、塗布して時にサラッとして油(ホホバオイル)を直接塗った場合のようなべたつきがなく、強アルカリ性天然水とホホバオイルが皮膚・肌に良くのばせると共に、皮膚・肌によく浸透してその特性を発揮し、極めて優れた保湿効果を保持でき、皮膚・肌の美容・治療・保険効果、保湿効果を長時間保持できる。
【0039】
上記のように、本発明強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションは、強アルカリ性天然水の前記のような優れた特性と、ホホバオイルの前記のような優れた特性の、両方の特性を併せ持ったエマルションを簡単に製造、提供できる極めて画期的な効果がある。
【0040】
また、本発明強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションにシリコーンを加えて乳化した強アルカリ性天然水・ホホバオイル・シリコーンのエマルションも、水だけで簡単に洗い落とすことができる。
従来、シリコーンを水で乳化することはもとより、シリコーンを水だけで簡単に洗い落とすことができるものは、全く存在していなかったので、本発明シリコーンエマルションは極めて画期的なものである。
そして、シリコーンを配合し得たことによって、特にシリコーンの特性が有効な、化粧品(化粧水、ローション、クリーム等)、医療・保健・介護・保育等における強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションの優れた特性をより以上に助長し得る効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0041】
攪拌・混合攪拌槽内にpH8乃至10以上(以下同じ)の強アルカリ性天然水97%内外〜50%内外と油3%内外〜50%内外を一緒に入れ、泡立ち防止のため槽内を真空にして設定時間攪拌・混合し、強アルカリ性天然水を乳剤化とする乳化作用で両者を乳化して、「サラサラした触感で白濁液状」の強アルカリ性天然水・油のエマルションを製造する方法、及び、該製造法で設けた強アルカリ性天然水・油のエマルション。
【0042】
攪拌・混合槽内に、強アルカリ性天然水50%内外〜30%内外とホホバオイル50%内外〜70%内外を一緒に入れ、泡立ち防止のため槽内を真空にして設定時間攪拌・混合し、強アルカリ性天然水を乳剤化とする乳化作用で両者を乳化して、強アルカリ性天然水とホホバオイルを乳化して、「クリーム状」の強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションを製造する方法、及び、該製造法で設けた強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルション。
【0043】
攪拌・混合槽内に、強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルション97%内外〜70%内外とシリコーン3%内外〜30%内外一緒に入れ、泡立ち防止のため槽内を真空にして設定時間攪拌・混合して、強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションとシリコーンを乳化して、強アルカリ性天然水・ホホバオイル・シリコーンのエマルションを製造する方法、及び、該製造法で設けた強アルカリ性天然水・ホホバオイル・シリコーンのエマルション。
【0044】
なお、強アルカリ性天然水97%内外〜50%内外とホホバオイル3%内外〜50%内外等の比率の記載は、例えば、強アルカリ性天然水97%内外の場合にはホホバオイル3%内外(両方合計で100%)の意味である。
【実施例1】
【0045】
攪拌・混合槽内に、pH8乃至10以上(以下同じ)の強アルカリ性天然水97%内外〜50%内外とホホバオイル3%内外〜50%内外を一緒に入れ、泡立ち防止のため槽内を真空にして、25℃位の常温で、毎分7000〜8000回転で、5〜10分間、回転攪拌・混合して、強アルカリ性天然水とホホバオイルを乳化して、「サラサラした触感で白濁液状」の強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションを製造した。
【実施例2】
【0046】
攪拌・混合槽内に、強アルカリ性天然水50%内外〜30%内外とホホバオイル50%内外〜70%内外を一緒に入れ、泡立ち防止のため槽内を真空にして、25℃位の常温で、毎分7000〜8000回転で、5〜10分間、回転攪拌・混合して、強アルカリ性天然水とホホバオイルを乳化して、「クリーム状」の強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションを製造した。
【0047】
実施例では、強アルカリ性天然水に対するホホバオイルの比率が2〜3%以上で、「サラサラした触感で白濁液状」の安定した状態に乳化することができた。
また、強アルカリ性天然水に対するホホバオイルの比率が2〜3%以上〜50%内外までは、白濁液状のサラッとした触感の白濁液状に乳化することができ、50%内外を境界として、「液状」から「クリーム状」に劇的に急変することができた。
また、70%内外では「濃度の高いクリーム状(ショートケーキのデコレーション生クリーム位のクリーム状態)」とすることができ、90位%内外までは「濃度の高いクリーム状」に乳化することができた。
【0048】
而して、前記の「液状」若しくは「クリーム状」のエマルションは、種々の用途に汎用できる製品として極めて有効かつ優れた特性である。
【実施例3】
【0049】
攪拌・混合槽内に、強アルカリ性天然水97%内外〜30%内外とホホバオイル3%内外〜70%内外を一緒に入れ、泡立ち防止のため槽内を真空にして、25℃位の常温で、毎分7000〜8000回転で、5〜10分間、回転攪拌・混合して、強アルカリ性天然水とホホバオイルを乳化して製造した、強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションを製造し、
次いで、前記強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルション97%内外〜70%内外に対し、シリコーン3%内外〜30%内外一緒に入れ、25℃位の常温で、毎分5000〜5500回転で、10〜15分間、回転攪拌・混合して、強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションとシリコーンを乳化して、強アルカリ性天然水・ホホバオイル・シリコーンのエマルションを製造する方法、及び、該製造法で設けた強アルカリ性天然水・ホホバオイル・シリコーンのエマルションを製造した。
【実施例4】
【0050】
前記の強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルション、及び、強アルカリ性天然水・ホホバオイル・シリコーンのエマルションに、種々の目的で添加物を加える場合。
前記のエマルションにグリセリン(油類)を少量ずつ加え、毎分5000〜5500回転で、回転攪拌・混合を続行し、
次いで、回転攪拌数を毎分3000〜3500回転に落とし、キサンダンガム(増粘剤)、香料を少量ずつ加え、約10〜15分間回転攪拌・混合を続行し、最後に、前記回転攪拌・混合を停止し、人手等で攪拌して、全体が目的の液状、クリーム状、ゼリー状等の安定状態になっていることを確認し、強アルカリ性天然水・ホホバオイル・シリコーン・種々の添加物のエマルションを製造する方法、及び、該製造法で設けた強アルカリ性天然水・ホホバオイル・シリコーン・種々の添加物のエマルションを製造した。
【0051】
前記の実施例1〜4において、
(1)回転攪拌・混合作業は大気中でもかまわないが、通常は回転攪拌による泡立ちを防止するために、真空槽内で行う。
(2)回転攪拌・混合は常温(25℃内外)でもよいが、常温(25℃内外)よりやや高温の方が乳化が早まり、逆に低温であると遅くなる。
(3)回転攪拌・混合の回転速度、回転回数、及び、回転攪拌・混合時間は混合比率等で調節するが、いずれの場合も、乳化の状態を確認しながら、分離の状態が無くなっても、経験的に、長期間分離しない安定状態になったと判断されるまで入念に行う。
(4)乳化の安定性を高めるにはキサンダンガム等の増粘剤を添加物すると有効である。
(5)添加剤として、現時点で、安定化二酸化塩素(防腐、消毒殺菌力強化)、増粘剤(キサンダンガム等)、グリセリン(シリコーン共)、アルコール、木・竹酢、香料、その他の少なくても1を、種々の目的で前記エマルションに回転攪拌・混合したが、混合比率が適合すれば、何れも全く乳化に影響なしに乳化状態中に添加することができた。
即ち、それらの添加剤も含まれたエマルションが得られた。
【0052】
(1)強アルカリ性天然水とホホバオイルとシリコーンを槽内に最初から一緒にいれて、回転攪拌・混合して乳化を試みたが乳化しなかった。
そして、前記のように、既に出来上がっている強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションに、シリコーンを加えて回転攪拌・混合して、はじめて乳化して、強アルカリ性天然水・ホホバオイル・シリコーンのエマルションを製造することができた。
(2)pH10の強アルカリ性人工電解水とホホバオイルを回転攪拌・混合して試みたが、乳化しなかった。
【産業上の利用可能性】
【0053】
従来、水・油(ホホバオイル)のエマルション、若しくは、水・油(ホホバオイル)・シリコーンのエマルションは全く存在しなかったので、本発明エマルションは、水で油(ホホバオイル)を乳化し得る特性、水だけで簡単に洗い落とすことができる特性、その他前記のような種々の特性が相俟って、ホホバオイルが関係する美容・保健・食品等の生活分野、若しくは、産業・工業等の分野、その他の多方面分野において、全く新規な境地を開拓する魁となり得る多大の可能性がある。
【0054】
本発明は、前記のように、人体の特に皮膚の化粧(化粧水、ローション、クリーム等)、医療・保健・介護・保育等用として特効があるが、人体に限定することなく、他の動物、例えば犬猫等のペットの特に皮膚の医療・保健・介護・保育等用としても特効が認められ、また、シリコーンを加えたエマルションは、シリコーンの優れた特性で上記の特効を更に助長できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
pH8乃至10以上の強アルカリ性天然水を設定比率と該強アルカリ性天然水に対し設定比率のホホバオイルを攪拌・混合し、前記強アルカリ性天然水を乳化剤としその乳化作用で強アルカリ性天然水とホホバオイルを分離しない安定した状態に乳化して、強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションを製造するようにしたことを特徴とする、
強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションの製造法。
【請求項2】
pH8乃至10以上の強アルカリ性天然水を設定比率と該強アルカリ性天然水に対し設定比率のホホバオイルを攪拌・混合し、前記強アルカリ性天然水を乳化剤としその乳化作用で強アルカリ性天然水とホホバオイルを分離しない安定した状態に乳化して設けた、
強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルション。
【請求項3】
pH8乃至10以上の強アルカリ性天然水を設定比率と該強アルカリ性天然水に対し設定比率のホホバオイルを攪拌・混合し、前記強アルカリ性天然水を乳化剤としその乳化作用で前記強アルカリ性天然水とホホバオイルを分離しない安定した状態に乳化して、強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションを設け、前記強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションを設定比率と該エマルションに対し設定比率のシリコーンを攪拌・混合して、前記強アルカリ性天然水とホホバオイルとシリコーンを分離しない安定した状態に乳化して、強アルカリ性天然水・ホホバオイル・シリコーンのエマルションを設けるようにしたことを特徴とする、
強アルカリ性天然水・ホホバオイル・シリコーンのエマルションの製造法。
【請求項4】
pH8乃至10以上の強アルカリ性天然水を設定比率と該強アルカリ性天然水に対し設定比率のホホバオイルを攪拌・混合し、前記強アルカリ性天然水を乳化剤としその乳化作用で前記強アルカリ性天然水とホホバオイルを分離しない安定した状態に乳化して設けた前記強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションを設定比率と、該エマルションに対し設定比率のシリコーンを攪拌・混合し、強アルカリ性天然水とホホバオイルとシリコーンを分離しない安定した状態に乳化して設けた、
強アルカリ性天然水・ホホバオイル・シリコーンのエマルション。
【請求項5】
強アルカリ性天然水97%内外〜50%内外とホホバオイル3%内外〜50%内外を攪拌・混合して、強アルカリ性天然水とホホバオイルを乳化して、サラサラした触感で白濁液状の強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションを製造するようにしたことを特徴とする、
請求項1の強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションの製造法。
【請求項6】
強アルカリ性天然水97%内外〜50%内外とホホバオイル3%内外〜50%内外を攪拌・混合し、強アルカリ性天然水とホホバオイルをサラサラした触感の白濁液状に乳化して設けた、
請求項2の強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルション。
【請求項7】
強アルカリ性天然水50%内外〜30%内外とホホバオイル50%内外〜70%内外を攪拌・混合して、強アルカリ性天然水とホホバオイルを乳化して、クリーム状の強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションを製造するようにしたことを特徴とする、
請求項1の強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションの製造法。
【請求項8】
強アルカリ性天然水50%内外〜30%内外とホホバオイル50%内外〜70%内外を攪拌・混合し、強アルカリ性天然水とホホバオイルをクリーム状に乳化して設けた、
請求項2の強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルション。
【請求項9】
前記強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルション97%内外〜70%内外とシリコーン3%内外〜30%内外を攪拌・混合して、強アルカリ性天然水とホホバオイルとシリコーンを分離しない安定した状態に乳化して、強アルカリ性天然水・ホホバオイル・シリコーンのエマルションを設けるようにしたことを特徴とする、
請求項3の強アルカリ性天然水・ホホバオイル・シリコーンのエマルションの製造法。
【請求項10】
前記強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルション97%内外〜70%内外とシリコーン3%内外〜30%内外を攪拌・混合し、強アルカリ性天然水とホホバオイルとシリコーンを分離しない安定した状態に乳化して設けた、
請求項4の強アルカリ性天然水・ホホバオイル・シリコーンのエマルション。
【請求項11】
前記強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションに添加物として安定化二酸化塩素、増粘剤、グリセリン、アルコール、木・竹酢、香料の少なくても1を添加して攪拌・混合したことを特徴とする、
請求項1の強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションの製造法。
【請求項12】
前記強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルションに添加物として安定化二酸化塩素、増粘剤、グリセリン、アルコール、木・竹酢、香料の少なくても1を添加し攪拌・混合して設けた、
請求項2の強アルカリ性天然水・ホホバオイルのエマルション。
【請求項13】
前記強アルカリ性天然水・ホホバオイル・シリコーンのエマルションに添加物として安定化二酸化塩素、増粘剤、グリセリン、アルコール、木・竹酢、香料の少なくても1を添加して攪拌・混合したことを特徴とする、
請求項3の強アルカリ性天然水・ホホバオイル・シリコーンのエマルションの製造法。
【請求項14】
前記強アルカリ性天然水・ホホバオイル・シリコーンのエマルションに添加物として安定化二酸化塩素、増粘剤、グリセリン、アルコール、木・竹酢、香料の少なくても1を添加し攪拌・混合して設けた、
請求項4の強アルカリ性天然水・ホホバオイル・シリコーンのエマルション。

【公開番号】特開2011−26318(P2011−26318A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−159126(P2010−159126)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【出願人】(501253143)株式会社 蒼空 (5)
【出願人】(394016689)有限会社阿部事務所 (4)
【Fターム(参考)】