説明

強力接着性表面被覆

無機又は有機基体上の強力接着性被覆の製造方法であって、a)無機又は有機基体上に、低温プラズマ処理、コロナ放電処理又は火炎処理を行い、b)無機又は有機基体上に、1つ以上の光開始剤、又は光開始剤と少なくとも1個のエチレン性不飽和基を含むモノマー若しくは/及びオリゴマーとの混合物、あるいは前述の物質の溶液、懸濁液又は乳濁液を適用し、そして場合により、c)適切な方法を用いて、これら前述の物質を乾燥するか、かつ/又は電磁波で照射する方法において、式(I)、(II)、(III)及び/又は(IV):IN−L−RG (I)、IN−L−RG1−L1−H (II)、IN−L−RG1−L1−IN1 (III)、IN−L−RG1−L1−RG2−L2−IN1 (IV)[式中、IN及びIN1は、それぞれ他と独立に、モノアシルホスフィン、モノアシルホスフィンオキシド又はモノアシルホスフィンスルフィド光開始剤基であり;L、L1及びL2は、単結合又はスペーサー基であり;RGは、少なくとも1個のエチレン性不飽和なC=C結合を有する1価ラジカルであり;そしてRG1及びRG2は、それぞれ他と独立に、少なくとも1個のエチレン性不飽和なC=C結合を有する2価ラジカルである]で示される化合物を使用するのが有利であると判明した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無機又は有機基体上の良好な接着性を有する被覆の製造方法であって、この無機又は有機基体上に、低温プラズマ処理、コロナ放電処理又は火炎処理を行い、この無機又は有機基体に特定の光開始剤又は複数の光開始剤を適用し、そしてこうして光開始剤でプレコーティングした基体に更なる被覆を供給する方法に関する。本発明はまた、このような層の製造における、ある種の光開始剤の使用、及び強力接着性被覆自体に関する。
【0002】
無機又は有機基体上、特にポリエチレン、ポリプロピレン又はフッ素含有ポリオレフィン類のような非極性基体上の被覆(例えば、仕上げ剤、ペンキ、印刷インキ又は接着剤)の接着性は、しばしば不充分である。このため、満足な結果を達成するために追加処理を行う必要がある。接着性は、最初に特別な下塗り被覆、いわゆるプライマーを適用し、それから所望の被覆をそこに適用することによって、改善することができる。
【0003】
更に別の可能性は、コーティングすべき基体をプラズマ処理又はコロナ処理に曝露し、次にこれらをコーティングすることにあり、そして例えば、アクリレートモノマーでのグラフト重合プロセスをこれら2つの操作の間に行うことが可能である(J. Polym. Sci., Part A: Polym. Chem. 31, 1307-1314 (1993))。
【0004】
両方とも真空条件下かつ常圧下での、低温プラズマの製造、及び有機又は無機薄層のプラズマによる堆積は、しばらく前から知られている。基本的な原理及び応用は、例えば、「プラズマ化学の技術及び応用(Technology and Application of Plasma Chemistry)」, J.R. HolahanとA.T. Bell編, Wiley, New York (1974)中のA.T. Bell, 「プラズマ化学の基本」及びH. Suhr, Plasma Chem. Plasma Process 3(1), 1, (1983)により記載されている。
【0005】
更に、プラズマ中ではまた、ポリマー層の堆積が得られる重合を行うことが可能であり、そしてこの層は、プライマーとして利用することができる。基本的な原理及び応用は、例えば、「プラズマ技術3(Plasma technology 3)」, L. Holland編, Elsevier, Amsterdam 1992中のH. Biederman, Y. Osada, 「プラズマ重合法」により記載されている。
【0006】
また、プラスチック表面をプラズマ処理に付すことができ、その結果、次に適用する仕上げ剤は、プラスチック基体への接着の改善を示すことが知られている。このことは、真空条件下での低温プラズマについてはH.J. JacobaschらによりFarbe + Lack 99(7), 602-607 (1993)に、そして低温プラズマがコロナ放電に変化する、真空から常圧までの範囲のプラズマについてはJ. FriedrichらによりSurf. Coat. Technol. 59, 371-6 (1993)に記載されている。
【0007】
最初に言及された種類と類似のプロセスは、WO 00/24527から知られている。このプロセスは、強力接着性クリアコーティング層の製造のための、真空での光開始剤の即時蒸着及びグラフトによる基体のプラズマ処理を記載している。これの使用は、薄い透明なワニスを用いるコーティングに限定される。
【0008】
WO 01/58971は、エチレン性不飽和なC=C結合を有する電子供与体又はH供与体が、プラズマ処理又はコロナ処理を利用して基体に結合する、代替法を記載している。強力接着性被覆層は、適用される被覆に適切な共開始剤を加えることにより得られる。
【0009】
不飽和C=C二重結合を有する幾つかのモノアシルホスフィンオキシド(MAPO)光開始剤(ビニルベンゾイル及びビニルフェニルホスフィン)は、J.H. De GrootらによりPolym. Mater. Sci. 2001, (85), 53に記載されている。
【0010】
WO 99/47185、WO 00/55212及びWO 00/55214では、上述のビニルMAPOが、コンタクトレンズ製造用のUV架橋コポリマーの調製に使用される。
【0011】
実用において容易に実施することができ、かつそれを用いると続く基体の被覆が向上する装置に関して、あまり複雑でない、基体の前処理方法に対し、当該分野においてニーズが存在する。
【0012】
今や、基体をプラズマ処理(低圧及び/又は常圧プラズマ)、コロナ処理又は火炎処理に付した後に、コーティングすべき基体にある種の光開始剤を適用し、そしてこうして処理した基体を乾燥及び/又は照射することにより、特に良好な接着性を有する光硬化性組成物の被覆を達成できることが見出された。こうして前処理した基体に、被覆を与え、硬化させる。得られる被覆は、驚くほど良好な接着性を示し、そして数日間の貯蔵又は日光への曝露後にも何ら認めうる劣化を受けない。
【0013】
本発明は無機又は有機基体上の強力接着性被覆の製造方法であって、
a)無機又は有機基体上に、低温プラズマ処理、コロナ放電処理又は火炎処理を行い、
b)無機又は有機基体上に、1つ以上の光開始剤、又は光開始剤と少なくとも1個のエチレン性不飽和基を含むモノマー若しくは/及びオリゴマーとの混合物、あるいは前述の物質の溶液、懸濁液又は乳濁液を適用し、そして場合により
c)適切な方法を用いて、これら前述の物質を乾燥するか、かつ/又は電磁波で照射する方法であって、そして
光開始剤として少なくとも1つの式(I)、(II)、(III)及び/又は(IV):
【化14】


[式中、
IN及びIN1は、それぞれ他と独立に、モノアシルホスフィン、モノアシルホスフィンオキシド又はモノアシルホスフィンスルフィド光開始剤基であり;
L、L1及びL2は、それぞれ他と独立に、単結合又はスペーサー基であり;
RGは、少なくとも1個のエチレン性不飽和なC=C結合を有する1価ラジカルであり;そして
RG1及びRG2は、それぞれ他と独立に、少なくとも1個のエチレン性不飽和なC=C結合を有する2価ラジカルである]で示される化合物を使用する方法に関する。
【0014】
本発明のプロセスにおいて、式(I)及び(II)(特に式(I))の化合物を使用することが好ましい。
【0015】
モノアシルホスフィン、モノアシルホスフィンオキシド又はモノアシルホスフィンスルフィド光開始剤基IN及びIN1が、例えば、下記式:
【化15】


[式中、
Eは、O又はSであり;
xは、0又は1であり;
Aは、下記式:
【化16】


で示される基、シクロペンチル、シクロヘキシル、ナフチル、ビフェニリル、アントリル又はO−、S−若しくはN−含有5員若しくは6員複素環(ここで、ラジカル:シクロペンチル、シクロヘキシル、ナフチル、ビフェニリル、アントリル又はO−、S−若しくはN−含有5員若しくは6員複素環は、非置換であるか、又はハロゲン、C1−C4アルキル若しくはC1−C4アルコキシにより置換されている)であり;
1及びR2は、それぞれ他と独立に、C1−C24アルキル、OR11、CF3又はハロゲンであり;
3、R4及びR5は、それぞれ他と独立に、水素、C1−C24アルキル、OR11又はハロゲンであるか;あるいは
ラジカル:R1、R2、R3、R4又はR5のうち2個は、一緒になって、C2−C12アルキレン(中断されていないか、又は1個以上のO、S若しくはNR14により中断されている)であり;
Rは、C1−C24アルキル(非置換であるか、又はC3−C24シクロアルキル、C3−C24シクロアルケニル、フェニル、CN、C(O)R11、C(O)OR11、C(O)N(R142、OC(O)R11、OC(O)OR11、N(R14)C(O)N(R14)、OC(O)NR14、N(R14)C(O)OR11、ハロゲン、OR11、SR11若しくはN(R12)(R13)により置換されている)であるか;あるいは
Rは、C2−C24アルキル(不連続のO又はSにより1回以上中断されており、そして非置換であるか、又はフェニル、OR11、CN、C(O)R11、C(O)OR11若しくはC(O)N(R142により置換されている)であるか;あるいは
Rは、C2−C24アルケニル(中断されていないか、又は不連続のOにより1回以上中断されており、そして非置換であるか、又はOR11若しくはC1−C12アルキルにより置換されている)であるか;あるいは
Rは、C5−C24シクロアルケニル(中断されていないか、又は不連続のO、S若しくはNR14により1回以上中断されており、そして非置換であるか、又はOR11若しくはC1−C12アルキルにより置換されている)であるか;あるいは
Rは、C7−C24アリールアルキル(非置換であるか、又はアリールラジカルでC1−C12アルキル若しくはC1−C12アルコキシにより置換されている)であるか;あるいは
Rは、C4−C24シクロアルキル(中断されていないか、又は不連続のO、S若しくはNR14により1回以上中断されており、そして非置換であるか、又はOR11若しくはC1−C12アルキルにより置換されている)であるか;あるいは
Rは、下記式:
【化17】


で示される基、C8−C24アリールシクロアルキル又はC8−C24アリールシクロアルケニルであり;
6、R7、R8、R9及びR10は、それぞれ他と独立に、水素、C1−C24アルキル(非置換であるか、又はSR11、N(R12)(R13)、OR11若しくはフェニルにより置換されている)であるか;あるいはR6、R7、R8、R9及びR10は、C2−C24アルキル(不連続のOにより1回以上中断されており、そして非置換であるか、又はSR11、N(R12)(R13)、OR11若しくはフェニルにより置換されている)であるか;あるいはR6、R7、R8、R9及びR10は、SR11、N(R12)(R13)、OR11、フェニル又はハロゲンであり;
11は、水素、C1−C20アルキル、C2−C20アルケニル、C3−C8シクロアルキル、ベンジルであるか;あるいはR11は、Oにより1回以上中断されているC2−C20アルキル又はOにより1回以上中断されているC2−C20アルケニルであるか;あるいはR11は、フェニル(非置換であるか、又はC1−C4アルキル若しくはC1−C4アルコキシにより置換されている)であり;
12及びR13は、それぞれ他と独立に、水素、C1−C20アルキル、C2−C20アルケニル、C3−C8シクロアルキル又はベンジルであるか;あるいはR12及びR13は、Oにより1回以上中断されているC2−C20アルキル又はOにより1回以上中断されているC2−C20アルケニルであるか;あるいはR12及びR13は、フェニル(非置換であるか、又はC1−C4アルキル若しくはC1−C4アルコキシにより置換されている)であるか;あるいはR12及びR13は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、5員又は6員環(中断されていないか、又はO若しくはNR14により中断されている)を形成し;
14は、水素、C1−C12アルキル;フェニル(非置換であるか、又はC1−C4アルキル若しくはC1−C4アルコキシにより置換されている)、又はベンジル(非置換であるか、又はC1−C4アルキル若しくはC1−C4アルコキシにより置換されている)であるか;あるいはR14は、Oにより1回以上中断されているC2−C12アルキルである。
スペーサー基としてのL、L及びLは、−Z−[(A1a−Y]c−[(A2b−X]d−ラジカルであり;
X、Y及びZは、それぞれ他と独立に、単結合、−O−、−S−、−N(R16)−、−(CO)−、−(CO)O−、−(CO)N(R16)−、−O−(CO)−、−N(R16)−(CO)−又は−N(R16)−(CO)O−であり;
1及びA2は、それぞれ他と独立に、C1−C12アルキレン、C3−C12シクロアルキレン、フェニレン、フェニレン−C1−C4アルキレン又はC1−C4アルキレン−フェニレン−C1−C4アルキレンであり;
a、b、c及びdは、それぞれ他と独立に、0〜4の数であり;そして
16は、水素、C1−C12アルキル又はフェニルである]で示される基である。
RG基が、例えば−RdC=CRefラジカルであり;
RG1及びRG2が、それぞれ他と独立に、−RdC=CRe−又は下記式:
【化18】


で示される基であり;そして
d、Re及びRfは、それぞれ他と独立に、水素、C1−C4アルキル、フェニル、(CO)O−(C1−C4アルキル)又はC1−C4アルキルフェニルである。
【0016】
1−C24アルキルは、直鎖又は分岐であり、そして例えば、C1−C20−、C1−C12−、C1−C8−、C1−C6−又はC1−C4−アルキルである。例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、2,4,4−トリメチル−ペンチル、2−エチルヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル及びイコシルがある。不連続のO、S又はNR14により1回以上中断されているC2−C24アルキルは、直鎖又は分岐であり、好ましくは直鎖であり、そしてO、S又はNR14により、例えば、1〜9回、例えば、1〜7回又は1回若しくは2回中断されている。このラジカルが、2個以上のOにより中断されているとき、O原子は、少なくとも1個のメチレン基により互いに分離されている。例えば、−CH2−O−CH3、−CH2CH2−O−CH2CH3、−[CH2CH2O]y−CH3(ここで、y=1〜9)、−(CH2CH2O)7CH2CH3、−CH2−CH(CH3)−O−CH2−CH2CH3、−CH2−CH(CH3)−O−CH2CH3、−CH2SCH3又は−CH2−N(CH32のような構造単位が得られる。
【0017】
2−C24アルケニルラジカルは、1価又は多価不飽和であってよく、また直鎖又は分岐であってよく、そして例えば、C2−C20−、C2−C8−、C2−C6−、C4−C8−、C4−C6−、C6−C8−又はC2−C4−アルケニルである。例には、ビニル、アリル、メタリル、1,1−ジメチルアリル、1−ブテニル、2−ブテニル、1,3−ペンタジエニル、1−ヘキセニル、1−オクテニル、デセニル及びドデセニル、特にアリルがある。
【0018】
O−、S−又はN−含有5員又は6員複素環の例には、フリル、チエニル、ピロリル、オキシニル、ジオキシニル及びピリジルがある。前述の複素環ラジカルは、直鎖又は分岐アルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル又はヘキシル、特にC1−C4アルキルにより、単−又は多−置換、例えば、単−又は二−置換されていてもよい。この例には、ジメチルピリジル、ジメチルピロリル及びメチルフリルがある。
【0019】
置換フェニルは、フェニル環上で、単−〜五−置換、例えば、単−、二−又は三−置換、特に単−又は二−置換されている。
【0020】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素、特に塩素及び臭素、好ましくは塩素である。
【0021】
ラジカル:R1、R2、R3、R4及びR5のうち2個が一緒になって、C2−C12アルキレン(中断されていないか、又は1個以上のO、S若しくはNR14により中断されている)を形成するか、あるいはR12及びR13が、これらが結合している窒素原子と一緒になって、5員又は6員環(中断されていないか、又はO若しくはNR14により中断されている)を形成するとき、これらは、例えば、飽和又は不飽和環、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、アジリジニル、ピロリル、ピロリジニル、オキサゾリル、チアゾリル、ピリジル、1,3−ジアジニル、1,2−ジアジニル、ピペリジル又はモルホリニルである。
【0022】
3−C24シクロアルキルは、少なくとも1個の環を含むか、又は専ら1個の環よりなる、直鎖又は分岐アルキル、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、メチルシクロペンチル、シクロヘキシル、メチル−若しくはジメチル−シクロヘキシル、シクロオクチル又はシクロドデシル、特にシクロペンチル及びシクロヘキシルである。C3−C8シクロアルキルは、炭素原子が適切な数以下の上記と同義のものである。
【0023】
更に、シクロアルキルという用語は、例えば、下記式:
【0024】
【化19】

【0025】
で示されるような、架橋系を含むものと理解すべきである。
【0026】
4−C24シクロアルキル(中断されていないか、又は不連続のO、S又はNR14により1回以上中断されている)は、同様に少なくとも1個の環を含むか、又は専ら1個の環よりなる、上記と同義のものであり、そして例えば、下記式:
【0027】
【化20】

【0028】
で示されるものである。
【0029】
3−C24シクロアルケニル及びC5−C24シクロアルケニルは、問題の環が少なくとも1個の二重結合を含むことを除いて、シクロアルキルに関する上述の意味に相当する。この用語はまた、多価不飽和環を含み、また架橋環を含む(例えば、シクロプロペニル、シクロペンテニル、メチルシクロペンテニル、シクロヘキセニル、メチル−若しくはジメチル−シクロヘキセニル、シクロオクテニル又はシクロドデセニル、特にシクロペンテニル及びシクロヘキセニル)。
【0030】
7−C24アリールアルキルは、芳香族ラジカルにより置換されているアルキルである。例には、フェニル−C1−C18アルキル、ナフチル−C1−C16アルキル、アントリル−C1−C10アルキル、フェナントリル−C1−C10アルキルがあり、ここでそれぞれのアルキルラジカル:C1−C18−、C1−C16−、C1−C10−は、それぞれの芳香族ラジカル:フェニル、ナフチル、アントリル又はフェナントリルにより置換されている。このアルキルラジカルは、直鎖又は分岐であり、そして上述の意味であってよい。例には、ベンジル、フェニルエチル、α−メチルベンジル、フェニルペンチル、フェニルヘキシル及びα,α−ジメチルベンジル、特にベンジル、ナフチルメチル、ナフチルエチル、ナフチルプロピル及びナフチル−1−メチルエチル、更に特定してナフチルメチルがある。このアルキル残基は、ナフチル環の1−又は2位のいずれかにあってよい。
【0031】
8−C24アリールシクロアルキルは、芳香族ラジカルにより置換されているシクロアルキルであり、そして例えば、C9−C16アリールシクロアルキル、C9−C13アリールシクロアルキル、例えば、1個以上の環に結合したシクロアルキル、例えば、下記式:
【0032】
【化21】

【0033】
で示されるものである。
【0034】
「及び/又は」という用語は、定義される選択肢(置換基)の1つだけが存在してよいだけでなく、幾つかの異なる定義される選択肢(置換基)が一緒に存在してもよいこと、即ち、異なる選択肢(置換基)の混合物が存在してもよいことを示すものである。
【0035】
「少なくとも1つ」という用語は、「1つ又は1つを超える」、例えば、1つ又は2つ又は3つ、好ましくは1つ又は2つを定義するものである。
【0036】
説明及び特許請求の範囲において、「含有(containing)」という語は、特に断りない限り、定義される対象又は定義される対象の群が含まれるが、明示的に言及されていない任意の他の物質を除外しないことを意味すると理解すべきである。
【0037】
「場合により置換されている」という表現は、両方の可能性(非置換及び置換)を含む。
【0038】
「場合により中断されている」という表現は、両方の可能性(中断されていない、と、中断されている)を含む。
【0039】
Aは、好ましくは下記式:
【0040】
【化22】

【0041】
で示される。特に重要なのは、R1及びR2が、C1−C4アルキル(特にメチル)又はC1−C4アルコキシ(特にメトキシ)である、化合物である。Aは、例えば、2,4,6−トリメチルフェニル又は2,6−ジメトキシフェニルである。
【0042】
よって好ましいのは、Aが、下記式:
【0043】
【化23】

【0044】
で示され;
1及びR2が、それぞれ他と独立に、C1−C12アルキル、OR11、CF3又はハロゲン、特にC1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、CF3又はClであり;
3、R4及びR5が、それぞれ他と独立に、水素、C1−C12アルキル、OR11又はハロゲン、特に水素又はC1−C4アルキルである、式(I)の化合物である。
【0045】
Rラジカルは、脂肪族又は芳香族であってよい。
【0046】
脂肪族ラジカルとして、Rは、好ましくは
1−C12アルキル(非置換であるか、又はフェニル、CN、OR11、C(O)R11、C(O)OR11若しくはC(O)N(R142により置換されている)であるか;あるいは
2−C12アルキル(不連続のOにより1回以上中断されており、そして非置換であるか、又はフェニル、CN、OR11、C(O)R11、C(O)OR11若しくはC(O)N(R142により置換されている)であるか;あるいは
Rは、C2−C12アルケニル(中断されていないか、又は不連続のOにより1回以上中断されており、そして非置換であるか、又はOR11、N(R12)(R13)若しくはC1−C12アルキルにより追加的に置換されている)であるか;あるいは
Rは、ベンジルであるか;あるいは
Rは、C4−C8シクロアルキル(中断されていないか、又は不連続のO、S若しくはNR14により1回以上中断されており、そして非置換であるか、又はOR11、SR11、N(R12)(R13)若しくはC1−C12アルキルにより置換されている)であるか;あるいは
Rは、C8−C12アリールシクロアルキルであり;
11は、水素、C1−C12アルキル、C5−C6シクロアルキル、フェニル又はベンジルであり;
12及びR13は、それぞれ他と独立に、水素、C1−C12アルキル、フェニル、ベンジル、又はC2−C12アルキル(不連続のO原子により1回以上中断されており、そして非置換であるか、又はOH若しくはSHにより置換されている)であるか;あるいはR12及びR13は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、ピペリジノ、モルホリノ又はピペラジノを形成し;そして
14は、水素、フェニル、C1−C12アルキル、又はC2−C12アルキル(不連続のO原子により1回以上中断されており、そして非置換であるか、又はOH若しくはSHにより置換されている)である。
【0047】
脂肪族ラジカルとして、Rは、好ましくはC1−C12アルキルである。
【0048】
芳香族ラジカルとして、Rは、好ましくは下記式:
【0049】
【化24】

【0050】
[式中、R6、R7、R8、R9及びR10は、それぞれ他と独立に、水素、C1−C12アルキル、OR11、フェニル又はハロゲン、特にC1−C4アルキル;C1−C4アルコキシ、フェニル又はClである]で示される。
【0051】
好ましいのは、EがOであり、そしてxが1である、式(I)の化合物である。
【0052】
式(I)の更に別の興味深い化合物は、Rが、フェニル、2−メチルプロパ−1−イル又は2,4,4−トリメチル−ペンタ−1−イルである化合物である。
【0053】
特記すべきは、Aが、2,6−ジメトキシフェニル又は2,4,6−トリメチルフェニルである、式(I)の化合物である。
【0054】
特に好ましいのは、Lが、−CH2−、−CH2CH2−O−、−O−CH2CH2−O−、−O−CH2CH2−O−CH2−、−O−CH2−である、式(I)の化合物である。
【0055】
式(I)の興味深い化合物は、Rd、Re及びRfが、それぞれ他と独立に、水素、フェニル、(CO)O−(C1−C4アルキル)、例えば、特に(CO)OC25である化合物である。
【0056】
下記の式(I)の化合物もまた好ましい:
【0057】
【化25】

【0058】
式(I)の化合物の調製方法は、当業者には知られており、そして例えば、GB 2,360,283及びGB 2,365,430に公開されている。
【0059】
本発明の製造法において使用される、分子内に少なくとも1個のエチレン性不飽和なC=C二重結合を有する式(I)のモノアシルホスフィンオキシド(MAPO)光開始剤は、例えば、対応する金属化ホスフィンと対応するハロゲン化物との反応、及びこれに続く酸化:
【0060】
【化26】

【0061】
[式中、A、R、L及びRGは、上記と同義であり;Halは、ハロゲン原子、特にBr、I又はClであり;Mは、アルカリ金属、例えば、Li、Na、Kである]により得られる。
【0062】
このプロセス条件には、当業者は精通しており、そして上述の刊行物に見出すことができる。
【0063】
対応する金属化出発物質は、例えば、ハロゲン化アシルと二金属化アリールホスフィンとの反応により選択的に得られる:
【0064】
【化27】

【0065】
二金属化ホスフィンは、対応する二塩化物と金属との反応により得られる。更に別の可能性は、対応するホスフィンと、例えば、有機リチウム化合物、例えば、ブチルリチウムとの反応にある。この反応は、上述の刊行物に詳細が記載されている。
【0066】
分子内に少なくとも1個のエチレン性不飽和なC=C二重結合を有する式(I)のMAPOの更に別の調製方法は、適切なホスフィン中間体をミハエリス・アルブーゾフ(Michaelis-Arbuzov)反応において、例えば、塩化メシトイルと反応させることを含む:
【0067】
【化28】

【0068】
[式中、A、R、L及びRGは、上記と同義であり;Halは、ハロゲン原子、特にBr、I又はClである]。
【0069】
式(II)、(III)及び(IV)の化合物の調製は、適切な出発物質を用いて同様に達成される。
【0070】
本発明は同様に式(I')、(II')、(III')又は(IV'):
【化29】


[式中、
IN及びIN1は、それぞれ他と独立に、モノアシルホスフィン、モノアシルホスフィンオキシド又はモノアシルホスフィンスルフィド光開始剤基であり;
Q、Q1及びQ2は、単結合又は式:−Z1−[(A1a−Y]c−[(A2b−X]d−のスペーサー基であり;
X及びYは、それぞれ他と独立に、単結合、−O−、−S−、−N(R16)−、−(CO)−、−(CO)O−、−(CO)N(R16)−、−O−(CO)−、N(R16)−(CO)−又は−N(R16)−(CO)O−であり;
1は、単結合、−S−、−(CO)−、−(CO)O−、−(CO)N(R16)−、−O−(CO)−、N(R16)−(CO)−又は−N(R16)−(CO)O−であり;
1及びA2は、それぞれ他と独立に、C1−C12アルキレン、C3−C12シクロアルキレン、フェニレン、フェニレン−C1−C4アルキレン又はC1−C4アルキレン−フェニレン−C1−C4アルキレンであり;
a、b、c及びdは、それぞれ他と独立に、0〜4の数であり;
16は、水素、C1−C12アルキル又はフェニルであり;
RGは、少なくとも1個のエチレン性不飽和なC=C結合を有する1価ラジカルであり;そして
RG1及びRG2は、それぞれ他と独立に、少なくとも1個のエチレン性不飽和なC=C結合を有する2価ラジカルである(ただし、
スペーサー基Qがメチレンであり、同時にRGがビニルである式(I)の化合物、及びスペーサー基Qが単結合であり、同時にRGがアリルである式(I)の化合物は、除外され;そして
1が−O(CO)−であり、a及びcが0でなく、そして同時にA1が単結合でないとき)]で示される化合物に関する。
【0071】
定義の意味は、式(I)、(II)、(III)及び(IV)について示される定義に対応する;Qの意味は、Lの意味に対応する。Z1は、好ましくは単結合である。
【0072】
また、本発明のプロセスにおいて適切なものは、WO 03/068785に公開されているような、モノ−及びビス−アシルホスフィンオキシド型の光開始剤である。
【0073】
よって本発明はまた、無機又は有機基体上の強力接着性被覆の製造方法であって、
a)無機又は有機基体上に、低温プラズマ処理、コロナ放電処理又は火炎処理を行い、
b)無機又は有機基体上に、1つ以上の光開始剤、又は光開始剤と少なくとも1個のエチレン性不飽和基を含むモノマー若しくは/及びオリゴマーとの混合物、あるいは前述の物質の溶液、懸濁液又は乳濁液を適用し、そして場合により
c)適切な方法を用いて、これら前述の物質を乾燥するか、かつ/又は電磁波で照射する方法であって、そして
光開始剤として少なくとも1つの式(XX)及び/又は(XXI):
【0074】
【化30】

【0075】
[式中、
70及びR71は、それぞれ他と独立に、C1−C18アルキル、C2−C18アルキル(中断されていないか、あるいは1個以上の酸素及び/若しくは硫黄原子、並びに/又は1個以上の置換若しくは非置換イミノ基により中断されている)、C2−C18アルケニル、C6−C12アリール、C5−C12シクロアルキル又は5員〜6員複素環(酸素、窒素及び/又は硫黄原子を有する)であり(ここで、前述のラジカルは、それぞれ、アリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ヘテロ原子及び/又は複素環により置換されていてもよい);
71はまた、C1−C18アルコキシ(非置換であるか、又はアリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ヘテロ原子及び/若しくは複素環により置換されている)、又はR70−(C=E2)−であってもよく;
2は、O、S、NR72、N−OR3又はN−NR7273であり;
1は、O、S、NR72、N−OR72、N−NR7273又は自由電子対であり;
72は、水素、C1−C4アルキル、SO3H、フェニル又はアセチルであり;
73は、水素、C1−C4アルキル、COOR72、又はC6−C12アリール若しくはアリールスルホニル(非置換であるか、又はアリール、アルキル、アリールオキシ、アルキルオキシ、ヘテロ原子及び/若しくは複素環により置換されている)であり;
Lは、スペーサーであり;
RG3は、ラジカル重合性若しくはカチオン重合性基、又は形成されるポリマーと相互作用することができる基であり;
mは、1〜10の自然数であり;
70’、R71’、E2’及びE1’は、R70、R71、E2及びE1と同義であるが、それとは異なっていてもよく;
Het1及びHet2は、それぞれ他と独立に、O、S又はNR74であり;そして
74は、同一であるか又は異なって、水素又はC1−C4アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル若しくはtert−ブチルである]で示される化合物を使用する方法に関する。
【0076】
これらの化合物の中で、WO 03/068785に15〜25及び29〜32、及び33〜35ページの表、42〜67ページ並びに実施例に示される化合物、そして特に81〜83ページの表1の化合物は、本発明のプロセスにおいて特別に重要である。
【0077】
スペーサーLは、例えば、上述の意味を持つ。RG3は、好ましくは上述のRG基と同一である。
【0078】
本発明のプロセスは、実施が容易であり、そして冗長な適用工程や緩慢な架橋反応を必要としないため、時間単位当たりの高処理量を可能にする。本プロセスは、種々のプラスチック及び/又は金属、又は多様なガラスからなる製造中の加工品であり、よって前処理なしには、異なる成分上で異なる度合の接着性を示す場合の、あるいは従来のプライマー処理の場合にはプライマーに対し異なる親和性を示す場合の、加工品に特に適している。
【0079】
光開始剤は、例えば、常圧で(好ましくは、最初の工程でのコロナ処理後に)適用することができるか、又は例えば、真空で(好ましくは、最初の工程でのプラズマ処理後に)蒸着することができる。
【0080】
本発明のプロセスにおいて、式(I)、(II)、(III)若しくは(IV)の光開始剤、又は複数の光開始剤、あるいは溶媒又はモノマー中のその溶液又は分散液を、プラズマ−、コロナ−又は火炎−前処理されている基体に適用し、そして使用される溶媒を留去するための任意の乾燥工程後に、UV/VIS光への曝露により光開始剤の定着工程を行う。本出願に関連して、「乾燥」という用語は、両方の変化、即ち、溶媒の除去と光開始剤の定着の両方を含む。
【0081】
よって興味深いのは、無機又は有機基体上の強力接着性被覆の製造方法であって、
a)無機又は有機基体上に、低温プラズマ処理、コロナ放電処理又は火炎処理を行い、
b)無機又は有機基体上に、1つ以上の式(I)、(II)、(III)及び/若しくは(IV)の光開始剤、又はこのような光開始剤と少なくとも1個のエチレン性不飽和基を含むモノマー若しくは/及びオリゴマーとの混合物、あるいは前述の物質の溶液、懸濁液又は乳濁液を適用し、そして
c)適切な方法を用いて、これら前述の物質を場合により乾燥し、そして電磁波で照射することにより、光開始剤を定着させる方法である。
【0082】
上述の好ましいプロセスの工程c)は、随意である。例えば、乾燥、即ち、溶媒の除去は、溶媒が使用されていないときには論理的に不必要である。好ましいプロセスの工程c)における、電磁波、特にUV/VIS線での照射による、光開始剤の定着もまた、随意である。
【0083】
しかし本プロセスの好ましい実施態様では、電磁波、特にUV/VIS線での照射による光開始剤の定着を行う。
【0084】
乾燥及び照射に適切な装置は、後述される。
【0085】
本発明はまた、無機又は有機基体上の強力接着性被覆の製造方法であって、
a)無機又は有機基体上に、低温プラズマ処理、コロナ放電処理又は火炎処理を行い、
b)無機又は有機基体上に、1つ以上の請求項1記載の式(I)、(II)、(III)及び/若しくは(IV)の光開始剤、又はこのような光開始剤と少なくとも1個のエチレン性不飽和基を含むモノマー若しくは/及びオリゴマーとの混合物、あるいは前述の物質の溶液、懸濁液又は乳濁液を適用し、場合により
c)適切な方法を用いて、これら前述の物質を乾燥するか、かつ/又は電磁波で照射し、そして
d1)こうして光開始剤でプレコーティングした基体を、少なくとも1つのエチレン不飽和モノマー又はオリゴマーを含む組成物でコーティングし、そしてこの被覆をUV/VIS線又は電子ビームを用いて硬化させるか;又は
d2)こうして光開始剤でプレコーティングした基体を、印刷インキでコーティングして乾燥するか;又は
d3)金属、半金属、金属酸化物又は半金属酸化物を、こうして光開始剤でプレコーティングした基体上に気相から堆積させるかのいずれかを行う方法に関する。
【0086】
好ましいのは、無機又は有機基体上の強力接着性被覆の製造方法であって、
a)無機又は有機基体上に、低温プラズマ処理、コロナ放電処理又は火炎処理を行い、
b)無機又は有機基体上に、1つ以上の光開始剤、又は光開始剤と少なくとも1個のエチレン性不飽和基を含むモノマー若しくは/及びオリゴマーとの混合物、あるいは前述の物質の溶液、懸濁液又は乳濁液を適用し、
c)適切な方法を用いて、これら前述の物質を場合により乾燥して、電磁波で照射することにより光開始剤を定着させ、そして
d1)こうして光開始剤でプレコーティングした基体を、少なくとも1つのエチレン不飽和モノマー又はオリゴマーを含む組成物でコーティングし、そしてこの被覆をUV/VIS線又は電子ビームにより硬化させるか;又は
d2)こうして光開始剤でプレコーティングした基体に、被覆を供給して乾燥するか;又は
d3)金属、半金属、金属酸化物又は半金属酸化物を、こうして光開始剤でプレコーティングした基体上に気相から堆積させるかのいずれかを行う方法である。
【0087】
上述のプロセスのそれぞれにおける工程b)は、好ましくは常圧下で行う。
【0088】
工程b)(上述のプロセスのそれぞれの)において、光開始剤とモノマー又は/及びオリゴマーとの混合物を使用するならば、1つ以上の光開始剤とモノマーとの混合物を使用するのが好ましい。
【0089】
本発明はまた、式(I)、(II)、(III)及び/又は(IV)の化合物に加えて、更に別の光開始剤(p)を使用する、請求項1又は請求項2のいずれか1項記載のプロセスに関する。
【0090】
工程(b)において、式(I)、(II)、(III)及び/又は(IV)の化合物に加えて、あるいは式(XX)及び/又は(XXI)の化合物に加えて、適用することができる更に別の光開始剤(p)として、電磁波で照射されると、概ね1つ以上のフリーラジカルを形成する、任意の化合物及び混合物が適している。これらは、複数の開始剤よりなる開始剤系及び相互に独立に又は相乗的に機能する系を含む。共開始剤、例えば、アミン類、チオール類、ホウ酸類、エノラート類、ホスフィン類、カルボン酸類及びイミダゾール類に加えて、増感剤、例えば、アクリジン類、キサンテン類、チアゼン類、クマリン類、チオキサントン類、トリアジン類及び染料も使用することができる。このような化合物及び開始剤系の記述は、例えば、Crivello J.V., Dietliker K.K., (1999): 「被覆、インキ及びペンキのためのUV及びEB配合の化学及び技術(Chemistry & Technology of UV & EB Formulation for Coatings, Inks & Paints)」に、及びBradley G. (編) Vol. 3: 「ラジカル及びカチオン重合のための光開始剤、第2版(Photoinitiators for Free Radical and Cationic Polymerisation 2nd Edition)」, John Wiley & Son Ltd.に見出すことができる。
【0091】
このような化合物及び誘導体は、例えば、以下の分類の化合物から誘導される:ベンゾイン類、ベンジルケタール類、アセトフェノン類、ヒドロキシアルキルフェノン類、アミノアルキルフェノン類、アシルホスフィンオキシド類、アシルホスフィンスルフィド類、アシルオキシイミノケトン類、アルキルアミノ置換ケトン類(ミヒラー(Michler's)ケトンなど)、ペルオキシ化合物、ジニトリル化合物、ハロゲン化アセトフェノン類、フェニルグリオキサル酸類、二量体フェニルグリオキサル酸類、ベンゾフェノン類、オキシム類及びオキシムエステル類、チオキサントン類、クマリン類、フェロセン類、チタノセン類、オニウム塩類、スルホニウム塩類、ヨードニウム塩類、ジアゾニウム塩類、ホウ酸類、トリアジン類、ビスイミダゾール類、ポリシラン類及び染料。また、上述の分類の化合物由来の化合物相互の組合せ、並びに対応する共開始剤系及び/又は増感剤との組合せを使用することもできる。
【0092】
追加の光開始剤(p)として特に興味深いのは、式(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)又は/及び(XI):
【0093】
【化31】

【0094】
[式中、
29は、水素又はC1−C18アルコキシであり;
30は、水素、C1−C18アルキル、C1−C18アルコキシ、−OCH2CH2−OR47、モルホリノ、SCH3、又は下記式:
【0095】
【化32】

【0096】
で示される基であり;
a、b及びcは、平均3であり;
nは、2〜10の値であり;
3及びG4は、それぞれ他と独立に、ポリマー単位の末端基、特に水素又はCH3であり;
31は、ヒドロキシ、C1−C16アルコキシ、モルホリノ、ジメチルアミノ又は−O(CH2CH2O)m−C1−C16アルキルであり;
32及びR33は、それぞれ他と独立に、水素、C1−C6アルキル、C1−C16アルコキシ又は−O(CH2CH2O)m−C1−C16アルキルであるか;あるいはR32及びR33は、フェニル又はベンジル(これらのラジカルは、非置換であるか、又はC1−C12アルキルにより置換されている)であるか;あるいはR32及びR33は、これらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロヘキシル環を形成し;
mは、1〜20の数であるが;しかし
31、R32及びR33は、全部が同時にC1−C16アルコキシ又は−O(CH2CH2O)m−C1−C16アルキルではなく;
47は、水素、下記式:
【0097】
【化33】

【0098】
で示される基であり;
34、R36、R37及びR38は、それぞれ他と独立に、水素又はメチルであり;
35及びR39は、水素、メチル又はフェニルチオ(ここで、フェニルチオラジカルのフェニル環は、非置換であるか、又は4−、2−、2,4−若しくは2,4,6−位においてC1−C4アルキルにより置換されている)であり;
40及びR41は、それぞれ他と独立に、C1−C20アルキル、シクロヘキシル、シクロペンチル、フェニル、ナフチル又はビフェニリル(これらのラジカルは、非置換であるか、又はハロゲン、C1−C12アルキル、C1−C12アルコキシ、C1−C12アルキルチオ若しくはNR5253により置換されている)であるか、あるいはR40及びR41は、S−若しくはN−含有5員若しくは6員複素環又は−(CO)R42であり;
42は、シクロヘキシル、シクロペンチル、フェニル、ナフチル又はビフェニリル(これらのラジカルは、非置換であるか、又はハロゲン、C1−C4アルキル又は/及びC1−C4アルコキシにより置換されている)であるか、あるいはR42は、S−又はN−含有5員又は6員複素環であり;
43及びR44は、それぞれ他と独立に、シクロペンタジエニル(非置換であるか、又はC1−C18アルキル、C1−C18アルコキシ、シクロペンチル、シクロヘキシル若しくはハロゲンにより、単−、二−若しくは三−置換されている)であり;
45及びR46は、それぞれ他と独立にフェニル(チタン−炭素結合に対してオルトの2つの位置の少なくとも一方において、フッ素原子又はCF3により置換されており、そして芳香環の更に別の置換基として、ポリオキサアルキル又はピロリニル(非置換であるか、又は1個若しくは2個のC1−C12アルキル、ジ(C1−C12アルキル)アミノメチル、モルホリノメチル、C2−C4アルケニル、メトキシメチル、エトキシメチル、トリメチルシリル、ホルミル、メトキシ若しくはフェニル置換基により置換されている)を含んでいてもよい)であるか;あるいは
45及びR46は、下記式:
【0099】
【化34】

【0100】
で示される基であり;
48、R49及びR50は、それぞれ他と独立に、水素、ハロゲン、C2−C12アルケニル、C1−C12アルコキシ、1〜4個のO原子により中断されているC2−C12アルコキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロペンチルオキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、又はフェニル若しくはビフェニリル(それぞれ非置換であるか、又はC1−C4アルコキシ、ハロゲン、フェニルチオ若しくはC1−C4アルキルチオにより置換されている)であり;ここで
48及びR50は、両方同時に水素ではなく、かつ下記式:
【0101】
【化35】

【0102】
で示されるラジカルにおいて、少なくとも1個のラジカル:R48又はR50は、C1−C12アルコキシ、1〜4個のO原子により中断されているC2−C12アルコキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロペンチルオキシ、フェノキシ又はベンジルオキシであり;
5は、O、S又はNR51であり;そして
51は、C1−C8アルキル、フェニル又はシクロヘキシルであり;
52及びR53は、それぞれ他と独立に、水素;C1−C12アルキル(中断されていないか、又はO原子により中断されており、そして非置換であるか、又はOH若しくはSHにより置換されている)であるか;あるいはR52及びR53は、C2−C12アルケニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ベンジル、フェニルであり;
54は、水素、C1−C12アルキル又は下記式:
【0103】
【化36】

【0104】
で示される基であり;
55、R56、R57、R58及びR59は、それぞれ他と独立に、水素;C1−C12アルキル(非置換であるか、又はOH、C1−C4アルコキシ、フェニル、ナフチル、ハロゲン若しくはCNにより置換されており、そして1個以上のO原子により中断されていてもよい)であるか;あるいはR55、R56、R57、R58及びR59は、C1−C4アルコキシ、C1−C4アルキルチオ又はNR5253であり;
1は、2価の脂肪族又は芳香族ラジカル、特にC1−C12アルキレンであり;
xは、0又は1であり;
60は、フェニル、ナフチル、又はxが0であるとき、9H−カルバゾール−3−イル、若しくは(9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)−(これらのラジカルは全て、非置換であるか、又は1個以上のSR63、OR64、NR5253、ハロゲン、C1−C12アルキル、フェニル、ベンジル、−(CO)−C1−C4アルキル、−(CO)−フェニル若しくは−(CO)−フェニレン−C1−C4アルキル置換基により置換されている)であり;
61は、C4−C9シクロアルカノイル;C1−C12アルカノイル(非置換であるか、又は1個以上のハロゲン、フェニル若しくはCN置換基により置換されている)であるか、あるいはR61は、C4−C6アルケノイル(ただし、二重結合は、カルボニル基と共役していない)であるか;あるいはR61は、ベンゾイル(非置換であるか、又は1個以上のC1−C6アルキル、ハロゲン、CN、OR64、SR63若しくはNR5253置換基により置換されている)であるか;あるいはR61は、C2−C6アルコキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル;又はフェノキシカルボニル(非置換であるか、又は1個以上のC1−C6アルキル若しくはハロゲン置換基により置換されている)であり;
62は、水素、フェニル又はベンゾイル(フェニル及びベンゾイルラジカルは、非置換であるか、又はC1−C6アルキル、フェニル、ハロゲン、OR64、SR63若しくはNR5253により置換されている)であるか;あるいはR62は、C1−C20アルキル又はC2−C12アルコキシカルボニル(C1−C20アルキル及びC2−C12アルコキシカルボニルラジカルは、非置換であるか、又はOHにより置換されており、そして中断されていないか、又は1個以上のO原子により中断されている)であるか;あるいはR62は、C2−C20アルカノイル、ベンジル、ベンジル−(CO)−、C1−C6アルキル−SO2−又はフェニル−SO2−であり;
63及びR64は、それぞれ他と独立に、水素又はC1−C12アルキル(非置換であるか、又はOH、SH、CN、フェニル、(CO)O−C1−C4アルキル、O(CO)−C1−C4アルキル、COOH、O(CO)−フェニルにより置換されており、そしてこのような非置換又は置換C1−C12アルキルは、1個以上のO原子により中断されていてもよい)であるか;あるいはR63及びR64は、シクロヘキシル、又はフェニル(非置換であるか、又はC1−C12アルキル、C1−C12アルコキシ若しくはハロゲンにより置換されている)、若しくはフェニル−C1−C3アルキルであり;
65、R66及びR67は、それぞれ他と独立に、水素、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、C1−C4アルコキシ、塩素又はN(C1−C4アルキル)2であり;
68は、水素、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、フェニル、N(C1−C4アルキル)2、COOCH3、下記式:
【0105】
【化37】

【0106】
で示される基であるか;あるいはR68及びR67は、一緒になって−S−である]で示される化合物である。
【0107】
1−C20アルキルは、炭素原子が適切な数以下の上述の意味を有する。
【0108】
1−C18アルコキシは、例えば、分岐又は非分岐のアルコキシ、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、2,4,4−トリメチル−ペンタ−1−イルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ドデシルオキシ又はオクタデシルオキシである。C1−C16−、C1−C12−及びC1−C4−アルコキシは、炭素原子がそれぞれの数以下の上述の意味を有する。
【0109】
1−C12アルキルチオは、直鎖又は分岐であり、そして例えば、C1−C8−、C1−C6−又はC1−C4−アルキルチオ、例えば、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ又はtert−ブチルチオ、好ましくはメチルチオである。
【0110】
置換フェニルは、フェニル環上で、例えば、単−〜五−置換、例えば、単−、二−又は三−置換されている。
【0111】
40、R41及びR42が、S−又はN−含有5員又は6員複素環であるとき、これらは、例えば、チエニル、ピロリル又はピリジルである。
【0112】
2−C12アルケニルは、直鎖又は分岐であり、1価又は多価不飽和であってよく、そして例えば、アリル、メタリル、1,1−ジメチルアリル、1−ブテニル、2−ブテニル、1,3−ペンタジエニル、1−ヘキセニル又は1−オクテニル、特にアリルである。C2−C4アルケニルは、例えば、アリル、メタリル、1−ブテニル又は2−ブテニルである。
【0113】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素、好ましくはフッ素、塩素及び臭素である。
【0114】
ポリオキサアルキルという用語は、1〜9個のO原子により中断されているC2−C20アルキルを含み、例えば、CH3−O−CH2−、CH3CH2−O−CH2CH2−、CH3O[CH2CH2O]z−(ここで、z=1〜9)、−(CH2CH2O)7CH2CH3、−CH2−CH(CH3)−O−CH2−CH2CH3のような構造単位を意味する。
【0115】
2価の脂肪族又は芳香族ラジカルのY1は、例えば、C1−C20アルキレン(直鎖又は分岐であり、中断されていないか、又は1個以上のO原子により中断されており、そして非置換であるか、又はOHにより置換されている);又はシクロアルキレン、例えば、シクロヘキシレンであり、シクロアルキレンという用語はまた、例えば、−CH2−シクロヘキシレン−CH2−のようなラジカルを含む。対応する芳香族ラジカルは、例えば、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレンであり、これら全ては非置換であるか、又は置換されており、そして全ては場合により、結合点でアルキレンにより、シクロアルキレンについて記述されたのと同様に追加的に置換されている。
【0116】
置換9H−カルバゾール−3−イルとしてのR60は、好ましくはC1−C12アルキル、及び−(CO)−フェニル若しくは−(CO)−フェニレン−C1−C4アルキルにより置換されている(置換は、芳香環の1つ及びN原子で可能である)。この場合のR60は、特に下記式:
【0117】
【化38】

【0118】
で示されるラジカルである。
【0119】
60が置換9H−カルバゾール−3−イルである、式(X)の好ましい化合物は、下記式:
【0120】
【化39】

【0121】
で示される。
【0122】
68及びR67が一緒になって−S−であるとき、下記式:
【0123】
【化40】

【0124】
[式中、R65及びR66は、上記と同義である]で示される構造が得られる。
【0125】
式(V);(VI);(VII);(VIII);(IX);(X)及び(XI)の化合物において、好ましくは
30は、水素、−OCH2CH2−OR47、モルホリノ、SCH3、下記式:
【0126】
【化41】

【0127】
で示される基又は下記式:
【0128】
【化42】

【0129】
で示される基であり;
31は、ヒドロキシ、C1−C16アルコキシ、モルホリノ又はジメチルアミノであり;
32及びR33は、それぞれ他と独立に、C1−C4アルキル、フェニル、ベンジル又はC1−C16アルコキシであるか;あるいはR32及びR33は、これらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロヘキシル環を形成し;
47は、水素又は下記式:
【0130】
【化43】

【0131】
で示される基であり;
34、R35及びR36並びにR37、R38及びR39は、水素又はC1−C4アルキルであり;
40は、C1−C12アルキル、非置換フェニル、又はフェニル(C1−C12アルキル又は/及びC1−C12アルコキシにより置換されている)であり;
41は、(CO)R42であり;そして
42は、C1−C4アルキル又は/及びC1−C4アルコキシにより置換されている、フェニルであり;
55、R56、R57、R58及びR59は、水素であり;
54は、下記式:
【0132】
【化44】

【0133】
で示される基であり;
1は、−CH2CH2−O−CH2CH2−であり;
xは、1であり;
60は、SR63により置換されているフェニル又は下記式:
【0134】
【化45】

【0135】
で示される基であり;
61は、ベンゾイルであり;
62は、ヘキシルであり;そして
63は、フェニルである。
【0136】
式(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)及び(XI)の好ましい化合物は、α−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニル−ケトン又は2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパノン、(4−メチルチオベンゾイル)−1−メチル−1−モルホリノ−エタン、(4−モルホリノ−ベンゾイル)−1−ベンジル−1−ジメチルアミノ−プロパン、(4−モルホリノ−ベンゾイル)−1−(4−メチルベンジル)−1−ジメチルアミノ−プロパン、(3,4−ジメトキシ−ベンゾイル)−1−ベンジル−1−ジメチルアミノ−プロパン、ベンジルジメチルケタール、(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ジフェニル−ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(2,4,4−トリメチル−ペンタ−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニル−ホスフィンオキシド又はビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−(2,4−ジペンチルオキシフェニル)ホスフィンオキシド、5,5’−オキソジ(エチレンオキシジカルボニルフェニル)及びジシクロペンタジエニル−ビス(2,6−ジフルオロ−3−ピロロ)チタン、及び更にベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、3−メチル−4’−フェニルベンゾフェノン、4−メトキシベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジメチルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチル−4’−フェニルベンゾフェノン、4−(4−メチルチオフェニル)−ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、2−ベンゾイル安息香酸メチル、4−(2−ヒドロキシエチルチオ)−ベンゾフェノン、4−(4−トリルチオ)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N,N−トリメチル−ベンゼンメタンアミニウムクロリド、2−ヒドロキシ−3−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウムクロリド一水和物、4−(13−アクリロイル−1,4,7,10,13−ペンタオキサトリデシル)−ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニル)オキシ]エチル−ベンゼンメタンアミニウムクロリド;2,2−ジクロロ−1−(4−フェノキシフェニル)−エタノン、4,4’−ビス(クロロメチル)ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、下記式:
【0137】
【化46】

【0138】
[式中、g、h及びiは、平均3である](SiMFPI2)で示される化合物;及び更に2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、3−イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンである。
【0139】
追加の光開始剤(p)として好ましいのは、式(V)において、R32及びR33が、それぞれ他と独立に、C1−C6アルキルであるか、又はこれらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロヘキシル環を形成し、そしてR31が、ヒドロキシである、化合物である。
【0140】
式(I)、(II)(III)及び/又は(IV)の化合物と、式(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)及び/又は(XI)の化合物との混合物を使用するとき、式(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)及び/又は(XI)の化合物との混合物中の式(I)、(II)(III)及び/又は(IV)の化合物の割合は、5〜99%、例えば、20〜80%、好ましくは25〜75%である。
【0141】
好ましいのは、式(I)の化合物及び式(VII)の化合物を含む混合物であり、ここで、
40は、フェニル(非置換であるか、又は1〜3個のC1−C12アルキル若しくは/及びC1−C12アルコキシ置換基により置換されている)、又はC1−C12アルキルであり;
41は、(CO)R42又はフェニル基であり;そして
42は、フェニル(1〜3個のC1−C4アルキル又はC1−C4アルコキシ置換基により置換されている)である。
【0142】
式(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)及び(XI)の化合物の調製は当業者には一般に知られており、そして化合物の幾つかは市販されている。式(V)のオリゴマー化合物の調製は、例えば、EP 161,463に記載されている。式(VI)の化合物の調製の説明は、例えば、EP 209,831に見出すことができる。式(VII)の化合物の調製は、例えば、EP 7508、EP 184,095及びGB 2,259,704に開示されている。式(VIII)の化合物の調製は、例えば、EP 318,894、EP 318,893及びEP 565,488に記載されている。式(IX)の化合物は、US 6,048,660から知られており、そして式(X)の化合物は、GB 2,339,571又はWO 02/100903から知られている。式(XI)の化合物は、例えば、本発明の化合物について説明される方法と同様に得ることができる。式(XI)の幾つかの化合物はまた、市販されている。
【0143】
真空条件下でプラズマを得る可能なやり方は、しばしば文献に記載されている。電気エネルギーは誘導又は容量手段により結合することができる。これは、直流又は交流であってよく;交流の周波数は、数kHz〜MHz程度の範囲であってよい。マイクロ波程度(GHz)の電力供給も可能である。
【0144】
プラズマ生成及び維持の原理は、例えば、上述のA.T. BellとH. Suhrによる総説記事に記載されている。
【0145】
主要なプラズマガスとして、例えば、He、アルゴン、キセノン、N2、O2、H2、蒸気又は空気、及び更にこれらの化合物の混合物を使用することができる。
【0146】
本発明のプロセスは、電気エネルギーの結合に関してそれ自体敏感ではない。
【0147】
本プロセスは、バッチ式に、例えば、回転ドラム中で、又はフィルム、繊維若しくは織物の場合には連続的に行うことができる。このような方法は、知られており、先行技術に報告されている。
【0148】
本プロセスはまた、コロナ放電条件下で行うことができる。コロナ放電は、常圧条件下で生成する(最もしばしば使用されるイオン化ガスは空気である)。しかし原則として、例えば、COATING Vol. 2001, No. 12, 426, (2001)に記載されるように、他のガス及び混合物でも可能である。コロナ放電におけるイオン化ガスとしての空気の利点は、操作が、外部に開放されている装置中で行うことができ、そして例えば、フィルムは放電極の間で連続的に引き出すことができることである。このようなプロセス配置は、知られており、そして例えば、J. Adhesion Sci. Technol. Vol 7, No. 10, 1105, (1993)に記載されている。三次元の製造中の加工品は、フリープラズマジェットで処理することができ、輪郭はロボットの補助によりたどられる。
【0149】
本発明のプロセスにおいて、工程a)では、コロナ放電での処理が好ましい。
【0150】
基体の火炎処理は、当業者に知られている。例えば、フィルムの火炎処理のための対応する工業用装置は市販されている。このような処理では、フィルムは、火炎処理装置を越えて冷却円筒ローラー上を運ばれるが、この火炎装置は、通常円筒ローラーの全長にわたる、平行に配置された一連のバーナーからなる。詳細は、火炎処理装置(例えば、エッセCI(esse CI)、火炎処理器、イタリア)の製造業者のパンフレットに見出すことができる。選択すべきパラメーターは、処理すべき具体的な基体に左右される。例えば、火炎温度、火炎強度、滞留時間、基体とバーナーの間の距離、燃焼ガスの性質、空気圧、湿度は、問題の基体に合わせる。火炎ガスとして、例えば、メタン、プロパン、ブタン又は70%ブタンと30%プロパンとの混合物を使用することができる。
【0151】
処理すべき無機又は有機基体は、任意の固体状であってよい。基体は、好ましくは織物、繊維、フィルム又は三次元の製造中の加工品の形状である。基体は、例えば、熱可塑性、弾性、固有架橋又は架橋ポリマー、金属酸化物、セラミック材料、ガラス、金属、革又は織物であってよい。
【0152】
プラズマ−、コロナ−又は火炎−処理の形の基体の前処理は、例えば、繊維又はフィルムの押出し成形の直後に、及びまたフィルム延伸のすぐ後にも行うことができる。
【0153】
無機又は有機基体は、好ましくは、熱可塑性、弾性、固有架橋又は架橋ポリマー、金属酸化物、セラミック材料、ガラス又は金属、特に熱可塑性、弾性、固有架橋又は架橋ポリマーである。
【0154】
熱可塑性、弾性、固有架橋又は架橋ポリマーの例は、以下に列挙する。
【0155】
1. モノ−及びジ−オレフィンのポリマー類、例えば、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリイソプレン又はポリブタジエン、更にはシクロオレフィン類(例えば、シクロペンテン又はノルボルネン)の重合生成物;更にはポリエチレン(場合により架橋してもよい)、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、高分子量の高密度ポリエチレン(HDPE−HMW)、超高分子量の高密度ポリエチレン(HDPE−UHMW)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、並びに線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、(VLDPE)及び(ULDPE)。
【0156】
ポリオレフィン類、即ち、前段落に一例として言及されるモノオレフィン類のポリマー、特にポリエチレン及びポリプロピレンは、種々のプロセス、特に以下の方法により調製することができる:
a)ラジカル重合(通常高圧及び高温下で)による;
b)触媒の利用による(通常IVb、Vb、VIb又はVIII族の1つ以上の金属を含む触媒)。これらの金属は、一般に1つ以上のリガンド(例えば、π−又はσ−配位のいずれかであってよい、酸化物、ハロゲン化物、アルコラート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニル及び/又はアリールなど)を有する。このような金属錯体は、遊離しているか、あるいは担体に、例えば、活性化塩化マグネシウム、塩化チタン(III)、酸化アルミニウム又は酸化ケイ素に固定されていてよい。このような触媒は、重合媒体に可溶性又は不溶性であってよい。触媒は、それ自体で重合において活性であるか、あるいは更に別のアクチベーター、例えば、金属アルキル、金属水素化物、金属アルキルハロゲン化物、金属アルキル酸化物又は金属アルキルオキサン(この金属は、Ia、IIa及び/又はIIIa族の元素である)を使用してもよい。アクチベーターは、例えば、更に別のエステル、エーテル、アミン又はシリルエーテル基で修飾されていてもよい。このような触媒系は、通常フィリップス(Phillips)、スタンダード・オイル・インディアナ(Standard Oil Indiana)、ツィーグラー(−ナッタ)(Ziegler(-Natta))、TNZ(デュポン(DuPont))、メタロセン又はシングルサイト触媒(Single Site Catalysts)(SSC)と呼ばれる。
【0157】
2. 1)の下に言及されたポリマーの混合物、例えば、ポリプロピレンとポリイソブチレンとの、ポリプロピレンとポリエチレン(例えば、PP/HDPE、PP/LDPE)との混合物、並びに異なる型のポリエチレンの混合物(例えば、LDPE/HDPE)。
【0158】
3. モノ−及びジ−オレフィン相互の、又は他のビニルモノマーとのコポリマー、例えば、エチレン/プロピレンコポリマー、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)及びこれと低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン/ブテン−1コポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブテン−1コポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/アクリル酸アルキルコポリマー、エチレン/メタクリル酸アルキルコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー及びこれらの一酸化炭素とのコポリマー、又はエチレン/アクリル酸コポリマー及びこれらの塩(イオノマー)、更にはエチレンとプロピレン及びジエン(例えば、ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン又はエチリデンノルボルネン)とのターポリマー;並びにこのようなコポリマー相互の混合物及び1)の下に言及されたポリマーとの混合物、例えば、ポリプロピレン−エチレン/プロピレンコポリマー、LDPE−エチレン/酢酸ビニルコポリマー、LDPE−エチレン/アクリル酸コポリマー、LLDPE−エチレン/酢酸ビニルコポリマー、LLDPE−エチレン/アクリル酸コポリマー及び交互又はランダム構造のポリアルキレン−一酸化炭素コポリマー及びこれと他のポリマー(例えば、ポリアミド)との混合物。
【0159】
4. 炭化水素樹脂(例えば、C5−C9)[その水素化修飾物(例えば、粘着性付与剤樹脂)を含む]及びポリアルキレンとデンプンとの混合物。
【0160】
5. ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)。
【0161】
6. スチレン又はα−メチルスチレンとジエン又はアクリル酸誘導体とのコポリマー、例えば、スチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/メタクリル酸アルキル、スチレン/ブタジエン/アクリル酸及びメタクリル酸アルキル、スチレン/無水マレイン酸、スチレン/アクリロニトリル/アクリル酸メチル;スチレンコポリマーと別のポリマー(例えば、ポリアクリレート、ジエンポリマー又はエチレン/プロピレン/ジエンターポリマー)よりなる高耐衝撃性混合物;並びにまたスチレンのブロックコポリマー、例えば、スチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン−ブチレン/スチレン又はスチレン/エチレン−プロピレン/スチレン。
【0162】
7. スチレン又はα−メチルスチレンのグラフトコポリマー、例えば、ポリブタジエンにスチレン、ポリブタジエン/スチレン又はポリブタジエン/アクリロニトリルコポリマーにスチレン;ポリブタジエンにスチレン及びアクリロニトリル(又はメタクリロニトリル);ポリブタジエンにスチレン、アクリロニトリル及びメタクリル酸メチル;ポリブタジエンにスチレン及び無水マレイン酸;ポリブタジエンにスチレン、アクリロニトリル及び無水マレイン酸又はマレイン酸イミド;ポリブタジエンにスチレン及びマレイン酸イミド;ポリブタジエンにスチレン及びアクリル酸アルキル又はメタクリル酸アルキル;エチレン/プロピレン/ジエンターポリマーにスチレン及びアクリロニトリル;ポリアクリル酸アルキル又はポリメタクリル酸アルキルにスチレン及びアクリロニトリル;アクリレート/ブタジエンコポリマーにスチレン及びアクリロニトリル、並びに6)の下に言及されたコポリマーとのこれらの混合物、例えば、いわゆるABS、MBS、ASA又はAESポリマーとして知られているものなど。
【0163】
8. ハロゲン含有ポリマー、例えば、ポリクロロプレン、塩化ゴム、イソブチレン/イソプレンの塩素化及び臭素化コポリマー(ハロブチルゴム)、塩素化又はクロロスルホン化ポリエチレン、エチレンと塩素化エチレンのコポリマー、エピクロロヒドリンホモ−及びコポリマー、特にハロゲン含有ビニル化合物のポリマー、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン;並びに塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニル又は塩化ビニリデン/酢酸ビニルのようなこれらのコポリマー。
【0164】
9. α,β−不飽和酸及びその誘導体から誘導されるポリマー、例えば、ポリアクリレート及びポリメタクリレート;又はポリメタクリル酸メチル、ポリアクリルアミド及びポリアクリロニトリル(アクリル酸ブチルで耐衝撃性を改良した)など。
【0165】
10. 9)の下に言及されたモノマー相互の、又は他の不飽和モノマーとのコポリマー、例えば、アクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/アクリル酸アルキルコポリマー、アクリロニトリル/アクリル酸アルコキシアルキルコポリマー、アクリロニトリル/ハロゲン化ビニルコポリマー、又はアクリロニトリル/メタクリル酸アルキル/ブタジエンターポリマー。
【0166】
11. 不飽和アルコール及びアミン又はそのアシル誘導体若しくはアセタールから誘導されるポリマー、例えば、ポリビニルアルコール;ポリ酢酸、ステアリン酸、安息香酸若しくはマレイン酸ビニル;ポリビニルブチラール、ポリフタル酸アリル、ポリアリルメラミン;及び、ポイント1に言及されたオレフィンとのこれらのコポリマーなど。
【0167】
12. 環状エーテルのホモ−及びコ−ポリマー、例えば、ポリアルキレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド又はビスグリシジルエーテルとのそのコポリマーなど。
【0168】
13. ポリオキシメチレンのようなポリアセタール、及びまたコモノマー、例えば、エチレンオキシドを含むポリオキシメチレン;熱可塑性ポリウレタン、アクリレート又はMBSで改質されたポリアセタール。
【0169】
14. ポリフェニレンオキシド及びスルフィド、並びにスチレンポリマー又はポリアミドとのその混合物。
【0170】
15. 一方の末端ヒドロキシル基を有するポリエーテル、ポリエステル及びポリブタジエンと、もう一方の脂肪族又は芳香族ポリイソシアナートとから誘導されたポリウレタン、並びにその初期生成物。
【0171】
16. ジアミンとジカルボン酸とから、及び/又はアミノカルボン酸若しくは対応するラクタムから誘導されたポリアミド及びコポリアミド、例えば、ポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、ポリアミド11、ポリアミド12;m−キシレン、ジアミン及びアジピン酸から誘導された芳香族ポリアミド;ヘキサメチレンジアミンとイソ−及び/又はテレ−フタル酸、及び場合により改質剤としてのエラストマーから調製したポリアミド、例えば、ポリ−2,4,4−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド又はポリ−m−フェニレンイソフタルアミドなど。上述のポリアミドとポリオレフィン、オレフィンコポリマー、イオノマー又は化学結合若しくはグラフトしたエラストマーとのブロックコポリマー;又はポリエーテルとの、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール若しくはポリテトラメチレングリコールとのブロックコポリマー。更には、EPDM又はABSで改質されたポリアミド又はコポリアミド;及び加工中に縮合したポリアミド(「RIMポリアミドシステム」)。
【0172】
17. ポリ尿素、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリヒダントイン及びポリベンゾイミダゾール。
【0173】
18. ジカルボン酸とジアルコールから、及び/又はヒドロキシカルボン酸若しくは対応するラクトンから誘導されたポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリヒドロキシベンゾエート、更には、ヒドロキシ末端基を有するポリエーテルから誘導されたブロックポリエーテルエステル;及びまたポリカーボネート又はMBSで改質されたポリエステル。
【0174】
19. ポリカーボネート及びポリエステルカーボネート。
【0175】
20. ポリスルホン、ポリエーテルスルホン及びポリエーテルケトン。
【0176】
21. 一方のアルデヒドと、もう一方のフェノール、尿素又はメラミンとから誘導された架橋ポリマー、例えば、フェノール−ホルムアルデヒド、尿素−ホルムアルデヒド及びメラミン−ホルムアルデヒド樹脂など。
【0177】
22. 乾性及び非乾性アルキド樹脂。
【0178】
23. 飽和及び不飽和ジカルボン酸と多価アルコール(及びまた架橋剤としてビニル化合物)とのコポリエステルから誘導された不飽和ポリエステル樹脂、及びまた難燃性のそのハロゲン含有修飾物。
【0179】
24. 置換アクリル酸エステル、例えば、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート又はポリエステルアクリレートから誘導された架橋性アクリル樹脂。
【0180】
25. メラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアネート、イソシアヌレート、ポリイソシアネート又はエポキシ樹脂と架橋された、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂及びアクリル酸樹脂。
【0181】
26. 脂肪族、脂環式、複素環又は芳香族グリシジル化合物から誘導された架橋エポキシ樹脂、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル(これらは、通常の硬化剤、例えば、無水物又はアミンを用いて、促進剤を伴うか又は伴わずに架橋されている)の生成物。
【0182】
27. セルロース、天然ゴム、ゼラチンのような天然ポリマー、又はそのポリマー同様に化学修飾された誘導体、例えば、酢酸、プロピオン酸及び酪酸セルロース、並びにメチルセルロースのようなセルロースエーテル;更には、コロホニウム樹脂及びその誘導体。
【0183】
28. 前述のポリマーの混合物(ポリブレンド)、例えば、PP/EPDM、ポリアミド/EPDM又はABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリレート、POM/熱可塑性PUR、PC/熱可塑性PUR、POM/アクリレート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA 6.6及びコポリマー、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/PC/ABS又はPBT/PET/PC。
【0184】
基体は、例えば、枚葉給紙の凹版印刷、枚葉給紙のグラビア印刷、枚葉オフセット印刷又はエンドレス印刷、ポスター、カレンダー、用紙、ラベル、包装フィルム、テープ、クレジットカード、家具側面などのための、商業印刷の分野で使用されるような基体であってよい。
【0185】
基体は、非栄養領域での使用に制限されない。基体はまた、例えば、栄養の分野で、例えば、食品、化粧品、医薬などの包装材として使用するための材料であってもよい。
【0186】
また、基体を本発明のプロセスにより前処理する場合、例えば、通常相互に融和性の低い基体を、相互に接着又は積層することも可能である。
【0187】
本発明の枠内で、紙もまた、特にカード(ボード)の形状で、固有架橋ポリマーであると理解すべきであり、これは更に、例えば、テフロン(Teflon)(登録商標)でコーティングすることができる。このような基体は、例えば、市販されている。
【0188】
熱可塑性、架橋又は固有架橋プラスチックは、好ましくは、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン又はアクリル酸/メラミン、アルキド又はポリウレタンコーティングである。
【0189】
ポリカーボネート、ポリエチレン及びポリプロピレンは特に好ましい。
【0190】
このプラスチックは、例えば、フィルム、射出成形品、押出加工製品、繊維、フェルト又は織物の形であってよい。
【0191】
無機基体として、特に、ガラス、セラミック材料、金属酸化物及び金属が考慮される。これらは、好ましくは層の形の、又は好ましくは10nm〜2000μmの平均粒径を有する粉末の形の、ケイ酸類及び半金属又は金属酸化物ガラスであってよい。この粒子は、稠密であっても多孔性であってもよい。酸化物及びケイ酸類の例は、SiO2、TiO2、ZrO2、MgO、NiO、WO3、Al23、La23、シリカゲル、粘度及びゼオライトである。好ましい無機基体は、金属に加えて、シリカゲル、酸化アルミニウム、酸化チタン及びガラス並びにこれらの混合物である。
【0192】
金属基体として、特に、Fe、Al、Ti、Ni、Mo、Cr及び合金鋼が考慮される。
【0193】
工程b)において光開始剤の適用後、製造中の加工品は、貯蔵するか、又は直ちに更に加工することができるが、ここで、既知の技術を利用して(好ましくは)エチレン不飽和結合を含む放射線硬化性被覆、又は他のやり方で乾燥/硬化する被覆(例えば、印刷インキ)が適用される。これは、流し込み、浸漬、噴霧、コーティング、へら付け、ローラー塗布又はスピンコーティングを利用して達成することができる。
【0194】
工程d1)の放射線硬化性組成物の不飽和化合物は、1個以上のエチレン不飽和二重結合を含んでいてよい。これらは、低分子量(モノマー)又は高分子量(オリゴマー)であってよい。二重結合を有するモノマーの例は、アクリル酸及びメタクリル酸アルキル及びヒドロキシアルキル、例えば、アクリル酸メチル、エチル、ブチル、2−エチルヘキシル及び2−ヒドロキシエチル、アクリル酸イソボルニル並びにメタクリル酸メチル及びエチルである。また興味深いのは、シリコーンアクリレートである。更に別の例は、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニルのようなビニルエステル類、イソブチルビニルエーテルのようなビニルエーテル類、スチレン、アルキル−及びハロ−スチレン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル及び塩化ビニリデンである。
【0195】
2個以上の二重結合を有するモノマーの例は、ジアクリル酸エチレングリコール、ジアクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジアクリル酸プロピレングリコール、ジアクリル酸ジプロピレングリコール、ジアクリル酸トリプロピレングリコール、ジアクリル酸ネオペンチルグリコール、ジアクリル酸ヘキサメチレングリコール及びジアクリル酸ビスフェノールA、4,4’−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)ジフェニルプロパン、トリアクリル酸トリメチロールプロパン、トリアクリル酸ペンタエリトリトール、テトラアクリル酸ペンタエリトリトール、アクリル酸ビニル、ジビニルベンゼン、コハク酸ジビニル、フタル酸ジアリル、リン酸ジアリル、リン酸トリアリル、イソシアヌル酸トリアリル、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸トリアクリル酸エステル(サルトマー(Sartomer)368;クレイヴァリー(Cray Valley)製)及びイソシアヌル酸トリス(2−アクリロイルエチル)である。
【0196】
また、放射線硬化系において、アルコキシル化ポリオールのアクリル酸エステル、例えば、グリセロールエトキシラートトリアクリラート、グリセロールプロポキシラートトリアクリラート、トリメチロールプロパンエトキシラートトリアクリラート、トリメチロールプロパンプロポキシラートトリアクリラート、ペンタエリトリトールエトキシラートテトラアクリラート、ペンタエリトリトールプロポキシラートトリアクリラート、ペンタエリトリトールプロポキシラートテトラアクリラート、ネオペンチルグリコールエトキシラートジアクリラート又はネオペンチルグリコールプロポキシラートジアクリラートを使用することができる。使用されるポリオールのアルコキシル化の程度は、変化させることができる。
【0197】
高分子量(オリゴマー)多価不飽和化合物の例は、アクリル化エポキシ樹脂、アクリル化又はビニル−エーテル基若しくはエポキシ基含有ポリエステル類、ポリウレタン類及びポリエーテル類である。不飽和オリゴマーの更に別の例は、通常マレイン酸、フタル酸及び1種以上のジオールから製造され、約500〜3000の分子量を有する、不飽和ポリエステル樹脂である。更にまた、ビニルエーテルモノマー及びオリゴマー、更にまたポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリビニルエーテル及びエポキシド主鎖を有する、マレイン酸末端オリゴマーを使用することも可能である。具体的には、WO 90/01512に記載されたような、ビニル−エーテル基保持オリゴマーとポリマーの組合せは、非常に適しているが、マレイン酸とビニルエーテルで官能基化されたモノマーのコポリマーもまた考えられる。このような不飽和オリゴマーはまた、プレポリマーと呼ぶことができる。
【0198】
特に適したものは、例えば、エチレン不飽和カルボン酸とポリオール又はポリエポキシドとのエステル類、及び主鎖又は側基にエチレン性不飽和基を有するポリマー、例えば、不飽和ポリエステル類、ポリアミド類及びポリウレタン類並びにそのコポリマー、アルキド樹脂、ポリブタジエン及びブタジエンコポリマー、ポリイソプレン及びイソプレンコポリマー、(メタ)アクリル酸基を側鎖に有するポリマー及びコポリマー、並びにまた1つ以上のこのようなポリマーの混合物である。
【0199】
不飽和カルボン酸の例は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、及びリノレン酸又はオレイン酸のような不飽和脂肪酸である。アクリル酸及びメタクリル酸が好ましい。
【0200】
適切なポリオール類は、芳香族、並びに特に脂肪族及び脂環式ポリオール類である。芳香族ポリオール類の例は、ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、2,2−ジ(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、並びにノボラック類及びレゾール類である。ポリエポキシド類の例は、該ポリオール類、特に芳香族ポリオール類とエピクロロヒドリンに基づくものである。またポリオール類として適切なものは、ポリマー鎖又は側基にヒドロキシル基を含むポリマー及びコポリマー、例えば、ポリビニルアルコール及びそのコポリマー、又はポリメタクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類若しくはそのコポリマーである。更に別の適切なポリオール類は、ヒドロキシル末端基を有するオリゴエステル類である。
【0201】
脂肪族及び脂環式ポリオール類の例は、好ましくは2〜12個の炭素原子を有するアルキレンジオール類(例えば、エチレングリコール、1,2−又は1,3−プロパンジオール、1,2−、1,3−又は1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ドデカンジオールなど)、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、好ましくは200〜1500の分子量を有するポリエチレングリコール類、1,3−シクロペンタンジオール、1,2−、1,3−又は1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサン、グリセロール、トリス(β−ヒドロキシエチル)アミン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール及びソルビトールを含む。
【0202】
このポリオール類は、1つの、又は様々な不飽和カルボン酸により、部分的に又は完全にエステル化されていてもよく、部分エステル類の遊離ヒドロキシル基は、修飾(例えば、エーテル化、又は他のカルボン酸によりエステル化)されていてもよい。
【0203】
エステル類の例は、以下である:
トリアクリル酸トリメチロールプロパン、トリアクリル酸トリメチロールエタン、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン、トリメタクリル酸トリメチロールエタン、ジメタクリル酸テトラメチレングリコール、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジアクリル酸テトラエチレングリコール、ジアクリル酸ペンタエリトリトール、トリアクリル酸ペンタエリトリトール、テトラアクリル酸ペンタエリトリトール、ジアクリル酸ジペンタエリトリトール、トリアクリル酸ジペンタエリトリトール、テトラアクリル酸ジペンタエリトリトール、ペンタアクリル酸ジペンタエリトリトール、ヘキサアクリル酸ジペンタエリトリトール、オクタアクリル酸トリペンタエリトリトール、ジメタクリル酸ペンタエリトリトール、トリメタクリル酸ペンタエリトリトール、ジメタクリル酸ジペンタエリトリトール、テトラメタクリル酸ジペンタエリトリトール、オクタメタクリル酸トリペンタエリトリトール、ジイタコン酸ペンタエリトリトール、トリスイタコン酸ジペンタエリトリトール、ペンタイタコン酸ジペンタエリトリトール、ヘキサイタコン酸ジペンタエリトリトール、ジアクリル酸エチレングリコール、ジアクリル酸1,3−ブタンジオール、ジメタクリル酸1,3−ブタンジオール、ジイタコン酸1,4−ブタンジオール、トリアクリル酸ソルビトール、テトラアクリル酸ソルビトール、変性トリアクリル酸ペンタエリトリトール、テトラメタクリル酸ソルビトール、ペンタアクリル酸ソルビトール、ヘキサアクリル酸ソルビトール、オリゴエステルアクリレート類及びメタクリレート類、ジ−及びトリ−アクリル酸グリセロール、ジアクリル酸1,4−シクロヘキサン、200〜1500の分子量を有するポリエチレングリコールのビスアクリレート類及びビスメタクリレート類、並びにこれらの混合物。
【0204】
また成分として適切なものは、同一又は異なる不飽和カルボン酸と、好ましくは2〜6個、特に2〜4個のアミノ基を有する芳香族、脂環式及び脂肪族ポリアミン類とのアミド類である。このようなポリアミン類の例は、エチレンジアミン1,2−又は1,3−プロピレンジアミン、1,2−、1,3−又は1,4−ブチレンジアミン、1,5−ペンチレンジアミン、1,6−ヘキシレンジアミン、オクチレンジアミン、ドデシレンジアミン、1,4−ジアミノ−シクロヘキサン、イソホロンジアミン、フェニレンジアミン、ビスフェニレンジアミン、ジ−β−アミノエチルエーテル、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン及びジ(β−アミノエトキシ)−及びジ(β−アミノプロポキシ)−エタンである。更に別の適切なポリアミン類は、側鎖に追加のアミノ基を有していてもよいポリマー及びコポリマー、並びにアミノ末端基を有するオリゴアミド類である。このような不飽和アミド類の例は、メチレンビスアクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスアクリルアミド、ジエチレントリアミントリスメタクリルアミド、ビス(メタクリルアミドプロポキシ)エタン、メタクリル酸β−メタクリルアミドエチル及びN−[(β−ヒドロキシエトキシ)エチル]−アクリルアミドである。
【0205】
適切な不飽和ポリエステル類及びポリアミド類は、例えば、マレイン酸とジオール類又はジアミン類とから誘導される。マレイン酸は、他のジカルボン酸により部分的に置換されていてもよい。これらは、エチレン不飽和コモノマー、例えば、スチレンと一緒に使用することができる。このポリエステル類及びポリアミド類はまた、ジカルボン酸とエチレン不飽和ジオール類又はジアミン類とから、特に例えば、6〜20個の炭素原子の長鎖を有するものから誘導することができる。ポリウレタン類の例は、飽和ジイソシアナート類と不飽和ジオール類、又は不飽和ジイソシアナート類と飽和ジオール類からなるものである。
【0206】
ポリブタジエン及びポリイソプレン並びにこれらのコポリマーが知られている。適切なコモノマーは、例えば、オレフィン類(例えば、エチレン、プロペン、ブテン及びヘキセン)、(メタ)アクリラート類、アクリロニトリル、スチレン及び塩化ビニルを含む。(メタ)アクリラート基を側鎖に有するポリマーが同様に知られている。例としては、ノボラックに基づくエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物;ビニルアルコールのホモ−又はコ−ポリマー、あるいは(メタ)アクリル酸でエステル化されている、そのヒドロキシアルキル誘導体;並びに(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルでエステル化されている(メタ)アクリラート類のホモ−及びコ−ポリマーがある。
【0207】
また適切なものは、例えば、US 3,844,916、EP 280,222、US 5,482,649又はUS 5,734,002に記載されているような、第1級又は第2級アミン類との反応により修飾されているアクリラート類である。このようなアミン修飾アクリラート類はまた、アミノアクリラート類とも呼ばれる。アミノアクリラート類は、例えば、UCB化学(UCB Chemicals)製のエベクリル(EBECRYL)(登録商標)80、エベクリル(登録商標)81、エベクリル(登録商標)83、エベクリル(登録商標)7100の名称の下で、バスフ(BASF)製のラロマー(Laromer)(登録商標)PO83F、ラロマー(登録商標)PO84F、ラロマー(登録商標)PO94Fの名称の下で、コグニス(Cognis)製のフォトマー(PHOTOMER)(登録商標)4775F、フォトマー(登録商標)4967Fの名称の下で、又はクレイヴァリー(Cray Valley)製のCN(登録商標)501、CN(登録商標)503、CN(登録商標)550の名称の下で入手することができる。
【0208】
本出願に関連して、(メタ)アクリラートという用語は、アクリラートとメタクリラートの両方を含む。
【0209】
アクリラート又はメタクリラート化合物は、特に1価−又は多価−エチレン不飽和化合物として使用される。
【0210】
とりわけ好ましいのは、既に上述されているような、多価不飽和アクリラート化合物である。
【0211】
特に好ましいのは、放射線硬化性組成物の少なくとも1つのエチレン不飽和モノマー又はオリゴマーが、モノ−、ジ−、トリ−又はテトラ−官能基アクリラート又はメタクリラートであるプロセスである。
【0212】
工程d1)の組成物は、少なくとも1つのエチレン不飽和モノマー又はオリゴマーを含むことに加えて、好ましくはUV/VIS線での硬化のための少なくとも1つの更に別の光開始剤又は共開始剤を含むことを特徴とする。
【0213】
よって本発明はまた、工程d1)において、少なくとも1つのエチレン不飽和モノマー又は/及びオリゴマーと、少なくとも1つの光開始剤及び/又は共開始剤を含むことを特徴とする光重合性組成物を、前処理基体に適用し、UV/VIS線を用いて硬化させるプロセスに関する。
【0214】
本発明に関連して、UV/VIS線は、150nm〜700nmの波長範囲の電磁放射線と理解すべきである。好ましいのは、250nm〜500nmの範囲である。適切なランプは、当業者には知られており、そして市販されている。
【0215】
工程d)の組成物の感光性は、通常約150nm〜約600nm(UV範囲)にわたる。多数の最も変化に富む種類の光源を使用することができる。点光源と扁平放射器(ランプアレイ)の両方が適している。例には、カーボンアーク灯、キセノンアーク灯、中圧、超高圧、高圧及び低圧水銀放射器(適宜、ハロゲン化金属でドープされている)(金属ハロゲン灯)、マイクロ波励起金属蒸気灯、エキシマー灯、超アクチニド蛍光管、蛍光灯、アルゴン白熱灯、フラッシュランプ、写真用投光照明灯、発光ダイオード(LED)、電子ビーム及びX線がある。ランプと照射すべき基体との間の距離は、使用目的及びランプの型と出力に応じて変化し、そして例えば、2cm〜150cmであろう。また適しているのは、レーザー光源、例えば、248nmでの照射用のクリプトンF(Krypton-F)レーザーのようなエキシマーレーザーである。可視範囲のレーザーもまた利用することができる。この方法を使用することにより、電子工業におけるプリント回路、リソグラフィーのオフセット印刷版又はレリーフ印刷版、及び更に写真画像記録材料を製造することができる。
【0216】
適切な放射線源の上記説明は、本発明のプロセスにおける照射工程c)(光開始剤の定着)及び工程d1)の進行(光硬化性組成物の硬化)の両方に関する。
【0217】
工程d1)又はd2)に適用される組成物の硬化は、更に、日光又は日光と均等な光源により同様に行うことができる。
【0218】
有利には、工程c)に使用される放射線の線量は、例えば、1〜1000mJ/cm2(1〜800mJ/cm2など)、又は1〜500mJ/cm2、例えば、5〜300mJ/cm2、好ましくは10〜200mJ/cm2である。
【0219】
工程d)の放射線硬化性組成物中の光開始剤として、式(I)、(II)、(III)又は(IV)の化合物、あるいは先行技術から知られている任意の開始剤及び開始剤系を使用することができる。
【0220】
このような組成物において、好ましいのは、不飽和基のない光開始剤の使用である。
【0221】
典型例は、以下に言及されるが、これらは単独で、又は相互に混合物として使用することができる。例えば、ベンゾフェノン類、ベンゾフェノン誘導体、アセトフェノン、アセトフェノン誘導体、例えば、α−ヒドロキシシクロアルキルフェニルケトン又は2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパノン、ジアルコキシアセトフェノン類、α−ヒドロキシ−又はα−アミノ−アセトフェノン類、例えば、(4−メチルチオベンゾイル)−1−メチル−1−モルホリノ−エタン、(4−モルホリノ−ベンゾイル)−1−ベンジル−1−ジメチルアミノ−プロパン、(4−メチルチオベンゾイル)−1−メチル−1−モルホリノ−エタン、(4−モルホリノ−ベンゾイル)−1−(4−メチル−ベンジル)−1−ジメチルアミノ−プロパン、4−アロイル−1,3−ジオキソラン類、ベンゾインアルキルエーテル類及びベンジルケタール類、例えば、ベンジルジメチルケタール、グリオキサル酸フェニル及びその誘導体、二量体グリオキシル酸フェニル類、モノアシルホスフィンオキシド類、例えば、(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニル−ホスフィンオキシド、ビスアシルホスフィンオキシド類、例えば、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(2,4,4−トリメチル−ペンタ−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニル−ホスフィンオキシド又はビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−(2,4−ジペンチルオキシフェニル)ホスフィンオキシド、トリスアシルホスフィンオキシド類、フェロセニウム化合物又はチタノセン類(titanocenes)、例えば、ジシクロペンタジエニル−ビス(2,6−ジフルオロ−3−ピロロ−フェニル)−チタン及びホウ酸塩。
【0222】
適切な光開始剤の更に別の例は、本明細書に前述の式(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)及び(XI)の化合物である。
【0223】
共開始剤として、例えば、スペクトル感度をシフトさせるか又は広げて、光重合の加速を引き起こす増感剤が考慮される。これらは、特に芳香族カルボニル化合物、例えば、ベンゾフェノン、チオキサントン、特にイソプロピルチオキサントン、アントラキノン及び3−アシルクマリン誘導体、テルフェニル類、スチリルケトン類、及び更に3−(アロイルメチレン)−チアゾリン類、カンファーキノン、及び更にエオシン、ローダミン及びエリトロシン染料である。
【0224】
本発明によりグラフトされた光開始剤層がベンゾフェノン又はベンゾフェノン誘導体からなるとき、例えば、アミン類もまた、光増感剤として考慮することができる。
【0225】
光開始剤の更に別の例は、以下である。
1.チオキサントン類
チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−ドデシルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、1−メトキシカルボニルチオキサントン、2−エトキシカルボニルチオキサントン、3−(2−メトキシエトキシカルボニル)−チオキサントン、4−ブトキシカルボニルチオキサントン、3−ブトキシカルボニル−7−メチルチオキサントン、1−シアノ−3−クロロチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−クロロチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−エトキシチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−アミノチオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−フェニルスルフリルチオキサントン、3,4−ジ[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシカルボニル]チオキサントン、1−エトキシカルボニル−3−(1−メチル−1−モルホリノエチル)−チオキサントン、2−メチル−6−ジメトキシメチル−チオキサントン、2−メチル−6−(1,1−ジメトキシベンジル)−チオキサントン、2−モルホリノメチルチオキサントン、2−メチル−6−モルホリノメチルチオキサントン、N−アリルチオキサントン−3,4−ジカルボキシミド、N−オクチルチオキサントン−3,4−ジカルボキシミド、N−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−チオキサントン−3,4−ジカルボキシミド、1−フェノキシチオキサントン、6−エトキシカルボニル−2−メトキシチオキサントン、6−エトキシカルボニル−2−メチルチオキサントン、チオキサントン−2−ポリエチレングリコールエステル、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサントン−2−イルオキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウムクロリド;
【0226】
2.ベンゾフェノン類
ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4−メトキシベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジメチルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ジメチルアミノ−ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、3−メチル−4’−フェニルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチル−4’−フェニル−ベンゾフェノン、4−(4−メチルチオフェニル)−ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、2−ベンゾイル安息香酸メチル、4−(2−ヒドロキシエチルチオ)−ベンゾフェノン、4−(4−トリルチオ)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N,N−トリメチルベンゼンメタンアミニウムクロリド、2−ヒドロキシ−3−(4−ベンゾイルフェノキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミニウムクロリド一水和物、4−(13−アクリロイル−1,4,7,10,13−ペンタオキサトリデシル)−ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニル)オキシ]エチル−ベンゼンメタンアミニウムクロリド;
【0227】
3.3−アシルクマリン類
3−ベンゾイルクマリン、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジ(プロポキシ)クマリン、3−ベンゾイル−6,8−ジクロロクマリン、3−ベンゾイル−6−クロロクマリン、3,3’−カルボニル−ビス[5,7−ジ(プロポキシ)クマリン]、3,3’−カルボニル−ビス(7−メトキシクマリン)、3,3’−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノ−クマリン)、3−イソブチロイルクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジメトキシクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジエトキシクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジブトキシクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジ(メトキシエトキシ)−クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジ(アリルオキシ)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジメチルアミノクマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−イソブチロイル−7−ジメチルアミノクマリン、5,7−ジメトキシ−3−(1−ナフトイル)−クマリン、5,7−ジエトキシ−3−(1−ナフトイル)−クマリン、3−ベンゾイルベンゾ[f]クマリン、7−ジエチルアミノ−3−チエノイルクマリン、3−(4−シアノベンゾイル)−5,7−ジメトキシクマリン;
【0228】
4.3−(アロイルメチレン)−チアゾリン類
3−メチル−2−ベンゾイルメチレン−β−ナフトチアゾリン、3−メチル−2−ベンゾイルメチレン−ベンゾチアゾリン、3−エチル−2−プロピオニルメチレン−β−ナフトチアゾリン;
【0229】
5.他のカルボニル化合物
アセトフェノン、3−メトキシアセトフェノン、4−フェニルアセトフェノン、ベンジル、2−アセチルナフタレン、2−ナフトアルデヒド、9,10−アントラキノン、9−フルオレノン、ジベンゾスベロン、キサントン、2,5−ビス(4−ジエチルアミノベンジリデン)シクロペンタノン;2−(4−ジメチルアミノ−ベンジリデン)−インダン−1−オン又は3−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−1−インダン−5−イル−プロペノンのようなα−(パラ−ジメチルアミノベンジリデン)−ケトン類;3−フェニルチオフタルイミド、N−メチル−3,5−ジ(エチルチオ)フタルイミド、N−メチル−3,5−ジ(エチルチオ)フタルイミド。
【0230】
また、これらの添加剤に加えて、この放射線硬化性組成物は、更に別の添加剤、特に光安定剤を含むことが可能である。このような追加の添加剤の性質及び量は、問題の被覆の使用目的に左右され、当業者は精通していよう。
【0231】
本組成物はまた、適切な光開始剤が選択されるとき着色することができ、白色顔料と同様に着色顔料も使用することができる。
【0232】
本組成物は、約0.1μm〜約1000μm、特に約1μm〜100μmの層厚さで適用することができる。<50μmという低い層厚さの範囲では、例えば、着色組成物はまた、印刷インキとも呼ばれる。
【0233】
光安定剤として、UV吸収剤、例えば、ヒドロキシフェニル−ベンゾトリアゾール、ヒドロキシフェニルベンゾフェノン、シュウ酸アミド又はヒドロキシフェニル−s−トリアジン型のものを添加することができる。このような化合物は、立体阻害アミン類(HALS)の使用を伴うか又は伴わなずに、単独で又は混合物の形で使用することができる。
【0234】
このようなUV吸収剤及び光安定剤の例は、以下である:
1. 2−(2’−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール類、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(5’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−sec−ブチル−5’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−アミル−2’−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール;2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’−tert−ブチル−5’−[2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]−2’−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール及び2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)−フェニル−ベンゾトリアゾールの混合物;2,2’−メチレン−ビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イル−フェノール];2−[3’−tert−ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル]−ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換生成物;[R−CH2CH2−COO(CH232−(ここで、R=3’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル−フェニル)。
【0235】
2. 2−ヒドロキシベンゾフェノン類、例えば、4−ヒドロキシ、4−メトキシ、4−オクチルオキシ、4−デシルオキシ、4−ドデシルオキシ、4−ベンジルオキシ、4,2’,4’−トリヒドロキシ又は2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ誘導体。
【0236】
3. 非置換又は置換安息香酸のエステル類、例えば、サリチル酸4−tert−ブチル−フェニル、サリチル酸フェニル、サリチル酸オクチルフェニル、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−tert−ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸2,4−ジ−tert−ブチルフェニルエステル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸ヘキサデシルエステル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸オクタデシルエステル、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸2−メチル−4,6−ジ−tert−ブチルフェニルエステル。
【0237】
4. アクリラート類、例えば、α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリル酸エチルエステル又はイソオクチルエステル、α−メトキシ−カルボニルケイ皮酸メチルエステル、α−シアノ−β−メチル−p−メトキシケイ皮酸メチルエステル又はブチルエステル、α−メトキシカルボニル−p−メトキシケイ皮酸メチルエステル、N−(β−メトキシ−カルボニル−β−シアノビニル)−2−メチル−インドリン。
【0238】
5. 立体阻害アミン類、例えば、セバシン酸ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)、コハク酸ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)、セバシン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)、n−ブチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)エステル、1−ヒドロキシエチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合生成物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−tert−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−s−トリアジンとの縮合生成物、ニトリロ三酢酸トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)、1,2,3,4−ブタン四酸テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)、1,1’−(1,2−エタンジイル)ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、マロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジル)、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、セバシン酸ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)、コハク酸ビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合生成物、2−クロロ−4,6−ジ(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合生成物、2−クロロ−4,6−ジ(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合生成物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン。
【0239】
6. シュウ酸ジアミド類、例えば、4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジエトキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ−tert−ブチルオキサニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ−tert−ブチルオキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサルアミド、2−エトキシ−5−tert−ブチル−2’−エチルオキサニリド及びこれの2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ−tert−ブチルオキサニリドとの混合物、o−及びp−メトキシ−二置換オキサニリドの、またo−及びp−エトキシ−二置換オキサニリドの混合物。
【0240】
7. 2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン類、例えば、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシ−フェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)オキシ−2−ヒドロキシ−フェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン。
【0241】
上述の光安定剤に加えて、例えば、亜リン酸又は亜ホスホン酸エステルのような、他の安定剤も適している。
【0242】
8. 亜リン酸及び亜ホスホン酸エステル類、例えば、亜リン酸トリフェニル、亜リン酸ジフェニルアルキル類、亜リン酸フェニルジアルキル類、亜リン酸トリス(ノニルフェニル)、亜リン酸トリラウリル、亜リン酸トリオクタデシル、二亜リン酸ジステアリル−ペンタエリトリトール、亜リン酸トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)、二亜リン酸ジイソデシルペンタエリトリトール、二亜リン酸ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトール、二亜リン酸ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリトリトール、二亜リン酸ビス−イソデシルオキシ−ペンタエリトリトール、二亜リン酸ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)ペンタエリトリトール、二亜リン酸ビス(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリトリトール、三亜リン酸トリステアリルソルビトール、二亜ホスホン酸テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン、6−イソオクチルオキシ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12H−ジベンゾ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、6−フルオロ−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−12−メチル−ジベンゾ[d,g]−1,3,2−ジオキサホスホシン、亜リン酸ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)メチル、亜リン酸ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−6−メチルフェニル)エチル。
【0243】
また、使用の分野に応じて、当該分野において通常の添加剤、例えば、静電防止剤、流動性向上剤及び接着促進剤も使用することができる。
【0244】
工程d1)又はd2)において適用される組成物は、例えば、着色若しくは非着色表面塗料、インキ、インクジェットインキ;印刷インキ、例えば、スクリーン印刷インキ、オフセット印刷インキ、フレキソ印刷インキ;又はオーバープリントワニス;又はプライマー;又は印刷版、オフセット印刷版;粉体塗料、接着剤、感圧接着剤(例えば、ホットメルト感圧接着剤を含む)、又は修復塗料、修復ワニス若しくは修復パテ組成物である。
【0245】
工程d1)において使用される組成物は、必ずしも光開始剤を含む必要はなく、例えば、これらは、当業者に知られている通常の電子ビーム硬化性組成物(光開始剤を含まない)であってもよい。
【0246】
本発明のプロセスにより工程a)〜c)を用いて前処理した基体は、既に言及されたように、更なる工程d1)において通常の光硬化性組成物でコーティングし、UV/VIS又は電子ビームで硬化させることができるか、あるいはd2)で通常の被覆(このような被覆は、例えば、空気中で又は加熱して乾燥させる)を供給することができる。乾燥はまた、例えば、基体中への浸透により、例えば、吸収によっても達成することができる。
【0247】
工程d2)において使用される被覆は、好ましくは印刷インキである。
【0248】
このような印刷インキは、当業者には知られており、当該分野で広く使用され、かつ文献に報告されている。
【0249】
これらは、例えば、着色印刷インキ及び染料で着色された印刷インキである。
【0250】
印刷インキは、例えば、着色料(顔料又は染料)、結合剤及び場合により溶媒及び/又は場合により水と添加剤を含む、液体又はペースト状分散液である。液体印刷インキにおいて、一般には結合剤と、妥当ならば添加剤とを溶媒に溶解する。ブルックフィールド(Brookfield)の粘度計における通常の粘度は、液体印刷インキでは、例えば、20〜5000mPa・s、例えば、20〜1000mPa・sである。ペースト状印刷インキでは、この値は、例えば、1〜100Pa・s、好ましくは5〜50Pa・sの範囲である。当業者ならば、印刷インキの成分及び組成には精通していよう。
【0251】
適切な顔料は、当該分野において通常の印刷インキ配合のように、一般に知られており、かつ広く記述されている。
【0252】
印刷インキは、有利には、印刷インキの総重量に基づいて、例えば、0.01〜40重量%、好ましくは1〜25重量%、特に5〜10重量%の濃度で顔料を含む。
【0253】
印刷インキは、例えば、出版、包装若しくは輸送において、ロジスティックスにおいて、広告において、証券印刷において、又はオフィス機器の分野において、一般に知られている配合を用いて、本発明のプロセスにより前処理した材料への、例えば、凹版印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、リソグラフィー又は連続若しくは液滴インクジェット印刷のために使用することができる。
【0254】
適切な印刷インキは、溶剤型印刷インキと水性印刷インキの両方である。重要なものは、例えば、水性アクリラートに基づく印刷インキである。このようなインキは、下記式:
【0255】
【化47】

【0256】
で示される基を含む少なくとも1つのモノマーの重合により得られ、そして水又は水含有有機溶媒に溶解される、ポリマー又はコポリマーを含むものと理解すべきである。適切な有機溶媒は、当業者が通常使用する水混和性溶媒、例えば、メタノール、エタノール、並びにプロパノール、ブタノール及びペンタノールの異性体のようなアルコール類、エチレングリコール並びにエチレングリコールメチルエーテル及びエチレングリコールエチルエーテルのようなそのエーテル類、並びにアセトン、エチルメチルケトンのようなケトン類、又はシクロ、例えばイソプロパノールである。水及びアルコール類が好ましい。
【0257】
適切な印刷インキは、例えば、結合剤として、主にアクリレートポリマー又はコポリマーを含み、そして溶媒は、例えば、水、C1−C5アルコール類、エチレングリコール、2−(C1−C5アルコキシ)−エタノール、アセトン、エチルメチルケトン及び任意のこれらの混合物よりなる群から選択される。
【0258】
結合剤に加えて、この印刷インキはまた、当業者に知られている通常の添加剤を通常の濃度で含んでいてもよい。
【0259】
凹版又はフレキソ印刷には、印刷インキは、通常印刷インキ濃縮物の希釈により調製し、そして次にそれ自体既知の方法により使用することができる。
【0260】
本印刷インキはまた、例えば、酸化的に乾燥するアルキド樹脂系を含んでいてもよい。この印刷インキは、場合により被覆を加熱しながら、当該分野において通常の既知のやり方で乾燥する。
【0261】
適切な水性印刷インキ組成物は、例えば、顔料、又は顔料、分散剤及び結合剤の組合せを含む。
【0262】
考慮される分散剤は、例えば、1つ以上のアリールスルホン酸/ホルムアルデヒド縮合生成物、又は1つ以上の水溶性オキサアルキル化フェノール類、非イオン性分散剤若しくはポリマー酸に基づく水溶性分散剤のような、通常の分散剤を含む。
【0263】
アリールスルホン酸/ホルムアルデヒド縮合生成物は、例えば、ナフタレン自体又はナフタレン含有混合物のような芳香族化合物のスルホン化と、これに続く生じたアリールスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合により得ることができる。このような分散剤は、既知であり、例えば、US-A-5,186,846及びDE-A-197,27,767に記述されている。適切なオキサアルキル化フェノール類は、同様に既知であり、例えば、US-A-4,218,218及びDE-A-197,27,767に記述されている。適切な非イオン性分散剤は、例えば、アルキレンオキシド付加物、ビニルピロリドン、酢酸ビニル又はビニルアルコールの重合生成物、並びにビニルピロリドンと酢酸ビニル及び/又はビニルアルコールとのコ−又はター−ポリマーである。
【0264】
また、例えば、分散剤及び結合剤の両方として作用する、ポリマー酸を使用することも可能である。
【0265】
言及することができる適切な結合剤成分の例は、アクリラート基含有、ビニル基含有及び/又はエポキシ基含有モノマー、プレポリマー及びポリマー並びにこれらの混合物を含む。更に別の例には、メラミンアクリレート及びシリコーンアクリレートがある。このアクリラート化合物はまた、非イオン性修飾(例えば、アミノ基を供給)又はイオン性修飾(例えば、酸基又はアンモニウム基を供給)されていてもよく、水性分散液又は乳濁液の形で使用することができる(例えば、EP-A-704,469、EP-A-12,339)。更には、目的の粘度を得るために、無溶媒アクリレートポリマーは、いわゆる反応性希釈剤、例えば、ビニル基含有モノマーと混合することができる。更に別の適切な結合剤成分は、エポキシ基含有化合物である。
【0266】
この印刷インキ組成物はまた、追加成分として、例えば、水分保持作用を有する物質(湿潤剤)、例えば、多価アルコール類、ポリアルキレングリコールを含んでいてもよく、これらが、この組成物をインクジェット印刷に特に適したものにする。
【0267】
当然のことながら、印刷インキは、特に(水性)インクジェットインキに通常のもの、並びに印刷及びコーティング工業において通常のもののような、更に別の助剤を含んでいてもよく、これらは例えば、保存料(グルタルジアルデヒド及び/又はテトラメチロールアセチレン尿素など)、酸化防止剤、脱気剤/脱泡剤、粘度調節剤、流動性向上剤、沈殿防止剤、光沢向上剤、滑沢剤、接着促進剤、皮張り防止剤、艶消し剤、乳化剤、安定剤、疎水剤(hydrophobic)、光安定剤、取扱い向上剤及び静電防止剤である。このような物質が組成物中に存在するとき、これらの総量は、一般に調製品の重量に基づいて≦1重量%である。
【0268】
工程d2)に適切な印刷インキは、例えば、染料を含むものを含む(インキの総重量に基づいて、例えば、1〜35重量%の染料の総含量)。
【0269】
このような印刷インキを着色するのに適切な染料は、当業者には知られており、例えば、チバ特殊化学社(Ciba Spezialitaetenchemie AG)(バーゼル)から広く市販されている。
【0270】
このような印刷インキは、有機溶媒、例えば、水混和性有機溶媒、例えば、C1−C4アルコール類、アミド類、ケトン類又はケトンアルコール類、エーテル類、窒素含有複素環化合物、ポリアルキレングリコール類、C2−C6アルキレングリコール類及びチオグリコール類、更に別のポリオール類、例えば、グリセロール及び多価アルコール類のC1−C4アルキルエーテル類を、通常印刷インキの総重量に基づいて2〜30重量%の量で含んでいてもよい。
【0271】
印刷インキはまた、例えば、可溶化剤、例えば、ε−カプロラクタムを含んでいてもよい。
【0272】
印刷インキは、とりわけ粘度を調整する目的には、天然又は合成起源の増粘剤を含んでいてもよい。増粘剤の例は、市販のアルギン酸増粘剤、デンプンエーテル類又はイナゴマメ粉(locust bean flour)エーテル類を含む。印刷インキは、このような増粘剤を、例えば、印刷インキの総重量に基づいて0.01〜2重量%の量で含む。
【0273】
また、この印刷インキは、緩衝剤、例えば、ホウ砂、ホウ酸塩、リン酸塩、ポリリン酸塩又はクエン酸塩を、例えば、4〜9、特に5〜8.5のpH値を達成するために、例えば、0.1〜3重量%の量で含むことができる。
【0274】
更に別の添加剤として、このような印刷インキは、界面活性剤又は湿潤剤を含んでいてもよい。考慮される界面活性剤は、市販のアニオン性及び非イオン性界面活性剤を含む。考慮される湿潤剤は、例えば、印刷インキ中に、0.1〜30重量%、特に2〜30重量%の量で、尿素、又は乳酸ナトリウム(有利には50〜60%水溶液の形で)とグリセロール及び/又はプロピレングリコールとの混合物を含む。
【0275】
更に、印刷インキはまた、通常の添加剤、例えば、発泡低減剤(foam-reducing agent)あるいは特に真菌及び/又は細菌の増殖を阻害する物質を含んでいてもよい。このような添加剤は、通常印刷インキの総重量に基づいて0.01〜1重量%の量で使用される。
【0276】
この印刷インキはまた、例えば、所望量の水中で、個々の成分を一緒に混合することにより、通常のやり方で調製することができる。
【0277】
既に言及されたように、使用の性質に応じて、例えば、印刷インキの粘度又は他の物性、特に問題の基体に対する印刷インキの親和性に影響する性質を、しかるべく適合させることが必要であろう。
【0278】
この印刷インキはまた、例えば、印刷インキが、画像が形成される基体に向けられる小滴の形で、小開口部から絞り出される種類の記録システムでの使用に適している。適切な基体は、例えば、本発明のプロセスにより前処理した、テキスタイル繊維材料、紙、プラスチック又はアルミニウム箔である。適切な記録システムは、例えば、市販のインクジェットプリンタである。
【0279】
好ましいのは、水性印刷インキが使用される印刷プロセスである。
【0280】
工程d3)で、強力接着層として、金属、半金属、金属酸化物又は半金属酸化物層が適用されるとき、以下の金属が好ましい:金、銀、白金、パラジウム、クロム、モリブデン、スズ、アルミニウム又は銅、特にアルミニウム及び銅。以下の半金属及び金属酸化物が興味深い:酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化鉄、酸化銅及び酸化ケイ素。
【0281】
金属、半金属又は金属酸化物は、真空条件下で気化させて、光開始剤でプレコーティングした基体に堆積させる。
【0282】
気化プロセスのためのるつぼ温度は、気化する金属又は酸化物に依存し、そして例えば、300〜2000℃、特に800〜1800℃である。
【0283】
金属コーティング基体は、例えば、フレキシブル回路基板応用、拡散障壁層、電磁シールドに適しているか、又はこれらは、装飾要素を形成する。
【0284】
本発明のプロセスは、広い圧力範囲内で行うことができ、放電特性は、圧力が純粋な低温プラズマからコロナ放電へと上昇するにつれシフトして、最後には約1000〜1100mbarの大気圧で純粋なコロナ放電へと変化する。
【0285】
本プロセスは、好ましくは10-6mbarから大気圧(1013mbar)までの、特にプラズマプロセスとしては10-4〜10-2mbarの範囲、そしてコロナプロセスとしては大気圧のプロセス圧力で行われる。火炎処理は、通常大気圧で行われる。
【0286】
本プロセスは、好ましくはプラズマガスとして不活性ガス又は不活性ガスと反応性ガスとの混合物を使用して行われる。
【0287】
コロナ放電が利用されるとき、ガスとして空気、CO2及び/又は窒素が好ましくは使用される。特に、空気、H2、CO2、He、Ar、Kr、Xe、N2、O2又はH2Oを、単独又は混合物の形で使用することが好ましい。
【0288】
堆積する光開始剤層は、好ましくは例えば、単分子層〜500nm、特に5nm〜200nmの範囲の厚さを有する。
【0289】
無機又は有機基体のプラズマ−又はコロナ−処理a)は、好ましくは1ms〜300s、特に10ms〜200sの間、行われる。
【0290】
原則として、光開始剤は、プラズマ−、コロナ−又は火炎−前処理後できるだけ迅速に適用するのが有利であるが、多くの目的には、反応工程b)を時間遅延後に行うことも許容しうるだろう。しかし、工程a)の直後に、又は工程a)後24時間以内に工程b)を行うことが好ましい。
【0291】
興味深いのは、工程c)が、工程b)の直後に、又は工程b)後24時間以内に行われるプロセスである。
【0292】
前処理して光開始剤でコーティングした基体は、工程a)、b)及びc)によるコーティング及び乾燥の直後に工程d)[即ち、d1)又はd2)]に付すことができるか、又は前処理した形で貯蔵することができる。
【0293】
式(I)、(II)、(III)又は(IV)の光開始剤、あるいは適用可能であれば複数の光開始剤及び/又は共開始剤の混合物は、コロナ−、プラズマ−又は火炎−前処理基体に、例えば、純粋な形で(即ち、更に別の添加剤なしに)、又はモノマー若しくはオリゴマーとの組合せで、又は溶媒に溶解して適用される。開始剤、又は開始剤混合物はまた、例えば、溶融形であってもよい。開始剤、又は開始剤混合物はまた、例えば、水に分散、懸濁又は乳化してもよく、必要に応じて分散剤を加える。当然ながら、上述の成分、光開始剤、モノマー、オリゴマー、溶媒、水の任意の混合物を使用することも可能である。
【0294】
適切な分散剤、例えば、任意の界面活性化合物、好ましくはアニオン性及び非イオン性界面活性剤、そしてまたポリマー性分散剤は、通常当業者には知られており、そして例えば、US 4,965,294及びUS 5,168,087に記述されている。
【0295】
適切な溶媒は、原則として、溶液の形であろうと、懸濁液若しくは乳濁液の形であろうと、光開始剤又は複数の光開始剤を適用のために適切な状態に変換することができる任意の物質である。適切な溶媒は、例えば、アルコール類(例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコールなど)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトンなど)、アセトニトリル、芳香族炭化水素(例えば、トルエン及びキシレンなど)、エステル類及びアルデヒド類(例えば、酢酸エチル、ギ酸エチルなど)、脂肪族炭化水素(例えば、石油エーテル、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン、クロロホルムなど)、あるいは油類、天然油、ヒマシ油、植物油など、更には合成油である。この説明は、決して網羅的なものでなく、単に一例として与えられる。
【0296】
アルコール類、水及びエステル類が好ましい。
【0297】
適切なモノマー及びオリゴマーは、例えば、光硬化性組成物に関連して上述されているものである(工程d1)。
【0298】
よって本発明はまた、式(I)、(II)、(III)及び/又は(IV)の光開始剤あるいはモノマー又はオリゴマーとのその混合物を、溶液、懸濁液及び乳濁液の形で、1つ以上の液体(溶媒又は水など)との組合せで使用するプロセスに関する。
【0299】
また興味深いのは、工程b)で使用される光開始剤又は光開始剤の混合物が溶融形で使用されるプロセスである。
【0300】
よってプラズマ−、コロナ−又は火炎−前処理後、工程b)において、前処理基体に、例えば、0.1〜15%、例えば、0.1〜5%の、不飽和基を有する式(I)、(II)、(III)又は(IV)の光開始剤及び0.5〜10%のモノマー(例えば、アクリラート、メタクリラート、ビニルエーテルなど)を適用することができる。
【0301】
融解物、溶液、分散液、懸濁液又は乳濁液の形での、光開始剤、あるいは相互の又はモノマー若しくはオリゴマーとのその混合物の適用は、種々の方法で行うことができる。適用は、浸漬、噴霧、コーティング、刷毛塗り、へら付け、ローラー塗布、印刷、スピンコーティング及び流し込みにより達成することができる。相互の、並びに共開始剤及び増感剤との光開始剤の混合物の場合には、全ての可能な混合比を利用することができる。唯一の光開始剤又は光開始剤混合物を前処理基体に適用しようとするとき、これらの開始剤の濃度は、当然100%である。
【0302】
光開始剤を、モノマー又は/及び溶媒又は/及び水との混合物の形で、液体、溶液、乳濁液又は懸濁液の形で適用するとき、これらは、適用される溶液に基づいて、例えば、0.01〜99.9%、又は0.01〜80%、例えば、0.1〜50%、又は10〜90%の濃度で使用される。光開始剤を含む液体は更に、例えば、脱泡剤、乳化剤、界面活性剤、防汚剤、湿潤剤及び工業(特に、コーティング及び塗剤工業)において通常使用される他の添加剤のような、更に別の物質を含んでいてもよい。
【0303】
被覆を乾燥する多くの可能な方法は知られており、これらは全て、請求の範囲のプロセスにおいて使用することができる。例えば、高温ガス、IR放射器、マイクロ波及び高周波放射器、オーブン及び熱ローラーを使用することができる。乾燥はまた、例えば、吸収、例えば、この基体への浸透により達成することができる。これは、特に工程c)の乾燥に関するが、工程d2)で行われる乾燥にも当てはまる。乾燥は、例えば、0℃〜300℃、例えば、20℃〜200℃の温度で行われる。
【0304】
工程c)において光開始剤を定着させるため(及びまた、工程d1)において配合を硬化させるため)の被覆の照射は、既に上述のように、使用される光開始剤により吸収することができる波長の電磁波を放射する、任意の線源を使用して行うことができる。このような線源は、一般に、200nm〜700nmの範囲の光を放射する光源である。また、電子ビームを使用することも可能であろう。通常の放射器及びランプに加えて、レーザー及びLED(発光ダイオード)を使用することも可能である。被覆の全領域又はその一部を照射することができる。部分的照射は、ある領域だけを接着性にしようとするときに有利である。照射はまた、電子ビームを用いて行うことができる。
【0305】
乾燥及び/又は照射は、大気下又は不活性ガス下で行うことができる。不活性ガスとしては窒素ガスが考慮されるが、CO2又はアルゴン、ヘリウムなど、又はその混合物のような、他の不活性ガスも使用することができる。適切なシステム及び装置は当業者には知られており、市販されている。
【0306】
本発明はまた、本発明のプロセスにおける、式(I)、(II)、(III)及び(IV)の光開始剤、並びに少なくとも1つの式(I)、(II)、(III)又は(IV)の化合物を更に別の光開始剤、例えば、式(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)及び/又は(XI)の光開始剤と組合せて含む光開始剤系の使用に関する。
【0307】
本発明はまた、上述のプロセスにより得ることができる強力接着性被覆に関する。
【0308】
このような強力接着性被覆は、保護層又は被覆として重要なだけでなく(追加的に着色されていてもよい)、例えば、レジスト及び印刷版技術における、画像形成コーティングのためにも重要である。画像形成プロセスの場合には、照射は、マスクを介して、又は移動レーザービームを用いて書く(レーザー直接イメージング(Laser Direct Imaging)−LDI)ことにより達成することができる。このような部分的照射では、次に現像又は洗浄工程が続いてもよく、ここでは溶媒及び/又は水を用いて、あるいは機械的に、適用した被覆の一部を除去する。
【0309】
本発明のプロセスを画像形成被覆(イメージング)の製造において、例えば、印刷版又は電子プリント回路基板の製造において使用するとき、画像形成工程は、工程c)又は工程d)のいずれかで行うことができる。
【0310】
工程d)では、使用される被覆配合に応じて、画像形成工程は、架橋反応であるか、あるいは配合の溶解度が変更される反応であってよい。
【0311】
よって本発明はまた、工程c)の照射後に架橋していない、工程b)において適用された光開始剤、又はモノマー及び/若しくはオリゴマーとのその混合物の一部を、溶媒及び/又は水での処理により、かつ/あるいは機械的に除去するプロセス、更には工程d1)の照射後に被覆の一部を溶媒及び/又は水での処理により、かつ/あるいは機械的に除去するプロセスに関する。
【0312】
また、工程c)及びd1)の2つのプロセスの一方で、あるいは工程c)及びd1)の両方で連続して、画像形成プロセスを利用することができる。
【0313】
本発明のプロセスは、プラスチックへのUV硬化性被覆、印刷インキ、接着剤の接着性の改善に関して、特に着色被覆の接着に関して、特に有利であることが判明した。例えば、高い吸収を示す黒色印刷インキでも、例えば、着色した厚い強力接着性被覆層を製造することができる。
【0314】
更に、本発明のプロセスは、有機及び無機基体への構造化可能な金属被覆の接着性を改善するために使用することができる。
【0315】
以下の実施例により本発明を更に説明する。説明の残りの部分及び請求の範囲と同様に、特に断りない限り、部及び百分率は重量に関する。4個以上の炭素原子を有するアルキル又はアルコキシラジカルが、その異性体型に関する指示なく言及される場合、そのデータは、それぞれn−異性体に関する。
【0316】
実施例1:リチウム(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニル−ホスフィンの調製
【0317】
【化48】

【0318】
アルゴン下で防湿しながら、リチウム14.0g(2.0mol)を室温でテトラヒドロフラン250ml中に導入した。20〜25℃で、撹拌しながら、ジクロロフェニルホスフィン44.8g(0.25mol)を滴下により加えた。次にナフタレン1.25gを加え、4時間の撹拌後、この赤色の溶液を、防湿しながら保護ガスとしてアルゴン下、フリット(多孔度G2)により三つ口丸底フラスコ中に濾過した。室温で、撹拌及び冷却しながら、塩化2,4,6−トリメチルベンゾイル47.2g(0.258mol)を30分以内に滴下により加えた。2時間の撹拌後、テトラヒドロフラン中の赤色の溶液の形で標題化合物を得た。(31P−NMRのシフト:98.4ppm)
【0319】
実施例2:2,4,6−トリメチルベンゾイル−アリル−フェニル−ホスフィンオキシドの調製
【0320】
【化49】

【0321】
20〜30℃で、臭化アリル6.05g(0.05mol)を、実施例1で得られた溶液35ml(0.022mol)に20分以内に滴下により加えた。2時間の撹拌後、この橙色の反応懸濁液を、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。残渣をトルエン50mlにとって、30%過酸化水素5.7g(0.05mol)を加えた。20〜30℃で2時間の撹拌後、反応が終了した。この反応乳濁液を水中に注ぎ入れ、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥して濾過した。濾液を、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。残渣をシリカゲルで精製して、高真空下乾燥した。帯黄色の油状物の形で標題化合物を得た。
【0322】
【表1】

【0323】
実施例3〜5:
実施例3〜5の化合物は、実施例1の化合物をそれぞれ以下の表に指示される出発物質と反応させて、実施例2に記載された方法と同様に調製した。本化合物及びその物性データは、下記表1に示した。
【0324】
【表2】

【0325】
実施例6:リチウム(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−イソブチル−ホスフィンの調製
【0326】
【化50】

【0327】
1.6Mブチルリチウム34.4ml(0.055mol、+10%)を、テトラヒドロフラン30ml中のイソブチルフェニルホスフィン(トルエン中50%溶液)4.5g(0.025mol)に0〜10℃で滴下によりゆっくり加えた。次に、温度を変化させずに、塩化2,4,6−トリメチルベンゾイル4.6g(0.025mol)を滴下により加えた。室温に加熱後、橙色の懸濁液の形で標題化合物を得た(31P−NMR:50ppm)。
【0328】
実施例7:リチウム(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−(2,4,4−トリメチルペンチル)−ホスフィンの調製
【0329】
【化51】

【0330】
本化合物は、イソブチルフェニルホスフィンを2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンに置き換えることにより、実施例6に記載された方法と同様に得た(31P−NMR:49.2ppm)。
【0331】
実施例8:2,4,6−トリメチルベンゾイル−イソブチル−アリル−ホスフィンオキシドの調製
【0332】
【化52】

【0333】
臭化アリル3.03g(0.025mol)を、実施例6により得られたリチウム(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−イソブチル−ホスフィンの懸濁液に室温で滴下によりゆっくり加えた。室温で1時間の撹拌後、この橙色の反応懸濁液を、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。残渣をトルエン50mlにとって、30%過酸化水素4.2g(0.0375mol)を加えた。20〜30℃で2時間の撹拌後、反応が終了した。この反応乳濁液を水中に注ぎ入れ、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、次に硫酸マグネシウムで乾燥して濾過した。濾液を、ロータリーエバポレーターを用いて濃縮した。残渣をシリカゲルで精製して、高真空下で乾燥した。黄色の粘性油の形で標題化合物を得た。
【0334】
【表3】

【0335】
実施例9:2,4,6−トリメチルベンゾイル−(2,4,4−トリメチルフェニル)−アリル−ホスフィンオキシドの調製
【0336】
【化53】

【0337】
実施例9の化合物は、出発物質として実施例7に記載された化合物及び臭化アリルを用いて、実施例8に記載された方法と同様に得た。
【0338】
【表4】

【0339】
実施例10:フェニル−亜ホスホン酸ジ−2−アリルオキシエチルエステルの調製
【0340】
【化54】

【0341】
ジクロロフェニルホスフィン40g(0.22mol)、N,N−ジメチルアニリン56.87g(0.47mol)及び2−アリルオキシエタノール39.38g(0.45mol)を、ジエチルエーテル150ml中に導入して、還流温度で一晩沸騰させた。室温に冷却後、濾過を行い、濾液をクロマトグラフィーにより精製した。無色の液体の形で標題化合物を得た。
【0342】
実施例11及び12:
実施例11及び12の化合物は、実施例10に記載された方法と同様に得た。化合物は、表2に示した。
【0343】
【表5】

【0344】
実施例13:フェニル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−亜リン酸2−ビニルオキシ−エチルエステルとフェニル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ホスホン酸ビニルエステルとの混合物の調製
【0345】
【化55】

【0346】
アルゴン下、トルエン50mlに溶解した2,4,6−トリメチル安息香酸塩化物40.82g(0.22mol)を、トルエン150ml中のフェニル−亜ホスホン酸ジ−2−ビニルオキシ−エチルエステル40g(0.22mol)に80℃で30分以内に滴下により加えた。この反応溶液を80℃で18時間撹拌し、冷却して、K2CO3水溶液中に注ぎ入れた。有機相を分離して、水で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥して、ロータリーエバポレーターを用いる溶媒の留去により濃縮した。粗生成物をシリカゲルのクロマトグラフィーに付して、帯黄色の油状物の形で、4:1の比(1H−NMRによる)のフェニル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)亜リン酸2−ビニルオキシ−エチルエステル及びフェニル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスホン酸ビニルエステルよりなる混合物として、生成物を単離した。
【0347】
【表6】

【0348】
実施例14〜15:
実施例14及び15の化合物は、2,4,6−トリメチル安息香酸塩化物及び表2に指示されるそれぞれの出発物質から、実施例10に記載された方法と同様に調製した。本化合物及び物性データは、以下の表3に示した。
【0349】
【表7】

【0350】
実施例16:青色印刷インキの接着性
ポリプロピレンのフィルム(PPペンタプロップ(PP Pantaprop))を5×10-2mbarで約1秒間アルゴン/O2プラズマ(30sccm:6sccm)処理した。このプラズマを切って、圧力を5×10-5mbarまで低下させた。プラズマチャンバーでは、加熱可能なるつぼ中で1回の試験に実施例5からの光開始剤が100℃で気化し、別の例では、実施例3からの光開始剤が85℃で約2〜3分間気化したが、各場合に約20nmの層厚さが得られた。この厚さは、市販の水晶振動子を利用して測定した。
【0351】
放射線硬化性青色印刷インキ(UV−テンプ43Y000239(UV-Temp 43 Y 000 239)、ホストマン・スタインバーグ(Hostmann Steinberg))を、約2μmの層厚さで前処理した基体に適用した。硬化は、30m/分のベルト速度でフュージョンH灯(Fusion H lamp)(120W/cm)を用いる曝露により達成した。接着性は、硬化した配合に適用した接着テープ片のクロスカット及び引き裂きにより試験した(クロスカット試験;CC試験)。
【0352】
前処理していない試料では接着性が得られなかったが、使用した両方の光開始剤で前処理した基体では良好な接着性が達成された。
【0353】
実施例17:青色印刷インキの接着性
ポリプロピレンフィルムを実施例16に記載されたように前処理し、実施例5の光開始剤を使用した。印刷インキの適用の前に、処理フィルムを30日間貯蔵し、次に印刷インキでコーティングして、実施例16に記載されたように試験した。この場合にも良好な接着性が達成された。
【0354】
実施例18:青色印刷インキの接着性
ポリプロピレンのフィルム(PPペンタプロップ1l/0000621H2、250μm、クレックナー・ペナタプラスト(Kloeckner Penataplast))を20m/分の速度及び100Wの出力で3回コロナ処理に付して、次に6μmワイヤーバーを用いて、イソプロパノール中の実施例3からの1%の開始剤及び1%のトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸トリアクリル酸エステルの溶液でコーティングした。乾燥後、フィルムを、15m/分のベルト速度でフュージョンH灯(120W/cm)を用いて曝露した。UV硬化性青色オフセット印刷インキ(シクラプラスト770(Sicura Plast 770)、SICPA)の約1〜2μm厚さの層を、オレンジ−プルーファー(Orange-Proofer)(IGT試験システムズ(IGT Testing Systems))を用いて500Nの印刷力(printing force)で、生じた処理フィルム上に印刷した。この層を、15m/分のベルト速度でフュージョンH灯(120W/cm)を用いて硬化した。処理フィルムに関するクロスカット試験の評価によって、0のCC値(剥離なし)が得られたが、一方単にコロナ処理した試料は、1のCC値であり、そして非処理フィルムは、5のCC値(完全な剥離)であった。
【0355】
実施例19:
PPフィルム(レーヨフェース(Rayoface)ポリプロピレンフィルム58μm、UCB)を、50m/分の速度及び1000Wの出力でコロナ処理に付して、次に6μmワイヤーバーを用いて、イソプロパノール中の実施例3の1%の開始剤及び1%のトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸トリアクリル酸エステルの溶液でコーティングした。乾燥後、フィルムを、15m/分のベルト速度でフュージョンH灯(120W/cm)を用いて曝露した。UV硬化性青色オフセット印刷インキ(シクラプラスト770、SICPA)の約1〜2μm厚さの層を、オレンジ−プルーファー(IGT試験システムズ)を用いて500Nの印刷力で、生じた処理フィルム上に印刷した。この層を、15m/分のベルト速度でフュージョンH灯(120W/cm)を用いて硬化した。処理フィルムに関するクロスカット試験の評価によって、0のCC値(剥離なし)が得られたが、一方単にコロナ処理した試料は、4〜5のCC値であり、そして非処理フィルムは、5のCC値(完全な剥離)であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無機又は有機基体上の強力接着性被覆の製造方法であって、
a)無機又は有機基体上に、低温プラズマ処理、コロナ放電処理又は火炎処理を行い、
b)無機又は有機基体上に、1つ以上の光開始剤、又は光開始剤と少なくとも1個のエチレン性不飽和基を含むモノマー若しくは/及びオリゴマーとの混合物、あるいは前述の物質の溶液、懸濁液又は乳濁液を適用し、そして場合により
c)適切な方法を用いて、これら前述の物質を乾燥するか、かつ/又は電磁波で照射し、そして
光開始剤として少なくとも1つの式(I)、(II)、(III)及び/又は(IV):
【化1】


[式中、
IN及びIN1は、それぞれ他と独立に、モノアシルホスフィン、モノアシルホスフィンオキシド又はモノアシルホスフィンスルフィド光開始剤基であり;
L、L1及びL2は、それぞれ他と独立に、単結合又はスペーサー基であり;
RGは、少なくとも1個のエチレン性不飽和なC=C結合を有する1価ラジカルであり;そして
RG1及びRG2は、それぞれ他と独立に、少なくとも1個のエチレン性不飽和なC=C結合を有する2価ラジカルである]で示される化合物を使用する方法。
【請求項2】
無機又は有機基体上の強力接着性被覆の製造方法であって、
a)無機又は有機基体上に、低温プラズマ処理、コロナ放電処理又は火炎処理を行い、
b)無機又は有機基体上に、1つ以上の式(I)、(II)、(III)及び/若しくは(IV)の光開始剤、又はこのような光開始剤と少なくとも1個のエチレン性不飽和基を含むモノマー若しくは/及びオリゴマーとの混合物、あるいは前述の物質の溶液、懸濁液又は乳濁液を適用し、場合により
c)適切な方法を用いて、これら前述の物質を乾燥するか、かつ/又は電磁波で照射し、そして
d1)こうして光開始剤でプレコーティングした基体を、少なくとも1つのエチレン不飽和モノマー又はオリゴマーを含む組成物でコーティングし、そしてこの被覆をUV/VIS線又は電子ビームを用いて硬化させるか;又は
d2)こうして光開始剤でプレコーティングした基体を、印刷インキでコーティングして乾燥するか;又は
d3)金属、半金属、金属酸化物又は半金属酸化物を、こうして光開始剤でプレコーティングした基体上に気相から堆積させる方法。
【請求項3】
式(I)、(II)、(III)及び(IV)の化合物において、
IN及びIN1が、それぞれ他と独立に、下記式:
【化2】


[式中、
Eは、O又はSであり;
xは、0又は1であり;
Aは、下記式:
【化3】


で示される基、シクロペンチル、シクロヘキシル、ナフチル、ビフェニリル、アントリル又はO−、S−若しくはN−含有5員若しくは6員複素環(ここで、ラジカル:シクロペンチル、シクロヘキシル、ナフチル、ビフェニリル、アントリル又はO−、S−若しくはN−含有5員若しくは6員複素環は、非置換であるか、又はハロゲン、C1−C4アルキル若しくはC1−C4アルコキシにより置換されている)であり;
1及びR2は、それぞれ他と独立に、C1−C24アルキル、OR11、CF3又はハロゲンであり;
3、R4及びR5は、それぞれ他と独立に、水素、C1−C24アルキル、OR11又はハロゲンであるか;あるいは
ラジカル:R1、R2、R3、R4又はR5のうち2個は、一緒になって、C2−C12アルキレン(中断されていないか、又は1個以上のO、S若しくはNR14により中断されている)であり;
Rは、C1−C24アルキル(非置換であるか、又はC3−C24シクロアルキル、C3−C24シクロアルケニル、フェニル、CN、C(O)R11、C(O)OR11、C(O)N(R142、OC(O)R11、OC(O)OR11、N(R14)C(O)N(R14)、OC(O)NR14、N(R14)C(O)OR11、ハロゲン、OR11、SR11若しくはN(R12)(R13)により置換されている)であるか;あるいは
Rは、C2−C24アルキル(不連続のO又はSにより1回以上中断されており、そして非置換であるか、又はフェニル、OR11、CN、C(O)R11、C(O)OR11若しくはC(O)N(R142により置換されている)であるか;あるいは
Rは、C2−C24アルケニル(中断されていないか、又は不連続のOにより1回以上中断されており、そして非置換であるか、又はOR11若しくはC1−C12アルキルにより置換されている)であるか;あるいは
Rは、C5−C24シクロアルケニル(中断されていないか、又は不連続のO、S若しくはNR14により1回以上中断されており、そして非置換であるか、又はOR11若しくはC1−C12アルキルにより置換されている)であるか;あるいは
Rは、C7−C24アリールアルキル(非置換であるか、又はアリールラジカルでC1−C12アルキル若しくはC1−C12アルコキシにより置換されている)であるか;あるいは
Rは、C4−C24シクロアルキル(中断されていないか、又は不連続のO、S若しくはNR14により1回以上中断されており、そして非置換であるか、又はOR11若しくはC1−C12アルキルにより置換されている)であるか;あるいは
Rは、下記式:
【化4】


で示される基、C8−C24アリールシクロアルキル又はC8−C24アリールシクロアルケニルであり;
6、R7、R8、R9及びR10は、それぞれ他と独立に、水素、C1−C24アルキル(非置換であるか、又はSR11、N(R12)(R13)、OR11若しくはフェニルにより置換されている)であるか;あるいはR6、R7、R8、R9及びR10は、C2−C24アルキル(不連続のOにより1回以上中断されており、そして非置換であるか、又はSR11、N(R12)(R13)、OR11若しくはフェニルにより置換されている)であるか;あるいはR6、R7、R8、R9及びR10は、SR11、N(R12)(R13)、OR11、フェニル又はハロゲンであり;
11は、水素、C1−C20アルキル、C2−C20アルケニル、C3−C8シクロアルキル、ベンジルであるか;あるいはR11は、Oにより1回以上中断されているC2−C20アルキル又はOにより1回以上中断されているC2−C20アルケニルであるか;あるいはR11は、フェニル(非置換であるか、又はC1−C4アルキル若しくはC1−C4アルコキシにより置換されている)であり;
12及びR13は、それぞれ他と独立に、水素、C1−C20アルキル、C2−C20アルケニル、C3−C8シクロアルキル又はベンジルであるか;あるいはR12及びR13は、Oにより1回以上中断されているC2−C20アルキル又はOにより1回以上中断されているC2−C20アルケニルであるか;あるいはR12及びR13は、フェニル(非置換であるか、又はC1−C4アルキル若しくはC1−C4アルコキシにより置換されている)であるか;あるいはR12及びR13は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、5員又は6員環(中断されていないか、又はO若しくはNR14により中断されている)を形成し;
14は、水素、C1−C12アルキル;フェニル(非置換であるか、又はC1−C4アルキル若しくはC1−C4アルコキシにより置換されている)、又はベンジル(非置換であるか、又はC1−C4アルキル若しくはC1−C4アルコキシにより置換されている)であるか;あるいはR14は、Oにより1回以上中断されているC2−C12アルキルであり;
Lは、−Z−[(A1a−Y]c−[(A2b−X]d−ラジカルであり;
X、Y及びZは、それぞれ他と独立に、単結合、−O−、−S−、−N(R16)−、−(CO)−、−(CO)O−、−(CO)N(R16)−、−O−(CO)−、−N(R16)−(CO)−又は−N(R16)−(CO)O−であり;
1及びA2は、それぞれ他と独立に、C1−C12アルキレン、C3−C12シクロアルキレン、フェニレン、フェニレン−C1−C4アルキレン又はC1−C4アルキレン−フェニレン−C1−C4アルキレンであり;
a、b、c及びdは、それぞれ他と独立に、0〜4の数であり;そして
16は、水素、C1−C12アルキル又はフェニルである]で示される基であり、
RGが、−RdC=CRefラジカルであり;
RG1及びRG2が、それぞれ他と独立に、−RdC=CRe−又は下記式:
【化5】


で示される基であり;そして
d、Re及びRfは、それぞれ他と独立に、水素、C1−C4アルキル、フェニル、(CO)O−(C1−C4アルキル)又はC1−C4アルキルフェニルである、請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の方法。
【請求項4】
式(I)の化合物が使用される、請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
式(I)、(II)、(III)及び/又は(IV)の化合物に加えて、更に別の光開始剤(p)が使用される、請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
更に別の光開始剤(p)が、式(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)又は/及び(XI):
【化6】


[式中、
29は、水素又はC1−C18アルコキシであり;
30は、水素、C1−C18アルキル、C1−C18アルコキシ、−OCH2CH2−OR47、モルホリノ、SCH3、又は下記式:
【化7】


で示される基であり;
a、b及びcは、平均3であり;
nは、2〜10の値であり;
3及びG4は、それぞれ他と独立に、ポリマー単位の末端基、特に水素又はCH3であり;
31は、ヒドロキシ、C1−C16アルコキシ、モルホリノ、ジメチルアミノ又は−O(CH2CH2O)m−C1−C16アルキルであり;
32及びR33は、それぞれ他と独立に、水素、C1−C6アルキル、C1−C16アルコキシ又は−O(CH2CH2O)m−C1−C16アルキルであるか;あるいはR32及びR33は、フェニル又はベンジル(これらのラジカルは、非置換であるか、又はC1−C12アルキルにより置換されている)であるか;あるいはR32及びR33は、これらが結合している炭素原子と一緒になって、シクロヘキシル環を形成し;
mは、1〜20の数であるが;しかし
31、R32及びR33は、全部が同時にC1−C16アルコキシ又は−O(CH2CH2O)m−C1−C16アルキルではなく;
47は、水素、下記式:
【化8】


で示される基であり;
34、R36、R37及びR38は、それぞれ他と独立に、水素又はメチルであり;
35及びR39は、水素、メチル又はフェニルチオ(ここで、フェニルチオラジカルのフェニル環は、非置換であるか、又は4−、2−、2,4−若しくは2,4,6−位においてC1−C4アルキルにより置換されている)であり;
40及びR41は、それぞれ他と独立に、C1−C20アルキル、シクロヘキシル、シクロペンチル、フェニル、ナフチル又はビフェニリル(これらのラジカルは、非置換であるか、又はハロゲン、C1−C12アルキル、C1−C12アルコキシ、C1−C12アルキルチオ若しくはNR5253により置換されている)であるか、あるいはR40及びR41は、S−若しくはN−含有5員若しくは6員複素環又は−(CO)R42であり;
42は、シクロヘキシル、シクロペンチル、フェニル、ナフチル又はビフェニリル(これらのラジカルは、非置換であるか、又はハロゲン、C1−C4アルキル若しくは/及びC1−C4アルコキシにより置換されている)であるか、あるいはR42は、S−又はN−含有5員又は6員複素環であり;
43及びR44は、それぞれ他と独立に、シクロペンタジエニル(非置換であるか、又はC1−C18アルキル、C1−C18アルコキシ、シクロペンチル、シクロヘキシル若しくはハロゲンにより、単−、二−若しくは三置換されている)であり;
45及びR46は、それぞれ他と独立にフェニル(チタン−炭素結合に対してオルトの2つの位置の少なくとも一方において、フッ素原子又はCF3により置換されており、そして芳香環の更に別の置換基として、ポリオキサアルキル又はピロリニル(非置換であるか、又は1個若しくは2個のC1−C12アルキル、ジ(C1−C12アルキル)アミノメチル、モルホリノメチル、C2−C4アルケニル、メトキシメチル、エトキシメチル、トリメチルシリル、ホルミル、メトキシ若しくはフェニル置換基により置換されている)を含んでいてもよい)であるか;あるいは
45及びR46は、下記式:
【化9】


で示される基であり;
48、R49及びR50は、それぞれ他と独立に、水素、ハロゲン、C2−C12アルケニル、C1−C12アルコキシ、1〜4個のO原子により中断されているC2−C12アルコキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロペンチルオキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、又はフェニル若しくはビフェニリル(それぞれ非置換であるか、又はC1−C4アルコキシ、ハロゲン、フェニルチオ若しくはC1−C4アルキルチオにより置換されている)であり;ここで
48及びR50は、両方同時に水素ではなく、かつ下記式:
【化10】


で示されるラジカルにおいて、少なくとも1個のラジカル:R48又はR50は、C1−C12アルコキシ、1〜4個のO原子により中断されているC2−C12アルコキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロペンチルオキシ、フェノキシ又はベンジルオキシであり;
5は、O、S又はNR51であり;そして
51は、C1−C8アルキル、フェニル又はシクロヘキシルであり;
52及びR53は、それぞれ他と独立に、水素;C1−C12アルキル(中断されていないか、又はO原子により中断されており、そして非置換であるか、又はOH若しくはSHにより置換されている)であるか;あるいはR52及びR53は、C2−C12アルケニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ベンジル、フェニルであり;
54は、水素、C1−C12アルキル又は下記式:
【化11】


で示される基であり;
55、R56、R57、R58及びR59は、それぞれ他と独立に、水素;C1−C12アルキル(非置換であるか、又はOH、C1−C4アルコキシ、フェニル、ナフチル、ハロゲン若しくはCNにより置換されており、そして1個以上のO原子により中断されていてもよい)であるか;あるいはR55、R56、R57、R58及びR59は、C1−C4アルコキシ、C1−C4アルキルチオ又はNR5253であり;
1は、2価の脂肪族又は芳香族ラジカル、特にC1−C12アルキレンであり;
xは、0又は1であり;
60は、フェニル、ナフチル、又はxが0であるとき、9H−カルバゾール−3−イル、若しくは(9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)−(これらのラジカルは全て、非置換であるか、又は1個以上のSR63、OR64、NR5253、ハロゲン、C1−C12アルキル、フェニル、ベンジル、−(CO)−C1−C4アルキル、−(CO)−フェニル若しくは−(CO)−フェニレン−C1−C4アルキル置換基により置換されている)であり;
61は、C4−C9シクロアルカノイル;C1−C12アルカノイル(非置換であるか、又は1個以上のハロゲン、フェニル若しくはCN置換基により置換されている)であるか;あるいはR61は、C4−C6アルケノイル(ただし、二重結合は、カルボニル基と共役していない)であるか;あるいはR61は、ベンゾイル(非置換であるか、又は1個以上のC1−C6アルキル、ハロゲン、CN、OR64、SR63若しくはNR5253置換基により置換されている)であるか;あるいはR61は、C2−C6アルコキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル;又はフェノキシカルボニル(非置換であるか、又は1個以上のC1−C6アルキル若しくはハロゲン置換基により置換されている)であり;
62は、水素、フェニル又はベンゾイル(フェニル及びベンゾイルラジカルは、非置換であるか、又はC1−C6アルキル、フェニル、ハロゲン、OR64、SR63若しくはNR5253により置換されている)であるか;あるいはR62は、C1−C20アルキル又はC2−C12アルコキシカルボニル(C1−C20アルキル及びC2−C12アルコキシカルボニルラジカルは、非置換であるか、又はOHにより置換されており、そして中断されていないか、又は1個以上のO原子により中断されている)であるか;あるいはR62は、C2−C20アルカノイル、ベンジル、ベンジル−(CO)−、C1−C6アルキル−SO2−又はフェニル−SO2−であり;
63及びR64は、それぞれ他と独立に、水素又はC1−C12アルキル(非置換であるか、又はOH、SH、CN、フェニル、(CO)O−C1−C4アルキル、O(CO)−C1−C4アルキル、COOH、O(CO)−フェニルにより置換されており、そしてこのような非置換又は置換C1−C12アルキルは、1個以上のO原子により中断されていてもよい)であるか;あるいはR63及びR64は、シクロヘキシル、又はフェニル(非置換であるか、又はC1−C12アルキル、C1−C12アルコキシ若しくはハロゲンにより置換されている)、若しくはフェニル−C1−C3アルキルであり;
65、R66及びR67は、それぞれ他と独立に、水素、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、C1−C4アルコキシ、塩素又はN(C1−C4アルキル)2であり;
68は、水素、C1−C4アルキル、C1−C4ハロアルキル、フェニル、N(C1−C4アルキル)2、COOCH3、下記式:
【化12】


で示される基であるか;あるいはR68及びR67は、一緒になって−S−である]で示される化合物である、請求項5記載の方法。
【請求項7】
式(I)、(II)(III)及び/又は(IV)の光開始剤、あるいはモノマー又はオリゴマーとのその混合物を、1つ以上の液体(溶媒又は水など)と組合せて、溶液、懸濁液及び乳濁液の形で使用する、前請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
工程d1)において、少なくとも1つのエチレン不飽和モノマー又は/及びオリゴマーと、少なくとも1つの光開始剤及び/又は共開始剤とを含むことを特徴とする光重合組成物を、前処理した基体に適用し、UV/VIS線を用いて硬化させる、請求項2記載の方法。
【請求項9】
プラズマガスとして、不活性ガス、又は不活性ガスと反応性ガスの混合物が使用される、請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
空気、H2、CO2、He、Ar、Kr、Xe、N2、O2又はH2Oが、単独で、又は混合物の形で使用される、請求項9記載の方法。
【請求項11】
適用される光開始剤層が、500nm以下、好ましくは単分子層から200nm以下の層厚さである、請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
工程b)が、工程a)の直後か、又は工程a)後24時間以内に行われる、請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
工程b)において光開始剤(単数又は複数)の濃度が、0.01〜99.5%、好ましくは0.1〜80%である、請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
工程c)が、工程b)の直後か、又は工程b)後24時間以内に行われる、請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
工程c)の乾燥が、オーブン中で、温風、熱ローラー又はIR若しくはマイクロ波放射器により、あるいは吸収により行われる、請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
工程c)の照射が、200nm〜700nmの範囲の波長を有する電磁波を放射する線源を使用して、又は電子ビームを用いて行われる、請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
工程c)の照射後に架橋しなかった、工程b)で適用された光開始剤、又はモノマー及び/若しくはオリゴマーとのその混合物の一部が、溶媒及び/又は水での処理により、かつ/あるいは機械的に除去される、請求項1記載の方法。
【請求項18】
工程d1)の照射後、被覆の一部が、溶媒及び/又は水での処理により、かつ/あるいは機械的に除去される、請求項2記載の方法。
【請求項19】
前請求項1〜18のいずれか1項記載の方法により得られる、強力接着性被覆。
【請求項20】
前請求項1〜19のいずれか1項記載の方法における、請求項1記載の式(I)、(II)、(III)又は(IV)の化合物の使用。
【請求項21】
式(I')、(II')、(III')又は(IV'):
【化13】


[式中、
IN及びIN1は、それぞれ他と独立に、モノアシルホスフィン、モノアシルホスフィンオキシド又はモノアシルホスフィンスルフィド光開始剤基であり;
Q、Q1及びQ2は、単結合又は式:−Z1−[(A1a−Y]c−[(A2b−X]d−のスペーサー基であり;
X及びYは、それぞれ他と独立に、単結合、−O−、−S−、−N(R16)−、−(CO)−、−(CO)O−、−(CO)N(R16)−、−O−(CO)−、N(R16)−(CO)−又は−N(R16)−(CO)O−であり;
1は、単結合、−S−、−(CO)−、−(CO)O−、−(CO)N(R16)−、−O−(CO)−、N(R16)−(CO)−又は−N(R16)−(CO)O−であり;
1及びA2は、それぞれ他と独立に、C1−C12アルキレン、C3−C12シクロアルキレン、フェニレン、フェニレン−C1−C4アルキレン又はC1−C4アルキレン−フェニレン−C1−C4アルキレンであり;
a、b、c及びdは、それぞれ他と独立に、0〜4の数であり;
16は、水素、C1−C12アルキル又はフェニルであり;
RGは、少なくとも1個のエチレン性不飽和なC=C結合を有する1価ラジカルであり;そして
RG1及びRG2は、それぞれ他と独立に、少なくとも1個のエチレン性不飽和なC=C結合を有する2価ラジカルである(ただし、
スペーサー基Qがメチレンであり、同時にRGがビニルである式(I)の化合物、及びスペーサー基Qが単結合であり、同時にRGがアリルである式(I)の化合物は、除外され;そして
1が−O(CO)−であり、a及びcが0でなく、そして同時にA1が単結合でないとき)]で示される化合物。

【公表番号】特表2007−506550(P2007−506550A)
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−530197(P2006−530197)
【出願日】平成16年5月14日(2004.5.14)
【国際出願番号】PCT/EP2004/050806
【国際公開番号】WO2004/103580
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(396023948)チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Specialty Chemicals Holding Inc.
【Fターム(参考)】