説明

強力接着被覆

本発明は、接着促進剤として、少なくとも1つのコポリマー又はオリゴマーを含む強力な接着被覆組成物に関し、ここで、コポリマー又はオリゴマーは、アクリレート及びアクリルアミドモノマーからなる群より選択される少なくとも1つのモノマー、アミン含有エチレン性不飽和モノマーからなる群より選択される少なくとも1つのモノマー、エチレン性不飽和会合モノマーからなる群より選択される少なくとも1つのモノマー及びポリオールのポリアクリレートからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーから誘導されるモノマー単位を含む。コポリマー又はコオリゴマーのアミン部位は、被覆配合物をフィルムキャストする前に、酸により少なくとも部分的に中和されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接着促進剤として少なくとも1つのコポリマー又はコオリゴマーを含む強力接着被覆組成物を提供し、ここでコポリマー又はコオリゴマーは、アクリレート及びアクリルアミドモノマーからなる群より選択される少なくとも1つのモノマー、アミン含有エチレン性不飽和モノマーからなる群より選択される少なくとも1つのモノマー、エチレン性不飽和会合性モノマーからなる群より選択される少なくとも1つのモノマー及びポリオールのポリアクリレートからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーから誘導されるモノマー単位を含む。コポリマー又はコオリゴマーのアミン部位は、被覆配合物をフィルムキャストする前に、酸により少なくとも部分的に中和されている。
【0002】
本発明は、前記コポリマー又はコオリゴマーの混和によって被覆又は他のポリマー基材の接着を改善する方法も提供する。特定の場合において、中和酸は、被覆の硬化又は乾燥の際に除去される。
【0003】
本発明のコポリマー又はコオリゴマーは、被覆層の調製における接着促進剤として(そのような層は、例えば、保護層、特定のインク受容層、トナー受容層、重ね刷り用ワニス、下塗り層、若しくは多層物品の中間層である)、2つの層を一緒に保持する接着層における接着促進剤として、又は印刷若しくは電子写真で見出される特定のインク若しくはトナーにおける接着促進剤として有用である。
【0004】
背景技術
多様な基材、例えば、ガラス、プラスチック又は金属に対する多くの被覆化学の固有の接着力は、多くの技術用途において不十分であることが証明されている。このことは、幾つかの場合において、被覆と基材の間に良好な結合を得ることができる下塗りを使用する原因となってきた。
【0005】
例えば、"Silane Coupling Agents", Plueddemann et al, Plenum Press, New York (1982)において、アミノアルキル−アルコキシシランが、ポリウレタンに適した下塗りとして提案されている。
【0006】
EP164520において、多様な改質アミノシラン、例えば、アミノアルキルシランのケチミン及びアルジミンが、ポリウレタン接着剤に加えて提案されており、ポリウレタン接着剤の保存安定性を損なわないことが見出されている。
【0007】
有機及び無機金属化基材に対する被覆(例えば、仕上げ塗装、塗料、印刷インキ又は接着剤)の接着特性も、しばしば不十分である。そのために、満足のいく結果を得るために追加の処理が実施される。
【0008】
接着力は、被覆される基材をプラズマ処理又はコロナ処理に暴露し、次にそれらを被覆することにより改善することができ、これらの2つの操作の間に、例えば、アクリレートモノマーを用いるグラフトプロセスを実施することが可能である(J. Polym. Sci., Part A: Polym. Chem. 31, 1307-1314 (1993))。
【0009】
例えば、H. Biederman, Y. Osada "Plasma Polymerization Processes" in "Plasma technology 3" edited by L. Holland, Elsevier, Amsterdam 1992のように、プラズマでは、ポリマー層の付着をもたらす重合を実施することも可能であり、下塗りとして使用することができる。
【0010】
WO00/24527は、真空下での光開始剤の即時の蒸着及びグラフトによる基材のプラズマ処理を開示する。しかし欠点は、蒸着は真空装置の使用を必要とすること、付着速度が低いのであまり効率的ではないこと、及び高い処理量を有する産業用途には適切ではないことである。PCT特許出願EP03/00780が同様のプロセスを開示する。
【0011】
容易に実施することができ、装置及び材料に関して高価過ぎない、ポリマー、ガラス及び金属化基材のような基材へのインクを含む被覆及び積層品の良好な接着をもたらし、それによってこれらの基材の後被覆が改善される組成物及び方法の必要性が、当該技術において存在する。
【0012】
同時継続米国特許出願第20050032931号(その全体が参照として本明細書に組み込まれる)は、a)アクリレート及びアクリルアミドから誘導される少なくとも1つのモノマー単位、b)少なくとも1つのアミン含有エチレン性不飽和モノマー、及びc)ポリオールのポリアクリレートから誘導される少なくとも1つのモノマー、及び場合によりd)エチレン性不飽和会合性モノマーを含む、中和された又は部分的に中和されたコポリマーを含むインクジェット記録媒体を開示する。
【0013】
前記の4つのモノマーの部類a)、b)、c)及びd)のそれぞれからの少なくとも1つのモノマーを含有するコポリマーは、多様な基材への被覆のより良好な接着を可能にするのに有効な接着促進剤であることが見出されている。特に、前記のコポリマーを含む被覆は、例えばポリマー基材に対して良好な接着を示す。そのような被覆は、塗料又はインクにより後被覆される下塗り層として非常に有効である。本発明の文脈において、インクは、特定の種類の被覆と見なされる。
【0014】
発明の開示
特に良好な接着力を有する被覆組成物は、接着促進剤として特定のコポリマー又はコオリゴマーを中に混和することによって得ることができ、ここでコポリマー又はコオリゴマーは、アクリレート及びアクリルアミドモノマーからなる群より選択される少なくとも1つのモノマー、アミン含有エチレン性不飽和モノマーするからなる群より選択される少なくとも1つのモノマー、エチレン性不飽和会合性モノマーからなる群より選択される少なくとも1つのモノマー及びポリオールのポリアクリレートからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーから誘導されるモノマー単位を含む。コポリマー又はコオリゴマーのアミン部位は、被覆配合物を適用する前に、酸により少なくとも部分的に中和されている。
【0015】
得られた被覆は、有機及び無機基材に対して驚くほど良好な接着を示し、保存又は日光への暴露の後でさえも、感知できるほどの劣化を被ることはない。
【0016】
本発明のコポリマー又はコオリゴマーはフリーラジカル重合技術で調製され、この技術は、当業者にはよく知られている。例えば、本発明のコポリマー又はコオリゴマーは、米国公開特許出願第2002/0127376号に記載されている方法により調製されるエマルションコポリマー又はコオリゴマーであり、この開示は参照として本明細書に組み込まれる。
【0017】
本発明のコポリマー又はコオリゴマーは、米国公開特許出願2005/0032931(米国特許出願第10/890,449号)のように、基材への適用の前に酸により少なくとも部分的に中和されている。このpH調整又は「酸との組み合わせ」又は「酸による中和」又は「酸の添加」は、配合の任意の段階で実施することができる。例えば、酸による中和は、コポリマー又はコオリゴマーの調製、又は被覆の配合の際に実施される。酸は、コポリマー又はコオリゴマーのアミン部位を部分的に又は完全に中和する。
【0018】
有利には、酸、例えば、ギ酸又は酢酸を、硬化又は乾燥の際に被覆から除去することができる。乾燥は、例えば、加熱して又は周囲温度で実施される。硬化は、乾燥の当然の結果として生じることができるか、又は熱処理若しくは紫外線への暴露により生じることができる。
【0019】
発明を実施するための最良の形態
本発明は、アクリレート及びアクリルアミドモノマーからなる群より選択される少なくとも1つのモノマー、アミン含有エチレン性不飽和モノマーからなる群より選択される少なくとも1つのモノマー、エチレン性不飽和会合性モノマーからなる群より選択される少なくとも1つのモノマー及びポリオールのポリアクリレートからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーから誘導されるモノマー単位を含む少なくとも1つのコポリマー又はコオリゴマーを、接着促進剤として含む、硬化又は未硬化の強力接着被覆組成物を提供する。
【0020】
本発明は、アクリレート及びアクリルアミドモノマーからなる群より選択される少なくとも1つのモノマー、アミン含有エチレン性不飽和モノマーからなる群より選択される少なくとも1つのモノマー、エチレン性不飽和会合性モノマーからなる群より選択される少なくとも1つのモノマー及びポリオールのポリアクリレートからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーから誘導されるモノマー単位を含む少なくとも1つのコポリマー又はコオリゴマーを、接着促進剤として含み、前記コポリマー又はコオリゴマーが酸により少なくとも部分的に中和されている、硬化又は未硬化の強力接着被覆組成物も提供する。
【0021】
本発明は、接着促進剤として前記の少なくとも1つのコポリマー又はコオリゴマーを含み、コポリマー又はコオリゴマーが酸により中和又は部分的に中和されていない、硬化された強力接着被覆組成物も提供する。
【0022】
本発明は、基材に対する被覆及び他のポリマー基材の接着を改善する方法であって、前記のコポリマー又はコオリゴマーが被覆又はポリマー配合物に添加され、コポリマー又はコオリゴマーが、基材への適用の前に酸により少なくとも部分的に中和される方法も提供する。
【0023】
本発明は、無機若しくは有機基材、又は無機若しくは有機金属化基材を被覆する方法であって、
a)接着促進剤として上記の少なくとも1つのコポリマー又はコオリゴマーを含む、強力接着被覆組成物を調製すること、
b)コポリマー又はコオリゴマーを、被覆組成物と混和する前に又は混和するときに中和酸により部分的に又は完全に中和すること、
c)部分的に又は完全に中和された配合物を、基材の表面又は2個の基材の間に適用すること、及び
d)被覆配合物を乾燥又は硬化すること
を含む方法も提供する。
【0024】
乾燥又は硬化は、例えば、周囲条件下、真空若しくは減圧下、加熱又は紫外線への暴露により実施される。
【0025】
また提供されるものは、中和酸が乾燥又は硬化の際に部分的に又は完全に除去される、例えば、中和酸が加熱又は真空下で、例えば酢酸又はギ酸の蒸発のように部分的に又は完全に除去される、上記の方法である。
【0026】
中和酸を、被覆が乾燥又は硬化された後、適切な溶媒又は溶液で洗浄することによって除去することもでき、例えば、クエン酸を硬化被覆から洗い流すことができる。
【0027】
中和酸を、被覆が適用、乾燥又は硬化された後、潜塩基のような塩基の存在下で停止させることもできる。例えば、光潜塩基を、被覆の適用、乾燥又は硬化の後で活性化することができる。
【0028】
強力接着被覆組成物は、浸清被覆、噴霧被覆、スピンコート、流し塗り、又ははけ、ローラー若しくは任意の他の適用方法を含むあらゆる従来の方法によって適用される。
【0029】
本発明のコポリマー又はコオリゴマーを、被覆配合物における単一の樹脂として、又は他の樹脂と組み合わせて使用することができる。
【0030】
本発明のコポリマー又はコオリゴマーは、被覆層の調製における接着促進剤として(そのような層は、例えば、保護層、インクジェット受容層以外のインク受容層、トナー受容層、重ね刷り用ワニス、下塗り層、若しくは多層物品の他の中間層である)、2つの層を一緒に保持する接着層における2つの層の間の接着促進剤として、又は印刷若しくは電子写真で見出されるインクジェットインク以外のインク若しくはトナーにおける接着促進剤として有用である。
【0031】
接着促進剤コポリマー又はコオリゴマーを含有する被覆又は層は、それ自体、あらゆる既知の方法によりその上に適用されている追加の層を有することができる。例えば、追加の層又は被覆を適用することができるか、ポリマーフィルム層又は複数の層を適用することができるか、或いは別の無機若しくは有機基材、又は別の無機若しくは有機金属化基材を付着することができる。そのような追加の層又は基材を、本発明の被覆が乾燥又は硬化される前又は後に、適用又は付着することができる。
【0032】
本発明の強力接着被覆は、例えば、保護被覆、インクジェット受容層以外のインク受容層、トナー受容層、重ね刷り用ワニス、2個の基材の間の接着層、下塗り層若しくは被覆、静電気制御被覆、インクジェットインク以外の印刷インク、電子写真若しくはゼログラフィーで見出されるトナー、トナーを受ける表面若しくは別の印刷可能な基材の表面、又は本発明のコポリマー若しくはコオリゴマーが接着力改善のために層に添加されている多層物品若しくは積層品のポリマー層である。
【0033】
被覆される無機又は有機基材は任意の固体形態であることができる。基材は、例えば、熱可塑性、弾性、固有に架橋されている若しくは架橋されているポリマー、セラミック材料、ガラス、金属、皮革、又は織物であってもよい。
【0034】
例えば、無機又は有機基材は、熱可塑性、弾性、固有に架橋されている又は架橋されているポリマーである。
【0035】
熱可塑性、弾性、固有に架橋されている又は架橋されているポリマーの例を下記に提示する。
1.モノ−及びジオレフィンのポリマー、例えば、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリイソプレン又はポリブタジエン、また、シクロオレフィンの重合体(polymerisate)、例えば、シクロペンテン又はノルボルネンの重合体;及びポリエチレン(場合により架橋されうる)、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、高分子量の高密度ポリエチレン(HDPE−HMW)、超高分子量の高密度ポリエチレン(HDPE−UHMW)、中密度ポリエチルン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、(VLDPE)及び(ULDPE)。
前の段落で例として記載されているポリオレフィン、即ちモノオレフィンのポリマー、特にポリエチレン及びポリプロピレンが種々の方法、特に以下の方法により調製できる。
a)フリーラジカル重合(通常高圧及び高温)による方法;
b)触媒を用いる方法であり、触媒は通常1個以上のIVb、Vb、VIb又はVIII族の金属を含有する。これらの金属は、一般に、π−若しくはσ配位のいずれかであることができる、酸化物、ハロゲン化物、アルコラート、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニル及び/又はアリールのような1個以上のリガンドを有する。そのような金属錯体は、担体を持たないか、又は例えば、活性塩化マグネシウム、塩化チタン(III)、酸化アルミニウム又は酸化ケイ素のような担体に固定されている。そのような触媒は、重合媒質において可溶性又は不溶性であることができる。触媒はそれ自体重合において活性であるか、又は更に活性化剤を使用することができ、例えば、アルキル金属、金属水素化物、アルキル金属ハロゲン化物、アルキル金属酸化物又は金属アルキルオキサンであり、前記金属はIa、IIa及び/又はIIIa族の元素である。活性化剤を、例えば、更にエステル、エテール、アミン又はシリルエーテル基により改質することができる。そのような触媒系は、通常、Phillips、Standard Oil Indiana、Ziegler (-Natta)、TNZ (DuPont)、メタロセン又は単一サイト触媒(SSC)と呼ばれる。
2.1)に記載されたポリマーの混合物、例えば、ポリプロピレンとポリイソブチレンの混合物、ポリプロピレンとポリエチレンの混合物(例えば、PP/HDPE、PP/LDPE)及び異なる種類のポリエチレンの混合物(例えば、LDPE/HDPE)。
3.モノオレフィンとジオレフィンの互いのコポリマー又は他のビニルモノマーとのコポリマー、例えば、エチレン/プロピレンコポリマー、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)及び低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン/ブテン−1コポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブテン−1コポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/アクリル酸アルキルコポリマー、エチレン/メタクリル酸アルキルコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー及び一酸化炭素とのコポリマー又はエチレン/アクリル酸コポリマー及びその塩(イオノマー)、またエチレンとプロピレン及びジエンとのターポリマー、例えば、ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン又はエチリデンノルボルネン;またそのようなコポリマーの互いの混合物又は上記の1)に記載のポリマーとの混合物、例えば、ポリプロピレン−エチレン/プロピレンコポリマー、LDPE−エチレン/酢酸ビニルコポリマー、LDPE−エチレン/アクリル酸コポリマー、LLDPE−エチレン/酢酸ビニルコポリマー、LLDPE−エチレン/アクリル酸コポリマー及び交互又はランダム構造ポリアルキレン−一酸化炭素コポリマー及び他のポリマー、例えば、ポリアミドとの混合物。
4.その水素化改質物(例えば、粘着付与剤樹脂)を含む炭化水素樹脂(例えば、C〜C)及びポリアルキレンとデンプンの混合物。
5.ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)。
6.スチレン又はα−メチルスチレンとジエン又はアクリル酸誘導体のコポリマー、例えば、スチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/メタクリル酸アルキル、スチレン/ブタジエン/アクリル酸アルキル、スチレン/ブタジエン/メタクリル酸アルキル、スチレン/無水マレイン酸、スチレン/アクリロニトリル/アクリル酸メチル;スチレンコポリマーと他のポリマーを含有する耐衝撃性混合物、例えば、ポリアクリレート、ジエンポリマー又はエチレン/プロピレン/ジエンターポリマー;またスチレンのブロックコポリマー、例えば、スチレン/ブタジエン/スチレン、スチレン/イソプレン/スチレン、スチレン/エチレン−ブチレン/スチレン又はスチレン/エチレン−プロピレン/スチレン。
7.スチレン又はα−メチルスチレンのグラフトコポリマー、例えば、ポリブタジエン上のスチレン、ポリブタジエン/スチレン又はポリブタジエン/アクリロニトリルコポリマー上のスチレン;ポリブタジエン上のスチレン及びアクリロニトリル(又はメタクリロニトリル);ポリブタジエン上のスチレン、アクリロニトリル及びメタクリル酸メチル;ポリブタジエン上のスチレン及び無水マレイン酸;ポリブタジエン上のスチレン、アクリロニトリル及び無水マレイン酸又はマレイン酸イミド;ポリブタジエン上のスチレン及びマレイン酸イミド;ポリブタジエン上のスチレン及びアクリル酸アルキル又はメタクリル酸アルキル;エチレン/プロピレン/ジエンターポリマー上のスチレン及びアクリロニトリル;アクリル酸ポリアルキル又はメタクリル酸ポリアルキル上のスチレン及びアクリロニトリル;アクリレート/ブタジエンコポリマー上のスチレン及びアクリロニトリル、並びに6)に記載されたコポリマーとの混合物、例えば、いわゆるABS、MBS、ASA又はAESポリマーとして既知のもの。
8.ハロゲン含有ポリマー、例えば、ポリクロロプレン、塩化ゴム、イソブチレン/イソプレンの塩素化及び臭素化コポリマー(ハロブチルゴム)、塩素化又はスルホ塩素化ポリエチレン、エチレンと塩素化エチレンのコポリマー、エピクロロヒドリンホモ−及びコポリマー、特にハロゲン含有ビニル化合物のポリマー、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン;及びそれらのコポリマー、例えば、塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニル又は塩化ビニリデン/酢酸ビニル。
9.α,β−不飽和酸及びその誘導体から誘導されるポリマー、例えば、ポリアクリレート及びポリメタクリレート、又はアクリル酸ブチルにより耐衝撃性を改質した、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリルアミド及びポリアクリロニトリル。
10.9)に記載されたモノマーの互いのコポリマー又は他の不飽和モノマーとのコポリマー、例えば、アクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/アクリル酸アルキルコポリマー、アクリロニトリル/アクリル酸アルコキシアルキルコポリマー、アクリロニトリル/ハロゲン化ビニルコポリマー又はアクリロニトリル/メタクリル酸アルキル/ブタジエンターポリマー。
11.不飽和アルコール及びアミン若しくはそのアシル誘導体又はアセタールから誘導されるポリマー、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルステアレート、ベンゾエート又はマレエート、ポリビニルブチラ−ル、ポリアリルフタレート、ポリアリルメラミン;及びこれらと1に記載されたオレフィンとのコポリマー。
12.環状エーテルのホモ−及びコポリマー、例えば、ポリアルキレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド又はこれらとビスグリシジルエーテルとのコポリマー。
13.ポリアセタール、例えば、ポリオキシメチレン、またコモノマーを含有するポリオキシメチレン、例えば、エチレンオキシド;熱可塑性ポリウレタン、アクリレート又はMBSで改質されているポリセタール。
14.ポリフェニレンオキシド及びスルフィド、並びにこれらとスチレンポリマー又はポリアミドとの混合物。
15.一方にヒドロキシル末端基を有し、他方に脂肪族又は芳香族ポリイソシアネートを有するポリエーテル、ポリエステル及びポリブタジエンから誘導されるポリウレタン、並びにその初期生成物。
16.ジアミンとジカルボン酸から及び/又はアミノカルボン酸又は対応するラクタムから誘導されるポリアミド及びコポリアミド、例えば、ポリアミド4、ポリアミド6、ポリアミド6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、ポリアミド11、ポリアミド12、m−キシレン、ジアミン及びアジピン酸から誘導される芳香族ポリアミド;ヘキサメチレンジアミンとイソ−及び/又はテレフタル酸、並びに場合により改質剤としてエラストマーから調製されるポリアミド、例えば、ポリ−2,4,4−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド又はポリ−m−フェニレンイソフタルアミド。上記のポリアミドとポリオレフィン、オレフィンコポリマー、イオノマー又は化学的に結合した若しくはグラフトしたエラストマーとのブロックコポリマー;又はポリエーテル、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール若しくはポリテトラメチレングリコールとのブロックコポリマー。また、EPDM又はABSにより改質されているポリアミド又はコポリアミド;及びプロセス中に縮合されるポリアミド(「RIMポリアミド系」)。
17.ポリ尿素、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリヒダントイン及びポリベンゾイミダゾール。
18.ジカルボン酸とジアルコールから及び/又はヒドロキシカルボン酸又は対応するラクトンから誘導されるポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジメチロールシクロヘキサンテレフタレート、ポリヒドロキシベンゾエート、またヒドロキシ末端基を有するポリエーテルから誘導されるブロックポリエーテルエステル;また、ポリカーボネート又はMBSで改質されているポリエステル。
19.ポリカ−ボネート類及びポリエステルカーボネート類。
20.ポリスルホン、ポリエーテルスルホン及びポリエーテルケトン。
21.一方がアルデヒドから、他方がフェノール、尿素又はメラミンから誘導される架橋ポリマー、例えば、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂及びメラミン−ホルムアルデヒド樹脂。
22.乾燥及び非乾燥アルキド樹脂。
23.飽和及び不飽和ジカルボン酸と多価アルコールのコポリエステルから、また架橋剤としてのビニル化合物から誘導される不飽和ポリエステル樹脂、またそのハロゲン含有難燃性改質物。
24.置換アクリル酸エステルから誘導される架橋アクリル樹脂、例えば、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート又はポリエステルアクリレート。
25.メラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアネート、イソシアヌレート、ポリイソシアネート又はエポキシ樹脂で架橋されているアルキド樹脂、ポリエステル樹脂及びアクリレート樹脂。
26.脂肪族、脂環式、複素環又は芳香族グリシジル化合物から誘導される架橋エポキシ樹脂、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテルの生成物であり、これらは慣用の硬化剤、例えば、無水物又はアミンを使用して、促進剤を用いて、又は用いないで架橋されている。
27.天然ポリマー、例えば、セルロース、天然ゴム、ゼラチン又はこれらの重合体同族的で化学的に改質されている誘導体、例えば、酢酸セルロール、プロピオン酸セルロース及び酪酸セルロース並びにセルロースエーテル、例えば、メチルセルロース;またコロホニウム樹脂及び誘導体。
28.前記ポリマーの混合物(ポリブレンド)、例えば、PP/EPDM、ポリアミド/EPDM若しくはABS、PVC/EVA、PVC/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリレート、POM/熱可塑性PUR、PC/熱可塑性PUR、POM/アクリレート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA6.6及びコポリマー、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO、PBT/PC/ABS又はPBT/PET/PC。
【0036】
熱可塑性、弾性、架橋されている又は固有に架橋されているポリマーは、例えば、ポリオレフィン、熱可塑性ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエステル、又はPVCのようなハロゲン化ビニルポリマーである。
【0037】
熱可塑性、弾性、架橋されている又は固有に架橋されているポリマーが、例えば、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリカーボネート又はポリエステル、例えば、ポリエステル又はポリカーボネートである場合に、優れた結果が得られる。
【0038】
ポリマーは、例えば、膜、射出成形品、押出加工品、繊維、フェルト又は織布の形態であることができる。
【0039】
基材は、例えば、商業印刷物の分野、シート平板又は輪転印刷、ポスター、カレンダー、用紙、ラベル、銀紙、テープ、クレジットカード、家具の輪郭などで使用されるものであることができる。
【0040】
基材又は被覆組成物は、非食品分野での使用に限定されない。基材は、例えば、栄養の分野で、例えば、食物、化粧品、薬剤などの包装として使用される物質であることもできる。被覆組成物を、美容用途、例えばマニキュア液又はコンディショナー、染料などのような毛髪製品において使用することができる。
【0041】
基材が本発明の方法により前処理される場合、例えば、通常は互いに適合性が乏しい基材を互いに接着的に結合又は積層させることも可能である。
【0042】
本発明の文脈の範囲内において、紙は固有に架橋されているポリマーであり、特に、例えば油又は撥水被覆で追加的に被覆することができる厚紙の形態でもあると理解されるべきである。例えば、そのような基材は市販されている。
【0043】
無機基材として、例えば、ガラス、セラミック物質、金属酸化物及び金属が考慮される。これらは、好ましくは、10nm〜2000μmの平均粒径を有する、好ましくは層の形態又は粉末の形態のケイ酸塩及び半金属又は金属酸化物ガラスであることができる。粒子は、高密度又は多孔であることができる。酸化物及びケイ酸塩の例は、SiO、TiO、ZrO、MgO、NiO、WO、Al、La、シリカゲル、クレー及びゼオライトである。金属に加えて、好ましい無機基材は、シリカゲル、酸化アルミニウム、酸化チタン及びガラス並びにこれらの混合物である。
【0044】
金属基材としては、例えば、Fe、Al、Ti、Ni、Mo、Cr及び合金鋼が考慮される。
【0045】
用語「誘導されるモノマー単位」は、出発モノマーが最終コポリマー又はコオリゴマーに反応し、したがってその一部であることを意味する。それぞれの個別の反応モノマー分子は、コポリマー又はコオリゴマーの一部である場合、「モノマー単位」である。
【0046】
本発明のコポリマー又はコオリゴマーはフリーラジカル重合技術により調製され、この技術は、当業者にはよく知られている。例えば、本発明のコポリマー又はコオリゴマーは、米国公開特許出願第2002/0127376号に記載されている方法により調製されるエマルションコポリマー又はコオリゴマーであり、この開示は参照として本明細書に組み込まれる。
【0047】
本発明のコポリマー又はコオリゴマーは、典型的には、被覆組成物の配合の前又は間に中和酸により少なくとも部分的に中和されている。
【0048】
例えば、本発明のコポリマー又はコオリゴマーは、被覆配合物(被覆)に配合される。被覆配合物は、酸によりpHが約3〜約7に調整される。例えば、本発明の被覆配合物のpHは、約3〜約6、約4〜約7、又は約4〜約6である。被覆配合物は、例えば、エマルションコポリマー又はコオリゴマー、水及び他の成分を含む。すなわち、被覆配合物は、例えば、水性被覆配合物(水性被覆)である。換言すると、本発明の中和コポリマー又はコオリゴマーを含む被覆層は、乾燥又は硬化の前に前記pHを示す。
【0049】
コポリマー又はコオリゴマーの中和に用いるのに好都合な酸は、例えば、硫酸若しくは塩酸のような鉱酸、又はカルボン酸若しくはスルホン酸のような有機酸である。例えば、中和に用いられる酸は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、クエン酸などである。
【0050】
一部の用途において、強力接着被覆の適用後に、中和酸を除去又は停止させることが望ましい。ギ酸及び酢酸のような揮発性の酸を、乾燥又は硬化の際に除去することができる(蒸発させることができる)。前述したように、酸を硬化被覆から洗い流すか、又は塩基の導入、若しくは光潜塩基のような潜塩基の活性化によって停止させることもできる。
【0051】
例えば、揮発性酸が用いられるとき、酸は、熱又は周囲温度による被覆の乾燥又は硬化の際に除去される。酸を、真空下又は減圧下で除去することもできる。例えば、約80mol%を越える中和酸が最終的に被覆から除去される。例えば、約90%、約95%又は98mol%を越える揮発性酸が最終的に除去される。
【0052】
本発明のコポリマー又はコオリゴマーは、アクリレート及びアクリルアミドモノマーからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーから誘導されるモノマー単位を約99.79〜約0.1重量%、アミン含有エチレン性不飽和モノマーからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーから誘導されるモノマー単位を約99.79〜約0.1重量%、エチレン性不飽和会合性モノマーからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーから誘導されるモノマー単位を約99.79〜約0.1重量%、そしてポリオールのポリアクリレートからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーから誘導されるモノマー単位を約99.7〜約0.01重量%含む。
【0053】
例えば、本発明のコポリマー又はコオリゴマーは、アクリレート及びアクリルアミドモノマーからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーから誘導されるモノマー単位を約20〜約80重量%、アミン含有エチレン性不飽和モノマーからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーから誘導されるモノマー単位を約20〜約80重量%、エチレン性不飽和会合性モノマーからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーから誘導されるモノマー単位を約0.5〜約30重量%、そしてポリオールのポリアクリレートからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーから誘導されるモノマー単位を約0.01〜約10重量%含む。
【0054】
例えば、本発明のコポリマー又はコオリゴマーは、アクリレート及びアクリルアミドモノマーからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーから誘導されるモノマー単位を約30〜約80重量%、アミン含有エチレン性不飽和モノマーからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーから誘導されるモノマー単位を約20〜約70重量%、エチレン性不飽和会合性モノマーからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーから誘導されるモノマー単位を約1〜約10重量%、そしてポリオールのポリアクリレートからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーから誘導されるモノマー単位を約0.1〜約1.0重量%含む。
【0055】
例えば、本発明のコポリマー又はコオリゴマーは、ポリオールのポリアクリレートからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーから誘導されるモノマー単位を約0.2〜約0.6重量%含む。
【0056】
モノマー単位の重量%は、ポリマーの重量に基づく。すなわち、界面活性剤、開始剤、溶媒、殺生剤などのようなエマルションポリマーの他の成分を含まない。
【0057】
本発明のコポリマー又はコオリゴマーは、少なくとも4つの異なるエチレン性不飽和モノマーから誘導されるモノマー単位を最終限度で含有し、4つの部類は、「アクリレート及びアクリルアミドモノマー」、「アミン含有エチレン性不飽和モノマー」、「エチレン性不飽和会合性モノマー」及び「ポリオールのポリアクリレート」である。
【0058】
本発明のコポリマー又はコオリゴマーは、アクリレート及びアクリルアミドモノマーからなる群より選択される1つ又は2つ以上のモノマーから誘導されるモノマー単位を含む。コポリマー又はコオリゴマーは、アミン含有エチレン性不飽和モノマーの1つ又は2つ以上から誘導されるモノマー単位を含む。コポリマー又はコオリゴマーは、エチレン性不飽和会合性モノマーの1つ又は2つ以上から誘導されるモノマー単位を含む。コポリマー又はコオリゴマーは、ポリオールモノマーのポリアクリレートの1つ又は2つ以上から誘導されるモノマー単位を含む。
【0059】
本発明のモノマーは、重合性アリル、ビニル又はアクリル化合物である。すなわち、これらはエチレン性不飽和である。
【0060】
本発明のアクリレートモノマーは、例えば、1〜22個の炭素原子を含有するアルコールのアクリル酸又はメタクリル酸エステルである。
【0061】
本発明のアクリレートモノマーは、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、2−エチルヘキシルアクリレート、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル及びメタクリル酸ブチルである。
【0062】
本発明のアクリルアミドモノマーは、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド又はN−モルホリノアクリルアミドである。
【0063】
例えば、本発明のアクリレート及びアクリルアミドモノマーは、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、ジアセトンアクリルアミド及びN,N−ジメチルアクリルアミドからなる群より選択される。
【0064】
例えば、本発明のアクリレート及びアクリルアミドモノマーは、アクリルアミド、メタクリルアミド及びメタクリル酸メチルからなる群より選択される。
【0065】
本発明のアミン含有エチレン性不飽和モノマーは、例えば、ジアルキルアミノアルキルアクリレート又はメタクリレート、ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド又はメタクリルアミド、アリルアミン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン又はN’,N’−ジメチルアミノエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−N−プロピルメタクリレートクロリドである。
【0066】
本発明のアミン含有エチレン性不飽和モノマーは、例えば、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、tert−ブチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、アリルアミン、2−ビニルピリジン又は4−ビニルピリジンである。アミン含有エチレン性不飽和モノマーは、第四級アンモニウム基、例えば、N’,N’−ジメチルアミノエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−N−プロピルメタクリレートクロリドを含有することができる。
【0067】
例えば、本発明のアミン含有エチレン性不飽和モノマーは、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド又はジメチルアミノプロピルメタクリルアミドである。
【0068】
例えば、アミン含有エチレン性不飽和モノマーは、ジメチルアミノエチルメタクリレート又はtert−ブチルアミノエチルメタクリレートである。
【0069】
アルキルは、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−、sec−、イソ−及びtert−ブチル、2−エチルブチル、n−ペンチル、イソペンチル、1−メチルペンチル、1,3−ジメチルブチル、n−ヘキシル、1−メチルヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、1−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、n−オクチル又は2−エチルヘキシルである。
【0070】
会合性モノマーは既知であり、エチレン性不飽和両親媒性モノマー、例えば、ポリアルコキシル化C8−32アルコールの不飽和エステル、ポリアルキレングリコールの不飽和エステル、ポリアルコキシル化C8−32アルコールの不飽和エーテル及びポリアルキレングリコールの不飽和エーテルである。
【0071】
ポリアルコキシル化アルコールは、2個以上の反復アルコキシ単位、例えば、2〜50個の反復アルコキシ単位、例えば、2〜30個の反復アルコキシ単位により置換されているアルコールである。反復アルコキシ単位は、例えば、C1−6アルコキシ単位、例えばC1−3アルコキシ単位、例えばエトキシ又はプロポキシ単位である。
【0072】
ポリエトキシル化されている親C8−32アルコールは、直鎖、環状、又は分岐鎖であることができる。例えば、C8−32アルカノール又はアルケノールである。例えば、C12−32アルカノール又はアルケノールであり、例えば、C12−24アルカノール又はアルケノールである。
【0073】
例えば、会合性モノマーは、ステアリルエトキシ(25)メタクリレート、ステアリルエトキシ(20)メタクリレート、ベヘニルエトキシ(25)メタクリレート、ステアリルエトキシ(10)アリルエーテル、ポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール)モノメチルエーテルモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール)アクリレート、又はポリ(エチレングリコール)モノメチルエーテルモノアクリレートである。括弧内の数字は、反復エトキシ単位の数を意味する。
【0074】
例えば、会合性モノマーは、ステアリルエトキシ(25)メタクリレート、ステアリルエトキシ(20)メタクリレート、ステアリルエトキシ(10)アリルエーテル、又はポリ(エチレングリコール)350モノメチルエーテルモノ(メタ)アクリレートである。
【0075】
ポリオールのポリアクリレートは、芳香族、脂肪族又は脂環式ポリオールのアクリル及び/又はメタクリル酸エステルである。
【0076】
芳香族ポリオールは、典型的には、ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン及びクレゾールである。
【0077】
脂肪族及び脂環式ポリオールは、例えば、2〜12個の炭素原子を含有するアルキレンポリオールであり、エチレングリコール、1,2−又は1,3−プロパンジオール、1,2−、1,3−又は1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ドデカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−シクロペンタンジオール、1,2−、1,3−又は1,4−シクロヘサンジオール、1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサン、グリセロール、トリス(β−ヒドロキシエチル)アミン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、トリペンタエリトリトール及びソルビトールが含まれる。
【0078】
ポリオールは、アクリレート又はメタクリレート基により部分的に又は完全にエステル化されていることができ、この場合、部分エステルの遊離ヒドロキシル基は他のカルボン酸により改質されている、例えば、エーテル化又はエステル化されていることができる。
【0079】
ポリオールのポリアクリレートは、少なくとも2つのアクリレート基を含む。ポリオールは、少なくとも2つのヒドロキシ基を含む。したがって、最も簡単な本発明のポリオールのポリアクリレートは、ジオールのジアクリレート、例えばブタンジオールのジアクリレートである。換言すると、ポリアクリレート及びポリオールの用語「ポリ」は、2つ以上、例えば、2、3、4、5又は6つを意味する。ポリアクリレートは、アクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステル又はこれらの混合物である。
【0080】
本発明のポリオールのポリアクリレートは、例えば、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグルコールジアクリレート、ヘキサメチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、4,4’−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)ジフェニルプロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(2−アクリロイルエチル)イソシアヌレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、テトラメチレングルコールジメタクリレート、トリエチレングルコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリトリトールジアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ジペンタエリトリトールジアクリレート、ジペンタエリトリトールトリアクリレート、ジペンタエリトリトールテトラアクリレート、ジペンタエリトリトールペンタアクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート、トリペンタエリトリトールオクタアクリレート、ペンタエリトリトールジメタクリレート、ペンタエリトリトールトリメタクリレート、ジペンタエリトリトールジメタクリレート、ジペンタエリトリトールテトラメタクリレート、トリペンタエリトリトールオクタメタクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ペンタエリトリトール改質トリアクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、グリセロールジ−又はトリアクリレート、又は1,4−シクロヘキサンジアクリレートである。これらのモノマーのアクリレートをメタクリレートと交換することができ、その逆をすることもできる。
【0081】
本発明のポリオールのポリアクリレートは、例えば、ペンタエリトリトールトリアクリレートである。
【0082】
本発明のコポリマー又はコオリゴマーは、第四級アンモニウム基を含有するエチレン性不飽和モノマー、ヒドロキシ含有エチレン性不飽和モノマー又は他のエチレン性不飽和モノマーからなる群より選択される少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーから誘導されるモノマー単位を更に含むことができる。
【0083】
本発明の第四級アンモニウム基を含有するエチレン性不飽和モノマーは、例えば、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロリド第四級塩(DMAEA.MCQ)、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)などである。
【0084】
本発明のヒドロキシ含有エチレン性不飽和モノマーは、例えば、N−メチロールアクリルアミド、N−メチルロールメタクリルアミド、N−(2−ヒドロキシプロピル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(HEMA)、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノビニルエーテル又はアリルアルコールである。
【0085】
例えば、本発明のヒドロキシ含有エチレン性不飽和モノマーは、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−(2−ヒドロキシプロピル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(HEMA)又はグリセロールモノ((メタ)アクリレート)である。
【0086】
例えば、本発明のヒドロキシ含有エチレン性不飽和モノマーは、N−メチロールアクリルアミド、N−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(HEMA)又はグリセロールモノ((メタ)アクリレート)である。
【0087】
例えば、本発明のヒドロキシ含有エチレン性不飽和モノマーは、N−メチロールアクリルアミドである。
【0088】
本発明の他のエチレン性不飽和モノマーは、例えば、N−ビニル−2−ピロリドン、ビニルメチルスルホン、酢酸ビニル、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、スチレン、α−メチルスチレンのような置換スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルエーテル、ビニルエステル及びN−ビニルアミドである。
【0089】
炭素原子1〜22個のアルコールは、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、2−エチルブチル、n−ペンチル、イソペンチル、1−メチルペンチル、1,3−ジメチルブチル、n−ヘキシル、1−メチルヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、1−メチルヘプチル、3−メチルヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、ベンジル、シクロヘキシル又はシクロペンチルのアルコールである。
【0090】
例えば、本発明のコポリマー又はコオリゴマーは、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、ジアセトンアクリルアミド及びN,N−ジメチルアクリルアミドからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーから誘導されるモノマー単位と、ジメチルアミノエチルメタクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート及びジメチルアミノプロピルメタクリルアミドからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーから誘導されるモノマー単位と、ステアリルエトキシ(25)メタクリレート、ステアリルエトキシ(20)メタクリレート、ステアリルエトキシ(10)アリルエーテル、ポリ(エチレングリコール)350モノメチルエーテルモノ(メタ)アクリレートからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーから誘導されるモノマー単位と、ペンタエリトリトールトリアクリレートから誘導されるモノマー単位とを含む。
【0091】
例えば、本発明のコポリマー又はコオリゴマーは、アクリルアミド、メタクリルアミド及びメタクリル酸メチルからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーから誘導されるモノマー単位と、ジメチルアミノエチルメタクリレート及びt−ブチルアミノエチルメタクリレートからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーから誘導されるモノマー単位と、ステアリルエトキシ(25)メタクリレート、ステアリルエトキシ(20)メタクリレート、ステアリルエトキシ(10)アリルエーテル、ポリ(エチレングリコール)350モノメチルエーテルモノ(メタ)アクリレートからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーから誘導されるモノマー単位と、ペンタエリトリトールトリアクリレートから誘導されるモノマー単位とを含む。
【0092】
例えば、本発明のコポリマー又はコオリゴマーは、メタクリル酸メチル、ジメチルアミノエチルメタクリレート又はt−ブチルアミノエチルメタクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート及びステアリルエトキシ(25)メタクリレート又はステアリル(20)メタクリレートから誘導されるモノマー単位を含む。
【0093】
例えば、本発明のコポリマー又はコオリゴマーは、メタクリル酸メチル、ジメチルアミノエチルメタクリレート又はt−ブチルアミノエチルメタクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート及びステアリルエトキシ(10)アリルエーテル又はポリ(エチレングリコール)350モノメチルエーテルモノ(メタ)アタクリレートから誘導されるモノマー単位を含む。
【0094】
例えば、本発明のコポリマー又はコオリゴマーは、1〜22個の炭素原子を含有するアルコールのアクリル酸又はメタクリル酸エステルからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーから誘導されるモノマー単位と、ジアルキルアミノアルキルアクリレート又はメタクリルレート、ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド又はメタクリルアミド、アリルアミン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン及びN’,N’−ジメチルアミノエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−N−プロピルメタクリレートクロリドからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーから誘導されるモノマー単位と、ポリアルコキシル化C8−32アルコールの不飽和エステル、ポリアルキレングリコールの不飽和エステル、ポリアルコキシル化C8−32アルコールの不飽和エーテル及びポリアルキレングリコールの不飽和エーテルからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーから誘導されるモノマー単位と、芳香族、脂肪族又は脂環式ポリオールのアクリル酸及びメタクリル酸エステルからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーから誘導されるモノマー単位とを含む。
【0095】
例えば、本発明のコポリマー又はコオリゴマーは、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、2−エチルヘキシルアクリレート、アクリル酸イソボルニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル及びメタクリル酸ブチルからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーから誘導されるモノマー単位と、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、tert−ブチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、アリルアミン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン及びN’,N’−ジメチルアミノエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−N−プロピルメタクリレートクロリドからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーから誘導されるモノマー単位と、ポリアルコキシル化C8−32アルコールのアクリル酸及びメタクリル酸エステル、ポリアルキレングリコールのアクリル酸及びメタクリル酸エステル、ポリアルコキシル化C8−32アルコールのアリルエーテル及びポリアルキレングリコールのアリルエーテルからなる群より選択される少なくとも1つモノマーから誘導されるモノマー単位と、ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、クレゾール又は2〜12個の炭素原子を含有するアルキレンポリオールのアクリル酸及びメタクリル酸エステルからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーから誘導されるモノマー単位とを含む。
【0096】
例えば、本発明のコポリマー又はコオリゴマーは、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド及びN−モルホリノアクリルアミドからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーから誘導されるモノマー単位と、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、tert−ブチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノプロピルメタクリルアミド、アリルアミン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン及びN’,N’−ジメチルアミノエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−N−プロピルメタクリレートクロリドからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーから誘導されるモノマー単位と、ポリアルコキシル化C8−32アルコールの不飽和エステル、ポリアルキレングリコールの不飽和エステル、ポリアルコキシル化C8−32アルコールの不飽和エーテル及びポリアルキレングリコールの不飽和エーテルからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーから誘導されるモノマー単位と、エチレングリコール、1,2−若しくは1,3−プロパンジオール、1,2−、1,3−若しくは1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ドデカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−シクロペンタンジオール、1,2−、1,3−若しくは1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサン、グリセロール、トリス(β−ヒドロキシエチル)アミン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、トリペンタエリトリトール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン又はソルビトールのアクリル酸及びメタクリル酸エステルからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーから誘導されるモノマー単位とを含む。
【0097】
本発明のコポリマー又はコオリゴマーは、任意の分子量であることができる。例えば、約1,000〜約2百万の分子量、又は例えば、約1,000〜約2百万の分子量を有することができる。
【0098】
本発明のコポリマー又はコオリゴマーは、被覆又は積層物品の任意の層に有利に用いられる。これらを1つの被覆層、2つ以上の層又は全ての層に使用することができる。
【0099】
本発明のコポリマー又はコオリゴマーを、被覆の主要成分として、又は配合物の少量の部分として用いることができる。
【0100】
本発明のコポリマー又はコオリゴマーを含む被覆組成物は、熱硬化性及び弾性樹脂、溶媒、界面活性剤、着色剤、分散剤、安定剤などを含む、被覆及びインクで一般的に遭遇する他の樹脂又は補助剤を含有することができる。
【0101】
前記の他の樹脂には、ポリウレタン、ポリエステル、ポリビニルアルコール、アルキド、他のポリアクリレート又はポリアクリルアミド、塩素化ポリオレフィン、フッ素化ポリマー、エポキシ樹脂、シリコーン含有ポリマーなどが含まれる。被覆は、多くの場合に、例えば、メラミン樹脂、尿素樹脂、イソシアネート、イソシアヌレート、ポリイソシアネート、エポキシ樹脂、無水物、ポリ酸及びアミンにより架橋されている。
【0102】
本発明のコポリマー又はコオリゴマーを含む被覆組成物は、下塗り被覆として有利に用いることができる。例えば、そのような下塗り被覆がポリマー基材に適用され、次に、そうしないとポリマーに対しての付着力が不足するので塗料又はインクのような追加の被覆が塗布される。
【0103】
実施例
以下の実施例は説明を助けるが、本発明を制限しない。特に示されない限り、比率及びレベルは、重量%である。丸め及び少量の幾つかの構成成分のために、合計は、常に正確に100%と等しいとは限らない。
【0104】
本発明の実施例は、本発明のコポリマーを使用して調製した被覆の接着力を実証する。
【0105】
コポリマーA
メタクリル酸メチル45%、ジメチルアミノエチルメタクリレート49.6%、ステアリル10molエトキシレートアリルエーテル5%及びペンタエリトリトールトリアクリレート0.375%からなる本発明のコポリマーを、例えばUS2002/0127376の開示に従い、従来のフリーラジカル技術によって、およそ30%の固形分の水中エマルションとして調製した。
【0106】
以下のコポリマーを同様に調製した。
【0107】
コポリマー MMAの% DMAEMAの% RS10AEの% PETAの%
B 50 30 20 0.5
C 40 40 20 0.5
D 50 30 20 0.25
E 60 30 10 0.5
F 50 40 10 0.5
G 40 50 10 0.25
【0108】
被覆接着力
コポリマーAを、ギ酸によりおよそ4.5のpHに中和し、固形分をおよそ10%に調整し、Meyerバーによりポリエステル及びポリカーボネート基材に適用し、乾燥して、基材上に被覆層を形成した。
【0109】
ポリビニルアルコール(Nippon Gohseiより入手可能なGH−23)及び水の、固形分がおよそ10%の混合物を、Meyerバーによりポリエステル及びポリカーボネート基材に適用し、乾燥して、基材上に被覆層を形成した。
【0110】
中和コポリマーAとポリビニルアルコールGH−23の、コポリマーA/ポリビニルアルコールの比がポリマーの乾燥重量に基づいて75/25及び50/50である固形分10%の水中の混合物を調製し、Meyerバーによりポリエステル及びポリカーボネート基材に適用し、乾燥して、基材上に被覆層を形成した。
【0111】
全ての湿潤被覆を、対流式オーブンにより90℃で20分間乾燥して、乾燥膜を形成した。乾燥膜厚は、Permascope E110B-T3.3により測定した。代表的な膜厚は、下記である。
【0112】
被覆樹脂 厚さ(ミル)
ポリビニルアルコール 0.65
コポリマーA 0.80
コポリマーA/ポリビニルアルコール
75/25 0.78
50/50 0.82
【0113】
基材に対する乾燥被覆の接着力は、かみそりの刃で被覆に垂直な切れ目を入れて格子を形成し、次に、マスキングテープ又はガムテープを被覆に強く適用し、テープの背側を消しゴムで擦り、次にテープを、ASTM方法D3359−02、試験方法Bに従った角度で被覆試料から剥がして除去を試みることによって決定した。
【0114】
等級5Bは、切り込みの端が完全に平滑であり、格子の正方形のうちで脱離したものがないことを示す。等級4Bは、被覆の少量の薄片が交点で脱離し、5%未満の領域が影響を受けたことを示す。3Bは、被覆の少量の薄片が切り込みの端に沿って及び交点で脱離し、影響を受けた領域が格子の5〜15%であることを示す。2Bは、被覆が正方形の端に沿って及び正方形の部分で剥離し、格子の15〜35%が影響を受けたことを示す。1Bは、被覆が、切れ目の端に沿って大きなリボン状で剥離し、正方形が全て脱離したことを示す。1Bの場合、格子の35〜65%が影響を受ける。等級0Bでは、剥離及び脱離は、等級1より悪く、格子の65%越が影響を受けたことを示す。
【0115】
試験を3重に行った。結果を以下の表に示す。
【0116】
実施例1
【0117】
未処理二軸配向ポリエチレンテレフタレートへの被覆
(ポリエステル基材、DUPONT MELINEX 401)
被覆樹脂 等級 除去領域%
ポリビニルアルコール 0B 100%
0B 96.30%
0B 100%

コポリマーA 5B 0%
5B 0%
5B 0%

コポリマーA/ポリビニルアルコール
75/25 5B 0%
5B 0%
5B 0%
50/50 0B 100%
0B 100%
0B 100%
【0118】
ポリエステル基材に対するコポリマーA被覆の接着力は、優れており、ポリビニルアルコールの接着力は、極めて不十分であった。コポリマーA/ポリビニルアルコールの75/25ブレンドを含む被覆は、優れた接着力を有した。
【0119】
実施例2
【0120】
クリアポリカーボネートへの被覆
(ポリカーボネート基材、POLYMER PLASTICS CORPORATION, CLEAR LEXAN)
被覆樹脂 等級 除去領域%
ポリビニルアルコール 0B 100%
0B 100%
0B 98.76%
コポリマーA 5B 0%
5B 0%
5B 0%
コポリマーA/ポリビニルアルコール
75/25 5B 0%
5B 0%
5B 0%
50/50 0B 100%
0B 100%
0B 100%
【0121】
ポリカーボネート基材に対するコポリマーA被覆の接着力は、優れており、ポリビニルアルコールの接着力は、極めて不十分であった。コポリマーA/ポリビニルアルコールの75/25ブレンドを含む被覆は、優れた接着力を有した。
【0122】
実施例3
熱可塑性ポリオレフィンに対する被覆における接着促進剤としての本発明のポリマーの効力を、市販の塩素化ポリオレフィン(CPO)接着促進剤の効力と比較した。
【0123】
3個の市販のCPO接着促進剤のEASTMAN 343-1、550-1及び730-1を得て、キシレンにより固形分を5%に低減した。
【0124】
上記の中和コポリマーAを、蒸留水により固形分5%に低減した。
【0125】
固形分5%の配合物をそれぞれ熱可塑性ポリオレフィンプラーク(STANDARD PLAQUE INC. SOLVAY BLACK 1440 TPO)にくさび型に繰り返して噴霧し、そのようにして形成した被覆を乾燥し、乾燥膜厚を決定した。2個の市販のCPO接着促進剤のEASTMAN 343-1、550-1は、粘着性の膜を生じて、正確に測定することができず、残りのCPO接着促進剤のEASTMAN 730-1は、0.3〜0.6ミル厚の膜を生じ、コポリマーAは、0.2〜0.4ミル厚の膜を生じた。
【0126】
4つの配合物それぞれの膜は、表面をかみそりの刃で切り目を付けた後で除去する試みにマスキングテープ又はガムテープを使用する、3mm斜交平行線接着試験を使用して接着力を試験した。
【0127】
配合物は全て良好な接着力を示した。
【0128】
実施例4
実施例3の残りの膜を、市販の被覆系で被覆し、溶媒を蒸発させ、膜をオーブンにより60℃で1時間焼き付けた。
【0129】
MATRIX SYSTEM AUTOMOTIVE FINISHES INC.より得たベースコート/クリアコート系
ベースコート配合物
MATRIX MT-89 60
MATRIX MT 54 40
MATRIX MR 0870 100

クリアコート配合物
MS 42 50
MH 005 50
N−ブチルアクリレート 15
PMアセテート 15
【0130】
それぞれの接着促進剤の被覆膜を選択して、接着力について上記のように試験した。
【0131】
配合物は全て良好な接着力を示した。
【0132】
残りの被覆膜を、オーブンにより60℃で16時間老化させた。それぞれの接着促進剤の被覆膜を選択して、接着力について上記のように試験した。
【0133】
市販のCPO系は、全て100%の接着力を示した。コポリマーA系は、90〜95%の接着力を示した。
【0134】
本発明のコポリマーは、多様なポリマー基材に対して良好な接着力を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクリレート及びアクリルアミドモノマーからなる群より選択される少なくとも1つのモノマー、
アミン含有エチレン性不飽和モノマーからなる群より選択される少なくとも1つのモノマー、
エチレン性不飽和会合性モノマーからなる群より選択される少なくとも1つのモノマー、及び
ポリオールのポリアクリレートからなる群より選択される少なくとも1つのモノマー
から誘導されるモノマー単位を含む少なくとも1つのコポリマー又はコオリゴマーを、接着促進剤として含む、硬化又は未硬化の強力接着被覆組成物。
【請求項2】
硬化被覆である、請求項1記載の硬化又は未硬化の強力接着被覆組成物。
【請求項3】
前記コポリマー又はコオリゴマーが酸により少なくとも部分的に中和されている、請求項1記載の硬化又は未硬化の強力接着被覆組成物。
【請求項4】
乾燥する前に水中で測定して約3〜約7のpHを有する、請求項2記載の強力接着被覆組成物。
【請求項5】
コポリマー又はコオリゴマーが、アクリレート及びアクリルアミドモノマーからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーから誘導されるモノマー単位を約20〜約80重量%、アミン含有エチレン性不飽和モノマーからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーから誘導されるモノマー単位を約20〜約80重量%、エチレン性不飽和会合性モノマーからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーから誘導されるモノマー単位を約0.5〜約30重量%、そしてポリオールのポリアクリレートからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーから誘導されるモノマー単位を約0.01〜約10重量%含む、請求項1記載の強力接着被覆組成物。
【請求項6】
アクリレート及びアクリルアミドモノマーが、1〜22個の炭素原子を含有するアクリル酸、メタクリル酸又はアルコールのアクリル酸若しくはメタクリル酸エステルであり、
アミン含有エチレン性不飽和モノマーが、ジアルキルアミノアルキルアクリレート又はメタクリレート、ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド又はメタクリルアミド、アリルアミン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン及びN’,N’−ジメチルアミノエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−N−プロピルメタクリレートクロリドからなる群より選択され、
エチレン性不飽和会合性モノマーが、ポリアルコキシル化C8−32アルコールの不飽和エステル、ポリアルキレングリコールの不飽和エステル、ポリアルコキシル化C8−32アルコールの不飽和エーテル及びポリアルキレングリコールの不飽和エーテルからなる群より選択され、そして
ポリオールのポリアクリレートが、芳香族、脂肪族又は脂環式のポリオールのアクリル酸及びメタクリル酸エステルからなる群より選択される
請求項1記載の強力接着被覆組成物。
【請求項7】
アクリレート及びアクリルアミドモノマーが、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド及びN−モルホリノアクリルアミドからなる群より選択され、
アミン含有エチレン性不飽和モノマーが、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、tert−ブチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、アリルアミン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン及びN’,N’−ジメチルアミノエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−N−プロピルメタクリレートクロリドからなる群より選択され、
エチレン性不飽和会合性モノマーが、ポリアルコキシル化C8−32アルコールの不飽和エステル、ポリアルキレングリコールの不飽和エステル、ポリアルコキシル化C8−32アルコールの不飽和エーテル及びポリアルキレングリコールの不飽和エーテルからなる群より選択され、そして
ポリオールのポリアクリレートが、エチレングリコール、1,2−若しくは1,3−プロパンジオール、1,2−、1,3−若しくは1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ドデカンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−シクロペンタンジオール、1,2−、1,3−若しくは1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサン、グリセロール、トリス(β−ヒドロキシエチル)アミン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、トリペンタエリトリトール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、又はソルビトールのアクリル酸及びメタクリル酸エステルからなる群より選択される
請求項1記載の強力接着被覆組成物。
【請求項8】
アクリレート及びアクリルアミドモノマーが、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、ジアセトンアクリルアミド及びN,N−ジメチルアクリルアミドからなる群より選択され、
アミン含有エチレン性不飽和モノマーが、ジメチルアミノプロプルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリレート及びtert−ブチルアミノエチルメタクリレートからなる群より選択され、
エチレン性不飽和会合性モノマーが、ポリアルコキシル化C8−32アルコールのアクリル酸及びメタクリル酸エステル、ポリアルキレングリコールのアクリル酸及びメタクリル酸エステル、ポリアルコキシル化C8−32アルコールのアリルエーテル、並びにポリアルキレングリコールのアリルエーテルからなる群より選択され、そして
ポリオールのポリアクリレートが、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグルコールジアクリレート、ヘキサメチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、4,4’−ビス(2−アクリロイルオキシエトキシ)ジフェニルプロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(2−アクリロイルエチル)イソシアヌレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、テトラメチレングルコールジメタクリレート、トリエチレングルコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリトリトールジアクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ジペンタエリトリトールジアクリレート、ジペンタエリトリトールトリアクリレート、ジペンタエリトリトールテトラアクリレート、ジペンタエリトリトールペンタアクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート、トリペンタエリトリトールオクタアクリレート、ペンタエリトリトールジメタクリレート、ペンタエリトリトールトリメタクリレート、ジペンタエリトリトールジメタクリレート、ジペンタエリトリトールテトラメタクリレート、トリペンタエリトリトールオクタメタクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ペンタエリトリトール改質トリアクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、グリセロールジ−又はトリアクリレート及び1,4−シクロヘキサンジアクリレートからなる群より選択される
請求項1記載の強力接着被覆組成物。
【請求項9】
会合性モノマーが、ポリアルコキシル化C12−32アルコールのアクリル酸及びメタクリル酸エステルであり、前記ポリアルコキシル化C12−32アルコールが、2〜50個の反復エトキシ又はプロポキシ単位によりヒドロキシルで置換されている、請求項1記載の強力接着被覆組成物。
【請求項10】
会合性モノマーが、ステアリルエトキシ(25)メタクリレート、ステアリルエトキシ(20)メタクリレート、ベヘニルエトキシ(25)メタクリレート、ステアリルエトキシ(10)アリルエーテル、ポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール)モノメチルエーテルモノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール)アクリレート、及びポリ(エチレングリコール)モノメチルエーテルモノアクリレートである、請求項1記載の強力接着被覆組成物。
【請求項11】
コポリマー又はコオリゴマーが、
アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、ジアセトンアクリルアミド及びN,N−ジメチルアクリルアミドからなる群より選択される少なくとも1つのモノマー、
ジメチルアミノエチルメタクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート及びジメチルアミノプロピルメタクリルアミドからなる群より選択される少なくとも1つのモノマー、
ステアリルエトキシ(25)メタクリレート、ステアリルエトキシ(20)メタクリレート、ステアリルエトキシ(10)アリルエーテル、ポリ(エチレングリコール)350モノメチルエーテルモノ(メタ)アクリレート、及びペンタエリトリトールトリアクリレートからなる群より選択されるエチレン性不飽和会合性モノマー
から誘導されるモノマー単位を含む、請求項1記載の強力接着被覆組成物。
【請求項12】
酸が、鉱酸又はカルボン酸からなる群より選択される、請求項3記載の強力接着被覆組成物。
【請求項13】
酸が、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸若しくは乳酸、又はクエン酸からなる群より選択されるカルボン酸である、請求項12記載の強力接着被覆組成物。
【請求項14】
強力接着被覆組成物が、保護被覆、重ね刷り用ワニス、2個の基材の間の接着層、静電気制御被覆、下塗り層、トナー、トナー受容層、インクジェット受容層以外のインク受容層、又はインクジェットインク以外の印刷インクである、請求項1記載の組成物。
【請求項15】
アクリレート及びアクリルアミドモノマーからなる群より選択される少なくとも1つのモノマー、
アミン含有エチレン性不飽和モノマーからなる群より選択される少なくとも1つのモノマー、
エチレン性不飽和会合性モノマーからなる群より選択される少なくとも1つのモノマー、そして
ポリオールのポリアクリレートからなる群より選択される少なくとも1つのモノマーから誘導されるモノマー単位を含むコポリマー又はコオリゴマーの少なくとも1つを混和することにより、基材に対する被覆及び他のポリマー基材の接着を改善する方法であって、コポリマー又はコオリゴマーを、基材への適用の前に酸により少なくとも部分的に中和する方法。
【請求項16】
無機若しくは有機基材、又は無機若しくは有機金属化基材を被覆する方法であって、
接着促進剤として請求項1記載の少なくとも1つのコポリマー又はコオリゴマーを含む、強力接着被覆組成物を調製すること、
コポリマー又はコオリゴマーを、被覆配合物と混和する前に又は混和するときに中和酸により部分的に又は完全に中和すること、
部分的に又は完全に中和された配合物を、基材の表面又は2個の基材の間に適用すること、及び
被覆配合物を、周囲条件下、真空若しくは減圧下、加熱又は紫外線への暴露により乾燥又は硬化すること
を含む方法。
【請求項17】
中和酸が乾燥又は硬化の際に部分的に又は完全に除去される、請求項16記載の方法。
【請求項18】
無機若しくは有機基材、又は無機若しくは有機金属化基材が、熱可塑性、弾性、架橋された又は固有に架橋されているポリマーである、請求項16記載の方法。
【請求項19】
熱可塑性、弾性、架橋された又は固有に架橋されているポリマーが、ポリオレフェン、熱可塑性ポリオレフェン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエステル又はハロゲン化ビニルポリマーである、請求項18記載の方法。
【請求項20】
熱可塑性、弾性、架橋された又は固有に架橋されているポリマーが、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリカーボネート又はポリエステルである、請求項19記載の方法。

【公表番号】特表2009−504823(P2009−504823A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−525540(P2008−525540)
【出願日】平成18年8月2日(2006.8.2)
【国際出願番号】PCT/EP2006/064926
【国際公開番号】WO2007/020187
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(396023948)チバ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Holding Inc.
【Fターム(参考)】