強化された監視被写体撮像
撮像システム(30)が、被写体位置(46)における被写体(32)に向けてミリ波電磁放射線を送信し、その被写体(32)からミリ波電磁放射線を受信するように構成されたアンテナ装置(48)を含む。コントローラ(62)は、アンテナ装置(48)を操作し、受信された放射線を表す出力(68)を生成するように構成されたトランシーバ(64)と、トランシーバ出力(68)から、被写体(32)の画像(130)を表す画像データを生成するように適合されたプロセッサ(70)とを含む。アンテナ装置(48)によって受信された放射線を表す画像信号の少なくとも第1の部分を使用して、被写体(32)の少なくとも一部分の第1の画像(130)を表す第1の画像データが生成される。第1の画像(130)の解像度とは異なる解像度を有する第2の画像(132)を表す第2の画像データが、画像信号の少なくとも第2の部分から生成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視被写体撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ミリ波信号が、レーダおよび遠隔通信のために使用されている。また、ミリ波信号は、ミリ波信号を被写体に向け、反射された信号を検出することによって被写体の画像を生成するのに使用されることも可能である。そのような撮像システムの例が、米国特許第5,455,590号、米国特許第5,557,283号、米国特許第5,859,609号、および米国特許第6,507,309号、ならびに2003年6月26日に出願した米国特許出願第10/607,552号、2003年10月30日に出願した米国特許出願第10/697,848号、2002年11月21日に出願した米国特許出願第10/301,522号、および2003年10月30日に出願した米国特許出願第10/697,965号において説明されており、以上の特許参考文献は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0003】
撮像システムが、セキュリティシステムにおいて人の監視のために使用される場合、監視が行われている施設、および施設の利用者の安全は、システムの有効性に依存する可能性がある。監視を受ける人は、監視が、その人のプライバシーを保護する形で実行されれば、より快く監視を許す可能性がある。これは、公共交通機関に乗る前、または公共施設もしくは保護された施設に入る前など、監視が、監視されている人または人々の意図される進行を遅延させる状況において、特に当てはまる。
【特許文献1】米国特許第5,455,590号
【特許文献2】米国特許第5,557,283号
【特許文献3】米国特許第5,859,609号
【特許文献4】米国特許第6,507,309号
【特許文献5】米国特許出願第10/607,552号
【特許文献6】米国特許出願第10/697,848号
【特許文献7】米国特許出願第10/301,522号
【特許文献8】米国特許出願第10/697,965号
【特許文献9】米国特許出願第10/728,456号
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
撮像システムは、被写体位置における被写体に向けてミリ波電磁放射線を送信し、その被写体からミリ波電磁放射線を受信するように構成されたアンテナ装置を含むことが可能である。被写体には、人、および任意の物体、または人によって担持される物体が含まれることが可能である。また、そのようなシステムは、アンテナ装置を操作するように構成されたコントローラを含み、受信された放射線から、被写体の画像を表す画像データを生成することも可能である。
【0005】
アンテナ装置によって受信された放射線を表す画像信号の少なくとも第1の部分が使用されて、被写体の少なくとも一部分の第1の画像を表す第1の画像データが生成されることが可能である。画像信号の第1の部分の一部分に対応する画像信号の少なくとも第2の部分が使用されて、第1の画像の一部分に対応する第2の画像を表す第2の画像データが生成されることが可能である。第2の画像は、第1の画像の解像度と比べて、より高い解像度、またはより低い解像度を有することが可能である。より低い解像度の画像は、監視されている人に、画像をより容認できるものにする。より高い解像度の画像は、被写体のさらなる詳細を明らかにして、物体が、より容易に識別されることを可能にする可能性がある。人によって担持される物体の諸特性に対応する特性を有する第1の画像データの一部分が、画像の対応する部分に操作者の注意を喚起する際に使用するために識別されることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
(撮像システム)
図1は、被写体32を検問するセキュリティ検査システム30を示す。被写体32には、人34などの、1つまたは複数の生物、および/または物体36などの、1つまたは複数の無生物が含まれることが可能である。動作の際、システム30は、被写体32に、100メガヘルツ(MHz)ないし2テラヘルツ(THz)の周波数範囲内の電磁放射線を照射して、反射された放射線を検出することにより、被写体32を検問する。一般に、対応する波長は、数センチメートルから数マイクロメートルまでの範囲にある。そのような放射線は、固定の周波数であること、またはいくつかの変調タイプ、例えば、チャープタイプ、擬似周波数ホップタイプ、パルスタイプ、FMCW (Frequency Modulated Continuous Wave)タイプ、またはCW(持続波)タイプを使用して、ある周波数範囲、もしくはある周波数セットにわたることが可能である。
【0007】
撮像システムの一部の実施形態は、24GHzないし30GHzの範囲内の周波数、FMCW変調を組み込み、FCCの無許可のオペレーション要件を満たす信号内容を有し、規制された米国政府周波数帯域の範囲外にある送信信号を使用することができる。パルス幅は、2〜10マイクロ秒の範囲にあることが可能である。アンテナビーム幅は、画像形成信号プロセッサの要件に応じて、ブロードビームインプリメンテーションの場合、20〜120度の範囲にあり、ナロービーム幅アプリケーションの場合、1度から30度までの範囲にあることが可能である。様々なシステム偏波が、使用されることが可能である。例には、同一偏波、交差偏波、楕円偏波、右旋円偏波、および/または左旋円偏波が含まれる。
【0008】
一部の天然繊維および合成繊維は、そのような周波数、およびそのような波長の放射線に対して透過性、または半透過性であり、そのような材料の下に位置する表面の検出および/または撮像を許す可能性がある。検問の被写体が、衣服を着た個人である場合、衣類によって覆われた人の身体の諸部分についての画像情報が、衣類によって覆われていない諸部分についての画像情報とともに、システム30を使用して獲得されることが可能である。さらに、衣類の下で人によって担持される、もしくは支持される、または別の形で人とともにある物体に関する画像情報が、武器および密輸品に関して使用されるような、金属および非金属の物体の組成に関して、システム30を使用してもたらされることが可能である。
【0009】
図1に示されるとおり、被写体32には、システム30による検問のために提示される個人34が含まれる。個人34は、武器の形態で示される物体36を隠している衣類38を着用しているのが示されている。被写体には、人間であれ、動物であれ、あるいは無生物であれ、撮像のために撮像システムの検問ステーションにおいて提示されるすべてが含まれる。例えば、人が、撮像のために検問ステーションに入っている場合、被写体には、その人とともに、腕時計、鍵、宝飾品、ポケットナイフ、もしくは他のナイフ、硬貨、装身具、銃、または撮像されることが可能な他の何らかの物体などの、人によって支持される、何らかの物体が含まれる。被写体には、単数または複数の人、動物、物体、または以上の組合せが含まれることが可能である。被写体32は、システム30の検問ステーション、つまりポータル40に位置付けられる。アンテナアセンブリとも呼ばれるポータル40は、人が身に付けた、武器または密輸品などの物体を検出することが所望されるセキュリティチェックポイントに配置されるように構成されることが可能である。ポータル40は、モータ44に接続されたプラットフォーム42を含むことが可能である。プラットフォーム32は、被写体32を支持するように構成されることが可能である。モータ44は、被写体32が、モータ44の上に位置付けられている間、回転軸Rを中心に選択的に回転するように構成されることが可能である。図示された構成の場合、軸Rは、垂直であることが可能であり、被写体32は、軸Rおよびプラットフォーム42に対して概ね中心的な被写体位置46にあることが可能である。
【0010】
ポータル40は、一次多素子感知アレイ50と、二次多素子感知アレイ52とを含むアンテナ装置48をさらに含むことが可能である。装置48は、アレイ50および52が支持されるフレーム54を含むことが可能である。アレイ50は、フレーム54の全高にわたることが可能である。アレイ52は、フレーム54に沿った垂直の動きのために、プライムムーバ56によって装着されることが可能である。モータ44は、プラットフォーム42、および被写体32を、軸Rを中心に回転させる。その結果、アレイ50および52は、軸Rのまわりの全体的に円形の経路を描く。アンテナアレイは、軸Rから約0.5メートルないし約2メートルであることが可能である。
【0011】
アンテナアレイ50は、いくつかの直線に配置された素子58を含むことが可能であり、それらの素子58のいくつかだけが、図示されている。同様に、アレイ52も、直線に配置された素子60を有する。各素子58および60は、放射線を送信すること、または受信することに専用であることが可能であり、それらの素子は、1つの列が、送信することに専用であり、他方の列が、受信することに専用である、2つの全体的に垂直な列で配置されることが可能である。それらの要素の数および間隔は、使用される波長、および所望される解像度に対応する。200素子から約600素子までの範囲が、約2メートル、または2.5メートルの垂直の長さにわたることが可能である。
【0012】
ポータル40およびアンテナ装置に関する他の様々な構成が、使用されることが可能である。例えば、明白となるように、アンテナ装置の動作、およびプラットフォーム42の制御された回転に依存して、単一のアレイを使用して、被写体のデュアルスキャンが提供されることも可能である。さらに、複数のアレイが、各アレイの代わりに使用されることも可能であり、それらのアレイは、同一のアレイ密度、または異なるアレイ密度を有することが可能であり、二次元の送信アレイおよび受信アレイ、ならびに固定プラットフォームを有するポータル内の被写体位置のまわりを移動するアレイが、使用されてもよい。
【0013】
アンテナ装置の様々なバリエーションが、可能である。アンテナ装置は、1つまたは複数のアンテナユニットを含むことが可能であり、各アンテナユニットは、1つまたは複数の送信アンテナ、および1つまたは複数の受信アンテナを含むことが可能である。アンテナユニットは、単一のアンテナによる送信に応答して、放射線を受信することが可能な複数のアンテナを含むことが可能である。アンテナは、スロットライン、パッチ、エンドファイア、導波管、ダイポール、半導体、またはレーザなどの、電磁放射線を送信または受信するように構成された任意の適切なタイプであることが可能である。アンテナは、送信と受信をともに行うことができる。アンテナユニットは、アプリケーションに応じて、平面偏波、楕円偏波、または円偏波などの同偏波波形または異偏波波形を送信する、または受信する1つまたは複数の個別のアンテナを有することが可能であり、狭い、または広い角放射線ビームパターンを有することが可能である。ビーム幅は、ホログラフィ技術を使用する撮像アプリケーションの場合、比較的広い、すなわち、30〜120度であることが可能であるのに対して、狭い視野要件を有するアプリケーションの場合、0度ないし30度の範囲にある狭いビーム幅が使用されることが可能である。
【0014】
さらに、単一のアンテナが、一次元パスまたは二次元パスで被写体の近くを機械的に移動することにより、その被写体を走査することができる。一次元または二次元のアンテナユニットアレイが、被写体を電子的、および機械的に走査することができる。撮像システムは、第2のアンテナ装置22'などの1つまたは複数のアンテナ装置を含むことが可能である。アンテナ装置は、アンテナ装置またはアンテナアレイに要求される機械的動きに依存して、装置の一部であること、または別個であることが可能な、適切なレードーム材料によって環境から保護されることが可能である。他のアレイ構成の例が、参照により本明細書に組み込まれている、2003年12月5日に出願した同時係属の米国特許出願第10/728,456号で説明されている。
【0015】
アンテナ装置48は、インパルスデュレーションに依存して、約1ギガヘルツ(GHz)から約2THzまでの範囲から、または約100MHzから約15GHzまでの範囲から選択された電磁放射線を送信/受信するように構成されることが可能である。また、約1GHzから約300GHzまでの範囲が使用されることも可能であり、約5GHzから約110GHzまでの範囲が、撮像のために特に役立つ。24GHzから30GHzまでの範囲が、一部のアンテナ装置において使用される。アンテナ装置は、受信された放射線を表す画像信号68を生成する。
【0016】
コントローラ62が、アンテナ装置48の動作を制御する。コントローラ62は、一度に1つだけの送信素子58または60で被写体32に照射を行い、1つまたは複数の素子58または60で同時に受信するように構成された、切り替えツリー66を含むトランシーバ64を含むことが可能である。トランシーバ64は、送信アンテナ素子と受信アンテナ素子の各組合せの逐次の活性化を導いて、プラットフォーム42および被写体が回転するにつれ、垂直方向に沿って被写体32の一部分の走査をもたらす論理を含むことが可能である。
【0017】
アンテナ装置48から受け取られた画像信号は、周波数が逓降されて、処理のための適切なフォーマットに変換されることが可能である。一形態では、トランシーバ64は、米国特許第5,859,609号で説明されるような、バイスタティックヘテロダインFM/CW (Frequency Modulated Continuous Wave)タイプであることが可能である。他の例は、米国特許第5,557,283号および米国特許第5,455,590号で説明されている。他の諸実施形態では、重なり合う、または重なり合わない周波数範囲を有する、様々なトランシーバ構成および感知素子構成の混合が、利用されることが可能であり、インパルスタイプ、単安定ホモダインタイプ、バイスタティックヘテロダインタイプ、および/または他の適切なタイプの1つまたは複数を含むことが可能である。
【0018】
トランシーバ64は、画像信号に対応する画像データ68を1つまたは複数のプロセッサ70に供給することができる。プロセッサ70は、デジタル回路、アナログ回路、またはその両方などの、画像データを処理するための任意の適切なコンポーネントを含むことが可能である。プロセッサ70は、コンピュータまたはマイクロプロセッサのように、プログラマブルであること、専用のハードワイヤドの状態マシンであること、またはこれらの組合せであることが可能である。複数プロセッサ形態の場合、分散処理、パイプライン処理、および/または並行処理が、適宜、利用されることが可能である。
【0019】
プロセッサ70は、メモリ72を含むことが可能である。メモリ72は、ソリッドステート、電磁、光学、または以上の組合せであることが可能であり、揮発性および/または不揮発性であることが可能である。さらに、メモリ72は、常駐のハードドライブ、またはランダムアクセスメモリ(RAM)のように専用であっても、フレキシブル磁気ディスク、テープカートリッジ、光ディスク(CD-ROMまたはDVD)、またはその他の適切なタイプなどの、取り外し可能メモリデバイス(R.M.D.)74のように、取り外し可能であってもよい。
【0020】
コントローラ62は、モータ44、プライムムーバ56、または使用される他の駆動要素に結合されて、プラットフォーム42の回転、またはアンテナアレイの動きを選択的に制御することが可能である。コントローラ62は、1つまたは複数の入力デバイス78、および1つまたは複数のディスプレイまたは他のタイプの出力デバイス80も含むモニタ/コントロールステーション76の中に収容されることが可能である。入力デバイスには、キーボード、マウスもしくは他のカーソル制御デバイス、音声認識入力システム、または他の適切なデバイスもしくはシステムが含まれることが可能である。出力デバイスは、ビジュアルアラームもしくはオーディオアラーム、プリンタ、通信リンク、あるいは陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマ、有機発光ダイオード(OLED)、または他の適切なディスプレイタイプなどの、ディスプレイであることが可能である。適切な通信リンクには、プライベートであるか、公共であるかにかかわらず、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ミューニシパルエリアネットワーク(MAN)、またはワイドエリアネットワーク(WAN)が含まれることが可能である。
【0021】
図2は、回転プラットフォームを有するシステム30、または固定プラットフォームを有するシステムなどの、撮像システムにおいて使用されることが可能なアンテナアセンブリ90のオプションの構成をブロック図の形態で示す。アンテナアセンブリ90は、ベースフレームと中間フレーム96の間で相対的動きをもたらすために、ベースモータ、または他のモーションアセンブリ94が装着されたベースフレーム92を含むことが可能である。次いで、フレーム96は、中間フレームとともに被写体に対して動く一次アンテナ装置もしくはアンテナアレイ98を支持することが可能である。一部の実施例では、二次装置もしくは二次アレイ100が、アンテナ装置48に関して説明したとおり、含まれることが可能である。第2の装置もしくは第2のアレイは、中間フレーム96に取り付けられた第2のモーションアセンブリ102に装着されることが可能である。これにより、一次装置もしくは一次アレイに対してだけでなく、ベースフレームおよび被写体に対しても、二次装置もしくは二次アレイの動きが可能になる。また、他の構成が提供されることも可能である。例えば、一次装置もしくは一次アレイと、二次装置もしくは二次アレイがともに、中間フレームに固定して取り付けられてもよく、あるいは一次装置もしくは一次アレイが、両方の装置もしくはアレイの諸機能を実行してもよい。さらに、一次装置もしくは一次アレイと、二次装置もしくは二次アレイは、ベースフレームに対して独立して可動であってもよい。さらなる一次装置もしくは一次アレイ、二次装置もしくは二次アレイ、または他の装置もしくはアレイが使用されてもよい。
【0022】
図3は、説明した撮像システムにおいて使用可能であり、左アップライト114と右アップライト116とを含むベースフレーム112を有するアンテナアセンブリ110の側面図を示す。アンテナ素子120を有する一次アンテナ装置もしくはアンテナアレイ118が、図示されていない一次モーションアセンブリによって、垂直に動くためにフレーム112に装着されることが可能である。二次元アンテナ素子アレイ124を有する二次アンテナ装置もしくはアンテナアレイ122が、図示されていない二次モーションアセンブリによって中間フレーム126に関係して装着されることが可能である。次に、中間フレーム126が、やはり図示されていない、さらなるモーションアセンブリによってベースフレーム112に関係して装着されることが可能である。図3に示されたアンテナアセンブリは、このため、一次アレイと二次アレイの独立した動きを可能にすることができる。オプションとして、二次装置もしくは二次アレイ122'が、一次装置もしくは一次アレイ118とともに、一次アレイに関係して(沿って)動くために、中間フレーム126'上に装着されることも可能である。したがって、アセンブリ110は、システム30において示されるとおり、被写体が内部で回転される撮像システムにおいて、単一の側からの画像が生成されるシステムにおいて、またはアンテナ装置が、固定の被写体プラットフォームのまわりを動くシステムにおいて使用されることが可能である。
【0023】
以下の説明は、おおむね、表示画像、アルゴリズム、およびコンピュータメモリ内のデータビットの操作の記号表現に関して提示される。プログラムまたはアルゴリズムを、様々な互いに接続された別々のソフトウェアモジュールまたはソフトウェア機能として実施することが好ましい可能性がある。これは必須ではない。というのは、ソフトウェア、ファームウェア、およびハードウェアは、多くの異なる形で構成されることが可能であり、不明瞭な境界を有する単一のプロセッサおよびプログラムに集約されることが可能であるからである。
【0024】
アルゴリズムは、一般に、所望される結果をもたらす自己矛盾のない一連のステップと考えられる。それらのステップは、物理量の操作を要求する。通常、必須ではないが、それらの量は、格納されること、転送されること、組み合わされること、比較されること、およびそれ以外の形で操作されることが可能な電気信号または磁気信号の形態をとる。格納される場合、それらの量は、任意のコンピュータ可読媒体の中に格納されることが可能である。慣習として、それらの信号は、ビット、値、要素、記号、文字、画像、項、数などと呼ばれることが可能である。それらの用語、および類似の用語は、適切な物理量に関連付けられることが可能であり、それらの量に付けられる便利なラベルである。
【0025】
また、本開示は、説明したような動作を実行するための装置にも関する。装置は、要求される諸目的のために特別に構築されることが可能であり、あるいはコンピュータもしくは他の装置の中に格納されたコンピュータプログラムによって選択的にアクティブにされる、または再構成される汎用コンピュータを含むことが可能である。特に、様々な汎用マシンが、本明細書の教示によるプログラム群とともに使用されることが可能であり、あるいは、より特化された装置を構築して、要求される方法ステップを実行することが、より好都合であると判明することが可能である。様々なそれらのマシンに関する要求される構造は、以下に与えられる説明から明らかとなる。開示される動作を実行するための有用なマシンには、説明したとおり、汎用のデジタルコンピュータ、マイクロプロセッサ、または他の類似のデバイスが含まれる。
【0026】
説明されるプログラムは、単一のメモリ内に存在する必要はなく、単一のマシン内に存在することさえ必要ないことが、当業者には明らかであろう。プログラムの様々な部分、モジュール、または機能は、別々のメモリの中に存在することが可能であり、別々のマシンの中に存在することさえ可能である。それらの別々のマシンは、直接に接続されても、ローカルエリアネットワーク(LAN)、または現在、インターネットとして知られているような、グローバルエリアネットワークもしくはワイドエリアネットワークなどのネットワークを介して接続されてもよい。同様に、ユーザらは、互いに並んで配置される必要はなく、各ユーザが、プログラムの一部分を収容するマシンと一緒に配置されるだけでよい。
【0027】
(物体検出)
様々な技術が、撮像される人に関連する可能性がある物体を識別するために使用されることが可能である。例えば、一次アンテナアレイなどを使用して、被写体の第1の画像が獲得されると、物体が、システムの操作者によって手作業で、または自動的に検出される。手作業の検出が使用される場合、図4の画像のような、一次画像もしくは第1の画像130が、システムモニタ上に表示されることが可能である。操作者が、次に、物体の存在が疑われる画像の位置または区域を識別することが可能である。例えば、図5は、疑わしい区域のまわりの輪郭134によって画定された、図4の画像の一部分の拡大された第2の画像132を示す。そのような区域は、画像強化アルゴリズムを使用して定義されることが可能であり、拡大画像生成が生成されることが可能である。また、そのようなプログラムは、選択された疑わしい区域内の領域のより明瞭な画像を生成するために、画像強化、およびより高い解像度を可能にすることも可能である。例えば、プログラムは、疑わしい区域を撮像するのに使用されるピクチャ要素、つまりピクセルの数を増加させることもできる。補間技術などの、画像強化ツールを使用して、画像がより鮮明にされることが可能である。
【0028】
人以外の可能な物体を含む疑わしい区域が識別されると、アンテナ装置を使用して、疑わしい区域のより詳細な画像がもたらされることが可能である。例えば、図1に示されるアレイ52、図2のアレイ100、または図3のアレイ122などの二次アンテナアレイを使用して、疑わしい区域が、最初に与えられたのよりも詳細に、再撮像されることが可能である。
【0029】
オプションとして、一次アレイを再使用して、疑わしい区域が再撮像されてもよい。より高い解像度は、アンテナアレイに対する被写体の動きの速度を低減すること、またはアンテナアレイの走査速度を増加することなどにより、被写体の表面積当たりのファイヤリング回数を増加することによって可能である可能性がある。また、アレイ内のアンテナ素子の一部を使用して、第1の低解像度の画像を生成し、被写体の選択された領域に対応するアンテナ素子のすべてを使用して、第2の高解像度の画像を生成することも可能である。
【0030】
したがって、画像信号は、第1の画像に対応する画像信号の部分の再加工であれ、選択された被写体区域の再走査に対応する画像信号の一部分であれ、一次画像より高い解像度を有する二次画像が、生成されることが可能である。次に、その画像が、操作者による観察のために表示されて、物体が存在するかどうかを判定し、存在する場合、その物体の性質を判定することが、よりよく行われることが可能である。
【0031】
また、画像データの諸特性が、自動的に分析されて、物体を含む可能性がある画像の区域が存在するかどうかが判定されることも可能である。既知の物体の画像の諸特性に対応する諸特性を有する被写体画像の領域が、識別されることが可能である。そのような識別は、システム操作者の注意をそのような区域に向けるのに使用されることが可能であり、アラームをアクティブにするのに使用されることが可能であり、疑わしい区域の再走査を開始する、またはそれ以外の形で画像の解像度を高めるのに使用されることが可能である。
【0032】
人によって担持される物体は、人が身に付けた、隠された物体の付近の「波打ったテクスチャ」の外観を有する可能性がある。図4は、マネキンの身体上に置かれた人工物体を有するマネキンの画像130の例を示す。この画像は、人の画像に似ている。この図では、ナイフの画像が、腹部上に現れ、銃の画像が背部上に現れる。図5に示される第2の画像132は、図4に示されるナイフの画像の拡大である。明るい領域と暗い領域として現れる、交互する高い輝度レベルと低い輝度レベルを有するピクチャ要素を有するものとして特徴付けられる画像が、物体であると疑われることが可能である。その変化する輝度レベルパターンもしくは波打ったテクスチャパターンは、物体上、および/または物体のまわりの画像において目に見える。
【0033】
波打ちは、画像を波打ち検出カーネルで畳み込むことによって検出されることが可能である。例示的なカーネルは、以下の5×5行列値によって与えられる。すなわち、
【0034】
【表1】
【0035】
以上の数値セットの「波打った」性質は、図6に示され、図6は、ピクセル位置に対応する5行×5列グリッドの相対的大きさを示す。カーネルの行と列における値は、負の値と正の値の間で移動し、そのため、「波打った」という言い方がされる。また、この特定の例における以上の係数の値は、中央に、または中央近くに最大絶対値を有し、周辺部あたりに最小絶対値を有する。このカーネルは、そのため、新たなピクセル輝度レベルを算出する際に、中央に最も大きい重み、つまり比率を与える。さらに、係数の値の合計は、0であり、したがって、画像変換の結果、輝度レベル補正は、全く必要とされない。
【0036】
前述のカーネル数値は、対応する5×5のピクチャ要素正方形を覆う小さい画像ウインドウと考えることができる。このウインドウは、画像に沿って動かされる。画像上のこのウインドウの各位置に関して、カーネルの中の各値に、対応する画像輝度値(その位置のすぐ下の)が掛けられ、この操作の最終結果は、25回の乗算の結果の合計である。一般に、ウインドウが被せられたピクセルの輝度の相対値が、カーネルの中の相対値に近いほど、結果の合計の大きさ、つまり絶対値が高くなる。
【0037】
この操作の例が、図7Aおよび図7Bに示され、図7Aおよび図7Bは、ウインドウの2つの連続する位置を示す。これらの図では、円140が、被写体画像142を構成するピクセルの輝度レベルを表す。正方形144は、カーネルの「ウインドウ」を表し、カーネル値は、三角形146によって表されている。正方形144の左側に示される三角形146'は、単に、前の計算中にウインドウ144の中に含まれていたピクセルの行を表す。前述したとおり、各カーネル値には、ウインドウの所与の位置において、各カーネル値が関連付けられているピクセルの輝度レベルが掛けられる。結果の25の積が、合計される。合計の大きさが、基準ピクセルRに割り当てられ、ピクセルRは、適切であると考えられる任意のピクセル位置であることが可能である。
【0038】
このため、画像の中のピクセルの新たな値は、元のピクセル値を、複数のピクチャ要素に基づく、または複数のピクチャ要素から導出された値で置き換えたことの結果、元の画像よりも低い解像度を有する。このより低い解像度は、元の画像のボケ、または元の画像を、元の画像とは異なる新たな画像に変換したことに起因する可能性がある。このケースでは、各ピクセルの新たな輝度レベルは、他の1つまたは複数のピクチャ要素の輝度レベルの関数である。特に、新たな輝度レベルは、基準ピクセルの新たな値を算出するのに使用される、他のピクセル群に対する基準ピクセルの位置に関係する。
【0039】
この合計は、基準ピクセルに関連する25のピクセルの、カーネルによって表される相対変化、つまりテクスチャに対する相関の示度をもたらす。合計の大きさが大きいほど、相関は強い。この例では、ウインドウの中央におけるピクセルが、基準ピクセルと考えられる。
【0040】
図7Bは、ウインドウが、右に1ピクセル行、移される次のステップ中のウインドウ144の位置を示す。このプロセスは、被写体画像142が、画像の各ピクセル、つまり選択されたピクセルに関する前述した操作の結果を含む値を使用して、新たな「画像」に畳み込まれるまで続けられる。固定のダイナミックレンジを占めるように平滑化され、引き伸ばされた後、新たな画像は、明るい方の区域が、波打ちテクスチャの局所的存在を示す、図8に示される「波打ち画像」150である。つまり、図8の画像は、選択された被写体画像特性が存在する度合いのマッピングである。この波打ち画像の中で、波打ちの最も大きく、最も明るい領域は、元の被写体画像の中でナイフおよび銃が存在する箇所に現れることが見られる。
【0041】
波打ち画像が、元の被写体画像から生成されると、波打ち画像の最も明るい領域は、その画像に対して閾値分析を実行することによって識別されることが可能である。また、結果の画像をより均一にするために、小さいコントラストの領域または穴が、消去されることも可能である。この分析では、図9に示される新たな画像が、白に対応する輝度レベルのような、はっきりした輝度レベルを、最大の80パーセントのような、少なくとも選択された輝度値または波打ち値を有する波打ち画像の領域に割り当てることにより、生成される。その他の領域には、0の輝度、つまり黒レベルの輝度のような、区別可能な値が割り当てられる。すると、その画像が、選択された画像特性に関して強い相関が存在する領域を示す。
【0042】
目的は、疑わしい物体が存在する被写体画像の領域をグラフィックで明らかにすることである。次に、それらの領域が、システム操作者に表示される、またはそれ以外の形で明らかにされることが可能であり、したがって、操作者は、画像または被写体をさらに評価することができる。以上のプロセスは、人が身に付けた物体と一致する可能性が低い、小さい領域が識別されることをもたらす可能性がある。画像は、それに相応して、強調された箇所を拡張し、次に、有意であると見込まれない、より小さい領域を削除することにより、クリーンアップされることが可能である。拡張は、強調された領域を拡大するプロセスである。このプロセスを行う1つのやり方は、画像上を別の分析「ウインドウ」が通るようにさせることによってであり、所与の基準ピクセルに関して、事前設定された閾値より多くの白のピクセルが存在する場合、ウインドウ全体の中のピクセルが、白にされる。例示的な結果が、図10に示されている。
【0043】
疑わしい物体区域の撮像を簡略化するのに、強調された領域の境界を定める長方形が、識別されることが可能である。図11は、そのようなプロセスの例を示す。それらの領域は、それ以前に強調された領域より大きいサイズであり、一部のケースでは、複数の疑わしい区域を含む単一の区域も含む。その画像が、間隔の近い区域をさらに組み合わせるように再び拡張されることが可能である。1つのそのようなプロセスからもたらされる画像が、図12に示されている。このケースでは、図12の画像が、図11の画像とほぼ同一であることが見られる。拡張のための異なる基準は、異なる結果をもたらすことが可能である。次に、その画像が、疑わしい区域の最終マスクとして使用されることが可能である。
【0044】
被写体画像上の物体の識別を容易にするのに、図12の画像から導出された疑わしい区域の輪郭が、図13に示されるとおり、元の画像の表示に追加されることが可能である。オプションとして、以下に説明するとおり、疑わしい区域内の元の被写体画像の諸部分が、被写体の人のプライバシーを保護するように、変更された被写体画像の上に重ね合わされることが可能である。さらに、図4〜図13に関連して説明する技術は、物体、および/または被写体の疑わしい区域を識別するための1つのタイプの技術を表す。他の諸技術も使用されることが可能であり、この技術が、他の諸技術と一緒に使用されて、物体、または疑わしい区域が識別されることも可能である。例えば、人の身体の画像から物体の画像を区別することができる、画像の他の諸特性を検出する技術が、この技術と組み合わせて使用されることが可能である。さらに、図8の画像をさらに変更する処理などの、画像の漸進的な処理が、画像の中に含まれる物体についてのさらなる情報をもたらすことが可能である。そのような情報は、諸特性に応じて、疑わしい物体として、または物体であるとしての、物体の分類をもたらすことが可能である。
【0045】
(プライバシーを保護すること)
明白なように、ミリ波撮像システムによって生成される被写体画像は、衣服なしの被写体を示す。一部のケースでは、プライバシー上の理由で、生成された画像を人間の操作者に表示するのを回避することが望ましい可能性がある。前述したプロセスによってもたらされる人工物体の位置の知識が、物体を含むものと疑われる被写体画像の諸部分だけを表示することを可能にする。そのため、それらの疑わしい領域が、被写体の画像全体を表示することなしに、表示されることが可能である。
【0046】
その場合、一方で、被写体によって着用される衣服の下にある被写体の区域を隠し、他方で、人間の被写体の身体および姿勢の「全体的印象」を示す画像を生成することにより、疑わしい領域の位置において、画像の観察者の理解を促進することが望ましい。本開示では、そのような画像は、p画像と呼ばれ、「p」は、「プライバシー」を表す。p画像は、疑わしい領域内のすべてのピクセルを、元の画像値で置き換えることによって変更されることが可能である。このようにして、プライバシーは、疑わしいと判定された領域においてだけ脅かされる。
【0047】
被写体画像を波打ちカーネルで畳み込むことからもたらされる図8に示されたような画像は、より低い解像度の画像をもたらすので、p画像として使用されることが可能であると考えることもできる。しかし、その画像は、被写体の身体の形状と十分に一致する画像を信頼できる形でもたらさない可能性がある。別のアプローチは、異なるカーネルを使用することである。例えば、以下の5×5グリッドの値を有するカーネルが使用されることが可能である。すなわち、
【0048】
【表2】
【0049】
図14は、いくつかの物体が支持されるマネキンから成る被写体画像を示す。カーネルは、前述したのと同一のプロセスを使用して被写体画像に適用される。結果は、図15に示される大幅に変更されたp画像である。カーネルの値のグラフ表現が、図16に示されている。このカーネルは、すべて正の値を有し、値は、中央において最大であり、外縁部において最小であることが見られる。このカーネルは、領域内のピクセルの重み付き平均を生じさせる傾向があり、高い、または低い傾向のある値を生じさせる。高いピクセル値は、白、つまり明として表示され、低いピクセル値は、黒、つまり暗として表示される。p画像は、被写体画像の詳細を示すことなしに、元の被写体画像の全体的形状を保持する。
【0050】
図17は、被写体の人が、その人の衣類の下に隠された物体を有するかどうかを評価するために、システム操作者に表示されることが可能な「最終」画像を示す。最終画像は、疑わしい領域が、元の被写体画像の対応する諸部分で置き換えられたp画像を含む。疑わしい領域は、前述したプロセスを使用して識別されることが可能である。
【0051】
また、p画像は、別の形で生成されることも可能である。その実施例では、図14に示された画像のような、元の被写体画像が使用されて、画像上に身体が現れるあらゆるところで、粗いマスクが生成されることが可能である。閾値プロセスを使用して被写体画像が変更されて、前述したプロセスに従って、2つの輝度レベルなどの、より少ない輝度レベルを有する画像が生成される。図14の被写体画像に適用されると、図18に示される画像が生成されることが可能である。この画像は、p画像として使用されることが可能であるが、より全体的な形状の画像が所望される可能性がある。
【0052】
閾値画像のさらなる処理が、実行されてもよい。例えば、画像が、侵食されて、小さい領域が取り除かれてもよい。これは、前述した拡張するプロセスの逆のプロセスを実行するようなものであることが可能である。例えば、画像を侵食することは、選択された数の周囲のピクセルが、低い輝度レベルを有する場合、高いピクセル輝度値を低いピクセル輝度値で置き換えることを含むことが可能である。評価が行われるピクセルは、前述したとおり、ピクセルウインドウを使用することなどにより、被写体ピクセルまたは基準ピクセルとの関連を定義することによって選択されることが可能である。
【0053】
そのような侵食プロセスの結果が、図19に示されている。このケースで使用されるプロセスは、画像をほとんど変えていないことが見られる。他の侵食技術が使用されて、より顕著な変化が生じさせられてもよい。例えば、高輝度レベルの基準ピクセルの輝度レベルは、ウインドウ内の少数のピクセルだけが低い輝度レベルを有する場合に、低いレベルに変更されてもよい。
【0054】
侵食された画像は、前述したとおり、画像を拡張することによってさらに生成されてもよい。大きいピクセルウインドウ、およびアグレッシブな変換スキームを使用することにより、図19の侵食された画像が、図20の拡張された画像に変換されてもよい。この拡張された画像でさえ、元の被写体画像に対応する認識可能な全体的な形状を保持する。この拡張された画像をp画像として使用して、次に、その画像が、前述したとおり、疑わしい区域を、元の被写体画像の対応する諸部分で置き換えることによって強化されることが可能である。図21は、図14の被写体画像のコピーである。図22は、被写体画像の対応する諸部分で諸部分が置き換えられた、強化されたp画像である。人の身体の詳細は、疑わしい区域に関連する諸部分を除き、見えないように隠されていることが見られる。さらに、疑わしい区域の元の画像が保持され、したがって、操作者は、疑わしい区域内の何らかの物体の明瞭な画像を得ることができる。
【0055】
見て取ることができるとおり、プライベート画像は、異なる形で形成されてもよい。例えば、図23は、前述したプロセスによって生成される画像の組合せとして形成された、さらなる表示画像160を示す。表示画像160は、2つの基本的な成分、プライベート画像、つまりp画像162、および疑わしい領域166のグループ164から成る。疑わしい領域の特定は、前述し、図4〜図13に示されるのと同一であっても、他の適切な技術の使用によってもよい。
【0056】
示されるプライベート画像は、2つの画像成分、人間形状成分168および背景成分170から形成される。画像は、より多くの成分に分割されることが可能であり、成分の形状は、様々であることが可能である。例えば、背景部分は、人間形状成分の周りのバンド、またはバンドの一部分に過ぎなくてもよい。人間形状成分は、人の形状に全体的に一致しても、一致しなくてもよい。2つの成分間の境界のおおよその位置を明らかにするため、表示画像160が、図24に画像160'として繰り返されている。画像160'は、2つの成分間の境界が、破線172によって明らかにされていることを除き、画像160と同一である。この実施例では、それらの成分の両方とも、前述したとおり、カーネルを元の画像で畳み込むことからもたらされる、図8に示された画像150に対応する予備p画像から導出されることが可能である。他の形態のプライバシー画像が使用されてもよい。画像150は、人間形状が、非常にゆがめられ、かつ/またはぼやけているようにし、あいまいな画像と呼ぶこともできる。次に、人の身体の全体的形状と一致するマスクが使用されて、プライバシー画像がさらに変更されることが可能である。そのようなマスクの例は、図14〜図20に関連して説明される技術のような技術を使用して、図4に示される画像130に対応する元の画像から展開された、図20に示されるプライバシー画像である。また、元の画像の中の被写体画像のシルエットから導出されたマスクなどの、他の形状のマスクが使用されることも可能である。
【0057】
あいまいな画像、または識別可能な人間形状を有する他の画像から始める技術を使用することを含め、他の諸技術が、人間形状マスクを展開するのに使用されてもよい。疑わしい区域が、元の画像の中でそれらの区域が存在するのと同一の相対位置でプライバシー画像上に位置付けられる、前述した諸技術では、監視される人の身体の全体的な諸部分と一致する人間形状成分により、観察者が、その人の上の疑わしい区域の位置を特定するのを容易にすることが可能である。
【0058】
監視される人の身体に全体的に対応する図20のあいまいな画像の部分は、画像の残りの部分に比べて強化されることが可能である。例えば、人間形状成分168を構成するピクセルの輝度の白レベルが、画像の背景成分170を構成するピクセルの輝度と比べて、増加されることが可能である。この強められた差別化は、人間形状成分のピクセル輝度値に、背景成分のピクセル輝度値より高い相対値を与えることによって達せられることが可能である。以下のテーブルは、以上が達せられることが可能な様々な形を示す。
【0059】
【表3】
【0060】
例えば、両方の成分のピクセルの値が、増加されて、人間形状成分が、背景成分よりも増加されることが可能である。同様に、両方の成分のピクセルの値が、低減されて、人間形状成分が、背景成分ほど低減されないことが可能である。例として、人間形状成分が、1.2倍に増加されることが可能であり、背景が、0.8倍に低減されることが可能である。つまり、人間形状成分の各ピクセルの輝度に1.2が掛けられることが可能であり、背景成分の各ピクセルの輝度に0.8が掛けられることが可能である。これにより、図23に示されるとおり、人間形状ピクセル群が、背景ピクセル群よりも相当に明るく見えることがもたらされる。したがって、この実施例では、人間形状成分ピクセル群は、それらのピクセルが、元の画像においてよりも明るく見え、背景成分ピクセル群は、より暗く見える。
【0061】
画像プロセスの組合せからもたらされるp画像は、2つの画像成分が、より視覚的に異質である画像をもたらすことが理解されよう。「波打ち」画像は、本来の人間形状特性を有するが、それらの人間形状特性は、元の画像の詳細(p画像の一部ではない疑わしい領域の画像を除く)を含まずに強化される。同様の結果が、前掲のテーブルにリストアップされる相対的変更を逆にして、人間形状成分を背景成分より暗くすることによって達せられることも可能である。さらに、その効果は、任意の視覚的に知覚される特性の相対値を変更すること、または成分のいずれか、または両方に、区別する特性または特徴を追加することによって達せられることも可能である。また、区別する特性には、解像度、画像パターン(斑点またはクロスハッチングなどの)、あるいは色、色相、色調、色合い、明るさ、彩度、輝度、または色空間における他の視覚的に知覚される変化などの、クロミナンス特性も含まれることが可能である。多数の可能な組合せおよびバリエーションが可能であることが見られる。
【0062】
それらのプロセスにおいて生じさせられる効果は、ピクセルウインドウ内に含まれるピクセルの数の選択、ピクセルウインドウの形状、ならびに画像内のピクセル群の輝度レベルを変更するのに使用される、閾値などの判定基準によって制御されることが可能である。
【0063】
図25は、セキュリティ検査システム30のディスプレイデバイス80の表示180を示す。表示180は、コントロールパネル182、および表示される被写体画像184のコンピュータによって生成された表示であることが可能である。コントロールパネル182は、コントロールキー188および190などの、様々な表示-システム動作コントロール186を含むことが可能である。また、コントロールパネルは、フレーム選択フィールド192、モーション画像フィールド194、およびモーション表示コントロールパネル196も含む。
【0064】
被写体画像または被写体画像群184の様々な構成が提供されることが可能である。この実施例では、被写体周囲の45度の増分における被写体のビューに対応する8つの画像フレーム198が、示されている。また、他の数のフレームが示されてもよい。フレームには順次に番号が付けられ、フレーム番号2は、画像200を含む。各フレームは、この場合は、図4〜24に関連して説明されるプロセスによって提供されるような、被写体のプライベート画像204である被写体画像202を含む。前述した、物体識別アルゴリズムによって識別される領域のような、詳細な被写体画像の疑わしい領域206が、プライバシー画像の上に重ね合わされる。
【0065】
フレームの選択された1つが、拡大され、一次画像208として表示される。拡大されたフレームは、疑わしい領域の拡大を含み、それらの領域を操作者が見やすいようにしている。さらに、一次画像は、フレーム198を順次に示すことにより、被写体の回転の動きの外見を表示するのに使用されることが可能である。被写体上の疑わしい区域の連続するビューは、静止画像で達せられるよりも、物体の形状および位置のより容易な識別を可能にする可能性がある。モーション画像化のためにフィールド194の中で選択された8つのフレームを使用して、フレーム1ないし8が、連続して示されて、被写体の回転の外見をもたらす。動きは、モーション表示コントロールパネル196を使用して制御されることが可能である。
【0066】
また、8フレームより少ない、または多いフレームが、動きの外見を表示するために使用されることも可能である。例えば、4、16、20、32、36、72、またはその他の数のフレームが使用されてもよい。規則的な角間隔でずらされた画像を有するフレームを表示することは、一定の速度における被写体の回転の外見をもたらすことが可能である。また、不均一な時間間隔および/または角感覚が使用されることも可能である。また、画像の表示の速度も、被写体の見かけの回転速度を変えるように変えられることが可能である。例えば、線形制御素子210を使用して、画像表示の速度が制御される、静止表示のために、一連の画像における、ある画像の選択が制御される、または他の諸機能が制御されることが可能である。また、デジタルフィールド192および194などの、他のコントロールも使用されることが可能である。さらに、図25に示されたフレーム1ないし8のような、表示されるフレームのフィールドが、変更されてもよく、フレームは、一連のフレームにおけるフレーム群の一部だけであってもよい。このため、表示180は、図示されているより多い、または少ないフレームもしくは画像を含んでもよい。例えば、一次画像208のみが図示されてもよい。多くの表示バリエーションが可能である。
【0067】
したがって、添付の特許請求の範囲で定義される本発明を、以上の好ましい諸実施形態に関連して特に図示し、説明してきたが、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、多くの変形形態が実施されることが可能であることが、当業者には理解されよう。諸特徴、諸機能、諸要素、および/または諸特性の他の組合せ、および部分的組合せが、本出願または関連出願における、本クレームの補正、あるいは新たなクレームの提示を介して主張される可能性がある。そのような補正されたクレーム、または新たなクレームも、異なる組合せに向けられているか、同一の組合せに向けられているかにかかわらず、また、元のクレームと比べて、範囲が異なるか、より広いか、より狭いか、または等しいかにかかわらず、本開示の対象の範囲内に含まれるものと見なされる。以上の諸実施形態は、例示的であり、いずれの単一の特徴または要素も、本出願、または後の出願において主張される可能性があるすべての可能な組合せに不可欠ではない。クレームが、「ある」要素、もしくは「第1の」要素、またはそれらと均等の記述をしている場合、そのようなクレームは、2つ以上のそのような要素を要求することも、除外することもなく、1つまたは複数のそのような要素を含むものと理解されなければならない。第1の、第2の、または第3のといった序数詞は、要素を区別するのに使用されており、特に明記しない限り、そのような要素の要求される数、または限定された数を示すものではなく、そのような要素の特定の位置、または特定の順序を示すものでもない。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本開示で説明される方法および装置は、監視システムおよび撮像システムが利用される、セキュリティ業界、監視業界、およびその他の業界に応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】撮像システムの実施例を示す全体図である。
【図2】一次アンテナアレイと二次アンテナアレイとを有するアンテナ装置の実施例を示すブロック図である。
【図3】図2のアンテナ装置の実施例を示す側面図である。
【図4】マネキンの衣服によって隠された物体を有するマネキンの、ミリ波撮像システムによって生成された画像である。
【図5】物体を示す図4の画像の一部分の拡大図である。
【図6】物体検出のために使用されるカーネルの値を示すグラフである。
【図7A】画像に対するカーネルの適用を例示する一連のステップを示す図である。
【図7B】画像に対するカーネルの適用を例示する一連のステップを示す図である。
【図8】画像の疑わしい区域を識別するように図4の画像に図6のカーネルを適用することから主にもたらされる画像を示す図である。
【図9】図8の画像に閾値を適用することからもたらされる画像である。
【図10】図9の画像の強調された区域を拡張すること、および小さい領域を除去することからもたらされる画像を示す図である。
【図11】図10の画像の強調された区域に対する1つまたは複数の境界となる長方形に属するすべてのピクセルにマークを付けた画像を示す図である。
【図12】図11の画像の強調された区域を拡張することからもたらされる画像を示す図である。
【図13】元の画像内の疑わしい区域と一致する、図12の強調された区域の輪郭が重ね合わされた、図4の元の画像のコピーを示す図である。
【図14】人の衣服によって隠された物体を有するマネキンの、ミリ波撮像システムによって生成された別の画像を示す図である。
【図15】図14の画像に対して別のカーネルを適用することからもたらされる画像を示す図である。
【図16】図15の画像を生成するように図14の画像に適用されたカーネルの値を示すグラフである。
【図17】図14の元の画像の疑わしい部分が重ね合わされた図15の画像を示す図である。
【図18】図14の画像に閾値を適用することからもたらされる変更された画像を示す図である。
【図19】図18の画像を侵食することからもたらされる画像を示す図である。
【図20】図19の画像を拡張することからもたらされる画像を示す図である。
【図21】図14の画像のコピーを示す図である。
【図22】図21の元の画像の疑わしい部分が重ね合わされた図20の画像を示す図である。
【図23】人間形状成分が背景から、視覚的により目立つようにされた、図8の画像と同様の画像を変更することからもたらされる画像を示す図である。
【図24】人間形状成分を背景から分離する境界に沿った破線が加えられた図23の画像を示す図である。
【図25】プライベート画像および疑わしい領域を表示するように適合された撮像装置を有する監視システムの例示的な表示である。
【符号の説明】
【0070】
30 撮像システム
32 被写体
34 人
36 物体
40 アンテナアセンブリ
46 被写体位置
48、98、100 アンテナ装置
62 コントローラ
68 画像信号
70 プロセッサ
94、102 移動機構
130、132 画像
140、R ピクチャ要素
144 ピクチャ要素グループ
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視被写体撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ミリ波信号が、レーダおよび遠隔通信のために使用されている。また、ミリ波信号は、ミリ波信号を被写体に向け、反射された信号を検出することによって被写体の画像を生成するのに使用されることも可能である。そのような撮像システムの例が、米国特許第5,455,590号、米国特許第5,557,283号、米国特許第5,859,609号、および米国特許第6,507,309号、ならびに2003年6月26日に出願した米国特許出願第10/607,552号、2003年10月30日に出願した米国特許出願第10/697,848号、2002年11月21日に出願した米国特許出願第10/301,522号、および2003年10月30日に出願した米国特許出願第10/697,965号において説明されており、以上の特許参考文献は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0003】
撮像システムが、セキュリティシステムにおいて人の監視のために使用される場合、監視が行われている施設、および施設の利用者の安全は、システムの有効性に依存する可能性がある。監視を受ける人は、監視が、その人のプライバシーを保護する形で実行されれば、より快く監視を許す可能性がある。これは、公共交通機関に乗る前、または公共施設もしくは保護された施設に入る前など、監視が、監視されている人または人々の意図される進行を遅延させる状況において、特に当てはまる。
【特許文献1】米国特許第5,455,590号
【特許文献2】米国特許第5,557,283号
【特許文献3】米国特許第5,859,609号
【特許文献4】米国特許第6,507,309号
【特許文献5】米国特許出願第10/607,552号
【特許文献6】米国特許出願第10/697,848号
【特許文献7】米国特許出願第10/301,522号
【特許文献8】米国特許出願第10/697,965号
【特許文献9】米国特許出願第10/728,456号
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
撮像システムは、被写体位置における被写体に向けてミリ波電磁放射線を送信し、その被写体からミリ波電磁放射線を受信するように構成されたアンテナ装置を含むことが可能である。被写体には、人、および任意の物体、または人によって担持される物体が含まれることが可能である。また、そのようなシステムは、アンテナ装置を操作するように構成されたコントローラを含み、受信された放射線から、被写体の画像を表す画像データを生成することも可能である。
【0005】
アンテナ装置によって受信された放射線を表す画像信号の少なくとも第1の部分が使用されて、被写体の少なくとも一部分の第1の画像を表す第1の画像データが生成されることが可能である。画像信号の第1の部分の一部分に対応する画像信号の少なくとも第2の部分が使用されて、第1の画像の一部分に対応する第2の画像を表す第2の画像データが生成されることが可能である。第2の画像は、第1の画像の解像度と比べて、より高い解像度、またはより低い解像度を有することが可能である。より低い解像度の画像は、監視されている人に、画像をより容認できるものにする。より高い解像度の画像は、被写体のさらなる詳細を明らかにして、物体が、より容易に識別されることを可能にする可能性がある。人によって担持される物体の諸特性に対応する特性を有する第1の画像データの一部分が、画像の対応する部分に操作者の注意を喚起する際に使用するために識別されることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
(撮像システム)
図1は、被写体32を検問するセキュリティ検査システム30を示す。被写体32には、人34などの、1つまたは複数の生物、および/または物体36などの、1つまたは複数の無生物が含まれることが可能である。動作の際、システム30は、被写体32に、100メガヘルツ(MHz)ないし2テラヘルツ(THz)の周波数範囲内の電磁放射線を照射して、反射された放射線を検出することにより、被写体32を検問する。一般に、対応する波長は、数センチメートルから数マイクロメートルまでの範囲にある。そのような放射線は、固定の周波数であること、またはいくつかの変調タイプ、例えば、チャープタイプ、擬似周波数ホップタイプ、パルスタイプ、FMCW (Frequency Modulated Continuous Wave)タイプ、またはCW(持続波)タイプを使用して、ある周波数範囲、もしくはある周波数セットにわたることが可能である。
【0007】
撮像システムの一部の実施形態は、24GHzないし30GHzの範囲内の周波数、FMCW変調を組み込み、FCCの無許可のオペレーション要件を満たす信号内容を有し、規制された米国政府周波数帯域の範囲外にある送信信号を使用することができる。パルス幅は、2〜10マイクロ秒の範囲にあることが可能である。アンテナビーム幅は、画像形成信号プロセッサの要件に応じて、ブロードビームインプリメンテーションの場合、20〜120度の範囲にあり、ナロービーム幅アプリケーションの場合、1度から30度までの範囲にあることが可能である。様々なシステム偏波が、使用されることが可能である。例には、同一偏波、交差偏波、楕円偏波、右旋円偏波、および/または左旋円偏波が含まれる。
【0008】
一部の天然繊維および合成繊維は、そのような周波数、およびそのような波長の放射線に対して透過性、または半透過性であり、そのような材料の下に位置する表面の検出および/または撮像を許す可能性がある。検問の被写体が、衣服を着た個人である場合、衣類によって覆われた人の身体の諸部分についての画像情報が、衣類によって覆われていない諸部分についての画像情報とともに、システム30を使用して獲得されることが可能である。さらに、衣類の下で人によって担持される、もしくは支持される、または別の形で人とともにある物体に関する画像情報が、武器および密輸品に関して使用されるような、金属および非金属の物体の組成に関して、システム30を使用してもたらされることが可能である。
【0009】
図1に示されるとおり、被写体32には、システム30による検問のために提示される個人34が含まれる。個人34は、武器の形態で示される物体36を隠している衣類38を着用しているのが示されている。被写体には、人間であれ、動物であれ、あるいは無生物であれ、撮像のために撮像システムの検問ステーションにおいて提示されるすべてが含まれる。例えば、人が、撮像のために検問ステーションに入っている場合、被写体には、その人とともに、腕時計、鍵、宝飾品、ポケットナイフ、もしくは他のナイフ、硬貨、装身具、銃、または撮像されることが可能な他の何らかの物体などの、人によって支持される、何らかの物体が含まれる。被写体には、単数または複数の人、動物、物体、または以上の組合せが含まれることが可能である。被写体32は、システム30の検問ステーション、つまりポータル40に位置付けられる。アンテナアセンブリとも呼ばれるポータル40は、人が身に付けた、武器または密輸品などの物体を検出することが所望されるセキュリティチェックポイントに配置されるように構成されることが可能である。ポータル40は、モータ44に接続されたプラットフォーム42を含むことが可能である。プラットフォーム32は、被写体32を支持するように構成されることが可能である。モータ44は、被写体32が、モータ44の上に位置付けられている間、回転軸Rを中心に選択的に回転するように構成されることが可能である。図示された構成の場合、軸Rは、垂直であることが可能であり、被写体32は、軸Rおよびプラットフォーム42に対して概ね中心的な被写体位置46にあることが可能である。
【0010】
ポータル40は、一次多素子感知アレイ50と、二次多素子感知アレイ52とを含むアンテナ装置48をさらに含むことが可能である。装置48は、アレイ50および52が支持されるフレーム54を含むことが可能である。アレイ50は、フレーム54の全高にわたることが可能である。アレイ52は、フレーム54に沿った垂直の動きのために、プライムムーバ56によって装着されることが可能である。モータ44は、プラットフォーム42、および被写体32を、軸Rを中心に回転させる。その結果、アレイ50および52は、軸Rのまわりの全体的に円形の経路を描く。アンテナアレイは、軸Rから約0.5メートルないし約2メートルであることが可能である。
【0011】
アンテナアレイ50は、いくつかの直線に配置された素子58を含むことが可能であり、それらの素子58のいくつかだけが、図示されている。同様に、アレイ52も、直線に配置された素子60を有する。各素子58および60は、放射線を送信すること、または受信することに専用であることが可能であり、それらの素子は、1つの列が、送信することに専用であり、他方の列が、受信することに専用である、2つの全体的に垂直な列で配置されることが可能である。それらの要素の数および間隔は、使用される波長、および所望される解像度に対応する。200素子から約600素子までの範囲が、約2メートル、または2.5メートルの垂直の長さにわたることが可能である。
【0012】
ポータル40およびアンテナ装置に関する他の様々な構成が、使用されることが可能である。例えば、明白となるように、アンテナ装置の動作、およびプラットフォーム42の制御された回転に依存して、単一のアレイを使用して、被写体のデュアルスキャンが提供されることも可能である。さらに、複数のアレイが、各アレイの代わりに使用されることも可能であり、それらのアレイは、同一のアレイ密度、または異なるアレイ密度を有することが可能であり、二次元の送信アレイおよび受信アレイ、ならびに固定プラットフォームを有するポータル内の被写体位置のまわりを移動するアレイが、使用されてもよい。
【0013】
アンテナ装置の様々なバリエーションが、可能である。アンテナ装置は、1つまたは複数のアンテナユニットを含むことが可能であり、各アンテナユニットは、1つまたは複数の送信アンテナ、および1つまたは複数の受信アンテナを含むことが可能である。アンテナユニットは、単一のアンテナによる送信に応答して、放射線を受信することが可能な複数のアンテナを含むことが可能である。アンテナは、スロットライン、パッチ、エンドファイア、導波管、ダイポール、半導体、またはレーザなどの、電磁放射線を送信または受信するように構成された任意の適切なタイプであることが可能である。アンテナは、送信と受信をともに行うことができる。アンテナユニットは、アプリケーションに応じて、平面偏波、楕円偏波、または円偏波などの同偏波波形または異偏波波形を送信する、または受信する1つまたは複数の個別のアンテナを有することが可能であり、狭い、または広い角放射線ビームパターンを有することが可能である。ビーム幅は、ホログラフィ技術を使用する撮像アプリケーションの場合、比較的広い、すなわち、30〜120度であることが可能であるのに対して、狭い視野要件を有するアプリケーションの場合、0度ないし30度の範囲にある狭いビーム幅が使用されることが可能である。
【0014】
さらに、単一のアンテナが、一次元パスまたは二次元パスで被写体の近くを機械的に移動することにより、その被写体を走査することができる。一次元または二次元のアンテナユニットアレイが、被写体を電子的、および機械的に走査することができる。撮像システムは、第2のアンテナ装置22'などの1つまたは複数のアンテナ装置を含むことが可能である。アンテナ装置は、アンテナ装置またはアンテナアレイに要求される機械的動きに依存して、装置の一部であること、または別個であることが可能な、適切なレードーム材料によって環境から保護されることが可能である。他のアレイ構成の例が、参照により本明細書に組み込まれている、2003年12月5日に出願した同時係属の米国特許出願第10/728,456号で説明されている。
【0015】
アンテナ装置48は、インパルスデュレーションに依存して、約1ギガヘルツ(GHz)から約2THzまでの範囲から、または約100MHzから約15GHzまでの範囲から選択された電磁放射線を送信/受信するように構成されることが可能である。また、約1GHzから約300GHzまでの範囲が使用されることも可能であり、約5GHzから約110GHzまでの範囲が、撮像のために特に役立つ。24GHzから30GHzまでの範囲が、一部のアンテナ装置において使用される。アンテナ装置は、受信された放射線を表す画像信号68を生成する。
【0016】
コントローラ62が、アンテナ装置48の動作を制御する。コントローラ62は、一度に1つだけの送信素子58または60で被写体32に照射を行い、1つまたは複数の素子58または60で同時に受信するように構成された、切り替えツリー66を含むトランシーバ64を含むことが可能である。トランシーバ64は、送信アンテナ素子と受信アンテナ素子の各組合せの逐次の活性化を導いて、プラットフォーム42および被写体が回転するにつれ、垂直方向に沿って被写体32の一部分の走査をもたらす論理を含むことが可能である。
【0017】
アンテナ装置48から受け取られた画像信号は、周波数が逓降されて、処理のための適切なフォーマットに変換されることが可能である。一形態では、トランシーバ64は、米国特許第5,859,609号で説明されるような、バイスタティックヘテロダインFM/CW (Frequency Modulated Continuous Wave)タイプであることが可能である。他の例は、米国特許第5,557,283号および米国特許第5,455,590号で説明されている。他の諸実施形態では、重なり合う、または重なり合わない周波数範囲を有する、様々なトランシーバ構成および感知素子構成の混合が、利用されることが可能であり、インパルスタイプ、単安定ホモダインタイプ、バイスタティックヘテロダインタイプ、および/または他の適切なタイプの1つまたは複数を含むことが可能である。
【0018】
トランシーバ64は、画像信号に対応する画像データ68を1つまたは複数のプロセッサ70に供給することができる。プロセッサ70は、デジタル回路、アナログ回路、またはその両方などの、画像データを処理するための任意の適切なコンポーネントを含むことが可能である。プロセッサ70は、コンピュータまたはマイクロプロセッサのように、プログラマブルであること、専用のハードワイヤドの状態マシンであること、またはこれらの組合せであることが可能である。複数プロセッサ形態の場合、分散処理、パイプライン処理、および/または並行処理が、適宜、利用されることが可能である。
【0019】
プロセッサ70は、メモリ72を含むことが可能である。メモリ72は、ソリッドステート、電磁、光学、または以上の組合せであることが可能であり、揮発性および/または不揮発性であることが可能である。さらに、メモリ72は、常駐のハードドライブ、またはランダムアクセスメモリ(RAM)のように専用であっても、フレキシブル磁気ディスク、テープカートリッジ、光ディスク(CD-ROMまたはDVD)、またはその他の適切なタイプなどの、取り外し可能メモリデバイス(R.M.D.)74のように、取り外し可能であってもよい。
【0020】
コントローラ62は、モータ44、プライムムーバ56、または使用される他の駆動要素に結合されて、プラットフォーム42の回転、またはアンテナアレイの動きを選択的に制御することが可能である。コントローラ62は、1つまたは複数の入力デバイス78、および1つまたは複数のディスプレイまたは他のタイプの出力デバイス80も含むモニタ/コントロールステーション76の中に収容されることが可能である。入力デバイスには、キーボード、マウスもしくは他のカーソル制御デバイス、音声認識入力システム、または他の適切なデバイスもしくはシステムが含まれることが可能である。出力デバイスは、ビジュアルアラームもしくはオーディオアラーム、プリンタ、通信リンク、あるいは陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマ、有機発光ダイオード(OLED)、または他の適切なディスプレイタイプなどの、ディスプレイであることが可能である。適切な通信リンクには、プライベートであるか、公共であるかにかかわらず、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ミューニシパルエリアネットワーク(MAN)、またはワイドエリアネットワーク(WAN)が含まれることが可能である。
【0021】
図2は、回転プラットフォームを有するシステム30、または固定プラットフォームを有するシステムなどの、撮像システムにおいて使用されることが可能なアンテナアセンブリ90のオプションの構成をブロック図の形態で示す。アンテナアセンブリ90は、ベースフレームと中間フレーム96の間で相対的動きをもたらすために、ベースモータ、または他のモーションアセンブリ94が装着されたベースフレーム92を含むことが可能である。次いで、フレーム96は、中間フレームとともに被写体に対して動く一次アンテナ装置もしくはアンテナアレイ98を支持することが可能である。一部の実施例では、二次装置もしくは二次アレイ100が、アンテナ装置48に関して説明したとおり、含まれることが可能である。第2の装置もしくは第2のアレイは、中間フレーム96に取り付けられた第2のモーションアセンブリ102に装着されることが可能である。これにより、一次装置もしくは一次アレイに対してだけでなく、ベースフレームおよび被写体に対しても、二次装置もしくは二次アレイの動きが可能になる。また、他の構成が提供されることも可能である。例えば、一次装置もしくは一次アレイと、二次装置もしくは二次アレイがともに、中間フレームに固定して取り付けられてもよく、あるいは一次装置もしくは一次アレイが、両方の装置もしくはアレイの諸機能を実行してもよい。さらに、一次装置もしくは一次アレイと、二次装置もしくは二次アレイは、ベースフレームに対して独立して可動であってもよい。さらなる一次装置もしくは一次アレイ、二次装置もしくは二次アレイ、または他の装置もしくはアレイが使用されてもよい。
【0022】
図3は、説明した撮像システムにおいて使用可能であり、左アップライト114と右アップライト116とを含むベースフレーム112を有するアンテナアセンブリ110の側面図を示す。アンテナ素子120を有する一次アンテナ装置もしくはアンテナアレイ118が、図示されていない一次モーションアセンブリによって、垂直に動くためにフレーム112に装着されることが可能である。二次元アンテナ素子アレイ124を有する二次アンテナ装置もしくはアンテナアレイ122が、図示されていない二次モーションアセンブリによって中間フレーム126に関係して装着されることが可能である。次に、中間フレーム126が、やはり図示されていない、さらなるモーションアセンブリによってベースフレーム112に関係して装着されることが可能である。図3に示されたアンテナアセンブリは、このため、一次アレイと二次アレイの独立した動きを可能にすることができる。オプションとして、二次装置もしくは二次アレイ122'が、一次装置もしくは一次アレイ118とともに、一次アレイに関係して(沿って)動くために、中間フレーム126'上に装着されることも可能である。したがって、アセンブリ110は、システム30において示されるとおり、被写体が内部で回転される撮像システムにおいて、単一の側からの画像が生成されるシステムにおいて、またはアンテナ装置が、固定の被写体プラットフォームのまわりを動くシステムにおいて使用されることが可能である。
【0023】
以下の説明は、おおむね、表示画像、アルゴリズム、およびコンピュータメモリ内のデータビットの操作の記号表現に関して提示される。プログラムまたはアルゴリズムを、様々な互いに接続された別々のソフトウェアモジュールまたはソフトウェア機能として実施することが好ましい可能性がある。これは必須ではない。というのは、ソフトウェア、ファームウェア、およびハードウェアは、多くの異なる形で構成されることが可能であり、不明瞭な境界を有する単一のプロセッサおよびプログラムに集約されることが可能であるからである。
【0024】
アルゴリズムは、一般に、所望される結果をもたらす自己矛盾のない一連のステップと考えられる。それらのステップは、物理量の操作を要求する。通常、必須ではないが、それらの量は、格納されること、転送されること、組み合わされること、比較されること、およびそれ以外の形で操作されることが可能な電気信号または磁気信号の形態をとる。格納される場合、それらの量は、任意のコンピュータ可読媒体の中に格納されることが可能である。慣習として、それらの信号は、ビット、値、要素、記号、文字、画像、項、数などと呼ばれることが可能である。それらの用語、および類似の用語は、適切な物理量に関連付けられることが可能であり、それらの量に付けられる便利なラベルである。
【0025】
また、本開示は、説明したような動作を実行するための装置にも関する。装置は、要求される諸目的のために特別に構築されることが可能であり、あるいはコンピュータもしくは他の装置の中に格納されたコンピュータプログラムによって選択的にアクティブにされる、または再構成される汎用コンピュータを含むことが可能である。特に、様々な汎用マシンが、本明細書の教示によるプログラム群とともに使用されることが可能であり、あるいは、より特化された装置を構築して、要求される方法ステップを実行することが、より好都合であると判明することが可能である。様々なそれらのマシンに関する要求される構造は、以下に与えられる説明から明らかとなる。開示される動作を実行するための有用なマシンには、説明したとおり、汎用のデジタルコンピュータ、マイクロプロセッサ、または他の類似のデバイスが含まれる。
【0026】
説明されるプログラムは、単一のメモリ内に存在する必要はなく、単一のマシン内に存在することさえ必要ないことが、当業者には明らかであろう。プログラムの様々な部分、モジュール、または機能は、別々のメモリの中に存在することが可能であり、別々のマシンの中に存在することさえ可能である。それらの別々のマシンは、直接に接続されても、ローカルエリアネットワーク(LAN)、または現在、インターネットとして知られているような、グローバルエリアネットワークもしくはワイドエリアネットワークなどのネットワークを介して接続されてもよい。同様に、ユーザらは、互いに並んで配置される必要はなく、各ユーザが、プログラムの一部分を収容するマシンと一緒に配置されるだけでよい。
【0027】
(物体検出)
様々な技術が、撮像される人に関連する可能性がある物体を識別するために使用されることが可能である。例えば、一次アンテナアレイなどを使用して、被写体の第1の画像が獲得されると、物体が、システムの操作者によって手作業で、または自動的に検出される。手作業の検出が使用される場合、図4の画像のような、一次画像もしくは第1の画像130が、システムモニタ上に表示されることが可能である。操作者が、次に、物体の存在が疑われる画像の位置または区域を識別することが可能である。例えば、図5は、疑わしい区域のまわりの輪郭134によって画定された、図4の画像の一部分の拡大された第2の画像132を示す。そのような区域は、画像強化アルゴリズムを使用して定義されることが可能であり、拡大画像生成が生成されることが可能である。また、そのようなプログラムは、選択された疑わしい区域内の領域のより明瞭な画像を生成するために、画像強化、およびより高い解像度を可能にすることも可能である。例えば、プログラムは、疑わしい区域を撮像するのに使用されるピクチャ要素、つまりピクセルの数を増加させることもできる。補間技術などの、画像強化ツールを使用して、画像がより鮮明にされることが可能である。
【0028】
人以外の可能な物体を含む疑わしい区域が識別されると、アンテナ装置を使用して、疑わしい区域のより詳細な画像がもたらされることが可能である。例えば、図1に示されるアレイ52、図2のアレイ100、または図3のアレイ122などの二次アンテナアレイを使用して、疑わしい区域が、最初に与えられたのよりも詳細に、再撮像されることが可能である。
【0029】
オプションとして、一次アレイを再使用して、疑わしい区域が再撮像されてもよい。より高い解像度は、アンテナアレイに対する被写体の動きの速度を低減すること、またはアンテナアレイの走査速度を増加することなどにより、被写体の表面積当たりのファイヤリング回数を増加することによって可能である可能性がある。また、アレイ内のアンテナ素子の一部を使用して、第1の低解像度の画像を生成し、被写体の選択された領域に対応するアンテナ素子のすべてを使用して、第2の高解像度の画像を生成することも可能である。
【0030】
したがって、画像信号は、第1の画像に対応する画像信号の部分の再加工であれ、選択された被写体区域の再走査に対応する画像信号の一部分であれ、一次画像より高い解像度を有する二次画像が、生成されることが可能である。次に、その画像が、操作者による観察のために表示されて、物体が存在するかどうかを判定し、存在する場合、その物体の性質を判定することが、よりよく行われることが可能である。
【0031】
また、画像データの諸特性が、自動的に分析されて、物体を含む可能性がある画像の区域が存在するかどうかが判定されることも可能である。既知の物体の画像の諸特性に対応する諸特性を有する被写体画像の領域が、識別されることが可能である。そのような識別は、システム操作者の注意をそのような区域に向けるのに使用されることが可能であり、アラームをアクティブにするのに使用されることが可能であり、疑わしい区域の再走査を開始する、またはそれ以外の形で画像の解像度を高めるのに使用されることが可能である。
【0032】
人によって担持される物体は、人が身に付けた、隠された物体の付近の「波打ったテクスチャ」の外観を有する可能性がある。図4は、マネキンの身体上に置かれた人工物体を有するマネキンの画像130の例を示す。この画像は、人の画像に似ている。この図では、ナイフの画像が、腹部上に現れ、銃の画像が背部上に現れる。図5に示される第2の画像132は、図4に示されるナイフの画像の拡大である。明るい領域と暗い領域として現れる、交互する高い輝度レベルと低い輝度レベルを有するピクチャ要素を有するものとして特徴付けられる画像が、物体であると疑われることが可能である。その変化する輝度レベルパターンもしくは波打ったテクスチャパターンは、物体上、および/または物体のまわりの画像において目に見える。
【0033】
波打ちは、画像を波打ち検出カーネルで畳み込むことによって検出されることが可能である。例示的なカーネルは、以下の5×5行列値によって与えられる。すなわち、
【0034】
【表1】
【0035】
以上の数値セットの「波打った」性質は、図6に示され、図6は、ピクセル位置に対応する5行×5列グリッドの相対的大きさを示す。カーネルの行と列における値は、負の値と正の値の間で移動し、そのため、「波打った」という言い方がされる。また、この特定の例における以上の係数の値は、中央に、または中央近くに最大絶対値を有し、周辺部あたりに最小絶対値を有する。このカーネルは、そのため、新たなピクセル輝度レベルを算出する際に、中央に最も大きい重み、つまり比率を与える。さらに、係数の値の合計は、0であり、したがって、画像変換の結果、輝度レベル補正は、全く必要とされない。
【0036】
前述のカーネル数値は、対応する5×5のピクチャ要素正方形を覆う小さい画像ウインドウと考えることができる。このウインドウは、画像に沿って動かされる。画像上のこのウインドウの各位置に関して、カーネルの中の各値に、対応する画像輝度値(その位置のすぐ下の)が掛けられ、この操作の最終結果は、25回の乗算の結果の合計である。一般に、ウインドウが被せられたピクセルの輝度の相対値が、カーネルの中の相対値に近いほど、結果の合計の大きさ、つまり絶対値が高くなる。
【0037】
この操作の例が、図7Aおよび図7Bに示され、図7Aおよび図7Bは、ウインドウの2つの連続する位置を示す。これらの図では、円140が、被写体画像142を構成するピクセルの輝度レベルを表す。正方形144は、カーネルの「ウインドウ」を表し、カーネル値は、三角形146によって表されている。正方形144の左側に示される三角形146'は、単に、前の計算中にウインドウ144の中に含まれていたピクセルの行を表す。前述したとおり、各カーネル値には、ウインドウの所与の位置において、各カーネル値が関連付けられているピクセルの輝度レベルが掛けられる。結果の25の積が、合計される。合計の大きさが、基準ピクセルRに割り当てられ、ピクセルRは、適切であると考えられる任意のピクセル位置であることが可能である。
【0038】
このため、画像の中のピクセルの新たな値は、元のピクセル値を、複数のピクチャ要素に基づく、または複数のピクチャ要素から導出された値で置き換えたことの結果、元の画像よりも低い解像度を有する。このより低い解像度は、元の画像のボケ、または元の画像を、元の画像とは異なる新たな画像に変換したことに起因する可能性がある。このケースでは、各ピクセルの新たな輝度レベルは、他の1つまたは複数のピクチャ要素の輝度レベルの関数である。特に、新たな輝度レベルは、基準ピクセルの新たな値を算出するのに使用される、他のピクセル群に対する基準ピクセルの位置に関係する。
【0039】
この合計は、基準ピクセルに関連する25のピクセルの、カーネルによって表される相対変化、つまりテクスチャに対する相関の示度をもたらす。合計の大きさが大きいほど、相関は強い。この例では、ウインドウの中央におけるピクセルが、基準ピクセルと考えられる。
【0040】
図7Bは、ウインドウが、右に1ピクセル行、移される次のステップ中のウインドウ144の位置を示す。このプロセスは、被写体画像142が、画像の各ピクセル、つまり選択されたピクセルに関する前述した操作の結果を含む値を使用して、新たな「画像」に畳み込まれるまで続けられる。固定のダイナミックレンジを占めるように平滑化され、引き伸ばされた後、新たな画像は、明るい方の区域が、波打ちテクスチャの局所的存在を示す、図8に示される「波打ち画像」150である。つまり、図8の画像は、選択された被写体画像特性が存在する度合いのマッピングである。この波打ち画像の中で、波打ちの最も大きく、最も明るい領域は、元の被写体画像の中でナイフおよび銃が存在する箇所に現れることが見られる。
【0041】
波打ち画像が、元の被写体画像から生成されると、波打ち画像の最も明るい領域は、その画像に対して閾値分析を実行することによって識別されることが可能である。また、結果の画像をより均一にするために、小さいコントラストの領域または穴が、消去されることも可能である。この分析では、図9に示される新たな画像が、白に対応する輝度レベルのような、はっきりした輝度レベルを、最大の80パーセントのような、少なくとも選択された輝度値または波打ち値を有する波打ち画像の領域に割り当てることにより、生成される。その他の領域には、0の輝度、つまり黒レベルの輝度のような、区別可能な値が割り当てられる。すると、その画像が、選択された画像特性に関して強い相関が存在する領域を示す。
【0042】
目的は、疑わしい物体が存在する被写体画像の領域をグラフィックで明らかにすることである。次に、それらの領域が、システム操作者に表示される、またはそれ以外の形で明らかにされることが可能であり、したがって、操作者は、画像または被写体をさらに評価することができる。以上のプロセスは、人が身に付けた物体と一致する可能性が低い、小さい領域が識別されることをもたらす可能性がある。画像は、それに相応して、強調された箇所を拡張し、次に、有意であると見込まれない、より小さい領域を削除することにより、クリーンアップされることが可能である。拡張は、強調された領域を拡大するプロセスである。このプロセスを行う1つのやり方は、画像上を別の分析「ウインドウ」が通るようにさせることによってであり、所与の基準ピクセルに関して、事前設定された閾値より多くの白のピクセルが存在する場合、ウインドウ全体の中のピクセルが、白にされる。例示的な結果が、図10に示されている。
【0043】
疑わしい物体区域の撮像を簡略化するのに、強調された領域の境界を定める長方形が、識別されることが可能である。図11は、そのようなプロセスの例を示す。それらの領域は、それ以前に強調された領域より大きいサイズであり、一部のケースでは、複数の疑わしい区域を含む単一の区域も含む。その画像が、間隔の近い区域をさらに組み合わせるように再び拡張されることが可能である。1つのそのようなプロセスからもたらされる画像が、図12に示されている。このケースでは、図12の画像が、図11の画像とほぼ同一であることが見られる。拡張のための異なる基準は、異なる結果をもたらすことが可能である。次に、その画像が、疑わしい区域の最終マスクとして使用されることが可能である。
【0044】
被写体画像上の物体の識別を容易にするのに、図12の画像から導出された疑わしい区域の輪郭が、図13に示されるとおり、元の画像の表示に追加されることが可能である。オプションとして、以下に説明するとおり、疑わしい区域内の元の被写体画像の諸部分が、被写体の人のプライバシーを保護するように、変更された被写体画像の上に重ね合わされることが可能である。さらに、図4〜図13に関連して説明する技術は、物体、および/または被写体の疑わしい区域を識別するための1つのタイプの技術を表す。他の諸技術も使用されることが可能であり、この技術が、他の諸技術と一緒に使用されて、物体、または疑わしい区域が識別されることも可能である。例えば、人の身体の画像から物体の画像を区別することができる、画像の他の諸特性を検出する技術が、この技術と組み合わせて使用されることが可能である。さらに、図8の画像をさらに変更する処理などの、画像の漸進的な処理が、画像の中に含まれる物体についてのさらなる情報をもたらすことが可能である。そのような情報は、諸特性に応じて、疑わしい物体として、または物体であるとしての、物体の分類をもたらすことが可能である。
【0045】
(プライバシーを保護すること)
明白なように、ミリ波撮像システムによって生成される被写体画像は、衣服なしの被写体を示す。一部のケースでは、プライバシー上の理由で、生成された画像を人間の操作者に表示するのを回避することが望ましい可能性がある。前述したプロセスによってもたらされる人工物体の位置の知識が、物体を含むものと疑われる被写体画像の諸部分だけを表示することを可能にする。そのため、それらの疑わしい領域が、被写体の画像全体を表示することなしに、表示されることが可能である。
【0046】
その場合、一方で、被写体によって着用される衣服の下にある被写体の区域を隠し、他方で、人間の被写体の身体および姿勢の「全体的印象」を示す画像を生成することにより、疑わしい領域の位置において、画像の観察者の理解を促進することが望ましい。本開示では、そのような画像は、p画像と呼ばれ、「p」は、「プライバシー」を表す。p画像は、疑わしい領域内のすべてのピクセルを、元の画像値で置き換えることによって変更されることが可能である。このようにして、プライバシーは、疑わしいと判定された領域においてだけ脅かされる。
【0047】
被写体画像を波打ちカーネルで畳み込むことからもたらされる図8に示されたような画像は、より低い解像度の画像をもたらすので、p画像として使用されることが可能であると考えることもできる。しかし、その画像は、被写体の身体の形状と十分に一致する画像を信頼できる形でもたらさない可能性がある。別のアプローチは、異なるカーネルを使用することである。例えば、以下の5×5グリッドの値を有するカーネルが使用されることが可能である。すなわち、
【0048】
【表2】
【0049】
図14は、いくつかの物体が支持されるマネキンから成る被写体画像を示す。カーネルは、前述したのと同一のプロセスを使用して被写体画像に適用される。結果は、図15に示される大幅に変更されたp画像である。カーネルの値のグラフ表現が、図16に示されている。このカーネルは、すべて正の値を有し、値は、中央において最大であり、外縁部において最小であることが見られる。このカーネルは、領域内のピクセルの重み付き平均を生じさせる傾向があり、高い、または低い傾向のある値を生じさせる。高いピクセル値は、白、つまり明として表示され、低いピクセル値は、黒、つまり暗として表示される。p画像は、被写体画像の詳細を示すことなしに、元の被写体画像の全体的形状を保持する。
【0050】
図17は、被写体の人が、その人の衣類の下に隠された物体を有するかどうかを評価するために、システム操作者に表示されることが可能な「最終」画像を示す。最終画像は、疑わしい領域が、元の被写体画像の対応する諸部分で置き換えられたp画像を含む。疑わしい領域は、前述したプロセスを使用して識別されることが可能である。
【0051】
また、p画像は、別の形で生成されることも可能である。その実施例では、図14に示された画像のような、元の被写体画像が使用されて、画像上に身体が現れるあらゆるところで、粗いマスクが生成されることが可能である。閾値プロセスを使用して被写体画像が変更されて、前述したプロセスに従って、2つの輝度レベルなどの、より少ない輝度レベルを有する画像が生成される。図14の被写体画像に適用されると、図18に示される画像が生成されることが可能である。この画像は、p画像として使用されることが可能であるが、より全体的な形状の画像が所望される可能性がある。
【0052】
閾値画像のさらなる処理が、実行されてもよい。例えば、画像が、侵食されて、小さい領域が取り除かれてもよい。これは、前述した拡張するプロセスの逆のプロセスを実行するようなものであることが可能である。例えば、画像を侵食することは、選択された数の周囲のピクセルが、低い輝度レベルを有する場合、高いピクセル輝度値を低いピクセル輝度値で置き換えることを含むことが可能である。評価が行われるピクセルは、前述したとおり、ピクセルウインドウを使用することなどにより、被写体ピクセルまたは基準ピクセルとの関連を定義することによって選択されることが可能である。
【0053】
そのような侵食プロセスの結果が、図19に示されている。このケースで使用されるプロセスは、画像をほとんど変えていないことが見られる。他の侵食技術が使用されて、より顕著な変化が生じさせられてもよい。例えば、高輝度レベルの基準ピクセルの輝度レベルは、ウインドウ内の少数のピクセルだけが低い輝度レベルを有する場合に、低いレベルに変更されてもよい。
【0054】
侵食された画像は、前述したとおり、画像を拡張することによってさらに生成されてもよい。大きいピクセルウインドウ、およびアグレッシブな変換スキームを使用することにより、図19の侵食された画像が、図20の拡張された画像に変換されてもよい。この拡張された画像でさえ、元の被写体画像に対応する認識可能な全体的な形状を保持する。この拡張された画像をp画像として使用して、次に、その画像が、前述したとおり、疑わしい区域を、元の被写体画像の対応する諸部分で置き換えることによって強化されることが可能である。図21は、図14の被写体画像のコピーである。図22は、被写体画像の対応する諸部分で諸部分が置き換えられた、強化されたp画像である。人の身体の詳細は、疑わしい区域に関連する諸部分を除き、見えないように隠されていることが見られる。さらに、疑わしい区域の元の画像が保持され、したがって、操作者は、疑わしい区域内の何らかの物体の明瞭な画像を得ることができる。
【0055】
見て取ることができるとおり、プライベート画像は、異なる形で形成されてもよい。例えば、図23は、前述したプロセスによって生成される画像の組合せとして形成された、さらなる表示画像160を示す。表示画像160は、2つの基本的な成分、プライベート画像、つまりp画像162、および疑わしい領域166のグループ164から成る。疑わしい領域の特定は、前述し、図4〜図13に示されるのと同一であっても、他の適切な技術の使用によってもよい。
【0056】
示されるプライベート画像は、2つの画像成分、人間形状成分168および背景成分170から形成される。画像は、より多くの成分に分割されることが可能であり、成分の形状は、様々であることが可能である。例えば、背景部分は、人間形状成分の周りのバンド、またはバンドの一部分に過ぎなくてもよい。人間形状成分は、人の形状に全体的に一致しても、一致しなくてもよい。2つの成分間の境界のおおよその位置を明らかにするため、表示画像160が、図24に画像160'として繰り返されている。画像160'は、2つの成分間の境界が、破線172によって明らかにされていることを除き、画像160と同一である。この実施例では、それらの成分の両方とも、前述したとおり、カーネルを元の画像で畳み込むことからもたらされる、図8に示された画像150に対応する予備p画像から導出されることが可能である。他の形態のプライバシー画像が使用されてもよい。画像150は、人間形状が、非常にゆがめられ、かつ/またはぼやけているようにし、あいまいな画像と呼ぶこともできる。次に、人の身体の全体的形状と一致するマスクが使用されて、プライバシー画像がさらに変更されることが可能である。そのようなマスクの例は、図14〜図20に関連して説明される技術のような技術を使用して、図4に示される画像130に対応する元の画像から展開された、図20に示されるプライバシー画像である。また、元の画像の中の被写体画像のシルエットから導出されたマスクなどの、他の形状のマスクが使用されることも可能である。
【0057】
あいまいな画像、または識別可能な人間形状を有する他の画像から始める技術を使用することを含め、他の諸技術が、人間形状マスクを展開するのに使用されてもよい。疑わしい区域が、元の画像の中でそれらの区域が存在するのと同一の相対位置でプライバシー画像上に位置付けられる、前述した諸技術では、監視される人の身体の全体的な諸部分と一致する人間形状成分により、観察者が、その人の上の疑わしい区域の位置を特定するのを容易にすることが可能である。
【0058】
監視される人の身体に全体的に対応する図20のあいまいな画像の部分は、画像の残りの部分に比べて強化されることが可能である。例えば、人間形状成分168を構成するピクセルの輝度の白レベルが、画像の背景成分170を構成するピクセルの輝度と比べて、増加されることが可能である。この強められた差別化は、人間形状成分のピクセル輝度値に、背景成分のピクセル輝度値より高い相対値を与えることによって達せられることが可能である。以下のテーブルは、以上が達せられることが可能な様々な形を示す。
【0059】
【表3】
【0060】
例えば、両方の成分のピクセルの値が、増加されて、人間形状成分が、背景成分よりも増加されることが可能である。同様に、両方の成分のピクセルの値が、低減されて、人間形状成分が、背景成分ほど低減されないことが可能である。例として、人間形状成分が、1.2倍に増加されることが可能であり、背景が、0.8倍に低減されることが可能である。つまり、人間形状成分の各ピクセルの輝度に1.2が掛けられることが可能であり、背景成分の各ピクセルの輝度に0.8が掛けられることが可能である。これにより、図23に示されるとおり、人間形状ピクセル群が、背景ピクセル群よりも相当に明るく見えることがもたらされる。したがって、この実施例では、人間形状成分ピクセル群は、それらのピクセルが、元の画像においてよりも明るく見え、背景成分ピクセル群は、より暗く見える。
【0061】
画像プロセスの組合せからもたらされるp画像は、2つの画像成分が、より視覚的に異質である画像をもたらすことが理解されよう。「波打ち」画像は、本来の人間形状特性を有するが、それらの人間形状特性は、元の画像の詳細(p画像の一部ではない疑わしい領域の画像を除く)を含まずに強化される。同様の結果が、前掲のテーブルにリストアップされる相対的変更を逆にして、人間形状成分を背景成分より暗くすることによって達せられることも可能である。さらに、その効果は、任意の視覚的に知覚される特性の相対値を変更すること、または成分のいずれか、または両方に、区別する特性または特徴を追加することによって達せられることも可能である。また、区別する特性には、解像度、画像パターン(斑点またはクロスハッチングなどの)、あるいは色、色相、色調、色合い、明るさ、彩度、輝度、または色空間における他の視覚的に知覚される変化などの、クロミナンス特性も含まれることが可能である。多数の可能な組合せおよびバリエーションが可能であることが見られる。
【0062】
それらのプロセスにおいて生じさせられる効果は、ピクセルウインドウ内に含まれるピクセルの数の選択、ピクセルウインドウの形状、ならびに画像内のピクセル群の輝度レベルを変更するのに使用される、閾値などの判定基準によって制御されることが可能である。
【0063】
図25は、セキュリティ検査システム30のディスプレイデバイス80の表示180を示す。表示180は、コントロールパネル182、および表示される被写体画像184のコンピュータによって生成された表示であることが可能である。コントロールパネル182は、コントロールキー188および190などの、様々な表示-システム動作コントロール186を含むことが可能である。また、コントロールパネルは、フレーム選択フィールド192、モーション画像フィールド194、およびモーション表示コントロールパネル196も含む。
【0064】
被写体画像または被写体画像群184の様々な構成が提供されることが可能である。この実施例では、被写体周囲の45度の増分における被写体のビューに対応する8つの画像フレーム198が、示されている。また、他の数のフレームが示されてもよい。フレームには順次に番号が付けられ、フレーム番号2は、画像200を含む。各フレームは、この場合は、図4〜24に関連して説明されるプロセスによって提供されるような、被写体のプライベート画像204である被写体画像202を含む。前述した、物体識別アルゴリズムによって識別される領域のような、詳細な被写体画像の疑わしい領域206が、プライバシー画像の上に重ね合わされる。
【0065】
フレームの選択された1つが、拡大され、一次画像208として表示される。拡大されたフレームは、疑わしい領域の拡大を含み、それらの領域を操作者が見やすいようにしている。さらに、一次画像は、フレーム198を順次に示すことにより、被写体の回転の動きの外見を表示するのに使用されることが可能である。被写体上の疑わしい区域の連続するビューは、静止画像で達せられるよりも、物体の形状および位置のより容易な識別を可能にする可能性がある。モーション画像化のためにフィールド194の中で選択された8つのフレームを使用して、フレーム1ないし8が、連続して示されて、被写体の回転の外見をもたらす。動きは、モーション表示コントロールパネル196を使用して制御されることが可能である。
【0066】
また、8フレームより少ない、または多いフレームが、動きの外見を表示するために使用されることも可能である。例えば、4、16、20、32、36、72、またはその他の数のフレームが使用されてもよい。規則的な角間隔でずらされた画像を有するフレームを表示することは、一定の速度における被写体の回転の外見をもたらすことが可能である。また、不均一な時間間隔および/または角感覚が使用されることも可能である。また、画像の表示の速度も、被写体の見かけの回転速度を変えるように変えられることが可能である。例えば、線形制御素子210を使用して、画像表示の速度が制御される、静止表示のために、一連の画像における、ある画像の選択が制御される、または他の諸機能が制御されることが可能である。また、デジタルフィールド192および194などの、他のコントロールも使用されることが可能である。さらに、図25に示されたフレーム1ないし8のような、表示されるフレームのフィールドが、変更されてもよく、フレームは、一連のフレームにおけるフレーム群の一部だけであってもよい。このため、表示180は、図示されているより多い、または少ないフレームもしくは画像を含んでもよい。例えば、一次画像208のみが図示されてもよい。多くの表示バリエーションが可能である。
【0067】
したがって、添付の特許請求の範囲で定義される本発明を、以上の好ましい諸実施形態に関連して特に図示し、説明してきたが、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、多くの変形形態が実施されることが可能であることが、当業者には理解されよう。諸特徴、諸機能、諸要素、および/または諸特性の他の組合せ、および部分的組合せが、本出願または関連出願における、本クレームの補正、あるいは新たなクレームの提示を介して主張される可能性がある。そのような補正されたクレーム、または新たなクレームも、異なる組合せに向けられているか、同一の組合せに向けられているかにかかわらず、また、元のクレームと比べて、範囲が異なるか、より広いか、より狭いか、または等しいかにかかわらず、本開示の対象の範囲内に含まれるものと見なされる。以上の諸実施形態は、例示的であり、いずれの単一の特徴または要素も、本出願、または後の出願において主張される可能性があるすべての可能な組合せに不可欠ではない。クレームが、「ある」要素、もしくは「第1の」要素、またはそれらと均等の記述をしている場合、そのようなクレームは、2つ以上のそのような要素を要求することも、除外することもなく、1つまたは複数のそのような要素を含むものと理解されなければならない。第1の、第2の、または第3のといった序数詞は、要素を区別するのに使用されており、特に明記しない限り、そのような要素の要求される数、または限定された数を示すものではなく、そのような要素の特定の位置、または特定の順序を示すものでもない。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本開示で説明される方法および装置は、監視システムおよび撮像システムが利用される、セキュリティ業界、監視業界、およびその他の業界に応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】撮像システムの実施例を示す全体図である。
【図2】一次アンテナアレイと二次アンテナアレイとを有するアンテナ装置の実施例を示すブロック図である。
【図3】図2のアンテナ装置の実施例を示す側面図である。
【図4】マネキンの衣服によって隠された物体を有するマネキンの、ミリ波撮像システムによって生成された画像である。
【図5】物体を示す図4の画像の一部分の拡大図である。
【図6】物体検出のために使用されるカーネルの値を示すグラフである。
【図7A】画像に対するカーネルの適用を例示する一連のステップを示す図である。
【図7B】画像に対するカーネルの適用を例示する一連のステップを示す図である。
【図8】画像の疑わしい区域を識別するように図4の画像に図6のカーネルを適用することから主にもたらされる画像を示す図である。
【図9】図8の画像に閾値を適用することからもたらされる画像である。
【図10】図9の画像の強調された区域を拡張すること、および小さい領域を除去することからもたらされる画像を示す図である。
【図11】図10の画像の強調された区域に対する1つまたは複数の境界となる長方形に属するすべてのピクセルにマークを付けた画像を示す図である。
【図12】図11の画像の強調された区域を拡張することからもたらされる画像を示す図である。
【図13】元の画像内の疑わしい区域と一致する、図12の強調された区域の輪郭が重ね合わされた、図4の元の画像のコピーを示す図である。
【図14】人の衣服によって隠された物体を有するマネキンの、ミリ波撮像システムによって生成された別の画像を示す図である。
【図15】図14の画像に対して別のカーネルを適用することからもたらされる画像を示す図である。
【図16】図15の画像を生成するように図14の画像に適用されたカーネルの値を示すグラフである。
【図17】図14の元の画像の疑わしい部分が重ね合わされた図15の画像を示す図である。
【図18】図14の画像に閾値を適用することからもたらされる変更された画像を示す図である。
【図19】図18の画像を侵食することからもたらされる画像を示す図である。
【図20】図19の画像を拡張することからもたらされる画像を示す図である。
【図21】図14の画像のコピーを示す図である。
【図22】図21の元の画像の疑わしい部分が重ね合わされた図20の画像を示す図である。
【図23】人間形状成分が背景から、視覚的により目立つようにされた、図8の画像と同様の画像を変更することからもたらされる画像を示す図である。
【図24】人間形状成分を背景から分離する境界に沿った破線が加えられた図23の画像を示す図である。
【図25】プライベート画像および疑わしい領域を表示するように適合された撮像装置を有する監視システムの例示的な表示である。
【符号の説明】
【0070】
30 撮像システム
32 被写体
34 人
36 物体
40 アンテナアセンブリ
46 被写体位置
48、98、100 アンテナ装置
62 コントローラ
68 画像信号
70 プロセッサ
94、102 移動機構
130、132 画像
140、R ピクチャ要素
144 ピクチャ要素グループ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体位置(46)から離隔された位置から、約100MHzから約2THzまでの周波数範囲内の電磁放射線を、前記被写体位置(46)における、人(34)、および前記人(34)とともにある、何らかの識別可能な物体(36)を含む被写体(32)に向けて送信し、前記被写体(32)から、前記放射線を受信するようにそれぞれが構成された少なくとも1つの第1のアンテナ装置(48)を含み、前記受信された放射線を表す画像信号(68)を生成するアンテナアセンブリ(40)と、
前記画像信号(68)の少なくとも第1の部分から、第1の解像度を有する前記被写体(32)の少なくとも一部分の第1の画像(130)に対応する第1の画像データを生成し、前記画像信号(68)の少なくとも第2の部分から、前記第1の解像度より高い第2の解像度を有する前記被写体(32)の少なくとも一部分の第2の画像(132)に対応する第2の画像データを生成するように適合されたコントローラ(62)とを含む撮像システム(30)。
【請求項2】
前記アンテナアセンブリ(40)は、第1のモードで、前記画像信号の前記第1の部分を生成し、第2のモードで、前記画像信号の前記第2の部分を生成するように選択的に動作するように適合され、前記コントローラ(62)は、前記アンテナアセンブリ(40)を前記第1のモードで動作させて、前記第1の画像が、前記人(34)が身に付けた物体(36)に対応する諸特性を含むかどうかを判定し、前記第1の画像(130)が、物体(36)の諸特性を含むと判定された場合、前記アンテナアセンブリ(40)が、物体(36)の前記諸特性に対応する前記画像信号(68)の前記第2の部分を生成するのに適した前記第2のモードで、前記アンテナアセンブリ(40)を動作させるようにさらに適合された請求項1に記載のシステム(30)。
【請求項3】
前記アンテナアセンブリ(40)は、前記画像信号の前記第2の部分を生成するように適合された第2のアンテナ装置(100)をさらに含み、前記プロセッサ(70)は、前記第1のモードにおける前記アンテナアセンブリ(40)の動作中に、前記第1のアンテナ装置(98)を動作させ、前記第2のモードにおける前記アンテナアセンブリの動作中に、前記第2のアンテナ装置(100)を動作させるようにさらに適合された請求項2に記載のシステム(30)。
【請求項4】
前記アンテナアセンブリ(40)は、前記第1のアンテナ装置(98)を前記被写体位置(46)に対して動かすように適合された第1の移動機構(94)と、前記第2のアンテナ装置(100)を第1の移動機構(94)に対して動かすように適合された第2の移動機構(102)とをさらに含む請求項3に記載のシステム(30)。
【請求項5】
第1の移動機構(94)は、前記第2のアンテナ装置(100)を前記被写体位置(46)に対して動かすようにも適合された請求項4に記載のシステム(30)。
【請求項6】
前記第1の画像と前記第2の画像(130、132)は、前記被写体の共通部分を含む請求項2に記載のシステム(30)。
【請求項7】
前記画像信号の前記第1の部分は、前記画像信号の前記第2の部分の少なくとも一部分を含む請求項6に記載のシステム(30)。
【請求項8】
前記プロセッサ(70)は、異なるレベルの輝度を有するピクチャ要素(140)を有する前記第1の画像データを生成し、ピクチャ要素(140)の少なくとも1つのグループ(144)の輝度レベルと、物体(36)の特性を示すピクチャ要素の対応する基準グループの輝度レベルの相関を算出するように適合された請求項2に記載のシステム(30)。
【請求項9】
前記プロセッサ(70)は、ピクチャ要素(140)の前記少なくとも1つのグループ(144)の輝度レベルの少なくとも閾値相関が対応して存在する前記第1の画像データの少なくとも一部分を、前記画像信号の前記第2の部分として識別するようにさらに適合された請求項8に記載のシステム(30)。
【請求項10】
前記プロセッサ(70)は、所与のピクチャ要素(R)に関する相関値を、他の1つまたは複数のピクチャ要素(140)の輝度レベルの関数として算出することにより、ピクチャ要素(140)の前記少なくとも1つのグループ(144)の輝度レベルの前記相関を算出するようにさらに適合された請求項9に記載のシステム(30)。
【請求項11】
前記プロセッサ(70)は、所与のピクチャ要素(R)に相対的に配置された関連するピクチャ要素(140)のグループ(144)の輝度レベルに基づく前記所与のピクチャ要素(R)に関する相関値を算出することにより、前記所与のピクチャ要素(R)に関する前記相関値を算出するようにさらに適合された請求項10に記載のシステム(30)。
【請求項12】
前記プロセッサ(70)は、関連するピクチャ要素(140)の前記グループ(144)の各ピクチャ要素(140)の元の輝度レベルを、前記所与の要素(R)に対する前記グループ(144)の中の前記ピクチャ要素(140)の位置に関係する量だけ変更し、前記変更された輝度レベルを結合(combine)することにより、前記所与のピクチャ要素(R)に関する前記相関値を算出するようにさらに適合された請求項11に記載のシステム(30)。
【請求項13】
前記プロセッサ(70)は、ピクチャ要素(140)の前記グループ(144)の中の各ピクチャ要素(140)毎に1つの係数を関連付け、前記グループ(144)の中の各ピクチャ要素(140)の元の輝度レベルに、前記ピクチャ要素(140)に関連付けられた前記係数を掛けることにより、前記元の輝度レベルを変更するように適合され、前記係数の少なくとも2つは異なるものである請求項12に記載のシステム(30)。
【請求項14】
隣接するピクチャ要素(140)の前記グループ(144)は、中央ピクチャ要素(R)を含み、前記中央ピクチャ要素(R)に関連付けられた係数は、その他の係数の値より大きい値を有する請求項13に記載のシステム(30)。
【請求項15】
隣接するピクチャ要素(140)の前記グループ(144)は、ピクチャ要素(140)からなる少なくとも1つの行を形成し、前記少なくとも1つの行の中の前記ピクチャ要素(140)の係数は、少なくとも1つの正の値と少なくとも1つの負の値とを含む請求項14に記載のシステム(30)。
【請求項16】
隣接するピクチャ要素(140)の前記グループ(144)は、ピクチャ要素(140)からなる列と行のグリッドを形成し、各行の中、および各列の中の前記ピクチャ要素(140)の係数は、正の値と負の値の間で交互する請求項15に記載のシステム(30)。
【請求項17】
前記第2の画像は、前記第1の画像の少なくとも一部分を含む請求項1に記載のシステム(30)。
【請求項18】
前記第1の画像データ、および前記第2の画像データはそれぞれ、各々が輝度レベルを持つピクチャ要素を有し、前記第2の画像データは、前記第1の画像データの中の1つまたは複数の対応するピクチャ要素(140)の輝度レベルに基づく輝度レベルを有するピクチャ要素(140)を含む請求項17に記載のシステム(30)。
【請求項19】
前記第2の画像データは、前記第1の画像データの中のピクチャ要素(140)を補間することによって算出された輝度レベルを有するピクチャ要素(140)を含む請求項18に記載のシステム(30)。
【請求項20】
前記第2の画像は、前記第1の画像と比べて拡大されている請求項17に記載のシステム(30)。
【請求項21】
被写体位置(46)から離隔された位置から、約100MHzから約2THzまでの周波数範囲内の電磁放射線を、前記被写体位置(46)における、人(34)、および前記人(34)とともにある、何らかの識別可能な物体(36)を含む被写体(32)に向けて送信し、前記被写体(32)から、前記放射線を受信するようにそれぞれが構成された少なくとも1つの第1のアンテナ装置(48)を含み、前記受信された放射線を表す画像信号(68)を生成し、第1のモードで、前記画像信号(68)の第1の部分を生成し、第2のモードで、前記画像信号の前記第1の部分の一部分に対応する前記画像信号(68)の第2の部分を生成するように選択的に動作するように適合されたアンテナアセンブリ(40)と、
前記アンテナアセンブリ(40)の動作を制御して、前記画像信号(68)の少なくとも前記第1の部分から、前記被写体(32)の少なくとも一部分の第1の画像(130)を表す第1の画像データを生成し、前記画像信号(68)の少なくとも前記第2の部分から、前記第1の画像(130)の一部分に対応する第2の画像(132)を表す第2の画像データを生成し、前記画像信号(68)の前記第1の部分から算出された前記画像信号(68)の前記第2の部分に関連する指示に応答して、前記アンテナアセンブリ(40)が、前記第2のモードで動作するように適合されたコントローラ(62)とを含む撮像システム(30)。
【請求項22】
前記プロセッサ(70)は、前記第1の画像が、前記人が身に付けている物体に対応する諸特性を含むかどうかを判定し、含むと判定した場合、前記諸特性を有する前記画像信号の部分に対応する前記画像信号の前記第2の部分に関する指示を生成するようにさらに適合された請求項21に記載の撮像システム(30)。
【請求項23】
前記アンテナアセンブリ(40)は、前記画像信号(68)の前記第2の部分を生成するように適合された第2のアンテナ装置(100)をさらに含み、前記プロセッサ(70)は、前記第1のモードにおける前記アンテナアセンブリ(40)の動作中に、前記第1のアンテナ装置(98)を動作させ、前記第2のモードにおける前記アンテナアセンブリ(40)の動作中に、前記第2のアンテナ装置(100)を動作させるようにさらに適合された請求項22に記載の撮像システム(30)。
【請求項24】
前記アンテナアセンブリ(40)は、前記第1のアンテナ装置(98)を前記被写体位置(46)に対して動かすように適合された第1の移動機構(94)と、前記第2のアンテナ装置(100)を前記第1の移動機構(94)に対して動かすように適合された第2の移動機構(102)とをさらに含む請求項23に記載の撮像システム(30)。
【請求項25】
前記第1の移動機構(94)は、前記第2のアンテナ装置(100)を前記被写体位置(46)に対して動かすようにも適合された請求項24に記載の撮像システム(30)。
【請求項26】
前記プロセッサ(70)は、異なる輝度レベルを有するピクチャ要素(140)を有する前記第1の画像データを生成し、ピクチャ要素(140)の少なくとも1つのグループの輝度レベルと、物体(36)の特性を示すピクチャ要素の対応する基準グループの輝度レベルの相関を算出するように適合された請求項22に記載の撮像システム(30)。
【請求項27】
前記プロセッサ(70)は、ピクチャ要素(140)の前記少なくとも1つのグループの輝度レベルの少なくとも閾値相関が対応して存在する前記第1の画像データの少なくとも一部分を、前記画像信号(68)の前記第2の部分として識別するようにさらに適合された請求項26に記載の撮像システム(30)。
【請求項28】
前記プロセッサ(70)は、所与のピクチャ要素(R)に関する相関値を、他の1つまたは複数のピクチャ要素(140)の輝度レベルの関数として算出することにより、ピクチャ要素(140)の前記少なくとも1つのグループの輝度レベルの前記相関を算出するようにさらに適合された請求項27に記載の撮像システム(30)。
【請求項29】
前記プロセッサ(70)は、所与のピクチャ要素(R)に相対的に配置された関連するピクチャ要素(140)のグループ(144)の輝度レベルに基づく前記所与のピクチャ要素(R)に関する相関値を算出することにより、前記所与のピクチャ要素(R)に関する前記相関値を算出するようにさらに適合された請求項28に記載の撮像システム(30)。
【請求項30】
前記プロセッサ(70)は、関連するピクチャ要素(140)の前記グループ(144)の各ピクチャ要素(140)の元の輝度レベルを、前記所与の要素(R)に対する前記グループ(144)の中の前記ピクチャ要素(140)の位置に関係する量だけ変更し、前記変更された輝度レベルを結合(combine)することにより、前記所与のピクチャ要素(R)に関する前記相関値を算出するようにさらに適合された請求項29に記載の撮像システム(30)。
【請求項31】
前記プロセッサ(70)は、ピクチャ要素(140)の前記グループ(144)の中の各ピクチャ要素(140)毎に1つの係数を関連付け、前記グループ(144)の中の各ピクチャ要素(140)の元の輝度レベルに、前記ピクチャ要素(140)に関連付けられた前記係数を掛けることにより、前記元の輝度レベルを変更するように適合され、前記係数のうち少なくとも2つは異なるものである請求項30に記載の撮像システム(30)。
【請求項32】
隣接するピクチャ要素(140)の前記グループ(144)は、中央ピクチャ要素(R)を含み、前記中央ピクチャ要素(R)に関連付けられた係数は、その他の係数の値より大きい値を有する請求項31に記載の撮像システム(30)。
【請求項33】
隣接するピクチャ要素(140)の前記グループ(144)は、ピクチャ要素からなる少なくとも1つの行を形成し、前記少なくとも1つの行の中の前記ピクチャ要素の係数は、少なくとも1つの正の値と少なくとも1つの負の値とを含む請求項32に記載の撮像システム(30)。
【請求項34】
隣接するピクチャ要素(140)の前記グループ(144)は、ピクチャ要素(140)からなる列と行のグリッドを形成し、各行の中、および各列の中の前記ピクチャ要素(140)の係数は、正の値と負の値の間で交互する請求項33に記載の撮像システム(30)。
【請求項35】
人(34)、および前記人(34)とともにある、何らかの識別可能な物体(36)を含む被写体(32)を監視する方法であって、
被写体位置(46)から離隔された位置から、約100MHzから約2THzまでの周波数範囲内の電磁放射線を、前記被写体位置(46)における前記被写体(32)に向けて送信すること、
前記送信された電磁放射線に応答して、前記被写体(32)から放出された電磁放射線を前記被写体(32)から受信すること、
前記受信された放射線を表す画像信号(68)を生成すること、および
前記画像信号(68)から、第1の解像度を有する前記被写体(32)の少なくとも一部分の第1の画像(130)に対応する第1の画像データと、前記第1の解像度より高い第2の解像度を有する前記被写体(32)の少なくとも一部分の第2の画像(132)に対応する第2の画像データとを生成することを含む方法。
【請求項36】
前記第1の画像(130)に対応する前記第1の画像データの少なくとも一部分が、前記人(34)が身に付けている物体(36)に対応する諸特性を含むかどうかを判定し、前記第1の画像(130)に対応する前記第1の画像データが、物体(36)に対応する諸特性を含むと判定された場合、物体(36)に対応する諸特性を含む前記第1の画像データに関連する前記画像信号の一部分に対応する前記第2の画像データを生成することをさらに含む請求項35に記載の方法。
【請求項37】
放射線を送信することは、第1のアンテナ装置(98)上で放射線を送信すること、および第2のアンテナ装置(100)から放射線を送信することを含み、放射線を受信することは、前記第1のアンテナ装置(98)上で送信された放射線に応答して、前記第1のアンテナ装置(98)上で放射線を受信すること、および前記第2のアンテナ装置(100)上で送信された放射線に応答して、前記第2のアンテナ装置(100)上で放射線を受信することを含み、画像信号(68)を生成することは、前記第1のアンテナ装置(98)上で受信された前記放射線を表す前記画像信号(68)の前記第1の部分を生成すること、および前記第2のアンテナ装置(100)上で受信された前記放射線を表す前記画像信号(68)の前記第2の部分を生成することを含む請求項36に記載の方法。
【請求項38】
第1の移動機構(94)に対して前記第2のアンテナ装置(100)を動かすことをさらに含む請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記第1のアンテナ装置(98)に関係して前記第2のアンテナ装置(100)を支持し、前記第1のアンテナ装置(98)を動かすことにより、前記第2のアンテナ装置(100)を前記被写体位置(46)に対して動かすことをさらに含む請求項38に記載の方法。
【請求項40】
第1の画像データを生成することは、異なる輝度レベルを有するピクチャ要素(140)を有する第1の画像データを生成することを含み、前記第1の画像データの少なくとも第1の部分を識別することは、ピクチャ要素(140)の少なくとも1つのグループ(144)の輝度レベルと、ピクチャ要素の対応する基準グループの輝度レベルの相関を算出することを含む請求項36に記載の方法。
【請求項41】
輝度レベルの相関を算出することは、ピクチャ要素(140)の前記少なくとも1つのグループ(144)の中の前記ピクチャ要素(140)の輝度レベルと、ピクチャ要素の前記基準グループの輝度レベルの少なくとも閾値相関が対応して存在する前記第1の画像データの少なくとも一部分を識別することをさらに含む請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記第1の画像データの少なくとも一部分を識別することは、所与のピクチャ要素(R)に関する相関値を、他の1つまたは複数のピクチャ要素(140)の輝度レベルの関数として算出することを含む請求項41に記載の方法。
【請求項43】
所与のピクチャ要素(R)に関する相関値を算出することは、前記所与のピクチャ要素(R)に相対的に配置された関連するピクチャ要素(140)のグループ(144)の輝度レベルから導出された前記所与のピクチャ要素(R)に関する相関値を算出することを含む請求項42に記載の方法。
【請求項44】
ピクチャ要素(140)の関連するグループ(144)の輝度レベルから導出された前記所与のピクチャ要素(R)に関する前記相関値を算出することは、関連するピクチャ要素(140)の前記グループ(144)の各ピクチャ要素(140)の元の輝度レベルを、前記所与の要素(R)に対する前記グループ(144)の中の前記ピクチャ要素(140)の位置に関係する量だけ変更し、前記変更された輝度レベルを結合(combine)することを含む請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記元の輝度レベルを変更することは、ピクチャ要素(140)の前記グループ(144)の中の各ピクチャ要素(140)毎に1つの係数を関連付け、前記グループ(144)の中の各ピクチャ要素(140)の前記元の輝度レベルに、前記ピクチャ要素(140)に関連付けられた前記係数を掛けることを含み、前記係数の少なくとも2つは異なるものである請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記1つの係数を関連付けることは、中央ピクチャ要素(R)を含む隣接するピクチャ要素(140)のグループ(144)の中の各ピクチャ要素(140)毎に、1つの係数を関連付け、前記中央ピクチャ要素(R)に関連付けられる係数は、その他の係数の値より大きい値を有することを含む請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記1つの係数を関連付けることは、ピクチャ要素(140)からなる少なくとも1つの行を形成する隣接するピクチャ要素(140)のグループ(144)の中の各ピクチャ要素(140)毎に、1つの係数を関連付けることを含み、前記少なくとも1つの行の中の前記ピクチャ要素(140)の前記係数は、少なくとも1つの正の値と、少なくとも1つの負の値とを含む請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記1つの係数を関連付けることは、ピクチャ要素(140)からなる列と行のグリッドを形成する隣接するピクチャ要素(140)のグループ(144)の中の各ピクチャ要素(140)毎に、1つの係数を関連付けることを含み、各行の中、および各列の中の前記ピクチャ要素(140)の前記係数は、正の値と負の値の間で交互する請求項47に記載の方法。
【請求項49】
第2の画像データを生成することは、前記第1の画像(130)の少なくとも一部分を含む第2の画像(132)に対応する第2の画像データを生成することを含む請求項35に記載の方法。
【請求項50】
前記第1の画像データ、および前記第2の画像データは、それぞれ1つの輝度レベルを有する複数のピクチャ要素(140)を含み、第2の画像データを生成することは、前記第1の画像データの中の1つまたは複数の対応するピクチャ要素(140)の輝度レベルに基づく輝度レベルを有するピクチャ要素(140)を有する第2の画像データを生成することを含む請求項49に記載の方法。
【請求項51】
第2の画像データを生成することは、前記第1の画像データの中のピクチャ要素(140)を補間することによって算出された輝度レベルを有するピクチャ要素(140)を有する第2の画像データを生成することを含む請求項50に記載の方法。
【請求項52】
第2の画像データを生成することは、前記第1の画像(130)と比べて拡大された第2の画像(132)に対応する第2の画像データを生成することを含む請求項49に記載の方法。
【請求項53】
被写体位置(46)から離隔された位置から、約100MHzから約2THzまでの周波数範囲内の電磁放射線を、前記被写体位置(46)における前記被写体(32)に向けて送信するための手段(48)と、
前記送信された電磁放射線に応答して、前記被写体(32)から放出された電磁放射線を前記被写体(32)から受信するための手段(48)と、
前記受信された放射線を表す画像信号(68)を生成するための手段(48)と
前記画像信号(68)の少なくとも第1の部分から、前記被写体(32)の少なくとも一部分の第1の解像度を有する第1の画像(130)に対応する第1の画像データを生成するための手段(70)と、
前記画像信号(68)の少なくとも第2の部分から、前記被写体(32)の少なくとも一部分の前記第1の解像度より高い第2の解像度を有する第2の画像(132)に対応する第2の画像データを生成するための手段(70)とを含む撮像システム(30)。
【請求項54】
前記第1の画像(130)に対応する前記第1の画像データが、前記人(34)が身に付けている物体(36)に対応する諸特性を含むかどうかを判定するための手段(70)をさらに含み、前記第2の画像データを生成するための前記手段(70)は、物体(36)に対応する諸特性を含む前記第1の画像データに関連する前記画像信号(68)の一部分から前記第2の画像データを生成することをさらに目的とする請求項53に記載の撮像システム(30)。
【請求項55】
放射線を送信するための手段(48)は、第1のアンテナ装置(98)上で放射線を送信すること、および第2のアンテナ装置(100)から放射線を送信することをさらに目的とし、放射線を受信するための手段(48)は、前記第1のアンテナ装置(98)上で送信された放射線に応答して、前記第1のアンテナ装置(98)上で放射線を受信すること、および前記第2のアンテナ装置(100)上で送信された放射線に応答して、前記第2のアンテナ装置(100)上で放射線を受信することをさらに目的とし、画像信号(68)を生成するための手段(48)は、前記第1のアンテナ装置(98)上で受信された前記放射線を表す前記画像信号(68)の前記第1の部分を生成すること、および前記第2のアンテナ装置(100)上で受信された前記放射線を表す前記画像信号(68)の前記第2の部分を生成することをさらに目的とする請求項54に記載の撮像システム(30)。
【請求項56】
約100MHzから約2THzまでの範囲内の電磁放射線を使用した、人(34)、および前記人(34)によって担持される、何らかの物体(36)を含む被写体(32)の検問に応答して生成された画像信号(68)を受け取り、
前記画像信号(68)の少なくとも前記第1の部分から、前記被写体(32)の少なくとも一部分の第1の画像(130)に対応する画像データを生成し、かつ
前記画像信号(68)の少なくとも前記第2の部分から、前記第1の画像(130)の少なくとも一部分の第2の画像(132)に対応する画像データを生成するようにコンピュータプロセッサ(70)によって実行されるように適合されたコマンドからなるプログラムが内部に実現された1つまたは複数の記憶媒体(74)。
【請求項57】
内部に実現された前記プログラムは、前記第1の画像(130)に対応する前記第1の画像データが、前記人(34)が身に付けている物体(36)に対応する諸特性を含むかどうかを判定し、前記第1の画像(130)に対応する前記画像データ(68)が、物体(36)に対応する諸特性を含むと判定された場合、物体(36)に対応する諸特性を含む前記画像データに関連する前記画像信号(68)の一部分から、第2の画像(132)に対応する前記画像データを生成するようにコンピュータプロセッサ(70)によって実行されるようにさらに適合された請求項56に記載の記憶媒体(74)。
【請求項58】
内部に実現された前記プログラムは、前記画像信号(68)の少なくとも第1の部分から、異なる輝度レベルを有するピクチャ要素(140)を有する画像データを生成し、ピクチャ要素(140)の少なくとも1つのグループ(144)の輝度レベルと、物体(36)に対応する輝度レベルを有するピクチャ要素の対応する基準グループの輝度レベルの相関を算出するようにコンピュータプロセッサ(70)によって実行されるようにさらに適合された請求項57に記載の記憶媒体(74)。
【請求項1】
被写体位置(46)から離隔された位置から、約100MHzから約2THzまでの周波数範囲内の電磁放射線を、前記被写体位置(46)における、人(34)、および前記人(34)とともにある、何らかの識別可能な物体(36)を含む被写体(32)に向けて送信し、前記被写体(32)から、前記放射線を受信するようにそれぞれが構成された少なくとも1つの第1のアンテナ装置(48)を含み、前記受信された放射線を表す画像信号(68)を生成するアンテナアセンブリ(40)と、
前記画像信号(68)の少なくとも第1の部分から、第1の解像度を有する前記被写体(32)の少なくとも一部分の第1の画像(130)に対応する第1の画像データを生成し、前記画像信号(68)の少なくとも第2の部分から、前記第1の解像度より高い第2の解像度を有する前記被写体(32)の少なくとも一部分の第2の画像(132)に対応する第2の画像データを生成するように適合されたコントローラ(62)とを含む撮像システム(30)。
【請求項2】
前記アンテナアセンブリ(40)は、第1のモードで、前記画像信号の前記第1の部分を生成し、第2のモードで、前記画像信号の前記第2の部分を生成するように選択的に動作するように適合され、前記コントローラ(62)は、前記アンテナアセンブリ(40)を前記第1のモードで動作させて、前記第1の画像が、前記人(34)が身に付けた物体(36)に対応する諸特性を含むかどうかを判定し、前記第1の画像(130)が、物体(36)の諸特性を含むと判定された場合、前記アンテナアセンブリ(40)が、物体(36)の前記諸特性に対応する前記画像信号(68)の前記第2の部分を生成するのに適した前記第2のモードで、前記アンテナアセンブリ(40)を動作させるようにさらに適合された請求項1に記載のシステム(30)。
【請求項3】
前記アンテナアセンブリ(40)は、前記画像信号の前記第2の部分を生成するように適合された第2のアンテナ装置(100)をさらに含み、前記プロセッサ(70)は、前記第1のモードにおける前記アンテナアセンブリ(40)の動作中に、前記第1のアンテナ装置(98)を動作させ、前記第2のモードにおける前記アンテナアセンブリの動作中に、前記第2のアンテナ装置(100)を動作させるようにさらに適合された請求項2に記載のシステム(30)。
【請求項4】
前記アンテナアセンブリ(40)は、前記第1のアンテナ装置(98)を前記被写体位置(46)に対して動かすように適合された第1の移動機構(94)と、前記第2のアンテナ装置(100)を第1の移動機構(94)に対して動かすように適合された第2の移動機構(102)とをさらに含む請求項3に記載のシステム(30)。
【請求項5】
第1の移動機構(94)は、前記第2のアンテナ装置(100)を前記被写体位置(46)に対して動かすようにも適合された請求項4に記載のシステム(30)。
【請求項6】
前記第1の画像と前記第2の画像(130、132)は、前記被写体の共通部分を含む請求項2に記載のシステム(30)。
【請求項7】
前記画像信号の前記第1の部分は、前記画像信号の前記第2の部分の少なくとも一部分を含む請求項6に記載のシステム(30)。
【請求項8】
前記プロセッサ(70)は、異なるレベルの輝度を有するピクチャ要素(140)を有する前記第1の画像データを生成し、ピクチャ要素(140)の少なくとも1つのグループ(144)の輝度レベルと、物体(36)の特性を示すピクチャ要素の対応する基準グループの輝度レベルの相関を算出するように適合された請求項2に記載のシステム(30)。
【請求項9】
前記プロセッサ(70)は、ピクチャ要素(140)の前記少なくとも1つのグループ(144)の輝度レベルの少なくとも閾値相関が対応して存在する前記第1の画像データの少なくとも一部分を、前記画像信号の前記第2の部分として識別するようにさらに適合された請求項8に記載のシステム(30)。
【請求項10】
前記プロセッサ(70)は、所与のピクチャ要素(R)に関する相関値を、他の1つまたは複数のピクチャ要素(140)の輝度レベルの関数として算出することにより、ピクチャ要素(140)の前記少なくとも1つのグループ(144)の輝度レベルの前記相関を算出するようにさらに適合された請求項9に記載のシステム(30)。
【請求項11】
前記プロセッサ(70)は、所与のピクチャ要素(R)に相対的に配置された関連するピクチャ要素(140)のグループ(144)の輝度レベルに基づく前記所与のピクチャ要素(R)に関する相関値を算出することにより、前記所与のピクチャ要素(R)に関する前記相関値を算出するようにさらに適合された請求項10に記載のシステム(30)。
【請求項12】
前記プロセッサ(70)は、関連するピクチャ要素(140)の前記グループ(144)の各ピクチャ要素(140)の元の輝度レベルを、前記所与の要素(R)に対する前記グループ(144)の中の前記ピクチャ要素(140)の位置に関係する量だけ変更し、前記変更された輝度レベルを結合(combine)することにより、前記所与のピクチャ要素(R)に関する前記相関値を算出するようにさらに適合された請求項11に記載のシステム(30)。
【請求項13】
前記プロセッサ(70)は、ピクチャ要素(140)の前記グループ(144)の中の各ピクチャ要素(140)毎に1つの係数を関連付け、前記グループ(144)の中の各ピクチャ要素(140)の元の輝度レベルに、前記ピクチャ要素(140)に関連付けられた前記係数を掛けることにより、前記元の輝度レベルを変更するように適合され、前記係数の少なくとも2つは異なるものである請求項12に記載のシステム(30)。
【請求項14】
隣接するピクチャ要素(140)の前記グループ(144)は、中央ピクチャ要素(R)を含み、前記中央ピクチャ要素(R)に関連付けられた係数は、その他の係数の値より大きい値を有する請求項13に記載のシステム(30)。
【請求項15】
隣接するピクチャ要素(140)の前記グループ(144)は、ピクチャ要素(140)からなる少なくとも1つの行を形成し、前記少なくとも1つの行の中の前記ピクチャ要素(140)の係数は、少なくとも1つの正の値と少なくとも1つの負の値とを含む請求項14に記載のシステム(30)。
【請求項16】
隣接するピクチャ要素(140)の前記グループ(144)は、ピクチャ要素(140)からなる列と行のグリッドを形成し、各行の中、および各列の中の前記ピクチャ要素(140)の係数は、正の値と負の値の間で交互する請求項15に記載のシステム(30)。
【請求項17】
前記第2の画像は、前記第1の画像の少なくとも一部分を含む請求項1に記載のシステム(30)。
【請求項18】
前記第1の画像データ、および前記第2の画像データはそれぞれ、各々が輝度レベルを持つピクチャ要素を有し、前記第2の画像データは、前記第1の画像データの中の1つまたは複数の対応するピクチャ要素(140)の輝度レベルに基づく輝度レベルを有するピクチャ要素(140)を含む請求項17に記載のシステム(30)。
【請求項19】
前記第2の画像データは、前記第1の画像データの中のピクチャ要素(140)を補間することによって算出された輝度レベルを有するピクチャ要素(140)を含む請求項18に記載のシステム(30)。
【請求項20】
前記第2の画像は、前記第1の画像と比べて拡大されている請求項17に記載のシステム(30)。
【請求項21】
被写体位置(46)から離隔された位置から、約100MHzから約2THzまでの周波数範囲内の電磁放射線を、前記被写体位置(46)における、人(34)、および前記人(34)とともにある、何らかの識別可能な物体(36)を含む被写体(32)に向けて送信し、前記被写体(32)から、前記放射線を受信するようにそれぞれが構成された少なくとも1つの第1のアンテナ装置(48)を含み、前記受信された放射線を表す画像信号(68)を生成し、第1のモードで、前記画像信号(68)の第1の部分を生成し、第2のモードで、前記画像信号の前記第1の部分の一部分に対応する前記画像信号(68)の第2の部分を生成するように選択的に動作するように適合されたアンテナアセンブリ(40)と、
前記アンテナアセンブリ(40)の動作を制御して、前記画像信号(68)の少なくとも前記第1の部分から、前記被写体(32)の少なくとも一部分の第1の画像(130)を表す第1の画像データを生成し、前記画像信号(68)の少なくとも前記第2の部分から、前記第1の画像(130)の一部分に対応する第2の画像(132)を表す第2の画像データを生成し、前記画像信号(68)の前記第1の部分から算出された前記画像信号(68)の前記第2の部分に関連する指示に応答して、前記アンテナアセンブリ(40)が、前記第2のモードで動作するように適合されたコントローラ(62)とを含む撮像システム(30)。
【請求項22】
前記プロセッサ(70)は、前記第1の画像が、前記人が身に付けている物体に対応する諸特性を含むかどうかを判定し、含むと判定した場合、前記諸特性を有する前記画像信号の部分に対応する前記画像信号の前記第2の部分に関する指示を生成するようにさらに適合された請求項21に記載の撮像システム(30)。
【請求項23】
前記アンテナアセンブリ(40)は、前記画像信号(68)の前記第2の部分を生成するように適合された第2のアンテナ装置(100)をさらに含み、前記プロセッサ(70)は、前記第1のモードにおける前記アンテナアセンブリ(40)の動作中に、前記第1のアンテナ装置(98)を動作させ、前記第2のモードにおける前記アンテナアセンブリ(40)の動作中に、前記第2のアンテナ装置(100)を動作させるようにさらに適合された請求項22に記載の撮像システム(30)。
【請求項24】
前記アンテナアセンブリ(40)は、前記第1のアンテナ装置(98)を前記被写体位置(46)に対して動かすように適合された第1の移動機構(94)と、前記第2のアンテナ装置(100)を前記第1の移動機構(94)に対して動かすように適合された第2の移動機構(102)とをさらに含む請求項23に記載の撮像システム(30)。
【請求項25】
前記第1の移動機構(94)は、前記第2のアンテナ装置(100)を前記被写体位置(46)に対して動かすようにも適合された請求項24に記載の撮像システム(30)。
【請求項26】
前記プロセッサ(70)は、異なる輝度レベルを有するピクチャ要素(140)を有する前記第1の画像データを生成し、ピクチャ要素(140)の少なくとも1つのグループの輝度レベルと、物体(36)の特性を示すピクチャ要素の対応する基準グループの輝度レベルの相関を算出するように適合された請求項22に記載の撮像システム(30)。
【請求項27】
前記プロセッサ(70)は、ピクチャ要素(140)の前記少なくとも1つのグループの輝度レベルの少なくとも閾値相関が対応して存在する前記第1の画像データの少なくとも一部分を、前記画像信号(68)の前記第2の部分として識別するようにさらに適合された請求項26に記載の撮像システム(30)。
【請求項28】
前記プロセッサ(70)は、所与のピクチャ要素(R)に関する相関値を、他の1つまたは複数のピクチャ要素(140)の輝度レベルの関数として算出することにより、ピクチャ要素(140)の前記少なくとも1つのグループの輝度レベルの前記相関を算出するようにさらに適合された請求項27に記載の撮像システム(30)。
【請求項29】
前記プロセッサ(70)は、所与のピクチャ要素(R)に相対的に配置された関連するピクチャ要素(140)のグループ(144)の輝度レベルに基づく前記所与のピクチャ要素(R)に関する相関値を算出することにより、前記所与のピクチャ要素(R)に関する前記相関値を算出するようにさらに適合された請求項28に記載の撮像システム(30)。
【請求項30】
前記プロセッサ(70)は、関連するピクチャ要素(140)の前記グループ(144)の各ピクチャ要素(140)の元の輝度レベルを、前記所与の要素(R)に対する前記グループ(144)の中の前記ピクチャ要素(140)の位置に関係する量だけ変更し、前記変更された輝度レベルを結合(combine)することにより、前記所与のピクチャ要素(R)に関する前記相関値を算出するようにさらに適合された請求項29に記載の撮像システム(30)。
【請求項31】
前記プロセッサ(70)は、ピクチャ要素(140)の前記グループ(144)の中の各ピクチャ要素(140)毎に1つの係数を関連付け、前記グループ(144)の中の各ピクチャ要素(140)の元の輝度レベルに、前記ピクチャ要素(140)に関連付けられた前記係数を掛けることにより、前記元の輝度レベルを変更するように適合され、前記係数のうち少なくとも2つは異なるものである請求項30に記載の撮像システム(30)。
【請求項32】
隣接するピクチャ要素(140)の前記グループ(144)は、中央ピクチャ要素(R)を含み、前記中央ピクチャ要素(R)に関連付けられた係数は、その他の係数の値より大きい値を有する請求項31に記載の撮像システム(30)。
【請求項33】
隣接するピクチャ要素(140)の前記グループ(144)は、ピクチャ要素からなる少なくとも1つの行を形成し、前記少なくとも1つの行の中の前記ピクチャ要素の係数は、少なくとも1つの正の値と少なくとも1つの負の値とを含む請求項32に記載の撮像システム(30)。
【請求項34】
隣接するピクチャ要素(140)の前記グループ(144)は、ピクチャ要素(140)からなる列と行のグリッドを形成し、各行の中、および各列の中の前記ピクチャ要素(140)の係数は、正の値と負の値の間で交互する請求項33に記載の撮像システム(30)。
【請求項35】
人(34)、および前記人(34)とともにある、何らかの識別可能な物体(36)を含む被写体(32)を監視する方法であって、
被写体位置(46)から離隔された位置から、約100MHzから約2THzまでの周波数範囲内の電磁放射線を、前記被写体位置(46)における前記被写体(32)に向けて送信すること、
前記送信された電磁放射線に応答して、前記被写体(32)から放出された電磁放射線を前記被写体(32)から受信すること、
前記受信された放射線を表す画像信号(68)を生成すること、および
前記画像信号(68)から、第1の解像度を有する前記被写体(32)の少なくとも一部分の第1の画像(130)に対応する第1の画像データと、前記第1の解像度より高い第2の解像度を有する前記被写体(32)の少なくとも一部分の第2の画像(132)に対応する第2の画像データとを生成することを含む方法。
【請求項36】
前記第1の画像(130)に対応する前記第1の画像データの少なくとも一部分が、前記人(34)が身に付けている物体(36)に対応する諸特性を含むかどうかを判定し、前記第1の画像(130)に対応する前記第1の画像データが、物体(36)に対応する諸特性を含むと判定された場合、物体(36)に対応する諸特性を含む前記第1の画像データに関連する前記画像信号の一部分に対応する前記第2の画像データを生成することをさらに含む請求項35に記載の方法。
【請求項37】
放射線を送信することは、第1のアンテナ装置(98)上で放射線を送信すること、および第2のアンテナ装置(100)から放射線を送信することを含み、放射線を受信することは、前記第1のアンテナ装置(98)上で送信された放射線に応答して、前記第1のアンテナ装置(98)上で放射線を受信すること、および前記第2のアンテナ装置(100)上で送信された放射線に応答して、前記第2のアンテナ装置(100)上で放射線を受信することを含み、画像信号(68)を生成することは、前記第1のアンテナ装置(98)上で受信された前記放射線を表す前記画像信号(68)の前記第1の部分を生成すること、および前記第2のアンテナ装置(100)上で受信された前記放射線を表す前記画像信号(68)の前記第2の部分を生成することを含む請求項36に記載の方法。
【請求項38】
第1の移動機構(94)に対して前記第2のアンテナ装置(100)を動かすことをさらに含む請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記第1のアンテナ装置(98)に関係して前記第2のアンテナ装置(100)を支持し、前記第1のアンテナ装置(98)を動かすことにより、前記第2のアンテナ装置(100)を前記被写体位置(46)に対して動かすことをさらに含む請求項38に記載の方法。
【請求項40】
第1の画像データを生成することは、異なる輝度レベルを有するピクチャ要素(140)を有する第1の画像データを生成することを含み、前記第1の画像データの少なくとも第1の部分を識別することは、ピクチャ要素(140)の少なくとも1つのグループ(144)の輝度レベルと、ピクチャ要素の対応する基準グループの輝度レベルの相関を算出することを含む請求項36に記載の方法。
【請求項41】
輝度レベルの相関を算出することは、ピクチャ要素(140)の前記少なくとも1つのグループ(144)の中の前記ピクチャ要素(140)の輝度レベルと、ピクチャ要素の前記基準グループの輝度レベルの少なくとも閾値相関が対応して存在する前記第1の画像データの少なくとも一部分を識別することをさらに含む請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記第1の画像データの少なくとも一部分を識別することは、所与のピクチャ要素(R)に関する相関値を、他の1つまたは複数のピクチャ要素(140)の輝度レベルの関数として算出することを含む請求項41に記載の方法。
【請求項43】
所与のピクチャ要素(R)に関する相関値を算出することは、前記所与のピクチャ要素(R)に相対的に配置された関連するピクチャ要素(140)のグループ(144)の輝度レベルから導出された前記所与のピクチャ要素(R)に関する相関値を算出することを含む請求項42に記載の方法。
【請求項44】
ピクチャ要素(140)の関連するグループ(144)の輝度レベルから導出された前記所与のピクチャ要素(R)に関する前記相関値を算出することは、関連するピクチャ要素(140)の前記グループ(144)の各ピクチャ要素(140)の元の輝度レベルを、前記所与の要素(R)に対する前記グループ(144)の中の前記ピクチャ要素(140)の位置に関係する量だけ変更し、前記変更された輝度レベルを結合(combine)することを含む請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記元の輝度レベルを変更することは、ピクチャ要素(140)の前記グループ(144)の中の各ピクチャ要素(140)毎に1つの係数を関連付け、前記グループ(144)の中の各ピクチャ要素(140)の前記元の輝度レベルに、前記ピクチャ要素(140)に関連付けられた前記係数を掛けることを含み、前記係数の少なくとも2つは異なるものである請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記1つの係数を関連付けることは、中央ピクチャ要素(R)を含む隣接するピクチャ要素(140)のグループ(144)の中の各ピクチャ要素(140)毎に、1つの係数を関連付け、前記中央ピクチャ要素(R)に関連付けられる係数は、その他の係数の値より大きい値を有することを含む請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記1つの係数を関連付けることは、ピクチャ要素(140)からなる少なくとも1つの行を形成する隣接するピクチャ要素(140)のグループ(144)の中の各ピクチャ要素(140)毎に、1つの係数を関連付けることを含み、前記少なくとも1つの行の中の前記ピクチャ要素(140)の前記係数は、少なくとも1つの正の値と、少なくとも1つの負の値とを含む請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記1つの係数を関連付けることは、ピクチャ要素(140)からなる列と行のグリッドを形成する隣接するピクチャ要素(140)のグループ(144)の中の各ピクチャ要素(140)毎に、1つの係数を関連付けることを含み、各行の中、および各列の中の前記ピクチャ要素(140)の前記係数は、正の値と負の値の間で交互する請求項47に記載の方法。
【請求項49】
第2の画像データを生成することは、前記第1の画像(130)の少なくとも一部分を含む第2の画像(132)に対応する第2の画像データを生成することを含む請求項35に記載の方法。
【請求項50】
前記第1の画像データ、および前記第2の画像データは、それぞれ1つの輝度レベルを有する複数のピクチャ要素(140)を含み、第2の画像データを生成することは、前記第1の画像データの中の1つまたは複数の対応するピクチャ要素(140)の輝度レベルに基づく輝度レベルを有するピクチャ要素(140)を有する第2の画像データを生成することを含む請求項49に記載の方法。
【請求項51】
第2の画像データを生成することは、前記第1の画像データの中のピクチャ要素(140)を補間することによって算出された輝度レベルを有するピクチャ要素(140)を有する第2の画像データを生成することを含む請求項50に記載の方法。
【請求項52】
第2の画像データを生成することは、前記第1の画像(130)と比べて拡大された第2の画像(132)に対応する第2の画像データを生成することを含む請求項49に記載の方法。
【請求項53】
被写体位置(46)から離隔された位置から、約100MHzから約2THzまでの周波数範囲内の電磁放射線を、前記被写体位置(46)における前記被写体(32)に向けて送信するための手段(48)と、
前記送信された電磁放射線に応答して、前記被写体(32)から放出された電磁放射線を前記被写体(32)から受信するための手段(48)と、
前記受信された放射線を表す画像信号(68)を生成するための手段(48)と
前記画像信号(68)の少なくとも第1の部分から、前記被写体(32)の少なくとも一部分の第1の解像度を有する第1の画像(130)に対応する第1の画像データを生成するための手段(70)と、
前記画像信号(68)の少なくとも第2の部分から、前記被写体(32)の少なくとも一部分の前記第1の解像度より高い第2の解像度を有する第2の画像(132)に対応する第2の画像データを生成するための手段(70)とを含む撮像システム(30)。
【請求項54】
前記第1の画像(130)に対応する前記第1の画像データが、前記人(34)が身に付けている物体(36)に対応する諸特性を含むかどうかを判定するための手段(70)をさらに含み、前記第2の画像データを生成するための前記手段(70)は、物体(36)に対応する諸特性を含む前記第1の画像データに関連する前記画像信号(68)の一部分から前記第2の画像データを生成することをさらに目的とする請求項53に記載の撮像システム(30)。
【請求項55】
放射線を送信するための手段(48)は、第1のアンテナ装置(98)上で放射線を送信すること、および第2のアンテナ装置(100)から放射線を送信することをさらに目的とし、放射線を受信するための手段(48)は、前記第1のアンテナ装置(98)上で送信された放射線に応答して、前記第1のアンテナ装置(98)上で放射線を受信すること、および前記第2のアンテナ装置(100)上で送信された放射線に応答して、前記第2のアンテナ装置(100)上で放射線を受信することをさらに目的とし、画像信号(68)を生成するための手段(48)は、前記第1のアンテナ装置(98)上で受信された前記放射線を表す前記画像信号(68)の前記第1の部分を生成すること、および前記第2のアンテナ装置(100)上で受信された前記放射線を表す前記画像信号(68)の前記第2の部分を生成することをさらに目的とする請求項54に記載の撮像システム(30)。
【請求項56】
約100MHzから約2THzまでの範囲内の電磁放射線を使用した、人(34)、および前記人(34)によって担持される、何らかの物体(36)を含む被写体(32)の検問に応答して生成された画像信号(68)を受け取り、
前記画像信号(68)の少なくとも前記第1の部分から、前記被写体(32)の少なくとも一部分の第1の画像(130)に対応する画像データを生成し、かつ
前記画像信号(68)の少なくとも前記第2の部分から、前記第1の画像(130)の少なくとも一部分の第2の画像(132)に対応する画像データを生成するようにコンピュータプロセッサ(70)によって実行されるように適合されたコマンドからなるプログラムが内部に実現された1つまたは複数の記憶媒体(74)。
【請求項57】
内部に実現された前記プログラムは、前記第1の画像(130)に対応する前記第1の画像データが、前記人(34)が身に付けている物体(36)に対応する諸特性を含むかどうかを判定し、前記第1の画像(130)に対応する前記画像データ(68)が、物体(36)に対応する諸特性を含むと判定された場合、物体(36)に対応する諸特性を含む前記画像データに関連する前記画像信号(68)の一部分から、第2の画像(132)に対応する前記画像データを生成するようにコンピュータプロセッサ(70)によって実行されるようにさらに適合された請求項56に記載の記憶媒体(74)。
【請求項58】
内部に実現された前記プログラムは、前記画像信号(68)の少なくとも第1の部分から、異なる輝度レベルを有するピクチャ要素(140)を有する画像データを生成し、ピクチャ要素(140)の少なくとも1つのグループ(144)の輝度レベルと、物体(36)に対応する輝度レベルを有するピクチャ要素の対応する基準グループの輝度レベルの相関を算出するようにコンピュータプロセッサ(70)によって実行されるようにさらに適合された請求項57に記載の記憶媒体(74)。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公表番号】特表2007−532904(P2007−532904A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−508401(P2007−508401)
【出願日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【国際出願番号】PCT/US2005/011973
【国際公開番号】WO2005/106528
【国際公開日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(506188600)セイフビュー・インコーポレーテッド (8)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【国際出願番号】PCT/US2005/011973
【国際公開番号】WO2005/106528
【国際公開日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(506188600)セイフビュー・インコーポレーテッド (8)
【Fターム(参考)】
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