説明

強化セラミック管

【目的】丈夫な壊れにくいセラミック管が求めめられていた。
【構成】壁内にステンレス線を含有したセラミック管である。
【効果】製造が簡単、安価であって対衝撃性がかなり向上したものがえられた。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
建物の資材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
古来管という物は建造物の中で重要な役割を果たしているのである。中に液体が入れば水道管や排水管に用いられるし、気体がはいればガス管や空気管に用いられ、又固体が入れば電線のカバー等に用いられるのである。そしてその材質においては各種の金属やプラスティック、セラミックなどが用いられている。
それらの中で経済性や耐火性や堅牢性などの特性を選んでそれぞれの場合に適合したものが利用されてきたのである。そのうちセラミック製品は、火に強く、ネズミに齧られる事もなく、適度に経済的であり、極めて優れた特性を持っているのであるが、壊れやすく脆いという性質の為にしばしば敬遠されてきたのである。そこでその脆さを少しでも改良出来ればセラミック管の利用度は更に増えるものと考えられるのである。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
セラミック製品は脆いという性質の為に多くの優れた特性を持っているにも拘わらず、用途が限定されており、その欠点を補う為に焼成温度を高めたり、釉薬を塗ったりして、色々試みられてきたがその解決は中々困難な問題であつた。
【0004】
そこでセラミックの実質の中に金属をいれて製品を焼き上げることが出来れば、筋肉の中に骨を蓄えた様なもので、硬くて丈夫なものが出来るはずであるが、この金属をセラミックの中にいれて、乾燥、焼成するという事は中々困難な事なのである。金属とセラミックとは収縮率および膨張率が異なりたとえ混合、混入しても、その乾燥途中でひびが入りそれを焼成してもいよいよ使用に耐えないものができるのである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこでこのセラミックと金属の夫れ夫れの収縮率、及び膨張率をどのようにしてその差をなくすれば良いかということになるが、色々試行錯誤した結果その緩衝物として釉薬を用いる事を試みたのである。円管のセラミック製品も上記の様に脆さと衝撃に弱いという欠点を有するが、その対策として、先ず大小の二つのセラミック管を作り、これを素焼きする。大の管の内径と小の管の外径との差が1mm−1,5mmになる様に作り、その二つの管を重ね合わせて、その間の隙間にステンレス線および釉薬をいれて、本焼するのである。すると外の管も内の管もひびわれすることなく、又破損することもなく、釉薬はステンレス線を含有して外側の管と内側の管とを癒着させて二重の管が一重の管となるのである。(図1<図2、図3)
【0006】
短い管の場合は上記の様にすればよいが長い管の場合は、間にステンレス線や釉薬を入れるのが中々困難なのである。そこで内側の管はそのまま素焼きをするのであるが、外側の管は半円形に作り二つの半円形の素焼きの管を作るのである。そして先ず半円形の外側管の内側にステンレス線を敷き、その上に釉薬を厚くかける。そして小さい内側の円管をその上におき押さえておく。次にその内側になる小さい円管の上側にステンレス線及び釉薬をおき、その上にもう一つの他の半円形の管を被せるのである。
そしてこれを本焼するのである。こうして中間にステンレス線を含有し外側の半円形管と内側の円形管とがしっかり癒着した二重になった円管が出来上がるのである。(図4、図5、図6、図7、図8、図9、)
【0007】
かくして内側は平滑な面を有する小管からなり、外側は半円形の管が互いにかぶさって出来たもので強化セラミック管が出来上がるのである。
【0008】
実施例 先ず長さ20cm内径3cm外径4cmの素焼きのセラミック管を用意する。次に長さ20cm内径4,5cm外径5,5cmの素焼きのセラミック管を用意し、この大きいセラミック管の中に小さいセラミック管を差し込んで長さをそろえる。そして此の二つの管と管との間の隙間に長さ20cm直径0,5mmのステンレス線を10本均等に配置する。次に粘度を増した釉薬を注入するのである。そしてこれを本焼して完成する。(図1、図2、図3)
【0009】
次に又長さ50cmの管の場合であるが、長さ50cm、内径3cm、外径4cmの素焼きのセラミック管を用意する。次に長さ50cm、内径4,5cm、外径5,5cmの半円形の素焼きのセラミック半円径管を用意し、その内側に長さ50cmのステンレス線を5本並べ、又粘度を増した釉薬を厚くかける。次に長さ50cmの小さい方のセラミック管をその上におき十分押さえる。次にその小さいセラミツク管の外側の部分に釉薬を厚くかけ、又ステンレス線5本を並べて押さえ付ける。次に半円形の長さ50cmのセラミツク半円管を置きよくおさえつける。そうして出来たセラミック管を本焼して完成となるのである。(図4、図5、図6、図7、図8、図9、)
【0010】
【考案の効果】
脆くて壊れやすいというのは、セラミックの特性であり、古来その短所に悩まされて来たのであるが、本考案により、その欠点はかなり解消されたのである。少々の衝撃に対してはかなりの抵抗を示すものが出来たのである。製造は簡単、安価であり、用途の拡大も期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】
【強化セラミック管の斜位図】
A… 大管
B… 小管
C… ステンレス線
D… 釉薬
【図2】
【強化セラミック管の正面図】
A… 大管
B… 小管
C… ステンレス管
D… 釉薬
【図3】
【強化セラミックの側面図】
A… 大管
B… 小管
C… ステンレス線
D… 釉薬
【図8】
【強化セラミック管の斜位図】
A… 大管
B… 小管
C… ステンレス線
D… 釉薬
【図4】 斜位図
【図5】 斜位図
【図6】 斜位図
【図7】 斜位図
【図9】
【強化セラミック管の正面図】

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】管周囲壁にステンレス線を含有する強化セラミック管

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【登録番号】実用新案登録第3065645号(U3065645)
【登録日】平成11年11月4日(1999.11.4)
【発行日】平成12年2月8日(2000.2.8)
【考案の名称】強化セラミック管
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平11−2130
【出願日】平成11年2月26日(1999.2.26)
【出願人】(594200356)