説明

強化結合剤を有するフィルタ材を作成する方法

水ろ過用媒体はフィルタ材の製造に用いられる結合剤材料に直接付着された帯電物質を有する。微生物学的遮断強化剤は結合剤に直接加えられる。共に結合剤材料に直接付着された帯電物質および微生物学的遮断強化剤を有するフィルタ材は次いでコアフィルタ材と結合され、ろ過用媒体として用意される。フィルタは処理されたフィルタ材から用意される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタ材のろ過作用に用いられる、係合剤材料に直接添えられた帯電物質を有する水フィルタ材に関する。微生物学的遮断強化剤もまた結合剤に直接加えられる。一実施形態において、本発明は、共に係合剤材料に直接添えられた帯電物質および微生物学的遮断強化剤を有するフィルタ材を作成する方法に関する。得られた強化結合剤は次いでコアフィルタ材と組み合わされてフィルタ材として作成される。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ろ過システムにおけるコアフィルタ材を形成する炭素または活性炭繊維または構造は、帯電物質および/または、微生物学的活性金属を有するかまたは有してない相溶性の微生物学的遮断強化剤で化学的に処理される。粉状、微粒子状または繊維状の結合剤または熱可塑性材料が、そのとき増強された強度を提供するよう組み合わされる。いくつかの例では、活性化された炭素/結合剤が帯電物質および相溶性の微生物学的遮断強化剤で化学的に処理される。
【0003】
従来技術は、帯電物質を結合剤に直接結合することも、帯電物質を加えるまたは加えることなしに、微生物学的遮断能力を結合剤に直接結合することも教示していない。
【0004】
カチオン性銀錯体からなる微生物学的遮断強化剤は知られている。一般的に、これらの剤は、水質浄化のために、カーボンブロックかカーボン繊維のいずれかに付着され、そして優れたウイルスおよびバクテリア遮断を証明している。これらの適用例における剤の付着方法は、少々複雑であることが知られている。カチオン性銀錯体(帯電物質)は、通常、2段階処理工程において、活性炭に直接形成される。活性炭はカチオン性材料により処理され、そして、銀−アミン−ハロゲン化物錯体を形成するように銀アンモニア錯体と反応される。この工程は、Koslawに発行されそしてケイエクス・テクノロジーズ・エルエルシーに譲渡されたアメリカ特許第6630016号、同第6835311号、同第6953604号、同第6959820号、同第6998058号、同第7008537号、同第7011753号および同第7144533号により部分的に教示されている。
【0005】
銀アンモニア錯体は、塩化銀を沈殿させるように硝酸銀溶液を塩化ナトリウムと反応することにより調合される。塩化銀は硝酸イオンを完全に取り除くように徹底的に洗浄される。硝酸イオンの濃度はリンス中監視される。塩化銀を溶解して銀アンモニウム錯体溶液を作成するように、大量のアンモニア溶液がそのとき用いられる。次いで活性炭が処理されそして一定期間、典型的に、一晩、約149℃(約300°F)で乾燥される。
【0006】
このような帯電物質または微生物学的遮断強化剤、或いは両者の程度の周知の方法から外れる本発明は、活性炭のために構造的整合性を与える結合剤材料に直接加えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】アメリカ特許第6630016号明細書
【特許文献2】アメリカ特許第6835311号明細書
【特許文献3】アメリカ特許第6953604号明細書
【特許文献4】アメリカ特許第6959820号明細書
【特許文献5】アメリカ特許第6998058号明細書
【特許文献6】アメリカ特許第7008537号明細書
【特許文献7】アメリカ特許第7011753号明細書
【特許文献8】アメリカ特許第7144533号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来技術の問題および欠点を踏まえ、本発明の目的は、フィルタ材内の微生物学的遮断のためにより効果的な化学的性質を提供することにある。
【0009】
本発明の別の目的は、フィルタ材製造工程において結合剤材料をコアフィルタ材材料と結合する前に帯電物質を結合剤材料に直接結合する方法を提供することにある。
【0010】
本発明の別の目的は、フィルタ材製造工程において結合剤材料に微生物学的遮断強化剤を直接結合する方法を提供することにある。
【0011】
本発明のさらに別の目的は、結合剤材料またはそこに付着された帯電物質を有する結合剤材料に微生物学的遮断強化剤を加えることにより、そして臭化ナトリウムおよび、別な方法でコアフィルタ材自体内に直接組み合わされる帯電物質の量を減少し、さらに塩化ナトリウムおよびアンモニアの使用を排除することにより、工程の化学的作用の単純化と同様に、コアフィルタ材内に微生物学的遮断強化剤を組み込む工程を単純化することにある。
【0012】
本発明の別の目的は、帯電物質を結合剤材料に加えそして、もはや活性炭の利用可能な表面領域を減少することのないように、結合剤の微生物学的遮断強化剤と帯電物質を結合することによりカーボンブロックフィルタの微生物学的遮断を従来技術以上に増強することにある。
【0013】
本発明のさらに別の目的は、より広範な変化の活性炭メッシュ寸法に適合する炭素フィルタに微生物学的遮断を結合する方法を提供することにある。
【0014】
本発明のまた別の目的は、カーボンブロックフィルタ材内への帯電物質および微生物学的遮断強化剤の分布を制御するように結合剤材料を使用する方法を提供することにある。
【0015】
本発明のその他の目的は、本明細書から部分的に自明となりかつ部分的に明らかとなるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述および当業者にとって明らかなその他の目的は、本発明において達成され、そして第1の態様において、微生物学的遮断能力を有するフィルタ材を作成する方法を指向しており、それは、帯電物質を結合剤材料に直接結合し、帯電結合剤材料を形成することと、コアフィルタ材を帯電結合剤材料と結合することと、結合コアフィルタ材および帯電結合剤材料を有するフィルタ材を形成することとから構成される。フィルタ材を作成する工程は、結合コアフィルタ材と帯電結合剤を固体合成物またはブロックに押出または圧縮成形することを含み得る。帯電物質は、コロイド、小帯電分子、或いはそれと協働する対イオンを有するポリマ鎖の長さに沿って正電荷帯電原子を有する直線状または分岐状ポリマを含み得る。より具体的には帯電物質は、臭化ナトリウムおよびジアリルジメチルアンモニウムクロリドまたはポリDADMACのホモポリマの溶液を含み得る。
【0017】
第2の態様において、本発明は、微生物学的遮断能力を有するフィルタ材を作成する方法を指向しており、それは、強化結合剤を作成するように帯電物質と微生物学的遮断強化剤と結合剤材料とを結合することと、コアフィルタ材を強化結合剤と結合することと、コアフィルタ材と強化結合剤とを有するフィルタ材を作成することとから構成される。微生物学的遮断強化剤は、微生物学的活性金属を含む微生物学的活性金属塩溶液からなることもできる。臭化銀を帯電結合剤に直接加えてもよい。
【0018】
第3の態様において、本発明は、微生物学的遮断能力を有するフィルタ材を作成する方法を指向しており、それは、結合剤−ポリアクリル酸(PAA)合成物を作成するように結合剤材料を結合剤材料の重量の約0.1%から10%の量の35%水溶液のポリアクリル酸(PAA)と結合することと、結合剤材料の重量の18%から72%の量の脱イオン水に結合剤−PAA合成物を希釈することと、結合剤−PAA合成物を乾燥しそして粉状に破砕することと、結合剤材料の重量に対して約1%から5%の帯電物質をコアフィルタ材の重量の約0.05%から0.5%の量のAgBrと混合することと、帯電物質−AgBr溶液を作成するように、脱イオン水を帯電物質および結合剤−PAA合成物の重量の18%から54%の量のAgBrと混合することと、帯電物質−AgBr溶液を結合剤−PAA合成物と化合しそして強化結合剤を作成するように、得られた合成物を乾燥することと、コアフィルタ材を強化結合剤と結合することと、コアフィルタ材および強化結合剤を有するフィルタ材を作成することとから構成される。
【0019】
第4の態様において、本発明は、微生物学的遮断能力を有するフィルタ材を作成する方法を指向しており、それは、強化結合剤を作成するように帯電物質、微生物学的遮断強化剤、および結合剤材料を結合することからなり、結合剤材料を結合剤材料の重量の約0.1%から10%の量の35%水溶液のポリアクリル酸(PAA)と化合することと、結合剤−PAA合成物を作成するように結合剤材料の重量の18%から72%の量の脱イオン水にPAAおよび結合剤料合成物を希釈することと、結合剤材料の重量の約1%から5%の量の帯電物質とコアフィルタ材の重量の約0.05%から0.5%の量のAgBrとを結合することと、帯電物質とAgBrと結合剤−PAA合成物を脱イオン水に結合剤−PAA合成物の重量の18%から54%の量で混合することと、得られた帯電物質、AgBr、結合剤−PAA合成物を乾燥することと、コアフィルタ材を強化結合剤と結合することと、コアフィルタ材および強化結合剤を有するフィルタ材を作成することとを含む。
【0020】
第5の態様において、本発明は、コロイド、小帯電分子、或いはそれと協働する対イオンを有するポリマ鎖の長さに沿って正電荷帯電原子を有する直線状または分岐状ポリマを含む、帯電物質と結合された粉状、粒状または繊維状の結合剤材料から構成される帯電結合剤を指向する。
【0021】
第6の態様において、本発明は、微生物学的遮断能力を有する中間フィルタ材組成物を指向しており、それは、コアフィルタ材と結合される前でかつ加熱前に結合剤材料に直接付着された帯電物質を含む帯電結合剤と、帯電結合剤材料と結合されるコアフィルタ材とから構成される。中間フィルタ材は、コアフィルタ材と結合される前でかつ加熱前に少なくとも1つの微生物学的遮断強化剤を帯電結合剤に結合することにより強化された帯電結合剤を有することを含むこともできる。
【0022】
第7の態様において、本発明は、微生物学的遮断能力を有するフィルタを指向しており、それは、コアフィルタ材および帯電結合剤を有するフィルタ材であって、帯電結合剤がコアフィルタ材と結合される前にそこに直接付着された帯電物質を有する結合剤材料を含み、かつ、フィルタ材が加熱後にコアフィルタ材全体に分散された帯電結合剤を有するフィルタ材と、フィルタ材を包囲するハウジングと、フィルタ材をハウジング内に密封するための端部キャップとから構成される。フィルタは、コアフィルタ材と結合される前でかつ加熱前に少なくとも1つの微生物学的遮断強化剤を帯電結合剤に結合することにより強化された帯電結合剤を有することを含むこともできる。
【0023】
フィルタはまた、合成ブロック構造、スパイラル巻きシート、またはひだ状シートに形成されたフィルタ材を有することを含んでいてもよい。
【0024】
本発明の新規と考えられる特徴および本発明を特徴づける要件は本願請求の範囲において特異点で説明される。図面は例示目的のものであり、実寸に即して描かれたものではない。しかしながら、本発明自体は、組織および動作方法とも、添付の図面と共に説明される以下の詳細な説明を参照することによりもっとも良好に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、帯電物質で覆われた結合剤材料および、結合剤がコアフィルタ材に加えられて加熱される前の微生物学的遮断強化剤を示す図である。
【図2】図2は、融解工程後の図1の結合剤を示す図である。
【図3】図3は、カーボンブロックの種々の層において本発明に従って結合剤材料に付着される帯電粒子の分布および圧力降下時におけるその効果を示すダイアグラムである。
【図4】図4の(A)は、合成ブロック構造に形成された本発明のフィルタ材を有するフィルタの等角図であり、図4の(B)は、ひだ状シートに形成された本発明のフィルタ材を有するフィルタの等角図であり、図4の(C)は、スパイラル巻きシートに形成された本発明のフィルタ材を有するフィルタの等角図であり、図4の(D)は、図4の(C)の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の好適な実施形態において、図1〜4の図面における参照符号は、同様な符号が本発明の同様な特色に付されている。
【0027】
本発明の少なくとも1つの実施形態のフィルタ材作成方法において、コアフィルタ材材料は、前もって帯電物質で処理された結合剤材料と結合される。一実施形態において、コアフィルタ材は、前もって帯電物質および微生物学的遮断強化剤で処理された結合剤材料と結合される。
【0028】
フィルタ材は一般的に、適当な細孔構造、帯電物質、化学的処理、またはそれらの組合せを用いる微生物学的遮断能力を提供する微細孔構造を含んでいる。微細孔構造は、吸収性または吸収特性と同様に、特有の細孔構造を有する活性粒子の列から構成される。この列は固体合成ブロック、モノリス、セラミックキャンドル、或いは密着した媒体に形成される結合または固定された粒子の平坦なシートであることができ、そのすべては結合剤または支持結合材料を用いることもできる。これらの粒子列は、例えば、押出加工、鋳型成形、または鋳込成形のような周知技術の方法で作成し得る。好ましい成果のために、微細孔材料は、2ミクロン程度の平均流路を有することができるが、特定の平均流路は本発明を実施するための条件ではない。
【0029】
本説明において参照資料として組み込まれる前述のKoslawの従来技術において、化学的処理工程は、生物学的活性金属のように、コアフィルタ材と結合されたときに接触時に微生物学的汚染物質の広域抗菌スペクトル低減を提供する、帯電またはカチオン性材料と微生物学的遮断強化剤の間の相乗的相互作用を用いてコアフィルタ材の表面を処理するように用いられる。コアフィルタ材と結合されたカチオン性材料により提供される帯電は、微生物学的汚染物質の動電学的遮断に役立つ一方、目の詰まった細孔構造は短い拡散経路を、そしてそれ故、流体中の微生物学的汚染物質の微細孔構造表面への迅速な拡散動力学を提供する。
【0030】
本発明の少なくとも1つの実施形態の実施のために、コアフィルタ材は、最終的にろ過システムで用いるための完成されたフィルタ材を形成するように、帯電物質、微生物学的遮断強化剤、または両者と前もって結合された結合剤材料と結合される。図1は、帯電物質12および微生物学的遮断強化剤14で覆われた結合剤10を表している。これらの構成要素は複数種類でもよく、以下に特定される。しかし、そこに記載されていなくとも、特定される材料の分類に入る材料もまた使用でき、そして提示されるリストはそのような材料のすべてを含むものではなく、むしろ、本発明の作業を満たす代表的な材料の例や材料の一族である。
【0031】
微生物学的遮断強化剤付きまたはなしの帯電物質で直接処理された結合剤を有する微細孔フィルタ材は、適用形態やフィルタハウジング設計によって、合成ブロック、平坦なシート、ひだ状媒体、またはスパイラル巻き媒体として用いられ得る。工業用、商業用および家庭用の、水や空気を含むほとんどすべてのろ過に使用し得る。
【0032】
〔コアフィルタ材〕
用いられるコアフィルタ材は、吸収性または吸収活性粒子の列から構成され得る。活性材料は、湿潤付着または乾燥付着媒体工程を用いて、微粒子状、粉状、または粒状形状であり得、そして、これに限定されるものではないが、活性炭、活性アルミナ、ゼオライト、ケイ藻土、ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、チタン酸塩、骨炭、カルシウムハイドロキシアパタイト、酸化マンガン、酸化鉄、酸化マグネシウム、パーライト、滑石、高分子微粒子状物質、粘土、ヨウ素酸化(iodated)樹脂、イオン交換樹脂、セラミック、高吸水性ポリマ(SAPs)、およびこれらの合成物を含み得る。この活性化材料は、押出加工、鋳型成形、または当業者にとって周知のその他の方法により固体合成物に変更され得る。典型的な工程はアメリカ特許第5,019,311号および第5,189,092号に述べられている。
【0033】
繊維もまたコアフィルタ材として使用し得る。これらの繊維はフィブリル化可能な有機ポリマ繊維から構成され得る。フィブリル化繊維は、一般的に、それらの並外れた微細寸法および低コストの可能性の故に有益である。このようなフィブリル化繊維は、これらに限定するものではないが、ポリアミド、アクリル、アクリロニトリルのようなポリマ;日本の株式会社クラレから販売されているVECTRAN(登録商標)、日本の東洋紡績株式会社から販売されているZYLON(登録商標)、およびその類似物のような液晶ポリマ、イオン交換樹脂、エンジニアード樹脂(engineered resin)、セルロース、レーヨン、ラミー、羊毛、絹、ガラス、金属、セラミック、その他の繊維材料、またはそれらの合成物、或いは、これらに限定されるものではないが、活性炭、活性アルミナ、ゼオライト、珪藻土、ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、チタン酸塩、骨炭、カルシウムヒドロキシアパタイト、酸化マンガン、酸化鉄、マグネシア、パーライト、滑石、高分子微粒子、粘土、ヨウ素酸化樹脂、イオン交換樹脂、セラミック、高吸水性ポリマ(SAPs)、およびそれらの合成物のような微粒子媒体を有する繊維の合成物を含む。有機と無機の繊維の合成物および/または、フィブリル化されているかまたはいないウィスカ(whisker)が予期され、そして本発明の範囲内にある。例えば、ガラス、セラミック、金属繊維、または重合体繊維が個別にまたはともに用いられ得る。一実施形態において、オーストリアのLenzing Aktiengesellschaft 社から販売されているLYOCELL BY LENZING(登録商標)のような、フィブリル化リヨセル繊維が、それらの並外れた微細寸法および低コストの可能性の故に用いられる。
【0034】
コアフィルタ材はまた繊維、または繊維と微粒子媒体の合成物から作成可能な平坦なシート媒体の形態であってもよく、それは強化されたろ過使用のために最終的に巻回、積層、および/またはプリーツ付けされる。
【0035】
〔結合剤材料〕
熱可塑性または熱硬化性材料を粉状、微粒子状または繊維状の形態で加えることが、コアフィルタ材の活性粒子の結合を助けることは知られている。この結合剤材料は以下のタイプのいずれをも含み得る:ポリオレフィン、ポリビニルハライド、ポリビニルエステル、ポリビニルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニル硫酸、ポリビニルリン酸、ポリビニルアミン、ポリアミド、ポリイミド、ポリオキシジアゾール、ポリトリアゾール、ポリカーボジイミド、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリアリーレンオキシド、ポリエステル、ポリアリレート、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ホルムアルデヒド−尿素、エチル−ビニルアセテート共重合体、それらの共重合体およびブロック共重合体、およびそれらの合成物。上述の材料の変異およぴその他の利用可能なポリマは、ヒドロキシル基、ハロゲン、低級アルキル基、低級アルコキシ基、単環アリール基、およびその類似物のような基の代替物を含む。その他の潜在的に使用可能な材料は、ポリスチレンおよびアクリロニトリル−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、およびその他の非晶質またはアモルファスポリマおよび構造物のようなポリマを含む。
【0036】
有用な材料のより詳細な一覧は、ポリ(オキシメチレン)またはポリホルムアルデヒド、ポリ(トリクロロアセトアルデヒド)、ポリ(n−バレルアルデヒド)、ポリ(アセトアルデヒド)、およびポリ(プロピオンアルデヒド)のような、エンドキャップされたポリアセタール;ポリアクリルアミド、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(アクリル酸エチル)、およびポリ(メタクリル酸メチル)のようなアクリルポリマ;ポリ(テトラフルオロエチレン)、全フッ素置換エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、ポリ(フッ化ビニリデン)、およびポリ(フッ化ビニル)のようなフルオロカーボンポリマ;ポリ(6−アミノカプロン酸)またはポリ(e−カプロラクタム)、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)(poly(hexamethylene adipamide))、ポリ(ヘキサメチレンセバシアミド)(poly(hexamethylene sebacamide))、およびポリ(11−アミノウンデカン酸)のようなポリアミド;ポリ(イミノ−1,3−フェニレンイミノイソフタロイル)またはポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)のようなポリアラミド;ポリ−2−キシリレン、およびポリ(クロロ−1−キシリレン)のようなパリレン;ポリ(オキシ−2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)またはポリ(p−フェニレンオキシド)のようなポリアリールエーテル;ポリ(オキシ−1,4−フェニレンスルホニル−1,4−フェニレンオキシ−1,4−フェニレンイソプロピリデン−1,4−フェニレン)、およびポリ(スルホニル−1,4−フェニレンオキシ−1,4−フェニレンスルホニル−4,4’−ビフェニレン)のようなポリアリールスルホン;ポリ(ビスフェノールA)またはポリ(カルボニルジオキシ−1,4−フェニレンイソプロピリデン−1,4−フェニレン)のようなポリカーボネート;ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(テトラメチレンテレフタレート)、およびポリ(シクロヘキシレン−1,4−ジメチレンテレフタレート)またはポリ(オキシメチレン−1,4−シクロヘキシレンメチレンオキシテレフタロイル)のようなポリエステル;ポリ(p−フェニレンスルフィド)またはポリ(チオ−1,4−フェニレン)のようなポリアリールスルフィド;ポリ(ピロメリトイミド−1,4−フェニレン)のようなポリイミド;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(1−ブテン)、ポリ(2−ブテン)、ポリ(1−ペンテン)、ポリ(2−ペンテン)、ポリ(3−メチル−1−ペンテン)、およびポリ(4−メチル−1−ペンテン)のようなポリオレフィン;ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(ビニリデンクロライド)、およびポリ(ビニルクロライド)のようなビニルポリマ;1,2―ポリ−1,3−ブタジエン、1,4−ポリ−1,3−ブタジエン、ポリイソプレン、およびポリクロロプレンのようなジエンポリマ;並びにアクリロニトリルブタジエン−スチレン(ABS)のような上述のものの共重合体を含む。
【0037】
ポリオレフィンベースの材料は有効である。例えば、適切に処理されたとき、所定のタイプの処理済ポリエチレンまたはポリエステル繊維は最適であり、そして、適度の量で用いられたとき、作成されたフィルタ材の親水性を大きく阻害することのない追加の利点を有する。
【0038】
テキサス州ヒューストンのEquistar Chemicals, LP社のMICROTHENE(登録商標)Fのような、ポリオレフィンの粉状体が好適に用いられ得る。この粉状体は、広範囲な特殊な適用形態で用いるのに適した狭い寸法分布を有する超微細な、球状微粒子からなる。ポリオレフィン粉状体はポリオレフィン樹脂の特有な特性を超微粒子寸法と組み合わせている。ポリオレフィン粉状体は、典型的に、外観、寸法安定性、押し出し性、または収縮特性を改善するように、所定の熱可塑性および熱硬化性樹脂に追加される。一般的に、ポリオレフィン粉状体を1重量パーセントから6重量パーセント加えることにより、樹脂充填分布、型流れ、および耐湿性が改善される一方、強度特性は十分に確保される。
【0039】
結合剤材料はカーボンブロックフィルタ材を重量比で約10%から40%、より好ましくは約15%から25%、そして最も具体的には約18%の量で与えられる。結合剤材料を平坦なシート媒体に与える場合、有効な量は重量比で5%から30%、より好ましくは8%から15%、そして最も具体的には10%である。結合剤材料にとって望ましいことは、結合剤材料を活性化する一方、微細孔構造が溶融して多孔性を喪失することなくコアフィルタ材/結合剤の合成物を加熱できるように、コアフィルタ材の軟化点よりもかなり低い軟化点を有することである。
【0040】
〔結合剤を強化するための帯電またはカチオン性材料〕
この適用形態に有用な帯電分子は、単一帯電ユニットを有し、そして結合剤に付着可能であり、そして加熱処理後に、微細孔構造の少なくとも一部に付着可能な小分子であり得る。カチオン性材料は、生物学的活性金属塩溶液に曝されたとき、カチオン性金属沈殿物を形成するようにカチオン性表面に近接して金属の優先的な沈殿を発生させる、それと協働する1つ以上の対イオンを有し得る。
【0041】
帯電またはカチオン性材料は、コロイド、小分子、或いはそれと協働する対イオンを有するポリマ鎖の長さに沿って正電荷を帯びた原子を有する直鎖または分岐ポリマであり得る。
【0042】
カチオン性材料がポリマである場合、電荷密度は分子長の約20オングストローム毎に約1帯電原子以上、特に約12オングストローム毎に約1帯電原子以上、より特定すると約10オングストローム毎に約1帯電原子以上であり得る。カチオン性材料の電荷密度をより高くすると、それと協働する対イオンの濃度をより高くする。適当な対イオンの濃度を高くすることはカチオン性金属錯体の沈殿を推進するように用いることができる。カチオン性材料は高または低pH環境において微細孔構造に流動またはゼータ電位アナライザにより決定されるような高い正帯電表面を一貫して与える。高分子重帯電ポリマで処理されたのちの微細孔構造のゼータまたは流動電位は、一般的に実質的に中性pHで、約+10ミリボルトより大きく、そしてときには約+23ミリボルトまでである。
【0043】
使用するのに適当なカチオン性材料は、一般的に、これに限定されるものではないが、四級化アミン、四級化アミド、第四級アンモニウム塩、四級化イミド、ベンザルコニウム化合物、ビグアニド、カチオン性アミノシリコン化合物、カチオン性セルロース誘導体、カチオン性澱粉、四級化ポリグリコールアミン縮合物、四級化コラーゲンポリペプチド、カチオン性キチン誘導体、カチオン性グアーガム、カチオン性メラミン−ホルムアルデビド酸コロイドのようなコロイド、無機的に処理されたシリカコロイド、ポリアミド−エピクロロヒドリン樹脂、カチオン性アクリルアミド、それらのポリマおよび共重合体、それらの合成物、および類似物を含む。
【0044】
典型的なアミンとしては、ピロール、エピクロロヒドリン誘導アミン、それらのポリマ、および類似物である。典型的なアミドとしては、「Microorganism Filter and Method for Removing Microorganism from Water」(国際特許出願公開番号第WO01/07090号)においてHeu他により開示されたポリアミド、およびその類似物である。典型的な四級化アンモニウム塩としては、そのすべてが本説明に参照事項として組み込まれるアメリカ特許第2,261,002号、第2,271,378号、第2,388,614号および第2,454,547号、並びに、本説明に参照事項としてまた組み込まれる国際特許出願公開番号第WO97/23594号開示されているような、ジアリルジメチルハロゲン化アンモニウムのホモポリマ、エピクロロヒドリン誘導ポリ第四級アミンポリマ、ジアミンおよび二ハロゲン化物から誘導された第四級アンモニウム塩、ポリヘキサメチレンジメチル臭化アンモニウム、及び類似物である。カチオン性材料は、その自身或いは繊維または膜に化学的に結合、吸収または架橋され得る。
【0045】
カチオン性または帯電物質は、臭化ナトリウムおよびジアリルジメチル塩化アンモニウムまたはポリDADMAC(PDADMAC)のホモポリマの溶液であり得る。PDADMACは高−モル−質量のカチオン性ポリマであり、アニオン性物質の固着に使用できる。これは水に完全に溶解できるカチオン性ポリマである。ポリマ本体は、電気的中和および架橋吸収を介して排水中の浮遊固体および負帯電水溶性物質を不安定化して凝集できる、強いカチオン性グループ基および活性化吸収剤グループ基を含む。凝集、脱色、殺藻類、および有機物の除去においてこれは非常に有効である。0.5と1.4の間の広い範囲のpH値を適応できる。使用するPDADMACの一つは、イリノイ州ネーパービルのNaclo Companyから販売されているMERQUAT(登録商標)である。
【0046】
帯電またはカチオン性材料として使用するのに適したその他の材料は、ジョージア州ノークロスのBioShield Technologies, Inc.から入手可能なBIOSHIELD(登録商標)を含む。BIOSHIELDは、重量比で約5%のオクタデシルアミノジメチルトリメトキシシリルプロピル塩化アンモニウムと3%以下のクロロプロピルトリメトキシシランを含むオルガノシラン製品である。使用し得る別の材料は、マサチューセッツ州ティングスボローのSurfacine Development Company LLCから入手可能なSURFACINE(登録商標)である。SURFACINEは、ポリ(ヘキサメチレンビグアニド)(PHMB)を重合体表面に共有結合的に接着するように、PHMBを4,4’−メチレン−ビス−N,N−ジグリシジルアニリン(MBGDA)および架橋剤と反応させることにより得られた三次元高分子網目を構成する。ヨウ化銀の形態の銀が網目内に導入され、そしてサブミクロンサイズの粒子として捕捉される。この合成物は、使用されたときに有効な殺生物剤である。繊維および膜材料によって、MBGDAは繊維または膜に架橋してもしなくてもよい。
【0047】
〔接着剤強化のための微生物学的遮断強化剤〕
本発明の少なくとも一つの実施形態に従って、カチオン性材料が結合剤に直接付着される。カチオン性材料はさらに、生物学的活性金属塩溶液のような微生物学的遮断強化剤に曝される。この目的のために、生物学的に活性な金属はこの応用性に優れている。このような生物学的活性金属は、これに限定されるものではないが、銀、銅、亜鉛、カドミウム、水銀、アンチモン、金、アルミニウム、プラチナ、パラジウム、およびそれらの合成物を含む。特に、銀および銅が適している。生物学的活性金属塩溶液は、金属およびカチオン性材料の対イオンが実質的にカチオン性金属錯体の沈殿を進めるために、水性環境では不溶性であるように選定され得る。
【0048】
上述したように、特に有用な帯電物質、微生物学的遮断強化剤合成物はカチオン性銀−アミン−ハロゲン化錯体である。カチオン性アミンは、約40,0000ダルトンの分子質量を有するジアリルジメチルハロゲン化アンモニウム、或いは同様な電荷密度および分子質量を有するその他の第四級アンモニウム塩のホモポリマでもよい。塩化物対イオンは臭化物またはヨウ化物対イオンと置き換えることもできる。一実施形態において、本方法は、硝酸銀を使用して臭化銀を沈殿する代わりに、臭化銀とPDADMACのような帯電物質とを直接混合することを含む。
【0049】
一定した自然流下式水ろ過システムに用いられるとき、微生物学的遮断強化フィルタ材は、良好な自発的水和性を提供するように親水性材料で作成されるかまたは湿潤剤で処理される。互換的に、ほかの適用形態において、微生物学的遮断強化フィルタ材は、必要に応じて親水性または疎水性特性を呈するように処理される。
【0050】
〔接着剤材料の帯電方法〕
第1実施形態において、コアフィルタ材と結合する前に、前述のものと同じタイプの結合剤材料が、前述のものと同じタイプの帯電物質、例えば、ポリオレフィン族から作成されたカチオン性材料と結合される。この実施形態は、結合剤−帯電物質合成物に不活性量のコアフィルタ材を有し得るが、しかしながら、コアフィルタ材のいかなる不活性量も、結合剤特性または帯電物質特性に不十分な効果を有する量であり、そしてフィルタ材を形成するには不十分な量である。カチオン性材料を適用する方法は知られており、そして、これに限定されるものではないが、結合剤材料にカチオン性材料を吸収、化学反応、または架橋させるように、吹付け、浸漬、または沈降(submergence)被覆することを含む。次いで、得られた合成物は乾燥される。周知の異なった方式の乾燥方法が用いられる。この乾燥方法は乾燥を吹き付けるが、しかしながら、この乾燥工程はいかなる特定の乾燥方法にも限定されない。乾燥工程は約65℃から71℃(約150°Fから160°F)の温度範囲で遂行されるが、乾燥方法によってはその他の温度範囲がより適しており、そして受入れ可能であると考えられる。結合剤材料はまた処理および取扱いのために流動増強剤を含む。
【0051】
帯電物質は、一般的に、帯電物質のポリオレフィン族に認められるもののように、相対的に長さの長い(マイクロメーターの規模)分子である。カチオン性材料/結合剤の比は0.5、より具体的には0.05以下に維持される。加熱処理後、カチオン性分子のいくつかのセグメントは、溶融した結合剤に埋め込まれて結合剤の表面に固定されることにより、結合剤に直接付着される。結合剤に帯電物質をより強固に固定するために、カチオン性材料との不溶性高分子電解質錯体を形成するようにポリアクリル酸(PAA)が導入される。この方法の実施は、より低い材料および労働コスト、カーボンブロックの特性強化、およびより安全な作業環境を提供する。次いで帯電結合剤はコアフィルタ材の活性化材料と結合される。
【0052】
別の実施形態において、上述のように結合された結合剤および帯電物質は、微生物学的遮断強化剤とさらに結合されて強化される。微生物学的遮断強化剤をまず帯電物質と結合し、次いで、得られた強化を結合剤に結合することもまた受入れ可能である。結合剤材料、帯電物質および微生物学的遮断強化剤の合成物からなる、十分に強化された結合剤は次いでコアフィルタ材の活性炭粒子と結合される。
【0053】
一例として、臭化銀の微生物学的遮断強化剤は、得られた結合剤/帯電物質合成物に直接加えられる。本発明の少なくとも一つの実施形態において、得られた帯電結合剤材料合成物に直接加えられる臭化銀は、湿潤または乾燥形態のいずれかで用いられる。強化結合剤は次いで活性粒子コアフィルタ材に加えられる。次いで熱が加えられる。図2は強化合成物に熱を加えたのちの、帯電物質12および微生物学的遮断強化剤14で強化された結合剤10を示す。溶融する前に、帯電物質12および微生物学的遮断強化剤14は主として静電力を介して結合剤10に直接添えられる。溶融後、帯電物質12および微生物学的遮断強化剤14は、結合剤10またはその合成物の内側または外側に付着、固着、埋設、包被される。例示的な例として、押し出されるカーボンブロックが所望の結果である場合、押出工程中に熱が加えられ、強化結合剤が溶融してブロック全体にわたって分散する。結合剤材料の溶融と同時に、結合剤上の帯電物質も同時に分散されて、結合剤に沿って移動される。微生物学的遮断強化剤(臭化銀)の1マイクロメータ規模の大きな粒子寸法、および帯電物質の綿状特性により、結合剤材料、帯電物質、および微生物学的遮断強化剤はカーボンブロック内に確実に保持される。
【0054】
本発明の少なくとも一つの実施形態による方法はカーボンブロックで実行され、そして前述したアメリカ特許でKoslowにより提示された独創的形式および手順のような従来技術の方法によりカーボンブロックが作成される制御ユニットと比較される。制御ユニットは、共に直接および最初にコアフィルタ材に付着される帯電物質および微生物学的遮断強化剤を有する。対照的に、本発明の少なくとも一つの実施形態において、帯電物質および微生物学的遮断強化剤は結合剤に最初に直接付着され、次いで強化結合剤はコアフィルタ材と結合される。カーボンブロックおよび活性炭材料は最適な材料を示すが、本方法はこれらの材料のみに限定されるものではなく、その他のフィルタ材料および、化学的吸収を同様に利用できそして平坦なシートフィルタ材のように、汚染物質に対してフィルタ材を最も露呈させることのできる大きな断面表面領域を提供する同様な材料のその他の形態を用い得る。本発明の少なくとも一つの実施形態は、粉状、粒子状および繊維状形態の活性化材に等しく適用可能であり、そして粉状、粒子状および繊維状形態の結合剤材料にもまた等しく適用可能である。
【0055】
典型的な処方について以下に説明する。
【0056】
〔配合処方I〕
本発明の一実施形態において、結合剤は合成物を形成するように帯電物質で処理される。この帯電結合剤は次いでコアフィルタ材に加えられる。コアフィルタ材は粒状または粉状活性炭から作成されたカーボンブロックか、典型的に繊維から作成された平坦なシート状合成物のいずれでもよい。
【0057】
結合剤材料に加えられるべき帯電物質の量は、処理を要するコアフィルタ材、例えば、活性炭粒または平坦シート材の種類および量に基づいて算出される。帯電物質はポリオレフィン族、より具体的にはPDADMACから作成され得る。しかしながら、本発明は特定の帯電物質に限定されるものではなく、前述のリストから知られているいかなる帯電物質も当業者が決定できるような数量の小さな変更で十分に機能する。
【0058】
コアフィルタ材がカーボンブロックであるとき、約40%水溶液で調合された帯電物質はコアフィルタ材の重量の1%から4%の量で結合剤を帯電するように用いられ、具体的には、コアフィルタ材の重量の約3%の帯電物質が用いられる。その純粋状態の帯電物質に関して、コアフィルタ材の重量の約0.2%から2%、具体的には、コアフィルタ材の重量の約1%が結合剤を帯電するように用いられる。
【0059】
水溶液の帯電物質はコアフィルタ材の重量の少なくとも4%の量、例示的な例としては約16%の量で脱イオン(DI)水に溶解される。溶液は次いでコアフィルタ材の重量の約15%から40%、具体的には、コアフィルタ材の重量の約23%の結合剤材料と混合される。帯電結合剤は約65℃から71℃(約150°Fから160°F)で乾燥され、次いでコアフィルタ材の重量の約0.05%から3%、具体的には、コアフィルタ材の重量の約0.09%から0.5%で非晶質二酸化ケイ素と混合され、次いで篩にかけられる。
【0060】
シート形状のコアフィルタ材の場合、約40%水溶液で調合された帯電物質を用いて、コアフィルタ材の重量の約2%から35%の量の帯電物質が結合剤を帯電するように用いられ、そしてより具体的にはコアフィルタ材の重量の約28%の帯電物質が用いられる。この純粋上位の帯電物質に関して、シート形態におけるコアフィルタ材の重量の約1.0%から15%が結合剤を帯電するように用いられ、そしてより具体的には、コアフィルタ材の重量の約1%の帯電物質である。
【0061】
シート材に関して、水溶液の帯電物質はDI水と共に重量比で3%と30%の間の溶液、より具体的には25%溶液に溶解される。この溶液は次いで、処理される結合剤材料の総重量の30〜70%で繊維に処理される。帯電物質は約65℃から71℃(約150°Fから160°F)で乾燥される。結合剤繊維は次いで平坦なシート材を製造するのに典型的な方法でコアフィルタ材と結合される。
【0062】
〔配合処方II〕
本発明の別の実施形態において、結合剤は合成物を形成するように帯電物質で処理され、次いで合成物は微生物学的遮断強化剤で強化される。
【0063】
配合処方Iと同様な方法で、結合剤材料に加えられる帯電物質の量は、処理を要するコアフィルタ材の種類および量に基づいて算出される。帯電物質はポリオレフィン族、より具体的にはPDADMACから形成されるが、本発明は特定の帯電物質に限定されるものではなく、前述のリストから指定されるいかなる帯電物質も、当業者によって決定できるような数量の小さな変更で十分に機能する。
【0064】
カーボンブロック状態のコアフィルタ材に関して、帯電物質は、上述したように、約40%水溶液で調合され、そこにおいて、コアフィルタ材の重量の約1%から4%の帯電物質が結合剤を帯電するように用いられ、より具体的には、コアフィルタ材の重量の約3%の帯電物質が結合剤を帯電するように用いられる。その純粋状態の帯電物質に関して、コアフィルタ材の重量の約0.2%から2%、より具体的には、コアフィルタ材の重量の約1%の帯電物質が結合剤を帯電するように用いられる。
【0065】
水溶液中の帯電物質は少なくともコアフィルタ材の重量の4%の量、例示的な実施例では約16%の量で脱イオン(DI)水に溶解される。この溶液は次いでコアフィルタ材の重量の約15%から40%、より具体的にはコアフィルタ材の重量の約23%の結合剤材料と混合される。帯電物質は約65℃から71℃(約150°Fから160°F)で乾燥され、次いでコアフィルタ材の重量の約0.05%から3%、具体的には、コアフィルタ材の重量の約0.09%から0.5%の非晶質二酸化ケイ素と混合され、次いで篩にかけられる。
【0066】
帯電物質への微生物学的遮断強化剤の付加に関して、一つの方法は、約1.72%硝酸銀溶液および臭化ナトリウム(NaBr)溶液から臭化銀(AgBr)粉状体を調合することである。この1.72%硝酸銀溶液は、34.4gの硝酸銀を2000mlの逆浸透脱イオン(RO/DI)水に溶解することにより調合される。臭化ナトリウム溶液は、100gのNaBrを2000mlのRO/DI水に溶解することにより調合される。硝酸銀および臭化ナトリウムは、黄色がかった沈殿物、臭化銀(AgBr)を形成するように、容器内で化合される。上澄みはデカントされ、次いで容器は、AgBrから実質的にすべての硝酸ナトリウム(NaNO3)を取り除くために、複数回、より具体的には少なくとも3回、精製水を再充填されてデカント(decant)される。AgBrは次いで80℃の温度で乾燥される。乾燥されたAgBrは次いで磨り潰しまたは粉砕される。臭化銀の量は、コアフィルタ材が強化結合剤と結合されたとき、コアフィルタ材内に最終的に配置されることになるコアフィルタ材の重量の少なくとも0.1%から1%のAgBr、より具体的にはコアフィルタ材の重量の約0.4%のAgBrを有する望ましい条件に基づいて決定される。乾燥AgBrは帯電結合剤と結合され、得られた強化合成物はコアフィルタ材と混合されて熱処理される。
【0067】
一実施形態において、臭化銀は、硝酸銀を使用して臭化銀を沈殿する代わりに、帯電物質に直接混合される。
【0068】
例示的な例として、押出成形されたカーボンブロックは強化結合剤を注入される。カーボンブロックは10%から25%の帯電結合剤、より具体的には15%から20%の帯電結合剤、特に20%の帯電結合剤、0%から10%の水酸化マグネシウム、より具体的には3%から7%の水酸化マグネシウム、および50%から90%の活性炭、より具体的には75%から85%の活性炭の配合処方によって調合される。活性炭は炭素粉の形態であり得る。臭化銀粉は乾燥形態で結合剤を強化するように分散される。ブロックは、強化結合剤全体を溶融するように熱が加えられている間に押出成形される。
【0069】
〔配合処方IIによって調合されるカーボンブロック〕
表IAに示すように、3つのブロックがMS−2および大腸菌試験による短期特性について試験された。
【0070】
【表1】

【0071】
表IBに示すように、従来の配合処方の代表的なコントロールウォーターフィルタとの対照比較は、約1.9リットル/分(0.5ガロン/分)の流率で行われた。コントロールフィルタは、コアフィルタ材の重量の約4%の帯電物質と、コアフィルタ材の重量の0.4%の量の微生物学的遮断強化剤、例えば、臭化銀、とを有し、両者はコアフィルタ材に直接かつ最初に付着される。対照的に、この試験例の被験物質は結合剤に付着された帯電物質および微生物学的遮断強化剤で構成され、次いでこの強化結合剤はコアフィルタ材と結合されている。
【0072】
【表2】

【0073】
並行型コントロールフィルタの特性を表ICに示す。カーボンブロックは実質的にコントロールフィルタと同様な有効性を有して行われたが、流率を増加したとき、ろ過された全容量により測定された。この結果は、より少ない帯電物質およびより少ない微生物学的遮断強化剤を用いた完全に強化された結合剤で配合処方IIのカーボンブロックが処理されているにもかかわらず、実現されたものである。
【0074】
【表3】

【0075】
〔配合処方III〕
別の実施形態において、帯電物質および微生物学的遮断強化剤の量は、共に、上述の配合処方IIで用いられた量から減少されている。追加として、臭化銀の形態の微生物学的遮断強化剤が結合剤への湿式成形に適用される。
【0076】
帯電物質の調合において、帯電物質の量は、この実施形態においてコアフィルタ材の重量の約0.05%から2%、より具体的には1%の帯電物質(〜40%水溶液)が使用されるか、或いは純帯電物質と見るとき、コアフィルタ材の重量の約0.1%から1%、より具体的には0.5%が用いられるので、配合処方IIで用いられたものの約10%から50%が減少される。帯電物質はポリオレフィン族、より具体的にはPDADMACから作成され得るが、本発明は特定な帯電物質に限定されるものではなく、前述のリストから特定されるいかなる帯電物質も、当業者によって決定できるような数量の小さな変更で十分に機能する。
【0077】
水溶液中の帯電物質は脱イオン(DI)水に溶解される。次いでこの溶液は臭化銀(AgBr)と混合される。追加の脱イオン水が加えられ、その合成物は乳状溶液を得るようにしっかりと混ぜられる。溶液は次いで結合剤材料にその重量の0.5から2倍、より具体的には、結合剤材料にその重量の1.3倍を混合される。得られた混合物は約65℃から71℃(約150°Fから160°F)で乾燥される。結合剤は約0.1%から0.7%の非晶質二酸化ケイ素と混合され、磨り潰されて篩にかけられる。
【0078】
臭化銀(AgBr)粉状体の調合は前述と同様に調合され得るが、より少ない量である。それは最初に1.72%硝酸銀溶液および臭化ナトリウム溶液を用いて始まる。1.72%硝酸銀溶液は2000mlのRO/DI水に34.4gの硝酸銀を溶解することにより調合される。臭化ナトリウム溶液は2000mlのRO/DI水に100gのNaBrを溶解することにより調合される。硝酸銀および臭化ナトリウムは、黄色がかった沈殿物、臭化銀(AgBr)を形成するように、容器内で化合される。上澄みはデカントされ、次いで容器は、AgBrから実質的にすべての硝酸ナトリウム(NaNO3)を取り除くために、約3回、精製水を再充填されてデカントされる。AgBrは次いで乾燥される。乾燥されたAgBrは次いで磨り潰しまたは粉砕される。臭化銀の量は、コアフィルタ材が帯電結合剤と結合されたとき、コアフィルタ材内に最終的に配置されることになるコアフィルタ材の重量の少なくとも0.1%から0.5%のAgBrを40%溶液中に有する望ましい条件に基づいて決定され、コアフィルタ材の重量の約0.2%のAgBrが配置される。AgBrは帯電結合剤と結合され、得られた強化合成物はコアフィルタ材と混合されて熱処理される。この方法において、コアフィルタ材の重量比によるAgBrの量は配合処方IIのときの値の約60%に減少される。
【0079】
〔配合処方IIIによって調合されたカーボンブロック〕
カーボンブロックに関する長期の微生物学的試験結果が表IIに示されている。それらは実質的により低い開始圧力降下、約69kPa(約10psi)を有している。約1892リットル(500ガロン)処理後でも圧力降下は約110kPa(約16psi)であった。
【0080】
【表4】

【0081】
〔配合処方IV〕
別の実施形態において、配合処方は、2つの相違点:1)より粗い活性炭粉状体が用いられ、そして、2)結合剤に加えられる帯電物質の量が減少されることを除き、配合処方IIIと同様である。臭化銀粉状体の調合は上述と同様である。帯電結合剤の調合は以下のように行われる。
【0082】
前述と同様、帯電物質はポリオレフィン族、より具体的にはPDADMACから作成されるが、本発明は特定の帯電物質に限定されるものではなく、前述のリストから指定されるいかなる帯電物質も、当業者によって決定できるような数量の小さな変更で十分に機能する。コアフィルタ材の重量の0.3%から4%、より具体的には0.4%から0.7%の帯電物質(〜40%水溶液)が、コアフィルタ材の重量の少なくとも2%の量のDI水、例示的な例としては、コアフィルタ材の重量の4%のDI水に溶解される。溶液は次いで、コアフィルタ材の約0.1%から0.4%の湿潤臭化銀と混合される。コアフィルタ材の重量の少なくとも4%のDI水が加えられ、そして一例として、コアフィルタ材の重量の12%のDI水が加えられ、その合成物は乳状溶液を得るようにしっかりと混ぜ合わされる。溶液は次いで結合剤材料にその重量の約15%から40%、より具体的にはコアフィルタ材の重量の23%と混合される。混合物は約65℃から71℃(約150°Fから160°F)で乾燥される。結合剤はコアフィルタ材の重量の0.03%から0.5%を非晶質二酸化ケイ素と混合され、磨り潰されて篩にかけられる。
【0083】
〔配合処方V〕
この配合処方は、より低いpH、すなわち、酸性領域で微生物の除去を容易にするためにポリアクリル酸(PAA)が使用されることを除き、配合処方IVと同様である。
【0084】
臭化銀粉状体の調合は配合処方IVと同様に行われる。
【0085】
二段階調合において、ポリアクリル酸(PAA)溶液はポリアクリル酸を精製水と化合することにより調合され、次いでPAA溶液は結合剤材料を注入される。次いでPAA−結合剤合成物は乾燥され、粉状に破砕され、次いで、帯電物質および微生物学的遮断強化剤と結合される。
【0086】
詳述すると、結合剤材料の重量の約0.1%から10%のポリアクリル酸(PAA、35%水溶液)、より具体的には0.4%から0.7%のPAAが、結合剤材料の重量の少なくとも2%の量、例示的な例として、結合剤材料の重量の54%の量のDI水に希釈され、そして結合剤材料と混合される。この合成物は次いで約65℃から71℃(約150°Fから160°F)で乾燥され、粉状に粗く破砕される。次いで、結合剤材料の重量に対する割合として約1%から5%、より具体的には結合剤材料の3%の帯電物質が、コアフィルタ材に対する割合として0.05%から0.5%、より具体的には0.15%の前述のAgBrと共にDI水に混合され、前記の結合剤−PAA被覆粉状体と結合され、そして約65℃から71℃(約150°Fから160°F)で乾燥される。強化された結合剤は次いで結合剤材料の重量の約0.1%から0.7%の非晶質二酸化ケイ素と混合され、磨り潰されて篩にかけられる。次いで、そこで得られたものがコアフィルタ材と結合される。
【0087】
一段階調合において、ポリアクリル酸溶液は、強化結合剤混合物を作成するように、結合剤材料、帯電物質溶液、および微生物学的遮断強化剤を注入される。強化結合剤混合物は次いで乾燥され、フィルタ材を製造するようにコアフィルタ材と混合され、そして得られたものは加熱される。
【0088】
具体的には、ポリアクリル酸(PAA)が結合剤材料の重量の約0.1%から10%のPAA(35%水溶液)の量で、結合剤材料の重量の少なくとも2%の量、例示的な例として、結合剤材料の重量の54%の量のDI水に希釈され、そして結合剤材料と混合される。加えて、結合剤材料の重量に対する割合として約1%から5%の帯電物資、より具体的には、3%の帯電物質が、コアフィルタ材に対する割合として0.05%から0.5%、より具体的には0.15%のAgBrと共に、例えば、結合剤材料の重量の36%の量のDI水にそのとき混合され、そして上述のPAA被覆粉状体と結合されて、約65℃から71℃(約150°Fから160°F)で乾燥される。強化結合剤は次いで結合剤材料の重量の約0.1%から0.7%の非晶質二酸化ケイ素と混合され、磨り潰されて篩にかけられる。得られた生成物は次いでコアフィルタ材と結合されるか、または将来使用できるように密封される。
【0089】
〔配合処方IVおよびVによって調合されたカーボンブロック〕
後述の試験結果によって示唆されるように、処理されたブロックのすべてはウイルスおよびバクテリア減少に関する3つの微生物学的減少試験が行われた。そのデータはこれらのフィルタがコントロールフィルタより優れていることを実証している。表IIIに示すように、滴定法により決定されるような溶解試験における帯電物質の浸出濃度は、コントロールフィルタの場合よりも大幅に低い。
【0090】
【表5】

【0091】
【表6】

【0092】
【表7】

【0093】
上述と同様な方法を用いて、フィルタ材を包含する処理済フィルタの初期の圧力降下は、従来技術のフィルタよりも大幅に低い約69kPa(約10psi)である。このことは、活性炭に直接被覆されているときは帯電物質が流路を遮るせいであると考えられる。本発明の少なくとも一つの実施形態による方法は、帯電物質を結合剤に直接被覆させているので、活性炭が完全なまま残されて、初動圧力降下が減少される。圧力降下の増加率もまた減少される。帯電物質は、カーボン内に分布された結合剤上に集中される。塵埃、フミン酸、およびバクテリアのような負帯電物質は流路を遮断する代わりに陽帯電物質に引き付けられる。これに関するメカニズムが図3に示されている。流入22は流出24を生み出すようにカーボンフィルタ層20'、20''、20'''を通過する。格子部12は流路を示している。交差部の、PDADMACのような帯電物質14は負帯電物質16を捕獲する。第1層の帯電物質14が過剰な量である場合、負帯電物質16のかなりの量が保持されて、非常に迅速に流路を塞ぐ一方、第2および第3層の帯電物質14および活性炭は十分に活用されないままになる。帯電物質を結合剤に直接付着する方法は、帯電結合剤が活性炭と結合されるとき、帯電物質の位置を効果的に隔離する。第1層の隔離領域に帯電物質14を集中させることにより、かなりの負帯電物質は第1層に吸い付けされ、そしていくらかは通過して第2または第3層に吸い付けられる。それ故、流路の遮断はより遅くなりそしてこれ故に圧力降下の増加はより遅くなる。
【0094】
この方法はより粗い活性炭の使用を可能にし、またフィルタの圧力降下を減少する。
【0095】
本発明の少なくとも一つの実施形態の方法は、GUR結合剤(高分子重量ポリエチレン)、シリカ、ゼオライト、およびそれらの類似物を含む無機フィルタのようなその他の基材にも適用し得るものである。
【0096】
上述した方法は、コアフィルタ材内に微生物学的遮断剤を沈着する工程を簡略化する。この方法はまた、臭化ナトリウム、硝酸銀、および帯電物質の量を減少し、そしてフィルタ製造工程において塩化ナトリウムおよびアンモニアの使用を排除する。
【0097】
さらに、結合剤に対するカーボンの割合はおよそ4対1であり、処理はどちらかというと活性炭よりも結合剤に対して行われるので、より少ない材料取扱いを必要とするだけである。加えて、従来のフィルタと比較すると、気化させるべき水の必要量は約5分の1から6分の1であり、従って熱エネルギを節約する。帯電物質はもはや活性炭の利用可能な表面積を減少することはないので、カーボンブロックフィルタの性能は従来技術以上に増強される。このことはまた、流率の増加および圧力降下の減少をもたらす。
【0098】
少なくとも一つの実施形態による方法は、より多くの種類のメッシュ寸法の活性炭を使用することを可能にする。対照的に、従来技術の方法は、カーボンの大きな表面積および高い乾燥温度のせいで、微粒子カーボンに用いたときに凝集してしまう。この凝集物を微粒子カーボンに磨り潰して戻すことは困難である。
【0099】
従来技術における約149℃(300°F)と比較してより低い乾燥温度、約65℃から71℃(約150°Fから160°F)のために帯電物質の分解を減少し、このことは帯電物質の量をより少なくすることができる。ブロックの結合剤と活性炭の間の界面にPDADMACのような帯電物質が存在することは、より高い水の流れおよびより低い圧力降下をもたらす一方、本来の制御製剤の性能を維持またはそれ以上にする。カーボンブロックの気密度を特徴付けるのに用いられるそれらのエアー値はコントロールフィルタと等しいが、それらの圧力降下ははるかに低い。4つの要因がこの特徴に寄与しており、それは、1)帯電物質の膨潤が流路を広げること、2)帯電物質の親水性が水の流れを増大すること、3)PDAMACがブロック全体ではなく所定位置に集まることによりバクテリアまたはウイルスがこれらの位置に引き込まれてそこに不活性化されること、そして、4)初期洗浄中に、かなりの帯電物質および/または臭化銀が洗い流されて非占有空間を開放状態にすることである。
【0100】
PDADMACのような帯電物質の集結により、その量をさらに減少できる。さらに、帯電物質の量および乾燥温度の低減により分解副生成物を減少でき、押出成形のためのより大きな適応性、例えば、より高い温度、を提示する。加えて、帯電物質の溶脱は標準的滴定法の検出限界までまたはそれ以下に大きく減少できる。高分子電解質錯体を形成するようにポリアクリル酸を加えることは、より低いpH、すなわち、酸性領域で微生物を除去できる。
【0101】
さらに、強化結合剤は機能材料の分配をより大きく制御することで車両用として使用できる。
【0102】
図4の(A)−(D)は、本発明の帯電または強化結合剤を有するフィルタを示す。図4の(A)は、端部キャップ44間に複合ブロックフィルタ材42を有するフィルタ40の等角図である。図4の(B)は、プリーツ付けされたフィルタシート48の形体のフィルタ材を有するフィルタ46の等角図を示す。図4の(C)は、渦巻き状巻回シート52の形体のフィルタ材を有するフィルタ50の等角図を示す。図4の(D)は、単一の渦巻き部54を示す渦巻き状巻回シート52の詳細である。各実施形態において、フィルタ材42、48および52は本発明の帯電または強化結合剤を用いて作成されている。
【0103】
フィルタ材の製造中、結合剤が意図的に軟化される場合、熱を加える前に中間段階があり、そこにおいて、フィルタ材は、そこに直接付着された帯電物質を有し、帯電物質およびそこに直接付着された微生物学的遮断強化剤を有し、そしてコアフィルタ材と結合された帯電結語剤を含む。この中間結合は、このことがフィルタ材製造における事例であると同様に帯電物質および微生物学的遮断強化剤がコアフィルタ材に意図的に付着されないという特異性を有する。
【0104】
中間フィルタ材に熱が加えられた後、結合剤材料は軟化され、そして帯電物質および微生物学的遮断強化剤は軟化された結合剤と共にコアフィルタ材全体に分散される。このことは、本発明が従来の製造工程よりも少ない帯電物質および少ない微生物学的遮断強化剤材料を使用することを教示しているにもかかわらず達成される。フィルタ材は次いで形作られて、図4の等角図に示されるように、フィルタに組み込まれる。
【0105】
本発明は特定の実施形態と関連して具体的に述べられたが、上述の説明を踏まえると、当業者にとって多くの代替、変更および変化が容易に行えることは明らかである。それ故、添付の請求の範囲は本発明の範囲および主旨内にあるこのようないかなる代替、変更および変化も包含するものであることを理解されたい。
【符号の説明】
【0106】
10 結合剤
12 帯電物質(図1)
14 微生物学的遮断強化剤(図1)
12 格子部(図3)
14 帯電物質(図3)
16 負帯電物質
20'、20''、20''' カーボンフィルタ層
22 流入
24 流出
40、46、50 フィルタ
42 複合ブロックフィルタ材
44 端部キャップ
48 プリーツ付けされたフィルタシート
52 渦巻き状巻回シート
54 渦巻き部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯電物質を結合剤材料に直接結合して帯電結合剤材料を形成し、
コアフィルタ材を前記帯電結合剤材料と結合し、そして
前記結合されたコアフィルタ材と前記帯電結合剤材料を有するフィルタ材を形成する、
微生物学的遮断能力を有するフィルタ材の作成方法。
【請求項2】
前記フィルタ材を形成する工程は、前記結合されたコアフィルタ材および帯電結合剤を固体合成物またはブロックに押出または圧縮成形することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コアフィルタ材は、活性炭、活性アルミナ、ゼオライト、珪藻土、ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、チタン酸塩、骨炭、カルシウムヒドロキシアパタイト、酸化マンガン、酸化鉄、酸化マグネシウム、パーライト、滑石、高分子微粒子状物質、粘土、ヨウ素酸化樹脂、イオン交換樹脂、セラミック、高吸水性ポリマ(SAPs)、およびこれらの合成物から構成される、粉状または微粒子状形体の吸収剤または吸収活性粒子の列を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記コアフィルタ材材料は、ポリマ、ポリアミド、アクリル、アクリロニトリル、液晶高分子、イオン交換樹脂、エンジニアード樹脂(engineered resin)、セルロース、レーヨン、リヨセル、ラミー、羊毛、絹、ガラス、金属、セラミック、有機および無機繊維またはウィスカ(whisker)、またはそれらの合成物から構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記コアフィルタ材は、活性炭、活性アルミナ、ゼオライト、珪藻土、ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、チタン酸塩、骨炭、カルシウムヒドロキシアパタイト、酸化マンガン、酸化鉄、酸化マグネシウム、パーライト、滑石、高分子微粒子状物質、粘土、ヨウ素酸化樹脂、イオン交換樹脂、セラミック、高吸水性ポリマ(SAPs)、またはこれらの合成物を含む微粒子媒体と繊維との合成物を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記フィルタ材を形成する工程は平坦なシート媒体を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記平坦なシート媒体を圧延、層状化、またはプリーツ付けすることを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記結合剤材料は粉状、微粒子状または繊維状形体からなり、そしてポリオレフィン、ハロゲン化ポリビニル、ポリビニルエステル、ポリビニルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニル硫酸、ポリビニルリン酸、ポリビニルアミン、ポリアミド、ポリイミド、ポリオキシジアゾール、ポリトリアゾール、ポリカーボジイミド、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリアリーレンオキシド、ポリエステル、ポリアリレート、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ホルムアルデヒド−尿素、エチル−ビニルアセテート共重合体、それらの共重合体およびブロック共重合体、およびそれらの合成物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
結合剤材料の変化はヒドロキシル基、ハロゲン、低級アルキル基、低級アルコキシ基、および単環アリール基を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ポリマはポリスチレンおよびアクリロニトリル−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、およびその他の非晶質またはアモルファスポリマおよび構造物を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記結合剤材料は、
ポリ(オキシメチレン)またはポリホルムアルデヒド、ポリ(トリクロロアセトアルデヒド)、ポリ(n−バレルアルデヒド)、ポリ(アセトアルデヒド)、およびポリ(プロピオンアルデヒド)を含む、エンドキャップされたポリアセタール;
ポリアクリルアミド、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(アクリル酸エチル)、およびポリ(メタクリル酸メチル)を含むアクリルポリマ;
ポリ(テトラフルオロエチレン)、全フッ素置換エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、ポリ(フッ化ビニリデン)、およびポリ(フッ化ビニル)を含むフルオロカーボンポリマ;
ポリ(6−アミノカプロン酸)またはポリ(e−カプロラクタム)、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)(poly(hexamethylene adipamide))、ポリ(ヘキサメチレンセバシアミド)(poly(hexamethylene sebacamide))、およびポリ(11−アミノウンデカン酸)を含むポリアミド;
ポリ(イミノ−1,3−フェニレンイミノイソフタロイル)またはポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)を含むポリアラミド;
ポリ−2−キシリレン、およびポリ(クロロ−1−キシリレン)を含むパリレン;
ポリ(オキシ−2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)またはポリ(p−フェニレンオキシド)を含むポリアリールエーテル;
ポリ(オキシ−1,4−フェニレンスルホニル−1,4−フェニレンオキシ−1,4−フェニレンイソプロピリデン−1,4−フェニレン)、およびポリ(スルホニル−1,4−フェニレンオキシ−1,4−フェニレンスルホニル−4,4’−ビフェニレン)を含むポリアリールスルホン;
ポリ(ビスフェノールA)またはポリ(カルボニルジオキシ−1,4−フェニレンイソプロピリデン−1,4−フェニレン)を含むポリカーボネート;
ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(テトラメチレンテレフタレート)、およびポリ(シクロヘキシレン−1,4−ジメチレンテレフタレート)またはポリ(オキシメチレン−1,4−シクロヘキシレンメチレンオキシテレフタロイル)を含むポリエステル;
ポリ(p−フェニレンスルフィド)またはポリ(チオ−1,4−フェニレン)を含むポリアリールスルフィド;
ポリ(ピロメリトイミド−1,4−フェニレン)を含むポリイミド;
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(1−ブテン)、ポリ(2−ブテン)、ポリ(1−ペンテン)、ポリ(2−ペンテン)、ポリ(3−メチル−1−ペンテン)、およびポリ(4−メチル−1−ペンテン)を含むポリオレフィン;
ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(ビニリデンクロライド)、およびポリ(ビニルクロライド)を含むビニルポリマ;または
1,2―ポリ−1,3−ブタジエン、1,4−ポリ−1,3−ブタジエン、ポリイソプレン、およびポリクロロプレンを含むジエンポリマ;ポリスチレン;
並びにそれらの合成物、およびそれらの共重合体
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記帯電物質は、
コロイド;
小帯電分子、或いは
それと協働する対イオンを有するポリマ鎖の長さに沿って正電荷帯電原子を有する直線状または分岐状ポリマ
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記帯電物質がポリマからなるとき、電荷密度は約10オングストローム、12オングストローム、または20オングストローム毎に約1帯電原子以上またはそれに等しい、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記帯電物質は、四級化アミン、四級化アミド、第四級アンモニウム塩、四級化イミド、ベンザルコニウム化合物、ビグアニド、カチオン性アミノシリコン化合物、カチオン性セルロース誘導体、カチオン性澱粉、四級化ポリグリコールアミン縮合物、四級化コラーゲンポリペプチド、カチオン性キチン誘導体、カチオン性グアーガム、カチオン性メラミン−ホルムアルデビド酸コロイドを含むコロイド、無機的に処理されたシリカコロイド、ポリアミド−エピクロロヒドリン樹脂、カチオン性アクリルアミド、それらのポリマおよび共重合体および合成物を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記アミンは、ピロール、エピクロロヒドリン誘導アミン、およびそれらのポリマを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第四級アンモニウム塩は、ジアリルジメチルハロゲン化アンモニウムのホモポリマ、エピクロロヒドリン誘導ポリ第四級(polyquaternary)アミンポリマ、ジアミンおよびジハロゲン化物から誘導された第四級アンモニウム塩、またはポリヘキサメチレンジメチル臭化アンモニウムを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記帯電物質は、それ自体に、或いは繊維または薄膜に、化学的に結合、吸収、または架橋された材料を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記帯電物質は、臭化ナトリウムおよびジアリルジメチル塩化アンモニウムまたはポリDADMAC(PDADMAC)のホモポリマの溶液を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記帯電物質との不溶性高分子電解質錯体を形成するようにポリアクリル酸(PAA)を加えることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
水溶液中の帯電物質を目的として、コアフィルタ材の重量の約1%から4%の量の帯電物質を約40%水溶液に調合すること、或いは
その純粋な状態の帯電物質を目的として、コアフィルタ材の重量の約0.2%から2%の量の帯電物質を調合すること
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項21】
前記帯電物質を脱イオン(DI)された水溶液に溶解し、
前記帯電物質をコアフィルタ材の重量の約15%から40%で結合剤材料と混合して、帯電結合剤を形成し、そして
前記帯電結合剤を乾燥する
ことを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記帯電結合剤をコアフィルタ材の重量の約0.05%から3%で結合非晶質二酸化ケイ素と混合し、そして
篩にかける
ことを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
水溶液中の帯電物質を目的として、約40%水溶液にコアフィルタ材の重量の2%から35%の量の帯電物質を調合すること、或いは
その純粋な状態の帯電物質を目的として、コアフィルタ材の重量の約1%から15%の量の帯電物質を調合すること
を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項24】
前記帯電物質を脱イオン水の水成溶液に溶解し、
結合剤材料の全重量の30−70%の間の量の帯電物質を、コアフィルタ材の重量の約2%から35%の量の結合剤材料と混合して、帯電結合剤を形成し、そして
前記帯電結合剤を乾燥する
ことを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記帯電物質を結合剤材料に直接結合する工程は、結合剤材料およびコアフィルタ材の不活性部分に帯電物質を直接結合することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
強化結合剤を形成するように、帯電物質、微生物学的遮断強化剤、および都合剤材料を結合し、そして
前記強化結合剤にコアフィルタ材を結合して、コアフィルタ材および強化結合剤を有するフィルタ材を形成する
ことから構成される、微生物学的遮断能力を有するフィルタ材を作成する方法。
【請求項27】
前記微生物学的遮断強化剤は、生物学的活性金属を含む生物学的活性金属塩溶液から構成される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
生物学的活性金属は銀、銅、亜鉛、カドミウム、水銀、アンチモン、金、アルミニウム、プラチナ、またはパラジウム、およびそれらの合成物を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記帯電物質はカチオン性帯電ポリマから構成される、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記帯電物質はポリDADMACを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
水溶液中の帯電物質を目的として、約40%水溶液にコアフィルタ材の重量の約1%から4%の量の帯電物質を調合すること、或いは
その純粋な状態の帯電物質を目的として、コアフィルタ材の重量の約0.2%から2%の量の帯電物質を調合すること
を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項32】
前記帯電物質を脱イオン(DI)水の水溶液に溶解し、そして
帯電物質をコアフィルタ材の重量の約15%から40%で結合剤材料と混合して、帯電結合剤を形成する
ことを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
臭化銀を帯電結合剤に直接加えることを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記コアフィルタ材が強化結合剤と結合されるときにコアフィルタ材の重量の0.1%から1%の量の臭化銀がコアフィルタ材内に配置されるように、約1.72%硝酸銀および臭化ナトリウム(NaBr)溶液から臭化銀粉状体(AgBr)を調合し、
前記溶液を乾燥しそして臭化銀を磨り潰しまたは粉砕し、
前記臭化銀を帯電結合剤と結合する
ことを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
水溶液中の帯電物質を目的として、約40%水溶液にコアフィルタ材の重量の約0.05%から2%の量の帯電物質を調合すること、或いは
その純粋な状態の帯電物質を目的として、コアフィルタ材の重量の約0.1%から1%の量の帯電物質を調合すること
を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項36】
前記帯電物質を脱イオン(DI)水の水溶液に溶解し、そして
帯電物質をコアフィルタ材の重量の約15%から40%で結合剤材料と混合して、帯電結合剤を形成する
ことを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
臭化銀を帯電結合剤に直接加えることを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記溶液を湿潤臭化銀(AgBr)と混合し、
脱イオン水に溶解させ、
結合剤材料の重量の0.5から2倍の溶液と結合し、
前記溶液を乾燥し、
前記帯電結合剤と結合することを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記コアフィルタ材が強化結合剤と結合されるときにコアフィルタ材の重量の0.1%から0.5%の量の臭化銀がコアフィルタ材内に配置されるように、約1.72%硝酸銀溶液および臭化ナトリウム(NaBr)溶液から臭化銀粉状体(AgBr)を調合し、
強化結合剤を形成するように前記臭化銀を帯電結合剤と結合し、そして
前記強化結合剤を加熱する
ことを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
約40%水溶液にコアフィルタ材の重量の約0.3%から4%の量の帯電物質を調合し、
前記帯電物質を脱イオン水に溶解し、
前記帯電物質を湿潤臭化銀とコアフィルタ材の重量の約0.1%から0.4%で結合し、
脱イオン水を加え、
その重量の約15%から40%の前記結合された帯電物質を結合剤材料に混合し、
強化結合剤を形成するように前記結合された帯電物質および結合剤材料を乾燥し、
該強化結合剤をコアフィルタ材と結合する
ことを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項41】
前記帯電物質はカチオン性帯電ポリマから構成される、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
結合剤−ポリアクリル酸(PAA)合成物を作成するように結合剤材料を結合剤材料の重量の約0.1%から10%の量の35%水溶液のポリアクリル酸(PAA)と結合すること、
結合剤−PAA合成物を脱イオン水に希釈すること、
結合剤−PAA合成物を乾燥し、そして粉状に破砕すること、
結合剤材料の重量に対して約1%から5%の帯電物質をコアフィルタ材の重量の約0.05から0.5%の量のAgBrと混合すること、
帯電物質−AgBr溶液を形成するように脱イオン水を前記帯電物質およびAgBrと混合すること、
帯電物質−AgBr溶液を結合剤−PAA合成物と結合しそして強化結合剤を作成するように得られた合成物を乾燥すること、
コアフィルタ材を強化結合剤と結合すること、そして
コアフィルタ材および強化結合剤を有するフィルタ材を作成すること
から構成される、微生物学的遮断能力を有するフィルタ材の作成方法。
【請求項43】
強化結合剤を作成するように帯電物質、微生物学的遮断強化剤、および結合剤材料を結合する工程であって、
前記結合剤材料を結合剤材料の重量の約0.1%から10%の量の35%水溶液のポリアクリル酸(PAA)と結合することと、
結合剤−PAA合成物を作成するようにPAAおよび結合剤材料の合成物を脱イオン水に希釈することと、
結合剤材料の重量の約1%から5%の量の前記帯電物質と、コアフィルタ材の重量の約0.05%から0.5%の量のAgBrを結合することと、
前記帯電物質、AgBrおよび結合剤−PAA号生物を脱イオン水と混合することと、
得られた帯電物質、AgBr、結合剤−PAA号生物を乾燥することと、
コアフィルタ材を前記強化結合剤と結合することと、そして
コアフィルタ材および前記強化結合剤を有するフィルタ材を作成すること
を含むことから構成される、微生物学的遮断能力を有するフィルタ材の作成方法。
【請求項44】
コロイド、
小荷電分子、または
それと協働する対イオンを有するポリマ鎖の長さに沿って正電荷帯電原子を有する直線状または分岐状ポリマ
を含む帯電物質と結合された、粉状、粒子状、または繊維状の結合剤材料から構成される、帯電結合剤。
【請求項45】
前記結合剤材料は、
ポリオレフィン、ポリビニルハライド、ポリビニルエステル、ポリビニルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニル硫酸、ポリビニルリン酸、ポリビニルアミン、ポリアミド、ポリイミド、ポリオキシジアゾール、ポリトリアゾール、ポリカーボジイミド、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリアリーレンオキシド、ポリエステル、ポリアリレート、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ホルムアルデヒド−尿素、エチル−ビニルアセテート共重合体、それらの共重合体およびブロック共重合体、およびそれらの合成物
を含む、請求項44に記載の帯電結合剤。
【請求項46】
前記帯電物質は約10オングストローム、12オングストローム、または20オングストローム毎に約1帯電原子以上またはそれに等しい電荷密度を有するポリマを含む、請求項44に記載の帯電結合剤。
【請求項47】
前記帯電物質は四級化アミン、四級化アミド、第四級アンモニウム塩、四級化イミド、ベンザルコニウム化合物、ビグアニド、カチオン性アミノシリコン化合物、カチオン性セルロース誘導体、カチオン性澱粉、四級化ポリグリコールアミン縮合物、四級化コラーゲンポリペプチド、カチオン性キチン誘導体、カチオン性グアーガム、カチオン性メラミン−ホルムアルデビド酸コロイドを含むコロイド、無機的に処理されたシリカコロイド、ポリアミド−エピクロロヒドリン樹脂、カチオン性アクリルアミド、それらのポリマ、および共重合体および合成物を含む、請求項46に記載の帯電結合剤。
【請求項48】
コアフィルタ材と結合される前でかつ加熱される前に結合剤材料に直接付着された帯電物質を含む帯電結合剤から構成され、
前記コアフィルタ材が帯電結合剤材料と結合される、
微生物学的遮断能力を有する中間フィルタ材合成物。
【請求項49】
コアフィルタ材と結合される前でかつ加熱される前に少なくとも1つの微生物学的遮断強化剤を帯電結合剤に結合することにより強化された帯電結合剤を有することを含む、請求項48に記載の中間フィルタ材合成物。
【請求項50】
コアフィルタ材と帯電結合剤を有し、該帯電結合剤がコアフィルタ材と結合される前にそこに直接付着された帯電物質を有する結合剤材料を含み、そして加熱された後にコアフィルタ材全体に分散される帯電結合剤を有するフィルタ材と、
前記フィルタ材を内包するハウジングと、
フィルタ材をハウジング内に密封するための端部キャップと
から構成される、微生物学的遮断能力を有するフィルタ。
【請求項51】
コアフィルタ材と結合される前でかつ加熱される前に少なくとも1つの微生物学的遮断強化剤を帯電結合剤に結合することにより強化された帯電結合剤を有することを含む、請求項50に記載のフィルタ。
【請求項52】
合成ブロック構造、スパイラル巻きシート、またはひだ状シートに形成されたフィルタ材を有することを含む、請求項51に記載のフィルタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−520314(P2013−520314A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−554990(P2012−554990)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/059451
【国際公開番号】WO2011/106060
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(507337876)ケイエクス テクノロジーズ エルエルシー (6)
【Fターム(参考)】