説明

強化繊維を共に縫うための固定糸

本発明は、強化繊維を共に縫うための固定糸1、5、10、16に関し、特に、硬化性ポリマー物質を含浸することによって繊維強化複合材料部品を製造するための繊維母材を形成するための固定糸1、5、10、16に関する。
本発明に従って、前記固定糸1、5、10、16は、硬化性ポリマー物質によって形成されるマトリックスの延性を局所的に増加するためのインターフェース4、9、15、19を備え、前記固定糸1、5、10、16が、貫通する領域における仕上がった複合材料部品のマトリックスで、微小クラックが生じる傾向を特に減らすように、少なくとも1つの芯糸2、6、11、12、17を備えてなる。
前記インターフェース4は、熱可塑性材料ポリマー物質による、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、若しくは同種のものによる、例えば芯糸の囲いによって形成され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、強化繊維を共に縫うための固定糸に関し、特に、硬化性ポリマー物質を含浸することによって繊維強化複合材料部品を製造するための繊維母材を形成するための固定糸に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばエポキシ樹脂若しくはポリエステル樹脂等の硬化性ポリマー物質で繊維強化複合材料部品を製造するために、布地裁縫方法は、しばしば、強化繊維及び/又は編んだ強化布から強化材として要求されている繊維母材を形成するために用いられている。例えばアラミド繊維、ガラス繊維、炭素繊維等の技術的な強化布地は、とりわけ固定繊維として用いられている。
【0003】
さらに、伸縮素材であるが、後の複合材料部品中では低い機械的負荷にのみ耐えることができるポリエステル繊維等の非強化糸、又は同種のものが、例えばよりよいプロセス可能性のために用いられている。もし、強化繊維のような機能を同時に果たす固定糸が用いられると、該糸の方向で複合材料部品の強度及び剛性の増加が付加的に得られる。強化糸及び非強化糸の両方が、繊維母材の土台上で、又は繊維母材の組み合わせで強化繊維を共に縫うために用いられている。さらに、編んだ強化布及び/又は強化繊維もまた、土台なしに複合繊維母材を形成するために固定糸によって共に縫われ得る。
【0004】
仕上がった複合材料部品は、架橋結合によって硬化され得る硬化性ポリマー物質又は樹脂系、特に、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、BMI樹脂若しくはその同種のもの、及びポリマー物質の次の硬化物を繊維母材に含浸することによる知られた方法で形成されているが、それによって、繊維母材を囲むマトリックスは硬化性ポリマー物質から形成されている。公知のRTMプロセス(樹脂トランスファ形成)は、例えばこのために用いられ得る。
【0005】
繊維母材を形成するための、同様にすでに公知のTFPプロセス(“テイラー フィブラ プレイスメント”)の場合では、固定糸と共にする強化繊維は、例えば、CNC自動ミシン若しくは刺しゅう機を用いて平面ベースに貼り付けられる。後の複合材料部品によって吸収され得る機械的な力に対する繊維方向の最適適応が達成され得るように、繊維方向は、ここではほぼ任意に取り付けられ、重ね合わせ作業の間変化される。
【0006】
しかしながら、従来の固定糸が用いられる時、例えばポリエステル繊維又は同種のもので用いられる時、強化繊維の起伏及び/又は破損が固定糸の領域で生じ得るし、微小クラックがマトリックスの領域で生じ得るので、繊維強化複合材料部品の機械的性質の悪化があるかもしれない。微小クラックの発生の理由の一つは、固定糸が貫通する領域での樹脂の蓄積である。マトリックスは部分的にとても脆いので、微小クラックの形成は、異なる熱膨張係数及び剛性の急変のためにここで生じ得る。
【0007】
複合材料部品の機械的性質を改良するために、特にTFPプロセスで溶解し得る固定糸を用いることもまた知られている。裁縫行程の完了後に溶解する固定糸の効果で、固定糸によって生じる強化繊維の起伏が減少する。さらに、溶解する固定糸は、マトリックスの硬化プロセスの前に溶液に入り、物質の適切な選択が与えられることによって、付加的にその衝撃強度を改良することができ、その結果、固定糸が貫通する領域で生じる微小クラックが、少なくなる。
【0008】
しかしながら、溶解し得る固定糸は、TFPプロセス、若しくは他の裁縫方法に対して条件付きでのみ適合するが、それはなぜなら、それらは従来の固定糸の要求されている機械的なプロセス特性を備えておらず、結果として、糸の破損、繊維分離、枝分かれ等が生じ得るからである。さらに、溶解し得る固定糸の物質全体が、マトリックス全体にわたってコントロールされていない方法で広がり、複合材料部品全体の不明確な機械的変化に導き得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、例えばTFPプロセスによる繊維母材の製造において、マトリックス中での裁縫領域における延性の局所的な増加を、固定糸の最適なプロセス特性と共に同時に達成することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、請求項1の特徴ある節に従った固定糸によって到達される。
【0011】
前記固定糸は、硬化性ポリマー物質によって形成されているマトリックスの延性の局所的な増加のためのインターフェースと、少なくとも1つの芯糸とを備えてなるという事実は、仕上がった複合材料部品の機械的性質が、固定糸が貫通する位置の領域で微小クラックが生じるという傾向が減ることの結果として改良されるということを意味する。同時に、本発明に従った固定糸は、特にTFPプロセスが適用されるところで、固定糸の最適なプロセス可能性を可能にする。さらに、前記インターフェースは、前記固定糸の領域で樹脂マトリックスの延性における局所的な増加だけを得ることを可能にし、そのため、樹脂マトリックスの残りの機械的性質の機能障害が大きく除外される。さらに、本発明に従った固定糸は、大きな構造上の修正なしに、公知のCNC自動ミシン若しくは刺しゅう機で、簡単にそして高スピードで処理され得る。
さらに、本発明に従った固定糸は、シート状の強化形態を形成する強化繊維の横たわる繊維より糸と共に縫われることを可能にする。そのようなシート状の強化形態は、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、若しくは同種のものの織布、若しくは不織布である。
【0012】
本発明に従った固定糸のさらに有利な改良点は、芯糸若しくは芯糸群が、インターフェースのプロセス可能性を改良する、及び/又は複合材料部品の機械的性質に影響を与えることをもたらす。
結果として、高速自動で、特にCNCでコントロールされたミシン若しくは刺しゅう機若しくは同種のもので、熱可塑性材料物質のインターフェースに少なくとも1つの芯糸を組み合わせることで形成される、本発明に従った固定糸を使用することは、TFPプロセスによって繊維母材を製造するには可能である。
【0013】
さらに有利な改良点に従って、芯糸又は芯糸群は、適切なプロセス可能性を確かにする糸物質によって、特にポリエステル物質若しくは同種のものによって形成されることがもたらされる。
特に、ポリエステルによって形成された芯糸は、熱可塑性材料物質のインターフェースに少なくとも1つの芯糸を組み合わせることで形成されている固定糸の良い結果的に得られたプロセス可能性を得ることを可能にする。良いプロセス可能性という言葉は、前記固定糸は、破損、伸長、糸裂け、若しくは同種のものなしに、特に、自動的にミシン若しくは刺しゅう機によって処理され得ることをとりわけ意味することを意図されている。
【0014】
さらに有利な改良点として、前記芯糸若しくは前記芯糸群は、高い機械的負荷に耐え得る物質によって、特にガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、または同種のものによって形成されている。
結果として、前記固定糸は、強化繊維の接着若しくは固定に最初役立ち得るが、もし要求されれば、仕上がった複合材料部品中の強化繊維を補足するために、固定糸の長手方向へのかなりの程度の機械的な力を吸収する。さらに、繊維の大部分から、すなわち、例えば個々のガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、若しくは同種のものから前記芯糸自体を形成することが可能となる。
【0015】
さらに有利な改良点に従って、前記固定糸は、実質上丸い円周の外形を備えている。
結果として、前記固定糸は、すでに公知の自動CNCミシン若しくは刺しゅう機で、機械側の主な適応なしに、簡単にそして一般的に処理され得る。
【0016】
本発明のさらに有利な改良点に従って、前記インターフェースは、ポリマー物質で、特に熱可塑性材料ポリマー物質で少なくとも1つの芯糸の少なくとも一部を包むことによって形成されている。
これは、本発明に従った固定糸が、従来の固定糸、例えばポリエステル繊維を熱可塑性材料物質で囲むことによる簡単な方法で形成されることを可能にする。熱可塑性材料物質を有する囲いによって、前記固定糸を囲んでいる樹脂マトリックス若しくは樹脂系の延性は、局所的に増加される。効果のひとつは、前記固定糸が貫通する領域で微小クラックが生じる傾向が減り、同時に、熱可塑性材料物質による樹脂マトリックスのコントロールされていない浸透が避けられることである。さらに、比較的小さな物質的な厚さのみを有する前記囲いは、熱可塑性材料物質の比較的少量の体積分のみが、硬化プロセスの間にマトリックスに放出されるという効果を有し、そのため、本発明に従って、マトリックスの延性の局所的な変化のみがある。
【0017】
さらに有利な本発明の改良点は、前記インターフェースが、ポリエステル物質、特に熱可塑性材料ポリマー物質のインターフェース糸で少なくとも1つの芯糸を結ぶことによって形成されることをもたらす。
これは、同様に例えば実質上半円の断面形状でのインターフェース糸に、半円のベースラインの領域で、実質上の半円の断面形状での芯糸が結ばれていることを含んでおり、そのため、同様に実質上半円の断面形状を有する固定糸が生成される。例えばポリプロピレン物質から形成されているインターフェース糸に芯糸を結合することは、例えば、熱可塑性材料物質を芯糸に融合することによって行われ得る。丸以外の、実質上如何なる所望の形の断面形状は、ここでは可能である。
【0018】
さらに有利な改良点に従って、前記インターフェースは、ポリマー物質、特に熱可塑性材料ポリマー物質の少なくとも1つのインターフェース糸に少なくとも1つの芯糸をねじることによって形成されている。
【0019】
これは、本発明に従った固定糸が、作製済みであって半分仕上がった製品によって、例えば、従来のポリエステル固定糸、及び熱可塑性材料によって、特に簡単な方法で形成されることを可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、本発明に従った固定糸の第一実施形態の断面を示す。
【0021】
固定糸1は、インターフェース4を形成する熱可塑性材料物質の囲い3を有する芯糸2によって形成されてなる。該芯糸2は、従来の固定糸、例えば、低い機械的負荷にのみ耐え得るポリエステル糸、又は同種のものである。前記囲い3は、表示されていない硬化性ポリマー物質のマトリックスの周りに対するインターフェース4を示し、それによって、周囲のマトリックスの延性の所望の増加は、特に、前記固定糸1が貫通する領域で得られ、そのため、仕上がった複合材料部品のマトリックスで微小クラックが生じる傾向は、前記固定糸1の使用によってかなり減少される。硬化プロセスの間、前記囲い3の熱硬化性材料物質は、前記固定糸と前記マトリックスとの間の境界領域に局所的にそれ自身を分配する。前記囲い3は、適した熱可塑性材料ポリマー物質から、例えば、ポリエチレンから、ポリプロピレンから、若しくは同種のものから形成され、前記芯糸2の直径に関して小さな物質的な厚さを備えてなり、そのため、硬化プロセスの間にマトリックスの中に熱可塑性材料物質が入ることが、最小限に抑制される。特に、マトリックスを形成する架橋結合によって硬化され得る硬化性ポリマー物質若しくは樹脂系は、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、BMI樹脂、若しくは同種のものである。
【0022】
図2、図3は、本発明に従った固定糸の別の実施形態の断面図を示す。
【0023】
図2の固定糸5は、芯糸6、及びインターフェース糸7によって交互に形成されてなり、前記芯糸6、及び前記インターフェース糸7は、例えば、熱可塑性材料物質によって形成されているインターフェース糸7若しくはその同種のものの融合によって、ベースライン8の領域で互いに結合されてなる。好ましくは、前記芯糸6、及び前記インターフェース糸7はそれぞれ、略半円の断面形状を備えてなり、その結果、前記固定糸5は実質上丸い断面形状を備えてなる。この場合、前記インターフェース糸7は、表示されていない周囲のマトリックスの領域における延性の局所的な増加を本発明に従ってもたらす、実際のインターフェース9を形成する。前記芯糸6は、言い換えると、従来の固定糸、例えば、ポリエステル繊維若しくは同種のものである。
【0024】
図3に示されている固定糸10は、2つの芯糸11、12と、2つのインターフェース糸13、14とによって形成されている。ここで、該固定糸10は、点線の円周線で示されているように、実質的に丸い円周の外形を有する。前記芯糸11、12は、言い換えると、従来の固定糸、例えば、ポリエステル繊維若しくは同種のものである。一方、前記インターフェース糸13、14は、マトリックスに関する境界領域における延性の局所的な増加をもたらすインターフェース15を形成する熱可塑性材料物質によって形成されている。
【0025】
図4は、本発明に従った固定糸の第4の変形における一部の平面図を示す。固定糸16は、芯糸17を有し、該図の平面に平行に伸びている。該芯糸17は、延性を増加するインターフェース19を形成する熱可塑性材料物質のインターフェース糸18によって、螺旋状に周りを巻かれている。この巻くことは、例えば、1以上の層で、層から層へ変化している巻き方向で実施されている。
【0026】
通常、ポリエステル物質若しくは同種のものからなる従来の固定糸によって形成される代わりに、前記芯糸2、6、11、12、17は、また、高い機械的負荷に耐え得る糸物質からなる糸によって少なくとも部分的に形成され得るが、その結果、さらに、繊維母材内の実際の固定機能にとって、この方法で形成される固定糸は、仕上がった複合材料部品内の固定糸のそれぞれの長手の軸方向にかなりの程度で機械的な力を吸収し得る。例えば、個々のガラス繊維、炭素繊維、若しくはアラミド繊維の束は、例えば、高い負荷に耐え得る糸物質として考えられる。
【0027】
一方、すべてにおいて、マトリックスと、本発明によって狙いとされている固定糸との間の境界領域におけるマトリックスの延性の規定された局所的な増加を到達するために、前記インターフェース糸7、13、14、18に見られる変形は、熱可塑性材料物質によって、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、若しくは同種のものによって形成されている。
【0028】
本発明に従った固定糸1、5、10、16は、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、又は同種のもの等の強化繊維の繊維より糸を有するストライプ状で連続的な織布若しくは不織布を製造することにも用いられ得る。また、このタイプの織布若しくは不織布は、シート状の強化構造という語として参照される。この場合、順に重ねて横たえられた若しくは織り合わされた強化繊維の繊維より糸は、前記固定糸1、5、10、16によって共に縫われ、結果として、望まない位置への変化等に逆らって固定されている。
【0029】
従って、本発明は、硬化性ポリマー物質を含浸することによって繊維強化複合材料部品を製造するために、特に繊維母材を形成するための強化繊維を共に縫うための固定糸1、5、10、16、硬化性ポリマー物質によって形成されているマトリックスの延性を特に局所的に増加するためのインターフェース4、9、15、19を備え、そして、芯糸2、6、11、12、17を少なくとも1つを備える固定糸に関する。
【0030】
前記芯糸2、6、11、12、17若しくは前記芯糸群2、6、11、12、17は、インターフェース4、9、15、19のプロセス可能性改良する、及び/又は複合材料部品の機械的性質に影響を与える。
【0031】
前記芯糸2、6、11、12、17若しくは前記芯糸群2、6、11、12、17は、好ましくは、適切なプロセス可能性を確保している糸物質によって、特に、ポリエステル物質若しくは同種のものによって形成されてなる。
【0032】
また、前記芯糸2、6、11、12、17若しくは前記芯糸群2、6、11、12、17は、好ましくは、高い機械的負荷に耐え得る物質によって、特に、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、若しくは同種のものによって形成されてなる。
【0033】
前記固定糸1、5、10、16は、実質上丸い円周の外形を有利に有している。
【0034】
前記インターフェース4は、例えば、ポリマー物質、特に熱可塑性材料ポリマー物質とともにする少なくとも1つの芯糸2の少なくとも一部の周囲にある囲い3によって形成されてなる。
【0035】
前記インターフェース9は、ポリマー物質、特に熱可塑性材料ポリマー物質のインターフェース糸7に少なくとも1つの芯糸6を結合することによって特に形成されている。
【0036】
また、前記インターフェース15は、ポリマー物質、特に熱可塑性材料ポリマー物質の少なくとも1つのインターフェース糸13、14に、少なくとも1つの芯糸11、12をねじることによって、有利に形成されてなる。
【0037】
さらに、前記インターフェース19は、例えば、ポリマー物質、特に熱可塑性材料ポリマー物質のストライプ状で、少なくとも1つのインターフェース糸18によって少なくとも1つの芯糸17が周を巻かれることによって形成されてなる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に従った固定糸における第一実施形態の断面。
【図2】本発明に従った固定糸における第二実施形態の断面。
【図3】本発明に従った固定糸における第三の変形の断面。
【図4】本発明に従った固定糸における第四の変形の一部の平面図。
【符号の説明】
【0039】
1:固定糸、2:芯糸、3:囲い、4:インターフェース、5:固定糸、6:芯糸、7:インターフェース糸、8:ベースライン、9:インターフェース、10:固定糸、11:芯糸、12:芯糸、13:インターフェース糸、14:インターフェース糸、15:インターフェース、16:固定糸、17:芯糸、18:インターフェース糸、19:インターフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬化性ポリマー物質を含浸することによって繊維強化複合材料部品を製造するための繊維母材を形成するための固定糸(1、5、10、16)の使用であって、前記固定糸(1、5、10、16)は、前記硬化性ポリマー物質によって形成されたマトリックスの塑性を前記固定糸が貫通する領域で局所的に増加するための熱可塑性材料ポリマー物質のインターフェース(4、9、15、19)を含んでなり、前記固定糸(1、5、10、16)が、炭素繊維の大部分の繊維によって形成されている少なくとも1つの芯糸(2、6、11、12、17)を有することを特徴とする固定糸(1、5、10、16)の使用。
【請求項2】
硬化性ポリマー物質を含浸することによって繊維強化複合材料部品を製造するための繊維母材を形成するための固定糸(1、5、10、16)であって、前記固定糸(1、5、10、16)は、前記硬化性ポリマー物質によって形成されたマトリックスの塑性を前記固定糸が貫通する領域で局所的に増加するための熱可塑性材料ポリマー物質のインターフェース(4、9、15、19)を含んでなり、前記固定糸(1、5、10、16)が、炭素繊維の大部分の繊維によって形成されている少なくとも1つの芯糸(2、6、11、12、17)を有することを特徴とする固定糸(1、5、10、16)。
【請求項3】
前記固定糸(1、5、10、16)が実質上丸い円周の外形を有することを特徴とする請求項2記載の固定糸(1、5、10、16)。
【請求項4】
前記インターフェース(4)が、少なくとも1つの芯糸(2)を囲っている囲い(3)によって形成されてなることを特徴とする請求項2又は3記載の固定糸(1、5、10、16)。
【請求項5】
前記インターフェース(9)が、半円の断面形状であるインターフェース糸(7)に半円の断面形状である芯糸(6)を結合することによって形成されてなることを特徴とする請求項2又は3記載の固定糸(1、5、10、16)。
【請求項6】
前記インターフェース(15)が、少なくとも1つのインターフェース糸(13、14)を少なくとも1つの芯糸(11、12)にねじることによって形成されてなることを特徴とする請求項2又は3記載の固定糸(1、5、10、16)。
【請求項7】
前記インターフェース(19)が、ストライプ状で少なくとも1つのインターフェース糸(18)によって周を巻かれている少なくとも1つの芯糸(17)によって形成されてなることを特徴とする請求項2又は3記載の固定糸(1、5、10、16)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−503275(P2009−503275A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−521992(P2008−521992)
【出願日】平成18年7月24日(2006.7.24)
【国際出願番号】PCT/EP2006/064578
【国際公開番号】WO2007/010053
【国際公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(504467484)エアバス・ドイチュラント・ゲーエムベーハー (268)
【Fターム(参考)】