説明

強化繊維シートUV補強工法およびUV重合反応型複合繊維樹脂

【課題】コンクリート剥落等の補修・補強方法としては、連続繊維シート補強工法が知られるが、常温硬化樹脂に硬化剤を用いる樹脂硬化法常態であれば、樹脂接着塗布・繊維シート重ね貼り・硬化養生期間等の施工時間・施工手順に工数多く、またアミン等硬化剤使用も避けられないという課題があっため、これを短期間に簡単に行う工法を提供する。
【解決手段】橋脚1や桁2のひび割れや剥落箇所において、常温硬化樹脂と硬化剤を用いる従来の樹脂硬化法に代わって、UV重合反応型樹脂のみを使い、それを単に数秒間UVに当てるだけで、瞬間硬化する強化繊維シートUV補強工法。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【技術分野】
【0001】
コンクリート構造物のひび割れや剥落等に対し、コンクリート躯体施工面へ、カーボン繊維シート等の連続繊維シートを接着する従来の連続繊維シート補強工法において、本発明は、接着剤に常温硬化樹脂及び硬化剤を用いる代わりに、UV(紫外線を)重合反応型樹脂を用い、該施工面に塗布、連続繊維シートに含浸させ、UV(紫外線)を数秒間照射することにより、連続繊維シートを強度に付着させる「強化繊維シートUV補強工法」に関する。なお、UV(紫外線)は以下UVと称する。
【背景技術】
【0002】
先ず、「強化繊維シートUV補強工法」の対象となるコンクリート構造物は、例えば、橋梁(橋脚、床板、桁)、トンネル、高架車道、高速道路裏面、橋梁、建物柱・桁、外壁、RC煙突、電柱、上下水道ヒューム管、給水槽、桟橋床板、建築物スラブ、パース岸壁等、が上げられる。
【0003】
該対象物の欠損例を挙げれば、剥落、ひび割れ、海水による鉄筋の腐食・膨張、天候・気候変動による経年変化、地震・洪水など外力による橋梁や橋脚の耐力不足、亜硫酸ガス・酸性雨による表層脆弱化、車両通行量・積載量の増大・高速化等道路過負荷から起こる流動化・路盤軟弱化・クラック、温暖差による膨脹収縮の亀裂等である。
【0004】
上記のコンクリート構造物のひび割れや剥落等の補修・補強の主力工法は、コンクリート躯体施工面への連続強化繊維シート補修・補強工法が広く普及しているが、上記劣化現象等が生じており、本発明はこれを解決する「強化繊維シートUV補強工法」に関する。
【背景技術】
【0005】
コンクリート構造物の補修・補強方法としては、従来有力な工法は、炭素繊維やアラミド繊維、ビニロン繊維、ガラス繊維等を一方向又は二方向に配列した連続繊維シートである。連続繊維シートを、エポキシ樹脂等の常温硬化樹脂及び硬化剤を用いてコンクリート躯体施工面に含浸させ接着し、強化プラスチック化することで、引張り強度においては鋼板補強と同等もしくは近い効果を得られ、軽量、引張り弾性、せん断耐力、曲げ耐力、疲労寿命を向上させる有効な工法として定着している。
【0006】
しかしながら一方、該連続繊維シート補強工法の作業には、下地ケレン、プライマー処理、不陸修正、強化繊維シート重ね貼り、含浸、接着とエポキシ樹脂等接着剤塗布、アミン等の硬化剤塗布などなど、機材待機、樹脂硬化までの養生期間、天候の影響等多くの工数がかかり工事費用がかさみがちで、アミン系硬化剤使用の問題もあった。
【0007】
他方、UV硬化は、UVランプより照射されるUV(200nm〜450nm)を当てることにより短時間で硬化が可能。UV硬化性の樹脂・接着剤・塗料・レジスト等が瞬時に光重合反応をおこし硬化する技術として知られる。
【0008】
UV硬化樹脂は、一般的に、モノマー、オリゴマー、光重合開始剤と添加剤で構成される。UV光の照射を受けると、光重合反応開始剤がUVの照射によりラジカルを発生、重合のきっかけとなる。モノマー(液体)状態からポリマー(固体)状態に転換させる「光重合反応」を起す。光反応は励起された分子の反応で、熱反応は基底状態の分子の反応であって、普通の合成法では何段階も反応を重ねなければならないものが、光反応では波長によりエネルギーの選択が可能なため、光は有効なエネルギーの大量提供が可能。光は特定の反応を進め、ラジカル発生の量子効率が高くなり、高エネルギーを持った物質を合成できる。
【0009】
これらのUV硬化技術は、従来の熱乾燥などと比較すると硬化・乾燥までに至る時間が圧倒的に短く、溶剤等の使用量が飛躍的に削減される為、省エネ、省スペース、環境面に於いてその特性を発揮する。
【0010】
その用途は、各種金属の接着プライマー、木製床コーティング、防錆コーティング、ポッティング紙の艶出し、フィルム艶消し、耐水性付与、屈折率調整、滑り防止、静電防止・導電性付与、防曇性付与、硬度付与(ハードコート)、耐熱性付与、滑性付与等接着など多岐にわたる。その用途によって樹脂の特性が多種多様に変化するのもUV樹脂の特徴である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
現状の連続繊維シート補強工法はコンクリート巻き立て工法や鋼板補強工法に比べても、ローコストで短期の工期で施工できる長所を持つ工法として知られている。
【0012】
しかし、これらの連続繊維シート補強工法によれば、コンクリート構造物の劣化した柱や梁など欠損部分を補修・補強する工法として、コンクリート躯体に強化繊維シートを巻いて補修・補強することから、プライマー処理・エポキシ樹脂等の接着剤塗布、繊維シート粘着・複数層の重ね貼り、アミン等硬化剤の使用等、所要機材・仮設設備、所要人員、1日以上の硬化養生期間、雨休み露止まり等天候要因による樹脂の接着不良、施工時間・施工手順等多目の工数などなど、コスト負担に跳ねる問題点があった。
【0013】
さらに、接着用樹脂の硬化を促進するためアミン系の硬化剤に頼らざるを得ない問題があった。
【0014】
本発明の目的は、上記問題を解決するための強化繊維シートUV補強工法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の課題を解決するには、本発明に係る強化連続繊維シートUV補強工法およびUV重合反応型複合繊維樹脂にて達成される。
要約すれば、本発明では、コンクリート躯体施工面に、常温硬化樹脂及び硬化剤を含浸塗布する、従来の工法に代わって、UV重合反応型樹脂のみを塗布する。
アミン等硬化剤は使用しない。その上に強化繊維シートを含浸粘着させて、UVを照射、一瞬に硬化を行う強化繊維シートUV補強工法を提供する。
【0016】
本発明に用いる強化連続繊維シートの繊維素材としては、炭素繊維・ガラス繊維・セラミックス繊維・ボロン繊維等の無機繊維、アラミド・ポリエステル・ポリエチレン・ナイロン・ビニロン・アクリル・ポリアセタール・PBO・高強度ポリプロピレン・高強度ポリエチレン・ポリアミド・ポリカーボネート樹脂・ビニルエステル系樹脂等の有機繊維、チタン・スチール等の金属繊維から選択されるいずれかの繊維シートであるか、或いは、前記繊維を複数種混入して使用することができる。
【0017】
上記連続繊維シートは、繊維が編織成(構成)されている編物、織物あるいは不織布からなるか、シート状や格子状及びメッシュ状のいずれかであるか、或いは2軸〜4軸の格子状であるか、複数種混入し融合して使用するか、いずれであってもよい。
【0018】
メッシュ状物としては、開口率が30%以上の繊維あるいは複合糸による積層布で、補強効果のあるものが好ましい。
【0019】
連続繊維シートの厚みの基準として、1枚の目付重量が100〜2000g/mのシートが好ましい。
【0020】
本発明に用いるUV重合反応型樹脂は、補修・補強工事対象及び強化連続繊維シートとの親和性が高く、密着性を高める樹脂を優先する。エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ウレタン樹脂、ウレア樹脂、又は、MMA樹脂等のラジカル反応系樹脂から選択されるいずれかの樹脂であるか、或いは、前記樹脂をを複数種混入して使用することができる。選択されるいずれの樹脂も、UV重合反応型樹脂中成分である重合開始剤と相補性のよいものから選択されることが好ましい。
【0021】
又、繊維の粉体を液状UV重合反応型樹脂に混合、該繊維にUV重合反応型樹脂を吸着させ、更に次いで長さが極小の繊維をサイズの小さいものから順次上記の液状UV重合反応型樹脂に加え混合してなることを特徴とするUV重合反応型複合繊維樹脂を提供する。
次ぎに、以上の構成からなる補強構造を施工するための、本発明に係る補強工法の一実施形態について説明する。
【0022】
本発明の第1は、請求項1に記載の、従来のコンクリート連続繊維シート補強工法において、常温硬化樹脂及び硬化剤を使用している代わりに、UV重合反応型樹脂のみを用い、硬化剤を使用せず、小型のUV照射機にて、UVを僅か数秒間程度照射することをもってなされることを特徴とする強化繊維シートUV補強工法に関する。
【0023】
本発明の第2は、請求項2に記載の、液状UVV重合反応型樹脂に繊維の粉体を混合吸着させ、次いで長さが極小の繊維を、サイズの小さいものから順次上記の液状UV重合反応型樹脂に加え混合してなるUV重合反応型複合繊維樹脂に関する。
【0024】
更に上記UV重合反応型複合繊維樹脂に、焼却灰等のコンクリート骨材を混練・混合するUV重合反応型複合繊維樹脂組成物を得てもよく、上記UV重合反応型複合繊維樹脂又はこのUV重合反応型複合繊維樹脂組成物をコンクリート施工面に塗布、含浸、硬化を目視して、UV照射を行うものであることは言うまでもない。
【0025】
本発明の第3は、請求項3に記載の、コンクリート橋脚外周の水中部分に発生する剥落等の橋脚補修・補強作業において、請求項1又は2に記載のUVUV重合反応型複合繊維樹脂又はUV重合反応型複合繊維樹脂組成物を水中吸着自走型多機能ロボットに、コンクリート橋脚外周の清掃・研磨・脱水・該複合繊維樹脂注入塗装・乾燥・移動作業を自動的に実行させ同時にUV照射を行なわせることを持って特徴とする水中コンクリート補強工法に関する。
【0026】
本発明の第4は、請求項4に記載の、可視光域でエネルギー吸収を持つ光増感剤を組み合わせてなるUV(紫外線)重合反応型樹脂をいることを特徴とする請求項1の強化繊維シートUV補強工法に関する。これは炭素繊維シート又はアラミド繊維シートのコンクリート施工面へ
の含浸接着効果を更に高めるUV重合反応型樹脂を用いる連続繊維シート方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれにより何等限定されるものではない。
【0031】
本実施例は、コンクリート剥落等への連続繊維シート補修・補強方法における、従来の常温硬化樹脂に硬化剤を用いる樹脂硬化法と同じように、コンクリート平板を施工面としてUV重合反応型樹脂を塗布ビニロン繊維メッシュシートを貼り、含浸させた上を、UVを当てる実験してみたところ、バインダーが格子目を固定、セメントの食い付きが良く、しかも極めて安定して強度と弾性の高さを見ることができた。
【0032】
実施例1 コンクリート平板(縦30cm横30cm幅5cm)の供試体表面を3つに区切って、20℃における粘度が500cpsのUV重合反応型合成樹脂(アクリル系、(株)アシレ社製)を、平板表面を3ヶ所に上塗りし、1つの面には、1方向、200g目付巾50cm50m巻きのカーボン繊維シート(前田織工株式会社製)を粘着し、2つの面には、縦横2方向巾100センチのアラミド繊維(トワロン)シート(前田織工株式会社)を粘着、3つの面には、巾100センチのビニロン繊維メッシュシートを粘着、続いて何れの表面にも、UV照射機(1.2kg、出力UV波長365ナノメートル、(株)アシレ社製)でUVを照射したところ、カーボン繊維シートやアラミド繊維(トワロン)シートはシート下の樹脂がシートの網目に含浸しているものの、固化は緩い状態。ビニロン繊維メッシュシートは瞬間的に固化した。
【0033】
実施例2 コンクリート平板(縦30cm横30cm幅5cm)の供試体表面の半分に、予め20℃における粘度が500cpsのアクリル系UV反応型樹脂200g((株)アシレ社製)に炭素繊維粉体1g及び長さが3ミリの炭素繊維1gを混和したUV反応型合成樹脂組成物を、平板面に上塗りし、直後にUV照射したところ、上記合成樹脂組成物の皮膜は供試体表面で一瞬固まったが、該皮膜はコンクリートの表層をはぎ取り捲れ上った。
【0034】
同様に、上記コンクリート平板(縦30cm横30cm幅5cm)の供試体表面の他の半分に、予め20℃における粘度が500cpsのアクリル系UV反応型樹脂200g((株)アシレ社製)に、ビニロン繊維長さ0.5mm1gを混和、平板面に上塗りし、直後にUV照射したところ、該UV反応型合成樹脂組成物の皮膜は硬化、コンクリートの表層に強く接着する成果を得た。
上記実施例1、2:2010年10月20日午前10時 日本開発(株)都筑事務所
【0035】
実施例1について、UV重合反応型合成樹脂は、アクリル系の樹脂であり、使用した樹脂の塗布量も薄かったせいもあり、炭素繊維シートの接着は十分とは言えなかった。
アラミド繊維シートもほぼ同様である。しかし、ビニロン繊維シートにあっては、2方向のメッシュ状で菱形格子を構成しており、自己含浸力があり、粘着、強度に問題のないことが分かっ。樹脂バインダーが、メッシュ格子目を固定、セメントの食い付きも良く、ビニロン繊維シートの粘着強度と弾性の高さを見せつけた。
【0036】
連続繊維シートのメッシュ状物としては、開口率が30%以上の繊維か、あるいは複合糸による積層布か、更には、2軸積層布か3軸積層シートである方が、上塗り樹脂、下塗り樹脂共にメッシュ状物に侵入し易く高い決着度を効果得た。
【0037】
実施例2については、UV重合反応型樹脂に硬化用の微細な炭素繊維を混和しコンクリート平板表面に塗布したところ、捲れ上がった。その捲れた面にはコンクリートの表層が強く付着していた。このことから付着強度は問題ないことが分かった。ただ、付着面に一層の強度があれば、捲れ上がらずに強く決着する可能性が考えられた。UV重合反応型樹脂組成物の樹脂塗布量(皮膜の厚さ)を増やすことが好ましいことが分かる。
【0038】
上記UV重合反応型樹脂はアクリル系であるが、これをエポキシ系UV重合反応型合成樹脂に代えた試験を行う必要性を感じた。
【0039】
ビニロン繊維長さ0.5mm1gを混和したUV重合反応型合成樹脂組成物は、UV照射により、皮膜が硬化、コンクリート表層の付着強度には問題がないことが分かった。
【0040】
実施例1、実施例2共に、アクリル系UV重合反応型合成樹脂を使用しており、これではビニロン繊維メッシュシートの接着は決まったが、炭素繊維シート及びアラミド系繊維シートにおいては、含浸性の高いエポキシ系UV重合反応型合成樹脂を、厚く塗布すれば十分接着度は向上すると伺わせた。
【0041】
本発明者は、少なくとも実施例1及び実施例2において、ビニロン繊維メッシュシートは自己含浸があり、好ましい接着硬化が得られたと分かり、本実施例のコンクリート剥落等に対する連続繊維シート補修・補強方法において、UV重合反応型合成樹脂を用いることで施工性が格段に向上することを見出した。
カーボン繊維及びアラミド繊維シートの強い粘着を達成する構成要素の組み合わせについて、強い可能性を得た。
【0042】
コンクリート剥落等の補修・補強方法としては、連続繊維シート補強工法が知られるが、常温硬化樹脂に硬化剤を用いる樹脂硬化法常態であれば、樹脂接着塗布・繊維シート重ね貼り・硬化養生期間等の施工時間・施工手順に工数多く、またアミン等硬化剤使用も避けられないという問題があった。
【解決手段】
【0043】
本発明は、常温硬化樹脂と硬化剤を用いる従来の樹脂硬化法に代わって、UV重合反応型樹脂のみを使い、それを単に数秒間UVに当てるだけで、瞬間硬化することを特徴とする強化繊維シートUV補強工法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係るコンクリート剥落等の補修・補強方法として強化繊維シートUV補強工法の実施例1の施工図である。
【発明を実施するための形態】
図1を用いて、本発明の実施の形態を説明すると、
【0045】
図1において符号1は、コンクリート構造物のひび割れや剥落等の存在する橋梁の橋脚を指し、符号2は橋梁の桁である。従来の連続繊維シート補強工法において、これらコンクリート躯体施工面へ、カレン、プライマー処理を行い、その場でエポキシ樹脂等の接着剤とアミン等硬化剤を混合して塗布、その上にカーボン繊維シート等連続繊維シートを張って含浸させ、硬化度合いを目視しながら、更に連続繊維シートを複数層重ね貼り、1日以上の硬化養生期間を取るなどする連続繊維シート補強工法が定着している。
【0046】
本発明は、従来の常温硬化樹脂と硬化剤を混合して塗布する方式に代えて、UV重合反応型樹脂のみを塗布・含浸させ、そこにUVを当てるだけの簡略な樹脂硬化工法を特徴とする強化繊維シートUV補強工法である。
【符号の説明】
1 橋梁の橋脚 2 橋梁の桁
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、コンクリート構造物、例えば、橋梁(橋脚、床板、桁)、トンネル、高架車道、高速道路裏面、橋梁、建物柱・桁、外壁、RC煙突、電柱、上下水道ヒューム管、給水槽、桟橋床板、建築物スラブ、パース岸壁のコンクリート構造物の構築及び補強等の用途に適用できる。
【発明の効果】
【0048】
本発明の効果は、施工手順簡略化の要員減及び1日以上の硬化養生期間や天候要因(雨休み露止まり等)など施工時間短縮による工数縮減のみならず、硬化溶剤の無機化(非アミン化)が可能となる強化繊維シートUV補強工法を提供する。
【0049】
また、UVランプは、小型軽量で、100V電源でどのような場所でも使用でき、取り扱い操作が簡単、特別の技術を要しない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素繊維等よりなる連続繊維シートを、エポキシ樹脂等の常温硬化樹脂及び硬化剤を用いてコンクリート躯体施工面に含浸・接着させ、巻き立てる従来のコンクリート連続繊維シート補強工法において、常温硬化樹脂及び硬化剤を使用する代わりに、UV重合反応型樹脂のみを用い、小型のUV照射機にてUV瞬間照射して、連続繊維シートの粘着を行うことを特徴とする強化繊維シートUV補強工法を提供する。
【請求項2】
長さが1ミクロンから500ミクロンの無機質または有機質繊維を液状UV重合反応型樹脂に混合させ、該繊維にUV重合反応型樹脂を吸着させ、更に次いで太さが3ミクロンから900ミクロンで長さが1mmから50mmの無機質または有機質の繊維をサイズの小さいものから順次上記の液状UV重合反応型樹脂に対し、1重量パーセントから15重量パーセントの割合で加え混合して、該繊維に液状UV重合型樹脂を吸着させることを特徴とするUV重合反応型複合繊維樹脂。
【請求項3】
請求項2に記載させるUV重合反応型複合繊維樹脂により構成される請求項1の強化繊維シートUV補強工法を提供する。
【請求項4】
コンクリート橋脚の外周、特に水中部分の剥落等の補修・補強作業において、請求項1又は2に記載のUV重合反応型複合繊維樹脂を、清掃・研磨・脱水・塗装・乾燥などの機能及びUV照射機能を有する水中吸着自走型多機能ロボットを通じて、塗装・含浸せしめ、樹脂膜を自動形成することを特徴とする請求項1のコンクリート橋脚の補強方法。
【請求項5】
UVにエネルギー吸収を持つ光重合開始剤を構成成分とする接着用UV重合反応型樹脂の代わりに、可視光域にエネルギー吸収を持つ光増感剤を構成成分とする接着用UV重合反応型樹脂とするか、又は光重合開始剤及び光増感剤双方を組み合わせて成るUV重合反応型樹脂組成物をとするかの選択を行うことを特徴とする請求項1又は請求項3の強化繊維シートUV補強工法。

【図1】
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【公開番号】特開2012−97547(P2012−97547A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−258327(P2010−258327)
【出願日】平成22年11月2日(2010.11.2)
【出願人】(509304449)
【Fターム(参考)】