説明

強皮症の治療

本発明は、強皮症の治療方法を提供する。前記方法は、miR−29の循環および/または細胞内濃縮を上昇させるmiR−29またはmiR−29アップレギュレータの投与によるmiR−29のアップレギュレーションによる。本発明はまた、miR−29のこのような治療のための使用、およびmiR−29の強皮症の治療用薬剤の製造のための使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、強皮症の新規な薬理学的治療に関する。詳細には、本発明は、強皮症を治療するための、マイクロRNAファミリーのmiR−29のアップレギュレーション(upregulation、上方調節)に関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
本発明は、強皮症SScの新規な薬理学的治療に関する。様々なタイプの強皮症がある。全身性硬化症とも呼ばれる多臓器性線維性の形態は、皮膚病変の程度に依存して2つのサブタイプを含む:限局性皮膚型は四肢に影響を及ぼすが、びまん性サブタイプは体幹をも含む。全身性疾患に加えて、皮膚の特定の領域、場合によっては関節および筋肉を含むが、内部器官を含まない、例えば限局性強皮症を含む限局性の形態の疾患もある。全身性硬化症の主な特徴は、皮膚および内部器官の広範な細小血管障害および進行性線維症である。最も明らかな臨床症状は、通常、皮膚の硬化および関連した瘢痕である。皮膚はこわばり、赤みを帯び、またはうろこ状に見えうる。主に臓器不全によって起こる合併症の管理における進歩にもかかわらず、現在のところ、まだ治療法も疾患特異的治療法もない。いくつかの現在入手可能な薬剤は皮膚を柔らかくし炎症を低減しうるが、強皮症の治療のためのさらなる効果的な薬剤が必要であることは明らかである。
【0003】
miR−29は、遺伝子発現の調節に組み込まれる小さな非コードマイクロRNAである。動物のmiRNAは、約70ヌクレオチドの前駆体として転写され、その後ダイサー酵素によって処理されて約22ヌクレオチドの産物を与える。この場合、成熟配列は前駆体RNAの3’末端からもたらされる。前記産物は、標的mRNAの5’末端との相補性を通して調節の役割を有すると考えられている。miR−29ファミリーにはmiR−29a、miR−29b1およびmiR29b2およびmiR−29cが属する。
【0004】
miR−29はBcl−2ファミリーのタンパク質の抗アポトーシスメンバーであるMcl−1タンパク質のレベルを調節することが示されている。さらに、miR−29が多くのT細胞白血病において破壊されることがわかっている癌遺伝子であるTcl1タンパク質のレベルを調節し、肺癌においてしばしばアップレギュレートされるDNMT3AおよびDNMT−3Bの両方を直接標的にすることが示されている。さらにmiR−208の不在下では、miR−29の発現はアップレギュレートされ、心線維症を防ぐことが示されている(国際公開第2008/074866号)。皮膚細胞および強皮症におけるmiR−29の役割は、これまで研究されていなかった。
【発明の概要】
【0005】
発明の概要
本発明は、miR−29またはmiR−29アップレギュレータ(upregulator)の治療に有効な量を必要とする患者に投与することを含む、強皮症の治療方法を提供する。さらに本発明は、miR−29またはmiR−29アップレギュレータのこのような治療のための使用、およびmiR−29またはmiR−29アップレギュレータの強皮症の治療用薬剤の製造のための使用、ならびに強皮症の治療に有効な化合物のスクリーニング方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】A:SSc線維芽細胞におけるmiR−29ファミリーのベースライン発現:発現はmiR−29aで最も強い(デルタct法では低い数値が高い発現を意味する)。B:miR−29ファミリーメンバーのベースライン発現レベルは、SSc皮膚線維芽細胞において、正常な皮膚線維芽細胞と比較して強くダウンレギュレートされている(それぞれn=6)。
【図2】A:SSc患者のパラフィン埋包皮膚片におけるmiR−29aのベースライン発現は健常対照群と比較してダウンレギュレートされている。表皮と真皮層との間で発現に差はない。B:SSc患者の新しい皮膚生体組織におけるmiR−29aのベースライン発現は健常対照群と比較してダウンレギュレートされている。
【図3】A:SSc皮膚線維芽細胞におけるmiR−29aの強制発現は、トランスフェクション後72時間のmRNAおよびタンパク質レベルにおいて、コラーゲン1および3のダウンレギュレーションをもたらす。B:SSc皮膚線維芽細胞におけるmiR−29bおよびmiR−29cの強制発現は、トランスフェクション後72時間のmRNAレベルにおいて、コラーゲン1および3のダウンレギュレーションをもたらす。
【図4】Col3A1−3’UTRを標的としたルシフェラーゼレポーター遺伝子アッセイ:pGL3コントロール/3’UTR_Col3A1_5’から3’およびpre−miR29aの同時トランスフェクションは蛍ルシフェラーゼ活性の減少をもたらす。
【発明を実施するための形態】
【0007】
発明の詳細な説明
本発明は強皮症の治療方法を提供する。強皮症は、多臓器性の形態と、限局性の形態(限局性強皮症が挙げられるがこれに限定されない)とを含む。本発明の治療は、miR−29またはmiR−29アップレギュレータの治療に有効な量を必要とする患者に投与することを含む。これは、miR−29の循環および/または細胞内濃度の上昇を伴う。
【0008】
miR−29は、成熟miR−29a、miR−29b1、miR−29b2およびmiR−29cに加えて、成熟miRNAの生物学的活性を保持した、その相同配列、前駆体、フラグメントまたは変異体を含む。上記配列をコードするDNAなどの他の核酸もまた含まれる。相同性は、一般に2以上の核酸の間の配列類似性から推論される。相同性の確立に有用な配列間の類似性の正確な百分率は、問題とする核酸によって異なるが、わずか25%の配列類似性が通常相同性の確立に用いられる。より高い水準の配列類似性(例えば、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または99%以上)もまた相同性の確立に用いられうる。配列類似性の百分率を決定する方法(例えば、デフォルトのパラメータを用いたBLASTN)が一般に適用できる。
【0009】
miR−29ファミリーのRNA配列は以下の通りである:
成熟miR−29a:UAGCACCAUCUGAAAUCGGUUA
成熟miR−29b1:UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU
成熟miR−29b2:UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU
成熟miR−29c:UAGCACCAUUUGAAAUCGGUUA。
【0010】
本発明による好ましいmiR−29は、miR−29a、および成熟miR−29aの生物学的活性を保持する、その相同配列、前駆体、フラグメントまたは変異体である。
【0011】
miR−29アップレギュレータは、血液または細胞中のmiR−29の発現および/または活性を増加させる化合物であり、特に制限されないが、miR−29を発現するベクターが挙げられる。発現ベクターの例は、アデノウイルスまたはレトロウイルス発現ベクターなどのウイルス発現ベクターである。
【0012】
miR−29またはmiR−29アップレギュレータの投与は、皮膚および内部器官への運搬に適した当業者に公知の方法によって行なわれうる。例えば、本発明の一形態によれば、miR−29またはmiR−29アップレギュレータは静脈注射または動脈注射によって投与されうる。一形態においては、投与は、miR−29もしくはmiR−29アップレギュレータの経口、経皮、腹腔内、皮下、持続放出、制御放出、遅延放出、坐薬、または舌下投与を含む。
【0013】
活性成分の投与量は、人種、年齢、体重、個人の状態、個人の薬物動態データ、および投与の形態に依存する。体重約70kgの人の場合、miR−29またはmiR−29アップレギュレータの1日の投与量は、1回の投与または数回の投与で、0.01mg/kg体重〜1000mg/kg体重であり、好ましくは0.1mg/kg体重〜100mg/kg体重であり、より好ましくは1mg/kg体重〜25mg/kg体重である。miR−29またはmiR−29アップレギュレータは単独で、または他の薬剤と組み合わせて用いられうる。
【0014】
さらに本発明は、強皮症の治療のためのmiR−29またはmiR−29アップレギュレータの使用、特に、miR−29またはmiR−29アップレギュレータを含む薬剤組成物の使用に関する。
【0015】
本発明はまた、miR−29またはmiR−29アップレギュレータの強皮症の治療用薬剤の製造のための使用に関する。
【0016】
本発明の薬剤は、例えば、通常の混合、造粒、コーティング、溶解、または凍結乾燥法などのそれ自体が公知である方法によって調製される薬剤組成物である。本発明の一形態において、miR−29またはmiR−29アップレギュレータは、脂質ビヒクルに用いられる。または、miR−29またはmiR−29アップレギュレータがそれ自体で単純に提供されてもよく、任意でリポソームまたはナノ粒子などの運搬ビヒクル中に含まれてもよい。本発明の一形態において、miR−29またはmiR−29アップレギュレータは軟膏中に調製される。
【0017】
本発明はさらに、i)候補化合物を線維芽細胞に接触させること;ii)miR−29の活性または発現を評価すること;およびiii)miR−29の活性または発現を候補化合物の不在下での活性または発現と比較して選択的に増加させる、候補化合物を選択すること;を含む、強皮症の治療に有効な化合物のスクリーニング方法に関する。活性または発現を評価することは、miR−29の発現レベルを評価することを含みうる。RNAの発現レベルを評価するための、例えばノーザンブロット法またはRT−PCRを含む多様な方法が当業者に公知である。本発明はさらに、これらのスクリーニング方法によって選択された化合物に関する。
【実施例】
【0018】
以下の実施例は、本発明の技術的範囲を制限することなく本発明を説明するために示すものである。これらのデータは、とりわけ、miR−29が強皮症患者の皮膚試料において、健常対照群と比較してダウンレギュレートされることを表し、したがってmiR−29のアップレギュレーションが強皮症の治療に有用であることを示す。
【0019】
実施例1:正常な皮膚線維芽細胞と比較した、培養SSc線維芽細胞におけるmiR−29ファミリーのベースライン発現
SSc患者および健常人ドナーからの皮膚生体組織試料をパンチ生検によって得た。すべての患者は、LeRoyらによって示唆されたSScの基準を満たしていた。本願に記載されるすべてのインビトロの実験で、増殖培養からの皮膚線維芽細胞はT75フラスコで培養された。前記皮膚線維芽細胞をDMEM/10%FCS中に維持し、継代(passages)3〜8を分析に用いた。
【0020】
miRVanaキット(アンビオン/アプライドバイオシステムズ社製)を用いてRNAを単離した後、Taqman型RT−PCRを用いて、SSc患者におけるmiR−29の発現レベルを健常対照群と比較して解析した。アンビオン/アプライドバイオシステムズ社製の特異的単一TaqmanマイクロRNAアッセイを用いた。標的配列は以下の通りである:hsa−miR−29a:UAGCACCAUCUGAAAUCGGUU(分析番号:000412,部分番号:4373065)、hsa−miR−29b:UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU(分析番号:000413,部分番号:4373288)、hsa−miR−29c:UAGCACCAUUUGAAAUCGGU(分析番号:000415,部分番号:4373289)、RNU6B(内在性コントロール):CGCAAGGAUGACACGCAAAUUCGUGAAGCGUUCCAUAUUUUU(分析番号:001093,部分番号:4373381)。
【0021】
低い数値が高い発現を意味するデルタct法で測定したところ、miR−29ファミリーのすべてのメンバーがSSc線維芽細胞で発現されることがわかり、miR−29ファミリーの中でも、miR−29b(デルタct=27.1±0.3)またはmiR−29c(デルタct=22.8±0.1)と比較して、miR−29aが最も高い発現(デルタct=17.4±0.2)を示した。図1A参照。
【0022】
健常対照群と比較して、miR−29のベースラインレベルは培養SSc線維芽細胞において常にダウンレギュレートされていた(mir−29a:p=0.012,miR−29b:p=0.046,miR−29c:p=0.028)。図1B参照。
【0023】
本願のすべてのデータは、平均±平均の標準誤差として与えられる。p値<0.05を統計的に有意であると考える。
【0024】
実施例2:健常対照群と比較した、SSc患者のa)パラフィン切片およびb)皮膚生体組織におけるmiR−29aのベースライン発現
【0025】
miR−29aのベースライン発現を、SSc患者の生体外試料において健常対照群と比較して調査した。組織粉砕機(tissue lyser)を用いて均質化した後、miRVanaキット(アンビオン/アプライドバイオシステムズ社製)を用いてRNAを単離し、Taqman型RT−PCRを採用した。上述のアンビオン/アプライドバイオシステムズ社製のmiR−29aおよびRNU6Bのための特異的単一TaqmanマイクロRNAアッセイを用いた。
【0026】
a)表皮と真皮層との間の発現レベルの潜在的な差を評価するために、はじめに、表皮および真皮を解剖した後、RecoverAll全核酸単離キット(アンビオン/アプライドバイオシステムズ社製)を用いて、パラフィン埋包組織切片から単離したRNAを分析した。再び、組織にmiR−29aの非常に強い発現(デルタct=18)が見られ、正常対照群と比較すると、SSc患者の表皮および真皮の両方において有意にダウンレギュレートされた(p=0.012)。図2A参照。
【0027】
b)試料のパラフィン処理による潜在的な誤りを招くような影響を除くために、SSc患者からの新しい皮膚生体組織におけるmiR−29aの発現をさらに調べ、後にRNA中に−20℃で2年未満保存した健常対照群を調べた。再び、miR−29aはSScにおいて健常対照群と比較して有意にダウンレギュレートされた(p=0.042)。図2B参照。
【0028】
実施例3:SSc線維芽細胞におけるmiR−29の強制発現はmRNA上のコラーゲン1および3の発現ならびにタンパク質レベルをダウンレギュレートする
皮膚線維芽細胞におけるコラーゲン発現に対するmiR−29の効果を評価するために、そしてとりわけ、miR−29ファミリーメンバーがSScにおけるコラーゲン発現を変化させることができたことを証明するために、SSc皮膚線維芽細胞を6ウェルプレート中で、100nM(最終濃度)のpre−miR−29a、pre−miR−29bおよびpre−miR−29cまたはスクランブル対照とリポフェタミン2000試薬(インビトロジェン)を用いてトランスフェクションし、miR−29aの過剰発現がコラーゲン遺伝子のダウンレギュレーションを招くかどうかを調べた。以下の前駆体分子および陰性対照群(アンビオン/アプライドバイオシステムズ社製)を採用した:pre−miR−29a(製品番号:PM12499,成熟miRNA配列:UAGCACCAUCUGAAAUCGGUUA),pre−miR−29b−2(製品番号:PM10103,成熟miRNA配列:UAGCACCAUUUGAAAUCAGUGUU),pre−miR−29c(製品番号:PM10518,成熟miRNA配列:UAGCACCAUUUGAAAUCGGUUA),pre−miR miRNA前駆体分子−陰性対照番号1(部分番号:17110)。コラーゲン1および3の発現は、mRNAレベルにおいて、Taqman型RT−PCRによって、SYBRGreenプライマーを用いて分析した。プライマー配列は以下の通りである:プロコラーゲン1A1 fwd:5’−TCAAGAGAAGGCTCACGATGG−3’,rev.:5’−TCACGGTCACGAACCACATT−3’;プロコラーゲン3A1 fwd:5’−GGCATGCCACAGGGATTCT−3’,rev.:5’−GCAGCCCCATAATTTGGTTTT−3’。コラーゲン1A1および3A上のmiR−29aの過剰発現のタンパク質レベルに与える影響をウエスタンブロット法によって、標準的なプロトコルに従って調べた。一次抗体はサンタクルーズバイオテクノロジー社から購入した(コラーゲン1(H−70):sc−28655,ロット番号B2406;コラーゲン3(H−300):sc−28888,ロット番号K2205)。
【0029】
SSc皮膚線維芽細胞におけるmiR−29aの強制発現は、半定量的測定によって分析したところ、コラーゲン1および3の発現の顕著なダウンレギュレーション(それぞれp=0.043)をmRNAレベルにおいて、またタンパク質レベル(p=0.027)において誘発した。SSc線維芽細胞におけるmiR−29bおよびmiR−29cの過剰発現もまた、mRNAレベルにおけるコラーゲンIおよびIIIのダウンレギュレーションを招く。図3参照。
【0030】
要約すると、これらの機能的実験は、miR−29ファミリーがSScにおける主要な病原経路を負に調節することの強い証拠を与える。
【0031】
実施例4:Col3A1の3’UTRを標的としたルシフェラーゼレポーターアッセイ
miR−29ファミリーメンバー、特にmiR−29aが皮膚線維芽細胞におけるコラーゲン遺伝子発現の直接的な調節因子(regulator)であることを示すために、そして遺伝子調節に対する効果がさらなる媒介因子を標的にすることによって媒介されないことを証明するために、miR−29ファミリーメンバーのそれぞれに2つの結合部位を有するCol3A1の3’UTRを標的としたルシフェラーゼレポーターアッセイを行なった:COL3A1 3’UTRの242−249位の保存された結合部位、および682−689位の不完全に保存された結合部位(TargetScanデータベース,リリース4.2;http://www.targetscan.org/によって提供された情報)。実験のために、973塩基対のCol3A1 3’UTRセグメントをヒトゲノムDNAからPCRによって増幅し、ルシフェラーゼの終止コドンからすぐ下流のXbal部位を用いて、シミアンウイルス40プロモータ(プロメガ)と共にpGL3−コントロールベクターに挿入した。miR−29の予想されたマッチシードを有する特異的フラグメントを生成するための特異的プライマーを設計した。プライマー配列は以下の通りである:Col3A1−3’UTR fwd:5’−ACGCAAGGCTGTGAGACTAC−3’,Col3A1−3’UTR rev.:5’−CATTGAGCATTATCTCTACTCTG−3’,Col3A1 Xba1 fwd:5’−GTAATTCTAGAACCAAACTCTATCTGAAATCCC−3’。SScまたは正常な皮膚線維芽細胞を、6−ウェルプレート中でリポフェタミン2000試薬(インビトロジェン)を用い、製造元の指示に従って、蛍ルシフェラーゼレポートベクター0.375μgおよびレニラルルシフェラーゼpRL−SV40ベクター(プロメガ)を含むコントロールベクター0.2μgと同時トランスフェクションした。
【0032】
各ウェルについて100nMのpre−miR29a、29b、29cまたはスクランブル対照(アンビオン/アプライドバイオシステムズ)を用いた。蛍およびレニラルルシフェラーゼ活性は、トランスフェクションの24時間後にデュアルルシフェラーゼアッセイ(プロメガ)を用いて測定した。この実験を2回行った。
【0033】
結果から、pre−miR29aとの同時トランスフェクションは蛍ルシフェラーゼ活性を約50%減少させることが示され、したがって、他の媒介分子を介さない直接的な調節効果の証拠が得られた。図4参照。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
miR−29またはmiR−29アップレギュレータの、強皮症の治療のための使用。
【請求項2】
前記miR−29アップレギュレータは、miR−29を発現する発現ベクターである、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
miR−29またはmiR−29アップレギュレータの、強皮症の治療用薬剤の製造のための使用。
【請求項4】
miR−29またはmiR−29アップレギュレータの治療に有効な量を必要とする患者に投与することを含む、強皮症の治療方法。
【請求項5】
前記miR−29アップレギュレータは、miR−29を発現する発現ベクターである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
候補化合物を線維芽細胞に接触させること;miR−29の活性または発現を評価すること;およびmiR−29の活性または発現を候補化合物の不在下での活性または発現と比較して選択的に増加させる、候補化合物を選択すること;を含む、強皮症の治療に有効な化合物のスクリーニング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−502007(P2012−502007A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−525557(P2011−525557)
【出願日】平成21年9月4日(2009.9.4)
【国際出願番号】PCT/EP2009/061454
【国際公開番号】WO2010/026213
【国際公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(511056507)ウニベルシテート チューリッヒ プロレクトラート エムエヌヴェー (1)
【Fターム(参考)】