説明

強酸官能基を含有するモノマー含有量が低い新規な逆ラテックス、及び局所組成物の調製におけるその使用

油相、水相、少なくとも1の油中水(W/O)系の乳化剤、および少なくとも1の水中油(O/W)系の乳化剤を含有し、20重量%乃至70重量%の、好ましくは25重量%乃至50重量%の架橋アニオン性高分子電解質を含有する組成物であって、前記高分子電解質は、部分的もしくは完全に塩化された2−メチル−2−[(1−オキソ−2−プロぺニル)−アミノ]−1−プロパンスルホン酸と少なくとも1の中性モノマーおよび任意に少なくとも1の弱酸性官能基を有するモノマーとが重合したコポリマーであり、部分的もしくは完全に塩化された2−メチル−2−[(1−オキソ−2−プロぺニル)−アミノ]−1−プロパンスルホン酸のモル比は、30%未満1%以上であることを特徴とする組成物。化粧料における適用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、逆ラテックスまたは粉末形態の新規ポリマー、それらの調製方法、並びに化粧料、皮膚医薬または医薬の調製におけるそれらの使用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
紙または布地等の基体への適用において、肌または粘膜等へのケア、仕上がりを意図した調合物の調製に質感付与剤(texturizing agent)が頻繁に用いられる。その主たる機能は、それらが含められる調合物、もしくはそれらが使用される基体の感覚特性及びレオロジー特性を改善することである。化粧料に使用される質感付与剤の例としては、ポリ(メチルメタクリレート)(Micropearl(登録商標))から形成される粉末、ポリアミド(Nylon(登録商標))から形成される粉末、シリコーン(DC9506(登録商標)、Polytrap(登録商標))から形成される粉末、または修飾澱粉(Dry Flo(登録商標))が挙げられる。これら粉末の中には、塗る際のソフト感や、長時間持続するパウダー感を使用者に提供するものや、塗る際に経験するぬめぬめ感を抑制し、長期間に亘るマット化(mattifying)効果を生むものがある。
【0003】
使用時のソフト感効果と、肌上での優れた保持効果を併せ持たせるために、ある種のアミノ酸誘導体(例えば、N−ラウロイルリシン)が化粧料調合物に加えられることがある。この効果は、アミノ酸を含む様々な化合物を用いての、粉末の表面処理による効能によってもまた得られる場合がある。
【0004】
また、調合物には、その流動特性を修飾するために、また塗布される表面全体における分布の均質性を改善するために、またその同じ表面上における保持性を改善するために、天然由来繊維(例えば、セルロース又は綿繊維)、または合成繊維(例えば、ポリエチレン、テフロン(登録商標)又はポリエステル繊維)が加えられる場合もある。
【0005】
また、調合物には、その潤滑性を調整し、基体上における滑らかな流れ、もしくはのびを促進するために、特定の充填剤(例えば、タルク、マイカ、セリサイト)または複合充填剤が使用されることもある。
【0006】
また、これら調合物には、その使用時の透明性またはカラーを調整するために、顔料充填剤の他のタイプ(例えば、酸化チタニウム、酸化亜鉛又は酸化鉄)が含められることもあるが、これはその最終的な特質に影響を及ぼす。
【0007】
これら粉末は、非粉末型又は加圧成形型の調合物、もしくは連続油相を有する調合物(例えば、油中水系エマルジョン、シリコーン中水系エマルジョン)、棒状及び他の加圧成形調合物の調製によく適合する。
【0008】
これとは対照的に、これら粉末は、連続水相を有する媒体中(例えば、ローション、ゲル、クリームゲル又は水中油系のエマルジョン)での使用が困難であることが多い。そして、粉末の優れた分散性並びに調合物の優れた安定性の双方を得るために、各粉末及び各調合物ごとに特殊で費用のかかる予備研究を行う必要がある。
【0009】
さらに、これら調合物には、含まれる他の成分との適合性を向上させるために、安定剤との組合せにおけるMicropearl(登録商標)型の親水性マイクロポーラス微笑球の使用、または表面処理された粉末の使用のいずれかが必要となることが多い。しかしながら、後者の場合には、適切な処理は選択される調合物に特異的であり、その上、調合物について選択される処理粉末の該調合物内における安定性の研究を必須とする。結局のところ、最終溶液は、低量の油相が存在しようと存在しまいと、水性連続層の調合物について通常不安定である。
【発明の開示】
【0010】
かかる理由のため、化粧料の研究において、SEPPIC社は、非粉末または加圧成形粉末型の固体調合物において、連続油相を有する調合物、または少量の油相を含む、もしくは油相を含まない、連続水相を有する調合物と同じくらい使用が容易である新規なレオロジー修飾試薬の開発について鋭意研究を行った。
【0011】
本発明の内容は、油相、水相、少なくとも1の油中水(W/O)系乳化剤、および少なくとも1の水中油(O/W)系乳化剤を含有し、20重量%乃至70重量%の、好ましくは25重量%乃至50重量%の架橋アニオン性高分子電解質を含有する逆ラテックスの形態の組成物であって、前記高分子電解質は、部分的もしくは完全に塩化された2−メチル−2−[(1−オキソ−2−プロぺニル)−アミノ]−1−プロパンスルホン酸と、少なくとも1の中性モノマーおよび任意に少なくとも1の弱酸性官能基を有するモノマーとが重合したコポリマーであり、部分的もしくは完全に塩化された2−メチル−2−[(1−オキソ−2−プロぺニル)−アミノ]−1−プロパンスルホン酸のモル比は、30%未満1%以上であることを特徴とする、逆ラテックスの形態の組成物である。
【0012】
「油中水系乳化剤」とは、油中水系エマルジョンを与えるのに十分に低いHLB値を有する界面活性剤を意味し、例えば、ポリエチレングリコール/ポリ(ヒドロキシステアリン酸)ブロックコポリマー型の界面活性剤ポリマー、あるいは、例えばMontane(登録商標)80の名称においてSEPPIC社により販売されているソルビタンモノオレアート、Montane(登録商標)70の名称においてSEPPIC社により販売されているソルビタンイソステアレート、Montane(登録商標)81の名称においてSEPPIC社により販売されている、5モルのエチレンオキシド(5EO)によりエトキシル化されたペンタエトキシル化ソルビタンオレアート、Simulsol(登録商標)OC72の名称においてSEPPIC社により販売されているジエトキシル化(2EO)オレオセチルアルコール、またはMontane(登録商標)83の名称においてSEPPIC社により販売されているソルビタンセスキオレアート等のソルビタンエステルが挙げられる。
【0013】
表現「水中油系乳化剤」は、水中油系エマルジョンを与えるのに十分高いHLB値を有する界面活性剤を意味し、例えば、Montane(登録商標)80の名称においてSEPPIC社により販売されている、20モルのエチレンオキシド(20EO)でエトキシル化されたソルビタンオレアート、Simulsol(登録商標)OL50の名称においてSEPPIC社により販売されている、40モルのエチレンオキシド(40EO)でエトキシル化されたポリエトキシル化ひまし油、Montane(登録商標)20の名称においてSEPPIC社により販売されている、20モルのエチレンオキシド(20EO)でエトキシル化されたポリエトキシル化ソルビタンラウレート、Montane(登録商標)85の名称においてSEPPIC社により販売されている、25モルのエチレンオキシド(25EO)でエトキシル化されたポリエトキシル化ソルビタントリオレアート、Simulsol(登録商標)P7の名称においてSEPPIC社により販売されている、7モルのエチレンオキシド(7EO)でヘプタエトキシル化ラウリルアルコール、Simulsol(登録商標)OC710の名称においてSEPPIC社により販売されている、デカエトキシル化(10EO)オレオセチルアルコール、又はG−1086(登録商標)及びG−1096(登録商標)の名称において販売されているポリエトキシル化ソルビタンヘキサオレアート等のポリエトキシル化ソルビタンエステルなどが挙げられる。
【0014】
表現「架橋アニオン性高分子電解質」は、水不溶性であるが水膨潤性の3次元ネットワークの形態において提供され、そのために化学ゲルの生成をもたらす非線状ポリマーを意味する。
【0015】
表現「中性モノマー」は、特にアクリルアミド、メタクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、2−ヒドロキシメチルアクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレート、ジアセトンアクリルアミド、またはこれらエステル各々の、400乃至1000の分子量を有するエトキシル化誘導体から選択されるモノマーを意味する。
【0016】
表現「弱酸性官能基を有するモノマー」は、特にカルボン酸を意味し、より詳細には、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、または3−メチル−3−[(1−オキソ−2−プロペニル)アミノ]酢酸であって、部分的もしくは完全に塩化された前記酸を意味する。
【0017】
表現「部分的もしくは完全に塩化された」は、2−メチル−2−[(1−オキソ−2−プロぺニル)アミノ]−1−プロパンスルホン酸または弱酸性官能基を有するモノマーについて意味し、特に、例えばナトリウム塩又はカリウム塩等のアルカリ金属塩、またはアンモニウム塩、または例えばモノエタノールアミン塩等のアミノアルコール塩、または例えばリシン塩等のアミノ酸塩のいずれかである。
【0018】
本発明に関して、表現「コポリマー」は、モノマーとして、少なくとも2−メチル−2−[(1−オキソ−2−プロペニル)アミノ]−1−プロパンスルホン酸と少なくとも1の中性モノマーを含有することを条件として、ターポリマー又はテトラポリマーも意味するものである。
【0019】
本発明の要旨は、より詳細には、アニオン性高分子電解質が、
ナトリウム塩の形態において部分的もしくは完全に塩化された2−メチル−2−[(1−オキソ−2−プロペニル)アミノ]−1−プロパンスルホン酸とアクリルアミドとのコポリマー、および
ナトリウム塩の形態において部分的もしくは完全に塩化された2−メチル−2−[(1−オキソ−2−プロペニル)アミノ]−1−プロパンスルホン酸、ナトリウム塩の形態において部分的もしくは完全に塩化されたアクリル酸、及びアクリルアミドのターポリマー、
から選択される上記に記載の組成物である。
【0020】
本発明の要旨は、より詳細には、アニオン性高分子電解質が、使用されるモノマーに関して表した場合に、0.005%乃至1%、好ましくは0.01%乃至0.5%、より好ましくは0.01%乃至0.25%のモル比においてジエチレン又はポリエチレン化合物と架橋されたことを特徴とする、上記に記載の組成物である。
【0021】
上記に記載の架橋剤は、好ましくは、エチレングリコールジメタクリレート、ジアリルオキシ酢酸もしくはその塩の1つ(例えば、ジアリルオキシ酢酸ナトリウム)、エチレングリコールジアクリレート、ジアリル尿素、トリアリルアミン、トリメチロールプロパントリアクリレート、またはメチレンビス(アクリルアミド)、もしくはこれら化合物の混合物から選択される。
【0022】
本発明の要旨は、より詳細には、アニオン性高分子電解質における2−メチル−2−[(1−オキソ−2−プロペニル)アミノ]−1−プロパンスルホン酸モノマーのモル比が2%以上20%以下を示す、上記に記載の組成物でもある。
【0023】
本発明の要旨である自己可逆性逆ラテックス(self-invertible inverse latex)は、通常、2.5重量%乃至15重量%、好ましくは4重量%乃至9重量%の乳化剤を含有し、その乳化剤の全重量の20%乃至50%、特に25%乃至40%が油中水(W/O)系であり、全重量の80%乃至50%、特に75%乃至60%が水中油(O/W)系である。
【0024】
本発明の要旨である自己可逆性逆ラテックスにおいて、油相は通常、その全重量の15%乃至40%を示し、好ましくは20%乃至25%を示す。
【0025】
この油相は、通常、パラフィン、イソパラフィン又はシクロパラフィンのような飽和炭化水素であって、周囲温度における密度0.7乃至0.9、沸点180℃超を示す飽和炭化水素を含有する市販の鉱油(例えば、Isopar(登録商標)L、Isopar(登録商標)M、Exxsol(登録商標)D 100 S、又はMarcol(登録商標)等)、または植物油、またはグリセロールエステル(例えば、Softenol(登録商標)3108、Softenol(登録商標)3178、Softenol(登録商標)3100、Softenol(登録商標)3107、又はSoftenol(登録商標)3118等)、または脂肪酸、または合成油のいずれか、もしくはこれら油のいくつかの混合物から構成される。
【0026】
本発明の好ましい態様によれば、油相は、Marcol(登録商標)52、スクアラン、水素化ポリイソブテン、オクチルパルミテート、イソステアリルイソステアレート、イソドデカン、又はイソヘキサデカンから構成される。イソヘキサデカン(ケミカルアブストラクトでナンバーRN=93685−80−4として同定されている。)は、C16イソパラフィンを少なくとも97%含有するC12、C16および、C20イソパラフィンの混合物であり、その主成分は2,2,4,4,6,8,8−ヘプタメチルノナン(RN=4390−04−9)である。これはフランスでBayer社から市販されている。Marcol(登録商標)52は、フランス薬局方の液体ワセリンの規定に適合する市販の油である。これは、規則FDA 21 CFR 172.878およびCFR 178.3620(a)に従う白色鉱油であり、米国薬局方US XXIII(1995)、および欧州薬局方(1993)に含まれている。Softenol(登録商標)3819は、6乃至10個の炭素原子を含む脂肪酸トリグリセリドの混合物である。Softenol(登録商標)3108は、8乃至10個の炭素原子を含む脂肪酸トリグリセリドの混合物である。Softenol(登録商標)3178は、8乃至18個の炭素原子を含む脂肪酸トリグリセリドの混合物である。Softenol(登録商標)3100は、12乃至18個の炭素原子を含む脂肪酸トリグリセリドの混合物である。Softenol(登録商標)3107は、7個の炭素原子を含む脂肪酸トリグリセリドの混合物である。Softenol(登録商標)3114は、14個の炭素原子を含む脂肪酸トリグリセリドの混合物である。Softenol(登録商標)3118は、18個の炭素原子を含む脂肪酸トリグリセリドの混合物である。
【0027】
本発明で用いられる自己可逆性逆ラテックスは、通常、20%乃至50%の水を含有する。該逆ラテックスはまた、錯化剤、鎖転移剤(chain-transfer agent)、或いは鎖制限剤(chain-limiting agent)等の種々の添加剤を含有し得る。
【0028】
本発明の他の態様によれば、最後の要旨は、
a) モノマー及び所望により添加物を含有する水溶液を、1又は2以上の油中水系の乳化剤の存在下において油相中で乳化すること、
b) a)において形成したエマルジョン中にフリーラジカル開始剤を導入して重合反応を開始し、次いで反応を進行させること、
c) 重合反応の完了時に、1又は2以上の水中油系の乳化剤を50℃未満の温度において導入すること、
を特徴とする、上記に記載の組成物を調製する方法である。
【0029】
本方法の別の形態においては、段階b)で得られる反応媒体を、段階c)を実施する前に蒸留により濃縮する。
【0030】
上記に記載の方法の好ましい実施態様において、重合反応は、10℃以下の温度においてクメンヒドロペルオキシド/メタ重亜硫酸ナトリウム対等の酸化還元対により開始され、次いで準断熱的に40℃以上の温度まで、特には50℃以上の温度までにするか、もしくは温度変化を調節することにより行う。
【0031】
本発明の他の要旨は、上記に記載の逆ラテックスの共沸蒸留、沈殿、またはアトマイゼーションにより得られることを特徴とするポリマー粉末である。
【0032】
共沸蒸留、沈殿、またはアトマイゼーション操作は、当業者が従来技術に従いポリマーにおいて実施しており、その操作条件は文献に記載されている。
【0033】
本発明の他の要旨は、化粧料、皮膚医薬、又は医薬局所組成物の調製における上記に記載の逆ラテックスまたはポリマー粉末の使用、並びにそれらを含有する前記化粧料、皮膚医薬、又は医薬局所組成物である。
【0034】
美容的にまたは薬学的に許容され得る粉末又は繊維、もしくは前記粉末又は繊維を含有する連続油相を有するエマルジョンに基づく固体局所組成物は、より詳細には、本発明に係る組成物が使用される化粧料、皮膚医薬又は医薬局所組成物を目標としている。
【0035】
表現「美容的にまたは薬学的に許容され得る粉末」とは、特に、無機又は有機であり、親水性または疎水性である合成又は天然由来の粉末であって、平均粒径が約0.01μm乃至約250μm、好ましくは1μm乃至50μmであり、微粉化されていてもいなくてもよく、いかなる形態であってもよいが、特には繊維形態、層状形態、または球形態であり、所望により表面処理が施されている粉末を意味する。例としては、アクリル酸及びメタクリル酸のコポリマー、又はそれらのエステル体、澱粉、シリカ、カルシウム、ケイ酸マグネシウム又はバリウム、リン酸カルシウム、窒化ホウ素、ラウロイルリシン、シリコーン樹脂粉末、炭酸カルシウム又はマグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄、及び他の無機又は有機顔料、もしくはこれら粉末の混合物が挙げられる。
【0036】
繊維の例としては、コットン、セルロース又はキトサン繊維等の天然繊維、または、ポリアミド繊維(例えばNylon(登録商標)繊維)、Rayon(登録商標)繊維、Viscose(登録商標)繊維、酢酸セルロース繊維、ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)繊維(Kevlar(登録商標)等)、ポリエチレン又はポリプロピレン繊維、ガラス繊維、炭素繊維、Teflon(登録商標)繊維、ポリエステル繊維、ポリ(塩化ビニル)繊維、ポリ(ビニルアルコール)繊維、ポリアクリロニトリル繊維、ポリウレタン繊維、又はポリ(エチレンフタレート)繊維等の合成繊維が挙げられる。層状形態にある粉末の例としては、タルク、マイカ、酸化チタン被覆マイカ又はセリサイトが挙げられる。球形態にある粉末の例としては、0.5m/g以上の比表面積を有するマイクロポーラス微小球から形成されるポリ(メチルメタクリレート)(文献によってはPMMAと表記されることがある。)があり、例えばMicropearl(登録商標)M305、Micropearl(登録商標)M305、Micropearl(登録商標)M100、Micropearl(登録商標)M201又はMicropearl(登録商標)M310の名称において販売されているものが挙げられる;ブチルアクリレート、1−メチルプロピルアクリレート、2−メチルプロピルアクリレート、1,1−ジメチルエチルアクリレート、ブチルメタクリレート、1−メチルプロピルメタクリレート、2−メチルプロピルメタクリレート又は1,1−ジメチルエチルメタクリレートから選択される1又は2以上のモノマーとメチルメタクリレートとのコポリマー又はターポリマーがあり、例えばMicrosphere(登録商標)の名称において販売されているものが挙げられる;微小球シリカがあり、例えばSilica Beads(登録商標)又はPolytrap(登録商標)の名称において販売されているものが挙げられる;ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル又はポリアミド等の熱可塑性樹脂から形成された中空微小球があり、例えばOrgasol(登録商標)の名称において販売されているものが挙げられ、またはポリエステルから形成された中級微小球があり、例えばExpancel(登録商標)の名称において販売されているものが挙げられる;有機又は無機材から形成されたマイクロカプセルがあり、例えばMacrolite(登録商標)の名称において販売されているものが挙げられる。
【0037】
本発明の他の要旨は、
−5重量%乃至80重量%の少なくとも1の上記に記載の組成物、及び
−20%乃至95%の美容的にまたは薬学的に許容され得る粉末、
を含有する混合物を本質的に含有する局所組成物の調製に用いられる濃縮物である。
【0038】
第一の特定態様において、上記に記載の濃縮物は上記に記載の粉末を少なくとも50重量%含有する。
【0039】
第二の特定態様において、上記に記載の濃縮物は均一な粉末の形態である。
【0040】
本発明の他の要旨は、上記に記載の濃縮物を、自己可逆性逆ラテックスと粉末とを単純混合することにより調製する方法である。
【0041】
本発明の要旨である濃縮物は、液体又は固体組成物である化粧料又は薬学的組成物の質感付与剤として使用される。粉末単独で使用される場合に比較して改善された良好なソフト感、または粉末単独で使用される場合に比較して優れた肌への密着性に関する濃縮物の物質的及び感覚的特性、並びに最終組成物において均一に懸濁され得るその性能は、最終組成物を特にファンデーション、メーキャップ粉末、マスカラ又はリップスティック等の固体組成物に適したものとする。
【0042】
液体組成物に濃縮物が使用される場合、特にエマルジョン、ローション又はゲルであり得、より詳細にはスプレー可能な組成物、もしくは織物又は紙、より詳細にはワイプ又は肌色矯正紙に含浸される他の溶液であり得る。
【実施例】
【0043】
以下に本発明の実施例を示すが、本発明がこれにより制限されるものではない。
例1:ナトリウム塩形態において部分的または完全に塩化され、トリアリルアミンにより架橋された2−メチル−2−[(1−オキソ−2−プロペニル)−アミノ]−1−プロパンスルホン酸(AMPS)とアクリルアミド(AM)とのコポリマー(AMPS/AM=5/95)
下記を攪拌しながらビーカーに加える:
− 脱イオン水 350g
− 市販の2−メチル−2−[(1−オキソ−2−プロペニル)アミノ]−1−
プロパンスルホン酸のナトリウム塩の55重量%溶液 69.2g
− アクリルアミド 236.1g
− 市販のナトリウムジエチレントリアミンペンタアセテートの40%溶液
0.45g
− トリアリルアミン 0.36g。
【0044】
上記水相のpHを3.5に調整し、脱イオン水を加えて水相量を680gとする。
【0045】
同時に、下記を攪拌しながらビーカーに連続的に導入し有機相を調製する:
− Exxsol(登録商標)D 100 220g
− Montane(登録商標)80 VG 27.5g
(Seppic社製ソルビタンオレアート)
− アゾビスイソブチロニトリル 0.1g。
【0046】
水相を有機相に徐々に加え、次いでIKAにより市販されているUltra Turrax(登録商標)タイプの装置を用いて激しく機械的攪拌する。
【0047】
次いで、得られるエマルジョンを重合反応器に移し、酸素を除去するために有用な窒素を注入し、約8−10℃まで冷却する。
【0048】
次いで、クメンヒドロペルオキシドの0.42重量%イソヘキサデカン溶液5mlを加える。
【0049】
次いで、溶液が良好に均一化するのに十分な時間おいた後、メタ重亜硫酸ナトリウム水溶液(水100ml中に0.2g)を0.5ml/分の割合で加える。これを約60分に亘り実施する。
【0050】
この添加の間、重合反応器の温度を最終重合温度まで上昇させる。次いで、反応媒体をこの温度で約90分間維持する。化合混合物を約35℃の温度に冷却し、35gのヘプタエトキシル化(7EO)ラウリルアルコールをゆっくり加える。
【0051】
濾過して得られる逆ラテックスを収集する。
【0052】
例2:ナトリウム塩形態において部分的または完全に塩化され、トリアリルアミンにより架橋された2−メチル−2−[(1−オキソ−2−プロペニル)−アミノ]−1−プロパンスルホン酸(AMPS)とアクリルアミド(AM)とのコポリマー(AMPS/AM=15/85)
下記を攪拌しながらビーカーに加える:
− 脱イオン水 270g
− 市販の2−メチル−2−[(1−オキソ−2−プロペニル)アミノ]−1−
プロパンスルホン酸のナトリウム塩の55重量%溶液 218.6g
− アクリルアミド 181.0g
− 市販のナトリウムジエチレントリアミンペンタアセテートの40%溶液
0.45g
− トリアリルアミン 0.36g。
【0053】
上記水相のpHを3.5に調整し、脱イオン水を加えて水相量を680gとする。
【0054】
同時に、下記を攪拌しながらビーカーに連続的に導入し有機相を調製する:
− Exxsol(登録商標)D 100 220g
− Montane(登録商標)80 VG 27.5g
(Seppic社製ソルビタンオレアート)
− アゾビスイソブチロニトリル 0.1g。
【0055】
水相を有機相に徐々に加え、次いでIKAにより市販されているUltra Turrax(登録商標)タイプの装置を用いて激しく機械的攪拌する。
【0056】
次いで、得られるエマルジョンを重合反応器に移し、酸素を除去するために有用な窒素を注入し、約8−10℃まで冷却する。
【0057】
次いで、クメンヒドロペルオキシドの0.42重量%イソヘキサデカン溶液5mlを加える。
【0058】
次いで、溶液が良好に均一化するのに十分な時間おいた後、メタ重亜硫酸ナトリウム水溶液(水100ml中に0.2g)を0.5ml/分の割合で加える。これを約60分に亘り実施する。
【0059】
この添加の間、重合反応器の温度を最終重合温度まで上昇させる。次いで、反応媒体をこの温度で約90分間維持する。化合混合物を約35℃の温度に冷却し、35gのヘプタエトキシル化(7EO)ラウリルアルコールをゆっくり加える。
【0060】
濾過し、これにより得られる逆ラテックスを収集する。
【0061】
例3:ナトリウム塩形態において部分的または完全に塩化された2−メチル−2−[(1−オキソ−2−プロペニル)−アミノ]−1−プロパンスルホン酸(AMPS)及びアクリル酸(AA)と、アクリルアミド(AM)とのトリアリルアミンにより架橋されたターポリマー(AMPS/AA/AM=10/10/80)の逆ラテックスの調製
エクソンケミカルズ(Exxon Chemicals)により市販され、シクロパラフィン及びパラフィン炭化水素の混合物からなるExxsol(登録商標)D100の220g中に、27.5gのMontane(登録商標)80を加えて有機相を調製する。そこに0.1gのアゾビスイソブチロニトリルを加える。
【0062】
同時に、下記を導入することにより水相を調製する:
− 水 270g
− アクリルアミド 199.0g
− 市販の2−メチル−2−[(1−オキソ−2−プロペニル)アミノ]
−1−プロパンスルホン酸ナトリウム塩の55%溶液 145.7g
− アクリル酸 25.0g
− 水酸化ナトリウムの50%溶液 20g
− トリアリルアミン 0.18g
− 市販のナトリウムジエチレントリアミンペンタアセテートの40%溶液
0.45g。
【0063】
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を必要量(約3g)加えることにより水相のpHを5.3に調整する。
【0064】
次いで、水を加えて水相の合計量を680gに調整する。
その後、水相を油相中に攪拌して分散させ、次いでUltra Turrax(登録商標)又はSilverson(登録商標)タイプのタービンミキサーを用いる有意なシアリング(shearing)作動を施す。次いで、このようにして得られる逆相エマルジョンに、窒素を注入して溶解している酸素を除去する。逆相エマルジョンを約8−10℃に冷却した後、酸化/還元対としてクメンヒドロペルオキシド/メタ重亜硫酸ナトリウムを添加して重合反応を開始する。温度を約80℃まで上昇させる。その後、反応の終了を示す固定相が得られる温度まで重合反応を進行させる。続いて、反応媒体をこの温度で維持し、残渣モノマーを除去する。次いで、7モル含有エトキシル化ラウリルアルコール35gを約35℃において加える。濾過し、これにより得られる逆ラテックスを収集する。
【0065】
例4:ナトリウム塩形態において部分的または完全に塩化された2−メチル−2−[(1−オキソ−2−プロペニル)−アミノ]−1−プロパンスルホン酸(AMPS)及びアクリル酸(AA)と、アクリルアミド(AM)とのトリアリルアミンにより架橋されたターポリマー(AMPS/AA/AM=2/5/93)の逆ラテックスの調製
Exxsol(登録商標)D100の220g中に、27.5gのMontane(登録商標)80を加えて有機相を調製する。そこに0.1gのアゾビスイソブチロニトリルを加える。
【0066】
同時に、下記を導入することにより水相を調製する:
− 水 270g
− アクリルアミド 231.0g
− 市販の2−メチル−2−[(1−オキソ−2−プロペニル)アミノ]
−1−プロパンスルホン酸ナトリウム塩の55%溶液 72.8g
− アクリル酸 5.0g
− 水酸化ナトリウムの50%溶液 4g
− トリアリルアミン 0.36g
− 市販のナトリウムジエチレントリアミンペンタ
アセテートの40%溶液 0.45g。
【0067】
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を必要量(約3g)加えることにより水相のpHを5.3に調整する。次いで、水を加えて水相の合計量を680gに調整する。その後、水相を油相中に攪拌して分散させ、次いでUltra Turrax(登録商標)又はSilverson(登録商標)タイプのタービンミキサーを用いる有意なシアリング(shearing)作動を施す。次いで、このようにして得られる逆相エマルジョンに、窒素を注入して溶解している酸素を除去する。
【0068】
逆相エマルジョンを約8−10℃に冷却した後、酸化/還元対としてクメンヒドロペルオキシド/メタ重亜硫酸ナトリウムを添加して重合反応を開始する。温度を約80℃まで上昇させる。その後、反応の終了を示す固定相が得られる温度まで重合反応を進行させる。続いて、反応媒体をこの温度で維持し、残渣モノマーを除去する。次いで、7モル含有エトキシル化ラウリルアルコール35gを約35℃において加える。濾過し、これにより得られる逆ラテックスを収集する。
【0069】
例5:懸濁特性−水性分散物の安定性
Micropearl(登録商標)M310と例2で調製される組成物とを、60/40の重量比で、単に攪拌のみにより混合し、本発明の濃縮物を調製した。次いで、その濃縮物の特性をMicropearl(登録商標)M310単独の特性と比較した。
【0070】
この比較のために、本発明による濃縮物の水性分散物と、コントロール粉末の水中2重量%の水性分散物を、解こうタービンミキサーを用いて機械的攪拌により調製した。次いで、本発明の濃縮物により、顕著な質感、優れた保存安定性、十分に調整可能な粘度を有する調製物を極めて簡便に調合することが可能となることが見出される。
【0071】
これら濃縮物は、もっぱら連続水相において全タイプのケア又はメークアップ組成物に有利に使用することができ、これは出発粉末が親水性(例えば、Micropearl(登録商標)M305)であっても、疎水性(例えば、Micropearl(登録商標)M310)であっても使用することができる。
【0072】
例6:シリコーン中水系エマルジョンの安定化効果
一連のシリコーン油中エマルジョンを、以下の配合に従い調製した。
A相
DC5225C(登録商標) 20重量%
DC345(登録商標) 10重量%
Sepicide(登録商標)HB 0.3重量%
濃縮物(Micropearl(登録商標)M310+
例2の組成物(8/2重量比) 5重量%
B相
水 q.s.100%
Sepicide(登録商標)CI 0.2重量%
グリセロール 5重量%
塩化ナトリウム 2重量%
製造手順
油相A(充填剤を含有する。)および水相Bを別々に計量し、スパチュラを用いて混合する。
【0073】
次いで、アンカースターラーにかけながら、数個の画分において水相を油相に導入する。約10分間攪拌し続けた後、エマルジョンをダイホモジナイザー(ALM(登録商標)ダイ A180)に移す。
【0074】
本発明による濃縮物は、低含率においても製造手順に修正を加えることなく製造されるエマルジョンの安定性を有意に改善することが、該濃縮物(Micropearl(登録商標)M310+例2の組成物(8/2重量比))を単独のMicropearl(登録商標)M310 5重量%に置き換えたエマルジョンの安定性と比較することにより観察される。
【0075】
例7:脂性肌用精製ローション
配合
A相
水 q.s.100%
グルコン酸銅 0.05%
グルコン酸亜鉛 0.15%
B相
Micropearl(登録商標)M310+
例1の組成物(75/25重量比) 3.50%
C相
Sepicide(登録商標)HB 0.30%
Sepicide(登録商標)LD 0.80%
芳香剤 0.10%
手順
微粉化合物を水中に攪拌しながら分散させることによりA相を調製し、次いで攪拌したままゲルにB相およびC相を加える。
【0076】
例8:ワイプ含浸用パウダー含有流体
配合
A相
水 q.s.100%
グリセロール 3.00%
Micropearl(登録商標)M310+
例3の組成物(60/40重量比) 2.4%
B相
Sepicide(登録商標)HB 0.30%
Sepicide(登録商標)LD 0.80%
芳香剤 0.10%
手順
微粉化合物を水中に攪拌しながら分散させることによりA相を調製し、次いで攪拌したままゲルにB相を加える。
【0077】
例9:ソフト感のあるスプレー可能な流体
配合
A相
水 q.s.100%
Micropearl(登録商標)M201+
例3の組成物(80/20重量比) 5.00%
B相
DC345(登録商標) 2.00%
C相
Sepicide(登録商標)HB 0.30%
Sepicide(登録商標)CI 0.20%
芳香剤 0.15%
Sensiva(登録商標)SC50 0.50%
手順
本発明に係る組成物を水中に攪拌しながら分散させることによりA相を調製し、次いで攪拌したままゲルにB相およびC相を加える。
【0078】
例10:アフターサンリフレッシングゲル
配合
A相
90°エタノール 20.00%
メントール 00.05%
B相
アクア/水 q.s.100%
Micropearl(登録商標)M201+
例4の組成物(80/20重量比) 10.00%
C相
Sepicalm(登録商標)VG 03.00%
芳香剤 00.10%
染料 q.s.
手順
メントールをエタノール中に溶解することによりA相を調製する。
【0079】
本発明に係る組成物を攪拌しながら水中に分散させることによりA相を調製し、その後ゲルが均一になった時にC相を、次いでA相をB相に加える。
【0080】
例11:身体の調子を整えるボディケア組成物
配合
A相
水 q.s.100%
Micropearl(登録商標)M305+
例1の組成物(80/20重量比) 8.50%
B相
Lanol(登録商標)99 5.00%
Sepicalm(登録商標)VG 1.00%
Sepilift(登録商標)DPHP 1.00%
C相
Sepicide(登録商標)HB 0.30%
Sepicide(登録商標)CI 0.20%
芳香剤 0.10%
手順
本発明に係る組成物を攪拌しながら水中に分散させる。
エステルを70℃に加熱し、次いでSepicalm(登録商標)VGおよびSepilift(登録商標)DPHPを加えることによりB相を調製する。
【0081】
このB相を攪拌しながらA相に加え、このようにして形成される混合物にC相も加える。
【0082】
例12:刺激性ケア組成物
配合
A相
水 q.s.100%
グリセロール 02.50%
Micropearl(登録商標)M310+
例3の組成物(80/20重量比) 15.00%
Sepitonic(登録商標)M3 01.00%
B相
Lanol(登録商標)99 05.00%
DC345(登録商標) 02.50%
C相
芳香剤 00.10%
Sepicide(登録商標)HB 00.30%
Sepicide(登録商標)CI 00.20%
手順
微粉化合物を水相に攪拌しながら分散させ、次いで、攪拌したまま油相Bを水相Aに導入する。C相を最終ゲルに加える。
【0083】
例13:リップスティック
配合
デシルオレアート 25.00%
二酸化チタン 6.44%
黄色酸化鉄 3.04%
A相
黒色酸化鉄 0.36%
染料”DC レッド7” 0.78%
染料”FDC イエロー6” 0.70%
染料”FDC ブルー1” 0.17%
Lanol(登録商標)99 q.s.100%
オゾケライト 11.75%
セチルリシノレアート 10.00%
B相
オクチルドデカノール 8.12%
蜜蝋 4.20%
トリイソステアリルリノレアート 5.00%
セチルパルミテート 4.50%
カルナウバ蝋(Copernicia cerifera)
2.28%
Sepilift(登録商標)DPHP 1.00%
Micropearl(登録商標)MHB+
例4の組成物(65/35重量比) 3.00%
C相
芳香剤 1.25%
トコフェリルアセテート 00.20%
手順
ビーズミルでA相を粉化する。
B相を85−90℃で融解し、次いであらかじめ粉化したA相を攪拌しながら加える。完全に分散するまで混合物を攪拌する。
【0084】
C相を攪拌しながら加える。高温条件下においてペーストを鋳型に流す。
【0085】
例14:フェースパウダー
配合
Givobio(登録商標)GCu 0.50%
Lipacide(登録商標)C8G 0.50%
Lipacide(登録商標)UG 0.50%
A相
例1の組成物 2.00%
Micropearl(登録商標)MHB 3.00%
マイカ 50.00%
タルク 33.00%
染料”FDC イエロー6 レーク” 0.30%
染料”Ariabel Sienna” 0.20%
B相
Lanol(登録商標)99 5.00%
C相
ジメチコーン 5.00%
手順
全粉末(A相)を計量し、ブレードミル中で乾燥粉化する。
【0086】
B相を加え、A相と同じ時間、ミルを繰り返す。
【0087】
C相を加え、B相と同じミル操作を繰り返す。
【0088】
このようにして調製される粉末を、続いて圧力80×10PaにおいてKenwall(登録商標)手動コンパクターを用いてプレスする。
【0089】
例15:ファンデーション
配合
A相
水 9.50%
ブチレングリコール 2.00%
PEG−400 2.00%
Pecosil(登録商標)PS100 0.50%
水酸化ナトリウム q.s.pH=9
二酸化チタン 3.50%
タルク 1.00%
黄色酸化鉄 0.41%
赤色酸化鉄 0.15%
黒色酸化鉄 0.025%
B相
Montanov(登録商標)L 2.00%
Lanol(登録商標)99 4.00%
カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド 4.00%
C相
DC345(登録商標) 2.00%
キサンガム 0.30%
マグネシウムアルミニウムシリケート 1.00%
D相
水 q.s.100%
テトラナトリウムEDTA 0.05%
Micropearl(登録商標)M305+
例2の組成物(80%/20%) 2.00%
E相
Sepicide(登録商標)HB 0.50%
Sepicide(登録商標)CI 0.30%
芳香剤 0.20%
手順
A相の液体化合物を混合し、次いでpHを調節してから顔料を加える。この顔料相は、ビーズミルで粉化されている。
【0090】
続いて、B相を75℃において融解する。
【0091】
水も75℃にしてからD相を、次いでA相を加える。
【0092】
その後、C相をB相に加え、この混合物を高温水相に導入してから乳化剤の活性化を行う。
【0093】
次いで、乳剤を徐々に冷却し、30℃においてE相の組成物を加える。
【0094】
例16:着色クリームゲル
配合
A相
水 10.00%
ブチレングリコール 4.00%
PEG−400 4.00%
Pecosil(登録商標)PS100 1.50%
水酸化ナトリウム q.s.pH=7
二酸化チタン 2.00%
黄色酸化鉄 0.80%
赤色酸化鉄 0.30%
黒色酸化鉄 0.05%
B相
Lanol(登録商標)99 4.00%
カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド 4.00%
DC345(登録商標) 4.00%
Sepicide(登録商標)HB 0.30%
芳香剤 0.20%
C相
水 q.s.100%
テトラナトリウムEDTA 0.05%
Sepicontrol(登録商標)A5 4.00%
Sepicide CI
(イミダゾリジン尿素−Seppic) 0.20%
D相
Micropearl(登録商標)M100+
例3の組成物 17.5%
手順
A相の液体化合物を混合した後、顔料を添加し、次いでこの顔料相Aをビーズミルを用いて粉化する。
【0095】
D相を激しく攪拌しながらC相に導入する。ゲルが均一に形成された時、油相Bを加え、次いで最後に顔料ペーストAを加える。
【0096】
例17:水−シリコーンタイプの日焼け止めエマルジョン
配合
A相
DC5225C(登録商標) 20.00%
DC345(登録商標) 10.00%
Sepicalm(登録商標)VG 3.00%
二酸化チタン 5.00%
酸化亜鉛、Z−Cote(登録商標) 4.00%
例2の組成物 1.00%
Sepicide(登録商標)HB 0.30%
芳香剤 0.05%
B相
水 q.s.100%
Sepicide(登録商標)CI 0.20%
グリセロール 5.00%
塩化ナトリウム 2.00%
手順
A相を、シリコーンとSepicalm(登録商標)VGとを混合し、次いで無機充填剤を緩やかに攪拌しながら完全にウェットになるまで分散させ、次いで防腐剤と芳香剤を加えることにより調製する。
【0097】
水相Bを別に調製し、これをA相に適度に攪拌しながら徐々に導入する。全成分を導入した後、均一化段階となる。
【0098】
上記の例で使用した市販品の特性は、以下の通りである:
Micropearl(登録商標)M305:架橋ポリメタクリル酸メチルをベースとした光沢のある(silky)水分散性粉末;
Micropearl(登録商標)M310:架橋ポリメタクリル酸メチルをベースとした光沢のある(silky)疎水性粉末;
Micropearl(登録商標)M100:ポリメタクリル酸メチルをベースとした光沢のある(silky)水分散性粉末;
Micropearl(登録商標)M201:約1乃至5μmの粒子サイズを有する架橋ポリメタクリル酸メチルをベースとした光沢のある(silky)水分散性粉末;
Micropearl(登録商標)MHB:架橋ポリメタクリル酸メチルをベースとした光沢のある(silky)疎水性粉末;
Simulgel(登録商標)EG:コポリマーの自己可逆性逆ラテックスであり、例えば国際公報WO99/36445に開示され、Seppic社が販売している(INCI名:ナトリウムアクリレート/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレートコポリマーおよびイソヘキサデカンおよびポリソルベート80);
Simulgel(登録商標)NS:コポリマーの自己可逆性逆ラテックスであり、例えば国際公報WO99/36445に開示され、Seppicにより市販されている(INCI名:ヒドロキシエチルアクリレート/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレートコポリマーおよびスクアランおよびポリソルベート60);
Sepigel(登録商標)305:自己可逆性逆ラテックス(INCI名:ポリアクリルアミド/C13−14 イソパラフィン/laureth−7);
DC5225C(登録商標):シクロペンタシロキサンおよびジメチコンコポリオールの混合物であり、Dow Corningにより市販されている;
DC345C(登録商標):シクロメチコンであり、Dow Corningにより市販されている;
Dry Flo(登録商標):アルミニウムおよび琥珀酸オクテニルで修飾された澱粉であり、National Starchにより市販されている;
Mica1000(登録商標):マイカ粉末であり、Sciamaにより市販されている;
Aerosil(登録商標)200:Silicaであり、Degussaにより市販されている;
ZnO Neutral(登録商標):微粉化酸化亜鉛であり、Haarmann&Reimerにより市販されている;
Sepicide(登録商標)CI:イミダゾリジン尿素(防腐剤)であり、Seppicにより市販されている;
Sepicide(登録商標)HB:フェノキシエタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロペルパラベンおよびブチルパラベンの混合物(防腐剤)であり、Seppicにより市販されている;
Sepicide(登録商標)LD:フェノキシエタノールであり、Seppicにより市販されている;
Sensiva(登録商標)SC50:1−(2−エチルヘキシル)グリセロールであり、Schuelke&Mayrにより市販されている;
Sepicalm(登録商標)VG:例えば国際公報WO99/45899に開示された組成物であり、Seppicにより市販されている(INCI名:ナトリウムパルミトイルプロリンおよびスイレンアルバフラワー(Nymphaea alba flower)抽出物);
Sepilift(登録商標)DPHP:Seppicにより市販されている(INCI名:ジパルミトイルヒドロキシプロリン);
Sepitonic(登録商標)M3:アスパラギン酸マグネシウム、グルコン酸銅およびグルコン酸亜鉛の混合物であり、Seppicにより市販されている;
Givobio(登録商標)GCu:グルコン酸銅であり、Seppicにより市販されている;
Lipacide(登録商標)UG:ウンデシレノイルグリシンであり、Seppicにより市販されている;
Lipacide(登録商標)C8G:オクタノイルグリシンであり、Seppicにより市販されている;
Lanol(登録商標)99:イソノナン酸イソノニルであり、Seppicにより市販されている;
Lanol(登録商標)1688:エチルヘキサン酸セテアリルであり、Seppicにより市販されている;
Pecosil(登録商標)PS100:リン酸ジメチコンコポリオールであり、Phoenixにより市販されている;
Montanov(登録商標)L:C14−C22アルコール、およびC12−C20アルキルポリグリコシドをベースとする乳化剤であり、例えば欧州出願EP0995487に開示されている;
Sepicontrol(登録商標)A5:カプリロイルグリシン、サルコシンおよびシナモンジラニカム(Cinnamomum zeylanicum)の抽出物の混合物であり、例えば国際出願WO99/00109に開示され、Seppicにより市販されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油相、水相、少なくとも1の油中水(W/O)系の乳化剤、および少なくとも1の水中油(O/W)系の乳化剤を含有し、20重量%乃至70重量%の、好ましくは25重量%乃至50重量%の架橋アニオン性高分子電解質を含有する逆ラテックスの形態の組成物であって、前記高分子電解質は、部分的もしくは完全に塩化された2−メチル−2−[(1−オキソ−2−プロぺニル)−アミノ]−1−プロパンスルホン酸と少なくとも1の中性モノマーおよび任意に少なくとも1の弱酸性官能基を有するモノマーとが重合したコポリマーであり、部分的もしくは完全に塩化された2−メチル−2−[(1−オキソ−2−プロぺニル)−アミノ]−1−プロパンスルホン酸のモル比は、30%未満1%以上であることを特徴とする、逆ラテックスの形態の組成物。
【請求項2】
弱酸性官能基を有する前記モノマーが、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、または3−メチル−3−[(1−オキソ−2−プロぺニル)アミノ]−酪酸であって、部分的又は完全に塩化された前記酸から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記中性モノマーが、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレート、ジアセトンアクリルアミド、またはこれらエステル各々の、分子量400乃至1000のエトキシル化誘導体から選択される、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記アニオン性高分子電解質が、
ナトリウム塩形態において部分的または完全に塩化された2−メチル−2−[(1−オキソ−2−プロペニル)−アミノ]−1−プロパンスルホン酸とアクリルアミドとのコポリマー;
ナトリウム塩形態において部分的または完全に塩化された2−メチル−2−[(1−オキソ−2−プロペニル)−アミノ]−1−プロパンスルホン酸、ナトリウム塩形態において部分的または完全に塩化されたアクリル酸、及びアクリルアミドのターポリマー;
から選択される、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記架橋アニオン性高分子電解質において、2−メチル−2−[(1−オキソ−2−プロペニル)−アミノ]−1−プロパンスルホン酸モノマーのモル比が2%以上20%以下である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の組成物の共沸蒸留、沈殿、またはアトマイゼーションにより得られることを特徴とする、ポリマー粉末。
【請求項7】
化粧料、皮膚医薬、または医薬局所組成物の調製における請求項1乃至5のいずれか1項に記載の組成物、または請求項6に記載の粉末の使用。
【請求項8】
5重量%乃至80重量%の請求項1乃至5のいずれか1項に記載の少なくとも1の組成物、および20%乃至95%の美容的にまたは薬学的に許容し得る粉末を含む混合物を、本質的に含有する局所組成物の調製に用いられる濃縮物。

【公表番号】特表2008−506805(P2008−506805A)
【公表日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−520821(P2007−520821)
【出願日】平成17年7月8日(2005.7.8)
【国際出願番号】PCT/EP2005/053289
【国際公開番号】WO2006/005731
【国際公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【出願人】(398057293)ソシエテ・デクスプロワタシオン・デ・プロデュイ・プール・レ・アンデュストリー・シミック・セピック (27)
【氏名又は名称原語表記】SOCIETE D’EXPLOITATION DE PRODUITS POUR LES INDUSTRIES CHIMIQUES SEPPIC
【Fターム(参考)】