説明

弾性の接続バンドを有する防水の履物

下側のアッパーの端部と、下側の外側材の端部(19)を有する外側材と、外側材に覆われない機能層ゾーン(20)を備えた下側の機能層の端領域を有する防水機能層(16)と、アッパーの周辺方向に延び、外側材の端部(19)および下側の接続バンドの縦サイド(25)に接続された上側の接続バンドの縦サイド(23)を有し、機能層ゾーン(20)に少なくとも部分的に重なり、液化可能なシール材、あるいは、液状のシール材(37、41)が浸入することができる材料からなる接続バンド(17)と、を備え、接続バンド(17)は、下側の外側材の端部(19)の曲線位置に、各曲線上に配され、予め決められた標準のセクタ角度を有するアークセクタ用として、2つの接続バンドの縦サイド(23、25)の異なる曲率を備えた曲線の局部半径に対応する曲線通路を有し、このアークセクタに属する2つの接続バンドの縦サイド(23、25)のアーク長は、各アークセクタの増加する曲率を検討しながら、互いに次第に異なるようになっている靴のアッパー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴のアッパーと、これにより構成される履物に関し、このアッパーは、防水性を得るため、防水、好ましくは水蒸気透過性の機能層を備え、かつ履物のソール領域をシールするものに関する。また、このようなアッパーおよび履物を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
このような履物の例は、出願人の第EP0298360B1号に開示され、同公報には、アッパーの外側材は、防水機能層を有するアッパーのライニング材で裏打ちされている。このアッパーの外側材は、ソール側端でアッパーのライニング材より短く切断した結果、アッパーのライニング材の突出長は、アッパーの外側材を超える。突出長は、アッパーのライニング材にではなく、アッパーの外側材のソール側端まで縫合された縦サイドを有し、また、アッパーの外側材にではなく、アッパーのライニング材のソール側端まで縫合された他の縦サイドを有するネット状バンドによってブリッジ結合される。このネット状バンドは、好ましくはモノフィラメント繊維からなり、湿ったアッパーの外側材からソールの領域まで水を侵入させる水のブリッジを遮断する。もし、アッパーの外側材のソール側エッジがアッパーの外側材のソール側端まで延びていたとすれば、水クリープが、アッパーに沿って機能層のソール側エッジに達するとともに、そこからライニング内部に達して、靴の内部が湿ることになるだろう。この履物は、ネット状バンドや、アッパーの外側材に接続するシームが、それに埋め込まれる下側のアッパーの端部にそのような成形高さを有する鋳造製のアウトソールを備えている。ネット状バンドは、鋳造中に液体であるアウトソールの材料が、ネット状バンドに浸入することができ、アッパーのライニング材の突出長に達し、かつ、突出長の領域に配された機能層の一部をシールすることができるネット穴を有する。この履物の通気性を維持するために、機能層は、防水だけでなく、水蒸気透過性を有する。この既知の構造は、通気性に加えて、非常に高度で信頼性のある防水性を有する履物を製造することに成功してきた。
【発明の開示】
【0003】
このような解決策を有する煩わしさは、時折、アッパーがネット状バンドの領域に折目やゆがみを形成しやすいという点に存在し、とりわけその位置は、履物のソール外形が、特に子供用の靴に適用される、爪先やヒールの領域などの小さな曲率半径を有する位置である。もし、横の延長部を有するネット状バンドが、アウトソールにほぼ垂直に延びるなら、下側のアッパーの端領域が、アッパーの端領域の周辺のほとんどの位置でアウトソールから垂直に立上っておらず、斜傾向になっているため、折目やしわが形成され、特に柔らかい外側材を有する靴の爪先領域に生じる。もし、ネット状バンドが、アウトソールに平行に折られた下側のアッパーの端領域の領域に配されるなら、外側材の端領域とライニング材の端領域のエッジの異なる曲率により、折目が形成される。
【0004】
本発明の目的は、この点に関して解決策を見出し、折目の形成を避けることにある。
【0005】
この目的を達成するため、本発明は、請求項1に示されたタイプの靴のアッパーや、請求項46に示されたタイプの履物を利用する。さらに、本発明は、請求項57に示されたタイプの靴のアッパーの製造方法と、請求項92に示されたタイプの履物の製造方法を提供する。さらなる改良は、従属請求項に示される。
【0006】
本発明に係る靴のアッパーは、下側のアッパーの端部と、下側の外側材の端部を有する外側材と、外側材に覆われない機能層ゾーンを備えた下側の機能層の端領域を有する防水機能層と、アッパーの周辺方向に延び、外側材の端部と下側の接続バンドの縦サイドに接続された上側の接続バンドの縦サイドを有し、機能層ゾーンに少なくとも部分的に重なり、液化可能なシール材、あるいは、液状のシール材が浸入することができる材料からなる接続バンドと、を備えている。接続バンドは、下側の外側材の端部の曲線位置に、各曲線に配され、予め決められた標準のセクタ角度を有するアークセクタ用として、2つの接続バンドの縦サイドの異なる曲率を備えた曲線の局部半径に対応する曲線通路を有し、このアークセクタに属する2つの接続バンドの縦サイドのアーク長は、各アークセクタの増加する曲率を検討しながら、互いに次第に異なるようになっている。
【0007】
接続バンドの2つの縦サイドの曲線は、2つの接続バンドの縦サイドに接続される材料の異なる曲率にマッチするようになっている。
【0008】
本発明の一実施形態では、接続バンドの下側の接続バンドの縦サイドは、機能層に接続される。本発明の他の実施形態では、2つの接続バンドの縦サイドの間に配された接続バンド部は、機能層に接続される。本発明のさらに他の実施形態では、下側の接続バンドの縦サイドは、機能層の内側に配されたライニングに接続される。本発明のさらに他の実施形態では、下側の接続バンドの縦サイドは、機能層および/または前記ライニングの下端の延長部を構成する第2接続バンドの下側の接続バンドの縦サイドに接続される。本発明のさらに他の実施形態では、下側の接続バンドの縦サイドは、中間ソール、例えばインソールに接続される。なお、下側の接続バンドの縦サイドは、これらの部材のいくつかに接続されていてよい。
【0009】
本発明の実施形態では、凸状曲線を有する下側のアッパーの端部の位置では、第1接続バンドの上側の接続バンドの縦サイドのアーク長は、下側の接続バンドの縦サイドのアーク長よりも長くなっている。
【0010】
接続バンドの2つの縦サイドの曲線は、2つの接続バンドの縦サイドに接合させる材料の異なる曲率半径にマッチするようになっている。
【0011】
この書類では、凹凸は、後述のソール表面の中心から見た場合に、後に適用されるソールの周辺輪郭に対応する下側のアッパーの端部の周辺輪郭が、それぞれ、外側に膨らむとともに内側に引張られている、という意味である。
【0012】
アークセクタ、アーク長、および標準のセクタ角度という用語は、図13によって、後に説明する。
【0013】
本発明に係る履物は、このような靴のアッパーと、接続バンドの領域に配されるとともにアッパーの端部の周囲方向に延びているシール材ゾーンで機能層に防水シール機能を備えているシール材と、を備える。
【0014】
最初に述べたタイプの既知の履物では、下側のアッパーの端領域周辺が特に爪先領域やヒール領域用としての曲線を有する位置において、上側の接続バンドの縦サイドに接続された湾曲した外側材の端部、および、下側の接続バンドの縦サイドまたは2つの接続バンドの縦サイドの細田に配された接続バンドの領域に接続された湾曲材が、アーク長の差が局部の曲率の大きさに依存している異なるアーク長を有することを考慮に入れていなかったので、ネット状バンドの領域でアッパーに折目が形成された。もし、ネット状バンドが、アッパーの端領域周辺の異なる曲率にマッチしない、あるいはマッチできない従来の方法で適用されるなら、曲線の異なる曲率やアーク長のために、ネット状バンドの2つの縦サイドでゆがみのような折目が説明したように形成され、また、これらのゆがみは、ネット状バンド、特に、機能層の材料やライニング材に縫合される材料に移るかもしれない。もし適用可能であるなら、これらの材料は、一般的に外側材より柔らかいものである。このようなネット状バンドの折目あるいはしわは、折目の位置で、機能層までネット状バンドを浸入するシール材が、十分なあるいは十分均一な方法で機能層に達せず、また、ネット状バンドに隣接する機能層ゾーンのシールが、満足できる方法に至らないという結果になるかもしれない。機能層の材料、および/または、ライニング材、および/または、外側材に、折目が形成されることは、接着剤(セメント)のアッパーの場合の接着剤(セメント)用、および/または、アウトソールへの接着または接合用に、より厚い接着剤層を必要とし、これにより、折目が形成されない必要性より、高度なソール構造を招いてしまう。これは、鋳造製のアウトソールにも生じ、真直ぐなソールの側部エッジは、折目形成の際に、より高度に成形される必要がある。
【0015】
折目形成の問題は、円形に曲げられる際にこのネット状バンドの上側の縦サイドが下側の縦サイドより小さい円直径になっている円錐ネット状バンドを用いることにより、以前から減少してきている。製織工程によって製造されて比較的硬くなっているこのようなネット状バンドは、一方では製造が複雑であり、他方ではアッパーの端領域周辺限定の1つの所定の曲線にマッチしている。しかしながら、異なる曲線を有する位置では、折目形成の問題があり、かつ、円錐ネット状バンドが設計されている位置とは反対の曲線方向を有する位置では、折目形成の問題は、従来型のニュートラルなネット状バンドに比べて多くなっている。通常、円錐ネット状バンドは、靴の爪先領域またはヒール領域の曲線として設計される。ところが、通常、足の中央領域の内側では、靴は反対方向の曲線を有する。この位置では、円錐ネット状バンドは、その問題を減らすのではなく、その問題を一層悪化させる。
【0016】
この問題は、本発明に係る、アッパーの端領域周辺に沿った異なる曲率にマッチするように調整あるいは適合されたアッパーを有する履物により避けられる。この異なる曲率にマッチされた接続バンドは、曲率を特定の靴モデルにマッチさせる製造過程で既に備えられる。マッチできる接続バンドとしては、弾性のあるいは可塑性の膨張または伸縮が可能なバンドが用いられ、外側材の端領域との接続間、および下側の接続バンドの縦サイドに接続された部材との接続間、あるいは接続バンドの中央部分との接続間それぞれで、縦膨張の付勢(バイアス)を選択することによって得られる異なる曲率にマッチするようになっている。
【0017】
特に好ましのは、特に簡単な方法で、かつ、ある特定の靴モデルのためのデザインを要することなく、異なった曲率の状況にマッチすることができる、弾性的に膨張可能な接続バンドである。
【0018】
望ましい効果を得る、すなわち、折目形成を避けるためには、凸状湾曲を有する下側のアッパーの端部位置において、外側材以外の他の部材に接続された弾性の接続バンドの縦サイドが、弾性的に伸張可能な方法、および、縦膨張の付勢で、この他の部材に接続されている必要がある。上記他の部材は、機能層、ライニング、前述の第2接続バンドの下側の縦サイド、および/または、インソールあるいは別の中間ソールである。外部材の端部に接続された弾性の接続バンドの縦サイドが、必ずしも弾性的に伸張可能である必要はなく、また、必ずしも縦膨張の付勢で外側材の端部に接合される必要はない。弾性の接続バンドの両縦サイドが縦膨張の付勢で接続されている場合、必ずしもではないが、外側材の端部に接続された縦サイドの接続バンドとして、同様の縦膨張の付勢で接続バンドの下側の縦サイドに接合されるのが望ましい。
【0019】
この弾性の接続バンドを、その下側の縦サイドで、非伸張状態に戻ろうとする縦膨張の付勢で接合することによって、弾性の接続バンドの下側の縦サイドは、上側の縦サイドに対して短くなり、これにより、折目形成を回避することができる。
【0020】
また、同様に外側材の端部に接続する場合にも、弾性の接続バンドが縦膨張の付勢を受けるのは有効なことである。広範囲で達成される効果は、他の部材に接続された下側の縦サイドにおいて、弾性の接続バンドがカーブ間で収縮することにより、特に優れた方法で折目の形成を防げることである。接続バンドが縦膨張の付勢で外側材の端部に接合された後で、縦膨張の付勢で取り付けられた弾性の接続バンドを備えた外側材が収縮するので、機能層、および/または、ライニング材、および/または、他の部材を、縦膨張の付勢を有する接続バンドに取り付けるのが非常に容易である。したがって、特に、外側材および他の部材、例えばライニング材などが、アッパーの端部の周囲方向に同程度に伸びることができない場合に、縦方向付勢の新たなアプリケーションなしに、機能層、および/または、ライニング材、および/または、他の部材を、接続バンドに接続するのは、困難である。
【0021】
凸状湾曲を有する下側のアッパーの端部位置では、反対の方法、すなわち、弾性の接続バンドの上側の縦サイドを縦膨張の付勢を有する外側材の端部に接続するのが望ましい。
【0022】
本発明に係る実施形態では、少なくとも1つの接続は、縫合によってなされている。
【0023】
アッパーを靴型(ラスト)まで引っ張る場合、弾性の接続バンドは、非常に簡単な方法で接続バンドをソール側の靴型エッジの下に引き出すことができる。弾性の接続バンドは、その縦膨張の付勢により、後で適用されるアウトソールに平行な位置になり、引き続いて行われる工程を容易にする。接続バンドは、しわや折目のない状態であり、特に、ソールの周辺輪郭の狭い曲率半径を有する靴、また特に先のとがった靴や小さな靴、例えば子供用の靴や小さなサイズの婦人靴では、このことが重要である。この折目の存在しないことにより、ネット状バンドのような接続バンドの設計は、シール材があらゆる位置で良好な方法でネット状バンドに浸入できるようにし、その結果、特に高品質に仕上げられた履物の永久防水性をもたらす。折目が存在しないので、細いソールを用いることが可能である。これは、特に、接続バンドを含めた下側のアッパーの端部の領域が下側の靴型エッジの回りで曲げられるとともにこの位置を維持する靴に、プラスの効果を有し、また、横サイズがアウトソールに対してほぼ垂直に延びる接続バンドを覆うので、アウトソールがアッパーに対して上方に突出するエッジを有する必要性がない。なぜなら、接続バンドの問題が解消し、下側の靴型エッジの下方に自由に折り畳まれ、アッパーで特に大きな高さまでソールのエッジを形成する必要がないからである。従って、水蒸気透過および通気性を有する機能層や、鋳造または接着されたアウトソールを使用する場合、非通気性のアウトソールのプラスチック材料は、この機能層の不必要に大きな領域を覆わず、かつ、その機能層の通気性を塞がない。よって、本発明に係る接続バンドは、履物の全体の通気性を大きくすることに寄与している。
【0024】
本発明の実施形態では、外側材から内側に離れた機能層には、別個の材質層の形態か、あるいは、機能層とライニング材とを含む層の構成部の形態で、ライニング材が設けられる。いずれの場合でも、機能層は、下側のライニング材のエッジまで延びていてよいし、あるいは、下側のライニング材のエッジ上方で所定の距離を終端としていてもよい。
【0025】
本発明の実施形態では、下側の機能層のエッジ、および/または、下側のライニング材のエッジは、大体、接続バンドの下側の接続バンドの縦サイドの高さで終端し、それに接合される。
【0026】
本発明の実施形態では、下側の機能層のエッジ、および/または、下側のライニング材のエッジは、接続バンドの下側の接続バンドの縦サイドの高さの上方で終端し、それにはまったく接合されず、あるいは、接続バンドの2つの接続バンドの縦サイドの間に位置する接続バンドの中間部に接合されない。下側の機能層のエッジ、および/または、下側のライニング材のエッジが、接続バンドの下側の接続バンドの縦サイドの上方で終端する実施形態では、下側の機能層のエッジ、および/または、下側のライニング材のエッジは、第2接続バンドを介して、第1接続バンドの下側の接続バンドの縦サイドに、および/または、中間ソール、例えばインソールなどに接合され、また、中間ソールおよびインソールを有さないソール構造の場合には結合ストリングで接合される。第2接続バンドは、第2接続バンドの2つの接続バンドの縦サイドの異なる曲線経路に関して、下側のアッパーの端部の周辺の局部曲線にマッチする第1接続バンドのように構成される。
【0027】
本発明に係る、外側材と、アッパーの外側材の内側に配置された防水機能層とから構成される靴のアッパーを製造する方法は、外側材片の内側の正確な位置に機能層片を配する場合に、機能層片の下側の端領域が、外側材によって覆われていない機能層のゾーンを有するように、アッパーの形状に切断された外側材片を提供する工程と、アッパー形状に切断された機能層片を提供する工程とを用いる。外側材片の下側のエッジは、その全周辺に亘って、液化可能なシール材、あるいは、液状シール材が浸入することができるシール材からなる接続バンドの上側の縦サイドに接合される。接続バンドは、各曲線上に配され、所定の標準セクタ角度を有するアークセクタ用として、曲線の局部半径に対応する2つの接続バンドの縦サイドの異なる曲率の曲線軌道を有し、このアークセクタに属する2つの接続バンドの縦サイドのアーク長は、各アークセクタの増加する曲率を検討しながら、増加方法で互いに異なるようになっている。
【0028】
本発明の実施形態では、アッパーの外側材で覆われない機能層のゾーンは、外側材の端領域に対して突出している機能層の端領域の長さによって構成される。
【0029】
本発明の実施形態では、接続バンドは、非多孔性である。
【0030】
本実施形態の第1変形例では、非多孔性の接続バンド、あるいはその一部は、熱エネルギ、無線周波エネルギ、赤外線エネルギ、あるいは紫外線エネルギによって活性化され、これにより、シール効果を改良する液体と粘着性の状態が一時的にもたらされる。例えば、接続バンドは、シール混合剤でコーティングされた基材(キャリア)としての弾性テキスタイルバンドを有する。
【0031】
本実施形態の第2変形例では、履物がインジェクション鋳造製の中間ソール、あるいはアウトソールを有し、接続バンド用の材料には、インジェクション鋳造時に高温の液体状態であるソール材によって溶解されたものが適用される。この場合の履物のソール側面部分は、鋳造製のソールによって形状が保持されることになるため、履物の安定性は、ソールの鋳造時に接続バンドを完全に溶解した場合にすでに保証される。
【0032】
非多孔性の接続バンドとして、例えばポリエチレン片を使用することができる。
【0033】
本発明の他の実施形態では、接続バンドは、多孔性、あるいは透過性であり、好ましくは液体のシール材によって透過できるような多孔性または透過性を有するネット状バンドの形状である。液体のシール材は、ソールのインジェクション鋳造時に液体であるソール材であるか、あるいは、特に、履物に接着アウトソールが設けられる場合に、キュア状態で防水にし、好ましくは完全に反応状態で防水にする反応性のホットメルト接着剤の形態のシール接着剤である。シール接着剤は、実質上、多孔性の接続バンドだけに適用され、反対側に位置する多孔性の接続バンドを有する機能層のゾーンの領域に機能層をシールする。
【0034】
接続バンドは、少なくとも下側の縦サイドにおいて弾性であることが重要であり、さらに、接続バンドの他の縦サイドは、少なくとも伸張可能、あるいは弾性である。
【0035】
本発明の実施形態では、ネット状バンドの2つの縦サイドを形成する2つの縦ウェブが、ネット状バンドの縦方向に等間隔を隔てた横ウェブで接続されつつ、多孔性、あるいは透過性の弾性のネット状バンドは、はしごの形状を有する。縦ウェブの少なくとも1つは、弾性であるが、横ウェブは、好ましくは剛性を有するか、あるいは非弾性である。ネット状バンドの実施形態では、縦ウェブは、天然ゴム、合成ゴム、ラテックス、あるいはエラストマー、例えばポリウレタン系繊維からなるが、横ウェブは、好ましくは、ポリアミド、ポリエステル、あるいは類似の非弾性材料からなる。
【0036】
このような形状の弾性のネット状バンドに関して、本発明に係る目的に適したいくつかの変形があり、例えば、
−両方の縦ウェブは、下側のアッパーの端部の曲線位置に形成された折目がないように100%で塑性的に変形する;
−両方の縦ウェブは、下側のアッパーの端部の曲線位置に形成された折目がないように100%で弾性的に変形する;
−両方の縦ウェブは、それぞれ、下側のアッパーの端部の曲線位置に形成された折目がないように、部分的に弾性的に変形可能で、並びに塑性的に変形可能である;
−2つの縦ウェブの一つは、部分的に弾性的に変形可能で、並びに塑性的に変形可能であり、かつ他の縦ウェブは、下側のアッパーの端部の曲線位置に形成された折目がないように、100%で塑性的に変形可能である;
−2つの縦ウェブの一つは、部分的に弾性的に変形可能で、並びに塑性的に変形可能であり、かつ他の縦ウェブは、下側のアッパーの端部の曲線位置に形成された折目がないように、100%で弾性的に変形可能である。
【0037】
弾性のネット状バンドを利用する本発明の実施形態では、ネット状バンドは、縦ウェブが、横糸、または横糸とともに織り込まれた縦糸またはたて糸で構成されるよう、織製によって製造される。縦糸は、縦ウェブだけの領域に設けられる。縦糸の縦ウェブの間にフリーになった中央部に、横糸は、横ウェブを構成する。横ウェブは、ネット状バンドがシール材に対して十分な透過性を与えるように互いに距離を設けて配されている。弾性を得るために、縦糸を構成する弾性の糸は、少なくとも縦ウェブの一つに属するものに関する限り、織製時に伸張する状態を維持する。特殊な要件に依存し、ネット状バンドは、異なるように設計することができる。縦ウェブの1つだけが弾性であり、両方の縦ウェブは弾性であり、両方の縦ウェブは異なる弾性からなり、また、ネット状バンドは、その長さ方向に沿って異なる弾性のゾーンを有し、例えば、履物の爪先とヒール領域に高い弾性、および履物の横の足領域に低い弾性を与える。
【0038】
可能性として、より小さな曲率半径の位置で、すなわち爪先やヒール領域で、全体の靴のアッパー周辺に対して、その長さ方向に亘って均一な弾性を有するネット状バンドを使用するのが好ましい。ネット状バンドは、足の縦サイドの領域より、高い縦膨張の付勢で伸び、外側材まで縫合することができる。
【0039】
本発明に係る解決策は、インソール付きの履物構造や、インソールなしの履物構造に等しく適している。
【0040】
インソールのない履物の場合、ソール側のアッパーの端部の領域は、結合ストリング(結縛するストリングとして既知)によって一体に結合される。インソールを有する履物の場合、アッパーの材料は、ストローベルジョイント、すなわち、アッパー材とインソールを接続するストローベルシームによって、あるいは接着剤または接合剤によって、下側のアッパーの端部の領域に属する結合許容量によってインソールの底側に結合することによって、インソールに接合される。一つで同じ履物への取り付け方法の接合利用は、同じように可能であり、例えば、機能層の端領域は、ストローベルシームによってインソールに接合され、外側材の端領域は、接着剤によってインソールに接合される。また、履物だけの長さ部分に渡って延びる部分的なインソールを備えた履物もあり、インソールが設けられた靴の長さ部分に接着剤を受ける。従って、弾性の接続バンドは、ストローベルシームによってインソール周辺端に接合され、あるいは、アッパーの外側材に接合されない接続バンドの縦サイドは、結合許容エッジに取り付けられる。
【0041】
弾性の接続バンドの利用は、接続バンドの縦サイドを縦膨張の付勢を受けてアッパーの外側材に接合する場合に、接続バンドのこの部分が、ソール側のアッパーの端領域の内側からほぼ垂直に延び、依然として適用されるアウトソールにほぼ平行に延びるように、アッパーの外側材に接合されない接続バンドの部分は、内側に折り曲げられる。このことは、接続バンドが、アウトソールに垂直に向けられ、および/または折目を有する場合と同じ高さである必要のない鋳造製または接着するアウトソールの横エッジまでに関する限り、有利である。
【0042】
特に、防水のインソールでもなく、中間ソールでもなく、防水のアウトソールでもないソール構造に対して、シート状の防水シール層は、依然として適用されるアウトソールに平行に延びて、下側のアッパーの開口がシール材のゾーンまでシールされるように、折りまたは曲げたオーバーアッパーの端領域の下側に適用される。シール層は、好ましくは、インソールのボトムサイドに接着され、あるいは、結合ストリングを備えてインソールのない構造の場合に、折り曲げられて一体に結合されたアッパーの端領域に接着されるシール板(専門家の間ではガスケットとして既知)である。実施形態では、シール板は、防水であって、好ましくは水蒸気透過性である。キャリア材層や、防水で好ましくは水蒸気透過性の機能層を含む薄膜構造である。
【0043】
特殊なソール構造によると、シール層は、また、中間ソール、あるいは、アウトソール、あるいは、またシール材層、例えばシール接着剤の形態であり、特に、アウトソールの内側、あるいはネット状バンドとして設計された接続バンドにだけ適用される反応性のホットメルト接着剤の形状である。
【0044】
(シール材自体を含む場合の)接続バンドによって、(多孔性あるいは透過性ネット状バンドを形成する場合の)接続バンドを介して機能層をシールする場合に、防水性に導く材料には適している。シール特性を備えた接着剤が、シール材として使用される場合、反応性のホットメルト接着剤は、履物のソール構造の領域で特に良好なシール効果がある点で、好ましい。十分な反応の前の液状態で、反応性のホットメルト接着剤は、一方で、特に高度なクリープ性能を有し、他方で、十分な反応状態で、特に高度で永続的な防水性を有する。反応性のホットメルト接着剤は、非常に簡単な手段で適用され、例えば、加熱によって接着するようにしつつ、接着テープ、あるいは接着ビードに広がり、散布され、あるいはその形状で、反応性のホットメルト接着剤は、非常に簡単な手段によって適用することができ、よって、機能層への十分な反応および永続的な接着が始まる前に、接続バンドの領域に取り付けられる。
【0045】
反応性のホットメルト接着剤、あるいは、機能層への他のシール材の接着は、反応性のホットメルト接着剤、あるいは他のシール材が、接続バンドに適用する場合、機能層に対して機械的に押される場合、特に親和的になる。この目的のため、好ましくは、反応性のホットメルト接着剤、あるいは他のシール剤、例えば非多孔性のポリテトラフルオロエチレン(商品名“テフロン(登録商標)”として既知)、シリコン、あるいはPE(ポリエチレン)によって湿らないスムーズな材料面を有し、反応性のホットメルト接着剤、あるいは他のシール剤に接着しない、例えば圧力パッドの形状の押圧装置が適している。この目的のために、好ましくは、押圧パッド、例えば、合成ゴムあるいは空気パッド、あるいは上述した材料、例えば非多孔性のポリテトラフルオロエチレンの一つのフィルムで覆われた圧力面を有するクッションの形状が使用され、あるいは、反応性のホットメルト接着剤または他のシール剤、および圧力パッドを設けたソール構造の間に圧力操作の前にフィルムを配置することができる。
【0046】
好ましくは、接着剤の接合領域に適用し、十分な反応で湿気を受けつつ、湿気によってキュアされた反応性のホットメルト接着剤が使用される。本発明の実施形態では、反応性のホットメルト接着剤は、接着剤が熱的に反応し、接合領域に適用され、同一物の十分な反応に対して湿気を受けやすく、熱的に反応し、湿気によってキュアすることができるように作用する。
【0047】
反応性のホットメルト接着剤は、活性化の前に、平均の分子重量が約3000ないし約5000g/molの範囲であり、比較的短い分子チェインで、非接着剤であり、活性化の後に、恐らく加熱によって、比較的短い分子チェインが長い分子チェインを形成するようにクロスリンクされる反応状態になり、これにより、主として湿潤環境の中でキュアする接着剤であると理解される。キュア時間の反応時、これらは接着剤である。クロスリンクするキュアの後に、反応することはできない。十分な反応は、分子チェインの3次元のクロスリンクに繋がる。この3次元のクロスリンクは、接着剤への水の浸入に対して特に強力な保護にはならない。
【0048】
本発明に係る目的に対して、例えば、ポリウレタンの反応性のホットメルト接着剤、合成樹脂、芳香性炭化水素合成樹脂、アリファチック(aliphatic)炭化水素合成樹脂、および濃縮合成樹脂、例えばエポキシ樹脂の形態である。
【0049】
特に、PU反応性ホットメルト剤と以下に称する、ポリウレタンの反応性ホットメルト剤が好ましい。
【0050】
本発明に係る履物の実用的な実施形態では、PU反応性のホットメルト剤は、IPATHERM S14−242の指定で、オーストリアのHPフラーオブウェルズ(Fuller of Wells)会社から入手することができるものを使用する。本発明の他の実施形態では、PU反応性のホットメルト剤は、ドイツのデュッセルドルフのヘンケル株式会社からマクロプラスト(Macroplast)QR 6202の指定で、入手することができるものを使用する。
【0051】
特に、水の不浸透性だけでなく、水蒸気浸透性でもある機能層が好ましい。これは、防水であるにも拘わらず、通気性のある防水靴の製造を許可する。
【0052】
本発明の実施形態では、アッパーのライニング材の機能層および/またはシール板は、膨張(ePTFE)によって微小多孔にするポリテトラフルオレチレンの層を有する。
【0053】
少なくとも1×10Paの水の浸入圧が補償されるなら、機能層に設けられるシームを適度に含めて、機能層は、防水と考えられる。機能層の材料は、1×10Paを超える水の侵入圧を良好に補償する。水の浸入圧は、100cmの機能層のサンプルに圧力を増しつつ、20±2℃の蒸留水が適用されるテスト法によって測定しなければならない。圧力は、1分あたり60±3cm水柱である。その場合、水の浸入圧は、サンプルの反対側に初めて水が現われる圧力に相当する。この手続の詳細は、1981年のISO基準の0811に記述されている。
【0054】
機能層は、150m×Pa×W−1より小さな水蒸気透過係数Retを有するなら、水蒸気透過であると推定される。水蒸気透過性は、ホーヘンシュタイン スキン モデルによって試験される。このモデル法は、DIN EN31092(02/94)あるいはISO 11092(1993)に記載される。
【0055】
靴の防水性は、例えば米国特許第5329807号公報で記載されるタイプの遠心分離機装置によって試験される。
【0056】
防水材には、水蒸気透過の機能層は、米国特許第4725418号公報および米国特許第4493870号公報に記述されるように、特に、ポリエーテルエステルおよびその層を含めて、ポリウレタン、ポリプロピレン、およびポリエステルである。しかし、特に、米国特許第3953566号公報および米国特許第4187390号公報の文献に例として記載されるように、膨張した微多孔性のポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)や、
親水性の飽和剤および/または親水性の層が設けられた膨張したポリテトラフルオロエチレンが好ましい。例えば、米国特許第4194041号公報の文献参照。微孔性の機能層は、平均の孔サイズが0.2μmと0.3μmの間にある機能層であると解釈すべきである。
【0057】
孔サイズは、米国、フロリダのヒアラースのクールター電子会社によって製造されるクールターポロメータ(商品名)で測定することができる。
【0058】
ePTFEが、機能層として使用されなら、反応性のホットメルト接着剤は、接合作業時に、この機能層の孔に貫通することができ、この機能層に反応性のホットメルト接着剤で機械的に固定する。ePTFEからなる機能層には、接合作業時に、反応性のホットメルト接着剤に接触する側に薄いポリウレタン層が設けられる。もし、PU反応性のホットメルト接着剤は、このような機能層との関連で使用されるなら、機能層にPU反応性のホットメルト接着剤とPU層との間に、機械的な接合だけでなく、化学的な接合も生じる。これは、機能層と反応性のホットメルト接着剤の間の特に親密な接合に導き、その結果、特に耐久性のある防水性が補償される。
【0059】
アッパー用の外側材の材料として、例えば革、あるいは繊維シート材が適している。繊維シート材は、例えば織製の織物、編物の織物、非織製の織物、あるいはフェルトでもよい。このような繊維シート材は、天然繊維、例えばコットンまたはビスコースからなり、合成繊維、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、またはポリオレフィンからなり、あるいは、少なくとも2つのこのような材料の混合からなる。
【0060】
機能層が使用される場合、通常、内部は、それに配されたライニング材を有する。機能層の薄層を形成するために機能層に時折接合するライニング材として、以前に、アッパーの外側材用として指示された同じ材料を使用してもよい。機能層の薄層も、2層以上を含み、ライニング層から離れた機能層の側で支持する織物であってもよい。
【0061】
本発明に係る履物のアウトソールは、例えばゴムまたは、プラスチック材、例えばポリウレタンなどの防水材から構成してもよく、あるいは、非防水からなるが、通気性材料、例えば、特に、革、ゴムまたはプラスチックのインレイを設けた革、あるいは、皮のインレイを設けたゴムまたはプラスチックから構成してもよい。非防水のアウトソール材の場合、少なくともソール構造が他の手段で防水にしない位置で、水蒸気透過性の機能層を設けた点で、アウトソールに、通気性を維持し、防水で製造してもよい。
【0062】
本発明に係る履物のインソールは、ビスコース、非織物、例えば、これに付加した溶融繊維、革、または接着剤で接合した革繊維であるポリエステル、非織物から構成してもよい。インソールは、ドイツのモックムールのテクソンモックムール会社のテクソンインソールという指定で入手できる。このような材料からなるインソールは、水透過性である。このような材料、あるいは他の材料からなるインソールは、防水材の層がその一表面または内部に配される点で防水である。この目的のために、ドイツ、ルードウィヒハーフェンのレノフレックス会社のキャッピング材料V25でできたフィルムをアイロンで適用することができる。もし、インソールが、防水であるだけでなく、水蒸気透過性であるなら、ePTFE(拡張した微多孔性のポリテトラフルオロエチレン)で好ましく構成された、防水の水蒸気透過性の機能層を備える。特に、例えば防水の水蒸気透過性の機能層を含む薄層であり、ドイツ、プッツブルンのW.L.ゴアアンドアソシエートの商品名トップドライの商品名で利用できる。
【0063】
追加の可能性は、インソールと、少なくとも下方から接合ライニング材の突起の上に、薄層(トップドライ)を接合する点を含み、これによって、アウトソールの接合前に既にアッパーを防水する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0064】
本発明は、実施形態によって詳細に説明する。図面は、異なる製造過程における本発明に係る履物のいくつかの実施形態を示す。
【0065】
以下に、上側(top)および底側(bottom)、または下側(lower)などの用語は、図面では逆さま状態の靴を図示しているが、通常の状態、すなわちアウトソールが下側を向いた状態に配された履物に関する。
【0066】
図1は、アッパー(甲)の外側材13と、アッパー(甲)のライニング材15と、外側材の端領域19とライニング材の端領域21を互いに結び付ける弾性のネット状バンド17とを有するアッパー(甲)11を示す。アッパー(甲)のライニング材15は、機能層16(図16参照)と、ライニング層18とを備え、別々の単層、あるいは層状の薄層でもよい。第1種類の実施形態では、機能層16およびライニング層18は、同じ延長部である。第2種類の実施形態では、下側のアッパーでの機能層16は、ライニング層18よりも短い。
【0067】
図2に拡大して示すように、ネット状バンド17は、横ウェブ27によって互に連結された第1のあるいは上側の縦ウェブ23と、第2あるいは下側の縦ウェブ25とを備える。図1で見られるように、第1縦ウェブ23は、第1シーム29を介して外側材の端領域19に、また、第2シーム31を介してライニング材の端領域21に接続される。
【0068】
少なくとも、第2縦ウェブ25は、弾性材からなり、縦延長部を斜めにし、ライニング材の端領域21まで縫合される。第1縦ウェブ23は、弾性材でよいが、必ずしも弾性材である必要はない。横ウェブ27は、弾性材でもよいが、好ましくは弾性でない方がよい。
【0069】
弾性のネット状バンド17の実施形態では、2つの縦ウェブ23、25は、ラテックスゴム、あるいは弾性の性質を備えた異なる(ゴム状)材料からなり、横ウェブ27は、ポリアミド、ポリエステル、あるいは類似の材料からなる。横ウェブ27の長さと、それらの相互間隔は、アッパーのライニング材15に設けられた、防水で水蒸気透過性の機能層に、ネット状バンド17を介してシール材で十分に湿らせるように、選択される。
【0070】
この好ましい弾性のネット状バンドの実施形態では、2つの縦ウェブ23、25がそれぞれ約3.5mmを占める幅約10mmであり、明瞭な間隔、すなわち露出した横ウェブ27の長さは、約3mmである。横ウェブ27は、約0.25mmの間隔で互いに隔てられている。一般に、横ウェブ間の距離は、特に、ネット状バンドが透過性を有するようなシール材の粘性を考慮しつつ、特殊な用途に従って選択される。
【0071】
スキーブーツの他の実施形態では、ネット状バンド17は、約15mmの幅である。
【0072】
上記寸法のネット状バンドの実施形態で、このバンドは、好ましくは、40%の天然ゴム、40%のモノフィラメントポリアミド、および20%のポリアミド繊維であり、天然ゴムや織製ポリアミド糸のたて糸あるいは縦糸を有し、織製の弾性バンドで構成される。
【0073】
このようなネット状バンドは、好ましくは、織製によって製造される。たて糸あるいは縦糸は、2つの縦ウェブ23、25の領域にだけ設けられる。その結果、よこ糸あるいは横糸は、2つの縦ウェブ23、25の間の領域で露出し、これにより、横ウェブ27を構成する。縦ウェブ23、25用の縦糸として、弾性、好ましくはゴム性の縦糸が使用され、非弾性、好ましくはポリアミドの縦糸も使用される。弾性のネット状バンド17の織製作業で、弾性の縦糸は、予め決められた範囲ごとに膨張したり伸張し、非弾性の縦糸は、伸張した弾性の縦糸に平行に配される。この状態で、縦糸は、横糸とともに織製される。織製後に、弾性の縦糸は縮むのに伴って、ネット状バンド17は、応力状態から開放される。
【0074】
このネット状バンドの製造時、横ウェブ27とともに、織製中、2つの縦ウェブ23、25用として異なる膨張あるいは弾性の特性を有するバンドを用いることによって、あるいは、2つの縦ウェブ23、25を伸張させることによって、2つの縦ウェブ23、25用として異なる弾性値を作ることができる。
【0075】
ネット状バンド17とアッパー11を一体に縫合する際に、先ず、第1縦ウェブ23は、第1縦ウェブ23の縦延長部を斜めにし、外側材の端領域19まで縫合される。第1縦ウェブ23を外側材の端領域19まで縫合する際に、まず、第2縦ウェブ25と横ウェブ27を有するネット状バンドの残りは、図1に示すようにアッパーのヒール部で内側に折り畳む。この折曲または屈曲は、縦膨張の付勢を有する外側材の端領域19に第1縦ウェブ23を縫合する作業の結果である。この折曲により、ネット状バンド17は、後で適用するアウトソールと、実質上、平行に延びる位置になる。この折曲は、アッパー11の爪先領域にも発生し、ほとんどの場合、その全長にわたってネット状バンド17をこの方法で折り曲げる。図1は、前足領域のネット状バンド17まで、アッパーのライニング材15の接続部をより良く示すために、アッパー11のヒール領域だけネット状バンド17が折り曲げられたものを示す。
【0076】
以下の図は、図1のものに引き続いて製造する段階で、本発明に係る履物の種々の実施形態を示し、それぞれ、下側の斜視平面図で、一部断面図であり、また部分断面図である。図3から図11、および図14から図16までに示す実施形態は、シール材、および/またはソール構造について互いに異なっている。
【0077】
図3、4は、本発明に係る履物の実施形態を示し、ストローベルシームによって貼付されたインソールと、これに接着または接合されるアウトソールとからなる。
【0078】
図1に示すようなネット状バンド17を有するアッパー11に基づいて、図3および図4に示された実施形態では、ストローベルシーム35によって、インソール33を弾性のネット状バンド17の第2縦ウェブ25に接続する。このネット状バンド17は、インソール33の平面上を延びている。
【0079】
ネット状バンド17の幅にほぼ対応する幅を超えて、ネット状バンド17は、これに適用する、例えばシール接着剤37などの形態でシール材を有し、アッパーの端領域の周辺方向に閉じられた環状のシール材のゾーンを構成する。ここでは、アッパーのライニング材15の機能層に達し、防水方法で同様にシールするために、シール接着剤37がネット状バンド17に入り込んでいる。
【0080】
適用するインソール33や、中間ソールあるいはアウトソール41に防水性がなければ、アウトソール41の方向に向けられたインソールの下側は、防水性にも拘わらず、靴のソール領域の通気性を維持するため、好ましくは水蒸気透過性である防水機能を有するシール板39(ガスケット)によって覆われる。シール板39は、図3に示すように、ネット状バンド17の外側エッジまでは延びる必要はない。また、ソール構造のシールの安全性を得るために、シール接着剤37を積み重ねたシール板39で、インソール33やストローベルシーム35を覆う延長部を有するようにしてもよい。
【0081】
使用されるシール接着剤37は、液状、非反応状態では良好なクリープ特性を有し、かつ、反応状態では高度で耐久性のある防水性を有するため、反応性ホットメルト接着剤、特にポリウレタンの反応性ホットメルト接着剤であるのが好ましい。液状で非反応状態において良好なクリープ特性であるため、反応性ホットメルト接着剤は、アッパーのライニング材15の機能層に達し、かつ、これを湿らせるので、弾性のネット状バンド17に特に高度な浸透力を有する。つまり、ネット状バンド17の横ウェブ間を流れる反応性ホットメルト接着剤を備え、これにより、反応性ホットメルト接着剤で機能層の全領域を湿らせた状態にすることができ、かつ、アッパーの外側材13を介して、ネット状バンド17に入ってきた水の浸入を防止して、アッパーのライニング材15の内側、すなわち靴の内側まで水を浸入させない。
【0082】
図5および図6に示す実施形態では、ソール側におけるアッパーの端領域の折曲部は、接着剤(セメント)によってインソール33に貼付される。接着剤(セメント)は、図6の断面図から分かるように永続セメントあるいは接着剤45によって永続的に接合される。
【0083】
また、この実施形態では、ネット状バンド17の下側(アウトソール41方向)に、好ましくは、図3および図4の実施形態に関して既述した反応性ホットメルト接着剤の形態で適用されるシール接着剤37がある。
【0084】
シール板39、あるいは全領域に亘って適用される反応性ホットメルト接着剤の連続層は、アウトソール41が防水でない場合にも、この実施形態で設けられる。
【0085】
図7から図9は、インソールのない靴の実施形態を示し、アウトソール41に平行に延びるソール側のアッパーの端領域は、結合ストリング49によって引張られて一体に結合される。この結合ストリング49は、結合ストリング通孔47で案内され、例えば図9に示すような方法で弾性のネット状バンド17の第2縦ウェブ25に取り付けられる。図7に示すように、結合ストリング通孔47は、結合ストリング49を保持し、引張ったり結べるように、ヒール域と爪先域の間周辺の靴の2箇所で開口している。
【0086】
この実施形態でも、ネット状バンド17は、好ましくは、反応性ホットメルト接着剤の形態で適用されるシール接着剤37を有し、その詳細については、図3に関する説明を参照する。
【0087】
図9は、結合ストリング通孔47がネット状バンド17に直接に取り付けられた実施形態を示し、図8は、まず、そこに結合ストリング49が通された個々のストリング通孔47は、ネット状バンド17の第2縦ウェブ25とライニング材の端領域21との間に第2シーム31によって縫合される。
【0088】
図7から図9に係る靴の構造は、中間ソールあるいはアウトソールでもよい防水材からなるソールを、アッパーの端領域の底側にインジェクションで鋳造し、ソール構造のシールに効果を有するように変えることができる。この場合、ガスケットも、シール材の層、あるいは反応性ホットメルト接着剤の層も必要としない。
【0089】
図10および図11は、シール材がソールのソール材料で構成される実施形態を示し、例えば、中間ソールあるいはアウトソール41でもよい。この実施形態では、ストローベルシーム35によりインソールをネット状バンド17に接合するまでの全製造工程は、図3および図4で図示して説明するのと同じ方法、あるいは図7から図9で説明する結合ストリングの方法によって行われる。図3および図4の実施形態とは異なり、図10および図11に係る実施形態は、シール接着剤37およびガスケット39を使用しない。図10および図11の実施形態では、靴は、鋳造製のソール41である。ソール41のインジェクション鋳造中に、液状であるソール材料は、ネット状バンド17を透過し、ネット状バンド17の領域でアッパーのライニング材15の機能層を湿らせ、この領域の機能層をシールする。図3および図7の実施形態で別々に適用されるシール接着剤37によって担われるシール機能は、図10の実施形態では、ソール接着剤によってなされる。
【0090】
鋳造によるアウトソール41がソール構造の全領域をシールするため、先の実施形態で示されるシール板39は、図10の実施形態には必ずしも必要ではない。
【0091】
図10の実施形態は、鋳造製のアウトソールだけを備える靴には適するが、図5および図7に係る実施形態は、非鋳造製、すなわち接着によるソールを用いることができ、このソールは、必ずしもシール板39を必要としないように、プラスチック製ソール、よって防水性のソールであり、あるいは、透水性のソール、例えば革である。その場合、シール板39には、好ましくは、シール板39が防水だけでなく、水−蒸気も透過する性質を有するソール構造の防水性を備えるようにしたものが推奨される。
【0092】
図12は、中間ソールあるいはアウトソールである鋳造製のソール41を含めて、接着剤(セメント)を使用する靴構造の部分断面図を示す。ソールのインジェクション鋳造中、液状のソール材料は、ライニング材15の機能層に達するまで、ネット状バンド17を透過させることによって、機能層がシールされる。したがって、ガスケットあるいはシール材は、必ずしも必要ではない。残りの部分については、図12の構造は、図6に示す構造と同一である。
【0093】
図13により、既述用語であるアークセクタは種々の長さで、標準のセクタ角度を説明する。図13は、それぞれ、外側材の端領域に接続される接続バンドの縦サイドと、ライニング材の端領域に接続される接続バンドの縦サイドを表す、外側および内側の、2つの楕円状アークを示す。高い楕円曲線位置や小さな楕円曲線位置で、2つの角度半径は、それぞれアークセクタS1とアークセクタS2を構成する。両方のアークセクタS1、S2は、同じ角度wであり、これを標準のセクタ角度という。アークセクタS1の角度半径は、外側楕円の外側アーク長BO1と、内側楕円の内側アーク長BF1との境界を決める。BOは、外側材のアーク長を意味し、BFは、ライニング材のアーク長を意味する。アークセクタS2の角度半径は、外側楕円の外側アーク長BO2と、内側楕円の内側アーク長BF2との境界を決める。アーク長BO1、BO2は、一方で、BO1とBF1の間、他方で、BO2とBF2の間の距離差を明瞭に指摘するため、太い線で、それぞれ、アーク長BF1、BF2に近接して、複写してシフトする。一方で、各セクタの外側と内側のアーク長の間に距離差があり、他方で、この距離差は、小さな楕円曲線位置より大きな楕円曲線位置で、明らかに大きくなることがわかる。
【0094】
このような距離差を均衡させることができない従来のネット状バンドを使用する場合、折目が形成される原因になる。本発明に係る接続バンドを使用する場合、このような距離差を均衡させる手段によって、折目が形成されるのを避けることができる。異なる楕円曲線位置で、外側と内側のアークの距離差を示すことは、一方で、従来使用されてきた円錐状の接続バンドは、折目が形成されるのを避けられないことを示し、他方で、異なる範囲の外側と内側のアーク長の差を、問題なく簡単な方法で補償することができる手段による弾性のネット状バンドが、特に好ましいものであることを示す。
【0095】
このような弾性の接続バンドを使用する場合、このバンドは、アッパーの端領域周辺の高い曲線位置でも、外側材の端領域とライニング材の端領域の周辺エッジ、すなわち弾性の接続バンドの両縦サイドで、異なるアーク長とマッチさせるために、塑性変形する前に、最小の弾性、すなわち最小の膨張を有する。弾性の膨張は、弾性の接続バンドが、接続バンド、および、外側の材料端から他端側でこれに縫合される材料において、折目が形成されるのを防ぐために、十分な縦膨張の付勢(バイアス)を備えたアッパーの外側材に縫合できるようにした。弾性の接続バンドの弾性復元力は、アーク長の補償に必要な付勢力(バイアスフォース)を有する接続バンドを設けるには十分である。特殊な靴形状や、アッパーの端領域周辺の最大曲線に依存するような縦膨張付勢や弾性復元力に対する、弾性の一般的な値や限界値を示すことができない。しかし、特殊な靴用の接続バンドの適当な弾性パラメータを確認して選択することは、当業者には容易である。
【0096】
弾性の接続バンドの弾性の縦ウェブ用の弾性材料として、特に天然ゴム、ゴム、弾性のプラスチック材で、例えば、合成天然ゴム、PVC、シリコン、PU、および、このような材料を組み込んだ材料からなるゴム製糸を有する織製材が適している。
【0097】
弾性の接続バンドは、少なくとも約20%の膨張がある。恐らく、接続バンドは、少なくとも約30%の膨張を有し、好ましくは少なくとも約40%で、さらに好ましくは約50%の膨張を有する。これらの膨張の値は、少なくとも40%の弾性膨張のシェアを含む。望ましくは、弾性膨張のシェアが100%である。特に、少なくとも外側の材料端に接続されず、例えばライニング材の端領域に接続される弾性の接続バンドの縦ウェブは、大きな曲線を有する下側のアッパーの端領域の周辺位置に折目が生じないようにするため、できるだけ大きな弾性膨張を有する。
【0098】
上述したサイズ(ネット状バンド10mmの幅、約3.5mmの縦ウェブ幅、約3mmの横ウェブの長さ、約0.25mmの横ウェブ距離)、および上述した材料(縦ウェブ:天然ゴムの縦糸、或はたて糸を有する編製の弾性バンド、および、40%の天然ゴム、40%の単繊維ポリアミド、20%の織製ポリアミドの混合材料を有する織製ポリアミド糸、
横ウェブ:ポリエステル)を有する、本発明に使用する弾性のネット状バンドの実用的な実施形態では、いくつかのサンプルを測定することによって以下の丸め誤差平均値が得られる。
− 50Nの伸張力で66%の伸び
− 100Nの伸張力で85%の伸び
− 150Nの伸張力で100%の伸び
− 206Nの伸張力で124%の破断伸び
【0099】
これと関連し、従来の履物で使用され、10mmの幅であるネット状バンドは、3つのサンプルから確認される次の平均値を有する。
− 50Nの伸張力で4%の伸び
− 100Nの伸張力で10%の伸び
− 150Nの伸張力で150%の伸び
− 360Nの伸張力で30%の破断伸び
【0100】
弾性や復元力の値は、1999年4月の欧州基準EN ISO13934−1に基づく張力試験測定によって決定される。
【0101】
伸張または膨張、および弾性について、テキスタイル分野で確立した次の定義は、この出願にも受け継がれる。
【0102】
[伸張または膨張について]
同一の初期長さについて材料の張力、伸長、あるいは膨張を対象とすることによって生じる。破断時の伸張または膨張で、弾性膨張と永久膨張の間には、ある種の区別がある。破断時に膨張する場合、破断時の延びが決定する。破断限界より負荷が小さい場合、材料の形状変更に繋がる非可逆的な永久膨張と対比すると、材料が膨張しても、負荷を解放すると元に戻る(弾性膨張)。
【0103】
[弾性について]
力(折曲、圧力、応力)を解放した後に、力の影響で引き起こされる材料の形状変更を元に戻すための材料性能。
【0104】
図14ないし図16によって、中間ソール、例えばインソールに接続するととともに、本発明に基づいて設計された下側のアッパーの端部の種々実施形態は、概略的な方法で、異なる形状についてさらに検討する。
【0105】
下側のアッパーの端部の4つの異なる設計タイプは、図14のAからDで示される。
【0106】
図14のAは、図1ないし図12ですでに示されており、これらの図に関して既に検討された設計タイプを示す。すなわち、このタイプでは、下側のアッパー材料の端部13は、接続バンド17によって下方に長くなっており、上側の外側材の端部13は、第1あるいは上側シーム29を介して接続バンド17の第1あるいは上側の縦ウェブ23まで接続される。また、アッパーのライニング材15の下端部は、第2あるいは下方の縦ウェブ25まで延びており、第2あるいは下側シーム31を介して同様に接続される。アッパーのライニング材15は、機能層16やライニング層18を有する。接続バンド17に隣接する領域の機能層は、機能層ゾーン20を有し、機能層16は、接続バンド17によって防水状にシールすることができる。その際、後者は、活性化可能なシール材からなる場合である。さらに、後者は、液状のシール材が浸入することができる材料からなる場合でもある。
【0107】
図14のBは、機能層16とライニング層18からなるアッパーのライニング材15は、2つの縦ウェブ23、25の間に位置する接続バンド17の領域で、接続バンド17の下側の縦ウェブ31を超えて終端している。アッパーのライニング材15は、2つの縦ウェブ23、25の間に位置する接続バンド17の中央部までシーム32によって接合される。接続バンドに浸入する液状のシール材は、この設計では、機能層ゾーン20に流れるだけでなく、機能層の下端部に位置する領域、すなわちアッパー構造を有する履物内部まで流れる。
【0108】
図14のCは、機能層16やライニング層18を含むアッパーのライニング材15も、接続バンド17の下側の縦ウェブ31を超えて終端するが、アッパーのライニング材15の下側端部は、第2接続バンド34によって、第1接続バンド17の下側の縦ウェブ25の高さまで長くなる。第2接続バンド34の上側の縦ウェブ36は、シーム32によってアッパーのライニング材15の下端に取り付けられる。しかし、第2接続バンド34の下側の縦ウェブ38は、別のシームによってアッパーあるいは履物構造の異なる部材にも取り付けられる。
【0109】
図14のDは、ライニング層18が第1接続バンド17の下側の縦ウェブ25まで延び、下側のシーム31によって、第1接続バンド17の下側の縦ウェブ25に接続するが、機能層16は、ライニング層18の下側の端部を超えて終端する。ライニング層18は、液状のシール材がそれに浸入することができる材料によって構成される場合、この設計タイプは、設計タイプBのように、液状のシール材が機能層ゾーン20に流れるようにするだけでなく、このようなアッパー構造を有する履物の内部領域まで入り込ませることもできる。さらに、設計タイプDは、設計タイプCと類似し、第2接続バンドによってその下側の機能層の端部を伸ばすことによって変形させることができる。しかし、設計タイプDには、別のシームによって、ライニング層18の下端部も、アッパー部材や履物構造の異なる部材に取り付けることができる。
【0110】
図15は、図14の種々アッパーの設計AからDを、AからDで示し、各々は、インソール33に対して垂直に伸びる接続バンド17や、オプションとして34を使用しつつ、中間ソール、例えばインソール33を有する。図示された実施形態のインソール33との接続は、ストローベルシームによってなされる。
【0111】
図16は、図14の種々アッパーの設計AからDを、AからDで示し、各々は、インソール33に対して平行に伸びる接続バンド17や、オプションとして34を使用しつつ、中間ソール、例えばインソール33を有する。図示された実施形態でインソール33への接続は、ストローベルシーム35によってなされるが、これは、アッパー構造の下端部とインソール33との間で接着剤(セメント)によってなされる。図16の設計AからDとは異なり、インソール、あるいは他の中間ソールの代わりに、各アッパー構造の下端部は、中間ソール、あるいはインソールを有さない履物、またはその長さ部分にだけ、結合ストリング通孔に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】図1は、第1実施形態に係る靴のアッパー下側の斜視的な平面図を示し、ネット状バンドを有する。
【図2】図2は、図1の実施形態で使用される弾性のネット状バンドの実施形態の斜視図を示す。
【図3】図3は、本発明に基づいて製造された靴を示し、ストローベルシームでされたインソールを有する
【図4】図4は、図3に係る構造の部分断面図を示す。
【図5】図5は、インソールのある靴の実施形態を示し、接着剤(セメント)を用いる。
【図6】図6は、図5に係る構造の部分断面図を示す。
【図7】図7は、インソールのない靴を示し、結合ストリング(ストリング結合)を用いる。
【図8】図8は、図7に示す構造の部分断面図を示す。
【図9】図9は、結合ストリング通孔と、図7で使用する結合ストリングを一体に有する弾性のネット状バンドの実施形態を示す。
【図10】図10は、インジェクション鋳造製のソールを備えた、本発明に係る靴の実施形態を示す。
【図11】図11は、本実施形態の部分断面図を示す。
【図12】図12は、鋳造製のソールによってシールする構造の部分断面図を示す。
【図13】図13は、本書類で使用される用語のいくつかを説明するためのスケッチを示す。
【図14】図14は、AからDで、本発明に基づいて設計された下側のアッパーの端部の種々の実施形態を示す。
【図15】図15は、AからDで、図14の実施形態であるAからDに基づく下側のアッパーの端部の種々の実施形態を示し、インソールに垂直に伸びる接続バンドを有する。
【図16】図16は、AからDで、図14の実施形態であるAからDに基づく下側のアッパーの端部の種々の実施形態を示し、インソールに平行に伸びる接続バンドを有する。
【符号の説明】
【0113】
13 外側材
16 機能層
17 (第1)接続バンド
18 ライニング層
19 外側材の端領域
20 機能層ゾーン
23 第1あるいは上側の縦ウェブ
25 第2あるいは下側の縦ウェブ
27 横ウェブ
33 インソール
34 第2接続バンド
35 ストローベルシーム
36 第2接続バンドの上側の縦ウェブ
37 シール接着剤
38 第2接続バンドの下側の縦ウェブ
39 シール板
41 アウトソール
45 接着剤
47 結合ストリング通孔
49 結合ストリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下側のアッパーの端部と、
下側の外側材の端部(19)を有する外側材と、
外側材に覆われない機能層ゾーン(20)を備えた下側の機能層の端領域を有する防水機能層(16)と、
前記アッパーの周辺方向に延び、外側材の端部(19)および下側の接続バンドの縦サイド(25)に接続された上側の接続バンドの縦サイド(23)を有し、機能層ゾーン(20)に少なくとも部分的に重なり、液化可能なシール材、あるいは、液状のシール材(37、41)が浸入することができる材料からなる接続バンド(17)と、を備え、
前記接続バンド(17)は、前記下側の外側材の端部(19)の曲線位置に、各曲線上に配され、予め決められた標準のセクタ角度を有するアークセクタ用として、2つの接続バンドの縦サイド(23、25)の異なる曲率を備えた曲線の局部半径に対応する曲線通路を有し、このアークセクタに属する2つの接続バンドの縦サイド(23、25)のアーク長は、各アークセクタの増加する曲率を検討しながら、互いに次第に異なるようになっていることを特徴とする靴のアッパー。
【請求項2】
前記下側の接続バンドの縦サイド(25)は、機能層(16)に接続される請求項1に係る靴のアッパー。
【請求項3】
前記2つの接続バンドの縦サイド(23,25)の間に位置する接続バンド(17)の一部は、前記機能層(16)に接続される請求項1に係る靴のアッパー。
【請求項4】
前記機能層(16)の内部に配されたライニングを備える請求項1ないし3のいずれかに係る靴のアッパー。
【請求項5】
前記機能層(16)と前記ライニング(18)は、下側のアッパーの端部で同じ長さになっている請求項4に係る靴のアッパー。
【請求項6】
前記機能層(16)と前記ライニング(18)は、前記下側の接続バンドの縦サイド(25)を超えて終端する請求項5に係る靴のアッパー。
【請求項7】
前記機能層(16)と前記ライニング(18)は、前記下側の接続バンドの縦サイド(25)を超えて終端し、かつ、第2接続バンド(34)によって前記下側のアッパーの端部の方に長くなっている請求項6に係る靴のアッパー。
【請求項8】
前記第2接続バンド(34)は、液化可能なシール材、あるいは、液状のシール材(37、41)が浸入することができる材料からなり、かつ、前記下側の外側のアッパーの端部の曲線位置に、各曲線上に配されるとともに予め決められた標準のセクタ角度を有するアークセクタ用として、前記第2接続バンドの両縦サイド(36、38)の異なる曲率を備えた曲線の局部半径に対応する曲線通路を有し、
前記第2接続バンド(34)に属する前記2つの接続バンドの縦サイド(36、38)の長さは、各アークセクタの増加曲線を検討しながら、互いに次第に異なるようになっている請求項7に係る靴のアッパー。
【請求項9】
前記第2接続バンド(25)の下側の接続バンドの縦サイド(38)は、前記第1接続バンド(17)の下側の接続バンドの縦サイド(25)に接続される請求項7または8に係る靴のアッパー。
【請求項10】
前記下側のライニングの端部は、前記下側の機能層の端部より長くなっている請求項4に係る靴のアッパー。
【請求項11】
前記下側のライニングの端部は、前記第1接続バンド(17)の前記下側の接続バンドの縦サイド(25)に接続される請求項10に係る靴のアッパー。
【請求項12】
前記機能層(16)と前記ライニング(18)は、積層部になっており、かつ、前記下側の機能層の端部は、前記機能層(16)を削ることによって、前記下側のライニングの端部に対して短くなっている請求項10または11に係る靴のアッパー。
【請求項13】
前記下側のアッパーの端部に接続されるインソール(33)を備える請求項1ないし12のいずれかに係る靴のアッパー。
【請求項14】
前記インソール(33)は、前記第1接続バンド(17)の前記下側の接続バンドの縦サイド(25)に接続される請求項13に係る靴のアッパー。
【請求項15】
前記インソール(33)は、前記第1および第2接続バンド(34)の両方の前記下側の接続バンドの縦サイドに接続される、請求項7ないし9と関連しつつ、請求項13または14に係る靴のアッパー。
【請求項16】
前記インソール(33)は、前記下側のライニングの端部に接続される、請求項10ないし12と関連しつつ、請求項13または14に係る靴のアッパー。
【請求項17】
前記凸状曲線を備えた前記下側のアッパーの端部の位置では、前記第1接続バンド(17)の上側の接続バンドの縦サイド(23)のアーク長は、前記下側の接続バンドの縦サイドのアーク長よりも長くなっている請求項1ないし16のいずれかに係る靴のアッパー。
【請求項18】
前記凸状曲線を備えた前記下側のアッパーの端部の位置では、前記第1接続バンド(17)の下側の接続バンドの縦サイド(25)のアーク長は、前記上側の接続バンドの縦サイドのアーク長よりも長くなっている請求項1ないし17のいずれかに係る靴のアッパー。
【請求項19】
前記凸状曲線を備えた前記下側のアッパーの端部の位置では、前記第2接続バンド(34)の上側の接続バンドの縦サイド(23)のアーク長は、前記下側の接続バンドの縦サイドのアーク長よりも長いくなっている請求項1ないし18のいずれかに係る靴のアッパー。
【請求項20】
前記凸状曲線を備えた前記下側のアッパーの端部の位置では、前記第2接続バンド(34)の前記下側の接続バンドの縦サイド(25)のアーク長は、前記上側の接続バンドの縦サイドのアーク長よりも長くなっている、請求項7ないし9のいずれかと関連しつつ、請求項1ないし19のいずれかに係る靴のアッパー。
【請求項21】
前記機能層ゾーン(20)は、外側材(13)によって覆われておらず、前記外側材の端部(19)対する前記機能層の端領域(21)の突出長によって構成される請求項1ないし20のいずれかに係る靴のアッパー。
【請求項22】
前記第1接続バンド(17)の前記下側の接続バンドの縦サイド(25)は、下側の機能層のエッジに接続される請求項1ないし21のいずれかに係る靴のアッパー。
【請求項23】
前記各アークの曲率に依存する前記2つの接続バンドの縦サイド(23、25)の前記アーク長差が、対応する製造で取り入れられる実質上強固な接続バンド(17)を備える請求項1ないし22のいずれかに係る靴のアッパー。
【請求項24】
穿孔を有する接続バンド(17)を備える請求項23に係る靴のアッパー。
【請求項25】
インジェクション鋳造製の接続バンド(17)を備える請求項23に係る靴のアッパー。
【請求項26】
少なくとも1つの縦サイド(23、25)で、縦膨張の付勢(バイアス)を有する関連材料に接続される弾性的に膨張可能な接続バンド(17)を備える請求項1ないし22のいずれかに係る靴のアッパー。
【請求項27】
少なくとも1つの縦サイド(23、25)で、塑性変形を生じさせる縦膨張の付勢を有する関連材料に接続される塑性接続バンドを備える請求項1ないし22のいずれかに係る靴のアッパー。
【請求項28】
前記接続バンド(17)は、前記下側の縦サイドで、縦膨張の付勢を有する関連材料に接続される請求項1ないし22、請求項26、および請求項27のいずれかに係る靴のアッパー。
【請求項29】
前記接続バンド(17)の第1縦サイド(23)は、前記外側材の端部(19)に縫合される請求項1ないし28のいずれかに係る靴のアッパー。
【請求項30】
前記接続バンド(17)の前記下側の縦サイド(25)は、前記機能層(16)に縫合される請求項1ないし29のいずれかに係る靴のアッパー。
【請求項31】
前記接続バンドは、非多孔性である請求項1ないし30のいずれかに係る靴のアッパー。
【請求項32】
前記接続バンド(17)は、温度エネルギ、無線周波数エネルギ、赤外線エネルギ、および紫外線エネルギのエネルギ形態から選択された活性化エネルギ手段によって、一時的に液体状態に活性化させるようにしたシール材で構成される請求項31に係る靴のアッパー。
【請求項33】
前記接続バンド(17)が、インジェクション鋳造中に、高温の液体状態にあるソールの材料によって溶解されるようにした材料からなる、鋳造製のソールを備えた履物用の請求項31に係る靴のアッパー。
【請求項34】
前記接続バンド(17)は、ポリウレタン片によって構成される請求項31ないし33のいずれかに係る靴のアッパー。
【請求項35】
前記接続バンド(17)は、液体のシール材(37、41)が浸入できるように多孔質になっている請求項1ないし30のいずれかに係る靴のアッパー。
【請求項36】
前記接続バンド(17)は、上側の縦サイドに上側の縦ウェブ(23)と、下側の縦サイドに下側の縦ウェブ(25)とを有するネット状バンドによって構成され、前記ウェブは、横ウェブ(27)によって相互に接続される請求項35に係る靴のアッパー。
【請求項37】
下側の縦ウェブ(25)は、少なくとも、弾性復元材で構成される請求項36に係る靴のアッパー。
【請求項38】
前記横ウェブ(27)は、非弾性材で構成される請求項36または37に係る靴のアッパー。
【請求項39】
前記ネット状バンドは、編製されており、縦糸として機能するとともに、少なくとも上側の縦ウェブ(23)に対して少なくとも一部が弾性であるたて糸が、前記縦ウェブ(23、25)の領域にだけ存在し、かつ横ウェブ(27)が横糸によって構成されている請求項36ないし38のいずれかに係る靴のアッパー。
【請求項40】
前記第1接続バンド(17)の下側の縦サイド(25)は、結合ストリング通孔(47)に相対移動できるように配された結合ストリング(49)を有する前記結合ストリング通孔(47)に接続され、前記下側のアッパーの端領域が、前記接続バンド(17)とともに、適用されているアウトソール(41)の延長方向に伸びるように、前記下側のアッパーの端領域を内側に引張るようにした前記結合ストリング(49)の一体的な結合を備える請求項1ないし12と請求項17ないし39のいずれかに係る靴のアッパー。
【請求項41】
前記第2接続バンド(34)の前記下側の機能層の端部、前記下側のライニングの端部、あるいは前記下側の接続バンドの縦サイドは、それぞれ、前記結合ストリング通孔(47)に相対移動できるように配された結合ストリング(49)を有する結合ストリング通孔(47)に接続される請求項40に係る靴のアッパー。
【請求項42】
前記第1接続バンド(17)の前記下側の機能層の端部、および、前記下側の縦サイド(25)、および、前記第2接続バンド(34)の前記下側のライニングの端部、あるいは前記下側の接続バンドの縦サイド(38)は、それぞれ、1つの同じ結合ストリング通孔(47)に接続される請求項41に係る靴のアッパー。
【請求項43】
前記機能層(16)は、水蒸気透過性である、請求項1ないし42のいずれかに係る靴のアッパー。
【請求項44】
前記機能層(16)は、微小孔構造のPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)の層を備える請求項43に係る靴のアッパー。
【請求項45】
前記接続バンド(17)は、少なくとも20%の伸張性を有する請求項26ないし44のいずれかに係る靴のアッパー。
【請求項46】
請求項1ないし45のいずれかに係る靴のアッパーを備える履物。
【請求項47】
前記下側のアッパーの端部の方向に円周方向に伸びるシール材ゾーンに、前記機能層ゾーン(20)に防水シールを備えているシール材(37、41)を備える請求項46に係る履物。
【請求項48】
履物のシール材を、ソールのインジェクション鋳造中は液状であり、多孔質の第1接続バンド(17)に浸入し、かつ、防水方法で前記機能層ゾーン(20)の幅のうち少なくとも一部をシールするソール材料によって構成される鋳造製のソールを備える請求項47に係る履物。
【請求項49】
前記シール材(37)は、硬化状態で防水になり、かつ、前記機能層ゾーン(20)の少なくとも一部を防水方法でシールするために前記多孔質の第1接続バンド(17)浸入する接着剤によって構成される請求項47に係る履物。
【請求項50】
十分な反応状態で防水になる反応性ホットメルト接着剤の形態のシール材(37)を備える請求項49に係る履物。
【請求項51】
インソール(33)を備え、前記下側のアッパーの端部および前記機能層ゾーン(20)が、前記インソール(33)の延長方向に延びている請求項46ないし50のいずれかに係る履物。
【請求項52】
前記インソール(33)は、ストローベルシーム(35)を介して前記機能層(16)および前記第1接続バンド(17)の下側の縦サイドに接合される請求項51に係る履物。
【請求項53】
前記下側のアッパーの端部は、永久接着剤(45)によって前記インソール(33)の下側の周辺エッジに合わされる請求項51に係る履物。
【請求項54】
適用されるソール(41)に平行に伸びるように、前記下側のアッパーの端部の下側に適用されるシート状の防水シール層を備え、前記アッパーの下側の開口が前記シール材ゾーンまでシールされるようにした請求項46ないし53のいずれかに係る履物。
【請求項55】
前記シール層は、前記インソールの下側に接着されたシール板(39)によって構成される請求項54に係る履物。
【請求項56】
前記シール板(39)は、防水機能層(16)を備える請求項55に係る履物。
【請求項57】
外側材(13)と、該外側材(13)の内部に配され、下側のアッパーの端部を有する防水機能層(16)とから構成される靴のアッパーの製造方法であって、
前記方法は、
前記アッパーの形に切断された外側材片を設ける工程と、
前記外側材片の内部の正確な位置にある機能層片の配置で、前記機能層片の下側の端領域が、外側材(13)によって覆われていない機能層ゾーン(20)を有するように、前記アッパーの形に切断された前記機能層片を設ける工程と、
液化可能なシール材、あるいは液状のシール材(37、41)が浸入することができる材料からなる接続バンド(17)の上側の縦サイド(23)の全周辺部に亘って、前記外側材片の下側のエッジを縫合する工程と
からなり、
前記接続バンド(17)は、前記下側のアッパーの端部の曲線位置に、各曲線上に配され、予め決められた標準のセクタ角度を有するアークセクタ用として、曲線の局部半径に対応する2つの接続バンドの縦サイド(23、25)の異なる曲率の曲線通路を有し、このアークセクタに属する前記2つの接続バンドの縦サイド(23、25)のアーク長は、各アークセクタの増加する曲率を検討しながら、増加方法で互いに異なるようになっている
ことを特徴とする製造方法。
【請求項58】
前記下側の接続バンドの縦サイド(25)は、前記機能層(16)に接続する請求項57に係る方法。
【請求項59】
前記2つの接続バンドの縦サイド(23、25)の間に位置する接続バンド(17)の一部は、前記機能層(16)に接続される請求項57に係る方法。
【請求項60】
前記機能層(16)の内部にはライニング(18)が配されている請求項57ないし59のいずれかに係る方法。
【請求項61】
前記機能層(16)および前記ライニング(18)は、前記下側のアッパーの端部で同じ長さになっている請求項60に係る方法。
【請求項62】
前記機能層(16)および前記ライニング(18)は、前記下側の接続バンドの縦サイド(25)を超えて終端するようにした請求項61に係る方法。
【請求項63】
前記機能層(16)および前記ライニング(18)は、第2接続バンド(34)によって前記下側のアッパーの端部の方に長くなっている請求項62に係る方法。
【請求項64】
液化可能なシール材、あるいは液状のシール材(37、41)が浸入することができる材料の第2接続バンド(34)を使用し、
前記第2接続バンドは、前記下側のアッパーの端部の曲線位置に、各曲線上に配されるとともに予め決められた標準のセクタ角度を有するアークセクタに用として、前記第2接続バンド(34)の両縦サイド(36、38)の異なる曲率を備えた曲線の局部半径に対応する曲線通路を有し、
前記第2接続バンド(34)の2つの接続バンドの縦サイド(36、38)のアーク長は、各アークセクタの増加する曲率を検討しながら、互いに次第に異なるようになっている請求項63に係る方法。
【請求項65】
前記第2接続バンド(34)の下側の接続バンドの縦サイド(38)は、前記第1接続バンド(17)の前記下側の接続バンドの縦サイド(25)に接続される請求項63または64に係る方法。
【請求項66】
前記下側のライニングの端部は、前記下側の機能層の端部より長くなっている請求項60に係る方法。
【請求項67】
前記下側のライニングの端部は、前記第1接続バンド(17)の前記下側の接続バンドの縦サイド(25)に接続される請求項66に係る方法。
【請求項68】
前記機能層(16)と前記ライニング(18)とを備える積層を使用し、前記下側の機能層の端部は、前記機能層(16)を削ることによって、前記下側のライニングの端部に対して短くなっている請求項66または67に係る方法。
【請求項69】
前記下側のアッパーの端部は、インソール(33)に接続される請求項57ないし68のいずれかに係る方法。
【請求項70】
前記インソール(33)は、前記第1接続バンド(17)の前記下側の接続バンドの縦サイド(25)に接続される請求項69に係る方法。
【請求項71】
前記インソール(33)は、前記第1および第2接続バンド(34)の両方の前記下側の接続バンドの縦サイドに接続される、請求項64ないし66のいずれかと関連しつつ、請求項69または70に係る方法。
【請求項72】
前記インソール(33)は、前記下側のライニングの端部に接続される、請求項66ないし68のいずれかと連結し、請求項69または70に係る方法。
【請求項73】
前記凸状曲線を備える前記下側のアッパーの端部の位置では、前記上側の接続バンドの縦サイド(23)のアーク長は、前記下側の接続バンドの縦サイド(25)のアーク長よりも長くなっている請求項57ないし72のいずれかに係る方法。
【請求項74】
前記凸状曲線を備える前記下側のアッパーの端部の位置では、前記下側の接続バンドの縦サイド(25)のアーク長は、前記上側の接続バンドの縦サイド(23)のアーク長よりも長くなっている、請求項57ないし72のいずれかに係る方法。
【請求項75】
前記機能層ゾーン(20)は、前記外側材片(19)の下端に対する前記機能層(16)から突出長によって構成される請求項57ないし74のいずれかに係る方法。
【請求項76】
前記各アークの曲率に依存する前記2つの接続バンドの縦サイド(23,25)のアーク長差が、対応する製造で取り入れられる実質上強固な接続バンド(17)を使用する請求項57ないし75のいずれかに係る方法。
【請求項77】
穿孔した接続バンド(17)を使用する請求項76に係る方法。
【請求項78】
インジェクション製造製の接続バンド(17)を使用する請求項76に係る方法。
【請求項79】
少なくとも1つの前記縦サイド(23、25)で、縦膨張の付勢を有する関連材料に接続される弾性的に膨張可能な接続バンド(17)を使用する請求項57ないし75のいずれかに係る方法。
【請求項80】
少なくとも1つの前記縦サイド(23、25)で、塑性変形を生じる縦膨張の付勢を有する関連材料に接続される非弾性的に膨張可能な接続バンド(17)を使用する請求項57ないし75のいずれかに係る方法。
【請求項81】
前記機能層のエッジの前記下側の端部は、弾性変形あるいは非弾性変形を生じる前記接続バンド(17)の縦膨張の付勢を有する前記弾性の接続バンド(17)の前記下側の縦サイドに接続される請求項57ないし75および請求項79ないし80のいずれかに係る方法。
【請求項82】
温度エネルギ、無線周波数エネルギ、赤外線エネルギ、および紫外線エネルギのエネルギ形態から選択された活性化エネルギによって、一時的に液体状態に活性化させるようにしたシール材で構成される接続バンド(17)を使用する請求項57ないし81のいずれかに係る方法。
【請求項83】
前記ソール(41)のインジェクション鋳造中に、高温の液体状態であるソール材によって溶解されるようにした材料の接続バンド(17)を使用する請求項57ないし81のいずれかに係る方法。
【請求項84】
ポリウレタン片によって構成された接続バンド(17)を使用する請求項82または83に係る方法。
【請求項85】
液状のシール材(37、41)が浸入できるようなっている多孔質の接続バンド(17)を使用する請求項57ないし81のいずれかに係る方法。
【請求項86】
前記上側の縦サイドに上側の縦ウェブと、前記下側の縦サイドに下側の縦ウェブとを有するネット状バンドを接続バンド(17)として使用し、前記ウェブが横ウェブ(27)によって互いに接続されている請求項57ないし81のいずれかに係る方法。
【請求項87】
前記下側の縦ウェブ(25)が、少なくとも、弾性復元材で構成されるネット状バンドを使用する請求項86に係る方法。
【請求項88】
前記横ウェブ(27)が、非弾性材料で構成されるネット状バンドを使用する請求項86または87に係る方法。
【請求項89】
少なくとも20%の伸張性を有する接続バンド(17)を使用する請求項79ないし88のいずれかに係る方法。
【請求項90】
前記ライニングエッジの下端、および、前記接続バンド(17)の前記下側の縦サイド(25)は、結合ストリング通孔(47)に対して縦方向に移動できるように結合ストリング(49)を収納した前記結合ストリング通孔(47)に接続され、かつ、前記ライニングエッジを有する下側のアッパーの端領域および前記接続バンド(17)は、前記ライニングエッジを備えた前記下側のアッパーの端領域および前記接続バンド(17)が、適用されているソール(41)の延長方向に伸びるように、前記結合ストリング(49)の一体的な結合によって内側に引っ張られる請求項57ないし89のいずれかに係る方法。
【請求項91】
前記機能層ゾーン(20)は、前記アッパーの端部の方向に円周方向に伸びるシール材ゾーンにシール材(37、41)を使用する防水方法で、シールされる請求項57ないし90のいずれかに係る方法。
【請求項92】
請求項57ないし91のいずれかに係る方法によって作られた靴のアッパーを用いる履物の製造方法。
【請求項93】
ソールのインジェクション鋳造中に液体であるソール材の前記ソール(41)は、アッパー(11)にインジェクション鋳造され、その材料は、前記機能層ゾーン(20)の少なくとも一部の幅を防水方法でシールするために、前記多孔質の接続バンド(17)に浸入する請求項92に係る方法。
【請求項94】
硬化状態で防水になり、かつ、前記機能層ゾーン(20)の少なくとも一部を防水方法でシールするために前記多孔質の接続バンド(17)に浸入するシール接着剤の形態でシール材(37)を使用する、請求項92に係る方法。
【請求項95】
十分な反応状態で防水になる反応性ホットメルト剤の形態でシール材(37)を使用する請求項94に係る方法。
【請求項96】
下側のアッパーの端領域は、使用されるアウトソールの延長方向に伸びるように配向され、かつ、前記下側のアッパーの端領域は、インソール(33)に接続される請求項92ないし94のいずれかに係る方法。
【請求項97】
前記インソール(33)への接続は、ストローベルシーム(35)によってなされる請求項96に係る方法。
【請求項98】
前記インソール(33)への接続は、接着剤(45)を使用する接合作業によってなされる請求項96に係る方法。
【請求項99】
シート状の防水シール層は、ソール延長部の方向に延びるように折り曲げられた前記アッパーの端領域の下側に使用されるとともに、前記シール材ゾーンまで前記アッパーの下側開口をシールする請求項92ないし98のいずれかに係る方法。
【請求項100】
前記シール板(39)は、シール層として前記インソールの下側に接着される請求項99に係る方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2006−512132(P2006−512132A)
【公表日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−564229(P2004−564229)
【出願日】平成15年12月29日(2003.12.29)
【国際出願番号】PCT/EP2003/014945
【国際公開番号】WO2004/060094
【国際公開日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(391018178)ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエーツ,ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (40)
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
【Fターム(参考)】