説明

弾性フィルムスリーブを容器に付ける為の装置及び方法

【課題】弾性フィルムスリーブを容器に付ける為の装置および方法において、異なるフィルムの型や容器の大きさに柔軟に適合可能とする。
【解決手段】容器に弾性フィルムスリーブを付ける為の装置及び方法であって、複数の回転式ストレッチユニット3は、容器6がフィルムスリーブ4内にスライド可能になるように、上記フィルムスリーブを受け取り、引き伸ばす為に設けられる。ストレッチユニットは、サーボモータにより駆動されるスプレッドフィンガ23を備えるため、上記フィルムスリーブの上記引き伸ばしは、上記ストレッチユニットのサーキュレーション速度とは独立して最適化が可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段部分に従う弾性フィルムスリーブを容器に付ける為の装置と、その発明に従う装置を使用する対応した方法に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料用ビンのような容器にラベルを付ける一つの方法は、例えば、その容器の外側表面にかけて管状フィルムスリーブを引き寄せることによる。WO2007/060705A1に記載されているフィルムスリーブの熱収縮に対する代替え案として、材料及びエネルギの低消費のための利益拡大に伴い弾性的に変形するフィルムスリーブが考察されている。
【0003】
例えば、WO2000/066437は、弾性フィルムスリーブを容器に付ける為の方法及び装置を記載する。ディスペンサユニット内のフィルム管は、中央ピンにかけて引っ張られ、フィルムスリーブは、必要な長さでラベル管から分離され、2つの半シェル状鉗子部にかけて最上部から引っ張られる。これらと共に、フィルムスリーブは、後のラベル貼りの為に引き伸ばされ、これにより、そのような複数のユニットがラベル貼りカルーセルを中心に回転する。それにより、鉗子部は、カムコントローラの助力で、互いに別々に動かされ、フィルムスリーブは、下方に備えられたビンにかけて引っ張られるように、弾性的に引き伸ばされる。ストレッチ装置は、このためにカム制御リフト装置により下げられる。
【0004】
しかしながら、この装置には以下の不利益がある。すなわち、半シェル状のスプレッダ鉗子はフィルムスリーブの比較的に軽度の引き伸ばししか許容しないこと、更に、ストレッチ装置と、ラベルが付けられるビンとの動作は、異なるビン及び/又はラベルに適用するには多大な労力を要する機械的制御カムによって本質的に果たされることである。この関係から、横行する回数を減少し、その装置の寸法を最小限にする為に、WO2000/66437は、そのストレッチ装置の上昇/下降中のモータ駆動型リフト支持体だけに言及している。しかしながら、この処置にかかわらず、記載された方法が適しているのは、本質的に円筒状の外側表面にラベルを貼り、ビン径を僅かに変更することだけである。
【0005】
湾曲した外側表面に高弾性フィルムスリーブでラベルを貼るため、WO2008/076718は、中央開口を囲む周囲に集められ、互いに平行に続く複数のスプレッドフィンガにより、半シェル状鉗子要素が置き換えられた装置を記載している。スプレッドフィンガは、中央開口に対して半径方向にスライド可能であり、スプレッドフィンガにかけて引き寄せられたフィルムスリーブがスプレッドフィンガにより引き伸ばされラベルが貼られるビンが中央開口を通って上方にスライド可能となるように、互いに別々に動かされる。
【0006】
WO2008/076718は、スプレッドフィンガ内に設けられた吸入開口に負圧を与えることにより、フィルムスリーブは最初に所定位置に固定され、後に正圧を与えることにより、スプレッドフィンガから引き離され、ラベルが付けられるビンの更なる進行中に、スプレッドフィンガからビンまでのフィルムスリーブの移動が生じることを更に記載する。これによって、スプレッドフィンガの半径方向の動作は、スプレッドフィンガに設けられた制御カム用湾曲ガイド溝を備えた回転可能な制御ディスクにより始動される。油圧または電気機械的に制御されたアクチュエータアームが、制御ディスク用駆動装置として示唆されている。しかしながら、WO2008/076718は、どのように、そのような多少とも複雑な制御ディスク用駆動装置が見えるのかについて未解決のままである。単に、カムで制御された制御ディスクが、WO2008/076718に記載された装置の商業的に利用可能な変形例から知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、この装置には、やはり、異なるフィルムスリーブ及び/又はビンに対するストレッチユニットの調節が多大な装置ベースの労力によってのみ可能であるという不利益がある。換言すると、このために、数多くの機械的要素が交換されなければならなくなるであろう。これは、異なるシステムコンポーネント設備の為に高額な財政的支出が必要になるだけでなく、ラベル貼り機の切り替え中に多少とも長い生産停止が必要になる。さらに、当該技術分野で知られたストレッチユニットのカムコントローラには、ラベル投与とラベル引き伸ばしの時系列が、ストレッチユニットのサーキュレーション速度に束縛されるという不利益がある。これは、ラベル貼り装置の機械的性能に変更があるときには、フィルムスリーブの受け取り、引き伸ばし、引き剥がしの時系列に変更があり、その結果、正確なラベル貼りが保証されないことを意味する。当該技術水準の装置は、性能に依存する方法で動作、即ち、それらは、結果的に機械速度に依存する。
【0008】
したがって、弾性フィルムスリーブを容器に付ける為の装置には、この点で改善される必要性があり、対応した改善された方法も必要である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、請求項1に従う装置を用いて解決される。これによると、ストレッチユニット毎に少なくとも一つのサーボモータ駆動装置が設けられ、フィルムスリーブ及び容器に対する半径方向及び/又は軸方向において少なくとも相対的な動作を生み出す。特に、ストレッチユニットに設けられたスプレッドフィンガを駆動する為に少なくとも一つのサーボモータを備える、回転式ストレッチユニットが設けられる。そのため、ストレッチユニットは、ラベル貼りカルーセルと共に回転するのが好ましい。したがって、ストレッチユニットは、例えば、カムコントローラの場合のように、ラベル貼りカルーセルによって間接的には駆動されない。その代わり、ラベル貼りカルーセルとストレッチユニットの駆動装置は、互いに切り離しておくことが可能である。これが、装置の柔軟性を高めることを可能にする。また、個々のストレッチユニットは、分離されたサーボモータにより、互いに独立して駆動可能である。
【0010】
特に有利な実施形態は、フィルムスリーブを受け取る為の内部の受け取り位置とフィルムスリーブを引き伸ばす為の外部の引き延ばし位置との間でスプレッドフィンガを動かす為に少なくとも一つのサーボモータを作動する為の制御装置を備え、これにより、外部の引き延ばし位置及び/又は内部の受け取り位置が調節可能になる。この方法により、装置は、簡単な方法で、異なる容器サイズ(特に容器径)及び/又は、異なるフィルム型(特に異なる弾性延性)に適合可能になる。特に、引き延ばし位置および受け取り位置におけるスプレッドフィンガを囲む意図された周囲ラインの長さの比が調節可能である。この比は、例えば、少なくとも1.2,特に、少なくとも1.5が可能である。これにより、フィルムスリーブの引き伸ばしの柔軟な最適化が許容される。
【0011】
サーボモータの助力で、スプレッドフィンガは、柔軟に調節可能な内部及び外部端部位置の間を、明記されたストレッチユニットの調節範囲内で、付けられるフィルムスリーブ及び/又はラベルが付けられる容器の直径に従って前後に駆動可能である。特に、内部の受け取り位置は、引き伸ばされないフィルムスリーブの直径および/または長さに適合可能であり、外部の引き延ばし位置は、フィルムスリーブの延性及び/又はラベルが貼られる容器の直径に適合可能である。
【0012】
本発明に従う装置の好ましい実施形態は、さらに、制御装置を備え、その制御装置は、少なくとも一つのサーボモータを作動する為に形成され、少なくとも一つのスイッチを入れる時間及び/又は少なくとも一つのサーボモータの位置決め速度は、制御装置の助力で調節可能であり、特に、スプレッドフィンガを互いに遠くへ動かす。このように、スプレッドフィンガの動作が、ストレッチユニットのサーキュレーション位置及び/又はサーキュレーション速度と独立したラベルディスペンサに適合可能になっている。したがって、フィルムスリーブの受け取り、整列及び/又は引き伸ばしの時系列は、最適化が可能である。特に、スプレッドフィンガ上におけるフィルムスリーブの正確な整列も同様に、機械の性能を変更する場合には保証可能である。
【0013】
スプレッドフィンガも同様に互いに別々に動かされるが、その前に、フィルムスリーブはストレッチユニット上の垂直目標位置に達する。このように、スプレッドフィンガに対してフィルムスリーブのセンタリングが改善可能であり、更に/又は、お互いに対する同軸整列も保証可能である。特に、フィルムスリーブの投入とスプレッドフィンガの別々の駆動との時間調整も、機械の性能を変更する場合に最適化が可能である。サーキュレーション速度として理解されるものは、例えば、ストレッチユニットの容器領域のトラック速度があり、ストレッチユニットのサーキュレーション位置は、例えば、ラベル貼りカルーセル上の回転角度位置として理解されるものである。
【0014】
さらに、回転式位置決めユニットは、ストレッチユニットの容器領域内で容器を位置決めする為に、ストレッチユニットの下方で、本発明に従う装置に備えられるのが好ましく、これにより、位置決めユニットの各々は、特に、容器領域内に容器を持ち上げる為に、サーボモータにより駆動される。これが、ストレッチユニットの昇降を必ずしも必要ではないものにする。リフト装置のリフトは、サーボモータの助力で容器の大きさに柔軟に適合可能である。
【0015】
位置決めユニットの上端位置は、特に1mmを越えない間隔で、容器をラベルスリーブに対して整列させるために調節可能である。特に有利なのは、0.5mmを越えない間隔である。このように、異なる大きさの容器は、容器領域内で、ストレッチユニット及びフィルムスリーブに対して、最適に位置決め可能である。したがって、容器上のフィルムスリーブの最終的なラベル貼り位置は、必要に応じて、柔軟に調節及び再調節が可能である。
【0016】
本発明に従う装置の好ましい実施形態は、さらに、容器領域から容器を除去する為にストレッチユニットの上方で回転する除去ユニットを備え、それにより、除去ユニットの各々は、特に、容器領域の外に容器を持ち上げる為に、サーボモータによって駆動されるリフト装置を備える。これにより、除去ユニットとストレッチユニットは、共通の回転軸を囲んで回転するのが好ましい。したがって、ストレッチユニットの上昇又は下降も、ラベルが付けられた容器の除去中は、必ずしも必要ではない。除去装置のリフトは、サーボモータの助力で、ラベルが貼られる容器の大きさに柔軟に適合可能である。特に、ラベルが貼られた容器を把持する為の下方把持位置も、機械的ガイド及び/又は制御要素を交換することなく、容器の大きさに適合可能である。リフト装置の位置決め速度は、同様に、スプレッドフィンガから容器までのラベル移動のそれぞれの時系列に適合可能である。例えば、リフト装置の位置決め速度は、フィルムスリーブと容器との間に必要な摩擦接続をもたらす為に、特に、摩擦接続の開始時間及び/又は摩擦接続の保持力を適合する為に、適合可能である。
【0017】
本発明に従う装置の好ましい実施形態は、フィルムスリーブをスプレッドフィンガに引き寄せる為に、又は、これらをスプレッドフィンガから引き離す為に、交互にスプレッドフィンガに負圧又は正圧を切り替える為の回転式バルブユニットを更に備える。それにより、バルブユニットは、互いに独立して、ストレッチユニットに負圧又は正圧を与えるようにセットアップされる。バルブユニットとストレッチユニットは、共通の回転軸を囲み、特に、共通のラベル貼りカルーセル上で回転するのが好ましい。バルブユニットがストレッチユニットと共に回る結果、バルブユニットとスプレッドフィンガとの間の圧力ラインが特に単純な方法で形成可能になる。個々のストレッチユニットに負圧又は正圧を別個に供給する結果、スプレッドフィンガから容器までのフィルムスリーブの移動は、特別な精度で制御可能になる。各バルブユニットが複数のストレッチユニットに割り当てられる実施形態は、特に、経済的であり、スペースをとらない。したがって、バルブユニットは、複数のバルブ又はバルブ群を備えることができ、それによって、異なるストレッチユニットに割り当てられたバルブは、互いに別個に切り替え可能になる。
【0018】
正圧及び/又は負圧の切り替え回数は、好ましくは調節可能であり、特に、負圧の切り替え時間は、割り当てられたストレッチユニットのサーボモータの作動と同期が可能である。このように、スプレッドフィンガに対するフィルムスリーブの吸い込み及び/又はスプレッドフィンガから遠くへのフィルムスリーブの引き離しが、異なる機械の性能に適合可能である。したがって、スプレッドフィンガまでのフィルムスリーブの移動と、スプレッドフィンガから容器までのフィルムスリーブの移動とは、ストレッチユニットのサーキュレーション速度とは本質的に独立して制御可能になる。特に、スプレッドフィンガの様々な調節可能な別々の駆動との相互作用において、スプレッドフィンガ上のフィルムスリーブの所定位置の整列及び固定が、別個の負圧コントローラの助力で、正確かつ柔軟に調節可能になる。これにより、同期は、バルブユニット及びサーボモータの切り替え回数さらに/またはサーボモータの位置決め速度の調整として理解される。
【0019】
正圧の切り替え時間は、除去ユニットと同期可能であることが好ましい。これにより、同期は、除去ユニットの持ち上げる動作とバルブユニットとの時間内の調整を意味する。これにより、正圧のスイッチを入れる時間は、リフト装置のサーボモータのスイッチを入れる時間と、サーボモータの位置決め速度との両方に適合可能である。したがって、スプレッドフィンガ及び柔軟なフィルムスリーブ間の静的摩擦が、正圧に起因されるエアクッションの助力で必然的に減少する時間は、リフト装置のリフト動作に適合可能になる。
【0020】
バルブユニットは、負圧を生み出す為にベンチュリ型ノズルを備えるのが好ましい。ベンチュリ型ノズル又はそれに相当するベンチュリの原理に従って作動する流路は、正圧を送ることによりバルブユニット内部で負圧を生み出すことができる。したがって、バルブユニットで負圧を与える為の入力側の分離圧力ラインは、必ずしも必要ではない。バルブユニットは、圧縮空気をバルブユニットに供給する為に、中央メディアディストリビュータに接続されるのが好ましい。バルブユニットは、ストレッチユニット又はベンチュリ型ノズルのいずれかに選択的に圧縮空気を導く為に、セットアップされる。したがって、バルブユニットは、ストレッチユニット毎に、少なくとも3つのスイッチ位置、すなわち、ストレッチユニットが正圧でも負圧でも供給されない第1スイッチ位置、ストレッチユニットが負圧で供給される第2スイッチ位置、ストレッチユニットが正圧で供給される第3スイッチ位置を有する。
【0021】
本発明に従う装置の特に有利な進展例は、ストレッチユニットに弾性フィルムスリーブを装備する為の少なくとも一つのラベルディスペンサ又は同等物を更に備える。ラベルディスペンサは、好ましくは、固定され、ストレッチユニットのサーキュレーション経路の上方に配置される。したがって、ストレッチユニットは、ラベルディスペンサの下方で、その領域を通って連続して可動である。これにより、ストレッチユニットのサーキュレーション経路の上方中央に配置されるのが好ましく、ラベルディスペンサは、スプレッドフィンガ上にフィルムスリーブの、大抵の同軸の投入可能性を単純化する。
【0022】
ストレッチユニットの各々は、少なくともスプレッドフィンガ及びスプレッドフィンガを導く為のガイドプレートを備えた交換可能な適合ユニットを備えるのが好ましい。この装置は、適合ユニットの交換により、特に経済的な方法で、異なる容器及び/又はフィルムスリーブに適合可能である。例えば、適合ユニットは、異なる長さ又は異なる形状を備えたスプレッドフィンガを有すること、及び/又はスプレッドフィンガの異なる半径方向の調節範囲により、互いに異ならせることができる。このように、スプレッドフィンガの異なる外部の引き延ばし位置及び/又は異なる内部の受け取り位置が実現可能である。また、異なる吸い込み及び/又は引き離しの機能を適合ユニットに設けることも可能である。例えば、スプレッドフィンガ上の圧力導管の開口の数及び/又は位置は、適合毎に異ならせることができる。したがって、本発明に従う装置の柔軟性は、ストレッチユニットのサーボモータ及び/又は供給バルブを交換する必要もなく、更に高められる。この柔軟性は、バルブユニット及び/又はサーボモータの作動を適したプログラムによりそれぞれの適合ユニットに適合させる可能性により、更に高められる。
【0023】
交換可能なアダプタピースは、特に、明記された長さのフィルムスリーブにスプレッドフィンガを適合する為に、スプレッドフィンガの外側側部に設けられるのが好ましい。明記された長さのフィルムスリーブは、通常、スプレッドフィンガの長さとは異なり、特に、スプレッドフィンガの長さより大きい。アダプタピースを交換することにより、本発明に従う装置は、特に簡単な方法で異なるフィルムスリーブに適合可能である。
【0024】
設定された課題は、更に、請求項15に従う方法で解決される。本発明に従う方法は、a)ストレッチユニットを備えたフィルムスリーブを受け取るステップと、b)容器がフィルムスリーブ内にスライド可能となるようにフィルムスリーブを引き伸ばすステップと、c)容器をフィルムスリーブ内にスライドさせるステップであって、フィルムスリーブの引き伸ばし及び/又は容器とフィルムスリーブとの相対的な軸方向の動作が正しい一定のテンポで行われるのが好ましい、前記ステップと、を備える。したがって、本発明に従う装置の使用により、容器の特に柔軟なラベル貼りを提供することができる。本発明に従う方法は、更に、d)フィルムスリーブが設けられた容器を除去するステップを備えることができる。
【0025】
本発明に従う方法の特に好ましい変形例において、ステップa)は、a1)少なくとも1回、スプレッドフィンガが互いに遠くへ動かされ、その後、互いに向かって戻され、フィルムスリーブの位置をスプレッドフィンガに対して整列させる工程を更に備える。整列工程の助力で、スプレッドフィンガ上を斜めにスライド可能なフィルムスリーブが半径方向に引き離され、スプレッドフィンガに対してフィルムスリーブの本質的に同軸上に整列された位置が達成される。整列工程において、スプレッドフィンガは、少なくとも一つのスプレッドフィンガがフィルムスリーブと接触するように少なくとも互いに別々に駆動されるので、半径方向の引き離し動作が行われる。また、これにより、整列工程において、複数回、スプレッドフィンガを別々に動かし、そして、お互いに向かって後退させ、スプレッドフィンガに対して必要な位置へとフィルムスリーブをシェイクすることが考えられる。また、整列工程a1)において、引き延ばし動作を中断することのみも考えられる。
【0026】
スプレッドフィンガは、調節可能な時間間隔で、ステップa)〜c)のうち少なくとも一つのステップで動かされ、それにより、その開始が特にフィルムスリーブの投与時間に結合されるのが好ましい。例えば、ラベルディスペンサにおける切り替え処理により始められるような時間依存型の制御により、スプレッドフィンガの動作は、ストレッチユニットのサーキュレーション速度とは独立して投与する間、フィルムスリーブの動作と同期可能になる。負圧及び/又は正圧が与えられたスプレッドフィンガの動作のスプレッドフィンガへの同期は、このような方法で同様に可能である。また、スプレッドフィンガの動作も、ストレッチユニットの外に容器を持ち上げる為の切り替え処理を備えた時間制御方式で同期可能になる。本発明の好ましい実施形態は、図面に示されている。

【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、本発明に従う装置の好ましい実施形態の平面図である。
【図2】図2は、本発明に従う装置に設けられたラベル貼りカルーセルの側面図である。
【図3】図3は、本発明に従うストレッチユニットの側面図である。
【図4】図4は、本発明に従うストレッチユニットの駆動部分の斜視図である。
【図5】図5は、下からのストレッチユニットの交換可能な適合部分の斜視図である。
【図6】図6は、本発明に従う方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1に見られるように、本発明に従う装置1の好ましい実施形態は、回転テーブル型機械として設計されている。したがって、装置1は、ストレッチユニット3を備えたラベル貼りカルーセル2を備え、ストレッチユニット3は、柔軟なフィルムスリーブ4を受け取って引き伸ばす為にカルーセル2の周囲に均一に分布され、フィルムスリーブ4は、既知の構成の固定型ラベルディスペンサ5によりフィルム管(図示せず)から分離される。ラベルディスペンサ5,フィルムスリーブ4,ストレッチユニット3の相互作用は、図6に概略的に表示されている。図1は、ラベルが貼られる容器6を供給する為の入口領域E、フィルムスリーブ4を用いてラベルが貼られた容器6を除去する為の出口領域Aを更に示す。
【0029】
バルブユニット7は、ラベル貼りカルーセル2に据え付けられ、ストレッチユニット3に空気の吸い込み又は圧縮空気を選択的に供給する為に、バルブユニット7も回転する。バルブユニット7は、ベンチュリ型ノズル(図示せず)又は同等物を備えるのが好ましく、ベンチュリ型ノズルでバルブユニット7に圧縮空気を導入することにより、ストレッチユニット3に吸い込む為の負圧を生み出す。したがって、バルブユニット7は、入力側で圧縮空気だけが与えられ、選択的にストレッチユニット3を作動する為に出口側で負圧又は圧縮空気を与える。圧縮空気は、ラベル貼りカルーセル2の中央メディアディストリビュータを介して与えるのが好ましい。バルブユニット7は、これらがストレッチユニット3に正圧も負圧も供給しないスイッチ位置を有する。
【0030】
供給される数多くのバルブユニット7は、数多くのストレッチユニット3に対応し得る。しかしながら、有利なことに、複数のバルブ又はバルブ群を備えたバルブユニット7は、各々が別個のストレッチユニット3に割り当てられ、バルブユニット7は、互いに独立して、複数のストレッチユニット3を供給可能である。ストレッチユニット3の各々に対して分離して切り替え可能であることは、負圧の送り又は圧縮空気の送りに対して重要である。個々のストレッチユニット3は、分離した圧力ラインを介して、バルブユニット7に対応して接続されている。バルブユニット7は、制御ユニット8により作動され、制御ユニット8は、ラベル貼りカルーセル2の上方の領域内に固定された据え付け部を有するのが好ましい。
【0031】
また、ストレッチユニット3の各々は、除去ユニット9を割り当て、ラベルが貼られた容器6をストレッチユニット3から除去する。また、除去ユニット9は、例えば、容器6のネック領域でフィルムスリーブ4をクランプすることにより、後のラベル貼り段階で容器6へとフィルムスリーブ4を引き寄せる処理を支えることができる。除去ユニット9の構成及び機能は、特に図2で明確になっており、図2は、概略的に表示されたアセンブリプラットフォーム2a〜2cを備えたラベル貼りカルーセル2であって、アセンブリプラットフォーム2a〜2cがカルーセルと共に回転するものを斜視図で示すが、ここでは、簡単の為に、同一の動作位置で割り当てられた除去ユニット9と共にストレッチユニット3が2つだけ示されている。
【0032】
したがって、除去ユニット9の各々は、上部リフト装置10を備え、上部リフト装置10は、例えば、ネジ切りされたスピンドル11と、上部リフト装置10を駆動する為のサーボモータ12とを備える。各リフト装置10は、把持装置13を昇降する為に使用され、把持装置13は、例えば、切り替え可能なクランプを備え、容器6のネック領域及び/又はショルダー領域で、ラベルが貼られた容器6を把持する。把持装置13は、ラベルが貼られた容器6が出口領域Aにおいて、適した搬送装置に移動できるように形成される。把持装置13は、単に概略的に表示されたカムローラ14と、少なくとも一つの制御カム15とを介して切り替えが可能であることが好ましい。
【0033】
位置決めユニット16は、ラベルが貼られる容器6を受け取り、これらを導かれた方法で持ち上げ、下からストレッチユニット3へとスライドさせる為に、各ストレッチユニット3の下方に備えられている。このため、好ましい切り替え可能な容器ガイド17が、位置決めユニット16の上に、下部リフト装置18として設けられ、下部リフト装置18は、例えば、支持プレート19,プランジャ20,プランジャ20を作動させる為に制御カム21に沿って走行するカムローラ(図示せず)を備えることができる。
【0034】
下部リフト装置18は、ラベルが貼られる容器6の底部を下部リフト装置18が支持する方法で形成されるのが好ましく、容器6は、下部リフト装置18が作動されるとき、割り当てられた容器ガイド17の各々に沿ってスライド可能になる。これらの容器ガイドは、切り替え可能なクランプ17aを備えることが好ましく、クランプ17aは、ラベル貼りカルーセル2への移動後に閉鎖位置で容器6を最初に固定し、下部リフト装置18の作動直前に垂直方向に容器6をリリースするので、容器6はストレッチユニット3の方向に持ち上げられる。
【0035】
示された位置決めユニット16のカム制御の代替えとして、上部リフト装置10の駆動装置に類似している分離されたサーボモータ(図示せず)によって、下部リフト装置18の駆動装置が考えられる。この場合、下部リフト装置18のサーボモータは、制御ユニット8によって作動されることが好ましい。下部リフト装置18のサーボモータは、その上端位置、したがって、ストレッチユニット3におけるラベル貼り中の容器6の垂直位置が、適したアクティベータの助力で柔軟に調節可能になるという利点を出すことができる。この場合、容器の垂直位置は、小さな間隔(例えば、1mm未満の間隔、特に0.5mm未満の間隔)で与えられ、必要に応じて再調節される。これにより、容器6に対するラベル貼り位置の最適化が可能になる。
【0036】
図3は、ストレッチユニット3の構成を図示する。したがって、これは、ラベル貼りカルーセル2にストレッチユニット3を取り付ける為のベースプレート22を備える。ストレッチユニット3は、さらに、スプレッドフィンガ23を備え、スプレッドフィンガ23は、横方向、特に半径方向に変位され、フィルムスリーブ4を受け取って引き伸ばす。フィルムスリーブ4を引き寄せる為に、開口24は、スプレッドフィンガ23の外側に備えられ、それによって、スプレッドフィンガ23内の適した圧力導管(図示せず)及び圧力ライン25,26を介して、割り当てられたバルブユニット7の各々に接続されている。
【0037】
さらに、少なくとも一つのサーボモータ27は、各々のストレッチユニット3に備えられ、スプレッドフィンガ23を遠くから又は互いに向かってスライドされる。図3において、スプレッドフィンガ23は、内部の受け取り位置S1内に示され、ラベルディスペンサ5からフィルムスリーブ4を受け取る。スプレッドフィンガ23にかけて付けられるフィルムスリーブ4は、スプレッドフィンガ23が別々に駆動されるとき、少なくとも、ラベルが付けられる容器6がベースプレート22とスプレッドフィンガ23の間を通り下方からスライドできるように、別々に引き伸ばされる。
【0038】
スプレッドフィンガ23は、湾曲した制御溝29を備えた回転可能な制御ディスク28の助力でスライドされるのが好ましい。このため、制御ディスク28は、回転可能な歯付きホィールセグメント30又は同等物に接続され、ホィールセグメント30は、サーボモータ27に備えられた歯付きホィール27aと噛み合う。サーボモータの回転動作を歯付きホィールセグメント30に移動することにより、制御ディスク28を駆動する為に、追加のレバー、接続部材、作動アーム等は、必ずしも必要ではない。これにより、スペースが節約され、正確なスプレッドフィンガ23の駆動が可能になる。
【0039】
サーボモータ27は、制御ユニット8により制御されるのが好ましい。これにより、個々のサーボモータ27の個々の作動が可能になり、特に、ラベル貼りカルーセル2の回転速度から独立する。したがって、スプレッドフィンガ23の引き延ばし動作に特別な時系列、例えば、ラベル貼りカルーセル2の速度とは独立したスプレッドフィンガ23の位置決め速度を最適化することが可能になり、したがって、本発明に従う装置1の機械性能を最適化することが可能になる。特に、ラベルディスペンサ5からストレッチユニット3までのラベル用スリーブ4の移動を伴うスプレッドフィンガ23の引き延ばし動作の時系列を調整することが可能である。例えば、フィルムスリーブ4がスプレッドフィンガ23にかけて投入される速度は、ラベルディスペンサ5により与えられ、したがって、本質的には、ラベル貼りカルーセル2のサーキュレーション速度から独立している。ストレッチユニット3の観点から、ラベルディスペンサ5に対する水平動作とフィルムスリーブ4の垂直動作とは、さらに重複している。したがって、スイッチを入れる回数及びスイッチを切る回数とサーボモータ27の位置決め速度とを、主として、フィルムスリーブ4が投入される時間及びこれらの速度に、できるだけ正確かつ柔軟に適合可能にすることが望まれるが、必要に応じて、フィルムスリーブ4に付けるときにストレッチユニット3のそれぞれのサーキュレーション速度を考慮することも望まれる。
【0040】
また、異なる位置決め速度と、フィルムスリーブ4に付けるときのサーボモータ27の進行方向とを組み合わせることが考えられる。例えば、最初に、互いに別々にスプレッドフィンガ23を、それらがフィルムスリーブ4に接触するまで駆動することが考えられる。その後、スプレッドフィンガ23が、明記された調節行程を通り、一緒に逆に駆動され、接触したフィルムスリーブ4は、スプレッドフィンガ23から引き離され、スプレッドフィンガ23に対して、可能であれば傾斜した、或いは、完全に覆われない位置から、正確な位置へともたらされる。その後、スプレッドフィンガ23は、例えば、図6に表示されているように、お互いから別々に駆動可能であり、ラベル貼りの為に明記された外部の引き延ばし位置S2に達するまで、フィルムスリーブ4を引き伸ばす。この適用例の異なる位相、フィルムスリーブ4の異なる局面の応用、整列及び引き伸ばしを組み合わせることは、当然に考えられる。例えば、スプレッドフィンガ23は、最初に互いに別々に、その後、一緒に逆に、多数回、次々と駆動され、フィルムスリーブをその目標位置へシェイクする。同様に、最初にスプレッドフィンガ23を互いに別々に駆動し、これらを明記された時間だけ保持し、その後、スプレッドフィンガ23の引き延ばし動作を続けることが考えられるであろう。スプレッドフィンガ23に対するフィルムスリーブ4の整列は、スプレッドフィンガ23の動作停止により達成可能である。フィルムスリーブ4を付けることは、多様な方法で、サーボモータ27の適した作動により、連続して最適化することができる。
【0041】
同様に、例えば図3に示されるように、スプレッドフィンガ23の内部の受け取り位置S1は、フィルムスリーブ4及び/又は容器6の特徴に適合可能である。これは、容器6にラベルを貼る為のスプレッドフィンガ23の外部のスプレッド位置S2に対しても同様である。例えば、内側の受け取り位置S1及び/又は外部のスプレッド位置S2は、フィルムスリーブ4の寸法及び/又は弾性に適合可能である。容器6の寸法及び形状に対する適合も、同様に可能である。
【0042】
図3に表示されるように、サーボモータ27と制御ディスク28の回転動作を、スプレッドフィンガ23の好ましい半径方向の引き延ばし動作へと変換することが、制御ディスク28内で好ましくは湾曲方式で形成された制御溝29の助力で行われる。図4が図示するように、制御溝29に対するカウンタピースとして設けられているのは、ラジアルガイド31と制御カム又はローラ32であり、これらは、スプレッドフィンガ23に持続的に接続されている。ラジアルガイド31は、スプレッドフィンガ23を半径方向に導く為にガイドプレート33に設けられるのが好ましい。ガイドプレート33及びダイスプレッドフィンガ23は、一緒にストレッチユニット3のクィックチェンジユニット34(以下、「適合ユニット34」という。)を構成する。
【0043】
適合ユニット34をアセンブリプレート22に据え付ける為に、一例として図5に示されるように、例えば、鍵穴状の施錠用凹部35がガイドプレート33に設けられ、対応したキノコ状ピン36がベースプレート22に設けられる。キノコ状ピン36は、施錠用開口35を通ってスライド可能であり、ガイドディスク33は、既知の方式で回転によりベースプレート22でロック可能である。施錠用開口35が同様にベースプレート22に設けられ、キノコ状ピン36がガイドディスク33に設けられることは、理解されるべきである。他の急速解錠機構も考えられるであろう。スプレッドフィンガ23の駆動は、特に、サーボモータ27及び制御ディスク28は、ラベル貼りカルーセル2に持続的に接続または支持されているが、スプレッドフィンガ23及びガイドプレート33は、交換可能であり、それゆえに、柔軟に互換性のある適合ユニット34として、実行可能である。これにより、異なるフィルムスリーブ4及び/又は容器6に対する本発明に従う装置1の経済的かつ時間節約の適合が可能になる。図3が更に図示するように、個々のスプレッドフィンガ23に対する圧力ライン25は、同様に適合ユニット34の構成要素として形成されるのが好ましく、共有の圧力ライン26だけが、ストレッチユニット3をバルブユニット7に接続する為に、適合ユニット34の変更の間に接続されなければならない。
【0044】
図5が更に図示するように、中央開口37は、ストレッチユニット3に設けられ、それによって、ラベルが貼られる容器6は、開口37を通ってストレッチユニット3内へと持ち上げられる。ラベルが貼られる容器6を受け取る為の、図6に表示された容器領域40は、中央開口37と、スプレッドフィンガ23の外部の引き延ばし位置S2でスプレッドフィンガ23により囲まれた領域とによって画成される。換言すると、ストレッチユニット3の容器領域40は、スプレッドフィンガ23内の領域と、スプレッドフィンガ23により保持されたフィルムスリーブ4内の領域とを備える。したがって、スプレッドフィンガ23は、スプレッドフィンガ23の引き延ばし位置S2内の容器領域40を囲んで配置されている。
【0045】
容器6のラベル貼り中のストレッチユニット3,フィルムスリーブ4,容器6の相互作用は、図6の分図I〜Xを使用して以下に説明されるが、それぞれの分図は、ストレッチユニット3を備えたラベル貼りカルーセル2の周囲領域を貫く概略的な部分的断面を示す。
それにより、ストレッチユニット3は、観測者に向けて動作する。分図I〜Xは、ラベル貼りカルーセル2の1回転中のストレッチユニット3の異なる角度位置に対応している。簡単のため、2つのスプレッドフィンガ23だけが概略的に表示されている。
【0046】
図6の分図Iは、固定されたラベルディスペンサ5の助力で、フィルムスリーブ4をストレッチユニット3に投入することを示し、ここには、フィルムスリーブ4の供給動作の為に4つの搬送用ローラ5aが表示されている。本発明に従う装置1の機能は、ラベルが貼られる容器6(例えば、特にPETで形成された飲料用ビン)の連続した流れが、回転するラベル貼りカルーセル2に搬送されるように理解されるべきである。フィルムスリーブ4は、管として供給ロールから転がり落とされ、ラベルディスペンサ5内で、ここから必要な長さで分離されるのが好ましい。この種のラベルディスペンサ5は、技術的に知られているので、より詳細には説明されていない。分図Iにおいて、未装備の位置決めユニット16と、保持装置13を備えた除去ユニット9が同様に表示されている。
【0047】
図6の分図IIは、フィルムスリーブ4が、スプレッドフィンガ23にかけて既に引っ張られた状態を図示する。これによって、スプレッドフィンガ23は、まだ内部の受け取り位置S1に置かれている。ラベルが貼られる容器6は、クランプにより表示された送り装置41によって位置決め装置16に設定される。
【0048】
図6の分図IIIは、スプレッドフィンガ23が、内部の受け取り位置S1と外部の引き延ばし位置S2との間の中間位置にあることを示す。ラベルが貼られる容器6は、ガイド装置17により受け渡され、最初に、ストレッチユニット3の下方のラベル貼りカルーセル2上の所定位置に固定される。
【0049】
図6の分図IVは、ストレッチユニット3の容器領域40を囲む外部の引き延ばし位置S2にスプレッドフィンガ23が達し、ガイド装置17が垂直方向に容器6をリリース可能であることを示す。分図IVにおいて、容器6は、まだ持ち上げられていない位置で示されているが、容器6がスプレッドフィンガ23と衝突しない限り、スプレッドフィンガ23が引き伸ばされている間に容器6は既に持ち上げられる。スプレッドフィンガ23は、必要なラベル位置において、スプレッドフィンガ23上の所定位置でフィルムスリーブ4を固定する為に、外部の引き延ばし位置S2に達した後に、負圧(図示せず)が供給されるのが好ましい。
【0050】
図6の分図Vは、容器ガイド17のリリース後の状態を示すが、この状態において、ラベルが貼られる容器6は、位置決め装置16の助力で、スプレッドフィンガ23の直下にある領域まで既に持ち上げられている。
【0051】
位置決めユニット16と共に容器6は、フィルムスリーブ4に対して、容器6の明記されたラベル貼り位置(特にラベルが貼られる外側表面6aの明記されたラベル貼り位置)が達するまで、ストレッチユニット3の開口37を通り、容器領域40内へと上方へと更に持ち上げられる。図6の分図VIには、この種の状態が示されている。なお、フィルムスリーブ4に対する容器6の相対位置は、単なる一例である。容器6の外側表面領域は、本発明に従う装置1を用いてラベルが貼られる。
【0052】
フィルムスリーブ4に対する容器6の正確な垂直方向の位置決め後、スプレッドフィンガ23は、外部の引き延ばし位置S2から再び一緒に逆駆動される。図6の分図VIIには、この種の状態が示されている。これにより、スプレッドフィンガ23上でフィルムスリーブ4の位置を安定させる為に、負圧は維持されるのが好ましい。容器6がまだスプレッドフィンガ23間で上方に引き寄せ可能である間に、スプレッドフィンガ23間のフィルムスリーブ4の領域が、ラベルが貼られる容器6の外側表面6aと接触するように遠くへ、スプレッドフィンガ23は一緒に駆動されるのが好ましい。これにより、除去ユニット9の把持装置13は、既に容器6のネックを囲んで閉じられたので、容器6は、除去ユニット9のリフトにより、ストレッチユニット3の容器領域40の外に上方へと引き寄せられる。容器領域40の外に容器6を持ち上げ始めるとき、スプレッドフィンガ23に対する負圧は中断される。さらに、バルブユニット7は、切り替えられ、スプレッドフィンガに圧縮空気が与えられて容器の除去をサポートする。このように、空気クッションが、スプレッドフィンガ23とフィルムスリーブ4との間に生み出され、容器6が除去される間、スプレッドフィンガ23とフィルムスリーブ4との間の摩擦が減じられる。フィルムスリーブ4がスプレッドフィンガ23から容器6へ移動される間、スプレッドフィンガ23とフィルムスリーブ4との間の静摩擦より大きな静摩擦が、フィルムスリーブ4と容器6との間に及ぶのが好ましい。しかしながら、フィルムスリーブ4は、保持装置13により容器6に堅くクランプされるので、保持装置13が容器6と共に持ち上げられるとき、フィルムスリーブ4は、スプレッドフィンガ23から引き離される。
【0053】
図6の分図VIIIが図示するように、これにより、フィルムスリーブ4を用いた容器6のラベル貼りになるので、容器6は、除去装置9の助力で、スプレッドフィンガ23間の容器領域40の外に持ち上げられる。分図VIIIに更に図示されるように、スプレッドフィンガ23は、それによって、再び一緒に逆駆動され、位置決め装置16は下方に駆動される。
【0054】
図6の分図IXは、ラベルが貼られた容器6を、クランプにより象徴された除去ユニット42まで移動する間の状態を示す。スプレッドフィンガは、既に、それらの内部の受け取り位置S1に達した。
【0055】
図6の分図Xは、次の容器6を受け取る為に、その当初の下方端部位置に達した状態を示し、図6の分図Iは、保持装置13の適した下降に続いて起こる。
【0056】
この点で、保持装置13がラベルディスペンサ5に沿って非常に密接に、おそらく駆動されなければならないことが分図Iに見ることができる。これにより、異なる容器のサイズ及びフィルムの型に対して、本発明に従う装置1の適合を大幅に制限することができる。この問題は、例えば、任意の変形例で修復することが可能であり、任意の変形例において、ストレッチユニット3の各々は、矢印Rにより表示されたようにラベルディスペンサ5の領域において、外側だけにスライドし駆動可能な方法で半径方向に保持される。そのとき、スプレッドフィンガ23のサーキュレーション経路は、この部分におけるサーキュレーション経路とは異なるであろう。したがって、ストレッチユニット3を、より大きな半径方向の距離で、ラベルディスペンサ5の下方にストレッチユニット3を駆動して通す為に、外側にずらして、保持装置13までの対応した大きな距離で、ラベルディスペンサ5を配置可能である。ストレッチユニット3の半径方向の調節は、例えば、別個のサーボモータの助力で達成可能である。しかしながら、対応したカムコントローラも同様に考えられるであろう。サーキュレーション経路の周囲の小区分にわたるストレッチユニット3の半径方向の調節、特に、スプレッドフィンガ23の、説明されたサーボモータ駆動を伴うものは、そのときの複数のカムコントローラの複雑なオーバーラップが不要なので、本質的に有利な方法で結合可能である。
【0057】
ストレッチユニット3のサーボモータ27の適した作動により、フィルムスリーブ4をストレッチユニット3に備えることが最適化できる。特別な利点は、特に負圧のスイッチが入れられる時間に対しても、ストレッチユニット23及びバルブユニット7のサーボモータ27の調整された作動から生じる。このように、フィルムスリーブ4は、スプレッドフィンガ23に対して正確に位置決めされ、正確な位置で、これらの所定位置で固定されることが保証可能である。このように特別な利点は、正圧のスイッチが入れられる時間が除去ユニット9のリフト動作の開始に調整されることから生じる。これにより、除去ユニット9及びバルブユニット7のサーボモータ12の調整された作動が可能になる。これにより、サーボモータ12,27及びバルブユニット7の調整された作動が、回転速度、従って、本発明に従う装置1の機械性能とは独立して起こり得る。
【0058】
ストレッチユニット3のサーボモータ27、除去ユニット9及び/又はバルブユニット7のサーボモータ12の作動は、更に、プログラムにより裁量的な変更要件に適合可能である。例えば、対応した制御パラメータを異なるラベル型に適合させることが可能である。容器6にラベルを貼る為に使用されるフィルムスリーブ4は、例えば、フィルムスリーブ4の弾性に対して、更に/又は、引き伸ばし中に生じる力において異なる。例えば、フィルムスリーブは、少なくとも50%の弾性拡張性を有する。フィルムスリーブ4は、好ましくはラベルであるが、また、異なる目的で容器に付けることが可能である。
【0059】
更なる利点は、スプレッドフィンガ23がストレッチユニット3の交換可能な適合ユニット34の構成要素として作成可能である点から生じる。このように、本発明に従う装置1は、比較的に低い材料費で、異なるラベル及び容器の型に適合可能である。このために、スプレッドフィンガ23もまた、交換可能なアダプタピース43を備えて設けられている(アダプタピース43は、良好な理解の為に、図6の分図Xに点線で表示されている)。アダプタピース43は、スプレッドフィンガ23の外側にアダプタとして設けられるのが好ましい。アダプタピース43は、簡単な交換の為に、これらを差し込み更に/又は留めることにより、スプレッドフィンガ23に取り付け可能である。図6に表示されているように、アダプタピース43は、スプレッドフィンガ23の長さとは異なるのが好ましい。必要であれば、スプレッドフィンガ23とは異なる表面の構造(例えば、溝)は、アダプタピース43上に設けることができる。同様に、スプレッドフィンガ23の空気開口24を、アダプタピース43内への適したチャネルの助力で、長くすることが可能である。しかしながら、アダプタピース43は、適合ユニット34の交換を余儀なくされることなく、スプレッドフィンガの長さを短いフィルムスリーブ4に適合する為に、特に使用される。したがって、アダプタピース43は、本発明に従う装置1の適合を、特に経済的な方法で許容する。
【0060】
追加のガイドプレート44又は同等物をストレッチユニット3の領域で使用することも考えられる。簡単のため、そのようなガイドプレー度44が、図6の分図IXで単に概略的に表示されている。一般的に、そのようなガイドプレー度44は、一定の位置でフィルムスリーブ4を安定させる為に使用可能であるが、それは、スプレッドフィンガ23にかけて、例えば、一定の半径方向の位置で引っ張られる。この場合に理解されるべきことは、ガイドプレート44は、それらがスプレッドフィンガ23と衝突しない方法で配置されなければならない点である。例えば、ガイドプレート44は、この為に、スプレッドフィンガ23の間の領域に配置可能であろう。これにより、ガイドプレート44はストレッチユニット3の容器領域40を全体的には包囲しないが、一部の周囲だけを包囲する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器(6)に弾性フィルムスリーブを付ける為の装置(1)において、前記容器が前記フィルムスリーブ内にスライドできるように前記フィルムスリーブを受け取り、引き伸ばす為の複数の回転式ストレッチユニット(3)を備え、
前記ストレッチユニットの各々は、前記容器と複数の可動スプレッドフィンガ(23)を受け取る為の容器領域(40)を備え、前記スプレッドフィンガは、互いに前記フィルムスリーブを遠くに引き伸ばす為に、前記容器領域の周囲を囲んで分布される、前記装置であって、
前記フィルムスリーブと容器とを互いに対して半径方向及び/又は軸方向に少なくとも相対的に動作させる為に、ストレッチユニット(3)毎に少なくとも一つのサーボモータ駆動装置が備えられ、特に、前記ストレッチユニットが前記スプレッドフィンガを駆動する為の少なくとも一つのサーボモータ(27)を備えることを特徴とする、前記装置。
【請求項2】
前記フィルムスリーブ(4)を受け取る内部の受け取り位置(S1)と前記フィルムスリーブ(4)を引き延ばす為の外部の引き延ばし位置(S2)との間で前記スプレッドフィンガ(23)が動かされるように、前記スプレッドフィンガ(23)が前記少なくとも一つのサーボモータ(27)を作動する為の制御装置(8)を更に備え、特に、前記内部の受け取り位置及び/又は前記外部の引き延ばし位置が、前記制御装置の助力で調節可能になる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
少なくとも一つのサーボモータの位置決め速度及び/又は少なくとも一つのスイッチを入れる時間が、特に、互いに遠くへ前記スプレッドフィンガ(23)を動かす為に、前記制御装置の助力で調節可能になるように少なくとも一つのサーボモータを作動させる為の制御装置(8)を更に備える、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記容器を前記容器領域(40)内で位置決めする為にストレッチユニット(3)の下方で回転する位置決めユニット(16)を更に備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記位置決めユニット(16)の上端位置が、前記ラベル用スリーブ(4)に対して前記容器(6)を整列する為に、特に1mmを越えない間隔で、調節可能である、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記容器領域(40)から前記容器(6)を除去する為に前記ストレッチユニット(3)の上方で回転する除去ユニット(9)を更に備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記フィルムスリーブ(4)を吸い込み、或いは、前記スプレッドフィンガから引き剥がす為に、前記スプレッドフィンガ(23)に対する負圧と正圧を交互に切り替える為の回転式バルブユニット(7)を更に備え、前記バルブユニットが互いに独立して前記ストレッチユニット(3)に対し前記負圧又は前記正圧を供給する為に形成されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記正圧及び/又は前記負圧の前記切り替え時間は、調節可能であり、特に、前記負圧のスイッチを入れる時間は、前記割り当てられたストレッチユニット(3)の前記サーボモータ(27)の前記作動と同期可能である、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記正圧のスイッチを入れる時間は、前記除去ユニット(9)と同期可能である、請求項6又は8に記載の装置。
【請求項10】
前記バルブユニット(7)は、前記負圧を生み出す為のベンチュリ型ノズルを備える、請求項7〜9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記ストレッチユニット(3)に前記フィルムスリーブ(4)を備え付ける為の少なくとも一つのラベルディスペンサ(5)を更に備える、請求項1〜10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
交換可能な適合部分(34)が各ストレッチングユニット(3)に備えられ、前記適合部分が少なくとも一つのストレッチフィンガ(23)と前記ストレッチフィンガを導く為のガイドプレート(33)とを備える、請求項1〜11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記交換可能なアダプタピース(43)が、特に、前記スプレッドフィンガを明記された長さのフィルムスリーブ(4)に適合する為に、前記スプレッドフィンガ(23)の前記外部側部に備えられる、請求項1〜12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記ストレッチユニットに対する前記フィルムスリーブ(4)の回転を妨げる為に、ガイドプレート(44)又は同等物が前記ストレッチユニット(3)に設けられる、請求項1〜13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか一項に記載の装置を用いて、容器に弾性フィルムスリーブを付ける方法において、
a)前記ストレッチユニットを備えた前記フィルムスリーブを受け取るステップと、
b)前記容器が前記フィルムスリーブ内へとスライドするように前記フィルムスリーブを引き伸ばすステップと、
c)前記容器を前記フィルムスリーブ内へとスライドさせ、前記フィルムスリーブの前記引き伸ばし及び/又は前記容器と前記フィルムスリーブの前記相対的な軸方向の動作が、望ましくは、正しい一定のテンポで行われるステップと、
を備える、前記方法。
【請求項16】
ステップa)は、前記フィルムスリーブの前記位置を前記スプレッドフィンガに対して整列させる為に、前記スプレッドフィンガが互いに遠くに動かされ、その後、少なくとも一回は互いに向かって戻される整列工程を備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記スプレッドフィンガ(23)は、調節可能な時間間隔に依存してステップ(a)〜(c)のうち少なくとも一つのステップ内で動かされ、その開始が、前記フィルムスリーブの前記投与の時間に結合される、請求項15又は16に記載の方法。






【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−148822(P2012−148822A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−7192(P2012−7192)
【出願日】平成24年1月17日(2012.1.17)
【出願人】(506040652)クロネス アクティェンゲゼルシャフト (55)
【Fターム(参考)】