説明

弾性ローラ、画像形成装置用定着装置及び画像形成装置

【課題】画像形成装置に使用することができ、高品質の画像を形成すると共に画像形成装置の耐久性向上にも貢献する弾性ローラ及び画像形成装置用定着装置、並びに、高品質の画像を形成することができる、耐久性に優れた画像形成装置を提供すること。
【解決手段】軸体2と、その外周面に形成された弾性層3とを備え、画像形成装置に配設される弾性ローラ1Aであって、前記弾性層3の軸方向における中央部近傍3Aと両端部近傍3b、3Cとの硬度差が、アスカーC硬度で2以下であることを特徴とする弾性ローラ1A、この弾性ローラ1Aを備えた画像形成装置用定着装置及び画像形成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性ローラ、画像形成装置用定着装置及び画像形成装置に関し、さらに詳しくは、例えば、画像形成装置に使用することができ、画像の高精細化及び画像形成装置の耐久性向上に貢献する弾性ローラ、このような弾性ローラを備えた画像形成装置用定着装置、及び、このような弾性ローラを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザプリンタ、複写機、ビデオプリンタ、ファクシミリ、これらの複合機等には、電子写真方式を利用した各種の画像形成装置が採用されている。電子写真方式を利用した画像形成装置は、軸体とその外周面に形成された弾性層とを有する、例えば、クリーニングローラ、帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ、加圧ローラ、紙送り搬送ローラ、定着ローラ等の各種ローラを備えている。このような画像形成装置において、高品質の画像を形成するには、画像形成装置に装着された各種ローラがその軸方向にわたって均一な特性を有していることが求められる。
【0003】
これらの各種ローラは、通常、ゴム組成物を各種成形方法により軸体の周囲に成形して弾性層を形成し、好ましくは、ゴム組成物を確実に架橋させるために、さらに、成形した弾性層を二次加熱して、製造される。しかし、押出成形法等によってゴム組成物を成形し、特に、成形した弾性層を引き続き二次加熱すると、最終的に形成される弾性層の中央部近傍はその周側面から加熱されるのに対して、その両端部はその周側面に加えて端面からも加熱される。したがって、最終的に形成される弾性層は、その中央部近傍とその両端部近傍とにおけるゴム組成物の架橋率等が異なることがある。一方、金型を用いてゴム組成物を成形し、特に、成形した弾性層を金型を用いて二次加熱すると、加熱によるゴム組成物又は成形した弾性層の膨張が金型中央部で大きく、金型端部近傍では小さくなり、押出成形法等の場合と同様に、最終的に形成される弾性層は、その中央部近傍とその両端部近傍とにおけるゴム組成物の架橋率等が異なることがある。このように、最終的に形成される弾性層の中央部近傍とその両端部近傍とのゴム組成物の架橋率等が異なると、最終的に形成される弾性層の中央部近傍と両端部近傍との物性、例えば、硬度等が、弾性層の軸方向にわたって均一とはならないことがある。そして、このような軸方向にわたって不均一な物性を有する弾性層を備えたローラを画像形成装置に装着すると、画像の品質が低下するだけではなく、このローラの弾性層が均一に被当接体に当接又は圧接せず、ローラ及び/又は被当接体の耐久性が低下するという問題がある。
【0004】
一方、ローラの中央部と端部とに硬度差を設けたローラが提案されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。具体的には、特許文献1には、「定着装置用ローラの両端部分と中央部分におけるゴム材料の硬度に差を設け、中央部分の硬度を両端部分の硬度より大きく構成したことを特徴とする定着装置用ローラ」が記載されている。また、特許文献2の請求項1には、「定着ローラとこれに圧接され連れ回りする加圧ローラとを有するヒートローラ方式の定着装置において、前記定着ローラ及び加圧ローラの少なくとも一方のローラの通紙領域と非通紙領域とでローラ構成条件を異ならせたことを特徴とする定着装置」が記載され、特許文献2の請求項2には、「前記少なくとも一方のローラの非通紙領域の硬度が通紙領域の硬度より小さいことを特徴とする、請求項1に記載の定着装置」が記載されている。
【0005】
前記定着装置用ローラ及び前記定着装置の定着ローラ又は加圧ローラ(以下、引用文献のローラと称する。)は、定着装置に特有の問題を解決するローラであるから、単に、これら引用文献のローラを画像形成装置に配設しても、画像の高精細化及び画像形成装置の耐久性に貢献することはできない。例えば、画像形成装置にローラが変形するように配設される、例えば、定着ローラ等は、画像形成装置の休止状態において、ローラが変形した状態が維持されるから、中央部と端部とに硬度差を有している引用文献のローラを定着ローラ等として用いると、硬度差によって、変形したローラが元の状態に戻る復元力が異なり、その結果、ローラの軸方向に変形ムラが発生し、現像剤を転写体に確実に定着させることができず、画像の品質が低下することがある。また、引用文献のローラは、その中央部と端部との硬度が異なるから、近年の画像形成装置に配設されても、中央部又は端部の何れか一方が他方に対して早く摩耗又は劣化してしまうことがある。
【0006】
【特許文献1】特開平7−64424号公報
【特許文献2】特開平10−111614号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は、画像形成装置に使用することができ、高品質の画像を形成すると共に画像形成装置の耐久性向上にも貢献する弾性ローラ、高品質の画像を形成すると共に画像形成装置の耐久性向上にも貢献する画像形成装置用定着装置、及び、高品質の画像を形成することができる、耐久性に優れた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための手段として、
請求項1は、軸体と、その外周面に形成された弾性層とを備え、画像形成装置に配設される弾性ローラであって、前記弾性層の軸方向における中央部近傍と両端部近傍との硬度差が、アスカーC硬度で2以下であることを特徴とする弾性ローラであり、
請求項2は、前記弾性層は、2〜20mmの厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の弾性ローラであり、
請求項3は、前記弾性層は、前記弾性層の最終長さに対して109〜190%の長さに形成されており、この弾性層の両端部近傍それぞれを切断して、前記弾性層の最終長さに調整して成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の弾性ローラであり、
請求項4は、前記弾性層は、付加反応型発泡シリコーンゴム組成物を成形してなることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の弾性ローラであり、
請求項5は、前記弾性ローラは、被転写体に転写された現像剤を定着させる定着ローラであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の弾性ローラであり、
請求項6は、請求項5に記載の弾性ローラを備えた画像形成装置用定着装置であり、
請求項7は、請求項1〜5の何れか1項に記載の弾性ローラを備えた画像形成装置である。
【発明の効果】
【0009】
この発明に係る弾性ローラは、その軸方向においてアスカーC硬度差が小さく、ほぼ均一な硬度を有する弾性層を備えているから、画像形成装置に配設された場合には、所定の圧力でかつ弾性ローラの軸方向にわたって均一に、像担持体等の被当接体に当接する。故に、この発明に係る弾性ローラは、被当接体に対して、その軸方向にわたって均一に作用することができるから、高品質の画像を形成することに十分に貢献することができると共に、弾性ローラ及び/又は被当接体における偏摩耗等が生じることなく、画像形成装置の耐久性向上にも十分に貢献することができる。例えば、画像形成装置に装備された定着装置における加圧ローラ及び定着ローラの少なくとも一方のローラとして、この発明の係る弾性ローラが使用される場合には、所定の圧力でかつ弾性ローラの軸方向にわたって均一に転写紙等の転写体に当接又は圧接して、転写体に転写された現像剤(静電潜像)を均一に加熱及び/又は加圧することができるうえ、弾性ローラにおける偏摩耗等が生じることがないから、高品質の画像を形成することに十分に貢献することができると共に、画像形成装置の耐久性向上にも十分に貢献することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
この発明に係る弾性ローラは、図1に示されるように、軸体2と、その外周面に形成された弾性層3とを備え、好ましくは、図2に示されるように、弾性層3の外周面上に形成されたチューブ層4とをさらに備え、例えば、図3に示される画像形成装置30等に配設される。
【0011】
前記軸体2は、良好な導電特性を有していればよく、通常、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、真鍮等で構成された所謂「芯金」と称される軸体とされる。また、軸体2は、熱可塑性樹脂若しくは熱硬化性樹脂等の絶縁性芯体にメッキを施して導電化した軸体であってもよく、さらには、熱可塑性樹脂若しくは熱硬化性樹脂等に導電性付与剤としてカーボンブラック又は金属粉体等を配合した導電性樹脂で形成された軸体であってもよい。
【0012】
前記弾性層3は、後述するゴム組成物によって、軸体2の外周面に形成されている。この弾性層3は、その内部及び/又は外表面に気泡を有する発泡弾性層であっても、気泡を有さない弾性層であってもよく、画像形成装置に用いられる各種ローラに応じて、気泡の有無、大きさ、存在率等が決定される。例えば、弾性ローラ1A及び1B(以下、両者を弾性ローラ1と称することがある。)を定着ローラとして使用する場合には、加圧ローラに圧接されて弾性層3が変形するように、弾性ローラ1の弾性層3は発泡弾性層とされるのが、高品質の画像を形成することができる点で、好ましい。この場合には、弾性層3に有する複数の気泡(図示しない。)は、他の気泡に接することのない、又は連通することのない状態(独立気泡状態と称する。)、他の気泡に接し、又は連通している状態(連通気泡状態と称する。)、又は、前記独立気泡状態と前記連通気泡状態とが共存する状態の何れの状態にあってもよい。
【0013】
弾性層3は、弾性層3の軸方向における中央部近傍3Aと端部近傍3B及び端部近傍3Cとの硬度差それぞれが、アスカーC硬度で2以下である。中央部近傍3Aと両端部近傍3B及び3Cとの硬度差が、アスカーC硬度で2以下であると、弾性層3はその軸方向にほぼ均一な硬度を有するから、画像形成装置に配設された場合には、所定の圧力でかつ弾性ローラ1の軸方向にわたって均一に像担持体、転写体等の被当接体に当接又は圧接し、高品質の画像を形成することにも、また、画像形成装置の耐久性向上にも、十分に貢献することができる。高品質の画像形成及び画像形成装置の耐久性向上により一層貢献することができる点で、中央部近傍3Aと両端部近傍3B及び3Cとの硬度差は、アスカーC硬度で、1以下であるのがより好ましく、0であるのが特に好ましい。
【0014】
なお、この発明において、中央部近傍3Aと端部近傍3B及び端部近傍3Cとは、前記硬度差を満足すれば、それらの硬度の大小関係は特に限定されず、中央部近傍3Aの硬度が端部近傍3B及び端部近傍3Cの硬度よりも大きくても、小さくてもよい。
【0015】
弾性層3は、中央部近傍3Aと両端部近傍3B及び3Cとの硬度差が前記範囲にあればよいが、弾性ローラとしての機能を十分に発揮することができる点で、弾性層3の軸方向における中央部近傍3A、並びに、弾性層3の両端部近傍3B及び3Cは何れも、アスカーC硬度で、20〜60であるのが好ましく、25〜50であるのが特に好ましい。
【0016】
この発明において、中央部近傍3Aは、弾性層3の軸方向における中央部である必要はなく、中央部付近、例えば、中央部を中心とする例えば10mm程度の幅を有する部分であってもよく、同様に、両端部近傍3B及び3Cは、弾性層3の軸方向における両端部である必要はなく、各端部付近、例えば、各端部から例えば10mm程度の幅を有する部分であってもよい。この発明において、アスカーC硬度は、JIS K6253に準拠して測定することができる。
【0017】
弾性層3のアスカーC硬度差は、例えば、弾性層3を形成するゴム組成物に含有されるゴム及び添加剤の種類を選択し、及び/又は、それらの含有量等を変更することにより、調整することができる。
【0018】
弾性層3は、アスカーC硬度による前記硬度差を有していれば、強度等の性質、及び、その材料、厚さ等に関して特に制限されない。例えば、弾性層3は、用途に応じて任意の長さに調整される。その一例を示すと、弾性層3は、被転写体としてA3サイズ(JIS、297mm×420mm)の用紙を縦長に用いる場合には、約310mm程度に調整され、被転写体としてA4サイズ(JIS、210mm×297mm)の用紙を縦長に用いる場合には、約230mm程度に調整される。また、弾性層3は、画像形成装置に用いられる各種ローラに応じて、その厚さが決定されるが、通常、2〜20mmの厚さを有しているのがよい。
【0019】
弾性層3の外周面には、図2に示されるように、所望により、チューブ層4が形成されてもよい。弾性層3の外表面にチューブ層4が形成されていると、現像剤の離型性を向上させることができる。チューブ層4は、例えば、1〜100μmの厚さに形成される。
【0020】
弾性ローラ1において、所望により、軸体2と弾性層3との間には、接着層、プライマ層等が設けられてもよく、また、弾性層3又はチューブ層4の外周面に、例えば、保護層等の表面層が設けられてもよい。
【0021】
弾性ローラ1は、用途に応じて、軸体2内、弾性層3内、又は軸体2と弾性層3との間に、加熱体、例えば、電熱器、発熱コイル等を備えていてもよい。例えば、弾性ローラ1が熱ローラ定着器の定着ローラとして使用される場合には加熱体を備えている。
【0022】
前記アスカーC硬度差を有する弾性層3を備えた弾性ローラ1は、ゴム組成物を、押出成形による連続加熱成形、プレス、インジェクションによる型成形等によって、加熱成形し、軸体2の外周面に弾性層3を形成する方法によって、製造される。好ましい製造方法の1つとして、例えば、押出成形法によってゴム組成物を軸体2と一体に加熱成形し、架橋された未切断弾性層の両端部近傍それぞれを、所望の最終長さ、例えば、製品としての長さとなるように、切断する製造方法が挙げられる。
【0023】
弾性層3を形成するゴム組成物は、ゴムと、所望により、各種添加剤及び発泡剤等とを含有する組成物であればよく、例えば、独立気泡状態の気泡を形成することのできる発泡シリコーンゴム系組成物及び発泡ウレタンゴム系組成物等が好ましく挙げられる。特に、独立気泡状態の気泡を形成することのできる発泡シリコーンゴム系組成物は、耐熱性、耐久性及び耐残留歪み特性等に優れ、画像形成装置の高速運転にも耐えられる好適なゴム組成物である。このような発泡シリコーンゴム系組成物として、付加反応型発泡シリコーンゴム組成物が特に好ましい。
【0024】
付加反応型発泡シリコーンゴム組成物は、ビニル基含有シリコーン生ゴムと、シリカ系充填材と、発泡剤と、付加反応架橋剤と、付加反応触媒と、反応制御剤と、所望により、有機過酸化物架橋剤と、各種添加剤とを含有する。
【0025】
前記ビニル基含有シリコーン生ゴムは、例えば、ミラブル型シリコーンゴム、熱架橋シリコーンゴム(HVR:Heat Vulcanizing Rubber)等が挙げられる。これらのビニル基含有シリコーン生ゴムは、後工程で、発泡剤及び架橋剤等をロールミル等で容易に混練りすることができるという特性を有し、一種単独又は二種以上を混合して用いることができる。
【0026】
前記シリカ系充填材は、補強性を有する煙霧質シリカ又は沈降性シリカ等が挙げられ、一般式がRSi(OR’)で示されるシランカップリング剤で表面処理された、補強効果の高い表面処理シリカ系充填材が好ましい。ここで、前記一般式におけるRは、グリシジル基、ビニル基、アミノプロピル基、メタクリロキシ基、N−フェニルアミノプロピル基又はメルカプト基等であり、前記一般式におけるR’はメチル基又はエチル基である。前記一般式で示されるシランカップリング剤は、例えば、信越化学工業株式会社製の商品名「KBM1003」及び「KBE402」等として、容易に入手することができる。このようなシランカップリング剤で表面処理されたシリカ系充填材は、定法に従って、シリカ系充填材の表面を処理することにより、得られる。シリカ系充填材の配合量は、前記ビニル基含有シリコーン生ゴム100質量部に対して、5〜100質量部であるのがよい。
【0027】
前記発泡剤としては、従来より発泡ゴムに用いられる発泡剤であればよく、例えば、無機系発泡剤として、重炭酸ソーダ、炭酸アンモニウム等が挙げられ、有機系発泡剤として、ジアゾアミノ誘導体、アゾニトリ誘導体、アゾジカルボン酸誘導体等の有機アゾ化合物等が挙げられる。通常、ゴムに連続気泡を形成する場合には無機系発泡剤が用いられ、独立気泡を形成する場合には有機系発泡剤が用いられる。弾性ローラ1においては、発泡剤は、独立気泡状態の気泡を形成することができる点で、有機系発泡剤であるのがよく、具体的には、例えば、アゾジカルボンアミド、アゾビス−イソブチロニトリル等のアゾ化合物が好適に使用される。特に、ジメチル−1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)が好適に使用できる。発泡剤の含有量は、発泡剤の種類によって相違するが、弾性層3のアスカーC硬度が20〜60となるように調整するのがよい。具体的には、例えば、前記ビニル基含有シリコーン生ゴム100質量部に対して、0.1〜10質量部、特に0.5〜10質量部であるのがよい。発泡剤の含有量が、0.1質量部未満であると、形成される弾性層3に十分な気泡を形成することができないことがあり、一方、10質量部を超えると、発泡シリコーンゴムとしての形態を維持することができなくなり、弾性層3の機械的強度が低下することがある。発泡剤として、ジメチル−1,1'−アゾ−ビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)を選択する場合には、その含有量は、前記ビニル基含有シリコーン生ゴム100質量部に対して0.5〜5質量部であるのが特によい。
【0028】
前記付加反応架橋剤は、例えば、一分子中に2個以上のSiH基(SiH結合)を有する付加反応型の架橋剤として公知のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを使用することができる。このオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、直鎖状、環状、分枝状のいずれであってもよい。オルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、前記ビニル基含有シリコーン生ゴム100質量部に対して、0.01〜20質量部であるのがよい。
【0029】
前記付加反応触媒は、例えば、周期律表第9属又は第10属の金属単体及びその化合物が挙げられ、より具体的には、シリカ、アルミナ又はシリカゲル等の担体上に吸着された微粒子状白金金属、塩化第二白金、塩化白金酸、塩化白金酸六水塩とオレフィン又はジビニルジメチルポリシロキサンとの錯体、塩化白金酸六水塩のアルコール溶液等の白金系触媒、パラジウム触媒、ロジウム触媒等が挙げられる。これら付加反応触媒の配合量は、触媒量で十分であり、通常、周期律表第9属又は第10属の金属量に換算して、付加反応型発泡シリコーンゴム組成物全体に対して、1〜1,000ppmであるのがよく、10〜500ppmであるのが特によい。付加反応触媒の配合量が、周期律表第9属又は第10属の金属量に換算して、1ppmより少ないと、ビニル基含有シリコーン生ゴムの架橋反応が十分に進行せず、ビニル基含有シリコーン生ゴムの硬化が不十分となることがあり、一方、1,000ppmを超えると、ビニル基含有シリコーン生ゴムの架橋反応を促進する能力が向上せず、かえって、経済性が低下することがある。
【0030】
前記反応制御剤は、公知の反応制御剤を制限されることなく使用することができ、例えば、メチルビニルシクロテトラシロキサン、アセチレンアルコール類、シロキサン変性アセチレンアルコール、ハイドロパーオキサイド等が挙げられる。反応制御剤の配合量は、前記ビニル基含有シリコーン生ゴム100質量部に対して0.1〜2質量部であるのがよい。
【0031】
前記有機過酸化物架橋剤は、単独でビニル基含有シリコーン生ゴムを架橋させることも可能であるが、付加反応架橋剤の補助架橋剤として併用すれば、シリコーンゴムの強度、歪み等の物性がより向上する。有機過酸化物架橋剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ビス−2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等が挙げられる。有機過酸化物架橋剤の配合量は、前記ビニル基含有シリコーン生ゴム100質量部に対して0.3〜10質量部であるのがよい。
【0032】
前記各種添加剤は、例えば、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック、炭酸カルシウム等の充填材、着色剤、耐熱性向上剤、難燃性向上剤、熱伝導性向上剤等の添加剤、離型剤、アルコキシシラン、ジフェニルシランジオール、カーボンファンクショナルシラン、両末端シラノール基封鎖低分子シロキサン等の分散剤、及び、得られるゴムの硬度を調整することのできる粉砕石英、珪藻土等の非補強性シリカ等が挙げられる。これらの各種添加剤は、所望の配合量で配合される。
【0033】
前記ビニル基含有シリコーン生ゴム、前記シリカ系充填材及び前記各種添加剤を含有するシリコーンゴム組成物として、例えば、信越化学工業株式会社製の商品名「KEシリーズ」及び「KEGシリーズ」等を容易に入手することができる。
【0034】
ゴム組成物は、二本ロール、三本ロール、ロールミル、バンバリーミキサ、ドウニキサ(ニーダ)等のゴム混練り機等を用いて、均一に混合されるまで、例えば、数分から数時間、好ましくは5分以上1時間以下にわたって、常温又は加熱下で混練して、得られる。
【0035】
チューブ層4を形成する材料は、特に制限されるものではないが、弾性ローラ1Bは被当接体に当接又は圧接されるから、永久変形しにくい材料であるのが好ましく、例えば、アルキッド樹脂、フェノール変性・シリコーン変性等のアルキッド樹脂変性物、オイルフリーアルキッド樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミドイミド系樹脂及びこれらの混合物等が挙げられる。
【0036】
弾性ローラ1の前記製造方法においては、まず、軸体2に、必要に応じて予め、その外周面に接着剤又はプライマを、スプレ法、浸漬法等によって、塗布し、その外周面に接着層又はプライマ層を形成しておくのがよい。プライマとしては、特に限定されず、例えば、シランカップリング系プライマ等が挙げられる。また、接着剤としては、特に制限されないが、例えば、アミノ基及び/又は水酸基を有する接着剤が好適である。その一例として、例えば、アルキッド樹脂、フェノール変性・シリコーン変性等のアルキッド樹脂変性物、オイルフリーアルキッド樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂及びこれらの混合物が挙げられる。また、これらの樹脂を硬化させるための架橋剤として、イソシアネート化合物、メラミン化合物、エポキシ化合物、過酸化物、フェノール化合物、ハイドロジェンシロキサン化合物等が用いられる。
【0037】
次いで、接着層又はプライマ層が形成された軸体2と共に、前記のようにして調整したゴム組成物を、押出成形する。このとき、ゴム組成物は、所望する弾性層の最終長さに対して、109〜190%の長さに押出成形されるのが好ましく、120〜150%の長さに押出成形されるのが特に好ましい。ゴム組成物が前記範囲の長さになるように押出成形されると、ゴム組成物が硬化して成る未切断弾性層における両端部近傍と中央部近傍との物性、例えば、硬度等が均一にならないことがあっても、未切断弾性層の両端部近傍を切断することによって、ほぼ均一な物性、例えば、硬度等を有する弾性層を形成することができる。なお、押出成形されるゴム組成物の長さは、生産性を考慮して、所望する弾性層の最終長さに対して190%の長さを上限としたが、均一な物性を有する弾性層を形成するには、必ずしも190%を上限とする必要はなく、200%でも、300%でもよい。
【0038】
ゴム組成物を押出成形する場合に、押出成形されるゴム組成物の長さよりも軸体の全長が短いときには、軸体の両端部に延長軸体を接続すればよい。具体的には、軸体の両端部における各端面に雌ねじを切り、延長軸体の一端面にこの雌ねじに螺合する雄ねじを切り、雌ねじと雄ねじとを螺合させることにより、延長軸体が接続された軸体とすることができる。
【0039】
ゴム組成物の押出成形は、ゴム組成物に含まれるゴム、例えば、ビニル基含有シリコーン生ゴムが架橋するのに十分な条件で行われればよく、ゴム組成物に発泡剤が含まれる場合には、ゴムが架橋し、かつ、発泡剤が分解又は発泡するのに十分な条件で行われればよい。例えば、ゴム組成物の押出成形は、赤外線加熱炉又は熱風炉等の加熱炉、乾燥機等の加熱機等により、通常、100〜500℃、特に200〜400℃、加熱時間は数分以上1時間以下、特に5〜30分間、加熱することにより、行われる。
【0040】
ゴム組成物は、所望により、さらに、二次加熱が行われてもよい。二次加熱は、前記条件で架橋されたゴム組成物をより確実に架橋させる工程であり、二次加熱によって、弾性層3の物性が安定するという効果が得られる。二次加熱は、例えば、前記の条件で押出成形されてなるゴム組成物を、さらに、押出成形された状態のままで、例えば、180〜250℃、好ましくは190〜230℃で、1〜24時間、好ましくは3〜10時間にわたって、又は、金型を用いて、例えば、130〜200℃、好ましくは150〜180℃で、5分以上24時間以下、好ましくは10分以上10時間以下にわたって、再度加熱されることによって、行われる。
【0041】
次いで、このようにして形成された未切断弾性層は、所望の最終長さを有する弾性層となるように、未切断弾性層の両端部近傍それぞれが、切断される。すなわち、未切断弾性層の両端部近傍それぞれを、切断して、弾性層の最終長さに調整する。このとき、切断される未切断弾性層の両端部近傍は、同じ長さで切断されるのが好ましい。例えば、未切断弾性層が、所望とする弾性層の最終長さに対して109%の長さに形成されている場合には、未切断弾性層の各端部を、合計9%だけ切断し、好ましくは、各端部からそれぞれ4.5%ずつ合計9%だけ切断すればよく、所望とする弾性層の最終長さに対して190%の長さに形成されている場合には、未切断弾性層の各端部を、合計90%だけ切断し、好ましくは、各端部からそれぞれ45%ずつ合計90%だけ切断すればよい。未切断弾性層の切断は、未切断弾性層を切断することができる方法で行われればよく、例えば、カッター等の切断刃を備えた切断機、より具体的には、サイドカット機を用いて、未切断弾性層を切断することができる。
【0042】
前記未切断弾性層又は前記のようにして両端部が切断された弾性層は、所望により、仕上げ工程として、所望の大きさ及び形状等に調整する研削工程及び/又は研磨工程等が施される。研削工程及び/又は研磨工程は、従来から利用されている研削盤、円筒研削盤、やすり等により、定法に従って行うことができる。また、研削工程及び/又は研磨工程後に、研削カス、研磨カス、異物等を除去するため、所望により、前記未切断弾性層又は弾性層は洗浄されてもよい。洗浄は、例えば、水等を用いた湿式洗浄及び/又はウエス等を用いたふき取り洗浄、送風洗浄等が挙げられる。
【0043】
次いで、所望により、弾性層3の外周面にチューブ層4を形成する。チューブ層4は、前記材料を弾性層3の外径とほぼ同じ内径を有する円筒状に予め形成した管体に、弾性層3を挿入して、弾性層3の外表面に形成されるのが、弾性層3の表面に存在する凹凸形状に大きく影響されず、平滑な表面を有するチューブ層4を形成することができる点で、好ましい。もちろん、チューブ層4は、前記材料を、例えば、ディップ法、スプレ法等に従って、弾性層3の外周面に塗布した後、硬化及び/又は架橋して、形成されてもよい。
【0044】
さらに、所望により、弾性層3又はチューブ層4の外周面に保護層等を定法に従って形成することもできる。
【0045】
このようにして、軸方向における中央部近傍3Aと両端部近傍3B及び3Cとの硬度差がアスカーC硬度で2以下である弾性層3を備えた弾性ローラ1が製造される。
【0046】
すなわち、このようにして製造された弾性ローラ1は、中央部近傍3Aと両端部近傍3B及び3Cとの硬度差がアスカーC硬度で2以下であり、ゴム組成物が発泡剤を含有している場合には、気泡が均一に形成された弾性層3を備えているから、画像形成装置の各種ローラ、例えば、転写ローラ、現像ローラ、帯電ローラ、定着ローラ、加圧ローラ、紙送りローラ等に、特に定着ローラに、好適に使用される。
【0047】
特に、弾性ローラ1が画像形成装置に配設された場合には、所定の圧力でかつ弾性ローラ1の軸方向にわたって均一に、像担持体等の被当接体に当接する。故に、弾性ローラ1は、被当接体に対して、その軸方向にわたって均一に作用することができるから、高品質の画像を形成することに十分に貢献することができると共に、弾性ローラ1における偏摩耗等が生じることなく、ほぼ均一に劣化し、画像形成装置の耐久性向上にも十分に貢献することができる。
【0048】
例えば、画像形成装置に装備された定着装置における加圧ローラ及び定着ローラの少なくとも一方のローラとして、弾性ローラ1が使用される場合には、所定の圧力でかつ弾性ローラ1の軸方向にわたって均一に転写紙等の転写体を押圧して、転写体に転写された現像剤(静電潜像)を均一に加熱及び/又は加圧することができるうえ、弾性ローラ1における偏摩耗等が生じることがないから、高品質の画像を形成することに十分に貢献することができると共に、画像形成装置の耐久性向上にも十分に貢献することができる。また、画像形成装置又は定着装置にローラが変形するように配設される定着ローラとして、弾性ローラ1が使用される場合には、画像形成装置又は定着装置の休止状態において、定着ローラが変形した状態が維持されていても、弾性ローラ1は弾性層3の中央部近傍3Aと端部近傍3B及び3CとのアスカーC硬度差が前記範囲にあるから、弾性層3の復元力が均一であり、その結果、弾性層3の復元状態も均一になり、現像剤を転写体に確実に定着させることができ、高品位の画像を形成することができる。
【0049】
また、近年の画像形成装置に装備された像担持体に当接するように配設された現像ローラとして、弾性ローラ1が使用される場合には、所定の圧力でかつ弾性ローラ1の軸方向にわたって均一に像担持体に当接し、現像剤を均一な厚さで精度よく、像担持体に付着させることができるから、高品質の画像を形成することに十分に貢献することができると共に、画像形成装置の耐久性向上にも十分に貢献することができる。
【0050】
次に、この発明に係る弾性ローラを備えた定着装置(以下、この発明に係る定着装置と称することがある。)及び画像形成装置(以下、この発明に係る画像形成装置と称することがある。)の一例を、図3を参照して、説明する。
【0051】
この発明に係る画像形成装置30は、図3に示されるように、静電潜像が形成される回転可能な像担持体31例えば感光体と、像担持体31に当接して又は所定の間隔を置いて設けられ、像担持体31を帯電させる帯電手段32例えば帯電ローラと、像担持体31の上方に設けられ、像担持体31に静電潜像を形成する露光手段33と、像担持体31に当接して又は所定の間隔を置いて設けられ、像担持体31に一定の層厚で現像剤42を供給し、静電潜像を現像する現像手段40と、像担持体31の下方に圧接するように設けられ、現像された静電潜像を像担持体31から被転写体36例えば転写紙上に転写する転写手段34例えば転写ローラと、被転写体36の搬送方向の下流に設けられ、被転写体36に転写された現像剤42(静電潜像)を定着させる定着手段35例えば定着装置と、被転写体36に転写されず像担持体31に残留した現像剤42及び/又は像担持体31に付着したゴミ等を除去するクリーニング手段37とを備えている。すなわち、像担持体31は、その回転方向において、上流側から順に、クリーニング手段37、帯電手段32、露光手段33、現像手段40及び転写手段34によって、各作用を受ける。
【0052】
前記像担持体31は、従来公知の像担持体を用いることができ、少なくともその表面に設けられる感光層は、例えば、有機系、アモルファスシリコン、Se系合金又はこれらを組み合わせた材料等を用いて形成される。像担持体31が円筒状の場合は、像担持体31は、アルミニウム又はアルミニウム合金を押出し成型した後、表面に感光層等を形成する方法等の公知の製法により製造することができる。また、ベルト状の像担持体を用いることも可能である。前記帯電手段32は、像担持体31を帯電させることができればよく、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器、コロトロン帯電器等の帯電器を用いることができる。これらの中でも、帯電補償能力に優れる点で接触型帯電器が好ましい。前記露光手段33は、露光により像担持体31に静電潜像を形成することができればよく、例えば、像担持体31の表面に、半導体レーザ(LD)光、発光ダイオード(LED)光、液晶シャッタ(LCS)光等の光源、又はこれらの光源からポリゴンミラーを介して所望の像様に露光できる光学系機器等を用いることができる。前記転写手段34は、現像された静電潜像を像担持体31から転写紙36上に転写することができればよく、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器、コロトロン転写帯電器等を用いることができる。これらの中でも、転写帯電補償能力に優れる点で接触型転写帯電器が好ましい。また、転写帯電器の他、剥離帯電器等を併用することもできる。前記クリーニング手段37としては、像担持体31上の現像剤42及び/又はゴミ等を除去することができればよく、公知のクリーニング装置、クリーニングローラ等を用いることができる。
【0053】
前記定着手段35は、被転写体36に転写された現像剤42(静電潜像)を定着させることができればよく、例えば、発熱可能な定着ローラを備えた熱ローラ定着装置、オーブン定着器等の加熱定着装置、加圧可能な定着ローラを備えた圧力定着装置等を用いることができる。これらの定着装置は無端ベルトを備えた定着装置であってもよい。図3において、無端ベルトを備えた定着手段35はこの発明に係る定着装置とされている。この定着装置35は、図3にその断面が示されるように、被転写体36を通過させる開口52を有する筐体50内に、定着ローラ53と、定着ローラ53の近傍に配置された無端ベルト支持ローラ54と、定着ローラ53及び無端ベルト支持ローラ54に巻き掛けられた無端ベルト55と、定着ローラ53と対向配置された加圧ローラ56とを備え、無端ベルト55を介して定着ローラ53と加圧ローラ56とが、互いに当接又は圧接するように、回転自在に支持されて成る圧力熱定着装置である。無端ベルト支持ローラ54は、画像形成装置に通常用いられるローラであればよく、例えば、弾性ローラ等が用いられる。無端ベルト55は、例えば、ポリアミド、ポリアミドイミド等の樹脂により、無端状に形成されたベルトであればよく、その厚さ等も適宜定着手段35に適合するように調整することができる。定着ローラ53、無端ベルト支持ローラ54及び加圧ローラ56はそれぞれ、加熱体(図示しない。)が内蔵され、加圧ローラ56はスプリング等の付勢手段(図示しない。)によって、無端ベルト55を介して定着ローラ53に圧接している。無端ベルト55と加圧ローラ56との圧接された間を被転写体36が通過することにより、加圧と同時に加熱され、被転写体36に転写された現像剤42(静電潜像)を定着させることができる。
【0054】
画像形成装置30は、像担持体31の表面に残留している静電潜像を除去する除電手段(図示しない。)を、クリーニング手段37と帯電手段32との間又は転写手段34とクリーニング手段37との間に、備えていてもよい。除電手段は、例えば、タングステンランプ、LED等を用いることができ、光除電手段に用いる光質としては、例えば、タングステンランプ等の白色光、LED光等の赤色光等が挙げられ、照射光強度としては、通常、像担持体31の半減露光感度を示す光量の数倍〜30倍程度になるように出力が設定される。
【0055】
画像形成装置30における現像手段40は、従来の画像形成装置に備えられた現像手段と基本的に同様に形成され、同様に配置されている。例えば、現像手段40は、図3に示されるように、像担持体31に対向する位置に開口部を有し、現像剤42を収納する現像剤収納部41と、現像剤収納部41の開口部に、像担持体31に当接して又は所定の間隔を置いて設けられ、像担持体31に現像剤42を一定の層厚で供給する回転可能な現像剤担持体44と、現像剤担持体44に当接して設けられ、現像剤担持体44に現像剤42を供給する回転可能な現像剤供給手段43と、現像剤担持体44の上方に設けられ、現像剤担持体44に当接して現像剤42の層厚を規制すると共に、摩擦帯電により現像剤42を帯電させる現像剤規制部材45とを備えている。
【0056】
前記現像剤収納部41に収納される現像剤42としては、摩擦により帯電可能で、被転写体36に定着可能な一成分系の現像剤であれば、乾式現像剤であっても湿式現像剤であってもよく、また、非磁性現像剤であっても磁性現像剤であってもよい。一成分系の現像剤は、一般に、樹脂と色剤とその他添加剤とを含み、樹脂は、定着方式に応じて選択される。熱定着方式の場合には、樹脂として、例えば、スチレン/アクリル系共重合体、スチレン/ブタジエン系共重合体が、圧力定着方式の場合には、例えば、ワックス類、エチレン/酢酸ビニル共重合体、スチレン/ブタジエンラバー混合ワックス状樹脂等が選択される。色剤としては、例えば、カーボンブラック、マグネタイト、各種染顔料等が用いられ、その他添加剤としては、例えば、帯電制御剤、導電制御剤、補強剤、離型剤等が用いられる。磁性現像剤の場合には、さらに、フェライト等の磁性粉を現像剤42の合計質量に対して数十質量%含有する。一成分系の現像剤は、通常、2〜8μC/g程度の帯電特性を有している。
【0057】
現像手段40における現像剤供給手段43は、現像剤担持体44と接触して、現像剤42を現像剤担持体44に供給することができるように構成されていればよく、例えば、導電性を有する弾性層を備えた現像ローラ等が挙げられる。なお、現像剤担持体44に供給される現像剤42を均一に混合する攪拌機が現像剤収納部41内に設けられてもよい。
【0058】
現像手段40における現像剤担持体44は、現像剤規制部材45と接触して、現像剤42を帯電させる。したがって、現像剤担持体44は、現像剤規制部材45と接触して、現像剤42を帯電させることができるように構成されていればよく、例えば、導電性を有する弾性層を備えた現像ローラ等が挙げられる。例えば、このような現像剤担持体44、特に現像ローラとして、この発明に係る弾性ローラ1を使用することができる。
【0059】
現像剤規制部材45は、図3に示されるように、所定の圧力で現像剤担持体44の表面に当接するように、現像手段40の開口部に、配置されている。この現像剤規制部材45は、現像剤担持体44に接触して、現像剤担持体44に付着した現像剤42を一定の層厚に調整すると共に、現像剤42を帯電させることができればよく、例えば、支持体と、支持体に装着され、現像剤担持体44に当接するブレードとから成っていてもよい。この支持体は、弾性を有する材料、例えば、ステンレス鋼等によって形成されて成り、ブレードを支持し、現像剤担持体44にブレードを適切な圧力で当接させる。ブレードは、弾性を有する材料、例えば、ステンレス鋼等又は弾性を有する薄板状等に形成されて成り、現像剤担持体44に当接し、現像剤42の層厚を規制すると共に、摩擦帯電により現像剤42を帯電させる。ブレードは、その表面に、現像剤42を帯電させる表面層(図示しない。)を有していてもよい。
【0060】
この発明に係る画像形成装置30は、帯電手段32の帯電ローラ、現像手段40の現像ローラ、転写手段34の転写ローラ、定着手段35の定着ローラ、加圧ローラ又は無端ベルト支持ローラ、クリーニング手段のクリーニングローラ、紙送り搬送ローラ等の各種ローラを備え、これら各種ローラのうち少なくとも1つのローラとしてこの発明に係る弾性ローラ1が使用されている。好ましくは、帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ、定着ローラ及び加圧ローラのうち少なくとも1つのローラとしてこの発明に係る弾性ローラ1が使用されている。
【0061】
この発明に係る画像形成装置30は、次のように作用する。まず、画像形成装置30において、像担持体31が、図3の矢印に示されるように、時計方向に回転しつつ、クリーニング手段37により、その表面の現像剤42及び/又はゴミ等が除去された後、帯電手段32により、一様に帯電される。次いで、露光手段33により画像が露光され、像担持体31の表面に静電潜像が形成される。
【0062】
一方、現像手段40において、現像剤42が現像剤供給手段43によって現像剤担持体44に供給され、現像剤担持体44が図3に示される矢印方向に回転することにより、現像剤担持体44の表面に付着した現像剤42が、現像剤担持体44と現像剤担持体44に当接した現像剤規制部材45との間を通過する。このとき、現像剤42は、所望の層厚に規制されると共に、現像剤42を所望のように帯電させることができる。つまり、現像剤42が、現像剤担持体44と現像剤規制部材45との間を通過することによって、現像剤担持体44の表面上における現像剤42の層厚が規制されると共に、現像剤規制部材45と現像剤担持体44及び/又は現像剤42との摩擦帯電等により、現像剤担持体44上の現像剤42が所望のように帯電される。
【0063】
次いで、このようにして現像手段40から所望の層厚及び帯電量を有する現像剤42が像担持体31に供給され、像担持体31に形成された静電潜像が現像されて、この静電潜像が現像剤像として可視化される。このようにして、現像手段40は、像担持体31に所望の層厚及び帯電量を有する現像剤42を供給し、静電潜像を現像することができる。次いで、像担持体31上に現像された現像剤像は、搬送手段により、像担持体31と転写手段34との間に搬送される被転写体36上に、像担持体31及び/又は転写手段34によって転写される。次いで、現像剤像が転写された被転写体紙36は、搬送手段により定着手段35に搬送され、定着手段35により加熱及び/又は加圧されて、転写された現像剤像が永久画像として被転写体36に定着される。このようにして、被転写体36に画像を形成することができる。
【0064】
この発明に係る画像形成装置30は、帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ、定着ローラ、加圧ローラ、無端ベルト支持ローラ、クリーニングローラ、紙送り搬送ローラ等の各種ローラのうち少なくとも1つのローラとしてこの発明に係る弾性ローラ1が使用されているので、この発明に係る弾性ローラ1が使用されたローラは、被当接体に対して、その軸方向にわたって均一に作用することができ、高品質の画像を形成することに十分に貢献することができる。例えば、像担持体31に当接するように配設された現像ローラ44として、この発明の係る弾性ローラ1が使用される場合には、所定の圧力でかつ現像ローラ44の軸方向にわたって均一に像担持体31に当接し、現像剤42を均一な厚さで精度よく、像担持体31に付着させることができるから、高品質の画像を形成することに十分に貢献することができる。
【0065】
この発明に係る画像形成装置30において、像担持体31、帯電手段32、露光手段33、転写手段34、定着手段35及びクリーニング手段37は、図3に示される配置の他に、従来の画像形成装置に備えられる像担持体、帯電手段、露光手段、転写手段、定着手段及びクリーニング手段とそれぞれ同様に形成され、同様に配置されてもよい。
【0066】
また、画像形成装置30は、電子写真方式の画像形成装置とされているが、この発明において、画像形成装置は、電子写真方式には限定されず、例えば、静電方式の画像形成装置であってもよい。また、画像形成装置30は、現像手段40に単色の現像剤42のみを収容するモノクロ画像形成装置とされているが、この発明において、画像形成装置は、モノクロ画像形成装置に限定されず、カラー画像形成装置であってもよい。カラー画像形成装置としては、例えば、像担持体上に担持された現像剤像を中間転写体に順次一次転写を繰り返す4サイクル型カラー画像形成装置、各色毎の現像手段を備えた複数の像担持体を中間転写体や転写搬送ベルト上に直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置等が挙げられる。画像形成装置30は、例えば、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置とされる。
【0067】
また、画像形成装置30において、現像剤42は、一成分系の現像剤が有利に用いられるが、トナーと、鉄、ニッケル等のキャリアとを含む二成分系の現像剤も使用することができる。二成分系の現像剤は、通常、10〜25μC/g程度の帯電特性を有している。
【実施例】
【0068】
(実施例1)
まず、無電解ニッケルメッキ処理が施された軸体(直径12mm×長さ300mm、SUM22)をトルエンで洗浄し、プライマ「No.101A/B」(信越化学工業株式会社製:商品名)を塗布した。プライマ処理した軸体を、ギアーオーブンを用いて、180℃の温度にて30分焼成処理した後、常温にて30分以上冷却し、プライマ層を形成した。
【0069】
次いで、ビニル基含有シリコーン生ゴムとシリカ系充填材とを含むシリコーンゴム組成物「KE−904FU」(信越化学工業株式会社製:商品名)100質量部と、付加反応架橋剤「C−153A」(信越化学工業株式会社製:商品名)2.0質量部と、発泡剤「KEP−13」(信越化学工業株式会社製:商品名)3.0質量部と、付加反応触媒としての白金触媒適量と、反応制御剤適量と、有機過酸化物架橋剤としての「C−3」(信越化学工業株式会社製:商品名)適量とを、二本ロールで十分に混練して、付加反応型発泡シリコーンゴム組成物を調整した。
【0070】
次いで、プライマ層を形成した軸体と、付加反応型発泡シリコーンゴム組成物とを、分出しされる付加反応型発泡シリコーンゴム組成物の長さが260mm(所望する弾性層の最終長さ(230mm)に対して113%)、厚さが約5mmとなるように、押出成形機にて一体分出し、次いで、赤外線加熱炉(IR炉)を用いて、250℃で10分間加熱して、発泡架橋させ、発泡架橋後の付加反応型発泡シリコーンゴム組成物の直径を約35mmに調整した。その後、さらに、ギアーオーブンを用いて、200℃で7時間にわたって、発泡架橋後の付加反応型発泡シリコーンゴム組成物を二次加熱し、常温にて1時間放置した。このようにして、長さ260mmの未切断弾性層が形成されたローラを製造した。このローラにおける未切断弾性層の両端部近傍を、サイドカット機を用いて、それぞれ、15mm(弾性層の最終長さに対して6.5%)ずつ切断し、次いで、円筒研削盤にて弾性層の直径を30mmに研削した。このようにして、230mmの長さを有する弾性層を備えた弾性ローラを作製した。
【0071】
(実施例2)
付加反応型発泡シリコーンゴム組成物により形成される未切断弾性層の長さが430mm(所望する弾性層の最終長さ(230mm)に対して187%)となるように、押出成形し、得られた未切断弾性層の両端部近傍を、それぞれ、100mm(弾性層の最終長さに対して43.5%)ずつ切断した以外は、実施例1と同様にして、230mmの長さを有する弾性層を備えた弾性ローラを作製した。なお、軸体の両端部に、長さ85mmの延長軸体を接続し、その全長を470mmとした。
(実施例3)
付加反応型発泡シリコーンゴム組成物により形成される未切断弾性層の長さが340mm(所望する弾性層の最終長さ(310mm)に対して110%)となるように、押出成形し、得られた未切断弾性層の両端部近傍を、それぞれ、15mm(弾性層の最終長さに対して5%)ずつ切断した以外は、実施例1と同様にして、310mmの長さを有する弾性層を備えた弾性ローラを作製した。なお、軸体は、実施例1と同様にして、プライマ層を形成し、380mmの全長を有する軸体を用いた。
(実施例4)
付加反応型発泡シリコーンゴム組成物により形成される未切断弾性層の長さが510mm(所望する弾性層の最終長さ(310mm)に対して165%)となるように、押出成形し、得られた未切断弾性層の両端部近傍を、それぞれ、100mm(弾性層の最終長さに対して32.2%)ずつ切断した以外は、実施例1と同様にして、310mmの長さを有する弾性層を備えた弾性ローラを作製した。なお、軸体は、実施例3で作製した軸体を用い、その両端部に、長さ85mmの延長軸体を接続し、全長を550mmとした。
(実施例5)
付加反応型発泡シリコーンゴム組成物により形成される未切断弾性層の長さが260mm(所望する弾性層の最終長さ(230mm)に対して113%)となるように、押出成形し、得られた未切断弾性層の一方の端部近傍を10mm(弾性層の最終長さに対して4.3%)切断し、他方の端部近傍を20mm(弾性層の最終長さに対して8.7%)切断した以外は、実施例1と同様にして、230mmの長さを有する弾性層を備えた弾性ローラを作製した。
(実施例6)
実施例1と同様にして製造した長さ260mmの未切断弾性層を形成し、次いで、金型を用いてプレス成形にて、150℃で15分間にわたって、二次加熱した以外は、実施例1と同様にして、230mmの長さを有する弾性層を備えた弾性ローラを作製した。
【0072】
(比較例1)
付加反応型発泡シリコーンゴム組成物により形成される未切断弾性層の長さが230mm(所望する弾性層の最終長さ(230mm)に対して100%)となるように、押出成形し、得られた未切断弾性層の両端部近傍をそれぞれ切断しない以外は、実施例1と同様にして、230mmの長さを有する弾性層を備えた弾性ローラを作製した。
(比較例2)
付加反応型発泡シリコーンゴム組成物により形成される未切断弾性層の長さが310mm(所望する弾性層の最終長さ(310mm)に対して100%)となるように、押出成形し、得られた未切断弾性層の両端部近傍をそれぞれ切断しない以外は、実施例1と同様にして、310mmの長さを有する弾性層を備えた弾性ローラを作製した。なお、軸体は、実施例1と同様にして、プライマ層を形成し、380mmの全長を有する軸体を用いた。
(比較例3)
付加反応型発泡シリコーンゴム組成物により形成される未切断弾性層の長さが246mm(所望する弾性層の最終長さ(230mm)に対して107%)となるように、押出成形し、得られた未切断弾性層の両端部近傍を、それぞれ、8mm(弾性層の最終長さに対して3.5%)ずつ切断した以外は、実施例1と同様にして、230mmの長さを有する弾性層を備えた弾性ローラを作製した。
(比較例4)
付加反応型発泡シリコーンゴム組成物により形成される未切断弾性層の長さが332mm(所望する弾性層の最終長さ(310mm)に対して107%)となるように、押出成形し、得られた未切断弾性層の両端部近傍を、それぞれ、11mm(弾性層の最終長さに対して3.5%)ずつ切断した以外は、実施例1と同様にして、310mmの長さを有する弾性層を備えた弾性ローラを作製した。なお、軸体は、実施例1と同様にして、プライマ層を形成し、380mmの全長を有する軸体を用いた。
【0073】
このようにして作製した弾性ローラにおける弾性層3の中央部及び両端部のアスカーC硬度を前記方法により測定し、弾性層3の中央部と両端部とのアスカーC硬度差を算出した。なお、両端部におけるアスカーC硬度及びアスカーC硬度差が異なる場合(実施例5)には、それぞれの端部における数値を記載した。
【0074】
【表1】

【0075】
実施例1〜6及び比較例1〜4で作製した弾性ローラの耐久性を、以下の方法で、図4に示される耐久性試験装置70を用いて、試験した。この耐久性試験装置70は、筐体内部の下面に固定され、内部ヒータ72を備えた加熱ローラ71と、この加熱ローラ71の軸方向に沿って、その両側に設けられた外部ヒータ73と、加熱ローラ71と対向するように、筐体内部の上面に上下動可能に設けられた試験ローラ装着部74と、試験ローラ装着部74を上下に移動可能な押圧力調整手段75、例えば、押圧調整用マイクロメータとを備えている。なお、加熱ローラ71として、直径20mmの金属(ステンレス鋼、SUS304)製ローラを用いた。
【0076】
実施例1〜6及び比較例1〜4で作製した弾性ローラを、試験ローラ装着部74のベアリングに装着し、図4に示されるように、押圧力調整手段75を操作して、装着した弾性ローラ76を加熱ローラ71に圧接し、加熱ローラ71と弾性ローラ76との圧接部において、弾性ローラ76における弾性層が内部に3mm凹陥するように、弾性ローラ76を固定した(すなわち、弾性ローラ76の外径と加熱ローラ71との外径の和よりも3mm短くなるように、弾性ローラ76の中心軸と加熱ローラ71の中心軸との距離dを調節した。)。
【0077】
次いで、外部ヒータ73及び内部ヒータ72を起動し、加熱ローラ71の表面温度を180℃に調節した。その後、試験ローラ装着部74に装備された駆動手段(図示しない。)により、回転速度130rpmで8時間連続稼動し、弾性ローラ76における弾性層の凹陥状態を解除後、弾性ローラ76を常温で24時間放置した。
【0078】
その結果、実施例1〜6で作製した弾性ローラは、試験後に、弾性層の軸方向にわたって、変形ムラがなく、また、弾性層の偏磨耗等は確認できなかった。したがって、この結果から、実施例1〜6で作製した弾性ローラを画像形成装置に配設した場合には、被当接体に対して、その軸方向にわたって均一に作用することができるから、高品質の画像を形成することに十分に貢献することができると共に、画像形成装置の耐久性向上にも十分に貢献することができることが分かった。一方、比較例1〜4で作製した弾性ローラは、試験後に、弾性層の変形ムラ及び/又は偏磨耗等が確認できた。したがって、比較例1〜4で作製した弾性ローラは、画像形成装置に配設された場合には、画像の高品質化及び画像形成装置の耐久性向上に十分に貢献することができないことが分かった。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】図1は、弾性ローラの一例を示す斜視図である。
【図2】図2は、弾性ローラの一例を示す斜視図である。
【図3】図3は、この発明に係る画像形成装置の一例を示す要部概略図である。
【図4】図4は、耐久性試験装置を示す模式図である。
【符号の説明】
【0080】
1A、1B、76 弾性ローラ
2 軸体
3 弾性層
3A 中央部近傍
3B、3C 端部近傍
4 チューブ層
30 画像形成装置
31 像担持体
32 帯電手段
33 露光手段
34 転写手段
35 定着手段
36 被転写体
37 クリーニング手段
40 現像手段
41 現像剤収納部
42 現像剤
43 現像剤供給手段
44 現像剤担持体
45 現像剤規制部材
50 筐体
52 開口
53 定着ローラ
54 無端ベルト支持ローラ
55 無端ベルト
56 加圧ローラ
70 耐久性試験装置
71 加熱ローラ
72 内部ヒータ
73 外部ヒータ
74 試験ローラ装着部
75 押圧力調整手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸体と、その外周面に形成された弾性層とを備え、画像形成装置に配設される弾性ローラであって、前記弾性層の軸方向における中央部近傍と両端部近傍との硬度差が、アスカーC硬度で2以下であることを特徴とする弾性ローラ。
【請求項2】
前記弾性層は、2〜20mmの厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の弾性ローラ。
【請求項3】
前記弾性層は、前記弾性層の最終長さに対して109〜190%の長さに形成されており、この弾性層の両端部近傍それぞれを切断して、前記弾性層の最終長さに調整して成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の弾性ローラ。
【請求項4】
前記弾性層は、付加反応型発泡シリコーンゴム組成物を成形してなることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の弾性ローラ。
【請求項5】
前記弾性ローラは、被転写体に転写された現像剤を定着させる定着ローラであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の弾性ローラ。
【請求項6】
請求項5に記載の弾性ローラを備えた画像形成装置用定着装置。
【請求項7】
請求項1〜5の何れか1項に記載の弾性ローラを備えた画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−272157(P2007−272157A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−101133(P2006−101133)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】