説明

弾性ローラの製造方法

【課題】本発明の目的は、塗工時の成形性を良化させ、振れ精度が良い弾性ローラの製造方法、弾性ローラを提供することにある。
【解決手段】リング状塗工ヘッドによる液状材料層を形成する工程を有する弾性ローラの製造方法において、該液状材料は、液状ブタジエンゴム、液状イソプレンゴム、液状アクリロニトリルブタジエンゴム、液状エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴムのいずれか1種類以上であり、かつ少なくとも下記カーボンブラックA及びBを下記Cの割合で含有し、該液状材料の降伏応力が20Pa以上600Pa以下であることを特徴とする。
(カーボンブラックA)平均一次粒径:10nm乃至40nm、100質量部。
(カーボンブラックB)平均一次粒径:80nm乃至150nm、100質量部乃至500質量部。
(C)カーボンブラックA+カーボンブラックBは全無機フィラーの90質量%以上。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンター又は複写機の如き画像形成装置及び電子写真プロセスカートリッジに用いられる弾性ローラの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真記録装置の本体内部には画像形成部が設置され、クリーニング、帯電、潜像形成、現像、転写、定着のプロセスを経て画像が形成される。画像形成部は、像担持体である感光ドラムを備えており、さらに、クリーニング部、帯電部、潜像形成部、現像部及び転写部を備えている。この画像形成部で形成された感光ドラム上の現像剤画像は転写部材により、記録材に転写され、搬送された後、定着部にて加熱加圧され定着された記録画像として排出される。
【0003】
電子写真方式を用いたプリンターの例を示す。一成分接触現像方式のプリンターにおいて、感光ドラムは帯電ローラやコロナ帯電器により均一に帯電され、レーザーにより静電潜像を形成する。次に、現像容器内の現像剤が現像剤塗布ローラ及び現像剤規制部材により適正な摩擦電荷で均一に現像ローラ上に塗布され、感光ドラムと現像ローラとの接触部で現像剤による現像が行われる。その後、感光ドラム上の現像剤は、転写ローラにより記録紙に転写され、熱と圧力(加圧ローラと定着ローラ)により定着される。感光ドラム上に残留した現像剤はクリーニングブレードによって除かれ、一連のプロセスが完了する。
【0004】
電子写真装置において、現像ローラは、感光ドラム及び現像剤規制部材に圧接された状態にある。現像を行う際には現像ローラと感光ドラム、現像ローラと現像剤規制部材は間に現像剤を介在して圧接している。感光ドラムに転写されない現像剤は、現像剤塗布ローラによって剥ぎ取られ再度現像容器内に戻り、容器内で攪拌され再び現像剤塗布ローラによって現像ローラ上に搬送される。これらの工程を繰り返すうちに現像剤は大きなストレスを受ける。そこで、現像剤へのストレスを軽減する目的から現像ローラは軸芯体の周囲に適度な弾性を有する弾性層を設けた弾性ローラとなっている。
【0005】
帯電ローラについても、感光ドラムを均一に帯電するために充分なニップが得られるよう軸芯体の周囲に適度な弾性を有する弾性層を設けた弾性ローラとなっている。
【0006】
このように弾性ローラは、常に他部材と接触した状態で回転しているので、接触状態を安定に保つ必要があるために高い寸法精度が必要とされる。接触状態を安定に保つことができないと、現像剤の供給量がばらついたり、感光ドラムに対する圧力分布がばらついたりするため、画像に悪い影響を及ぼすことになる。
【0007】
さらに、近年、電子写真のカラー化及び高画質化のニーズが高まり、電子写真用弾性ローラの外形寸法や振れ(厚み精度)の高精度化が厳しく要求されている。例えば、接触式現像方式において、現像ローラは上述したように現像剤を介して感光ドラム表面を押圧しているため、外形寸法や振れ(厚み精度)が正確でないと感光ドラムとのニップ幅やニップ力に変動が生じ濃度ムラの如き画像欠陥が発生する場合がある。
【0008】
このような接触現像方式に用いられる現像ローラとしては、弾性層に加え、必要に応じて弾性層の外周側に各種の樹脂溶液を塗布し、表面層を設けた構成の弾性ローラもある。
【0009】
従来、弾性ローラを製造するため、金型を用いた成形方法がとられることが多い。例えば、軸芯体受け部に一つ又は複数の溜め溝を設けた金型成形技術がある(特許文献1)。これによると、溜め溝部に過剰の弾性層材料を逃がすことによって、弾性ローラの寸法精度を落とすことなく良好な成形ができるとしている。このように、高精度の弾性ローラを成形するには金型を用いた成形方法が一般的となっている。しかし、金型成形技術においては、高精度な金型を多数必要とし、勢い生産設備の高額化は避けられない。上述した性能面の特性を満足させる一方で、弾性ローラの製造方法によるローコスト化も要求されている。
【0010】
また、金型を使用せずに軸芯体外周上に弾性層材料を成形する方法として、例えば、スプレー塗工法、浸漬塗工法、ロール塗工法、ブレード塗工法、環状塗工槽で塗工する方法及び環状塗工ヘッドを用いた塗工法が検討されている。
【0011】
弾性ローラは様々な用途に応じて、軸芯体外周上に所望の機能を有する弾性層を形成させている。特に近年では、そのような所望の機能を発現させるために、均一な薄層から数ミリ程度の厚みまでの弾性層が要求され、かつ、塗工する弾性層材料そのものが多様化している。それに伴って弾性層材料も低粘度から高粘度のものもあり、そのため、従来の塗工法においてはそのような弾性層材料の塗工範囲をカバーできにくくなってきている。
【0012】
例えば、スプレー塗工法は粘度が低い弾性層材料しか使用できず、弾性層の厚みは最大500μm程度までである。弾性層の厚みを大きくするために弾性層材料の粘度を高くすると、弾性層材料の霧化が困難になる。
【0013】
ブレード塗工法及びロール塗工法は、塗工される軸芯体の軸線方向にブレード若しくはロールを配置し、その軸芯体を回転させながらブレード又はロールによって弾性層材料を塗工する。軸芯体を1〜数回転だけ回転させた後、ブレード又はロールを後退させて塗工を終了する。この塗工終了時にブレードやロールを後退させ、まだ未硬化未乾燥である弾性層材料から離す際、弾性層材料の粘性によって軸芯体外周上の弾性層材料の一部に他の部分より厚い部分或いは薄い部分が発生する。特に、弾性層の厚みを大きくするために弾性層材料の粘度を高くした場合には、この厚みの変化が弾性層のレベリングにおいても回復できないほどになってしまい、外形寸法や振れ(厚み精度)が正確な弾性層が得られず、画像不良が発生する場合がある。
【0014】
また、浸漬塗工法では、ブレード塗工法及びロール塗工法等における弾性層の不均一性の問題は改良される。しかしながら、弾性層の厚みの制御が弾性層材料の物性、例えば、弾性層材料の粘度、表面張力及び密度、その他温度に支配されるため、弾性層材料の物性を常時一定にしておくことが必要であるが、一定に保つことは難しい。また、浸漬させるにあたって予め浸漬槽に弾性層材料を充満させておかなければならず、実際の使用量に対して大量の弾性層材料が必要となり、生産性が低い。さらには、弾性ローラの長手方向で重力の要因による弾性層材料の液垂れが生じ、特に、塗工開始時と終了直後に弾性層材料の液垂れが生じ、外形寸法や振れ(厚み精度)を正確にするには、浸漬或いは引き上げる速度を精密に制御する必要がある。
【0015】
また、環状塗工槽で液状材料を塗工する方法が知られている(特許文献2及び3)。この塗工法は、液状材料を環状塗工槽に保持し、環状塗工槽から軸芯体を上昇させ、軸芯体の表面に液状材料を塗工する方法である。この方法では、以下のような利点を有する。
・浸漬塗工方法と比較して少量の弾性層材料で塗工が可能となる、
・液状材料の吐出量と塗工速度をコントロールすることで生産速度が速くなる、及び、
・軸芯体を環状塗工槽に対して移動させることによって、連続した塗工が可能となる。
しかしながら、本特許文献に示された環状塗工槽での塗工方法においては、液状材料層の厚みとしては、最大でも500μm程度が限界である。
【0016】
上記した従来の塗工方法においては、数ミリ程度の厚みの液状材料層を形成するためには、高粘度の弾性層材料を溶媒により希釈し、その液状材料層を、塗工に必要な粘度にまで下げた状態で塗工する。その後、液状材料層の希釈に使用した溶媒を蒸発させることにより除去して弾性層を形成する。形成された弾性層上にさらに弾性材料を上塗り及び溶媒の除去といった工程を繰り返すしかなく、非常に生産性が低かった。また、このように製造された弾性ローラは、多数の工程を繰り返すために、弾性ローラとしての寸法精度や振れ(厚み精度)の制御が困難であった。
【0017】
高粘度の液状材料層を軸芯体に直接塗工する方法として、環状塗工ヘッドを用いた塗工法がある(特許文献4)。これによれば、液状材料の粘度や液状材料層の厚さによる塗工工程の制限をある程度除去し、より容易な装置で軸芯体外周上に液状材料を直接塗工して、良好かつ均一な液状材料層を形成することができる。また、液状材料としてシリコーンゴムを用いた例が記載されている。
【0018】
シリコーンゴム以外の汎用液状ゴムを用いた弾性ローラの製造方法としては、前述したような金型を用いた成形方法が知られている(特許文献5)。金型を用いれば寸法精度の良い弾性ローラを製造することが可能であるが、前述したように生産設備の高額化は避けられず、精度が良く、かつ低コストな弾性ローラの製造は実現できていない。
【0019】
【特許文献1】特開2000−006163号公報
【特許文献2】特許第2756830号公報
【特許文献3】特許第2764435号公報
【特許文献4】特開2006−293015号公報
【特許文献5】特開2002−249620号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
前記したように、環状塗工ヘッドを用いて軸芯体上に直接液状シリコーンゴムを塗工することで、寸法精度が良く、特には振れ精度の良い弾性ローラを成形することができる。しかしながら、シリコーンゴム以外の汎用液状ゴム材料を用いて同様に成形を行ったところ、振れ精度の良好な弾性ローラの成形はできなかった。これは、導電材として小粒径のカーボンブラックを1種類のみ添加したのではゴムに対するカーボンブラックの補強性が強すぎるため、塗工時の成形性が低下したと推測される。
【0021】
本発明の目的は、シリコーンゴム以外の汎用液状ゴム材料を液状ゴム材料として用いた際、液状材料塗工時の成形性が良好で、振れ精度が良い弾性ローラの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記課題を解決するため、本願発明は以下の構成を有することを特徴とする。すなわち、本発明はリング状塗工ヘッドを用いて軸芯体の外周上に少なくとも液状ゴムと無機フィラーを混合した液状材料を吐出塗工し液状材料層を形成する工程と、該液状材料層を加熱硬化し該軸芯体上に弾性層を形成する工程とを有する弾性ローラの製造方法において、該液状ゴムは少なくとも液状ブタジエンゴム、液状イソプレンゴム、液状アクリロニトリルブタジエンゴム、液状エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴムのいずれか1種類以上であり、かつ該弾性層の厚さは0.5mm以上6.0mm以下であり、かつ該無機フィラーは少なくとも下記のカーボンブラックA及びカーボンブラックBを下記Cの割合で含有し、かつ該液状材料の降伏応力が20Pa以上600Pa以下であることを特徴とする弾性ローラの製造方法に関する。
(カーボンブラックA)平均一次粒径が10nm乃至40nmであるカーボンブラック
(カーボンブラックB)平均一次粒径が80nm乃至150nmであるカーボンブラック
(C)カーボンブラックAを100質量部としたとき、カーボンブラックBは100質量部乃至500質量部であり、カーボンブラックA+カーボンブラックBが全無機フィラーの90質量%以上である
【発明の効果】
【0023】
以上のように本発明によれば、シリコーンゴム以外の汎用液状ゴム材料を液状ゴム材料として用いた際にも、成形性に優れ、振れ精度の良い弾性ローラの製造方法を提供することが可能となった。さらには本発明で用いる液状ブタジエンゴム、液状イソプレンゴム、液状アクリロニトリルブタジエンゴム、液状エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴムはシリコーンゴムに比べて安価であり、弾性ローラの低コスト化も達成することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明による弾性ローラの製造方法について詳細に説明する。
【0025】
本発明に係る弾性ローラの製造方法は、リング状塗工ヘッドを用いて軸芯体の外周上に少なくとも液状ゴムと無機フィラーを混合した液状材料を吐出塗工し液状材料層を形成する工程と、該液状材料層を加熱硬化し該軸芯体上に弾性層を形成する工程とを有する弾性ローラの製造方法において、該液状ゴムは少なくとも液状ブタジエンゴム、液状イソプレンゴム、液状アクリロニトリルブタジエンゴム、液状エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴムのいずれか1種類以上であり、かつ該弾性層の厚さは0.5mm以上6.0mm以下であり、かつ該無機フィラーは少なくとも下記のカーボンブラックA及びカーボンブラックBを下記Cの割合で含有し、かつ該液状材料の降伏応力が20Pa以上600Pa以下であることを特徴とする。
(カーボンブラックA)平均一次粒径が10nm乃至40nmであるカーボンブラック
(カーボンブラックB)平均一次粒径が80nm乃至150nmであるカーボンブラック
(C)カーボンブラックAを100質量部としたとき、カーボンブラックBは100質量部乃至500質量部であり、カーボンブラックA+カーボンブラックBが全無機フィラーの90質量%以上である。
【0026】
(軸芯体)
本発明で使用される軸芯体は、電極又は支持部材として機能するものである。軸芯体は、鉄、アルミニウム、銅合金、ステンレス鋼の金属又は合金に、必要に応じてクロム、ニッケルで鍍金処理を施しても良い。また、合成樹脂の如き材質で構成されても良い。形状は、円柱形や中心部を空洞化した円筒形が好ましい。軸芯体の外径は適宜決めることができるが、通常、直径4.0〜20.0mmの範囲にする。
【0027】
本発明の弾性ローラの製造方法に好適に用いることができる環状塗工ヘッドを有する塗工機の概略説明図を図1に示す。本発明では、以下、該塗工機のことをリングコート機と呼ぶ。
【0028】
このリングコート機は、架台31の上に略垂直にコラム32が取り付けられ、架台31とコラム32の上部に精密ボールネジ33が略垂直に取り付けられている。44はリニアガイドであり、精密ボールネジ33と平行にコラム32に該リニアガイド44は2本取り付けられている。Linear Motionガイド(以下LMガイド)34はリニアガイド44と精密ボールネジ33とを連結し、サーボモータ35よりプーリ36を介して回転運動が伝達され昇降できるようになっている。コラム32には環状塗工ヘッド固定テーブル45が取り付けられている。環状塗工ヘッド固定テーブル45には、環状塗工ヘッド位置補正XYステージ46が取り付けられており、環状塗工ヘッド位置補正XYステージ46上に環状塗工ヘッド38が取り付けられている。
【0029】
図2は環状塗工ヘッド位置補正XYステージ46周辺の機構を真上から見た図であり、図2における奥側が図1におけるLMガイド側である。ここでのX方向とは、図2における左右方向であり、Y方向とは、図2における前後方向である。環状塗工ヘッド位置補正XYステージ46はXY両方向(水平方向)への駆動機構を備えており、ステッピングモータによって駆動される。また図2に示したように環状塗工ヘッド固定テーブル45には軸芯体の位置及び塗工ヘッドの位置を検出するため、LED位置検出器48がXY方向にそれぞれ一組ずつ(X方向位置検出器48−1、Y方向位置検出器48−2)、計2組が取り付けられている。なお、光学位置検出の光源として、レーザーを用いても良い。このように、測定物の位置検出の精度を上げるため、LED位置検出器48は2組以上取り付けられることが好ましい。また、LED位置検出器48は投光部と受光部1対からなり、受光した光の輝度の差から測定物の位置を検出するものである。
【0030】
LMガイド34にはブラケット37が取り付けられる。ブラケット37には、軸芯体位置補正XYステージ47が取り付けられており、軸芯体位置補正XYステージ47上に軸芯体101を保持し固定する軸芯体下保持軸39が、略垂直に取り付けられている。また、逆側のローラの軸芯体101を保持する軸芯体上保持軸40の中心軸がブラケット37の上部に取り付けられ、軸芯体上保持軸40は軸芯体下保持軸39に対向して略同心になるように配置して軸芯体を保持している。
【0031】
環状塗工ヘッド38の中心軸は、軸芯体下保持軸39と軸芯体上保持軸40の移動方向と平行となるようにそれぞれに支持されている。また、軸芯体下保持軸39及び軸芯体上保持軸40が昇降移動時において、環状塗工ヘッド38の内側に開口した環状スリットになっている吐出口の中心軸と、軸芯体下保持軸39及び軸芯体上保持軸40の中心軸が略同心になるように調節してある。
【0032】
液状材料の供給口41は、配管42を介して供給弁43に接続されている。材料供給弁43は、その手前に混合ミキサー、材料供給ポンプ、材料定量吐出装置、材料タンクを備え、定量(単位時間当たりの量が一定)の液状材料を吐出可能としている。液状材料は材料タンクから、材料定量吐出装置により一定量計量され、混合ミキサーで混合される。その後、材料供給ポンプにより混合された液状材料は、材料供給弁43から配管42を経由して、供給口41に送られる。
【0033】
供給口41より送り込まれた液状材料は、環状塗工ヘッド38内の流路を通り、環状塗工ヘッド38のノズルから吐出する(図3)。液状材料の層厚を一定にさせるために、環状塗工ヘッドノズルからの吐出量と材料供給ポンプからの供給量を一定にして、保持されている軸芯体101を垂直方向(軸芯体の中心軸方向)に上方へ移動させる。これにより、軸芯体101は環状塗工ヘッド38に対して相対的に軸方向に移動し、軸芯体101の外周上に液状材料からなる円筒形状(ロール形状)の層102が形成される。
【0034】
上記環状塗工ヘッド38を有するリングコート機を用いて、本発明によって弾性ローラを製造することができる。
【0035】
弾性ローラを製造するにあたり、まず軸芯体上保持軸40が環状塗工ヘッド38の中心になるよう環状塗工ヘッド38の中心位置を調整する。図1で示したLMガイド34を鉛直方向に移動させ、軸芯体上保持軸40の先端がLED位置検出器48の測定範囲に入るように調整し、軸芯体上保持軸40の中心の位置座標(水平面におけるX及びY座標)を読み取り、座標の原点とした。以後、全ての位置座標の測定において、座標の原点は軸芯体上保持軸40の中心位置座標とする。続いて、環状塗工ヘッド38の位置を補正する。環状塗工ヘッド38の位置補正手法としては、環状塗工ヘッド38の位置座標を接触式で求めて調整する方法、環状塗工ヘッド38に基準となるピン49を立て環状塗工ヘッド38の位置座標をLED位置検出器48によって非接触で求める方法などが挙げられる。
【0036】
その一例として、環状塗工ヘッド38に基準となるピン49を立て、環状塗工ヘッド38の位置座標をLED位置検出器48によって求める方法の概略説明図を図4に示す。図4に示すように、環状塗工ヘッド38上に、環状塗工ヘッド38の中心軸から等距離になるように、X軸とY軸にそれぞれ2本ずつ、計4本のピン49を立てる。まず、LED位置検出器48によって軸芯体上保持軸40と環状塗工ヘッド38に立てたピン49の間の距離を計測する。その時、図4に示すように、距離X1、X2、Y1、Y2がX1=X2、Y1=Y2となるように環状塗工ヘッド位置補正XYステージ46を駆動する。この工程を経ることにより、軸芯体上保持軸40を基準とした環状塗工ヘッド38の中心位置座標が相対的に求められる。
【0037】
本発明に係る弾性ローラの製造方法の概略説明図を図5Aから図5Gに示す。
【0038】
軸芯体101は、軸芯体上保持軸40及び軸芯体下保持軸39によって上下軸方向に把持される。本発明において、軸芯体101を上下軸方向に把持するとは、図5Aに示すように軸芯体を鉛直方向になるよう軸芯体の端部を把持するものである。
【0039】
上下軸方向に軸芯体101を把持した状態で、LMガイド(図5AからGには不図示)が下降する。この時、図5Bに示すように、LED位置検出器48によって、例えば軸芯体101の軸方向(長手方向)位置101−1及び101−2の二箇所の中心位置座標(水平面におけるX及びY座標)を検出する。水平位置座標を検出する軸芯体101の長手方向位置は、軸芯体101の長さにもよるが、通常軸芯体101両端からそれぞれ好ましくは80nm以内、より好ましくは50nm以内の二点を選ぶ。軸芯体101端部に近い方が精度の面で好ましい。
【0040】
次に、軸芯体測定箇所101−1及び101−2のうち101−2の中心位置座標を基準として、軸芯体測定箇所101−1の中心位置座標が軸芯体測定箇所101−2の中心の真下にくるように軸芯体位置補正XYステージ47により補正する(図5D)。これにより、軸芯体の倒れを補正することができ、それにより液状材料を塗工したときの弾性層の偏りを補正することができる。
【0041】
環状塗工ヘッド38から液状材料を吐出させ軸芯体101を垂直方向に上方移動させる最中、装置の走り誤差(X及びY方向)に対応して環状塗工ヘッド位置補正XYステージ46により液状材料吐出中の環状塗工ヘッド38位置を同期させてもよい(図5E)。この場合、予めLED位置検出器48で、形状が既知の軸芯体(以降「マスタ」ともいう)の位置座標(X及びY)を検出し、装置の走り誤差を求める。ここで用いたマスタは、円筒型のステンレス製の軸芯体であり、その円筒度を真円度計で測定したところ、0.2μmであった。こうして予め装置の走り誤差を求める。そして、塗工時に環状塗工ヘッド38を装置の走り誤差と同期させて水平方向に動かす。これにより、装置の走り誤差を打ち消し、厚みがより均一な液状材料層を設けることができる。また、この際、環状塗工ヘッド38は固定した状態で、装置の走り誤差に同期させ、軸芯体を水平方向に動かしても良い。
【0042】
以上の工程を経て、軸芯体101の外周上に液状材料からなる円筒形状(ローラ形状)の層102が形成される(図5F)。そして、軸芯体上保持軸40を上昇させ、リングコート機から軸芯体101を取り外し(図5G)、加熱硬化させることで弾性ローラが製造される。
【0043】
上述したように、下記(i)から(iv)の工程を行うことで振れの小さい弾性ローラを製造することができる。
【0044】
(i)装置の走り誤差を測定する工程
(ii)軸芯体の中心位置座標を検出し軸芯体の倒れを補正する工程
(iii)環状塗工ヘッドの位置座標が軸芯体の中心位置座標と一致するように環状塗工ヘッドの位置を補正する工程
(iv)液状材料塗工時における、装置の走り誤差に同期した環状塗工ヘッド及び/又は軸芯体の位置補正工程。
【0045】
(弾性層の厚さ)
弾性層の厚さは0.5mm以上6.0mm以下の範囲とする。好ましくは、2.0mm以上4.0mm以下である。弾性層の厚みが0.5mmより小さいとき、例えば前記弾性ローラを現像ローラとして用いる場合、弾性層の弾性が得られず、現像剤へのストレスを低減させることができない。また、弾性層の厚みが6.0mmを超えると、縦型リングコート機においても、液状材料の自重により重力方向に垂れが生じ、外径寸法や振れに影響を与えることがある。
【0046】
振れは、図8に示すように、基準となる定盤203上に垂直に取り付けられた軸芯体支持部材204に、弾性ローラの軸芯体露出部分を把持させ、把持部分を支点として弾性ローラを回転させる。このときの弾性ローラと定盤203間の距離の変動を、軸芯体101と垂直に配置した非接触位置検出器(製品名:「LS−5000」、キーエンス社製)で測定し、弾性ローラと定盤203間の距離の最大値と最小値の差を値として求める。弾性層103の軸方向に1cmピッチで前記弾性ローラと定盤203間の距離の最大値と最小値の差を求め、その差の値の中で最大の値を弾性層103の振れの値とする。なお、弾性ローラとして好ましく使用できる振れは、装置のグレードや耐久性にもよるが、60μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましく、30μm以下がさらに好ましい。60μm以下とすることにより、他部材に与える応力の偏りを抑制し、ストレスによる磨耗や劣化を防止できる。また、電荷や現像剤の供給バランスがくずれることによる画像弊害、特には濃度ムラを防止できる。
【0047】
(液状材料の降伏応力)
軸芯体の外周に環状塗工ヘッドで塗布する液状材料の降伏応力は、20〜600Paとする。降伏応力(しばしば降伏点と呼ばれる)とは、それ以下では試料が固体として振舞う限界応力のことである。降伏応力を超えると、凝集フィラーによって形成されていた3次元網目構造の構造破壊が生じ、試料は流動を開始する。加えられた応力によって際限なく変形し続け、応力を除いてももとの形状に戻ることはない。つまり、塗膜の厚みが大きくなるにつれて材料の質量が増えるため、重力方向に材料が流れやすくなる。流れを生じさせないためには、自重に対抗するために充分な降伏応力を持つことが必要である。塗膜の厚みに対して充分な降伏応力を持つことにより、形状が安定し寸法精度の良い成形物を得ることが出来る。
【0048】
降伏応力の好ましい範囲は、100Pa以上400Pa以下である。降伏応力が20Pa以上600Pa以下の範囲にある場合、塗工厚みに対する寸法精度を維持し、塗工面の平滑さとのバランスを最良の状態で、両立することができる。降伏応力が600Paを超える場合には、塗工時における材料のレベリング作用効果が小さすぎて、塗工後の表面にスジが発生したり凹凸ができたりするなどの困難が生じる。20Pa未満の場合には、重力に対して降伏応力が小さすぎて塗膜形成後の形状を保持することができないため、変形してしまい、弾性ローラの塗工厚みに対する外径寸法差が大きくなり弾性ローラが使用に耐えられない。
【0049】
弾性ローラとして好適に使用できる寸法精度は、画像形成装置のグレードや耐久性にもよるが、弾性ローラの外径に対して長手方向における外径のムラが3%以内の寸法差に抑えられることが好ましい。3%を超えると他部材に与える応力に偏りが生じ、ストレスが大きな部分の磨耗や劣化を早める原因となり、電荷や現像剤の供給バランスがくずれることによる画像弊害などが生じる原因となる。
【0050】
(液状ゴム)
本発明での液状材料に含まれる液状ゴムとは、室温で少なくともある一定時間流動性を持つポリマーで、加熱又は経時により硬化が進行するものである。具体的には、液状ジエンゴムである液状ブタジエンゴム、液状イソプレンゴム、液状アクリロニトリルブタジエンゴム、液状エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴムが挙げられる。このようなゴムは、単独で用いてもよく、又は二種以上を混合して用いてもよい。
【0051】
(無機フィラー)
本発明における前記液状ゴムに混合する無機フィラーは、弾性層に導電性を付与するための導電剤としての無機フィラーを少なくとも含む。また、弾性層の補強などのための充填剤としての無機フィラーを更に含んでもよい。
【0052】
前記導電剤としての無機フィラーの例はカーボンブラックを含む。導電剤としてのカーボンブラックの具体例としては、アセチレンブラック、特殊導電性カーボンブラック(例えば、「ケッチェンブラックEC」、「ケッチェンブラックEC600JD」(いずれも商品名;ケッチェンブラックインターナショナル社製)、PAN系カーボンブラック、ピッチ系カーボンブラック等のカーボン粉が挙げられる。
【0053】
混合量はその種類にもよるが、前記液体材料に5質量%乃至20質量%含まれることが好ましい。上記の配合量とすることで、導電性を十分に発揮させることができ、また電子写真で使用するローラとして好ましい機械特性を出すことができる。
【0054】
この導電剤添加量の調整により、弾性層の体積抵抗率を1.0×103Ω・cm乃至5.0×106Ω・cmの範囲に調整することが好ましい。弾性層の体積抵抗率が1.0×103Ω・cm以上の場合、ローラに流れる電流により適正なトナー量が現像ローラ上にのるため、ローラとして適切な画像濃度を出すことができる。また、弾性層の抵抗率が5.0×106Ω・cm以下の場合、ローラに流れる電流は充分であり、同様にローラとして適切な画像濃度を出すことができる。
【0055】
充填剤としては以下の充填剤が挙げられる。例えば、ヒュームドシリカ、湿式シリカ、石英微粉末、ケイソウ土、カーボンブラック、酸化亜鉛、塩基性炭酸マグネシウム、活性炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、二酸化チタン、タルク、雲母粉末、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ガラス繊維などである。これらの充填剤の表面を有機珪素化合物、例えば、ポリジオルガノシロキサン等で処理して疎水化してもよい。充填量は、2質量%以下含むことが好ましい。
【0056】
また、導電剤、充填剤以外では、架橋剤、その他ゴム用添加剤を液状ゴムに適宜添加することができる。前記架橋剤としては、従来公知の硫黄、有機過酸化物、ヒドロシリル架橋剤などが挙げられる。また、硫黄系加硫剤及び過酸化物による加硫効率を上げるために、加硫促進剤を併用してもよい。
【0057】
本発明での液状材料には、少なくとも上述の液状ブタジエンゴム、液状イソプレンゴム、液状アクリロニトリルブタジエンゴム、液状エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴムのいずれか1種類以上を含有する。さらに、無機フィラーとして少なくとも下記のカーボンブラックA及びカーボンブラックBを下記Cの割合で含有する。
【0058】
(カーボンブラックA)平均一次粒径が10nm乃至40nmであるカーボンブラック
(カーボンブラックB)平均一次粒径が80nm乃至150nmであるカーボンブラック
(C)カーボンブラックAを100質量部としたとき、カーボンブラックBは100質量部乃至500質量部であり、カーボンブラックA+カーボンブラックBが全無機フィラーの90質量%以上である。
【0059】
カーボンブラックAは平均一次粒径が10nm乃至40nmとする。平均一次粒径が10nm乃至40nmと小さいため、主に弾性層の導電性付与に寄与する。平均一次粒径が10nmより小さいと、カーボンブラック同士の凝集力が強すぎるため、カーボンブラックがポリマーに均一に分散しない。また、平均一次粒径が40nmを超えると、導電性が劣り、ローラとしての導電性を出すために不十分である。さらに、カーボンブラックAは比表面積が大きいため、ポリマーに対する補強性が強い。
【0060】
カーボンブラックBは平均一次粒径が80nm乃至150nmとする。カーボンブラックBはカーボンブラックAに比べて平均一次粒径が大きく、ポリマーに対する補強性は弱い。また、カーボンブラックAに比べて導電性が乏しく、弾性層の導電性にあまり寄与しない。カーボンブラックBの平均一次粒径が80nmより小さいと、ポリマーに対する補強性が強く、カーボンブラックAと混合することでローラの成形性を調整する役割を充分に果たすことができない。また、カーボンブラックBの平均一次粒径が150nmを超えると、ポリマーに対する補強性が弱すぎる。また、導電性も乏しく、カーボンブラックAと混合してもローラとして好ましい機械特性を出すことができない。
【0061】
カーボンブラックAとカーボンブラックBは上記Cの割合で混合する。カーボンブラックAを100質量部としたとき、カーボンブラックBが100質量部未満であるとポリマーに対する補強性が強すぎ、ローラの成形性が低下する。一方で、カーボンブラックAを100質量部としたとき、カーボンブラックBが500質量部以上であるとポリマーに対する補強性が不足し、形状を維持するのに必要な降伏応力を持たせることができない。
【0062】
また、カーボンブラックA+カーボンブラックBが全無機フィラーの90質量%以上とする。カーボンブラックA+カーボンブラックBが全無機フィラーの90質量%未満であると、成形性と導電性の両立が困難となる。
【0063】
(液状ゴムの分子量)
液状ゴムとして、液状ブタジエンゴムを使用する場合、その質量平均分子量は7000乃至30000であることが好ましい。質量平均分子量が7000以上であれば、無機フィラーを混合しても降伏応力は20Pa以上とすることができる。また、質量平均分子量が30000以下であれば、無機フィラーを混合したときの降伏応力は600Pa以下とすることができる。同様に、以下に挙げる各液状ゴムについても、以下の質量平均分子量範囲が好ましい。
【0064】
液状イソプレンゴムの質量平均分子量は6000乃至100000であることが好ましい。
【0065】
液状アクリロニトリルブタジエンゴムの質量平均分子量は5000乃至20000であることが好ましい。
【0066】
液状エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴムの質量平均分子量は8000乃至80000であることが好ましい。
【0067】
(硬化方法)
軸芯体の外周に塗布された液状材料の層を赤外線加熱で熱処理して硬化し、弾性ローラとする。液状材料の層の表面は、粘着性を有している。このため、熱処理する方法としては非接触で、装置が簡易で、軸芯体外周上の液状材料の層を長手方向に均一に熱処理できる赤外線加熱が好ましい。この時、赤外線加熱装置を固定し、液状材料からなる円筒形状(ロール形状)の未硬化物層を設けた軸芯体を周方向に回転させることにより、周方向に均一に熱処理が行われる。塗布液表面の熱処理温度としては、液状ブタジエンゴム、液状イソプレンゴム、液状アクリロニトリルブタジエンゴム、液状エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴムの硬化反応が開始する100℃以上200℃以下が好ましい。
【0068】
ここで、液状材料層を硬化して得られた弾性層の物性安定化、弾性層中の反応残渣及び未反応低分子分を除去する等を目的として、赤外線加熱後の弾性層に更に熱処理による二次硬化を行ってもよい。その後、弾性層の両端を切断して弾性層を必要な長さにする。弾性層形成に際して異常が発生しやすい、液状材料を軸芯体上に形成する際の始端及び終端を予め除去することも好ましい。
【0069】
(表面層)
以上のようにして形成された弾性層の外周側に耐磨耗性や現像剤の摩擦帯電性、離形性の観点から、さらに表面層を設けることもできる。表面層を形成する材料としては、各種のポリアミド、フッ素樹脂、水素添加スチレン−ブチレン樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、イミド樹脂、オレフィン樹脂が挙げられる。これらの材料は、単独で用いてよく、又は二種以上を混合して用いてもよい。これらの材料には必要に応じて各種添加剤が添加される。
【0070】
これらの表面層を構成する材料は、サンドミル、ペイントシェーカー、ダイノミル、ボールミルの如きビーズを利用した従来公知の分散装置を使用して、分散させる。得られた表層形成用の分散体は、スプレー塗工法又はディッピング法により弾性層の表面に塗布される。表面層の厚みとしては、5〜50μmが好ましい。低分子量成分がしみ出してきて感光ドラムを汚染することを防止する観点から5μm以上が好ましく、ローラが硬くなり、融着が発生することを防止する観点から50μm以下が好ましい。より好ましくは10〜30μmである。
【0071】
本発明の弾性ローラは上記に記載の製造方法により製造されることを特徴とする。この製造方法により製造された弾性ローラは、成形性に優れ、振れ精度が良いローコストなものである。
【0072】
本発明の弾性ローラは現像ローラとして使用することができる。本発明の現像ローラを搭載した一般的なプロセスカートリッジ及び電子写真装置の一例を図9に模式図として示した。この図9により以下説明する。
【0073】
本画像形成装置は、それぞれイエロー、シアン、マゼンダ及びブラックの現像剤画像を形成する画像形成ユニット10a〜10dが4個あり、タンデム方式で設けられている。感光体11、帯電装置12、画像露光装置13、現像装置14、クリーニング装置15、画像転写装置16の仕様が各色現像剤特性に応じて少し調整に差異があるものの、基本的構成においてこれら4個の画像形成ユニット10a〜10dは同じである。また、感光体11、帯電装置12、現像装置14及びクリーニング装置15が一体となり、着脱可能なプロセスカートリッジを形成している。また、本発明に関するプロセスカートリッジとしては、現像装置14からなる現像カートリッジタイプなどがある。
【0074】
現像装置14には、一成分現像剤5を収容した現像容器6と、現像容器6内の長手方向に延在する開口部に位置し、感光ドラム11と対向設置された現像ローラ1とを備え、感光ドラム11上の静電潜像を現像して可視化するようになっている。さらに、現像ローラ1に一成分現像剤5を供給すると共に現像に使用されず現像ローラ1に担持されている一成分現像剤5を掻き取る現像剤供給ローラ7、現像ローラ1上の一成分現像剤5の担持量を規制すると共に摩擦帯電する現像ブレード8が設けられている。
【0075】
感光ドラム11の表面が帯電装置12により所定の極性・電位に一様に帯電され、画像情報が画像露光装置13からビームとして、帯電された感光ドラム11の表面に照射され、静電潜像が形成される。次いで、形成された静電潜像上に本発明の弾性ローラを現像ローラ1とする現像装置14から一成分現像剤5が供給され、感光ドラム11表面に現像剤像が形成される。この現像剤像は感光ドラム11の回転に伴って、画像転写装置16と対向する場所に来たときにその回転と同期して供給されてきた紙等の転写材25に転写される。
【0076】
なお、図9では4つの画像形成ユニット10a〜10dが一連に連動して所定の色画像を1つの転写材25上に重ねて形成されている。したがって、転写材25をそれぞれの画像形成ユニットの画像形成と同期させる、つまり、画像形成が転写材25の挿入と同期している。そのために、転写材25を輸送するための転写搬送ベルト17が感光ドラム11と画像転写装置16との間に挟まれるように、転写搬送ベルト17の駆動ローラ18、テンションローラ19及び従動ローラ20に架けまわされている。転写材25は転写搬送ベルト17に吸着ローラ21の働きにより静電的に吸着された形で搬送される。なお、22は転写材25を供給するための供給ローラである。
【0077】
画像が形成された転写材25は、転写搬送ベルト17から剥離装置23の働きにより剥がされ、定着装置24に送られ、現像剤像は転写材25に定着されて、印画が完了する。一方、現像剤像の転写材25への転写が終わった感光ドラム11はさらに回転して、クリーニング装置15により表面がクリーニングされ、必要により除電装置(不図示)によって除電される。その後感光ドラム11は次の画像形成に供される。なお、図9において、26、27はそれぞれ画像転写装置16、吸着ローラ21へのバイアス電源を示す。
【0078】
なお、ここでは、タンデム型の転写材上へ直接各色の現像剤画像を転写する装置で説明したが、現像ローラとして本発明の弾性ローラを使用する装置であればいずれでもよい。具体的には、以下の装置を含む。
【0079】
・白黒の単色画像形成装置;
・転写ローラや転写ベルトに一旦各色の現像剤像を重ねてカラー画像を形成し、それを転写部材へ一括して転写する画像形成装置;
・各色の現像ユニットがロータ上に配置されたり、感光ドラムに並列して配置されたりした画像形成装置。
【0080】
また、プロセスカートリッジではなく、感光ドラム、帯電装置、現像装置等が直接画像形成装置に組み込まれていてもよい。
【0081】
本発明の弾性ローラは、上記した現像ローラとしてばかりでなく、その弾性層の均一性が良好であることから、帯電ローラ又は転写ローラの如き導電性が必要なローラの用途にも使用可能である。
【実施例】
【0082】
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、これらは本発明を何ら制限するものではない。
【0083】
(弾性層の体積抵抗率測定)
弾性層の体積抵抗率を測定するにあたり、予め室温23℃、湿度50%の環境下で24時間弾性ローラを放置してエージングを施す。弾性層の体積抵抗の測定は、同様の環境下で図6のように行う。弾性ローラをSUS製ドラム201上にのせ、弾性ローラの軸芯体露出部分に荷重を各500gずつかけた状態でSUS製ドラム201を24rpmで回転させることで、弾性ローラを回転させながら測定する。弾性ローラに電圧V1として50Vを印加し、抵抗R2と並列に配置したマルチメーター202でそのときの電圧V2を測定する。弾性層の体積抵抗R1〔Ω〕は、印加電圧V1、測定電圧V2、及び抵抗R2より以下の式で計算して求めた。
【0084】
R1〔Ω〕={(V1/V2)−1}×R2
【0085】
次に、以下(弾性層の厚み測定)の項目において記述した弾性層の厚み測定方法に基づいて、弾性層の厚みt〔cm〕を測定した。そして、上述の式で求めた弾性層の体積抵抗R1〔Ω〕と弾性層の厚みt〔cm〕から、以下の式によって計算して求めた値を弾性層の体積抵抗率〔Ω・cm〕とした。
【0086】
弾性層の体積抵抗率〔Ω・cm〕=R1〔Ω〕/t〔cm〕
【0087】
(弾性層の厚み測定)
ローラの側面から垂直に鋭利な刃物を弾性層に投入して軸心体まで到達させ、断面観察できるような試料を作成する。図7に示すように、ローラ長手方向のゴム部を4等分する3箇所に鋭利な刃物を投入し、3個の断面観察用資料を切り出した。次に、それら3個の弾性層の厚みをビデオマイクロ(製品名:「VHX100」、キーエンス社製)を用いて計測し、3個のデータの相加平均値を用いて弾性層の厚みとした。
【0088】
(振れ:弾性層の厚みムラ測定)
振れは、図8に示すように、基準となる定盤203上に垂直に取り付けられた軸芯体支持部材204に、弾性ローラの軸芯体101の露出部分を把持させる。把持部分を支点として弾性ローラを8rpmで回転させたときの弾性ローラと定盤203間の距離の変動を、軸芯体101と垂直に配置した非接触位置検出器(製品名:「LS−5000」、キーエンス社製)で測定する。弾性ローラと定盤203間の距離の最大値と最小値の差を値として求める。弾性層103の軸方向に1cmピッチで前記弾性ローラと定盤203間の距離の最大値と最小値の差を求め、その差の値の中で最大の値を弾性層103の振れの値とする。また、以下のように振れの評価を行った。
【0089】
A:弾性層の振れが25μm以下の場合
B:25μmを超えて30μm以下の場合
C:30μmを超えて40μm以下の場合
D:40μmを超える場合。
【0090】
(液状材料の降伏応力測定)
粘弾性測定装置による液状ゴム材料の降伏応力測定法を以下に記す。
【0091】
粘弾性測定装置にはHaake社製「RheoStress600」(製品名)を用い、測定は室温23℃、湿度50%の環境下で行った。
【0092】
後述する混合物Aと混合物Bの混合物を約1g採取し試料台の上にのせ、コーンプレートを徐々に近づけて、試料台から約50μmの位置で測定ギャップを設定した(コーンプレート:φ35mm、傾斜角度1°)。そのとき、まわりに押し出された材料を奇麗に除去し、測定に影響の出ないようにした。
【0093】
材料温度が25℃になるようにプレート台の温度を設定し、試料をセットしてから10分間放置後、測定を開始した。
【0094】
試料にかける応力は0Paからスタートし50000Paまでの範囲(周波数は1Hz)を、180秒かけて変動させ、そのときの貯蔵弾性率G’、損失弾性率G’’、位相差tanδの変化を32ポイント測定した。G’ははじめ線形粘弾性領域で一定の値となり、その後G’とG’’が交差する点の応力値を読み取り、降伏応力とした。
【0095】
(質量平均分子量測定法)
【0096】
GPCによる質量平均分子量の測定方法を以下に記す。
【0097】
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるクロマトグラムの質量平均分子量(Mw)は次の条件で測定される。40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、試料濃度として0.05〜0.6質量%に調製した樹脂のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数(リテンションタイム)との関係から算出する。
【0098】
検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば東ソー社製或いはPressure Chemical Co.製の標準ポリスチレン試料を用いる。分子量は6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度用いるのが適当である。
【0099】
検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
【0100】
カラムとしては、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良い。例えば、昭和電工社製の「shodex GPC KF−801、802、803、804、805、806、807」(商品名)の組み合わせや、Waters社製の「μ−styragel500、103、104、105」(商品名)の組み合わせを挙げることができる。
【0101】
(カーボンブラック平均一次粒子径の測定方法)
カーボンブラックの平均一次粒子径の測定は、日立ハイテクノロジー社製の超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡「S−4800」(製品名)を用いて行った。各カーボンブラックをトルエン溶媒中に分散させ、その溶液を支持膜付きのマイクログリッド上に数滴垂らし、トルエンが揮発するまで待った。次にそのマイクログリッドを試料台にセットし、「S−4800」(製品名)中に投入した。その後高真空に至るまで真空引きを行った後、電子線の加速電圧30V、エミッション電流1μA、倍率50000倍の条件で走査型透過電子顕微法(STEM)モードでカーボンブラックの観察を行った。一次粒子径の測定は、カーボンブラックの種類ごとに30個ずつ行い、相加平均を取って平均一次粒子径とした。
【0102】
本実施例及び比較例に用いた液状ゴムについては、以下の方法により合成した。
【0103】
(液状ブタジエンゴム(液状BR))
精製および脱水したブタジエンを有機溶剤に溶解し、重合触媒としてチタン系触媒を添加して付加重合させた。その後重合停止剤を加え、加熱、減圧、水蒸気蒸留などの方法で未反応モノマーと溶媒を回収した。なお、ブタジエンの仕込み濃度、重合温度、重合時間を調整して各分子量の液状BRを得た。
【0104】
(液状イソプレンゴム(液状IR))
精製および脱水したイソプレンを有機溶剤に溶解し、リチウム系触媒で付加重合させた。その後重合停止剤を添加し、加熱、減圧、水蒸気蒸留などの方法で未反応モノマーと溶剤を回収した。なお、イソプレンの仕込み濃度、重合温度、重合時間を調整して各分子量の液状IRを得た。
【0105】
(液状アクリロニトリルブタジエンゴム(液状NBR))
ブタジエンとアクリロニトリルを用いて常法に基づいて合成した。ブタジエンとアクリロニトリルを混合した後、脱イオン水と乳化剤を加えた。次いで重合開始剤と重合調製剤を加えて乳化重合を行った。重合開始剤としては、有機過酸化物と還元剤を組み合わせたレドックス触媒を用い、重合調製剤としてはメルカプタンを用いた。その後、重合停止剤としてヒドロキノンを添加し、重合反応を停止させ、加熱、減圧、水蒸気蒸留などの方法で未反応モノマーの除去および回収を行った。なお、モノマーの仕込み濃度、重合温度、重合時間を調整して液状NBRを得た。
【0106】
(液状エチレンプロピレンジエン共重合ゴム(液状EPDM))
エチレン、プロピレンおよびジシクロペンタジエンを用いて常法に基づいて合成した。エチレン、プロピレン及びジシクロペンタジエンを混合して溶剤に溶解し、均一系バナジウム触媒を添加して重合させた。次いで脱触媒処理を行った後、加熱、減圧、水蒸気蒸留などの方法で未反応モノマーの除去および回収を行った。なお、モノマーの仕込み濃度、重合温度、重合時間を調製することで各分子量の液状EPDMを得た。
【0107】
[実施例1]
(液状材料の調製)
液状のブタジエンゴム(質量平均分子量 Mw=19000) 88質量%
カーボンブラック(a)(商品名:「Raven890」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 5.00質量%
カーボンブラック(b)(商品名:「Raven410」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 7.00質量%。
【0108】
上記材料をプラネタリーミキサーを用いて30分間混合脱泡し、液状のブタジエンゴムベース材料を得た。これを混合物Aとした。さらに、混合物Aを100質量%としたとき、そこに加硫剤として硫黄を1.0質量%と、加硫促進剤を0.8質量%加えて混合し混合物Bとした。混合物Aと混合物Bをそれぞれ、原料タンク1、原料タンク2にセットし、圧送ポンプを使用してスタチックミキサーに送り出し、混合物Aと混合物Bを質量1:1の比率で混合し、弾性層形成用の液状材料を調製した。この液状材料の降伏応力は150Paであった。
【0109】
(弾性ローラの作成の前準備)
図1に示した形態の環状塗工ヘッド38を有する縦型リングコート機を用いた。弾性ローラを製造するにあたり、まず軸芯体上保持軸40の位置座標を基準として、環状塗工ヘッド40中心の位置座標を測定した。以後、全ての位置座標の測定において、座標の原点は軸芯体上保持軸40とする。はじめに、軸芯体上保持軸40の位置座標(X及びY)をLED位置検出器48によって検出し、その座標を原点と決定した。次に、軸芯体上保持軸40を環状塗工ヘッド38の内側に固定した。その後、LED位置検出器48によって軸芯体上保持軸40と環状塗工ヘッド38に立てたピン49の間の距離を測定し、環状塗工ヘッド38中心の位置座標(X及びY)を算出した。次に、図4においてX1=X2、Y1=Y2となるように環状塗工ヘッド38中心の位置座標を調整した。これによって、軸芯体上保持軸40の中心位置座標と環状塗工ヘッド38の中心位置座標を水平方向において一致させることができた。
【0110】
次に、軸芯体上保持軸40に対する軸芯体下保持軸39の倒れ補正を行った。
【0111】
LED位置検出器48によって軸芯体下保持軸39の中心位置座標を測定し、軸芯体上保持軸40の中心位置座標に水平方向において一致するように軸芯体下保持軸39の中心位置座標を調整した。これによって、軸芯体上保持軸40と軸芯体下保持軸39の倒れ補正ができる。
【0112】
(弾性ローラの作成)
軸芯体下保持軸39の上端を、環状塗工ヘッド38の中を通って環状塗工ヘッド38より上位に位置させた。この状態で、軸芯体下保持軸39にセットされた長さ280.0mm、外径φ6.0mmの鉄製軸芯体101を、軸芯体上保持軸40を下降させることで、鉛直方向に把持した。その後、LMガイド34で把持した軸芯体101を下降させるときに、LED位置検出器48によって、軸芯体101の端部からの距離14.0mm、266.0mmの2箇所の位置座標(X及びY)を検出した。次に、この2箇所の位置座標が水平方向において一致するように、軸芯体下保持軸39の位置座標を調整した。これによって、軸芯体101が持つ倒れを補正することができる。
【0113】
その後、速度60mm/sで軸芯体保持軸を鉛直方向に上昇させて軸芯体101を移動させた。その際、予め求めておいた塗工装置の走り誤差分だけ環状塗工ヘッド38を同時に水平方向に動かした(図5D)。環状塗工ヘッド38の位置補正を行いながら、環状塗工ヘッド38の内側に開口した環状スリットから、上記液状材料を5.04ml/secで吐出し、軸芯体101の外周に液状材料からなる円筒形状(ロール形状)に液状材料の層を形成した。リングコート機から軸芯体101を取り外し、未硬化の成形物層を有するローラ(以下、未硬化のローラ)を作成した。
【0114】
この未硬化のローラを、軸芯体101を中心として60rpmで回転させ、その未硬化の成形物層表面に、株式会社ハイベック製の赤外線加熱ランプ「HYL25」(製品名)で赤外線(出力1000W)を4分間照射し、硬化させた。なお、赤外線照射時の未硬化の成形物層表面とランプの距離は60mmであり、未硬化の成形物層表面の温度は170℃であった。その後、電気炉で170℃、1時間の二次硬化を行った。硬化したゴムの弾性層の物性を安定させ、ゴムの弾性層中の反応残渣及び未反応低分子分を除去するためである。そして、軸芯体101の外周上に外径φ12.0mm、層厚3.0mm、長手方向における弾性層の長さが240.0mmの弾性ローラを得た。
【0115】
このようにして、弾性ローラを10本同様に作製した。この弾性ローラの体積抵抗率及び弾性ローラの振れの結果を表3に示す。成形性が良く、最も振れの大きい弾性ローラの振れが25μmであった。このように、成形性及び振れ精度が良い弾性ローラを製造することができた。
【0116】
(現像ローラの作製)
ポリウレタンポリオールプレポリマー「タケラックTE5060」(商品名、三井武田ケミカル株式会社製) 100質量部
イソシアネート「コロネート2521」(商品名、日本ポリウレタン株式会社製) 77質量部
カーボンブラック「MA100」(商品名、三菱化学株式会社製) 24質量部。
【0117】
上記化合物にMEK(メチルエチルケトン)を加え、サンドミルで1時間分散した。分散後さらにMEK(メチルエチルケトン)を加えて固形分20質量%から30質量%の範囲で塗布乾燥後の膜厚が20μmとなるように調製して、表面層用塗料を得た。
【0118】
この塗料中に、作成した弾性ローラのうち最も振れの大きい一本を浸漬して、表面層に塗布した後、自然乾燥させた。次いで、140℃にて60分間加熱処理して、塗料膜を硬化し、表面層が形成された現像ローラ1を得た。
【0119】
(画像評価)
作成した現像ローラ1を温度23℃、湿度50%の環境下で24時間放置し、エージングを施した。次いで、電子写真方式の画像形成装置(商品名:HP Color LaserJet 3800;HP社製)の電子写真プロセスカートリッジ(公称寿命6000枚、A4サイズ、5%印字率、プリントカートリッジ:シアン)に現像ローラとして組み込んだ。
【0120】
次いで、この電子写真プロセスカートリッジを上記画像成形装置中に組み込んで、温度23℃、湿度50%の環境下において連続モード(毎分21枚出力)で耐久試験を行った。通紙時は、印字率2%の文字画像を3000枚連続出力した。その後、ベタ画像、画像濃度0.6のハーフトーン画像(マクベス反射濃度計「RD918」(製品名)を用いて測定)、文字画像を1枚ずつ出力し、濃度ムラ(ローラピッチ)を目視にて観察して、下記基準で評価した。結果を表3に示す。
【0121】
A:全画像において良好
B:ハーフトーン画像にて濃度ムラが若干確認されるが、実用上問題ない
C:ベタ画像、ハーフトーン画像にて濃度ムラが若干確認されるが、実用上問題ない
D:ベタ画像、ハーフトーン画像にて顕著な濃度ムラが確認される。又は文字画像において顕著なかぶり(非印字部にトナーが飛散してしまう現象)が確認される。
【0122】
[実施例2]
液状のイソプレンゴム (質量平均分子量 Mw=30000) 88質量%
カーボンブラック(a) (商品名:「Raven890」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 5.00質量%
カーボンブラック(b) (商品名:「Raven410」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 7.00質量%。
【0123】
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様にして弾性層形成用の液状材料を調製した。この液状材料の降伏応力は150Paであった。
【0124】
また、上記液状材料を用いて実施例1と同様に弾性ローラを製造した。このようにして、弾性ローラを10本同様に作製した。この弾性ローラの体積抵抗率、弾性ローラの振れの評価を表3に示す。成形性が良く、最も振れの大きい弾性ローラの振れは23μmであった。また、実施例1と同様にして現像ローラ2を得た。作成した現像ローラ2を現像ローラとして電子写真プロセスカートリッジに組み込み、実施例1と同様に連続3000枚画像出力した後、画像評価した。結果を表3に示す。
【0125】
[実施例3]
液状のアクリロニトリルブタジエンゴム(質量平均分子量 Mw=13000) 88質量%
カーボンブラック(a)(商品名:「Raven890」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 5.00質量%
カーボンブラック(b)(商品名:「Raven410」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 7.00質量%。
【0126】
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様にして弾性層形成用の液状材料を調製した。この液状材料の降伏応力は150Paであった。
【0127】
また、上記液状材料を用いて実施例1と同様に弾性ローラを製造した。このようにして、弾性ローラを10本同様に作製した。この弾性ローラの体積抵抗率、弾性ローラの振れの評価を表3に示す。成形性が良く、最も振れの大きい弾性ローラの振れは24μmであった。また、実施例1と同様にして現像ローラ3を得た。作成した現像ローラ3を現像ローラとして電子写真プロセスカートリッジに組み込み、実施例1と同様に連続3000枚画像出力した後、画像評価した。結果を表3に示す。
【0128】
[実施例4]
液状のエチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(質量平均分子量 Mw=40000) 88質量%
カーボンブラック(a)(商品名:「Raven890」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 5.00質量%
カーボンブラック(b)(商品名:「Raven410」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 7.00質量%。
【0129】
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様にして弾性層形成用の液状材料を調製した。この液状材料の降伏応力は150Paであった。
【0130】
また、上記液状材料を用いて実施例1と同様に弾性ローラを製造した。このようにして、弾性ローラを10本同様に作製した。この弾性ローラの体積抵抗率、弾性ローラの振れの評価を表3に示す。成形性が良く、最も振れの大きい弾性ローラの振れは23μmであった。また、実施例1と同様にして現像ローラ4を得た。作成した現像ローラ4を現像ローラとして電子写真プロセスカートリッジに組み込み、実施例1と同様に連続3000枚画像出力した後、画像評価した。結果を表3に示す。
【0131】
[実施例5]
液状のブタジエンゴム(質量平均分子量 Mw=19000) 88質量%
カーボンブラック(a)(商品名:「Raven890」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 5.00質量%
カーボンブラック(b)(商品名:「Raven410」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 7.00質量%。
【0132】
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様にして弾性層形成用の液状材料を調製した。この液状材料の降伏応力は150Paであった。
【0133】
環状塗工ヘッドの内側に開口した環状スリットから、上記液状材料を0.60ml/secで吐出し、塗工された液状材料を実施例1と同様に硬化させた。そして、軸芯体の外周上に層厚0.5mmのブタジエン層を有する弾性ローラを得た。このようにして、弾性ローラを10本同様に作製した。この弾性ローラの体積抵抗率、弾性ローラの振れの評価を表3に示す。成形性が良く、最も振れの大きい弾性ローラの振れは25mであった。また、実施例1と同様にして現像ローラ5を得た。作成した現像ローラ5を現像ローラとして電子写真プロセスカートリッジに組み込み、実施例1と同様に連続3000枚画像出力した後、画像評価した。結果を表3に示す。
【0134】
[実施例6]
液状のイソプレンゴム(質量平均分子量 Mw=30000) 88質量%
カーボンブラック(a)(商品名:「Raven890」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 5.00質量%
カーボンブラック(b)(商品名:「Raven410」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 7.00質量%。
【0135】
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様にして弾性層形成用の液状材料を調製した。この液状材料の降伏応力は150Paであった。
【0136】
環状塗工ヘッドの内側に開口した環状スリットから、前記液状材料を13.44ml/secで吐出し、吐出塗工された前記液状材料を実施例1と同様に硬化させ、軸芯体の外周上に層厚6.0mmのイソプレン層を有する弾性ローラを得た。このようにして、弾性ローラを10本同様に作製した。この弾性ローラの体積抵抗率、弾性ローラの振れの評価を表3に示す。成形性が良く、最も振れの大きい弾性ローラの振れは27μmであった。
また、実施例1と同様にして現像ローラ6を得た。作成した現像ローラ6を現像ローラとして電子写真プロセスカートリッジに組み込み、実施例1と同様に連続3000枚画像出力した後、画像評価した。結果を表3に示す。
【0137】
[実施例7]
液状のアクリロニトリルブタジエンゴム(質量平均分子量 Mw=13000) 95質量%
カーボンブラック(d)(商品名:「Raven860U」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 2.25質量%
カーボンブラック(b)(商品名:「Raven410」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 2.25質量%
シリカ(商品名:「AEROSIL380」、日本アエロジル製) 0.50質量%。
【0138】
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様にして弾性層形成用の液状材料を調製した。この液状材料の降伏応力は20Paであった。
【0139】
上記液状材料を用いて実施例1と同様に弾性ローラを製造した。このようにして、弾性ローラを10本同様に作製した。この弾性ローラの体積抵抗率、弾性ローラの振れの評価を表3に示す。最も振れの大きい弾性ローラの振れは28mであった。また、実施例1と同様にして現像ローラ7を得た。作成した現像ローラ7を現像ローラとして電子写真プロセスカートリッジに組み込み、実施例1と同様に連続3000枚画像出力した後、画像評価した。結果を表3に示す。
【0140】
[実施例8]
液状のエチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(質量平均分子量 Mw=40000) 80質量%
カーボンブラック(c)(商品名:「Raven3600U」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 10.00質量%
カーボンブラック(b)(商品名:「Raven410」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 10.00質量%。
【0141】
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様にして弾性層形成用の液状材料を調製した。この液状材料の降伏応力は600Paであった。
【0142】
上記液状材料を用いて実施例6と同様に弾性ローラを製造した。このようにして、弾性ローラを10本同様に作製した。この弾性ローラの体積抵抗率、弾性ローラの振れの評価を表3に示す。最も振れの大きい弾性ローラの振れは29μmであった。次に、実施例1と同様の表層を弾性ローラに塗布し、帯電ローラ8を得た。作成した帯電ローラ8を帯電ローラとして電子写真プロセスカートリッジに組み込み、実施例1と同様に連続3000枚画像出力した後、画像評価した。結果を表3に示す。
【0143】
[実施例9]
液状のブタジエンゴム(質量平均分子量 Mw=19000) 88質量%
カーボンブラック(a)(商品名:「Raven890」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 5.00質量%
カーボンブラック(e)(商品名:「Raven22」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 7.00質量%。
【0144】
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様にして弾性層形成用の液状材料を調製した。この液状材料の降伏応力は200Paであった。
【0145】
上記液状材料を用いて実施例1と同様に弾性ローラを製造した。このようにして、弾性ローラを10本同様に作製した。この弾性ローラの体積抵抗率、弾性ローラの振れの評価を表3に示す。成形性が良く、最も振れの大きい弾性ローラの振れは23μmであった。また、実施例1と同様にして現像ローラ9を得た。作成した現像ローラ9を現像ローラとして電子写真プロセスカートリッジに組み込み、実施例1と同様に連続3000枚画像出力した後、画像評価した。結果を表3に示す。
【0146】
[実施例10]
液状のイソプレンゴム(質量平均分子量 Mw=30000) 88質量%
カーボンブラック(a)(商品名:「Raven890」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 5.00質量%
カーボンブラック(f)(商品名:「シーストTA」、東海カーボン株式会社製) 7.00質量%。
【0147】
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様にして弾性層形成用の液状材料を調製した。この液状材料の降伏応力は100Paであった。
【0148】
上記液状材料を用いて実施例1と同様に弾性ローラを製造した。このようにして、弾性ローラを10本同様に作製した。この弾性ローラの体積抵抗率、弾性ローラの振れの評価を表3に示す。最も振れの大きい弾性ローラの振れは26μmであった。また、実施例1と同様にして現像ローラ10を得た。作成した現像ローラ10を現像ローラとして電子写真プロセスカートリッジに組み込み、実施例1と同様に連続3000枚画像出力した後、画像評価した。結果を表3に示す。
【0149】
[実施例11]
液状のブタジエンゴム(質量平均分子量 Mw=7500) 80質量%
カーボンブラック(a)(商品名:「Raven890」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 6.66質量%
カーボンブラック(b)(商品名:「Raven410」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 13.34質量%。
【0150】
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様にして弾性層形成用の液状材料を調製した。この液状材料の降伏応力は40Paであった。
【0151】
上記液状材料を用いて実施例1と同様に弾性ローラを製造した。このようにして、弾性ローラを10本同様に作製した。この弾性ローラの体積抵抗率、弾性ローラの振れの評価を表3に示す。最も振れの大きい弾性ローラの振れは29μmであった。また、実施例1と同様にして現像ローラ11を得た。作成した現像ローラ11を現像ローラとして電子写真プロセスカートリッジに組み込み、実施例1と同様に連続3000枚画像出力した後、画像評価した。結果を表3に示す。
【0152】
[実施例12]
液状のブタジエンゴム(質量平均分子量 Mw=30000) 90質量%
カーボンブラック(a)(商品名:「Raven890」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 5.00質量%
カーボンブラック(b)(商品名:「Raven410」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 5.00質量%。
【0153】
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様にして弾性層形成用の液状材料を調製した。この液状材料の降伏応力は600Paであった。
【0154】
上記液状材料を用いて実施例1と同様に弾性ローラを製造した。このようにして、弾性ローラを10本同様に作製した。この弾性ローラの体積抵抗率、弾性ローラの振れの評価を表3に示す。最も振れの大きい弾性ローラの振れは28μmであった。また、実施例1と同様にして現像ローラ12を得た。作成した現像ローラ12を現像ローラとして電子写真プロセスカートリッジに組み込み、実施例1と同様に連続3000枚画像出力した後、画像評価した。結果を表3に示す。
【0155】
[実施例13]
液状のイソプレンゴム(質量平均分子量 Mw=6000) 80質量%
カーボンブラック(a)(商品名:「Raven890」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 6.66質量%
カーボンブラック(b)(商品名:「Raven410」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 13.34質量%。
【0156】
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様にして弾性層形成用の液状材料を調製した。この液状材料の降伏応力は40Paであった。
【0157】
上記液状材料を用いて実施例1と同様に弾性ローラを製造した。このようにして、弾性ローラを10本同様に作製した。この弾性ローラの体積抵抗率、弾性ローラの振れの評価を表3に示す。最も振れの大きい弾性ローラの振れは29μmであった。また、実施例1と同様にして現像ローラ13を得た。作成した現像ローラ13を現像ローラとして電子写真プロセスカートリッジに組み込み、実施例1と同様に連続3000枚画像出力した後、画像評価した。結果を表3に示す。
【0158】
[実施例14]
液状のイソプレンゴム(質量平均分子量 Mw=100000) 90質量%
カーボンブラック(a)(商品名:「Raven890」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 5.00質量%
カーボンブラック(b)(商品名:「Raven410」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 5.00質量%。
【0159】
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様にして弾性層形成用の液状材料を調製した。この液状材料の降伏応力は600Paであった。
【0160】
上記液状材料を用いて実施例1と同様に弾性ローラを製造した。このようにして、弾性ローラを10本同様に作製した。この弾性ローラの体積抵抗率、弾性ローラの振れの評価を表3に示す。最も振れの大きい弾性ローラの振れは28μmであった。また、実施例1と同様にして現像ローラ14を得た。作成した現像ローラ14を現像ローラとして電子写真プロセスカートリッジに組み込み、実施例1と同様に連続3000枚画像出力した後、画像評価した。結果を表3に示す。
【0161】
[実施例15]
液状のアクリロニトリルブタジエンゴム(質量平均分子量 Mw=5000) 80質量%
カーボンブラック(a)(商品名:「Raven890」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 6.66質量%
カーボンブラック(b)(商品名:「Raven410」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 13.34質量%。
【0162】
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様にして弾性層形成用の液状材料を調製した。この液状材料の降伏応力は40Paであった。
【0163】
上記液状材料を用いて実施例1と同様に弾性ローラを製造した。このようにして、弾性ローラを10本同様に作製した。この弾性ローラの体積抵抗率、弾性ローラの振れの評価を表3に示す。最も振れの大きい弾性ローラの振れは29μmであった。また、実施例1と同様にして現像ローラ15を得た。作成した現像ローラ15を現像ローラとして電子写真プロセスカートリッジに組み込み、実施例1と同様に連続3000枚画像出力した後、画像評価した。結果を表3に示す。
【0164】
[実施例16]
液状のアクリロニトリルブタジエンゴム(質量平均分子量 Mw=20000) 90質量%
カーボンブラック(a)(商品名:「Raven890」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 5.00質量%
カーボンブラック(b)(商品名:「Raven410」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 5.00質量%。
【0165】
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様にして弾性層形成用の液状材料を調製した。この液状材料の降伏応力は500Paであった。
【0166】
上記液状材料を用いて実施例1と同様に弾性ローラを製造した。このようにして、弾性ローラを10本同様に作製した。この弾性ローラの体積抵抗率、弾性ローラの振れの評価を表3に示す。最も振れの大きい弾性ローラの振れは27μmであった。また、実施例1と同様にして現像ローラ16を得た。作成した現像ローラ16を現像ローラとして電子写真プロセスカートリッジに組み込み、実施例1と同様に連続3000枚画像出力した後、画像評価した。結果を表3に示す。
【0167】
[実施例17]
液状のエチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(質量平均分子量 Mw=8000) 80質量%
カーボンブラック(a)(商品名:「Raven890」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 6.66質量%
カーボンブラック(b)(商品名:「Raven410」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 13.34質量%。
【0168】
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様にして弾性層形成用の液状材料を調製した。この液状材料の降伏応力は40Paであった。
【0169】
上記液状材料を用いて実施例1と同様に弾性ローラを製造した。このようにして、弾性ローラを10本同様に作製した。この弾性ローラの体積抵抗率、最も振れの大きい弾性ローラの振れの評価を表3に示す。弾性ローラの振れは29μmであった。また、実施例1と同様にして現像ローラ17を得た。作成した現像ローラ17を現像ローラとして電子写真プロセスカートリッジに組み込み、実施例1と同様に連続3000枚画像出力した後、画像評価した。結果を表3に示す。
【0170】
[実施例18]
液状のエチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム (質量平均分子量 Mw=80000) 90質量%
カーボンブラック(a)(商品名:「Raven890」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 5.00質量%
カーボンブラック(b)(商品名:「Raven410」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 5.00質量%。
【0171】
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様にして弾性層形成用の液状材料を調製した。この液状材料の降伏応力は600Paであった。
【0172】
上記液状材料を用いて実施例1と同様に弾性ローラを製造した。このようにして、弾性ローラを10本同様に作製した。この弾性ローラの体積抵抗率、弾性ローラの振れの評価を表3に示す。最も振れの大きい弾性ローラの振れは28μmであった。また、実施例1と同様にして現像ローラ18を得た。作成した現像ローラ18を現像ローラとして電子写真プロセスカートリッジに組み込み、実施例1と同様に連続3000枚画像出力した後、画像評価した。結果を表3に示す。
【0173】
[実施例19]
液状のアクリロニトリルブタジエンゴム(質量平均分子量 Mw=13000) 80質量%
カーボンブラック(a)(商品名:「Raven890」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 3.33質量%
カーボンブラック(b)(商品名:「Raven410」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 16.67質量%。
【0174】
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様にして弾性層形成用の液状材料を調製した。この液状材料の降伏応力は60Paであった。
【0175】
上記液状材料を用いて実施例1と同様に弾性ローラを製造した。このようにして、弾性ローラを10本同様に作製した。この弾性ローラの体積抵抗率、弾性ローラの振れの評価を表3に示す。最も振れの大きい弾性ローラの振れは29μmであった。また、実施例1と同様にして現像ローラ19を得た。作成した現像ローラ19を現像ローラとして電子写真プロセスカートリッジに組み込み、実施例1と同様に連続3000枚画像出力した後、画像評価した。結果を表3に示す。
【0176】
[実施例20]
液状のブタジエンゴム(質量平均分子量 Mw=19000) 44質量%
液状のイソプレンゴム(質量平均分子量 Mw=30000) 44質量%
カーボンブラック(a)(商品名:「Raven890」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 5.00質量%
カーボンブラック(b)(商品名:「Raven410」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 7.00質量%。
【0177】
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様にして弾性層形成用の液状材料を調製した。この液状材料の降伏応力は150Paであった。
【0178】
上記液状材料を用いて実施例1と同様に弾性ローラを製造した。このようにして、弾性ローラを10本同様に作製した。この弾性ローラの体積抵抗率、弾性ローラの振れの評価を表3に示す。成形性が良く、最も振れの大きい弾性ローラの振れは24μmであった。また、実施例1と同様にして現像ローラ20を得た。作成した現像ローラ20を現像ローラとして電子写真プロセスカートリッジに組み込み、実施例1と同様に連続3000枚画像出力した後、画像評価した。結果を表3に示す。
【0179】
[実施例21]
液状のブタジエンゴム(質量平均分子量 Mw=6000) 80質量%
カーボンブラック(a)(商品名:「Raven890」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 6.66質量%
カーボンブラック(b)(商品名:「Raven410」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 13.34質量%。
【0180】
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様にして弾性層形成用の液状材料を調製した。この液状材料の降伏応力は20Paであった。
【0181】
上記液状材料を用いて実施例1と同様に弾性ローラを製造した。このようにして、弾性ローラを10本同様に作製した。この弾性ローラの体積抵抗率、弾性ローラの振れの評価を表3に示す。最も振れの大きい弾性ローラの振れは32μmであった。また、実施例1と同様にして現像ローラ21を得た。作成した現像ローラ21を現像ローラとして電子写真プロセスカートリッジに組み込み、実施例1と同様に連続3000枚画像出力した後、画像評価した。結果を表3に示す。
【0182】
[実施例22]
液状のブタジエンゴム(質量平均分子量 Mw=32000) 88質量%
カーボンブラック(a)(商品名:「Raven890」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 2.00質量%
カーボンブラック(b)(商品名:「Raven410」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 10.00質量%。
【0183】
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様にして弾性層形成用の液状材料を調製した。この液状材料の降伏応力は30Paであった。
【0184】
上記液状材料を用いて実施例1と同様に弾性ローラを製造した。このようにして、弾性ローラを10本同様に作製した。この弾性ローラの体積抵抗率、弾性ローラの振れの評価を表3に示す。最も振れの大きい弾性ローラの振れは34μmであった。また、実施例1と同様にして現像ローラ22を得た。作成した現像ローラ22を現像ローラとして電子写真プロセスカートリッジに組み込み、実施例1と同様に連続3000枚画像出力した後、画像評価した。結果を表3に示す。
【0185】
[実施例23]
液状のイソプレンゴム(質量平均分子量 Mw=5000) 80質量%
カーボンブラック(a)(商品名:「Raven890」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 6.66質量%
カーボンブラック(b)(商品名:「Raven410」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 13.34質量%。
【0186】
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様にして弾性層形成用の液状材料を調製した。この液状材料の降伏応力は20Paであった。
【0187】
上記液状材料を用いて実施例1と同様に弾性ローラを製造した。このようにして、弾性ローラを10本同様に作製した。この弾性ローラの体積抵抗率、弾性ローラの振れの評価を表3に示す。最も振れの大きい弾性ローラの振れは35μmであった。また、実施例1と同様にして現像ローラ23を得た。作成した現像ローラ23を現像ローラとして電子写真プロセスカートリッジに組み込み、実施例1と同様に連続3000枚画像出力した後、画像評価した。結果を表3に示す。
【0188】
[実施例24]
液状のイソプレンゴム(質量平均分子量 Mw=105000) 88質量%
カーボンブラック(a)(商品名:「Raven890」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 2.00質量%
カーボンブラック(b)(商品名:「Raven410」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 10.00質量%。
【0189】
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様にして弾性層形成用の液状材料を調製した。この液状材料の降伏応力は30Paであった。
【0190】
上記液状材料を用いて実施例1と同様に弾性ローラを製造した。このようにして、弾性ローラを10本同様に作製した。この弾性ローラの体積抵抗率、弾性ローラの振れの評価を表3に示す。最も振れの大きい弾性ローラの振れは33μmであった。また、実施例1と同様にして現像ローラ24を得た。作成した現像ローラ24を現像ローラとして電子写真プロセスカートリッジに組み込み、実施例1と同様に連続3000枚画像出力した後、画像評価した。結果を表3に示す。
【0191】
[実施例25]
液状のアクリロニトリルブタジエンゴム(質量平均分子量 Mw=4000) 80質量%
カーボンブラック(a)(商品名:「Raven890」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 6.66質量%
カーボンブラック(b)(商品名:「Raven410」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 13.34質量%。
【0192】
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様にして弾性層形成用の液状材料を調製した。この液状材料の降伏応力は20Paであった。
【0193】
上記液状材料を用いて実施例1と同様に弾性ローラを製造した。このようにして、弾性ローラを10本同様に作製した。この弾性ローラの体積抵抗率、弾性ローラの振れの評価を表3に示す。最も振れの大きい弾性ローラの振れは32μmであった。また、実施例1と同様にして現像ローラ25を得た。作成した現像ローラ25を現像ローラとして電子写真プロセスカートリッジに組み込み、実施例1と同様に連続3000枚画像出力した後、画像評価した。結果を表3に示す。
【0194】
[実施例26]
液状のアクリロニトリルブタジエンゴム(質量平均分子量 Mw=21000) 88質量%
カーボンブラック(a)(商品名:「Raven890」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 2.00質量%
カーボンブラック(b)(商品名:「Raven410」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 10.00質量%。
【0195】
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様にして弾性層形成用の液状材料を調製した。この液状材料の降伏応力は30Paであった。
【0196】
上記液状材料を用いて実施例1と同様に弾性ローラを製造した。このようにして、弾性ローラを10本同様に作製した。この弾性ローラの体積抵抗率、弾性ローラの振れの評価を表3に示す。最も振れの大きい弾性ローラの振れは36μmであった。また、実施例1と同様にして現像ローラ26を得た。作成した現像ローラ26を現像ローラとして電子写真プロセスカートリッジに組み込み、実施例1と同様に連続3000枚画像出力した後、画像評価した。結果を表3に示す。
【0197】
[実施例27]
液状のエチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム (質量平均分子量 Mw=7000) 80質量%
カーボンブラック(a)(商品名:「Raven890」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 6.66質量%
カーボンブラック(b)(商品名:「Raven410」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 13.34質量%。
【0198】
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様にして弾性層形成用の液状材料を調製した。この液状材料の降伏応力は20Paであった。
【0199】
上記液状材料を用いて実施例1と同様に弾性ローラを製造した。このようにして、弾性ローラを10本同様に作製した。この弾性ローラの体積抵抗率、最も振れの大きい弾性ローラの振れの評価を表3に示す。弾性ローラの振れは37μmであった。また、実施例1と同様にして現像ローラ27を得た。作成した現像ローラ27を現像ローラとして電子写真プロセスカートリッジに組み込み、実施例1と同様に連続3000枚画像出力した後、画像評価した。結果を表3に示す。
【0200】
[実施例28]
液状のエチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(質量平均分子量 Mw=81000) 88質量%
カーボンブラック(a)(商品名:「Raven890」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 2.00質量%
カーボンブラック(b)(商品名:「Raven410」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 10.00質量%。
【0201】
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様にして弾性層形成用の液状材料を調製した。この液状材料の降伏応力は30Paであった。
【0202】
上記液状材料を用いて実施例1と同様に弾性ローラを製造した。このようにして、弾性ローラを10本同様に作製した。この弾性ローラの体積抵抗率、最も振れの大きい弾性ローラの振れの評価を表3に示す。弾性ローラの振れは33μmであった。また、実施例1と同様にして現像ローラ28を得た。作成した現像ローラ28を現像ローラとして電子写真プロセスカートリッジに組み込み、実施例1と同様に連続3000枚画像出力した後、画像評価した。結果を表3に示す。
【0203】
[実施例29]
液状のブタジエンゴム(質量平均分子量 Mw=30000) 97質量%
カーボンブラック(a)(商品名:「Raven890」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 1.50質量%
カーボンブラック(b)(商品名:「Raven410」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 1.50質量%。
【0204】
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様にして弾性層形成用の液状材料を調製した。この液状材料の降伏応力は20Paであった。
【0205】
上記液状材料を用いて実施例1と同様に弾性ローラを製造した。このようにして、弾性ローラを10本同様に作製した。この弾性ローラの体積抵抗率、弾性ローラの振れの評価を表3に示す。最も振れの大きい弾性ローラの振れは35μmであった。また、実施例1と同様にして現像ローラ29を得た。作成した現像ローラ29を現像ローラとして電子写真プロセスカートリッジに組み込み、実施例1と同様に連続3000枚画像出力した後、画像評価した。結果を表3に示す。
【0206】
[実施例30]
液状のイソプレンゴム(質量平均分子量 Mw=6000) 75質量%
カーボンブラック(a)(商品名:「Raven890」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 8.33質量%
カーボンブラック(b)(商品名:「Raven410」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 16.67質量%。
【0207】
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様にして弾性層形成用の液状材料を調製した。この液状材料の降伏応力は20Paであった。
【0208】
上記液状材料を用いて実施例1と同様に弾性ローラを製造した。このようにして、弾性ローラを10本同様に作製した。この弾性ローラの体積抵抗率、弾性ローラの振れの評価を表3に示す。最も振れの大きい弾性ローラの振れは34μmであった。また、実施例1と同様にして現像ローラ30を得た。作成した現像ローラ30を現像ローラとして電子写真プロセスカートリッジに組み込み、実施例1と同様に連続3000枚画像出力した後、画像評価した。結果を表3に示す。
【0209】
[比較例1]
液状のブタジエンゴム(質量平均分子量 Mw=19000) 88質量%
カーボンブラック(a)(商品名:「Raven890」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 5.00質量%
カーボンブラック(b)(商品名:「Raven410」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 7.00質量%。
【0210】
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様にして弾性層形成用の液状材料を調製した。この液状材料の降伏応力は150Paであった。
【0211】
環状塗工ヘッドの内側に開口した環状スリットから、ブタジエンゴム材料を0.18ml/secで吐出した。吐出塗工されたブタジエンゴム材料を実施例1と同様に硬化させ、軸芯体の外周上に層厚0.3mmのブタジエン層を有する弾性ローラを得た。このようにして、弾性ローラを10本同様に作製した。この弾性ローラの体積抵抗率、弾性ローラの振れ及び耐磨耗性の評価を表3に示す。最も振れの大きい弾性ローラの振れは29μmであった。
【0212】
また、実施例1と同様にして現像ローラ31を得て、作成した現像ローラ31を現像ローラとして電子写真プロセスカートリッジに組み込み実施例1と同様に連続で画像出力を行った。しかしながら、画像を1000枚出力した時点で用紙上にかぶり(非印字部にトナーが飛散してしまう現象)が発生してしまった。現像ローラを電子写真プロセスカートリッジから取り出し表面を観察したところ、トナーが融着してしまっていたので画像の出力をその時点で中断した。結果を表3に示す。
【0213】
[比較例2]
液状のイソプレンゴム(質量平均分子量 Mw=30000) 88質量%
カーボンブラック(a)(商品名:「Raven890」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 5.00質量%
カーボンブラック(b)(商品名:「Raven410」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 7.00質量%。
【0214】
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様にして弾性層形成用の液状材料を調製した。この液状材料の降伏応力は150Paであった。
【0215】
環状塗工ヘッドの内側に開口した環状スリットから、イソプレンゴム材料を14.93ml/secで吐出した。吐出塗工されたイソプレンゴム材料を実施例1と同様に硬化させ、軸芯体の外周上に層厚10.0mmのイソプレン層を有する弾性ローラを得た以外、実施例1と同様に弾性ローラを製造した。このようにして、弾性ローラを10本同様に作製した。この弾性ローラの体積抵抗率、弾性ローラの振れの評価を表3に示す。最も振れの大きい弾性ローラの振れは43μmであり、他の弾性ローラに関しても実施例と比較して振れが大きかった。また、実施例1と同様にして現像ローラ32を得た。作成した現像ローラ32を現像ローラとして電子写真プロセスカートリッジに組み込み、実施例1と同様に連続3000枚画像出力した後、画像評価した。結果を表3に示す。
【0216】
[比較例3]
液状のアクリロニトリルブタジエンゴム(質量平均分子量 Mw=13000) 95質量%
カーボンブラック(a)(商品名:「Raven890」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 0.71質量%
カーボンブラック(b)(商品名:「Raven410」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 4.29質量%。
【0217】
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様にして弾性層形成用の液状材料を調製した。この液状材料の降伏応力は15Paであった。
【0218】
上記液状材料を用いて実施例5と同様に弾性ローラを製造した。このようにして、弾性ローラを10本同様に作製した。この弾性ローラの体積抵抗率、弾性ローラの振れの評価を表3に示す。体積抵抗率が107Ω・cmと大きく、弾性層の導電性が不十分であった。最も振れの大きい弾性ローラの振れは56μmであり、他の弾性ローラに関しても実施例と比較して振れが大きかった。また、実施例1と同様にして現像ローラ33を得た。作成した現像ローラ33を現像ローラとして電子写真プロセスカートリッジに組み込み、実施例1と同様に連続3000枚画像出力した後、画像評価した。結果を表3に示す。
【0219】
[比較例4]
液状のエチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(質量平均分子量 Mw=80000) 80質量%
カーボンブラック(a)(商品名:「Raven890」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 13.34質量%
カーボンブラック(b)(商品名:「Raven410」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 6.66質量%。
【0220】
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様にして弾性層形成用の液状材料を調製した。この液状材料の降伏応力は700Paであった。
【0221】
上記液状材料を用いて実施例6と同様に弾性ローラを製造した。このようにして、弾性ローラを10本同様に作製した。この弾性ローラの体積抵抗率、弾性ローラの振れの評価を表3に示す。最も振れの大きい弾性ローラの振れは65μmであり、他の弾性ローラに関しても実施例と比較して振れが大きかった。また、実施例1と同様にして現像ローラ34を得た。作成した現像ローラ34を現像ローラとして電子写真プロセスカートリッジに組み込み、実施例1と同様に連続3000枚画像出力した後、画像評価した。結果を表3に示す。
【0222】
[比較例5]
液状のブタジエンゴム(質量平均分子量 Mw=19000) 95質量%
カーボンブラック(a)(商品名:「Raven890」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 5.00質量%。
【0223】
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様にして弾性層形成用の液状材料を調製した。この液状材料の降伏応力は750Paであった。
【0224】
上記液状材料を用いて実施例1と同様に弾性ローラを製造した。このようにして、弾性ローラを10本同様に作製した。この弾性ローラの体積抵抗率、弾性ローラの振れの評価を表3に示す。最も振れの大きい弾性ローラの振れは48μmであり、他の弾性ローラに関しても実施例と比較して振れが大きかった。また、実施例1と同様にして現像ローラ35を得た。作成した現像ローラ35を現像ローラとして電子写真プロセスカートリッジに組み込み、実施例1と同様に連続3000枚画像出力した後、画像評価した。結果を表3に示す。
【0225】
[比較例6]
液状のブタジエンゴム(質量平均分子量 Mw=19000) 88質量%
カーボンブラック(b)(商品名:「Raven410」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 12.00質量%。
【0226】
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様にして弾性層形成用の液状材料を調製した。この液状材料の降伏応力は10Paであった。
【0227】
上記液状材料を用いて実施例1と同様に弾性ローラを製造した。このようにして、弾性ローラを10本同様に作製した。この弾性ローラの体積抵抗率、弾性ローラの振れの評価を表3に示す。体積抵抗率が108Ω・cmと大きく、弾性層の導電性が不十分であった。最も振れの大きい弾性ローラの振れは46μmであり、他の弾性ローラに関しても実施例と比較して振れが大きかった。また、実施例1と同様にして現像ローラ36を得た。作成した現像ローラ36を現像ローラとして電子写真プロセスカートリッジに組み込み、実施例1と同様に連続3000枚画像出力した後、画像評価した。結果を表3に示す。
【0228】
[比較例7]
液状のブタジエンゴム(質量平均分子量 Mw=19000) 85質量%
カーボンブラック(h)(商品名:「Raven5000UII」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 7.50質量%
カーボンブラック(b)(商品名:「Raven410」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 7.50質量%。
【0229】
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様にして弾性層形成用の液状材料を調製した。この液状材料の降伏応力は650Paであった。
【0230】
上記液状材料を用いて実施例1と同様に弾性ローラを製造した。このようにして、弾性ローラを10本同様に作製した。この弾性ローラの体積抵抗率、弾性ローラの振れの評価を表3に示す。最も振れの大きい弾性ローラの振れは43μmであり、他の弾性ローラに関しても実施例と比較して振れが大きかった。また、実施例1と同様にして現像ローラ37を得た。作成した現像ローラ37を現像ローラとして電子写真プロセスカートリッジに組み込み、実施例1と同様に連続3000枚画像出力した後、画像評価した。結果を表3に示す。
【0231】
[比較例8]
液状のブタジエンゴム(質量平均分子量 Mw=19000) 90質量%
カーボンブラック(g)(商品名:「Raven500」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 2.00質量%
カーボンブラック(b)(商品名:「Raven410」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 8.00質量%。
【0232】
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様にして弾性層形成用の液状材料を調製した。この液状材料の降伏応力は10Paであった。
【0233】
上記液状材料を用いて実施例1と同様に弾性ローラを製造した。このようにして、弾性ローラを10本同様に作製した。この弾性ローラの体積抵抗率、弾性ローラの振れの評価を表3に示す。最も振れの大きい弾性ローラの振れは50μmであり、他の弾性ローラに関しても実施例と比較して振れが大きかった。また、実施例1と同様にして現像ローラ38を得た。作成した現像ローラ38を現像ローラとして電子写真プロセスカートリッジに組み込み、実施例1と同様に連続3000枚画像出力した後、画像評価した。結果を表3に示す。
【0234】
[比較例9]
液状のブタジエンゴム(質量平均分子量 Mw=19000) 90質量%
カーボンブラック(a)(商品名:「Raven890」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 5.00質量%
カーボンブラック(g)(商品名:「Raven500」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 5.00質量。
【0235】
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様にして弾性層形成用の液状材料を調製した。この液状材料の降伏応力は650Paであった。
【0236】
上記液状材料を用いて実施例1と同様に弾性ローラを製造した。このようにして、弾性ローラを10本同様に作製した。この弾性ローラの体積抵抗率、弾性ローラの振れの評価を表3に示す。最も振れの大きい弾性ローラの振れは42μmであり、他の弾性ローラに関しても実施例と比較して振れが大きかった。また、実施例1と同様にして現像ローラ39を得た。作成した現像ローラ39を現像ローラとして電子写真プロセスカートリッジに組み込み、実施例1と同様に連続3000枚画像出力した後、画像評価した。結果を表3に示す。
【0237】
[比較例10]
液状のブタジエンゴム(質量平均分子量 Mw=19000) 90質量%
カーボンブラック(a)(商品名:「Raven890」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 2.00質量%
カーボンブラック(i)(商品名:「Arosperse15」、デグサAG製) 8.00質量%。
【0238】
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様にして弾性層形成用の液状材料を調製した。この液状材料の降伏応力は15Paであった。
【0239】
上記液状材料を用いて実施例1と同様に弾性ローラを製造した。このようにして、弾性ローラを10本同様に作製した。この弾性ローラの体積抵抗率、弾性ローラの振れの評価を表3に示す。最も振れの大きい弾性ローラの振れは52μmであり、他の弾性ローラに関しても実施例と比較して振れが大きかった。また、実施例1と同様にして現像ローラ40を得た。作成した現像ローラ40を現像ローラとして電子写真プロセスカートリッジに組み込み、実施例1と同様に連続3000枚画像出力した後、画像評価した。結果を表3に示す。
【0240】
[比較例11]
液状のアクリロニトリルブタジエンゴム(質量平均分子量 Mw=13000) 95質量%
カーボンブラック(a)(商品名:「Raven890」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 0.80質量%
カーボンブラック(b)(商品名:「Raven410」、コロンビアン・カーボン日本株式会社製) 3.20質量%
シリカ(商品名:「AEROSIL380」、日本アエロジル製) 1.00質量%。
【0241】
上記材料を用いた以外は、実施例1と同様にして弾性層形成用の液状材料を調製した。この液状材料の降伏応力は15Paであった。
【0242】
上記液状材料を用いて実施例1と同様に弾性ローラを製造した。このようにして、弾性ローラを10本同様に作製した。この弾性ローラの体積抵抗率、弾性ローラの振れの評価を表3に示す。体積抵抗率が107Ω・cmと大きく、弾性層の導電性が不十分であった。最も振れの大きい弾性ローラの振れは55μmであり、他の弾性ローラに関しても実施例と比較して振れが大きかった。また、実施例1と同様にして現像ローラ41を得た。作成した現像ローラ41を現像ローラとして電子写真プロセスカートリッジに組み込み、実施例1と同様に連続3000枚画像出力した後、画像評価した。結果を表3に示す。
【0243】
上記実施例、比較例で用いたカーボンブラックの種類とその平均一次粒子径をまとめたものを表1、上記実施例、比較例の各条件をまとめたものを表2、各条件によって作られた弾性ローラの体積抵抗率、弾性ローラの振れ、画像評価の結果を表3に示す。
【0244】
【表1】

【0245】
【表2−1】

【0246】
【表2−2】

【0247】
【表3−1】

【0248】
【表3−2】

【0249】
※画像を1000枚出力した時点で用紙上にかぶり(非印字部にトナーが飛散してしまう現象)が発生した。現像ローラを電子写真プロセスカートリッジから取り出し表面を観察したところ、トナーが融着してしまっていたので画像の出力をその時点で中断した。
【図面の簡単な説明】
【0250】
【図1】本実施形態のリングコート機の概略を表す断面図である。
【図2】本発明に用いる光学式位置検出器の概略説明図である。
【図3】本実施形態のリング塗工ヘッドを表す図である。
【図4】本発明の基準に対する環状塗工ヘッド位置座標の求め方の一例の概略説明図である。
【図5A】本発明に係る弾性ローラの製造方法の概略説明図である。
【図5B】本発明に係る弾性ローラの製造方法の概略説明図である。
【図5C】本発明に係る弾性ローラの製造方法の概略説明図である。
【図5D】本発明に係る弾性ローラの製造方法の概略説明図である。
【図5E】本発明に係る弾性ローラの製造方法の概略説明図である。
【図5F】本発明に係る弾性ローラの製造方法の概略説明図である。
【図5G】本発明に係る弾性ローラの製造方法の概略説明図である。
【図6】本発明における弾性層の体積抵抗測定装置の概略説明図である。
【図7】本発明における弾性層の測定位置を説明する図である。
【図8】本発明の振れ測定に用いる振れ測定装置の概略説明図である。
【図9】本発明の画像形成装置の概略を表す構成図である。
【符号の説明】
【0251】
1 現像ローラ
2 導電性軸芯体
3 弾性層
4 導電性樹脂層
5 非磁性一成分トナー
6 現像容器
7 トナー供給ローラ
8 現像ブレード
10a〜d 画像形成ユニット
11 感光ドラム
12 帯電装置(帯電ローラ)
13 画像露光装置(書き込みビーム)
14 現像装置
15 クリーニング装置
16 画像転写装置(転写ローラ)
17 転写搬送ベルト
18 駆動ローラ
19 テンションローラ
20 従動ローラ
21 吸着ローラ
22 供給ローラ
23 剥離装置
24 定着装置
25 転写材
26 バイアス電源(画像転写装置(転写ローラ)16用)
27 バイアス電源(吸着ローラ21用)
31 架台
32 コラム
33 ボールネジ
34 LMガイド
35 サーボモータ
36 プーリ
37 ブラケット
38 塗工ヘッド
39 軸芯体下保持軸
40 軸芯体上保持軸
41 供給口
42 配管
43 材料供給弁
44 リニアガイド
45 環状塗工ヘッド固定テーブル
46 環状塗工ヘッド位置補正XYステージ
47 軸芯体位置補正XYステージ
48−1 X方向位置検出器
48−2 Y方向位置検出器
49 ピン
50 マスタ軸芯体
51 環状スリット
52 上部部品
53 下部部品
54 材料注入口
55 材料入口部
56 材料出口部
101 軸芯体
102 液状材料からなる円筒形状(ロール形状)の層
201 SUS製ドラム
202 マルチメーター
203 定盤
204 軸芯体支持部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リング状塗工ヘッドを用いて軸芯体の外周上に少なくとも液状ゴムと無機フィラーを混合した液状材料を吐出塗工し液状材料層を形成する工程と、該液状材料層を加熱硬化し該軸芯体上に弾性層を形成する工程とを有する弾性ローラの製造方法において、
該液状ゴムは少なくとも液状ブタジエンゴム、液状イソプレンゴム、液状アクリロニトリルブタジエンゴム、液状エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴムのいずれか1種類以上であり、
かつ、該弾性層の厚さは0.5mm以上6.0mm以下であり、
かつ該無機フィラーは少なくとも下記のカーボンブラックA及びカーボンブラックBを下記Cの割合で含有し、
かつ該液状材料の降伏応力が20Pa以上600Pa以下であることを特徴とする弾性ローラの製造方法。
(カーボンブラックA)平均一次粒径が10nm乃至40nmであるカーボンブラック
(カーボンブラックB)平均一次粒径が80nm乃至150nmであるカーボンブラック
(C)カーボンブラックAを100質量部としたとき、カーボンブラックBは100質量部乃至500質量部であり、カーボンブラックA+カーボンブラックBが全無機フィラーの90質量%以上である。
【請求項2】
前記液状ゴムは質量平均分子量が7000乃至30000の液状ブタジエンゴムであることを特徴とする請求項1に記載の弾性ローラの製造方法。
【請求項3】
前記液状ゴムは質量平均分子量が6000乃至100000の液状イソプレンゴムであることを特徴とする請求項1に記載の弾性ローラの製造方法。
【請求項4】
前記液状ゴムは質量平均分子量が5000乃至20000の液状アクリロニトリルブタジエンゴムであることを特徴とする請求項1に記載の弾性ローラの製造方法。
【請求項5】
前記液状ゴムは質量平均分子量が8000乃至80000の液状エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴムであることを特徴とする請求項1に記載の弾性ローラの製造方法。
【請求項6】
前記弾性層の体積抵抗率が1.0×103Ω・cm乃至5.0×106Ω・cmであることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の弾性ローラの製造方法。
【請求項7】
前記無機フィラーが前記液状材料に5質量%乃至20質量%含まれることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の弾性ローラの製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図5C】
image rotate

【図5D】
image rotate

【図5E】
image rotate

【図5F】
image rotate

【図5G】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2009−106891(P2009−106891A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−283611(P2007−283611)
【出願日】平成19年10月31日(2007.10.31)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】