弾性波フィルタ
【課題】2つの縦モード共振型フィルタを並列に接続するにあたり、通過帯域内におけるリップルの発生を抑えること。
【解決手段】縦モード共振型フィルタを2つ並列に接続するにあたり、3重モードを利用した(通過帯域内に3つの共振点が位置するように設計した)第2のフィルタ部2の共振点f22と共振点f32との間に、2重モードを利用した(通過帯域内に2つの共振点が位置するように設計した)第1のフィルタ部1の共振点f21、f31を介在させている。そして、出力ポート22から取り出されるこれらフィルタ部1、2の電気信号の位相が互いに180°逆となるように各々のフィルタ部1、2を構成すると共に、通過帯域において2つの縦モード共振型フィルタの各々の共振点が低周波数側から高周波数側に向かって互いに位相が180°異ならせる。
【解決手段】縦モード共振型フィルタを2つ並列に接続するにあたり、3重モードを利用した(通過帯域内に3つの共振点が位置するように設計した)第2のフィルタ部2の共振点f22と共振点f32との間に、2重モードを利用した(通過帯域内に2つの共振点が位置するように設計した)第1のフィルタ部1の共振点f21、f31を介在させている。そして、出力ポート22から取り出されるこれらフィルタ部1、2の電気信号の位相が互いに180°逆となるように各々のフィルタ部1、2を構成すると共に、通過帯域において2つの縦モード共振型フィルタの各々の共振点が低周波数側から高周波数側に向かって互いに位相が180°異ならせる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縦モード共振型フィルタを互いに並列に接続した弾性波フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
弾性波例えば弾性表面波の共振を利用したバンドパスフィルタとして、入力側IDT(インターディジタルトランスデューサー)電極及び出力側IDT電極を弾性波の伝搬方向に沿って配置すると共に、これらIDT電極を弾性波の伝搬方向における一方側及び他方側から挟むように一対の反射器を設けた縦モード共振型フィルタが知られている。このフィルタにおいて弾性波は、例えば一対の反射器間、IDT電極間及び各々のIDT電極の内部にて夫々共振を起こす。これらの共振点(共振周波数)は、例えば反射器とIDT電極との中心間距離やIDT電極間の中心間距離を調整することにより、位置(周波数)が調整される。
【0003】
そして、これら3つの共振点は、互いに異なる周波数となり、また互いに隣接する共振点の位相が180°ずつずれるように、具体的には例えば低周波数側の共振点における弾性波の位相が0°の時に、当該共振点から高周波数側に向かうにつれて共振点の位相が順番に180°及び0°となるように形成される。このフィルタでは、これら3つの共振点のうち少なくとも2つの共振点を利用して、通過帯域が設定される。即ち、3つの共振点のうち一の共振点により通過帯域の下端周波数が設定され、3つの共振点のうち他の共振点により通過帯域の上端周波数が設定される。
【0004】
ここで、前記フィルタの通過帯域について、広域化を図ることが要求されている。この場合、通過帯域の下端周波数の共振点及び上端周波数の共振点を互いに大きく広げる(離間させる)必要があるが、共振点を広げるとインピーダンスが高くなったり、通過帯域においてリップルが発生したりするなど、フィルタの周波数特性が劣化してしまう。
【0005】
そこで、縦モード共振型フィルタを広域化する手法として、例えば特許文献1に記載されているように、前記縦モード共振型フィルタを入力ポートと出力ポートとに対して2つ並列に接続した構成が知られている。この構成では、2つの縦モード共振型フィルタの各々の通過帯域を互いに位置ずれさせると共に、これら縦モード共振型フィルタにおいて発生する弾性波の位相が互いに180°反転するようにIDT電極における電極指を配置している。そして、これら2つの縦モード共振型フィルタ間において弾性波が打ち消し合わないように(同位相となるように)、これら2つの縦モード共振型フィルタのうち一方のフィルタのある共振点と、当該共振点と同位相の他方のフィルタの共振点と、が同じ周波数となるように、IDT電極間の中心間距離やIDT電極と反射器との間の中心間距離を調整している。このように2つの縦モード共振型フィルタを並列に接続することにより、いわばこれらフィルタの各々の通過帯域を互いに合成した(重ね合わせた)広帯域のフィルタが得られる。
【0006】
しかし、これら縦モード共振型フィルタにおいて互いに同じ周波数となるように設定した共振点同士について、例えば製造時のばらつきなどによって、互いに位置ずれする(互いの周波数が異なる)場合がある。即ち、2つの縦モード共振型フィルタの一方の縦モード共振型フィルタの共振点に対して他方の縦モード共振型フィルタの共振点を重ね合わせようとすると、例えばフォトリソグラフィーなどの製造工程に極めて高い精度が必要となるので、共振点同士が位置ずれしやすい。このように互いに同じ周波数となるように設定した共振点同士が位置ずれすると、後述の図11にも示すように、通過帯域内にリップルが発生してしまう。特許文献2、3には、2つの2端子対表面波共振子を並置して、これら共振子の一方の共振点及び他方の共振点により通過帯域の上端周波数及び下端周波数を形成したフィルタについて記載されているが、既述の課題については記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−294644
【特許文献2】特開2002−135083
【特許文献3】特開2002−359541
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はこのような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、2つの縦モード共振型フィルタを並列に接続するにあたり、通過帯域内におけるリップルの発生を抑えることのできる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の弾性波フィルタは、
通過帯域の低域側及び高域側に阻止域を設けた弾性波フィルタにおいて、
通過帯域において少なくとも2つの共振点が形成され、且つ通過帯域において互いに隣接する共振点同士における弾性波の位相が180°変わるように、圧電基板上に入力側IDT電極及び出力側IDT電極を弾性波の伝搬方向に沿って配置すると共に、これらIDT電極を弾性波の伝搬方向における一方側及び他方側から挟むように一対の反射器を設けた縦モード共振型の第1のフィルタ部と、
通過帯域において少なくとも2つの共振点が形成され、且つ通過帯域において互いに隣接する共振点同士における弾性波の位相が180°変わるように、前記圧電基板上に入力側IDT電極及び出力側IDT電極を弾性波の伝搬方向に沿って配置すると共に、これらIDT電極を弾性波の伝搬方向における一方側及び他方側から挟むように一対の反射器を設けた縦モード共振型の第2のフィルタ部と、
前記第1のフィルタ部の入力側IDT電極及び前記第2のフィルタ部の入力側IDT電極に共通に接続された入力ポートと、
前記第1のフィルタ部の出力側IDT電極及び前記第2のフィルタ部の出力側IDT電極に共通に接続された出力ポートと、を備え、
前記第1のフィルタ部及び前記第2のフィルタ部は、前記出力ポートにて取り出される電気信号の位相が互いに180°変わるように、各々の入力側IDT電極及び出力側IDT電極が構成され、
前記第1のフィルタ部及び前記第2のフィルタ部のうち一方のフィルタ部において互いに隣接する2つの共振点は、通過帯域において、他方のフィルタ部の共振点のうち互いに隣接する共振点同士の間に位置しており、
通過帯域における前記第1のフィルタ部の各々の共振点及び前記第2のフィルタ部の各々の共振点からなる共振点の並びは、互いに隣接する共振点同士の位相が各々180°変わるように配置されていることを特徴とする。
【0010】
前記一方のフィルタ部は、通過帯域において2つの共振点が位置するように構成された二重モードフィルタであり、前記他方のフィルタ部は、通過帯域において3つの共振点が位置するように構成された三重モードフィルタであっても良い。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、2つの縦モード共振型フィルタを入力ポートと出力ポートとに対して並列に接続し、これら縦モード共振型フィルタのうち一方の縦モード共振型フィルタにおいて通過帯域内の互いに隣接する2つの共振点について、他方の縦モード共振型フィルタにおいて互いに隣接する2つの共振点の間に配置している。そして、出力ポートから取り出されるこれら縦モード共振型フィルタの電気信号の位相が互いに180°逆となるように各々の縦モード共振型フィルタを構成すると共に、通過帯域において互いに隣接する共振点同士の位相が各々180°異なるようにしている。そのため、2つの縦モード共振型フィルタにおいて互いの共振点同士を同じ周波数に設定していた従来のフィルタに比べて、各々の縦モード共振型フィルタの作製に高い精度が要求されないので、これら縦モード共振型フィルタの周波数特性を合成した時にリップルの発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の弾性波フィルタの一例を示す平面図である。
【図2】前記フィルタの特性を示す模式図である。
【図3】前記フィルタの特性を示す特性図である。
【図4】前記フィルタの特性を示す特性図である。
【図5】前記フィルタの特性を示す特性図である。
【図6】前記フィルタの特性を示す特性図である。
【図7】従来のフィルタの特性を示す特性図である。
【図8】従来のフィルタの特性を示す特性図である。
【図9】従来のフィルタの特性を示す特性図である。
【図10】従来のフィルタの特性を示す特性図である。
【図11】従来のフィルタの特性を示す特性図である。
【図12】本発明のフィルタの特性を示す特性図である。
【図13】本発明のフィルタの特性を示す特性図である。
【図14】本発明のフィルタの特性を示す特性図である。
【図15】本発明のフィルタの特性を示す特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の弾性波フィルタの実施の形態の一例について、図1を参照して説明する。このフィルタは、縦モード共振型のフィルタ部20を複数例えば2つ備えており、例えば比帯域(通過帯域÷中心周波数×100)が0.23%の通過帯域が形成されると共にこの通過帯域よりも低周波数側及び高周波数側に阻止域が設けられたバンドパスフィルタとなっている。このフィルタ部20の一方及び他方を夫々第1のフィルタ部1及び第2のフィルタ部2と呼ぶと共に、弾性波の伝搬方向に対して直交する方向の一方側及び他方側を夫々手前側及び奥側と呼ぶと、第1のフィルタ部1は、例えば水晶などの圧電基板10上において手前側に配置され、第2のフィルタ部2は、この圧電基板10上の奥側に配置されている。そして、この実施の形態では、後で詳述するように、これらフィルタ部1、2の一方例えば第1のフィルタ部1については通過帯域に2つの共振点を配置した2重モードフィルタであり、これらフィルタ部1、2の他方この例では第2のフィルタ部2については通過帯域に3つの共振点を配置した3重モードフィルタとなっている。
【0014】
各々のフィルタ部1、2は、入力側IDT(インターディジタルトランスデューサー)電極3及び出力側IDT電極4を弾性波の伝搬方向に沿って配置すると共に、これらIDT電極3、4を弾性波の伝搬方向における一方側及び他方側から挟むように反射器5、5を設けて構成されている。反射器5と当該反射器5に隣接するIDT電極3(4)との間の中心間距離D1及びIDT電極3、4間の中心間距離 D2は、第1のフィルタ部1では例えば夫々0.27λ及び0.27λに設定され、第2のフィルタ部2では例えば夫々0.27λ及び0.13λに設定されている。尚、「λ」は圧電基板10上を伝搬する弾性波の波長である。また、後述の「f」は、λ=V/f(V:弾性表面波の速度)で表される周波数である。
【0015】
各々のIDT電極3、4には、複数本の電極指6及び一対のバスバー7、7が設けられており、第1のフィルタ部1の入力側IDT電極3の奥側のバスバー7と第2のフィルタ部2の入力側IDT電極3の手前側のバスバー7とが共通の入力ポート21に接続されている。また、第1のフィルタ部1の出力側IDT電極3の奥側のバスバー7と第2のフィルタ部2の出力側IDT電極3の手前側のバスバー7とが共通の出力ポート22に接続されている。従って、フィルタ部1、2同士は、入力ポート21及び出力ポート22に対して互いに電気的に並列に接続されている。第1のフィルタ部1のIDT電極3、4における各々の手前側のバスバー7及び第2のフィルタ部2のIDT電極3、4における各々の奥側のバスバー7は、各々接地されている。図1中、8はグレーティング電極指であり、9はグレーティングバスバーである。従って、既述の中心間距離D1は、反射器5におけるIDT電極3(4)側のグレーティング電極指8の端部と、当該反射器5に隣接するIDT電極3(4)においてこの反射器5側の電極指6の端部と、の間の距離である。また、既述の中心間距離D1は、IDT電極3におけるIDT電極4側の電極指6の端部と、IDT電極4におけるIDT電極3側の電極指6の端部と、の間の距離である。
【0016】
これらフィルタ部1、2は、出力ポート22から取り出される電気信号の位相が互いに180°逆になるように、各々のIDT電極3、4が構成されている。即ち、各々のフィルタ部1、2の入力側IDT電極3、3は、例えば手前側から見た時に互いに同じレイアウトとなるように電極指6が配置されており、具体的には弾性波の伝搬方向を左右方向と呼ぶと、各々の入力側IDT電極3、3において、左端の電極指6、6が奥側のバスバー7に各々接続され、当該左端の電極指6、6の右側の電極指6、6については各々手前側のバスバー7に接続されている。こうして各電極指6の配置レイアウト(電極指6が一対のバスバー7、7のうちどちら側に接続されているか)は、弾性波の伝搬方向において、これら入力側IDT電極3、3で揃っている。
【0017】
一方、出力側IDT電極4、4では、電極指6の配置レイアウトが互いに上下(手前側及び奥側)において線対称となっている。即ち、第1のフィルタ部1の出力側IDT電極4では、左端の電極指6が手前側のバスバー7に接続され、この電極指6の右隣の電極指6が奥側のバスバー7に接続されている。そして、第2のフィルタ部2の出力側IDT電極4では、左端の電極指6が奥側のバスバー7に接続され、この電極指6の右隣の電極指6が手前側のバスバー7に接続されている。こうして出力側IDT電極4、4では、電極指6の接続されているバスバー7が弾性波の伝搬方向に沿って互いに上下逆となるように、各々の電極指6が配置されている。従って、これらフィルタ部1、2では、後述の図2に示すように、互いに同じ位置にて発生する共振点同士(共振点f21及び共振点f22同士あるいは共振点f31及び共振点f32同士)における弾性波の位相が互いに180°反転するようになっている。
【0018】
ここで、各々のフィルタ部1、2は、図1の下側に弾性波の共振の様子を模式的に示すように、反射器5、5間の領域、IDT電極3、4の各々の内部及びIDT電極3、4間の領域において弾性波が夫々共振を起こすように、既述の各離間寸法D1、D2や互いに隣接する電極指6、6間のピッチ、互いに隣接するグレーティング電極指9、9のピッチあるいはこれら電極指6及びグレーティング電極指9の厚さ寸法などが設定されている。
【0019】
これら反射器5、5間の領域、IDT電極3、4の内部及びIDT電極3、4間の領域にて共振する弾性波の共振点(共振周波数)を夫々f1、f2、f3と呼ぶと共に、第1のフィルタ部1及び第2のフィルタ部2の各々の共振点f1〜f3について、添え字「1」及び「2」を夫々付すと、第1のフィルタ部1では、図2の中段に模式的に示すように、通過帯域内において低周波数側から高周波数側に向かって、共振点f21及び共振点f31がこの順番で並んでいる。また、第2のフィルタ部2では、図2の上段に模式的に示すように、通過帯域内において低周波数側から高周波数側に向かって、共振点f12、共振点f22及び共振点f32がこの順番で並んでいる。
【0020】
そして、各々のフィルタ部1、2では、既述の図2の中段及び上段に示すように、互いに隣接する共振点同士における弾性波の位相(以下、「共振点における弾性波の位相」を「共振点の位相」と言う)が180°ずつ変わって(反転して)いる。具体的には、第1のフィルタ部1では、共振点f21の位相を0°とすると、共振点f31の位相が180°となっている。また、第2のフィルタ部2では、共振点f12の位相を0°とすると、共振点f22の位相が180°となり、また共振点f32の位相が0°となっている。
【0021】
この時、第2のフィルタ部2は、共振点f22と共振点f32との間に第1のフィルタ部1の共振点f21及び共振点f31が入り込むことができるように、即ちこれら共振点f22と共振点f32とが大きく離間するように、既述の離間寸法D1、D2が設定されている。従って、これらフィルタ部1、2同士を入力ポート21と出力ポート22とに対して並列に接続すると、図2の下段に模式的に示すように、通過帯域内において、共振点f12、共振点f22、共振点f21、共振点f31及び共振点f32が低周波数側から高周波数側に向かってこの順番で配置されると共に、これら5つの共振点の並びにおいて互いに隣接する共振点同士の位相が各々180°ずつ反転することになる。言い換えると、第1のフィルタ部1の各共振点f21、f31と第2のフィルタ部2の各共振点f12、f22、f32とが互いに重なり合わないように(5つの共振点が互いに独立するように)なっている。
【0022】
図3は、既述の図2の上段に対応する第2のフィルタ部2の各共振点f12〜f32を実際にシミュレーションした結果を示している。また、図4は、図2の中段に対応する第1のフィルタ部1の各共振点f21、f31をシミュレーションした結果を示している。そして、これらフィルタ部1、2同士を互いに並列に接続した特性をシミュレーションすると、図5の特性が得られる。こうして得られたフィルタ(フィルタ部1、2同士を互いに並列に接続したフィルタ)を外部の整合器においてマッチングさせると、図6に示すように、通過帯域内において平坦性が良好で且つ当該通過帯域の広い(広帯域の)特性が得られる。尚、図3〜図5については、各共振点を見やすくするために、ミスマッチ状態(整合回路においてマッチングさせていない状態)の特性を示している。また、これら図3〜図6の横軸には、通過帯域の中心周波数f0で規格化した周波数を示している。
【0023】
ここで、従来の縦モード共振型フィルタの設計手法及び特性をシミュレーションした結果について、2重モードフィルタ同士を互いに並列に接続した構成を例に挙げて以下に説明する。2つの縦モード共振型フィルタのうち一方の縦モード共振型フィルタの各々の共振点をf6、f7(f6<f7、図7参照)と呼ぶと共に、他方の縦モード共振型フィルタの各々の共振点をf8、f9(f8<f9、図8参照)と呼ぶと、従来の設計手法においては、前記一方の縦モード共振型フィルタの高周波数側の共振点f7と前記他方の縦モード共振型フィルタの低周波数側の共振点f8とが同じ周波数となるように設定していた。従って、図9のように合成したフィルタをマッチングさせると、図10に示すように、通過帯域内において平坦性の良好な特性が得られる。
【0024】
しかし、例えばフォトリソグラフィーの精度が低いことによって、共振点f7と共振点f8とが例えば0.03%程度互いに位置ずれすると、即ち互いに重なり合わないと、図11のように、これら共振点f7、f8付近における周波数においてリップルが発生してしまう。つまり、この従来の設計手法では、例えば一方のフィルタから他方のフィルタを見た時に、当該一方のフィルタの共振点f7のピーク位置が他方のフィルタの共振点f8のピーク位置に重なり合った場合に、図10のように平坦性の良好な特性となるようにしている。そして、これら共振点f7、f8は、いずれも急峻な曲線となっており、ピーク位置から僅かに低周波数側あるいは高周波数側に位置ずれしただけでも、当該ピーク位置からの減衰量の変化(増大量)は極めて大きい。そのため、これら共振点f7、f8同士が僅かに位置ずれした場合であっても、共振点f7、f8における周波数域では、2つの縦モード共振型フィルタの特性を合成した時の特性が大きく変わってしまうので、リップルが発生してしまう。
【0025】
一方、本発明では、第2のフィルタ部2の共振点f22と共振点f32との間に、第1のフィルタ部1の共振点f21、f31が介在するようにしている。そのため、これら第1のフィルタ部1の各共振点f21、f31が位置する周波数帯である、第2のフィルタ部2の共振点f22と共振点f32との間の特性曲線は、これら共振点f22や共振点f32における曲線(ピーク位置)と比べて極めてブロード(なだらか)になっている。従って、第1のフィルタ部1の各共振点f21、f31が予め設計された周波数から位置ずれしても、フィルタ部1、2同士を合成した時に得られる特性はほとんど劣化しない。即ち、本発明では、各々のフィルタ部1、2の寸法に高い精度が不要な状態でこれらフィルタ部1、2同士を互いに並列に接続できるようにしている。
【0026】
図12は、第1のフィルタ部1の2つの共振点f21、f31を既述の図5の例よりも高域側に0.03%(通過帯域の中心周波数f0で規格化した周波数での割合)ずらした場合のミスマッチ状態の特性を示しており、図12はこの特性を整合回路においてマッチングさせた状態の特性を示している。この例では第1のフィルタ部1の共振点f31と第2のフィルタ部2の共振点f32とが互いに重なり合って(同じ周波数となって)いる。また、図14は、第1のフィルタ部1の2つの共振点f21、f31を既述の図5の例よりも低域側に0.04%ずらした場合のミスマッチ状態の特性を示しており、図15はこの特性を整合回路においてマッチングさせた状態の特性を示している。図14では、第1のフィルタ部1の共振点f21は、第2のフィルタ部2の共振点f22の1.03倍の位置となっている。これら図12〜図15から、本発明では、既述の図11の従来のフィルタ(共振点f7と共振点f8とが互いに0.03%ずれた状態)と比べて、通過帯域における平坦性の良好な特性のフィルタを得ようとした時に、当該フィルタの設計の自由度が高い(フィルタの作製に高い精度が不要)であることが分かる。尚、図7〜図9、図12及び図13については、各共振点を見やすくするために、ミスマッチ状態(整合回路においてマッチングさせていない状態)の特性を示している。また、これら図7〜図15の横軸には、通過帯域の中心周波数f0で規格化した周波数を示している。
【0027】
上述の実施の形態によれば、縦モード共振型フィルタを2つ並列に接続するにあたり、3重モードを利用した(通過帯域内に3つの共振点が位置するように設計した)第2のフィルタ部2の共振点f22と共振点f32との間に、2重モードを利用した(通過帯域内に2つの共振点が位置するように設計した)第1のフィルタ部1の共振点f21、f31を介在させている。そして、出力ポート22から取り出されるこれらフィルタ部1、2の電気信号の位相が互いに180°逆となるように各々のフィルタ部1、2を構成すると共に、通過帯域において互いに隣接する共振点の位相が各々180°異なるようにしている。そのため、2つの縦モード共振型フィルタにおいて互いの共振点同士を重ね合わせていた従来のフィルタに比べて、各々の縦モード共振型フィルタの作製に高い精度が要求されないので、これら縦モード共振型フィルタの周波数特性を合成した時にリップルの発生を抑えることができる。言い換えると、良好な周波数特性を持つフィルタを容易に(高い精度のフォトリソグラフィーなどを用いることなく)得ることができる。従って、通過帯域内における平坦性が良好な広帯域のフィルタを得ることができる。
また、2つのフィルタ部1、2を並列に接続していることから、フィルタ部1、2を互いに直列に接続する場合に比べて低インピーダンス化を図ることができる。
【0028】
ここで、共振点f12、共振点f22、共振点f21、共振点f31及び共振点f32を低周波数側から高周波数側に向かってこの順番で配置するにあたって、第1のフィルタ部1の共振点f21が第2のフィルタ部2の共振点f22に近接しすぎたり、あるいは第1のフィルタ部1の共振点f31が第2のフィルタ部2の共振点f32に近接しすぎたりすると、特性が劣化する場合がある。従って、共振点f21は、f22×1.03以上(図14及び図15)であることが好ましく、共振点f31はf32以下(図12及び図13)であることが好ましい。
【0029】
2つのフィルタ部1、2において出力ポート22から取り出される各々の電気信号の位相を反転させるにあたって、既述の例では出力側IDT電極4、4における電極指6の配置レイアウトが互いに上下逆となるようにしたが、以下のようにしても良い。即ち、出力側IDT電極4、4における電極指6の配置レイアウトを互いに上下逆となるように配置することに代えて、入力側IDT電極3、3における電極指6の配置レイアウトが互いに上下逆となるようにしても良いし、あるいは各々の入力側IDT電極3、3同士及び出力側IDT電極4、4同士が互いに同じ配置レイアウトとなるようにすると共に、入力ポート21あるいは出力ポート22について、例えば第1のフィルタ部1については奥側のバスバー7に接続し、第2のフィルタ部2については手前側のバスバー7に接続しても良い。
【0030】
既述の例では、第2のフィルタ部2の共振点f22と共振点f32との間に第1のフィルタ部1の共振点f21と共振点f31とを介在させたが、第2のフィルタ部2の共振点f12と共振点f22との間に第1のフィルタ部1の共振点f21と共振点f31を介在させても良い。この場合には、通過帯域内において互いに隣接する共振点同士の位相が180°ずつ反転するように、即ち出力ポート22から取り出される電気信号の位相がフィルタ部1、2間で同相となるように、例えば既述の第2のフィルタ部2の出力側IDT電極4は、第1のフィルタ部1の出力側IDT電極4と同じ配置レイアウトとなるように形成される。
【0031】
また、第1のフィルタ部1については2重モードを利用し、第2のフィルタ部2については3重モードを利用したが、各々2重モードを利用したフィルタであっても良いし、各々3重モード以上の共振を利用したフィルタを用いても良い。このような場合であっても、2つのフィルタ部1、2のうち一方のフィルタ部1(2)において互いに隣接する2つの共振点は、他のフィルタ部2(1)において互いに隣接する2つの共振点の間に配置される。また、互いに隣接する共振点同士の位相が180°ずつ逆になるように、第1のフィルタ部1において互いに隣接する共振点同士の間に、第2のフィルタ部2のある一つの共振点を介在させても良い。
【0032】
また、各々のフィルタ部1、2ではIDT電極3、4を各々2つ配置したが、各々3つ配置しても良い。この場合には、互いに隣り合う共振点同士が既述の例よりも離間することになる。更に、既述の例では2つのフィルタ部1、2を互いに並列に接続したが、3つのフィルタ部(図示せず)を互いに並列に接続しても良い。この場合においても、3つのフィルタ部のうち一のフィルタ部における互いに隣接する共振点の間に、前記一のフィルタ部以外の少なくとも1つのフィルタ部において互いに隣接する2つの共振点が配置される。圧電基板10としては、既述の水晶に代えて、LN(ニオブ酸リチウム)基板あるいはLT(タンタル酸リチウム)基板を用いても良い。
【符号の説明】
【0033】
1 第1のフィルタ部
2 第2のフィルタ部
3 入力側IDT電極
4 出力側IDT電極
5 反射器
10 圧電基板
20 フィルタ部
21 入力ポート
22 出力ポート
【技術分野】
【0001】
本発明は、縦モード共振型フィルタを互いに並列に接続した弾性波フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
弾性波例えば弾性表面波の共振を利用したバンドパスフィルタとして、入力側IDT(インターディジタルトランスデューサー)電極及び出力側IDT電極を弾性波の伝搬方向に沿って配置すると共に、これらIDT電極を弾性波の伝搬方向における一方側及び他方側から挟むように一対の反射器を設けた縦モード共振型フィルタが知られている。このフィルタにおいて弾性波は、例えば一対の反射器間、IDT電極間及び各々のIDT電極の内部にて夫々共振を起こす。これらの共振点(共振周波数)は、例えば反射器とIDT電極との中心間距離やIDT電極間の中心間距離を調整することにより、位置(周波数)が調整される。
【0003】
そして、これら3つの共振点は、互いに異なる周波数となり、また互いに隣接する共振点の位相が180°ずつずれるように、具体的には例えば低周波数側の共振点における弾性波の位相が0°の時に、当該共振点から高周波数側に向かうにつれて共振点の位相が順番に180°及び0°となるように形成される。このフィルタでは、これら3つの共振点のうち少なくとも2つの共振点を利用して、通過帯域が設定される。即ち、3つの共振点のうち一の共振点により通過帯域の下端周波数が設定され、3つの共振点のうち他の共振点により通過帯域の上端周波数が設定される。
【0004】
ここで、前記フィルタの通過帯域について、広域化を図ることが要求されている。この場合、通過帯域の下端周波数の共振点及び上端周波数の共振点を互いに大きく広げる(離間させる)必要があるが、共振点を広げるとインピーダンスが高くなったり、通過帯域においてリップルが発生したりするなど、フィルタの周波数特性が劣化してしまう。
【0005】
そこで、縦モード共振型フィルタを広域化する手法として、例えば特許文献1に記載されているように、前記縦モード共振型フィルタを入力ポートと出力ポートとに対して2つ並列に接続した構成が知られている。この構成では、2つの縦モード共振型フィルタの各々の通過帯域を互いに位置ずれさせると共に、これら縦モード共振型フィルタにおいて発生する弾性波の位相が互いに180°反転するようにIDT電極における電極指を配置している。そして、これら2つの縦モード共振型フィルタ間において弾性波が打ち消し合わないように(同位相となるように)、これら2つの縦モード共振型フィルタのうち一方のフィルタのある共振点と、当該共振点と同位相の他方のフィルタの共振点と、が同じ周波数となるように、IDT電極間の中心間距離やIDT電極と反射器との間の中心間距離を調整している。このように2つの縦モード共振型フィルタを並列に接続することにより、いわばこれらフィルタの各々の通過帯域を互いに合成した(重ね合わせた)広帯域のフィルタが得られる。
【0006】
しかし、これら縦モード共振型フィルタにおいて互いに同じ周波数となるように設定した共振点同士について、例えば製造時のばらつきなどによって、互いに位置ずれする(互いの周波数が異なる)場合がある。即ち、2つの縦モード共振型フィルタの一方の縦モード共振型フィルタの共振点に対して他方の縦モード共振型フィルタの共振点を重ね合わせようとすると、例えばフォトリソグラフィーなどの製造工程に極めて高い精度が必要となるので、共振点同士が位置ずれしやすい。このように互いに同じ周波数となるように設定した共振点同士が位置ずれすると、後述の図11にも示すように、通過帯域内にリップルが発生してしまう。特許文献2、3には、2つの2端子対表面波共振子を並置して、これら共振子の一方の共振点及び他方の共振点により通過帯域の上端周波数及び下端周波数を形成したフィルタについて記載されているが、既述の課題については記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−294644
【特許文献2】特開2002−135083
【特許文献3】特開2002−359541
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はこのような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、2つの縦モード共振型フィルタを並列に接続するにあたり、通過帯域内におけるリップルの発生を抑えることのできる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の弾性波フィルタは、
通過帯域の低域側及び高域側に阻止域を設けた弾性波フィルタにおいて、
通過帯域において少なくとも2つの共振点が形成され、且つ通過帯域において互いに隣接する共振点同士における弾性波の位相が180°変わるように、圧電基板上に入力側IDT電極及び出力側IDT電極を弾性波の伝搬方向に沿って配置すると共に、これらIDT電極を弾性波の伝搬方向における一方側及び他方側から挟むように一対の反射器を設けた縦モード共振型の第1のフィルタ部と、
通過帯域において少なくとも2つの共振点が形成され、且つ通過帯域において互いに隣接する共振点同士における弾性波の位相が180°変わるように、前記圧電基板上に入力側IDT電極及び出力側IDT電極を弾性波の伝搬方向に沿って配置すると共に、これらIDT電極を弾性波の伝搬方向における一方側及び他方側から挟むように一対の反射器を設けた縦モード共振型の第2のフィルタ部と、
前記第1のフィルタ部の入力側IDT電極及び前記第2のフィルタ部の入力側IDT電極に共通に接続された入力ポートと、
前記第1のフィルタ部の出力側IDT電極及び前記第2のフィルタ部の出力側IDT電極に共通に接続された出力ポートと、を備え、
前記第1のフィルタ部及び前記第2のフィルタ部は、前記出力ポートにて取り出される電気信号の位相が互いに180°変わるように、各々の入力側IDT電極及び出力側IDT電極が構成され、
前記第1のフィルタ部及び前記第2のフィルタ部のうち一方のフィルタ部において互いに隣接する2つの共振点は、通過帯域において、他方のフィルタ部の共振点のうち互いに隣接する共振点同士の間に位置しており、
通過帯域における前記第1のフィルタ部の各々の共振点及び前記第2のフィルタ部の各々の共振点からなる共振点の並びは、互いに隣接する共振点同士の位相が各々180°変わるように配置されていることを特徴とする。
【0010】
前記一方のフィルタ部は、通過帯域において2つの共振点が位置するように構成された二重モードフィルタであり、前記他方のフィルタ部は、通過帯域において3つの共振点が位置するように構成された三重モードフィルタであっても良い。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、2つの縦モード共振型フィルタを入力ポートと出力ポートとに対して並列に接続し、これら縦モード共振型フィルタのうち一方の縦モード共振型フィルタにおいて通過帯域内の互いに隣接する2つの共振点について、他方の縦モード共振型フィルタにおいて互いに隣接する2つの共振点の間に配置している。そして、出力ポートから取り出されるこれら縦モード共振型フィルタの電気信号の位相が互いに180°逆となるように各々の縦モード共振型フィルタを構成すると共に、通過帯域において互いに隣接する共振点同士の位相が各々180°異なるようにしている。そのため、2つの縦モード共振型フィルタにおいて互いの共振点同士を同じ周波数に設定していた従来のフィルタに比べて、各々の縦モード共振型フィルタの作製に高い精度が要求されないので、これら縦モード共振型フィルタの周波数特性を合成した時にリップルの発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の弾性波フィルタの一例を示す平面図である。
【図2】前記フィルタの特性を示す模式図である。
【図3】前記フィルタの特性を示す特性図である。
【図4】前記フィルタの特性を示す特性図である。
【図5】前記フィルタの特性を示す特性図である。
【図6】前記フィルタの特性を示す特性図である。
【図7】従来のフィルタの特性を示す特性図である。
【図8】従来のフィルタの特性を示す特性図である。
【図9】従来のフィルタの特性を示す特性図である。
【図10】従来のフィルタの特性を示す特性図である。
【図11】従来のフィルタの特性を示す特性図である。
【図12】本発明のフィルタの特性を示す特性図である。
【図13】本発明のフィルタの特性を示す特性図である。
【図14】本発明のフィルタの特性を示す特性図である。
【図15】本発明のフィルタの特性を示す特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の弾性波フィルタの実施の形態の一例について、図1を参照して説明する。このフィルタは、縦モード共振型のフィルタ部20を複数例えば2つ備えており、例えば比帯域(通過帯域÷中心周波数×100)が0.23%の通過帯域が形成されると共にこの通過帯域よりも低周波数側及び高周波数側に阻止域が設けられたバンドパスフィルタとなっている。このフィルタ部20の一方及び他方を夫々第1のフィルタ部1及び第2のフィルタ部2と呼ぶと共に、弾性波の伝搬方向に対して直交する方向の一方側及び他方側を夫々手前側及び奥側と呼ぶと、第1のフィルタ部1は、例えば水晶などの圧電基板10上において手前側に配置され、第2のフィルタ部2は、この圧電基板10上の奥側に配置されている。そして、この実施の形態では、後で詳述するように、これらフィルタ部1、2の一方例えば第1のフィルタ部1については通過帯域に2つの共振点を配置した2重モードフィルタであり、これらフィルタ部1、2の他方この例では第2のフィルタ部2については通過帯域に3つの共振点を配置した3重モードフィルタとなっている。
【0014】
各々のフィルタ部1、2は、入力側IDT(インターディジタルトランスデューサー)電極3及び出力側IDT電極4を弾性波の伝搬方向に沿って配置すると共に、これらIDT電極3、4を弾性波の伝搬方向における一方側及び他方側から挟むように反射器5、5を設けて構成されている。反射器5と当該反射器5に隣接するIDT電極3(4)との間の中心間距離D1及びIDT電極3、4間の中心間距離 D2は、第1のフィルタ部1では例えば夫々0.27λ及び0.27λに設定され、第2のフィルタ部2では例えば夫々0.27λ及び0.13λに設定されている。尚、「λ」は圧電基板10上を伝搬する弾性波の波長である。また、後述の「f」は、λ=V/f(V:弾性表面波の速度)で表される周波数である。
【0015】
各々のIDT電極3、4には、複数本の電極指6及び一対のバスバー7、7が設けられており、第1のフィルタ部1の入力側IDT電極3の奥側のバスバー7と第2のフィルタ部2の入力側IDT電極3の手前側のバスバー7とが共通の入力ポート21に接続されている。また、第1のフィルタ部1の出力側IDT電極3の奥側のバスバー7と第2のフィルタ部2の出力側IDT電極3の手前側のバスバー7とが共通の出力ポート22に接続されている。従って、フィルタ部1、2同士は、入力ポート21及び出力ポート22に対して互いに電気的に並列に接続されている。第1のフィルタ部1のIDT電極3、4における各々の手前側のバスバー7及び第2のフィルタ部2のIDT電極3、4における各々の奥側のバスバー7は、各々接地されている。図1中、8はグレーティング電極指であり、9はグレーティングバスバーである。従って、既述の中心間距離D1は、反射器5におけるIDT電極3(4)側のグレーティング電極指8の端部と、当該反射器5に隣接するIDT電極3(4)においてこの反射器5側の電極指6の端部と、の間の距離である。また、既述の中心間距離D1は、IDT電極3におけるIDT電極4側の電極指6の端部と、IDT電極4におけるIDT電極3側の電極指6の端部と、の間の距離である。
【0016】
これらフィルタ部1、2は、出力ポート22から取り出される電気信号の位相が互いに180°逆になるように、各々のIDT電極3、4が構成されている。即ち、各々のフィルタ部1、2の入力側IDT電極3、3は、例えば手前側から見た時に互いに同じレイアウトとなるように電極指6が配置されており、具体的には弾性波の伝搬方向を左右方向と呼ぶと、各々の入力側IDT電極3、3において、左端の電極指6、6が奥側のバスバー7に各々接続され、当該左端の電極指6、6の右側の電極指6、6については各々手前側のバスバー7に接続されている。こうして各電極指6の配置レイアウト(電極指6が一対のバスバー7、7のうちどちら側に接続されているか)は、弾性波の伝搬方向において、これら入力側IDT電極3、3で揃っている。
【0017】
一方、出力側IDT電極4、4では、電極指6の配置レイアウトが互いに上下(手前側及び奥側)において線対称となっている。即ち、第1のフィルタ部1の出力側IDT電極4では、左端の電極指6が手前側のバスバー7に接続され、この電極指6の右隣の電極指6が奥側のバスバー7に接続されている。そして、第2のフィルタ部2の出力側IDT電極4では、左端の電極指6が奥側のバスバー7に接続され、この電極指6の右隣の電極指6が手前側のバスバー7に接続されている。こうして出力側IDT電極4、4では、電極指6の接続されているバスバー7が弾性波の伝搬方向に沿って互いに上下逆となるように、各々の電極指6が配置されている。従って、これらフィルタ部1、2では、後述の図2に示すように、互いに同じ位置にて発生する共振点同士(共振点f21及び共振点f22同士あるいは共振点f31及び共振点f32同士)における弾性波の位相が互いに180°反転するようになっている。
【0018】
ここで、各々のフィルタ部1、2は、図1の下側に弾性波の共振の様子を模式的に示すように、反射器5、5間の領域、IDT電極3、4の各々の内部及びIDT電極3、4間の領域において弾性波が夫々共振を起こすように、既述の各離間寸法D1、D2や互いに隣接する電極指6、6間のピッチ、互いに隣接するグレーティング電極指9、9のピッチあるいはこれら電極指6及びグレーティング電極指9の厚さ寸法などが設定されている。
【0019】
これら反射器5、5間の領域、IDT電極3、4の内部及びIDT電極3、4間の領域にて共振する弾性波の共振点(共振周波数)を夫々f1、f2、f3と呼ぶと共に、第1のフィルタ部1及び第2のフィルタ部2の各々の共振点f1〜f3について、添え字「1」及び「2」を夫々付すと、第1のフィルタ部1では、図2の中段に模式的に示すように、通過帯域内において低周波数側から高周波数側に向かって、共振点f21及び共振点f31がこの順番で並んでいる。また、第2のフィルタ部2では、図2の上段に模式的に示すように、通過帯域内において低周波数側から高周波数側に向かって、共振点f12、共振点f22及び共振点f32がこの順番で並んでいる。
【0020】
そして、各々のフィルタ部1、2では、既述の図2の中段及び上段に示すように、互いに隣接する共振点同士における弾性波の位相(以下、「共振点における弾性波の位相」を「共振点の位相」と言う)が180°ずつ変わって(反転して)いる。具体的には、第1のフィルタ部1では、共振点f21の位相を0°とすると、共振点f31の位相が180°となっている。また、第2のフィルタ部2では、共振点f12の位相を0°とすると、共振点f22の位相が180°となり、また共振点f32の位相が0°となっている。
【0021】
この時、第2のフィルタ部2は、共振点f22と共振点f32との間に第1のフィルタ部1の共振点f21及び共振点f31が入り込むことができるように、即ちこれら共振点f22と共振点f32とが大きく離間するように、既述の離間寸法D1、D2が設定されている。従って、これらフィルタ部1、2同士を入力ポート21と出力ポート22とに対して並列に接続すると、図2の下段に模式的に示すように、通過帯域内において、共振点f12、共振点f22、共振点f21、共振点f31及び共振点f32が低周波数側から高周波数側に向かってこの順番で配置されると共に、これら5つの共振点の並びにおいて互いに隣接する共振点同士の位相が各々180°ずつ反転することになる。言い換えると、第1のフィルタ部1の各共振点f21、f31と第2のフィルタ部2の各共振点f12、f22、f32とが互いに重なり合わないように(5つの共振点が互いに独立するように)なっている。
【0022】
図3は、既述の図2の上段に対応する第2のフィルタ部2の各共振点f12〜f32を実際にシミュレーションした結果を示している。また、図4は、図2の中段に対応する第1のフィルタ部1の各共振点f21、f31をシミュレーションした結果を示している。そして、これらフィルタ部1、2同士を互いに並列に接続した特性をシミュレーションすると、図5の特性が得られる。こうして得られたフィルタ(フィルタ部1、2同士を互いに並列に接続したフィルタ)を外部の整合器においてマッチングさせると、図6に示すように、通過帯域内において平坦性が良好で且つ当該通過帯域の広い(広帯域の)特性が得られる。尚、図3〜図5については、各共振点を見やすくするために、ミスマッチ状態(整合回路においてマッチングさせていない状態)の特性を示している。また、これら図3〜図6の横軸には、通過帯域の中心周波数f0で規格化した周波数を示している。
【0023】
ここで、従来の縦モード共振型フィルタの設計手法及び特性をシミュレーションした結果について、2重モードフィルタ同士を互いに並列に接続した構成を例に挙げて以下に説明する。2つの縦モード共振型フィルタのうち一方の縦モード共振型フィルタの各々の共振点をf6、f7(f6<f7、図7参照)と呼ぶと共に、他方の縦モード共振型フィルタの各々の共振点をf8、f9(f8<f9、図8参照)と呼ぶと、従来の設計手法においては、前記一方の縦モード共振型フィルタの高周波数側の共振点f7と前記他方の縦モード共振型フィルタの低周波数側の共振点f8とが同じ周波数となるように設定していた。従って、図9のように合成したフィルタをマッチングさせると、図10に示すように、通過帯域内において平坦性の良好な特性が得られる。
【0024】
しかし、例えばフォトリソグラフィーの精度が低いことによって、共振点f7と共振点f8とが例えば0.03%程度互いに位置ずれすると、即ち互いに重なり合わないと、図11のように、これら共振点f7、f8付近における周波数においてリップルが発生してしまう。つまり、この従来の設計手法では、例えば一方のフィルタから他方のフィルタを見た時に、当該一方のフィルタの共振点f7のピーク位置が他方のフィルタの共振点f8のピーク位置に重なり合った場合に、図10のように平坦性の良好な特性となるようにしている。そして、これら共振点f7、f8は、いずれも急峻な曲線となっており、ピーク位置から僅かに低周波数側あるいは高周波数側に位置ずれしただけでも、当該ピーク位置からの減衰量の変化(増大量)は極めて大きい。そのため、これら共振点f7、f8同士が僅かに位置ずれした場合であっても、共振点f7、f8における周波数域では、2つの縦モード共振型フィルタの特性を合成した時の特性が大きく変わってしまうので、リップルが発生してしまう。
【0025】
一方、本発明では、第2のフィルタ部2の共振点f22と共振点f32との間に、第1のフィルタ部1の共振点f21、f31が介在するようにしている。そのため、これら第1のフィルタ部1の各共振点f21、f31が位置する周波数帯である、第2のフィルタ部2の共振点f22と共振点f32との間の特性曲線は、これら共振点f22や共振点f32における曲線(ピーク位置)と比べて極めてブロード(なだらか)になっている。従って、第1のフィルタ部1の各共振点f21、f31が予め設計された周波数から位置ずれしても、フィルタ部1、2同士を合成した時に得られる特性はほとんど劣化しない。即ち、本発明では、各々のフィルタ部1、2の寸法に高い精度が不要な状態でこれらフィルタ部1、2同士を互いに並列に接続できるようにしている。
【0026】
図12は、第1のフィルタ部1の2つの共振点f21、f31を既述の図5の例よりも高域側に0.03%(通過帯域の中心周波数f0で規格化した周波数での割合)ずらした場合のミスマッチ状態の特性を示しており、図12はこの特性を整合回路においてマッチングさせた状態の特性を示している。この例では第1のフィルタ部1の共振点f31と第2のフィルタ部2の共振点f32とが互いに重なり合って(同じ周波数となって)いる。また、図14は、第1のフィルタ部1の2つの共振点f21、f31を既述の図5の例よりも低域側に0.04%ずらした場合のミスマッチ状態の特性を示しており、図15はこの特性を整合回路においてマッチングさせた状態の特性を示している。図14では、第1のフィルタ部1の共振点f21は、第2のフィルタ部2の共振点f22の1.03倍の位置となっている。これら図12〜図15から、本発明では、既述の図11の従来のフィルタ(共振点f7と共振点f8とが互いに0.03%ずれた状態)と比べて、通過帯域における平坦性の良好な特性のフィルタを得ようとした時に、当該フィルタの設計の自由度が高い(フィルタの作製に高い精度が不要)であることが分かる。尚、図7〜図9、図12及び図13については、各共振点を見やすくするために、ミスマッチ状態(整合回路においてマッチングさせていない状態)の特性を示している。また、これら図7〜図15の横軸には、通過帯域の中心周波数f0で規格化した周波数を示している。
【0027】
上述の実施の形態によれば、縦モード共振型フィルタを2つ並列に接続するにあたり、3重モードを利用した(通過帯域内に3つの共振点が位置するように設計した)第2のフィルタ部2の共振点f22と共振点f32との間に、2重モードを利用した(通過帯域内に2つの共振点が位置するように設計した)第1のフィルタ部1の共振点f21、f31を介在させている。そして、出力ポート22から取り出されるこれらフィルタ部1、2の電気信号の位相が互いに180°逆となるように各々のフィルタ部1、2を構成すると共に、通過帯域において互いに隣接する共振点の位相が各々180°異なるようにしている。そのため、2つの縦モード共振型フィルタにおいて互いの共振点同士を重ね合わせていた従来のフィルタに比べて、各々の縦モード共振型フィルタの作製に高い精度が要求されないので、これら縦モード共振型フィルタの周波数特性を合成した時にリップルの発生を抑えることができる。言い換えると、良好な周波数特性を持つフィルタを容易に(高い精度のフォトリソグラフィーなどを用いることなく)得ることができる。従って、通過帯域内における平坦性が良好な広帯域のフィルタを得ることができる。
また、2つのフィルタ部1、2を並列に接続していることから、フィルタ部1、2を互いに直列に接続する場合に比べて低インピーダンス化を図ることができる。
【0028】
ここで、共振点f12、共振点f22、共振点f21、共振点f31及び共振点f32を低周波数側から高周波数側に向かってこの順番で配置するにあたって、第1のフィルタ部1の共振点f21が第2のフィルタ部2の共振点f22に近接しすぎたり、あるいは第1のフィルタ部1の共振点f31が第2のフィルタ部2の共振点f32に近接しすぎたりすると、特性が劣化する場合がある。従って、共振点f21は、f22×1.03以上(図14及び図15)であることが好ましく、共振点f31はf32以下(図12及び図13)であることが好ましい。
【0029】
2つのフィルタ部1、2において出力ポート22から取り出される各々の電気信号の位相を反転させるにあたって、既述の例では出力側IDT電極4、4における電極指6の配置レイアウトが互いに上下逆となるようにしたが、以下のようにしても良い。即ち、出力側IDT電極4、4における電極指6の配置レイアウトを互いに上下逆となるように配置することに代えて、入力側IDT電極3、3における電極指6の配置レイアウトが互いに上下逆となるようにしても良いし、あるいは各々の入力側IDT電極3、3同士及び出力側IDT電極4、4同士が互いに同じ配置レイアウトとなるようにすると共に、入力ポート21あるいは出力ポート22について、例えば第1のフィルタ部1については奥側のバスバー7に接続し、第2のフィルタ部2については手前側のバスバー7に接続しても良い。
【0030】
既述の例では、第2のフィルタ部2の共振点f22と共振点f32との間に第1のフィルタ部1の共振点f21と共振点f31とを介在させたが、第2のフィルタ部2の共振点f12と共振点f22との間に第1のフィルタ部1の共振点f21と共振点f31を介在させても良い。この場合には、通過帯域内において互いに隣接する共振点同士の位相が180°ずつ反転するように、即ち出力ポート22から取り出される電気信号の位相がフィルタ部1、2間で同相となるように、例えば既述の第2のフィルタ部2の出力側IDT電極4は、第1のフィルタ部1の出力側IDT電極4と同じ配置レイアウトとなるように形成される。
【0031】
また、第1のフィルタ部1については2重モードを利用し、第2のフィルタ部2については3重モードを利用したが、各々2重モードを利用したフィルタであっても良いし、各々3重モード以上の共振を利用したフィルタを用いても良い。このような場合であっても、2つのフィルタ部1、2のうち一方のフィルタ部1(2)において互いに隣接する2つの共振点は、他のフィルタ部2(1)において互いに隣接する2つの共振点の間に配置される。また、互いに隣接する共振点同士の位相が180°ずつ逆になるように、第1のフィルタ部1において互いに隣接する共振点同士の間に、第2のフィルタ部2のある一つの共振点を介在させても良い。
【0032】
また、各々のフィルタ部1、2ではIDT電極3、4を各々2つ配置したが、各々3つ配置しても良い。この場合には、互いに隣り合う共振点同士が既述の例よりも離間することになる。更に、既述の例では2つのフィルタ部1、2を互いに並列に接続したが、3つのフィルタ部(図示せず)を互いに並列に接続しても良い。この場合においても、3つのフィルタ部のうち一のフィルタ部における互いに隣接する共振点の間に、前記一のフィルタ部以外の少なくとも1つのフィルタ部において互いに隣接する2つの共振点が配置される。圧電基板10としては、既述の水晶に代えて、LN(ニオブ酸リチウム)基板あるいはLT(タンタル酸リチウム)基板を用いても良い。
【符号の説明】
【0033】
1 第1のフィルタ部
2 第2のフィルタ部
3 入力側IDT電極
4 出力側IDT電極
5 反射器
10 圧電基板
20 フィルタ部
21 入力ポート
22 出力ポート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通過帯域の低域側及び高域側に阻止域を設けた弾性波フィルタにおいて、
通過帯域において少なくとも2つの共振点が形成され、且つ通過帯域において互いに隣接する共振点同士における弾性波の位相が180°変わるように、圧電基板上に入力側IDT電極及び出力側IDT電極を弾性波の伝搬方向に沿って配置すると共に、これらIDT電極を弾性波の伝搬方向における一方側及び他方側から挟むように一対の反射器を設けた縦モード共振型の第1のフィルタ部と、
通過帯域において少なくとも2つの共振点が形成され、且つ通過帯域において互いに隣接する共振点同士における弾性波の位相が180°変わるように、前記圧電基板上に入力側IDT電極及び出力側IDT電極を弾性波の伝搬方向に沿って配置すると共に、これらIDT電極を弾性波の伝搬方向における一方側及び他方側から挟むように一対の反射器を設けた縦モード共振型の第2のフィルタ部と、
前記第1のフィルタ部の入力側IDT電極及び前記第2のフィルタ部の入力側IDT電極に共通に接続された入力ポートと、
前記第1のフィルタ部の出力側IDT電極及び前記第2のフィルタ部の出力側IDT電極に共通に接続された出力ポートと、を備え、
前記第1のフィルタ部及び前記第2のフィルタ部は、前記出力ポートにて取り出される電気信号の位相が互いに180°変わるように、各々の入力側IDT電極及び出力側IDT電極が構成され、
前記第1のフィルタ部及び前記第2のフィルタ部のうち一方のフィルタ部において互いに隣接する2つの共振点は、通過帯域において、他方のフィルタ部の共振点のうち互いに隣接する共振点同士の間に位置しており、
通過帯域における前記第1のフィルタ部の各々の共振点及び前記第2のフィルタ部の各々の共振点からなる共振点の並びは、互いに隣接する共振点同士の位相が各々180°変わるように配置されていることを特徴とする弾性波フィルタ。
【請求項2】
前記一方のフィルタ部は、通過帯域において2つの共振点が位置するように構成された二重モードフィルタであり、前記他方のフィルタ部は、通過帯域において3つの共振点が位置するように構成された三重モードフィルタであることを特徴とする請求項1に記載の弾性波フィルタ。
【請求項1】
通過帯域の低域側及び高域側に阻止域を設けた弾性波フィルタにおいて、
通過帯域において少なくとも2つの共振点が形成され、且つ通過帯域において互いに隣接する共振点同士における弾性波の位相が180°変わるように、圧電基板上に入力側IDT電極及び出力側IDT電極を弾性波の伝搬方向に沿って配置すると共に、これらIDT電極を弾性波の伝搬方向における一方側及び他方側から挟むように一対の反射器を設けた縦モード共振型の第1のフィルタ部と、
通過帯域において少なくとも2つの共振点が形成され、且つ通過帯域において互いに隣接する共振点同士における弾性波の位相が180°変わるように、前記圧電基板上に入力側IDT電極及び出力側IDT電極を弾性波の伝搬方向に沿って配置すると共に、これらIDT電極を弾性波の伝搬方向における一方側及び他方側から挟むように一対の反射器を設けた縦モード共振型の第2のフィルタ部と、
前記第1のフィルタ部の入力側IDT電極及び前記第2のフィルタ部の入力側IDT電極に共通に接続された入力ポートと、
前記第1のフィルタ部の出力側IDT電極及び前記第2のフィルタ部の出力側IDT電極に共通に接続された出力ポートと、を備え、
前記第1のフィルタ部及び前記第2のフィルタ部は、前記出力ポートにて取り出される電気信号の位相が互いに180°変わるように、各々の入力側IDT電極及び出力側IDT電極が構成され、
前記第1のフィルタ部及び前記第2のフィルタ部のうち一方のフィルタ部において互いに隣接する2つの共振点は、通過帯域において、他方のフィルタ部の共振点のうち互いに隣接する共振点同士の間に位置しており、
通過帯域における前記第1のフィルタ部の各々の共振点及び前記第2のフィルタ部の各々の共振点からなる共振点の並びは、互いに隣接する共振点同士の位相が各々180°変わるように配置されていることを特徴とする弾性波フィルタ。
【請求項2】
前記一方のフィルタ部は、通過帯域において2つの共振点が位置するように構成された二重モードフィルタであり、前記他方のフィルタ部は、通過帯域において3つの共振点が位置するように構成された三重モードフィルタであることを特徴とする請求項1に記載の弾性波フィルタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−199673(P2012−199673A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61376(P2011−61376)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000232483)日本電波工業株式会社 (1,148)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000232483)日本電波工業株式会社 (1,148)
【Fターム(参考)】
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