説明

弾性波分波器

【課題】優れたフィルタ特性を有し、かつ相互変調歪みのレベルが低い弾性波分波器を提供する。
【解決手段】受信フィルタ20は、第1,第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30a,30bと、弾性表面波共振子40とを有する。第1,第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30a,30bは、少なくとも3つのIDT電極31〜33を含む。弾性表面波共振子40は、少なくとも3つのIDT電極31〜33のうちの少なくとも一つに接続されている1つのIDT電極41を含む。弾性表面波共振子40の容量C1と、IDT電極41に電気的に接続されているIDT電極31の容量C2との比(C1/C2)が1.9以上2.5以下となるように、受信フィルタ20が構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性表面波などの弾性波を利用した弾性波分波器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)のようなCDMA(Code Division Multiple Access)方式に対応する携帯電話機では、信号の送信と受信とが同時に行われる。このため、送信信号と受信信号とを分波する必要がある。従って、CDMA方式に対応する携帯電話機では、RF(Radio Frequency)回路に、デュプレクサが搭載されている。デュプレクサは、送信フィルタ、受信フィルタ及び整合回路を備える分波器である。上記送信フィルタ及び受信フィルタとしては、弾性表面波フィルタが広く用いられている。
【0003】
従来、携帯電話機を小型化及び高機能化するために、RF回路を小型化するための試みが多く成されている。その一つとしては、例えば、下記の特許文献1などに記載されているように、平衡−不平衡変換機能を有するバランス型縦結合共振子型弾性表面波フィルタにより受信フィルタを構成することが挙げられる。平衡−不平衡変換機能を有するバランス型縦結合共振子型弾性表面波フィルタにより受信フィルタを構成することにより、RF回路に、バランを別個に搭載する必要がなくなるため、携帯電話機を大幅に小型化し得る。
【0004】
例えば、下記の特許文献1に記載されているデュプレクサでは、受信フィルタがバランス型縦結合共振子型弾性表面波フィルタにより構成されており、送信フィルタがラダー型弾性表面波フィルタにより構成されている。受信フィルタを構成しているバランス型縦結合共振子型弾性表面波フィルタは、縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部と、1ポート型弾性表面波共振子とを有する。1ポート型弾性表面波共振子は、縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部とアンテナ端子との間に電気的に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO2007/116760 A1号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、受信フィルタがバランス型縦結合共振子型弾性表面波フィルタにより構成されている、特許文献1に記載のデュプレクサでは、相互変調歪み(IMD:Inter Moduration Distortion)レベルが高くなる場合があるという問題がある。
【0007】
本発明は、係る点に鑑みてなされたものであり、その目的は、優れたフィルタ特性を有し、かつ相互変調歪みのレベルが低い弾性波分波器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る弾性波分波器は、アンテナ端子と、受信側信号端子と、送信側信号端子と、受信フィルタと、送信フィルタとを備えている。受信フィルタは、アンテナ端子と受信側信号端子との間に接続されている。送信フィルタは、アンテナ端子と送信側信号端子との間に接続されている。受信フィルタは、縦結合共振子型弾性波フィルタ部と、弾性波共振子とを有する。縦結合共振子型弾性波フィルタ部は、アンテナ端子と受信側信号端子との間に接続されている。縦結合共振子型弾性波フィルタ部は、弾性波伝搬方向に沿って配置されている少なくとも3つのIDT電極を含む。弾性波共振子は、縦結合共振子型弾性波フィルタ部とアンテナ端子との間に接続されている。弾性波共振子は、縦結合共振子型弾性波フィルタ部を構成している少なくとも3つのIDT電極のうちの少なくとも一つに接続されている1つのIDT電極を含む。弾性波共振子の容量をC1とする。縦結合共振子型弾性波フィルタ部を構成している少なくとも3つのIDT電極のうち、弾性波共振子を構成しているIDT電極に接続されているIDT電極の容量をC2とする。容量C1と容量C2との比(C1/C2)が1.9以上2.5以下となるように、受信フィルタが構成されている。
【0009】
本発明に係る弾性波分波器のある特定の局面では、送信フィルタが、ラダー型弾性波フィルタにより構成されている。この構成によれば、大きな電力が印加される送信フィルタの耐電力性を向上することができる。
【0010】
本発明に係る弾性波分波器の他の特定の局面では、受信フィルタが、平衡−不平衡変換機能を有するバランス型縦結合共振子型弾性波フィルタである。この構成の弾性波分波器を用いることにより、弾性波分波器の後段にバラン等の平衡−不平衡変換機能を有する部品を別途設ける必要がなくなるため、例えばRF回路等を小型化することができる。
【0011】
本発明において、受信フィルタは、弾性表面波を利用した弾性表面波フィルタであってもよく、あるいは弾性境界波を利用した弾性境界波フィルタであってもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、弾性波分波器を構成する受信フィルタが縦結合共振子型弾性波フィルタ部と弾性波共振子とを有し、弾性波共振子の容量をC1とし、縦結合共振子型弾性波フィルタ部を構成しているIDT電極のうち、弾性波共振子を構成しているIDT電極に接続されているIDT電極の容量をC2としたときに、容量C1と容量C2との比(C1/C2)が1.9以上2.5以下となるように、受信フィルタが構成されている。このため、フィルタ特性を劣化させることなく、相互変調歪みのレベルを低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明を実施した一実施形態に係る弾性波分波器であるデュプレクサの略図的回路図である。
【図2】容量比C1/C2と相互変調歪み(IMD)レベルとの関係を表すグラフである。
【図3】相互変調歪み(IMD)測定システムの模式図である。
【図4】第1の変形例に係る弾性波分波器であるデュプレクサの略図的回路図である。
【図5】第2の変形例に係る弾性波分波器であるデュプレクサの略図的回路図である。
【図6】第3の変形例に係る弾性波分波器であるデュプレクサの略図的回路図である。
【図7】第4の変形例に係る弾性波分波器であるデュプレクサの略図的回路図である。
【図8】第5の変形例に係る弾性波分波器であるデュプレクサの略図的回路図である。
【図9】第6の変形例に係る弾性波分波器であるデュプレクサの略図的回路図である。
【図10】第7の変形例に係る弾性波分波器であるデュプレクサの略図的回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例について説明する。但し、下記の実施形態は、単なる一例である。本発明は、下記の実施形態に何ら限定されない。
【0015】
図1は、本発明を実施した一実施形態に係る弾性波分波器であるデュプレクサ1の略図的回路図である。
【0016】
本実施形態では、図1に示すデュプレクサ1について説明するが、本発明に係る弾性波分波器は、デュプレクサに限定されない。本発明に係る弾性波分波器は、例えばトリプレクサなどであってもよい。
【0017】
図1に示すデュプレクサ1は、UMTS−BAND2に対応している。UMTS−BAND2の送信側通過帯域は1850〜1910MHzであり、受信側通過帯域は1930〜1990MHzである。
【0018】
デュプレクサ1は、アンテナ端子Ant.と、第1及び第2の受信側信号端子Rx.1,Rx.2と、送信側信号端子Tx.とを有する。アンテナ端子Ant.と送信側信号端子Tx.との間には、送信フィルタ10が電気的に接続されている。本実施形態では、送信フィルタ10は、ラダー型弾性表面波フィルタにより構成されている。送信フィルタ10は、アンテナ端子Ant.と送信側信号端子Tx.との間に電気的に接続されている直列腕11を有する。直列腕11においては、複数の直列腕共振子12が直列に電気的に接続されている。直列腕11とグラウンド電位との間には、複数の並列腕13が電気的に接続されている。複数の並列腕13のそれぞれには、並列腕共振子14が設けられている。直列腕共振子12及び並列腕共振子14は、1つのIDT電極と、当該IDT電極の弾性表面波伝搬方向両側に配置された1組の反射器とを有する弾性表面波共振子により構成されている。送信フィルタ10と送信側信号端子Tx.との間には、インダクタ15aと、キャパシタ15bとを有するLC共振回路15が電気的に接続されている。
【0019】
一方、アンテナ端子Ant.と、第1及び第2の受信側信号端子Rx.1,Rx.2との間には、受信フィルタ20が電気的に接続されている。この受信フィルタ20と上記送信フィルタ10との間の接続点と、アンテナ端子Ant.との間には、整合回路が電気的に接続されている。本実施形態では、この整合回路は、インダクタ19により構成されている。インダクタ19の一端がアンテナ端子Ant.に接続されており、他端がグラウンド電位に接続されている。
【0020】
受信フィルタ20は、弾性表面波を利用した弾性表面波フィルタである。受信フィルタ20は、圧電基板21と、圧電基板21の上に形成されている電極22とを備えている。この電極22によりIDT電極や反射器、配線などが構成されている。なお、圧電基板21は、例えば、LiNbO、LiTaO、水晶などにより形成することができる。以下、本実施形態では、圧電基板21が、40±5°YカットX伝搬LiTaO基板により構成されている例について説明する。
【0021】
また、電極22は、例えば、Al,Pt,Au,Ag,Cu,Ni及びPdからなる群から選ばれた金属、もしくは、Al,Pt,Au,Ag,Cu,Ni及びPdからなる群から選ばれた一種以上の金属を含む合金などにより形成することができる。電極22は、上記金属や合金からなる複数の導電層の積層体により構成することもできる。以下、本実施形態では、電極22がAlにより形成されている例について説明する。
【0022】
受信フィルタ20は、平衡−不平衡変換機能を有するバランス型縦結合共振子型弾性表面波フィルタである。すなわち、受信フィルタ20では、アンテナ端子Ant.側から不平衡信号が入力され、第1及び第2の受信側信号端子Rx.1,Rx.2から平衡信号が出力される。よって、第1及び第2の受信側信号端子Rx.1,Rx.2は、第1及び第2の平衡信号端子である。受信フィルタ20では、入力インピーダンスが50Ω、出力インピーダンスが100Ωである。すなわち、受信フィルタ20は、インピーダンス変換機能をも有する。
【0023】
受信フィルタ20は、第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30aと、第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30bと、第3の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30cと、第4の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30dと、弾性表面波共振子40とを有する。
【0024】
アンテナ端子Ant.に、弾性表面波共振子40の一端が接続されている。弾性表面波共振子40のアンテナ端子Ant.に接続されている側とは反対側の端部に、第1,第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30a,30bが接続されている。すなわち、弾性表面波共振子40は、第1,第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30a,30bと、アンテナ端子Ant.との間に電気的に接続されている。
【0025】
第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30aは、弾性表面波伝搬方向に沿って配置されている少なくとも3つのIDT電極を有する。具体的には、本実施形態では、第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30aは、IDT電極31と、IDT電極31の弾性表面波伝搬方向における両側に配置されているIDT電極32,33と、IDT電極31〜33が設けられている領域の弾性表面波伝搬方向における両側に配置されている反射器34a,34bとを有する。すなわち、第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30aは、3IDT型の縦結合共振子型弾性表面波フィルタである。
【0026】
第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30bは、第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30aと同じ構成を有する。よって、第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30bは、IDT電極31と、IDT電極31の弾性表面波伝搬方向における両側に配置されているIDT電極32,33と、IDT電極31〜33が設けられている領域の弾性表面波伝搬方向における両側に配置されている反射器34a,34bとを有する。すなわち、第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30bも、3IDT型の縦結合共振子型弾性表面波フィルタである。
【0027】
また、本実施形態では、第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30aに、第3の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30cが縦続接続されている。第3の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30cも、同様に、3IDT型の縦結合共振子型弾性表面波フィルタである。従って、第3の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30cは、IDT電極35と、IDT電極35の弾性表面波伝搬方向における両側に配置されているIDT電極36,37と、IDT電極35〜37が設けられている領域の弾性表面波伝搬方向における両側に配置されている反射器38a,38bとを有する。
【0028】
他方、第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30bに、第4の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30dが縦続接続されている。第4の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30dは、第3の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30cと同じ構成を有する。すなわち、第4の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30dも、同様に、3IDT型の縦結合共振子型弾性表面波フィルタである。従って、第4の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30dは、IDT電極35と、IDT電極35の弾性表面波伝搬方向における両側に配置されているIDT電極36,37と、IDT電極35〜37が設けられている領域の弾性表面波伝搬方向における両側に配置されている反射器38a,38bとを有する。
【0029】
すなわち、本実施形態においては、縦続接続されている第1,第3の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30a,30cと、縦続接続されている第2,第4の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30b,30dとが、並列に接続されている。このため、電極指抵抗によるオーミック損失を低減することができる。
【0030】
第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30aのIDT電極31の一端が弾性表面波共振子40を介してアンテナ端子Ant.に接続されており、他端がグラウンド電位に接続されている。すなわち、第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30aのIDT電極31は、弾性表面波共振子40に接続されているIDT電極である。
【0031】
第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30aのIDT電極32の一端がグラウンド電位に接続されており、他端が第3の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30cのIDT電極36に接続されている。第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30aのIDT電極33の一端がグラウンド電位に接続されており、他端が第3の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30cのIDT電極37に接続されている。
【0032】
第3の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30cのIDT電極36の第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30aのIDT電極32に接続されている側とは反対側の端部は、グラウンド電位に接続されている。同様に、第3の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30cのIDT電極37の第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30aのIDT電極33に接続されている側とは反対側の端部は、グラウンド電位に接続されている。第3の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30cのIDT電極35の一端が第1の受信側信号端子Rx.1に接続されており、他端が第2の受信側信号端子Rx.2に接続されている。
【0033】
第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30bのIDT電極31の一端が弾性表面波共振子40を介してアンテナ端子Ant.に接続されており、他端がグラウンド電位に接続されている。より具体的には、第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30bのIDT電極31の一端が、第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30aのIDT電極31の一端と共通接続され、弾性表面波共振子40を介してアンテナ端子Ant.に接続されている。すなわち、第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30bのIDT電極31は、弾性表面波共振子40に接続されているIDT電極である。
【0034】
第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30bのIDT電極32の一端がグラウンド電位に接続されており、他端が第4の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30dのIDT電極36に接続されている。第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30bのIDT電極33の一端がグラウンド電位に接続されており、他端が第4の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30dのIDT電極37に接続されている。
【0035】
第4の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30dのIDT電極36の第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30bのIDT電極32に接続されている側とは反対側の端部は、グラウンド電位に接続されている。同様に、第4の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30dのIDT電極37の第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30bのIDT電極33に接続されている側とは反対側の端部は、グラウンド電位に接続されている。第4の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30dのIDT電極35の一端が第1の受信側信号端子Rx.1に接続されており、他端が第2の受信側信号端子Rx.2に接続されている。より具体的には、第4の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30dのIDT電極35の一端が、第3の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30cのIDT電極35の一端と共通接続され、第1の受信側信号端子Rx.1に接続されている。同様に、第4の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30dのIDT電極35の他端が、第3の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30cのIDT電極35の他端と共通接続され、第2の受信側信号端子Rx.2に接続されている。
【0036】
本実施形態では、第3,第4の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30c,30dのIDT電極35の一端を第1の受信側信号端子Rx.1に、他端を第2の受信側信号端子Rx.2に接続することにより、第1,第2の受信側信号端子Rx.1,Rx.2から平衡信号を出力することが可能とされている。
【0037】
本実施形態では、第1〜第4の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30a〜30dにおいて、IDT電極同士が隣り合う部分には、IDT電極の端部に狭ピッチ電極指部が設けられている。狭ピッチ電極指部とは、IDT電極を構成する電極指の周期が、狭ピッチ電極指部が形成されている当該IDT電極の他の部分の電極指の周期よりも小さい部分である。
【0038】
本実施形態では、弾性表面波共振子40は、第1,第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30a,30bと、アンテナ端子Ant.との間に電気的に接続されている。詳細には、弾性表面波共振子40は、第1,第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30a,30bのIDT電極31と、アンテナ端子Ant.との間に電気的に接続されている。
【0039】
弾性表面波共振子40は、受信フィルタ20のインピーダンスを調整することで、送信フィルタ10と受信フィルタ20との位相を整合させ、送信フィルタ10と受信フィルタ20とをアンテナ端子Ant.に共通接続することを可能としている。
【0040】
弾性表面波共振子40は、IDT電極41と、IDT電極41の弾性表面波伝搬方向の両側に配置されている反射器42a,42bとを有する、1ポート型弾性表面波共振子である。IDT電極41の一端はアンテナ端子Ant.に接続されており、他端は第1,第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30a,30bのIDT電極31に電気的に接続されている。本実施形態の弾性表面波共振子40は、IDT電極41と、反射器42a,42bとを有するものであるが、本発明はこのような構成に限定されない。本発明の弾性波共振子は、反射器を有しておらず、1つのIDT電極を有する1ポート型弾性波共振子であってもよい。
【0041】
弾性表面波共振子40は、共振周波数が受信フィルタ20の通過帯域内に位置する一方、反共振周波数が受信フィルタ20の通過帯域よりも高域側に位置するように形成されている。なお、弾性表面波共振子40の共振周波数及び反共振周波数は、上記と異なる周波数帯に位置していてもよい。
【0042】
ここで、弾性表面波共振子40の容量をC1とする。第1,第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30a,30bにおいて、弾性表面波共振子40のIDT電極41に接続されているIDT電極31のそれぞれの容量をC2とする。本実施形態では、容量C1と容量C2との比(C1/C2)が1.9以上2.5以下となるように、受信フィルタ20が構成されている。このため、本実施形態では、受信フィルタ20のフィルタ特性を劣化させることなく、相互変調歪みのレベルを低下させることができる。すなわち、優れたフィルタ特性と、低レベルの相互変調歪みとを両立させることができる。以下、この効果について詳細に説明する。
【0043】
現在、様々な周波数帯を利用した複数の通信システムが混在しているため、携帯電話機などの通信機においては、受信信号以外にも、受信信号とは周波数帯が異なる複数種類の信号(妨害波)がアンテナによって受信される。CDMA方式に対応する携帯電話機では、本実施形態のデュプレクサ1のような分波器を用いることで信号の送信と受信とが同時に行われるため、分波器を構成する受信フィルタには、受信信号と共に、この妨害波が流入することとなる。また、送信側から漏洩した送信信号も受信フィルタに流入することとなる。これら受信フィルタに流入した妨害波と漏洩した送信信号とが相互変調を起こし、受信フィルタの通過帯域内に位置する周波数を有する歪み成分が生成される場合がある。これが相互変調歪み(IMD)である。相互変調歪み(IMD)が受信フィルタの通過帯域内に入ると、受信レベルの悪化などの問題が生じる。そのため、通信機における良好な受信感度を実現する、すなわち、通信機が妨害波の影響を受けにくくするためには、相互変調歪み(IMD)レベルを低下させることが必要となる。
【0044】
ここで、弾性表面波共振子40は、上述のように、受信フィルタ20のインピーダンスを調整することで、送信フィルタ10と受信フィルタ20との位相を整合させ、送信フィルタ10と受信フィルタ20とをアンテナ端子Ant.に共通接続することを可能としているものである。
【0045】
受信フィルタ20のインピーダンス調整の自由度を高くする観点からは、弾性表面波共振子40の容量が大きいことが好ましい。しかしながら、弾性表面波共振子40の容量を大きくすると、弾性表面波共振子40の容量C1と、第1,第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30a,30bのIDT電極31の容量C2との差が大きくなる。このため、弾性表面波共振子40のインピーダンスとIDT電極31のインピーダンスとの差が大きくなる。よって、弾性表面波共振子40とIDT電極31とのインピーダンスの整合が十分にとれなくなる。その結果、相互変調歪み(IMD)レベルが高くなるという問題が生じる。
【0046】
図2は、容量比C1/C2と相互変調歪み(IMD)レベルとの関係を表すグラフである。図2に示すグラフは、弾性表面波共振子40のIDT電極41の電極指本数を200本とし、IDT電極41の交叉幅を変更することにより容量比C1/C2を異ならせて相互変調歪み(IMD)を測定することにより得られたものである。なお、第1,第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30a,30bのIDT電極31の電極指本数は34本であり、交叉幅は40μmである。弾性表面波共振子40と、第1〜第4の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30a〜30dとは、同じメタライゼーションレシオを有する。
【0047】
なお、相互変調歪み(IMD)は、図3に模式的に示す相互変調歪み(IMD)測定システム50を用いて測定した。相互変調歪み(IMD)測定システム50は、信号発生器51,54と、パワーアンプ52と、スペクトラムアナライザ53とを有する。信号発生器51と、パワーアンプ52及びスペクトラムアナライザ53との間に、デュプレクサ1が電気的に接続される。
【0048】
まず、信号発生器54において発生させた1850MHz、1910MHzの送信信号が、パワーアンプ52と送信フィルタ10とを通過して、デュプレクサ1のアンテナ端子Ant.で20dBmとなるように、相互変調歪み(IMD)測定システム50を設定した。
【0049】
次に、妨害波として、信号発生器51において、送信周波数をfTx、受信周波数をfRxとしたとき、(fRx−fTx)、(fRx+fTx)、(2fTx−fRx)、(2fTx+fRx)となる周波数の信号を発生させた。この信号の信号レベルは、−15dBmである。このようにして発生した信号について、スペクトラムアナライザ53で相互変調歪み(IMD)レベルを計測し、図2に示すグラフを作成した。なお、相互変調歪み(IMD)の詳細に関しては、特開2007−235303号公報を参照することができる。
【0050】
図2に示すように、容量比C1/C2を小さくすると、相互変調歪み(IMD)レベルが低くなることが分かる。これは、容量C1と容量C2との差が小さくなったことで、弾性表面波共振子40のインピーダンスと、第1,第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30a,30bのIDT電極31のインピーダンスとの差が小さくなり、弾性表面波共振子40とIDT電極31とのインピーダンスが整合されたことによるものと考えられる。ここで、一般的に、デュプレクサなどの分波器では、相互変調歪み(IMD)レベルが−105dBm以下であることが求められる。このため、図2に示す結果から、相互変調歪み(IMD)レベルを−105dBm以下とするために、容量比C1/C2を2.5以下とする必要があることが分かる。
【0051】
但し、容量比C1/C2を小さくするために、弾性表面波共振子40の容量を小さくしすぎると、弾性表面波共振子40のQが悪化する。その結果、受信フィルタ20の通過帯域高域側に欠けが生じたり、受信フィルタ20の通過帯域内の挿入損失が悪化したり、受信フィルタ20の帯域幅が減少したりするなど、フィルタ特性が劣化するという問題が生じる。ここで、通常、デュプレクサなどの分波器の受信フィルタでは、比帯域幅が3.5%以上であることが求められている。従って、受信フィルタの比帯域幅を3.5%以上とするために、容量比C1/C2を1.9以上とする必要がある。
【0052】
以上より、弾性表面波共振子40の容量をC1とし、第1,第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部30a,30bにおいて弾性表面波共振子40のIDT電極41に接続されているIDT電極31のそれぞれの容量をC2としたとき、容量C1と容量C2との比(C1/C2)を1.9以上2.5以下とすることにより、受信フィルタ20のフィルタ特性を劣化させることなく、相互変調歪み(IMD)レベルを低減することができる。これにより、デュプレクサ1が搭載される通信機の受信感度を向上させることができる。
【0053】
以下、上記実施形態の変形例について説明する。以下の変形例の説明において、上記実施形態と実質的に共通の機能を有する部材を共通の符号で参酌し、説明を省略する。
【0054】
上記実施形態では、受信フィルタ20が縦続接続されている2つの縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部が並列に電気的に接続された構成を有する例について説明した。但し、本発明に係る弾性波分波器は、この構成に限定されない。以下、本発明における受信フィルタの構成例について説明する。
【0055】
(第1の変形例)
図4は、第1の変形例に係るデュプレクサの略図的回路図である。図4に示す第1の変形例のデュプレクサは、上記実施形態のデュプレクサ1と同様に、送信フィルタ10aと、受信フィルタ20aと、インダクタ19により構成されている整合回路とを有する。
【0056】
受信フィルタ20aは、第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部100aと、第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部100bと、第3の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部100cと、第4の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部100dと、弾性表面波共振子40とを有する。第1の変形例のデュプレクサでは、受信フィルタ20aと第1及び第2の受信側信号端子Rx.1,Rx.2との接続構造が、上記実施形態のデュプレクサ1と異なっている。
【0057】
第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部100aは、弾性表面波伝搬方向に沿って配置されているIDT電極111〜113と、IDT電極111〜113が設けられている領域の弾性表面波伝搬方向における両側に配置されている反射器114a,114bとを有する。第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部100bは、弾性表面波伝搬方向に沿って配置されているIDT電極121〜123と、IDT電極121〜123が設けられている領域の弾性表面波伝搬方向における両側に配置されている反射器124a,124bとを有する。
【0058】
第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部100aに、第3の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部100cが縦続接続されている。第3の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部100cは、弾性表面波伝搬方向に沿って配置されているIDT電極131〜133と、IDT電極131〜133が設けられている領域の弾性表面波伝搬方向における両側に配置されている反射器134a,134bとを有する。
【0059】
第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部100bに、第4の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部100dが縦続接続されている。第4の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部100dは、弾性表面波伝搬方向に沿って配置されているIDT電極141〜143と、IDT電極141〜143が設けられている領域の弾性表面波伝搬方向における両側に配置されている反射器144a,144bとを有する。
【0060】
縦続接続されている第1,第3の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部100a,100cと、縦続接続されている第2,第4の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部100b,100dとが、並列に接続されている。
【0061】
第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部100aのIDT電極111の一端が弾性表面波共振子40を介してアンテナ端子Ant.に接続されており、他端がグラウンド電位に接続されている。すなわち、第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部100aのIDT電極111は、弾性表面波共振子40に接続されているIDT電極である。第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部100aのIDT電極112の一端がグラウンド電位に接続されており、他端が第3の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部100cのIDT電極132に接続されている。第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部100aのIDT電極113の一端がグラウンド電位に接続されており、他端が第3の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部100cのIDT電極133に接続されている。
【0062】
第3の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部100cのIDT電極132の第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部100aのIDT電極112に接続されている側とは反対側の端部は、グラウンド電位に接続されている。同様に、第3の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部100cのIDT電極133の第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部100aのIDT電極113に接続されている側とは反対側の端部は、グラウンド電位に接続されている。第3の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部100cのIDT電極131の一端がグラウンド電位に接続されており、他端が第1の受信側信号端子Rx.1に接続されている。
【0063】
第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部100bのIDT電極121の一端が弾性表面波共振子40を介してアンテナ端子Ant.に接続されており、他端がグラウンド電位に接続されている。より具体的には、第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部100bのIDT電極121の一端が、第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部100aのIDT電極111の一端と共通接続され、弾性表面波共振子40を介してアンテナ端子Ant.に接続されている。すなわち、第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部100bのIDT電極121は、弾性表面波共振子40に接続されているIDT電極である。第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部100bのIDT電極122の一端がグラウンド電位に接続されており、他端が第4の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部100dのIDT電極142に接続されている。第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部100bのIDT電極123の一端がグラウンド電位に接続されており、他端が第4の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部100dのIDT電極143に接続されている。
【0064】
第4の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部100dのIDT電極142の第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部100bのIDT電極122に接続されている側とは反対側の端部は、グラウンド電位に接続されている。同様に、第4の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部100dのIDT電極143の第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部100bのIDT電極123に接続されている側とは反対側の端部は、グラウンド電位に接続されている。第4の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部100dのIDT電極141の一端がグラウンド電位に接続されており、他端が第2の受信側信号端子Rx.2に接続されている。第3の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部100cのIDT電極131は、第4の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部100dのIDT電極141に対して反転した構造を有する。
【0065】
本変形例においても、弾性表面波共振子40の容量をC1とし、第1,第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部100a,100bにおいて弾性表面波共振子40のIDT電極41に電気的に接続されているIDT電極111,121のそれぞれの容量をC2としたとき、容量C1と容量C2との比(C1/C2)を1.9以上、2.5以下とすることにより、受信フィルタ20aのフィルタ特性を劣化させることなく、相互変調歪み(IMD)レベルを低減することができる。
【0066】
(第2の変形例)
図5は、第2の変形例に係るデュプレクサの略図的回路図である。図5に示す第2の変形例のデュプレクサは、上記実施形態のデュプレクサ1と同様に、送信フィルタ10aと、受信フィルタ20bと、インダクタ19により構成されている整合回路とを有する。
【0067】
図5に示すように、本変形例では、受信フィルタ20bは、弾性表面波共振子40と、第1及び第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部200a,200bとにより構成されている。第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部200aに、第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部200bが縦続接続されている。
【0068】
第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部200aは、弾性表面波伝搬方向に沿って配置されているIDT電極211〜213と、IDT電極211〜213が設けられている領域の弾性表面波伝搬方向における両側に配置されている反射器214a,214bとを有する。第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部200bは、弾性表面波伝搬方向に沿って配置されているIDT電極221〜223と、IDT電極221〜223が設けられている領域の弾性表面波伝搬方向における両側に配置されている反射器224a,224bとを有する。IDT電極221は、弾性表面波伝搬方向において分割されており、第1,第2の分割IDT部221a,221bを有する。
【0069】
第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部200aのIDT電極211の一端が弾性表面波共振子40を介してアンテナ端子Ant.に接続されており、他端がグラウンド電位に接続されている。すなわち、第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部200aのIDT電極211は、弾性表面波共振子40に接続されているIDT電極である。第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部200aのIDT電極212の一端がグラウンド電位に接続されており、他端が第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部200bのIDT電極222に接続されている。第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部200aのIDT電極213の一端がグラウンド電位に接続されており、他端が第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部200bのIDT電極223に接続されている。
【0070】
第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部200bのIDT電極222の第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部200aのIDT電極212に接続されている側とは反対側の端部は、グラウンド電位に接続されている。同様に、第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部200bのIDT電極223の第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部200aのIDT電極213に接続されている側とは反対側の端部は、グラウンド電位に接続されている。第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部200bのIDT電極221において、第1の分割IDT部221aが第1の受信側信号端子Rx.1に接続されており、第2の分割IDT部221bが第2の受信側信号端子Rx.2に接続されている。
【0071】
本変形例においても、弾性表面波共振子40の容量をC1とし、第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部200aにおいて弾性表面波共振子40のIDT電極41に電気的に接続されているIDT電極211の容量をC2としたとき、容量C1と容量C2との比(C1/C2)を1.9以上、2.5以下とすることにより、受信フィルタのフィルタ特性を劣化させることなく、相互変調歪み(IMD)レベルを低減することができる。
【0072】
(第3の変形例)
図6は、第3の変形例に係るデュプレクサの略図的回路図である。図6に示す第3の変形例のデュプレクサは、上記実施形態のデュプレクサ1と同様に、送信フィルタ10aと、受信フィルタ20cと、インダクタ19により構成されている整合回路とを有する。
【0073】
図6に示すように、本変形例では、受信フィルタ20cは、弾性表面波共振子40と、第1,第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部300a,300bとにより構成されている。第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部300aと、第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部300bとが並列に接続されている。
【0074】
第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部300aは、弾性表面波伝搬方向に沿って配置されているIDT電極311〜313と、IDT電極311〜313が設けられている領域の弾性表面波伝搬方向における両側に配置されている反射器314a,314bとを有する。第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部300bは、弾性表面波伝搬方向に沿って配置されているIDT電極321〜323と、IDT電極321〜323が設けられている領域の弾性表面波伝搬方向における両側に配置されている反射器324a,324bとを有する。
【0075】
第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部300aのIDT電極312,313の一端が共通接続されて弾性表面波共振子40を介してアンテナ端子Ant.に接続されており、他端がグラウンド電位に接続されている。すなわち、第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部300aのIDT電極312,313は、弾性表面波共振子40に接続されているIDT電極である。第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部300aのIDT電極311の一端がグラウンド電位に接続されており、他端が第1の受信側信号端子Rx.1に接続されている。
【0076】
第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部300bのIDT電極322,323の一端が共通接続されて弾性表面波共振子40を介してアンテナ端子Ant.に接続されており、他端がグラウンド電位に接続されている。より具体的には、第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部300bのIDT電極322,323の一端が、第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部300aのIDT電極312,313の一端と共通接続され、弾性表面波共振子40を介してアンテナ端子Ant.に接続されている。すなわち、第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部300bのIDT電極322,323も、弾性表面波共振子40に接続されているIDT電極である。第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部300bのIDT電極321の一端がグラウンド電位に接続されており、他端が第2の受信側信号端子Rx.2に接続されている。第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部300aのIDT電極311は、第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部300bのIDT電極321に対して反転した構造を有する。また、第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部300aのIDT電極311には直列重み付けが施されている。
【0077】
本変形例においても、弾性表面波共振子40の容量をC1とし、第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部300aにおいて弾性表面波共振子40に電気的に接続されているIDT電極312,313及び第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部300bにおいて弾性表面波共振子40のIDT電極41に電気的に接続されているIDT電極322,323のそれぞれの容量をC2としたとき、容量C1と容量C2との比(C1/C2)を1.9以上、2.5以下とすることにより、受信フィルタのフィルタ特性を劣化させることなく、相互変調歪み(IMD)レベルを低減することができる。
【0078】
(第4の変形例)
図7は、第4の変形例に係るデュプレクサの略図的回路図である。図7に示す第4の変形例のデュプレクサは、上記実施形態のデュプレクサ1と同様に、送信フィルタ10aと、受信フィルタ20dと、インダクタ19により構成されている整合回路とを有する。
【0079】
図7に示すように、本変形例では、受信フィルタ20dは、弾性表面波共振子40と、第1,第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部400a,400bとによって構成されている。第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部400aと、第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部400bとが並列に接続されている。本変形例のデュプレクサは、第1,第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部400a,400bが所謂5IDT型の縦結合共振子型弾性表面波フィルタである点で、第1,第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部300a,300bが所謂3IDT型の縦結合共振子型弾性表面波フィルタである上記第3の変形例のデュプレクサと異なる。
【0080】
第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部400aは、弾性表面波伝搬方向に沿って配置されているIDT電極411〜415と、IDT電極411〜415が設けられている領域の弾性表面波伝搬方向における両側に配置されている反射器416a,416bとを有する。第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部400bは、弾性表面波伝搬方向に沿って配置されているIDT電極421〜425と、IDT電極421〜425が設けられている領域の弾性表面波伝搬方向における両側に配置されている反射器426a,426bとを有する。
【0081】
第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部400aのIDT電極411,414,415の一端が共通接続されて弾性表面波共振子40を介してアンテナ端子Ant.に接続されており、他端がグラウンド電位に接続されている。すなわち、第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部400aのIDT電極411,414,415は、弾性表面波共振子40に接続されているIDT電極である。第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部400aのIDT電極412,413の一端がグラウンド電位に接続されており、他端が共通接続されて第1の受信側信号端子Rx.1に接続されている。
【0082】
第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部400bのIDT電極421,424,425の一端が共通接続されて弾性表面波共振子40を介してアンテナ端子Ant.に接続されており、他端がグラウンド電位に接続されている。より具体的には、第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部400bのIDT電極421,424,425の一端が、第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部400aのIDT電極411,414,415の一端と共通接続され、弾性表面波共振子40を介してアンテナ端子Ant.に接続されている。すなわち、第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部400bのIDT電極421,424,425も、弾性表面波共振子40に接続されているIDT電極である。第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部400bのIDT電極422,423の一端がグラウンド電位に接続されており、他端が共通接続されて第2の受信側信号端子Rx.2に接続されている。第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部400aのIDT電極412,413は、第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部400bのIDT電極422,423に対して反転した構造を有する。また、第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部400aのIDT電極412,413には直列重み付けが施されている。
【0083】
本変形例においても、弾性表面波共振子40の容量をC1とし、第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部400aにおいて弾性表面波共振子40に電気的に接続されているIDT電極411,414,415及び第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部400bにおいて弾性表面波共振子40のIDT電極41に電気的に接続されているIDT電極421,424,425のそれぞれの容量をC2としたとき、容量C1と容量C2との比(C1/C2)を1.9以上、2.5以下とすることにより、受信フィルタのフィルタ特性を劣化させることなく、相互変調歪み(IMD)レベルを低減することができる。
【0084】
(第5の変形例)
図8は、第5の変形例に係るデュプレクサの略図的回路図である。図8に示す第5の変形例のデュプレクサは、上記実施形態のデュプレクサ1と同様に、送信フィルタ10aと、受信フィルタ20eと、インダクタ19により構成されている整合回路とを有する。
【0085】
本変形例では、図8に示すように、受信フィルタ20eは、弾性表面波共振子40と、第1,第2,第3,第4の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部500a,500b,500c,500dとによって構成されている。第1,第2,第3,第4の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部500a,500b,500c,500dが並列に電気的に接続されている。
【0086】
第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部500aは、弾性表面波伝搬方向に沿って配置されているIDT電極511〜513と、IDT電極511〜513が設けられている領域の弾性表面波伝搬方向における両側に配置されている反射器514a,514bとを有する。第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部500bは、弾性表面波伝搬方向に沿って配置されているIDT電極521〜523と、IDT電極521〜523が設けられている領域の弾性表面波伝搬方向における両側に配置されている反射器524a,524bとを有する。第3の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部500cは、弾性表面波伝搬方向に沿って配置されているIDT電極531〜533と、IDT電極531〜533が設けられている領域の弾性表面波伝搬方向における両側に配置されている反射器534a,534bとを有する。第4の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部500dは、弾性表面波伝搬方向に沿って配置されているIDT電極541〜543と、IDT電極541〜543が設けられている領域の弾性表面波伝搬方向における両側に配置されている反射器544a,544bとを有する。
【0087】
第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部500aのIDT電極512,513の一端が共通接続されて弾性表面波共振子40を介してアンテナ端子Ant.に接続されており、他端がグラウンド電位に接続されている。すなわち、第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部500aのIDT電極512,513は、弾性表面波共振子40に接続されているIDT電極である。第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部500aのIDT電極511の一端がグラウンド電位に接続されており、他端が第1の受信側信号端子Rx.1に接続されている。
【0088】
第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部500bのIDT電極522,523の一端が共通接続されて弾性表面波共振子40を介してアンテナ端子Ant.に接続されており、他端がグラウンド電位に接続されている。すなわち、第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部500bのIDT電極522,523は、弾性表面波共振子40に接続されているIDT電極である。第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部500bのIDT電極521の一端がグラウンド電位に接続されており、他端が第1の受信側信号端子Rx.1に接続されている。より具体的には、第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部500bのIDT電極521の一端が、第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部500aのIDT電極511の一端と共通接続され、第1の受信側信号端子Rx.1に接続されている。
【0089】
第3の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部500cのIDT電極532,533の一端が共通接続されて弾性表面波共振子40を介してアンテナ端子Ant.に接続されており、他端がグラウンド電位に接続されている。すなわち、第3の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部500cのIDT電極532,533は、弾性表面波共振子40に接続されているIDT電極である。第3の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部500cのIDT電極531の一端がグラウンド電位に接続されており、他端が第2の受信側信号端子Rx.2に接続されている。
【0090】
第4の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部500dのIDT電極542,543の一端が共通接続されて弾性表面波共振子40を介してアンテナ端子Ant.に接続されており、他端がグラウンド電位に接続されている。すなわち、第4の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部500dのIDT電極542,543は、弾性表面波共振子40に接続されているIDT電極である。第4の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部500dのIDT電極541の一端がグラウンド電位に接続されており、他端が第2の受信側信号端子Rx.2に接続されている。より具体的には、第4の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部500dのIDT電極541の一端が、第3の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部500cのIDT電極531の一端と共通接続され、第2の受信側信号端子Rx.2に接続されている。第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部500aのIDT電極511及び第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部500bのIDT電極521は、第3の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部500cのIDT電極531及び第4の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部500dのIDT電極541に対して反転した構造を有する。また、第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部500aのIDT電極511及び第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部500bのIDT電極521には直列重み付けが施されている。
【0091】
本変形例においても、弾性表面波共振子40の容量をC1とし、第1の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部500aにおいて弾性表面波共振子40に電気的に接続されているIDT電極512,513と、第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部500bにおいて弾性表面波共振子40に電気的に接続されているIDT電極522,523と、第3の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部500cにおいて弾性表面波共振子40に電気的に接続されているIDT電極532,533と、第4の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部500dにおいて弾性表面波共振子40のIDT電極41に電気的に接続されているIDT電極542,543とのそれぞれの容量をC2としたとき、容量C1と容量C2との比(C1/C2)を1.9以上、2.5以下とすることにより、受信フィルタのフィルタ特性を劣化させることなく、相互変調歪み(IMD)レベルを低減することができる。
【0092】
(第6の変形例)
図9は、第6の変形例に係るデュプレクサの略図的回路図である。
図9に示す第6の変形例のデュプレクサは、上記実施形態のデュプレクサ1と同様に、送信フィルタ10aと、受信フィルタ20fと、インダクタ19により構成されている整合回路とを有する。
【0093】
本変形例では、図9に示すように、受信フィルタ20fが、弾性表面波共振子40と、所謂5IDT型の縦結合共振子型弾性表面波フィルタである縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部600aとによって構成されている。
【0094】
縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部600aは、弾性表面波伝搬方向に沿って配置されているIDT電極611〜615と、IDT電極611〜615が設けられている領域の弾性表面波伝搬方向における両側に配置されている反射器616a,616bとを有する。
【0095】
IDT電極611,614,615の一端が共通接続されて弾性表面波共振子40を介してアンテナ端子Ant.に接続されており、他端がグラウンド電位に接続されている。すなわち、IDT電極611,614,615は、弾性表面波共振子40に接続されているIDT電極である。IDT電極612,613の一端がグラウンド電位に接続されており、他端が第1,第2の受信側信号端子Rx.1,Rx.2にそれぞれ接続されている。IDT電極612は、IDT電極613に対して反転した構造を有する。また、IDT電極612には直列重み付けが施されている。
【0096】
本変形例においても、弾性表面波共振子40の容量をC1とし、縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部600aにおいて弾性表面波共振子40のIDT電極41に電気的に接続されているIDT電極611,614,615のそれぞれの容量をC2としたとき、容量C1と容量C2との比(C1/C2)を1.9以上、2.5以下とすることにより、受信フィルタのフィルタ特性を劣化させることなく、相互変調歪み(IMD)レベルを低減することができる。
【0097】
(第7の変形例)
図10は、第7の変形例に係るデュプレクサの略図的回路図である。図10に示す第7の変形例のデュプレクサは、上記実施形態のデュプレクサ1と同様に、送信フィルタ10aと、受信フィルタ20gと、インダクタ19により構成されている整合回路とを有する。
【0098】
本変形例では、図10に示すように、受信フィルタ20gが、弾性表面波共振子40と、縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部700aとによって構成されている。
【0099】
縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部700aは、弾性表面波伝搬方向に沿って配置されているIDT電極711〜715と、IDT電極711〜715が設けられている領域の弾性表面波伝搬方向における両側に配置されている反射器716a,716bとを有する。IDT電極711は、弾性表面波伝搬方向において分割されており、第1,第2の分割IDT部711a,711bを有する。
【0100】
IDT電極712,713の一端が共通接続されて弾性表面波共振子40を介してアンテナ端子Ant.に接続されており、他端がグラウンド電位に接続されている。すなわち、IDT電極712,713は、弾性表面波共振子40に接続されているIDT電極である。IDT電極712は、IDT電極713に対して反転した構造を有する。IDT電極714の一端がグラウンド電位に接続されており、他端がIDT電極711の第1の分割IDT部711aと共通接続されて第1の受信側信号端子Rx.1に接続されている。IDT電極715の一端がグラウンド電位に接続されており、他端がIDT電極711の第2の分割IDT部711bと共通接続されて第2の受信側信号端子Rx.2に接続されている。
【0101】
本変形例においても、弾性表面波共振子40の容量をC1とし、縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部700aにおいて弾性表面波共振子40のIDT電極41に電気的に接続されているIDT電極712,713のそれぞれの容量をC2としたとき、容量C1と容量C2との比(C1/C2)を1.9以上、2.5以下とすることにより、受信フィルタのフィルタ特性を劣化させることなく、相互変調歪み(IMD)レベルを低減することができる。
【0102】
本発明は、上記のように、受信フィルタにおいて、弾性波共振子の容量をC1とし、縦結合共振子型弾性波フィルタにおいて弾性波共振子のIDT電極に電気的に接続されているIDT電極の容量をC2としたとき、容量比C1/C2に特徴を有するものであり、送信フィルタの構造自体は特に限定されるものではない。
【0103】
上記実施形態及び第1〜第7の比較例では、弾性表面波を利用した弾性表面波フィルタにより受信フィルタを構成したが、弾性境界波を利用した弾性境界波フィルタにより受信フィルタを構成してもよい。
【符号の説明】
【0104】
1…デュプレクサ
10,10a…送信フィルタ
11…直列腕
12…直列腕共振子
13…並列腕
14…並列腕共振子
15…LC共振回路
15a…インダクタ
15b…キャパシタ
19…インダクタ
20,20a〜20g…受信フィルタ
21…圧電基板
22…電極
30a〜30d…第1〜第4の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部
31〜33,35〜37…IDT電極
34a,34b,38a,38b…反射器
40…弾性表面波共振子
41…IDT電極
42a,42b…反射器
50…相互変調歪み(IMD)測定システム
51,54…信号発生器
52…パワーアンプ
53…スペクトラムアナライザ
100a〜100d…第1〜第4の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部
111〜113,121〜123,131〜133,141〜143…IDT電極
114a,114b,124a,124b,134a,134b,144a,144b…反射器
200a,200b…第1,第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部
211〜213,221〜223…IDT電極
221a,221b…第1,第2の分割IDT部
214a,214b,224a,224b…反射器
300a,300b…第1,第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部
311〜313,321〜323…IDT電極
314a,314b,324a,324b…反射器
400a,400b…第1,第2の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部
411〜415,421〜425…IDT電極
416a,416b,426a,426b…反射器
500a〜500d…第1〜第4の縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部
511〜513,521〜523,531〜533,541〜543…IDT電極
514a,514b,524a,524b,534a,534b,544a,544b…反射器
600a…縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部
611〜615…IDT電極
616a,616b…反射器
700a…縦結合共振子型弾性表面波フィルタ部
711〜715…IDT電極
711a,711b…第1,第2の分割IDT部
716a,716b…反射器
Ant.…アンテナ端子
Rx.1,Rx.2…第1及び第2の受信側信号端子
Tx.…送信側信号端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナ端子と、
受信側信号端子と、
送信側信号端子と、
前記アンテナ端子と前記受信側信号端子との間に接続されている受信フィルタと、
前記アンテナ端子と前記送信側信号端子との間に接続されている送信フィルタと、
を備え、
前記受信フィルタは、
前記アンテナ端子と前記受信側信号端子との間に接続されており、弾性波伝搬方向に沿って配置されている少なくとも3つのIDT電極を含む縦結合共振子型弾性波フィルタ部と、
前記縦結合共振子型弾性波フィルタ部と前記アンテナ端子との間に接続されており、前記縦結合共振子型弾性波フィルタ部を構成している少なくとも3つのIDT電極のうちの少なくとも一つに接続されている1つのIDT電極を含む弾性波共振子とを有し、
前記弾性波共振子の容量をC1とし、前記縦結合共振子型弾性波フィルタ部を構成している少なくとも3つのIDT電極のうち、前記弾性波共振子を構成しているIDT電極に接続されているIDT電極の容量をC2としたときに、容量C1と容量C2との比(C1/C2)が1.9以上2.5以下となるように、前記受信フィルタが構成されている、弾性波分波器。
【請求項2】
前記送信フィルタが、ラダー型弾性波フィルタにより構成されている、請求項1に記載の弾性波分波器。
【請求項3】
前記受信フィルタが、平衡−不平衡変換機能を有するバランス型縦結合共振子型弾性波フィルタである、請求項1または2に記載の弾性波分波器。
【請求項4】
前記受信フィルタが、弾性表面波を利用した弾性表面波フィルタである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の弾性波分波器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−10164(P2012−10164A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−145222(P2010−145222)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】