説明

弾性波検出装置、個人認証装置、音声出力装置、弾性波検出プログラム、及び個人認証プログラム

【課題】単一のセンサを用いて非接触で、弾性体を伝播する弾性波を精度良く検出するようにする。
【解決手段】電波送受信部によって、人体に対して、電磁波を放射し、反射される電磁波に応じた出力信号22を出力する。出力信号分離部24によって、出力信号22から、心拍及び心音に対する周波数帯域の信号を分離する。心音ピークI音/II音判定部42によって、心音周波数信号のピークが、I音のピークであるかII音のピークであるかを判定する。心音ピーク確からしさ判定部46によって、心拍周波数信号のピーク、並びに心音ピーク時刻及び心音I音/II音判定結果に基づいて、心拍ピーク時刻を検出して出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性波検出装置、個人認証装置、音声出力装置、弾性波検出プログラム、及び個人認証プログラムに係り、特に、電磁波を放射し表面において反射される電磁波を受信して弾性波を検出する弾性波検出装置、個人認証装置、音声出力装置、弾性波検出プログラム、及び個人認証プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、聴診器は生体(弾性体)を伝播する生体音(弾性波)を検出するため、生体に聴診器を接触させて、聴診器により必要な周波数帯域の振動のみを取り出し、聴取しやすくしている(例えば、特許文献1)。上記の特許文献1に記載の聴診器は、弾性体である生体に直接接触し、ダイアフラムを用いて弾性波を音に変換している。また、聴診器の信号を電気信号に変換し、聴診・波形表示・記録等を実現している電子聴診器も存在する。
【0003】
また、圧電体上に形成された表面弾性波共振子と、表面弾性波共振子に電気的に接続されたアンテナとを有し、振動検知部を振動検出対象物に設置し、対象物の振動に応じて表面弾性波共振子のインピーダンスが変化することにより振動検知部に電波を照射した時の反射波の状態が異なることを利用した、振動検知装置が知られている(特許文献2)。この振動検知装置では、対象物に接触することなく振動を検出可能である。
【0004】
また、振動検出対象面上の複数点に対して光源から基準光を照射し、その反射波と基準光の干渉スペクトルより振動検出対象面の振動情報を得る、振動計測装置及び振動計測方法が知られている(特許文献3)。この振動計測装置及び振動計測方法では、完全に非接触で対象物表面の振動を検出可能である。
【0005】
また、被験者に対してマイクロ波を照射し、その反射波を検出する複数のマイクロ波送受信機を用い、複数の反射波に基づく心拍信号の相互相関処理により、ノイズの影響を低減して心拍を検出する生体振動周波数検出装置が知られている(特許文献4)。この生体振動周波数検出装置は、弾性体と電波の送受信部の間に夾雑物がある場合でも、弾性波の検出が可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭62−32939号公報
【特許文献2】特開2009−281767号公報
【特許文献3】特開2010−203860号公報
【特許文献4】特開2009−55997号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の特許文献1に記載の技術では、聴診器が直接弾性体に接触する必要があり、弾性体との接触状態によって雑音の混入が生じてしまう、という問題がある。
【0008】
また、上記の特許文献2に記載の技術では、対象物にセンサを設置する必要があるため、完全な非接触では検出できない、という問題がある。
【0009】
また、上記の特許文献3に記載の技術は、基準光を照射する部分と対象物の間に光を透過しない夾雑物がある場合には、振動を検出できない、という問題がある。
【0010】
また、上記の特許文献4に記載の技術では、体動雑音等の雑音の影響を受けやすいため、複数センサ出力間の相互相関処理により雑音を低減しており、複数のセンサを用いる必要がある、という問題がある。
【0011】
本発明は、上述した問題を解決するために成されたものであり、単一のセンサを用いて非接触で、弾性体を伝播する弾性波を精度良く検出することができる弾性波検出装置及びプログラムを提供することを第1の目的とする。
【0012】
また、単一のセンサを用いて非接触で、精度良く個人認証を行なうことができる個人認証装置及びプログラムを提供することを第2の目的とする。
【0013】
また、単一のセンサを用いて非接触で、生体が発する音声を出力することができる音声出力装置を提供することを第3の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために第1の発明の弾性波検出装置は、周波数帯域が異なる複数種類の弾性波が伝播している弾性体に対して、電磁波を放射し、前記弾性体の表面において反射される電磁波を受信して、受信した電磁波に応じた出力信号を出力する電磁波送受信手段と、前記電磁波送受信手段により出力された前記出力信号から、前記複数種類の弾性波の各々に対して予め定められた周波数帯域、振幅範囲、又は位相範囲の信号を分離する信号分離手段と、前記信号分離手段によって分離された前記複数種類の弾性波に関する情報を検出する弾性波検出手段と、を含んで構成されている。
【0015】
第2の発明の弾性波検出プログラムは、コンピュータを、周波数帯域が異なる複数種類の弾性波が伝播している弾性体に対して、電磁波を放射し、前記弾性体の表面において反射される電磁波を受信して、受信した電磁波に応じた出力信号を出力する電磁波送受信手段により出力された前記出力信号から、前記複数種類の弾性波の各々に対して予め定められた周波数帯域、振幅範囲、又は位相範囲の信号を分離する信号分離手段、及び前記信号分離手段によって分離された前記複数種類の弾性波に関する情報を検出する弾性波検出手段として機能させるための弾性波検出プログラムである。
【0016】
第1の発明及び第2の発明によれば、電磁波送受信手段によって、弾性体に対して、電磁波を放射し、前記弾性体の表面において反射される電磁波を受信して、受信した電磁波に応じた出力信号を出力する。
【0017】
そして、信号分離手段によって、前記電磁波送受信手段により出力された前記出力信号から、前記複数種類の弾性波の各々に対して予め定められた周波数帯域、振幅範囲、又は位相範囲の信号を分離する。弾性波検出手段によって、前記信号分離手段によって分離された前記複数種類の弾性波に関する情報を検出する。
【0018】
そして、弾性体の表面において反射される電磁波に応じた出力信号から、弾性体に伝播している複数種類の弾性波に対する周波数帯域、振幅範囲、又は位相範囲の信号を分離し、分離された弾性波に関する情報を検出することにより、単一のセンサを用いて非接触で、弾性体を伝播する弾性波を精度良く検出することができる。
【0019】
上記の弾性体を生体とし、弾性波を、生体振動又は生体音とすることができる。
【0020】
上記の複数種類の弾性波は、心拍動及び心音を含むようにすることができる。
【0021】
上記の複数種類の弾性波は、呼吸動及び呼吸音を含むようにすることができる。
【0022】
上記の弾性波検出手段は、前記信号の変化又は周波数成分の分布の変化に基づいて、前記少なくとも1種類の前記弾性波に対する前記信号から、前記弾性波に関する情報を検出するようにすることができる。
【0023】
第3の発明の個人認証装置は、周波数帯域が異なる複数種類の生体振動又は生体音が伝播している人体に対して、電磁波を放射し、前記弾性体の表面において反射される電磁波を受信して、受信した電磁波に応じた出力信号を出力する電磁波送受信手段と、前記電磁波送受信手段により出力された前記出力信号から、前記複数種類の生体振動又は生体音の各々に対して予め定められた周波数帯域、振幅範囲、又は位相範囲の信号を分離する信号分離手段と、前記信号分離手段によって分離された前記複数種類の弾性波の各々に対する前記信号について、前記信号の変化又は周波数成分の分布の変化の特徴点を検出する特徴点検出手段と、前記特徴点検出手段によって検出された各信号の特徴点の検出時刻のずれを算出するずれ算出手段と、前記ずれ算出手段によって算出された前記各信号の前記特徴点の検出時刻のずれと、前記人体について予め求められた前記各信号の前記特徴点の検出時刻のずれとを照合する照合手段と、を含んで構成されている。
【0024】
第4の発明の個人認証プログラムは、コンピュータを、周波数帯域が異なる複数種類の生体振動又は生体音が伝播している人体に対して、電磁波を放射し、前記弾性体の表面において反射される電磁波を受信して、受信した電磁波に応じた出力信号を出力する電磁波送受信手段により出力された前記出力信号から、前記複数種類の生体振動又は生体音の各々に対して予め定められた周波数帯域、振幅範囲、又は位相範囲の信号を分離する信号分離手段、前記信号分離手段によって分離された前記複数種類の弾性波の各々に対する前記信号について、前記信号の変化又は周波数成分の分布の変化の特徴点を検出する特徴点検出手段、前記特徴点検出手段によって検出された各信号の特徴点の検出時刻のずれを算出するずれ算出手段、及び前記ずれ算出手段によって算出された前記各信号の前記特徴点の検出時刻のずれと、前記人体について予め求められた前記各信号の前記特徴点の検出時刻のずれとを照合する照合手段として機能させるための個人認証プログラムである。
【0025】
第3の発明及び第4の発明によれば、電磁波送受信手段によって、人体に対して、電磁波を放射し、前記弾性体の表面において反射される電磁波を受信して、受信した電磁波に応じた出力信号を出力する。信号分離手段によって、前記電磁波送受信手段により出力された前記出力信号から、前記複数種類の生体振動又は生体音の各々に対して予め定められた周波数帯域、振幅範囲、又は位相範囲の信号を分離する。
【0026】
そして、特徴点検出手段によって、前記信号分離手段によって分離された前記複数種類の弾性波の各々に対する前記信号について、前記信号の変化又は周波数成分の分布の変化の特徴点を検出する。ずれ算出手段によって、前記特徴点検出手段によって検出された各信号の特徴点の検出時刻のずれを算出する。
【0027】
そして、照合手段によって、前記ずれ算出手段によって算出された前記各信号の前記特徴点の検出時刻のずれと、前記人体について予め求められた前記各信号の前記特徴点の検出時刻のずれとを照合する。
【0028】
このように、人体の表面において反射される電磁波に応じた出力信号から、人体に伝播している複数種類の生体振動又は生体音に対する周波数帯域、振幅範囲、又は位相範囲の信号を分離し、各信号の特徴点の検出時刻のずれを、人体について予め求められた各信号の前記特徴点の検出時刻のずれと照合することにより、単一のセンサを用いて非接触で、精度良く個人認証を行なうことができる。
【0029】
上記の複数種類の生体振動又は生体音は、心拍動及び心音を含むようにすることができる。
【0030】
上記の複数種類の生体振動又は生体音は、呼吸動及び呼吸音を含むようにすることができる。
【0031】
第5の発明に係る音声出力装置は、生体に対して、電磁波を放射し、前記弾性体の表面において反射される電磁波を受信して、受信した電磁波に応じた出力信号を出力する電磁波送受信手段と、前記電磁波送受信手段により出力された前記出力信号から、予め定められた音声帯域の信号を分離する信号分離手段と、前記信号分離手段によって分離された音声帯域の信号を、音声出力部により出力する出力手段と、を含んで構成されている。
【0032】
第5の発明によれば、電磁波送受信手段によって、生体に対して、電磁波を放射し、前記弾性体の表面において反射される電磁波を受信して、受信した電磁波に応じた出力信号を出力する。信号分離手段によって、前記電磁波送受信手段により出力された前記出力信号から、予め定められた音声帯域の信号を分離する。
【0033】
そして、出力手段によって、前記信号分離手段によって分離された音声帯域の信号を、音声出力部により出力する。
【0034】
このように、生体の表面において反射される電磁波に応じた出力信号から、音声帯域の信号を分離し、音声出力部により出力することにより、単一のセンサを用いて非接触で、生体が発する音声を出力することができる。
【0035】
第5の発明に係る前記信号分離手段は、前記検出信号から、前記予め定められた音声帯域の信号、及び予め求められた呼吸動の周波数帯域の信号を分離し、前記出力手段は、前記信号分離手段によって分離された前記呼吸動の周波数帯域の信号に基づいて、呼気相であるか否かを判定し、呼気相であると判定されたときに分離された前記音声帯域の信号を、前記音声出力部により出力するようにすることができる。これによって、雑音を除去した音声帯域の信号を、音声出力部により出力することができる。
【0036】
なお、上記の発明のプログラムを記憶する記憶媒体は、特に限定されず、ハードディスクであってもよいし、ROMであってもよい。また、CD−ROMやDVDディスク、光磁気ディスクやICカードであってもよい。更にまた、該プログラムを、ネットワークに接続されたサーバ等からダウンロードするようにしてもよい。
【発明の効果】
【0037】
以上説明したように、本発明に係る弾性波検出装置及びプログラムによれば、弾性体の表面において反射される電磁波に応じた出力信号から、弾性体に伝播している複数種類の弾性波に対する周波数帯域、振幅範囲、又は位相範囲の信号を分離し、分離された弾性波に関する情報を検出することにより、単一のセンサを用いて非接触で、弾性体を伝播する弾性波を精度良く検出することができる、という効果が得られる。
【0038】
本発明に係る個人認証装置及びプログラムによれば、人体の表面において反射される電磁波に応じた出力信号から、人体に伝播している複数種類の生体振動又は生体音に対する周波数帯域、振幅範囲、又は位相範囲の信号を分離し、各信号の特徴点の検出時刻のずれを、人体について予め求められた各信号の前記特徴点の検出時刻のずれと照合することにより、単一のセンサを用いて非接触で、精度良く個人認証を行なうことができる、という効果が得られる。
【0039】
本発明に係る音声出力装置及びプログラムによれば、生体の表面において反射される電磁波に応じた出力信号から、音声帯域の信号を分離し、音声出力部により出力することにより、単一のセンサを用いて非接触で、生体が発する音声を出力することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】第1の実施の形態に係る心拍検出装置の構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態に係る心拍検出装置のコンピュータの構成を示すブロック図である。
【図3】心拍信号と心音信号の変化を示す図である。
【図4】第1の実施の形態の心拍検出装置における生体信号判定処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図5】第2の実施の形態に係る呼吸検出装置のコンピュータの構成を示すブロック図である。
【図6】吸気相及び呼気相と呼吸動信号の変化とを示す図である。
【図7】第2の実施の形態の呼吸検出装置における生体信号判定処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図8】第3の実施の形態に係る非接触聴診器のコンピュータの構成を示すブロック図である。
【図9】非接触聴診器のコンピュータの他の例の構成を示すブロック図である。
【図10】第4の実施の形態に係る個人認証装置のコンピュータの構成を示すブロック図である。
【図11】第4の実施の形態の個人認証装置における個人認証処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
【図12】第5の実施の形態に係る音声出力装置のコンピュータの構成を示すブロック図である。
【図13】第6の実施の形態に係る音声出力装置のコンピュータの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。まず、第1の実施の形態では、人体の心拍を検出する心拍検出装置に本発明を適用した場合について説明する。
【0042】
図1に示すように、第1の実施の形態に係る心拍検出装置10は、電波送受信部12と、コンピュータ14とを備えている。電波送受信部12は、人体16に対して、電磁波(送信波)18を放射し、人体16の表面で反射された電磁波(反射波)20を受信する。上記図1では、電波送受信部12を、人体16の胸郭前方に設置して、胸郭前面に対して送信波18を放射しているが、心拍及び心音は、胸郭前面及び背面の広範囲で検出可能であり、心拍及び心音が検出可能な範囲であれば、電波送受信部12の設置位置及び送信波18の放射位置は問わない。電波送受信部12としては、例えば、レーダドップラセンサや定在波レーダ等を用いればよい。
【0043】
電波送受信部12は、受信した反射波20に応じた出力信号22を出力し、出力される出力信号22はコンピュータ14に入力される。
【0044】
コンピュータ14は、心拍検出装置10全体の制御を司るCPU、後述する生体信号判定処理ルーチンのプログラム等を記憶した記憶媒体としてのROM、ワークエリアとしてデータを一時格納するRAM、及びこれらを接続するバスを含んで構成されている。このような構成の場合には、各構成要素の機能を実現するためのプログラムをROMやHDD等の記憶媒体に記憶しておき、これをCPUが実行することによって、各機能が実現されるようにする。
【0045】
このコンピュータ14をハードウエアとソフトウエアとに基づいて定まる機能実現手段毎に分割した機能ブロックで説明すると、図2に示すように、電波送受信部12の出力信号22から、周波数に応じて、心拍周波数信号26及び心音周波数信号28の各々を分離して出力する出力信号分離部24と、心拍周波数信号26のピーク時刻を検出して、心拍信号ピーク時刻32を出力する心拍信号ピーク検出部30と、心音周波数信号28の包絡線のピーク時刻を検出して、心音信号ピーク時刻36を出力する心音信号ピーク検出部34と、心音周波数信号28のパワースペクトル密度40を算出して出力する心音信号パワースペクトル密度算出部38と、心音信号ピーク時刻36及びパワースペクトル密度40に基づいて、心音信号ピーク時刻36がI音のピークかII音のピークかを判定し、心音ピーク時刻及び心音I音/II音判定結果44を出力する心音ピークI音/II音判定部42と、心拍信号ピーク時刻32、並びに心音ピーク時刻及び心音I音/II音判定結果44に基づいて、心拍周波数信号26及び心音周波数信号28が同期しているか否かにより、心拍ピークの確からしさを判定して、心拍ピーク時刻48を出力する心拍ピーク確からしさ判定部46とを備えている。なお、心拍信号ピーク検出部30、心音信号ピーク検出部34、心音信号パワースペクトル密度算出部38、心音ピークI音/II音判定部42、及び心拍ピーク確からしさ判定部46が、弾性波検出手段の一例である。
【0046】
出力信号分離部24は、電波送受信部出力信号22のうち、0.8〜2Hzの周波数帯域の信号を心拍周波数信号26として分離して出力すると共に、10Hz以上の周波数帯域の信号を心音周波数信号28として分離して出力する。上記の周波数設定は一例であり、心拍と心音が分離可能であれば、他の周波数でも良い。
【0047】
心音信号ピーク検出部34では、心音周波数信号28の包絡線検波が行われ、該包絡線のピーク時刻が心音信号ピーク時刻36として出力される。
【0048】
心音ピークI音/II音判定部42は、I音の周波数がII音より低いことを利用して、心音信号ピーク時刻36における心音パワースペクトル密度40に基づいて、心音信号ピーク時刻36がI音のピークであるかII音のピークであるかを判定し、心音ピーク時刻及び心音I音/II音判定結果44を出力する。
【0049】
心拍ピーク確からしさ判定部46は、直近の心音ピーク時刻及び心音I音/II音判定結果44を保持する。図3に示すように、心拍ピーク時刻は心音I音ピーク時刻と心音II音ピーク時刻の間に入るため、心拍ピーク確からしさ判定部46は、心拍信号のピーク時刻が、心音I音ピーク時刻と心音II音ピーク時刻の間にあるとき、心拍周波数信号26及び心音周波数信号28が同期しており、心拍信号のピークとして確からしいと判定し、当該心拍信号のピーク時刻を心拍ピーク時刻48として出力する。
【0050】
次に、第1の実施の形態の心拍検出装置10の作用について説明する。まず、電波送受信部12により、人体16に対して、送信波18を連続して放射すると共に、人体16の表面で反射された反射波20を連続して受信し、受信した反射波20に応じた出力信号22を出力する。このとき、心拍検出装置10のコンピュータ14によって、図4に示す生体信号判定処理ルーチンが繰り返し実行される。
【0051】
ステップ100で、電波送受信部12による所定期間分の出力信号22を取得する。ステップ102において、上記ステップ100で取得した出力信号22から、心拍周波数信号26と心音周波数信号28とを分離する。
【0052】
次のステップ104では、上記ステップ102で分離された心拍周波数信号26から、心拍信号ピーク時刻32を検出し、ステップ106において、上記ステップ102で分離された心音周波数信号28から、心音信号ピーク時刻36を検出する。
【0053】
そして、ステップ108において、上記ステップ102で分離された心音周波数信号28から、心音パワースペクトル密度40を算出する。ステップ110では、上記ステップ106で検出された心音信号ピーク時刻36と、上記ステップ108で算出された心音パワースペクトル密度40とに基づいて、心音信号ピーク時刻36がI音のピークかII音のピークかを判定する。
【0054】
次のステップ112では、上記ステップ104で検出された心拍信号ピーク時刻32と、上記ステップ110による心音ピーク時刻及び心音I音/II音判定結果44とに基づいて、心拍信号のピーク時刻を判定し、心拍ピーク時刻48を出力して、生体信号判定処理ルーチンを終了する。
【0055】
以上説明したように、第1の実施の形態の心拍検出装置によれば、人体の表面において反射される電磁波に応じた出力信号から、心拍及び心音の各々に対する周波数帯域の信号を分離し、分離された心拍周波数信号及び心音周波数信号が同期しているか否かを用いて、心拍ピーク時刻を検出することにより、単一のセンサを用いて非接触で、心拍ピーク時刻を精度良く検出することができる。
【0056】
また、単一のセンサ(電波送受信部)で、弾性体(人体)を伝播する検出対象の弾性波(心拍)と同期した別の弾性波(心音)を検出し、両信号の相互相関処理を行うことにより、単一のセンサで精度の高い弾性波検出装置を実現することができる。
【0057】
また、弾性体(人体)表面におけるマイクロ波の反射を利用して弾性波を検出するため、弾性体に直接接触することなく弾性波を検出することが可能であり、弾性波との接触状態による雑音の混入も防ぐことができる。
【0058】
また、弾性体表面におけるマイクロ波の反射を利用して弾性波を検出するため、夾雑物が電波の伝播に影響を与えない限り、弾性体表面を伝播する弾性波を検出可能である。
【0059】
なお、上記の実施の形態では、心拍ピーク時刻を検出する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。本実施の形態では、心拍と同様に心音を検出することが可能であり、検出された心拍と心音とに基づいて、人体の内部状態(弾性体内部状態)を推定するようにしてもよい。心拍のみでは心電図上のRR間隔に相当するデータしか得られないが、心音には心臓の弁開閉や血流、心筋の状態に関連する情報が含まれている。このため、心音を検出することにより、心音から知ることができる情報を追加して得ることができる。例えば心臓の再分極過程と関連する心電図RT間隔に相当する心音I音−II音間隔を計測することができる。また、各音の状態から、完全房室ブロック、心室細動、心房細動、肥大型心筋症等、各種心疾患の診断を非接触で行うことができる。また、心拍と心音を同時に計測することにより、心音に含まれる種々の成分の認識が容易になり、診断の精度向上にも有用である。
【0060】
次に、第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成となる部分については、同一符号を付して説明を省略する。第2の実施の形態では、吸気−呼気移行時刻を検出する呼吸検出装置に、本発明を適用した場合を例に説明する。
【0061】
第2の実施の形態の呼吸検出装置は、電波送受信部12と、コンピュータ214とを備えている。
【0062】
上記図1では、電波送受信部12を、人体16の胸郭前方に設置して、胸郭前面に対して送信波18を放射しているが、呼吸動及び呼吸音は、胸郭前面及び背面の広範囲で検出可能であり、呼吸動及び呼吸音が検出可能な範囲であれば、電波送受信部12の設置位置及び送信波18の放射位置は問わない。
【0063】
コンピュータ214をハードウエアとソフトウエアとに基づいて定まる機能実現手段毎に分割した機能ブロックで説明すると、図5に示すように、電波送受信部12の出力信号22から、周波数により呼吸動周波数信号226及び呼吸音周波数信号228の各々を分離して出力する出力信号分離部224と、呼吸音周波数信号228に基づいて呼吸音パワースペクトル密度240を算出して出力する呼吸音信号パワースペクトル密度算出部238と、呼吸音パワースペクトル密度240に基づいて、吸気相であるか呼気相であるかを判定し、吸気−呼気移行時刻244を検出して出力する吸気−呼気移行判定部242と、呼吸動周波数信号226及び吸気−呼気移行時刻244に基づいて、呼吸動周波数信号226及び呼吸音周波数信号228が同期しているか否かを判定して、吸気−呼気移行時刻248を出力する吸気−呼気移行時刻判定部246とを備えている。なお、呼吸音信号パワースペクトル密度算出部238、吸気−呼気移行判定部242、及び吸気−呼気移行時刻判定部246が、弾性波検出手段の一例である。
【0064】
出力信号分離部224は、電波送受信部12の出力信号22から、0.6Hz以下の周波数帯域の信号を呼吸動周波数信号226として分離して出力すると共に、0.6Hzより大きい周波数帯域の信号を呼吸音周波数信号228として分離して出力する。上記の周波数設定は一例であり、呼吸動と呼吸音が分離可能であれば、他の周波数でも良い。
【0065】
呼吸音周波数信号228には肺胞呼吸音が含まれている。肺胞呼吸音は呼気相より周波数が高い。したがって、呼吸音パワースペクトル密度240が低周波にシフトする時刻が吸気−呼気移行時刻244である。吸気−呼気移行判定部242は、この手法で呼吸音パワースペクトル密度240から呼吸音周波数信号228に基づく吸気−呼気移行時刻244を出力する。また、呼吸音周波数信号228の振幅が小さすぎる、あるいは雑音が大きすぎるため、吸気−呼気移行時刻が導出できないときは、吸気−呼気移行判定部242は、呼吸音に基づく吸気−呼気移行時刻244として、導出不可能であることを示す符号を出力する。
【0066】
一方、呼吸動信号は、振幅が大きく、呼吸検出には適した信号であり、呼吸音信号と同期した信号であるが、図6に示すように、計測部位によって吸気相/呼気相と呼吸動信号の位相との対応関係が異なる。そのため、吸気−呼気移行時刻判定部246は、呼吸音に基づく吸気−呼気移行時刻244との時間差が所定時間となる範囲内に、呼吸動周波数信号226のピーク点、またはピーク点間の変曲点が存在する場合には、呼吸動周波数信号226及び呼吸音周波数信号228が同期していると判定し、呼吸音に基づく吸気−呼気移行時刻244に最も近い呼吸動周波数信号226のピーク点、またはピーク点間の変曲点を、吸気−呼気移行時刻248を出力する。また、このときの吸気相及び呼気相と呼吸動周波数信号226との対応関係を、吸気−呼気移行時刻判定部246に保存しておく。呼吸音に基づく吸気−呼気移行時刻244が導出不可能である符号であった時は、保存しておいた吸気相及び呼気相と呼吸動周波数信号226との対応関係に基づき、呼吸動周波数信号226の変化から吸気−呼気移行時刻248を推定し、出力する。
【0067】
次に、第2の実施の形態に係る生体信号判定処理ルーチンについて、図7を用いて説明する。なお、第1の実施の形態と同様の処理については、同一符号を付与する。
【0068】
まず、ステップ100で、電波送受信部12による所定期間分の出力信号22を取得する。ステップ252において、上記ステップ100で取得した出力信号22から、呼吸動周波数信号226と呼吸音周波数信号228とを分離する。
【0069】
次のステップ254では、上記ステップ252で分離された呼吸音周波数信号228から、呼吸音パワースペクトル密度240を算出する。ステップ256では、上記ステップ254で算出された呼吸音パワースペクトル密度240に基づいて、吸気相及び呼気相を判定して、呼吸音に基づく吸気−呼気移行時刻244を出力する。
【0070】
次のステップ258では、上記ステップ252で分離された呼吸動周波数信号226と、上記ステップ256で出力された吸気−呼気移行時刻244とに基づいて、呼吸動周波数信号226及び呼吸音周波数信号228が同期していると判定されるときに、吸気−呼気移行時刻248を出力して、生体信号判定処理ルーチンを終了する。
【0071】
このように、人体の表面において反射される電磁波に応じた出力信号から、呼吸動及び呼吸音の各々に対する周波数帯域の信号を分離し、分離された呼吸動周波数信号及び呼吸音周波数信号が同期しているときの対応関係を用いて、吸気−呼気移行時刻を検出することにより、単一のセンサを用いて非接触で、吸気−呼気移行時刻を精度良く検出することができる。
【0072】
なお、上記の実施の形態では、吸気−呼気移行時刻を検出する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。本実施の形態では、呼吸動と同時に呼吸音を計測することが可能であるため、呼吸音から知ることができる情報を追加して得ることができる。これにより、気管支喘息や肺炎、肺腺維症、気胸等の呼吸器系疾患の非接触診断も可能になる。
【0073】
さらに、上記の第1の実施の形態で説明した技術を組み合わせて、心拍及び心音を更に検出するようにしてもよい。右脚ブロックや肺動脈弁狭窄、肺動脈弁下狭窄等は、呼吸の呼気時の心音II音の分裂により特徴付けられるが、心音と呼吸動の同時計測により、呼吸と関連する心音の異常を検出しやすくすることができる。
【0074】
次に、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態では、解析対象として設定された種類の信号を抽出する非接触聴診器に、本発明を適用した場合を例に説明する。
【0075】
第3の実施の形態の非接触聴診器は、電波送受信部12と、コンピュータ314とを備えている。
【0076】
電波送受信部12は、上記図1に示すように、人体胸郭前面に設置して胸郭前面に対して送信波18を放射しているが、電波送受信部12の設置位置及び送信波18の放射位置は問わない。電波送受信部12は、レーダドップラセンサや定在波レーダ等が考えられる。電波送受信部12の出力信号22には、電波照射部位に応じて様々な生体音が含まれている。電波送受信部12の出力信号22は、コンピュータ314に入力される。
【0077】
コンピュータ314をハードウエアとソフトウエアとに基づいて定まる機能実現手段毎に分割した機能ブロックで説明すると、図8に示すように、非接触聴診器で解析したい信号の種類や特徴の設定入力を受け付けて、解析対象設定318を出力する解析対象設定入力部316と、解析対象設定318を受けて各部の処理に関する設定を出力する信号処理方法設定部320と、電波送受信部12の出力信号22から、周波数により、解析対象信号に対して基準となる基準信号326を分離して出力する基準信号周波数フィルタ324と、電波送受信部12の出力信号22から、周波数により、解析対象周波数信号330を分離して出力する解析対象信号周波数フィルタ328と、基準信号326の特徴点を検出して、基準信号特徴点時刻334を出力する基準信号特徴点検出部332と、基準信号特徴点時刻334及び解析対象周波数信号330に基づいて、基準信号326及び解析対象周波数信号330が同期しているか否かにより、解析対象信号338を抽出して出力する解析対象信号抽出部336とを備えている。なお、基準信号周波数フィルタ324及び解析対象信号周波数フィルタ328が、信号分離手段の一例であり、基準信号特徴点検出部332及び解析対象信号抽出部336が、弾性波検出手段の一例である。
【0078】
解析対象信号入力部316は、非接触聴診器で解析したい信号の種類や特徴に関する設定を受け付ける。設定方法については、例えば、解析対象信号の種類(対象が心音であれば、I音、II音、III音、IV音等、呼吸音であれば、肺胞呼吸音、気管支肺胞呼吸音、気管支呼吸音、気管呼吸音)を入力する方法や、診断したい疾患を入力する方法、解析対象信号の周波数を入力する方法などが考えられる。
【0079】
心拍と心音や、心音内の各波形(I音、II音、III音、IV音)のように、解析対象信号が基準信号と同期している場合、解析対象信号は、基準信号の特徴点(例えば信号の変曲点、ピーク、立ち上がり等)を起点として、一定の時間窓長さ内に観察されると思われる。そこで、信号処理方法設定部320は、解析対象信号入力部316から入力された解析対象設定318を受け、基準信号を分離するための周波数帯域を示す基準信号周波数342、解析対象信号を分離するための周波数帯域を示す解析対象信号周波数344、及び基準信号の特徴点の種類を示す基準信号特徴点種類346と共に、基準信号特徴点時刻から解析対象信号検出窓開始までの時間348、及び解析対象信号検出窓長さ350を出力する。
【0080】
基準信号周波数フィルタ324は、基準信号周波数342に基づき、電波送受信部12の出力信号22から基準信号326を分離して抽出する。解析対象信号周波数フィルタ328は、解析対象信号周波数344に基づき、電波送受信部12の出力信号22から解析対象周波数信号330を分離して抽出する。
【0081】
基準信号特徴点検出部332は、基準信号326から、基準信号特徴点種類346で指定された特徴点の種類(信号の変化における特徴点や信号の周波数分布の変化における特徴点)を検出して基準信号特徴点時刻334を出力する。解析対象信号抽出部336は、基準信号特徴点時刻334、基準信号特徴点時刻から解析対象信号検出窓開始までの時間348、及び解析対象信号検出窓長さ350に基づき、基準信号特徴点時刻334から時間348だけ経過した時点の解析対象信号検出窓の期間に、解析対象周波数信号330から解析対象信号338を抽出して出力する。解析対象信号338は、解析対象信号出力部340より出力される。なお、上記の解析対象信号検出窓の期間が、基準信号326と同期している解析対象周波数信号330が観察される期間である。
【0082】
解析対象信号出力部340は、例えば、解析対象信号338の波形を画面に表示したり、解析対象信号338のピーク等の時刻を光の明滅で報知したりする。
【0083】
次に、第3の実施の形態の非接触聴診器の作用について説明する。
【0084】
ユーザの操作により、コンピュータ314が、非接触聴診器で解析したい信号の種類や特徴の設定を受け付けると、受け付けた解析対象設定318に応じて、基準信号周波数342、解析対象信号周波数344、基準信号特徴点種類346、基準信号特徴点時刻から解析対象信号検出窓開始までの時間348、及び解析対象信号検出窓長さ350を設定する。
【0085】
そして、電波送受信部12により、人体16に対して、送信波18を連続して放射すると共に、人体16の表面で反射された反射波20を連続して受信し、受信した反射波20に応じた出力信号22を出力する。このとき、非接触聴診器のコンピュータ314によって、生体信号判定処理ルーチンが繰り返し実行される。以下、生体信号判定処理ルーチンについて説明する。
【0086】
まず、電波送受信部12による所定期間分の出力信号22を取得する。そして、上記で取得した出力信号22から、基準信号326を分離して抽出する。また、出力信号から、解析対象周波数信号330を分離して抽出する。
【0087】
次に、上記で抽出された基準信号326から、基準信号特徴点時刻334を検出する。そして、上記で分離された解析対象周波数信号330から、検出された基準信号特徴点時刻334と、設定された基準信号特徴点時刻から解析対象信号検出窓開始までの時間348及び解析対象信号検出窓長さ350とに基づいて、解析対象信号338を抽出して出力し、生体信号判定処理ルーチンを終了する。
【0088】
以上説明したように、第3の実施の形態に係る非接触聴診器によれば、人体の表面において反射される電磁波に応じた出力信号から、基準信号及び解析対象周波数信号を分離し、分離された基準信号と同期している解析対象周波数信号が観察される期間において、解析対象信号を抽出することにより、単一のセンサを用いて非接触で、解析対象信号を精度良く検出することができ、解析対象信号の解析を補助することができる。
【0089】
なお、上記の実施の形態では、電波送受信部の出力信号22から1つの解析対象周波数信号330を分離する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、複数種類の解析対象周波数信号を分離するようにしてもよい。例えば、図9に示すように、電波送受信部の出力信号22に基づいて、N個の解析対象信号3381〜338Nを出力するようにしてもよい。この場合には、基準信号周波数フィルタ3241〜324Nが、電波送受信部12の出力信号22から、周波数により、基準信号3261〜326Nを分離して出力する。解析対象信号周波数フィルタ3281〜328Nが、電波送受信部12の出力信号22から、周波数により、解析対象周波数信号3301〜330Nを分離して出力する。基準信号特徴点検出部3321〜332Nが、基準信号3261〜326Nの特徴点を検出して、基準信号特徴点時刻3341〜334Nを出力する。解析対象信号抽出部3361〜336Nが、基準信号特徴点時刻3341〜334N及び解析対象周波数信号3301〜330Nに基づいて、基準信号3261〜326N及び解析対象周波数信号3301〜330Nの各ペアが同期しているか否かにより、解析対象信号3381〜338Nを抽出して出力する。解析対象信号3381〜338Nは、解析対象信号出力部3401〜340Nより出力される。解析対象信号出力部3401〜340Nは、例えば、心拍タイミングを光の明滅で、心音を音声出力として出力する。これによって、医師のI音及びII音の弁別を補助することができる。
【0090】
また、上記図9は解析対象信号ごとに1つの基準信号を設定しているが,複数の解析対象信号で共通の基準信号を用いるようにしてもよい。
【0091】
次に、第4の実施の形態について説明する。第4の実施の形態では、生体振動及び生体音を含む複数種類の解析対象信号を抽出して、個人認証を行う個人認証装置に、本発明を適用した場合を例に説明する。なお、第1の実施の形態及び第3の実施の形態と同様の構成となる部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0092】
第4の実施の形態の個人認証装置は、電波送受信部12と、コンピュータ414とを備えている。
【0093】
電波送受信部12は、上記図1に示すように、人体胸郭前方に設置して胸郭前面に対して送信波18を放射しているが、電波送受信部12の設置位置及び送信波18の放射位置は問わない。電波送受信部12は、レーダドップラセンサや定在波レーダ等が考えられる。電波送受信部12の出力信号22は、コンピュータ414に入力される。
【0094】
コンピュータ414をハードウエアとソフトウエアとに基づいて定まる機能実現手段毎に分割した機能ブロックで説明すると、図10に示すように、基準信号周波数フィルタ324と、電波送受信部12の出力信号22から、周波数により、第1解析対象信号4301〜第N解析対象信号430Nの各々を分離して出力する第1解析対象信号周波数フィルタ4281〜第N解析対象信号周波数フィルタ428Nと、基準信号特徴点検出部332と、第1解析対象信号4301〜第N解析対象信号434Nの各々の特徴点を検出して、第1解析対象信号特徴点時刻4381〜第N解析対象信号特徴点時刻438Nを出力する第1解析対象信号特徴点検出部4361〜第N解析対象信号特徴点検出部436Nと、基準信号特徴点時刻334に対する解析対象信号特徴点時刻4381〜第N解析対象信号特徴点時刻438Nの各々の時間遅れである第1時間遅れ4421〜第N時間遅れ442Nを算出する第1時間遅れ算出部4401〜第N時間遅れ算出部440Nと、ユーザ毎に予め求めた第1時間遅れ4461〜第N時間遅れ446Nを記憶した時間遅れデータベース444と、算出された第1時間遅れ4421〜第N時間遅れ442Nを、時間遅れデータベース444に記憶された第1時間遅れ4461〜第N時間遅れ446Nと照合することにより、個人認証を行って、個人認証結果450を出力する個人認証部448と、を備えている。なお、基準信号周波数フィルタ324、第1解析対象信号周波数フィルタ4281〜第N解析対象信号周波数フィルタ428Nが、信号分離手段の一例である。第1解析対象信号特徴点検出部4361〜第N解析対象信号特徴点検出部436Nが、特徴点検出手段の一例であり、第1時間遅れ算出部4401〜第N時間遅れ算出部440Nが、ずれ算出手段の一例である。また、時間遅れデータベース444及び個人認証部448が、照合手段の一例である。
【0095】
例えば、解析対象の生体振動及び生体音が、心拍動及び心音である場合、基準信号周波数フィルタ324は、電波送受信部12の出力信号22から、心拍あるいは心音のI音に対して定められた周波数帯域の信号を、基準信号326として分離して抽出する。また、第1解析対象信号周波数フィルタ4281〜第N解析対象信号周波数フィルタ428Nは、電波送受信部12の出力信号22から、心音の各周波数成分に対する周波数帯域の信号を、第1解析対象信号4301〜第N解析対象信号430Nとして分離して抽出する。
【0096】
また、解析対象の生体振動及び生体音を、呼吸動及び呼吸音としてもよい。この場合には、基準信号326を、呼吸動の周波数帯域の信号とし、第1解析対象信号4301〜第N解析対象信号430Nを、呼吸音の各周波数成分の周波数帯域の信号とすればよい。また、基準信号326を、呼吸動の周波数帯域の信号とし、第1解析対象信号4301〜第N解析対象信号430Nを、心拍動の周波数帯域の信号や心音の各周波数成分の周波数帯域の信号としてもよい。
【0097】
基準信号特徴点検出部332は、基準信号特徴点時刻334として、例えば、基準信号のピーク時刻を検出する。
【0098】
第1解析対象信号特徴点検出部4361〜第N解析対象信号特徴点検出部436Nは、例えば、第1解析対象信号4301〜第N解析対象信号430Nの包絡線検波を行い、該包絡線のピーク時刻を、第1解析対象信号特徴点時刻4381〜第N解析対象信号特徴点時刻438Nとして検出する。
【0099】
ここで、心電図R波のピークと心音のI音の周波数分布及び出現タイミングとの関係を調べると、個人によって心音の現れるタイミング及び周波数分布が異なるため、電磁波の反射波から心拍が検出可能であれば、簡便な個人認証が実現できる。
【0100】
そこで、本実施の形態では、個人認証部448によって、時間遅れデータベース444に記憶されているユーザ毎の第1時間遅れ4461〜第N時間遅れ446Nと、実際算出された第1時間遅れ4421〜第N時間遅れ442Nとを照合して、照合された第1時間遅れ4461〜第N時間遅れ446Nに対応するユーザであることを認証する。個人認証部448による個人認証結果450は、個人識別結果出力部452から外部に出力される。
【0101】
次に、第4の実施の形態の個人認証装置の作用について説明する。まず、電波送受信部12により、人体16に対して、送信波18を連続して放射すると共に、人体16の表面で反射された反射波20を連続して受信し、受信した反射波20に応じた出力信号22を出力する。このとき、個人認証装置のコンピュータ414によって、図11に示す個人認証処理ルーチンが繰り返し実行される。なお、第1の実施の形態と同様の処理については、同一符号を用いて説明する。
【0102】
ステップ100で、電波送受信部12による所定期間分の出力信号22を取得する。ステップ470において、上記ステップ100で取得した出力信号22から、基準信号326、及び第1解析対象信号4301〜第N解析対象信号430Nの各々を分離する。
【0103】
次のステップ472では、上記ステップ470で分離された基準信号326から、基準信号特徴点時刻334を検出し、ステップ474において、上記ステップ470で分離された第1解析対象信号4301〜第N解析対象信号430Nから、第1解析対象信号特徴点時刻4381〜第N解析対象信号特徴点時刻438Nを検出する。
【0104】
そして、ステップ476において、上記ステップ472で検出された基準信号特徴点時刻334に対する、上記ステップ474で検出された第1解析対象信号特徴点時刻4381〜第N解析対象信号特徴点時刻438Nの各々の第1時間遅れ4421〜第N時間遅れ442Nを算出する。
【0105】
次のステップ478では、時間遅れデータベース444から、ユーザ毎に予め求めた第1時間遅れ4461〜第N時間遅れ446Nを取得し、ステップ480において、上記ステップ476で算出された第1時間遅れ4421〜第N時間遅れ442Nと、上記ステップ478で取得した第1時間遅れ4461〜第N時間遅れ446Nとをユーザ毎に照合する。そして、ステップ482において、上記ステップ480で照合された第1時間遅れ4461〜第N時間遅れ446Nに対するユーザであると認証した個人認証結果を出力して、個人認証処理ルーチンを終了する。
【0106】
以上説明したように、第4の実施の形態に係る個人認証装置によれば、人体の表面において反射される電磁波に応じた出力信号から、人体に伝播している複数種類の生体振動及び生体音に対する周波数帯域の信号を分離し、基準信号の特徴点の検出時刻に対する各信号の特徴点の検出時刻の時間遅れを、ユーザ毎に予め求められた各信号の特徴点の検出時刻の時間遅れと照合することにより、単一のセンサを用いて非接触で、精度良く個人認証を行なうことができる。
【0107】
次に、第5の実施の形態について説明する。第5の実施の形態では、音声帯域の信号を抽出して、音声出力する音声出力装置に、本発明を適用した場合を例に説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成となる部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0108】
第5の実施の形態の音声出力装置は、電波送受信部12と、コンピュータ514とを備えている。
【0109】
電波送受信部12は、上記図1に示すように、人体胸郭前方に設置され、胸郭前面に対して送信波18を放射しているが、電波送受信部12の設置位置及び送信波18の放射位置は問わない。電波送受信部12は、レーダドップラセンサや定在波レーダ等が考えられる。電波送受信部12の出力信号22は、コンピュータ514に入力される。
【0110】
コンピュータ514をハードウエアとソフトウエアとに基づいて定まる機能実現手段毎に分割した機能ブロックで説明すると、図12に示すように、電波送受信部12の出力信号22から、周波数に応じて、音声帯域信号522を分離する音声帯域通過フィルタ520を備えている。
【0111】
音声帯域通過フィルタ520から出力された、予め定められた音声帯域の信号である音声帯域信号522は、音声出力部524に入力され、音声出力部524により、外部へ音声帯域信号522が出力される。例えば、音声出力部524を自動音声認識装置などに接続することにより、精度の高い自動音声認識が実現できる。
【0112】
次に、第5の実施の形態の音声出力装置の作用について説明する。まず、電波送受信部12により、人体16に対して、送信波18を連続して放射すると共に、人体16の表面で反射された反射波20を連続して受信し、受信した反射波20に応じた出力信号22を出力する。
【0113】
このとき、コンピュータ514によって、出力信号22から、音声帯域信号522を分離して、音声出力部524へ出力し、音声出力部524によって、音声帯域信号522が外部へ出力される。
【0114】
以上説明したように、第5の実施の形態に係る音声出力装置によれば、人体の表面において反射される電磁波に応じた出力信号から、音声帯域の信号を分離し、音声出力部により出力することにより、単一のセンサを用いて非接触で、人が発する音声を出力することができる。
【0115】
人体を伝播する音や振動は心拍動や呼吸動に伴うものだけではなく、人の発話する音声も伝播すると考えられる。一方、人体外部の雑音は人体を伝播しにくいため、従来のマイクロフォンに比べて、発話に特化したマイクロフォンを実現することができる。
【0116】
次に、第6の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態及び第5の実施の形態と同様の構成となる部分については、同一符号を付して説明を省略する。
【0117】
第6の実施の形態では、呼吸動周波数信号を抽出して、呼気相であると判定されるときに、音声帯域信号を出力している点が、第5の実施の形態と異なっている。
【0118】
第6の実施の形態の音声出力装置は、電波送受信部12と、コンピュータ614とを備えている。
【0119】
コンピュータ614をハードウエアとソフトウエアとに基づいて定まる機能実現手段毎に分割した機能ブロックで説明すると、図13に示すように、音声帯域通過フィルタ520と、電波送受信部12の出力信号22から、呼吸動周波数信号622を分離する呼吸動帯域通過フィルタ620と、呼吸動周波数信号622に基づいて、呼気相であるか否かを判定し、呼気相判定結果626を出力する呼気相判定部624と、呼気相判定結果626に基づいて、呼気相であるときのみ、音声帯域信号522を出力する音声出力スイッチ部628と、を備えている。
【0120】
音声出力スイッチ部628から出力された音声帯域信号522は、音声出力部524に入力され、音声出力部524により、外部へ音声帯域信号522が出力される。
【0121】
次に、第6の実施の形態の個人認証装置の作用について説明する。まず、電波送受信部12により、人体16に対して、送信波18を連続して放射すると共に、人体16の表面で反射された反射波20を連続して受信し、受信した反射波20に応じた出力信号22を出力する。
【0122】
このとき、コンピュータ614によって、出力信号22から、音声帯域信号522を分離する。また、コンピュータ614によって、出力信号22から、呼吸動周波数信号622を分離し、呼吸動周波数信号622に基づいて、呼気相であるか否かを判定する。
【0123】
そして、コンピュータ614によって、呼気相であると判定されたときに、音声帯域信号522を、音声出力部524へ出力し、音声出力部524によって、音声帯域信号522が外部へ出力される。
【0124】
以上説明したように、第6の実施の形態に係る音声出力装置によれば、人体の表面において反射される電磁波に応じた出力信号から、音声帯域の信号を分離し、音声出力部により出力することにより、単一のセンサを用いて非接触で、人が発する音声を出力することができる。
【0125】
また、発話は、緩やかな呼気相であると考えられるため,呼吸動を同時に検出することにより、発話しているかどうかを判定することが可能となり、雑音を除去した音声を出力することができる。
【0126】
なお、上記の各実施の形態では、信号の出力方法として、音声として出力する方法、波形を画面に表示する方法、信号のピーク等の時刻を光の明滅で報知する方法などを例に説明したが、これに限定されるものではなく、出力する信号を、通信回路等を用いて遠隔地に伝送し、伝送した先において、出力するようにしてもよい。
【0127】
また、上記図4、7の生体信号判定処理ルーチンでは、逐次処理により各処理が実行される場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、心拍検出装置、呼吸検出装置、及び非接触聴診器の各部が、それぞれの処理を並列処理により実行するようにしてもよい。
【0128】
また、電波送受信部の出力信号から、周波数に応じて、解析対象の信号を分離する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、解析対象の信号に応じて定められた振幅範囲や位相範囲となる信号を、解析対象の信号として分離するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0129】
10 心拍検出装置
12 電波送受信部
14、214、314、414、514、614 コンピュータ
16 人体
24、224 出力信号分離部
30 心拍信号ピーク検出部
34 心音信号ピーク検出部
38 心音信号パワースペクトル密度算出部
42 心音ピークI音/II音判定部
46 心拍ピーク確からしさ判定部
238 呼吸音信号パワースペクトル密度算出部
242、246吸気−呼気移行判定部
324 基準信号周波数フィルタ
328 解析対象信号周波数フィルタ
332 基準信号特徴点検出部
336 解析対象信号抽出部
3241〜324N 基準信号周波数フィルタ
3281〜328N 解析対象信号周波数フィルタ
3321〜332N 基準信号特徴点検出部
3361〜336N 解析対象信号抽出部
4281〜428N 解析対象信号周波数フィルタ
4361〜436N 解析対象信号特徴点検出部
4401〜440N 時間遅れ算出部
444 時間遅れデータベース
448 個人認証部
520 音声帯域通過フィルタ
524 音声出力部
620 呼吸動帯域通過フィルタ
624 呼気相判定部
628 音声出力スイッチ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周波数帯域が異なる複数種類の弾性波が伝播している弾性体に対して、電磁波を放射し、前記弾性体の表面において反射される電磁波を受信して、受信した電磁波に応じた出力信号を出力する電磁波送受信手段と、
前記電磁波送受信手段により出力された前記出力信号から、前記複数種類の弾性波の各々に対して予め定められた周波数帯域、振幅範囲、又は位相範囲の信号を分離する信号分離手段と、
前記信号分離手段によって分離された前記複数種類の弾性波に関する情報を検出する弾性波検出手段と、
を含む弾性波検出装置。
【請求項2】
前記弾性体を生体とし、
前記弾性波を、生体振動又は生体音とした請求項1記載の弾性波検出装置。
【請求項3】
前記複数種類の弾性波は、心拍動及び心音を含む請求項2記載の弾性波検出装置。
【請求項4】
前記複数種類の弾性波は、呼吸動及び呼吸音を含む請求項2記載の弾性波検出装置。
【請求項5】
前記弾性波検出手段は、前記信号の変化又は周波数成分の分布の変化に基づいて、前記少なくとも1種類の前記弾性波に対する前記信号から、前記弾性波に関する情報を検出する請求項1〜請求項4の何れか1項記載の弾性波検出装置。
【請求項6】
周波数帯域が異なる複数種類の生体振動又は生体音が伝播している人体に対して、電磁波を放射し、前記弾性体の表面において反射される電磁波を受信して、受信した電磁波に応じた出力信号を出力する電磁波送受信手段と、
前記電磁波送受信手段により出力された前記出力信号から、前記複数種類の生体振動又は生体音の各々に対して予め定められた周波数帯域、振幅範囲、又は位相範囲の信号を分離する信号分離手段と、
前記信号分離手段によって分離された前記複数種類の弾性波の各々に対する前記信号について、前記信号の変化又は周波数成分の分布の変化の特徴点を検出する特徴点検出手段と、
前記特徴点検出手段によって検出された各信号の特徴点の検出時刻のずれを算出するずれ算出手段と、
前記ずれ算出手段によって算出された前記各信号の前記特徴点の検出時刻のずれと、前記人体について予め求められた前記各信号の前記特徴点の検出時刻のずれとを照合する照合手段と、
を含む個人認証装置。
【請求項7】
前記複数種類の生体振動又は生体音は、心拍動及び心音を含む請求項6記載の個人認証装置。
【請求項8】
前記複数種類の生体振動又は生体音は、呼吸動及び呼吸音を含む請求項6記載の個人認証装置。
【請求項9】
生体に対して、電磁波を放射し、前記弾性体の表面において反射される電磁波を受信して、受信した電磁波に応じた出力信号を出力する電磁波送受信手段と、
前記電磁波送受信手段により出力された前記出力信号から、予め定められた音声帯域の信号を分離する信号分離手段と、
前記信号分離手段によって分離された音声帯域の信号を、音声出力部により出力する出力手段と、
を含む音声出力装置。
【請求項10】
前記信号分離手段は、前記検出信号から、前記予め定められた音声帯域の信号、及び予め求められた呼吸動の周波数帯域の信号を分離し、
前記出力手段は、前記信号分離手段によって分離された前記呼吸動の周波数帯域の信号に基づいて、呼気相であるか否かを判定し、呼気相であると判定されたときに分離された前記音声帯域の信号を、前記音声出力部により出力する請求項9記載の音声出力装置。
【請求項11】
コンピュータを、
周波数帯域が異なる複数種類の弾性波が伝播している弾性体に対して、電磁波を放射し、前記弾性体の表面において反射される電磁波を受信して、受信した電磁波に応じた出力信号を出力する電磁波送受信手段により出力された前記出力信号から、前記複数種類の弾性波の各々に対して予め定められた周波数帯域、振幅範囲、又は位相範囲の信号を分離する信号分離手段、及び
前記信号分離手段によって分離された前記複数種類の弾性波に関する情報を検出する弾性波検出手段
として機能させるための弾性波検出プログラム。
【請求項12】
コンピュータを、
周波数帯域が異なる複数種類の生体振動又は生体音が伝播している人体に対して、電磁波を放射し、前記弾性体の表面において反射される電磁波を受信して、受信した電磁波に応じた出力信号を出力する電磁波送受信手段により出力された前記出力信号から、前記複数種類の生体振動又は生体音の各々に対して予め定められた周波数帯域、振幅範囲、又は位相範囲の信号を分離する信号分離手段、
前記信号分離手段によって分離された前記複数種類の弾性波の各々に対する前記信号について、前記信号の変化又は周波数成分の分布の変化の特徴点を検出する特徴点検出手段、
前記特徴点検出手段によって検出された各信号の特徴点の検出時刻のずれを算出するずれ算出手段、及び
前記ずれ算出手段によって算出された前記各信号の前記特徴点の検出時刻のずれと、前記人体について予め求められた前記各信号の前記特徴点の検出時刻のずれとを照合する照合手段
として機能させるための個人認証プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−239748(P2012−239748A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−114916(P2011−114916)
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】