説明

弾性表面波共振子、弾性表面波発振器、電子機器

【課題】周波数特性のばらつき、及び水晶基板との熱歪みや経年変化による周波数変動を抑制するとともに、電気機械結合係数を改善した弾性表面波共振子、弾性表面波発振器、電子機器を提供する。
【解決手段】オイラー角を(φ=0°、110°≦θ≦150°、88°≦ψ≦92°)とした水晶基板30と、前記水晶基板30上に配置された複数の電極指18を有し、励振波を弾性表面波としたIDT12と、を有した弾性表面波共振子であって、前記水晶基板30上には、前記弾性表面波の伝播方向にストライプ状に並んだ複数の溝32が配置され、前記電極指18が、前記溝32の間、または前記溝の内部に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性表面波共振子、及びこれを用いた弾性表面波発振器、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、移動体通信機器の帯域通過フィルタなどには、弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)フィルタが広く用いられている。このような従来の弾性表面波フィルタには、表面波共振子フィルタやトランスサーバルフィルタなどがある。
【0003】
例えば、従来の表面波共振子フィルタのうちの一つに、温度特性の良好なSTカット0°X軸伝播の水晶基板を用い、この水晶基板上にAlからなる電極材料によりIDT(インターディジタルトランスデューサ)や反射器などを形成し、IDTの励振により生成するレイリー波を用いるようにしたものがある。
【0004】
また、その他の表面波共振子フィルタとして、STカット90°X軸伝播の水晶基板を用い、この水晶基板にTa、W、Auなどからなる電極材料を用いてIDTや反射器などを形成し、IDTの励振により生成するSH波を用いるようにしたものがある。
【0005】
しかし、前者の、STカット0°X軸伝播の水晶基板上にAlからなる電極を形成した表面波共振子フィルタにおいては、レイリー波が用いられることから、
(1)反射係数が小さく、反射器を用いたデバイス、例えば、表面波共振子フィルタでは、反射器フィンガを多数必要とするため、小型化が妨げられる。
(2)電気機械結合係数が小さいため、ロスが大きい。
というような問題がある。
【0006】
一方、後者のSTカット90°X軸伝播の水晶基板上に、TaやW、Auのように質量負荷の高い金属により電極を形成した表面波共振子フィルタは、SH波を用いていることから、電気機械結合係数が大きく、かつ、反射係数も大きいことから、装置の小型化を図ることが可能になるという特徴を有している。
【0007】
しかしながら、TaやW、Auのように質量負荷の大きい金属によって電極を形成した場合、電極の幅や膜厚のばらつきに伴う中心周波数のばらつきが大きくなって不良率が高くなるという問題点がある。すなわち、電極を形成する材料の質量負荷が大きくなるほど、質量負荷の小さいAlに比べて膜厚に対する音速の変化が急になり、質量負荷の小さいAlを用いた場合と同じ程度の電極の幅や膜厚のばらつきでも、中心周波数のばらつきが大きくなるという問題点がある。
【0008】
このような問題点を解決するため、特許文献1においては、SH波発生用の水晶基板上にAlの金属膜で形成するIDTのフィンガの規格化膜厚(H/λ)を最適化して、これにより電気機械結合係数が大きくてロスが少なく、しかも電極の膜厚が周波数に与える影響が小さくすることが可能な弾性表面波フィルタになると述べている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002−330051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特許文献1においても、その膜厚が大きくなると膜厚にばらつきが生じて周波数特性にばらつきが生じ、これにより歩留が低下しコストがかかるといった問題があった。また水晶基板との間の熱歪みや経年変化による周波数変動が顕著になるといった問題があった。さらに電気機械結合係数の改善にも限界があった。
【0011】
そこで、本発明は上記問題点に着目し、周波数特性のばらつき、及び水晶基板との熱歪みや経年変化による周波数変動を抑制するとともに、電気機械結合係数を改善して信頼性の高い弾性表面波共振子、およびこれを用いた弾性表面波発振器、電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。
[適用例1]オイラー角を(φ=0°、110°≦θ≦150°、88°≦ψ≦92°)とした水晶基板と、前記水晶基板上に配置された複数の電極指を有し、励振波を弾性表面波としたIDTと、を有した弾性表面波共振子であって、前記水晶基板上には、前記弾性表面波の伝播方向にストライプ状に並んだ複数の溝が配置され、前記電極指が、前記溝の間、または前記溝の内部に配置されたことを特徴とする弾性表面波共振子。
【0013】
上記構成により、IDTを薄く形成するので水晶基板に対する熱歪みや周波数の経年変化を軽減するとともに、IDTの厚さのばらつきを抑制してコストを抑制することができる。さらにIDTの厚みに係らず水晶基板上に大きな段差を形成することができるので、電気機械結合係数を高くすることができ、低損失な弾性表面波共振子となる。
【0014】
[適用例2]前記弾性表面波の波長をλ、前記溝及び前記電極指により形成された段差をDとした場合、前記段差Dが、
0.04λ≦D≦0.14λ
を満たしたことを特徴とする適用例1に記載の弾性表面波共振子。
段差を上記範囲とすることにより、電気機械結合係数を特に高くすることができるので、低損失な弾性表面波共振子となる。
【0015】
[適用例3]前記電極指の膜厚をHとした場合、前記膜厚Hが、
0.01λ≦H≦0.06λ
を満たしたことを特徴とする適用例1または2に記載の弾性表面波共振子。
電極指の膜厚を上記範囲とすることにより、弾性表面波共振子の周波数の経時変動を抑制することができる。
【0016】
[適用例4]適用例1乃至3のいずれか1例に記載の弾性表面波共振子を搭載したことを特徴とする弾性表面波発振器。
上記構成により、低損失で低コストな弾性表面波発振器となる。
【0017】
[適用例5]適用例1乃至3のいずれか1例に記載の弾性波共振子を搭載したことを特徴とする電子機器。
上記構成により、低損失で低コストな電子機器となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1実施形態に係る弾性表面波(SAW)共振子を示し、図1(A)はSAW共振子の平面図、図1(B)はSAW共振子の部分拡大断面図、図1(C)は図1(B)の部分拡大図である。
【図2】本実施形態に係る弾性表面波(SAW)発振器を示し、図2(A)は平面図、図2(B)は図2(A)のA−A線断面図である。
【図3】エージング試験による周波数の経時変動を示す図である。
【図4】SAW共振子に形成された段差を変化させた場合の電気機械結合係数の変化を示す図である。
【図5】第2実施形態の弾性表面波(SAW)共振子を示し、図5(A)は平面図、図5(B)は図5(A)の部分拡大断面図、図5(C)は図5(B)の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1に第1実施形態に係る弾性表面波(SAW)共振子を示す。ここで図1(A)はSAW共振子の平面図であり、図1(B)はSAW共振子の部分拡大断面図、図1(C)は図1(B)の部分拡大図である。
【0020】
第1実施形態のSAW共振子10は、水晶基板30、IDT12、反射器20等を基本として構成される。本実施形態において、水晶基板30は、オイラー角(φ=0°、110°≦θ≦150°、88°≦ψ≦92°)、STカット90°X軸伝播のものを用いている。そして本実施形態は、この水晶基板30上に弾性表面波であるSH波を励振波として励振するIDT12が配設され、その両端にSH波を反射する2つの反射器20が配設されている。なお、本実施形態の水晶基板30のオイラー角において、φは、−1°≦φ≦1°の範囲の許容誤差を含む。
【0021】
IDT12は、複数の電極指18の基端部をバスバー16で接続した櫛歯状電極14a、14bを一対有し、一方の櫛歯状電極14a(または14b)を構成する電極指18と他方の櫛歯状電極14b(または14a)を構成する電極指18とを所定の間隔を空けて交互に配置している。ここで電極指18は、その長手方向をX軸に対して垂直に向け、X軸方向にストライプ状に並んで配置される。そしてIDT12は、印加される交流電圧によりX軸から90°面内回転した方向にSH波を励振する。
【0022】
反射器20は、IDT12が励起するSH波の伝播方向から挟み込むように一対設けられている。具体的構成としては、IDT12を構成する電極指18と平行に設けられる複数の導体ストリップ22の両端をそれぞれ接続したものである。
【0023】
なお、水晶基板のSAW伝搬方向の端面からの反射波を積極的に利用する端面反射型SAW共振子や、IDTの電極指対数を多くすることで、IDT自体でSAWの定在波を励起する多対IDT型SAW共振子においては、反射器は必ずしも必要ではない。
【0024】
このようにして構成されるIDT12や反射器20を構成する電極膜の材料としては、アルミニウム(Al)やAlを主体とした合金を用いることができる。なお、電極膜材料として合金を用いる場合、主成分となるAl以外の金属は重量比で10%以下にすればよい。
【0025】
上記のような基本構成を有するSAW共振子10における水晶基板30は、IDT12の電極指18間や反射器20の導体ストリップ22間に溝32(電極指間溝)を設けている。
ここで、水晶基板30に設ける溝32の深さ(G)と、電極膜18の膜厚(H)との和により基板に形成される段差(D=G+H)が定義されるが、その大きさはSAW共振子10に発生させるSH波の波長λを基準とした後述の数式1の範囲となる。なお、電極指18の幅Lと溝32の幅Sの割合となるライン占有率η(η=S/(L+S))は、周波数特性等を考慮して適宜設計される。
【0026】
図2に本実施形態に係る弾性表面波(SAW)発振器を示す。図2(A)は平面図、図2(B)は図2(A)のA−A線断面図である。本実施形態に係るSAW発振器100は図2に示すように、上述したSAW共振子10と、このSAW共振子10のIDT12に電圧を印加して駆動制御するIC(Integrated Circuit)50と、これらを収容するパッケージ56とから成る。なお、図2において、図2(A)はリッドを除いた平面図であり、図2(B)は、図2(A)におけるA−A断面を示す図である。
【0027】
実施形態に係るSAW発振器100では、SAW共振子10とIC50とを同一のパッケージ56に収容し、パッケージ56の底板56aに形成された電極パターン54a〜54gとSAW共振子10の櫛歯状電極14a,14b、およびIC50のパッド52a〜52fとを金属ワイヤ60により接続している。そして、SAW共振子10とIC50とを収容したパッケージ56のキャビティは、リッド58により気密に封止している。このような構成とすることで、IDT12(図1参照)とIC50、及びパッケージ56の底面に形成された図示しない外部実装電極とを電気的に接続することができる。
【0028】
また本実施形態のSAW共振子10は、携帯電話、ハードディスク、サーバ、コンピューター、有線・無線基地局、車載通信機器等の電子機器に搭載可能である。
本願発明者は、SAW共振子に形成される段差の大きさを変化させたときの、電気機械結合係数、周波数の経時変動について調査した。本調査においては、水晶基板として、オイラー角が(φ=0°、θ=123°、ψ=90°)で、STカット90°X軸伝播の水晶基板を用いた。そして調査に用いたSAW共振子は、水晶基板に溝を形成せずにIDTを形成したSAW共振子であって、その膜厚を変化させることにより段差の大きさを変化させたもの(タイプ1)、IDTの膜厚(H)を0.01λに固定するとともに水晶基板に溝を形成したSAW共振子であって、その深さを変化させることにより段差の大きさを変化させたもの(タイプ2)、IDTの膜厚(H)を0.02λに固定するとともに水晶基板に溝を形成したSAW共振子であって、その深さを変化させることにより段差の大きさを変化させたもの(タイプ3)を用いて調査した。なおいずれのタイプにおいてもIDTの電極指と溝の幅が互いに一致するように設計した(ライン占有率:η=0.5)。またタイプ2、タイプ3ではIDTの膜厚(H)と、溝の深さ(G)の和が段差(D=H+G)となる。
【0029】
図3にエージング試験による周波数の経時変動を示す。エージング試験は、タイプ1のSAW共振子を125℃の雰囲気中に3000時間放置した場合の、周波数変動量を測定した。すると、タイプ1においてIDTの膜厚(H)を増加させると周波数の経時変動が大きくなることがわかった。とくに膜厚を0.06λ以上にすると周波数の経時変動が急激に大きくなることがわかる。
【0030】
図4にSAW共振子に形成された段差を変化させた場合の電気機械結合係数の変化を示す。タイプ1においては水晶基板上に形成されたIDTの膜厚(H)を増加させると電気機械結合係数の値が上昇し、段差がほぼ0.1λとなるところで最大となることがわかる。図3、図4からわかるように、タイプ1においては、膜厚を調整することによる電気機械結合係数の最適化と、膜厚を調整することによる周波数の経時変動を最小にするための最適化と、を同時に行うことはできないことがわかる。
【0031】
一方、図4に示すようにタイプ2、タイプ3のSAW共振子においては、電気機械結合係数は段差(G)を増加させるとともに単調増加するがタイプ1とほぼ同様の値を示している。
そして、段差(D)が0.04λのとき、タイプ1はIDTの膜厚(H)が0.04λとなるが、このときの電気機械結合係数は0.191%となる。一方、タイプ2はIDTの膜厚(H)が0.01λ(固定)、溝の深さ(G)が0.03λであるが、電気機械結合係数は0.195%となる。そしてタイプ3は、IDTの膜厚(H)が0.02λ(固定)、溝の深さ(G)が0.02λであるが、電気機械結合係数は0.192%となる。よって段差(D)が0.04λとなったところで、電気機械結合係数においてタイプ2、タイプ3は、タイプ1より大きくなり、段差をさらに大きくするとその差が広がっていくことが分かる。
【0032】
本調査において段差(D)は、0.14λまで測定しているが、タイプ2、タイプ3においては電気機械結合係数の減少は見られなかった。そしてタイプ2、タイプ3は、それぞれIDTの膜厚(H)が0.01λ、0.02λであり、図3でみると周波数の経時変化が見られない領域に相当する。よって、タイプ2、タイプ3は、周波数の経時変動を抑制しつつ電気機械結合係数を改善可能であることがわかる。したがって本実施形態においては段差(D)が、
【数1】

を満たすように設計すればよいことがわかる。
【0033】
また図3の結果はそのままタイプ2、タイプ3のように溝を形成した場合にも当てはまるので、水晶基板に溝を形成した場合であってもIDTの膜厚(H)を0.04λ以下にする限り、周波数の経時変動が抑制され、溝の深さを調整することにより電気機械結合係数を改善できる。ところで図3に示す周波数変動量は、実用上10ppm程度までは好適とされる。したがって、上記調査からIDTの膜厚(H)が、
【数2】

を満たすように設計することにより、周波数の経過変動を抑制しつつ、電気機械結合係数の改善を図ることができる。
【0034】
さらに、図4に示すように、IDTの膜厚が0.01λのタイプ2と、IDTの膜厚が0.02λのタイプ3とを比較すると、電気機械結合係数はタイプ2の方が高いことがわかる。よってIDTの膜厚を薄く形成するほど電気機械結合係数が高くなることがわかる。
【0035】
図5に第2実施形態の弾性表面波(SAW)共振子を示す。図5(A)は平面図、図5(B)は図5(A)の部分拡大断面図である。第2実施形態の弾性表面波(SAW)共振子70は、第1実施形態と同様の水晶基板30を用い、IDT(電極指78、バスバー76、櫛歯状電極74a,74b)、反射器80(導体ストリップ82)を形成することになるが、SH波が伝播する方向にストライプ状に形成された溝84の内部底面に電極指が形成された点で相違する。同様にバスバー76、反射器80(導体ストリップ82)が形成される位置にも溝(不図示)が形成され、バスバー76、反射器80(導体ストリップ82)が溝(不図示)の内部(内部底面)に形成されている。なおIDT72及び反射器80の形状及び向きは、それぞれ第1実施形態のIDT12、反射器20と同様である。よって第2実施形態のSAW共振子70の弾性表面波の励振位置は溝84の内側底面となる。この場合、溝84の深さ(G)と電極指78の膜厚(H)との差分により段差(D=G−H)が形成される。さらに溝84(電極指78)の幅をS、溝84間距離をLとした場合のライン占有率η(η=S/(L+S))は、SAW共振子70の周波数特性等を考慮して適宜設計される。なお、本実施形態も上述のSAW共振器100に適用できる。
【0036】
一方、弾性表面波は水晶基板の表面を伝播するものであるが、IDTや反射器を除いた水晶基板30の表面形状については第1実施形態と第2実施形態との間に相違はなく、IDT12、72の形成位置が異なるだけであるので、弾性表面波の伝播経路に相違は生じない。したがって第1実施形態および第2実施形態のIDT12、72にそれぞれ同一の交流電圧を印加した場合、各SAW共振子で発生する弾性表面波は互いにλ/4の位相差が生じるものの、その特性はほぼ同様である。上述の調査においては、第1実施形態、すなわち電極指18の間に溝32が形成された場合について調査している。しかし上述のように第2実施形態、すなわち溝84の内部底面に電極指78が形成された場合の特性は、第1実施形態とほぼ同様である。よって、上述の調査の結果はそのまま第2実施形態にも適用できる。したがって第2実施形態においても、段差の大きさ(溝84の深さG、電極指78の膜厚H)等を調整することにより、周波数の経時変動を抑制するとともに電気機械結合係数を改善できる。
【0037】
したがって、いずれの実施形態においても、IDT12、72を薄く形成するので水晶基板30に対する熱歪みや周波数の経年変化を軽減するとともに、IDT12、72の厚さのばらつきを抑制してコストを抑制することができる。さらにIDT12、72の厚みに係らず水晶基板上に大きな段差を形成することができるので、電気機械結合係数を高くすることができ、低損失なSAW共振子10、70となる。またこのSAW共振子10、70を搭載したSAW発振器100、電子機器は低損失で低コストなものとなる。
【符号の説明】
【0038】
10………SAW共振子、12………IDT、14a………櫛歯状電極、14b………櫛歯状電極、16………バスバー、18………電極指、20………反射器、22………導体ストリップ、30………水晶基板、32………溝、50………IC、52a〜52f………パッド、56………パッケージ、54a〜54g………電極パターン、56a………底板、58………リッド、60………金属ワイヤ70………SAW共振子、72………IDT、74a………櫛歯状電極、74b………櫛歯状電極、76………バスバー、78………電極指、80………反射器、82………導体ストリップ、84………溝。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オイラー角を(φ=0°、110°≦θ≦150°、88°≦ψ≦92°)とした水晶基板と、
前記水晶基板上に配置された複数の電極指を有し、励振波を弾性表面波としたIDTと、
を有した弾性表面波共振子であって、
前記水晶基板上には、前記弾性表面波の伝播方向にストライプ状に並んだ複数の溝が配置され、
前記電極指が、
前記溝の間、または前記溝の内部に配置されたことを特徴とする弾性表面波共振子。
【請求項2】
前記弾性表面波の波長をλ、前記溝及び前記電極指により形成された段差をDとした場合、前記段差Dが、
0.04λ≦D≦0.14λ
を満たしたことを特徴とする請求項1に記載の弾性表面波共振子。
【請求項3】
前記電極指の膜厚をHとした場合、前記膜厚Hが、
0.01λ≦H≦0.06λ
を満たしたことを特徴とする請求項1または2に記載の弾性表面波共振子。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の弾性表面波共振子を搭載したことを特徴とする弾性表面波発振器。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の弾性波共振子を搭載したことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−49818(P2012−49818A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−189864(P2010−189864)
【出願日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】