説明

弾性表面波素子、弾性表面波素子用ウェハ、弾性表面波デバイス、および弾性表面波デバイスの製造方法

【課題】周波数が精緻に調整されて、且つ、製造歩留りを向上させることが可能な弾性表面波素子、弾性表面波素子用ウェハ、その弾性表面波素子を用いた弾性表面波デバイス、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】SAWウェハ1A上に設けられた複数のSAW共振子1のIDT電極10のうち、複数の一次側電極指11からなる交差指電極は、接続配線15aを介して一方の反射器13Bに接続され、その反射器13Bから引き出された接続配線15が、SAW共振子1の短辺側の二辺のうちの一辺側に隣接するSAW共振子1の反射器13Aに接続されている。また、IDT電極10のうち、複数の二次側電極指12からなる交差指電極は、接続配線15bを介して他方の反射器13Aに接続され、その反射器13Aから引き出された接続配線15が、SAW共振子1の短辺側の二辺のうちの他方の辺側に隣接するSAW共振子1の反射器13Bに接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性表面波素子、弾性表面波素子用ウェハ、弾性表面波デバイス、および弾性表面波デバイスの製造方法に関し、特に、弾性表面波デバイスの製造歩留りを向上させることが可能な弾性表面波素子、およびその弾性表面波素子用ウェハ、あるいはその弾性表面波素子を用いた弾性表面波デバイスの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、高周波デバイスの分野では、圧電基板の表面に形成したIDT(Interdigital Transducer)電極により圧電体表面に弾性表面波を励振させたり、弾性表面波を検出したりするように構成された弾性表面波素子が様々な電子機器に用いられている。弾性表面波素子として、水晶やニオブ酸リチウムあるいはタンタル酸リチウムなどの圧電材料からなる圧電基板上に、IDT電極と、このIDT電極の両側に配置された一対の反射器とが設けられた弾性表面波素子(弾性表面波共振子)が、例えば特許文献1に示されている。特許文献1に記載の弾性表面波素子において、IDT電極は、アルミニウムなどからなる一方のバスバーに連結された複数の電極指と、他方のバスバーに連結された複数の電極指とが向かい合って互いに接触しないように交互に配置された構成となっている。この一方のバスバーと他方のバスバーを介してそれぞれの電極指間に交流電圧を印加することによりIDT電極が励振され、IDT電極から発振して圧電基板に伝搬される弾性表面波を反射器で反射させてIDT電極内に弾性表面波エネルギーを閉じ込めることにより、エネルギー損失が少なくQ値の高い共振特性を得られるようになっている。
【0003】
弾性表面波素子の周波数特性は、IDT電極の電極指間の間隔などによって決定されるが、弾性表面波素子を製造する際の工程ばらつきなどにより、周波数特性が目標とする周波数規格値から外れてしまう場合があり、この場合、周波数の微調整が行われる。従来、周波数の微調整の手段としてはIDT電極の質量を変えることによって行われる。例えば、燐酸溶液などによってIDT電極をエッチングして電極膜厚を減少させて質量負荷を変化させることにより共振周波数を上昇させる方法などが採られている。
また、この方法とは逆に、IDT電極に質量を負荷して共振周波数を下降させて所望の周波数特性に微調整する方法もある。例えば、特許文献2に、アルミニウムにより形成されたIDT電極の表面を陽極酸化することにより陽極酸化膜を形成し、この陽極酸化膜の厚み(質量)を制御することによって周波数の微調整を行う方法が示されている。すなわち、ほう酸アンモニウムなどの溶液(陽極酸化液)に、弾性表面波素子と、陰極板としての例えば白金板とを浸し、弾性表面波素子のIDT電極を陽極側として電源により電圧を印加すると、IDT電極の表面が酸化されて陽極酸化膜(アルマイト膜)が形成される。この陽極酸化膜の膜厚は印加電圧に比例するので比較的制御がし易く、上記のIDT電極をエッチングする方法に比して周波数の調整を安定して行うことができる。
【0004】
このような弾性表面波素子を搭載した弾性表面波デバイスとして、セラミックなどからなるパッケージ内に弾性表面波素子を接合し、そのパッケージ上に金属などからなるリッド(蓋体)を接合して弾性表面波素子を気密に封止した弾性表面波デバイス(電子デバイス)が、例えば特許文献3に紹介されている。
特許文献3に記載の弾性表面波デバイスの製造方法においては、パッケージの凹部の凹底部分に弾性表面波素子を位置決めして接合する際に、弾性表面波素子の両側縁部を保持してパッケージに押圧する治具として二面角錐型のコレットを用いることにより、弾性表面波素子上に形成されたIDT電極などの電極を傷付けないようにしている。
【0005】
【特許文献1】特開昭63−10909号公報
【特許文献2】特開平10−107569号公報
【特許文献3】特開2001−257221号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記特許文献3に記載の弾性表面波デバイスの製造方法において、弾性表面波素子の両側縁部を保持するコレットは、なるべく保持面積を大きくして安定して保持できるように、通常、平面視で矩形状の弾性表面波素子の長辺側の両側縁部を保持するようになっている。この弾性表面波素子の長辺側のコレットによる保持位置に、IDT電極を陽極酸化する際の通電用の接続配線が形成されている場合には、接続配線にコレットが接触することによる不具合が生じる虞がある。すなわち、コレットと接続配線との接触により接続配線が削れたり、削れ屑が脱落したりすることにより、IDT電極などの電極や圧電基板にキズが発生したり、電気的な短絡を生じたり、あるいはパッケージ内に金属屑が落下することによる短絡や弾性表面波素子の傾きなどの搭載不良が発生する虞があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0008】
〔適用例1〕本適用例にかかる弾性表面波素子は、平面視で矩形状の圧電基板上に弾性表面波を励振するIDT電極を少なくとも有し、前記IDT電極の表面に該IDT電極を陽極酸化することにより形成された陽極酸化膜を有する弾性表面波素子であって、前記IDT電極から引き出された該IDT電極を陽極酸化する際の通電用の接続配線が、前記弾性表面波素子の長辺側の端面にかからないように前記弾性表面波素子の短辺方向に形成されていることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、弾性表面波素子をパッケージなどの基板に接合する際に、弾性表面波素子を保持して基板に押圧する治具としてのコレットを用いた場合に起こり得る不具合を回避することができる。すなわち、陽極酸化用の接続配線が、コレットの当接部分となる弾性表面波素子の長辺側の両側縁部近傍を避けて形成されているので、コレットとの接触により接続配線が削れて脱落したりすることによるIDT電極などの電極や圧電基板のキズの発生、あるいは電気的な短絡などを防止することができる。
【0010】
〔適用例2〕本適用例にかかる弾性表面波素子用ウェハは、平面視で矩形状の圧電基板上に弾性表面波を励振するIDT電極を少なくとも有し、前記IDT電極の表面に該IDT電極を陽極酸化することにより形成された陽極酸化膜を有する弾性表面波素子が複数形成された弾性表面波素子用ウェハであって、前記IDT電極と接続された該IDT電極を陽極酸化する際の通電用の通電端子が設けられ、前記IDT電極と前記通電端子とを接続する接続配線が、前記弾性表面波素子の長辺側の端面となる部分にかからないように前記弾性表面波素子の短辺方向に引き回されて形成されていることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、弾性表面波素子を基板に接合する際の接続配線とコレットとの接触による不具合を防止しながら、陽極酸化膜により周波数が精緻に調整された弾性表面波素子を効率よく製造することが可能な弾性表面波素子用ウェハを提供できる。
【0012】
〔適用例3〕本適用例にかかる弾性表面波デバイスは、パッケージ内に弾性表面波素子が接合されて気密に封止された弾性表面波デバイスであって、前記弾性表面波素子が、平面視で矩形状の圧電基板上に弾性表面波を励振するIDT電極を少なくとも有し、前記IDT電極の表面に該IDT電極を陽極酸化することにより形成された陽極酸化膜を有し、前記IDT電極から引き出された該IDT電極を陽極酸化する際の通電用の接続配線が、前記弾性表面波素子の長辺側の端面にかからないように前記弾性表面波素子の短辺方向に形成されていることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、コレットと接続配線との接触が回避できるので、接続配線が削れたり、脱落したりすることにより、接続配線の金属屑によるIDT電極などの電極や圧電基板のキズの発生や電極の短絡、あるいはパッケージ内に金属屑が落下することによる短絡や弾性表面波素子の傾きなどの搭載不良が防止され、高信頼性を有する弾性表面波デバイスを提供することができる。
【0014】
〔適用例4〕本適用例にかかる弾性表面波デバイスの製造方法は、平面視で矩形状の圧電基板上に弾性表面波を励振するIDT電極を少なくとも有し、前記IDT電極の表面に該IDT電極を陽極酸化することにより形成された陽極酸化膜を有し、前記IDT電極から引き出された該IDT電極を陽極酸化する際の通電用の接続配線が、弾性表面波素子の長辺側の端面にかからないように前記弾性表面波素子の短辺方向に形成された前記弾性表面波素子が、パッケージ内に接合されて気密に封止された弾性表面波デバイスの製造方法であって、前記圧電基板上にフォトリソグラフィ法を用いて前記IDT電極を形成するIDT電極形成工程と、周波数調整する前の前記弾性表面波素子の周波数を測定する初期周波数測定工程と、前記初期周波数測定工程で測定された初期周波数測定値と、目標とする周波数規格値との差を補正し得る膜厚の陽極酸化膜を形成することにより、前記弾性表面波素子毎の周波数を調整する周波数調整工程と、前記周波数調整工程の後で、前記弾性表面波素子毎の周波数を測定する調整後周波数測定工程と、弾性表面波素子用ウェハから個片の前記弾性表面波素子を切り出す個片化工程と、前記弾性表面波素子を保持して前記パッケージの接合位置に押圧するコレットを用いて、前記弾性表面波素子を接着剤を介して前記パッケージ内に位置決めして接合するダイアタッチ工程と、を含むことを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、ダイアタッチ工程において、コレットと接続配線が接触することがないので、接続配線が削れたり削れ屑が脱落したりすることによる不具合、例えば、金属屑によるIDT電極などの電極や圧電基板のキズの発生や短絡、あるいはパッケージ内に金属屑が落下することによる短絡や弾性表面波素子の傾きなどの搭載不良などを防止することができる。したがって、高歩留りにて信頼性の高い弾性表面波デバイスを製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、弾性表面波デバイスとしてのSAW(Surface Acoustic Wave)デバイス、および、それに用いる弾性表面波素子としてのSAW共振子、あるいは複数のSAW共振子が形成された弾性表面波素子用ウェハとしてのSAWウェハについて図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態のSAWデバイスを模式的に説明するものであり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線断面図である。なお、図1(a)において、SAWデバイスの上部に接合される蓋体としてのリッドは、SAWデバイスの内部の構造を説明する便宜上図示を省略する。
また、図2および図3は、本実施形態のSAWデバイスに搭載される弾性表面波素子としてのSAW共振子を模式的に説明するものであり、図2(a)は平面図、同図(b)は、図2(a)のB−B線断面図、また、図3は、図2(b)のD部を拡大して説明する部分拡大断面図である。
【0017】
本実施形態のSAWデバイス100は、図1に示すように、パッケージ110の凹部の凹底部分にSAW共振子1が接合され、パッケージ110上にリッド120が接合されることにより、SAW共振子1がパッケージ110内に気密に封止されている。
【0018】
〔SAW共振子〕
まず、SAWデバイス100に備わるSAW共振子1について詳細に説明する。
図2(a)に示すように、SAW共振子1は、水晶などの圧電材料からなる矩形状の圧電基板5上に、励振電極としてのIDT電極10と、反射器13A,13Bと、が設けられている。SAW共振子1の略中央に設けられたIDT電極10は、二つの櫛型の交差指電極を有し、一方の交差指電極のバスバーに連結された複数の一次側電極指11と、他方の交差指電極のバスバーに連結された複数の二次側電極指12とが、向かい合って互いに接触しないように配置されて形成されている。また、複数の一次側電極指11を連結するバスバーの一部が、後述するパッケージ110とのボンディングワイヤによる接続に供するボンディング端子11aとなっている。同様に、複数の二次側電極指12を連結するバスバーの一部が、パッケージ110とのボンディングワイヤによる接続に供するボンディング端子12aとなっている。
IDT電極10は、本実施形態ではアルミニウム(Al)で形成され、IDT電極10の二つの交差指電極の一次側電極指11と二次側電極指12とのそれぞれに逆相の電圧が印加されることで弾性表面波を励振できるように構成されている。
【0019】
反射器13A,13Bは、IDT電極10を挟んだ両側に配置されて設けられている。そして、IDT電極10から伝搬された弾性表面波を反射器13A,13Bで反射させて、圧電基板5の中央部にエネルギーを封じ込める役目を果たしている。なお、本実施形態では反射器13A,13BもIDT電極10と同様にアルミニウムで形成されている。
【0020】
図2(b)に示すように、IDT電極10における一次側電極指11と二次側電極指12との間の距離は等間隔ピッチPに設定され、励振される弾性表面波の波長λはλ=2Pの関係になる。また、IDT電極10(一次側電極指11,二次側電極指12)は厚みHにて形成されている。また、圧電基板5の厚みTは弾性表面波の4波長(4λ)以上の厚みに設定されている。
【0021】
図3に示すように、IDT電極10を構成する一次側電極指11および二次側電極指12の表面には、IDT電極10の形成用材料であるアルミニウムを陽極酸化させることにより形成された陽極酸化膜30が形成されている。陽極酸化膜30は、後述するように、IDT電極10によるSAW共振子1の周波数を所望の値に調整する周波数調整工程で形成された酸化膜である。
【0022】
SAW共振子1には、陽極酸化膜30を形成して周波数調整する際の通電用の配線である接続配線15,15a,15b(図2(a)を参照)が形成されている。これらの接続配線15,15a,15bは、後述するSAW共振子1を製造する製造工程において、陽極酸化膜形成時の通電用の接続配線として用いられ、SAW共振子1の動作に寄与するものではない。また、これらの接続配線15,15a,15bは、平面視で矩形状のSAW共振子の短辺側に配置され、少なくとも長辺側の端面近傍にかからないように配置されている。
【0023】
〔SAWデバイス〕
次に、SAWデバイス100の構成について詳細に説明する。
図1において、パッケージ110は、セラミックス絶縁材料などからなる略矩形の平板状の第1層基板111、略矩形フレーム状の第2層基板112、第3層基板113およびシールリング119が、この順に積層されて形成されている。このとき、略矩形フレーム状の第2層基板112と第3層基板113の開口部は、下方の第2層基板112の方が小さく形成されているので、パッケージ110には段差を有する凹部が形成される。また、パッケージ110の外底部分となる第1層基板111の底面には、一対の実装端子115が設けられている。また、パッケージ110の凹部の第2層基板112が形成する段差の棚部には、SAW共振子1との接続に供する複数の接続端子116が設けられている。接続端子116は、第2層基板112および第1層基板111に形成された図示しない配線パターンまたはスルーホールなどの層内配線パターンにより、対応する実装端子115、またはパッケージ110に設けられた図示しないグランド端子などに接続されている。これらの接続端子116、実装端子115やグランド端子、およびそれらを接続する層内配線パターンを含む配線パターンは、一般に、タングステン(W)、モリブデン(Mo)などの金属配線材料をセラミックス絶縁材料上にスクリーン印刷して焼成し、その上にニッケル(Ni)、金(Au)などのめっきを施すことにより形成される。
【0024】
パッケージ110の凹部の凹底部分である第1層基板111上には、熱硬化型あるいは紫外線硬化型の接着剤としてのダイアタッチ剤95によりSAW共振子1が接着・固定されている。SAW共振子1のIDT電極10の複数の一次側電極指11を連結するバスバーの一部であるボンディング端子11aと、複数の二次側電極指12を連結するバスバーの一部であるボンディング端子12aとから、パッケージ110の対応する接続端子116とは、ボンディングワイヤ98によりそれぞれ接続されている。
なお、ボンディングワイヤ98の材質は、金(Au)やアルミニウム(Al)などの周知のボンディングワイヤを用いることができる。例えば、低ループにてボンディングすることが可能なアルミニウムワイヤによるウェッジボンディングによれば、SAWデバイス100の低背化に有利となるので好ましい。
【0025】
パッケージ110の上側には、例えば金属製のリッド120が、鉄−ニッケル(Fe−Ni)合金などをフレーム状に型抜きして形成されたシールリング119を介してシーム溶接され、パッケージ110内部に接合されたSAW共振子1が気密に封止されている。
【0026】
〔SAWウェハ〕
次に、複数のSAW共振子1が形成されたSAWウェハについて図面に沿って説明する。SAW共振子1は、半導体製造プロセスを用いて圧電基板5のウェハ(SAWウェハ)上に複数形成された後に、ダイシングして個片に切り出すことにより効率よく製造される。図4は、SAWウェハ1Aを説明する平面図である。また、図5は、図4のSAWウェハ1AのE部を拡大して説明する部分平面図である。
【0027】
図4に示すように、SAWウェハ1Aは、バッチ処理により複数のSAW共振子1を効率的に製造するためのウェハであって、大判の水晶からなる圧電基板5のウェハに複数のSAW共振子1がマトリクス状に並べて形成されている。
【0028】
SAWウェハ1Aに形成された複数のSAW共振子1において、IDT電極10および反射器13A,13Bが設けられてなるSAW共振子1のうち、少なくともIDT電極10からは接続配線15が引き出されている。接続配線15は、SAW共振子1のIDT電極10の表面に陽極酸化膜30を形成する際に用いる通電用の接続配線であって、SAWウェハ1Aの全てのIDT電極10と接続されるとともに、その終端がSAWウェハ1Aの外周部分に設けられた共通端子である通電端子19に接続されている。なお、本実施形態のSAWウェハ1Aでは、IDT電極10とともに反射器13A,13Bも、接続配線15を介して通電端子19に接続されている。
【0029】
SAWウェハ1Aにおける複数のSAW共振子1の接続配線15による接続について、図5を用いて具体的に説明する。
図5に示すように、SAWウェハ1A上に設けられた複数のSAW共振子1のIDT電極10は、平面視で矩形状のSAW共振子1の短辺側方向に隣接するSAW共振子1のIDT電極10に接続配線15を介して接続されている。
詳細には、IDT電極10のうち、バスバーにより連結された複数の一次側電極指11からなる交差指電極が、そのバスバーの一部であるボンディング端子11aからSAW共振子1の短辺側方向の両側に向けてそれぞれ引き出された接続配線15により、隣接するSAW共振子1のボンディング端子11aに接続されている。これにより、隣接するSAW共振子1同士の複数の一次側電極指11からなる交差指電極同士が電気的に接続される。また、この接続配線15には、SAW共振子1の2つの反射器13A,13Bのうちの一方の反射器13Bが接続配線15aを介して接続されている。
また、IDT電極10のうち、バスバーにより連結された複数の二次側電極指12からなる交差指電極は、そのバスバーの一部であるボンディング端子12aからSAW共振子1の短辺側方向の両側に向けてそれぞれ引き出された接続配線15により、隣接するSAW共振子1のボンディング端子12aに接続されている。これにより、隣接するSAW共振子1同士の複数の二次側電極指12からなる交差指電極同士が電気的に接続される。また、この接続配線15には、SAW共振子1の2つの反射器13A,13Bのうちの他方の反射器13Aが接続配線15bを介して接続されている。
【0030】
すなわち、SAWウェハ1Aにおいて、SAW共振子1の短辺側に隣接するSAW共振子1同士が接続配線15により接続され、その接続配線15が、SAWウェハ1Aの外周部分に設けられた通電端子19に接続されている。これにより、SAWウェハ1Aの各SAW共振子1には、通電端子19から陽極酸化の電圧を印加できるようになっている(図4を参照)。
【0031】
また、図5において、SAWウェハ1Aから個片のSAW共振子1を切り出す際のダイシングライン35を破線にて示している。本実施形態のSAWウェハ1Aでは、陽極酸化する際の通電用の各接続配線のうち、個片のSAW共振子1において電気的に独立させる部分を結ぶ接続配線が、ダイシングライン35に沿ってダイシングすることにより切断されるように配置されている。すなわち、IDT電極10のうち、複数の一次側電極指11からなる交差指電極と接続された接続配線15と一方の反射器13Bとを接続する接続配線15aと、複数の二次側電極指12からなる交差指電極と接続された接続配線15と他方の反射器13Aとを接続する接続配線15bとが、SAWウェハ1Aがダイシングライン35に沿って切断される際に対応する各接続配線15から切り離される。従って、ダイシング後の個片のSAW共振子1において、IDT電極10と、反射器13A,13Bとのそれぞれは電気的に切り離されるようになっている(図2(a)を併せて参照)。
【0032】
次に、上記実施形態のSAW共振子1およびSAWデバイス100の製造方法について、図面を参照しながら説明する。図6は、SAW共振子1の製造方法のフローチャートである。また、図7は、陽極酸化によるSAW共振子1の周波数調整を行っている様子を模式的に示す説明図である。また、図8は、SAW共振子1が搭載されたSAWデバイス100の製造方法のフローチャートである。また、図9は、SAWデバイス100の製造方法のダイアタッチ工程において、コレット60によりSAW共振子1をピックアップしている様子を説明するものであり、(a)は正面からみた図、(b)は側面からみた図、(c)はコレットの接触位置を説明するSAW共振子1の平面図である。
【0033】
〔SAW共振子の製造方法〕
まず、SAW共振子1の製造方法について説明する。
図6において、まず、ステップS1に示すように、SAW共振子1を多数個同時に形成するための大判の圧電基板5のウェハを準備する。このウェハはSAWウェハ1Aの原型となるものであって、圧電基材の原石を所定の厚みに切り出した後に、圧電基板5(図2を参照)の厚みとなって、且つ、所望の表面状態になるまで研磨加工することにより形成する。
【0034】
次に、ステップS2に示すように、ウェハ上にIDT電極10や反射器13A,13BなどのSAWパターンを形成する。SAWパターン形成では、まず、圧電基板5からなるウェハ上に、蒸着法あるいはスパッタリング法などにより、IDT電極10の形成用金属材料であるアルミニウム薄膜を積層させる。次に、アルミニウム薄膜上に、スピンコート法や浸漬法などによりフォトレジスト膜を形成した後、フォトレジスト膜にIDT電極0や反射器13A,13BなどのSAWパターンを露光してから現像することにより、SAWパターンと略同一形状のフォトレジストパターンを形成する。そして、そのフォトレジストパターンをエッチングレジストとしてアルミニウム薄膜をエッチングすることにより、複数の一次側電極指11および二次側電極指12からなる各交差指電極を交差させて設けてなるIDT電極10や、反射器13A,13Bを形成する。
以上の工程を経て、ウェハ上に複数のSAW共振子1のSAWパターンが形成されたSAWウェハ1Aが得られる(図4を参照)。
【0035】
次に、ステップS3に示すように、SAWウェハ1Aに形成されたSAW共振子1の初期周波数測定を行う。本実施形態の周波数測定では、図4に示すSAWウェハ1Aの通電端子19を用いて、各SAW共振子1の初期周波数データを得る。
周波数測定は、プローブピンなどのコンタクト部、IDT電極10を励振させる発振器、周波数を測定する周波数カウンタなどからなる周波数測定手段を用いて、通電端子19に接触させたコンタクト部を介して発振器によりIDT電極10を発振させ、そのときの周波数を周波数カウンタによって計測することなどにより行う。
【0036】
次に、ステップS4に示すように、SAW共振子1の周波数調整を行う。周波数調整は、ステップS3の初期周波数測定で測定されたSAW共振子1の初期周波数測定値と、SAW共振子1の目標とする周波数規格値との差に基づいて、その差を補正し得る膜厚の陽極酸化膜30をIDT電極10および反射器13A,13Bのそれぞれの表面に形成することにより行う(図3を参照)。
【0037】
陽極酸化膜30形成によるSAW共振子1の周波数調整は、例えば図7に示すような設備を用いて実施することができる。図7において、複数のSAW共振子1が形成されたSAWウェハ1Aは、陽極酸化を行うための陽極酸化槽51に入れられる。陽極酸化槽51の中には陽極酸化液が入れられている。また、陽極酸化槽51の陽極酸化液53の中には、SAWウェハ1Aと共に、陰極板として例えば白金電極56が浸されている。
【0038】
そして、SAWウェハ1Aを陽極側として通電端子19を陽極側クリップ57,58をそれぞれ介して直流またはパルスの電源55に接続し、その電源55の陰極側に白金電極56を接続して、電源55により所定の電解電圧を印加して電流を流し、アルミニウムを電解酸化することによってIDT電極10および反射器13A,13Bの表面に陽極酸化膜30を形成する。
【0039】
次に、ステップS5に示すように、陽極酸化膜30形成による周波数調整を行った後の各SAW共振子1の周波数を測定する調整後周波数測定を行う。なお、図示はしないが、調整後周波数が規格値の許容範囲外となったSAW共振子1は、不良品として不良マーキングをするなどの不良処置を施す。
【0040】
次に、ステップS6に示すように、SAWウェハ1Aをダイシングライン35(図5を参照)に沿ってダイシングすることなどにより個片のSAW共振子1を得る個片化を行い、一連のSAW共振子1の製造工程を終了する。
【0041】
〔SAWデバイスの製造方法〕
次に、上記のように製造されたSAW共振子1を用いたSAWデバイス100の製造方法について説明する。なお、以下のSAWデバイス100の製造方法の説明において、SAWデバイス100各部の構成については図1を参照されたい。
【0042】
図8に示すステップS11において、パッケージ110にSAW共振子1を実装する工程では、まず、パッケージ110の凹部の凹底部分である第1層基板111上のSAW共振子1接合領域に、熱硬化型または紫外線硬化型の接着剤からなるダイアタッチ剤95をディスペンサなどにより所定量塗布する。
【0043】
次に、ステップS12に示すように、上記ステップS11でパッケージ110の凹部の凹底部分に塗布されたダイアタッチ剤95により、SAW共振子1を位置決めして仮固定するダイアタッチを行う。このダイアタッチ工程では、SAW共振子1をピックアップしてパッケージ110のダイアタッチ位置に位置決めして押圧する押え治具として、例えば、図9(a),(b)に示すようなコレット60が用いられる。
【0044】
図9に示すコレット60は、その下端部に、稜線62を頂部とする山形のテーパ面61を有している。そして、そのテーパ面61によってSAW共振子1の対向する両端縁部分を保持しながら、テーパ面61の稜線62近傍に設けられた図示しない真空孔から真空吸引することによってSAW共振子1をピックアップする。また、ピックアップしたSAW共振子1をパッケージ110のダイアタッチ位置に位置決めし、テーパ面61によりSAW共振子1をダイアタッチ位置に押圧して仮固定させる。
ここで、コレット60のテーパ面61に当接させるSAW共振子1の両端縁とは、通常、テーパ面61への当接部分を大きくして安定的に保持できるように、平面視で矩形状のSAW共振子1の長手方向の二辺側を指し、図9(c)に当接部分65として図示する。このように、コレット60の有するテーパ面61によってSAW共振子1の両端縁(当接部分65)のみを保持、あるいは押圧することにより、SAW共振子1の表面に形成されたIDT電極10や反射器13A,13Bを傷付けずに済むようにしている。
【0045】
しかも、SAW共振子1には、周波数調整用のために陽極酸化膜30を形成する際の通電用の配線である接続配線15,15a,15bが、平面視で矩形状のSAW共振子1の短辺側に配置され、少なくとも長辺側の端面近傍にかからないように設けられている。これにより、コレット60と接続配線15,15a,15bとの接触も回避できるため、接続配線15,15a,15bが削れたり、脱落したりすることによる不具合を防止することができる。すなわち、接続配線15,15a,15bの金属屑によるIDT電極10などの電極や圧電基板5のキズの発生、あるいはパッケージ110内に金属屑が落下することによる短絡やSAW共振子1の傾きなどの搭載不良などを防止することができる。
【0046】
次に、ステップS13に示すように、ダイアタッチ剤95の硬化方法に従って加熱または紫外線を照射することによりダイアタッチ剤95を硬化させ、SAW共振子1をパッケージ110の凹部の凹底部分に接着・固化させる。
【0047】
次に、ステップS14に示すように、SAW共振子1とパッケージ110とをワイヤボンディングにより接続する。詳細には、図1に示すように、SAW共振子1のボンディング端子11aおよびボンディング端子12aと、パッケージ110の対応する接続端子116とをボンディングワイヤ98により接続する。
【0048】
次に、ステップS15に示すように、パッケージ110上にリッドを接合することによりSAW共振子1をパッケージ110内に封止する。本実施形態では、パッケージ110の上側に、例えば金属製のリッド120を、鉄−ニッケル(Fe−Ni)合金などからなるシールリング119を介してシーム溶接することにより、パッケージ110内部に接合されたSAW共振子1を気密に封止する。
以上述べた工程により、SAWデバイス100の一連の製造工程を終了する。
【0049】
次に、上記実施形態のSAW共振子1、SAWウェハ1A、SAW共振子1を備えたSAWデバイス100、およびそれらの製造方法の効果を記載する。
上記実施形態では、SAW共振子1の製造において、陽極酸化膜30による周波数調整工程で用いるSAWウェハ1Aの通電用の接続配線15,15a,15bを、平面視で矩形状のSAW共振子1の短辺側に配置し、少なくとも長辺側にかからないように配置した。すなわち、SAWデバイス100を製造するときのSAW共振子1のダイアタッチ工程で、SAW共振子1をピックアップおよび押圧を行う治具としてのコレット60との当接面となるSAW共振子1の長手方向の両端縁(当接部分65)には、陽極酸化用の接続配線15,15a,15bがかからないように配置した。
【0050】
これにより、SAWデバイス100の製造におけるダイアタッチ工程において、コレット60と接続配線15,15a,15bとが接触して、接続配線15,15a,15bが削れたり、削れ屑が脱落したりすることによる不具合、例えば、金属屑によるIDT電極10などの電極や圧電基板5のキズの発生や短絡、あるいはパッケージ110内に金属屑が落下することによる短絡やSAW共振子1の傾きなどの搭載不良などを防止することができる。
【0051】
以上、発明者によってなされた本発明の実施の形態について具体的に説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。
【0052】
例えば、上記実施形態では、IDT電極10および反射器13A,13Bともに陽極酸化膜30を形成する構成とした。これに限らず、IDT電極10のみに接続配線15を接続して陽極酸化膜30を形成する構成としても、SAW共振子1の周波数調整を行うことは可能である。
また、上記実施形態では、IDT電極10の複数の一次側電極指11が連結されてなる交差指電極と、複数の二次側電極指12が連結されてなる交差指電極との両方を陽極酸化させて陽極酸化膜30を形成した。これに限らず、いずれか一方の交差指電極のみに接続配線15を接続して陽極酸化膜30を形成する構成としても、SAW共振子1の周波数調整をすることは可能であり、また、IDT電極10の導電性異物の落下による短絡を防止することができる。
【0053】
また、上記実施形態で説明した圧電基板5には水晶を用いたが、これに限定されない。水晶以外に、窒化アルミニウム(AlN)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、四ほう酸リチウム(Li247)などの酸化物基板や、ガラス基板上に窒化アルミニウム、五酸化タンタル(Ta25)などの薄膜圧電材料を積層させて構成された圧電基板を用いることもできる。
【0054】
また、上記実施形態では、IDT電極10および反射器13A,13Bあるいは各接続配線15,15a,15bなどの電極形成用の金属材料としてアルミニウムを用いた。これに限らず、陽極酸化膜を形成することができる金属材料であればよく、例えば、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)などの金属材料を用いることもできる。
【0055】
また、上記実施形態では、弾性表面波素子の一例として、SAW共振子およびその製造方法について詳細に説明した。これに限定されず、SAW共振子の他のSAW素子、例えばSAWフィルタ、あるいはセンサやコンボルバなどのSAW遅延素子などの、圧電基板上にIDT電極が形成されてなる他の弾性表面波素子、あるいはその製造方であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】(a)は、弾性表面波デバイスとしてのSAWデバイスを模式的に説明する平面図、(b)は、(a)のA−A線断面図。
【図2】(a)は、弾性表面波素子としてのSAW共振子を模式的に説明する平面図、(b)は、(a)のB−B線断面図。
【図3】SAW共振子の図2(b)のD部を拡大して説明する部分拡大断面図。
【図4】弾性表面波素子用ウェハとしてのSAWウェハを説明する平面図。
【図5】SAWウェハの図4のE部を拡大して説明する部分平面図。
【図6】SAW共振子の製造方法のフローチャート。
【図7】陽極酸化によるSAW共振子の周波数調整を行っている様子を模式的に示す説明図。
【図8】SAWデバイスの製造方法のフローチャート。
【図9】(a)は、SAWデバイスの製造方法においてコレットによりSAW共振子をピックアップしている様子を正面からみた図、(b)は、側面からみた図、(c)は、コレットの接触位置を説明するSAW共振子の平面図。
【符号の説明】
【0057】
1…弾性表面波素子としてのSAW共振子、1A…弾性表面波素子用ウェハとしてのSAWウェハ、5…圧電基板、10…IDT電極、11…一次側電極指、11a…ボンディング端子、12…二次側電極指、12a…ボンディング端子、13A,13B…反射器、15,15a,15b…接続配線、19…通電端子、30…陽極酸化膜、35…ダイシングライン、51…陽極酸化槽、53…陽極酸化液、55…電源、56…白金電極、57,58…陽極側クリップ、60…コレット、61…テーパ面、62…稜線、65…当接部分、95…接着剤としてのダイアタッチ剤、98…ボンディングワイヤ、100…弾性表面波デバイスとしてのSAWデバイス、110…パッケージ、111…第1層基板、112…第2層基板、113…第3層基板、115,116…接続端子、119…シールリング、120…リッド。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視で矩形状の圧電基板上に弾性表面波を励振するIDT電極を少なくとも有し、前記IDT電極の表面に該IDT電極を陽極酸化することにより形成された陽極酸化膜を有する弾性表面波素子であって、
前記IDT電極から引き出された該IDT電極を陽極酸化する際の通電用の接続配線が、前記弾性表面波素子の長辺側の端面にかからないように前記弾性表面波素子の短辺方向に形成されていることを特徴とする弾性表面波素子。
【請求項2】
平面視で矩形状の圧電基板上に弾性表面波を励振するIDT電極を少なくとも有し、前記IDT電極の表面に該IDT電極を陽極酸化することにより形成された陽極酸化膜を有する弾性表面波素子が複数形成された弾性表面波素子用ウェハであって、
前記IDT電極に接続された該IDT電極を陽極酸化する際の通電用の通電端子が設けられ、
前記IDT電極と前記通電端子とを接続する接続配線が、前記弾性表面波素子の長辺側の端面となる部分にかからないように前記弾性表面波素子の短辺方向に引き回されて形成されていることを特徴とする弾性表面波素子用ウェハ。
【請求項3】
パッケージ内に弾性表面波素子が接合されて気密に封止された弾性表面波デバイスであって、
前記弾性表面波素子が、平面視で矩形状の圧電基板上に弾性表面波を励振するIDT電極を少なくとも有し、前記IDT電極の表面に該IDT電極を陽極酸化することにより形成された陽極酸化膜を有し、前記IDT電極から引き出された該IDT電極を陽極酸化する際の通電用の接続配線が、前記弾性表面波素子の長辺側の端面にかからないように前記弾性表面波素子の短辺方向に形成されていることを特徴とする弾性表面波デバイス。
【請求項4】
平面視で矩形状の圧電基板上に弾性表面波を励振するIDT電極を少なくとも有し、前記IDT電極の表面に該IDT電極を陽極酸化することにより形成された陽極酸化膜を有し、前記IDT電極から引き出された該IDT電極を陽極酸化する際の通電用の接続配線が、弾性表面波素子の長辺側の端面にかからないように前記弾性表面波素子の短辺方向に形成された前記弾性表面波素子が、パッケージ内に接合されて気密に封止された弾性表面波デバイスの製造方法であって、
前記圧電基板上にフォトリソグラフィ法を用いて前記IDT電極を形成するIDT電極形成工程と、
周波数調整する前の前記弾性表面波素子の周波数を測定する初期周波数測定工程と、
前記初期周波数測定工程で測定された初期周波数測定値と、目標とする周波数規格値との差を補正し得る膜厚の陽極酸化膜を形成することにより、前記弾性表面波素子毎の周波数を調整する周波数調整工程と、
前記周波数調整工程の後で、前記弾性表面波素子毎の周波数を測定する調整後周波数測定工程と、
弾性表面波素子用ウェハから個片の前記弾性表面波素子を切り出す個片化工程と、
前記弾性表面波素子を保持して前記パッケージの接合位置に押圧するコレットを用いて、前記弾性表面波素子を接着剤を介して前記パッケージ内に位置決めして接合するダイアタッチ工程と、を含むことを特徴とする弾性表面波デバイスの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−68074(P2010−68074A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−230603(P2008−230603)
【出願日】平成20年9月9日(2008.9.9)
【出願人】(000003104)エプソントヨコム株式会社 (1,528)
【Fターム(参考)】