弾球遊技機
【課題】複数の特別図柄による遊技を実行する弾球遊技機において、情報伝送時に発生する伝送エラーを効果的に吸収する技術を提供する。
【解決手段】本発明のぱちんこ遊技機は、第1特別図柄による第1の遊技と第2特別図柄による第2の遊技を制御するメイン制御装置と、メイン制御装置からの情報に応じて遊技の演出表示を制御する第1サブ制御装置と、第1サブ制御装置により制御されて演出表示を実行する第2サブ制御装置を備える。第1サブ制御装置300は、メイン制御装置からの情報を受け付ける受付手段302と、受け付けた情報の整合性を判定する整合性判定手段306を有する。整合性判定手段306により情報に異常があることが判定されると、演出決定手段132は、異常発生時用の演出を決定する。
【解決手段】本発明のぱちんこ遊技機は、第1特別図柄による第1の遊技と第2特別図柄による第2の遊技を制御するメイン制御装置と、メイン制御装置からの情報に応じて遊技の演出表示を制御する第1サブ制御装置と、第1サブ制御装置により制御されて演出表示を実行する第2サブ制御装置を備える。第1サブ制御装置300は、メイン制御装置からの情報を受け付ける受付手段302と、受け付けた情報の整合性を判定する整合性判定手段306を有する。整合性判定手段306により情報に異常があることが判定されると、演出決定手段132は、異常発生時用の演出を決定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ぱちんこ遊技機等の弾球遊技機に関し、特に弾球遊技機における制御装置間の情報処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種の弾球遊技機のうち、いわゆる第1種ぱちんこ遊技機と呼ばれていた遊技機は、遊技盤の略中央に設けられた液晶ディスプレイなどの表示領域に複数の図柄を変動させながら表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。この遊技機は、複数列の図柄変動を停止させたときの図柄の組合せが特定の態様となった場合に、通常遊技より多くの賞球が得られる、いわゆる大当たりと呼ばれる特別遊技へと移行するものとして知られている(例えば、特許文献1参照)。表示領域における図柄の変動表示は、単に複数の図柄が変動表示されるだけでなく、いわゆるリーチ画面と呼ばれる状態のように、あと一つ図柄が揃えば大当たりとなる状態で変動表示の時間を通常よりも長くする等、遊技者の期待感を高めるための演出が図られている。また、図柄等の画像にキャラクタを用いて変動表示にストーリーを持たせる演出を施したり、特別遊技への移行確率を変動させる確率変動等の特定遊技の制御によっても遊技者の期待感を高めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−230714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、遊技性向上をさらに追求すべく、第1種、第2種、第3種などの枠に縛られずに、それらを組み合わせた複合機の開発が行われており、第1種と第1種を組み合わせた実機も登場している。複数の遊技を一つの遊技機で実現する場合、従来では想定していなかった様々な問題が発生する可能性がある。たとえば、第1種と第1種を組み合わせた遊技機では、両者の遊技を完全に切り分けて処理する必要があるが、一方の遊技に関するコマンドが、信号の伝送エラーなどにより他方の遊技のコマンドとして取り扱われる事態が発生しうる。そのような場合であっても、遊技機内部で伝送される情報に異常が発生していることを、遊技者に対して知らしめないことが好ましく、発生したエラーを円滑に処理できる技術が望まれる。
【0005】
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、弾球遊技機において発生する異常な情報を円滑に処理する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の弾球遊技機は、第1特別図柄による第1の遊技と第2特別図柄による第2の遊技を制御するメイン制御装置と、メイン制御装置からの情報に応じて遊技の演出表示を制御する第1サブ制御装置と、第1サブ制御装置により制御されて演出表示を実行する第2サブ制御装置を備えた弾球遊技機であって、第1サブ制御装置は、メイン制御装置からの情報を受け付ける受付手段と、受付手段において受け付けた情報の整合性を判定する判定手段と、受付手段において受け付けた情報に応じた演出を決定する演出決定手段と、決定した演出を第2サブ制御装置にて実行させる演出制御手段とを有する。この態様の弾球遊技機において、判定手段により、受け付けた情報に異常があることが判定された場合に、演出決定手段は、異常発生時用の演出を決定する。
【0007】
この態様によると、メイン制御装置から送信された情報に異常が存在する場合、異常発生時用の演出を実行することで、異常情報を円滑に処理して、異常発生により演出が停止する事態を回避する。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体、データ構造などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の弾球遊技機によれば、メイン制御装置から送信される情報に異常が存在する場合であっても、遊技者に対する演出を継続して実行する技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。
【図2】ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す図である。
【図3】本実施例におけるぱちんこ遊技機の機能ブロックを示す図である。
【図4】ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。
【図5】図4におけるS10の入賞処理を詳細に示すフローチャートである。
【図6】図4におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。
【図7】図6におけるS67、S68、S69における図柄変動処理を詳細に示すフローチャートである。
【図8】図4におけるS16の特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。
【図9】図8におけるS92の第1特別遊技とS94の第2特別遊技を詳細に示すフローチャートである。
【図10】メイン制御装置、第1サブ制御装置、第2サブ制御装置の関係を示す関係図である。
【図11】本実施例の第1サブ制御装置の機能ブロックを示す。
【図12】実施例2におけるぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施例1)
本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、互いに遊技性を打ち消し合わないよう片方ずつ実行される。またこれらの遊技性を両立させるために、本実施例のぱちんこ遊技機は、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプ、複数の大入賞口を備える。
【0012】
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。以下、弾球遊技機として従来にいういわゆる第1種ぱちんこ遊技機を例に説明する。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
【0013】
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。
【0014】
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出表示装置60、第1始動入賞口(以下、「第1始動口」という)62、第2始動入賞口(以下、「第2始動口」という)63、第3始動入賞口(以下、「第3始動口」という)67、センター飾り64、第1大入賞口91、第2大入賞口92、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない多数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
【0015】
第1始動口62と第3始動口67は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動口63は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動口62は、始動入賞検出装置74を備える。始動入賞検出装置74は、第1始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動口63は、始動入賞検出装置75を備える。始動入賞検出装置75は、第2始動口63への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。第3始動口67は、始動入賞検出装置77と、普通電動役物65と、普通電動役物65を開閉させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動入賞検出装置77は、第3始動口67への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第3始動入賞情報を生成する。
【0016】
第1始動口62と第3始動口67は第1の遊技に対応する点で機能が共通するが、それぞれへの入球に対する賞球数が異なる。たとえば第1始動口62の賞球数が「3」に設定されるのに対して、第3始動口67の賞球数が「7」に設定されるなど、賞球数に差を設けることにより多様な遊技性を実現する。第1始動口62は第3始動口67の入口を覆うような位置に設けられているので、第3始動口67は普通電動役物65が開放されなければ遊技球が入球しない構造となっている。
【0017】
一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
【0018】
第1大入賞口91は第1の遊技に対応する大入賞口として設けられ、第2大入賞口92は第2の遊技に対応する大入賞口として設けられる。第1大入賞口91は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、第1大入賞口91を開閉させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、第1大入賞口91への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1大入賞口入賞情報を生成する。第2大入賞口92は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置79と、第2大入賞口92を開閉させるための大入賞口ソレノイド81を備える。入賞検出装置79は、第2大入賞口92への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2大入賞口入賞情報を生成する。第1大入賞口91は、第1特別図柄192が所定の態様にて停止したときに「大当たり」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。第1大入賞口91はアウト口58の左上方の位置に設けられる。第2大入賞口92は、第2特別図柄193が所定の態様にて停止したときに「大当たり」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。第2大入賞口92はアウト口58の右上方の位置に設けられる。
【0019】
遊技領域52の略中央に演出表示装置60が設けられ、その左右に第1の遊技に対応する第1特別図柄表示装置70と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示装置71が設けられている。第1特別図柄表示装置70には第1の遊技に対応する第1特別図柄192の変動が表示され、第2特別図柄表示装置71には第2の遊技に対応する第2特別図柄193の変動が表示される。第1特別図柄192は、第1始動口62または第3始動口67への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当たり態様にて停止されたときに第1特別遊技としての大当たりが発生する。第1特別図柄表示装置70は、例えば7セグメントLEDで構成される表示手段であり、第1特別図柄192は「0」〜「9」の10種類の数字で表される。第2特別図柄193は、第2始動口63への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当たり態様にて停止されたときに第2特別遊技としての大当たりが発生する。第2特別図柄表示装置71は、例えば「○」と「×」のマークが交互に点灯するランプで構成される表示手段であり、第2特別図柄193は「○」と「×」の2種類のマークで表される。
【0020】
演出表示装置60の画面には第1の遊技に対応する第1領域194と第2の遊技に対応する第2領域195が設定される。第1領域194には第1特別図柄192に連動する第1装飾図柄190を含む演出画像の変動が表示され、第2領域195には第2特別図柄193に連動する第2装飾図柄191を含む演出画像の変動が表示される。第1領域194と第2領域195は、それぞれの背景に対照的な色を施して視覚的に区別させてもよい。演出表示装置60は、たとえば液晶ディスプレイである。第1装飾図柄190は、第1特別図柄192で示される抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄であり、第1の遊技に対応する。第2装飾図柄191は、第2特別図柄193で示される抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄であり、第2の遊技に対応する。演出表示装置60は、第1装飾図柄190および第2装飾図柄191として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を表示する。演出表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、機械式のドラムやLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、第1特別図柄192および第2特別図柄193は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の第1特別図柄表示装置70および右下方の第2特別図柄表示装置71にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。
【0021】
作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は第3始動口67の普通電動役物65を拡開させるための抽選の契機となる。
【0022】
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72、第1始動口62、第2始動口63、第3始動口67、第1大入賞口91、第2大入賞口92の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
【0023】
遊技球が第1始動口62または第3始動口67に落入すると、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192が変動表示され、演出表示装置60の第1領域194において第1装飾図柄190が変動表示される。遊技球が第2始動口63に落入すると、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193が変動表示され、演出表示装置60の第2領域195において第2装飾図柄191が変動表示される。第1特別図柄192、第2特別図柄193、第1装飾図柄190、第2装飾図柄191の変動表示は、表示に先だって決定された表示時間の経過後に停止される。停止時の第1特別図柄192および第1装飾図柄190が当たり態様であった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である第1特別遊技に移行し、第1大入賞口91の開閉動作が開始される。このときスロットマシンのゲームを模した第1装飾図柄190は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。停止時の第2特別図柄193および第2装飾図柄191が当たり態様であった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である第2特別遊技に移行し、第2大入賞口92の開閉動作が開始される。このときスロットマシンのゲームを模した第2装飾図柄191もまた、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。
【0024】
第1大入賞口91および第2大入賞口92は、約30秒間開放された後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような第1大入賞口91または第2大入賞口92の開閉が所定回数、例えば15回繰り返される。
【0025】
特別遊技が発生した場合であって抽選などの所定の条件が満たされた場合、特別遊技の終了後に特定遊技として確率変動遊技(以下、「確変」という)や変動時間短縮(以下、「時短」という)が開始される。確変中は、通常の確率状態より当たりの確率が高い抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生する。時短は、所定の終期、たとえば第1特別図柄192または第2特別図柄193が100回変動するまで継続される。時短中は、第1特別図柄192または第2特別図柄193の変動時間が概ね短縮される。
【0026】
作動口68を遊技球が通過すると、所定時間、普通図柄と呼ばれる図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右方に設けられる。所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が所定の当たり態様にて停止すると、第3始動口67の普通電動役物65が所定時間拡開する。通常状態においては、普通図柄が当たり態様で停止する確率は低確率に設定されるが、時短中にはその確率が高確率に変動する。そのため、通常状態においては第3始動口67の普通電動役物65が開放される確率も低いが、時短中にはその開放される確率が高くなる。また時短中においては、普通図柄の変動表示時間が短縮されるとともに、普通電動役物65が開放状態となる時間が相対的に長くなるよう設定される。このように、時短中以外は普通電動役物65が開放されにくいのに対し、時短中は普通電動役物65が開放されやすく、しかも開放される回数や開放時間も増加する。したがって、時短中であるか否かで第3始動口67への入球容易性が大きく異なり、その結果時短中であるか否かによって始動入賞口への入賞に対する出玉に大きな差が生じる。時短中は遊技者が出玉をほとんど減らさずに遊技を進行させることができるので、時短中であるか否かに応じて異なる遊技性を実現することができる。
【0027】
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。センター飾り64は、第1の遊技に対応する第1特図保留ランプ20が下部左側に設けられ、第2の遊技に対応する第2特図保留ランプ21が下部右側に設けられ、普通図柄変動に対応する普図保留ランプ22が左側部に設けられている。第1特図保留ランプ20および第2特図保留ランプ21は、それぞれ4個のランプからなり、それぞれの点灯個数によって第1の遊技および第2の遊技のそれぞれにおける当否抽選値の保留数を表示する。第1特図保留ランプ20における当否抽選値の保留数は、第1特別図柄192の変動中、第2特別図柄193の変動中、第1特別遊技の実行中、第2特別遊技の実行中のうちいずれかの間に第1始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特図保留ランプ21における当否抽選値の保留数は、第1特別図柄192の変動中、第2特別図柄193の変動中、第1特別遊技の実行中、第2特別遊技の実行中のうちいずれかの間に第2始動口63へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。普図保留ランプ22もまた4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。また遊技効果ランプ90が遊技領域52に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。操作ボタン82は、遊技者が遊技機側所定の指示を入力するために操作するボタンである。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
【0028】
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102はメイン制御装置を構成して、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、とくに第1始動口62、第2始動口63、第3始動口67へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。すなわちメイン制御装置は、第1特別図柄192による第1の遊技と第2特別図柄193による第2の遊技を制御する。サブ基板104は液晶ユニット42を備えて、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板102のメイン制御装置から送信される情報をもとに演出を実行する。サブ基板104は、メイン制御装置からの情報に応じて遊技の演出を制御する第1サブ制御装置と、第1サブ制御装置により制御されて演出を実行する第2サブ制御装置を含む。第2サブ制御装置は、液晶ユニット42における演出表示を担当するユニットとして構成される。メイン基板102のメイン制御装置、サブ基板104の第1サブ制御装置および第2サブ制御装置は、遊技制御装置100を構成する。
【0029】
セット基盤39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
【0030】
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、第1始動口62、第2始動口63、第3始動口67、第1大入賞口91、第2大入賞口92、一般入賞口72、作動口68、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102と、図柄の演出等を制御するサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
【0031】
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、当否抽選手段112、図柄決定手段114、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124、作動条件保持手段176を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、演出決定手段132、演出表示制御手段134を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。しかしながら、本実施例においては、メイン基板102からサブ基板104への単方向通信は許容するものの、サブ基板104からメイン基板102への通信は許容しない。通信方向を制限することにより、メイン基板102による出球制御の独立性を確保し、外部からの不正行為に対する安全性を高められる。
【0032】
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動口62に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動口63に入賞したと判断し、第3始動入賞情報を受け取ると遊技球が第3始動口67に入賞したと判断する。入球判定手段110は、第1大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第1大入賞口91に入賞したと判断し、第2大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第2大入賞口92に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
【0033】
当否抽選手段112は、第1抽選手段126、第2抽選手段128、普図抽選手段136を含む。第1抽選手段126は、第1始動口62または第3始動口67への遊技球の入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である第1特別遊技へ移行するか否かを判定するために乱数の値を第1の当否抽選値として取得する。第2抽選手段128は、第2始動口63への遊技球の入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である第2特別遊技へ移行するか否かを判定するために乱数の値を第2の当否抽選値として取得する。たとえば、第1と第2の当否抽選値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。普図抽選手段136は、作動口68を遊技球が通過したときに普図抽選値を取得する。各抽選値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ当否抽選値または普図抽選値が取得され、保留される。
【0034】
第1抽選手段126および第2抽選手段128は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、当たりまたは外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当たりの範囲設定に応じて当否確率が定まる。第1抽選手段126および第2抽選手段128は、通常時には通常確率による当否判定のための当否テーブルを参照し、確変時には通常確率より当たりの確率が高い当否テーブルを参照する。第1抽選手段126および第2抽選手段128は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当たりであるか否かを判定する。普図抽選手段136もまた、普通図柄抽選の当否を判定するときに参照する普図当否テーブルを複数保持する。複数の普図当否テーブルには、当たりまたは外れの判定結果と普図抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当たりの範囲設定に応じて当否確率が定まる。普図抽選手段136は、通常時には通常確率による当否判定のための普図当否テーブルを参照し、時短時には通常確率より当たりの確率が高い普図当否テーブルを参照する。
【0035】
第1抽選手段126による判定結果は、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192の形で変動表示され、演出表示装置60の第1領域194において第1装飾図柄190の形で変動表示される。第2抽選手段128による判定結果は、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193の形で変動表示され、演出表示装置60の第2領域195において第2装飾図柄191の形で変動表示される。普図抽選手段136による判定結果は、普通図柄表示装置59において普通図柄の形で変動表示される。
【0036】
図柄決定手段114は、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71に表示させる停止図柄と変動パターンを、当否抽選手段112による抽選の結果に応じて決定する。また、図柄決定手段114は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を抽選により決定する。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。図柄決定手段114は、特別図柄や普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。第1特別図柄192を決定するためのテーブルとして第1図柄範囲テーブルが保持され、第2特別図柄193を決定するためのテーブルとして第2図柄範囲テーブルが保持される。第1図柄範囲テーブルには、「0」〜「9」の数字で表される第1特別図柄192と図柄決定抽選値との対応関係が定められている。第2図柄範囲テーブルには、「○」および「×」のマークで表される第2特別図柄193と図柄決定抽選値との対応関係が定められている。図柄決定手段114は、変動パターンを決定するために参照すべきパターン決定テーブルを保持する。第1特別図柄192の変動パターンを決定するためのテーブルとして第1パターン決定テーブルが保持され、第2特別図柄193の変動パターンを決定するためのテーブルとして第2パターン決定テーブルが保持される。ただし、変形例においては、第1パターン決定テーブルと第2パターン決定テーブルとを一つのパターン決定テーブルとして共通化してもよい。
【0037】
図柄決定手段114は、第1図柄決定手段138、第2図柄決定手段140、普図決定手段142を含む。第1図柄決定手段138は、第1特別図柄192を決定するための図柄決定抽選値を取得し、第1図柄範囲テーブルを参照し、第1抽選手段126による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて第1特別図柄192の停止図柄を決定する。第1図柄決定手段138は、第1パターン決定テーブルを参照し、当否抽選手段112による当否判定結果に応じて複数の変動パターンからいずれかのパターンを選択する。第2図柄決定手段140は、第2特別図柄193を決定するための図柄決定抽選値を取得し、第2図柄範囲テーブルを参照し、第2抽選手段128による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて第2特別図柄193の停止図柄を決定する。第2図柄決定手段140は、第2パターン決定テーブルを参照し、当否抽選手段112による当否判定結果に応じて複数の変動パターンからいずれかのパターンを選択する。第1図柄決定手段138および第2図柄決定手段140は、決定した停止図柄および変動パターンを示す情報をメイン表示制御手段118および演出決定手段132へ送出する。
【0038】
第1図柄決定手段138および第2図柄決定手段140は、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動態様が定められた複数種の変動パターンを記憶する。複数種の変動パターンは、長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。
【0039】
普図決定手段142は、遊技球が作動口68を通過した場合に、普通図柄を決定するための抽選乱数を取得し、その抽選乱数に応じて普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を決定する。普通図柄の停止図柄が特定の図柄であった場合、開閉制御手段124が第3始動口67の普通電動役物65を所定時間拡開する。
【0040】
保留制御手段116は、第1保留手段144、第2保留手段146、普図保留手段147を含む。第1保留手段144は、第1抽選手段126により取得された第1の当否抽選値を保留球として保持する。第2保留手段146は、第2抽選手段128により取得された第2の当否抽選値を保留球として保持する。普図保留手段147は、普図抽選手段136により取得された普図抽選値を保留球として保持する。第1と第2の当否抽選値と普図抽選値は、それぞれの保留数が所定の上限に達するまで蓄積される。保留数の上限はそれぞれ4である。第1保留手段144により保留された第1の当否抽選値の数は第1特図保留ランプ20におけるランプの点灯数で表され、第2保留手段146により保留された第2の当否抽選値の数は第2特図保留ランプ21におけるランプの点灯数で表され、普図保留手段147により保留された普図抽選値の数は普図保留ランプ22におけるランプの点灯数で表される。
【0041】
メイン表示制御手段118は、第1特図制御手段148、第2特図制御手段150、特図調整手段152、普図制御手段153を含む。第1特図制御手段148は、第1抽選手段126による抽選の結果を第1図柄決定手段138により決定された変動パターンにしたがって第1特別図柄192の変動表示として第1特別図柄表示装置70に表示させる。第2特図制御手段150は、第2抽選手段128による抽選の結果を第2図柄決定手段140により決定された変動パターンにしたがって第2特別図柄193の変動表示として第2特別図柄表示装置71に表示させる。第1特図制御手段148および第2特図制御手段150は、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134および/または演出決定手段132へ送信することにより、メイン表示制御手段118および演出表示実行手段198による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段153は、普図抽選手段136による抽選の結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置59に表示させる。
【0042】
特図調整手段152は、第1特別図柄192および第2特別図柄193のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の開始を待機させる。特図調整手段152は、第1始動口62または第3始動口67、および、第2始動口63のうちいずれに遊技球が入球したかの順序にしたがって第1特別図柄192と第2特別図柄193とを選択的に変動表示させる。たとえば、第1始動口62、第1始動口62、第2始動口63の順序で入球したときは、第1特別図柄192、第1特別図柄192、第2特別図柄193の順序で変動表示される。特図調整手段152は保留制御手段116を監視して当否抽選値の保留順序を記憶する。どちらの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順、すなわち保留制御手段116における当否抽選値の保留順序にしたがって決定されるので、遊技者は変動の順序を視覚的に把握しやすい。これにより、複数の遊技性が混在してもそれぞれの遊技性が個別に把握できるよう制御することにより、遊技の複雑化を回避しつつ斬新な遊技性を実現することができる。
【0043】
なお、変形例における特図調整手段152は、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを交互に優先してもよい。たとえば第1保留手段144および第2保留手段146のうちいずれかにだけ当否抽選値が保留されているときは、第1特別図柄および第2特別図柄のうち一方のみが連続して変動表示され得る。しかし、第1保留手段144と第2保留手段146の双方に当否抽選値が保留されているときは、第1特別図柄と第2特別図柄とが交互に変動表示される。このように、変形例においては第1特別図柄192と第2特別図柄193は同時には変動表示されないので、遊技者は複数の遊技性のそれぞれを個別に把握しやすい。また、いずれの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順に関係なく単純に交互に入れ替わるので、遊技者は変動の順序を感覚的に把握しやすい。これにより遊技の複雑化を回避しつつ斬新な遊技性を実現することができる。
【0044】
特図調整手段152は、第1特別図柄192および第2特別図柄193のうち、一方が当たり態様で停止されたときは他方の変動表示の開始を待機させる。この場合、特別遊技を実行する間は特別図柄の変動表示は開始されないので、遊技者は特別遊技に集中することができる。このように、複数の遊技性が混在してもそれぞれの遊技性が個別に把握できるよう制御することにより、遊技の複雑化を回避しつつ斬新な遊技性を実現することができる。
【0045】
作動条件保持手段176は、第1作動条件保持手段178および第2作動条件保持手段180を含む。第1作動条件保持手段178は、第1特別遊技へ移行するための条件である第1作動条件を保持する。第2作動条件保持手段180は、第2特別遊技へ移行するための条件である第2作動条件を保持する。第1作動条件および第2作動条件は、特別遊技制御手段120によって参照され、いずれかの作動条件が成立したときに特別遊技が実行される。
【0046】
特別遊技制御手段120は、第1特別遊技制御手段154および第2特別遊技制御手段156を含む。第1特別遊技制御手段154は、第1抽選手段126による当否抽選結果が当たりである場合、第1特別図柄192が所定の当たり態様で停止されたときに第1作動条件が成立したと判定し、第1大入賞口91を開放させることにより第1特別遊技を実行する。第2特別遊技制御手段156は、第2抽選手段128による当否抽選結果が当たりである場合、第2特別図柄193が所定の当たり態様で停止されたときに第2作動条件が成立したと判定し、第2大入賞口92を開放させることにより第2特別遊技を実行する。特別遊技は、第1大入賞口91または第2大入賞口92の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした1回または複数回の単位遊技で構成される。単位遊技は例えば15回を上限として繰り返され、1回の単位遊技において第1大入賞口91または第2大入賞口92を約30秒間開放させる。特別遊技制御手段120は、第1特別遊技の単位遊技の回数や開放時間を、第1図柄決定手段138により決定された第1特別図柄192に応じて決定してもよい。特別遊技制御手段120は、第2特別遊技の単位遊技の回数や開放時間を、所定の抽選値に応じて決定してもよい。第1特別遊技制御手段154および第2特別遊技制御手段156は、それぞれの特別遊技の実行中、各単位遊技の開始タイミングや、単位遊技のラウンド数などの情報を演出決定手段132へ送信する。第1特別遊技制御手段154および第2特別遊技制御手段156は、単位遊技の継続回数を消化したときに特別遊技を終了させる。
【0047】
特定遊技実行手段122は、確変および時短の状態における通常遊技を制御する。特定遊技実行手段122は、第1図柄決定手段138により決定された第1特別図柄192が当たり態様であった場合に、特別遊技後の遊技状態を確変状態へ移行させるか否かを第1特別図柄192の種類に応じて決定する。すなわち、第1特別図柄192が所定の図柄、たとえば「奇数の数字」であった場合に特別遊技後の遊技状態を確変状態へ移行させることを決定する。また、特定遊技実行手段122は、第2図柄決定手段140により決定された第2特別図柄193が当たり態様であった場合に、特別遊技後の遊技状態を確変状態へ移行させるか否かを所定の抽選により決定する。すなわち、第2特別図柄193が「○」であった場合に所定の抽選を実行し、その抽選値に応じて確変への移行を決定する。この抽選値に応じた決定の結果は、たとえば演出表示装置60の画面に表示させてもよいし、表示させなくてもよい。確変状態は原則として次の大当たりが発生するまで続行され、その間は当否抽選手段112による当たり判定の確率が高い値のまま維持される。また、特定遊技実行手段122は、第1特別遊技および第2特別遊技のうちいずれかが終了した後、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示回数が所定回数、たとえば100回に達するまで、遊技状態を時短状態へ移行させる。時短状態においては、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示時間が概ね短くなるよう、図柄決定手段114が変動時間の短い変動パターンを選択する。普図抽選手段136は、時短中においては通常確率より当たりの確率が高い普図当否テーブルを参照する。これにより、時短中には第3始動口67の普通電動役物65が高い確率で開放される。
【0048】
開閉制御手段124は、第3始動口67の普通電動役物65や第1大入賞口91、第2大入賞口92の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、第3始動口67を開放させる。また、開閉制御手段124は、特別遊技中、大入賞口ソレノイド80または大入賞口ソレノイド81に開放指示を送り、第1大入賞口91または第2大入賞口92を開放させる。
【0049】
パターン記憶手段130は、第1パターン記憶手段158および第2パターン記憶手段160を含む。第1パターン記憶手段158および第2パターン記憶手段160は、装飾図柄を含む演出画像の変動パターンとして複数の変動パターンデータを保持する。
【0050】
演出決定手段132は、第1演出決定手段162および第2演出決定手段164を含む。第1演出決定手段162は、第1装飾図柄190の停止図柄と変動パターンを、第1抽選手段126による抽選の結果、第1特別図柄192の停止図柄、第1特別図柄192の変動パターンに応じて決定する。第1演出決定手段162は、第1装飾図柄190の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルや、変動パターンを決定するために参照すべきパターンテーブルを保持する。さらに第1演出決定手段162は、第1特別遊技実行中に実行する演出も決定する。第1演出決定手段162は、第1特別遊技制御手段154より供給される単位遊技の開始タイミング、単位遊技のラウンド数に応じて、ラウンドの演出表示を決定する。
【0051】
第2演出決定手段164は、第2装飾図柄191の停止図柄と変動パターンを、第2抽選手段128による抽選の結果、第2特別図柄193の停止図柄、第2特別図柄193の変動パターンに応じて決定する。第2演出決定手段164は、第2装飾図柄191の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルや、変動パターンを決定するために参照すべきパターンテーブルを保持する。さらに第2演出決定手段164は、第2特別遊技実行中に実行する演出も決定する。第2演出決定手段164は、第2特別遊技制御手段156より供給される単位遊技の開始タイミング、単位遊技のラウンド数に応じて、ラウンドの演出表示を決定する。
【0052】
第1装飾図柄190および第2装飾図柄191の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、たとえば第1抽選手段126または第2抽選手段128による判定結果が特別遊技への移行を示す場合は「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、第1装飾図柄190や第2装飾図柄191として揃える数字には、第1特別図柄192や第2特別図柄193と同じ数字が選ばれるのが好ましい。たとえば、第1特別図柄192または第2特別図柄193が「3」の場合は第1装飾図柄190または第2装飾図柄191が「333」となる。第1抽選手段126または第2抽選手段128による判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せが選択される。ただし、当否判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合であって、リーチ付きの外れを示す特別図柄の変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。第1演出決定手段162および第2演出決定手段164は、第1装飾図柄190および第2装飾図柄191の停止図柄と演出画像の変動パターンの情報を演出表示制御手段134へ送る。
【0053】
演出画像の変動パターンには、演出画像の変動表示態様、すなわち演出画像の変動開始から変動停止までの演出過程が定義される。変動パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当たりとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当たり図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい演出画像の変動パターンを選択する。
【0054】
演出表示制御手段134は、第1演出制御手段168、第2演出制御手段170、演出調整手段172、および領域設定手段174を含む。第1演出制御手段168は、演出表示実行手段198を制御して、第1抽選手段126による第1の当否抽選の結果を、選択された変動パターンデータにしたがって演出画像として演出表示装置60の第1領域194に変動表示させる。演出表示実行手段198は、選択された変動パターンデータをもとに、第1パターン記憶手段158に記憶されたパターンを読み出し、演出画像として表示する。また第1特別遊技の実行中、第1演出制御手段168は、演出表示実行手段198を制御して、ラウンド演出を演出表示装置60の全面で実行させてもよい。このとき、演出表示装置60の右上隅などの所定の領域に、第1特別遊技を発生させることになった当たり態様の第1装飾図柄190が点滅表示される。
【0055】
第2演出制御手段170は、演出表示実行手段198を制御して、第2抽選手段128による第2の当否抽選の結果を、選択された変動パターンデータにしたがって演出画像として演出表示装置60の第2領域195に変動表示させる。演出表示実行手段198は、選択された変動パターンデータをもとに、第2パターン記憶手段160に記憶されたパターンを読み出し、演出画像として表示する。また第2特別遊技の実行中、第2演出制御手段170は、演出表示実行手段198を制御して、ラウンド演出を演出表示装置60の全面で実行させてもよい。このとき、演出表示装置60の右上隅などの所定の領域に、第2特別遊技を発生させることになった当たり態様の第2装飾図柄191が点滅表示される。
【0056】
領域設定手段174は、演出表示装置60の画面において第1領域194および第2領域195を設定する。第1領域194および第2領域195は、同じ画面内に並べられるように、または、重ね合わされるように設定されてもよい。本実施例においては、演出表示装置60として単一の表示装置を例示するが、変形例においては複数の表示装置で複合的に構成させてもよい。その場合、第1領域194と第2領域195はそれぞれ別個の表示装置に設定されてもよい。領域設定手段174は、演出表示装置60の画面において、第1領域194を第2始動口63よりも第1始動口62および第3始動口67に近い位置へ設定し、第2領域195を第1始動口62および第3始動口67よりも第2始動口63に近い位置へ設定する。本実施例においては、第1始動口62および第3始動口67が左側に設けられ、第2始動口63が右側に設けられているのに合わせて、第1領域194が左側に設けられ、第2領域195が右側に設けられる。これにより、第1領域194と第1始動口62および第3始動口67とが対応し、第2領域195と第2始動口63とが対応する関係が遊技者にとって感覚的に把握しやすい。このように、複数の遊技性が混在してもそれぞれの遊技性が個別に把握できるよう制御することにより、遊技の複雑化を回避しつつ斬新な遊技性を実現することができる。
【0057】
なお領域設定手段174は、第1特別遊技または第2特別遊技のいずれかの実行中、演出表示装置60の画面の全面をラウンド演出に利用してもよい。ラウンド演出中は、第1特別図柄192および第2特別図柄193のいずれの変動も実行されないため、ラウンド演出の画面領域を広くとることで、遊技者は特別遊技を楽しむことができる。
【0058】
演出調整手段172は、第1装飾図柄190および第2装飾図柄191のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の進行を規制する。演出調整手段172は、たとえば第1装飾図柄190の変動表示が開始された場合、第1装飾図柄190の変動が停止されるまで第2装飾図柄191の変動表示開始を待機させる。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
【0059】
演出表示実行手段198は、演出表示制御手段134により制御される演出を演出表示装置60に画面表示する。具体的に、演出表示実行手段198は、領域設定手段174により設定された領域に、第1演出制御手段168および/または第2演出制御手段170により制御された演出を表示する。結果として、通常遊技中は、演出表示装置60の第1領域194または第2領域195のいずれかで第1装飾図柄190または第2装飾図柄191の変動表示が実行され、特別遊技中は、演出表示装置60の全面で第1特別遊技ないしは第2特別遊技のラウンド演出が実行される。ラウンド演出では、特別遊技を発生させた当たり図柄が画面右上隅に点滅表示などされる。
【0060】
図4は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が第1始動口62、第2始動口63、第3始動口67、一般入賞口72、第1大入賞口91、第2大入賞口92などへ入賞した場合や、遊技球が作動口68を通過した場合の処理を実行し(S10)、特別遊技中でなければ(S12のN)、当否抽選などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、特別遊技中であれば(S12のY)、第1特別遊技または第2特別遊技の制御処理を実行し(S16)、S10からS16までの処理における各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
【0061】
図5は、図4におけるS10の入賞処理を詳細に示すフローチャートである。第1始動口62または第3始動口67へ入賞した場合であって(S50のY)、第1保留手段144への保留が上限を超えない場合(S52のY)、特図調整手段152が第1始動口62または第3始動口67への入賞の順序を記録し(S54)、第1保留手段144に第1の当否抽選値が格納される(S56)。S50において第1始動口62または第3始動口67へ入賞がない場合は(S50のN)、S52〜S56の処理をスキップする。S52において、第1始動口62または第3始動口67へ入賞したもののその保留が第1保留手段144の上限数を超えてしまう場合は(S52のN)、S54とS56の処理をスキップする。次に、第2始動口63へ入賞した場合であって(S58のY)、第2保留手段146への保留が上限を超えない場合(S60のY)、特図調整手段152が第2始動口63への入賞の順序を記録し(S61)、第2保留手段146に第2の当否抽選値が格納される(S62)。S58において第2始動口63へ入賞がない場合は(S58のN)、S60〜S62の処理をスキップする。S60において、第2始動口63へ入賞したもののその保留が第2保留手段146の上限数を超えてしまう場合は(S60のN)、S61とS62の処理をスキップする。次に、作動口68へ遊技球が通過した場合であって(S63のY)、普図保留手段147への保留が上限を超えない場合(S64のY)、普図保留手段147に普図抽選値が格納される(S65)。S63において作動口68への遊技球の通過がない場合は(S63のN)、S64およびS65の処理をスキップする。S64において作動口68を遊技球が通過したもののその保留が普図保留手段147の上限数を超えてしまう場合は(S64のN)、S65の処理をスキップする。
【0062】
図6は、図4におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。第1特別図柄192の変動表示タイミングである場合(S66のY)、第1特別図柄192および第1装飾図柄190の変動表示を処理し(S67)、第1特別図柄192の変動表示タイミングでない場合(S66のN)、第2特別図柄193および第2装飾図柄191の変動表示を処理する(S68)。第1特別図柄192の変動表示タイミングであるか、第2特別図柄193の変動表示タイミングであるかは、特図調整手段152により記録された第1始動口62および第3始動口67への入賞と第2始動口63への入賞の順序に応じて決定される。次に、普通図柄の変動表示を処理する(S69)。このように第1特別図柄192および第2特別図柄193のうち一方のみが選択的に変動表示されるとともに、第1装飾図柄190および第2装飾図柄191のうち一方のみが選択的に変動表示される。
【0063】
図7は、図6におけるS67、S68、S69の図柄変動処理を詳細に示すフローチャートである。S67、S68、S69における各図柄変動は、基本的に処理が共通するので、これらを一つのフローでまとめて説明する。以下、S67の処理としては第1特別図柄192および第1装飾図柄190の変動表示を示し、S68の処理としては第2特別図柄193および第2装飾図柄191の変動表示を示し、S69の処理としては普通図柄の変動表示を示す。保留制御手段116に抽選値の保留がなされている場合(S30のY)、図柄変動が表示中でなければ(S32のN)、当否抽選手段112が当否判定処理を実行する(S34)。その判定結果に応じた変動パターンにしたがって変動表示が開始される(S36)。S30において抽選値が保留されていなかった場合は(S30のN)、S32からS36までの処理がスキップされ、S32において図柄変動が表示中であった場合は(S32のY)、S34およびS36の処理がスキップされる。続いて、すでに図柄変動表示が開始されていれば(S38のY)、図柄変動表示を処理し(S40)、図柄表示の停止タイミングに達したときは(S42のY)、表示中の図柄変動を停止する(S44)。S38において図柄変動表示が開始されていないときは(S38のN)、S40からS44の処理をスキップする。S42において図柄表示の停止タイミングに達していないときは(S42のN)、S44の処理をスキップする。
【0064】
図8は、図4におけるS16の特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。実行中の特別遊技が第1特別遊技であれば(S90のY)、第1特別遊技の制御を処理し(S92)、実行中の特別遊技が第1特別遊技でなければ(S90のN)、第2特別遊技の制御を処理する(S94)。このように第1特別遊技および第2特別遊技のいずれか一方のみが選択的に実行される。
【0065】
図9は、図8におけるS92の第1特別遊技とS94の第2特別遊技を詳細に示すフローチャートである。S92、S94における各特別遊技は、基本的に処理が共通するので、これらを一つのフローでまとめて説明する。まず、第1大入賞口91または第2大入賞口92が開放済でなければ(S70のN)、演出表示制御手段134が特別遊技の演出処理を開始し(S72)、開閉制御手段124が第1大入賞口91または第2大入賞口92を開放する(S74)。第1大入賞口91または第2大入賞口92が開放済であればS72およびS74をスキップする(S70のY)。第1大入賞口91または第2大入賞口92が開放されてから所定の開放時間が経過した場合(S76のY)、または、開放時間が経過していないものの(S76のN)、第1大入賞口91または第2大入賞口92への入球数が9球以上に達した場合(S78のY)、開閉制御手段124が第1大入賞口91または第2大入賞口92を閉鎖させる(S80)。開放時間が経過しておらず(S76のN)、第1大入賞口91または第2大入賞口92への入球数も9球以上に達していない場合は(S78のN)、S80以降の処理をスキップしてS92またはS94のフローを終了する。
【0066】
S80における第1大入賞口91または第2大入賞口92の閉鎖後、単位遊技のラウンド数が15に達していた場合(S82のY)、演出表示制御手段134は特別遊技の演出処理を終了させ(S84)、特別遊技制御手段120は特別遊技を終了させる(S86)。ラウンド数が15に達していなければ(S82のN)、ラウンド数に1を加算してS92またはS94のフローを終了する(S90)。
【0067】
以上、本実施例のぱちんこ遊技機10の基本動作について説明した。図3に関連して説明したように、メイン基板102は、第1特別図柄192による第1の遊技と第2特別図柄193による第2の遊技を制御するメイン制御装置を有し、サブ基板104は、メイン制御装置からの情報に応じて遊技の演出表示を制御する第1サブ制御装置と、第1サブ制御装置により制御されて演出表示を実行する第2サブ制御装置を有する。図3に示すサブ基板104において、第1サブ制御装置は、演出決定手段132および演出表示制御手段134を有して構成され、第2サブ制御装置は画像処理ユニットであって、パターン記憶手段130および演出表示実行手段198を有して構成される。
【0068】
図10は、メイン制御装置200、第1サブ制御装置300、第2サブ制御装置400の関係を示す関係図である。メイン制御装置200と第1サブ制御装置300との間の通信は、メイン制御装置200から第1サブ制御装置300への単方向通信のみが許容される。通信方向を制限することにより、メイン制御装置200(メイン基板102)による出球制御の独立性が確保される。したがって、本実施例のぱちんこ遊技機10において、第1サブ制御装置300からメイン制御装置200への逆方向の通信は許容されず、第1サブ制御装置300がメイン制御装置200の動作を制御することはできない。
【0069】
サブ基板104において、第1サブ制御装置300と第2サブ制御装置400の間の双方向通信が許容される。第2サブ制御装置400は、演出表示用のキャラクタを格納したROMや、演出音声用のサウンドを格納したROMを含む。第1サブ制御装置300は、第2サブ制御装置400を制御して、演出表示装置60における演出表示を実行させ、またスピーカ18による演出用の音声出力を実行させる。
【0070】
メイン制御装置200が、遊技に関する制御を統括的に実行し、第1サブ制御装置300は、遊技の進行に合わせた演出処理の制御を行い、第2サブ制御装置400は、第1サブ制御装置300により制御された演出の実行を担当する。たとえば、本実施例のぱちんこ遊技機10のように、第1の遊技と第2の遊技が存在する場合、メイン制御装置200は、両者の遊技を切り分けて制御し、第1サブ制御装置300に対して遊技の進行状況などを示す情報を逐次送信する。第1サブ制御装置300は、その情報をもとに、状況に応じた演出を決定し、第2サブ制御装置400が、その決定された演出を実行する。
【0071】
本実施例のぱちんこ遊技機10のように、メイン制御装置200と第1サブ制御装置300とがそれぞれ異なる基板に形成されている場合、メイン制御装置200から第1サブ制御装置300に送信する情報に異常が発生する場合がある。このような異常は頻繁に発生するものではないが、たとえば、通信中に混入するノイズであったり、またプログラム中のバグなどが発生原因となって、正常な情報に誤った情報が付加されたり、誤った情報に書き換えられたりすることがある。メイン制御装置200から伝送されてきた情報に異常がある場合、第1サブ制御装置300が適切に処理して、第2サブ制御装置400により演出表示装置60に表示される演出を停止させることなく、維持することが好ましい。本実施例では、2つの遊技の存在が前提となっているが、たとえば第1特別図柄192の変動中に、第2特別図柄193の変動停止を指示する情報が伝送されると、この変動停止に関する情報に異常があることが認められる。本実施例の第1サブ制御装置300は、このような状況に適切に対応できる演出制御を実行する。
【0072】
図11は、本実施例の第1サブ制御装置300の機能ブロックを示す。第1サブ制御装置300は、図3に示した演出決定手段132および演出表示制御手段134だけでなく、受付手段302、メモリ304、整合性判定手段306をさらに有して構成される。
【0073】
受付手段302は、メイン制御装置200からの情報を受け付ける。メイン制御装置200から送信される情報には、遊技の進行状況を示す情報や、コマンドを表現する情報などが含まれる。本実施例のぱちんこ遊技機10において、通常遊技中は、第1特別図柄192または第2特別図柄193のいずれを変動するか、また変動時間、停止図柄などの情報が受付手段302に送信される。また特別遊技中では、総ラウンド数、ラウンドの開始指示、終了指示、現在何ラウンド目の単位遊技かを示すラウンド数などの情報が受付手段302に送信される。メイン制御装置200から送信される情報は、逐次メモリ304に記録される。なおメモリ304には、送信される全ての情報が記録される必要はなく、情報の整合性を判定するために基準となる情報が記録されていればよい。
【0074】
整合性判定手段306は、受付手段302において受け付けた情報の整合性を判定する。具体的には、整合性判定手段306が、受け付けた情報と、それ以前に受け付けてメモリ304に記録している情報との整合性を判定する。
【0075】
(通常遊技中)
メイン制御装置200は、遊技の進行状況に応じて、演出を変化させるために必要な情報を第1サブ制御装置300に送信する。本実施例のぱちんこ遊技機10では、第1特別図柄192または第2特別図柄193のいずれか一方の変動のみが許容される。そのため、特別図柄の変動開始時には、変動させる特別図柄の種別、変動時間(変動パターン)、当否抽選結果、停止図柄などが第1サブ制御装置300に送信される。また、変動停止時には、停止させる特別図柄の種別、および停止指示が第1サブ制御装置300に送信される。なお、停止図柄については、変動停止時に送信されてもよい。
【0076】
このとき、ノイズによる伝送エラーなどにより、変動開始時に送信される特別図柄の種別と、変動停止時に送信される特別図柄の種別が異なる状況が発生することがある。本実施例の第1サブ制御装置300は、そのような情報間での整合性がとれない場合に、遊技者に大きな違和感を与えないような演出制御を行う。
【0077】
この状況下では、メモリ304に、変動開始時に送信されてきた情報が記録されており、整合性判定手段306は、変動停止時に受付手段302において受け付けた情報と、それ以前に受付手段302において受け付け、既にメモリ304に記録されている情報との整合性をみる。このとき、変動開始時の特別図柄の種別が第1特別図柄192であり、変動停止時の特別図柄の種別が第2特別図柄193であれば、整合性判定手段306は、受け付けた情報に異常があることを判定する。このように、整合性判定手段306は、情報間で特別図柄の種別について整合性がとれない場合に、受け付けた情報に異常があることを判定してもよい。具体的には、受付手段302が一つの特別図柄の変動に対して、他の特別図柄の停止に関する情報を受け付けた場合に、整合性判定手段306は、その情報が異常であることを判定してもよい。これにより、複数の特別図柄が混在するぱちんこ遊技機10において特別図柄の種別を伝送する際にエラーが発生した場合であっても、適切に、その伝送エラーの発生を判定できる。
【0078】
本来の正常な情報が送信されている間、演出決定手段132が、受け付けた情報に応じた演出を決定し、演出表示制御手段134が、演出決定手段132により決定された演出を第2サブ制御装置400に実行させる。しかしながら、送信情報に異常な情報が含まれている場合、従来の演出決定手段は、情報の整合性をとることができないために、演出を決定することができない。演出を決定できなければ、演出表示装置60にて演出表示を実行できないため、遊技者からすると、遊技機内部で何らかのエラーが発生していることを認識できてしまう。
【0079】
そこで、本実施例の整合性判定手段306が、受け付けた情報に異常があることを判定すると、演出決定手段132は、通常の演出を決定するのではなく、異常発生時用の演出を決定する機能をもつ。演出決定手段132は、異常発生の通知を整合性判定手段306から受けると、受け付けた異常情報も加味して、遊技者に対して有意な演出を決定し、遊技者に大きな違和感をもたせないようにする。
【0080】
たとえば、特別図柄の種別に整合性がとれず、且つ当否抽選結果が外れの場合、演出決定手段132は外れ図柄を決定して、演出表示制御手段134に送信し、第2サブ制御装置400により外れ図柄を演出表示装置60に表示させる。これにより、特別図柄の種別に整合性がとれない場合であっても、第1サブ制御装置300は、演出表示装置60において外れの装飾図柄を表示させることが可能となる。これにより、第2サブ制御装置400は、情報の整合性がとれていないことを認識する必要もなく、第1サブ制御装置300において情報間の整合性の矛盾を吸収できる。
【0081】
また、特別図柄の種別に整合性がとれず、且つ当否抽選結果が当たりの場合、演出決定手段132は通常の当たり図柄を停止図柄として決定して、演出表示制御手段134に送信し、第2サブ制御装置400により演出表示装置60に表示させる。ここで、通常の当たり図柄とは、確変を発生させる当たり図柄ではない当たり図柄を意味する。たとえば、奇数図柄が確変当たり図柄に設定されている場合は、偶数図柄を通常の当たり図柄と呼ぶ。通常の当たり図柄を停止図柄として設定することで、遊技者に対して、少なくとも当否抽選結果を正確に表現できる。一方、メイン制御装置200より特別図柄の確変当たり図柄が送信された場合であっても、その特別図柄の種別が誤っていることから、その停止図柄自体についても誤っている可能性がある。確変当たり図柄での当たりでない場合に、確変当たりであることを遊技者に報知することは、遊技者の期待を裏切る結果となり好ましくないため、演出決定手段132は、その場合を考慮して、通常の当たり図柄を停止図柄として決定する。これにより、遊技者に違和感を与えない演出を決定し、実行することができる。
【0082】
なお、第1サブ制御装置300における処理は、あくまでも演出に関するものである。実際の遊技は、メイン制御装置200により管理されており、本実施例ではメイン制御装置200による遊技制御にエラーが発生した場合は想定していない。そのため、第1特別図柄192ないしは第2特別図柄193は適切に変動し、また抽選も適切に実行される状況下で、メイン制御装置200による遊技制御の状況が適切に第1サブ制御装置300に伝えられない場合を想定している。本実施例では、上記したように、整合性判定手段306が、伝送される情報間の異常を判定することで、演出決定手段132が、第1装飾図柄190または第2装飾図柄191の異常発生時用の演出を決定することができる。
【0083】
(特別遊技中)
本実施例のぱちんこ遊技機10では、第1特別図柄192による第1の遊技と第2特別図柄193による第2の遊技とが混在し、したがって、発生する特別遊技も2種類ある。メイン制御装置200においては、第1特別遊技制御手段154および第2特別遊技制御手段156が、それぞれの特別遊技を制御する。したがって、伝送エラーが発生しない状況下では、第1特別遊技制御手段154ないしは第2特別遊技制御手段156から、特別遊技の進行状況についての情報が第1サブ制御装置300に伝達され、演出決定手段132では、特別遊技のラウンド演出が適宜決定されることになる。
【0084】
しかしながら、ノイズによる伝送エラーなどにより、当たり態様で停止した特別図柄の種別と、その後に発生する特別遊技中にメイン制御装置200から第1サブ制御装置300に送信される指示における特別図柄の種別が異なる状況が発生することがある。たとえば、第1特別図柄192の当たり図柄で変動を停止した後、第2特別図柄193の第2特別遊技の実行に関する情報を受け付ける場合である。本実施例の第1サブ制御装置300は、特別遊技中であっても、情報間で整合性がとれないものがある場合に、遊技者に大きな違和感を与えないような演出制御を行う機能をもつ。
【0085】
この状況下では、メモリ304に、当たり態様の特別図柄の種別を示す情報が記録されている。整合性判定手段306は、受付手段302において受け付けた情報と、それ以前に受付手段302において受け付け、既にメモリ304に記録されている情報との整合性をみる。このとき、当たり態様を示した停止図柄の特別図柄の種別が第1特別図柄192であり、その後に発生する特別遊技に関する指示が第2特別遊技に対するものである場合には、整合性判定手段306は、受け付けた情報に異常があることを判定する。このように、整合性判定手段306は、情報間で特別図柄の種別について整合性がとれない場合に、受け付けた情報に異常があることを判定してもよい。これにより、複数の特別図柄が混在するぱちんこ遊技機10において特別図柄の種別を伝送する際にエラーが発生した場合であっても、適切に、その伝送エラーの発生を判定できる。
【0086】
本来の正常な情報が送信されている間、演出決定手段132が、受け付けた情報に応じたラウンド演出を決定し、演出表示制御手段134が、演出決定手段132により決定されたラウンド演出を第2サブ制御装置400に実行させる。特別遊技中、演出表示装置60においてラウンド演出が表示されるが、その際、画面右上隅には、特別遊技を発生させることになった装飾図柄の停止図柄が点滅表示される。
【0087】
本実施例のぱちんこ遊技機10においては、整合性判定手段306が、受け付けた情報に異常があることを判定すると、演出決定手段132は、異常発生時用の演出を決定する機能をもつ。その際、演出決定手段132は、画面右上隅で点滅表示させる装飾図柄を、所定の外れ図柄とする。この図柄は、通常の当たり図柄であってもよい。
【0088】
受付手段302は、第1特別図柄192の当たり図柄での変動停止の情報を受け付けた後、第2特別図柄193の第2特別遊技の実行に関する情報を受け付けた場合に、整合性判定手段306は、その情報が異常であることを判定する。たとえば、第1特別図柄192が「7」であり、また第1装飾図柄190が「777」で停止したときに、メイン制御装置200から第1サブ制御装置300に対して、第2特別遊技を発生させることに関する情報が送信された場合を想定する。このとき、整合性判定手段306は、第1特別遊技を実行する予定にあるにもかかわらず、第2特別遊技に関する情報が送信されてきたことを認識して、この情報に異常が存在することを判定する。演出決定手段132は、その判定結果を受けて、ラウンド演出の際に点滅表示させる装飾図柄を、外れ図柄に変更する。送信されてきた情報に異常が存在することで、その情報に基づいて演出を決定できないため、演出決定手段132は、点滅表示させる図柄を所定の外れ図柄とすることで、演出が停止してしまう事態を回避し、大当たり演出を遊技者に提供する。
【0089】
なお、この外れ図柄の表示は目立たないように行うことが好ましい。これにより、さらに遊技者に対して違和感を与えない演出を実現できる。なお、特別遊技自体は、メイン制御装置200により制御されているため、遊技者に対して出球の不利益を与えることはない。
【0090】
また受付手段302が、第1特別図柄192が当たり図柄で停止した後に行われる第1特別遊技の実行中に、第2特別図柄193の第2特別遊技に関する情報を受け付けた場合に、整合性判定手段306は、その情報が異常であることを判定する。たとえば、第1特別図柄192が「7」であり、また第1装飾図柄190が「777」で停止して第1特別遊技が発生している間に、メイン制御装置200から第1サブ制御装置300に対して、第2特別遊技の進行状況に関する情報が送信された場合を想定する。このとき、整合性判定手段306は、第1特別遊技の実行中に、第2特別遊技に関する情報が送信されてきたことを認識して、この情報に異常が存在することを判定する。演出決定手段132は、その判定結果を受けて、ラウンド演出の際に点滅表示させる装飾図柄を、外れ図柄に変更する。送信されてきた情報に異常が存在することで、その情報に基づいて演出を決定できないため、演出決定手段132は、点滅表示させる図柄を所定の外れ図柄とすることで、演出が停止してしまう事態を回避する。
【0091】
なお受付手段302は、特別遊技の実行中に、以前に受け付けたラウンド数を示す情報から予測されるラウンド数とは異なる情報を受け付ける場合がある。たとえば、前回受け付けた情報により第3ラウンドが停止された場合、次の情報により第4ラウンドが開始されることが予測される。このとき、第4ラウンドを開始させることを指示する情報ではなく、第8ラウンドを開始させることを指示する情報が送信されてくると、整合性判定手段306は、送信されたラウンド数の指示が予測したものとは異なるために、その情報に異常が存在することを判定する。演出決定手段132は、指示された情報によるラウンド数(第8ラウンド)の演出表示を決定するが、一方で、画面右上隅に点滅表示させる装飾図柄は外れ図柄とする。これにより、演出が停止する事態は回避できる。
【0092】
(実施例2)
実施例2におけるぱちんこ遊技機は、設けられた大入賞口が1個である点で、2個の大入賞口が設けられた実施例1のぱちんこ遊技機と異なる。大入賞口の数以外は、基本的に実施例1のぱちんこ遊技機と同様の構成および機能を有する。以下、実施例1との相違点を中心に本実施例を説明する。
【0093】
図12は、実施例2におけるぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。大入賞口66は、遊技領域52の下部に設けられる。大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、入口を開閉させるための大入賞口ソレノイド80を含む。大入賞口66は第1の遊技および第2の遊技の双方に対応する大入賞口として共用される。入賞検出装置78は、遊技球の入球を示す入賞情報として、第1特別遊技中は第1大入賞口入賞情報を生成し、第2特別遊技中は第2大入賞口入賞情報を生成する。大入賞口66は、アウト口58の上方の位置に設けられる。以上のように、単体の大入賞口66が、実施例1における第1大入賞口91および第2大入賞口92の機能を兼ね備える構成となっている。これにより、遊技領域上のスペースを有効活用できる。また、連続的に状態変化する可変入球装置を共通とすることで、特別遊技の動作制御を単純にすることができ、また製造コストの削減にもつながる。
【0094】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、変形例を挙げる。
【0095】
実施例では、複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、互いに遊技性を打ち消し合わないよう片方ずつ実行されるぱちんこ遊技機10について説明した。しかしながら、ぱちんこ遊技機10の遊技性はこれに限定するものではなく、第1の遊技と第2の遊技とが、同時並行的に実行されてもよい。すなわち、第1の遊技の特別図柄と第2の遊技の特別図柄とが同時並行的に変動してもよい。なお、このぱちんこ遊技機においても、第1の遊技における第1特別遊技と第2の遊技における第2特別遊技は、互いに遊技性を打ち消し合わないよう片方ずつ実行される。
【0096】
実施例においては、情報をメモリ304に記録する期間について示していないが、通常遊技は、一変動単位で遊技が実行されるため、一回の変動の期間を、メモリ304に記録する期間としてもよい。したがって、通常遊技中は、変動が終了すると、メモリ304に記録されている情報が消去され、新たな変動が開始すると、メモリ304に情報を逐次記録することになる。一方、特別遊技中は、特別遊技全体の整合性をみる必要があるため、当たり態様の図柄の停止時から特別遊技の終了までの期間を、メモリ304に記録する期間とする。
【0097】
各実施例においては、第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71として、それぞれ異なる形態の表示装置を用いた例を説明した。すなわち、第1特別図柄表示装置70として7セグメントLED表示装置を用い、第2特別図柄表示装置71として「○」と「×」の2種類のマークを表示する装置を用いる例を説明した。変形例においては、第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71として、それぞれ同じ形態の表示装置を用いてもよい。たとえば、第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71として、ともに7セグメントLED表示装置を用いる構成としてもよいし、第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71として、ともに他の形態の表示装置を用いる構成としてもよい。これにより、第1特別図柄192および第2特別図柄193を決定するときに参照する第1図柄範囲テーブルおよび第2図柄範囲テーブルを一つの図柄範囲テーブルに共通化でき、構成および処理を簡素にすることができる。また、第2特別図柄表示装置71として、第1特別図柄表示装置70と同様の7セグメントLED表示装置を用いれば、確変への移行、第2特別遊技の単位遊技回数や開放時間を、特別な抽選を実行しなくとも第2特別図柄193に応じて決定することができ、構成や処理を簡素にすることができる。
【符号の説明】
【0098】
10・・・ぱちんこ遊技機、60・・・演出表示装置、70・・・第1特別図柄表示装置、71・・・第2特別図柄表示装置、100・・・遊技制御装置、102・・・メイン基板、104・・・サブ基板、120・・・特別遊技制御手段、126・・・第1抽選手段、128・・・第2抽選手段、130・・・パターン記憶手段、132・・・演出決定手段、134・・・演出表示制御手段、138・・・第1図柄決定手段、140・・・第2図柄決定手段、148・・・第1特図制御手段、150・・・第2特図制御手段、152・・・特図調整手段、154・・・第1特別遊技制御手段、156・・・第2特別遊技制御手段、158・・・第1パターン記憶手段、160・・・第2パターン記憶手段、162・・・第1演出決定手段、164・・・第2演出決定手段、168・・・第1演出制御手段、170・・・第2演出制御手段、172・・・演出調整手段、174・・・領域設定手段、190・・・第1装飾図柄、191・・・第2装飾図柄、192・・・第1特別図柄、193・・・第2特別図柄、194・・・第1領域、195・・・第2領域、198・・・演出表示実行手段、200・・・メイン制御装置、300・・・第1サブ制御装置、302・・・受付手段、304・・・メモリ、306・・・整合性判定手段、400・・・第2サブ制御装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ぱちんこ遊技機等の弾球遊技機に関し、特に弾球遊技機における制御装置間の情報処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種の弾球遊技機のうち、いわゆる第1種ぱちんこ遊技機と呼ばれていた遊技機は、遊技盤の略中央に設けられた液晶ディスプレイなどの表示領域に複数の図柄を変動させながら表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。この遊技機は、複数列の図柄変動を停止させたときの図柄の組合せが特定の態様となった場合に、通常遊技より多くの賞球が得られる、いわゆる大当たりと呼ばれる特別遊技へと移行するものとして知られている(例えば、特許文献1参照)。表示領域における図柄の変動表示は、単に複数の図柄が変動表示されるだけでなく、いわゆるリーチ画面と呼ばれる状態のように、あと一つ図柄が揃えば大当たりとなる状態で変動表示の時間を通常よりも長くする等、遊技者の期待感を高めるための演出が図られている。また、図柄等の画像にキャラクタを用いて変動表示にストーリーを持たせる演出を施したり、特別遊技への移行確率を変動させる確率変動等の特定遊技の制御によっても遊技者の期待感を高めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−230714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、遊技性向上をさらに追求すべく、第1種、第2種、第3種などの枠に縛られずに、それらを組み合わせた複合機の開発が行われており、第1種と第1種を組み合わせた実機も登場している。複数の遊技を一つの遊技機で実現する場合、従来では想定していなかった様々な問題が発生する可能性がある。たとえば、第1種と第1種を組み合わせた遊技機では、両者の遊技を完全に切り分けて処理する必要があるが、一方の遊技に関するコマンドが、信号の伝送エラーなどにより他方の遊技のコマンドとして取り扱われる事態が発生しうる。そのような場合であっても、遊技機内部で伝送される情報に異常が発生していることを、遊技者に対して知らしめないことが好ましく、発生したエラーを円滑に処理できる技術が望まれる。
【0005】
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、弾球遊技機において発生する異常な情報を円滑に処理する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の弾球遊技機は、第1特別図柄による第1の遊技と第2特別図柄による第2の遊技を制御するメイン制御装置と、メイン制御装置からの情報に応じて遊技の演出表示を制御する第1サブ制御装置と、第1サブ制御装置により制御されて演出表示を実行する第2サブ制御装置を備えた弾球遊技機であって、第1サブ制御装置は、メイン制御装置からの情報を受け付ける受付手段と、受付手段において受け付けた情報の整合性を判定する判定手段と、受付手段において受け付けた情報に応じた演出を決定する演出決定手段と、決定した演出を第2サブ制御装置にて実行させる演出制御手段とを有する。この態様の弾球遊技機において、判定手段により、受け付けた情報に異常があることが判定された場合に、演出決定手段は、異常発生時用の演出を決定する。
【0007】
この態様によると、メイン制御装置から送信された情報に異常が存在する場合、異常発生時用の演出を実行することで、異常情報を円滑に処理して、異常発生により演出が停止する事態を回避する。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体、データ構造などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の弾球遊技機によれば、メイン制御装置から送信される情報に異常が存在する場合であっても、遊技者に対する演出を継続して実行する技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。
【図2】ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す図である。
【図3】本実施例におけるぱちんこ遊技機の機能ブロックを示す図である。
【図4】ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。
【図5】図4におけるS10の入賞処理を詳細に示すフローチャートである。
【図6】図4におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。
【図7】図6におけるS67、S68、S69における図柄変動処理を詳細に示すフローチャートである。
【図8】図4におけるS16の特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。
【図9】図8におけるS92の第1特別遊技とS94の第2特別遊技を詳細に示すフローチャートである。
【図10】メイン制御装置、第1サブ制御装置、第2サブ制御装置の関係を示す関係図である。
【図11】本実施例の第1サブ制御装置の機能ブロックを示す。
【図12】実施例2におけるぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施例1)
本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、互いに遊技性を打ち消し合わないよう片方ずつ実行される。またこれらの遊技性を両立させるために、本実施例のぱちんこ遊技機は、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプ、複数の大入賞口を備える。
【0012】
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。以下、弾球遊技機として従来にいういわゆる第1種ぱちんこ遊技機を例に説明する。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
【0013】
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。
【0014】
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出表示装置60、第1始動入賞口(以下、「第1始動口」という)62、第2始動入賞口(以下、「第2始動口」という)63、第3始動入賞口(以下、「第3始動口」という)67、センター飾り64、第1大入賞口91、第2大入賞口92、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない多数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
【0015】
第1始動口62と第3始動口67は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動口63は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動口62は、始動入賞検出装置74を備える。始動入賞検出装置74は、第1始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動口63は、始動入賞検出装置75を備える。始動入賞検出装置75は、第2始動口63への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。第3始動口67は、始動入賞検出装置77と、普通電動役物65と、普通電動役物65を開閉させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動入賞検出装置77は、第3始動口67への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第3始動入賞情報を生成する。
【0016】
第1始動口62と第3始動口67は第1の遊技に対応する点で機能が共通するが、それぞれへの入球に対する賞球数が異なる。たとえば第1始動口62の賞球数が「3」に設定されるのに対して、第3始動口67の賞球数が「7」に設定されるなど、賞球数に差を設けることにより多様な遊技性を実現する。第1始動口62は第3始動口67の入口を覆うような位置に設けられているので、第3始動口67は普通電動役物65が開放されなければ遊技球が入球しない構造となっている。
【0017】
一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
【0018】
第1大入賞口91は第1の遊技に対応する大入賞口として設けられ、第2大入賞口92は第2の遊技に対応する大入賞口として設けられる。第1大入賞口91は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、第1大入賞口91を開閉させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、第1大入賞口91への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1大入賞口入賞情報を生成する。第2大入賞口92は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置79と、第2大入賞口92を開閉させるための大入賞口ソレノイド81を備える。入賞検出装置79は、第2大入賞口92への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2大入賞口入賞情報を生成する。第1大入賞口91は、第1特別図柄192が所定の態様にて停止したときに「大当たり」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。第1大入賞口91はアウト口58の左上方の位置に設けられる。第2大入賞口92は、第2特別図柄193が所定の態様にて停止したときに「大当たり」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。第2大入賞口92はアウト口58の右上方の位置に設けられる。
【0019】
遊技領域52の略中央に演出表示装置60が設けられ、その左右に第1の遊技に対応する第1特別図柄表示装置70と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示装置71が設けられている。第1特別図柄表示装置70には第1の遊技に対応する第1特別図柄192の変動が表示され、第2特別図柄表示装置71には第2の遊技に対応する第2特別図柄193の変動が表示される。第1特別図柄192は、第1始動口62または第3始動口67への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当たり態様にて停止されたときに第1特別遊技としての大当たりが発生する。第1特別図柄表示装置70は、例えば7セグメントLEDで構成される表示手段であり、第1特別図柄192は「0」〜「9」の10種類の数字で表される。第2特別図柄193は、第2始動口63への遊技球の落入を契機として行われる抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当たり態様にて停止されたときに第2特別遊技としての大当たりが発生する。第2特別図柄表示装置71は、例えば「○」と「×」のマークが交互に点灯するランプで構成される表示手段であり、第2特別図柄193は「○」と「×」の2種類のマークで表される。
【0020】
演出表示装置60の画面には第1の遊技に対応する第1領域194と第2の遊技に対応する第2領域195が設定される。第1領域194には第1特別図柄192に連動する第1装飾図柄190を含む演出画像の変動が表示され、第2領域195には第2特別図柄193に連動する第2装飾図柄191を含む演出画像の変動が表示される。第1領域194と第2領域195は、それぞれの背景に対照的な色を施して視覚的に区別させてもよい。演出表示装置60は、たとえば液晶ディスプレイである。第1装飾図柄190は、第1特別図柄192で示される抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄であり、第1の遊技に対応する。第2装飾図柄191は、第2特別図柄193で示される抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄であり、第2の遊技に対応する。演出表示装置60は、第1装飾図柄190および第2装飾図柄191として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を表示する。演出表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、機械式のドラムやLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、第1特別図柄192および第2特別図柄193は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の第1特別図柄表示装置70および右下方の第2特別図柄表示装置71にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。
【0021】
作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は第3始動口67の普通電動役物65を拡開させるための抽選の契機となる。
【0022】
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72、第1始動口62、第2始動口63、第3始動口67、第1大入賞口91、第2大入賞口92の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
【0023】
遊技球が第1始動口62または第3始動口67に落入すると、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192が変動表示され、演出表示装置60の第1領域194において第1装飾図柄190が変動表示される。遊技球が第2始動口63に落入すると、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193が変動表示され、演出表示装置60の第2領域195において第2装飾図柄191が変動表示される。第1特別図柄192、第2特別図柄193、第1装飾図柄190、第2装飾図柄191の変動表示は、表示に先だって決定された表示時間の経過後に停止される。停止時の第1特別図柄192および第1装飾図柄190が当たり態様であった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である第1特別遊技に移行し、第1大入賞口91の開閉動作が開始される。このときスロットマシンのゲームを模した第1装飾図柄190は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。停止時の第2特別図柄193および第2装飾図柄191が当たり態様であった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である第2特別遊技に移行し、第2大入賞口92の開閉動作が開始される。このときスロットマシンのゲームを模した第2装飾図柄191もまた、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。
【0024】
第1大入賞口91および第2大入賞口92は、約30秒間開放された後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような第1大入賞口91または第2大入賞口92の開閉が所定回数、例えば15回繰り返される。
【0025】
特別遊技が発生した場合であって抽選などの所定の条件が満たされた場合、特別遊技の終了後に特定遊技として確率変動遊技(以下、「確変」という)や変動時間短縮(以下、「時短」という)が開始される。確変中は、通常の確率状態より当たりの確率が高い抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生する。時短は、所定の終期、たとえば第1特別図柄192または第2特別図柄193が100回変動するまで継続される。時短中は、第1特別図柄192または第2特別図柄193の変動時間が概ね短縮される。
【0026】
作動口68を遊技球が通過すると、所定時間、普通図柄と呼ばれる図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右方に設けられる。所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が所定の当たり態様にて停止すると、第3始動口67の普通電動役物65が所定時間拡開する。通常状態においては、普通図柄が当たり態様で停止する確率は低確率に設定されるが、時短中にはその確率が高確率に変動する。そのため、通常状態においては第3始動口67の普通電動役物65が開放される確率も低いが、時短中にはその開放される確率が高くなる。また時短中においては、普通図柄の変動表示時間が短縮されるとともに、普通電動役物65が開放状態となる時間が相対的に長くなるよう設定される。このように、時短中以外は普通電動役物65が開放されにくいのに対し、時短中は普通電動役物65が開放されやすく、しかも開放される回数や開放時間も増加する。したがって、時短中であるか否かで第3始動口67への入球容易性が大きく異なり、その結果時短中であるか否かによって始動入賞口への入賞に対する出玉に大きな差が生じる。時短中は遊技者が出玉をほとんど減らさずに遊技を進行させることができるので、時短中であるか否かに応じて異なる遊技性を実現することができる。
【0027】
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。センター飾り64は、第1の遊技に対応する第1特図保留ランプ20が下部左側に設けられ、第2の遊技に対応する第2特図保留ランプ21が下部右側に設けられ、普通図柄変動に対応する普図保留ランプ22が左側部に設けられている。第1特図保留ランプ20および第2特図保留ランプ21は、それぞれ4個のランプからなり、それぞれの点灯個数によって第1の遊技および第2の遊技のそれぞれにおける当否抽選値の保留数を表示する。第1特図保留ランプ20における当否抽選値の保留数は、第1特別図柄192の変動中、第2特別図柄193の変動中、第1特別遊技の実行中、第2特別遊技の実行中のうちいずれかの間に第1始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特図保留ランプ21における当否抽選値の保留数は、第1特別図柄192の変動中、第2特別図柄193の変動中、第1特別遊技の実行中、第2特別遊技の実行中のうちいずれかの間に第2始動口63へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。普図保留ランプ22もまた4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。また遊技効果ランプ90が遊技領域52に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。操作ボタン82は、遊技者が遊技機側所定の指示を入力するために操作するボタンである。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
【0028】
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102はメイン制御装置を構成して、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、とくに第1始動口62、第2始動口63、第3始動口67へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。すなわちメイン制御装置は、第1特別図柄192による第1の遊技と第2特別図柄193による第2の遊技を制御する。サブ基板104は液晶ユニット42を備えて、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板102のメイン制御装置から送信される情報をもとに演出を実行する。サブ基板104は、メイン制御装置からの情報に応じて遊技の演出を制御する第1サブ制御装置と、第1サブ制御装置により制御されて演出を実行する第2サブ制御装置を含む。第2サブ制御装置は、液晶ユニット42における演出表示を担当するユニットとして構成される。メイン基板102のメイン制御装置、サブ基板104の第1サブ制御装置および第2サブ制御装置は、遊技制御装置100を構成する。
【0029】
セット基盤39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
【0030】
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、第1始動口62、第2始動口63、第3始動口67、第1大入賞口91、第2大入賞口92、一般入賞口72、作動口68、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102と、図柄の演出等を制御するサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
【0031】
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、当否抽選手段112、図柄決定手段114、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124、作動条件保持手段176を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、演出決定手段132、演出表示制御手段134を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。しかしながら、本実施例においては、メイン基板102からサブ基板104への単方向通信は許容するものの、サブ基板104からメイン基板102への通信は許容しない。通信方向を制限することにより、メイン基板102による出球制御の独立性を確保し、外部からの不正行為に対する安全性を高められる。
【0032】
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動口62に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動口63に入賞したと判断し、第3始動入賞情報を受け取ると遊技球が第3始動口67に入賞したと判断する。入球判定手段110は、第1大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第1大入賞口91に入賞したと判断し、第2大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第2大入賞口92に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
【0033】
当否抽選手段112は、第1抽選手段126、第2抽選手段128、普図抽選手段136を含む。第1抽選手段126は、第1始動口62または第3始動口67への遊技球の入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である第1特別遊技へ移行するか否かを判定するために乱数の値を第1の当否抽選値として取得する。第2抽選手段128は、第2始動口63への遊技球の入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である第2特別遊技へ移行するか否かを判定するために乱数の値を第2の当否抽選値として取得する。たとえば、第1と第2の当否抽選値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。普図抽選手段136は、作動口68を遊技球が通過したときに普図抽選値を取得する。各抽選値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ当否抽選値または普図抽選値が取得され、保留される。
【0034】
第1抽選手段126および第2抽選手段128は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、当たりまたは外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当たりの範囲設定に応じて当否確率が定まる。第1抽選手段126および第2抽選手段128は、通常時には通常確率による当否判定のための当否テーブルを参照し、確変時には通常確率より当たりの確率が高い当否テーブルを参照する。第1抽選手段126および第2抽選手段128は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当たりであるか否かを判定する。普図抽選手段136もまた、普通図柄抽選の当否を判定するときに参照する普図当否テーブルを複数保持する。複数の普図当否テーブルには、当たりまたは外れの判定結果と普図抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当たりの範囲設定に応じて当否確率が定まる。普図抽選手段136は、通常時には通常確率による当否判定のための普図当否テーブルを参照し、時短時には通常確率より当たりの確率が高い普図当否テーブルを参照する。
【0035】
第1抽選手段126による判定結果は、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192の形で変動表示され、演出表示装置60の第1領域194において第1装飾図柄190の形で変動表示される。第2抽選手段128による判定結果は、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193の形で変動表示され、演出表示装置60の第2領域195において第2装飾図柄191の形で変動表示される。普図抽選手段136による判定結果は、普通図柄表示装置59において普通図柄の形で変動表示される。
【0036】
図柄決定手段114は、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71に表示させる停止図柄と変動パターンを、当否抽選手段112による抽選の結果に応じて決定する。また、図柄決定手段114は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を抽選により決定する。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。図柄決定手段114は、特別図柄や普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。第1特別図柄192を決定するためのテーブルとして第1図柄範囲テーブルが保持され、第2特別図柄193を決定するためのテーブルとして第2図柄範囲テーブルが保持される。第1図柄範囲テーブルには、「0」〜「9」の数字で表される第1特別図柄192と図柄決定抽選値との対応関係が定められている。第2図柄範囲テーブルには、「○」および「×」のマークで表される第2特別図柄193と図柄決定抽選値との対応関係が定められている。図柄決定手段114は、変動パターンを決定するために参照すべきパターン決定テーブルを保持する。第1特別図柄192の変動パターンを決定するためのテーブルとして第1パターン決定テーブルが保持され、第2特別図柄193の変動パターンを決定するためのテーブルとして第2パターン決定テーブルが保持される。ただし、変形例においては、第1パターン決定テーブルと第2パターン決定テーブルとを一つのパターン決定テーブルとして共通化してもよい。
【0037】
図柄決定手段114は、第1図柄決定手段138、第2図柄決定手段140、普図決定手段142を含む。第1図柄決定手段138は、第1特別図柄192を決定するための図柄決定抽選値を取得し、第1図柄範囲テーブルを参照し、第1抽選手段126による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて第1特別図柄192の停止図柄を決定する。第1図柄決定手段138は、第1パターン決定テーブルを参照し、当否抽選手段112による当否判定結果に応じて複数の変動パターンからいずれかのパターンを選択する。第2図柄決定手段140は、第2特別図柄193を決定するための図柄決定抽選値を取得し、第2図柄範囲テーブルを参照し、第2抽選手段128による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて第2特別図柄193の停止図柄を決定する。第2図柄決定手段140は、第2パターン決定テーブルを参照し、当否抽選手段112による当否判定結果に応じて複数の変動パターンからいずれかのパターンを選択する。第1図柄決定手段138および第2図柄決定手段140は、決定した停止図柄および変動パターンを示す情報をメイン表示制御手段118および演出決定手段132へ送出する。
【0038】
第1図柄決定手段138および第2図柄決定手段140は、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動態様が定められた複数種の変動パターンを記憶する。複数種の変動パターンは、長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。
【0039】
普図決定手段142は、遊技球が作動口68を通過した場合に、普通図柄を決定するための抽選乱数を取得し、その抽選乱数に応じて普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を決定する。普通図柄の停止図柄が特定の図柄であった場合、開閉制御手段124が第3始動口67の普通電動役物65を所定時間拡開する。
【0040】
保留制御手段116は、第1保留手段144、第2保留手段146、普図保留手段147を含む。第1保留手段144は、第1抽選手段126により取得された第1の当否抽選値を保留球として保持する。第2保留手段146は、第2抽選手段128により取得された第2の当否抽選値を保留球として保持する。普図保留手段147は、普図抽選手段136により取得された普図抽選値を保留球として保持する。第1と第2の当否抽選値と普図抽選値は、それぞれの保留数が所定の上限に達するまで蓄積される。保留数の上限はそれぞれ4である。第1保留手段144により保留された第1の当否抽選値の数は第1特図保留ランプ20におけるランプの点灯数で表され、第2保留手段146により保留された第2の当否抽選値の数は第2特図保留ランプ21におけるランプの点灯数で表され、普図保留手段147により保留された普図抽選値の数は普図保留ランプ22におけるランプの点灯数で表される。
【0041】
メイン表示制御手段118は、第1特図制御手段148、第2特図制御手段150、特図調整手段152、普図制御手段153を含む。第1特図制御手段148は、第1抽選手段126による抽選の結果を第1図柄決定手段138により決定された変動パターンにしたがって第1特別図柄192の変動表示として第1特別図柄表示装置70に表示させる。第2特図制御手段150は、第2抽選手段128による抽選の結果を第2図柄決定手段140により決定された変動パターンにしたがって第2特別図柄193の変動表示として第2特別図柄表示装置71に表示させる。第1特図制御手段148および第2特図制御手段150は、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134および/または演出決定手段132へ送信することにより、メイン表示制御手段118および演出表示実行手段198による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段153は、普図抽選手段136による抽選の結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置59に表示させる。
【0042】
特図調整手段152は、第1特別図柄192および第2特別図柄193のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の開始を待機させる。特図調整手段152は、第1始動口62または第3始動口67、および、第2始動口63のうちいずれに遊技球が入球したかの順序にしたがって第1特別図柄192と第2特別図柄193とを選択的に変動表示させる。たとえば、第1始動口62、第1始動口62、第2始動口63の順序で入球したときは、第1特別図柄192、第1特別図柄192、第2特別図柄193の順序で変動表示される。特図調整手段152は保留制御手段116を監視して当否抽選値の保留順序を記憶する。どちらの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順、すなわち保留制御手段116における当否抽選値の保留順序にしたがって決定されるので、遊技者は変動の順序を視覚的に把握しやすい。これにより、複数の遊技性が混在してもそれぞれの遊技性が個別に把握できるよう制御することにより、遊技の複雑化を回避しつつ斬新な遊技性を実現することができる。
【0043】
なお、変形例における特図調整手段152は、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを交互に優先してもよい。たとえば第1保留手段144および第2保留手段146のうちいずれかにだけ当否抽選値が保留されているときは、第1特別図柄および第2特別図柄のうち一方のみが連続して変動表示され得る。しかし、第1保留手段144と第2保留手段146の双方に当否抽選値が保留されているときは、第1特別図柄と第2特別図柄とが交互に変動表示される。このように、変形例においては第1特別図柄192と第2特別図柄193は同時には変動表示されないので、遊技者は複数の遊技性のそれぞれを個別に把握しやすい。また、いずれの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順に関係なく単純に交互に入れ替わるので、遊技者は変動の順序を感覚的に把握しやすい。これにより遊技の複雑化を回避しつつ斬新な遊技性を実現することができる。
【0044】
特図調整手段152は、第1特別図柄192および第2特別図柄193のうち、一方が当たり態様で停止されたときは他方の変動表示の開始を待機させる。この場合、特別遊技を実行する間は特別図柄の変動表示は開始されないので、遊技者は特別遊技に集中することができる。このように、複数の遊技性が混在してもそれぞれの遊技性が個別に把握できるよう制御することにより、遊技の複雑化を回避しつつ斬新な遊技性を実現することができる。
【0045】
作動条件保持手段176は、第1作動条件保持手段178および第2作動条件保持手段180を含む。第1作動条件保持手段178は、第1特別遊技へ移行するための条件である第1作動条件を保持する。第2作動条件保持手段180は、第2特別遊技へ移行するための条件である第2作動条件を保持する。第1作動条件および第2作動条件は、特別遊技制御手段120によって参照され、いずれかの作動条件が成立したときに特別遊技が実行される。
【0046】
特別遊技制御手段120は、第1特別遊技制御手段154および第2特別遊技制御手段156を含む。第1特別遊技制御手段154は、第1抽選手段126による当否抽選結果が当たりである場合、第1特別図柄192が所定の当たり態様で停止されたときに第1作動条件が成立したと判定し、第1大入賞口91を開放させることにより第1特別遊技を実行する。第2特別遊技制御手段156は、第2抽選手段128による当否抽選結果が当たりである場合、第2特別図柄193が所定の当たり態様で停止されたときに第2作動条件が成立したと判定し、第2大入賞口92を開放させることにより第2特別遊技を実行する。特別遊技は、第1大入賞口91または第2大入賞口92の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした1回または複数回の単位遊技で構成される。単位遊技は例えば15回を上限として繰り返され、1回の単位遊技において第1大入賞口91または第2大入賞口92を約30秒間開放させる。特別遊技制御手段120は、第1特別遊技の単位遊技の回数や開放時間を、第1図柄決定手段138により決定された第1特別図柄192に応じて決定してもよい。特別遊技制御手段120は、第2特別遊技の単位遊技の回数や開放時間を、所定の抽選値に応じて決定してもよい。第1特別遊技制御手段154および第2特別遊技制御手段156は、それぞれの特別遊技の実行中、各単位遊技の開始タイミングや、単位遊技のラウンド数などの情報を演出決定手段132へ送信する。第1特別遊技制御手段154および第2特別遊技制御手段156は、単位遊技の継続回数を消化したときに特別遊技を終了させる。
【0047】
特定遊技実行手段122は、確変および時短の状態における通常遊技を制御する。特定遊技実行手段122は、第1図柄決定手段138により決定された第1特別図柄192が当たり態様であった場合に、特別遊技後の遊技状態を確変状態へ移行させるか否かを第1特別図柄192の種類に応じて決定する。すなわち、第1特別図柄192が所定の図柄、たとえば「奇数の数字」であった場合に特別遊技後の遊技状態を確変状態へ移行させることを決定する。また、特定遊技実行手段122は、第2図柄決定手段140により決定された第2特別図柄193が当たり態様であった場合に、特別遊技後の遊技状態を確変状態へ移行させるか否かを所定の抽選により決定する。すなわち、第2特別図柄193が「○」であった場合に所定の抽選を実行し、その抽選値に応じて確変への移行を決定する。この抽選値に応じた決定の結果は、たとえば演出表示装置60の画面に表示させてもよいし、表示させなくてもよい。確変状態は原則として次の大当たりが発生するまで続行され、その間は当否抽選手段112による当たり判定の確率が高い値のまま維持される。また、特定遊技実行手段122は、第1特別遊技および第2特別遊技のうちいずれかが終了した後、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示回数が所定回数、たとえば100回に達するまで、遊技状態を時短状態へ移行させる。時短状態においては、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示時間が概ね短くなるよう、図柄決定手段114が変動時間の短い変動パターンを選択する。普図抽選手段136は、時短中においては通常確率より当たりの確率が高い普図当否テーブルを参照する。これにより、時短中には第3始動口67の普通電動役物65が高い確率で開放される。
【0048】
開閉制御手段124は、第3始動口67の普通電動役物65や第1大入賞口91、第2大入賞口92の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、第3始動口67を開放させる。また、開閉制御手段124は、特別遊技中、大入賞口ソレノイド80または大入賞口ソレノイド81に開放指示を送り、第1大入賞口91または第2大入賞口92を開放させる。
【0049】
パターン記憶手段130は、第1パターン記憶手段158および第2パターン記憶手段160を含む。第1パターン記憶手段158および第2パターン記憶手段160は、装飾図柄を含む演出画像の変動パターンとして複数の変動パターンデータを保持する。
【0050】
演出決定手段132は、第1演出決定手段162および第2演出決定手段164を含む。第1演出決定手段162は、第1装飾図柄190の停止図柄と変動パターンを、第1抽選手段126による抽選の結果、第1特別図柄192の停止図柄、第1特別図柄192の変動パターンに応じて決定する。第1演出決定手段162は、第1装飾図柄190の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルや、変動パターンを決定するために参照すべきパターンテーブルを保持する。さらに第1演出決定手段162は、第1特別遊技実行中に実行する演出も決定する。第1演出決定手段162は、第1特別遊技制御手段154より供給される単位遊技の開始タイミング、単位遊技のラウンド数に応じて、ラウンドの演出表示を決定する。
【0051】
第2演出決定手段164は、第2装飾図柄191の停止図柄と変動パターンを、第2抽選手段128による抽選の結果、第2特別図柄193の停止図柄、第2特別図柄193の変動パターンに応じて決定する。第2演出決定手段164は、第2装飾図柄191の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルや、変動パターンを決定するために参照すべきパターンテーブルを保持する。さらに第2演出決定手段164は、第2特別遊技実行中に実行する演出も決定する。第2演出決定手段164は、第2特別遊技制御手段156より供給される単位遊技の開始タイミング、単位遊技のラウンド数に応じて、ラウンドの演出表示を決定する。
【0052】
第1装飾図柄190および第2装飾図柄191の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、たとえば第1抽選手段126または第2抽選手段128による判定結果が特別遊技への移行を示す場合は「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、第1装飾図柄190や第2装飾図柄191として揃える数字には、第1特別図柄192や第2特別図柄193と同じ数字が選ばれるのが好ましい。たとえば、第1特別図柄192または第2特別図柄193が「3」の場合は第1装飾図柄190または第2装飾図柄191が「333」となる。第1抽選手段126または第2抽選手段128による判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せが選択される。ただし、当否判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合であって、リーチ付きの外れを示す特別図柄の変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。第1演出決定手段162および第2演出決定手段164は、第1装飾図柄190および第2装飾図柄191の停止図柄と演出画像の変動パターンの情報を演出表示制御手段134へ送る。
【0053】
演出画像の変動パターンには、演出画像の変動表示態様、すなわち演出画像の変動開始から変動停止までの演出過程が定義される。変動パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当たりとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当たり図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい演出画像の変動パターンを選択する。
【0054】
演出表示制御手段134は、第1演出制御手段168、第2演出制御手段170、演出調整手段172、および領域設定手段174を含む。第1演出制御手段168は、演出表示実行手段198を制御して、第1抽選手段126による第1の当否抽選の結果を、選択された変動パターンデータにしたがって演出画像として演出表示装置60の第1領域194に変動表示させる。演出表示実行手段198は、選択された変動パターンデータをもとに、第1パターン記憶手段158に記憶されたパターンを読み出し、演出画像として表示する。また第1特別遊技の実行中、第1演出制御手段168は、演出表示実行手段198を制御して、ラウンド演出を演出表示装置60の全面で実行させてもよい。このとき、演出表示装置60の右上隅などの所定の領域に、第1特別遊技を発生させることになった当たり態様の第1装飾図柄190が点滅表示される。
【0055】
第2演出制御手段170は、演出表示実行手段198を制御して、第2抽選手段128による第2の当否抽選の結果を、選択された変動パターンデータにしたがって演出画像として演出表示装置60の第2領域195に変動表示させる。演出表示実行手段198は、選択された変動パターンデータをもとに、第2パターン記憶手段160に記憶されたパターンを読み出し、演出画像として表示する。また第2特別遊技の実行中、第2演出制御手段170は、演出表示実行手段198を制御して、ラウンド演出を演出表示装置60の全面で実行させてもよい。このとき、演出表示装置60の右上隅などの所定の領域に、第2特別遊技を発生させることになった当たり態様の第2装飾図柄191が点滅表示される。
【0056】
領域設定手段174は、演出表示装置60の画面において第1領域194および第2領域195を設定する。第1領域194および第2領域195は、同じ画面内に並べられるように、または、重ね合わされるように設定されてもよい。本実施例においては、演出表示装置60として単一の表示装置を例示するが、変形例においては複数の表示装置で複合的に構成させてもよい。その場合、第1領域194と第2領域195はそれぞれ別個の表示装置に設定されてもよい。領域設定手段174は、演出表示装置60の画面において、第1領域194を第2始動口63よりも第1始動口62および第3始動口67に近い位置へ設定し、第2領域195を第1始動口62および第3始動口67よりも第2始動口63に近い位置へ設定する。本実施例においては、第1始動口62および第3始動口67が左側に設けられ、第2始動口63が右側に設けられているのに合わせて、第1領域194が左側に設けられ、第2領域195が右側に設けられる。これにより、第1領域194と第1始動口62および第3始動口67とが対応し、第2領域195と第2始動口63とが対応する関係が遊技者にとって感覚的に把握しやすい。このように、複数の遊技性が混在してもそれぞれの遊技性が個別に把握できるよう制御することにより、遊技の複雑化を回避しつつ斬新な遊技性を実現することができる。
【0057】
なお領域設定手段174は、第1特別遊技または第2特別遊技のいずれかの実行中、演出表示装置60の画面の全面をラウンド演出に利用してもよい。ラウンド演出中は、第1特別図柄192および第2特別図柄193のいずれの変動も実行されないため、ラウンド演出の画面領域を広くとることで、遊技者は特別遊技を楽しむことができる。
【0058】
演出調整手段172は、第1装飾図柄190および第2装飾図柄191のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の進行を規制する。演出調整手段172は、たとえば第1装飾図柄190の変動表示が開始された場合、第1装飾図柄190の変動が停止されるまで第2装飾図柄191の変動表示開始を待機させる。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
【0059】
演出表示実行手段198は、演出表示制御手段134により制御される演出を演出表示装置60に画面表示する。具体的に、演出表示実行手段198は、領域設定手段174により設定された領域に、第1演出制御手段168および/または第2演出制御手段170により制御された演出を表示する。結果として、通常遊技中は、演出表示装置60の第1領域194または第2領域195のいずれかで第1装飾図柄190または第2装飾図柄191の変動表示が実行され、特別遊技中は、演出表示装置60の全面で第1特別遊技ないしは第2特別遊技のラウンド演出が実行される。ラウンド演出では、特別遊技を発生させた当たり図柄が画面右上隅に点滅表示などされる。
【0060】
図4は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が第1始動口62、第2始動口63、第3始動口67、一般入賞口72、第1大入賞口91、第2大入賞口92などへ入賞した場合や、遊技球が作動口68を通過した場合の処理を実行し(S10)、特別遊技中でなければ(S12のN)、当否抽選などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、特別遊技中であれば(S12のY)、第1特別遊技または第2特別遊技の制御処理を実行し(S16)、S10からS16までの処理における各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
【0061】
図5は、図4におけるS10の入賞処理を詳細に示すフローチャートである。第1始動口62または第3始動口67へ入賞した場合であって(S50のY)、第1保留手段144への保留が上限を超えない場合(S52のY)、特図調整手段152が第1始動口62または第3始動口67への入賞の順序を記録し(S54)、第1保留手段144に第1の当否抽選値が格納される(S56)。S50において第1始動口62または第3始動口67へ入賞がない場合は(S50のN)、S52〜S56の処理をスキップする。S52において、第1始動口62または第3始動口67へ入賞したもののその保留が第1保留手段144の上限数を超えてしまう場合は(S52のN)、S54とS56の処理をスキップする。次に、第2始動口63へ入賞した場合であって(S58のY)、第2保留手段146への保留が上限を超えない場合(S60のY)、特図調整手段152が第2始動口63への入賞の順序を記録し(S61)、第2保留手段146に第2の当否抽選値が格納される(S62)。S58において第2始動口63へ入賞がない場合は(S58のN)、S60〜S62の処理をスキップする。S60において、第2始動口63へ入賞したもののその保留が第2保留手段146の上限数を超えてしまう場合は(S60のN)、S61とS62の処理をスキップする。次に、作動口68へ遊技球が通過した場合であって(S63のY)、普図保留手段147への保留が上限を超えない場合(S64のY)、普図保留手段147に普図抽選値が格納される(S65)。S63において作動口68への遊技球の通過がない場合は(S63のN)、S64およびS65の処理をスキップする。S64において作動口68を遊技球が通過したもののその保留が普図保留手段147の上限数を超えてしまう場合は(S64のN)、S65の処理をスキップする。
【0062】
図6は、図4におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。第1特別図柄192の変動表示タイミングである場合(S66のY)、第1特別図柄192および第1装飾図柄190の変動表示を処理し(S67)、第1特別図柄192の変動表示タイミングでない場合(S66のN)、第2特別図柄193および第2装飾図柄191の変動表示を処理する(S68)。第1特別図柄192の変動表示タイミングであるか、第2特別図柄193の変動表示タイミングであるかは、特図調整手段152により記録された第1始動口62および第3始動口67への入賞と第2始動口63への入賞の順序に応じて決定される。次に、普通図柄の変動表示を処理する(S69)。このように第1特別図柄192および第2特別図柄193のうち一方のみが選択的に変動表示されるとともに、第1装飾図柄190および第2装飾図柄191のうち一方のみが選択的に変動表示される。
【0063】
図7は、図6におけるS67、S68、S69の図柄変動処理を詳細に示すフローチャートである。S67、S68、S69における各図柄変動は、基本的に処理が共通するので、これらを一つのフローでまとめて説明する。以下、S67の処理としては第1特別図柄192および第1装飾図柄190の変動表示を示し、S68の処理としては第2特別図柄193および第2装飾図柄191の変動表示を示し、S69の処理としては普通図柄の変動表示を示す。保留制御手段116に抽選値の保留がなされている場合(S30のY)、図柄変動が表示中でなければ(S32のN)、当否抽選手段112が当否判定処理を実行する(S34)。その判定結果に応じた変動パターンにしたがって変動表示が開始される(S36)。S30において抽選値が保留されていなかった場合は(S30のN)、S32からS36までの処理がスキップされ、S32において図柄変動が表示中であった場合は(S32のY)、S34およびS36の処理がスキップされる。続いて、すでに図柄変動表示が開始されていれば(S38のY)、図柄変動表示を処理し(S40)、図柄表示の停止タイミングに達したときは(S42のY)、表示中の図柄変動を停止する(S44)。S38において図柄変動表示が開始されていないときは(S38のN)、S40からS44の処理をスキップする。S42において図柄表示の停止タイミングに達していないときは(S42のN)、S44の処理をスキップする。
【0064】
図8は、図4におけるS16の特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。実行中の特別遊技が第1特別遊技であれば(S90のY)、第1特別遊技の制御を処理し(S92)、実行中の特別遊技が第1特別遊技でなければ(S90のN)、第2特別遊技の制御を処理する(S94)。このように第1特別遊技および第2特別遊技のいずれか一方のみが選択的に実行される。
【0065】
図9は、図8におけるS92の第1特別遊技とS94の第2特別遊技を詳細に示すフローチャートである。S92、S94における各特別遊技は、基本的に処理が共通するので、これらを一つのフローでまとめて説明する。まず、第1大入賞口91または第2大入賞口92が開放済でなければ(S70のN)、演出表示制御手段134が特別遊技の演出処理を開始し(S72)、開閉制御手段124が第1大入賞口91または第2大入賞口92を開放する(S74)。第1大入賞口91または第2大入賞口92が開放済であればS72およびS74をスキップする(S70のY)。第1大入賞口91または第2大入賞口92が開放されてから所定の開放時間が経過した場合(S76のY)、または、開放時間が経過していないものの(S76のN)、第1大入賞口91または第2大入賞口92への入球数が9球以上に達した場合(S78のY)、開閉制御手段124が第1大入賞口91または第2大入賞口92を閉鎖させる(S80)。開放時間が経過しておらず(S76のN)、第1大入賞口91または第2大入賞口92への入球数も9球以上に達していない場合は(S78のN)、S80以降の処理をスキップしてS92またはS94のフローを終了する。
【0066】
S80における第1大入賞口91または第2大入賞口92の閉鎖後、単位遊技のラウンド数が15に達していた場合(S82のY)、演出表示制御手段134は特別遊技の演出処理を終了させ(S84)、特別遊技制御手段120は特別遊技を終了させる(S86)。ラウンド数が15に達していなければ(S82のN)、ラウンド数に1を加算してS92またはS94のフローを終了する(S90)。
【0067】
以上、本実施例のぱちんこ遊技機10の基本動作について説明した。図3に関連して説明したように、メイン基板102は、第1特別図柄192による第1の遊技と第2特別図柄193による第2の遊技を制御するメイン制御装置を有し、サブ基板104は、メイン制御装置からの情報に応じて遊技の演出表示を制御する第1サブ制御装置と、第1サブ制御装置により制御されて演出表示を実行する第2サブ制御装置を有する。図3に示すサブ基板104において、第1サブ制御装置は、演出決定手段132および演出表示制御手段134を有して構成され、第2サブ制御装置は画像処理ユニットであって、パターン記憶手段130および演出表示実行手段198を有して構成される。
【0068】
図10は、メイン制御装置200、第1サブ制御装置300、第2サブ制御装置400の関係を示す関係図である。メイン制御装置200と第1サブ制御装置300との間の通信は、メイン制御装置200から第1サブ制御装置300への単方向通信のみが許容される。通信方向を制限することにより、メイン制御装置200(メイン基板102)による出球制御の独立性が確保される。したがって、本実施例のぱちんこ遊技機10において、第1サブ制御装置300からメイン制御装置200への逆方向の通信は許容されず、第1サブ制御装置300がメイン制御装置200の動作を制御することはできない。
【0069】
サブ基板104において、第1サブ制御装置300と第2サブ制御装置400の間の双方向通信が許容される。第2サブ制御装置400は、演出表示用のキャラクタを格納したROMや、演出音声用のサウンドを格納したROMを含む。第1サブ制御装置300は、第2サブ制御装置400を制御して、演出表示装置60における演出表示を実行させ、またスピーカ18による演出用の音声出力を実行させる。
【0070】
メイン制御装置200が、遊技に関する制御を統括的に実行し、第1サブ制御装置300は、遊技の進行に合わせた演出処理の制御を行い、第2サブ制御装置400は、第1サブ制御装置300により制御された演出の実行を担当する。たとえば、本実施例のぱちんこ遊技機10のように、第1の遊技と第2の遊技が存在する場合、メイン制御装置200は、両者の遊技を切り分けて制御し、第1サブ制御装置300に対して遊技の進行状況などを示す情報を逐次送信する。第1サブ制御装置300は、その情報をもとに、状況に応じた演出を決定し、第2サブ制御装置400が、その決定された演出を実行する。
【0071】
本実施例のぱちんこ遊技機10のように、メイン制御装置200と第1サブ制御装置300とがそれぞれ異なる基板に形成されている場合、メイン制御装置200から第1サブ制御装置300に送信する情報に異常が発生する場合がある。このような異常は頻繁に発生するものではないが、たとえば、通信中に混入するノイズであったり、またプログラム中のバグなどが発生原因となって、正常な情報に誤った情報が付加されたり、誤った情報に書き換えられたりすることがある。メイン制御装置200から伝送されてきた情報に異常がある場合、第1サブ制御装置300が適切に処理して、第2サブ制御装置400により演出表示装置60に表示される演出を停止させることなく、維持することが好ましい。本実施例では、2つの遊技の存在が前提となっているが、たとえば第1特別図柄192の変動中に、第2特別図柄193の変動停止を指示する情報が伝送されると、この変動停止に関する情報に異常があることが認められる。本実施例の第1サブ制御装置300は、このような状況に適切に対応できる演出制御を実行する。
【0072】
図11は、本実施例の第1サブ制御装置300の機能ブロックを示す。第1サブ制御装置300は、図3に示した演出決定手段132および演出表示制御手段134だけでなく、受付手段302、メモリ304、整合性判定手段306をさらに有して構成される。
【0073】
受付手段302は、メイン制御装置200からの情報を受け付ける。メイン制御装置200から送信される情報には、遊技の進行状況を示す情報や、コマンドを表現する情報などが含まれる。本実施例のぱちんこ遊技機10において、通常遊技中は、第1特別図柄192または第2特別図柄193のいずれを変動するか、また変動時間、停止図柄などの情報が受付手段302に送信される。また特別遊技中では、総ラウンド数、ラウンドの開始指示、終了指示、現在何ラウンド目の単位遊技かを示すラウンド数などの情報が受付手段302に送信される。メイン制御装置200から送信される情報は、逐次メモリ304に記録される。なおメモリ304には、送信される全ての情報が記録される必要はなく、情報の整合性を判定するために基準となる情報が記録されていればよい。
【0074】
整合性判定手段306は、受付手段302において受け付けた情報の整合性を判定する。具体的には、整合性判定手段306が、受け付けた情報と、それ以前に受け付けてメモリ304に記録している情報との整合性を判定する。
【0075】
(通常遊技中)
メイン制御装置200は、遊技の進行状況に応じて、演出を変化させるために必要な情報を第1サブ制御装置300に送信する。本実施例のぱちんこ遊技機10では、第1特別図柄192または第2特別図柄193のいずれか一方の変動のみが許容される。そのため、特別図柄の変動開始時には、変動させる特別図柄の種別、変動時間(変動パターン)、当否抽選結果、停止図柄などが第1サブ制御装置300に送信される。また、変動停止時には、停止させる特別図柄の種別、および停止指示が第1サブ制御装置300に送信される。なお、停止図柄については、変動停止時に送信されてもよい。
【0076】
このとき、ノイズによる伝送エラーなどにより、変動開始時に送信される特別図柄の種別と、変動停止時に送信される特別図柄の種別が異なる状況が発生することがある。本実施例の第1サブ制御装置300は、そのような情報間での整合性がとれない場合に、遊技者に大きな違和感を与えないような演出制御を行う。
【0077】
この状況下では、メモリ304に、変動開始時に送信されてきた情報が記録されており、整合性判定手段306は、変動停止時に受付手段302において受け付けた情報と、それ以前に受付手段302において受け付け、既にメモリ304に記録されている情報との整合性をみる。このとき、変動開始時の特別図柄の種別が第1特別図柄192であり、変動停止時の特別図柄の種別が第2特別図柄193であれば、整合性判定手段306は、受け付けた情報に異常があることを判定する。このように、整合性判定手段306は、情報間で特別図柄の種別について整合性がとれない場合に、受け付けた情報に異常があることを判定してもよい。具体的には、受付手段302が一つの特別図柄の変動に対して、他の特別図柄の停止に関する情報を受け付けた場合に、整合性判定手段306は、その情報が異常であることを判定してもよい。これにより、複数の特別図柄が混在するぱちんこ遊技機10において特別図柄の種別を伝送する際にエラーが発生した場合であっても、適切に、その伝送エラーの発生を判定できる。
【0078】
本来の正常な情報が送信されている間、演出決定手段132が、受け付けた情報に応じた演出を決定し、演出表示制御手段134が、演出決定手段132により決定された演出を第2サブ制御装置400に実行させる。しかしながら、送信情報に異常な情報が含まれている場合、従来の演出決定手段は、情報の整合性をとることができないために、演出を決定することができない。演出を決定できなければ、演出表示装置60にて演出表示を実行できないため、遊技者からすると、遊技機内部で何らかのエラーが発生していることを認識できてしまう。
【0079】
そこで、本実施例の整合性判定手段306が、受け付けた情報に異常があることを判定すると、演出決定手段132は、通常の演出を決定するのではなく、異常発生時用の演出を決定する機能をもつ。演出決定手段132は、異常発生の通知を整合性判定手段306から受けると、受け付けた異常情報も加味して、遊技者に対して有意な演出を決定し、遊技者に大きな違和感をもたせないようにする。
【0080】
たとえば、特別図柄の種別に整合性がとれず、且つ当否抽選結果が外れの場合、演出決定手段132は外れ図柄を決定して、演出表示制御手段134に送信し、第2サブ制御装置400により外れ図柄を演出表示装置60に表示させる。これにより、特別図柄の種別に整合性がとれない場合であっても、第1サブ制御装置300は、演出表示装置60において外れの装飾図柄を表示させることが可能となる。これにより、第2サブ制御装置400は、情報の整合性がとれていないことを認識する必要もなく、第1サブ制御装置300において情報間の整合性の矛盾を吸収できる。
【0081】
また、特別図柄の種別に整合性がとれず、且つ当否抽選結果が当たりの場合、演出決定手段132は通常の当たり図柄を停止図柄として決定して、演出表示制御手段134に送信し、第2サブ制御装置400により演出表示装置60に表示させる。ここで、通常の当たり図柄とは、確変を発生させる当たり図柄ではない当たり図柄を意味する。たとえば、奇数図柄が確変当たり図柄に設定されている場合は、偶数図柄を通常の当たり図柄と呼ぶ。通常の当たり図柄を停止図柄として設定することで、遊技者に対して、少なくとも当否抽選結果を正確に表現できる。一方、メイン制御装置200より特別図柄の確変当たり図柄が送信された場合であっても、その特別図柄の種別が誤っていることから、その停止図柄自体についても誤っている可能性がある。確変当たり図柄での当たりでない場合に、確変当たりであることを遊技者に報知することは、遊技者の期待を裏切る結果となり好ましくないため、演出決定手段132は、その場合を考慮して、通常の当たり図柄を停止図柄として決定する。これにより、遊技者に違和感を与えない演出を決定し、実行することができる。
【0082】
なお、第1サブ制御装置300における処理は、あくまでも演出に関するものである。実際の遊技は、メイン制御装置200により管理されており、本実施例ではメイン制御装置200による遊技制御にエラーが発生した場合は想定していない。そのため、第1特別図柄192ないしは第2特別図柄193は適切に変動し、また抽選も適切に実行される状況下で、メイン制御装置200による遊技制御の状況が適切に第1サブ制御装置300に伝えられない場合を想定している。本実施例では、上記したように、整合性判定手段306が、伝送される情報間の異常を判定することで、演出決定手段132が、第1装飾図柄190または第2装飾図柄191の異常発生時用の演出を決定することができる。
【0083】
(特別遊技中)
本実施例のぱちんこ遊技機10では、第1特別図柄192による第1の遊技と第2特別図柄193による第2の遊技とが混在し、したがって、発生する特別遊技も2種類ある。メイン制御装置200においては、第1特別遊技制御手段154および第2特別遊技制御手段156が、それぞれの特別遊技を制御する。したがって、伝送エラーが発生しない状況下では、第1特別遊技制御手段154ないしは第2特別遊技制御手段156から、特別遊技の進行状況についての情報が第1サブ制御装置300に伝達され、演出決定手段132では、特別遊技のラウンド演出が適宜決定されることになる。
【0084】
しかしながら、ノイズによる伝送エラーなどにより、当たり態様で停止した特別図柄の種別と、その後に発生する特別遊技中にメイン制御装置200から第1サブ制御装置300に送信される指示における特別図柄の種別が異なる状況が発生することがある。たとえば、第1特別図柄192の当たり図柄で変動を停止した後、第2特別図柄193の第2特別遊技の実行に関する情報を受け付ける場合である。本実施例の第1サブ制御装置300は、特別遊技中であっても、情報間で整合性がとれないものがある場合に、遊技者に大きな違和感を与えないような演出制御を行う機能をもつ。
【0085】
この状況下では、メモリ304に、当たり態様の特別図柄の種別を示す情報が記録されている。整合性判定手段306は、受付手段302において受け付けた情報と、それ以前に受付手段302において受け付け、既にメモリ304に記録されている情報との整合性をみる。このとき、当たり態様を示した停止図柄の特別図柄の種別が第1特別図柄192であり、その後に発生する特別遊技に関する指示が第2特別遊技に対するものである場合には、整合性判定手段306は、受け付けた情報に異常があることを判定する。このように、整合性判定手段306は、情報間で特別図柄の種別について整合性がとれない場合に、受け付けた情報に異常があることを判定してもよい。これにより、複数の特別図柄が混在するぱちんこ遊技機10において特別図柄の種別を伝送する際にエラーが発生した場合であっても、適切に、その伝送エラーの発生を判定できる。
【0086】
本来の正常な情報が送信されている間、演出決定手段132が、受け付けた情報に応じたラウンド演出を決定し、演出表示制御手段134が、演出決定手段132により決定されたラウンド演出を第2サブ制御装置400に実行させる。特別遊技中、演出表示装置60においてラウンド演出が表示されるが、その際、画面右上隅には、特別遊技を発生させることになった装飾図柄の停止図柄が点滅表示される。
【0087】
本実施例のぱちんこ遊技機10においては、整合性判定手段306が、受け付けた情報に異常があることを判定すると、演出決定手段132は、異常発生時用の演出を決定する機能をもつ。その際、演出決定手段132は、画面右上隅で点滅表示させる装飾図柄を、所定の外れ図柄とする。この図柄は、通常の当たり図柄であってもよい。
【0088】
受付手段302は、第1特別図柄192の当たり図柄での変動停止の情報を受け付けた後、第2特別図柄193の第2特別遊技の実行に関する情報を受け付けた場合に、整合性判定手段306は、その情報が異常であることを判定する。たとえば、第1特別図柄192が「7」であり、また第1装飾図柄190が「777」で停止したときに、メイン制御装置200から第1サブ制御装置300に対して、第2特別遊技を発生させることに関する情報が送信された場合を想定する。このとき、整合性判定手段306は、第1特別遊技を実行する予定にあるにもかかわらず、第2特別遊技に関する情報が送信されてきたことを認識して、この情報に異常が存在することを判定する。演出決定手段132は、その判定結果を受けて、ラウンド演出の際に点滅表示させる装飾図柄を、外れ図柄に変更する。送信されてきた情報に異常が存在することで、その情報に基づいて演出を決定できないため、演出決定手段132は、点滅表示させる図柄を所定の外れ図柄とすることで、演出が停止してしまう事態を回避し、大当たり演出を遊技者に提供する。
【0089】
なお、この外れ図柄の表示は目立たないように行うことが好ましい。これにより、さらに遊技者に対して違和感を与えない演出を実現できる。なお、特別遊技自体は、メイン制御装置200により制御されているため、遊技者に対して出球の不利益を与えることはない。
【0090】
また受付手段302が、第1特別図柄192が当たり図柄で停止した後に行われる第1特別遊技の実行中に、第2特別図柄193の第2特別遊技に関する情報を受け付けた場合に、整合性判定手段306は、その情報が異常であることを判定する。たとえば、第1特別図柄192が「7」であり、また第1装飾図柄190が「777」で停止して第1特別遊技が発生している間に、メイン制御装置200から第1サブ制御装置300に対して、第2特別遊技の進行状況に関する情報が送信された場合を想定する。このとき、整合性判定手段306は、第1特別遊技の実行中に、第2特別遊技に関する情報が送信されてきたことを認識して、この情報に異常が存在することを判定する。演出決定手段132は、その判定結果を受けて、ラウンド演出の際に点滅表示させる装飾図柄を、外れ図柄に変更する。送信されてきた情報に異常が存在することで、その情報に基づいて演出を決定できないため、演出決定手段132は、点滅表示させる図柄を所定の外れ図柄とすることで、演出が停止してしまう事態を回避する。
【0091】
なお受付手段302は、特別遊技の実行中に、以前に受け付けたラウンド数を示す情報から予測されるラウンド数とは異なる情報を受け付ける場合がある。たとえば、前回受け付けた情報により第3ラウンドが停止された場合、次の情報により第4ラウンドが開始されることが予測される。このとき、第4ラウンドを開始させることを指示する情報ではなく、第8ラウンドを開始させることを指示する情報が送信されてくると、整合性判定手段306は、送信されたラウンド数の指示が予測したものとは異なるために、その情報に異常が存在することを判定する。演出決定手段132は、指示された情報によるラウンド数(第8ラウンド)の演出表示を決定するが、一方で、画面右上隅に点滅表示させる装飾図柄は外れ図柄とする。これにより、演出が停止する事態は回避できる。
【0092】
(実施例2)
実施例2におけるぱちんこ遊技機は、設けられた大入賞口が1個である点で、2個の大入賞口が設けられた実施例1のぱちんこ遊技機と異なる。大入賞口の数以外は、基本的に実施例1のぱちんこ遊技機と同様の構成および機能を有する。以下、実施例1との相違点を中心に本実施例を説明する。
【0093】
図12は、実施例2におけるぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。大入賞口66は、遊技領域52の下部に設けられる。大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、入口を開閉させるための大入賞口ソレノイド80を含む。大入賞口66は第1の遊技および第2の遊技の双方に対応する大入賞口として共用される。入賞検出装置78は、遊技球の入球を示す入賞情報として、第1特別遊技中は第1大入賞口入賞情報を生成し、第2特別遊技中は第2大入賞口入賞情報を生成する。大入賞口66は、アウト口58の上方の位置に設けられる。以上のように、単体の大入賞口66が、実施例1における第1大入賞口91および第2大入賞口92の機能を兼ね備える構成となっている。これにより、遊技領域上のスペースを有効活用できる。また、連続的に状態変化する可変入球装置を共通とすることで、特別遊技の動作制御を単純にすることができ、また製造コストの削減にもつながる。
【0094】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、変形例を挙げる。
【0095】
実施例では、複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、互いに遊技性を打ち消し合わないよう片方ずつ実行されるぱちんこ遊技機10について説明した。しかしながら、ぱちんこ遊技機10の遊技性はこれに限定するものではなく、第1の遊技と第2の遊技とが、同時並行的に実行されてもよい。すなわち、第1の遊技の特別図柄と第2の遊技の特別図柄とが同時並行的に変動してもよい。なお、このぱちんこ遊技機においても、第1の遊技における第1特別遊技と第2の遊技における第2特別遊技は、互いに遊技性を打ち消し合わないよう片方ずつ実行される。
【0096】
実施例においては、情報をメモリ304に記録する期間について示していないが、通常遊技は、一変動単位で遊技が実行されるため、一回の変動の期間を、メモリ304に記録する期間としてもよい。したがって、通常遊技中は、変動が終了すると、メモリ304に記録されている情報が消去され、新たな変動が開始すると、メモリ304に情報を逐次記録することになる。一方、特別遊技中は、特別遊技全体の整合性をみる必要があるため、当たり態様の図柄の停止時から特別遊技の終了までの期間を、メモリ304に記録する期間とする。
【0097】
各実施例においては、第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71として、それぞれ異なる形態の表示装置を用いた例を説明した。すなわち、第1特別図柄表示装置70として7セグメントLED表示装置を用い、第2特別図柄表示装置71として「○」と「×」の2種類のマークを表示する装置を用いる例を説明した。変形例においては、第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71として、それぞれ同じ形態の表示装置を用いてもよい。たとえば、第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71として、ともに7セグメントLED表示装置を用いる構成としてもよいし、第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71として、ともに他の形態の表示装置を用いる構成としてもよい。これにより、第1特別図柄192および第2特別図柄193を決定するときに参照する第1図柄範囲テーブルおよび第2図柄範囲テーブルを一つの図柄範囲テーブルに共通化でき、構成および処理を簡素にすることができる。また、第2特別図柄表示装置71として、第1特別図柄表示装置70と同様の7セグメントLED表示装置を用いれば、確変への移行、第2特別遊技の単位遊技回数や開放時間を、特別な抽選を実行しなくとも第2特別図柄193に応じて決定することができ、構成や処理を簡素にすることができる。
【符号の説明】
【0098】
10・・・ぱちんこ遊技機、60・・・演出表示装置、70・・・第1特別図柄表示装置、71・・・第2特別図柄表示装置、100・・・遊技制御装置、102・・・メイン基板、104・・・サブ基板、120・・・特別遊技制御手段、126・・・第1抽選手段、128・・・第2抽選手段、130・・・パターン記憶手段、132・・・演出決定手段、134・・・演出表示制御手段、138・・・第1図柄決定手段、140・・・第2図柄決定手段、148・・・第1特図制御手段、150・・・第2特図制御手段、152・・・特図調整手段、154・・・第1特別遊技制御手段、156・・・第2特別遊技制御手段、158・・・第1パターン記憶手段、160・・・第2パターン記憶手段、162・・・第1演出決定手段、164・・・第2演出決定手段、168・・・第1演出制御手段、170・・・第2演出制御手段、172・・・演出調整手段、174・・・領域設定手段、190・・・第1装飾図柄、191・・・第2装飾図柄、192・・・第1特別図柄、193・・・第2特別図柄、194・・・第1領域、195・・・第2領域、198・・・演出表示実行手段、200・・・メイン制御装置、300・・・第1サブ制御装置、302・・・受付手段、304・・・メモリ、306・・・整合性判定手段、400・・・第2サブ制御装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1特別図柄による第1の遊技と第2特別図柄による第2の遊技を制御するメイン制御装置と、前記メイン制御装置からの情報に応じて遊技の演出表示を制御する第1サブ制御装置と、前記第1サブ制御装置により制御されて演出表示を実行する第2サブ制御装置を備えた弾球遊技機であって、前記第1サブ制御装置は、
前記メイン制御装置からの情報を受け付ける受付手段と、
前記受付手段において受け付けた情報の整合性を判定する判定手段と、
前記受付手段において受け付けた情報に応じた演出を決定する演出決定手段と、
決定した演出を、前記第2サブ制御装置にて実行させる演出制御手段と、を有し、
前記判定手段により、受け付けた情報に異常があることが判定された場合に、前記演出決定手段は、異常発生時用の演出を決定することを特徴とする弾球遊技機。
【請求項1】
第1特別図柄による第1の遊技と第2特別図柄による第2の遊技を制御するメイン制御装置と、前記メイン制御装置からの情報に応じて遊技の演出表示を制御する第1サブ制御装置と、前記第1サブ制御装置により制御されて演出表示を実行する第2サブ制御装置を備えた弾球遊技機であって、前記第1サブ制御装置は、
前記メイン制御装置からの情報を受け付ける受付手段と、
前記受付手段において受け付けた情報の整合性を判定する判定手段と、
前記受付手段において受け付けた情報に応じた演出を決定する演出決定手段と、
決定した演出を、前記第2サブ制御装置にて実行させる演出制御手段と、を有し、
前記判定手段により、受け付けた情報に異常があることが判定された場合に、前記演出決定手段は、異常発生時用の演出を決定することを特徴とする弾球遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−177538(P2011−177538A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−109046(P2011−109046)
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【分割の表示】特願2006−19739(P2006−19739)の分割
【原出願日】平成18年1月27日(2006.1.27)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【分割の表示】特願2006−19739(P2006−19739)の分割
【原出願日】平成18年1月27日(2006.1.27)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】
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