説明

弾球遊技機

【課題】遊技盤交換による機種変更時のコストを下げることが可能な弾球遊技機を提供する。
【解決手段】遊技機筐体1に着脱自在に装着され且つその前面側に遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、遊技領域内に配置された図柄始動手段が遊技球を検出することに基づいて図柄を変動表示する図柄表示手段と、図柄表示手段による変動後の停止図柄が特定態様となることに基づいて、所定の単位利益状態を一又は複数回繰り返し発生させる利益状態発生手段とを備えた弾球遊技機で、図柄表示手段を含む遊技情報表示部33を、遊技機筐体1上の遊技盤以外の位置、例えばガラス扉10上に設けたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機、アレンジボール機等の弾球遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばパチンコ機では、図柄始動手段が遊技球を検出することに基づいて、図柄表示手段による図柄変動が開始され、その変動後の停止図柄が予め定められた特定態様となることに基づいて、例えば大入賞手段が所定時間開放される等の単位利益状態が所定ラウンド数繰り返されるいわゆる大当たり状態が発生して遊技者に多大な利益が還元されるようになっている。
【0003】
この大当たり状態は、単位利益状態の繰り返しラウンド数が異なる複数種類設けられる場合があるが、このようなパチンコ機では、例えば大当たり状態の開始時に、その大当たり状態におけるラウンド数を例えばLEDの発光等により表示するラウンド数表示手段が設けられているのが通常である(例えば特許文献1)。そして、これら図柄表示手段、ラウンド数表示手段等は、遊技盤上の所定位置、例えば遊技領域内に配置された入賞手段等の遊技部品上、遊技領域の外側近傍等に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−11680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、最近のパチンコ機等では、図柄表示手段による図柄変動中や大当たり状態中の演出は例えば大型の液晶画面への映像出力を中心に行われるようになっているため、図柄表示手段やラウンド数表示手段については、演出手段ではなく報知手段としての最小限の機能を発揮させるべく、LED等を用いた小型の表示灯等により構成されている場合が多い。
【0006】
このように、図柄表示手段やラウンド数表示手段は、他の遊技部品に比べて機種毎の独自性を出す必要のない部位であるにも拘わらず、遊技盤上に配置されていることにより、遊技盤の交換による機種変更時には他の遊技部品と共に交換せざるを得ず、コストを押し上げる一因となっていた。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、遊技盤交換による機種変更時のコストを下げることが可能な弾球遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、遊技機筐体1に着脱自在に装着され且つその前面側に遊技領域22が形成された遊技盤8,8aと、前記遊技領域22に向けて遊技球を発射する発射手段6と、前記遊技領域22内に配置された図柄始動手段25,26が遊技球を検出することに基づいて図柄を変動表示する図柄表示手段35,36と、前記図柄表示手段35,36による変動後の停止図柄が特定態様となることに基づいて、所定の単位利益状態を一又は複数回繰り返し発生させる利益状態発生手段75とを備えた弾球遊技機において、前記図柄表示手段35,36を含む遊技情報表示部33を、前記遊技機筐体1上の前記遊技盤8,8a以外の位置に設けたものである。
【0009】
また、前記遊技機筐体1は、矩形状の外枠2と、前記外枠2の前側に開閉自在に装着され且つ前記遊技盤8,8aを保持する内枠4とを備え、前記内枠4の前側には、前記遊技領域22の前側に対応する透明窓31を有する窓扉10が開閉自在に装着されており、前記窓扉10上で且つ前記透明窓31の周辺部に前記遊技情報表示部33を配置してもよい。
【0010】
或いは、前記遊技情報表示部33を前記遊技盤8の後側に対応して配置し、前記遊技盤8,8a上の少なくとも前記遊技情報表示部33の前側に対応する位置に透明部95又は開口部94を設け、前記遊技機筐体1の前側から前記透明部95又は前記開口部94を経て前記遊技情報表示部33を視認可能に構成してもよい。この場合、前記遊技盤8aを透明板により形成し、その一部を前記透明部95としてもよい。
【0011】
また、前記利益状態発生手段による前記単位利益状態の繰り返しラウンド数を表示するラウンド数表示手段を備え、前記遊技情報表示部は前記ラウンド数表示手段を含むように構成してもよい。
【0012】
前記図柄表示手段35,36は、前記図柄始動手段25,26が遊技球を検出する毎に取得される特定乱数値に基づいて図柄を変動表示し、前記特定乱数値が特定判定値と一致する場合に停止図柄が前記特定態様となるように構成されており、前記特定乱数値を前記図柄表示手段35,36による図柄変動に供されるまで所定の上限個数を限度として記憶する乱数記憶手段73a,73bと、前記乱数記憶手段73a,73bに記憶された前記特定乱数値の個数である保留個数を表示する保留個数表示手段38,39とを備え、前記遊技情報表示部33は前記保留個数表示手段38,39を含むように構成してもよい。
【0013】
前記遊技領域22内に配置された普通図柄始動手段24が遊技球を検出することに基づいて普通図柄を変動表示する普通図柄表示手段34と、前記普通図柄表示手段34による変動後の停止図柄が所定態様となることに基づいて、前記図柄始動手段26を遊技球が入球不可能又は入球困難な閉状態から入球可能又は入球容易な開状態に変化させる普通利益状態発生手段65とを備え、前記遊技情報表示部33は前記普通図柄表示手段34を含むように構成してもよい。
【0014】
前記普通図柄表示手段34は、前記普通図柄始動手段24が遊技球を検出する毎に取得される所定乱数値に基づいて前記普通図柄を変動表示し、前記所定乱数値が所定判定値と一致する場合に停止図柄が前記所定態様となるように構成されており、前記所定乱数値を前記普通図柄表示手段34による図柄変動に供されるまで所定の上限個数を限度として記憶する普通乱数記憶手段63と、前記普通乱数記憶手段63に記憶された前記所定乱数値の個数である普通保留個数を表示する普通保留個数表示手段37とを備え、前記遊技情報表示部33は前記普通保留個数表示手段37を含むように構成してもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、遊技盤8,8aの交換による機種変更時には遊技情報表示部33は交換されることなく引き続き使用することができるため、遊技盤交換による機種変更時のコストを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるパチンコ機の全体正面図である。
【図2】同パチンコ機のガラス扉及び下部開閉扉を外した状態の正面図である。
【図3】同パチンコ機の遊技情報表示パネルの構成を示す図である。
【図4】同パチンコ機の制御系のブロック図である。
【図5】同パチンコ機の遊技情報表示制御手段と遊技情報表示パネルの各表示手段との関係を示すブロック図である。
【図6】同パチンコ機の遊技状態毎の普通図柄の当たり確率及び変動時間、第2特別図柄始動手段の開閉パターンを示す図である。
【図7】同パチンコ機の第1,第2特別図柄についての大当たり判定及び外れ判定の場合の大当たり判定乱数値、大当たり図柄乱数値、大当たり状態及び特別遊技状態の対応関係の一例を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態におけるパチンコ機のガラス扉、遊技盤及び内枠の分解斜視図である。
【図9】本発明の第3の実施形態におけるパチンコ機のガラス扉、遊技盤及び内枠の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図7は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1及び図2において、遊技機筐体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に左右一側、例えば左側のヒンジ3を介して縦軸心廻りに開閉自在及び着脱自在に枢着された内枠4とを備えている。
【0018】
内枠4には、その下部側に設けられた下部装着部5に発射手段6等が、その下部装着部5の上側に設けられた上部装着部7に遊技盤8等が夫々配置されており、その内枠4の前側には、下部装着部5に対応する下部開閉扉9と、上部装着部7に対応するガラス扉(窓扉)10とがヒンジ3と同じ側のヒンジ11により開閉自在及び着脱自在に枢着されている。
【0019】
下部装着部5には、その前側の例えば左右方向略中央に発射手段6が配置され、またその前側の下部開閉扉9には、払い出された遊技球を貯留すると共にその遊技球を発射手段6側に案内する上皿12、この上皿12が満杯となったときにその余剰球を受けて貯留する下皿13、発射手段6を作動させるための発射ハンドル14等が設けられている。
【0020】
上部装着部7には、遊技盤8をその外周側で保持する遊技盤装着枠15が設けられており、遊技盤8はこの遊技盤装着枠15に対して例えば前側から装着され、1又は複数の固定具16により着脱自在に固定されている。遊技盤8は、例えばベニヤ板を所定形状に加工したもので、その前面側には、発射手段6から発射された遊技球を案内するガイドレール21が環状に装着されると共に、そのガイドレール21の内側の遊技領域22に、センターケース23の他、普通図柄始動手段24、第1,第2特別図柄始動手段(図柄始動手段)25,26、大入賞手段27、普通入賞手段28等の各種遊技部品が装着されている。
【0021】
また、その上部装着部7の前側のガラス扉10には、遊技盤8側の遊技領域22の前側に対応するガラス窓(透明窓)31が略中央に大きく設けられると共に、そのガラス窓31を取り囲む扉枠32上には遊技情報表示パネル(遊技情報表示部)33が配置されている。遊技情報表示パネル33は、例えばガラス窓31の下側近傍に配置されており、この遊技情報表示パネル33上に、図3に示すように普通図柄表示手段34、第1特別図柄表示手段(図柄表示手段)35、第2特別図柄表示手段(図柄表示手段)36、普通保留個数表示手段37、第1特別保留個数表示手段(保留個数表示手段)38、第2特別保留個数表示手段(保留個数表示手段)39、ラウンド数表示手段40、右打ち報知手段41、確変報知手段42、時短報知手段43等が設けられている。
【0022】
センターケース23は、例えば遊技盤8の裏側に固定される液晶式等の画像表示手段44に対応して遊技領域22内の略中央に配置されており、遊技盤8の前面側に沿って設けられ且つ固定ねじ等により遊技盤8に固定される前面装着板45と、画像表示手段44の表示画面44aを取り囲む表示枠部46とを一体に備えている。表示枠部46は、例えばその略全体が前面装着板45から前側に突出しており、その内側、即ち画像表示手段44側への遊技球の侵入を阻止するようになっている。即ち、発射手段6により遊技領域22の上部側に打ち込まれた遊技球は、この表示枠部46の上部側で左右に振り分けられ、センターケース23の左側の左流下経路47aと右側の右流下経路47bとの何れかを流下する。
【0023】
センターケース23の表示枠部46上には、画像表示手段44の前側下部に、表示枠部46の例えば左側部に設けられた入球口48から入球した遊技球を左右方向に自由に転動させて左右方向中央の落下口49又はその左右両側から落下させるステージ50が設けられている。また画像表示手段44は、第1,第2演出図柄表示手段51,52等を構成している。
【0024】
普通図柄始動手段24は、普通図柄表示手段34による普通図柄の変動表示を開始させるためのもので、遊技球が通過可能な通過ゲート等により構成され、例えばセンターケース23の右側上部、即ち右流下経路47b上の上部側に配置されており、通過した遊技球を検出可能となっている。
【0025】
普通図柄表示手段34は、普通図柄を変動表示するためのもので、例えば遊技情報表示パネル33上の2つの発光部34a,34bにより構成されており、普通図柄始動手段24が遊技球を検出することを条件にそれら2つの発光部34a,34bが所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段24による遊技球検出時に取得された当たり判定乱数値(所定乱数値)が予め定められた当たり判定値(所定判定値)と一致する場合には当たり態様(所定態様)に対応する発光部34aが点灯した状態で、それ以外の場合には外れ態様に対応する発光部34bが点灯した状態で、点滅が終了するようになっている。
【0026】
また、普通図柄表示手段34の変動表示中、又は後述する普通利益状態中に普通図柄始動手段24が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶されると共に、普通保留個数表示手段37がその当たり判定乱数値の記憶個数(以下、普通保留個数)を表示して、その時点での普通保留個数を遊技者に報知するようになっている。
【0027】
ここで、普通保留個数表示手段37は、例えば遊技情報表示パネル33上の2つの発光部37a,37bにより構成されており、それら2つの発光部37a,37bの夫々の発光状態(例えば点灯/点滅/消灯)の組み合わせにより0〜4個の5種類の普通保留個数を表示するようになっている。なお、遊技情報表示パネル33上には、例えば7セグメント+「.」(ドット)よりなる8つの発光部により構成される例えば3つのセグメント表示部53〜55が設けられており、それらのうちの1つのセグメント表示部55を構成する8つの発光部のうちの2つ、例えば7セグメント下部側の左右一対の縦発光部が、普通保留個数表示手段37を構成する発光部37a,37bとなっている。
【0028】
第1特別図柄始動手段25は、第1特別図柄表示手段35による図柄変動を開始させるためのもので、開閉手段等を有しない非作動式入賞手段により構成され、例えばセンターケース23の下側に配置されており、入賞した遊技球を検出可能となっている。なお、遊技領域22内の釘配置(図示省略)等により、この第1特別図柄始動手段25へは左流下経路47aを流下してきた遊技球(センターケース23のステージ50を経た遊技球を含む)の入賞が可能であるのに対し、右流下経路47bを流下してきた遊技球については入賞不可能(又は入賞困難)となっている。
【0029】
第2特別図柄始動手段26は、第2特別図柄表示手段36による図柄変動を開始させるためのもので、開閉手段56により遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な作動式入賞手段により構成され、例えばセンターケース23の右側の右流下経路47b上で且つ普通図柄始動手段24よりも下流側に配置されており、入賞した遊技球を検出可能となっている。この第2特別図柄始動手段26は、普通図柄表示手段34による普通図柄の変動後の停止図柄が当たり態様(所定態様)となって普通利益状態が発生したときに、開閉手段56が所定時間、所定回数だけ閉状態から開状態に変化するように構成されている。
【0030】
第1,第2特別図柄表示手段(図柄表示手段)35,36は、第1,第2特別図柄を変動表示するためのもので、夫々遊技情報表示パネル33上のセグメント表示部53,54により構成されており、第1特別図柄表示手段35は第1特別図柄始動手段25が遊技球を検出することを条件に、また第2特別図柄表示手段36は第2特別図柄始動手段26が遊技球を検出することを条件に、夫々第1,第2特別図柄を所定時間変動表示して、それら第1,第2特別図柄始動手段25,26への入賞時に取得された大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には所定の大当たり態様(特定態様)で、それ以外の場合には外れ態様で夫々停止するようになっている。
【0031】
これら第1,第2特別図柄表示手段35,36は、例えばセグメント表示部53,54を構成する各8つの発光部の発光状態(例えば点灯/消灯)の組み合わせにより、夫々複数種類の第1,第2特別図柄を表示可能となっており、それら複数種類の図柄のうちの1又は複数が大当たり態様、それ以外が外れ態様に設定されている。
【0032】
また、第1,第2特別図柄の変動表示中、又は後述する大当たり状態中に第1,第2特別図柄始動手段25,26が遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された大当たり判定乱数値等が夫々所定の上限保留個数、例えば各4個を限度として記憶されると共に、第1,第2特別保留個数表示手段38,39が夫々の大当たり判定乱数値の記憶個数 (以下、第1,第2特別保留個数)を表示して、その時点での第1,第2特別保留個数を遊技者に報知するようになっている。
【0033】
ここで、第1,第2特別保留個数表示手段38,39は、例えば遊技情報表示パネル33上の各2つの発光部38a,38b,39a,39bにより構成されており、それら各2つの発光部38a,38b,39a,39bの夫々の発光状態(例えば点灯/点滅/消灯)の組み合わせにより、夫々0〜4個の5種類の第1,第2特別保留個数を表示するようになっている。なお、遊技情報表示パネル33上のセグメント表示部55を構成する8つの発光部のうち、例えば7セグメントの上部左下の縦横の発光部が第1特別保留個数表示手段38を構成する発光部38a,38b、7セグメントの上部右上の縦横の発光部が第2特別保留個数表示手段39を構成する発光部39a,39bとなっている。
【0034】
なお本実施形態では、大当たり状態中には第1,第2特別図柄表示手段35,36の図柄変動を開始しない他、第1,第2特別図柄表示手段35,36の何れか一方の図柄変動中には他方の図柄変動を開始せず、両方が同時に変動中となることはないように制御される。更に、第1,第2特別保留個数が共に1以上である場合には、第1特別図柄表示手段35の図柄変動よりも第2特別図柄表示手段36の図柄変動を優先して行うように構成されている。
【0035】
第1,第2演出図柄表示手段51,52は、例えば第1,第2特別図柄表示手段35,36による第1,第2特別図柄の変動表示と時間的に同調して第1,第2演出図柄を変動表示するもので、夫々1個又は複数個、例えば左右方向に3個の第1,第2演出図柄を例えば各種の演出画像と共に画像表示手段44の表示画面44aに変動表示可能に構成されており、第1演出図柄表示手段51は第1特別図柄始動手段25が遊技球を検出することを条件に、また第2演出図柄表示手段52は第2特別図柄始動手段26が遊技球を検出することを条件に、夫々第1,第2特別図柄の変動開始と同時に所定の変動パターンに従って第1,第2演出図柄の変動を開始すると共に、第1,第2特別図柄の変動停止と同時に最終停止するように、第1,第2演出図柄を左、右、中等の所定の順序で停止させるようになっている。
【0036】
なお、上述したように第1,第2特別図柄表示手段35,36は同時に変動することはないため、表示画面44a上で第1,第2演出図柄表示手段51,52が同時に図柄変動表示を行うことはない。また第1,第2演出図柄表示手段51,52は、第1,第2特別図柄の変動内容とは直接関係のない演出を行う場合があってもよい。
【0037】
第1,第2演出図柄には、例えば「0」〜「9」の10種類の数字図柄が用いられ、 「6・6・6」「7・7・7」等、3つの図柄が全て同じ図柄で揃ったものが大当たり態様、少なくとも1つの図柄が異なるものが外れ態様となっている。また、第1,第2演出図柄表示手段51,52による第1,第2演出図柄の変動後の停止図柄は、第1,第2特別図柄表示手段35,36による第1,第2特別図柄が大当たり態様で停止する場合には大当たり態様となり、第1,第2特別図柄が外れ態様で停止する場合には任意の外れ態様となる。
【0038】
大入賞手段27は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板57を備えた開閉入賞手段で、例えばセンターケース23の右側の右流下経路47b上で且つ第2特別図柄始動手段26よりも下流側に配置されており、第1,第2特別図柄表示手段35,36の変動後の第1,第2特別図柄が大当たり態様となることに基づいて発生する大当たり状態中に、開閉板57が複数種類の開放パターンの何れかに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させると共に、その入賞した遊技球を検出するようになっている。
【0039】
本実施形態では、図7に示すように、大入賞手段27の開放パターンとしてα,βの2種類が設けられている。開放パターンαは、大入賞手段27を0.2秒開放する動作(単位利益状態)を2ラウンド行うように設定されている。この開放パターンαは、1回の開放時間が0.2秒と僅かでしかも繰り返しラウンド数も2ラウンドと少ないため、その開放中に遊技球が入賞する可能性は極めて小さい。開放パターンβは、大入賞手段27を、開放してから所定時間(例えば28秒)経過するかそれまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に閉鎖する動作(単位利益状態)を15ラウンド行うように設定されている。この開放パターンβの場合、大入賞手段27への1個の入賞に対する賞球を15個とすると、遊技者が普通に発射動作を続けるだけで殆どの場合に9×15×15=2025個の出球が期待でき、開放パターンαに比べて遊技者が得られる直接的な利益は格段に大きくなっている。
【0040】
ラウンド数表示手段40は、大当たり状態における大入賞手段27の開放動作の繰り返しラウンド数を表示するもので、例えば遊技情報表示パネル33上の2つの発光部40a,40bにより構成されており、第1,第2特別図柄表示手段35,36の変動後の停止図柄が大当たり態様となったときに、その後に発生する大当たり状態における繰り返しラウンド数に応じた表示態様で所定期間、例えば極短時間だけ作動するようになっている。
【0041】
本実施形態では、2ラウンドに対応する2ラウンド表示態様と、15ラウンドに対応する15ラウンド表示態様との2種類の表示態様が設けられており、2ラウンド表示態様では発光部40aのみが点灯し、15ラウンド表示態様では発光部40bのみが点灯するようになっている。
【0042】
右打ち報知手段41は、左流下経路47aを狙って発射する「左打ち」よりも右流下経路47bを狙って発射する「右打ち」の方が遊技者に有利な右打ち期間中であるか否かを報知するもので、例えば遊技情報表示パネル33上の1つの発光部により構成されており、例えば所定の右打ち期間中に点灯し、それ以外は消灯するようになっている。
【0043】
確変報知手段42は、後述する確変状態中であることを報知するもので、例えば遊技情報表示パネル33上のセグメント表示部55を構成する8つの発光部のうちのドット状の発光部により構成されており、例えば確変状態中に点灯し、それ以外は消灯するようになっている。また、時短報知手段43は、後述する時短状態中であることを報知するもので、例えば遊技情報表示パネル33上のセグメント表示部55を構成する8つの発光部のうち、7セグメント下部側の横発光部により構成されており、例えば時短状態中に点灯し、それ以外は消灯するようになっている。
【0044】
図4及び図5は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図4において、58は主制御基板、59は演出制御基板で、これら各制御基板58,59は、遊技盤8に装着されたセンターケース23、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、内枠4及び遊技盤8を含む遊技機筐体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。
【0045】
主制御基板58は、遊技の進行を統括的に制御するもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普通乱数作成処理手段61、普通始動口チェック処理手段62、普通乱数記憶手段63、普通図柄処理手段64、普通利益状態発生手段65、第1,第2特別乱数作成処理手段71a,71b、第1,第2特別始動口チェック処理手段72a,72b、第1,第2特別乱数記憶手段(乱数記憶手段)73a,73b、第1,第2特別図柄処理手段74a,74b、大当たり状態発生手段75、特別遊技状態発生手段76、制御コマンド送信手段77、遊技情報表示制御手段78等を備えている。
【0046】
また、遊技情報表示制御手段78は、遊技情報表示パネル33上の各表示手段の表示制御を行うもので、図5に示すように普通図柄表示制御手段81、普通保留個数表示制御手段82、第1特別図柄表示制御手段83、第2特別図柄表示制御手段84、第1特別保留個数表示制御手段85、第2特別保留個数表示制御手段86、ラウンド数表示制御手段87、右打ち報知制御手段88、確変報知制御手段89、時短報知制御手段90等を備えている。
【0047】
普通乱数作成処理手段61は、変動後の普通図柄を当たり態様(所定態様)とするか否かの判定に用いる当たり判定乱数を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。普通始動口チェック処理手段62は、普通図柄始動手段24による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、普通図柄始動手段24が遊技球を検出することに基づいて、普通乱数作成処理手段61で作成された当たり判定乱数値(所定乱数値)を1個取得し、その当たり判定乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として普通乱数記憶手段63に記憶させるように構成されている。
【0048】
普通図柄始動手段24が遊技球を検出することによって普通保留個数が増加すると、普通保留個数表示制御手段82(図5)の制御により、普通保留個数表示手段37に表示されている普通保留個数の値が1増加する。
【0049】
普通図柄処理手段64は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、普通図柄表示手段34が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段63に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段63に最も早く記憶された当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値(所定乱数値)が予め定められた当たり判定値(所定判定値)と一致するか否かに応じて当たり/外れの判定を行う当たり判定機能、当たり/外れの判定結果に基づいて普通図柄の変動後の停止図柄の種類を選択する普通停止図柄選択機能、普通図柄の変動時間を選択する変動時間選択機能等を備えている。
【0050】
なお本実施形態では、図6に示すように、後述する特別遊技状態中(時短状態中及び確変状態中)の当たり確率(例えば1/1.3)がそれ以外の通常遊技状態中の当たり確率(例えば1/10)よりも高く設定され、また特別遊技状態中における変動時間(例えば2.7秒)が通常遊技状態中における変動時間(例えば27秒)よりも短くなるように設定されている。
【0051】
普通図柄処理手段64による普通図柄処理が終了すると、普通図柄表示制御手段81 (図5)の制御により、普通図柄表示手段34による普通図柄の変動表示が行われる。普通図柄表示制御手段81は、普通図柄表示手段34による普通図柄の変動を開始させた後、普通図柄処理手段64で選択された変動時間が経過することに基づいて、同じく普通図柄処理手段64で選択された停止図柄、即ち当たり態様(所定態様)又は外れ態様で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
【0052】
また、普通図柄表示手段34による普通図柄の変動が開始されると、普通保留個数表示制御手段82(図5)の制御により、普通保留個数表示手段37に表示されている普通保留個数の値が1減少する。
【0053】
普通利益状態発生手段65は、普通図柄処理手段64による判定結果が当たり判定となり、普通図柄表示手段34の変動後の停止図柄が当たり態様(所定態様)となったときに、第2特別図柄始動手段26の開閉手段56を複数種類の開閉パターンの何れかに従って開状態に変化させるようになっている。本実施形態では、図6に示すように、通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)と、この通常開閉パターンよりも開放時間及び/又は開放回数が大となるように設定された延長開閉パターン(例えば2秒×3回開放)の2種類の開閉パターンが設定されており、通常遊技状態中は通常開閉パターンが、特別遊技状態中は延長開閉パターンが選択されるようになっている。
【0054】
第1,第2特別乱数作成処理手段71a,71bは、変動後の第1,第2特別図柄を大当たり態様(特定態様)とするか否かの判定に用いる大当たり判定乱数の他、変動後の特別図柄が大当たり態様となる場合の停止図柄、大入賞手段27の開放パターン等の選択に用いる大当たり図柄乱数、特別図柄の変動パターンの選択に用いる変動パターン選択乱数、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。
【0055】
第1,第2特別始動口チェック処理手段72a,72bは、第1,第2特別図柄始動手段25,26への遊技球の入賞に基づく処理を行うもので、第1,第2特別図柄始動手段25,26に遊技球が入賞し、第1,第2特別図柄始動手段25,26がその入賞球を検出することに基づいて、第1,第2特別乱数作成処理手段71a,71bで作成された大当たり判定乱数値(特定乱数値)、大当たり図柄乱数値を1個ずつ取得し、それら大当たり判定乱数値及び大当たり図柄乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として第1,第2特別乱数記憶手段(乱数記憶手段)73a,73bに記憶させるように構成されている。
【0056】
第1,第2特別図柄始動手段25,26への遊技球の入賞によって第1,第2特別保留個数が増加すると、第1,第2特別保留個数表示制御手段85,86(図5)の制御により、第1,第2特別保留個数表示手段38,39に表示されている第1,第2特別保留個数の値が1増加する。
【0057】
第1,第2特別図柄処理手段74a,74bは、第1,第2特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、第1,第2特別図柄表示手段35,36が変動表示可能な状態となり且つ第1,第2特別乱数記憶手段73a,73bに1個以上の大当たり判定乱数値が記憶されていること(第1,第2特別保留個数が1以上であること)を条件に、第1,第2特別乱数記憶手段73a,73bに最も早く記憶された大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値(特定乱数値)が予め定められた大当たり判定値(特定判定値)と一致するか否かに応じて大当たり/外れの判定を行う大当たり判定機能、大当たり/外れの判定結果と、第1,第2特別乱数記憶手段73a,73bに大当たり判定乱数値と共に記憶されている大当たり図柄乱数値とに基づいて、第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄を選択する特別停止図柄選択機能、大当たり/外れの判定結果に基づいて、第1,第2特別図柄の変動パターンとして複数種類の特別図柄変動パターンの中から1つを選択する第1,第2変動パターン選択機能等を備えている。
【0058】
本実施形態では、図7に示すように、大当たり判定値として、後述する確変状態中以外の通常確率状態中には例えば0〜349までの大当たり判定乱数値のうちの「7」が、確変状態中にはその「7」に加えて「17」,「27」等の複数個(例えば合計10個)が設定されている。
【0059】
第1,第2特別図柄処理手段74a,74bによる第1,第2特別図柄処理が終了すると、第1,第2特別図柄表示制御手段83,84(図5)の制御により、第1,第2特別図柄表示手段35,36による第1,第2特別図柄の変動表示が行われる。第1,第2特別図柄表示制御手段83,84は、第1特別図柄表示手段35又は第2特別図柄表示手段36による第1,第2特別図柄の変動を開始させた後、第1,第2特別図柄処理手段74a,74bで選択された第1,第2変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて、同じく第1,第2特別図柄処理手段74a,74bで選択された停止図柄、即ち大当たり態様(特定態様)又は外れ態様で第1,第2特別図柄の変動を停止させるようになっている。
【0060】
また、第1,第2特別図柄表示手段35,36による第1,第2特別図柄の変動が開始されると、第1,第2特別保留個数表示制御手段85,86(図5)の制御により、第1,第2特別保留個数表示手段38,39に表示されている第1,第2特別保留個数の値が1減少する。
【0061】
なお、例えば大当たり状態中には第1,第2特別図柄表示手段35,36の図柄変動を開始しない他、第1,第2特別図柄表示手段35,36の何れか一方の図柄変動中には他方の図柄変動を開始せず、両方が同時に変動中となることはないように制御され、且つ第1,第2特別保留個数が共に1以上である場合には、第1特別図柄表示手段35の図柄変動よりも第2特別図柄表示手段36の図柄変動を優先するように制御される。
【0062】
大当たり状態発生手段(利益状態発生手段)75は、遊技者に有利な大当たり状態(利益状態)を発生させるためのもので、第1,第2特別図柄処理手段74a,74bによる大当たり/外れの判定結果が大当たり判定となり、第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄が大当たり態様(特定態様)となることに基づいて、大入賞手段27を所定の開放パターンに従って開放する大当たり状態を発生させるように構成されている。
【0063】
本実施形態では、図7に示すように、大当たり状態における大入賞手段27の開放パターンとしてα,βの2種類が設けられており、大当たり状態発生手段75は、大当たり図柄乱数値に基づいて開放パターンα,βの何れかを選択するようになっている。また本実施形態では、図7に示すように、開放パターンβが選択される確率は第2特別図柄側の方が第1特別図柄側よりも高い値に設定されている。なお以下の説明では、開放パターンαによる大当たり状態を「2R大当たり状態」、開放パターンβによる大当たり状態を「15R大当たり状態」という。
【0064】
また、例えば大当たり状態の開始時には、ラウンド数表示制御手段87(図5)の制御により、ラウンド数表示手段40が、その大当たり状態における繰り返しラウンド数に応じた表示態様、即ち2ラウンド表示態様と15ラウンド表示態様との何れかで所定期間、例えば極短時間だけ作動する。
【0065】
特別遊技状態発生手段76は、大当たり状態の発生後の所定期間に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるためのもので、例えば第1,第2特別乱数記憶手段73a,73bに記憶された大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致した場合の大当たり図柄乱数値に応じて、時短状態と確変状態との何れかの特別遊技状態を発生させるように構成されている。なお本実施形態では、図7に示すように、第1,第2特別図柄表示手段35,36共に、大当たり図柄乱数値が0〜4の場合に時短状態が、5〜9の場合に確変状態が夫々発生するように構成されている。このように、本実施形態では特別遊技状態(確変状態と時短状態)の振り分け確率については第1特別図柄側と第2特別図柄側とで同一であるのに対し、大当たり状態で開放パターンβが選択される確率は第2特別図柄側の方が第1特別図柄側よりも高くなっており、第1特別図柄側で大当たりとなるよりも第2特別図柄側で大当たりとなる方が遊技者にとって有利な設定となっている。
【0066】
時短状態中は、第1,第2特別図柄に関して、第1,第2特別図柄表示手段35,36の変動時間が夫々通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられる他、普通図柄に関して、図6に示すように当たり確率が通常確率(例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)へ、変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間(例えば2.7秒)へ、第2特別図柄始動手段26の開閉手段56の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から延長開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ、夫々切り換えられるようになっている。なお、時短状態は例えばその開始後に第1,第2特別図柄が所定回数(例えば50回)変動した時点で終了するようになっている。
【0067】
確変状態中は、それ以外の通常確率状態中よりも大当たり判定値の数が例えば1個から10個へ増加されることにより、第1,第2特別図柄が大当たり態様となる確率が通常確率(例えば1/350)よりも高い高確率(例えば1/35)に切り換えられるようになっている。また、確変状態中は、原則として時短状態と同様の処理も併せて行われるが、特別遊技状態中以外の通常遊技状態中に2R大当たり状態が発生した場合には、その終了後に発生する確変状態については時短状態と同様の処理は行われない(いわゆる潜伏確変状態)ようになっている。なお、確変状態は例えば次の大当たり状態が発生した時点で終了する。
【0068】
確変報知制御手段89(図5)は、確変報知手段42の表示制御を行うもので、例えば確変状態中(例えば潜伏確変状態は除く)に確変報知手段42を点灯させるようになっている。また時短報知制御手段90(図5)は、時短報知手段43の表示制御を行うもので、例えば時短状態中に時短報知手段43を点灯させるようになっている。
【0069】
右打ち報知制御手段88(図5)は、右打ち報知手段41の表示制御を行うもので、例えば「右打ち」の方が遊技者に有利な右打ち期間中に右打ち報知手段41を点灯させるようになっている。なお、本実施形態の場合には、大入賞手段27が長時間開放される15R大当たり状態中と、第2特別図柄始動手段26の開閉パターンが延長開閉パターンとなる特別遊技状態中(確変状態中及び時短状態中)とが右打ち期間である。
【0070】
制御コマンド送信手段77は、所定の制御コマンドを一方向通信により演出制御基板59等のサブ制御基板側に送信して制御指令を与えるためのもので、例えば第1,第2特別図柄の変動時には、第1,第2特別図柄処理手段74a,74bによる第1,第2特別図柄処理に基づいて、第1,第2演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンド、第1,第2演出図柄の停止図柄の抽選を指示する停止図柄コマンド、第1,第2演出図柄の変動停止を指示する変動停止コマンド等を演出制御基板59側に送信するようになっている。
【0071】
演出制御基板59は、第1,第2演出図柄表示手段51,52、音声出力手段91、電飾手段92等の各種演出手段を制御するためのもので、演出図柄表示制御手段93等を備えている。
【0072】
演出図柄表示制御手段93は、第1,第2演出図柄表示手段51,52の表示制御及びそれに伴う音声出力手段91、電飾手段92等の制御を行うもので、主制御基板58側から変動パターンコマンド及び停止図柄コマンドを受信した場合に、その変動パターンコマンドに対応する変動パターンに基づいて画像表示手段44の表示画面44a上で第1演出図柄又は第2演出図柄の変動を開始させると共に変動後の停止図柄態様を抽選により決定し、その後に変動停止コマンドを受信したときに、抽選により決定した停止図柄態様で第1演出図柄又は第2演出図柄の変動を停止させ、またその第1,第2演出図柄の変動表示に合わせて音声出力手段91から所定の効果音を出力し、電飾手段92を所定のパターンで発光させるようになっている。
【0073】
以上のように構成された本パチンコ機では、普通図柄表示手段34、第1,第2特別図柄表示手段35,36、普通保留個数表示手段37、第1,第2特別保留個数表示手段38,39、ラウンド数表示手段40、右打ち報知手段41、確変報知手段42、時短報知手段43等が設けられた遊技情報表示パネル33が遊技盤8上ではなくガラス扉10上に配置されているため、遊技盤8の交換による機種変更時には遊技情報表示パネル33は交換されることなく引き続き使用することができ、遊技盤交換による機種変更時のコストを抑制できる。
【0074】
図8は本発明の第2の実施形態を例示し、遊技情報表示パネル33を遊技盤8の後側に対応して配置し、その遊技情報表示パネル33の前側に対応して遊技盤8上に開口部94を設け、遊技機筐体1の前側からその開口部94を経て遊技情報表示パネル33を視認可能に構成した例を示している。
【0075】
図8に示すように、内枠4上の遊技盤装着枠15は、遊技盤8の外周面に対向する周面保持部15aと、遊技盤8の背面に対向する背面保持部15bとを備えており、例えば遊技盤装着枠15の所定位置、例えば右下部における背面保持部15b上に、第1の実施形態と同様の遊技情報表示パネル33(図3)が、例えば遊技盤8における遊技領域22の外側に対応して配置されている。
【0076】
また、ベニヤ板等よりなる遊技盤8上には、遊技情報表示パネル33の前側に対応して開口部94が設けられている。更に、ガラス扉(窓扉)10のガラス窓(透明窓)31は、少なくともその一部が遊技領域22の外側まで拡張されて遊技情報表示パネル33及び開口部94の前側をカバーしており、遊技機筐体1の前側からガラス扉10のガラス窓31、遊技盤8の開口部94を経てその後側の遊技情報表示パネル33を視認可能となっている。以上のように、遊技情報表示パネル33は内枠4上に設けることも可能である。
【0077】
図9は本発明の第3の実施形態を例示し、第2の実施形態を一部変更して、遊技盤8上に開口部94ではなく透明部95を設けた例を示している。
【0078】
本実施形態が第2の実施形態と異なるのは、アクリル板等の透明板よりなる遊技盤8aが用いられている点のみである。これにより、遊技機筐体1の前側からガラス扉10のガラス窓31、透明遊技盤8a上の所定部(遊技情報表示パネル33の前側に対応する透明部95)を経てその後側の遊技情報表示パネル33を視認可能となっている。
【0079】
このように、遊技盤上の遊技情報表示パネル33の前側に対応する位置に開口部ではなく透明部を設けることにより、遊技領域22の外側だけでなく遊技領域22内に対応する位置に遊技情報表示パネル33を配置することも可能である。
【0080】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、遊技情報表示パネル33の前側に対応して遊技盤8上に設ける開口部94は、孔ではなく切欠であってもよい。
【0081】
また、ベニヤ板等よりなる不透明な遊技盤8を用い、遊技情報表示パネル33の前側に対応して透明部を設けてもよい。この場合、例えば遊技盤8に開口部を形成してその開口部に透明部材を装着すればよい。
【0082】
第2,第3の実施形態のように、遊技盤8の透明部又は開口部を経てその後側の遊技情報表示パネル33を視認可能に構成する場合、その前側のガラス扉(窓扉)10側についても、遊技情報表示パネル33の前側に対応して扉枠32上に開口部又は透明部を設けてもよい。またこのように内枠4側に遊技情報表示パネル33を設ける場合、遊技盤装着枠15上以外の位置に配置してもよい。
【0083】
また、遊技情報表示パネル33は遊技盤8以外の遊技機筐体1上に遊技者が視認可能な状態で設ければよく、例えば下部開閉扉9上に配置してもよいし、遊技機筐体1の上部側、上皿12、下皿13、発射ハンドル14等に配置してもよい。また、遊技者は主に遊技領域22内の画像表示手段44を見ながら遊技をしているため、遊技情報表示パネル33を遊技中の遊技者の目に付かない箇所、或いは目に付きにくい箇所に配置してもよい。
【0084】
遊技情報表示パネル33に搭載する表示手段は任意であり、実施形態で示した複数種類の表示手段のうちの一部のみを搭載してもよいし、実施形態で示していない他の表示手段、例えばエラー報知手段等を追加してもよい。
【0085】
実施形態では、遊技情報表示パネル33に搭載された全ての表示手段の制御を主制御基板58側で行うように構成した例を示したが、それらの一部、例えば普通保留個数表示手段37、第1,第2特別保留個数表示手段38,39等については演出制御基板59等で制御するように構成してもよい。
【0086】
また、実施形態では特別図柄とその始動手段とを2組搭載したパチンコ機の場合を例示したが、本発明は特別図柄とその始動手段とを1組しか搭載していないパチンコ機等であっても同様に実施可能であり、更にパチンコ機に限らず、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種の弾球遊技機においても同様に実施することが可能である。
【符号の説明】
【0087】
1 遊技機筐体
2 外枠
4 内枠
6 発射手段
8 遊技盤
8a 透明遊技盤
10 ガラス扉(窓扉)
22 遊技領域
24 普通図柄始動手段
25 第1特別図柄始動手段(図柄始動手段)
26 第2特別図柄始動手段(図柄始動手段)
31 ガラス窓(透明窓)
33 遊技情報表示パネル(遊技情報表示部)
34 普通図柄表示手段
35 第1特別図柄表示手段(図柄表示手段)
36 第2特別図柄表示手段(図柄表示手段)
37 普通保留個数表示手段
38 第1特別保留個数表示手段(保留個数表示手段)
39 第2特別保留個数表示手段(保留個数表示手段)
40 ラウンド数表示手段
63 普通乱数記憶手段
65 普通利益状態発生手段
73a 第1特別乱数記憶手段(乱数記憶手段)
73b 第2特別乱数記憶手段(乱数記憶手段)
75 大当たり状態発生手段(利益状態発生手段)
94 開口部
95 透明部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機筐体に着脱自在に装着され且つその前面側に遊技領域が形成された遊技盤と、前記遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域内に配置された図柄始動手段が遊技球を検出することに基づいて図柄を変動表示する図柄表示手段と、前記図柄表示手段による変動後の停止図柄が特定態様となることに基づいて、所定の単位利益状態を一又は複数回繰り返し発生させる利益状態発生手段とを備えた弾球遊技機において、前記図柄表示手段を含む遊技情報表示部を、前記遊技機筐体上の前記遊技盤以外の位置に設けたことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】
前記遊技機筐体は、矩形状の外枠と、前記外枠の前側に開閉自在に装着され且つ前記遊技盤を保持する内枠とを備え、前記内枠の前側には、前記遊技領域の前側に対応する透明窓を有する窓扉が開閉自在に装着されており、前記窓扉上で且つ前記透明窓の周辺部に前記遊技情報表示部を配置したことを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
【請求項3】
前記遊技情報表示部を前記遊技盤の後側に対応して配置し、前記遊技盤上の少なくとも前記遊技情報表示部の前側に対応する位置に透明部又は開口部を設け、前記遊技機筐体の前側から前記透明部又は前記開口部を経て前記遊技情報表示部を視認可能に構成したことを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
【請求項4】
前記遊技盤を透明板により形成したことを特徴とする請求項3に記載の弾球遊技機。
【請求項5】
前記利益状態発生手段による前記単位利益状態の繰り返しラウンド数を表示するラウンド数表示手段を備え、前記遊技情報表示部は前記ラウンド数表示手段を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の弾球遊技機。
【請求項6】
前記図柄表示手段は、前記図柄始動手段が遊技球を検出する毎に取得される特定乱数値に基づいて図柄を変動表示し、前記特定乱数値が特定判定値と一致する場合に停止図柄が前記特定態様となるように構成されており、前記特定乱数値を前記図柄表示手段による図柄変動に供されるまで所定の上限個数を限度として記憶する乱数記憶手段と、前記乱数記憶手段に記憶された前記特定乱数値の個数である保留個数を表示する保留個数表示手段とを備え、前記遊技情報表示部は前記保留個数表示手段を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の弾球遊技機。
【請求項7】
前記遊技領域内に配置された普通図柄始動手段が遊技球を検出することに基づいて普通図柄を変動表示する普通図柄表示手段と、前記普通図柄表示手段による変動後の停止図柄が所定態様となることに基づいて、前記図柄始動手段を遊技球が入球不可能又は入球困難な閉状態から入球可能又は入球容易な開状態に変化させる普通利益状態発生手段とを備え、前記遊技情報表示部は前記普通図柄表示手段を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の弾球遊技機。
【請求項8】
前記普通図柄表示手段は、前記普通図柄始動手段が遊技球を検出する毎に取得される所定乱数値に基づいて前記普通図柄を変動表示し、前記所定乱数値が所定判定値と一致する場合に停止図柄が前記所定態様となるように構成されており、前記所定乱数値を前記普通図柄表示手段による図柄変動に供されるまで所定の上限個数を限度として記憶する普通乱数記憶手段と、前記普通乱数記憶手段に記憶された前記所定乱数値の個数である普通保留個数を表示する普通保留個数表示手段とを備え、前記遊技情報表示部は前記普通保留個数表示手段を含むことを特徴とする請求項7に記載の弾球遊技機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−40351(P2012−40351A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2011−29549(P2011−29549)
【出願日】平成23年2月15日(2011.2.15)
【出願人】(391010943)株式会社藤商事 (1,465)
【Fターム(参考)】