弾球遊技機
【課題】移送手段の起動時の負荷を軽減できるようにする。
【解決手段】回転式の移送手段87により上昇通路93の下側に遊技球を送り込みながら、前記上昇通路93を経て遊技球を移送する。前記上昇通路93の中間に、上昇通路93に出退自在に設けられ且つ突出時にその上側の遊技球を受けるストッパー155と、ストッパー155がその上側の遊技球を受け止めてから前記移送手段87が上昇方向に起動するまでに移送手段87を逆転させて、移送手段87側の遊技球と前記ストッパー155上の遊技球との間に所定の間隔を持たせるための制御手段とを備えている。
【解決手段】回転式の移送手段87により上昇通路93の下側に遊技球を送り込みながら、前記上昇通路93を経て遊技球を移送する。前記上昇通路93の中間に、上昇通路93に出退自在に設けられ且つ突出時にその上側の遊技球を受けるストッパー155と、ストッパー155がその上側の遊技球を受け止めてから前記移送手段87が上昇方向に起動するまでに移送手段87を逆転させて、移送手段87側の遊技球と前記ストッパー155上の遊技球との間に所定の間隔を持たせるための制御手段とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機、アレンジボール機等の弾球遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アレンジボール機等の循環封入式の弾球遊技機には、遊技機本体を構成する外枠と前枠との内、その前枠に遊技盤と、遊技盤の遊技領域へと遊技球を発射する発射手段と、遊技盤を通過した遊技球を回収して発射手段へと送る循環手段とを装着し、遊技盤の遊技領域を視認可能なガラス扉を前枠に開閉自在に装着したものがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−272914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この弾球遊技機では、遊技盤を通過した遊技球が回収手段から待機通路へと自重で転動しながら発射手段側へと移動するため、遊技盤の下側に回収手段を配置し、この回収手段の下側に発射手段を配置するため、遊技盤の下端の位置を十分に高くする必要がある。
【0005】
そこで、回収手段よりも上側に発射手段を配置して、回収手段からの遊技球を移送手段により上昇通路を経て発射手段へと持ち上げて移送するようにすれば、遊技盤の下端の位置を低く下げることができ、遊技盤及びその遊技領域を大型化することができる。例えば回転送り手段により上昇通路の下側へと遊技球を送り込みながら、その遊技球によって上昇通路内の遊技球を下側から順次押し上げて移送すれば良い。
【0006】
この場合、回収手段に後続の遊技球がなければ移送手段が停止して移送動作を中断し、回収手段に後続の遊技球があるときに、移送手段が再起動して上昇通路の下側に遊技球を送り込む移送動作を開始することが考えられる。
【0007】
しかし、このような構成では、上昇通路の通路長さが大になれば、上昇通路内で停止状態にある全ての遊技球の重量が移送手段に加わるため、移送手段は再起動時にその過大な負荷に抗して回転することとなる。従って、移送手段に使用する駆動モータ等の駆動手段には、その過大な負荷に十分に抗し得るだけのものを使用する必要があり、製作コストの高騰を招く一因ともなる。
【0008】
本発明は、このような問題点に鑑み、移送手段の起動時の負荷を軽減できる弾球遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、回転式の移送手段により上昇通路の下側に遊技球を送り込みながら、前記上昇通路を経て遊技球を移送するようにした弾球遊技機において、前記上昇通路の中間に、該上昇通路に出退自在に設けられ且つ突出時にその上側の遊技球を受けるストッパーと、該ストッパーがその上側の遊技球を受け止めてから前記移送手段が上昇方向に起動するまでに該移送手段を逆転させて、該移送手段側の遊技球と前記ストッパー部上の遊技球との間に所定の間隔を持たせるための制御手段とを備えたものである。
【0010】
遊技盤の遊技領域へと遊技球を発射する発射手段と、前記遊技盤を通過した遊技球を回収する回収手段とを備え、前記移送手段は前記回収手段により回収された遊技球を前記上昇通路へと送り込み、前記上昇通路は遊技球を前記発射手段へと案内することもある。
【0011】
前記移送手段は外周に遊技球を捕捉する球捕捉部を有し且つ横軸心廻りに回転する回転移送体と、該回転移送体を横軸心廻りに駆動する回転駆動手段とを備えたものでも良い。前記ストッパーは前記上昇通路内で上下に重なる2個の遊技球間の隙間部に出退するものでも良い。前記移送手段は前記ストッパーが前記上昇通路内に突出すると略同時に遊技球の上昇方向への回転を停止するものでも良い。前記移送手段は前記ストッパーの突出後で且つ上昇方向に再起動するまでの間に所定量逆転して停止するものでも良い。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、上昇通路の中間に、該上昇通路に出退自在に設けられ且つ突出時にその上側の遊技球を受けるストッパーと、該ストッパーがその上側の遊技球を受け止めてから移送手段が上昇方向に起動するまでに該移送手段を逆転させて、該移送手段側の遊技球とストッパー部上の遊技球との間に所定の間隔を持たせるための制御手段とを備えているので、移送手段の起動時の負荷を軽減できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態を例示するパチンコ機の斜視図である。
【図2】同パチンコ機のガラス扉、下部扉を取り外した状態の正面図である。
【図3】同筐体側の正面図である。
【図4】同筐体側の斜視図である。
【図5】同パチンコ機の側面断面図である。
【図6】同パチンコ機の平面断面図である。
【図7】同パチンコ機の平面断面図である。
【図8】同循環経路の説明図である。
【図9】同施錠手段の側面断面図である。
【図10】同発射手段の正面図である。
【図11】同発射手段の側面断面図である。
【図12】同遊技盤下部から回収手段の一部破断側面図である。
【図13】同遊技盤下部から回収手段の正面断面図である。
【図14】同循環手段の斜視図である。
【図15】同移送手段の正面断面図である。
【図16】同移送手段の側面図である。
【図17】同移送手段の拡大正面断面図である。
【図18】同移送手段の拡大側面断面図である。
【図19】同ストッパー部分の正面断面図である。
【図20】同ストッパー部分の平面断面図である。
【図21】同ストッパー部分の側面断面図である。
【図22】同研磨手段の正面断面図である。
【図23】同研磨手段の平面断面図である。
【図24】同ブロック図である。
【図25】本発明の第2の実施形態を示す移送手段の正面断面図である。
【図26】本発明の第3の実施形態を示すストッパー部分の正面断面図である。
【図27】同平面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図20は本発明を循環封入式のパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示する。パチンコ機は、図1及び図2に示すように、遊技島に固定される外枠1と、外枠1内に着脱自在に装着された遊技盤2と、外枠1の前側にヒンジ3により縦軸廻りに開閉自在に枢着され且つ遊技盤2を前側から覆うガラス扉(開閉扉)4と、外枠1の前側にヒンジ5により縦軸廻りに開閉自在に枢着され且つガラス扉4の下側を前側から覆う下部扉6とを備えている。なお、ヒンジ3,5は左右一端側に配置され、ガラス扉4、下部扉6を略同一軸心廻りに開閉自在に枢支する。
【0015】
遊技盤2は図2に示すように正面視略矩形状であって、この遊技盤2の前面外周部には、内側の遊技領域7の全周を取り囲む飾り部材8が装着され、また遊技領域7に画像表示手段9、普通図柄始動手段10、可変入賞手段11、特別図柄始動手段12、普通入賞手段13、普通図柄表示手段14、特別図柄表示手段15等の各種の遊技部品が配置され、最下部にアウト球を裏側へと案内するアウト口16が設けられている。
【0016】
遊技領域7の上側には飾り部材8の内周に沿って左右方向に円弧状に湾曲するガイドレール17が配置され、このガイドレール17の一方側に球入口18が、他方側に遊技球の緩衝体19が夫々設けられている。遊技盤2の裏側には画像表示手段9等の遊技部品を裏側から覆う裏カバー20と、可変入賞手段11、特別図柄始動手段12、普通入賞手段13等の遊技部品を裏側から覆い且つ遊技盤2の裏側に誘導された遊技球を集めて遊技盤2の下方へと排出する集球ケース21とが上下に装着されている。
【0017】
外枠1は図2〜図4に示すように左右一対の側板23,24と、この両側板23,24の上端部を左右に連結する天板25と、両側板23,24の下端部を左右に連結する底板26と、その両側板23,24、天板25及び底板26に跨がって裏側に装着された裏板27と、両側板23,24の上下方向の中間に左右方向に架設された支持枠28とを有する筐体29により構成され、前側が開放する開口となっている。
【0018】
ガラス扉4、下部扉6は筐体29の開口を前側から塞ぐように上下に配置されており、筐体29の一方の側板23にヒンジ3,5により開閉自在に枢着され、筐体29の他方の側板24との間の施錠手段30,31により閉状態で施錠可能である。
【0019】
ガラス扉4は、図5、図6に示すように、遊技盤2の遊技領域7に対応する視認窓33を有する扉枠34と、その視認窓33に対応して扉枠34に装着されたガラス板(透明板)35とを備え、ガラス板35を介して遊技領域7を視認するようになっている。扉枠34は鉄板等の枠板34aと、この枠板34aの前面に装着された化粧カバー34b等を備えている。ガラス板35は前後に2枚配置されている。なお、ガラス扉4のガラス板35には、2枚のガラス板35を外周の保持部材36により保持したガラス板ユニット37が使用され、図外の固定具により扉枠34の裏面に着脱自在に装着されているが、2枚のガラス板35を着脱自在に設けたものでも良い。
【0020】
下部扉6の前面側には、図1に示すように、ガラス扉4の下側で前上向きに突出する表示操作パネル39と、この表示操作パネル39の左右方向の略中央部分の下側で前上向きに傾斜するタッチパネル式の表示パネル40と、この表示パネル40の一側に配置された発射ハンドル41とが設けられている。表示操作パネル39はチャンスボタン42、プリペイド表示部(遊技価値表示部)43、遊技球表示部44、持ち球表示部45、球貸ボタン46、返却ボタン47、精算ボタン48等が配置されている。表示操作パネル39と表示パネル40間等の適当箇所に遊技者を撮像するカメラ49が設けられている。
【0021】
外枠1を構成する筐体29内には、図2〜図7に示すように、遊技盤2が着脱自在に装着された遊技盤装着枠52と、遊技盤2の遊技領域7へと遊技球を発射する発射手段53と、遊技盤2を通過した遊技球を回収して発射手段53へと循環させる循環手段54と、循環中の遊技球を研磨して汚れを除去する研磨手段55とが設けられている。
【0022】
発射手段53、遊技盤2及び循環手段54は、図8に示すように閉回路状の循環経路Rを構成し、この循環経路R内に封入された所定数の遊技球を発射手段53と遊技盤2との間で循環させながらゲームを行うようになっている。
【0023】
遊技盤装着枠52は筐体29の両側板23,24間に架設された支持枠28から上側に設けられており、図2、図3に示すように、支持枠28の前部側に設けられ且つ遊技盤2の下側を受ける下受け部57と、この下受け部57から上側で両側板23,24の内面に設けられ且つ遊技盤2の左右両側部を受ける側受け部58,59と、天板25の内側に設けられ且つ遊技盤2の上側を受ける上受け部60とを有し、これらの受け部57〜60内に遊技盤2が前側から着脱自在に嵌め込まれて、その裏面外周が各受け部57〜60の当接部57a〜60aに当接するようになっている。
【0024】
遊技盤装着枠52は筐体29内で裏側が開放状になっており、遊技盤2を遊技盤装着枠52に装着したときに、支持枠28の上側で遊技盤2の裏カバー20、集球ケース21の後部が遊技盤装着枠52から後方に突出するようになっている。遊技盤装着枠52は遊技盤2の裏カバー20、集球ケース21を後方から覆うようにしてもよい。側受け部59と、上受け部60には、図5、図7に示すように、遊技盤装着枠52内に遊技盤2を押し込んだときに、遊技盤2を側受け部58と、下受け部57側へと押圧する押圧部59b,60bが設けられている。
【0025】
支持枠28は左右の側板23,24に跨がって略水平状に架設されており、その前部側に下受け部57が左右方向に設けられている。なお、この支持枠28は各機構部品の取り付け用と、筐体29の補強用とを兼用している。側受け部58,59と上受け部60は支持枠28の前後幅よりも幅の狭い材料により正面視門型状に構成されている。なお、下受け部57は支持枠28の上側に別体に設けても良い。
【0026】
遊技盤装着枠52には、図3、図4、図6に示すように、ヒンジ3側である左右一端側の側受け部58に係合部58bが、他端側に遊技盤装着枠52内の遊技盤2を着脱自在に固定する上下一対の固定手段63が夫々設けられている。遊技盤2を筐体29に装着する際には、遊技盤2の左右一端側を遊技盤装着枠52内に挿入して係合部58bに係合した後、その係合状態で遊技盤2の他端側を後方に押圧して遊技盤装着枠52内に遊技盤2を押し込むことにより、固定手段63で遊技盤2を遊技盤装着枠52に固定できるようになっている。
【0027】
係合部58bは側受け部58の前側に設けられている。固定手段63は遊技盤2の端縁を前後両側から挟んで係合するコ字状の係合体63aと、遊技盤装着枠52の前面に固定された支持体63bと、支持体63bに設けられ且つ係合体63aを待機位置と固定位置との間で姿勢変更可能に支持するリンク機構63cとを有する。そして、この固定手段63は、遊技盤2を待機位置にある係合体63aに当接して遊技盤装着枠52側に押圧したときに、係合体63aが待機位置から固定位置へと回動して遊技盤装着枠52内で遊技盤2を固定でき、またリンク機構63cの操作部を遊技盤2の離脱方向に操作したときに、係合体63aが固定位置から待機位置へと回動して遊技盤装着枠52内の遊技盤2の端部側を前側へと押し出すようになっている。支持体63bは遊技盤装着枠52の前面側に装着されている。
【0028】
下側の固定手段63は支持枠28から上側に突出する支持台28aの前面に着脱自在に固定され、上側の固定手段63は上受け部60の当接部60aの前面に着脱自在に固定されている。なお、各固定手段63は遊技盤装着枠52の一部に取り付けることが望ましいが、外枠1の側板23,24の内面等に固定してもよい。固定手段63は他の構造のものでもよい。
【0029】
施錠手段30,31は、図6、図7、図9に示すようにガラス扉4用と下部扉6用とがあり、筐体29の側板24と遊技盤装着枠52の側受け部59との間にガラス扉4、下部扉6に対応して上下方向に配置されている。ガラス扉4用の施錠手段30は、ガラス扉4の裏側に複数個(例えば2個又は4個)設けられた被係合部30aと、筐体29側のブラケット64に枢軸30bにより枢支され且つ各被係合部30aに係脱自在に係合する複数個の係合具30cと、各係合具30cを上下に連動させる連動部材30dと、連動部材30dを介して係合具30cを係合方向に付勢するバネ30eとを備えている。
【0030】
下部扉6用の施錠手段31は、ガラス扉4用と同様に、下部扉6の裏側に複数個(例えば2個又は4個)設けられた被係合部31aと、筐体29側のブラケット64に枢軸31bにより枢支され且つ各被係合部31aに係脱自在に係合する複数個の係合具31cと、各係合具31cを上下に連動させる連動部材31dと、連動部材31dを介して係合具31cを係合方向に付勢するバネ31eとを備えている。
【0031】
両施錠手段30,31の連動部材30d,31dは左右に近接して配置され、その各連動部材30d,31dに操作手段65の係合体65aが係合する係合孔30f,31fが設けられている。操作手段65は筐体29の側板24の前面に装着されており、前後方向の操作軸65bを有し、その操作軸65bの後端に係合体65aが設けられている。そして、操作手段65の前面のキー孔にキー65cを挿入して操作軸65bを正方向に操作すると、係合体65a、連動部材30dを介してガラス扉4用の施錠手段30を解除でき、また操作軸65bを逆方向に操作すると、係合体65a、連動部材31dを介して下部扉6用の施錠手段31を解除できる。
【0032】
発射手段53は、図2に示すように、遊技盤2の周縁近傍、取り分け遊技盤2の外縁の延長線上よりも内側において、遊技盤2の左右一側の上部に形成された切り欠き部67内に配置され、遊技盤2を着脱するときに切り欠き部67に対して前後方向に相対的に出退するように、裏側で筐体29側、例えば遊技盤装着枠52に装着されている。
【0033】
切り欠き部67は遊技盤2を着脱するときに、遊技盤2と発射手段53とが干渉しない大きさ、形状であって、図2、図7、図10、図11に示すように、遊技盤2の上側の外縁及び左側の外縁よりも内側に配置され、外周から遊技領域7側へと突出するように形成されている。遊技盤2の前面には、切り欠き部67と遊技領域7との間に両者を区画する飾り部材8の仕切り部8aが設けられており、この仕切り部8aの内側上部に、ガイドレール17に連続又は近接して球入口18が設けられている。
【0034】
球入口18には遊技領域7内の遊技球の戻りを阻止する戻り球阻止具68が設けられている。戻り球阻止具68は弾性片、揺動片等により構成され、発射手段53から発射された遊技球の遊技領域7内への通過を許容するようになっている。
【0035】
発射手段53は、図2、図7、図10、図11に示すように、その前面が遊技盤2の前面と略面一又は前後近傍に配置された発射支持板70と、この発射支持板70の前面に固定された発射レール71と、発射支持板70の前面に固定され且つ発射レール71上の遊技球を発射位置に位置決めするストッパー72と、発射支持板70の前面に配置され且つ発射支持板70に前後方向に挿通された打撃軸73廻りに回転して発射レール71の発射位置上の遊技球を遊技領域7へと打撃する打撃槌74と、打撃槌74を打撃軸73廻りに回転駆動するロータリソレノイド等の発射駆動手段75と、発射レール71上の遊技球の発射を検出する発射検出スイッチ76とを有する。
【0036】
発射支持板70は遊技盤装着枠52から前側に突出する取り付け部58cにネジ等で前側から着脱自在に固定されている。発射駆動手段75は発射支持板70の裏面に固定され、遊技者が発射ハンドル41を把持したときに、発射ハンドル41の回転操作量に応じた打撃力で打撃槌74を打撃軸73廻りに駆動するようになっている。発射レール71は上側に略V字状の案内溝71aを有し、打撃槌74により打撃された遊技球を球入口18からガイドレール17に沿って遊技領域7内へと案内するようになっている。なお、遊技盤装着枠52には、発射駆動手段75、球送り手段77に対応して開口部58dが設けられている。
【0037】
発射支持板70には発射レール71上の発射位置へと遊技球を落下させる球送り口70aが設けられ、この球送り口70aに対応して発射支持板70の裏面に球送り手段77が装着されている。球送り手段77は発射手段53の遊技球の発射動作、例えば打撃槌74の打撃軸73廻りの回転運動に連動して作動し、発射手段53が遊技球を発射する毎に、後述の貯留手段88の送り通路88dから供給される遊技球を1個ずつ発射支持板70の球送り口70aを経て、遊技球の発射後に発射レール71上の発射位置へと送るようになっている。なお、球送り手段77には周知のものが使用されている。球送り手段77は打撃槌74の発射動作に機械的に連動して作動してもよいし、電気的に連動して作動してもよい。
【0038】
遊技領域7の上部側は、図2に示すように飾り部材8により略円弧状に形成されている。飾り部材8には発射手段53の内側に仕切り部8aが遊技領域7の中心側へと突出して設けられている。ガラス扉4には、図1、図5、図7に示すように、発射手段53、遊技盤2の切り欠き部67に対応して、この発射手段53、切り欠き部67を前側から覆う覆い部78が設けられている。覆い部78は視認窓33の中心側に突出して扉枠34に設けられている。
【0039】
集球ケース21は図4に示すように上側及び前側が開放する形状であって、遊技盤装着枠52の下受け部57と緩衝しないように、遊技盤2の下端よりも上側で遊技盤2の裏面に装着されている。この集球ケース21の底壁79には、図4、図6、図12、図13に示すように、左右方向の略中央側等の適当箇所に遊技球を下方に排出する排出口80と、この排出口80へと遊技球を案内する傾斜壁81とを前後に備え、その左右両側は排出口80、傾斜壁81へと遊技球を案内するように傾斜状に構成されている。
【0040】
排出口80はアウト口16の下方で遊技盤2の裏面近傍に配置され、この排出口80の後側に傾斜壁81が設けられている。傾斜壁81の上面には、傾斜方向に沿った前後方向の突条81aが左右方向に複数設けられており、左右両側の遊技球が突条81a上に落下して、その突条81aにより排出口80側へと案内されるようになっている。なお、集球ケース21の排出口80は左右方向の略中央に配置しているが、左右方向の一側に配置してもよいし、遊技盤2から後方に離れて底壁79の後部に配置してもよい。
【0041】
図6に示すように、遊技盤2の裏側には盤側ジョイント部83が、外枠1内には枠側ジョイント部84が前後に対応して夫々設けられている。この盤側ジョイント部83、枠側ジョイント部84は遊技盤2を遊技盤装着枠52に着脱するに際して、図6に二点鎖線で示すように、遊技盤2の一端側を遊技盤装着枠52内に挿入して一端側を支点として他端側を前後方向に回動させたときに、相対応する盤側ジョイント部83の盤側コネクタ83aと枠側ジョイント部84の枠側コネクタ84aとが電気的に接続するようになっている。
【0042】
盤側ジョイント部83は集球ケース21(又は保護カバー)の左右方向の一側の傾斜段部21aの裏面に設けられている。この盤側ジョイント部83は、傾斜段部21aの裏面に配置された中継基板83bを有し、この中継基板83bに盤側コネクタ83aと中継コネクタ83cとが左右に装着されている。盤側コネクタ83aは左右方向の外側に、中継コネクタ83cは左右方向の内側に夫々配置され、また盤側コネクタ83aと中継コネクタ83cとの間には、中継コネクタ83cに接続されたハーネス(図示省略)を外側から覆うカバー83dが設けられている。
【0043】
枠側ジョイント部84は支持枠28から上側に突出する支持台28a上に起立状態に固定されたケース体84bを有し、そのケース体84bの前面の傾斜装着面に上下及び左右方向に所定範囲内で遊動可能に枠側コネクタ84aが装着されている。盤側コネクタ83a、枠側コネクタ84aは上下方向に所定の間隔をおいて複数個設けられており、遊技盤2を着脱するときに盤側コネクタ83aと枠側コネクタ84aとの内、その一方の多数の接続ピンが他方の多数の接続孔に対して前後方向に挿脱して、両コネクタ83a,84a同士が電気的に着脱するようになっている。なお、盤側コネクタ83a、枠側コネクタ84aは左右方向に長くなっている。
【0044】
盤側ジョイント部83、枠側ジョイント部84の対向面は、その盤側コネクタ83aと枠側コネクタ84aとの接続状態において、その挿脱部分の前後方向の略中央が遊技盤2の一端側の係合部58b近傍を通る仮想線分上に位置するように構成されており、例えば集球ケース21の傾斜段部21a、盤側ジョイント部83の中継基板83b、枠側ジョイント部84のケース体84bの傾斜装着面が仮想線分と略平行になっている。従って、遊技盤2を装着する際には、盤側コネクタ83aと枠側コネクタ84aとがヒンジ3に近い側から、逆に遊技盤2を離脱する際にはヒンジ3から遠い側から順次挿脱する。
【0045】
画像表示手段9は遊技盤2に装着された前飾り枠9aと、この前飾り枠9aの表示窓に対応して配置された画像表示部9bとを有する。普通図柄始動手段10は遊技盤2の前面で遊技球が通過可能な通過ゲートにより構成されている。可変入賞手段11、特別図柄始動手段12、普通入賞手段13は入賞した遊技球を遊技盤2の裏側へと誘導する入賞手段11〜13を構成し、可変入賞手段11が左右方向の略中央に、特別図柄始動手段12が画像表示手段9と可変入賞手段11との間に、普通入賞手段13が可変入賞手段11の左右両側に夫々配置されている。アウト口16は可変入賞手段11の下側で遊技領域7の最下部に配置されている。
【0046】
循環経路Rは発射手段53から遊技盤2へと遊技球を案内する往路と、遊技盤2を通過した遊技球を回収して発射手段53側に戻す復路とを有する閉回路に構成され、その復路に循環手段54が設けられている。
【0047】
循環手段54は、図2、図3、図14に示すように、遊技盤2の下方に配置され且つ遊技盤2を通過した遊技球を回収する回収手段86と、この回収手段86により回収された遊技球を発射手段53側へと持ち上げて移送する回転式の移送手段87と、この移送手段87により移送された発射用の遊技球を貯留する貯留手段88と、この貯留手段88内の遊技球を発射手段53の発射動作に連動して1個ずつ発射手段53へと送る球送り手段77とを有する。
【0048】
回収手段86は、図12〜図14に示すように、集球ケース21の排出口80から落下する遊技球を受け入れる受け入れ手段89と、受け入れ手段89からの遊技球を移送手段87へと案内し待機させる待機ケース90とを有し、発射手段53、貯留手段88及び球送り手段77、少なくとも貯留手段88よりも下側に配置されている。受け入れ手段89は回収口89aと、この回収口89aからの遊技球を下方に案内させる回収通路89bと、回収通路89bを通過する遊技球を検出する回収検出スイッチ89cとを有する。
【0049】
回収口89aは集球ケース21の排出口80の下側で支持枠28から上側に突出して一体に設けられ、排出口80から落下する遊技球を受け入れて下方へと案内するようになっている。回収通路89bは回収口89a側の遊技球を円滑に案内できるように左右方向に近接して複数配置され、下受け部57の後方近傍で下方に突出するように支持枠28に一体に設けられている。回収検出スイッチ89cは遊技球が通過する通孔を有し、回収通路89bの上下方向の中間、例えば支持枠28の下側近傍で回収通路89bに対して略直交方向に配置されている。各回収検出スイッチ89cは上下に位置を変えて千鳥状に配置されている。
【0050】
待機ケース90は回収通路89bの下側で上向きに開口する受け口90aと、この受け口90aから移送手段87の入口側へと傾斜状に設けられた待機通路90bとを有し、支持枠28の下側に適宜ブラケット等を介して取り付けられている。受け口90aには回収通路89bの下側から前側に張り出す漏斗状の補充口90cが一体に設けられ、循環経路R内に封入された遊技球の球数が減少したときに、この補充口90cから循環経路R内に遊技球を補充するようになっている。なお、補充口90cは移送手段87の入口より上手側、望ましくは待機通路90bの整列部よりも上手側にあれば良い。
【0051】
待機通路90bは少なくとも移送手段87の入口側では待機中の遊技球を一列状に整列させるようになっており、また待機通路90bに所定数、例えば5個又は10個以上の遊技球があることを検出する待機検出スイッチ91と、待機通路90bの遊技球が全て移送されて待機通路90bに遊技球がないことを検出する移送検出スイッチ91bとが設けられている。
【0052】
貯留手段88は発射手段53による遊技球の発射中に遊技球が途切れないように、発射手段53の連続的な発射に必要な数の遊技球を常時貯留するためのものであって、図3〜図6に示すように、遊技盤2の上部側に配置された発射手段53の上手に設けられる球送り手段77よりも上流側において、筐体29内の遊技盤装着枠52よりも裏側に配置されている。なお、貯留手段77の遊技球の貯留数は、移送手段87の停止中も発射手段53の発射用の遊技球が殘存する数となっている。
【0053】
この貯留手段88は図3〜図6、図14に示すように、遊技球が左右方向に配置され且つ逆方向に傾斜する上流側貯留通路88a及び下流側貯留通路88bと、両貯留通路88a,88bを接続する短い接続通路88cと、下流側貯留通路88bの下手側を球送り手段77に接続する短い送り通路88dとを有する貯留通路88a〜88dにより構成されている。なお、貯留通路88a〜88dは平面視略U字状、その他の形状の屈曲状に構成すれば良い。
【0054】
貯留通路88a〜88d内は遊技球が一列状に整列して球送り手段77へと転動するように角筒、円筒等の筒体により構成されている。送り通路88dは球送り手段77の入口に連通している。なお、貯留手段88はブラケット等を介して筐体29の天板25、遊技盤装着枠52等に取り付けられている。
【0055】
移送手段87は遊技盤2よりも下側に配置された回収手段86の待機通路90bからの遊技球を遊技盤2の上部側に配置された貯留手段88へと移送するように構成されている。この移送手段87は、図14〜図18に示すように、遊技盤装着枠52の裏側で縦方向に配置され且つ上端が上流側貯留通路88aの最上手側に接続された上昇通路93と、回収手段86の待機通路90b内の遊技球を上昇通路93の下側へと送り込む回転移送体94と、回収手段86の待機通路90bと上昇通路93との間で回転移送体94に沿ってその下側に設けられた案内部材95と、回転移送体94を駆動する回転駆動手段(移送駆動手段)96とを有する。
【0056】
上昇通路93は、図5、図6に示すように、貯留手段88側と同様に遊技球が一列状に並ぶ程度の寸法を有する角筒、円筒等の筒体により構成され、支持枠28の切り欠き部97を経て上下方向に配置されている。
【0057】
回転移送体94は外周に多数の球捕捉部100が形成され且つ周溝(又は間隔)98を介して前後両側に配置された前後一対の回転スプロケットス99を備え、前後方向の回転軸109廻りの回転により、両回転スプロケット99の球捕捉部100で捕捉した遊技球を案内部材95に沿って案内するようになっている。両回転スプロケット99間の間隔は図18に示すように遊技球の直径よりも若干小であり、またその球捕捉部100は図17に示すように遊技球の直径よりも若干小さい直径で円弧状に凹入している。
【0058】
なお、各回転スプロケット99の球捕捉部100は、前後両側で遊技球に点接触又は線接触するようになっている。回転移送体94は外周に多数の球捕捉部100を有するものであれば良く、1個の回転スプロケット99により構成しても良い。球捕捉部100は回転移送体94の外周から外方に突出する突起により構成しても良い。
【0059】
案内部材95は回転移送体94の外周に沿って円弧状に形成された下側案内部101と、この下側案内部101の前後両側から回転移送体94の前後両側に沿って屈曲する側壁部102と、下側案内部101の案内方向の下手側に一体に設けられ且つ下側案内部101から上昇通路93へと縦方向の接線方向に伸びる上昇側案内部103とを備え、一方の側壁部102に設けられた取り付け部102aと上昇側案内部103に設けられた取り付け部103aとを介して支持板104に着脱自在に固定され、また支持板104は筐体29の側板23の内面に固定されている。なお、支持板104は支持枠28の下側に固定しても良い。下側案内部101と上昇側案内部103は別部材により構成しても良い。
【0060】
移送手段87の回収手段86側には、回転移送体94と案内部材95との間に入口部105が設けられている。この入口部105には案内部材95の前後の側壁部102間に配置された可動案内片106が設けられると共に、可動案内片106上の最下流側の遊技球に対応して移送検出スイッチ91bが設けられている。可動案内片106はその下手側が前後方向の支軸107により案内部材95に支持され、また上手側が回収手段86の待機通路90bに対応する高さで図外の適宜手段により規制されている。
【0061】
支軸107は前後の側壁部102に形成された上下方向の調整孔に沿って上下調整可能に挿通されている。可動案内片106には支軸107の挿通部106aに、遊技球が支軸107と接触するように幅方向の略中央部に切除部106bが設けられている。入口部105の下流側と下側案内部101との間には段差部108が設けられている。
【0062】
段差部108は支軸107と下側案内部101との間に回転スプロケット99の径方向に設けられており、回転駆動手段96が停止状態のときに回転スプロケット99の球捕捉部100内の遊技球が回転スプロケット99の逆転方向から当接して、回転スプロケット99の逆転を阻止するためのものであり、回転スプロケット99の逆転防止用のストッパー部を構成している。
【0063】
案内部材95の下側案内部101には、段差部108側に弾性部101aが設けられている。弾性部101aは前後の側壁部102から切り離された舌片状であり、回転スプロケット99の球捕捉部100内の遊技球が逆転方向から支軸107に当接するときに弾性変形によりその衝撃を吸収するようになっている。
【0064】
上昇側案内部103には通路カバー110が設けられている。通路カバー110は断面凸状であって、上昇側案内部103に当接して着脱自在に装着され且つ上昇側案内部103との間で上昇案内通路111を形成している。通路カバー110には、回転プロケット99間の周溝98に対応して下向きに突出し且つ回転プロケット99の球捕捉部100内の遊技球を掻き出して上昇案内通路111側へと略接線方向に案内する掻き出し突部112が設けられている。なお、支持板104には回転移送体94を上側から覆うカバー113が設けられている。
【0065】
回転駆動手段96は駆動モータ等により構成され、支持板104の裏側に装着されている。この回転駆動手段96は待機検出スイッチ91が待機通路90bの所定数以上の遊技球の待機を検出したときに起動して回転スプロケット99を移送方向に駆動し、移送検出スイッチ91bが待機通路90bに遊技球がなくなったことを検出したときに、最後の遊技球が段差部108を通過することを待って停止するようになっている。
【0066】
なお、回収手段86の待機通路90b、移送手段87の回転移送体94、案内部材95及び上昇案内通路111は、平面視において左右方向の略一直線上に配置されている。
【0067】
上昇通路93の下部等の上下方向の中間には、図19〜図21に示すように、移送手段87が移送動作を中断状態のときに上側の遊技球を受け止めて支持するためのストッパー155と、このストッパー155を上昇通路93に対して出退自在に駆動する出退駆動手段156とが設けられている。
【0068】
ストッパー155はU状等の二股状であって、上昇通路93の通路壁157に形成された案内部158により、上昇通路93の長手方向に対して略直交方向の摺動自在に支持され、上下に重なる2個の遊技球間の隙間部93bに対して進退するようになっている。ストッパー155の一端には連結ピン159、連動アーム160等の連動手段161を介して、ストッパー駆動手段156を構成するソレノイド162のプランジャー163に連結されている。
【0069】
連動アーム160はベルクランク等により構成され、通路壁157の外側のブラケット164に枢軸165を介して枢支されると共に、付勢バネ166によりストッパー155を突出させる方向に付勢されている。ソレノイド162はプランジャー163と反対側が枢軸167により上昇通路93の外側のブラケット168に枢着されている。
【0070】
研磨手段55は、図22、図23に示すように、上昇側案内部103の開口103bから上昇案内通路111内に突出して遊技球を研磨する研磨体116と、この研磨体116を前後方向の軸心廻りに遊技球の移動方向とは逆方向に回転駆動するモータ等の研磨駆動手段117とを備えている。
【0071】
研磨体116は例えば無端帯状の研磨材により構成され、研磨枠118の駆動輪119と従動輪120とに巻き掛けられ、従動輪120の外周側が開口103bから上昇案内通路111内に突出している。駆動輪119は研磨枠118に挿通された駆動軸121に固定され、駆動軸121は研磨枠118に固定された研磨駆動手段117により駆動される。従動輪120は研磨枠118に固定された固定軸122に回転自在に支持されている。研磨枠118は前側が開放状であって、上下の装着部123,124を介して上昇側案内部103に着脱自在に装着され、且つバネ125により研磨体116が上昇案内通路111内に突出するように付勢されている。
【0072】
一方の装着部124は上昇側案内部103の係合部124aと、研磨枠118に設けられ且つ係合部124aに係脱自在に係合する係合片124bとを有する。他方の装着部123は上昇側案内部103側に突設された固定ピン123aと、研磨枠118に設けられ且つ固定ピン123aが挿脱自在に挿通される取り付け片123bとを有し、その取り付け片123bと固定ピン123aの抜け止め具126との間で固定ピン123aにコイル状のバネ125が介在されている。研磨枠118は前側が開放状であり、この開放側から研磨体116が駆動輪119、従動輪120に着脱自在に巻き掛けられている。抜け止め具126は固定ピン123aに挿脱自在である。
【0073】
なお、研磨駆動手段117は電源投入後は常時研磨体116を駆動するようにしてもよいが、遊技者が発射ハンドル41に接触して発射手段53が発射動作中のとき、又は移送手段87の回転駆動手段96が回転移送体94を駆動する移送動作中のときに、研磨体116を駆動するようにしてもよい。また研磨手段55は循環中の遊技球を研磨してその汚れを除去できる。
【0074】
移送手段87及びストッパー155の制御系は、図24に示すように構成されている。移送手段87は移送制御手段170により、ストッパー155はストッパー制御手段171により夫々制御される。移送制御手段170は回転駆動手段96の回転・停止を制御するもので、待機検出スイッチ91が回収手段86の待機通路90b内の所定数(5個又は10個)以上の遊技球の待機を検出したときに回転駆動手段96を起動させる移送動作開始制御部172と、移送検出スイッチ91bが回収手段86の待機通路90bの遊技球を検出しなくなって全ての遊技球の移送が終了し、且つ上昇通路93内の上下の遊技球間の間隙がストッパー155に対応したときに回転駆動手段96を停止させる移送動作停止制御部173と、移送動作の停止後にストッパー155の上側の遊技球と下側の遊技球との間に所定の間隔A(図21参照)が生じるように移送手段87の回転駆動手段96を逆転させる逆転動作制御部174とを有する。
【0075】
ストッパー制御手段171は待機検出スイッチ91が回収手段86の所定数以上の遊技球の待機を検出したときの移送動作開始時にストッパー155を解除し、また移送検出スイッチ91bが待機通路90bの全ての遊技球の移送を検出し、且つ上昇通路93内の上下の遊技球間の間隔Aがストッパー155に対応したときにストッパー155を突出させるようストッパー駆動手段156を制御するようになっている。
【0076】
なお、移送検出スイッチ91bが待機通路90b内の遊技球を検出しなくなって回収手段86内の全ての遊技球の移送を終了した後に、上昇通路93内の上下の遊技球間の隙間部93bに対応したときに、移送手段87による移送動作を停止しストッパー155を突出させるが、移送検出スイッチ91bの移送の検出から回転角検出手段175が回転駆動手段96の所定の回転角を検出することにより判定するようにしている。これ以外の方法で判定するようにしても良い。
【0077】
筐体29内には、図2に示すように、底板26と支持枠28との間等の適当箇所に、各部に電源を供給するための電源基板が収納された電源基板ケース130、発射手段53、循環手段54等を制御するための枠側制御基板が収納された枠側制御基板ケース131、各入賞手段11〜13に遊技球が入賞時の賞球を制御するための賞球制御基板が収納された賞球制御基板ケース132、球貸ボタン46の操作時の球貸しを制御するための球貸制御基板が収納された球貸制御基板ケース133等、各種の基板を収納する基板ケースが適宜手段を介して装着されている。
【0078】
このパチンコ機は、隣接して配置される遊技情報読取・書込手段(図示省略)との間で相互通信により情報の授受を行う。例えば遊技情報読取・書込手段に遊技価値記録媒体、例えば遊技カードを挿入すると、その遊技カードの度数等の遊技価値が遊技価値表示部43に度数等で表示されるので、次に球貸ボタン46を操作する。すると球貸ボタン46の操作に応じた所定数の遊技球が持ち球として貸し出され、その球数が遊技球表示部44に表示される。また遊技価値表示部43の遊技価値が減算される。
【0079】
遊技者が発射ハンドル41を操作すると、発射手段53が所定の時間間隔で遊技領域7へと遊技球を発射する。このとき発射検出スイッチ76で遊技球の発射が計数され、その計数値が所定数(1個又は複数個(例えば5個))になる毎に遊技球表示部44の表示数が減算されて行く。可変入賞手段11、特別図柄始動手段12、普通入賞手段13等の入賞手段11〜13に遊技球が入賞すると、各入賞手段11〜13毎に予め定められた1入賞当たりの賞球が付与され、その賞球数が所定数(1個又は複数個(例えば5個))になる毎に遊技球表示部44の表示数に加算されて行く。
【0080】
精算ボタン48を操作すると、遊技球表示部44の表示数が持ち球表示部45に表示されて、遊技球表示部44の表示が消える。次に返却ボタン47を操作すると、持ち球表示部45の表示数に相当する遊技価値が遊技情報読取・書込手段で遊技カードに記録された後、持ち球表示部45の表示が消え、遊技カードが遊技情報読取・書込手段から返却される。
【0081】
遊技カードを挿入したときに、カメラ49が作動して遊技者の顔を撮影して本人確認を行うようにしてもよい。この場合、例えば遊技者が事前に登録された本人でなければ、その旨を報知して遊技カードを返却し、本人のときにはその旨を報知して、その後のボタン操作等が可能になるようにする。なお、これらの処理は単なる例示に過ぎず、これに限定されるものではない。
【0082】
このパチンコ機では、発射手段53と遊技盤2との間に形成された循環経路R中に所定数の遊技球が封入されており、発射手段53の発射に必要な数の遊技球が貯留手段88に貯留された状態にある。そこで、球貸ボタン46を操作すると、その操作に応じた数の遊技球の貸し出しがあり、その球数の範囲内で発射手段53により遊技球を発射可能である。
【0083】
発射ハンドル41を操作すると、その操作量に応じた打撃力で打撃槌74が発射駆動手段75により打撃軸廻りに繰り返し駆動され、打撃槌74によって発射レール71上の発射位置にある遊技球が遊技領域7へと順次発射される。この場合、発射手段53では打撃槌74で発射レール71上の遊技球を打撃するが、発射手段53自体が遊技盤2の一側上部にあるため、軽い打撃により遊技球を遊技領域7へと発射することが可能であり、発射駆動手段75の小型化を図ることができる。
【0084】
発射された遊技球はガイドレール17に沿って遊技領域7の適当位置に案内された後、遊技釘、その他の部材に衝突又は案内されながら遊技盤2に沿って下方へと落下し、その間に各入賞手段11〜13等に入賞した遊技球は遊技盤2の裏側へと誘導され、また入賞しない遊技球はアウト口16から遊技盤2の裏側へと誘導されて行く。
【0085】
遊技盤2の前面に沿って落下する遊技球が普通図柄始動手段10を通過すると、画像表示手段9の前飾り枠9a等に装着された普通図柄表示手段14の普通図柄が変動表示する。普通図柄表示手段14は複数種類の普通図柄(例えば2種類の「○」「×」)に対応する複数の発光素子により構成されており、普通図柄始動手段10の遊技球の検出を条件に各発光素子が交互に点灯するように所定時間点滅する。そして、普通図柄始動手段10の遊技球の検出時に抽選した乱数値が予め定められた当たり判定値と一致した場合には、当たり態様の「○」側の発光素子が点灯し、それ以外の場合に外れ態様の「×」側の発光素子が点灯して停止する。なお、変動後の普通図柄は1/10程度の所定の確率で当たり態様となる。
【0086】
普通図柄が当たり態様で停止して特別図柄始動手段12の開閉作動部12bが開放する等により、特別図柄始動手段12が遊技球を検出すると、画像表示手段9の前飾り枠9a等に装着された特別図柄表示手段15の特別図柄が所定時間変動表示する。特別図柄表示手段15は発光部位の変化等で特別図柄を変動表示可能なセグメント式等により構成されており、特別図柄始動手段12の遊技球の検出を条件に特別図柄が所定時間変動して、特別図柄始動手段12の遊技球の検出時に抽選された乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致した場合に所定の大当たり態様で、それ以外の場合に外れ態様で停止するようになっている。
【0087】
特別図柄始動手段12は開閉動作をしない非作動部12aと、普通図柄が当たり態様で停止したときに所定時間開放する開閉作動部12bとを上下に有し、何れに遊技球が入賞した場合にも、特別図柄表示手段15の特別図柄が変動する。
【0088】
特別図柄表示手段15の変動後の特別図柄が大当たり態様となって特別遊技状態が発生したときに可変入賞手段11の開閉扉が前側に開放して、上方から落下する遊技球を開閉扉を経て可変入賞口へと入賞させる。特別遊技状態中は開閉扉の開放から所定時間(例えば30秒程度)が経過するか、その間に所定数(例えば10個)の遊技球が入賞したときに開閉扉を閉じる動作を1ラウンドとし、この動作を所定回数(例えば16ラウンド)継続するようになっている。
【0089】
このようなゲーム中に画像表示部9bは特別図柄表示手段15の特別図柄に対応する演出図柄9c〜9eを変動表示し、またチャンスボタン42の操作を指示する等、遊技の進行に従って適宜タイミングで各種の演出画像を随時表示する。即ち、特別図柄表示手段15の特別図柄の変動に際しては、その特別図柄の変動に同期して1個又は複数、例えば3個の演出図柄9c〜9eが画像表示部9bに変動表示される。このとき演出図柄9c〜9eは特別図柄始動手段12の遊技球の検出を条件に、抽選により決定された所定の演出図柄変動パターンを経て所定時間変動した後、特別図柄の変動終了に同期して所定の順序(例えば左、右、中等の順序)で順次停止する。
【0090】
演出図柄9c〜9eの変動後の停止図柄は、特別図柄が大当たり態様で停止する場合には全てが揃う大当たり演出態様となり、特別図柄が外れ態様で停止する場合には少なくとも一部が異なる外れ演出態様となる。例えば、演出図柄9c〜9eには0〜9までの数字図柄が使用されており、特別図柄が大当たり態様で停止する場合には演出図柄9c〜9eは「7・7・7」等の大当たり演出態様で停止し、特別図柄が外れ態様で停止する場合には演出図柄9c〜9eは「2・4・5」等の外れ演出態様で停止する。
【0091】
チャンスボタン42の操作指示に際しては、変動後の特別図柄が大当たり態様となる信頼度の高い演出図柄変動パターンを抽選したとき等、遊技者に対して期待感を抱かせる所定の遊技状態、例えば1個の演出図柄9dを除く2個の演出図柄9c,9eが同じとなるリーチとなった場合に、画像表示部9bの所定箇所にチャンスボタン42の操作を指示する操作指示画像9fが表示される。
【0092】
そして、例えば特別図柄始動手段12が遊技球を検出したときに大当たりを抽選しており、変動後の特別図柄が大当たり態様となった後に特別遊技状態が発生する場合には、その操作指示画像9fに従って図柄変動中に適宜タイミングでチャンスボタン42を押圧操作すれば、画像表示部9bに所定の予告画像が明滅発光して表示される等により、その後の大当たり態様での特別図柄の停止、及びこれに続く特別遊技状態の発生を予告する演出がなされる。
【0093】
可変入賞手段11、特別図柄始動手段12、普通入賞手段13等の入賞手段に遊技球が入賞すると、その夫々に対応して予め決められた数の遊技球が賞球として遊技者に与えられ、その遊技球が加算されて遊技球表示部44に表示される。
【0094】
可変入賞手段11、特別図柄始動手段12、普通入賞手段13等に入賞して遊技盤2の裏側へと誘導された遊技球は、可変入賞手段11、普通入賞手段13等から集球ケース21内へと落下し、傾斜壁81等を経て排出口80から下方へと排出されて行く。またアウト口16に入った遊技球は、遊技盤2の裏側から集球ケース21内へと落下し排出口80から下方へと排出されて行く。
【0095】
集球ケース21の排出口80から出た遊技球は、回収手段86を経て移送手段87側へと回収される。この回収に際して回収手段86の回収口89aへと落下した遊技球は、左右方向の複数個の回収通路89bの何れかを経て下方へと落下するため、複数個の遊技球が短時間に回収口89aへと集中するようなことがあっても、それらの遊技球を集球ケース21から回収手段86へと円滑に回収することができる。
【0096】
また各回収通路89bを通過中の遊技球は回収検出スイッチ89cにより検出され、その検出信号により回収手段86に回収された遊技球の数が計数される。従って、例えば発射検出スイッチ76で検出された遊技球の発射数と、回収検出スイッチ89cで検出された遊技球の回収数とを計数して、その発射数と回収数との差を演算することにより、待機中の遊技球の数を把握することができる。
【0097】
移送手段87による移送動作の停止中は、図21に実線で示すように、ストッパー155が上昇通路93内に突出してその上側の遊技球を受け止めている。このときストッパー155上の遊技球とその下側の遊技球との間には所定の間隔Aがあり、移送手段87の入口側には最下流側の遊技球が回転スプロケット99の球捕捉部100に入った状態にある。そこで、待機通路90bで待機中の遊技球が所定数(例えば5個又は10個)になり、移送制御手段170の制御により回転駆動手段96が移送方向に起動して回転スプロケット99が回転すると、後続の遊技球が回転スプロケット99の球捕捉部100に順次入る。そして、待機通路90bに待機中の遊技球を回転スプロケット99の球捕捉部100内に捉えながら上昇案内通路111へと送り込む。
【0098】
そして、回転スプロケット99の球捕捉部100に入った遊技球は、回転スプロケット99の回転に伴って案内部材95に案内されながら回転スプロケット99の下側を経て反対側の上昇案内通路111へと送られて行く。遊技球が上昇案内通路111の下端部に達すると、先端が回転スプロケット99間の周溝98に突出する掻き出し突部112によって、回転スプロケット99の球捕捉部100内の遊技球が順次掻き出された後、その遊技球は上昇案内通路111内へと接線方向の上方に押し上げられて行く。
【0099】
このようにして回転駆動手段96の起動当初は、ストッパー155よりも下側の上昇案内通路111、上昇通路93内の遊技球が上昇する。そして、回転駆動手段96が停止前の逆転分に相当する回転角を回転角検出手段175が検出すると、ストッパー155の下側の遊技球が図21に二点鎖線で示すようにストッパー155上の遊技球に当接するので、その当接と略同時にストッパー制御手段171がストッパー駆動手段156に解除指令を出してストッパー155を上昇通路93から後退させる。
【0100】
このようにストッパー155の下側の遊技球が上昇してストッパー155の上下両側の遊技球が当接した直後にストッパー155を後退させれば、ストッパー155の上下両側の遊技球が当接して上側の遊技球が押し上げられるため、ソレノイド162の駆動程度でも容易にストッパー155を解除することができる。
【0101】
その後は回転スプロケット99の回転により、後続の遊技球によって上昇案内通路111、上昇通路93内の遊技球を押し上げながら上昇方向に移送するが、先ずストッパー155から下側の遊技球を回転スプロケット99により間隔A分だけ押し上げ、その後にストッパー155の上側の遊技球を含む全体の遊技球を押し上げる。そのため回転駆動手段96を移送方向に起動させる際にも、上昇案内通路111、上昇通路93の全ての遊技球の重量が回転駆動手段96に加わるようなことがなく、回転駆動手段96の負荷を軽減することができる。従って、回転駆動手段96に比較的小型のモータを使用する等、簡単且つ安価に実施することができる。
【0102】
上昇通路93の上端に達した遊技球は、上昇通路93と貯留手段88の上流側貯留通路88aとの間の最上部を通過すると、上流側貯留通路88aの傾斜に沿って転動しながら接続通路88c、下流側貯留通路88bへと移動して、貯留手段88内に略一列状に貯留される。
【0103】
待機通路90b内に待機中の遊技球がある限り回転スプロケット99が回転して、その待機通路90b内の遊技球を上昇通路93の下側へと送り込む。しかし、移送検出スイッチ91bが待機通路90b内に遊技球がないことを検出すると、最後の遊技球が段差部108から所定間隔離れるまで回転スプロケット99が回転した後に停止して遊技球の移送を中断する。
【0104】
このとき移送検出スイッチ91bの検出時点から、上下2個の遊技球間の隙間部93bがストッパー155に対応する位置までの回転スプロケット99の回転角を回転角検出手段175が検出し、所定の回転角になったときにストッパー制御手段171の制御によりストッパー155が突出して上下の遊技球間の隙間部93bに進入する。
【0105】
これと略同時に回転駆動手段96が逆転し、回転スプロケット99は最後の遊技球が段差部108に当接するまで逆方向に回転する。このためストッパー155の上側の遊技球はストッパー155により規制されるのに対して、ストッパー155の下側の遊技球が下降することにより、ストッパー155の上下両側の遊技球間に所定の間隔ができる。
【0106】
なお、ストッパー155の突出と略同時に回転駆動手段96が停止し、それから次の移送方向への回転までの間の適当な時期に回転駆動手段96が逆転するようにしても良い。また上下の遊技球間の間隔Aは、遊技球の1個分程度であることが望ましいが、遊技球1個分未満でも良い。また遊技球が段差部108に接触すると、回転スプロケット99は逆転しなくなるが、そのときに弾性部101aが弾性変形するため、この弾性部101aにより衝撃を緩和することができる。
【0107】
その後、待機通路90bの遊技球が所定数(5個又は10個)以上になれば、回転駆動手段96が再起動し回転スプロケット99が移送方向に回転して遊技球の移送動作を開始するが、前述と同様に回転駆動手段96に加わる負荷を軽減して円滑に遊技球を移送することができる。
【0108】
また待機通路90bに遊技球がなくなれば、回転スプロケット99を移送方向に若干回転させた後に逆転させて、最後の遊技球が段差部108に当接する位置で停止させる。このため回転スプロケット99の回転により後続の遊技球によって上昇通路93内の遊技球を押し上げるようにしているにも拘わらず、球捕捉部100に遊技球が入らない状態で回転スプロケット99が回転するようなことはない。従って、上昇案内通路111の下端を回転スプロケット99が通過するときに、上昇案内通路111内の下端側の遊技球によって回転スプロケット99の球捕捉部100間の突出部が叩かれるようなこともなく、遊技球を連続的に移送することができる。
【0109】
また回転スプロケット99が停止して遊技球の移送を中断すると、遊技球の重量が回転スプロケット99に対して逆転方向に加わるが、上昇通路93の上部側の遊技球の重量はストッパー155により支持できるので、ストッパー155下側の遊技球の重量が回転スプロケット99に加わるのみであり、回転スプロケット99の負担を軽減することができる。しかも、回転スプロケット99が逆転したときに、その球捕捉部100に入った遊技球が図15、図17に示すように入口部105の下手側の段差部108に当接するため、これによって回転スプロケット99のそれ以上の逆転を阻止できる。従って、回転スプロケット99の逆転を阻止するブレーキ等の手段を別途設ける必要もない。
【0110】
回転スプロケット99の単位時間当たりの遊技球の移送数は、発射手段53の単位時間当たりの遊技球の発射数よりも大であり、移送手段87が遊技盤2を通過して回収手段86に回収された遊技球をその速度で順次移送するため、各遊技球が遊技盤2を通過するときの通過時間に多少の時間差があっても、発射手段53が遊技球を発射するに必要な数の遊技球を常に貯留手段88に貯留することができる。
【0111】
移送手段87の上昇案内通路111を遊技球が通過するときに、研磨手段55の研磨体116により遊技球を研磨して遊技球の表面に付着した汚れ等が除去される。研磨手段55では研磨駆動手段117の駆動により、駆動輪119と上昇案内通路111側の従動輪120とに巻き掛けられた研磨体116が、上昇案内通路111内に突出した状態で矢示方向に回転するので、上昇案内通路111を上昇方向に移動する遊技球の表面を研磨して汚れ等を除去することができる。
【0112】
貯留手段88の各通路88a〜88d内には研磨手段55で研磨後の遊技球が略一列状に並んで貯留されており、発射手段53が遊技球を発射すると、その発射動作に連動して球送り手段77が作動し、貯留手段88の最下手側の遊技球を発射レール71上へと送る。
【0113】
以下、発射手段53により遊技盤2の遊技領域7内へと遊技球を発射し、遊技盤2を通過した遊技球を循環手段54の回収手段86、移送手段87、貯留手段88を経て発射手段53へと戻し、発射手段53と遊技盤2との間で遊技球を循環させながらゲームを行う。
【0114】
このパチンコ機では、遊技盤2を通過した遊技球を遊技盤2の下側の回収手段86により回収するようにしているが、遊技盤2の上部に発射手段53、貯留手段88、球送り手段77があり、回収手段86により回収された遊技球を、持ち上げ式の移送手段87により貯留手段88へと持ち上げながら移送し、その貯留手段88内の遊技球を、発射手段53の発射動作と連動させて球送り手段77により発射手段53へと1個ずつ送るようにしているので、遊技盤2の下側に循環手段54を配置し、この循環手段54の下側に発射手段53を配置する従来のような位置関係を維持する必要がなく、その回収手段86、発射手段53の位置関係により遊技盤2の上下方向の位置が制約されることがない。このため遊技盤2側の条件に従って遊技盤2の上下幅を決定できるので、必要に応じて遊技盤2の遊技領域7を大にすることができる。
【0115】
遊技盤2を装着する場合には、ガラス扉4をヒンジ3廻りに前側へと開放し、遊技盤2のヒンジ3側一端を遊技盤装着枠52内に挿入して係合部58bに係合させた後、その係合部58b側を支点として遊技盤2の他端側を後方へと押圧して遊技盤装着枠52内に押し込む。このとき上下一対の固定手段63のコ字状の係合体63aを斜め前向きにセットしておく。すると遊技盤2の他端側が各固定手段63の係合体63aのコ字状部分に入りながら、遊技盤2の押圧によって係合体63aが横向きの固定位置へと回動して、固定手段63により遊技盤装着枠52内の遊技盤2が固定される。従って、遊技盤2の遊技盤装着枠52内への挿入と、その遊技盤装着枠52内での遊技盤2の固定とを簡単な操作で容易に行うことができる。
【0116】
一方、係合部58b側を支点として遊技盤2を遊技盤装着枠52内に押し込んで行くと、遊技盤2の裏側の盤側ジョイント部83と遊技盤装着枠52側の枠側ジョイント部84との対応するコネクタ同士が嵌合して電気的に接続する。このため遊技盤2の装着時に、同時に盤側ジョイント部83と枠側ジョイント部84とを電気的に接続することができる。
【0117】
遊技盤2を取り外す場合には、固定手段63の操作部を前側に操作すると、リンク機構63cを介して係合体63aが逆方向に回動して遊技盤2の他端側が前側へと押圧され、、遊技盤2が係合部58b側を支点として前側へと回動する。そして、固定手段63による遊技盤2の押し出しが終了した後、遊技盤2を把持して遊技盤装着枠52から取り出せば良い。
【0118】
この実施形態では、外枠1に遊技盤2を着脱自在に装着する一方、遊技盤2の前側にその遊技領域7を視認可能に配置されたガラス扉4を外枠1に開閉自在に枢着しているので、従来の前枠に装着する場合に比較して前枠自体を省略することができる。このため前枠用の材料が不要になると共に、構造的に簡素化することができる。
【0119】
また従来の前枠に遊技盤2を装着する場合には、前枠の支持強度、前枠の開閉動作の円滑性等から遊技盤2側の重量にも制約があるが、遊技島側に固定される外枠1に遊技盤装着枠52を介して遊技盤2を装着しているため、支持強度、開閉動作等の点で遊技盤2の重量が大きな問題となることもない。
【0120】
更に外枠1は前側が開放する開口を有する筐体29であり、この筐体29内に遊技盤装着枠52を設けて、この遊技盤装着枠52に遊技盤2を前側から着脱自在に装着するようにしているので、外枠1を矩形枠状に構成する場合に比較して外枠1自体の強度を容易に確保することができる。また筐体29の上下方向の中間に左右方向に架設された支持枠28を備え、この支持枠28の上側に遊技盤装着枠52を設けることにより、支持枠28により筐体29を補強できその強度が向上すると共に、遊技盤装着枠52に対して遊技盤2を容易に着脱することができる。
【0121】
発射手段53と遊技盤2との間の循環経路R内に所定数の遊技球を封入して循環させながらゲームを行う循環封入式の場合、循環手段54の回収手段86、移送手段87、貯留手段88等にその遊技球が集中する。しかし、遊技球が循環手段54に集中するにも拘わらず、その循環手段54を外枠1を構成する筐体29に備えることにより、封入された遊技球の多少に拘わらず循環手段54を確実に支持することができる。また循環手段54は回収手段86、移送手段87、貯留手段88を備えているが、この循環手段54を筐体29に設けることにより、その回収手段86、移送手段87、貯留手段88の夫々を比較的自由に配置できる。
【0122】
遊技盤2の遊技領域7の上部外側に切り欠き部67を設ける一方、発射手段53をその裏側で遊技盤装着枠52を介して筐体29側に設け、遊技盤2の着脱時に着脱側と反対側から発射手段53が切り欠き部67に対して相対的に出退自在であるため、遊技盤2の交換により機種変更する際にも、遊技盤2と一体に発射手段53を廃棄する必要がなく無駄を解消できる。
【0123】
また発射手段53は遊技盤2の前面と略面一状に配置された発射支持板70を備え、この発射支持板70の前面に発射レール71と、発射レール71上の遊技球を打撃して発射させる打撃槌74とを備えているので、発射手段53により遊技領域7へと遊技球を円滑に発射できる。しかも発射手段53と遊技領域7との間に、遊技領域7と発射手段53側とを仕切る仕切り部8aがあるため、遊技領域7内に打ち込まれた遊技球の発射手段53側への移動を防止できる。
【0124】
循環手段54は遊技盤2及び発射手段53よりも下側に配置された回収手段86と、この回収手段86により回収された遊技球を発射手段53側へと移送する移送手段87とを備えているため、遊技盤2の上下方向の寸法を長くした場合でも、回収手段86から移送手段87を経て発射手段53へと遊技球を循環させることができる。従って、遊技盤2の遊技領域7を十分に確保することができる。
【0125】
循環手段54は移送手段87により移送された発射用の遊技球を貯留する貯留手段88を備え、この貯留手段88に貯留中の遊技球を、発射手段53の発射動作に連動して球送り手段77により発射手段53へと1個ずつ送るようにしているので、発射手段53を回収手段86よりも上側に配置しても発射用の遊技球の球切れ等を容易に防止できる。
【0126】
また移送手段87は貯留手段88へと遊技球を案内する上昇通路93と、回収手段86の遊技球を上昇通路93の下側へと送り込む回転移送体94と、この回転移送体94を回転駆動する回転駆動手段96とを備えているため、遊技盤2の上部側に発射手段53と貯留手段88とを配置する等、発射手段53及び貯留手段88を回収手段86に比較して十分高い位置に配置した場合にも、移送手段87により確実に遊技球を移送することができる。
【0127】
図25は本発明の第2の実施形態を例示する。この実施形態では、入口部105から下側案内部101へと遊技球を円滑に連続状に案内するようになっており、第1の実施形態の段差部108が省略されている。この場合には、移送検出スイッチ91bが待機通路90bの最後の遊技球の移送を検出してから、回転スプロケット99を所定角(遊技球の2〜3個分程度)回転させる。そして、上下の遊技球間の隙間部93bにストッパー155が突出すると、これと略同時に回転駆動手段96が回転スプロケット99を所定角逆転させた後に停止させる。なお、他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0128】
この実施形態のようにストッパー155を上昇通路93の下部に設ける場合には、ストッパー155よりも下側の遊技球の数が少なくなるため、回転駆動手段96に駆動モータの固定子と回転子との間に作用する吸引力程度で回転スプロケット99の逆転を防止でき、第1の実施形態の段差部108を省略することができる。また段差部108が不要であるため、回転スプロケット99の逆転量が段差部108によって制限されることがなく、ストッパー155上の遊技球とその下側の遊技球との間隔Aを容易に確保できる。
【0129】
図26、図27は本発明の第3の実施形態を例示する。この実施形態では、二股状のストッパー155に上側の遊技球が係合する係合部155aが設けられている。ストッパー155はプランジャー163を介してソレノイド162により出退自在に連結され、付勢バネ166により後退方向に付勢されている。係合部155aは遊技球が上側から係脱自在である。ストッパー155は突出状態で上側から遊技球が係合したときに、ストッパー155の上側の上昇通路93内の遊技球の荷重により後退しないように保持され、また下側の遊技球がストッパー155上の遊技球を押し上げたときに、上下の遊技球間の隙間部93bを経て付勢バネ166により後退するようになっている。なお、他の構成は第1又は第2の実施形態と同様である。
【0130】
この実施形態では、上下の遊技球間の隙間部93bがストッパー155に対応して回転スプロケット99が停止すると、略同時にソレノイド162の駆動により付勢バネ166に抗してストッパー155がその遊技球間の隙間部93bを経て上昇通路93内に突出する。その後、回転スプロケット99が逆転方向に回転すると、ストッパー155の上側の遊技球が下降して係合部155aに係合する。このためストッパー155はその上側の遊技球の全重量を支えることとなり、ソレノイド162の励磁を解除しても後退せずにその状態を維持できる。続いて、回転スプロケット99がストッパー155上の遊技球とその下側の遊技球との間に所定の間隔Aができる角度まで逆転した後に停止する。
【0131】
待機検出スイッチ91が遊技球を検出すると、回転駆動手段96により回転スプロケット99が移送方向に回転し、この回転スプロケット99の回転によりストッパー155の下側の遊技球を上昇方向へと移送する。そして、ストッパー155の下側の最上位の遊技球がストッパー155上の遊技球に当接して押し上げると、その上側の遊技球がストッパー155の係合部155aから離脱し、ストッパー155が付勢バネ166の付勢により両遊技球間の隙間部93bを経て後退する。そのためストッパー155を後退させるための特別な制御が不要であり、ストッパー制御手段171による制御を容易に行うことができる。
【0132】
以上、本発明の各実施形態について詳述したが、本発明はこの各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、各実施形態では、筐体29等の外枠1に遊技盤装着枠52を介して遊技盤2を装着する弾球遊技機として、循環封入式のパチンコ機を例示しているが、循環封入式のパチンコ機以外の各種の弾球遊技機においても同様に実施することが可能である。
【0133】
また循環封入式の場合にも、発射手段53、循環手段54は遊技盤2の下部又は遊技盤2の下側に対応して外枠1に設けても良い。循環封入式以外の場合にも、発射手段53は遊技盤2の下部又は遊技盤2の下側に対応して外枠1に設けても良い。
【0134】
更に実施形態では、外枠1の遊技盤装着枠52に対して前側から遊技盤2を着脱自在に装着するように構成しているが、外枠1の遊技盤装着枠52に対して裏側から遊技盤2を装着するようにしても良い。
【0135】
外枠1と、この外枠1の前側に開閉自在に枢着された前枠とを備えた遊技機本体において、前枠に遊技盤装着枠52を介して装着された遊技盤2と発射手段53とを設ける場合にも、回収手段86、移送手段87を含む循環手段54を外枠1に設けるようにしても良い。
【0136】
遊技領域7の外側で遊技盤2に切り欠き部67又は開口部を設けて、遊技機本体側の発射手段53がその切り欠き部67又は開口部を経て出退するように構成する場合、その切り欠き部67等の位置は遊技盤2の上部の他、遊技盤2の上下方向の中間部、又は遊技盤2の下部等でも良い。また発射手段53と遊技領域7との間の仕切り部8aは、発射支持板70の前面に設けても良い。
【0137】
遊技島に固定される外枠1は、前側に開放する開口を有する筐体29の他、矩形枠状のものでも良い。また筐体29等を含む外枠1により遊技機本体を構成する他、遊技機本体は矩形枠状の外枠1と、この外枠1の前側に開閉自在に枢着される前枠とにより構成しても良い。その場合、遊技盤装着枠52及び遊技盤2は外枠1に設ける以外に、遊技機本体の一部を構成する前枠に設けても良い。その場合の外枠1は筐体29でも良いし、矩形枠状のものでも良い。
【0138】
遊技盤2は遊技盤装着枠52が筐体29内にある場合には、遊技盤装着枠52に対して前側から装着することになるが、遊技盤装着枠52が前枠にある場合には遊技盤2は前後の何れから装着するようにしても良い。遊技領域7を視認可能に配置されるガラス扉4等の開閉扉は、前枠がある場合には前枠に枢着すれば良い。筐体29内に左右方向に架設された支持枠28は省略しても良いし、支持枠28と遊技盤装着枠52とは別々に設けても良い。遊技盤装着枠52は遊技盤2を安定的に装着できる構造であればよく、実施形態に例示の構造に限定されるものではない。
【0139】
実施形態では遊技盤2と発射手段53との間で遊技球を循環させる循環式のパチンコ機について例示しているが、循環式のアレンジボール機の他、遊技盤2を通過した遊技球を機外に排出する非循環式パチンコ機、アレンジボール機を含む各種の弾球遊技機に採用することも可能である。
【0140】
また循環式の弾球遊技機において、循環手段54を外枠1側に設ける場合、その循環手段54を外枠1に直接固定しても良いし、ブラケットその他の適宜手段を介して外枠1に固定しても良い。例えば実施形態に例示するように回収手段86と貯留手段88と移送手段87とを備えた循環手段54の場合、回収手段86は支持枠28に、貯留手段88は遊技盤装着枠52の上部側に、移送手段87の下部側は支持枠28に、移送手段87の上昇通路93は遊技盤装着枠52の側部側に夫々適宜手段を介して固定しても良いし、他の箇所に固定しても良い。
【0141】
循環手段54の回収手段86と貯留手段88は、発射手段53の位置に応じて何れを上に配置しても良い。実施形態のように発射手段53が遊技機本体の上部側にある場合には、その発射手段53に対応して貯留手段88が回収手段86よりも上側に配置することになるが、発射手段53が遊技機本体の下部側にある場合には、貯留手段88を回収手段86よりも下側に配置しても良い。貯留手段88を回収手段86よりも下側に配置した場合、移送手段87は遊技球の転がりにより回収手段86から貯留手段88へと移送するように構成すれば良い。
【0142】
発射手段53は遊技機本体の上下方向の最適位置に配置すれば良い。発射手段53から遊技領域7までの遊技球の案内経路を短くする場合には、発射手段53を遊技盤2の上下幅内に配置するか、又は極力遊技盤2の近傍に配置することが望ましい。発射手段53が遊技盤2の上下幅内か又はその近傍にある場合には、貯留手段88、移送手段87の上昇通路93等は遊技盤2の裏側に配置することになる。
【0143】
回収手段86から貯留手段88へと遊技球を上昇させる上昇式の移送手段87には、実施形態のような構成のスプロケット式を採用すれば、回収手段86から貯留手段88までの揚程を大にできる利点があるが、他のスクリュー式、ベルトコンベア式、バケットコンベヤ式等を採用しても良い。また移送手段87は待機中の遊技球が所定数以上となる都度、その待機中の遊技球の全てを移送するまで作動する他、入口部105に遊技球が到達する都度に作動して移送するようにしても良いし、常時作動するようにしても良い。常時作動する場合の移送手段87は、スクリュー式、ベルトコンベア式、バケットコンベヤ式が望ましい。
【0144】
ストッパー155の構造、ストッパー駆動手段156は適宜構造を採用することができる。またストッパー155を上昇通路93内に突出させて遊技球を受止めた後、回転駆動手段96を逆転させてストッパー155の上下の遊技球間に所定の間隔Aを確保するが、この回転駆動手段96の逆転は、回転駆動手段96が次に移送方向(上昇方向)に作動するまでの間に行えば良い。
【0145】
ストッパー155は上昇通路93の途中にあれば良い。また上昇通路93が長い場合には、上下方向の複数箇所にストッパー155を設けて、上昇通路93内の遊技球を受止める場合には上のストッパー155から順次突出させて行き、また解除する場合には下のストッパー155から順次後退させて行けば良い。
【符号の説明】
【0146】
2 遊技盤
7 遊技領域
53 発射手段
86 回収手段
87 移送手段
93 上昇通路
93b 隙間部
94 回転移送体
96 回転駆動手段
100 球捕捉部
155 ストッパー
156 ストッパー制御手段
A 間隔
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機、アレンジボール機等の弾球遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アレンジボール機等の循環封入式の弾球遊技機には、遊技機本体を構成する外枠と前枠との内、その前枠に遊技盤と、遊技盤の遊技領域へと遊技球を発射する発射手段と、遊技盤を通過した遊技球を回収して発射手段へと送る循環手段とを装着し、遊技盤の遊技領域を視認可能なガラス扉を前枠に開閉自在に装着したものがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−272914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この弾球遊技機では、遊技盤を通過した遊技球が回収手段から待機通路へと自重で転動しながら発射手段側へと移動するため、遊技盤の下側に回収手段を配置し、この回収手段の下側に発射手段を配置するため、遊技盤の下端の位置を十分に高くする必要がある。
【0005】
そこで、回収手段よりも上側に発射手段を配置して、回収手段からの遊技球を移送手段により上昇通路を経て発射手段へと持ち上げて移送するようにすれば、遊技盤の下端の位置を低く下げることができ、遊技盤及びその遊技領域を大型化することができる。例えば回転送り手段により上昇通路の下側へと遊技球を送り込みながら、その遊技球によって上昇通路内の遊技球を下側から順次押し上げて移送すれば良い。
【0006】
この場合、回収手段に後続の遊技球がなければ移送手段が停止して移送動作を中断し、回収手段に後続の遊技球があるときに、移送手段が再起動して上昇通路の下側に遊技球を送り込む移送動作を開始することが考えられる。
【0007】
しかし、このような構成では、上昇通路の通路長さが大になれば、上昇通路内で停止状態にある全ての遊技球の重量が移送手段に加わるため、移送手段は再起動時にその過大な負荷に抗して回転することとなる。従って、移送手段に使用する駆動モータ等の駆動手段には、その過大な負荷に十分に抗し得るだけのものを使用する必要があり、製作コストの高騰を招く一因ともなる。
【0008】
本発明は、このような問題点に鑑み、移送手段の起動時の負荷を軽減できる弾球遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、回転式の移送手段により上昇通路の下側に遊技球を送り込みながら、前記上昇通路を経て遊技球を移送するようにした弾球遊技機において、前記上昇通路の中間に、該上昇通路に出退自在に設けられ且つ突出時にその上側の遊技球を受けるストッパーと、該ストッパーがその上側の遊技球を受け止めてから前記移送手段が上昇方向に起動するまでに該移送手段を逆転させて、該移送手段側の遊技球と前記ストッパー部上の遊技球との間に所定の間隔を持たせるための制御手段とを備えたものである。
【0010】
遊技盤の遊技領域へと遊技球を発射する発射手段と、前記遊技盤を通過した遊技球を回収する回収手段とを備え、前記移送手段は前記回収手段により回収された遊技球を前記上昇通路へと送り込み、前記上昇通路は遊技球を前記発射手段へと案内することもある。
【0011】
前記移送手段は外周に遊技球を捕捉する球捕捉部を有し且つ横軸心廻りに回転する回転移送体と、該回転移送体を横軸心廻りに駆動する回転駆動手段とを備えたものでも良い。前記ストッパーは前記上昇通路内で上下に重なる2個の遊技球間の隙間部に出退するものでも良い。前記移送手段は前記ストッパーが前記上昇通路内に突出すると略同時に遊技球の上昇方向への回転を停止するものでも良い。前記移送手段は前記ストッパーの突出後で且つ上昇方向に再起動するまでの間に所定量逆転して停止するものでも良い。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、上昇通路の中間に、該上昇通路に出退自在に設けられ且つ突出時にその上側の遊技球を受けるストッパーと、該ストッパーがその上側の遊技球を受け止めてから移送手段が上昇方向に起動するまでに該移送手段を逆転させて、該移送手段側の遊技球とストッパー部上の遊技球との間に所定の間隔を持たせるための制御手段とを備えているので、移送手段の起動時の負荷を軽減できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態を例示するパチンコ機の斜視図である。
【図2】同パチンコ機のガラス扉、下部扉を取り外した状態の正面図である。
【図3】同筐体側の正面図である。
【図4】同筐体側の斜視図である。
【図5】同パチンコ機の側面断面図である。
【図6】同パチンコ機の平面断面図である。
【図7】同パチンコ機の平面断面図である。
【図8】同循環経路の説明図である。
【図9】同施錠手段の側面断面図である。
【図10】同発射手段の正面図である。
【図11】同発射手段の側面断面図である。
【図12】同遊技盤下部から回収手段の一部破断側面図である。
【図13】同遊技盤下部から回収手段の正面断面図である。
【図14】同循環手段の斜視図である。
【図15】同移送手段の正面断面図である。
【図16】同移送手段の側面図である。
【図17】同移送手段の拡大正面断面図である。
【図18】同移送手段の拡大側面断面図である。
【図19】同ストッパー部分の正面断面図である。
【図20】同ストッパー部分の平面断面図である。
【図21】同ストッパー部分の側面断面図である。
【図22】同研磨手段の正面断面図である。
【図23】同研磨手段の平面断面図である。
【図24】同ブロック図である。
【図25】本発明の第2の実施形態を示す移送手段の正面断面図である。
【図26】本発明の第3の実施形態を示すストッパー部分の正面断面図である。
【図27】同平面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図20は本発明を循環封入式のパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示する。パチンコ機は、図1及び図2に示すように、遊技島に固定される外枠1と、外枠1内に着脱自在に装着された遊技盤2と、外枠1の前側にヒンジ3により縦軸廻りに開閉自在に枢着され且つ遊技盤2を前側から覆うガラス扉(開閉扉)4と、外枠1の前側にヒンジ5により縦軸廻りに開閉自在に枢着され且つガラス扉4の下側を前側から覆う下部扉6とを備えている。なお、ヒンジ3,5は左右一端側に配置され、ガラス扉4、下部扉6を略同一軸心廻りに開閉自在に枢支する。
【0015】
遊技盤2は図2に示すように正面視略矩形状であって、この遊技盤2の前面外周部には、内側の遊技領域7の全周を取り囲む飾り部材8が装着され、また遊技領域7に画像表示手段9、普通図柄始動手段10、可変入賞手段11、特別図柄始動手段12、普通入賞手段13、普通図柄表示手段14、特別図柄表示手段15等の各種の遊技部品が配置され、最下部にアウト球を裏側へと案内するアウト口16が設けられている。
【0016】
遊技領域7の上側には飾り部材8の内周に沿って左右方向に円弧状に湾曲するガイドレール17が配置され、このガイドレール17の一方側に球入口18が、他方側に遊技球の緩衝体19が夫々設けられている。遊技盤2の裏側には画像表示手段9等の遊技部品を裏側から覆う裏カバー20と、可変入賞手段11、特別図柄始動手段12、普通入賞手段13等の遊技部品を裏側から覆い且つ遊技盤2の裏側に誘導された遊技球を集めて遊技盤2の下方へと排出する集球ケース21とが上下に装着されている。
【0017】
外枠1は図2〜図4に示すように左右一対の側板23,24と、この両側板23,24の上端部を左右に連結する天板25と、両側板23,24の下端部を左右に連結する底板26と、その両側板23,24、天板25及び底板26に跨がって裏側に装着された裏板27と、両側板23,24の上下方向の中間に左右方向に架設された支持枠28とを有する筐体29により構成され、前側が開放する開口となっている。
【0018】
ガラス扉4、下部扉6は筐体29の開口を前側から塞ぐように上下に配置されており、筐体29の一方の側板23にヒンジ3,5により開閉自在に枢着され、筐体29の他方の側板24との間の施錠手段30,31により閉状態で施錠可能である。
【0019】
ガラス扉4は、図5、図6に示すように、遊技盤2の遊技領域7に対応する視認窓33を有する扉枠34と、その視認窓33に対応して扉枠34に装着されたガラス板(透明板)35とを備え、ガラス板35を介して遊技領域7を視認するようになっている。扉枠34は鉄板等の枠板34aと、この枠板34aの前面に装着された化粧カバー34b等を備えている。ガラス板35は前後に2枚配置されている。なお、ガラス扉4のガラス板35には、2枚のガラス板35を外周の保持部材36により保持したガラス板ユニット37が使用され、図外の固定具により扉枠34の裏面に着脱自在に装着されているが、2枚のガラス板35を着脱自在に設けたものでも良い。
【0020】
下部扉6の前面側には、図1に示すように、ガラス扉4の下側で前上向きに突出する表示操作パネル39と、この表示操作パネル39の左右方向の略中央部分の下側で前上向きに傾斜するタッチパネル式の表示パネル40と、この表示パネル40の一側に配置された発射ハンドル41とが設けられている。表示操作パネル39はチャンスボタン42、プリペイド表示部(遊技価値表示部)43、遊技球表示部44、持ち球表示部45、球貸ボタン46、返却ボタン47、精算ボタン48等が配置されている。表示操作パネル39と表示パネル40間等の適当箇所に遊技者を撮像するカメラ49が設けられている。
【0021】
外枠1を構成する筐体29内には、図2〜図7に示すように、遊技盤2が着脱自在に装着された遊技盤装着枠52と、遊技盤2の遊技領域7へと遊技球を発射する発射手段53と、遊技盤2を通過した遊技球を回収して発射手段53へと循環させる循環手段54と、循環中の遊技球を研磨して汚れを除去する研磨手段55とが設けられている。
【0022】
発射手段53、遊技盤2及び循環手段54は、図8に示すように閉回路状の循環経路Rを構成し、この循環経路R内に封入された所定数の遊技球を発射手段53と遊技盤2との間で循環させながらゲームを行うようになっている。
【0023】
遊技盤装着枠52は筐体29の両側板23,24間に架設された支持枠28から上側に設けられており、図2、図3に示すように、支持枠28の前部側に設けられ且つ遊技盤2の下側を受ける下受け部57と、この下受け部57から上側で両側板23,24の内面に設けられ且つ遊技盤2の左右両側部を受ける側受け部58,59と、天板25の内側に設けられ且つ遊技盤2の上側を受ける上受け部60とを有し、これらの受け部57〜60内に遊技盤2が前側から着脱自在に嵌め込まれて、その裏面外周が各受け部57〜60の当接部57a〜60aに当接するようになっている。
【0024】
遊技盤装着枠52は筐体29内で裏側が開放状になっており、遊技盤2を遊技盤装着枠52に装着したときに、支持枠28の上側で遊技盤2の裏カバー20、集球ケース21の後部が遊技盤装着枠52から後方に突出するようになっている。遊技盤装着枠52は遊技盤2の裏カバー20、集球ケース21を後方から覆うようにしてもよい。側受け部59と、上受け部60には、図5、図7に示すように、遊技盤装着枠52内に遊技盤2を押し込んだときに、遊技盤2を側受け部58と、下受け部57側へと押圧する押圧部59b,60bが設けられている。
【0025】
支持枠28は左右の側板23,24に跨がって略水平状に架設されており、その前部側に下受け部57が左右方向に設けられている。なお、この支持枠28は各機構部品の取り付け用と、筐体29の補強用とを兼用している。側受け部58,59と上受け部60は支持枠28の前後幅よりも幅の狭い材料により正面視門型状に構成されている。なお、下受け部57は支持枠28の上側に別体に設けても良い。
【0026】
遊技盤装着枠52には、図3、図4、図6に示すように、ヒンジ3側である左右一端側の側受け部58に係合部58bが、他端側に遊技盤装着枠52内の遊技盤2を着脱自在に固定する上下一対の固定手段63が夫々設けられている。遊技盤2を筐体29に装着する際には、遊技盤2の左右一端側を遊技盤装着枠52内に挿入して係合部58bに係合した後、その係合状態で遊技盤2の他端側を後方に押圧して遊技盤装着枠52内に遊技盤2を押し込むことにより、固定手段63で遊技盤2を遊技盤装着枠52に固定できるようになっている。
【0027】
係合部58bは側受け部58の前側に設けられている。固定手段63は遊技盤2の端縁を前後両側から挟んで係合するコ字状の係合体63aと、遊技盤装着枠52の前面に固定された支持体63bと、支持体63bに設けられ且つ係合体63aを待機位置と固定位置との間で姿勢変更可能に支持するリンク機構63cとを有する。そして、この固定手段63は、遊技盤2を待機位置にある係合体63aに当接して遊技盤装着枠52側に押圧したときに、係合体63aが待機位置から固定位置へと回動して遊技盤装着枠52内で遊技盤2を固定でき、またリンク機構63cの操作部を遊技盤2の離脱方向に操作したときに、係合体63aが固定位置から待機位置へと回動して遊技盤装着枠52内の遊技盤2の端部側を前側へと押し出すようになっている。支持体63bは遊技盤装着枠52の前面側に装着されている。
【0028】
下側の固定手段63は支持枠28から上側に突出する支持台28aの前面に着脱自在に固定され、上側の固定手段63は上受け部60の当接部60aの前面に着脱自在に固定されている。なお、各固定手段63は遊技盤装着枠52の一部に取り付けることが望ましいが、外枠1の側板23,24の内面等に固定してもよい。固定手段63は他の構造のものでもよい。
【0029】
施錠手段30,31は、図6、図7、図9に示すようにガラス扉4用と下部扉6用とがあり、筐体29の側板24と遊技盤装着枠52の側受け部59との間にガラス扉4、下部扉6に対応して上下方向に配置されている。ガラス扉4用の施錠手段30は、ガラス扉4の裏側に複数個(例えば2個又は4個)設けられた被係合部30aと、筐体29側のブラケット64に枢軸30bにより枢支され且つ各被係合部30aに係脱自在に係合する複数個の係合具30cと、各係合具30cを上下に連動させる連動部材30dと、連動部材30dを介して係合具30cを係合方向に付勢するバネ30eとを備えている。
【0030】
下部扉6用の施錠手段31は、ガラス扉4用と同様に、下部扉6の裏側に複数個(例えば2個又は4個)設けられた被係合部31aと、筐体29側のブラケット64に枢軸31bにより枢支され且つ各被係合部31aに係脱自在に係合する複数個の係合具31cと、各係合具31cを上下に連動させる連動部材31dと、連動部材31dを介して係合具31cを係合方向に付勢するバネ31eとを備えている。
【0031】
両施錠手段30,31の連動部材30d,31dは左右に近接して配置され、その各連動部材30d,31dに操作手段65の係合体65aが係合する係合孔30f,31fが設けられている。操作手段65は筐体29の側板24の前面に装着されており、前後方向の操作軸65bを有し、その操作軸65bの後端に係合体65aが設けられている。そして、操作手段65の前面のキー孔にキー65cを挿入して操作軸65bを正方向に操作すると、係合体65a、連動部材30dを介してガラス扉4用の施錠手段30を解除でき、また操作軸65bを逆方向に操作すると、係合体65a、連動部材31dを介して下部扉6用の施錠手段31を解除できる。
【0032】
発射手段53は、図2に示すように、遊技盤2の周縁近傍、取り分け遊技盤2の外縁の延長線上よりも内側において、遊技盤2の左右一側の上部に形成された切り欠き部67内に配置され、遊技盤2を着脱するときに切り欠き部67に対して前後方向に相対的に出退するように、裏側で筐体29側、例えば遊技盤装着枠52に装着されている。
【0033】
切り欠き部67は遊技盤2を着脱するときに、遊技盤2と発射手段53とが干渉しない大きさ、形状であって、図2、図7、図10、図11に示すように、遊技盤2の上側の外縁及び左側の外縁よりも内側に配置され、外周から遊技領域7側へと突出するように形成されている。遊技盤2の前面には、切り欠き部67と遊技領域7との間に両者を区画する飾り部材8の仕切り部8aが設けられており、この仕切り部8aの内側上部に、ガイドレール17に連続又は近接して球入口18が設けられている。
【0034】
球入口18には遊技領域7内の遊技球の戻りを阻止する戻り球阻止具68が設けられている。戻り球阻止具68は弾性片、揺動片等により構成され、発射手段53から発射された遊技球の遊技領域7内への通過を許容するようになっている。
【0035】
発射手段53は、図2、図7、図10、図11に示すように、その前面が遊技盤2の前面と略面一又は前後近傍に配置された発射支持板70と、この発射支持板70の前面に固定された発射レール71と、発射支持板70の前面に固定され且つ発射レール71上の遊技球を発射位置に位置決めするストッパー72と、発射支持板70の前面に配置され且つ発射支持板70に前後方向に挿通された打撃軸73廻りに回転して発射レール71の発射位置上の遊技球を遊技領域7へと打撃する打撃槌74と、打撃槌74を打撃軸73廻りに回転駆動するロータリソレノイド等の発射駆動手段75と、発射レール71上の遊技球の発射を検出する発射検出スイッチ76とを有する。
【0036】
発射支持板70は遊技盤装着枠52から前側に突出する取り付け部58cにネジ等で前側から着脱自在に固定されている。発射駆動手段75は発射支持板70の裏面に固定され、遊技者が発射ハンドル41を把持したときに、発射ハンドル41の回転操作量に応じた打撃力で打撃槌74を打撃軸73廻りに駆動するようになっている。発射レール71は上側に略V字状の案内溝71aを有し、打撃槌74により打撃された遊技球を球入口18からガイドレール17に沿って遊技領域7内へと案内するようになっている。なお、遊技盤装着枠52には、発射駆動手段75、球送り手段77に対応して開口部58dが設けられている。
【0037】
発射支持板70には発射レール71上の発射位置へと遊技球を落下させる球送り口70aが設けられ、この球送り口70aに対応して発射支持板70の裏面に球送り手段77が装着されている。球送り手段77は発射手段53の遊技球の発射動作、例えば打撃槌74の打撃軸73廻りの回転運動に連動して作動し、発射手段53が遊技球を発射する毎に、後述の貯留手段88の送り通路88dから供給される遊技球を1個ずつ発射支持板70の球送り口70aを経て、遊技球の発射後に発射レール71上の発射位置へと送るようになっている。なお、球送り手段77には周知のものが使用されている。球送り手段77は打撃槌74の発射動作に機械的に連動して作動してもよいし、電気的に連動して作動してもよい。
【0038】
遊技領域7の上部側は、図2に示すように飾り部材8により略円弧状に形成されている。飾り部材8には発射手段53の内側に仕切り部8aが遊技領域7の中心側へと突出して設けられている。ガラス扉4には、図1、図5、図7に示すように、発射手段53、遊技盤2の切り欠き部67に対応して、この発射手段53、切り欠き部67を前側から覆う覆い部78が設けられている。覆い部78は視認窓33の中心側に突出して扉枠34に設けられている。
【0039】
集球ケース21は図4に示すように上側及び前側が開放する形状であって、遊技盤装着枠52の下受け部57と緩衝しないように、遊技盤2の下端よりも上側で遊技盤2の裏面に装着されている。この集球ケース21の底壁79には、図4、図6、図12、図13に示すように、左右方向の略中央側等の適当箇所に遊技球を下方に排出する排出口80と、この排出口80へと遊技球を案内する傾斜壁81とを前後に備え、その左右両側は排出口80、傾斜壁81へと遊技球を案内するように傾斜状に構成されている。
【0040】
排出口80はアウト口16の下方で遊技盤2の裏面近傍に配置され、この排出口80の後側に傾斜壁81が設けられている。傾斜壁81の上面には、傾斜方向に沿った前後方向の突条81aが左右方向に複数設けられており、左右両側の遊技球が突条81a上に落下して、その突条81aにより排出口80側へと案内されるようになっている。なお、集球ケース21の排出口80は左右方向の略中央に配置しているが、左右方向の一側に配置してもよいし、遊技盤2から後方に離れて底壁79の後部に配置してもよい。
【0041】
図6に示すように、遊技盤2の裏側には盤側ジョイント部83が、外枠1内には枠側ジョイント部84が前後に対応して夫々設けられている。この盤側ジョイント部83、枠側ジョイント部84は遊技盤2を遊技盤装着枠52に着脱するに際して、図6に二点鎖線で示すように、遊技盤2の一端側を遊技盤装着枠52内に挿入して一端側を支点として他端側を前後方向に回動させたときに、相対応する盤側ジョイント部83の盤側コネクタ83aと枠側ジョイント部84の枠側コネクタ84aとが電気的に接続するようになっている。
【0042】
盤側ジョイント部83は集球ケース21(又は保護カバー)の左右方向の一側の傾斜段部21aの裏面に設けられている。この盤側ジョイント部83は、傾斜段部21aの裏面に配置された中継基板83bを有し、この中継基板83bに盤側コネクタ83aと中継コネクタ83cとが左右に装着されている。盤側コネクタ83aは左右方向の外側に、中継コネクタ83cは左右方向の内側に夫々配置され、また盤側コネクタ83aと中継コネクタ83cとの間には、中継コネクタ83cに接続されたハーネス(図示省略)を外側から覆うカバー83dが設けられている。
【0043】
枠側ジョイント部84は支持枠28から上側に突出する支持台28a上に起立状態に固定されたケース体84bを有し、そのケース体84bの前面の傾斜装着面に上下及び左右方向に所定範囲内で遊動可能に枠側コネクタ84aが装着されている。盤側コネクタ83a、枠側コネクタ84aは上下方向に所定の間隔をおいて複数個設けられており、遊技盤2を着脱するときに盤側コネクタ83aと枠側コネクタ84aとの内、その一方の多数の接続ピンが他方の多数の接続孔に対して前後方向に挿脱して、両コネクタ83a,84a同士が電気的に着脱するようになっている。なお、盤側コネクタ83a、枠側コネクタ84aは左右方向に長くなっている。
【0044】
盤側ジョイント部83、枠側ジョイント部84の対向面は、その盤側コネクタ83aと枠側コネクタ84aとの接続状態において、その挿脱部分の前後方向の略中央が遊技盤2の一端側の係合部58b近傍を通る仮想線分上に位置するように構成されており、例えば集球ケース21の傾斜段部21a、盤側ジョイント部83の中継基板83b、枠側ジョイント部84のケース体84bの傾斜装着面が仮想線分と略平行になっている。従って、遊技盤2を装着する際には、盤側コネクタ83aと枠側コネクタ84aとがヒンジ3に近い側から、逆に遊技盤2を離脱する際にはヒンジ3から遠い側から順次挿脱する。
【0045】
画像表示手段9は遊技盤2に装着された前飾り枠9aと、この前飾り枠9aの表示窓に対応して配置された画像表示部9bとを有する。普通図柄始動手段10は遊技盤2の前面で遊技球が通過可能な通過ゲートにより構成されている。可変入賞手段11、特別図柄始動手段12、普通入賞手段13は入賞した遊技球を遊技盤2の裏側へと誘導する入賞手段11〜13を構成し、可変入賞手段11が左右方向の略中央に、特別図柄始動手段12が画像表示手段9と可変入賞手段11との間に、普通入賞手段13が可変入賞手段11の左右両側に夫々配置されている。アウト口16は可変入賞手段11の下側で遊技領域7の最下部に配置されている。
【0046】
循環経路Rは発射手段53から遊技盤2へと遊技球を案内する往路と、遊技盤2を通過した遊技球を回収して発射手段53側に戻す復路とを有する閉回路に構成され、その復路に循環手段54が設けられている。
【0047】
循環手段54は、図2、図3、図14に示すように、遊技盤2の下方に配置され且つ遊技盤2を通過した遊技球を回収する回収手段86と、この回収手段86により回収された遊技球を発射手段53側へと持ち上げて移送する回転式の移送手段87と、この移送手段87により移送された発射用の遊技球を貯留する貯留手段88と、この貯留手段88内の遊技球を発射手段53の発射動作に連動して1個ずつ発射手段53へと送る球送り手段77とを有する。
【0048】
回収手段86は、図12〜図14に示すように、集球ケース21の排出口80から落下する遊技球を受け入れる受け入れ手段89と、受け入れ手段89からの遊技球を移送手段87へと案内し待機させる待機ケース90とを有し、発射手段53、貯留手段88及び球送り手段77、少なくとも貯留手段88よりも下側に配置されている。受け入れ手段89は回収口89aと、この回収口89aからの遊技球を下方に案内させる回収通路89bと、回収通路89bを通過する遊技球を検出する回収検出スイッチ89cとを有する。
【0049】
回収口89aは集球ケース21の排出口80の下側で支持枠28から上側に突出して一体に設けられ、排出口80から落下する遊技球を受け入れて下方へと案内するようになっている。回収通路89bは回収口89a側の遊技球を円滑に案内できるように左右方向に近接して複数配置され、下受け部57の後方近傍で下方に突出するように支持枠28に一体に設けられている。回収検出スイッチ89cは遊技球が通過する通孔を有し、回収通路89bの上下方向の中間、例えば支持枠28の下側近傍で回収通路89bに対して略直交方向に配置されている。各回収検出スイッチ89cは上下に位置を変えて千鳥状に配置されている。
【0050】
待機ケース90は回収通路89bの下側で上向きに開口する受け口90aと、この受け口90aから移送手段87の入口側へと傾斜状に設けられた待機通路90bとを有し、支持枠28の下側に適宜ブラケット等を介して取り付けられている。受け口90aには回収通路89bの下側から前側に張り出す漏斗状の補充口90cが一体に設けられ、循環経路R内に封入された遊技球の球数が減少したときに、この補充口90cから循環経路R内に遊技球を補充するようになっている。なお、補充口90cは移送手段87の入口より上手側、望ましくは待機通路90bの整列部よりも上手側にあれば良い。
【0051】
待機通路90bは少なくとも移送手段87の入口側では待機中の遊技球を一列状に整列させるようになっており、また待機通路90bに所定数、例えば5個又は10個以上の遊技球があることを検出する待機検出スイッチ91と、待機通路90bの遊技球が全て移送されて待機通路90bに遊技球がないことを検出する移送検出スイッチ91bとが設けられている。
【0052】
貯留手段88は発射手段53による遊技球の発射中に遊技球が途切れないように、発射手段53の連続的な発射に必要な数の遊技球を常時貯留するためのものであって、図3〜図6に示すように、遊技盤2の上部側に配置された発射手段53の上手に設けられる球送り手段77よりも上流側において、筐体29内の遊技盤装着枠52よりも裏側に配置されている。なお、貯留手段77の遊技球の貯留数は、移送手段87の停止中も発射手段53の発射用の遊技球が殘存する数となっている。
【0053】
この貯留手段88は図3〜図6、図14に示すように、遊技球が左右方向に配置され且つ逆方向に傾斜する上流側貯留通路88a及び下流側貯留通路88bと、両貯留通路88a,88bを接続する短い接続通路88cと、下流側貯留通路88bの下手側を球送り手段77に接続する短い送り通路88dとを有する貯留通路88a〜88dにより構成されている。なお、貯留通路88a〜88dは平面視略U字状、その他の形状の屈曲状に構成すれば良い。
【0054】
貯留通路88a〜88d内は遊技球が一列状に整列して球送り手段77へと転動するように角筒、円筒等の筒体により構成されている。送り通路88dは球送り手段77の入口に連通している。なお、貯留手段88はブラケット等を介して筐体29の天板25、遊技盤装着枠52等に取り付けられている。
【0055】
移送手段87は遊技盤2よりも下側に配置された回収手段86の待機通路90bからの遊技球を遊技盤2の上部側に配置された貯留手段88へと移送するように構成されている。この移送手段87は、図14〜図18に示すように、遊技盤装着枠52の裏側で縦方向に配置され且つ上端が上流側貯留通路88aの最上手側に接続された上昇通路93と、回収手段86の待機通路90b内の遊技球を上昇通路93の下側へと送り込む回転移送体94と、回収手段86の待機通路90bと上昇通路93との間で回転移送体94に沿ってその下側に設けられた案内部材95と、回転移送体94を駆動する回転駆動手段(移送駆動手段)96とを有する。
【0056】
上昇通路93は、図5、図6に示すように、貯留手段88側と同様に遊技球が一列状に並ぶ程度の寸法を有する角筒、円筒等の筒体により構成され、支持枠28の切り欠き部97を経て上下方向に配置されている。
【0057】
回転移送体94は外周に多数の球捕捉部100が形成され且つ周溝(又は間隔)98を介して前後両側に配置された前後一対の回転スプロケットス99を備え、前後方向の回転軸109廻りの回転により、両回転スプロケット99の球捕捉部100で捕捉した遊技球を案内部材95に沿って案内するようになっている。両回転スプロケット99間の間隔は図18に示すように遊技球の直径よりも若干小であり、またその球捕捉部100は図17に示すように遊技球の直径よりも若干小さい直径で円弧状に凹入している。
【0058】
なお、各回転スプロケット99の球捕捉部100は、前後両側で遊技球に点接触又は線接触するようになっている。回転移送体94は外周に多数の球捕捉部100を有するものであれば良く、1個の回転スプロケット99により構成しても良い。球捕捉部100は回転移送体94の外周から外方に突出する突起により構成しても良い。
【0059】
案内部材95は回転移送体94の外周に沿って円弧状に形成された下側案内部101と、この下側案内部101の前後両側から回転移送体94の前後両側に沿って屈曲する側壁部102と、下側案内部101の案内方向の下手側に一体に設けられ且つ下側案内部101から上昇通路93へと縦方向の接線方向に伸びる上昇側案内部103とを備え、一方の側壁部102に設けられた取り付け部102aと上昇側案内部103に設けられた取り付け部103aとを介して支持板104に着脱自在に固定され、また支持板104は筐体29の側板23の内面に固定されている。なお、支持板104は支持枠28の下側に固定しても良い。下側案内部101と上昇側案内部103は別部材により構成しても良い。
【0060】
移送手段87の回収手段86側には、回転移送体94と案内部材95との間に入口部105が設けられている。この入口部105には案内部材95の前後の側壁部102間に配置された可動案内片106が設けられると共に、可動案内片106上の最下流側の遊技球に対応して移送検出スイッチ91bが設けられている。可動案内片106はその下手側が前後方向の支軸107により案内部材95に支持され、また上手側が回収手段86の待機通路90bに対応する高さで図外の適宜手段により規制されている。
【0061】
支軸107は前後の側壁部102に形成された上下方向の調整孔に沿って上下調整可能に挿通されている。可動案内片106には支軸107の挿通部106aに、遊技球が支軸107と接触するように幅方向の略中央部に切除部106bが設けられている。入口部105の下流側と下側案内部101との間には段差部108が設けられている。
【0062】
段差部108は支軸107と下側案内部101との間に回転スプロケット99の径方向に設けられており、回転駆動手段96が停止状態のときに回転スプロケット99の球捕捉部100内の遊技球が回転スプロケット99の逆転方向から当接して、回転スプロケット99の逆転を阻止するためのものであり、回転スプロケット99の逆転防止用のストッパー部を構成している。
【0063】
案内部材95の下側案内部101には、段差部108側に弾性部101aが設けられている。弾性部101aは前後の側壁部102から切り離された舌片状であり、回転スプロケット99の球捕捉部100内の遊技球が逆転方向から支軸107に当接するときに弾性変形によりその衝撃を吸収するようになっている。
【0064】
上昇側案内部103には通路カバー110が設けられている。通路カバー110は断面凸状であって、上昇側案内部103に当接して着脱自在に装着され且つ上昇側案内部103との間で上昇案内通路111を形成している。通路カバー110には、回転プロケット99間の周溝98に対応して下向きに突出し且つ回転プロケット99の球捕捉部100内の遊技球を掻き出して上昇案内通路111側へと略接線方向に案内する掻き出し突部112が設けられている。なお、支持板104には回転移送体94を上側から覆うカバー113が設けられている。
【0065】
回転駆動手段96は駆動モータ等により構成され、支持板104の裏側に装着されている。この回転駆動手段96は待機検出スイッチ91が待機通路90bの所定数以上の遊技球の待機を検出したときに起動して回転スプロケット99を移送方向に駆動し、移送検出スイッチ91bが待機通路90bに遊技球がなくなったことを検出したときに、最後の遊技球が段差部108を通過することを待って停止するようになっている。
【0066】
なお、回収手段86の待機通路90b、移送手段87の回転移送体94、案内部材95及び上昇案内通路111は、平面視において左右方向の略一直線上に配置されている。
【0067】
上昇通路93の下部等の上下方向の中間には、図19〜図21に示すように、移送手段87が移送動作を中断状態のときに上側の遊技球を受け止めて支持するためのストッパー155と、このストッパー155を上昇通路93に対して出退自在に駆動する出退駆動手段156とが設けられている。
【0068】
ストッパー155はU状等の二股状であって、上昇通路93の通路壁157に形成された案内部158により、上昇通路93の長手方向に対して略直交方向の摺動自在に支持され、上下に重なる2個の遊技球間の隙間部93bに対して進退するようになっている。ストッパー155の一端には連結ピン159、連動アーム160等の連動手段161を介して、ストッパー駆動手段156を構成するソレノイド162のプランジャー163に連結されている。
【0069】
連動アーム160はベルクランク等により構成され、通路壁157の外側のブラケット164に枢軸165を介して枢支されると共に、付勢バネ166によりストッパー155を突出させる方向に付勢されている。ソレノイド162はプランジャー163と反対側が枢軸167により上昇通路93の外側のブラケット168に枢着されている。
【0070】
研磨手段55は、図22、図23に示すように、上昇側案内部103の開口103bから上昇案内通路111内に突出して遊技球を研磨する研磨体116と、この研磨体116を前後方向の軸心廻りに遊技球の移動方向とは逆方向に回転駆動するモータ等の研磨駆動手段117とを備えている。
【0071】
研磨体116は例えば無端帯状の研磨材により構成され、研磨枠118の駆動輪119と従動輪120とに巻き掛けられ、従動輪120の外周側が開口103bから上昇案内通路111内に突出している。駆動輪119は研磨枠118に挿通された駆動軸121に固定され、駆動軸121は研磨枠118に固定された研磨駆動手段117により駆動される。従動輪120は研磨枠118に固定された固定軸122に回転自在に支持されている。研磨枠118は前側が開放状であって、上下の装着部123,124を介して上昇側案内部103に着脱自在に装着され、且つバネ125により研磨体116が上昇案内通路111内に突出するように付勢されている。
【0072】
一方の装着部124は上昇側案内部103の係合部124aと、研磨枠118に設けられ且つ係合部124aに係脱自在に係合する係合片124bとを有する。他方の装着部123は上昇側案内部103側に突設された固定ピン123aと、研磨枠118に設けられ且つ固定ピン123aが挿脱自在に挿通される取り付け片123bとを有し、その取り付け片123bと固定ピン123aの抜け止め具126との間で固定ピン123aにコイル状のバネ125が介在されている。研磨枠118は前側が開放状であり、この開放側から研磨体116が駆動輪119、従動輪120に着脱自在に巻き掛けられている。抜け止め具126は固定ピン123aに挿脱自在である。
【0073】
なお、研磨駆動手段117は電源投入後は常時研磨体116を駆動するようにしてもよいが、遊技者が発射ハンドル41に接触して発射手段53が発射動作中のとき、又は移送手段87の回転駆動手段96が回転移送体94を駆動する移送動作中のときに、研磨体116を駆動するようにしてもよい。また研磨手段55は循環中の遊技球を研磨してその汚れを除去できる。
【0074】
移送手段87及びストッパー155の制御系は、図24に示すように構成されている。移送手段87は移送制御手段170により、ストッパー155はストッパー制御手段171により夫々制御される。移送制御手段170は回転駆動手段96の回転・停止を制御するもので、待機検出スイッチ91が回収手段86の待機通路90b内の所定数(5個又は10個)以上の遊技球の待機を検出したときに回転駆動手段96を起動させる移送動作開始制御部172と、移送検出スイッチ91bが回収手段86の待機通路90bの遊技球を検出しなくなって全ての遊技球の移送が終了し、且つ上昇通路93内の上下の遊技球間の間隙がストッパー155に対応したときに回転駆動手段96を停止させる移送動作停止制御部173と、移送動作の停止後にストッパー155の上側の遊技球と下側の遊技球との間に所定の間隔A(図21参照)が生じるように移送手段87の回転駆動手段96を逆転させる逆転動作制御部174とを有する。
【0075】
ストッパー制御手段171は待機検出スイッチ91が回収手段86の所定数以上の遊技球の待機を検出したときの移送動作開始時にストッパー155を解除し、また移送検出スイッチ91bが待機通路90bの全ての遊技球の移送を検出し、且つ上昇通路93内の上下の遊技球間の間隔Aがストッパー155に対応したときにストッパー155を突出させるようストッパー駆動手段156を制御するようになっている。
【0076】
なお、移送検出スイッチ91bが待機通路90b内の遊技球を検出しなくなって回収手段86内の全ての遊技球の移送を終了した後に、上昇通路93内の上下の遊技球間の隙間部93bに対応したときに、移送手段87による移送動作を停止しストッパー155を突出させるが、移送検出スイッチ91bの移送の検出から回転角検出手段175が回転駆動手段96の所定の回転角を検出することにより判定するようにしている。これ以外の方法で判定するようにしても良い。
【0077】
筐体29内には、図2に示すように、底板26と支持枠28との間等の適当箇所に、各部に電源を供給するための電源基板が収納された電源基板ケース130、発射手段53、循環手段54等を制御するための枠側制御基板が収納された枠側制御基板ケース131、各入賞手段11〜13に遊技球が入賞時の賞球を制御するための賞球制御基板が収納された賞球制御基板ケース132、球貸ボタン46の操作時の球貸しを制御するための球貸制御基板が収納された球貸制御基板ケース133等、各種の基板を収納する基板ケースが適宜手段を介して装着されている。
【0078】
このパチンコ機は、隣接して配置される遊技情報読取・書込手段(図示省略)との間で相互通信により情報の授受を行う。例えば遊技情報読取・書込手段に遊技価値記録媒体、例えば遊技カードを挿入すると、その遊技カードの度数等の遊技価値が遊技価値表示部43に度数等で表示されるので、次に球貸ボタン46を操作する。すると球貸ボタン46の操作に応じた所定数の遊技球が持ち球として貸し出され、その球数が遊技球表示部44に表示される。また遊技価値表示部43の遊技価値が減算される。
【0079】
遊技者が発射ハンドル41を操作すると、発射手段53が所定の時間間隔で遊技領域7へと遊技球を発射する。このとき発射検出スイッチ76で遊技球の発射が計数され、その計数値が所定数(1個又は複数個(例えば5個))になる毎に遊技球表示部44の表示数が減算されて行く。可変入賞手段11、特別図柄始動手段12、普通入賞手段13等の入賞手段11〜13に遊技球が入賞すると、各入賞手段11〜13毎に予め定められた1入賞当たりの賞球が付与され、その賞球数が所定数(1個又は複数個(例えば5個))になる毎に遊技球表示部44の表示数に加算されて行く。
【0080】
精算ボタン48を操作すると、遊技球表示部44の表示数が持ち球表示部45に表示されて、遊技球表示部44の表示が消える。次に返却ボタン47を操作すると、持ち球表示部45の表示数に相当する遊技価値が遊技情報読取・書込手段で遊技カードに記録された後、持ち球表示部45の表示が消え、遊技カードが遊技情報読取・書込手段から返却される。
【0081】
遊技カードを挿入したときに、カメラ49が作動して遊技者の顔を撮影して本人確認を行うようにしてもよい。この場合、例えば遊技者が事前に登録された本人でなければ、その旨を報知して遊技カードを返却し、本人のときにはその旨を報知して、その後のボタン操作等が可能になるようにする。なお、これらの処理は単なる例示に過ぎず、これに限定されるものではない。
【0082】
このパチンコ機では、発射手段53と遊技盤2との間に形成された循環経路R中に所定数の遊技球が封入されており、発射手段53の発射に必要な数の遊技球が貯留手段88に貯留された状態にある。そこで、球貸ボタン46を操作すると、その操作に応じた数の遊技球の貸し出しがあり、その球数の範囲内で発射手段53により遊技球を発射可能である。
【0083】
発射ハンドル41を操作すると、その操作量に応じた打撃力で打撃槌74が発射駆動手段75により打撃軸廻りに繰り返し駆動され、打撃槌74によって発射レール71上の発射位置にある遊技球が遊技領域7へと順次発射される。この場合、発射手段53では打撃槌74で発射レール71上の遊技球を打撃するが、発射手段53自体が遊技盤2の一側上部にあるため、軽い打撃により遊技球を遊技領域7へと発射することが可能であり、発射駆動手段75の小型化を図ることができる。
【0084】
発射された遊技球はガイドレール17に沿って遊技領域7の適当位置に案内された後、遊技釘、その他の部材に衝突又は案内されながら遊技盤2に沿って下方へと落下し、その間に各入賞手段11〜13等に入賞した遊技球は遊技盤2の裏側へと誘導され、また入賞しない遊技球はアウト口16から遊技盤2の裏側へと誘導されて行く。
【0085】
遊技盤2の前面に沿って落下する遊技球が普通図柄始動手段10を通過すると、画像表示手段9の前飾り枠9a等に装着された普通図柄表示手段14の普通図柄が変動表示する。普通図柄表示手段14は複数種類の普通図柄(例えば2種類の「○」「×」)に対応する複数の発光素子により構成されており、普通図柄始動手段10の遊技球の検出を条件に各発光素子が交互に点灯するように所定時間点滅する。そして、普通図柄始動手段10の遊技球の検出時に抽選した乱数値が予め定められた当たり判定値と一致した場合には、当たり態様の「○」側の発光素子が点灯し、それ以外の場合に外れ態様の「×」側の発光素子が点灯して停止する。なお、変動後の普通図柄は1/10程度の所定の確率で当たり態様となる。
【0086】
普通図柄が当たり態様で停止して特別図柄始動手段12の開閉作動部12bが開放する等により、特別図柄始動手段12が遊技球を検出すると、画像表示手段9の前飾り枠9a等に装着された特別図柄表示手段15の特別図柄が所定時間変動表示する。特別図柄表示手段15は発光部位の変化等で特別図柄を変動表示可能なセグメント式等により構成されており、特別図柄始動手段12の遊技球の検出を条件に特別図柄が所定時間変動して、特別図柄始動手段12の遊技球の検出時に抽選された乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致した場合に所定の大当たり態様で、それ以外の場合に外れ態様で停止するようになっている。
【0087】
特別図柄始動手段12は開閉動作をしない非作動部12aと、普通図柄が当たり態様で停止したときに所定時間開放する開閉作動部12bとを上下に有し、何れに遊技球が入賞した場合にも、特別図柄表示手段15の特別図柄が変動する。
【0088】
特別図柄表示手段15の変動後の特別図柄が大当たり態様となって特別遊技状態が発生したときに可変入賞手段11の開閉扉が前側に開放して、上方から落下する遊技球を開閉扉を経て可変入賞口へと入賞させる。特別遊技状態中は開閉扉の開放から所定時間(例えば30秒程度)が経過するか、その間に所定数(例えば10個)の遊技球が入賞したときに開閉扉を閉じる動作を1ラウンドとし、この動作を所定回数(例えば16ラウンド)継続するようになっている。
【0089】
このようなゲーム中に画像表示部9bは特別図柄表示手段15の特別図柄に対応する演出図柄9c〜9eを変動表示し、またチャンスボタン42の操作を指示する等、遊技の進行に従って適宜タイミングで各種の演出画像を随時表示する。即ち、特別図柄表示手段15の特別図柄の変動に際しては、その特別図柄の変動に同期して1個又は複数、例えば3個の演出図柄9c〜9eが画像表示部9bに変動表示される。このとき演出図柄9c〜9eは特別図柄始動手段12の遊技球の検出を条件に、抽選により決定された所定の演出図柄変動パターンを経て所定時間変動した後、特別図柄の変動終了に同期して所定の順序(例えば左、右、中等の順序)で順次停止する。
【0090】
演出図柄9c〜9eの変動後の停止図柄は、特別図柄が大当たり態様で停止する場合には全てが揃う大当たり演出態様となり、特別図柄が外れ態様で停止する場合には少なくとも一部が異なる外れ演出態様となる。例えば、演出図柄9c〜9eには0〜9までの数字図柄が使用されており、特別図柄が大当たり態様で停止する場合には演出図柄9c〜9eは「7・7・7」等の大当たり演出態様で停止し、特別図柄が外れ態様で停止する場合には演出図柄9c〜9eは「2・4・5」等の外れ演出態様で停止する。
【0091】
チャンスボタン42の操作指示に際しては、変動後の特別図柄が大当たり態様となる信頼度の高い演出図柄変動パターンを抽選したとき等、遊技者に対して期待感を抱かせる所定の遊技状態、例えば1個の演出図柄9dを除く2個の演出図柄9c,9eが同じとなるリーチとなった場合に、画像表示部9bの所定箇所にチャンスボタン42の操作を指示する操作指示画像9fが表示される。
【0092】
そして、例えば特別図柄始動手段12が遊技球を検出したときに大当たりを抽選しており、変動後の特別図柄が大当たり態様となった後に特別遊技状態が発生する場合には、その操作指示画像9fに従って図柄変動中に適宜タイミングでチャンスボタン42を押圧操作すれば、画像表示部9bに所定の予告画像が明滅発光して表示される等により、その後の大当たり態様での特別図柄の停止、及びこれに続く特別遊技状態の発生を予告する演出がなされる。
【0093】
可変入賞手段11、特別図柄始動手段12、普通入賞手段13等の入賞手段に遊技球が入賞すると、その夫々に対応して予め決められた数の遊技球が賞球として遊技者に与えられ、その遊技球が加算されて遊技球表示部44に表示される。
【0094】
可変入賞手段11、特別図柄始動手段12、普通入賞手段13等に入賞して遊技盤2の裏側へと誘導された遊技球は、可変入賞手段11、普通入賞手段13等から集球ケース21内へと落下し、傾斜壁81等を経て排出口80から下方へと排出されて行く。またアウト口16に入った遊技球は、遊技盤2の裏側から集球ケース21内へと落下し排出口80から下方へと排出されて行く。
【0095】
集球ケース21の排出口80から出た遊技球は、回収手段86を経て移送手段87側へと回収される。この回収に際して回収手段86の回収口89aへと落下した遊技球は、左右方向の複数個の回収通路89bの何れかを経て下方へと落下するため、複数個の遊技球が短時間に回収口89aへと集中するようなことがあっても、それらの遊技球を集球ケース21から回収手段86へと円滑に回収することができる。
【0096】
また各回収通路89bを通過中の遊技球は回収検出スイッチ89cにより検出され、その検出信号により回収手段86に回収された遊技球の数が計数される。従って、例えば発射検出スイッチ76で検出された遊技球の発射数と、回収検出スイッチ89cで検出された遊技球の回収数とを計数して、その発射数と回収数との差を演算することにより、待機中の遊技球の数を把握することができる。
【0097】
移送手段87による移送動作の停止中は、図21に実線で示すように、ストッパー155が上昇通路93内に突出してその上側の遊技球を受け止めている。このときストッパー155上の遊技球とその下側の遊技球との間には所定の間隔Aがあり、移送手段87の入口側には最下流側の遊技球が回転スプロケット99の球捕捉部100に入った状態にある。そこで、待機通路90bで待機中の遊技球が所定数(例えば5個又は10個)になり、移送制御手段170の制御により回転駆動手段96が移送方向に起動して回転スプロケット99が回転すると、後続の遊技球が回転スプロケット99の球捕捉部100に順次入る。そして、待機通路90bに待機中の遊技球を回転スプロケット99の球捕捉部100内に捉えながら上昇案内通路111へと送り込む。
【0098】
そして、回転スプロケット99の球捕捉部100に入った遊技球は、回転スプロケット99の回転に伴って案内部材95に案内されながら回転スプロケット99の下側を経て反対側の上昇案内通路111へと送られて行く。遊技球が上昇案内通路111の下端部に達すると、先端が回転スプロケット99間の周溝98に突出する掻き出し突部112によって、回転スプロケット99の球捕捉部100内の遊技球が順次掻き出された後、その遊技球は上昇案内通路111内へと接線方向の上方に押し上げられて行く。
【0099】
このようにして回転駆動手段96の起動当初は、ストッパー155よりも下側の上昇案内通路111、上昇通路93内の遊技球が上昇する。そして、回転駆動手段96が停止前の逆転分に相当する回転角を回転角検出手段175が検出すると、ストッパー155の下側の遊技球が図21に二点鎖線で示すようにストッパー155上の遊技球に当接するので、その当接と略同時にストッパー制御手段171がストッパー駆動手段156に解除指令を出してストッパー155を上昇通路93から後退させる。
【0100】
このようにストッパー155の下側の遊技球が上昇してストッパー155の上下両側の遊技球が当接した直後にストッパー155を後退させれば、ストッパー155の上下両側の遊技球が当接して上側の遊技球が押し上げられるため、ソレノイド162の駆動程度でも容易にストッパー155を解除することができる。
【0101】
その後は回転スプロケット99の回転により、後続の遊技球によって上昇案内通路111、上昇通路93内の遊技球を押し上げながら上昇方向に移送するが、先ずストッパー155から下側の遊技球を回転スプロケット99により間隔A分だけ押し上げ、その後にストッパー155の上側の遊技球を含む全体の遊技球を押し上げる。そのため回転駆動手段96を移送方向に起動させる際にも、上昇案内通路111、上昇通路93の全ての遊技球の重量が回転駆動手段96に加わるようなことがなく、回転駆動手段96の負荷を軽減することができる。従って、回転駆動手段96に比較的小型のモータを使用する等、簡単且つ安価に実施することができる。
【0102】
上昇通路93の上端に達した遊技球は、上昇通路93と貯留手段88の上流側貯留通路88aとの間の最上部を通過すると、上流側貯留通路88aの傾斜に沿って転動しながら接続通路88c、下流側貯留通路88bへと移動して、貯留手段88内に略一列状に貯留される。
【0103】
待機通路90b内に待機中の遊技球がある限り回転スプロケット99が回転して、その待機通路90b内の遊技球を上昇通路93の下側へと送り込む。しかし、移送検出スイッチ91bが待機通路90b内に遊技球がないことを検出すると、最後の遊技球が段差部108から所定間隔離れるまで回転スプロケット99が回転した後に停止して遊技球の移送を中断する。
【0104】
このとき移送検出スイッチ91bの検出時点から、上下2個の遊技球間の隙間部93bがストッパー155に対応する位置までの回転スプロケット99の回転角を回転角検出手段175が検出し、所定の回転角になったときにストッパー制御手段171の制御によりストッパー155が突出して上下の遊技球間の隙間部93bに進入する。
【0105】
これと略同時に回転駆動手段96が逆転し、回転スプロケット99は最後の遊技球が段差部108に当接するまで逆方向に回転する。このためストッパー155の上側の遊技球はストッパー155により規制されるのに対して、ストッパー155の下側の遊技球が下降することにより、ストッパー155の上下両側の遊技球間に所定の間隔ができる。
【0106】
なお、ストッパー155の突出と略同時に回転駆動手段96が停止し、それから次の移送方向への回転までの間の適当な時期に回転駆動手段96が逆転するようにしても良い。また上下の遊技球間の間隔Aは、遊技球の1個分程度であることが望ましいが、遊技球1個分未満でも良い。また遊技球が段差部108に接触すると、回転スプロケット99は逆転しなくなるが、そのときに弾性部101aが弾性変形するため、この弾性部101aにより衝撃を緩和することができる。
【0107】
その後、待機通路90bの遊技球が所定数(5個又は10個)以上になれば、回転駆動手段96が再起動し回転スプロケット99が移送方向に回転して遊技球の移送動作を開始するが、前述と同様に回転駆動手段96に加わる負荷を軽減して円滑に遊技球を移送することができる。
【0108】
また待機通路90bに遊技球がなくなれば、回転スプロケット99を移送方向に若干回転させた後に逆転させて、最後の遊技球が段差部108に当接する位置で停止させる。このため回転スプロケット99の回転により後続の遊技球によって上昇通路93内の遊技球を押し上げるようにしているにも拘わらず、球捕捉部100に遊技球が入らない状態で回転スプロケット99が回転するようなことはない。従って、上昇案内通路111の下端を回転スプロケット99が通過するときに、上昇案内通路111内の下端側の遊技球によって回転スプロケット99の球捕捉部100間の突出部が叩かれるようなこともなく、遊技球を連続的に移送することができる。
【0109】
また回転スプロケット99が停止して遊技球の移送を中断すると、遊技球の重量が回転スプロケット99に対して逆転方向に加わるが、上昇通路93の上部側の遊技球の重量はストッパー155により支持できるので、ストッパー155下側の遊技球の重量が回転スプロケット99に加わるのみであり、回転スプロケット99の負担を軽減することができる。しかも、回転スプロケット99が逆転したときに、その球捕捉部100に入った遊技球が図15、図17に示すように入口部105の下手側の段差部108に当接するため、これによって回転スプロケット99のそれ以上の逆転を阻止できる。従って、回転スプロケット99の逆転を阻止するブレーキ等の手段を別途設ける必要もない。
【0110】
回転スプロケット99の単位時間当たりの遊技球の移送数は、発射手段53の単位時間当たりの遊技球の発射数よりも大であり、移送手段87が遊技盤2を通過して回収手段86に回収された遊技球をその速度で順次移送するため、各遊技球が遊技盤2を通過するときの通過時間に多少の時間差があっても、発射手段53が遊技球を発射するに必要な数の遊技球を常に貯留手段88に貯留することができる。
【0111】
移送手段87の上昇案内通路111を遊技球が通過するときに、研磨手段55の研磨体116により遊技球を研磨して遊技球の表面に付着した汚れ等が除去される。研磨手段55では研磨駆動手段117の駆動により、駆動輪119と上昇案内通路111側の従動輪120とに巻き掛けられた研磨体116が、上昇案内通路111内に突出した状態で矢示方向に回転するので、上昇案内通路111を上昇方向に移動する遊技球の表面を研磨して汚れ等を除去することができる。
【0112】
貯留手段88の各通路88a〜88d内には研磨手段55で研磨後の遊技球が略一列状に並んで貯留されており、発射手段53が遊技球を発射すると、その発射動作に連動して球送り手段77が作動し、貯留手段88の最下手側の遊技球を発射レール71上へと送る。
【0113】
以下、発射手段53により遊技盤2の遊技領域7内へと遊技球を発射し、遊技盤2を通過した遊技球を循環手段54の回収手段86、移送手段87、貯留手段88を経て発射手段53へと戻し、発射手段53と遊技盤2との間で遊技球を循環させながらゲームを行う。
【0114】
このパチンコ機では、遊技盤2を通過した遊技球を遊技盤2の下側の回収手段86により回収するようにしているが、遊技盤2の上部に発射手段53、貯留手段88、球送り手段77があり、回収手段86により回収された遊技球を、持ち上げ式の移送手段87により貯留手段88へと持ち上げながら移送し、その貯留手段88内の遊技球を、発射手段53の発射動作と連動させて球送り手段77により発射手段53へと1個ずつ送るようにしているので、遊技盤2の下側に循環手段54を配置し、この循環手段54の下側に発射手段53を配置する従来のような位置関係を維持する必要がなく、その回収手段86、発射手段53の位置関係により遊技盤2の上下方向の位置が制約されることがない。このため遊技盤2側の条件に従って遊技盤2の上下幅を決定できるので、必要に応じて遊技盤2の遊技領域7を大にすることができる。
【0115】
遊技盤2を装着する場合には、ガラス扉4をヒンジ3廻りに前側へと開放し、遊技盤2のヒンジ3側一端を遊技盤装着枠52内に挿入して係合部58bに係合させた後、その係合部58b側を支点として遊技盤2の他端側を後方へと押圧して遊技盤装着枠52内に押し込む。このとき上下一対の固定手段63のコ字状の係合体63aを斜め前向きにセットしておく。すると遊技盤2の他端側が各固定手段63の係合体63aのコ字状部分に入りながら、遊技盤2の押圧によって係合体63aが横向きの固定位置へと回動して、固定手段63により遊技盤装着枠52内の遊技盤2が固定される。従って、遊技盤2の遊技盤装着枠52内への挿入と、その遊技盤装着枠52内での遊技盤2の固定とを簡単な操作で容易に行うことができる。
【0116】
一方、係合部58b側を支点として遊技盤2を遊技盤装着枠52内に押し込んで行くと、遊技盤2の裏側の盤側ジョイント部83と遊技盤装着枠52側の枠側ジョイント部84との対応するコネクタ同士が嵌合して電気的に接続する。このため遊技盤2の装着時に、同時に盤側ジョイント部83と枠側ジョイント部84とを電気的に接続することができる。
【0117】
遊技盤2を取り外す場合には、固定手段63の操作部を前側に操作すると、リンク機構63cを介して係合体63aが逆方向に回動して遊技盤2の他端側が前側へと押圧され、、遊技盤2が係合部58b側を支点として前側へと回動する。そして、固定手段63による遊技盤2の押し出しが終了した後、遊技盤2を把持して遊技盤装着枠52から取り出せば良い。
【0118】
この実施形態では、外枠1に遊技盤2を着脱自在に装着する一方、遊技盤2の前側にその遊技領域7を視認可能に配置されたガラス扉4を外枠1に開閉自在に枢着しているので、従来の前枠に装着する場合に比較して前枠自体を省略することができる。このため前枠用の材料が不要になると共に、構造的に簡素化することができる。
【0119】
また従来の前枠に遊技盤2を装着する場合には、前枠の支持強度、前枠の開閉動作の円滑性等から遊技盤2側の重量にも制約があるが、遊技島側に固定される外枠1に遊技盤装着枠52を介して遊技盤2を装着しているため、支持強度、開閉動作等の点で遊技盤2の重量が大きな問題となることもない。
【0120】
更に外枠1は前側が開放する開口を有する筐体29であり、この筐体29内に遊技盤装着枠52を設けて、この遊技盤装着枠52に遊技盤2を前側から着脱自在に装着するようにしているので、外枠1を矩形枠状に構成する場合に比較して外枠1自体の強度を容易に確保することができる。また筐体29の上下方向の中間に左右方向に架設された支持枠28を備え、この支持枠28の上側に遊技盤装着枠52を設けることにより、支持枠28により筐体29を補強できその強度が向上すると共に、遊技盤装着枠52に対して遊技盤2を容易に着脱することができる。
【0121】
発射手段53と遊技盤2との間の循環経路R内に所定数の遊技球を封入して循環させながらゲームを行う循環封入式の場合、循環手段54の回収手段86、移送手段87、貯留手段88等にその遊技球が集中する。しかし、遊技球が循環手段54に集中するにも拘わらず、その循環手段54を外枠1を構成する筐体29に備えることにより、封入された遊技球の多少に拘わらず循環手段54を確実に支持することができる。また循環手段54は回収手段86、移送手段87、貯留手段88を備えているが、この循環手段54を筐体29に設けることにより、その回収手段86、移送手段87、貯留手段88の夫々を比較的自由に配置できる。
【0122】
遊技盤2の遊技領域7の上部外側に切り欠き部67を設ける一方、発射手段53をその裏側で遊技盤装着枠52を介して筐体29側に設け、遊技盤2の着脱時に着脱側と反対側から発射手段53が切り欠き部67に対して相対的に出退自在であるため、遊技盤2の交換により機種変更する際にも、遊技盤2と一体に発射手段53を廃棄する必要がなく無駄を解消できる。
【0123】
また発射手段53は遊技盤2の前面と略面一状に配置された発射支持板70を備え、この発射支持板70の前面に発射レール71と、発射レール71上の遊技球を打撃して発射させる打撃槌74とを備えているので、発射手段53により遊技領域7へと遊技球を円滑に発射できる。しかも発射手段53と遊技領域7との間に、遊技領域7と発射手段53側とを仕切る仕切り部8aがあるため、遊技領域7内に打ち込まれた遊技球の発射手段53側への移動を防止できる。
【0124】
循環手段54は遊技盤2及び発射手段53よりも下側に配置された回収手段86と、この回収手段86により回収された遊技球を発射手段53側へと移送する移送手段87とを備えているため、遊技盤2の上下方向の寸法を長くした場合でも、回収手段86から移送手段87を経て発射手段53へと遊技球を循環させることができる。従って、遊技盤2の遊技領域7を十分に確保することができる。
【0125】
循環手段54は移送手段87により移送された発射用の遊技球を貯留する貯留手段88を備え、この貯留手段88に貯留中の遊技球を、発射手段53の発射動作に連動して球送り手段77により発射手段53へと1個ずつ送るようにしているので、発射手段53を回収手段86よりも上側に配置しても発射用の遊技球の球切れ等を容易に防止できる。
【0126】
また移送手段87は貯留手段88へと遊技球を案内する上昇通路93と、回収手段86の遊技球を上昇通路93の下側へと送り込む回転移送体94と、この回転移送体94を回転駆動する回転駆動手段96とを備えているため、遊技盤2の上部側に発射手段53と貯留手段88とを配置する等、発射手段53及び貯留手段88を回収手段86に比較して十分高い位置に配置した場合にも、移送手段87により確実に遊技球を移送することができる。
【0127】
図25は本発明の第2の実施形態を例示する。この実施形態では、入口部105から下側案内部101へと遊技球を円滑に連続状に案内するようになっており、第1の実施形態の段差部108が省略されている。この場合には、移送検出スイッチ91bが待機通路90bの最後の遊技球の移送を検出してから、回転スプロケット99を所定角(遊技球の2〜3個分程度)回転させる。そして、上下の遊技球間の隙間部93bにストッパー155が突出すると、これと略同時に回転駆動手段96が回転スプロケット99を所定角逆転させた後に停止させる。なお、他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0128】
この実施形態のようにストッパー155を上昇通路93の下部に設ける場合には、ストッパー155よりも下側の遊技球の数が少なくなるため、回転駆動手段96に駆動モータの固定子と回転子との間に作用する吸引力程度で回転スプロケット99の逆転を防止でき、第1の実施形態の段差部108を省略することができる。また段差部108が不要であるため、回転スプロケット99の逆転量が段差部108によって制限されることがなく、ストッパー155上の遊技球とその下側の遊技球との間隔Aを容易に確保できる。
【0129】
図26、図27は本発明の第3の実施形態を例示する。この実施形態では、二股状のストッパー155に上側の遊技球が係合する係合部155aが設けられている。ストッパー155はプランジャー163を介してソレノイド162により出退自在に連結され、付勢バネ166により後退方向に付勢されている。係合部155aは遊技球が上側から係脱自在である。ストッパー155は突出状態で上側から遊技球が係合したときに、ストッパー155の上側の上昇通路93内の遊技球の荷重により後退しないように保持され、また下側の遊技球がストッパー155上の遊技球を押し上げたときに、上下の遊技球間の隙間部93bを経て付勢バネ166により後退するようになっている。なお、他の構成は第1又は第2の実施形態と同様である。
【0130】
この実施形態では、上下の遊技球間の隙間部93bがストッパー155に対応して回転スプロケット99が停止すると、略同時にソレノイド162の駆動により付勢バネ166に抗してストッパー155がその遊技球間の隙間部93bを経て上昇通路93内に突出する。その後、回転スプロケット99が逆転方向に回転すると、ストッパー155の上側の遊技球が下降して係合部155aに係合する。このためストッパー155はその上側の遊技球の全重量を支えることとなり、ソレノイド162の励磁を解除しても後退せずにその状態を維持できる。続いて、回転スプロケット99がストッパー155上の遊技球とその下側の遊技球との間に所定の間隔Aができる角度まで逆転した後に停止する。
【0131】
待機検出スイッチ91が遊技球を検出すると、回転駆動手段96により回転スプロケット99が移送方向に回転し、この回転スプロケット99の回転によりストッパー155の下側の遊技球を上昇方向へと移送する。そして、ストッパー155の下側の最上位の遊技球がストッパー155上の遊技球に当接して押し上げると、その上側の遊技球がストッパー155の係合部155aから離脱し、ストッパー155が付勢バネ166の付勢により両遊技球間の隙間部93bを経て後退する。そのためストッパー155を後退させるための特別な制御が不要であり、ストッパー制御手段171による制御を容易に行うことができる。
【0132】
以上、本発明の各実施形態について詳述したが、本発明はこの各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、各実施形態では、筐体29等の外枠1に遊技盤装着枠52を介して遊技盤2を装着する弾球遊技機として、循環封入式のパチンコ機を例示しているが、循環封入式のパチンコ機以外の各種の弾球遊技機においても同様に実施することが可能である。
【0133】
また循環封入式の場合にも、発射手段53、循環手段54は遊技盤2の下部又は遊技盤2の下側に対応して外枠1に設けても良い。循環封入式以外の場合にも、発射手段53は遊技盤2の下部又は遊技盤2の下側に対応して外枠1に設けても良い。
【0134】
更に実施形態では、外枠1の遊技盤装着枠52に対して前側から遊技盤2を着脱自在に装着するように構成しているが、外枠1の遊技盤装着枠52に対して裏側から遊技盤2を装着するようにしても良い。
【0135】
外枠1と、この外枠1の前側に開閉自在に枢着された前枠とを備えた遊技機本体において、前枠に遊技盤装着枠52を介して装着された遊技盤2と発射手段53とを設ける場合にも、回収手段86、移送手段87を含む循環手段54を外枠1に設けるようにしても良い。
【0136】
遊技領域7の外側で遊技盤2に切り欠き部67又は開口部を設けて、遊技機本体側の発射手段53がその切り欠き部67又は開口部を経て出退するように構成する場合、その切り欠き部67等の位置は遊技盤2の上部の他、遊技盤2の上下方向の中間部、又は遊技盤2の下部等でも良い。また発射手段53と遊技領域7との間の仕切り部8aは、発射支持板70の前面に設けても良い。
【0137】
遊技島に固定される外枠1は、前側に開放する開口を有する筐体29の他、矩形枠状のものでも良い。また筐体29等を含む外枠1により遊技機本体を構成する他、遊技機本体は矩形枠状の外枠1と、この外枠1の前側に開閉自在に枢着される前枠とにより構成しても良い。その場合、遊技盤装着枠52及び遊技盤2は外枠1に設ける以外に、遊技機本体の一部を構成する前枠に設けても良い。その場合の外枠1は筐体29でも良いし、矩形枠状のものでも良い。
【0138】
遊技盤2は遊技盤装着枠52が筐体29内にある場合には、遊技盤装着枠52に対して前側から装着することになるが、遊技盤装着枠52が前枠にある場合には遊技盤2は前後の何れから装着するようにしても良い。遊技領域7を視認可能に配置されるガラス扉4等の開閉扉は、前枠がある場合には前枠に枢着すれば良い。筐体29内に左右方向に架設された支持枠28は省略しても良いし、支持枠28と遊技盤装着枠52とは別々に設けても良い。遊技盤装着枠52は遊技盤2を安定的に装着できる構造であればよく、実施形態に例示の構造に限定されるものではない。
【0139】
実施形態では遊技盤2と発射手段53との間で遊技球を循環させる循環式のパチンコ機について例示しているが、循環式のアレンジボール機の他、遊技盤2を通過した遊技球を機外に排出する非循環式パチンコ機、アレンジボール機を含む各種の弾球遊技機に採用することも可能である。
【0140】
また循環式の弾球遊技機において、循環手段54を外枠1側に設ける場合、その循環手段54を外枠1に直接固定しても良いし、ブラケットその他の適宜手段を介して外枠1に固定しても良い。例えば実施形態に例示するように回収手段86と貯留手段88と移送手段87とを備えた循環手段54の場合、回収手段86は支持枠28に、貯留手段88は遊技盤装着枠52の上部側に、移送手段87の下部側は支持枠28に、移送手段87の上昇通路93は遊技盤装着枠52の側部側に夫々適宜手段を介して固定しても良いし、他の箇所に固定しても良い。
【0141】
循環手段54の回収手段86と貯留手段88は、発射手段53の位置に応じて何れを上に配置しても良い。実施形態のように発射手段53が遊技機本体の上部側にある場合には、その発射手段53に対応して貯留手段88が回収手段86よりも上側に配置することになるが、発射手段53が遊技機本体の下部側にある場合には、貯留手段88を回収手段86よりも下側に配置しても良い。貯留手段88を回収手段86よりも下側に配置した場合、移送手段87は遊技球の転がりにより回収手段86から貯留手段88へと移送するように構成すれば良い。
【0142】
発射手段53は遊技機本体の上下方向の最適位置に配置すれば良い。発射手段53から遊技領域7までの遊技球の案内経路を短くする場合には、発射手段53を遊技盤2の上下幅内に配置するか、又は極力遊技盤2の近傍に配置することが望ましい。発射手段53が遊技盤2の上下幅内か又はその近傍にある場合には、貯留手段88、移送手段87の上昇通路93等は遊技盤2の裏側に配置することになる。
【0143】
回収手段86から貯留手段88へと遊技球を上昇させる上昇式の移送手段87には、実施形態のような構成のスプロケット式を採用すれば、回収手段86から貯留手段88までの揚程を大にできる利点があるが、他のスクリュー式、ベルトコンベア式、バケットコンベヤ式等を採用しても良い。また移送手段87は待機中の遊技球が所定数以上となる都度、その待機中の遊技球の全てを移送するまで作動する他、入口部105に遊技球が到達する都度に作動して移送するようにしても良いし、常時作動するようにしても良い。常時作動する場合の移送手段87は、スクリュー式、ベルトコンベア式、バケットコンベヤ式が望ましい。
【0144】
ストッパー155の構造、ストッパー駆動手段156は適宜構造を採用することができる。またストッパー155を上昇通路93内に突出させて遊技球を受止めた後、回転駆動手段96を逆転させてストッパー155の上下の遊技球間に所定の間隔Aを確保するが、この回転駆動手段96の逆転は、回転駆動手段96が次に移送方向(上昇方向)に作動するまでの間に行えば良い。
【0145】
ストッパー155は上昇通路93の途中にあれば良い。また上昇通路93が長い場合には、上下方向の複数箇所にストッパー155を設けて、上昇通路93内の遊技球を受止める場合には上のストッパー155から順次突出させて行き、また解除する場合には下のストッパー155から順次後退させて行けば良い。
【符号の説明】
【0146】
2 遊技盤
7 遊技領域
53 発射手段
86 回収手段
87 移送手段
93 上昇通路
93b 隙間部
94 回転移送体
96 回転駆動手段
100 球捕捉部
155 ストッパー
156 ストッパー制御手段
A 間隔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転式の移送手段により上昇通路の下側に遊技球を送り込みながら、前記上昇通路を経て遊技球を移送するようにした弾球遊技機において、前記上昇通路の中間に、該上昇通路に出退自在に設けられ且つ突出時にその上側の遊技球を受けるストッパーと、該ストッパーがその上側の遊技球を受け止めてから前記移送手段が上昇方向に起動するまでに該移送手段を逆転させて、該移送手段側の遊技球と前記ストッパー部上の遊技球との間に所定の間隔を持たせるための制御手段とを備えたことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】
遊技盤の遊技領域へと遊技球を発射する発射手段と、前記遊技盤を通過した遊技球を回収する回収手段とを備え、前記移送手段は前記回収手段により回収された遊技球を前記上昇通路へと送り込み、前記上昇通路は遊技球を前記発射手段へと案内することを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
【請求項3】
前記移送手段は外周に遊技球を捕捉する球捕捉部を有し且つ横軸心廻りに回転する回転移送体と、該回転移送体を横軸心廻りに駆動する回転駆動手段とを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の弾球遊技機。
【請求項4】
前記ストッパーは前記上昇通路内で上下に重なる2個の遊技球間の隙間部に出退することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の弾球遊技機。
【請求項5】
前記移送手段は前記ストッパーが前記上昇通路内に突出すると略同時に遊技球の上昇方向への回転を停止することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の弾球遊技機。
【請求項6】
前記移送手段は前記ストッパーの突出後で且つ上昇方向に再起動するまでの間に所定量逆転して停止することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の弾球遊技機。
【請求項1】
回転式の移送手段により上昇通路の下側に遊技球を送り込みながら、前記上昇通路を経て遊技球を移送するようにした弾球遊技機において、前記上昇通路の中間に、該上昇通路に出退自在に設けられ且つ突出時にその上側の遊技球を受けるストッパーと、該ストッパーがその上側の遊技球を受け止めてから前記移送手段が上昇方向に起動するまでに該移送手段を逆転させて、該移送手段側の遊技球と前記ストッパー部上の遊技球との間に所定の間隔を持たせるための制御手段とを備えたことを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】
遊技盤の遊技領域へと遊技球を発射する発射手段と、前記遊技盤を通過した遊技球を回収する回収手段とを備え、前記移送手段は前記回収手段により回収された遊技球を前記上昇通路へと送り込み、前記上昇通路は遊技球を前記発射手段へと案内することを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
【請求項3】
前記移送手段は外周に遊技球を捕捉する球捕捉部を有し且つ横軸心廻りに回転する回転移送体と、該回転移送体を横軸心廻りに駆動する回転駆動手段とを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の弾球遊技機。
【請求項4】
前記ストッパーは前記上昇通路内で上下に重なる2個の遊技球間の隙間部に出退することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の弾球遊技機。
【請求項5】
前記移送手段は前記ストッパーが前記上昇通路内に突出すると略同時に遊技球の上昇方向への回転を停止することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の弾球遊技機。
【請求項6】
前記移送手段は前記ストッパーの突出後で且つ上昇方向に再起動するまでの間に所定量逆転して停止することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の弾球遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2013−106767(P2013−106767A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−253691(P2011−253691)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(391010943)株式会社藤商事 (1,465)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(391010943)株式会社藤商事 (1,465)
【Fターム(参考)】
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