説明

弾球遊技機

【目的】 表示の迫力を高めることができる情報表示部を有する弾球遊技機を提供すること。
【構成】 可変表示装置3に、所定の遊技情報を表示するための液晶表示器31を設ける。液晶表示器31は遊技盤表面から所定距離離れて設けられる。したがって遊技情報がパチンコ玉Pよりも遊技者に近く表示され、表示の迫力が増す。また、玉通過口30から進入するパチンコ玉Pは遊技盤表面と液晶表示器31との間を通過するのでパチンコ玉Pの落下経路が可変表示装置3により制限されることは少なくなる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パチンコ遊技機やコイン遊技機等で代表される弾球遊技機に関し、詳しくは、打玉を遊技領域に打込んで遊技が行なわれる弾球遊技機であって、複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示部が備えられた可変表示装置を有し、可変表示装置の停止時の表示結果が特定の識別情報となった場合に所定の遊技価値を付与可能な状態となる弾球遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の遊技機において従来から一般的に知られているものに、遊技盤面に複数種類の識別情報が可変表示可能な可変表示装置を有し、可変表示装置の停止時の表示結果が予め定められた特定の識別情報になった場合に所定の遊技価値を付与可能な状態となる遊技機がある。そして、所定の可変開始条件の成立に基づいて可変表示装置が可変表示され、その可変表示装置の停止時の表示結果が予め定められた特定の識別情報(たとえば「777」)になった場合に、たとえば可変入賞球装置を遊技者にとって有利な第1の状態にして所定の遊技価値を付与可能な状態とするものがあった。可変表示装置としては、回転ドラムをパルスモータを用いて回転させるものや、7セグメントLEDやマトリックスLEDを遊技盤中央に配置し、これらを電気的に制御してさまざまな識別情報を表示させるものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の弾球遊技機では、可変表示装置などの情報表示部は遊技盤面とほぼ同一平面かあるいは遊技盤面よりも奥行方向に後退して設けられているため、情報表示部による表示に十分な迫力が得られないという問題があった。
【0004】それゆえにこの発明の目的は、表示の迫力を高めることができる情報表示部を有する弾球遊技機を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる弾球遊技機は、所定の遊技情報を表示可能な情報表示部を有する弾球遊技機であって、前記情報表示部は、遊技盤の前面側に、前記情報表示部と遊技盤との間の少なくとも一部を遊技玉が通過可能な間隔を隔てて配置されていることを特徴とする。
【0006】
【作用】本発明によれば、情報表示部は、遊技盤の前面側に所定の間隔を隔てて配置される。したがって、表示される識別情報がより遊技者に近くなり、かつ遊技盤の他の部分よりも遊技者側に突出して見えることになる。また、遊技盤面と情報表示部との間には間隔が設けられており少なくともその一部を遊技玉が通過することが可能である。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、弾球遊技機の一例のパチンコ遊技機の遊技盤面を示す正面図である。遊技者が、図示しない打球操作ハンドルを操作すれば、打球待機樋(図示せず)に貯留されているパチンコ玉が1つずつ遊技盤1の前面に形成されている遊技領域2内に打込まれる。遊技領域2には、複数種類の識別情報を可変表示可能な可変表示装置3が設けられているとともに、始動入賞口10a、10b、10cが設けられている。これら始動入賞口10a、10b、10c内に入賞したパチンコ玉は、それぞれ始動入賞玉検出器11a、11b、11cにより、検出される。それら始動入賞玉検出器11a、11b、11cの検出信号に基づき、可変表示装置3の各図柄表示部3a、3b、3cの可変表示が開始される。そして、所定時間の経過に基づいてまず左図柄表示部3aが停止し、その後中図柄表示部3bが停止し、最後に右図柄3cが停止する。停止時の表示結果が予め定められた特定の識別情報(たとえば777)になれば、可変入賞球装置4の開閉板5を開成させて遊技者にとって有利な第1の状態とし所定の遊技価値が付与可能な状態にする。
【0008】可変表示装置3の可変表示中においてパチンコ玉が始動入賞口10a〜10cに入賞すればその始動入賞が記憶され、可変表示装置3の可変表示が停止した後に、その記憶に基づいて再度可変表示装置3の可変表示が開始される。その始動入賞記憶の上限値はたとえば「4」に定められている。始動入賞記憶回数は始動記憶LED26により表示される。
【0009】可変入賞球装置4は、通常は開口部7が開閉板5により閉塞されてパチンコ玉が開口部7に入賞できない、遊技者にとって不利な第2の状態になっている。開閉板5が開成することにより、前述のようにパチンコ玉が開口部7に入賞可能な遊技者にとって有利な第1の状態となる。可変入賞球装置4の第1の状態は、パチンコ玉の所定個数(たとえば10個)の入賞または所定時間(たとえば30秒間)の経過のいずれかの条件が成立することにより終了し、可変入賞球装置4は第2の状態に切換わる。
【0010】開口部7内の所定の箇所には特定入賞口8が形成されている。可変入賞球装置4に入賞したパチンコ玉がこの特定入賞口8に入賞すると、その間における可変入賞球装置4の第1の状態が終了した後、再度開閉板5が開成されて第1の状態が繰返し継続制御される。繰返し継続制御の上限回数はたとえば16回と定められている。繰返し継続制御が行なわれた回数、すなわち開閉板5が開成された開成回数は、可変表示装置3の上部に設けられた開成回数表示器25により表示される。可変入賞球装置4に入賞した入賞玉の個数は、可変入賞球装置4の下方に設けられた入賞個数表示器9により表示される。開閉板5は、遊技盤の裏に設けられたソレノイド6によって駆動される。なお、上述の説明では可変入賞球装置4の第2の状態として、打玉が全く入賞できない状態を示したが、打玉が入賞困難な状態とするものであってもよい。
【0011】可変表示装置3には、遊技盤面から所定距離離れた位置に設けられた、液晶表示部からなる図柄表示部3a、3b、3cが設けられている。各図柄表示部3a〜3cと遊技盤との間の間隔はパチンコ玉の直径よりも大きく設けられており、したがって遊技盤表面と図柄表示部3a〜3cとの間をパチンコ玉が通過可能である。さらにこの可変表示装置3には、飾りLED23が設けられており、さらにその頂部には入賞口12が形成されている。本実施例においては、セグメント状の液晶表示装置により図柄表示部を構成したものを示しているが、本発明はこれに限らず、たとえばマトリックス状の液晶表示装置を用いたものであってもよい。また、遊技盤表面と図柄表示部3a〜3cとの間をパチンコ玉が通過できるものであれば、あるいは表示部以外を透明にできるものであればたとえばエレクトロルミネセンスを用いた表示装置と、液晶表示装置以外の表示装置であってもよい。また、本実施例では遊技盤と各図柄表示部3a〜3cとの間をすべてにわたってパチンコ玉が通過可能にしたが、一部のみ通過可能に構成してもよい。図柄表示部3a〜3cは3つに限らず、1、2または4つ以上のものであってもよい。図柄表示部3a〜3cは所定の遊技条件の成立によって可変表示を開始し、それぞれ所定時間の経過の後に停止されるように制御されるが、本発明はこれに限らず、たとえば遊技者によって操作される図示されない停止ボタンを設け、遊技者の停止ボタンの押圧操作によって停止されるものであってもよい。また、所定時間の経過または遊技者の停止ボタンの押圧操作のいずれか早い方が行なわれたことに基づいて停止制御してもよい。
【0012】遊技領域2にはさらに、風車ランプ18と、サイドランプ17と、肩ランプ19とが設けられている。可変入賞球装置4の左右には、アタッカーランプ21、アタッカーLED24、袖ランプ20が設けられている。遊技領域2の周囲にはレール飾りランプ16が設けられている。さらに、遊技領域2には、入賞口13、14と、アウト玉を回収するためのアウト口15とが設けられている。
【0013】図2は、可変表示装置3の全体正面図である。図3は、遊技盤に取付けられた状態の可変表示装置3の縦断面図である。図4は、同じく遊技盤に取付けられた状態の可変表示装置3の横断面図である。図2〜図4R>4を参照して、可変表示装置3は、遊技盤1に取付けられる透明取付基板27と、取付基板27から内側ガラス板49a、外側ガラス板49bの方向に突出して設けられた液晶表示器31とを含む。遊技盤1には開口1aが形成されており、開口1a内に可変表示装置3が組込まれる。取付基板27は遊技盤1の表面とほぼ面一になるように遊技盤1に取付けられている。取付基板27表面と液晶表示器31との間には、前述したようにパチンコ玉Pが通過可能な間隔Dが形成されている。液晶表示器31は、枠部材28によって取付基板27に取付けられている。取付基板27の裏面には、開口部の包囲枠48が取付けられており、その側面の一方には配線収容部48aが形成され、液晶表示器31から引出されるフィルムケーブルからなる配線34がこの中を通って図示されない制御回路に接続されている。
【0014】遊技盤1の裏面には、入賞口12などに入賞した遊技玉を所定箇所に集合させるための入賞玉集合カバー35が取付けられている。入賞玉集合カバー35の裏面には、取付ボス36を介してドラムケース37が取付けられている。ドラムケース37の側面の一方の内部には、モータ42が、そのモータ軸43が水平方向となるように取付けられている。モータ軸43の他端はドラムケース37の他方の側面によって軸支されている。モータ軸43には、透明ドラム44が取付けられ、透明ドラム44の周囲には装飾絵柄33(図2参照)が書込まれた装飾フィルム45が貼着されている。ドラム44、装飾フィルム45の代わりに、透明のベルト状のものを用い、そのベルト上に装飾絵柄を描いてもよい。
【0015】ドラムケース37の後端の開口部はケースカバー38によって閉塞されている。ケースカバー38の内面には、モータ・ランプ保持枠47がドラムケース37の側面と平行に取付けられてドラム44の遊技盤1側の端部付近まで延びている。モータ・ランプ保持枠47の先端部分にはランプ保持部材46が取付けられている。ランプ保持部材46は、横長の「コ」状の形状をしており、開口部が遊技盤表面の方向を向いている。ランプ保持部材46の2つの側面の内側にはランプ基板41が取付けられ、ランプ基板41にはドラムランプ22が取付けられている。ドラムランプ22は、液晶表示器31およびドラム44の装飾フィルム45のバックライト用のものであり、常時点灯している。ドラムランプ22により、装飾フィルム45上の絵柄33が図2に示されるように取付基板27の裏面に投影され、可変表示装置3の表示を美しく、迫力あるものにしている。ケースカバー38のドラム44側の内面には、ドラム44の停止位置を一定にするための基準位置検出用のドラムセンサ39aが、ドラムセンサ基板39によって取付けられている。ケースカバー38の背面にはさらに、中継基板40が取付けられている。
【0016】図2を参照して、液晶表示器31には、それぞれ7セグメントの液晶表示部32a〜32cが形成されている。液晶表示部32a〜32cによる表示は、図示されない制御回路によって可変表示可能であり、可変表示部3a〜3cを形成している。液晶表示器31の、液晶表示部32a〜32c以外の部分は透明であり、したがって取付基板27の裏面にドラムランプ22によって投影された装飾フィルム45上の絵柄33を遊技者が直接見ることができる。
【0017】通常状態では図3、4に示されるモータ42は停止しており、ドラム44、装飾フィルム45が回転しないため、装飾絵柄33は停止している。本実施例の場合には、図柄表示部3a〜3cによる可変表示中にもモータ42は停止し、通常状態と同様に装飾絵柄33は停止している。左図柄表示部3a、中図柄表示部3bが停止して、しかもその図柄が一致しているいわゆる「リーチ状態」となった場合には、本実施例の装置ではモータ42の回転が開始され、装飾絵柄33が上から下に変動し、遊技効果を高めるようになっている。また、右図柄表示部3cが停止した結果大当りとなれば、モータ42の回転速度や回転方向を変化させることにより、遊技効果はさらに高められる。
【0018】しかし、ドラム44のこのような動作は一例にすぎず、たとえば可変表示中にもモータ42を回転させて装飾絵柄33を変動させてもよい。また、装飾絵柄33の変動方向を上から下にではなく、下から上にしてもよく、また横方向に変動するようにしてもよい。この場合にはドラムを横方向に回転可能な形で取付ければよい。また、大当りを発生させるための所定の組合せとして、可変表示部3a〜3cに表示される停止時の識別情報の組合せだけではなく、装飾フィルム45に装飾絵柄33に代えてあるいはそれに加えて識別情報としての図柄を描いておき、停止時の図柄表示部3a〜3cの識別情報だけでなく、装飾フィルム45の図柄による識別情報との組合せが所定の組合せになった場合に大当り状態となるようにしてもよい。また、ドラム44を図柄表示部3a〜3cに対応させて別個に複数設け、装飾絵柄33の変動や装飾フィルム45の図柄の変動を図柄表示部3a〜3cに合わせてそれぞれ独立して行なえるようにしてもよい。
【0019】図2を参照して、可変表示装置3の頂部付近には覆い部材29が取付けられ、覆い部材29によって入賞口12が形成されている。また、覆い部材29には飾りLED23、開成回数表示器25、始動記憶LED26がそれぞれ取付けられている。覆い部材29と、液晶表示器31を取付基板27に取付けるための枠部材28との間には開口が形成されており、玉通過口30となっている。玉通過口30に進入して来たパチンコ玉Pは、前述のように液晶表示器31と取付基板27との間の空間を通り落下する。したがって液晶表示器31によって表示される識別情報の裏面をパチンコ玉Pが通過するという、従来の装置にない特殊な表示効果を得ることができるとともに、可変表示装置3のすぐ下方に始動入賞口10aが設けられていたような場合には、始動入賞口10aに、液晶表示器31と取付基板27との間を通過できないようにした場合よりも高い可能性でパチンコ玉Pが入賞するようになるという効果もある。また、装飾絵柄33は取付基板27の裏面に表示されているため、パチンコ玉Pは装飾絵柄33と液晶表示器31により表示される識別情報との間を通過することになる。したがって、装飾絵柄33とパチンコ玉Pとが一体となった従来にない特殊な効果を有する表示が行なえるとともに、液晶表示器31により表示される識別情報が突出して見えるという効果もある。なお、液晶表示器31と取付基板との間に障害部材を設けて玉通過口30に進入して来たパチンコ玉Pの落下方向を変化させてもよい。
【0020】図5は、液晶表示器31の、液晶表示部の断面構造図である。図5を参照して、液晶表示器31は、所定の間隔をもって対向して設けられたガラス基板51a、51bと、それぞれガラス基板51a、51bの外側表面に貼着された偏光板50a、50bと、それぞれガラス基板51a、51bの内側表面に、互いに交差する方向に形成された短冊状の透明電極52a、52bと、各透明電極52aの表面に形成された、互いに異なる色彩の透明カラーフィルタ53a、53bと、透明電極52a、52bおよびカラーフィルタ53a、53b上に形成された配向膜54a、54bと、配向膜54a、54b間に封入された液晶層55とを含む。
【0021】偏光板50a、50bは、互いの偏光方向がたとえば平行となるように各ガラス基板51a、51bに貼着されている。透明電極52a、52b間に電圧が印加されていない場合、たとえば偏光板50bの方向から液晶層55内に入射した光の偏光方向は、液晶層55によって所定角度曲げられる。偏光板50aの偏光方向が偏光板50bの偏光方向と同一であるため、液晶層55を通過して偏光方向が変化された光は偏光板50aを通過することができない。したがってこの部分を遊技者から見た場合には何ら色彩を感じないことになる。一方、所定の透明電極間に電圧が印加された場合は、偏光板50bを通過して液晶層55に入射した光は、何らその偏光方向を変化されずに偏光板50aに達する。したがってこの光は偏光板50aを通過することができ、その結果遊技者から見るとこの部分が明るく、かつ該当するカラーフィルタの色で着色された部分として識別できることになる。本実施例の場合、ドラムランプ22によって後方から光が与えられるため、遊技者から見た場合には識別情報が2色で、かつはっきりと表示されることになる。
【0022】図6は、パチンコ遊技機に用いられる制御回路58のブロック図である。図6を参照して、パチンコ遊技機の制御回路58は、各種機器を制御するためのプログラムに従って遊技機制御を行なうためのマイクロコンピュータを含む基本回路59と、各種スイッチおよびセンサに接続され、与えられるアドレス信号によって選択されるスイッチやセンサからの信号を基本回路59に与えるための検出回路69と、基本回路59によって制御され、液晶表示器31の表示を駆動するためのLCD(液晶表示器)駆動回路70と、基本回路59によって制御され、遊技状態に応じてステッピングモータ42を駆動するためのモータ駆動回路71と、基本回路59によって制御され、ソレノイド6を遊技状態に応じて駆動するためのソレノイド駆動回路72と、基本回路59によって制御され、ドラムランプ22、装飾ランプ16〜21をそれぞれ駆動するためのランプ駆動回路73と、基本回路59によって制御され、始動入賞記憶表示器26、装飾LED23、24、入賞個数表示器9、開成回数表示器25などを駆動するためのセグメント・LED駆動回路74と、基本回路59から与えられる音データを増幅し、スピーカ76を駆動して効果音を発生させるためのアンプ75と、制御回路58の各部に、+5V、+12V、+17V、+21V、+30Vの直流電圧を供給するための、交流24Vに接続された電源回路77とを含む。
【0023】検出回路69に接続されるスイッチとしては、始動入賞玉検出器11a〜11cと、図1に示される特定入賞口8に入賞した遊技玉を検出するための特定入賞玉検出器56と、図1の開口部7に入賞したパチンコ玉の個数を検出するための入賞個数検出器57と、図3R>3、4に示される、ドラム44を一定の位置で停止させるために用いられるドラム位置検出器39aとがある。
【0024】基本回路59は、検出回路69から与えられる各種の信号に応答して、所定のプログラムに従って動作することによりLCD駆動回路70、モータ駆動回路71、ソレノイド駆動回路72、ランプ駆動回路73、セグメント・LED駆動回路74などを制御するためのMPU(Micro Processing Unit)60と、MPU60と、検出回路69などとの間のインターフェースを行なうための入出力回路63と、MPU60が実行するプログラムを格納しておくためのROM(Read−Only Memory)61と、MPU60がプログラム実行のために必要なデータなどを随時格納し、更新するためのRAM(Randam Access Memory)62と、遊技機の電源オン時にMPU60に対してリセット信号を与えるパワーオンリセット回路65と、MPU60の動作の基準となるクロック信号を発生するためのクロック発生回路66と、クロック発生回路66から与えられるクロック信号を所定の分周比で分周し、所定周期(たとえば2msec)でリセット信号をMPU60に与えるためのパルス分周回路67と、MPU60に接続され、MPU60から与えられる音データに従って効果音を表わす信号を発生するためのサウンドジェネレータ64と、MPU60に接続され、MPU60から与えられるアドレス信号をデコードし、入出力回路63、ROM61、RAM62、サウンドジェネレータ64のいずれかにセレクト信号を与えるためのアドレスデコード回路68とを含む。
【0025】制御回路58は以下のように動作する。電源の投入とともにパワーオンリセット回路65はリセット信号をMPU60に与える。MPU60は、パワーオンリセット回路65から与えられるリセット信号によってリセットされ、ROM61に格納されたプログラムの実行を開始する。MPU60は、パルス分周回路67から定期的に与えられるリセット信号に応答して、ROM61内に格納されたプログラムを先頭から繰返し実行する。
【0026】MPU60には、入出力回路63を介して以下のような信号が与えられる。始動入賞玉検出器11a〜11cは、図1に示される始動入賞口10a〜10cのいずれかにパチンコ玉が入賞したことを検出し、検出回路69を経てMPU60にその信号を与える。特定入賞玉検出器56は、図1に示される特定入賞口8にパチンコ玉が入賞したことを検出して、その旨の信号をMPU60に与える。入賞個数検出器57は、開口部7に入賞したパチンコ玉の個数を検出し、MPU60に与える。ドラム位置検出器39aは、図3、図4に示されるドラム44の外周の所定位置に形成されたマークあるいは切欠を読取ることにより、ドラム44の回転位置を検出し、その信号をMPU60に与える。
【0027】MPU60は、始動入賞玉検出器11a〜11cからのパチンコ玉検出信号に応答して、可変表示装置3の可変表示を制御する。可変表示装置3の停止時の表示結果をどのように決めるかは、ROM61に格納されたプログラムに従って決まる。この方式としてはたとえば、始動入賞口へのパチンコ玉の入賞が検出された時点で所定の乱数発生手段の内容を取出し、その乱数の値に従って識別情報の組合せを定める方式や、一旦可変表示を開始した後、ランダムな時間の後に乱数発生手段の内容を取出してその値により定める方式などが行なわれる。MPU60は、プログラムに従って定められた遊技状態に従って、液晶表示器31、ステッピングモータ42、ソレノイド6、ドラムランプ22、装飾ランプ16〜21、始動入賞記憶表示器26、装飾LED23、24、入賞個数表示器9、開成回数表示器25、スピーカ76などを駆動する。遊技状態に応じた可変表示装置3や可変入賞球装置4の動作の詳細については既に説明してある。従ってここではそれらについては省略する。なお、本実施例では、遊技情報として図柄を表示するようにしたが、遊技情報としてはこれに限らず、たとえば可変入賞球装置の開成回数や可変入賞球装置への入賞個数や遊技状態に応じたメッセージなど、図柄以外の情報を専用に表示するようにしてもよい。
【0028】
【発明の効果】以上、本発明にかかる弾球遊技機によれば、情報表示部が、遊技盤の前面側に、情報表示部と遊技盤との間の少なくとも一部を遊技玉が通過可能な間隔を隔てて配置される。そのため情報表示部に表示される遊技情報は遊技盤面よりも遊技者に近く、さらに遊技盤表面を落下する遊技玉よりも遊技者に近くなる。そのため遊技情報が遊技盤面から突出して表示されることになり、表示の迫力を高めることができる。また、遊技玉が遊技盤表面と情報表示部との間を通過でき、従来のように可変表示装置による遊技玉の落下方向の制約がない。したがって遊技玉の落下経路の自由度を高めることができるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施例にかかるパチンコ遊技機の遊技盤の正面図である。
【図2】図2は、図1に示される可変表示装置3の全体正面図である。
【図3】図3は、可変表示装置3の、遊技盤1に取付けられた状態の縦断面図である。
【図4】図4は、可変表示装置3の遊技盤1に取付けられた状態の横断面図である。
【図5】図5は、液晶表示器31の構造を示す縦断面図である。
【図6】図6は、パチンコ遊技機の制御回路のブロック図である。
【符号の説明】
1は遊技盤、2は遊技領域、3は可変表示装置、3a〜3cは図柄表示部、4は可変入賞球装置、10a〜10cは始動入賞口、22はドラムランプ、27は透明取付基板、30は玉通過口、31は液晶表示器、32a〜32cは液晶表示部、33は装飾絵柄、58は制御回路、59は基本回路である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 所定の遊技情報を表示可能な情報表示部を有する弾球遊技機であって、前記情報表示部は、遊技盤の前面側に、前記情報表示部と遊技盤との間の少なくとも一部を遊技玉が通過可能な間隔を隔てて配置されていることを特徴とする、弾球遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開平5−115596
【公開日】平成5年(1993)5月14日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平3−285204
【出願日】平成3年(1991)10月30日
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)