説明

弾球遊技機

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野]
本発明は、パチンコ遊技機等で代表される弾球遊技機に関し、詳しくは、遊技者の持玉数が特定できる持玉数特定情報が記録された記録媒体により遊技可能な弾球遊技機に関する。
[従来の技術]
遊技者の持玉数を特定するための持玉数特定情報(たとえば遊技者の持玉数データや遊技者の個人識別記録)が記録されて記録媒体(たとえば磁気カード)によって遊技を行なう弾球遊技機が遊技場管理の合理化その他の点から注目されている。このような弾球遊技機においては、前記持玉数特定情報に基づいて直接的あるいは間接的に導き出された遊技者の持玉数データに対し、遊技領域への玉の打込みごとに1を減算するとともに、玉の入賞ごとに景品玉数nを加算する等の演算処理を行なっていた。
そして、遊技者が終了ボタン等の遊技終了操作手段を操作したときには直ちに打玉の発射を不能とするとともに、前記遊技者の持玉数データに対して行なわれている演算処理を終了し、最終的に持玉数データを確定させ、景品交換等のために、該確定された持玉数データを前記遊技者の記録媒体に記録したり、あるいは持玉数データそのものを記録媒体に記録しない方法をとる場合には、確定した持玉数データなどをたとえば中央処理装置に伝送して遊技者の個人識別記号に対応させて一時記録させていた。
[発明が解決しようとする課題]
しかし、遊技終了操作手段が操作された時点ではまだ遊技領域には遊技結果が未確定の打玉が残存しているため、遊技終了操作手段が操作されたことによって直ちに持玉数データに対する演算処理を終了させてしまったのでは、前記遊技結果未確定の残存玉が入賞した場合に前記持玉数データに加算する演算処理が行なわれなくなってしまうという不都合が生ずる。
この問題を解決する方法としてはタイマを用いて演算処理の終了時期を延長制御する方法、すなわち、遊技終了操作手段が操作された時点で直ちに打玉の発射を不能とするとともにタイマをセットし、タイマが一定時間を計時したことにより持玉数の演算を終了する方法が考えられる。しかし、この方法では、遊技終了操作手段が操作された後に打玉が釘間などに引掛かって停止した特殊なケースに対処することができない。なぜならば、タイマが一定時間を計時してリセットされてしまった後は、釘間に引掛かっていた打玉がしばらくして自然落下により入賞口に入賞したりあるいは遊技場の定員に引掛かっていた打玉をサービスで入賞口に入れてもらったりして、本来遊技者の持玉数に加えられるべき現象が発生したとしてもこれらはすべて無視されてしまうためである。
つまり、前記タイマによる延長制御においては、前記遊技終了操作手段が操作された後における前記残存玉への対処として、一律に定められた一定の猶予時間の範囲内でのみ持玉数データへの加算処理を行なうという画一的な手段であるため、打玉が釘間等に引掛かって停止する等の落下する残存玉の異常に起因した特殊なケースに対し応変な対処ができないのであり、その結果、遊技者に大きな不満を与えてしまう欠点がある。
本発明は、前記実情に鑑み、遊技者の持玉数データへの演算処理を、すべての打玉について遊技結果が確定するまで可能とし、前記落下する残存玉の異常に起因した特殊なケースに対し応変に対応できる演算処理の終了時期の延長制御が可能な弾球遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
請求項1に記載の発明は、遊技者の持玉数が特定できる持玉数特定情報が記録された記録媒体により遊技可能な弾球遊技機であって、 遊技盤に形成された遊技領域と、 該遊技領域に向けて発射され該遊技領域に進入する有効発射玉を検出する有効発射玉検出手段と、 前記遊技領域に打込まれた後該遊技領域から回収される回収玉を検出する回収玉検出手段と、 遊技者の操作可能な位置に配設された遊技終了操作手段と、 該遊技終了操作手段が操作されたことを検出する遊技終了操作検出手段と、 前記有効発射玉検出手段の検出出力があった場合に、前記持玉数特定情報から導き出される遊技者の持玉数データに対し玉発射に使用された持玉数を減算するとともに、遊技状態が予め定められた入賞状態になった場合に前記持玉数データに対し所定数を加算する持玉数演算手段と、 前記有効発射玉検出手段の検出出力と前記回収玉検出手段の検出出力とに基づいて、前記有効発射玉と前記回収玉との数が等しくなったことを判定する判定手段と、 前記遊技終了操作検出手段の検出出力があった場合に打玉の発射を不能とする打玉発射不能化手段と、 前記遊技終了操作検出手段の検出出力と前記判定手段の判定出力があった場合に前記持玉数演算手段の演算を終了する演算終了時期制御手段とを含むことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、遊技者の持玉数が特定できる持玉数特定情報が記録された記録媒体により遊技可能な弾球遊技機であって、 遊技盤に形成された遊技領域と、 該遊技領域に向けて打玉が発射されたことを検出する発射玉検出手段と、 発射された打玉のうち前記遊技領域まで到達しなかったファール玉を検出するファール玉検出手段と、 前記遊技領域に打込まれた後該遊技領域から回収される回収玉を検出する回収玉検出手段と、 遊技者の操作可能な位置に配設された遊技終了操作手段と、 該遊技終了操作手段が操作されたことを検出する遊技終了操作検出手段と、 前記発射玉検出手段の検出出力があった場合に、前記持玉数特定情報から導き出される遊技者の持玉数データに対し玉発射に使用された持玉数を減算し、前記ファール玉検出手段の検出出力があった場合に前記持玉数データに対しファール玉に相当する持玉数を加算し、遊技状態が予め定められた入賞状態になった場合に前記持玉数データに対し所定数を加算する持玉数演算手段と、 前記発射玉検出手段の検出出力と前記ファール玉検出手段の検出出力と前記回収玉検出手段の検出出力とに基づいて、前記遊技領域に向けて発射され該遊技領域に進入する有効発射玉と前記回収玉との数が等しくなったことを判定する判定手段と、 前記遊技終了操作検出手段の検出出力があった場合に打玉の発射を不能とする打玉発射不能化手段と、 前記遊技終了操作検出手段の検出出力と前記判定手段の判定出力があった場合に前記持玉数演算手段の演算を終了する演算終了時期制御手段とを含むことを特徴とする。
[作用]
請求項1に記載の発明によれば、有効発射玉検出手段の働きにより、遊技領域に向けて反射され該遊技領域に進入する有効発射玉が検出される。回収玉検出手段の働きにより、遊技領域に打込まれた後該遊技領域から回収される回数玉が検出される。遊技者の操作可能な位置に配設された遊技終了操作手段が操作されれば、遊技終了操作検出手段によりその旨が検出される。持玉数演算手段の働きにより、前記有効発射玉検出手段の検出出力があった場合に、前記持玉数特定情報から導き出される遊技者の持玉数データに対し玉発射に使用された持玉数が減算されるとともに、遊技状態が予め定められた入賞状態になった場合に前記持玉数データに対し所定数が加算される。判定手段の働きにより、前記有効発射玉検出手段の検出出力と前記回収玉検出手段の検出出力とに基づいて、前記有効発射玉と回収玉との数が等しくなったことが判定される。打玉発射不能化手段の働きにより、前記遊技終了操作検出手段の検出出力があった場合に打玉の発射が不能とされる。演算終了時期制御手段の働きにより、前記遊技終了操作検出手段の検出出力と前記判定手段の判定出力があった場合に前記持玉数演算手段の演算が終了する。
すなわち、すべての打玉の遊技結果が確定して判定手段の判定出力が導出されるまで、遊技者の持玉数データに対しての演算処理の終了時期が延長可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、発射玉検出手段の働きにより、遊技領域に向けて打玉が発射されたことが検出される。ファール玉検出手段の働きにより、発射された打玉のうち前記遊技領域まで到達しなかったファール玉が検出される。回収玉検出手段の働きにより、前記遊技領域に打込まれた後該遊技領域から回収される回収玉が検出される。遊技者の操作可能な位置に配設された遊技終了操作手段が操作されれば、遊技終了操作検出手段の働きによりその旨が検出される。持玉数演算手段の働きにより、前記発射玉検出手段の検出出力があった場合に、前記持玉数特定情報から導き出される遊技者の持玉数データに対し玉発射に使用された持玉数が減算され、前記ファール玉検出手段の検出出力があった場合に前記持玉数データに対しファール玉に相当する持玉数が加算され、遊技状態が予め定められた入賞状態になった場合に前記持玉数データに対し所定数が加算される。
判定手段の働きにより、前記発射玉検出手段の検出出力と前記ファール玉検出手段の検出出力と前記回収玉検出手段の検出出力とに基づいて、前記遊技領域に向けて発射され該遊技領域に進入する有効発射玉と回収玉との数が等しくなったことが判定される。打玉発射不能化手段の働きにより、前記遊技終了操作検出手段の検出出力があった場合に打玉の発射が不能となる。演算終了時期制御手段の働きにより、前記遊技終了操作検出手段の検出出力と前記判定手段の判定出力があった場合に前記持玉数演算手段の演算が終了する。
すなわち、すべての打玉の遊技結果が確定して判定手段の判定出力が導出されるまで、遊技者の持玉数データに対しての演算処理の終了時期が延長可能となる。
[発明の実施例]
次に、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。なお、本実施例では弾球遊技機の一例としてのパチンコ遊技機について説明するが、本発明はこれに限らず、玉を弾いて遊技を行なう遊技機すべてを含む。
第1の実施例 第1図は本発明に係る弾球遊技機の一例であるパチンコ遊技機10を示す全体正面図である。
パチンコ遊技機10の前面枠12には、遊技盤34が形成されその遊技盤34によって遊技領域36が形成されている。また、パチンコ遊技機10の下方右隅には、操作ハンドル22が設けられており、この操作ハンドル22の操作により打球発射装置54が作動し、パチンコ玉を順次前記遊技領域36内に打込むように構成されている。
遊技領域36内には、一対の開閉翼片39a,39bが設けられた可変入賞球装置38がその中央位置に配設されている。また、遊技領域36の下方位置には、始動通過口の一例である始動入賞口46a,46b,46cが形成されている。さらに、遊技領域36には、チューリップ式入賞口からなる入賞装置44a,44bや、通常の通過口の一例である入賞口40,42a,42bが設けられている。なお、前記可変入賞球装置38および入賞装置44a,44bは、上方から侵入したパチンコ玉がそのまま通過して下方に排出される玉通過装置であってもよい。
前記操作ハンドル22の操作に応答して、前記打球発射装置54の打球杆58が間欠揺動されることにより、その打球杆58によってパチンコ玉が遊技領域36に向けて弾発される。図中、56は打玉供給機構であり、打玉待機樋78内にあるパチンコ玉を打球杆58による打球発射位置にまで供給するためのものである。また、前記打球杆58によって弾発発射されたパチンコ玉は、発射玉検出器64によって検出され、後述するように遊技制御に用いられる。また、前記打球杆58による弾発力が弱すぎた場合には、パチンコ玉が遊技領域36内に到達することなくそのまま逆方向に転がって元の位置に戻ろうとするのであり、そのファール玉がファール玉通路66内に落入するよう構成されており、そのファール玉通路66に設けられているファール玉検出手段の一例であるファール玉検出器68によってファール玉が検出され、後述する遊技制御に用いられる。そして、前記打球杆58によって弾発発射された発射玉のうちファール玉を除外した残りの玉が真に遊技領域内に打込まれる有効発射玉となるのである。前記遊技領域36に打込まれた有効発射玉が、前記始動入賞口46a,46b,46cのいずれかに入賞することにより、開閉翼片39a,39bが所定回数(たとえば1回または2回)開閉するよう制御され、その間にパチンコ玉が可変入賞球装置38内に入賞できるように構成されている。なお、図中48はアウト口であり、遊技領域36に打込まれたパチンコ玉がいずれの入賞口あるいは入賞球装置等にも入賞されることなく落下してきたアウト玉を回収するためのものである。
パチンコ遊技機10の左隅には、カード挿入・排出口28が形成されており、記録媒体の一例である磁気カード120(第4図参照)が挿入・排出可能に構成されている。この磁気カード120には、後述するように、遊技者の持ち玉数が特定できる持ち玉数特定情報が記録されており、その持ち玉数データに相当する数だけのパチンコ玉によりパチンコ遊技が可能となる。さらに、カード挿入・排出口28の上方にはカード受付表示器30が設けられており、カード挿入・排出口28に挿入された磁気カード120の有効・無効の表示がなされる。さらに、カード挿入・排出口28の下方には、遊技終了操作手段の一例である遊技終了ボタン32が配設されており、遊技者が遊技を終了したい場合にこの遊技終了ボタン32を押圧し、遊技を終了させることができる。
図中、72は打玉貯留タンクであり、パチンコ遊技機外から供給されたパチンコ玉を一時貯留し、打玉供給装置74により適量ずつ打玉補給樋76を通してパチンコ玉を前記打玉待機樋78に供給する。そして、遊技領域36に打込まれた打込玉は打込玉排出口84(第2図参照)からパチンコ遊技機外に排出される。このように、第1図に示すパチンコ遊技機10は、打込玉を磨いて打玉として補給する方式のパチンコ遊技機を示している。
なお、図中、50,26は遊技効果ランプであり、後述する大当たり状態等のときに点灯または点滅し、遊技効果を向上させるためのものである。52は持ち玉数データ表示器であり、遊技の過程で刻々変化する遊技者の持ち玉数データを表示し遊技者に知らしめるためのものである。14は扉保持枠であり、ガラス扉枠16および前面板8を保持するためのものであり、材質は金属に限らずプラスチックでもよい。また、図中、24は打球モータ停止スイッチであり、押圧操作することにより打球モータを一時的に停止しパチンコ玉の弾発発射を停止させるためのものである。また、18は前面板、11は機枠、20は前面装飾板である。なお、前記持ち玉数データ表示器52は第1図R>図では遊技盤に配設したが、それに限らず、前面枠12あるいは幕板等の遊技機近傍の遊技機外部に設けてもよい。
第2図はパチンコ遊技機10の一部内部構造を示す全体背面図である。
パチンコ遊技機10の機枠11には、前面枠12が開閉自在および着脱自在に取付けられている。この前面枠12には遊技盤取付枠96が設けられており、この遊技盤取付枠96に対し、遊技盤34が遊技盤固定部材98により着脱自在に取付けられている。つまり、この遊技盤固定部材98は図示矢印で示すように回動可能に構成されており、この遊技盤固定部材98を回動させることにより遊技盤34を遊技盤取付枠96から取外し可能に構成しているのである。このように、遊技盤34のみを取替可能に構成することにより、遊技場でのパチンコ遊技機10の入替時のコストを削減し得る効果がある。
遊技盤裏面側には、1組の入賞玉集合カバー体106a,106bが配設されており、互いに分割可能な構成とし、パチンコ遊技機10の機種に応じて一方の入賞玉集合カバー体のみを他の入賞玉集合カバー体で構成して多くの機種に対処できるようにしている。この入賞玉集合カバー体106a,106bにより、遊技盤34に形成されている各種の入賞口42a,42b,40さらには可変入賞球装置内に形成されている特定入賞口(Vポケット)100あるいは通常入賞口102a,102bに入賞したパチンコ玉が所定の径路に導かれて集合されるよう構成されている。さらに、この入賞玉集合カバー体106a,106bには、中継端子板108や可変入賞球装置用のソレノイド104a,104bや各種の検出器110,112が取付けられている。
図中、80は打込玉集合樋であり、前記入賞玉集合カバー体106a,106bによって集合された入賞玉およびアウト口48から排出されたアウト玉さらには入賞装置44a,44bから入賞したパチンコ玉を集合させて打込玉排出口84からパチンコ遊技機外に排出されるよう構成されている。この打込玉排出口84へ排出経路には検出手段(打込玉検出手段)の一例である打込玉検出器82が設けられており、入賞玉とアウト玉が寄せ集められた打込玉が検出し得るように構成されている。なお、遊技領域にまで到達しなかったファール玉はファール玉排出口70から排出される。
パチンコ玉を遊技領域に打込むための打球発射装置54は、打球モータ62とその打球モータ62によって間欠揺動される遊技杆58とその打球杆58の間欠揺動に連動して昇降する連動昇降体60とにより構成されている。この連動昇降体60は、打玉供給機構56(第1図参照)を作動させてパチンコ玉を打球発射位置に1つずつ供給するためのものである。
前記可変入賞球装置38(第1図参照)内には、特定通過口の一例である特定入賞口(Vポケット)100および通常通過口の一例である通常入賞口102a,102bが形成されており、特定入賞口100内に入賞したパチンコ玉が特定入賞玉検出器110により検出され、前記開閉翼片39a,39bを連続開閉させる大当たり制御が行なわれる。この大当たり制御における開閉翼片39a,39bの開閉は、所定回数(たとえば18回)に達するかまたは可変入賞球装置内へのパチンコ玉の入賞個数が所定個数(たとえば10個)に達するかのいずれかの条件が成立した時点で終了する。なお、可変入賞球装置38内に入賞したパチンコ玉は、通過玉検出手段の一例である入賞玉検出器112により検出されるのであり、この入賞玉検出器112は、可変入賞球装置内に入賞したパチンコ玉が所定個数(たとえば10個)に達したことを検出するための10カウント検出器を兼用構成している。
また、前記入賞口40,42aおよび入賞装置44aに入賞したパチンコ玉が寄せ集められて通過玉検出手段の一例である入賞玉検出器114によって検出される。さらに、前記入賞口42bおよび入賞装置44bに入賞されたパチンコ玉が寄せ集められて通過玉検出手段の一例である入賞玉検出器116によって検出される。また、始動入賞口46a,46b,46c(第1図参照)に入賞したパチンコ玉が通過玉検出手段の一例である入賞玉検出器118a,118b,118cによって検出されるよう構成されている。この入賞玉検出器118a,118b,118cにより、可変入賞球装置を所定回数(たとえば2回)開閉させるための始動入賞玉検出器が兼用構成されている。
このように、各入賞口や入賞装置等に入賞したパチンコ玉を複数のブロックに分類し、それぞれのブロック毎に入賞玉検出器112,114,116,118a,118b,118cを設けて検出するように構成している。このように構成すれば、ブロック毎に賞品玉として遊技者の持ち玉数データに加算される数値を異ならせることも可能となる。なお、本発明は前記ブロック毎に入賞口を分割するものに限らず、各入賞口それぞれに検出器を設けてもよい。
遊技盤裏面にはさらに制御基板ボックス86が取付けられており、前記各入賞玉検出器からの信号を受けて、前記大当たり制御等の遊技制御を行なうよう構成されている。
前面枠12の裏面側にはカード処理装置88が設けられており、前記カード挿入・排出口28(第1図参照)から挿入された磁気カードの記録データの読取等を行なう。なお、このカード処理装置88は、その前面側にカード挿入・排出口28および遊技終了ボタン32(第1図参照)が一体的に形成されているものであり、その設置場所は前面枠12に限らずたとえば複数台設置されているパチンコ遊技機とパチンコ遊技機との間など、遊技機近傍の遊技機外部であってもよい。なお、このカード処理装置88との前記制御基板ボックス86と別体に構成されており、それぞれに異なった対象,種類の遊技制御を行なう。
図中、33は遊技終了操作検出手段の一例である遊技終了スイッチ、72は打玉貯留タンク、74は打玉補給装置、76は打玉補給樋、30はカード受付表示器、50は遊技効果ランプである。
なお、以上説明した各種入賞口を通過口に構成し、該通過口を通過した打玉を遊技盤上に戻すように構成してもよく、その場合には、遊技盤34の裏面側に設けられた入賞玉集合カバー体106a,106bは不要となる。
第3図は第2図における3−3断面図である。
パチンコ遊技機10の前面枠12の表面側には、カード受付表示器30,カード挿入・排出口28,遊技終了ボタン32,前面板18,前面装飾板20および操作ハンドル22がそれぞれ配設されている。前記遊技終了ボタン32の裏面側には遊技終了スイッチ33が設けられており、遊技終了ボタン32の押圧操作によってON,OFF切換がなされる。前面板12の裏面側にはカード処理装置88が設けられており、前記カード挿入・排出口28から挿入された磁気カードを、まず、カード検出部90によって検出し、その検出出力に基づいてカード搬送部92が作動して磁気カードを所定位置にまで搬送し、カード読取・書込部94により、磁気カードに記録されている持ち玉数特定情報等を読取り、遊技制御手段の一例である演算部(マイクロコンピュータ)95(第4図参照)によりその読取った情報を用いて後述する各種の制御を行なう。そして、遊技の過程において打玉による遊技結果に応じて持ち玉数データに対し加減算を行ない、遊技の終了等に応じて確定した持ち数数データをカード読取・書込部94により磁気カードに書込んでカード搬送部92の働きにより磁気カードがカード挿入・排出口28から外部に排出されるように構成されている。
図中、11は機枠、72は打玉貯留タンク、71は機構板、86は制御基板ボックス、84は打込玉排出口である。
第4図は前記演算部(マイクロコンピュータ)95およびその演算部(マイクロコンピュータ)95に接続される各種機器の制御回路を示すブロック図である。
磁気カード120には、持ち玉数特定情報の一例である遊技者の持ち玉数データが記録されており、この持ち玉数データは、たとえば、遊技者が遊技の前に支払った料金に相当する貸玉の数だけ磁気カード120に記憶されたものである。なお、この磁気カード120には、他に、他店の磁気カードの使用を防止するための遊技場特定情報やカードの真偽を判別するための暗号情報等が記録されている。
制御回路は、制御中枢としての演算部(マイクロコンピュータ)95を含む。演算部(マイクロコンピュータ)95は、以下に述べるようなパチンコ遊技機10の動作を制御する機内を有する。制御部(マイクロコンピュータ)95は、たとえば数チップのLSIで構成されており、その中には、制御動作を所定の手順で実行することのできるMPU152と、MPU152の動作プログラムを格納するROM154と、必要なデータの書込、読出ができるRAM156とが含まれている。さらに、MPU152と外部回路との信号の整合性をとるための入力出力回路158と、電源投入時にMPU152にリセットパルスを与えるパワーオンリセット回路160と、MPU152にクロック信号を与えるクロック発生回路162と、クロック発生回路162からのクロック信号を分周して割込パルスを定期的にMPU152に与えるパルス分周回路(割込パルス発生回路)164と、MPU152からのアドレスデータをデコードするアドレスデコード回路166とを含む。
MPU152はパルス分周回路164から定期的に与えられる割込パルスに応じて、割込制御ルーチンの動作を実行することが可能となる。また、アドレスデコード回路166はMPU152からのアドレスデータをデコードし、ROM154,RAM156,入出力回路158にそれぞれチップセレクト信号を与える。この実施例では、ROM154は、その内容を書換え、すなわち、必要が生じた場合にはその中に格納されたMPU152のためのプログラムを変更することができるように、プログラマブルROM154が用いられている。そして、MPU152は、ROM154内に格納されたプログラムに従って、かつ、以下に述べる各制御信号の入力に応答して、前述した打球発射装置54等に対して制御信号を与える。
まず、演算部95には、カード検出器167からのカード検出信号がカード検出回路168を介して入力される。このカード検出器167は前記カード挿入・排出口28(第1図R>図参照)に磁気カード120が挿入されることによって検出信号を出力するものである。次に、カード検出信号を入力した演算部95は、カード搬送回路170を介してカード搬送器169にカード搬送用制御信号を与える。これによって、カード搬送器169が作動して磁気カード120を所定の位置にまで搬送する。この磁気カード120には、持ち玉数特定情報の一例である遊技者の持ち玉数データが記録されており、前記カード搬送器169によって所定の位置にまで搬送されてきた磁気カード120の持ち玉数データを、前記カード読取・書込部94内に設けられているデータ読取・書込器171により読取りその読取データをデータ読取・書込回路172を介して演算部95に入力する。演算部95は遊技の過程において打玉による遊技結果に応じて持ち玉数データに対し加減算を行ない、遊技の終了等に応じて確定した持ち玉数データを、データ読取・書込回路172を介してデータ読取・書込器171に与え、このデータ読取・書込器172により前記磁気カード120に持ち玉数データが書込まれる。前記カード検出器167とカード検出回路168とにより、カード挿入・排出口28(第1図参照)に挿入されたカードを検出するカード検出部90が構成されている。前記カード搬送器169およびカード搬送回路170により、挿入された磁気カード120を所定の位置にまで搬送するあるいは所定の位置にある磁気カード120をカード挿入・排出口28まで搬送するためのカード搬送部92が構成されている。さらに、前記データ読取・書込器171およびデータ読取・書込回路172により、前記磁気カード120に記録されている持ち玉数特定情報の一例である持ち玉数データを読取り、さらに、遊技の過程で増減し遊技の終了等により確定した持ち玉数データを前記磁気カード120に書込むためのカード読取・書込部が構成されている。そして、前記カード検出部90,カード搬送部92,カード読取・書込部94および演算部(マイクロコンピュータ)95によりカード処理装置88が構成されている。
次に、演算部(マイクロコンピュータ)95には、遊技終了スイッチ33からの遊技終了信号が遊技終了スイッチ回路174を介して与えられる。また、発射玉検出器64からの発射玉検出信号が発射玉検出回路176を介して演算部95に与えられる。この発射玉検出器64と発射玉検出回路176とにより、遊技領域に向けて発射される打玉を検出する発射玉検出手段が構成されている。ファール玉検出器68からのファール玉検出信号がファール玉検出回路178を介して演算部95に与えられる。このファール玉検出器68とファール玉検出回路178とにより、発射された打玉のうち前記遊技領域まで到達しなかったファール玉を検出するファール玉検出手段が構成されている。このファール玉検出手段と前記発射玉検出手段とにより、遊技領域内に発射される有効発射玉を検出する有効発射玉検出手段が構成されている。入賞玉検出器112,114,116,118a〜118cからの入賞玉検出信号が通過玉検出手段の一例である入賞玉検出回路180を介して演算部95に与えられる。この入賞玉検出器112,114,116,118a〜118cと入賞玉検出回路180とにより、遊技領域に配設された通過口を通過した通過玉を検出する通過玉検出手段が構成されている。打込玉検出器82からの打込玉検出信号が打込玉検出回路182を介して演算部95に与えられる。この打込玉検出器82と打込玉検出回路182とにより、遊技領域に打込まれた打込玉を検出する打込玉検出手段が構成されている。
次に、演算部95は次の機器に制御信号を与える。
まず、打球発振制御回路184を介して打球発振装置54に打球発射用制御信号を与える。また、カード受付表示回路186を介してカード受付表示器30に,カード受付表示用信号を与える。さらに、持ち玉数データ表示回路188を介して持ち玉数データ52に持ち玉数データ表示用信号を与える。なお、上記構成の各回路には、電源回路190から所定の直流電流が供給される。
なお、前記磁気カード120は、第4図においては、ほぼ長方形の偏平なカード状のものを示したが、本発明にこれに限らず、円板状や棒状等も含まれ、形状は問わない。さらに、第4図においては、情報を磁気的に記録する磁気カードを示したが、本発明はこれに限らず、IC(集積回路)によって情報を記録するものや、光ディスクメモリ等の光によって情報を記憶するもの、さらには、バーコード等のような印刷されたものあるいはパンチ孔等、種々のものが考えられる。また、情報の記憶媒体は、書換え可能あるいは書換え不可能のどちらのものであってもよい。
第5図は、第4図に示した制御回路の動作を説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS1により、記録媒体の一例であるカードを挿入し、ステップS2に進み挿入されたカードが所定位置にまで搬送され、ステップS3によりカードに記録されたデータが読出される。次に、ステップS4に進み、前記読出データに基づいてカードの適性を判断し、カードが偽造カードあるいは他店のカードである場合には適性なしとの判断がなされてステップS29に進み、カードの取込みを行なって制御が終了する。また、ステップS4による適正なカードであると判断されればステップS5に進み、カードから読取った持ち玉数データが0であるか否かの判断がなされ、0であると判断された、場合は前記ステップS29に進み、カードを取込んだ後制御が終了する。なお、前記ステップS29は、カードの取込に代えて情報音を発生させるものであってもよい。次に、前記ステップS5により、持ち玉数データが0でないと判断された場合はステップS6に進み、発射装置のロックを解除し、パチンコ玉の遊技盤への弾発発射を可能とする。
次にステップS7に進み、反射玉検出器がONになったか否かの判断がなされ、未だにONになっていないと判断された場合はステップS10に進み、入賞玉検出器がONになったか否かの判断がなされ、未だにONになっていないと判断された場合はステップS13に進み、ファール玉検出器がONになったか否かの判断がなされ、未だにONになっていないと判断された場合はステップS16に進み、打込玉検出器がONになったか否かの判断がなされ、未だにONになっていないと判断された場合は、ステップS18〜S22等の制御の後再び前記ステップS7に戻るDOループが形成されている。このDOループの巡回によって、前記ステップS7からステップS16までの判断を瞬時のうちに繰返し行なうのである。そして、このDOループの巡回途中で、ステップS7により発射玉検出器がONになったと判断された場合はステップS8に進み、持ち玉数データを1ディクリメントした後ステップS9に進み、発射玉カウンタを1インクリメントしてステップS18に進む。また、前記ステップS10により入賞玉検出器がONになったと判断された場合は、ステップS11に進み持ち玉数データをnインクリメントした後ステップS12に進み、入賞玉カウンタを1インクリメントし、ステップS18に進む。前記ステップS12におけるnは、前記ステップS10において入賞玉検出器が1回ONすることに伴なって与えられる景品玉数であり、たとえば13等の数字である。次に、前記ステップS13により、ファール玉検出器がONになったと判断された場合はステップS14に進み、持ち玉数データを1インクリメントした後ステップS15に進み発射玉カウンタを1ディクリメントしステップS18に進む。さらに、前記ステップS16により打込玉検出器がONになったと判断された場合はステップS17に進み、打込玉カウンタを1インクリメントした後ステップS18に進む。前記ステップS9およびステップS15により、発射玉検出手段の出力を計数するとともに、ファール玉検出手段の出力に基づいて該計数値に対し1を減算する有効発射玉演算手段が構成されている。また、前記ステップS8,ステップS11およびステップS14により、発射玉検出手段64,176(第4図R>図参照)の検出出力があった場合に、前記持玉数特定情報から導き出される遊技者の持玉数データに対し玉発射に使用された持玉数を減算し、前記ファール玉検出手段68,178(第4図参照)の検出出力があった場合に前記持玉数データに対しファール玉に相当する持玉数を加算し、遊技状態が予め定められた入賞状態になった場合(前記通過玉検出手段112,114,116,118a〜118c,180(第4図4図参照)の出力があった場合)に前記持玉数データに対し所定数n(たとえば13)を加算する持玉数演算手段が構成されている。さらに、前記ステップS17により、遊技領域に打込まれた後該遊技領域から回収された回収玉を計数する回収玉計数手段(打込玉計数手段)が構成されている。
次に、ステップS18では、持ち玉終了フラグがセットされているか否かの判断がなされる。この持ち玉終了フラグは後述するステップS23によりセットされるものである。そして、持ち玉終了フラグが未だにセットされていないと判断された場合はステップS19に進み、持ち玉数データが0か否かの判断がなされ、0でないと判断された場合は遊技終了フラグがセットされているか否かの判断がなされる。この遊技終了フラグは、後述するステップS30によりセットされるものである。この遊技終了フラグがセットされていないと判断された場合はステップS21に進み、(入賞玉カウンタの値×n)−(打込玉カウンタの値)≧mであるか否かの判断がなされ、NOの判断がなされればステップS22に進み、遊技終了スイッチがONになったか否かの判断がなされ、未だにONになっていないと判断された場合は再び前記ステップS7に戻る。前記ステップS21におけるmは打止設定数であり、たとえば3000,4000程度の数字である。(入賞玉カウンタの値×n)−(打込玉カウンタの値)がmよりも大きくなれば、打止となりステップS21によりYESの判断がなされ、ステップS30に進む。また、前記ステップS22により遊技終了スイッチがONになったと判断された場合もステップS30に進む。このステップS30では、遊技終了フラグをセットし、ステップS31に進み、発射装置をロックしてパチンコ玉の弾発発射ができない状態にする。そして再びステップS10に戻る。このステップS31により、パチンコ遊技機が打止となった場合や遊技者が遊技終了ボタンを押した場合にそれ以上の遊技を続行することができないように制御される。つまり、ステップS31により、前記遊技終了操作検出手段の出力に基づいて打玉の発射を不能とする打玉発射不能化手段が構成されている。一方、前記ステップS19により、持ち玉数データが0になったと判断された場合はステップS23に進み、持ち玉終了フラグをセットしステップS24に進み、発射装置のロックがなされてパチンコ玉の弾発発射ができないよう制御し、前記ステップS10に戻る。このステップS24により、遊技者の持ち玉数データが0になった場合に打玉の発射を不能とし、それ以上のパチンコ遊技の続行ができないようにしている。
前記ステップS18により持ち玉数終了フラグがセットされていると判断された場合は、ステップS25に進み、持ち玉数データが0となっているか否かの判断がなされる。このステップS25による判断は、前記ステップS19による一旦持ち玉数データが0となりステップS24により打込玉の発射を不能とした後において、遊技領域に残存しているパチンコ玉が各種入賞口に入賞して(ステップS10によるYESの判断)持ち玉数データをnインクリメントする処理(ステップS11)がなされたか否かあるいは持ち玉数データが0になる間際に発射されたパチンコ玉が持ち玉数データが0になった後にファール玉となって(ステップS13におけるYESの判断)持ち玉数データを1インクリメントする処理(ステップS14)がなされたか否かを判定するものであり、0であると判断された場合はステップS26に進み、発射玉カウンタの値と打込玉カウンタの値が等しいか否かの判断がなされる。発射装置がロックされた後において、遊技領域に未だにパチンコ玉が残存する場合には、発射玉カウンタの値よりも打込玉カウンタの値の方が小さいことになるため、ステップS26ではNOの判断がなされ、ステップS10に進む。そしてこのステップS10から再び前記ステップS25に戻るDOループが形成されており、遊技領域内に残存していたすべてのパチンコ玉が入賞あるいはアウト口から排出されて、発射玉カウンタの値と打込カウンタの値とが等しくなるまで前記DOループによるステップS25の判断が繰返しなされる。このDOループの巡回途中で、ステップS25により持ち玉数データが0でなくなったと判断された場合、すなわち遊技領域に残存していたパチンコ玉が入賞口に入賞し持ち玉数データにnが加算された場合やファール玉が発生し持ち玉数データに1が加算された場合には、ステップS27に進み、持ち玉終了フラグのクリアがなされ、ステップS28に進み、発射装置のロックを解除し、前記ステップS7に戻る。前記ステップS25によりNOの判断がなされるということは、発射装置がロックされた後における遊技領域に残存するパチンコ玉が入賞口に入賞しあるいはファール玉が発生して、持ち玉数データが0でなくなったことを意味し、その場合には、その持ち玉数データに基づいて遊技が続行できるように制御する必要があり、そのために、ステップS27により持ち玉終了フラグをクリアするとともにステップS28により発射装置のロックを解除し、ステップS7に戻り遊技者の打球操作に基づいた発射玉の存在を検出するのである。次に、前記ステップS25によりNOの判断がなされることなくステップS26により、発射玉カウンタの値と打込玉カウンタの値とが等しいと判断された場合は、ステップS29に進みカードの取込を行なって制御が終了する。
次に、前記ステップS20により遊技終了フラグがセットされていると判断された場合すなわちパチンコ遊技機が打止になっている場合または遊技終了ボタンが押された場合には、ステップS32に進み、発射玉カウンタの値と打込玉カウンタの値とが等しいか否かの判断がなされる。この判断は、パチンコ遊技機が打止となりまたは遊技終了ボタンが押されてステップS31により打玉の発射が不能となった後において、遊技領域にパチンコ玉が残存しているか否かの判定を行なうためのものであり、遊技領域にパチンコ玉が残存している場合には、発射玉カウンタの値よりも打込玉カウンタの値の方が小さいためにNOの判断がなされ、再び前記ステップS10に戻るDOループを巡回することとなる。この巡回途中で、ステップS10ないしステップS17等の判断を繰返して行なうことにより、遊技領域に残存しているパチンコ玉による入賞口への入賞等があったか否かの判断を行ない、入賞口への入賞等があればそれに応じて持ち玉数データを加算する等、持ち玉数データの加減算処理を行なう。これにより、遊技者が遊技終了スイッチを押圧した場合やパチンコ遊技機が打止となった後においても、遊技領域に残存するパチンコ玉の入賞等による持ち玉数データの加算制御が行なわれ、遊技者に不満を抱かせないように制御されている。そして、前記ステップS32により、発射玉カウンタの値と打込玉カウンタの値とが等しいと判断された場合は、ステップS33に進み、カードに持ち玉数データを書込み、ステップS34に進みカードを搬送して、ステップS35によりカードを遊技機外に排出し、制御が終了する。前記ステップS9,S15,S17とステップS32とにより、前記発射玉検出手段の検出出力と前記ファール玉検出手段の検出出力と前記回収玉検出手段の検出出力とに基づいて、前記遊技領域に向けて発射され該遊技領域に進入する有効発射玉と回収玉との数が等しくなったことを判定する判定手段が構成されている。また、この判定手段と前記ステップS33とにより、前記遊技終了操作検出手段の検出出力と前記判定手段の判定出力があった場合に前記持玉数演算手段の演算を終了する演算終了時期制御手段が構成されている。
本実施例では、遊技が終了したときに持ち玉数データを書込むようにしたが、必要に応じて、遊技中において刻々と変化する持ち玉数データをリアルタイムでまたは一定時間毎にカードに書換えるようにしてもよい。
また、前記ステップS28およびステップS24により、前記持ち玉数演算手段の演算値が0になったことに基づいて打込玉の発射を不能にするとともに、前記判定手段の出力がある前に前記持ち玉数演算手段の演算値が0でなくなったことに基づいて打込玉の発射不能状態を解除する打込玉発射制御手段が構成されている。なお、前記ステップS28およびステップS24では、打玉の発射を不能とする手段として発射装置をロックする方法を採用したが、この発射装置のロックの方法としては、たとえば、打球モータを停止したりパチンコ玉の打球位置への供給を停止したり、さらには、遮閉板等を発射玉が遊技領域に至るまでの通路途中に出現させて、発射玉が遊技領域に進入できないようにする(発射玉がすべてを強制的にファール玉にする)等、種々の方法が含まれる。なお、パチンコ玉の打球供給位置への停止を行なうに際しては、打球発射位置にパチンコ玉を送り出す手前に発射玉検出手段としての検出器を設けるのがよい。なぜならば、この場合には打球モータは停止されないため、第1図R>図の64に示した位置に発射玉検出器を設けると、たとえば、持ち玉数データにおける最終のパチンコ玉が発射玉検出器64により検出されてそれに基づいて打球供給を停止したとしても、既に打球発射位置に供給されているパチンコ玉が打球杆により発射されることとなる等の不都合が生ずるのであり、このような不都合を防止するためである。要するに、本発明における打玉発射不能の方法としては、各検出器の構成や配設場所に応じて上記した種々の方法の中から最も適した方法をとればよく、ひとつの方法に限定されるものではない。
また、本実施例ではパチンコ玉が入賞玉検出器により検出された場合にのみ持ち玉数データをn加算する処理がなされるが、本発明はこれらに限らず、特定遊技状態になったことにより所定数を持ち玉数データに加算するように構成されている場合における特定遊技状態の発生段階で所定の景品玉数l(たとえば130)を加算してもよい。
また、本実施例では、発射玉カウンタの値と打込玉カウンタの値とをそれぞれ独自に演算し、そのそれぞれの演算結果をステップS26またはステップ32により比較するよう構成されているが、本発明はこれに限らず、発射玉カウンタと打込玉カウンタとを区別することなく1つのカウンタに統一して遊技領域に残存している残存玉を演算するようにしてもよい。すなわち、ステップS9によりそのカウンタを1インクリメントし、ステップS15によりそのカウンタを1ディクリメントし、さらにステップS17によりそのカウンタを1ディクリメントし、前記ステップS26またはステップS32では、「そのカウンタの値=0」であるか否かの判断を行ない、0である場合にYESの判断を行ない0でない場合にNOの判断を行なうよう制御してもよい。
第2の実施例 次に、図面に基づいて第2の実施例を説明する。
なお、第2の実施例における第6図ないし第8図に示す参照符号において第1の実施例を示す図面(第1図ないし第4図)に示す参照符号と同一の符号は同一の部品を示すため、第2の実施例においてはその同一符号に関しては詳しい説明を省略する。
第6図は本発明に係るパチンコ遊技機の一例であるパチンコ遊技機10を示す全体正面図である。
パチンコ遊技機10の遊技盤34によって形成されている遊技領域36には、通過口の一例である入賞口40,42a,42b,始動通過口の一例である始動入賞口46a,46b,46cならびにチューリップ式入賞口を有する入賞装置44a,44bが配設されている。この入賞装置44a,44bは、上方から落入したパチンコ玉がそのまま通過して下方から遊技盤面上に再び排出される玉通過装置で構成してもよい。また、前記各入賞口40,42a,42bおよび始動入賞口46a,46b,46cを、上方から落入したパチンコ玉がそのまま通過して下方から再び遊技盤面上に排出されるもので構成してもよい。また、可変入賞球装置38を、該装置内に進入したパチンコ玉を装置内を転勤し通過した後再び遊技盤面上に排出されるもので構成してもよい。
図中、52は持ち玉数データ表示器であり、第6図では遊技盤に設けているが、本発明はこれに限らず、前面枠や遊技機近傍の遊技機外部(たとえば幕板)等に設けてもよい。
図中54は打球発射装置であり、打球杆58によって弾発発射されたパチンコ玉は有効発射玉として遊技領域36内に打込まれるのであり、その有効発射玉を発射玉検出器64により検出し、その検出出力が後述するように遊技制御に用いられる。なお、打球杆58によって弾発発射されたパチンコ玉のうち、前記遊技領域36内に到達することなく逆方向に転がって元に戻ろうとするファール玉は、ファール玉通路66に落入し、打玉待機樋78に再び還元される。なお、図中77は打込玉排出であり、打込玉排出連絡口89(第7図参照)に連通状態になっており、打込玉排出連絡口89からのパチンコ玉が打込玉排出口77から打玉待機樋78内に排出される。また、32は遊技終了操作手段の一例である遊技終了ボタンである。
この第6図に示すパチンコ遊技機10においては、発射玉検出器64を遊技領域36への出口部分に設けたために、第1図の68で示したようなファール玉検出器を設ける必要がない。また、ファール玉が打玉待機樋78に還元されるよう構成したが、本発明はこれに限らず、ファール玉を再打球する再打球装置を新たに設け、そこにファール玉を誘導して再打球する等、ファール玉を発生させないような手段を採用してもよい。
第7図はパチンコ遊技機の一部内部構造を示す全体背面図である。
図中、100は特定通過口の一例である特定入賞口(Vポケット),102a,102bは通常通過口の一例である通常入賞口であり、これら入賞口は、上方から落入してきたパチンコ玉が単に通過するだけであって下方から再び遊技領域36に排出するよう構成してもよい。
前記入賞口42a,42b,40および特定入賞口100,通常入賞口102a,102bさらには始動入賞口46a,46b,46cならびに入賞装置44a,44bに入賞したすべてのパチンコ玉は、入賞玉集合樋79により1箇所に集められ、入賞玉検出器83によって検出される。一方、アウト口48に落入したパチンコ玉は、アウト玉通路81を通ってアウト玉検出器85により検出され、後述する遊技制御に用いられる。これらアウト玉と入賞玉は、入賞玉・アウト玉合流樋(打込玉樋)87を転がり、打込玉排出連絡口89を通って前記打込玉排出口77から打込玉待機樋78に排出される(第6図参照)。なお、前記入賞玉検出器83によって検出される入賞玉と前記アウト玉検出器85によって検出されるアウト玉とを寄せ集めたものが、遊技領域36内に打込まれた打込玉となる。前記入賞玉検出器83と前記アウト玉検出器85とにより、前記遊技領域に打込まれた後該遊技領域から回収される回収玉を検出する回収玉検出手段(打込玉検出手段)が構成されている。また、33は遊技終了操作検出手段の一例としては遊技終了スイッチである。
この第6図および第7図に示すパチンコ遊技機10は、機外からパチンコ玉の補給をすることのない封入玉方式の遊技機であり、打球発射装置54によって打込まれたパチンコ玉が機外に排出されることなくすべて遊技機内部を循環し再び打玉待機樋78に戻ってくるよう構成されている。ゆえに、第1の実施例で示したような打玉貯留タンク72や打込玉排出口84等は備えられていない。
図中、88はカード処理装置であり、第1の実施例における第3図で示したカード処理装置88とほぼ同様の構成を有するが、第3図に示すカード読取・書込部94の代わりにカード読取部が設けられている。すなわち、挿入された磁気カード120に記録されているデータを読取るのみで磁気カード120にデータを書込まない構成となっている。なお、このカード処理装置88は、前面枠に限らず、たとえば複数台設置されているパチンコ機のパチンコ機とパチンコ機との間など遊技機近傍の遊技機外部にも設けてもよい。
第8図は第2の実施例における制御回路を示すブロック図である。記録媒体の一例である磁気カード120には、遊技者の持ち玉数が特定できる持ち玉数特定情報が記録されている。この持ち玉数特定情報は、遊技者を識別することのできる遊技者識別データで構成されており、中央処理装置200に予め記憶されている各遊技者識別データ別の持ち玉数データを、遊技者識別データに基づいて検索することにより遊技者の持ち玉数が特定できるよう構成されている。なお、この磁気カード120は、持ち玉数特定情報のほかに、他店の磁気カードの使用を防止するための遊技場特定情報やカードの真偽を判別するための暗号情報等が記録されている。なお、第8図においては、磁気カード120はほぼ長方形で偏平なカード状のものを示したが、本発明はこれに限らず、円板状あるいは棒状等形状は問わない。さらに、データ記録方式としては磁気に限らず、IC(集積回路)や光ディスクメモリ,バーコード等の印刷されたものはさらにパンチ孔など種々のものが考えられる。また、この情報の記録は、書換え可能なもの,書換え不可能なもののどちらであってもよい。
カード挿入・排出口28(第6図参照)に挿入された磁気カード120は、カード検出器167により検出されその演出出力に基づいて作動するカード搬送器169により所定箇所にまで搬送され、カード読取部に設けられているデータ読取器371により記録しているデータが読取られる。その読取られたデータはデータ読取回路372を介して遊技制御手段の一例である演算部(マイクロコンピュータ)95に与えられる。また、カード検出器167とカード検出回路168とからなるカード検出部90,カード搬送器169とカード搬送回路170とからなるカード搬送部92およびデータ読取回路371とデータ読取回路372とからなるカード読取部294および演算部(マイクロコンピュータ)95により、カード処理装置88が構成されている。
前記演算部(マイクロコンピュータ)95は、中央処理装置200に電気的に接続されており、それぞれの間でデータのやりとりが行なえるよう構成されている。この中央処理装置200は、入出力制御部202,CPU等からなる演算部204およびROMやRAM等からなる記憶部206から構成されている。
また、発射玉検出器64と発射玉検出回路176とにより、遊技領域内に発射される有効発射玉を検出する有効発射玉検出手段が構成されている。また、入賞玉検出器83と通過玉検出回路の一例である入賞玉検出回路180とにより、通過口を通過した通過玉を検出する通過玉検出手段が構成されている。
次に、前記第8図に示した制御回路の動作を説明するフローチャートを第9A図および第9B図に基づいて説明する。
第9A図は、第8図の制御部(マイクロコンピュータ)95におけるROM154に設定記憶されているフローチャートを示す。
まず、ステップS1によりカードが挿入されて、ステップS2によりそのカードが搬送され、ステップS3により遊技者識別データの読取が行なわれる。そして、ステップS4により前記読取られた遊技者識別データを中央処理装置(第8図における200)に伝送する。中央処理装置側では、伝送されてきた遊技者識別データに基づいて、後述すように、遊技者識別データが登録されている遊技者識別データのいずれかと一致するか否かを判別し、一致した登録済遊技者識別データに対応する持ち玉数データをパチンコ機における制御部(マイクロコンピュータ)95に伝送するよう構成されている。そして、パチンコ機側では、ステップS5により、中央処理装置から持ち玉数データの伝送があるか否かの判断がなされ、なければステップS28に進んでカードを取込み制御が終了するが、伝送があればステップS6に進み、発射装置のロックが解除され、パチンコ玉の弾発発射が可能となる。次に、ステップS7に進み、発射玉検出器がONになったか否かの判断がなされ、未だにONになっていなければステップS10に進み、入賞玉検出器がONになったか否かの判断がなされ、未だにONになっていなければステップS14に進み、アウト玉検出器がONになったか否かの判断がなされ、未だにONになっていなければステップS16に進む。このステップS7からステップS14までが瞬時に繰返し判断されるのであり、その繰返し判断されている最中に、ステップS7により発射玉検出器がONになったと判断された場合はステップS8に進み、持ち玉数データを1ディクリメントしステップS9に進み、発射玉カウンタを1インクリメントした後にステップS16に進む。このステップS9により、遊技領域内に向けて発射された該遊技領域に進入する有効発射玉を検出する有効発射玉検出手段が構成されている。また、ステップS10により入賞玉検出器がONになったと判断された場合はステップS11に進み、持玉数データをnインクリメントする処理がなされる。このnは入賞玉検出器が1回ONするごとに加算される景品玉数に相当する数である。次にステップS12に進み、入賞玉カウンタを1インクリメントした後ステップS13に進み、打込玉カウンタを1インクリメントしてステップS16に進む。前記ステップS8とステップS11とにより、前記有効発射玉検出手段の検出出力があった場合に、前記持玉数特定情報から導き出される遊技者の持玉数データに対し玉発射に使用された持玉数を減算するとともに、遊技状態が読め定められた入賞状態になった場合(前記通過玉検出手段の検出出力があった場合)に前記持玉数データに対し所定数n(たとえば13)を加算する持玉数演算手段が構成されている。次に、ステップS14によりアウト玉検出器がONになったと判断された場合はステップS15に進み、打込玉カウンタを1インクリメントした後にステップS16に進む。このステップS15と前記ステップS13とにより、遊技領域に打込まれた後該遊技領域から回収される回収玉を計算する回収玉計数手段(打込玉計数手段)が構成されている。このように、本実施例では、アウト玉検出器および入賞玉検出器の両出力をまとめて計数しているが、本発明はこれに限らず、まずそれぞれの出力を計数してそのそれぞれの計数値(合計)を加算して打込玉の係数を算出してもよい。
次に、ステップS16では、持ち玉終了フラグがセットされているか否かの判断がなされる。この持ち玉終了フラグは後述するステップS21によりセットされるものである。ステップS16により持ち玉終了フラグが未だにセットされていないと判断された場合はステップS17に進み、持ち玉数データが0であるか否かの判断がなされ、未だに0でないと判断された場合はステップS18に進み遊技終了フラグがセットされているか否かの判断がなされる。この遊技終了フラグは、後述するようにパチンコ遊技機が打止となった場合や遊技終了ボタンが押された場合にステップS29によりセットされるものである。このステップS18により遊技終了フラグが未だにセットされていないと判断された場合はステップS19に進み(入賞玉カウンタの値×n)−(打込玉カウンタの値)≧mの判断がなされる。このmは打止設定数であり3000ないし4000程度の数である。このステップS19によりNOの判断がなされればステップS20に進み、遊技終了スイッチがONになったか否かの判断がなされ、未だにONになっていないと判断された場合は再び前記ステップS7に戻るDOループが形成されている。このDOループの巡回途中で、遊技者の持ち玉数データが0となった場合にステップS17によりYESの判断がなされてステップS21に進む。ステップS21では持ち玉終了フラグをセットする処理がなされ、ステップS22に進み発射装置がロックされて再び前記ステップS10に戻る。このステップS22によりパチンコ玉の弾発発射が不能となるのであるが、不能となった後においても遊技領域には直前に発射されたパチンコ玉が依然残存しているのであり、その残存玉による入賞をも検出するべく、ステップS22から再び前記ステップS10に戻して、ステップS10ないしステップS15の処理を続行させるよう制御しているのである。そして、ステップS16により持ち玉終了フラグがセットされていると判断された場合はステップS23に進み、持ち玉数データが0であるか否かの判断がなされる。前記残存玉による入賞があれば、ステップS11により持ち玉数データがnインクリメントされるために、ステップS23ではNOの判断がなされるが、前記残存玉による入賞がなければステップS23ではYESの判断がなされる。そして、ステップS23によりYESの判断がなされればステップS24に進み、発射玉カウンタの値と打込玉カウンタの値とが等しいか否かの判断がなされる。このステップS24では、前記遊技領域における残存玉が存在する間は発射玉カウンタの値の方が打込玉カウンタの値よりも大きいためにNOの判断がなされるが、前記残存玉がなくなれば前記両値が等しくなるためにYESの判断がなされる。このステップS24によりNOの判断(遊技領域に未だに前記残存玉が存在する場合)がなされれば、再び前記ステップS10に戻る。そして、前記ステップS10ないしステップS15の処理を行なわせて残存玉による入賞があったか否かの判断がなされる。前記ステップS24によりYES(遊技領域に前記残存玉が依存しなくなった場合)の判断がなされれば、ステップS27に進み、遊技者識別データ,持ち玉終了信号を中央処理装置に伝送出力した後にステップS28に進みカードの取込を行ない制御が終了する。
また、前記ステップS23により、NOの判断(遊技領域における前記残存玉による入賞があった場合)がなされた場合は、ステップS25に進み持ち玉終了フラグをクリアし、ステップS26に進み、発射装置のロックが解除されてパチンコ玉の弾発発射を可能な状態とした後にステップS7に戻る。これにより前記残存玉による入賞に基づいて再びパチンコ遊技が可能となる。
またステップS19によりYES(パチンコ遊技機が打止となった場合)の判断がなされた場合、または、前記ステップS20により、遊技終了スイッチがONになったと判断された場合はステップS29に進み、遊技終了フラグがセットされた後、ステップS30に進み発射装置がロックされて前記ステップS10に戻る。これにより、パチンコ遊技機が打止となった場合または遊技者が遊技終了スイッチをONに操作した場合にパチンコ玉の弾発発射が不能な状態となる。つまり、前記ステップS30により、前記遊技終了操作検出手段の出力に基づいて打玉の発射を不能とする打玉発射不能化手段が構成されている。そして、前記ステップS18により遊技終了フラグがセットされていると判断された場合は、ステップS31に進み、発射玉カウンタの値と打込玉カウンタの値が等しいか否かの判断がなされる。この判断は、前記ステップS24で説明したように、遊技領域における前記残存玉が存在する間はNOの判断がなされるのであるが、前記残存玉がなくなればYESの判断がなされる。このステップS31によりNOの判断がなされた場合はステップS10に戻る。またステップS31によりYESの判断がなされた場合はステップS32に進み、遊技者識別データ,持ち玉数データを中央処理装置に伝送し、ステップS33に進み、カードを搬送してステップS34によりカードを排出し制御が終了する。前記ステップS9,S13,S15とステップS31とにより、前記有効発射玉検出手段の検出出力と前記回収玉検出手段の検出出力とに基づいて、前記有効発射玉と前記回収玉との数が等しくなったこと判定する判定手段が構成されている。また、この判定手段と前記ステップS32とにより、前記遊技終了操作検出手段の検出出力と前記判定手段の判定出力があった場合に前記持玉数演算手段の演算を終了する演算終了時期制御手段が構成されている。なお、この実施例では、ステップS24,ステップS31に示すように、発射玉カウンタの値と打込玉カウンタの値とをそれぞれ別々に計数し、その両計数値の結果を比較して等しいか否かの判断を行なっているのであるが、本発明はこれに限らず、発射玉および打込玉共通の統一したカウンタを1つ設定し、前記ステップS9によりそのカウンタを1インクリメントし、ステップS13によりそのカウンタを1ディクリメントし、さらステップS15によりそのカウンタを1ディクリメントし、その結果のカウンタ値が0であるか否かを前記ステップS24またはステップS31により判断するよう構成してもよい。
前記ステップS22および前記ステップS26により、前記持ち玉数演算手段の演算値が0になったことに基づいて打玉の発射を不能にするとともに、前記判定手段の出力がある前に前記持ち玉数演算手段の演算値が0でなくなったことに基づいて打込玉の発射不能状態を解除する打玉発射制御手段が構成されている。
また、本実施例では、前記ステップS10およびステップS11にも示したように、持ち玉数演算手段の演算値が0でなくなるケースとしては入賞玉の発生に限られているが、本発明はこれに限らず特定遊技状態になったことにより所定数を持ち玉数データに加算するよう構成されているパチンコ遊技機において、特定遊技状態の発生段階で前記持ち玉数演算手段の演算値を0でなくなるよう制御してもよい。
第9B図は、第8図の中央処理装置200における記憶部206に設定記憶されているプログラムのフローチャートである。
まずステップS35により、パチンコ機側の制御部(マイクロコンピュータ)から遊技者識別データの伝送があったか否かの判断がなされ、なければ制御が終了するが、前記ステップS4の処理に基づいて伝送があった場合はステップS36に進み、パチンコ機の制御部(マイクロコンピュータ)から持ち玉終了信号の入力があったか否かの判断がなされ、入力がない場合はステップS38に進み、パチンコ機の制御部(マイクロコンピュータ)から持ち玉数データの伝送があったか否かの判断がなされ、ない場合はステップS40に進む。すなわち、パチンコ機側がら遊技者識別データのみが伝送されてきた場合には、ステップS40に進み、その伝送されてきたデータの判定処理がなされる。そして、ステップS41に進み、伝送されてきた遊技者識別データは登録されている遊技者識別データのいずれかと一致するか否かの判断がなされる。一致しないと判断された場合はパチンコ機側に挿入されたカードが使用できないカードであるためにステップS43によりカード取込指令信号をパチンコ機側に出力する。また、ステップS41によりYESの判断がなされればステップS42に進み、一致した登録済遊技者識別データに対応する持ち玉数データをパチンコ機側に伝送する。このステップS42による処理に応答してパチンコ機側では、第9A図のステップS5に示す判断がなされる。
次に、パチンコ機側における第9A図のステップS27に示す処理すなわち持ち玉終了信号を中央処理装置に伝送する処理がなされれば、ステップS36によりYESの判断がなされ、ステップS37に進み伝送されてきた遊技者識別データを登録から抹消する処理がなされる。これは、遊技者の持ち玉数データが0となりそれが確定した場合に、それ以上磁気カードに記録されている遊技者識別データが使用されることがないために、その遊技者識別データを登録から抹消する処理がなされるのである。
次に、パチンコ機側における第9A図のステップS32に示す処理すなわち持ち玉数データを中央処理装置に伝送する処理に応答して、ステップS38によりYESの判断がなされ、ステップS39に進み、伝送されてきた持ち玉数データを遊技者識別データに応答させて記憶させる処理がなされる。これは、パチンコ有機の過程で加減算された持ち玉数データを遊技者識別データに対応させて中央処理装置側に記憶させ、その記憶された持ち玉数データに基づいて景品交換等を行ない得るようにするためのものである。
[発明の効果]
本発明は前記構成を有するために以下の効果を奏する。
請求項1に記載の発明は、遊技者の持ち玉数データへの演算処理が、すべての打玉について遊技結果が確定されるまで可能となり、遊技領域を落下する残存玉の異常に起因した特殊なケースに対し応変に対処できる演算処理の終了時期の延長制御が可能となり、遊技者の不満を極力回避し得る弾球遊技機を提供し得るに至った。
請求項2に記載の発明は、ファール玉を排除した実際に遊技領域に打込まれた打込玉すべてについて、遊技結果が確定するまで、遊技者の持玉数データへの演算処理を可能とし、遊技領域を落下する残存玉の異常に起因した特殊なケースに対し応変に対処できる演算処理の終了時期の延長制御が可能となり、遊技者の不満を極力回避し得る弾球遊技機を提供し得るに至った。
【図面の簡単な説明】
第1図は、第1の実施例を示し、本発明に係る弾球遊技機の一例のパチンコ遊技機を示す全体正面図である。
第2図は第1の実施例を示し、パチンコ遊技機の一部内部構造を示す全体背面図である。
第3図は第1の実施例を示し、第2図における3−3断面図である。
第4図は第1の実施例を示し、弾球遊技機を制御する制御回路を示すブロック図である。
第5図は第1の実施例を示し、第4図に示した制御回路の動作を説明するためのフローチャートである。
第6図は第2の実施例を示し、パチンコ遊技機の全体正面図である。
第7図は第2の実施例を示し、パチンコ遊技機の一部内部構造を示す全体背面図である。
第8図は第2の実施例を示し、パチンコ遊技機を制御する制御回路を示すブロック図である。
第9A図および第9B図は第2の実施例を示し、第9A図はパチンコ遊技機側の制御部(マイクロコンピュータ)のROMに記憶設定されるプログラムのフローチャートであり、第9B図は中央処理装置側の記憶部に記憶設定されるプログラムのフローチャートである。
図中、120は記録媒体の一例である磁気カード、10は弾球遊技機の一例であるパチンコ遊技機、32は遊技終了操作手段の一例の遊技終了ボタン、33は遊技終了操作検出手段の一例の遊技終了スイッチ、34は遊技盤、36は遊技領域、64は発射玉検出器、68はファール玉検出器、176は発射玉検出回路、178はファール玉検出回路、40,42a,42bは通過口の一例である入賞口、44a,44bは玉通過装置の一例である入賞装置、46a,46b,46cは始動通過口の一例である始動入賞口、100は特定通過口の一例である特定入賞口、102a,102bは通常通過口の一例である通常入賞口、112,114,116,118a,118b,118c,83は通過玉検出手段の一例である入賞玉検出器、180は通過玉検出回路の一例である入賞玉検出回路、95は遊技制御手段の一例である演算部(マイクロコンピュータ)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】遊技者の持玉数が特定できる持玉数特定情報が記録された記録媒体により遊技可能な弾球遊技機であって、遊技盤に形成された遊技領域と、該遊技領域に向けて発射され該遊技領域に進入する有効発射玉を検出する有効発射玉検出手段と、前記遊技領域に打込まれた後該遊技領域から回収される回収玉を検出する回収玉検出手段と、遊技者の操作可能な位置に配設された遊技終了操作手段と、該遊技終了操作手段が操作されたことを検出する遊技終了操作検出手段と、前記有効発射玉検出手段の検出出力があった場合に、前記持玉数特定情報から導き出される遊技者の持玉数データに対し玉発射に使用された持玉数を減算するとともに、遊技状態が予め定められた入賞状態になった場合に前記持玉数データに対し所定数を加算する持玉数演算手段と、前記有効発射玉検出手段の検出出力と前記回収玉検出手段の検出出力とに基づいて、前記有効発射玉と前記回収玉との数が等しくなったことを判定する判定手段と、前記遊技終了操作検出手段の検出出力があった場合に打玉の発射を不能とする打玉発射不能化手段と、前記遊技終了操作検出手段の検出出力と前記判定手段の判定出力があった場合に前記持玉数演算手段の演算を終了する演算終了時期制御手段とを含むことを特徴とする、弾球遊技機。
【請求項2】遊技者の持玉数が特定できる持玉数特定情報が記録された記録媒体により遊技可能な弾球遊技機であって、遊技盤に形成された遊技領域と、該遊技領域に向けて打玉が発射されたことを検出する発射玉検出手段と、発射された打玉のうち前記遊技領域まで到達しなかったファール玉を検出するファール玉検出手段と、前記遊技領域に打込まれた後該遊技領域から回収される回収玉を検出する回収玉検出手段と、遊技者の操作可能な位置に配設された遊技終了操作手段と、該遊技終了操作手段が操作されたことを検出する遊技終了操作検出手段と、前記発射玉検出手段の検出出力があった場合に、前記持玉数特定情報から導き出される遊技者の持玉数データに対し玉発射に使用された持玉数を減算し、前記ファール玉検出手段の検出出力があった場合に前記持玉数データに対しファール玉に相当する持玉数を加算し、遊技状態が予め定められた入賞状態になった場合に前記持玉数データに対し所定数を加算する持玉数演算手段と、前記発射玉検出手段の検出出力と前記ファール玉検出手段の検出出力と前記回収玉検出手段の検出出力とに基づいて、前記遊技領域に向けて発射され該遊技領域に進入する有効発射玉と前記回収玉との数が等しくなったことを判定する判定手段と、前記遊技終了操作検出手段の検出出力があった場合に打玉の発射を不能とする打玉発射不能化手段と、前記遊技終了操作検出手段の検出出力と前記判定手段の判定出力があった場合に前記持玉数演算手段の演算を終了する演算終了時期制御手段とを含むことを特徴とする、弾球遊技機。

【第1図】
image rotate


【第2図】
image rotate


【第3図】
image rotate


【第7図】
image rotate


【第4図】
image rotate


【第5図】
image rotate


【第6図】
image rotate


【第8図】
image rotate


【第9A図】
image rotate


【第9B図】
image rotate


【特許番号】第2652651号
【登録日】平成9年(1997)5月23日
【発行日】平成9年(1997)9月10日
【国際特許分類】
【出願番号】特願昭63−31559
【出願日】昭和63年(1988)2月12日
【公開番号】特開平1−207089
【公開日】平成1年(1989)8月21日
【出願人】(999999999)株式会社三共
【参考文献】
【文献】特公 昭62−44508(JP,B2)
【文献】特公 昭62−54514(JP,B2)