説明

形態変形玩具

【課題】 発光装置及び/または音響発生装置をコアロボット玩具と大型ロボット玩具とで共用できる形態変形玩具を得る。
【解決手段】 コアとなるコアロボット玩具1に対して他のロボット玩具を分割して得た複数の分割部品31,33を装着することにより大型ロボット玩具29を構成する。コアロボット玩具1は、外部からスイッチ13が操作されると発光する発光表示部11が内蔵されている。コアロボット玩具1及び複数の分割部品31,33は、コアロボット玩具1に対して複数の分割部品31,33を装着した状態で、分割部品31の操作部35を操作することにより、スイッチ132を操作できるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コアとなるコアロボット玩具に対して他のロボット玩具を分割して得た複数の分割部品を装着することにより大型ロボット玩具を構成する形態変形玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
実開平6−66789号公報には、共通の光源を有していて、形態が変形すると発光する箇所が異なる形態変形玩具の一例が示されている。最近、コアとなるコアロボット玩具に対して他のロボット玩具を分割して得た複数の分割部品を装着することにより大型ロボット玩具を構成する形態変形玩具が提案されている。
【特許文献1】実開平6−66789号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のコアロボット玩具を用いる形態変形玩具では、コアロボット玩具のときも、また大型ロボット玩具のときも発光及び/または音を発生するものは殆どない。これは音響発生装置や発光装置を、コアロボット玩具と大型ロボット玩具の双方に設けた構造にすると、構造が複雑化してコスト高になる問題が発生するためである。
【0004】
本発明の目的は、発光装置及び/または音響発生装置をコアロボット玩具と大型ロボット玩具の双方で共用できる形態変形玩具を提供することにある。
【0005】
本発明の他の目的は、発光装置及び/または音響発生装置をコアロボット玩具に装備して、大型ロボット玩具でも共用できるように構成した形態変形玩具を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、発光装置及び/または音響発生装置を操作する操作部を備えた分割部品の機能または形態を変化させることができ、しかもこのようにしても発光装置及び/または音響発生装置の操作に支障が生じない形態変形玩具を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、発光装置及び/または音響発生装置をコアロボット玩具に装備しても、大型ロボット玩具からのスイッチ操作を容易に行える形態変形玩具を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、発光装置及び/または音響発生装置を操作する力の伝達方向を変えて伝えることができる形態変形玩具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の形態変形玩具は、コアとなるコアロボット玩具に対して他のロボット玩具を分割して得た複数の分割部品を装着することにより大型ロボット玩具を構成する。そしてコアロボット玩具は、外部からスイッチが操作されると発光する発光装置及び/または音を発生する音響発生装置を内蔵する。またコアロボット玩具及び他のロボット玩具を分割して得た複数の分割部品は、コアロボット玩具に対して複数の分割部品を装着した状態で、分割部品の操作部を操作することにより、スイッチが操作できるように構成されている。
【0010】
本発明の形態変形玩具によれば、コアロボット玩具に内蔵した発光装置及び/または音響発生装置を、大型ロボット玩具においても使用できるので、大型ロボット玩具のための発光装置及び/または音響発生装置を用意する必要がなく、形態変形玩具のコストを低減することができる。
【0011】
なおコアロボット玩具は、ロボット玩具本体の内部にスイッチを備え、コアロボット玩具の一つの外装部品(例えば人形ロボットであれば頭部等)を介してスイッチが操作されるように構成されているのが好ましい。なお、本願明細書で、ロボット玩具本体とは、少なくともスイッチを含むコアロボット玩具の構成部品をいう。この場合、コアロボット玩具単体で使用されるときには、スイッチを操作可能な第1の位置にあり、コアロボット玩具に対して複数の分割部品を装着して大型ロボット玩具が構成されているときには、スイッチをロボット玩具本体の外部に露出させることができる第2の位置に変位し得るように、一つの外装部品は、ロボット玩具本体に対して変位機構を介して取り付けられている。そして操作部を備えた分割部品の内部には、コアロボット玩具に対して装着された状態で、スイッチを直接的に操作することを可能にする操作機構を内蔵しておく。このような構成にすると、コアロボット玩具の一部を構成する外装部品を介さずに、直接大型ロボット玩具を構成するための分割部品により直接スイッチを操作することができる。そのためコアロボット玩具の組立精度及びコアロボット玩具と複数の分割部品との組立精度があまり高くない場合であっても、確実に大型ロボット玩具の操作部を操作することにより、スイッチを操作することができる。
【0012】
また、操作部を備えた分割部品は、複数の組立部品から構成されていてもよい。この場合、複数の組立部品の内部には、操作機構を分割して内蔵することが好ましい。このような構成にすると、発光装置及び/または音響発生装置を操作する操作部を備えた分割部品を常に一体の物として構成する必要がなくなるため、その分割部品の製造が容易になる上、複数の組立部品の組み合わせを変えることにより、分割部品の形態を変更することもできる。しかも各組立部品の内部に操作機構は分割して内蔵されているため、組立部品の組み合わせを変えても、発光装置及び/または音響発生装置の操作には支障がない。
【0013】
また、コアロボット玩具が人形ロボット玩具であれば、コアロボット玩具は、頭部と、胴部と、一対の腕部と、一対の脚部とを備える。そして胴部の正面側に発光表示部を設けることができる。この場合、前述の一つの外装部品は、頭部を含み変位機構を介してロボット玩具本体に連結された構造とする。コアロボット玩具単体で使用されるときには、頭部が胴部の上に位置する。そして、コアロボット玩具に複数の分割部品が装着される際には、頭部が胴部の背面側に位置してスイッチを露出させるように変位機構を構成する。そしてコアロボット玩具に複数の分割部品が装着される際には、一対の脚部が胴部の背面に沿って位置し得るように、一対の脚部を変形可能に構成する。なおコアロボット玩具に複数の分割部品が装着された状態で、コアロボット玩具はスイッチが上方に位置する姿勢で大型ロボット玩具の胴部の一部を構成する。この場合、大型ロボット玩具の頭部と操作部とを含む分割部品の内部には、コアロボット玩具に対して装着された状態で、スイッチを直接的に操作することを可能にする操作機構を内蔵するのが好ましい。このように大型ロボット玩具を構成すると、大型ロボット玩具を正面から見てもっとも目立ち且つ操作し易い位置となる大型ロボットの上半身部分に操作部を配置しても、コアロボット玩具に設けたスイッチを確実に操作することが可能になる。またコアロボット玩具を小型化して大型ロボット玩具に組み込むことができるので、大型ロボット玩具の外観を見ても、コアロボット玩具が存在していることが分かり難くなって、形態変形玩具を見る者の嗜好を高めることができる。
【0014】
また、前述のように、操作部を備えた分割部品を複数の組立部品から構成する場合に、複数の組立部品の内部に操作機構を分割して内蔵する場合には、操作機構は、操作部の直線的な動きを、方向を変えながらスイッチまで伝達する方向変換型の力伝達機構によって構成するのが好ましい。このような力伝達機構を設けると、複雑な機構を用いずに、簡単に機構で発光装置及び/または音響発生装置を操作することを可能になる。
【0015】
更に、操作部は大型ロボット玩具の胸部の正面側から背面側に向かって押し込まれるスライド部材により構成することができる。この場合、方向変換型の力伝達機構は、スライド部材の直線的な動きを、ロボット玩具本体内のスイッチに向かう方向の直線的な動きに変換するように構成されていることが好ましい。このように構成すると、発光装置及び/または音響発生装置を操作する力の伝達を簡単な機構で実現することができ、少ない部品点数で、大型ロボット玩具を構成することができる形態変形玩具を得ることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る形態変形玩具では、コアロボット玩具に、外部からスイッチが操作されると発光する発光装置及び/または音を発生する音響発生装置が内蔵されており、コアロボット玩具及び複数の分割部品は、コアロボット玩具に対して複数の分割部品を装着した状態で、分割部品の操作部を操作することにより、スイッチが操作できるように構成されているので、発光装置及び/または音響発生装置をコアロボット玩具と大型ロボット玩具とで共用することができる。そのため部品点数が少なくなって、形態変形玩具のコストの低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の形態変形玩具の最良の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
図1(A)及び(B)乃至図3(A)及び(B)は、本実施の形態の形態変形玩具の構成を説明するために用いる図である。図1(A)及び(B)は、本実施の形態で用いるコアロボット玩具の正面図及びその胴部を縦断して示した側面図であり、図2は本実施の形態で用いるコアロボット玩具の折り畳み状態を示す側面図であり、図3(A)及び(B)は本実施の形態の形態変形玩具が大型ロボット玩具を構成している状態の正面図及びこの大型ロボット玩具の要部の構成の一部縦断側面図である。
【0019】
まず、コアロボット玩具1は、図1(A)及び(B)に示すように、頭部3と、この頭部3を上部に備えた胴部5と、この胴部5の左右に関節部を介して取り付けられた一対の腕部7と、この胴部5の下部に関節部を介して取り付けられた一対の脚部9とを備えた人形ロボット玩具である。胴部5の正面側には、発光装置の一部を構成する発光表示部11が設けられている。発光表示部11は、例えば発光ダイオードやランプ等で構成されている。発光装置は、この発光表示部11と、後述するスイッチ13、プリント回路基板19及び電源回路23、バッテリー25とから構成される。
【0020】
コアロボット玩具1は、本例では胴部5よりなるロボット玩具本体の内部にスイッチ13を備え、コアロボット玩具1の一つの外装部品である頭部3を介してスイッチ13が操作されるように構成されている。即ち、本例では、頭部3を押し下げることによりスイッチ13が操作されるようになっている。胴部5は、内部が空洞になった胴部ケース5aを備えている。この胴部ケース5aの上部には、開口部15が設けられている。この開口部15に臨ませて胴部ケース5a内には、スイッチ13が回路基板等からなる支持体17で支持されて配置されている。この胴部ケース5a内には、プリント回路板19が縦向きに内蔵されて支持されている。このプリント回路板19には、スイッチ13が操作されたとき発光表示部11を発光させる発光制御回路21と、この発光制御回路21に給電する電源回路23が設けられている。また、胴部ケース5a内には、電源回路23に給電する乾電池の如きバッテリー25が内蔵されている。
【0021】
前述した一つの外装部品である頭部3は、ロボット玩具本体を構成する胴部5に対して変位機構27を介して取り付けられている。変位機構27は、コアロボット玩具1が単体で使用されるときには、スイッチ13の操作が可能な第1の位置に頭部3が位置し、コアロボット玩具1に対して後述する複数の分割部品を装着する際には、スイッチ13をロボット玩具本体としての胴部5の外部に露出させることができる第2の位置に頭部が変位し得るように胴部5に対して頭部3を取り付ける構造を有している。変位機構27は、頭部3を上面に備えて下方に向かって変位することによりスイッチ13を操作する支持板27aと、この支持板27aの一端を胴部5の肩部で回動自在に支持するヒンジ部27bとで構成されている。図2に示すように、開口部15は支持板27aで塞がれるようになっている。なおスイッチ13は、内部にばね機構(復元機構)を備えたおり、キートップに加わる力が解除されると、ばね機構によりキートップを元の位置に戻す機能を有している。したがって支持板27aに加わる力が解除されると、支持板27aは、スイッチ13のばね機構により元の位置に復帰する。
【0022】
ここでスイッチ13を操作可能な第1の位置とは、頭部3が図1(A)及び(B)に示すように胴部5の上にほぼ直立している位置である。スイッチ13をロボット玩具本体としての胴部5の外部に露出させることができる第2の位置とは、頭部3が図2に示すように変位機構27のヒンジ部27bを介して変位して胴部5の後側に存在する位置である。
【0023】
各腕部7は、関節部7aを介して胴部5に取り付けられている。また、各脚部9は、大腿部9aと脛部9bと足部9cを備え、大腿部9aは関節部9dで胴部5に接続され、大腿部9aと脛部9bとは関節部9eで相互に接続されている。
【0024】
このようなコアロボット玩具1の各関節は、図2に示すように、頭部3を変位機構27のヒンジ部27bを介して変位させて胴部5の後側に存在させ、且つ各脚部9を折り曲げて胴部5の後側に存在させて、コンパクトに折り畳むことができるように構成されている。また、このコアロボット玩具1は、図1(A)及び(B)に示す姿勢で、頭部3を押し下げると、支持板27aがヒンジ部27bを介して下向きに回動してスイッチ13を押し、発光表示部11を発光させることができる。
【0025】
大型ロボット玩具29は、図3(A)及び(B)に示すように、コアとなるコアロボット玩具1に対して他のロボット玩具を分割して得た複数の分割部品31,33を装着することにより構成されている。即ち、コアロボット玩具1は、図2及び図3(B)に示すようにコンパクトに折り畳まれた状態で、その上部に分割部品31が図示しない雄雌の接続機構で着脱可能に接続され、その下部に分割部品33が図示しない雄雌の接続機構で着脱可能に接続されている。
【0026】
分割部品31は、胸部として機能する箱形の組立部品31aと、この組立部品31aの前に取り付けられた箱形の組立部品31bと、組立部品31aの上部に取り付けられて頭部として機能する組立部品31cと、組立部品31aの左右に関節部31dを介して取り付けられて腕部として機能する組立部品31eとから構成されている。折り畳まれた状態のコアロボット玩具1の上部に、箱形の組立部品31aの下部が図示しない雄雌の接続機構を介して着脱可能に接続されている。
【0027】
分割部品33は、腰として機能する箱形の組立部品33aと、この組立部品33aの左右の下部に接続された一対の脚部として機能する一対の組立部品33bとから構成されている。組立部品33bは、組立部品33aの左右の下部に接続された関節部として機能する組立部品33b1と、この組立部品33b1の下に接続された大腿部として機能する組立部品33b2と、この組立部品33b2の下部に接続された関節部として機能する組立部品33b3と、この組立部品33b3の下部に接続された脛部として機能する組立部品33b4と、この組立部品33b4の下部に接続された足部として機能する組立部品33b5とから構成されている。そして折り畳まれた状態のコアロボット玩具1の下部に、箱形の組立部品33aが図示しない雄雌の接続機構を介して着脱可能に接続されている。
【0028】
折り畳まれた状態で組み込まれたコアロボット玩具1は、発光装置としての発光表示部11が組立部品31aと組立部品33aの間に露出するか、あるいは組立て部品31aに設けられた窓部(図示せず)を介して露出された状態で、大型ロボット玩具29内に組み込まれている。
【0029】
分割部品31は、コアロボット玩具1に対して複数の分割部品31,33を装着して構成した大型ロボット玩具29の状態で、分割部品31の操作部35を操作することにより、コアロボット玩具1のスイッチ13を操作できるように構成されている。この操作部35を備えた分割部品31の内部には、コアロボット玩具1に対して装着された状態で、スイッチ13を直接的に操作することを可能にする操作機構37が内蔵されている。複数の組立部品31a,31bの内部には、操作機構37が3つの操作機構部37a,37b,37cに分割されて内蔵されている。操作機構部37aは、組立部品31a内にあって、スイッチ13のキートップを押圧操作できるように縦向きで上下動できるようにガイドされたスライド部材37a1と、このスライド部材37a1に嵌められていて該スライド部材37a1が押し下げられた際に自己復帰させるコイルバネ37a2とを備え、スライド部材37a1の先端には組立部品31b側に向けてテーパ面37a3が設けられて構成されている。操作機構部37bは、組立部品31a内にあって、操作機構部37aのスライド部材37a1の先端に直交する向きで水平移動するようにガイドされて端部をスライド部材37a1の先端のテーパ面37a3に対向させたスライド部材37b1と、このスライド部材37b1に嵌められていて該スライド部材37b1が押し出された際に自己復帰させるコイルバネ37b2とを備えている。スライド部材37b1が押されでスライドすることおにより、スライド部材37a1のテーパ面37a3を押し下げられるように構成されている。操作機構部37cは、組立部品31b内にあって、操作機構部37bのスライド部材37b1の基端に整列させて水平移動するようにガイドされて端部をスライド部材37b1の基端に対向させたスライド部材37c1と、このスライド部材37c1に嵌められていて該スライド部材37c1が押し出された際に自己復帰させるコイルバネ37c2とを備えている。スライド部材37c1が押されてスライドすることにより、スライド部材37b1がスライドする。この例では、スライド部材37c1の基端が操作部35を構成している。このような操作機構37は、操作部35の直線的な動きを、方向を変えながらスイッチ13まで伝達する方向変換型の力伝達機構により構成されている。換言すれば、方向変換型の力伝達機構は、スライド部材37c1の直線的な動きを、ロボット玩具本体内のスイッチ13に向かう方向の直線的な動きに変換するように構成されている。
【0030】
上記のような形態変形玩具では、前述のように、コアロボット玩具1に、外部からスイッチ13が操作されると発光する発光装置としての発光表示部11が内蔵されている。そしてコアロボット玩具1及び複数の分割部品31,33は、コアロボット玩具1に対して複数の分割部品31,33を装着した状態で、分割部品31の操作部35を操作することにより、スイッチ13が操作できるように構成されている。したがって発光表示部11を含む発光装置を、コアロボット玩具1と大型ロボット玩具29とで共用することができ、部品点数が少なくなる上、構造が簡単になり、コストの低減を図ることができる。
【0031】
上記例では、コアロボット玩具1に発光表示部11を含む発光装置が組み込まれているが、発光装置の代わりに音を発生する音響発生装置をコアロボット玩具に組み込んだ場合にも本発明を適用することができる。また発光装置と音響発生装置の双方を、コアロボット玩具に組み込み、スイッチ13の操作により発光と音の両方を制御するようにすることもできる。
【0032】
図4(A),(B)及び(C)乃至図9は、本発明をより具体的な実施品に適用して製作した形態変形玩具に関する図である。図4(A),(B)及び(C)は実施品に近い形状のコアロボット玩具を拡大して示した正面図、左側面図及び右側面図であり、図5(A),(B),(C),(D)及び(E)は図4のコアロボット玩具の折り畳み過程を示す説明図であり、図6は実施品に近い形状の大型ロボット玩具の正面図であり、図7は図6の右側面図であり、図8は図6で胸部を構成する分割部品の前面の組立部品を外した状態の正面図であり、図9は図6の大型ロボット玩具の要部の構成を示す一部縦断側面図である。なお、これらの図では、前述した図1(A)及び(B)乃至図3と対応する構成部品には、図1(A)及び(B)乃至図3に示した符号の数に100の数を加えた数の符号を付けて説明を省略する。
【0033】
図6の大型ロボット玩具129では、胸部を構成する分割部品131の前面の組立部品131bはライオンの顔の形状に構成されている。また、図8は、図6に示した胸部を構成する分割部品131の前面の組立部品131bを外した状態を示しており、この状態では組立部品131aの前面にスライド部材137b1の端面が露出している。更にこの図では、コアロボット玩具101に設けた発光表示部111が組立部品131a内に一部が入るように、コアロボット玩具101と組立部品131aの組み立てがなされている。
【0034】
それ故この実施品では、組立部品131bからなるライオンの顔の大きく開いた口の内部が、コアロボット玩具101に設けた発光表示部111の発光により明るくなることにより、大型ロボット玩具129が発光表示状態となる。
【0035】
上記例では、コアロボット玩具及び大型ロボット玩具を人形ロボット玩具で構成した例について示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば乗り物ロボット玩具や動物ロボット玩具等の形態変形玩具にも同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】(A)及び(B)は、本発明を実施する基本的な構成のコアロボット玩具の正面図及びその胴部を縦断して示した側面図である。
【図2】図1のコアロボット玩具の折り畳み状態を示す側面図である。
【図3】(A)及び(B)は、本例で用いる大型ロボット玩具の正面図及びこの大型ロボット玩具の要部構成の一部縦断側面図である。
【図4】(A),(B)及び(C)は、本発明を具体的な実施品に適用した実施品のコアロボット玩具を拡大して示した正面図、左側面図及び右側面図である。
【図5】(A),(B),(C),(D)及び(E)は、実施品のコアロボット玩具の折り畳み過程を示す説明図である。
【図6】実施品の大型ロボット玩具の正面図である。
【図7】図6の大型ロボット玩具の右側面図である。
【図8】図6の大型ロボット玩具で胸部を構成する分割部品の前面の組立部品を外した状態の正面図である。
【図9】実施品の大型ロボット玩具の要部構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0037】
1,101 コアロボット玩具
3,103 頭部
5,105 胴部
7,107 腕部
9,109 脚部
11,111 発光表示部
13,113 スイッチ
15,115 開口部
17,117 支持体
19,119 プリント回路板
21,121 発光制御回路
23,123 電源回路
25,125 バッテリー
27,127 変位機構
29,129 大型ロボット玩具
31,131 分割部品
33,133 分割部品
35,135 操作部
37,137 操作機構
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コアとなるコアロボット玩具に対して他のロボット玩具を分割して得た複数の分割部品を装着することにより大型ロボット玩具を構成する形態変形玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
実開平6−66789号公報には、共通の光源を有していて、形態が変形すると発光する箇所が異なる形態変形玩具の一例が示されている。最近、コアとなるコアロボット玩具に対して他のロボット玩具を分割して得た複数の分割部品を装着することにより大型ロボット玩具を構成する形態変形玩具が提案されている。
【特許文献1】実開平6−66789号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のコアロボット玩具を用いる形態変形玩具では、コアロボット玩具のときも、また大型ロボット玩具のときも発光及び/または音を発生するものは殆どない。これは音響発生装置や発光装置を、コアロボット玩具と大型ロボット玩具の双方に設けた構造にすると、構造が複雑化してコスト高になる問題が発生するためである。
【0004】
本発明の目的は、発光装置及び/または音響発生装置をコアロボット玩具と大型ロボット玩具の双方で共用できる形態変形玩具を提供することにある。
【0005】
本発明の他の目的は、発光装置及び/または音響発生装置をコアロボット玩具に装備して、大型ロボット玩具でも共用できるように構成した形態変形玩具を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、発光装置及び/または音響発生装置を操作する操作部を備えた分割部品の機能または形態を変化させることができ、しかもこのようにしても発光装置及び/または音響発生装置の操作に支障が生じない形態変形玩具を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、発光装置及び/または音響発生装置をコアロボット玩具に装備しても、大型ロボット玩具からのスイッチ操作を容易に行える形態変形玩具を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、発光装置及び/または音響発生装置を操作する力の伝達方向を変えて伝えることができる形態変形玩具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の形態変形玩具は、コアとなるコアロボット玩具に対して他のロボット玩具を分割して得た複数の分割部品を装着することにより大型ロボット玩具を構成する。そしてコアロボット玩具は、外部からスイッチが操作されると発光する発光装置及び/または音を発生する音響発生装置を内蔵する。またコアロボット玩具及び他のロボット玩具を分割して得た複数の分割部品は、コアロボット玩具に対して複数の分割部品を装着した状態で、分割部品の操作部を操作することにより、スイッチが操作できるように構成されている。
【0010】
本発明の形態変形玩具によれば、コアロボット玩具に内蔵した発光装置及び/または音響発生装置を、大型ロボット玩具においても使用できるので、大型ロボット玩具のための発光装置及び/または音響発生装置を用意する必要がなく、形態変形玩具のコストを低減することができる。
【0011】
なおコアロボット玩具は、ロボット玩具本体の内部にスイッチを備え、コアロボット玩具の一つの外装部品(例えば人形ロボットであれば頭部等)を介してスイッチが操作されるように構成されているのが好ましい。なお、本願明細書で、ロボット玩具本体とは、少なくともスイッチを含むコアロボット玩具の構成部品をいう。この場合、コアロボット玩具単体で使用されるときには、スイッチを操作可能な第1の位置にあり、コアロボット玩具に対して複数の分割部品を装着して大型ロボット玩具が構成されているときには、スイッチをロボット玩具本体の外部に露出させることができる第2の位置に変位し得るように、一つの外装部品は、ロボット玩具本体に対して変位機構を介して取り付けられている。そして操作部を備えた分割部品の内部には、コアロボット玩具に対して装着された状態で、スイッチを直接的に操作することを可能にする操作機構を内蔵しておく。このような構成にすると、コアロボット玩具の一部を構成する外装部品を介さずに、直接大型ロボット玩具を構成するための分割部品により直接スイッチを操作することができる。そのためコアロボット玩具の組立精度及びコアロボット玩具と複数の分割部品との組立精度があまり高くない場合であっても、確実に大型ロボット玩具の操作部を操作することにより、スイッチを操作することができる。
【0012】
また、操作部を備えた分割部品は、複数の組立部品から構成されていてもよい。この場合、複数の組立部品の内部には、操作機構を分割して内蔵することが好ましい。このような構成にすると、発光装置及び/または音響発生装置を操作する操作部を備えた分割部品を常に一体の物として構成する必要がなくなるため、その分割部品の製造が容易になる上、複数の組立部品の組み合わせを変えることにより、分割部品の形態を変更することもできる。しかも各組立部品の内部に操作機構は分割して内蔵されているため、組立部品の組み合わせを変えても、発光装置及び/または音響発生装置の操作には支障がない。
【0013】
また、コアロボット玩具が人形ロボット玩具であれば、コアロボット玩具は、頭部と、胴部と、一対の腕部と、一対の脚部とを備える。そして胴部の正面側に発光表示部を設けることができる。この場合、前述の一つの外装部品は、頭部を含み変位機構を介してロボット玩具本体に連結された構造とする。コアロボット玩具単体で使用されるときには、頭部が胴部の上に位置する。そして、コアロボット玩具に複数の分割部品が装着される際には、頭部が胴部の背面側に位置してスイッチを露出させるように変位機構を構成する。そしてコアロボット玩具に複数の分割部品が装着される際には、一対の脚部が胴部の背面に沿って位置し得るように、一対の脚部を変形可能に構成する。なおコアロボット玩具に複数の分割部品が装着された状態で、コアロボット玩具はスイッチが上方に位置する姿勢で大型ロボット玩具の胴部の一部を構成する。この場合、大型ロボット玩具の頭部と操作部とを含む分割部品の内部には、コアロボット玩具に対して装着された状態で、スイッチを直接的に操作することを可能にする操作機構を内蔵するのが好ましい。このように大型ロボット玩具を構成すると、大型ロボット玩具を正面から見てもっとも目立ち且つ操作し易い位置となる大型ロボットの上半身部分に操作部を配置しても、コアロボット玩具に設けたスイッチを確実に操作することが可能になる。またコアロボット玩具を小型化して大型ロボット玩具に組み込むことができるので、大型ロボット玩具の外観を見ても、コアロボット玩具が存在していることが分かり難くなって、形態変形玩具を見る者の嗜好を高めることができる。
【0014】
また、前述のように、操作部を備えた分割部品を複数の組立部品から構成する場合に、複数の組立部品の内部に操作機構を分割して内蔵する場合には、操作機構は、操作部の直線的な動きを、方向を変えながらスイッチまで伝達する方向変換型の力伝達機構によって構成するのが好ましい。このような力伝達機構を設けると、複雑な機構を用いずに、簡単機構で発光装置及び/または音響発生装置を操作することを可能になる。
【0015】
更に、操作部は大型ロボット玩具の部の正面側から背面側に向かって押し込まれるスライド部材により構成することができる。この場合、方向変換型の力伝達機構は、スライド部材の直線的な動きを、ロボット玩具本体内のスイッチに向かう方向の直線的な動きに変換するように構成されていることが好ましい。このように構成すると、発光装置及び/または音響発生装置を操作する力の伝達を簡単な機構で実現することができ、少ない部品点数で、大型ロボット玩具を構成することができる形態変形玩具を得ることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る形態変形玩具では、コアロボット玩具に、外部からスイッチが操作されると発光する発光装置及び/または音を発生する音響発生装置が内蔵されており、コアロボット玩具及び複数の分割部品は、コアロボット玩具に対して複数の分割部品を装着した状態で、分割部品の操作部を操作することにより、スイッチが操作できるように構成されているので、発光装置及び/または音響発生装置をコアロボット玩具と大型ロボット玩具とで共用することができる。そのため部品点数が少なくなって、形態変形玩具のコストの低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の形態変形玩具の最良の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
図1(A)及び(B)乃至図3(A)及び(B)は、本実施の形態の形態変形玩具の構成を説明するために用いる図である。図1(A)及び(B)は、本実施の形態で用いるコアロボット玩具の正面図及びその胴部を縦断して示した側面図であり、図2は本実施の形態で用いるコアロボット玩具の折り畳み状態を示す側面図であり、図3(A)及び(B)は本実施の形態の形態変形玩具が大型ロボット玩具を構成している状態の正面図及びこの大型ロボット玩具の要部の構成の一部縦断側面図である。
【0019】
まず、コアロボット玩具1は、図1(A)及び(B)に示すように、頭部3と、この頭部3を上部に備えた胴部5と、この胴部5の左右に関節部7aを介して取り付けられた一対の腕部7と、この胴部5の下部に関節部9aを介して取り付けられた一対の脚部9とを備えた人形ロボット玩具である。胴部5の正面側には、発光装置の一部を構成する発光表示部11が設けられている。発光表示部11は、例えば発光ダイオードやランプ等で構成されている。発光装置は、この発光表示部11と、後述するスイッチ13、プリント回路板19及び電源回路23、バッテリー25とから構成される。
【0020】
コアロボット玩具1は、本例では胴部5よりなるロボット玩具本体の内部にスイッチ13を備え、コアロボット玩具1の一つの外装部品である頭部3を介してスイッチ13が操作されるように構成されている。即ち、本例では、頭部3を押し下げることによりスイッチ13が操作されるようになっている。胴部5は、内部が空洞になった胴部ケース5aを備えている。この胴部ケース5aの上部には、開口部15が設けられている。この開口部15に臨ませて胴部ケース5a内には、スイッチ13が回路基板等からなる支持体17で支持されて配置されている。この胴部ケース5a内には、プリント回路板19が縦向きに内蔵されて支持されている。このプリント回路板19には、スイッチ13が操作されたとき発光表示部11を発光させる発光制御回路21と、この発光制御回路21に給電する電源回路23が設けられている。また、胴部ケース5a内には、電源回路23に給電する乾電池の如きバッテリー25が内蔵されている。
【0021】
前述した一つの外装部品である頭部3は、ロボット玩具本体を構成する胴部5に対して変位機構27を介して取り付けられている。変位機構27は、コアロボット玩具1が単体で使用されるときには、スイッチ13の操作が可能な第1の位置に頭部3が位置し、コアロボット玩具1に対して後述する複数の分割部品を装着する際には、スイッチ13をロボット玩具本体としての胴部5の外部に露出させることができる第2の位置に頭部が変位し得るように胴部5に対して頭部3を取り付ける構造を有している。変位機構27は、頭部3を上面に備えて下方に向かって変位することによりスイッチ13を操作する支持板27aと、この支持板27aの一端を胴部5の肩部で回動自在に支持するヒンジ部27bとで構成されている。図2に示すように、開口部15は支持板27aで塞がれるようになっている。なおスイッチ13は、内部にばね機構(復元機構)を備えおり、キートップに加わる力が解除されると、ばね機構によりキートップを元の位置に戻す機能を有している。したがって支持板27aに加わる力が解除されると、支持板27aは、スイッチ13のばね機構により元の位置に復帰する。
【0022】
ここでスイッチ13を操作可能な第1の位置とは、頭部3が図1(A)及び(B)に示すように胴部5の上にほぼ直立している位置である。スイッチ13をロボット玩具本体としての胴部5の外部に露出させることができる第2の位置とは、頭部3が図2に示すように変位機構27のヒンジ部27bを介して変位して胴部5の後側に存在する位置である。
【0023】
各腕部7は、関節部7aを介して胴部5に取り付けられている。また、各脚部9は、大腿部9aと脛部9bと足部9cを備え、大腿部9aは関節部9dで胴部5に接続され、大腿部9aと脛部9bとは関節部9eで相互に接続されている。
【0024】
このようなコアロボット玩具1の各関節は、図2に示すように、頭部3を変位機構27のヒンジ部27bを介して変位させて胴部5の後側に存在させ、且つ各脚部9を折り曲げて胴部5の後側に存在させて、コンパクトに折り畳むことができるように構成されている。また、このコアロボット玩具1は、図1(A)及び(B)に示す姿勢で、頭部3を押し下げると、支持板27aがヒンジ部27bを介して下向きに回動してスイッチ13を押し、発光表示部11を発光させることができる。
【0025】
大型ロボット玩具29は、図3(A)及び(B)に示すように、コアとなるコアロボット玩具1に対して他のロボット玩具を分割して得た複数の分割部品31,33を装着することにより構成されている。即ち、コアロボット玩具1は、図2及び図3(B)に示すようにコンパクトに折り畳まれた状態で、その上部に分割部品31が図示しない雄雌の接続機構で着脱可能に接続され、その下部に分割部品33が図示しない雄雌の接続機構で着脱可能に接続されている。
【0026】
分割部品31は、胸部として機能する箱形の組立部品31aと、この組立部品31aの前に取り付けられた箱形の組立部品31bと、組立部品31aの上部に取り付けられて頭部として機能する組立部品31cと、組立部品31aの左右に関節部31dを介して取り付けられて腕部として機能する組立部品31eとから構成されている。折り畳まれた状態のコアロボット玩具1の上部に、箱形の組立部品31aの下部が図示しない雄雌の接続機構を介して着脱可能に接続されている。
【0027】
分割部品33は、腰として機能する箱形の組立部品33aと、この組立部品33aの左右の下部に接続された一対の脚部として機能する一対の組立部品33bとから構成されている。組立部品33bは、組立部品33aの左右の下部に接続された関節部として機能する組立部品33b1と、この組立部品33b1の下に接続された大腿部として機能する組立部品33b2と、この組立部品33b2の下部に接続された関節部として機能する組立部品33b3と、この組立部品33b3の下部に接続された脛部として機能する組立部品33b4と、この組立部品33b4の下部に接続された足部として機能する組立部品33b5とから構成されている。そして折り畳まれた状態のコアロボット玩具1の下部に、箱形の組立部品33aが図示しない雄雌の接続機構を介して着脱可能に接続されている。
【0028】
折り畳まれた状態で組み込まれたコアロボット玩具1は、発光装置としての発光表示部11が組立部品31aと組立部品33aの間に露出するか、あるいは組立て部品31aに設けられた窓部(図示せず)を介して露出された状態で、大型ロボット玩具29内に組み込まれている。
【0029】
分割部品31は、コアロボット玩具1に対して複数の分割部品31,33を装着して構成した大型ロボット玩具29の状態で、分割部品31の操作部35を操作することにより、コアロボット玩具1のスイッチ13を操作できるように構成されている。この操作部35を備えた分割部品31の内部には、コアロボット玩具1に対して装着された状態で、スイッチ13を直接的に操作することを可能にする操作機構37が内蔵されている。複数の組立部品31a,31bの内部には、操作機構37が3つの操作機構部37a,37b,37cに分割されて内蔵されている。操作機構部37aは、組立部品31a内にあって、スイッチ13のキートップを押圧操作できるように縦向きで上下動できるようにガイドされたスライド部材37a1と、このスライド部材37a1に嵌められていて該スライド部材37a1が押し下げられた際に自己復帰させるコイルバネ37a2とを備え、スライド部材37a1の先端には組立部品31b側に向けてテーパ面37a3が設けられて構成されている。操作機構部37bは、組立部品31a内にあって、操作機構部37aのスライド部材37a1の先端に直交する向きで水平移動するようにガイドされて端部をスライド部材37a1の先端のテーパ面37a3に対向させたスライド部材37b1と、このスライド部材37b1に嵌められていて該スライド部材37b1が押し出された際に自己復帰させるコイルバネ37b2とを備えている。スライド部材37b1が押されでスライドすることおにより、スライド部材37a1のテーパ面37a3を押し下げられるように構成されている。操作機構部37cは、組立部品31b内にあって、操作機構部37bのスライド部材37b1の基端に整列させて水平移動するようにガイドされて端部をスライド部材37b1の基端に対向させたスライド部材37c1と、このスライド部材37c1に嵌められていて該スライド部材37c1が押し出された際に自己復帰させるコイルバネ37c2とを備えている。スライド部材37c1が押されてスライドすることにより、スライド部材37b1がスライドする。この例では、スライド部材37c1の基端が操作部35を構成している。このような操作機構37は、操作部35の直線的な動きを、方向を変えながらスイッチ13まで伝達する方向変換型の力伝達機構により構成されている。換言すれば、方向変換型の力伝達機構は、スライド部材37c1の直線的な動きを、ロボット玩具本体内のスイッチ13に向かう方向の直線的な動きに変換するように構成されている。
【0030】
上記のような形態変形玩具では、前述のように、コアロボット玩具1に、外部からスイッチ13が操作されると発光する発光装置としての発光表示部11が内蔵されている。そしてコアロボット玩具1及び複数の分割部品31,33は、コアロボット玩具1に対して複数の分割部品31,33を装着した状態で、分割部品31の操作部35を操作することにより、スイッチ13が操作できるように構成されている。したがって発光表示部11を含む発光装置を、コアロボット玩具1と大型ロボット玩具29とで共用することができ、部品点数が少なくなる上、構造が簡単になり、コストの低減を図ることができる。
【0031】
上記例では、コアロボット玩具1に発光表示部11を含む発光装置が組み込まれているが、発光装置の代わりに音を発生する音響発生装置をコアロボット玩具に組み込んだ場合にも本発明を適用することができる。また発光装置と音響発生装置の双方を、コアロボット玩具に組み込み、スイッチ13の操作により発光と音の両方を制御するようにすることもできる。
【0032】
図4(A),(B)及び(C)乃至図9は、本発明をより具体的な実施品に適用して製作した形態変形玩具に関する図である。図4(A),(B)及び(C)は実施品に近い形状のコアロボット玩具を拡大して示した正面図、左側面図及び右側面図であり、図5(A),(B),(C),(D)及び(E)は図4のコアロボット玩具の折り畳み過程を示す説明図であり、図6は実施品に近い形状の大型ロボット玩具の正面図であり、図7は図6の右側面図であり、図8は図6で胸部を構成する分割部品の前面の組立部品を外した状態の正面図であり、図9は図6の大型ロボット玩具の要部の構成を示す一部縦断側面図である。なお、これらの図では、前述した図1(A)及び(B)乃至図3と対応する構成部品には、図1(A)及び(B)乃至図3に示した符号の数に100の数を加えた数の符号を付けて説明を省略する。
【0033】
図6の大型ロボット玩具129では、胸部を構成する分割部品131の前面の組立部品131bはライオンの顔の形状に構成されている。また、図8は、図6に示した胸部を構成する分割部品131の前面の組立部品131bを外した状態を示しており、この状態では組立部品131aの前面にスライド部材137b1の端面が露出している。更にこの図では、コアロボット玩具101に設けた発光表示部111が組立部品131a内に一部が入るように、コアロボット玩具101と組立部品131aの組み立てがなされている。
【0034】
それ故この実施品では、組立部品131bからなるライオンの顔の大きく開いた口の内部が、コアロボット玩具101に設けた発光表示部111の発光により明るくなることにより、大型ロボット玩具129が発光表示状態となる。
【0035】
上記例では、コアロボット玩具及び大型ロボット玩具を人形ロボット玩具で構成した例について示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば乗り物ロボット玩具や動物ロボット玩具等の形態変形玩具にも同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】(A)及び(B)は、本発明を実施する基本的な構成のコアロボット玩具の正面図及びその胴部を縦断して示した側面図である。
【図2】図1のコアロボット玩具の折り畳み状態を示す側面図である。
【図3】(A)及び(B)は、本例で用いる大型ロボット玩具の正面図及びこの大型ロボット玩具の要部構成の一部縦断側面図である。
【図4】(A),(B)及び(C)は、本発明を具体的な実施品に適用した実施品のコアロボット玩具を拡大して示した正面図、左側面図及び右側面図である。
【図5】(A),(B),(C),(D)及び(E)は、実施品のコアロボット玩具の折り畳み過程を示す説明図である。
【図6】実施品の大型ロボット玩具の正面図である。
【図7】図6の大型ロボット玩具の右側面図である。
【図8】図6の大型ロボット玩具で胸部を構成する分割部品の前面の組立部品を外した状態の正面図である。
【図9】実施品の大型ロボット玩具の要部構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0037】
1,101 コアロボット玩具
3,103 頭部
5,105 胴部
7,107 腕部
9,109 脚部
11,111 発光表示部
13,113 スイッチ
15,115 開口部
17,117 支持体
プリント回路板
21,121 発光制御回路
23,123 電源回路
25,125 バッテリー
27,127 変位機構
29,129 大型ロボット玩具
31,131 分割部品
33,133 分割部品
35,135 操作部
37,137 操作機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コアとなるコアロボット玩具に対して他のロボット玩具を分割して得た複数の分割部品を装着することにより大型ロボット玩具を構成する形態変形玩具であって、
前記コアロボット玩具は、外部からスイッチが操作されると発光する発光装置及び/または音を発生する音響発生装置が内蔵されており、
前記コアロボット玩具及び前記複数の分割部品は、前記コアロボット玩具に対して前記複数の分割部品を装着した状態で、前記分割部品の操作部を操作することにより、前記スイッチが操作できるように構成されていることを特徴とする形態変形玩具。
【請求項2】
前記コアロボット玩具は、ロボット玩具本体の内部に前記スイッチを備え、前記コアロボット玩具の一つの外装部品を介して前記スイッチが操作されるように構成されており、
前記一つの外装部品は、コアロボット玩具単体で使用されるときには、前記スイッチを操作可能な第1の位置にあり、前記コアロボット玩具に対して前記複数の分割部品を装着する際には、前記スイッチを前記ロボット玩具本体の外部に露出させることができる第2の位置に変位し得るように前記ロボット玩具本体に対して変位機構を介して取り付けられており、
前記操作部を備えた前記分割部品の内部には、前記コアロボット玩具に対して装着された状態で、前記スイッチを直接的に操作することを可能にする操作機構が内蔵されている請求項1に記載の形態変形玩具。
【請求項3】
前記操作部を備えた分割部品は、複数の組立部品から構成されており、
前記複数の組立部品の内部には、前記操作機構が分割されて内蔵されている請求項2に記載の形態変形玩具。
【請求項4】
前記コアロボット玩具は、頭部と、胴部と、一対の腕部と、一対の脚部とを備えた人形ロボット玩具であり、
前記胴部の正面側に発光表示部が設けられており、
前記一つの外装部品は前記頭部を含み前記変位機構を介して前記ロボット玩具本体に連結された構造を有しており、
前記コアロボット玩具単体で使用されるときには、前記頭部が前記胴部の上に位置し、前記コアロボット玩具に前記複数の分割部品が装着される際には、前記頭部が前記胴部の背面側に位置して前記スイッチを露出させるように前記変位機構は構成され、
前記コアロボット玩具に前記複数の分割部品が装着される際に、前記一対の脚部が前記胴部の背面に沿って位置し得るように、一対の脚部が変形可能に構成され、
前記コアロボット玩具に前記複数の分割部品が装着された状態で、前記コアロボット玩具は前記スイッチが上方に位置する姿勢で前記大型ロボット玩具の胴部の一部を構成し、
前記大型ロボット玩具の頭部と前記操作部とを含む前記分割部品の内部には、前記コアロボット玩具に対して装着された状態で、前記スイッチを直接的に操作することを可能にする操作機構が内蔵されている請求項1に記載の形態変形玩具。
【請求項5】
前記操作部を備えた分割部品は、複数の組立部品から構成されており、
前記複数の組立部品の内部には、前記操作機構が分割されて内蔵され、
前記操作機構は、前記操作部の直線的な動きを、方向を変えながら前記スイッチまで伝達する方向変換型の力伝達機構によって構成されている請求項2または4に記載の形態変形玩具。
【請求項6】
前記操作部は前記胸部の正面側から背面側に向かって押し込まれるスライド部材であり、前記方向変換型の力伝達機構は、前記スライド部材の直線的な動きを、前記ロボット玩具本体内の前記スイッチに向かう方向の直線的な動きに変換するように構成されている請求項5に記載の形態変形玩具。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コアとなるコアロボット玩具に対して他のロボット玩具を分割して得た複数の分割部品を装着することにより大型ロボット玩具を構成する形態変形玩具であって、
前記コアロボット玩具は、外部からスイッチが操作されると発光する発光装置及び/または音を発生する音響発生装置が内蔵されており、
前記コアロボット玩具及び前記複数の分割部品は、前記コアロボット玩具に対して前記複数の分割部品を装着した状態で、前記分割部品の操作部を操作することにより、前記スイッチが操作できるように構成されていることを特徴とする形態変形玩具。
【請求項2】
前記コアロボット玩具は、ロボット玩具本体の内部に前記スイッチ
覆すを備え、前記コアロボット玩具の一つの外装部品を介して前記スイッチが操作されるように構成されており、
前記一つの外装部品は、コアロボット玩具単体で使用されるときには、前記スイッチを操作可能な第1の位置にあり、前記コアロボット玩具に対して前記複数の分割部品を装着する際には、前記スイッチを前記ロボット玩具本体の外部に露出させることができる第2の位置に変位し得るように前記ロボット玩具本体に対して変位機構を介して取り付けられており、
前記操作部を備えた前記分割部品の内部には、前記コアロボット玩具に対して装着された状態で、前記スイッチを直接的に操作することを可能にする操作機構が内蔵されている請求項1に記載の形態変形玩具。
【請求項3】
前記操作部を備えた前記分割部品は、複数の組立部品から構成されており、
前記複数の組立部品の内部には、前記操作機構が分割されて内蔵されている請求項2に記載の形態変形玩具。
【請求項4】
前記コアロボット玩具は、頭部と、胴部と、一対の腕部と、一対の脚部とを備えた人形ロボット玩具であり、
前記胴部の正面側に発光表示部が設けられており、
前記一つの外装部品は前記頭部を含み前記変位機構を介して前記ロボット玩具本体に連結された構造を有しており、
前記コアロボット玩具単体で使用されるときには、前記頭部が前記胴部の上に位置し、前記コアロボット玩具に前記複数の分割部品が装着される際には、前記頭部が前記胴部の背面側に位置して前記スイッチを露出させるように前記変位機構は構成され、
前記コアロボット玩具に前記複数の分割部品が装着される際に、前記一対の脚部が前記胴部の背面に沿って位置し得るように、前記一対の脚部が変形可能に構成され、
前記コアロボット玩具に前記複数の分割部品が装着された状態で、前記コアロボット玩具は前記スイッチが上方に位置する姿勢で前記大型ロボット玩具の胴部の一部を構成し、
前記大型ロボット玩具の頭部と前記操作部とを含む前記分割部品の内部には、前記コアロボット玩具に対して装着された状態で、前記スイッチを直接的に操作することを可能にする操作機構が内蔵されている請求項に記載の形態変形玩具。
【請求項5】
前記操作部を備えた前記分割部品は、複数の組立部品から構成されており、
前記複数の組立部品の内部には、前記操作機構が分割されて内蔵され、
前記操作機構は、前記操作部の直線的な動きを、方向を変えながら前記スイッチまで伝達する方向変換型の力伝達機構によって構成されている請求項2または4に記載の形態変形玩具。
【請求項6】
前記操作部は前記部の正面側から背面側に向かって押し込まれるスライド部材であり、前記方向変換型の力伝達機構は、前記スライド部材の直線的な動きを、前記ロボット玩具本体内の前記スイッチに向かう方向の直線的な動きに変換するように構成されている請求項5に記載の形態変形玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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