説明

形状が整った縁部を有するフランジを備えた構造部材及びその製造方法

【課題】形状が整った縁部を有するフランジを備えた構造部材を提供する。
【解決手段】構造部材10は、樹脂基材の中に埋め込まれた繊維材料の集合された層で構成され、積層された位置関係で配置された複数の前記層によって形成された少なくとも1つの積層部材17を備えている。構造部材10の積層部材17は、該積層部材17の基部19に対して所定の内角αで曲がるフランジ13を形成する形態に折り曲げられている。フランジ13の縁部13aは、積層部材17の凹形状側に傾斜面を形成している。該傾斜面において、積層部材17の凹形状側に近接したフランジ13の層は、該層の端部が、積層部材17の凸形状側に配置されたフランジ13の面15と実質的に同一レベルとなる形態で積層部材17の凸形状側に配置されたフランジ13の層に向かって折り曲げられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂基材の中に埋め込まれた繊維材料の集合された層で構成されるとともに、積層された位置関係で配置された複数の前記層によって形成された少なくとも1つの積層部材を備えている構造部材であって、該構造部材の積層部材が、該積層部材の基部に対して所定の内角で曲がるフランジを形成する形態に折り曲げられている構造部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
前記のタイプの構造部材は、とくに航空機工業の分野で、例えば横梁と称されている、複合材料の構造パネルのための補強部材として用いられている。
【0003】
従来、このような構造部材を製造するためには、該構造部材が備える必要があるフランジを作成するための加熱成形工程を必要とし、かつ複合材料で作成された構造部材を硬化ないしは固化させるための硬化工程を必要とする。
【0004】
加熱成形工程では、積層された層が互いに摺動させられ、これにより構造部材のフランジに望ましくない階段状の縁部を生じさせる。この階段状の縁部は、通常は、構造部材が硬化した後に実施される形状調整処理(トリミング処理)により除去され、これによりフランジの面に垂直に切断された縁部が形成される。あるいは、複数の層が前記の摺動の作用ないしは効果を補償するように配置され、これにより構造部品に形状調整(トリミング)を施すことなく成形工程の終了時に実質的に垂直な縁部を生成するようにしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このタイプのフランジの縁部は、その製造に複雑な処理を必要とし、「共結合(co-bonding)」と称されている処理により、構造部材が複合材料の部品、典型的には強化されるべきパネルとともに組み付けられるかどうかといった問題を生じさせる。この処理においては、予め硬化させられた構造部材(通常は横梁)は、構造用の接着剤層を介在させることにより、積層されてはいるが硬化させられていない他の部材に結合される。そして、この組立体は、オートクレーブ内において高温かつ高圧の状態で硬化サイクルに投入される。
【0006】
この処理時に、構造部材のフランジが、パネルの硬化していない材料中に沈み込み、とくにフランジの縁部に、構造的に容認できない繊維の歪み及び個々の層の歪みを生じさせるといった好ましくない現象が生じる傾向がある。
【0007】
それゆえ、本発明の1つの目的は、前記の不具合を少なくとも部分的に克服することができ、かつ、既知の解決手法に比べて、技術的な複雑さを低減しつつ低コストで製造することができる構造部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、本発明に係る、基本的にはフランジ(flange)の縁部(edge)が積層部材(laminated part)の凹形状側(concave side)に傾斜面(sloped surface)を形成し、該傾斜面において、積層部材の凹形状側に近接したフランジの層(plies)が、積層部材の凸形状側(convex side)に配置されたフランジの層に向かって折り曲げられているといった構成を備えた構造部材(structural member)によって達成される。
【0009】
本発明によって提案される解決手法によれば、フランジの縁部は、階段状の形状を有しない滑らかな(smooth)傾斜表面を備えているので、形状調整処理(trimming)を必要としない。このため、構造部材の製造工程における材料のコスト及び消費量を低減することができ、かつ、最終的な製品を製造するのに必要な時間を短縮することができる。
【0010】
さらに、本願発明者は、フランジの傾斜した縁部が共結合処理(co-bonding process)により生じる不具合を軽減するということを発見した。これは、硬化用バッグ(curing bag)を形成する材料のより良好な順応(adaptation)が可能となり、これにより構造部材のフランジの縁部との境界面(interface)で、積層されたパネル(laminated panels)のより良好な圧縮成形(compacting)が可能となるからである。
【0011】
本発明の好ましい実施態様は、一体的に本願明細書の一部を構成するものとみなされる従属請求項に記載されている。
【0012】
本発明はまた、樹脂基材(resin matrix)の中に埋め込まれた(embedded)繊維材料の集合された層(assembled plies of fibre material)で構成され、積層された位置関係(stacking relationship)で配置された複数の前記層によって形成された少なくとも1つの積層部材を備えている構造部材を製造する方法を提案する。この方法は、下記の各ステップを有している。
平面状の形態(planar configuration)の積層部材を配置するステップ。
積層部材と垂直な方向に配置されたカッターの刃でもって、積層部材の幅が、製作されるべき折り曲げ部材(folded part)の表面展開部(surface development)の幅と等しくなるように、積層部材を該積層部材の周囲に沿って形状調整(trimming)するステップ。
積層部材にマンドレル(mandrel)で成形加工(forming)を施し、構造部材の積層部材を、該積層部材の基部に対して所定の内角(inner angle)をなすフランジを形成するように折り曲げるステップ。
ここで、マンドレルは、積層部材の凹形状側におけるフランジの縁部に、相補的な傾斜表面(complementary sloped surface)を形成するための傾斜形成面(sloped forming surface)を有している。この傾斜形成面により、積層部材の凹形状側に近接したフランジの層が、積層部材の凸形状側に配置されたフランジの層に向かって折り曲げられる。
【0013】
本発明に係る構造部材のさらなる特徴及び利点は、添付の図面を参照しつつ行われる後記の本発明の実施形態の詳細な説明によりさらに明確となるであろう。なお、添付の図面は、単に胃本発明の純粋に非制限的な例を示すだけのものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る構造部材の模式的な断面図である。
【図2】図1に示す構造部材の製造工程における、ある1つの段階を模式的に示す図である。
【図3】本発明に係る構造部材のフランジの縁部を拡大して示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1及び図2において、参照番号10は、本発明に係る構造部材を示している。
【0016】
図1は、とくに、この図の紙面に対して垂直に伸びる直線状の軸又は曲線状の軸(curved axis)を有する直線状の部材(linear member)からなる構造部材の断面(cross section)を示している。構造部材10は、樹脂基材(resin matrix)の中に埋め込まれた繊維材料が集合されてなる一連の層(a series of assembled plies of fibre material)で構成されている。
【0017】
図1に示す実施例では、構造部材10は、パネル(panel)のためのT字状の断面をもつ補強用横梁(stiffening stringer)である。この横梁は、全体的には、ウェブ11(web)と、該ウェブ11の一端において該ウェブ11の互いに背向する側面からこれと垂直な方向に突出する1対のフランジ13とで構成されている。フランジ13は、とくに共結合法(co-bonding method)により、横梁をパネル(図示せず)に固定するように構成されている。外部の部品(external component)への横梁の固定は、各フランジ13の各外面15(outer face)で行われる。
【0018】
構造部材10は、樹脂基材の中に埋め込まれた繊維材料の複数の層で形成された少なくとも1つの積層部材17を備えている。これらの層(plies)は、積層された位置関係で配置されている。
【0019】
とくに、複合材料の層は、予め含浸された材料の層である。本発明においては、「予め含浸された材料(preimpregnated material)」との語は、従来と同様に、強化繊維(通常は炭素繊維又はガラス繊維)と、これらの強化繊維が埋め込まれている樹脂基材とを含む半完成の製品(semi-finished product)を意味する。強化繊維は、異なる形態で配置することができる。例えば、互いに単一の方向に向くように平行に配置された繊維を備えた均一方向性の層(unidirectional layer)の形態、あるいは繊維が互いに垂直な2つの方向に織り合わされた(inter woven)、緯糸・縦糸式(woof and warp)と称される「織物(textile)」の形態で配置することができる。予め含浸された材料は、一般に、テープ状(tape form)に作成され、リールに巻かれている。
【0020】
それゆえ、予め含浸された材料は、前もって積層部材17の製造に必要とされる形状及び寸法に切断される。
【0021】
構造部材10の積層部材17は、該積層部材17の基部19(base portion)に対して内角α(inner angle)をなすフランジ13を形成するような形態に折り曲げられる。とくに、積層部材17は、構造部材10の伸びる方向に平行な曲げ軸(bending axis)のまわりに折り曲げられる。その結果、積層部材17は、外見上、凹形状側(concave side)ないしは内側(inner side)を有する形状となる。ここで、フランジ13と基部19とは、これらの間に180°より小さい内角α、とくにはほぼ90°の内角αを挟む。また、積層部材17は、凸形状側(convex side)ないしは外側(outer side)を有する形状となる。ここで、フランジ13と基部19とは、これらの間に、360°に対する内角αの相補角(360° complement)、すなわち(360°−α)の外角を形成する。
【0022】
図1に示す実施例では、構造部材10又は横梁は、折り曲げられるとともに、それぞれの基部19で互いに結合された2つの積層部材17によって構成されている。ここで、両基部19は、互いに組み付けられて横梁のウェブ11を形成する。積層部材17の各フランジ13は、横梁のフランジを形成する。各基部19に対して各フランジ13によって形成される内角αは、実質的に直角に等しい。
【0023】
各フランジ13は、縁部13a(edge)を有している。ここで、縁部13aは、内角αと対向するフランジ13の側、すなわち各積層部材17の凹形状側に傾斜表面を形成している。この傾斜表面において、比較的内角αに近接しているフランジ13の複数の層、すなわち積層部材17の凹形状側に近接した複数の層は、内角αから最も離れているフランジ13の層に向かって、すなわち図3に示すように積層部材17の凸形状側で折り曲げられる。このようにして、フランジ13の層の端部は、内角αから離反するように対向しているフランジ13の面15(face)、すなわち積層部材13の凸形状側における外面と実質的に同一レベルとなる。とくに、積層部材17の凹形状側に最も近接したフランジ13の層は、フランジ13と平行な方向にみて、他のすべての層の縁部を全面的に覆うような形態で折り曲げられる。共結合構造(co-bending structure)においては、この形態(arrangement)は、個々の層の縁部が露出される場合と比較して、機械的な特性ないしは物性を高めることが証明されている。
【0024】
図2に示すように、前記の傾斜表面を備えた縁部は、以下で説明する方法により生成することができる。
【0025】
前記の構造部材10を製造する1つの方法においては、最初に、積層部材17が、平面状の形態に形成される。これは、従来既知の手法を用いて積層テーブル(図示せず)の上に複合材料の層を連続的に積層し、数値制御される機械でもって、平板状の積層部材17の周囲を形状調整することにより行われる。この機械は、積層部材17と垂直な方向に配置されたカッターの刃を備えている。ここで、平板状の積層部材17は、形成されるべき折り曲げ部(folded part)の平面の広がり幅(plane development)と同一の幅を有するように形状調整(トリミング)される。
【0026】
この後、積層部材17には加熱成形処理(hot forming process)が施される。ここで、積層部材17は、図2に示すように、成形マンドレルFMの上に配置される。従来の手法では、積層部材17は、成形バッグ(forming bag)又はその他の類似の装置により、積層部材17に熱を加えるとともに、この積層部材17をマンドレルFMに対して押圧することにより変形させられ、ないしは折り曲げられる。これにより、積層部材17は成形マンドレルの形状に対応又は順応する。図2に示す実施例では、マンドレルFMは互いに垂直な2つの面を有し、これらの面は丸められた角部(rounded corner)によって互いに結合されている。
【0027】
図2に示すように、マンドレルFMには、フランジ13の縁部13aに相補形状の傾斜表面(complementary sloped surface)を形成することができる傾斜形成面FSが設けられている。図2に示す実施例では、傾斜形成面FSは、マンドレルFMの成形面(forming face)の1つと隣接し、この成形面に対して傾斜している表面である。
【0028】
図2は、成形工程で折り曲げられる前における、平板状の形態の積層部材17を模式的に示している。また、その両端の層(terminal plies)のみをもって、成形工程終了後における積層部材17が折り曲げられた状態で示されている。平板状の形態の積層部材17における線OAは、この積層部材17の最も内側の層、換言すれば最終的な折り曲げ状態では積層部材17の凹形状側に配置されることになる層、すなわち内角αによって形成される空間部と直接対向する層を示している。線PBは、積層部材17の最も外側の層、換言すれば最終的な折り曲げ状態では積層部材17の凸形状側に配置されることになる層、すなわち内角αによって形成される空間部とは背向する層を示している。
【0029】
線OA’及び線PB’は、それぞれ、成形工程の終了時における、積層部材17の最も内側の層及び最も外側の層を示している。成形処理時における積層部材17の各層の相対的な摺動(sliding)と、これらの各層の最終的な厚さの結果として、層の自由端A’及び自由端B’は厳密には(rigidly)互いに移動しないが、両者間の距離が変化することによる移動は生じる(しかしながら、他方の端部O及び端部PはマンドレルFMに固定されたままである)。
【0030】
本発明によれば、最も内側の層の端部A’は、マンドレルFMの上に形成された傾斜形成面FSによって強制力が加えられ(forced)、積層部材17の凸形状側に向かって摺動する(slide)。これにより、層OA’の縁部(edge portion)は、層PB’に向かって折り曲げられる結果となる。中間の層においても、同様ないしは類似の現象が生じ、折り曲げられた縁部の伸び(extension)は、各中間の層の層PB’からの距離に応じて漸次に減少する。成形バッグ(又は類似の装置)の動作(action)及び傾斜形成面FSの仕様及び位置決めを適切に行うことにより、層PB’は、その縁部での変形はさほど生じない。かくして、各層の不可避な相対的な摺動を利用することにより、遠位端側に向かってフランジ13の厚さが減少する傾斜した縁部が形成される。
【0031】
構造部材10を製造する工程においては、その縁部が前記の方法によって作成される積層部材17を、複合材料から製作される他の部品と組み合わせて最終的な構造部材10を形成することができる。例えば、図1に示す実施例に係る横梁の場合のように、もう1つの同一の構造部材を互いに組み合わせるなどして、最終的な構造部材を形成することができる。
【0032】
積層部材17の樹脂が熱硬化性樹脂である場合、構造部材10、ひいてはフランジ13の傾斜した縁部は、オートクレーブ(autoclave)による従来の硬化工程により硬化させられる。
【0033】
積層部材17の樹脂が熱可塑性樹脂である場合、積層部材17のフランジ13の縁部は、成形工程の後に積層部材17を単純に冷却することにより硬化させることができる。
【0034】
縁部の傾斜した表面は層OA’の一部により形成されるので、フランジ13の縁部には望ましくない階段状の部分(stepping)が生じない。
【0035】
本願発明者はまた、傾斜した縁部が存在することにより、構造部材10が取り付けられる複合材料のパネルにおいて、構造部材10を共結合処理(co-bonding procedure)により取り付けるときには、変形を低減することができるということを発見した。
【0036】
層OA’がすべての傾斜表面を覆うことができる縁部の傾斜表面の傾斜角は、複合材料の層の厚さ及び数に(さらには、内角αにも)依存する。
【0037】
しかしながら、本願発明者は、航空機工業で一般に用いられる、L字型に折り曲げられた積層部材17のための層については、フランジ13の縁部の傾斜表面が、積層部材17の凸形状側の外面15(フランジ面)に対して、30°<β<40°の範囲内の角度βをなすのが好ましく、とくにβがおおむね32°であるのが好ましいということを見いだした。この場合、層OA’は、折れ曲がった縁部を有する傾斜縁部を備えることになる。ここで、折れ曲がった縁部は、端部A’がマンドレルの傾斜形成面FSの外側の角部の近傍に位置するように伸びる。
【0038】
角度βの値を適切に選択することにより、硬化サイクル(curing cycle)の実施時において、真空バッグ(vacuum bag)の種々の部品材料を同時に満足のいくように用いることが可能となる。これにより、構造部材10のフランジ13の縁部との境界部(interface)におけるパネルの不具合(defects)の発生数を低減することができる。なお、このような不具合は、典型的には、横梁が予め硬化させられる一方パネルは硬化させられない共結合工程(co-bonding process)で生じるものである。
【符号の説明】
【0039】
FM マンドレル、FS 傾斜形成面、10 構造部材、11 ウェブ、13 フランジ、15 外面(フランジ面)、17 積層部材、19 基部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂基材の中に埋め込まれた繊維材料の集合された層で構成され、積層された位置関係で配置された複数の前記層によって形成された少なくとも1つの積層部材(17)を備えている構造部材(10)であって、
該構造部材(10)の前記積層部材(17)は、該積層部材(17)の基部(19)に対して所定の内角(α)で曲がるフランジ(13)を形成する形態に折り曲げられ、
前記フランジ(13)の縁部(13a)は、前記積層部材(17)の凹形状側に傾斜面を形成し、該傾斜面において、前記積層部材(17)の凹形状側に近接した前記フランジ(13)の層は、前記積層部材(17)の凸形状側に配置された前記フランジ(13)の層に向かって折り曲げられていることを特徴とする構造部材。
【請求項2】
前記積層部材(17)の凹形状側に近接した前記フランジ(13)の層は、該層の端部が、前記積層部材(17)の凸形状側に配置された前記フランジ(13)の面(15)と実質的に同一レベルとなる形態で折り曲げられていることを特徴とする、請求項1に記載の構造部材。
【請求項3】
前記積層部材(17)の凹形状側に近接した前記フランジ(13)の層は、前記フランジ(13)と平行な方向にみて、他の全ての層の縁部を全面的に覆うような形態で折り曲げられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の構造部材。
【請求項4】
前記内角(α)は実質的に直角であり、前記傾斜面は、前記積層部材(17)の凸形状側における前記フランジ(13)の前記面(15)に対して、30°<β<40°の範囲内の所定の角度βをなすことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1つに記載の構造部材。
【請求項5】
該構造部材が直線状の部材であり、前記積層部材が、前記直線状の部材の伸びる方向と平行な折り曲げ軸のまわりに折り曲げられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1つに記載の構造部材。
【請求項6】
樹脂基材の中に埋め込まれた繊維材料の集合された層で構成され、積層された位置関係で配置された複数の前記層によって形成された少なくとも1つの積層部材(17)を備えている構造部材(10)を製造する方法であって、
平面状の形態の積層部材を準備するステップと、
前記積層部材と垂直な方向に配置されたカッターの刃でもって、前記積層部材の幅が、製作されるべき折り曲げ部の表面の幅と等しくなるように、前記積層部材を該積層部材の周囲に沿って形状調整するステップと、
前記積層部材にマンドレル(FM)で成形加工を施し、前記構造部材(10)の前記積層部材(17)を、該積層部材(17)の基部(19)に対して所定の内角(α)をなすフランジ(13)を形成するように折り曲げるステップとを有していて、
前記マンドレルは、前記積層部材(17)の凹形状側における前記フランジ(13)の縁部(13a)に傾斜した表面を形成するための、前記傾斜に対応する傾斜を伴った傾斜形成面(FS)を有していて、
前記傾斜形成面により、前記積層部材(17)の凹形状側に近接した前記フランジ(13)の層を、前記積層部材(17)の凸形状側に配置された前記フランジ(13)の層に向かって折り曲げることを特徴とする方法。
【請求項7】
前記積層部材(17)の凹形状側に近接した前記フランジ(13)の層は、該層の端部が、前記積層部材(17)の凸形状側に配置された前記フランジ(13)の面(15)と実質的に同一レベルとなる形態に折り曲げられることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記積層部材(17)の凹形状側に近接した前記フランジ(13)の層は、前記フランジ(13)と平行な方向にみて、他の全ての層の縁部を全面的に覆う形態に折り曲げられることを特徴とする、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記内角(α)は実質的に直角であり、前記傾斜面は、前記積層部材(17)の凸形状側における前記フランジ(13)の前記面(15)に対して、30°<β<40°の範囲内の所定の角度βをなすことを特徴とする、請求項6〜8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
前記構造部材が直線状の部材であり、前記積層部が、前記直線状の部材の伸びる方向と平行な折り曲げ軸のまわりに折り曲げられることを特徴とする、請求項6〜9のいずれか1つに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−236415(P2012−236415A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−109122(P2012−109122)
【出願日】平成24年5月11日(2012.5.11)
【出願人】(503056137)アレニア・アエルマッキ・ソシエタ・ペル・アチオニ (8)
【氏名又は名称原語表記】ALENIA AERMACCHI S.p.A.
【Fターム(参考)】