説明

形状保持性成形体の製造方法

【課題】 本発明は、成形体全体が容易に屈曲でき且つ屈曲後はその形状を保持でき機械的強度が優れたポリオレフィン系樹脂よりなる形状保持性成形体の製造方法を提供する。
【解決手段】 180度及び90度に折曲げて1分間保持した後解放し、解放後5分経過した時の折曲げ戻り角度θが共に20度以下である形状保持性を有する延伸ポリオレフィン系樹脂シートの少なくとも一面にホットメルト型接着剤層が積層されてなる積層シートを経糸及び緯糸として織成した織物をプレス成形することを特徴とする形状保持性成形体の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、形状保持性成形体の製造方法、特に異型形状保持性成形体を製造するのに適した方法に関する。
【背景技術】
【0002】
延伸ポリオレフィン系樹脂シートよりなる形状保持性シートは、容易に屈曲でき且つその形状に保持できるので、袋の開口部、エプロンのポケット(例えば、特許文献1参照。)、帽子(例えば、特許文献2参照。)、身体固定具用芯材(例えば、特許文献3参照。)等の用途に使用することが提案されている。
【特許文献1】特許第3779421号公報
【特許文献2】特開平11−93012号公報
【特許文献3】特開2004−57509号公報
【0003】
しかしながら、上記用途で使用されている形状保持性シートは線状体又はテープ状体であって、製品の一部分として使用されているにすぎず、製品全体が形状保持性シートからなる成形体はしられていない。
【0004】
一方、合成樹脂フィルムや合成樹脂シートから容器等の異型成形体を製造するには一般にプレス成形法、真空成形法等が採用されているが、上記形状保持性シートはポリオレフィン系樹脂シートを延伸することにより製造されているので、プレス成形法や真空成形法では成形が困難であり、無理に成形するには高温で加熱しなければならず、高温で加熱すると延伸が緩和され形状保持性が低下するという欠点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、成形体全体が容易に屈曲でき且つ屈曲後はその形状を保持でき機械的強度が優れたポリオレフィン系樹脂よりなる形状保持性成形体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の形状保持性成形体の製造方法は、180度及び90度に折曲げて1分間保持した後解放し、解放後5分経過した時の折曲げ戻り角度θが共に20度以下である形状保持性を有する延伸ポリオレフィン系樹脂シートの少なくとも一面にホットメルト型接着剤層が積層されてなる積層シートを経糸及び緯糸として織成した織物をプレス成形することを特徴とする形状保持性成形体の製造方法。
【0007】
上記延伸ポリオレフィン系樹脂シートは、180度及び90度に折曲げて1分間保持した後解放し、解放後5分経過した時の折曲げ戻り角度θが共に20度以下である形状保持性を有するシートである。
【0008】
上記延伸ポリオレフィン系樹脂シートは形状保持性を有しているが、形状保持性は、延伸ポリオレフィン系樹脂シートを180度及び90度に折曲げて1分間保持した後解放し、解放後5分経過した時の折曲げ戻り角度θが共に20度以下であり、好ましくは180度折曲げ戻り角度θが20度以下で且つ90度折曲げ戻り角度θが20度未満、更に好ましくは180度折曲げ戻り角度θが20度以下で且つ90度折曲げ戻り角度θが15度以下である。180度及び90度折曲げ時の折曲げ戻り角度θのいずれか一方、特に180度折曲げ戻り角度θが20度を越えると、充分な形状保持性が得られないことがある。
【0009】
上記延伸ポリオレフィン系樹脂シートを構成するポリオレフィン系樹脂としては、フィルム形成能を有する任意のオレフィン系樹脂が使用でき、例えば、高密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、線状低密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ペンテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体、エチレン―酢酸ビニル共重合体、エチレン―(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン―塩化ビニル共重合体、エチレン―プロピレン―ブテン共重合体等が挙げられ、高密度ポリエチレン樹脂が好適に使用される。
【0010】
上記ポリオレフィン系樹脂の重量平均分子量は、重量平均分子量が10万未満の場合には、脆くなり、延伸性が低下したり、十分な機械的強度又は耐クリープ性を有する延伸ポリオレフィン系樹脂シートを得ることができにくくなり、逆に、50万を超えると、溶融粘度が高くなり、熱溶融成形加工性が低下し、均一なシートが得られにくくなるので10万〜50万が好ましい。尚、本発明において、重量平均分子量はゲルパーミェーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定された値である。
【0011】
又、上記ポリオレフィン系樹脂のメルトインデックス(以下、MI)はフィルム成形性が優れている0.1〜20(g/10分)が好ましく、より好ましくは0.2〜10(g/10分)である。尚、MIとは、JIS K 7210に規定されている熱可塑性樹脂の溶融粘度を表す指標である。更に、高密度ポリエチレン樹脂の場合は、密度は小さくなると延伸しても機械的強度が向上しなくなるので、0.94g/cm3 以上が好ましい。
【0012】
上記延伸ポリオレフィン系樹脂シートとしては、重量平均分子量が10万〜50万のポリオレフィン系樹脂シートが延伸倍率5倍以上に一軸延伸された形状保持性を有する延伸ポリオレフィン系樹脂シートが好ましい。
【0013】
この場合は、ポリオレフィン系樹脂としては極限粘度[η]3.5dl/g未満の高密度ポリエチレン樹脂が好ましく、ガラス繊維、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカアルミナ、酸化チタン、酸化カルシウム、珪酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭素繊維、カーボンブラック等の無機機充填材を添加するのが好ましい。
【0014】
延伸前のポリオレフィン系樹脂シートの厚みは特に限定されるものではないが、厚過ぎると、延伸が困難になるし、逆に、薄過ぎると、延伸後のポリオレフィン系樹脂シートの厚みが薄くなり過ぎ、形状保持性が低下するので、0.2〜15mmが望ましい。
【0015】
延伸倍率は5倍以上であって、延伸された延伸ポリオレフィン系樹脂シートが形状保持性を有していればよいが、10〜40倍が好ましい。又、延伸方法は、従来公知の任意の方法が採用されればよく、例えば、ロール一軸延伸法、ゾーン一軸延伸法等の一軸延伸法により、ヒータや熱風により加熱しながら延伸する方法が挙げられる。
【0016】
一軸延伸する際に10〜40倍と高度に延伸する場合は、一軸延伸を複数回繰り返す多段一軸延伸する方法が好ましい。多段一軸延伸を行う場合の延伸回数は2〜20回が好ましく、より好ましくは3〜15回、更に好ましくは4〜10回である。
【0017】
又、ロール一軸延伸法により多段延伸を行う場合には、繰出ピンチロール、引取ピンチロール及びこれらのロール間に一定速度で回転する少なくとも1つの、好ましくは複数の接触ロールを設置することが望ましい。このような接触ロールを設置することにより、均一延伸性が高められ、安定な延伸成形を行うことができる。
【0018】
上記接触ロールは、ピンチされることなく、ポリオレフィン系樹脂シートに摩擦力を与えることにより一軸延伸を行う。又、接触ロールは繰出ロール及び/又は引取ロールに対し、ギア、チェーン、プーリー、ベルト若しくはこれらの組み合わせからなる連結部材により連結されていてもよい。
【0019】
一軸延伸温度は、低くなると均一に延伸できず、高くなるとシートが溶融切断するので、延伸するポリオレフィン系樹脂シートのポリオレフィン系樹脂の「融点−60℃」〜融点の範囲が好ましく、より好ましくは、ポリオレフィン系樹脂の「融点−50℃」〜「融点−5℃」である。
【0020】
上記延伸ポリオレフィン系樹脂シートの寸法安定性を向上させるために、延伸ポリオレフィン系樹脂シートはポリオレフィン系樹脂の「融点−60℃」〜融点の温度でアニールされてもよい。
【0021】
アニール温度は、低くなると寸法安定性が向上せず、長時間使用するとそりが発生し、高くなるとポリオレフィン系樹脂が溶解して配向が消滅し引張弾性率、引張強度等が低下するので、ポリオレフィン系樹脂の「融点−60℃」〜融点の温度でアニールされるのが好ましい。
【0022】
アニールとは生産ライン中で熱処理を行うことであり、アニールする際に、延伸ポリオレフィン系樹脂シートに大きな張力がかかっていると延伸され、張力がかかっていないか、非常に小さい状態では収縮するので、延伸ポリオレフィン系樹脂シートの延伸方向の長さが実質的に変化しないようにした状態で行われることが好ましく、延伸ポリオレフィン系樹脂シートに圧力もかかっていないのが好ましい。即ち、アニールされた延伸ポリオレフィン系樹脂シートの長さが、アニール前の延伸ポリオレフィン系樹脂シートの長さの1.0以下になるようにアニールされるのが好ましい。
【0023】
従って、延伸ポリオレフィン系樹脂シートをピンチロール等のロールで加熱室内を移動しながら連続的にアニールする場合は、入口側と出口側のポリオレフィン系樹脂シートの送り速度比を1.0以下になるように設定してアニールするのが好ましい。
【0024】
アニールする際の加熱方法は、特に限定されるものではなく、例えば、熱風、ヒータ、加熱板、温水等で加熱する方法があげられる。アニールする時間は、特に限定されず、延伸されたポリオレフィン系樹脂シートの厚さやアニール温度により異なるが、一般に10秒以上が好ましく、より好ましくは30秒〜60分であり、更に好ましくは1〜20分である。
【0025】
又、異なる好ましい延伸ポリオレフィン系樹脂シートとして、重量平均分子量が10万〜50万のポリオレフィン系樹脂シートが圧延倍率5倍以上に圧延された後、総延伸倍率が10〜40倍に一軸延伸された延伸ポリオレフィン系樹脂シートが挙げられる。
【0026】
上記圧延前のポリオレフィン系樹脂シートの厚みは特に限定されるものではないが、厚過ぎると、延伸が困難になるし、圧延工程において、ポリオレフィン系樹脂シートを圧延ロールで押しつぶすのに大きな加圧力や引取力が必要となり、圧延ロールの撓みなどにより幅方向に均一な圧延が困難となることがある、逆に、薄過ぎると、圧延後のポリオレフィン系樹脂シートの厚みが薄くなり過ぎ、均一な圧延が困難となるだけでなく、圧延ロール同士が接触して圧延ロールの寿命が短くなることがあるので、0.2〜15mmが望ましい。
【0027】
上記ポリオレフィン系樹脂シートは、先ず、最初に圧延倍率5倍以上に圧延されるが、圧延温度は、低くなると均一に圧延できず、高くなると溶融切断するので、圧延する際のロール温度は、圧延するポリオレフィン系樹脂シートのオレフィン系樹脂の「融点−40℃」〜融点の範囲が好ましく、より好ましくは、オレフィン系樹脂の「融点−30℃」〜「融点−5℃」である。尚、本発明において、融点とは示差走査型熱量測定機(DSC)で熱分析を行った際に認められる、結晶の融解に伴う吸熱ピークの最大点をいう。
【0028】
圧延ロールによりポリオレフィン系樹脂シートに負荷される加圧力(線圧)が小さ過ぎると所定の圧延倍率を得ることが出来なくなることがあり、逆に大き過ぎると圧延ロールの撓みが生じるだけでなく、圧延ロールと原反シートとの間ですべりが生じ易くなり、均一な圧延が困難となることがあるので加圧力は、100MPa〜3000MPaが好ましく、より好ましくは、300MPa〜1000MPaである。
【0029】
上記圧延倍率は、圧延倍率が5倍未満の場合には、後で行われる一軸延伸時のネッキングを抑制する効果が得られなかったり、高倍率一軸延伸を行うことができなかったり、一軸延伸工程に負担がかかることになるので、5倍以上であり、好ましくは7倍以上である。圧延倍率に特に上限はないが、圧延倍率が高いほど圧延設備に負荷がかかるので10倍以下が好ましい。
【0030】
尚、圧延倍率は(ポリオレフィン系樹脂シートの断面積)/(圧延後ポリオレフィン系樹脂シートの断面積)で定義されるが、圧延の前後においてポリオレフィン系樹脂シートの幅は殆ど変化しないので、(ポリオレフィン系樹脂シートの厚み)/(圧延後のポリオレフィン系樹脂シートの厚み)であってもよい。
【0031】
圧延されたポリオレフィン系樹脂シートは、次に、総延伸倍率が10〜40倍に一軸延伸される。一軸延伸方法は、特に限定されず、前述の一軸延伸方法が採用されればよい。 又、一軸延伸倍率は、総延伸倍率が10〜40倍であるから、圧延倍率を考慮し、総延伸倍率がこの範囲にはいるように決定すればよいが、一軸延伸が少ないと機械的強度が向上しないので、1.3倍以上が好ましく、より好ましくは1.5倍以上であり、更に好ましくは1.8倍以上である。又、上限は特に限定されるものではないが、4倍以下が好ましく、より好ましくは3.5倍以下である。尚、総延伸倍率は圧延倍率と一軸延伸倍率を乗じた数値である。
【0032】
又、更に異なる好ましい延伸ポリオレフィン系樹脂シートとして、重量平均分子量が10万〜50万のポリオレフィン系樹脂シートが圧延倍率5倍以上に圧延された延伸ポリオレフィン系樹脂シートが挙げられる。
【0033】
即ち、圧延のみで一軸延伸をしなくても、180度及び90度に折曲げて1分間保持した後解放し、解放後5分経過した時の折曲げ戻り角度θが共に20度以下である形状保持性を有する延伸ポリオレフィン系樹脂シートも好適に使用できる。
【0034】
上記圧延工程を含む延伸方法で延伸された延伸ポリオレフィン系樹脂シートも寸法安定性を向上させるために、延伸ポリオレフィン系樹脂シートはポリオレフィン系樹脂の「融点−60℃」〜融点であって、圧延温度以下の温度でアニールされてもよい。
【0035】
アニール温度は、低くなると寸法安定性が向上せず、長時間使用するとそりが発生し、高くなるとポリオレフィン系樹脂が溶解して配向が消滅し引張弾性率、引張強度等が低下するので、ポリオレフィン系樹脂の「融点−60℃」〜融点であって、圧延温度以下の温度でアニールされるのが好ましい。その他のアニール方法は前述の通りである。
【0036】
アニールされた延伸ポリオレフィン系樹脂シートは、更に、40℃〜ポリオレフィン系樹脂の融点の温度範囲でエージングされてもよい。エージングすることによりアニールされたポリオレフィン系樹脂シートの寸法安定性はより優れたものとなる。
【0037】
エージングとは、生産ライン中連続で処理するものではなく、延伸ポリオレフィン系樹脂シートをカット巻回等の一度加工した、枚葉物、巻物等の熱処理を、比較的長い時間(分、時間単位)じっくり寝かせて熱処理することを意味する。
【0038】
エージング温度は、低くなると常温で放置するのと同様になり、高くなると熱変形するので40℃〜ポリオレフィン系樹脂の融点の温度範囲であり、エージング時間は短時間では効果がなく、長時間しすぎても効果が増大することはないので12時間〜7日が好ましい。
【0039】
延伸ポリオレフィン系樹脂シートの厚みは特に限定されるものではないが、薄くなると形状保持性が低下し、厚くなると変形しにくくなるので0.04〜2mmが好ましい。
【0040】
上記積層シートは、上記延伸ポリオレフィン系樹脂シートの少なくとも一面にホットメルト型接着剤層が積層されてなるが、プレス成形により経糸と緯糸をより強固に接着するためには延伸ポリオレフィン系樹脂シートの両面にホットメルト型接着剤層が積層されているのが好ましい。
【0041】
上記ホットメルト型接着剤としては、従来公知の任意のホットメルト型接着剤が使用可能であるが、延伸ポリオレフィン系樹脂シートをプレス成形するのであるから、延伸ポリオレフィン系樹脂シートを構成するポリオレフィン系樹の溶融温度より低い溶融温度のポリオレフィン系樹脂が好ましく、線状低密度ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が好ましい。
【0042】
ホットメルト型接着剤層を延伸ポリオレフィン系樹脂シートに積層する方法は従来公知の任意の方法が採用されればよく、例えば、延伸ポリオレフィン系樹脂シートにホットメルト型着剤を溶融押出して積層する方法等があげられる。
【0043】
又、ホットメルト型接着剤層の厚さは特に限定されるものではないが、薄くなりすぎると接着しにくくなり、厚すぎると延伸ポリオレフィン系樹脂シートの形状保持性が低下するので、一般に5〜150μmであり、好ましくは20〜80μmである。
【0044】
尚、ホットメルト型着剤層を延伸ポリオレフィン系樹脂シートに積層した場合も、延伸ポリオレフィン系樹脂シートとホットメルト型着剤層の積層シートを180度及び90度に折曲げて1分間保持した後解放し、解放後5分経過した時の折曲げ戻り角度θが共に20度以下である形状保持性を有するのが好ましい。
【0045】
上記織物は上記積層シートを経糸及び緯糸として織成した織物である。経糸及び緯糸の幅は特に限定されるものではないが、広くなると織成しにくくなりシートとかわらなくなり、異型成形しにくくなるので2〜200mmが好ましく、より好ましくは3〜100mmである。又、織成方法としては、従来公知の任意の方法が採用可能であり、例えば、平織、綾織、朱子織等があげられ、積層シートを織成するのであるから平織が好ましい。
【0046】
経糸である積層シートの延伸ポリオレフィン系樹脂シートと緯糸である積層シートの延伸ポリオレフィン系樹脂シートは共に長さ方向に延伸されているのが好ましく、こうすることにより経糸と緯糸の延伸方向は直交することになり、従って有する形状保持性の方向も直交することになり、任意の方向に折り曲げて形状保持することができるようになる。
【0047】
織成された織物は、保存中やプレス成形する際に解繊されないようにお互いに接する経糸である積層シートと緯糸である積層シートが接着されてもよい。接着する方法は従来公知の任意の方法が採用可能であり、例えば、接着剤で接着する方法、熱融着する方法等があげられる。
【0048】
上記形状保持性成形体の製造方法においては、上記織成された織物をプレス成形する。プレス成形方法は、従来公知の任意のプレス成形方法が採用されてよく、例えば、熱間プレス成形方法、冷間プレス成形方法等があげられる。しかし、延伸ポリオレフィン系樹脂シートが高温で加熱されると延伸が緩和され形状保持性が低下するので、ホットメルト型接着剤層は溶融するが延伸ポリオレフィン系樹脂シートは溶融しないように加熱した後、常温で冷間プレス成形するのが好ましい。
【0049】
即ち、織成された織物をプレス成形することにより経糸及び緯糸のホットメルト型接着剤層を接着して成形体を製造する。織物は経糸と緯糸が織成されているのでプレスすることにより容易に変形し、平らなシート状物のみならず、皿状、容器状、樋状等の異型成形体を容易に成形することができる。
【0050】
又、プレス圧力が小さいと経糸と緯糸の間の空間が残り通気性を有するシート状物又は異型成形体が得られるが、プレス圧力を大きくすると経糸と緯糸の接着剤層が均一に融着して経糸と緯糸の間の空間が密閉され通気性のないシート状物又は異型成形体が得られる。
【0051】
請求項5記載の形状保持性成形体の製造方法は、請求項1記載の延伸ポリオレフィン系樹脂シートが複数層積層されてなる積層延伸ポリオレフィン系樹脂シートの少なくとも一面にホットメルト型接着剤層が積層されてなる積層シートを経糸及び緯糸として織成した織物をプレス成形することを特徴とする。
【0052】
上記積層延伸ポリオレフィン系樹脂シートは、請求項1記載の延伸ポリオレフィン系樹脂シートが複数層積層されてなる。積層されている各延伸ポリオレフィン系樹脂シートの延伸方向は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0053】
延伸方向が異なる延伸ポリオレフィン系樹脂シートが複数層積層された積層延伸ポリオレフィン系樹脂シートとしては、例えば、延伸方向が直交するように2枚の延伸ポリオレフィン系樹脂シートが積層された積層延伸ポリオレフィン系樹脂シート、延伸方向を60度づつずらして3枚の延伸ポリオレフィン系樹脂シートが積層された積層延伸ポリオレフィン系樹脂シート、延伸方向を45度づつずらして4枚の延伸ポリオレフィン系樹脂シートが積層された積層延伸ポリオレフィン系樹脂シート等があげられる。
【0054】
延伸方向が異なる2枚以上の延伸ポリオレフィン系樹脂シートが接着されていると任意の方向への形状保持性が向上し、一方の延伸ポリオレフィン系樹脂シートの延伸方向と屈曲方向が同一であっても延伸ポリオレフィン系樹脂シートが割れにくくなる。
【0055】
延伸ポリオレフィン系樹脂シートを積層する方法は、従来公知の任意の方法が採用されてよく、例えば、接着剤で接着する方法、熱融着する方法等があげられる。又、請求項1に記載の積層シートを熱融着して積層してもよい。
【0056】
積層延伸ポリオレフィン系樹脂シートの厚みは特に限定されるものではないが、薄くなると形状保持性が低下し、厚くなると変形しにくくなるので積層延伸ポリオレフィン系樹脂シートの厚みは0.04〜2mmが好ましい。
【0057】
上記積層シートは、積層延伸ポリオレフィン系樹脂シートの少なくとも一面にホットメルト型接着剤層が積層されてなるが、ホットメルト型接着剤層の種類、厚さ、積層方法等は請求項1の記載と同一である。
【0058】
尚、積層延伸ポリオレフィン系樹脂シート及びその積層シートは180度及び90度に折曲げて1分間保持した後解放し、解放後5分経過した時の折曲げ戻り角度θが共に20度以下である形状保持性を有するのが好ましい。
【0059】
上記織物は、上記積層シートを経糸及び緯糸として織成してなる織物である。経糸及び緯糸の幅は特に限定されるものではないが、広くなると織成しにくくなりシートとかわらなくなり、異型成形しにくくなるので2〜200mmが好ましく、より好ましくは3〜100mmである。又、織成方法としては、従来公知の任意の方法が採用可能であり、例えば、平織、綾織、朱子織等があげられ、積層シートを織成するのであるから平織が好ましい。
【0060】
上記積層延伸ポリオレフィン系樹脂シートが、延伸方向が同一になるように複数の延伸ポリオレフィン系樹脂シートが積層されてなる場合は、経糸である積層シートの積層延伸ポリオレフィン系樹脂シートと緯糸である積層シートの積層延伸ポリオレフィン系樹脂シートは共に長さ方向に延伸されているのが好ましく、こうすることにより経糸と緯糸の延伸方向は直交することになり、従って有する形状保持性の方向も直交することになり、任意の方向に折り曲げて形状保持することができるようになる。
【0061】
尚、積層延伸ポリオレフィン系樹脂シートを構成する複数の延伸ポリオレフィン系樹脂シートが延伸方向が同一になるように積層されている積層シートと、積層延伸ポリオレフィン系樹脂シートを構成する複数の延伸ポリオレフィン系樹脂シートが延伸方向が異なるように積層された積層シートを経糸及び緯糸として使用してもよい。
【0062】
更に、上記積層延伸ポリオレフィン系樹脂シートを構成する複数の延伸ポリオレフィン系樹脂シートが延伸方向が同一になるように積層されている積層シート又は積層延伸ポリオレフィン系樹脂シートを構成する複数の延伸ポリオレフィン系樹脂シートが延伸方向が異なるように積層された積層シートと請求項1記載の積層シートを経糸及び緯糸として使用してもよい。
【0063】
織成された織物は、保存中やプレス成形する際に解繊されないようにお互いに接する経糸である積層シートと緯糸である積層シートが接着されてもよい。接着する方法は従来公知の任意の方法が採用可能であり、例えば、接着剤で接着する方法、熱融着する方法等があげられる。
【0064】
上記形状保持性成形体の製造方法においては、上記織成された織物をプレス成形するが、プレス成形は請求項1の記載と同一である。
【0065】
請求項6記載の形状保持性成形体の製造方法は、発泡倍率が1.2〜5倍の低発泡合成樹脂シ−トの両面に、請求項1記載の延伸ポリオレフィン系樹脂シートが積層されてなる積層低発泡樹脂シートの少なくとも一面にホットメルト型接着剤層が積層されてなる積層シートを経糸及び緯糸として織成した織物をプレス成形することを特徴とする。
【0066】
上記低発泡合成樹脂シ−トを構成する合成樹脂としては、発泡しうる合成樹脂であればよく、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂等があげられるが、延伸ポリオレフィン系樹脂シートと積層した際に形状保持性が低下したり、曲げにくくならない合成樹脂が好ましく、延伸ポリオレフィン系樹脂シートを構成するポリオレフィン系樹脂と同一のポリオレフィン系樹脂が好ましい。
【0067】
上記低発泡合成樹脂シ−トの発泡倍率は、小さくなると硬く曲げにくくなり、大きくなると形状保持性が低下するので1.2〜5倍であり、好ましくは1.3〜2倍である。又、低発泡合成樹脂シ−トの厚さは、特に限定されるものではないが、薄くなるとポリオレフィン系樹脂織成シートに厚み性やクッション性を付与することできず、厚くなると形状保持性が低下するので0.5〜5mmが好ましい。
【0068】
上記低発泡合成樹脂シ−トは、低発泡合成樹脂層の両面に未発泡合成樹脂層が積層された積層発泡シートでもよい。この低発泡合成樹脂シ−トの発泡倍率は、低発泡合成樹脂シ−ト全体として1.2〜5倍であり、好ましくは1.3〜2倍である。又、厚さは低発泡合成樹脂シ−ト全体として0.5〜5mmが好ましい。
【0069】
上記低発泡合成樹脂シ−トの製造方法は、従来公知の任意の方法が採用されてよく、例えば、合成樹脂と化学分解型発泡剤、物理型発泡剤等の発泡剤との混合物を押出発泡することにより製造される。
【0070】
又、上記積層発泡シートの製造方法も、従来公知の任意の方法が採用されてよく、例えば、合成樹脂と化学分解型発泡剤、物理型発泡剤等の発泡剤との混合物を押出発泡すると共にその両面に未発泡合成樹脂層を共押出することにより製造される。
【0071】
低発泡合成樹脂シ−トの両面に延伸ポリオレフィン系樹脂シートを積層する方法は、従来公知の任意の方法が採用されてよく、例えば、接着剤で接着する方法、熱融着する方法があげられる。特に、延伸ポリオレフィン系樹脂シートにホットメルト型接着剤層が積層されている場合は熱融着するのが好ましい。
【0072】
低発泡合成樹脂シ−トの両面に延伸ポリオレフィン系樹脂シートをそれぞれ1層積層する場合は、両面の延伸ポリオレフィン系樹脂シートの延伸方向が90度異なっていると屈曲する際に、屈曲方向と延伸方向が同一の延伸ポリオレフィン系樹脂シートが割れやすくなり、形状保持性が低下するので、両面の延伸ポリオレフィン系樹脂シートの延伸方向は同一方向になるように積層されているのが好ましい。
【0073】
又、2枚以上の複数の延伸ポリオレフィン系樹脂シートを積層してもよく、この場合は前述の積層延伸ポリオレフィン系樹脂シートが好適に使用できる。
【0074】
上記積層シートは、低発泡合成樹脂シ−トの両面に、請求項1記載の延伸ポリオレフィン系樹脂シートが積層されてなる積層低発泡樹脂シートの少なくとも一面にホットメルト型接着剤層が積層されてなるが、ホットメルト型接着剤層の種類、厚さ、積層方法等は請求項1の記載と同一である。
【0075】
上記織物は、上記積層シートを経糸及び緯糸として織成してなる織物である。経糸及び緯糸の幅は特に限定されるものではないが、広くなると織成しにくくなりシートとかわらなくなり、異型成形しにくくなるので2〜200mmが好ましく、より好ましくは3〜100mmである。又、織成方法としては、従来公知の任意の方法が採用可能であり、例えば、平織、綾織、朱子織等があげられ、上記積層シートを織成するのであるから平織が好ましい。
【0076】
上記積層シートが、低発泡樹脂シートの両面に延伸方向が同一になるように延伸ポリオレフィン系樹脂シートが1層又は複数層積層されてなる場合は、経糸である積層シートに積層された延伸ポリオレフィン系樹脂シートと、緯糸である積層シートに積層された延伸ポリオレフィン系樹脂シートは共に長さ方向に延伸されているのが好ましく、こうすることにより経糸と緯糸の延伸方向は直交することになり、従って有する形状保持性の方向も直交することになり、任意の方向に折り曲げて形状保持することができるようになる。
【0077】
織成された織物は、保存中やプレス成形する際に解繊されないようにお互いに接する経糸である積層シートと緯糸である積層シートが接着されてもよい。接着する方法は従来公知の任意の方法が採用可能であり、例えば、接着剤で接着する方法、熱融着する方法等があげられる。
【0078】
上記形状保持性成形体の製造方法においては、上記織成された織物をプレス成形するが、プレス成形は請求項1の記載と同一である。
上記形状保持性成形体は、低発泡合成樹脂シ−トが積層されているので厚みがあり、重厚で高強度の異型成形体が得られる。
【発明の効果】
【0079】
本発明の形状保持性成形体の製造方法は上述の通りであり、形状保持性を有する延伸ポリオレフィン系樹脂シートの少なくとも一面にホットメルト型接着剤層が積層されてなる積層シートを経糸及び緯糸として織成した織物をプレス成形するのであるから、プレス成形により織物を容易に変形することができ、異型成形体を容易に成形することができる。
【0080】
又、延伸ポリオレフィン系樹脂シートは延伸方向と直角方向に容易に屈曲でき、屈曲した形状で優れた形状保持性を有し且つ機械的強度が高いので、得られた成形体は、容易に屈曲でき、屈曲した形状で優れた形状保持性を有し且つ機械的強度が高い。
【0081】
更に、低圧でプレス成形することにより通気性の成形体を得ることができ、高圧でプレス成形することにより通気性のない成形体を得ることができ、低発泡合成樹脂シ−トを積層することにより厚みがあり、重厚で高強度の成形体を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0082】
次に本発明の実施例を説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
重量平均分子量(Mw)33万、融点135℃の高密度ポリエチレン樹脂(日本ポリエチレン社製)を、同方向二軸混練押出機(プラスチック工学研究所製)に供給して樹脂温度200℃で溶融混練した後、溶融混練物をロール温度110℃に制御したカレンダー成形機にて、幅370mm、厚さ2.5mmにシート成形してポリエチレン樹脂シートを得た。
【0083】
得られたポリエチレン樹脂シートを125℃に加熱した圧延成形機(積水工機製作所製)を用いて圧延倍率9.5倍に圧延し、厚さ0.27mmの圧延ポリエチレン樹脂シートを得た。得られた圧延ポリエチレン樹脂シートを110℃に加熱された熱風加熱式の多段延伸装置(協和エンジニアリング製)にて1.82倍の多段延伸を行い、総延伸倍率18倍、幅280mm、厚さ0.19mmの延伸ポリエチレン樹脂シートを得た。
【0084】
得られた延伸ポリエチレン樹脂シートをピンチロールが設置され、125℃に設定されているライン長19.25mの熱風加熱槽に、入口速度2.75m/minで供給し、出口速度2.75m/minに設定して7分間1次アニールを行い、続いて同様にして2次アニールを行って、アニールされた延伸ポリエチレン樹脂シートを得、その後60℃の恒温槽に供給し、24時間エージングして、エージングされた延伸ポリエチレン樹脂シートを得た。
【0085】
得られた延伸ポリエチレン樹脂シートを幅1cm、長さ15cmに切断し、延伸ポリエチレン樹脂シートの延伸方向と直交するように180度及び90度に折曲げて1分間保持した後解放し、解放後5分経過時の折曲げ戻り角度θを測定したところ、4度及び7度であった。
【0086】
得られた延伸ポリエチレン樹脂シートの両面に、線状低密度ポリエチレン樹脂(融点121℃)を押出し、厚さ30μmの線状低密度ポリエチレン樹脂よりなるホットメルト型接着剤層を積層して厚さ0.24mmの積層シートを得た。得られた積層シートを幅1cm、長さ15cmに切断し、延伸ポリエチレン樹脂シートの延伸方向と直交するように180度及び90度に折曲げて1分間保持した後解放し、解放後5分経過時の折曲げ戻り角度θを測定したところ、4度〜7度であった。
【0087】
得られた積層シートを幅5mmに切断し、得られたテープ状の積層シートを経糸及び緯糸として平織りして、図1及び図2に示したように平織りされた織物を得た。
【0088】
図1は得られた織物を示す平面図であり、図2は図1におけるA−A断面図である。経糸1、1・・及び緯糸2、2・・は共に長さ方向に延伸されており、両者の延伸方向は直交している。得られた織物を図1のA−Aに沿って180度及び90度に折曲げて1分間保持した後解放し、解放後5分経過時の折曲げ戻り角度θを測定したところ、4度〜7度であった。
【0089】
得られた織物の表面のホットメルト型接着剤層を赤外線ヒータで100℃に加熱した後、図3に示した雄型5と雌型51よりなり、常温である金型に供給し、圧力150MPaで1分間冷間プレスして皿型の成形体を得た。金型の深さは40mmであり、傾斜部の幅は20mmであった。
【0090】
(実施例2)
実施例1で得られたホットメルト型接着剤層を有する延伸ポリエチレン樹脂シートを、延伸方向が同一になるように発泡倍率1.5倍、厚さ0.9mmの低発泡ポリエチレン樹脂シ−トの両面に熱融着し、図3に示した積層シートを得た。図3は得られた積層シートの断面図であり、低発泡ポリエチレン樹脂シ−ト3の両面に、両面にホットメルト型接着剤層を有する延伸ポリエチレン樹脂シート4、41が熱融着されている。
【0091】
低発泡ポリエチレン樹脂シ−ト3は、発泡倍率4倍、厚さ0.5mmの高密度ポリエチレン樹脂層の両面に厚さ0.2mmの未発泡線状低密度ポリエチレン樹脂層が共押出により積層されており、総発泡倍率が1.5倍、厚さが0.9mmであった。
【0092】
得られた積層シートを延伸ポリエチレン樹脂シート4、41の延伸方向と直交するように90度に折曲げて1分間保持した後解放し、解放後5分経過時の折曲げ戻り角度θを測定したところ、10度〜15度であった。
【0093】
得られた積層シートの表面を赤外線ヒータで120℃に加熱した後、図3に示した雄型5と雌型51よりなり、常温である金型に供給し、圧力150MPaで1分間冷間プレスして皿型の成形体を得た。金型の深さは40mmであり、傾斜部の幅は20mmであった。
【0094】
得られた皿型の成形体は金型に密着した形状であり、通気性はなかった。又、底部を幅1cm、長さ15cmに切断し、図1のA−Aに沿って90度に折曲げて1分間保持した後解放し、解放後5分経過時の折曲げ戻り角度θを測定したところ、10度〜15度であった。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明における織物の1例を示す平面図である。
【図2】図1におけるA−A断面図である。
【図3】実施例で使用した金型の断面図である。
【図4】実施例3における積層シートを示す断面図である。
【符号の説明】
【0096】
1 経糸
2 緯糸
3 低発泡ポリエチレン樹脂シ−ト
4 延伸ポリエチレン系樹脂シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
180度及び90度に折曲げて1分間保持した後解放し、解放後5分経過した時の折曲げ戻り角度θが共に20度以下である形状保持性を有する延伸ポリオレフィン系樹脂シートの少なくとも一面にホットメルト型接着剤層が積層されてなる積層シートを経糸及び緯糸として織成した織物をプレス成形することを特徴とする形状保持性成形体の製造方法。
【請求項2】
延伸ポリオレフィン系樹脂シートが、重量平均分子量が10万〜50万のポリオレフィン系樹脂シートが延伸倍率5倍以上に一軸延伸されてなることを特徴とする請求項1記載の形状保持性成形体の製造方法。
【請求項3】
延伸ポリオレフィン系樹脂シートが、重量平均分子量が10万〜50万のポリオレフィン系樹脂シートが圧延倍率5倍以上に圧延された後、総延伸倍率が10〜40倍に一軸延伸されてなることを特徴とする請求項1記載の形状保持性成形体の製造方法。
【請求項4】
延伸ポリオレフィン系樹脂シートが、重量平均分子量が10万〜50万のポリオレフィン系樹脂シートが圧延倍率5倍以上に圧延されてなることを特徴とする請求項1記載の形状保持性成形体の製造方法。
【請求項5】
請求項1記載の延伸ポリオレフィン系樹脂シートが複数層積層されてなる積層延伸ポリオレフィン系樹脂シートの少なくとも一面にホットメルト型接着剤層が積層されてなる積層シートを経糸及び緯糸として織成した織物をプレス成形することを特徴とする形状保持性成形体の製造方法。
【請求項6】
発泡倍率が1.2〜5倍の低発泡合成樹脂シ−トの両面に、請求項1記載の延伸ポリオレフィン系樹脂シートが積層されてなる積層低発泡樹脂シートの少なくとも一面にホットメルト型接着剤層が積層されてなる積層シートを経糸及び緯糸として織成した織物をプレス成形することを特徴とする形状保持性成形体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−233904(P2009−233904A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−79989(P2008−79989)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(000198802)積水成型工業株式会社 (66)
【Fターム(参考)】