説明

形状測定装置

【課題】短時間で精度良く対象物の形状を推定できることができる形状測定装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る形状測定装置は、複数の搬送波を生成する複数の発振回路122と、変調信号を用いて前記複数の搬送波を変調する複数の送信回路124と、前記複数の送信回路124により変調された複数の搬送波を複数の放射波として放射する複数の送信アンテナ130A〜130Cと、前記対象物で反射された前記複数の放射波それぞれの一部である複数の反射波を受信する複数の受信アンテナ140A〜140Cと、前記複数の受信アンテナ140A〜140Cで受信された前記複数の反射波と前記複数の放射波との相関を示す複数の相関波形を求める複数の受信回路125と、前記複数の相関波形に基づいて前記対象物の形状を推定する信号処理回路150とを備え、前記複数の搬送波それぞれの周波数は、独立に設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信信号を放射して目標の物体から反射した該送信信号の反射波を受信することによって該物体の形状を測定する形状測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ロボット、車両、船舶及び航空機等の移動体や室内及び室外から外界の状況を知りたい場合において、周囲の物体を認識し、その形状を認識することは重要である。特に移動体を自動走行させる場合には形状認識が危険回避の点などからより重要となる。また、人体の形状推定はセキュリティや介護を目的として社会的需要が大きい。このような物体形状推定の手段として、レーダを用いたイメージングシステムが注目されている。たとえば、超広帯域(Ultra Wide Band:UWB)信号を利用したUWBレーダは近距離目標の形状を高い分解能で測定できることから、地中探査や非破壊検査の用途に多く用いられてきた。しかしながら、従来の地下探査レーダイメージングでは、測定結果から形状を推定する指定アルゴリズムが反復改良や繰り返し計算などに基づくものが多く、形状推定に時間がかかるため、前述したようなロボットなどのリアルタイム処理への直接の応用は困難であった。
【0003】
この課題を解決するために、リアルタイム処理を可能にする高速形状推定アルゴリズムとして、送信信号の送受信位置を変化させることによって得られる散乱波の遅延時間と、送受信位置の関係と物体の形状との間に成り立つ可逆な変換関係とを利用して物体の形状を推定するSEABED(Shape Estimation Algorithm based on BST(Boundary Scattering Transform) and Extraction of Directly scattered waves)法が開発されてきた(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このSEABED法は、測定対象物は明確な境界を有する有体物であることを前提とし、当該境界を測定して「擬似波面」を得た後、この擬似波面を逆変換することで対象物の形状を求める技術である。
【0005】
SEABED法は、境界散乱逆変換の数式で形状を推定できる。この境界散乱逆変換で得られる画像は近似解でなく数学的に厳密な解となっており、反復計算に基づかず、直接的に画像を得ることが可能である。これらの利点から、SEABED法は以前の手法に比べて高精細でかつ、非常に高速に算出可能なイメージングアルゴリズムとなっている。
【0006】
また、SEABED法を用いた形状推定において、送受信アンテナを複数用意し、それぞれに対して異なる符号を割り当てる方法もある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−343205号公報
【特許文献2】国際公開第2008/139687号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、SEABED法による形状測定によると、信号の送受信を行う際に、送受信アンテナを移動すなわち走査させる必要がある。また、解析に必要となる十分高い信号対雑音電力(S/N)比を得るためには、送受信アンテナの移動を低速に行う必要がある。このため、測定に長時間が必要となり、SEABED法の高速処理が活かされず、測定から形状推定までの全体に必要な時間が長くなるという不具合が生じる。
【0009】
また、特許文献2記載の複数の送受信アンテナを備える構成においては、短時間での測定が実現できるが、相互相関を最小限にするため、プリファードペアであるM系列(系列数が僅かである)やプリファードペアM系列同士の排他的論理和により生成されるGold系列を使用することが必要である。このGold系列の生成におけるM系列同士の相対シフト量は任意であり、一方のM系列を巡回シフトさせることにより多くのGold系列を得ることができる。こうして得られるGold系列同士の相互相関などはWelchの下界を満たすことが知られている。したがって、M個の素子からのNビットGold系列を同時送信するレーダシステムにおいては、相互相関によるレンジサイドローブが避けられない。
【0010】
このため特許文献2記載の方法においては、S/Nがある程度大きくなると信号対雑音干渉電力(S/(I+N))比にフロアが生じ、推定精度がWelchの下界によって規定される精度より改善することはない。
【0011】
本願発明は、これらの課題を解決し、短時間で精度良く対象物の形状を推定できることができる形状測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の形状測定装置は、対象物の形状を推定する形状測定装置であって、複数の搬送波を生成する複数の発振器と、変調信号を用いて前記複数の搬送波を変調する複数の第1変調部と、前記複数の第1変調部により変調された複数の搬送波を複数の放射波として放射する複数の送信アンテナと、前記対象物で反射された前記複数の放射波それぞれの一部である複数の反射波を受信する複数の受信アンテナと、前記複数の受信アンテナで受信された前記複数の反射波と前記複数の放射波との相関を示す複数の相関波形を求める複数の受信部と、前記複数の相関波形に基づいて前記対象物の形状を推定する形状推定部とを備え、前記複数の搬送波それぞれの周波数は、独立に設定される。
【0013】
この構成により、複数の第1変調部から複数の送信アンテナを介して同時に信号を放射し、対象物で反射された反射波を複数の受信アンテナを介して複数の受信部で複数の相関波形を求められる。よって、送信アンテナを走査することなく、一度の測定で複数の相関波形を得られるので、一度の測定で対象物の形状を推定できる。その結果、測定時間を大幅に短縮することが可能となり、また擬似雑音符号の相互相関値による制約を受けることなく高精度に対象物の形状を推定できる。
【0014】
また、前記形状測定装置はさらに、互いに異なる周波数を前記複数の発振器に設定する制御部を備えてもよい。
【0015】
この構成により、複数の受信アンテナそれぞれは、複数の送信アンテナから放射され、変調前の搬送波の中心周波数が互いに異なる複数の放射波に対応する複数の反射波を受信する。複数の受信部それぞれにおいて相関波形を求める際に、対応する送信アンテナ以外の送信アンテナから放射された放射波に対応する反射波の影響は、例えばフィルタなどで除去されるので、対象物の形状を確実に測定できる。
【0016】
また、前記変調信号は擬似雑音符号であり、前記複数の第1変調部のそれぞれは、前記擬似雑音符号を用いて2相位相変調してもよい。
【0017】
また、前記擬似雑音符号はM系列符号であってもよい。
【0018】
この構成により、自己相関に優れたM系列符号を用いることで、受信部間のS/N比を大きくすることができ、より高精度に対象物の形状を推定できる。
【0019】
また、前記複数の第1変調部は、同一の前記擬似雑音符号を用いて変調してもよい。
【0020】
また、前記形状測定装置はさらに、前記複数の発振器に設定する周波数を動的に設定する制御部を備えてもよい。
【0021】
この構成により、他の無線通信システムによる電波が反射波に重畳しても、その影響を低減できる。
【0022】
また、前記形状測定装置は、さらに、擬似雑音符号を生成する符号生成部と、前記複数の第1変調部のそれぞれに対応し、前記擬似雑音符号の符号レートである符号周波数より低い周波数を有する矩形波を生成する矩形波生成部と、前記複数の第1変調部のそれぞれに対応し、前記矩形波を用いて前記擬似雑音符号を変調することにより前記変調信号を生成する第2変調部とを備え、各矩形波生成部で生成される矩形波の周波数は、他の矩形波生成部で生成される矩形波の周波数とは異ってもよい。
【0023】
この構成により、周波数資源と符号資源とを有効に利用でき、より多くの送信アンテナ及び受信アンテナの使用が可能となるので、より高精度に対象物の形状を測定できる。
【発明の効果】
【0024】
以上、本発明に係る形状測定装置では、短時間で精度良く対象物の形状を推定できることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】第1の実施形態に係る形状測定装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2A】形状推定の原理について説明する一例の図である。
【図2B】形状推定の原理について説明する他の一例の図である。
【図3】送受信ブロックの詳細な構成の一例を示すブロック図である。
【図4】発振制御回路及び発振回路の詳細な構成の一例を示すブロック図である。
【図5A】各送受信ブロックにおける発振回路で生成される搬送波の周波数を模式的に示す図である。
【図5B】搬送波及び放射波のスペクトルを模式的に示す図である。
【図6】16チャネル分を割り当てた場合の拡散前及び拡散後のスペクトルを示す図である。
【図7】各搬送波の適切な周波数離間について計算した結果を示すグラフである。
【図8】第2の実施形態に係る形状測定装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図9】送受信ブロックの詳細な構成の一例を示すブロック図である。
【図10】第3の実施形態に係る形状測定装置のレイアウトを模式的に示す図である。
【図11】搬送波及び放射波のスペクトルを模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(第1の実施形態)
本実施形態に係る形状測定装置は、対象物の形状を推定する形状測定装置であって、複数の搬送波を生成する複数の発振器と、変調信号を用いて前記複数の搬送波を変調する複数の第1変調部と、前記複数の第1変調部により変調された複数の搬送波を複数の放射波として放射する複数の送信アンテナと、前記対象物で反射された前記複数の放射波それぞれの一部である複数の反射波を受信する複数の受信アンテナと、前記複数の受信アンテナで受信された前記複数の反射波と前記複数の放射波との相関を示す複数の相関波形を求める複数の受信部と、前記複数の相関波形に基づいて前記対象物の形状を推定する形状推定部とを備え、前記複数の搬送波それぞれの周波数は、独立に設定される。
【0027】
これにより、本実施形態に係る形状測定装置は、短時間で精度良く対象物を測定することができる。
【0028】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0029】
図1は、本実施形態に係る形状測定装置における構成の一例を示すブロック図である。
【0030】
同図に示す形状測定装置100は、集中制御部110と、複数の送受信ブロック120A〜120Cと、送信アンテナ130A〜130Cと、受信アンテナ140A〜140Cと、信号処理回路150とを備える。なお、本実施形態では、送受信ブロックは3ブロックとして説明するが、3ブロック以外の複数ブロックでもよい。また、送受信ブロック120A〜120C、送信アンテナ130A〜130C及び受信アンテナ140A〜140Cを特に区別しない場合は、それぞれ送受信ブロック120、送信アンテナ130及び受信アンテナ140と記載する。
【0031】
集中制御部110は、制御部であって、互いに異なる周波数を送受信ブロック120A〜120Cに設定する、例えば、マイクロコントローラ(マイコン)あるいはFPGA(Field Programmable Gate Array)などのプログラマブルロジックデバイス内の論理回路である。
【0032】
送受信ブロック120は、集中制御部110の制御に基づいた周波数で搬送波を生成し、生成した搬送波を拡散符号(PN符号)で変調する。また、受信アンテナ140が受信した反射波の波形と、送信アンテナ130から放射された放射波の波形との相関を示す相関波形を求める。この送受信ブロック120は、発振制御回路121、発振回路122、PN符号発生器123、送信回路124及び受信回路125を備える。この発振回路122の発振周波数及びPN符号発生器123において生成される拡散符号は、集中制御部110により選択、切替あるいは変更可能となっている。したがって、送受信ブロック120に加え、集中制御部110と信号処理回路150とによって、レーダ動作が可能である。形状測定装置100は、この送受信ブロック120を複数配置し、それをひとつの送受信ユニットとして扱い、これによって形状測定を行う。送受信ブロック120の詳細な構成については後述する。
【0033】
送信アンテナ130は、送受信ブロック120で変調された搬送波を対象物であるターゲットへ放射波として放射する。
【0034】
受信アンテナ140は、送信アンテナ130から放射された放射波がターゲットで反射された反射波の一部を受信する。
【0035】
信号処理回路150は、形状推定部であって、各送受信ブロック120で求められた複数の相関波形に基づいて、ターゲットの形状を推定する、例えば、DSP(Digital Signal Processor)である。
【0036】
次に、この形状測定装置100による形状推定の原理について説明する。図2A及び図2Bは、形状推定方法について説明するための図である。
【0037】
形状測定装置100で用いられる形状推定方法はSEABED法と呼ばれている。このSEABED法において、実空間内に存在するターゲットTはその表面(境界面)を指示する座標(x, y, z)の集合として表される。これをここでは実空間での位置表記と表現することにする。また、ターゲットTの表面(境界面)を指示する指標として、受信アンテナ140からターゲットTまでの距離と方位(到来方向)を考えることができる。
【0038】
図2Aは、受信アンテナ140と、ターゲットTとの位置を模式的に示す図である。送信電波の放射点(X, Y, 0)と、その放射点から放射され、ターゲットTの表面(境界面)の点Aで反射された電波が戻ってくる場合、その反射波の強度が座標(X, Y, 0)において最大となるとき、それによってターゲットTまでの距離Zが定義される。ここで、ターゲットTの境界面のある点Aの情報を(X, Y, Z)と表現するとき、(X, Y, Z)にはターゲットTの境界面までの距離と方位の情報を含んでいる。この(X, Y, Z)座標空間を擬似波面空間での位置表記と表現することにする。
【0039】
このとき、実空間での位置表記と擬似波面空間での位置表記との間に可逆な変換関係が存在することがわかっており、実空間から擬似波面空間への変換を境界散乱変換(BST)、その逆、擬似波面空間から実空間への変換を境界散乱逆変換(IBST)と呼ぶ。図2Bは、この実空間と擬似波面空間との変換を模式的に示す図である。この場合、例えば、境界散乱逆変換は、式1で示すように極めて簡単な変換式で表現できる。この変換関係を利用するものがSEABED法である。
【0040】
【数1】

【0041】
一般にレーダによる測距や測位を行う場合には、ターゲットTまでの距離と方位が測定量として得られる。したがって、式1あるいはSEABED法によると、レーダ測定によって得られた情報に対して境界散乱逆変換を施すことにより、ターゲットTの境界面の座標を推定できる。
【0042】
次に、図3以下を用い、本実施形態に係る形状測定装置100についてより詳しく説明する。
【0043】
図3は、送受信ブロック120の詳細な構成の一例を示すブロック図である。上述したように、送受信ブロック120は、発振制御回路121、発振回路122、PN符号発生器123、送信回路124及び受信回路125を備える。なお、同図に示すように、送受信ブロック120は、さらに、分配器D1を備える。また、同図には、集中制御部110、送信アンテナ130、受信アンテナ140及び信号処理回路150も示されている。
【0044】
発振制御回路121は、集中制御部110からの信号及び発振回路122で生成された搬送波の周波数に応じて出力電圧を調整する。
【0045】
発振回路122は、搬送波として例えば26GHz帯の正弦波を生成する。また、発振回路122は、搬送波の周波数を、発振制御回路121の出力電圧に応じた周波数とする。つまり、発振回路122は、集中制御部110の指示に応じた周波数を有する搬送波を生成する発振器である。このような発振制御回路121及び発振回路121は、例えばPLL(Phase-locked loop)シンセサイザである。
【0046】
図4は、発振制御回路121及び発振回路122の詳細な構成の一例を示すブロック図である。なお、同図には、集中制御部110も示されている。
【0047】
発振制御回路121は、基準周波数発生器161と、分周器162と、位相比較器163と、ループフィルタ164とを備える。
【0048】
基準周波数発生器161は、位相比較器163における位相の比較対象となる基準周波数を有する基準信号を生成する。この基準周波数により発振回路122で生成される搬送波の中心周波数の設定可能間隔が規定される。基準周波数発生器161は、例えば45MHzの基準信号を生成する。
【0049】
分周器162は、発振回路171で生成された信号を、集中制御部110からの信号に応じた分周比で分周することで、位相比較用の信号を生成する。この分周比は、例えば1/192である。
【0050】
位相比較器163は、基準周波数発生器161で生成された基準信号と、分周器162で生成された位相比較用の信号との位相差に応じたパルス幅を有する誤差信号を出力する。
【0051】
ループフィルタ164は、位相比較器163から出力されるパルス状の誤差信号を直流電圧に変換し、発振回路122へ出力する。つまり、ループフィルタ164は、誤差信号のパルス幅に応じた電圧を発振回路122へ出力する。
【0052】
発振回路122は、具体的には、電圧制御発振器171及び逓倍器172を備える。
【0053】
電圧制御発振器171は、入力される電圧に応じた周波数を有する信号を生成することで、例えば周波数が8.8GHzの信号を生成する。
【0054】
逓倍器172は、電圧制御発振器171で生成された信号の周波数を逓倍することで搬送波を生成する。例えば、逓倍器172は、電圧制御発振器171で生成された信号を3逓倍することで、26.4GHzの搬送波を生成する。
【0055】
このように構成された発振制御回路121及び発振回路122は、集中制御部110から設定された周波数を有する搬送波を生成する。この搬送波の周波数を割り当てる一例を以下に示す。送受信ブロック120では、電圧制御発振器171で生成された信号の周波数を3逓倍し、26.4GHzの搬送波を得る構成を基本構成としている。送受信ブロック120において、基準周波数発生器161における基準信号の周波数を45MHzとし、分周器162の分周比を1/192とした場合、電圧制御発振器171は8.64GHzの信号を生成する。集中制御部110は、分周比を変更するための命令を発行する。なお、命令は、ROM(Read Only Memory:読出専用メモリ)やPC(コンピュータ)など、外部から与えることもできる。整数分周の単純な例では、基準信号の周波数と同じ45MHzステップで電圧制御発振器171の中心周波数を設定可能となる。つまり、逓倍器172から出力される搬送波は、45MHzの3倍の135MHzステップとなる。
【0056】
発振回路122で生成された搬送波は、分配器D1を介して送信回路124及び受信回路125へ伝送される。
【0057】
PN符号発生器123は、符号生成部であって、擬似雑音(PN)符号を生成する。そのチップレートは例えば2.5Gbps(2.5Gcps)である。PN符号としては、例えば、自己相関に優れたM系列符号を用いることで、各送受信ブロック間のS/N比を大きくすることができ、より精度の高いイメージングが可能になる。また、PN符号としてM系列符号を組み合わせたGold符号を用いてもよい。
【0058】
送信回路124は、第1変調部であって、PN符号発生器107で生成されたPN符号を用いて、発振回路122で生成された搬送波を変調、すなわち周波数拡散する。変調方法として例えば位相変調を行う。送信回路124は、例えばギルバートセルからなるダブルバランスミキサ回路141に搬送波とPN符号を入れて掛け合わせることで、容易に位相変調された送信信号を生成することができる。ダブルバランスミキサ回路141で生成された送信信号は、バンドパスフィルタ142を通過して、所望の帯域のみが送信アンテナ130へ伝送される。
【0059】
送信アンテナ130から放射波として放射された信号は物体で反射されて反射波となり、反射波の一部が受信アンテナ140で受信される。
【0060】
受信回路125は、受信アンテナ140で受信された反射波の波形と、送信アンテナ130から放射された放射波の波形とに基づいてこれらの相関を示す相関波形を求める。受信回路125は、LNA(Low Noise Amplifier)151と、逆拡散ミキサ152と、分配器D2と、移相器153と、直交同期復調器154i及び153qとを備える。
【0061】
LNA151は、受信アンテナ140で受信された反射波を増幅し、受信信号として逆拡散ミキサ152へ出力する。なお、増幅後に整形(フィルタリング)などを受け逆拡散ミキサ152に出力されてもよい。
【0062】
逆拡散ミキサ152は、送信回路124で拡散に用いた符号と同じPN符号を用いて、受信信号を復調する逆拡散を行う。逆拡散された信号は、分配器D2により2分配され、直交同期復調器154i及び154qへ入力される。
【0063】
移相器153は、搬送波と同一の周波数を有し、互いに位相が直交する波形を生成し、直交検波器154i及び154qへ出力する。
【0064】
直交同期復調器154i及び154qは、逆拡散ミキサ152で逆拡散された受信信号を直交同期検波することで、I相およびQ相の相関波形を求める。
【0065】
このような構成により、送受信ブロック120はターゲットTの形状を推定するための相関波形を求める。
【0066】
ここで、この形状測定装置100において、それぞれの送受信ブロック120A、120B及び120Cに互いに異なる発振周波数を割り当てておけば、送信アンテナ130A、130B及び130Cから同時に放射波を送信した場合に、次のような効果が得られる。
【0067】
受信アンテナ140A、140B及び140Cは、当該受信アンテナ140が対応する送受信ブロック120とは異なる送受信ブロック120から送信された放射波と、対応する送受信ブロック120から送信された放射波とのそれぞれに対応する反射波を同時に受信する。この反射波を逆拡散ミキサ152で逆拡散した信号である受信信号は異なる発振周波数の集合である。この受信信号を直交同期復調器154i及び154qより復調した場合、当該送受信ブロック120以外の送受信ブロック120に対応する送信アンテナ120から放射された放射波に対応する反射波に基づく受信信号は、位相が定まらないので、それを不要波としてフィルタ等で除去することができる。
【0068】
すなわち、本実施形態の形状測定装置100は、各々の送受信ブロック120を切り替えて動作させることなく、同時に全ての測定位置のデータを得ることができる。これにより、イメージングのための測定時間を、送受信ブロック120を切り替える場合の約1/3に低減できる。
【0069】
なお、本実施形態では3つの送受信ブロック120を用いているが、送受信ブロック120の個数を増やすことでより高精度なイメージングができるようになるのに加え、送受信ブロック120を同時に動作し、計測することができるため、送受信ブロック120の個数を増やすことで精度を上げても測定時間の増加を抑えることができる。
【0070】
図5A及び図5Bは、各送受信ブロック120における発振回路122で生成される搬送波の周波数と、拡散後の波形である放射波のスペクトルとを模式的に示す図である。
【0071】
送受信ブロック120A、120B及び120Cは、図5Aに示すように発振回路122における発振周波数がそれぞれF1、F2、F3になるように制御されているものとする。このとき、それぞれの送信回路124において、同一のPN符号を用いて発振回路出力のスペクトルを拡散するものとすると、形状測定装置101から送信される電波のスペクトルは図5Bの模式図で表現したようになっている。
【0072】
図5Bに示すように、拡散後、すなわち放射波のスペクトルは互いに重なり合っているが、レーダの動作として互いに影響がないように設計することができる。この理由を図6及び図7を用いて以下で説明する。
【0073】
図6は、下端周波数を25.920GHzとし、上端周波数28.080GHzまで16チャネル分を割り当てた場合の拡散前及び拡散後のスペクトルを示す図である。なお、図6においては拡散前の各スペクトルと拡散後の各スペクトルを重ねて示しているが、この拡散符号が同一のPN符号であっても、異なる系列、位相を有するPN符号であっても問題ない。ただし、周波数を分割多重化することによって、その割り当て方法によっては拡散後の平均電力が増加するため、平均送信電力が法規の定める制限を超えないように設計するものとする。この例では、同一のPN符号を用いて拡散を行い、16チャネル分を同時に送信し、受信では同じPN符号を用いて逆拡散を行い、直交検波に関しては送信時に使用したものと同一の周波数で検波する場合のみ、検出信号が得られる。
【0074】
その際、一般に搬送波の周波数を多重化すると、相互のPN符号における直交性が崩れ、結果として相関波形の信号対雑音・干渉比(抑圧比)が低下する。そのため、相関波形における抑圧比を実用上問題のないレベルに維持できるように、搬送波の周波数間隔を適切に設定することが必要である。搬送波の周波数が互いにPN符号の拡散帯域幅(例えば、5GHz)以上離れていれば、直交性が保たれていると見なしてもよい。しかしながら、そのような周波数間隔を有する搬送波を用いたシステムを構成すると、著しい帯域幅(例えば、3つのブロックでシステムを構成した場合、15GHz)を占有することになると同時に、図4のような一つの電圧制御発振器171だけで搬送波として用いるすべての搬送波の周波数を生成するという簡便性は失われる。そこで、図7を用い、適切な周波数間隔、言い換えると周波数離間の設定について説明する。
【0075】
図7は、送受信ブロック120における各搬送波の適切な周波数離間について計算した結果を示すグラフである。具体的には、2つの送受信ブロック120それぞれにおける搬送波の中心周波数が、ある周波数だけ離れている場合の2つの送受信ブロック120間の影響度を示すグラフである。
【0076】
同図の横軸は、自ブロックにおける搬送波の周波数を基準とした場合、他ブロックにおける搬送波の周波数と基準の差分である周波数オフセットの比率を示す。縦軸は、自ブロックと他ブロックとの相互の影響度のレベルを示す。なお、複数の送受信ブロック120を区別するため、ここでは2つの送受信ブロック120についてのみ考慮し、「自ブロック」を送受信ブロック102A、「他ブロック」を送受信ブロック102Bとする。計算では自ブロックと他ブロック間相互の影響度を吟味しており、自他間信号レベルとは他ブロックの周波数の放射波を自ブロックの周波数で受信処理した際の自他間の信号レベルの差分を意味し、自他間雑音・干渉とはその際の非信号成分(雑音と干渉)の強度を意味している。
【0077】
周波数オフセットが0ppmの場合、自ブロックと他ブロックとは等価なものと見なせる。
【0078】
また、周波数オフセットが1ppm程度以下の場合、自他間信号のレベルがほぼ0dBであるため自他ブロックを区別できない、すなわち、影響度が大きく、周波数の離間が全く不十分であることを示している。
【0079】
また、周波数オフセットが100ppmより大きい場合、自他間信号のレベルが非信号成分のレベルより小さくなり、40dBという実用上十分なS/(N+I)比(信号対雑音・干渉比)を確保できている。したがって、少なくとも周波数オフセットとして100ppm以上(本実施形態の周波数帯では2.64MHz以上)離れていれば、互いに影響を及ぼさず十分といえる。つまり、集中制御部110は、周波数オフセットが100ppm以上を満たすように、各送受信ブロック120に対して周波数を設定すればよい。
【0080】
なお、周波数オフセットをさらに大きくすると、自他間信号レベルのみならず雑音・干渉レベルも低下することからわかるように、さらに高いS/N比を要求する場合には、周波数離間を十分大きくしておくことが望ましい。
【0081】
また、本発明で使用する電圧制御発振器171が生成する信号のスペクトルは帯域幅がせいぜい10MHzである。これを考慮し、発振制御回路121及び発振回路122として用いたPLLシンセサイザを分数分周型のシンセサイザとすれば、図6で示したものより十分細かい間隔で周波数を割り当てることが可能である。
【0082】
以上のように、本実施形態に係る形状測定装置100は、複数の送受信ブロック120A〜120Cを有し、各送受信ブロック120A〜120Cは互いに異なる周波数を中心周波数とする搬送波を生成する。各送受信ブロック120A〜120Cは、PN符号を用いて搬送波を位相変調し、相関波形を求める。信号処理回路150は、送受信ブロック120A〜120Cで求められた複数の相関波形を基に、ターゲットの形状を推定する。
【0083】
これにより、一度の測定で複数の相関波形を得られるので、一度の測定で対象物の形状を推定できる。このため、測定時間を大幅に短縮することが可能となり、また擬似雑音符号の相互相関値による制約を受けることなく高精度に対象物の形状を推定できる。また、送受信ブロック120は、他の送受信ブロック120の影響を低減し、確実に対象物の形状を高精度に測定できる。
【0084】
なお、PLLシンセサイザにおける分周器162では、前置分周器(プリスケーラ)を含んでいてもよい。局部発振信号源の発振周波数が高くても、前置分周器を置くことによって動作周波数の低い発振制御回路を使ってPLLを構成できる。
【0085】
また、各送受信ブロック120がPN符号発生器123を備えず、形状測定装置100が1つのPN符号発生器123を備える構成であってもよい。
【0086】
また、集中制御部110は、各送受信ブロック120に設定する周波数と動的に切り替えてもよい。これにより、他の無線通信システムによる電波が反射波に重畳しても、その影響を低減できる。
【0087】
(第2の実施形態)
本実施形態に係る形状測定装置は、第1の実施形態に係る形状測定装置100と比較して、さらに、各第1変調部である各送信回路124に対応し、PN符号の符号レートである符号周波数より低い周波数を有する矩形波を生成する矩形波生成部と、各第1変調部に対応し、PN符号を矩形波で変調することにより対応する第1変調部に出力する変調信号を生成する第2変調部とを備え、各矩形波生成部で生成される矩形波の周波数は、他の矩形波生成部で生成される矩形波の周波数とは異なる。これにより、本実施形態に係る形状測定装置は、各送受信ブロックにおける搬送波の周波数が同じ場合でも、短時間で精度良く対象物を測定することができる。
【0088】
以下、本発明の第2の実施形態について、第1の実施形態と異なる点を中心に図面を参照しながら説明する。
【0089】
図8は、第2の実施形態に係る形状測定装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0090】
同図に示す形状測定装置200は、図1に示す第1の実施形態に係る形状測定装置100と比較して、送受信ブロック220A〜220Cそれぞれにおいて、さらに変調波発生器221及びPN符号変調器222を備える。なお、送受信ブロック220A〜220Cを特に区別しない場合、送受信ブロック220と記載する。
【0091】
図9は、送受信ブロック220の詳細な構成の一例を示すブロック図である。
【0092】
変調波発生器221は、矩形波生成部であって、PN符号発生器123で生成されるPN符号の符号レートに対して十分小さい周波数を有する矩形波を生成する。変調波発生器221は、矩形波の周波数を数kHzから数100kHz程度に選び、PN符号の基本周波数と干渉しないように選択することが必要である。
【0093】
PN符号変調器222は、第2変調部であって、PN符号発生器123で生成されたPN符号を、変調波発生器221で生成された矩形波で変調することにより、変調PN符号を生成する。
【0094】
ダブルバランスミキサ回路141は、搬送波を変調PN符号により拡散する。この拡散された搬送波は第1の実施形態と同様に送信アンテナ130から送信され、受信アンテナ140により受信される。
【0095】
ここで、本実施形態に係る形状測定装置200における受信回路125において、逆拡散ミキサ152で逆拡散され、さらに直交同期復調器154i及び154qで検波された後の信号としては、変調波発生器221で生成された矩形波の周波数成分が出力される。したがって、受信回路125の出力に対して、適切なフィルタ(中心周波数が矩形波の周波数であり、当該矩形波のナイキスト帯域幅を有するバンドパスフィルタにより、基本波成分のみを取り出すようにすることが望ましい)を施すことにより、必要な信号のみを抽出することができる。
【0096】
すなわち、各変調波発生器221で生成される矩形波の周波数について、互いに干渉し合わない組み合わせ、例えば、互いにハーモニックな関係にない組み合わせ、さらにはフィルタにおけるエイリアシングの影響が排他的となる組み合わせを選択する必要がある。そのために必要な矩形波の周波数やベースバンドフィルタの設計事項は、デジタル回路、すなわち本発明では集中制御部110で容易に管理することができる。
【0097】
以上のように、本実施形態に係る形状測定装置200は、異なる周波数を有する矩形波により各送受信ブロック220におけるPN符号を変調し、変調することで生成した変調PN符号により、各送受信ブロック220における搬送波を変調する。これにより、複数の送受信ブロック220が同時に信号の送信及び受信と、データの取得をすることが可能となり、形状推定までに要する時間を大幅に短縮できる。
【0098】
なお、本実施形態では、複数の送受信ブロック120における各発振制御回路121に対し、集中制御部110から同一の周波数を設定してもよい。
【0099】
また、各送受信ブロック120がPN符号発生器123を備えず、形状測定装置120が少なくとも1つのPN符号発生器123を備えてもよい。
【0100】
(第3の実施形態)
本実施形態に係る形状測定装置は、複数の送受信ブロックそれぞれにおいて生成される搬送波の中心周波数が互いに異なり、さらに、複数の送受信ブロックそれぞれにおいて生成されるPN符号が互いに異なっている。これにより、周波数資源と符号資源とを有効に利用できるので、より多くの送受信ブロックを備えることができる。その結果、より高精度にターゲットの形状を推定できる。以下、本発明の第3の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0101】
図10は、第3の実施形態に係る形状測定装置のレイアウトを模式的に示す図である。
【0102】
同図に示す形状測定装置300は、3×3の格子状に配置された送受信ブロック320を備える。なお、送受信ブロック320の回路構成は、送受信ブロック120と同様である。また、送信アンテナ130及び受信アンテナ140について、特に図示していないが、それぞれ対応する送受信ブロック320に対応して配置されている。例えば、送信アンテナ130及び受信アンテナ140それぞれは、対応する送受信ブロック320が配置された領域に隣接して配置されている。
【0103】
本実施形態では、各送受信ブロック320に相異なる周波数を割り当てながら、相異なるPN符号も割り当てている。図10では周波数F1、F2、F3を有する送受信ブロック320のアレーと、符号M1、M2、M3を有する送受信ブロック320のアレーとが互いに格子状に配置された構成である。ただし、配置に関しては、このような格子状の配置に限ったものではなく、さらに周波数や符号の割り当てについても任意に割り当ててよい。
【0104】
このように、本実施形態に係る形状測定装置300は、複数の送受信ブロック320の列ごとに搬送波の中心周波数を異なる周波数とし、行ごとに異なるPN符号を割り当てる。これにより、本実施形態に係る形状測定装置300は、周波数資源と符号資源とを有効に利用できるので、より多くの送受信ブロックを備えることができる。具体的には、形状測定装置300における、拡散後、すなわち放射波のスペクトルは図11のように表せる。同図から明らかなように、PN符号が異なる場合、PN符号が同一の場合と比較して、符号資源とを有効に利用できるので、より多くの送受信ブロック320を備えることができ、その結果、より高精度にターゲットの形状を推定できる。
【0105】
以上、本発明に係る形状測定装置について、実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を当該実施形態に施したものや、異なる実施形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【0106】
例えば、送受信ブロック120として、送信ICチップ、受信ICチップ、ベースバンドチップなど複数のチップセットおよび送受信アンテナを回路基板上に集積したモジュールを用いても良いし、さらに送信、受信及びベースバンドの機能を統合し、送受信アンテナを集積したRF−LSIを用いても良い。また、送受信ブロック120は互いに異なるチップに実装しても良いし、送受信ブロック120の1つと、当該送受信ブロック120の1つに対応する送信アンテナ130及び受信アンテナ140とを1つのチップに実装してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明の形状測定装置は、自動車、船舶、航空機、ロボットなど、種々の機器に危険回避の手段などとして利用可能である。
【符号の説明】
【0108】
100、200、300 形状測定装置
110 集中制御部
120A〜120C、220A〜220C、320 送受信ブロック
121 発振制御回路
122 発振回路
123 PN符号発生器
124 送信回路
125 受信回路
130A〜130C 送信アンテナ
140A〜140C 受信アンテナ
141 ダブルバランスミキサ回路
142 バンドパスフィルタ
150 信号処理回路
151 LNA
152 逆拡散ミキサ
153 移相器
154i、154q 直交同期復調器
161 基準周波数発生器
162 分周器
163 位相比較器
164 ループフィルタ
171 電圧制御発振器
172 逓倍器
221 変調波発生器
222 PN符号変調器
D1、D2 分配器
T ターゲット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の形状を推定する形状測定装置であって、
複数の搬送波を生成する複数の発振器と、
変調信号を用いて前記複数の搬送波を変調する複数の第1変調部と、
前記複数の第1変調部により変調された複数の搬送波を複数の放射波として放射する複数の送信アンテナと、
前記対象物で反射された前記複数の放射波それぞれの一部である複数の反射波を受信する複数の受信アンテナと、
前記複数の受信アンテナで受信された前記複数の反射波と前記複数の放射波との相関を示す複数の相関波形を求める複数の受信部と、
前記複数の相関波形に基づいて前記対象物の形状を推定する形状推定部とを備え、
前記複数の搬送波それぞれの周波数は、独立に設定される
形状測定装置。
【請求項2】
前記形状測定装置はさらに、
互いに異なる周波数を前記複数の発振器に設定する制御部を備える
請求項1記載の形状測定装置。
【請求項3】
前記変調信号は擬似雑音符号であり、
前記複数の第1変調部のそれぞれは、前記擬似雑音符号を用いて2相位相変調する
請求項1または2記載の形状測定装置。
【請求項4】
前記擬似雑音符号はM系列符号である
請求項3記載の形状測定装置。
【請求項5】
前記複数の第1変調部は、同一の前記擬似雑音符号を用いて変調する
請求項3または4記載の形状測定装置。
【請求項6】
前記形状測定装置はさらに、
前記複数の発振器に設定する周波数を動的に設定する制御部を備える
請求項1記載の形状測定装置。
【請求項7】
前記形状測定装置は、さらに、
擬似雑音符号を生成する符号生成部と、
前記複数の第1変調部のそれぞれに対応し、前記擬似雑音符号の符号レートである符号周波数より低い周波数を有する矩形波を生成する矩形波生成部と、
前記複数の第1変調部のそれぞれに対応し、前記矩形波を用いて前記擬似雑音符号を変調することにより前記変調信号を生成する第2変調部とを備え、
各矩形波生成部で生成される矩形波の周波数は、他の矩形波生成部で生成される矩形波の周波数とは異なる
請求項1記載の形状測定装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−27514(P2011−27514A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−172560(P2009−172560)
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】