説明

形状適合性導電シートを有するセンサの付いた工業用ロール

工業用ロールは、外面および内腔を有する実質的に円筒状のコアと、コアの外面を周方向に覆っているポリマーカバーと、検出システムと、を備えている。検出システムは、カバー内に少なくとも部分的に埋設されており、ロールの運転パラメータを検出し、運転パラメータに関する信号を供給するように構成されている、複数のセンサと、センサに操作可能に関連付けられており、センサによってもたらされる信号を処理するようになっている、プロセッサと、を備えている。複数のセンサの各々は、基板の上面に重なっている第1の電極および基板の底面に重なっている第2の電極であって、第1の電極は、基板の上面を覆っており、第2の電極は、基板の底面の一部のみを覆っており、これによって、基板の底面および側面に隣接して、間隙を形成している、第1の電極および第2の電極と、第1の電極と基板の側面とに付着されており、基板の底面から第1の方向に離れて延在している第1の導電材料シートと、第2の電極に付着されており、基板の底面から第2の方向に離れて延在している第2の導電材料シートであって、第2の方向は、第1の方向と逆になっている、第2の導電材料シートと、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、工業用ロールに関し、さらに詳細には、製紙用ロールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の製紙法では、(紙の「原料(stock)」として知られている)セルロース繊維の水スラリーまたは懸濁液が、2つ以上のロール間を走行する金網および/または合成材料からなるエンドレスベルトの上側走行部上に送給されるようになっている。「フォーミング織物(forming fwabric)」と呼ばれることも多いこのベルトは、その上側走行部の上面に、紙原料のセルロース繊維を水性媒体から分離し、これによって、湿った紙ウエブを形成するフィルタとして作用する製紙面をもたらしている。水性媒体は、重量によってまたは織物の上側走行部の下面(すなわち、「マシン側」)に用意された真空によって、排出孔として知られているフォーミング織物のメッシュ開口を通って排出されるようになっている。
【0003】
フォーミング部を出た後、紙ウエブは、抄紙機のプレス部に移送され、該プレス部において、一般的に「プレスフェルト(press felt)」と呼ばれている他の織物によって被覆された一つ以上の(ローラプレスと呼ばれることが多い)プレスのニップを通される。プレスによる圧力によって、ウエブからさらに水分が除去されることになるが、この水分除去は、多くの場合、プレスフェルトの「詰め綿(batt)」層の存在によって、高められるようになっている。次いで、紙は、さらなる水分除去のために、乾燥部に移送される。乾燥の後、紙は、二次加工および包装に供される準備が整ったことになる。
【0004】
円筒状のロールが、典型的には、製紙機の種々の部分、例えば、プレス部に利用されている。このようなロールは、高動的負荷、高温度、および高侵襲性または腐食性化学薬品に晒されることがある厳しい環境に置かれて、運転されている。一例として、典型的な製紙工場では、ロールは、繊維状ウエブシートを処理ステーション間で搬送するためのみならず、プレス部のロールおよびカレンダーロールの場合、ウエブシートを紙に処理するためにも用いられている。
【0005】
典型的には、製紙に用いられるロールは、製紙機内の配置の場所を念頭において構成されている。何故なら、製紙機内の種々の位置に配置されるロールは、種々の機能を果たすことが必要とされるからである。製紙用ロールが多くの異なる性能要求を有していることから、また全体が金属からなるロールの取換えが著しく高価になることから、多くの製紙用ロールは、典型的には金属からなるコアの周面を囲むポリマーカバーを備えている。カバーに用いられる材料を変更することによって、カバー設計者は、製紙用途の要求に合った種々の性能特性をロールにもたらすことができる。また、金属ロール上のカバーの補修、再研磨、または取換えは、全体が金属からなるロールの取換えよりも著しく安価とすることができる。カバー用の例示的なポリマー材料として、天然ゴム;ネオプレン、スチレン−ブタジエン(SBR)、ニトリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン(DuPont社のHYPALON(登録商標)でも知られている「CSPE」)、EDPM(エチレン−プロピレンジエンモノマーから生成されたエチレン−プロピレンターポリマーに与えられた名称)のような合成ゴム;ポリウレタン;熱硬化性複合材料;および熱可塑性複合材料が挙げられる。
【0006】
多くの場合、ロールカバーは、少なくとも2つの異なる層、すなわち、コアを覆っており、コアに対して接合部をもたらす基層と、基層を覆って、該基層に接合し、ロールの外面として作用する最上紙料層と、を備えている(ロールによっては、基層と最上紙料層との間に挟まれた中間的な「繋ぎ(tie−in)」層を備えているものもある)。これらの材料の層は、典型的には、運転のための一組の所定の物理的特性をカバーにもたらすように、選択されている。これらの物理的特性の例として、必要な強度および弾性係数、ならびに製紙環境に耐えるための高温、水、および酷な化学薬品に対する耐性が挙げられる。加えて、カバーは、典型的には、行われるプロセスに適する所定の表面硬度を有するように、設計されている。カバーは、典型的には、紙シートが該紙シートに損傷をもたらすことなくカバーから「離脱(release)」されることも必要としている。また、節約するために、カバーは、耐擦過性および耐摩耗性を有しているべきである。
【0007】
紙ウエブは、製紙機を通って搬送されるので、紙ウエブが受ける圧力プロフィルを知ることが、極めて重要である。圧力変動は、ウエブから排出される水分量に影響を与え、最終的なシートの水分量、厚み、および他の特性に悪影響を及ぼすことがある。従って、ロールに加えられる圧力の大きさは、抄紙機によって製造される紙の品質に影響を与えることがある。
【0008】
工業用ロールのカバー内に圧力センサおよび/または温度センサを設けることが知られている。例えば、Moschelらに付与された特許文献1は、ロールのポリマーカバー内に埋設された複数の圧力センサを備えている螺旋状に配置されたリード線を有するロールを記載している。これらのセンサは、ロールの長さに沿った種々の軸方向位置における圧力値をもたらすために、螺旋状に配置されている。典型的には、これらのセンサは、センサ信号をプロセッサに伝達する2つのリード線に接続されている。プロセッサは、信号を処理し、圧力信号および位置情報をもたらすようになっている。
【0009】
センサは、典型的には、圧電材料のような基板を備えており、電極が、この基板の上面および底面のそれぞれに付着されている。導電材料シートが、これらの電極に付着されており、基板から互いに逆方向に離れて延在している。(「翼(”wing”)とも呼ばれる」導電材料の延長部は、リード線の接続点として機能している。2つの翼は、センサが平坦に位置するように、実質的に同一の面内にある。1つの翼は、底側電極に付着されたシートを基板から直接離れる方に延在させることによって、形成されている。しかし、他の翼を形成するために、上側電極に付着されたシートは、電極の上面から片持ち梁のように突出し、底側翼のレベルまで「下方(down)」に曲げられている。その結果、このシートは、ある距離を支持されずに跨いでおり、この支持されていない区域またはその近傍において、突発的な破損を生じる傾向にある。この現象は、ロールが高動的負荷、高温度、および高侵襲性または腐食性化学薬品に晒される運転中に、特に生じやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第5,699,729号明細書
【発明の概要】
【0011】
本発明は、先行技術による工業用ロールによって引き起こされている課題のいくつかに対処することが可能である。第1の態様として、本発明の実施形態は、外面および内腔を有する実質的に円筒状のコアと、コアの外面を周方向に覆っているポリマーカバーと、検出システムと、を備えている工業用ロールに向けられている。検出システムは、カバー内に少なくとも部分的に埋設されており、ロールの運転パラメータを検出し、運転パラメータに関する信号を供給するように構成されている、複数のセンサと、センサに操作可能に関連付けられており、センサによってもたらされる信号を処理するようになっている、プロセッサと、を備えている。複数のセンサの各々は、基板の上面に重なっている第1の電極および基板の底面に重なっている第2の電極であって、第1の電極は、基板の上面を覆っており、第2の電極は、基板の底面の一部のみを覆っており、これによって、基板の底面および側面に隣接して、間隙を形成している、第1の電極および第2の電極と、第1の電極と基板の側面とに付着されており、基板の底面から第1の方向に離れて延在している第1の導電材料シートと、第2の電極に付着されており、基板の底面から第2の方向に離れて延在している第2の導電材料シートであって、第2の方向は、第1の方向と逆になっている、第2の導電材料シートと、を備えている。
【0012】
第2の態様として、本発明の実施形態は、外面および内腔を有する実質的に円筒状のコアと、コアの外面を周方向に覆っているポリマーカバーと、検出システムと、を備えている工業用ロールに向けられている。検出システムは、カバー内に少なくとも部分的に埋設されており、ロールの運転パラメータを検出し、運転パラメータに関する信号を供給するように構成されている、複数のセンサと、センサに操作可能に関連付けられており、センサによってもたらされる信号を処理するようになっている、プロセッサと、を備えている。複数のセンサの各々は、基板の上面に重なっている第1の電極および基板の底面に重なっている第2の電極であって、第1の電極は、基板の上面を覆っており、第2の電極は、基板の底面の一部のみを覆っており、これによって、基板の底面および側面に隣接して、間隙を形成しており、基板の上面と側面とは、鈍角をなしている、第1の電極および第2の電極と、第1の電極と基板の側面とに付着されており、基板の底面から第1の方向に離れて延在している第1の導電材料シートと、第2の電極に付着されており、基板の底面から第2の方向に離れて延在している第2の導電材料シートであって、第2の方向は、第1の方向と逆になっている、第2の導電材料シートと、を備えている。
【0013】
第3の態様として、本発明の実施形態は、外面および内腔を有する実質的に円筒状のコアと、コアの外面を周方向に覆っているポリマーカバーと、検出システムと、を備えている工業用ロールに向けられている。検出システムは、カバー内に少なくとも部分的に埋設されており、ロールが受ける圧力を検出し、圧力に関する信号を供給するように構成されている、複数の圧電センサと、センサに操作可能に関連付けられており、センサによってもたらされる信号を処理するようになっている、プロセッサと、を備えている。複数の圧電センサの各々は、基板の上面に重なっている第1の電極および基板の底面に重なっている第2の電極であって、第1の電極は、基板の上面を覆っており、第2の電極は、基板の底面の一部のみを覆っており、これによって、基板の底面および側面に隣接して、間隙を形成している、第1の電極および第2の電極と、第1の電極と基板の側面とに付着されており、基板の底面から第1の方向に離れて延在している第1の導電材料シートと、第2の電極に付着されており、基板の底面から第2の方向に離れて延在している第2の導電材料シートであって、第2の方向は、第1の方向と逆になっている、第2の導電材料シートと、を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明のロールおよび検出システムの模式図である。
【図2】図1のロールの内側基層、ケーブル、およびセンサの上に塗布されている外側基層の模式的斜視図である。
【図3】図2の外側基層の上に塗布されている最上紙料層の模式的斜視図である。
【図4A】本発明のいくつかの実施形態によるセンサの側面図である。
【図4B】図4Aのセンサの上方斜視図である。
【図5A】本発明の他の実施形態によるセンサの側面図である。
【図5B】図5Aのセンサの上方斜視図である。
【図6】本発明のいくつかの実施形態による図1のロールに対するセンサおよび付着されたリード線の大きく拡大した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付の図面を参照して、本発明をさらに詳細に説明する。本発明は、例示されている実施形態に制限されることを意図するものではなく、むしろ、これらの実施形態は、本発明を当業者に詳細かつ完全に開示することを意図している。図面では、同様の番号は、全体を通して、同様の要素を指すものとする。構成部品によっては、明瞭にするために、それらの厚みおよび寸法が誇張されていることがある。
【0016】
よく知られている機能または構造は、簡潔および/または明瞭にするために、詳細には説明しないことがある。
【0017】
特に他の規定がない限り、本明細書に用いられる技術用語および科学用語は、いずれも、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されているのと同じ意味を有している。本発明の詳細な説明に用いられる専門用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、本発明を制限することを意図するものではない。本発明の詳細な説明および添付の特許請求の範囲に用いられる単数形の「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかに他のことを指定しない限り、複数形も含むことを意図している。本明細書に用いられる「および/または(and/or)」という用語は、1つまたは複数の互いに関連して記載されている事項のいずれかおよび全ての組合せを含んでいる。本明細書に用いられる「付着される(attached)」、「接続される(connected)」、「相互接続される(interconnected)」、「接触している(contacting)」、「連結される(coupled)」、「取り付けられる(attached)」、「覆っている(overlying)」、などの用語は、特に他の規定がない限り、要素間の直接的なまたは間接的な付着または接触のいずれかを意味している。
【0018】
以下、図面について説明する。20で総称的に表されているロールが、図1に示されている。ロール20は、円筒状コア(図2参照)と、コア22を取り囲んでいる(典型的には、1種または複数種のポリマー材料から形成された)カバー24と、を備えている。圧力または温度のような運転パラメータを検出するための検出システム26は、1対の電気リード線28a,28bおよび複数のセンサ30を備えている。センサ30の各々は、少なくとも部分的にカバー24内に埋設されている。本明細書に用いられる「カバー内に「埋設された(embedded)」センサ」は、このセンサがカバー内に全体的に含まれていることを意味しており、「カバーの特定の1つまたは1組の層内に「埋設された(embedded)」センサ」は、このセンサが、該1つまたは1組の層内に全体的に含まれていることを意味している。検出システム26は、センサ30によって生じた信号を処理するプロセッサ32も備えている。
【0019】
コア22は、典型的には、鋼または鋳鉄のような金属材料から形成されている。コア22は、中実であってもよいし、または中空であってもよく、中空の場合、圧力プロフィルまたはロールプロフィルを変更することができる装置を含んでいてもよい。
【0020】
カバー24は、どのような形状を有していてもよく、ロールでの使用に適していると当業者によって認められているどのようなポリマー材料および/またはエラストマー材料から形成されていてもよい。例示的な材料として、天然ゴム;ネオプレン、スチレン−ブタジエン(SBR)、ニトリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン(HYPALONの商品名でも知られている「CSPE」)、EDPM(エチレン−プロピレンジエンモノマーから形成されたエチレン−プロピレンターポリマーに与えられた名称)のような合成ゴム;エポキシ;およびポリウレタンが挙げられる。また、カバー24は、補強・充填材料、添加物、などを含んでいてもよい。例示的な添加材料は、Stephensに付与された米国特許第6,328,681号明細書、Jonesに付与された米国特許第6,375,602号明細書、Gustafsonに付与された米国特許第6,981,935号明細書において検討されている。これらの特許の各々の開示内容は、その全体がここに含まれるものとする。
【0021】
多くの場合、カバー24は、複数の層を備えている。図2および図3は、内側基層42a、外側基層42b、および最上紙料層70の塗布を示している。追加層、例えば、外側基層42bと最上紙料層70との間の繋ぎ(tie−in)」層およびコア22と内側基層42aとの間の接着層が含まれていてもよい。
【0022】
図1、図4Aおよび図4Bを参照すると、検出システム26のセンサ30は、ロール20の運転パラメータ、例えば、圧力を検出するのに適している。以下にさらに詳細に説明するように、センサ30は、典型的には、基板80、基板の上面および底面に付着された電極82,84、および各電極に付着された導電材料シート88,90を備えている。導電材料シート88,90は、基板から互いに逆方向に離れて延在している。基板80は、圧電材料から構成されているとよく、このようなセンサは、一般的に、圧電センサと呼ばれている。例示的な圧電センサが、Mooreに付与された係属中の米国特許出願公開第2005/0261115号明細書において検討されている。この特許の開示内容は、その全体がここに含まれるものとする。圧電センサは、圧力、温度、または他の物理的パラメータの変化を受けたときに圧電効果を示すどのような素子であってもよい。「圧電効果(piezoelectricity)」は、機械的応力または他の応力を受けた誘電体結晶内の電気または電気分極の生成として定義されている。このような電気または電気分極は、電気ノイズから十分に識別される大きさを有している。例示的な圧電センサとして、PZT系チタン酸ジルコン酸鉛のような圧電セラミック、水晶、合成水晶、トルマリン、オルトリン酸ガリウム、CGG(CaGaGe14)、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、ロッシェル塩、および硫酸リチウム−水和物から形成された圧電センサが挙げられる。特に、センサ材料は、350°F、場合によっては、600°Fを超えるキューリ温度を有しているとよく、このようなセンサ材料によれば、製紙環境においてロールが受けることが多い温度において正確な検出を行うことが可能である。
【0023】
図1をさらに参照すると、検出システム26のリード線28a,28bは、ロール内の電気信号路に適していると当業者によって認められているどのような信号搬送部材であってもよい。前述したように、導電材料シート88,90は、基板から互いに逆方向に離れて延在している。リード線28a,28bは、「翼(wings)」と呼ばれることもある延長部に接触している。
【0024】
検出システム26は、ロール20の端に取り付けられたマルチプレクサ31または他のデータ収集装置を備えている。マルチプレクサ31は、センサ30から信号を受信し、かつ収集し、収集した信号をプロセッサ32に送信するものである。プロセッサ32は、典型的には、パーソナルコンピュータまたは同様のデータ変換装置、例えば、製紙工場の分散制御システムであり、センサ30と操作可能に関連付けられており、センサ30からの信号を有用で容易に理解できる情報に処理することができる。いくつかの実施形態では、センサ30から収集したデータをマルチプレクサ31からプロセッサ32に伝達するために、RF信号伝達のような無線通信モードが用いられている。他の代替的な構成の例として、信号をセンサ30からプロセッサ32に伝達することを可能とするスリップリングコネクタが挙げられる。適切な例示的処理ユニットが、Mooreに付与された米国特許第5,562,027号明細書および第7,392,715号明細書およびGustafsonらに付与された米国特許第6,752,908号明細書において検討されている。これらの特許の各々の開示内容は、その全体がここに含まれるものとする。
【0025】
ロール20は、例えば、係属中の米国特許出願公開第2005/0261115号に記載されている方法によって製造することができる。この特許の開示内容は、その全体がここに含まれるものとする。この方法では、最初、コア22がカバー24の一部(例えば、内側基層42a)によって被覆される。内側基層42aは、押出ノズル(図示せず)によって塗布されるとよいが、当業者によって知られている他の技術によって塗布されてもよい。典型的には、内側基層42aは、ゴムまたはエポキシ基複合材料から形成されており、約0.030インチ(約0.0762センチ)から約0.350インチ(約0.0889センチ)の間の厚みを有している。
【0026】
内側基層42aの形成の後、センサシステム26のリード線28a,28bおよびセンサ30が設置される(図2)。センサ30は、いったん所望の位置に配置されたなら、その箇所に付着されることになる。これは、当業者に知られているどのような技術によって行われてもよく、例示的な技術として、接着剤を用いる方法が挙げられる。
【0027】
図2を再び参照すると、いったんセンサ30およびリード線28a,28bが内側基層42aに位置決めされ、かつ付着されたなら、基層42の残り(すなわち、外側基層42b)が塗布される。図2は、押出ノズル52による外側基層42bの塗布を示しているが、当業者であれば、外側基層42bの塗布が、このような塗布に適していると認められるどのような技術によって行われてもよいことを理解するだろう。典型的なロールでは、外側基層42bは、ゴムまたはエポキシ基複合材料から形成されており、約0.030インチから0.350インチの間の厚みを有しており、これによって、センサ30は、基層42内に埋設されることになる。また、典型的には、外側基層42bは、内側基層42aと同じ材料から形成されている。
【0028】
前述したように、本発明は、基層および最上紙料層のみを含むカバーを有するロールのみならず、追加的な中間層を備えるカバーを有するロールを含むことも意図している。最上紙料層70の塗布の前に、どのような追加的な層が外側基層42bの上に塗布されてもよい。
【0029】
図3を参照すると、最上紙料層70が外側基層42bの上に塗布されている。最上紙料層70は、典型的には、ゴムまたはポリウレタンから形成されており、ポリマー層の塗布に適していると当業者に知られているどのような技術によって、塗布されてもよいが、図3は、押出しノズル72による塗布を示している。最上紙料層70は、典型的には、基層42の硬度よりも低い硬度を有するポリマー材料である。最上紙料層70は、通常、約0.200インチから4.00インチの間の厚みを有している。最上紙料層70の塗布に続いて、硬化が行われるが、この技術は、当業者によく知られているので、ここでは詳細に説明しないことにする。
【0030】
完成したロール20およびカバー24は、例えば、製紙機に用いられる。いくつかの実施形態では、ロール20は、ニッププレスの一部をなし、具体的には、フォーミング紙ウエブが通過するニップを形成するために、他のロールまたは加圧装置が、ロール20に隣接して配置されていることになる。このような状況では、特に、ニップ領域において、カバー24が受ける圧力を監視することが重要である。ロール20の種々の軸方向位置に関する圧力情報をもたらすセンサ30の各々によって、検出システム26は、カバー24に沿った種々の軸方向位置の圧力情報をもたらすことができる。
【0031】
運転時に、ロール20およびカバー24は、ロール20の軸を中心として極めて高速で回転するようになっている。センサ30の1つがロール20と相手ロールまたはプレスとによって形成されたニップを通過するたびに、センサ30は、相手ロールがセンサ30の上のカバー24の領域に加える圧力によって生じたパルスを伝達することになる。センサ30がニップに存在していないとき、通常のノイズレベルを超える有効なパルスは、生じることがない。このようにして、ロール20が回転すると、各センサ30は、ニップを通過し、その対応する位置における圧力を表すパルスをもたらすことになる。その結果、パルスの形態にあるデータが、センサ30によって生じ、リード線28a,28bに沿って伝達され、マルチプレクサ31に受信されることになる。典型的なデータ検索期間において、センサ30ごとに12−20個のパルスが受信される。これらの個々のパルスは、センサ30ごとに記憶され、代表的な圧力信号に処理されるようになっている。未処理のセンサデータは、いったん収集されたなら、マルチプレクサ31からプロセッサ32に送信され、容易に理解される形態、例えば、ロール20の長さに沿った圧力プロフィルとして処理されることになる。
【0032】
図4Aおよび図4Bは、本発明のいくつかの実施形態によるセンサ30を詳細に示している。センサ30は、基板80を備えている。基板80は、圧電材料であるとよい。基板80は、典型的には、約2mmから約20mmの間の幅W1、約2mmから約20mmの間の深さD1、および約0.5mmから約5mmの間の厚みt1を有している。
【0033】
第1の電極82が基板80の上面を覆っており、第2の電極84が基板80の底面を覆っている。電極82,84は、典型的には、約0.05mm(0.002インチ)未満の厚みを有している。第1の電極82は、基板80の全幅W1を覆っている。第2の電極84は、基板80の幅W1の一部のみを覆っており、これによって、基板80の底面および側面87に隣接して、間隙86を形成している。間隙86は、典型的には、約0.5mmから約5mmの間の幅を有しており、基板80の全深さD1に及んでいる。図示の実施形態では、基板80の上面と側面87とは、直角をなしている。
【0034】
第1の導電材料シート88の上部88aは、第1の電極82に付着されている。第1の導電材料シート88は、曲げられて基板80の側面87に付着され、これによって、第1の導電材料シート88の側部88bを形成している。第1の導電材料シート88は、再び曲げられ、基板80の底から第1の方向に離れて延在し、これによって、第1の導電材料シート88の延長部88cを形成している。側部88bは、当業者に知られているどのような技術によって、基板80の側面87に付着されてもよい。例示的な技術として、3MTM(商号)によって製造されている接着剤転写テープを用いる接着が挙げられる。第1の導電材料シート88は、基板80の側面87に付着されているので、基板80から離れる方に延長するときに、ある距離を支持されずに跨ぐことがない。第1の導電材料シート88がその長さに沿って十分に支持されているので、第1の導電材料シート88が突発的に破損する可能性が、著しく減少することになる。
【0035】
第2の導電材料シート90の底部90aは、第2の電極84に付着されている。第2の導電材料シート90は、基板80の底から第2の方向に離れて延在し、これによって、第2の導電材料シート90の延長部90cを形成している。第2の導電材料シート90に関連付けられた第2の方向は、第1の導電材料シート88に関連付けられた第1の方向と逆になっている。これに関して、延長部88c,90cは、以下にさらに詳しく説明するように、リード線28a,28bに接触する「翼」として機能することになる。
【0036】
第2の導電材料シート90の底部90aは、間隙86が維持されるように、第2の電極84に付着されている。間隙86は、電極82,84を電気的に絶縁すると共に、導電材料シート88,90を電気的に絶縁するのに役立つものである。
【0037】
導電材料シート88,90は、典型的には、約0.001インチから約0.1インチの間の厚みを有している。延長部88c,90cは、典型的には、約2mmから約20mmの距離にわたって、基板80の底から離れて延在している。導電材料シート88,90は、銅またはどのような他の材料であってもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、センサ30は、リード線28a,28bの接続点として機能するリード線取付け箇所92a,92bを備えている。第1のリード線取付け箇所92aは、第1の導電材料シート88の延長部88c上に位置しており、第2のリード線取付け箇所92bは、第2の導電材料シート90の延長部90c上に位置している。図4Bに示されているように、リード線取付け箇所92a,92bは、第1のリード線取付け箇所92aが第2のリード線取付け箇所92bと対角線上において向かい合って配置されるように、位置ずれしているとよい。いくつかの実施形態では、リード線取付け箇所92a,92bは、半田ドットである。
【0039】
図4Bに示されているように、センサ30は、電極82,84および導電材料シート88,90の分極性を明瞭に示す指標94を備えていてもよい。指標94は、第1の導電材料シート88の上部88aの上(すなわち、センサ30の上)に付着されていてもよいしまたは刷込みされていてもよい。いくつかの実施形態では、指標94は、矢印である。
【0040】
図5Aおよび図5Bは、本発明のいくつかの実施形態によるセンサ130を示している。センサ130は、基板180を備えている。基板180は、圧電材料であるとよい。基板180は、典型的には、その上面において、約2mmから約20mmの間の幅W2、その底面において、約3mmから約21mmの間の幅W3、約2mmから約20mmの間の深さD2、および約0.5mmから約5mmの間の厚みt2を有している。
【0041】
第1の電極182が基板180の上面を覆っており、第2の電極184が基板180の底面を覆っている。電極182,184は、典型的には、約0.05mm(0.002インチ)未満の厚みを有している。第1の電極182は、基板180の全幅W2を覆っている。第2の電極184は、基板180の幅W3の一部のみを覆っており、これによって、基板180の底面および側面187に隣接して、間隙186を形成している。間隙186は、典型的には、約0.5mmから約5mmの間の幅を有しており、基板180の全深さD2に及んでいる。
【0042】
図5Aおよび図5Bに示されているように、基板180の側面187は、傾斜している。これに関して、基板180の上面と側面187とは、鈍角A1をなしている。鈍角A1は、典型的には、約120°から約150°の間である。いくつかの実施形態では、鈍角A1は、約135°である。
【0043】
第1の導電材料シート188の上部188aは、第1の電極182に付着されている。第1の導電材料シート188は、曲げられ、基板180の側面187に付着され、これによって、第1の導電材料シート188の側部188bを形成している。第1の導電材料シート188は、再び曲げられ、基板180の底から第2の方向に離れて延在し、これによって、第1の導電材料シート188の延長部188cを形成している。側部188bは、当業者に知られている任意の技術によって基板180の側面187に付着されている。例示的な技術として、3MTM(商号)によって製造されている接着剤転写テープを用いる接着が挙げられる。第1の導電材料シート188は、基板180の側面187に付着されているので、基板180から離れる方に延長するときに、ある距離を支持されずに跨ぐことがない。第1の導電材料シート188がその長さに沿って十分に支持されているので、第1の導電材料シート188が突発的に破損する可能性が、著しく減少することになる。基板180の傾斜している側面187は、付加的な利点も有している。第1の導電材料シート188をより緩慢に曲げることができる(すなわち、2箇所において直角に曲げる必要がない)。また、第1の導電材料シート188が基板180の傾斜した側面187から引き剥がされる可能性が低い。
【0044】
第2の導電材料シート190の底部190aは、第2の電極184に付着されている。第2の導電材料シート190は、基板180の底から第2の方向に離れて延在し、これによって、第2の導電材料シート190の延長部190cを形成している。第2の導電材料シート190に関連付けられた第2の方向は、第1の導電材料シート188に関連付けられた第1の方向と逆になっている。これに関連して、以下にさらに詳細に説明するように、延長部188c、190cは、リード線28a,28bと接触する「翼」として機能することになる。
【0045】
第2の導電材料シート190の底部190aは、間隙186を維持するように、第2の電極184に付着されている。間隙186は、電極182,184を電気的に絶縁すると共に、導電材料シート188,190を電気的に絶縁するのに役立つものである。
【0046】
導電材料シート188,190は、典型的には、約0.001インチから約0.1インチの間の厚みを有している。延長部188c,190cは、典型的には、約2mmから約20mmの間の距離にわたって、基板180の底面から離れて延在している。導電材料シート188,190は、銅またはどのような他の導電材料であってもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、センサ130は、リード線28a,28bの接続点として機能するリード線取付け箇所192a,192bを備えている。第1のリード線取付け箇所192aは、第1の導電材料シート188の延長部188c上に位置しており、第2の取付け箇所192bは、第2の導電材料シート190の延長部190c上に位置している。図5Bに示されているように、リード線取付け箇所192a,192bは、第1のリード線取付け箇所192aが第2のリード線取付け箇所192bと対角線上において向かい合って配置されるように、位置ずれしているとよい。いくつかの実施形態では、リード線取付け箇所192a,192bは、半田ドットである。
【0048】
図5Bに示されているように、センサ130は、電極182,184および導電材料シート188,190の分極性を明瞭に示す指標194を備えていてもよい。指標194は、第1の導電材料シート188の上部188aの上(すなわち、センサ130の上)に付着されていてもよいしまたは刷込まれていてもよい。いくつかの実施形態では、指標194は、矢印である。
【0049】
図6を参照すると、前述したように、リード線28a,28bは、導電材料シート88,90の延長部88c,90cにおいて、センサ30に接触することが可能である。図6に例示されているように、リード線28a,28bは、延長部88c,90cに関連付けられた第1の方向d1および第2の方向d2に対して斜角A2をなしているとよい。他の実施形態では、リード線28a,28bは、延長部88c,90cに関連付けられた第1の方向d1および第2の方向d2に対して直角をなしていてもよい。
【0050】
図6に示されているように、リード線28a,28bが、導電材料シート88,90の延長部88c,90cに関連付けられた第1の方向d1および第2の方向d2に対して斜角A2をなしている場合、リード線28a,28bは、延長部88c,90cの対角線上において互いに向かい合った隅部にのみ接触することができる。これに関して、角度A2は、リード28a,28bと導電材料シート88,90との間の接触が最小限に抑えられるように、選択されているとよい。斜角A2は、典型的には、約1°から約80°の間にある。いくつかの実施形態では、斜角A2は、約20°から約60°の間にある。
【0051】
いくつかの実施形態では、図6にさらに示されているように、センサ30は、導電材料シート88,90の延長部88c,90c上にリード線取付け箇所92a,92bを備えているとよい。リード線取付け箇所92a,92bは、対角線上において互いに向かい合って配置されるように、位置ずれしているとよい。この構成では、リード線取付け箇所92a,92bは、延長部88c,90cに関連付けられた第1の方向d1および第2の方向d2に対して斜角A2をなしているリード線28a,28bと接触するように、位置決めされている。いくつかの実施形態では、リード線取付け箇所92a,92bは、半田ドットである。
【0052】
図6に例示されているように、リード線28a,28bは、導電材料シート88,90の延長部88c,90cの上に配置されているとよい。いくつかの実施形態では、リード線28a,28bは、延長部88c,90cの下に配置されていてもよい。さらに他の実施形態では、リード線28a,28bの一方が、延長部88c,90cの1つの上に配置され、リード28a,28bの他方が、延長部88c,90cの他の1つの下に配置されていてもよい。
【0053】
図6にはセンサ30が示されているが、(対応する部分、すなわち、導電材料シート188,190の延長部188c,190c、および可能であれば、リード線取付け箇所192a,192bを有する)センサ130が、センサ30に取って代わっていてもよい。
【0054】
以上の説明は、本発明の単なる例示にすぎず、本発明を制限すると解釈されるべきではない。本発明の例示的な実施形態を説明してきたが、当業者であれば、本発明の新規の示唆および利点から実質的に逸脱することなく、例示的な実施形態において多くの修正がなされてもよいことを容易に理解するだろう。従って、このような修正の全てが請求項に定義されている本発明の範囲内に含まれることが意図されている。本発明は、以下の請求項によって定義され、当該請求項の等価物は、請求項に含まれるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外面および内腔を有する実質的に円筒状のコアと、
前記コアの前記外面を周方向に覆っているポリマーカバーと、
検出システムと、
を備えており、前記検出システムが、
前記カバー内に少なくとも部分的に埋設されており、前記ロールの運転パラメータを検出し、前記運転パラメータに関する信号を供給するように構成されている、複数のセンサであって、前記複数のセンサの各々が、
基板の上面に重なっている第1の電極および前記基板の底面に重なっている第2の電極であって、前記第1の電極は、前記基板の上面を覆っており、前記第2の電極は、前記基板の前記底面の一部のみを覆っており、これによって、前記基板の前記底面および側面に隣接して、間隙を形成している、第1の電極および第2の電極と、
前記第1の電極と前記基板の前記側面とに付着されており、前記基板の前記底面から第1の方向に離れて延在している第1の導電材料シートと、
前記第2の電極に付着されており、前記基板の前記底面から第2の方向に離れて延在している第2の導電材料シートであって、前記第2の方向は、前記第1の方向と逆になっている、第2の導電材料シートと、
を備えている、複数のセンサと、
前記センサに操作可能に関連付けられており、前記センサによってもたらされる信号を処理するようになっている、プロセッサと、
を備えていることを特徴とする工業用ロール。
【請求項2】
前記検出システムは、前記複数のセンサの各々と相互接続している電気リード線をさらに備えていることを特徴とする、請求項1に記載の工業用ロール。
【請求項3】
前記複数のセンサの各々は、前記第1の導電材料シートの延長部上の第1のリード線取付け箇所と、前記第2の導電材料シートの延長部上の第2のリード線取付け箇所と、をさらに備えていることを特徴とする、請求項1に記載の工業用ロール。
【請求項4】
前記センサシステムは、前記リード線取付け箇所において前記複数のセンサの各々と相互接続している電気リード線をさらに備えていることを特徴とする、請求項3に記載の工業用ロール。
【請求項5】
前記リード線取付け箇所は、半田ドットを含んでいることを特徴とする、請求項3に記載の工業用ロール。
【請求項6】
前記第1のリード線取付け箇所は、前記第2のリード線取付け箇所と対角線上において向かい合って配置されていることを特徴とする、請求項3に記載の工業用ロール。
【請求項7】
前記電気リード線は、前記第1の方向および前記第2の方向に対して約1°から約80°の間の傾斜角をなしていることを特徴とする、請求項2に記載の工業用ロール。
【請求項8】
前記センサは、圧力を検出するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の工業用ロール。
【請求項9】
前記センサは、前記電極および前記導電材料シートの分極性を示す指標を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の工業用ロール。
【請求項10】
前記カバーは、前記コアを周方向に覆っている基層と、前記基層を周方向に覆っている最上紙料層と、を備えており、前記センサは、前記基層内に埋設されていることを特徴とする、請求項1に記載の工業用ロール。
【請求項11】
前記最上紙料層は、ゴムおよびポリウレタンからなる群から選択される材料から形成されていることを特徴とする、請求項10に記載の工業用ロール。
【請求項12】
前記基板の前記上面と前記側面とは、直角をなしていることを特徴とする、請求項1に記載の工業用ロール。
【請求項13】
外面および内腔を有する実質的に円筒状のコアと、
前記コアの前記外面を周方向に覆っているポリマーカバーと、
検出システムと、
を備えており、前記検出システムが、
前記カバー内に少なくとも部分的に埋設されており、前記ロールの運転パラメータを検出し、前記運転パラメータに関する信号を供給するように構成されている、複数のセンサであって、前記複数のセンサの各々が、
基板の上面に重なっている第1の電極および前記基板の底面に重なっている第2の電極であって、前記第1の電極は、前記基板の上面を覆っており、前記第2の電極は、前記基板の前記底面の一部のみを覆っており、これによって、前記基板の前記底面および側面に隣接して、間隙を形成しており、前記基板の前記上面と前記側面とは、鈍角をなしている、第1の電極および第2の電極と、
前記第1の電極と前記基板の前記側面とに付着されており、前記基板の前記底面から第1の方向に離れて延在している第1の導電材料シートと、
前記第2の電極に付着されており、前記基板の前記底面から第2の方向に離れて延在している第2の導電材料シートであって、前記第2の方向は、前記第1の方向と逆になっている、第2の導電材料シートと、
を備えている、複数のセンサと、
前記センサに操作可能に関連付けられており、前記センサによってもたらされる信号を処理するようになっている、プロセッサと、
を備えていることを特徴とする工業用ロール。
【請求項14】
前記検出システムは、前記複数のセンサの各々と相互接続している電気リード線をさらに備えていることを特徴とする、請求項13に記載の工業用ロール。
【請求項15】
前記複数のセンサの各々は、前記第1の導電材料シートの延長部上の第1のリード線取付け箇所と、前記第2の導電材料シートの延長部上の第2のリード線取付け箇所と、をさらに備えていることを特徴とする、請求項13に記載の工業用ロール。
【請求項16】
前記センサシステムは、前記リード線取付け箇所において前記複数のセンサの各々と相互接続している電気リード線をさらに備えていることを特徴とする、請求項15に記載の工業用ロール。
【請求項17】
前記リード線取付け箇所は、半田ドットを含んでいることを特徴とする、請求項15に記載の工業用ロール。
【請求項18】
前記第1のリード線取付け箇所は、前記第2のリード線取付け箇所と対角線上において向かい合って配置されていることを特徴とする、請求項15に記載の工業用ロール。
【請求項19】
前記電気リード線は、前記第1の方向および前記第2の方向に対して約1°から約80°の間の傾斜角をなしていることを特徴とする請求項14に記載の工業用ロール。
【請求項20】
前記センサは、圧力を検出するように構成されていることを特徴とする、請求項13に記載の工業用ロール。
【請求項21】
前記センサは、前記電極および前記導電材料シートの分極性を示す指標を備えていることを特徴とする、請求項13に記載の工業用ロール。
【請求項22】
前記カバーは、前記コアを周方向に覆っている基層と、前記基層を周方向に覆っている最上紙料層と、を備えており、前記センサは、前記基層内に埋設されていることを特徴とする、請求項13に記載の工業用ロール。
【請求項23】
前記最上紙料層は、ゴムおよびポリウレタンからなる群から選択される材料から形成されていることを特徴とする、請求項22に記載の工業用ロール。
【請求項24】
前記鈍角は、約120から約135°の間であることを特徴とする、請求項13に記載の工業用ロール。
【請求項25】
外面および内腔を有する実質的に円筒状のコアと、
前記コアの前記外面を周方向に覆っているポリマーカバーと、
検出システムと、
を備えており、前記検出システムが、
前記カバー内に少なくとも部分的に埋設されており、前記ロールが受ける圧力を検出し、前記圧力に関する信号を供給するように構成されている、複数の圧電センサであって、前記複数のセンサの各々が、
基板の上面に重なっている第1の電極および前記基板の底面に重なっている第2の電極であって、前記第1の電極は、前記基板の上面を覆っており、前記第2の電極は、前記基板の前記底面の一部のみを覆っており、これによって、前記基板の前記底面および側面に隣接して、間隙を形成している、第1の電極および第2の電極と、
前記第1の電極と前記基板の前記側面とに付着されており、前記基板の前記底面から第1の方向に離れて延在している第1の導電材料シートと、
前記第2の電極に付着されており、前記基板の前記底面から第2の方向に離れて延在している第2の導電材料シートであって、前記第2の方向は、前記第1の方向と逆になっている、第2の導電材料シートと、
を備えている、複数のセンサと、
前記センサに操作可能に関連付けられており、前記センサによってもたらされる信号を処理するようになっている、プロセッサと、
を備えていることを特徴とする工業用ロール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−516985(P2012−516985A)
【公表日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−549359(P2011−549359)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/038581
【国際公開番号】WO2011/005423
【国際公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(506152933)ストウ・ウッドワード,リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (3)
【Fターム(参考)】