説明

形象玩具

【課題】形象玩具であるにもかかわらず、玩具体を構成する構成部品の一部が文具で構成され、全体としては文具としてよりも玩具としての印象が強く、従来の文具玩具一体型のものとは差別化を図ることができる形象玩具を提供すること。
【解決手段】形象玩具は玩具本体1と、該玩具本体1に回動可能に取着された構成部品とから構成され、上記構成部品の少なくとも1つは文具Aと一体又は文具Aが着脱できるようにするとともに、上記形象玩具をロボットを模して形成し、上記玩具本体1をロボットの胴体部で構成し、上記構成部品をロボットの頭部2、腕部3、4及び脚部5、6で構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、形象玩具、詳しくは玩具を構成する構成部品の少なくとも1つが文具で構成されている形象玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、文具と玩具とを一体化したものが提案され、実用化されている(例えば、特許文献1)。この文具は、ボールペンやシャープペンシルなどの筆記具の後端に玩具を設け、ペン先を出没させるときに玩具が作動するようにしたものである。
【特許文献1】登録実用新案第3011340号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする問題点は、筆記具が単に筆記するための機能に加え筆記具に設けた玩具が作動するようにし、単に筆記だけではなく玩具としても楽しむことができるようにしたものであるが、あくまで筆記具に玩具を設けたものであり全体の形状としては筆記具としての形状であり、玩具と筆記具とを合体させただけのものであった。
【0004】
本発明は、上記問題点を解決し、形象玩具であるにもかかわらず、玩具体を構成する構成部品の一部が文具で構成され、全体としては文具としてよりも玩具としての印象が強く、従来の文具玩具一体型のものとは差別化を図ることができる形象玩具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために本発明に係る形象玩具は、玩具本体と、該玩具本体に回動可能に取着された構成部品とから構成され、該構成部品の少なくとも1つを文具と一体又は文具を着脱可能に形成したことを特徴とする。
【0006】
なお、前記形象玩具はロボットを模して形成されるとともに、前記玩具本体をロボットの胴体部で構成し、前記構成部品をロボットの頭部、腕部及び足部で構成することが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、全体の外観としては形象玩具でありながら、玩具本体を構成する部品を文具で構成することにより、形象玩具として見て楽しむだけではなく構成部品を文具としても利用することができ、構成部品が文具と一体であれば、玩具を文具として使用でき、文具を着脱できるようにすれば、形象玩具で文具の管理ができ、文具を探す手間を省くことができるので、遊び心と実用性とを備えた形象玩具を提供することができる。
【0008】
請求項2の発明によれば、形象玩具をロボットを模して形成することにより、机の上のアクセサリーとしても楽しめるし、必要なときには文具を使用することができ構成部品自体が文具であれば、玩具本体を文具として利用することができ、実用性をそなえた形象玩具を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
玩具本体を腕部や脚部などの複数の構成部品から構成し、この構成部品の少なくとも1つを文具で構成するとともに、この文具は上記構成部品と一体又は着脱可能にした。
【実施例1】
【0010】
図1は、本発明に係る形象玩具を示し、この形象玩具はロボットを模して形成され、胴体部からなる玩具本体1と、この玩具本体1に取着されている形象玩具の構成部品である頭部2、腕部3、4及び、脚部5、6から構成されているものである。
【0011】
この形象玩具は、両足7、8が文具Aであるクリップで構成され、左の腕部3が文具Aである消しゴムのホルダー、右の腕部4が文具Aである鉛筆11のホルダーで構成されているものであり、頭部2は文具Aである消しゴム12のホルダーを構成しているものである。
【0012】
頭部2は中空で後頭部が開口しており、この開口部から頭部2内に消しゴム12の前部が着脱自在に挿入されているもので、この消しゴム12の後部は頭部2の後頭部を模して形成されており、消しゴム12の使用時には頭部2から外して使用できるようになっている。
【0013】
足部7、8は紙などを挟むクリップで構成され、胴体部1に回動可能に連結された脚部5a、6aに回動可能に連結されている。
【0014】
左の腕部3は胴体部1に回動可能に連結された上腕部3aと、この上腕部3aに回動可能に連結されたホルダー3bとで構成され、このホルダーの先端には嵌合凹部が形成され、この嵌合凹部には消しゴム10の一端が嵌め込まれている。この消しゴムは楯をイメージしたもので、あたかもロボットが武器である楯を保持して立っている状態を表現している。
【0015】
そして、消しゴム10を使用する際は、図1(b)に示すように、ホルダー3bから外して使用し、使い終わったら再びホルダー3bに保持させれば消しゴム10を紛失するようなことがない。
【0016】
右の腕部4は胴体部1に回動可能に連結された上腕部4aと、この上腕部4aに回動可能に連結されたホルダー4bとで構成され、このホルダー4bの先端には嵌合凹部が形成され、この嵌合凹部には鉛筆11の一端が嵌め込まれ、鉛筆を使用する際は、図1(a)に示すように、ホルダー4bから外して使用、使い終わったら再びホルダー4bに保持させれば鉛筆11を紛失するようなことも、探すようなこともない。
【0017】
なお、この鉛筆11の先端には鉛筆キャップ13が着脱可能に取り付けられ、この鉛筆キャップ15はロケットを模して形成され、あたかもロボットが武器であるロケットを保持して立っている状態を表現している。
【0018】
上記構成の形象玩具によれば、消しゴム10を使用したいときには左の腕部3から、消しゴム12を使用したいときには、頭部2から夫々消しゴムを取り外して使用すればよいし、鉛筆11を使用したいときには右の腕部4から鉛筆を取り外し、鉛筆キャップ13を外して使用すればよい。
【0019】
さらに、メモ用紙を紛失しないように左右の足部7、8のいずれかに挟めば、あたかもロボットがメモ用紙を足で押さえつけたように見え、しかも紛失することがない。
【0020】
上述のように、形象玩具の構成部品を文具Aそのもの、若しくは文具Aを保持するホルダーで構成したので、形象玩具で遊ぶだけではなく、構成部品を文具Aとしても使用することができ、遊びと実用とを両立した玩具を実現することができる。
【0021】
また、図2は形象玩具の他の例を示し、この形象玩具は左の腕部3に文具Aである定規15を、右の腕部4に文具Aである大型のクリップ16を備えたもので、左の腕部3は胴体部1に回動可能に連結された上腕部3aと、この上腕部3aに回動可能に連結されたホルダー3bとで構成され、このホルダー3bは先端が二股に分かれ、定規15の一端を挟持するようになっているもので、定規15を使用する際は、図2(b)に示すように、ホルダー3bから定規15を引き抜いて使用することができるようになっている。
【0022】
一方、右の腕部4は胴体部1に回動可能に連結された上腕部4aと、この上腕部4aの先端に回動可能に連結されたクリップ部材16とで構成され、クリップ部材16の先端を開いてメモ用紙などの紙片17を挟んだときにはあたかもロボットがメモ用紙17を手で掴んでいるような状態を作り出すことができる。
【0023】
上述したように、胴体部1に対し構成部品である腕部3、4、脚部5、6を自由に回動させ、任意の姿勢を作り出し、机の上や本棚の置物として飾ることができるとともに、構成部品が備えている文具Aを実際に使用することができるので、机の上のアクセサリーとしてだけではなく、実用性をそなえた形象玩具を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】(a)〜(c)は本発明に係る形象玩具の一例を示す正面図、文具を外した状態を説明する右側面図及び、要部を切断した左側面図
【図2】(a)〜(c)は本発明に係る形象玩具の他の例を示す正面図、文具の使用状態を説明する右側面図及び、文具を外した状態を説明する左側面図
【符号の説明】
【0025】
1 玩具本体
2 頭部
3 腕部
4 腕部
5 脚部
6 脚部
A 文具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
玩具本体と、該玩具本体に回動可能に取着された構成部品とから構成され、該構成部品の少なくとも1つを文具と一体又は文具を着脱可能に形成したことを特徴とする形象玩具。
【請求項2】
前記形象玩具はロボットを模して形成されるとともに、前記玩具本体をロボットの胴体部で構成し、前記構成部品をロボットの頭部、腕部及び脚部で構成した、請求項1記載の形象玩具

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−174993(P2006−174993A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−370691(P2004−370691)
【出願日】平成16年12月22日(2004.12.22)
【出願人】(000003584)株式会社タカラトミー (248)
【Fターム(参考)】