説明

彫り込まれた光学的可変絵像デバイス

【課題】光学的可変領域およびその光学的可変領域の周辺に触知領域を有する絵像を好適に提供すること。
【解決手段】透明のキャリアにある非球体、磁気作用によって整列可能な光学的ピグメント薄片(40)が、基板に適用され、その基板に磁界を印加することによって整列される方法、およびその方法によって製作される絵像を提供する。ピグメント薄片(40)は磁力線に沿って整列し、薄片(46)を押し付けまたは刻み込むための道具が、薄片(46)を再整列するために、または所望の領域から薄片を除去するために基板のサブ領域に適用される。例えば、刻み込む道具は、磁気作用によって整列された薄片(40)に署名または他のマークを刻み込むために使われ得る。そして、薄片は硬化され、光学的および触知的特徴を有する絵像が保護される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本発明は、米国特許出願第60/660,837号、2005年3月11日出願の優先権を主張し、ここに援用する。
【0002】
(技術分野)
本発明は、一般に、光学的可変ピグメント、フィルム、デバイスおよび絵像(image)に関し、特に、幻影光学的効果(illusive optical effect)を得るための、例えばペイントまたは印刷処理時の磁性薄片の整列(aligning)または配向(orienting)に関する。
【背景技術】
【0003】
光学的可変デバイスは、装飾的および実用的の両方の多様なアプリケーションにおいて使用される。光学的可変デバイスは、多様な効果を達成するために多数の方法で製作され得る。ホログラムのような光学的可変デバイス(OVD)はクレジットカードおよび認証ソフトウェアドキュメンテーションに刻み込まれ、色位相絵像は紙幣に印刷される。OVDは、バイクのヘルメットおよびタイヤのカバーのようなアイテムの表面の外見を美しくする。
【0004】
光学的可変デバイスは、プレスされ、スタンプされ、そして貼り付けられるフィルムまたはフォイルとして、そうでなければ物体に付着されるフィルムまたはフォイルとして製作され得、また、光学的可変ピグメントを用いて製作され得る。光学的可変ピグメントを用いて適切に印刷された絵像の視覚される色は、それが見られる角度および/またはそれが照らされる角度にともない変化する故、そのような光学的可変ピグメントの1つのタイプは、色変化(color−shifting)ピグメントと一般的に呼ばれる。一般的な例は、米国の20ドル札の右側下部に色変化ピグメントを用い印刷されている数字の「20」である。その色変化ピグメントを用いて印刷される数字は、偽造防止デバイスとして働く。
【0005】
一部の偽造防止デバイスは隠されている一方、他のものは気が付かれるように隠されていない。不都合にも、気が付かれるように隠されていない一部の光学的可変デバイスは、広く周知されていない。何故なら、デバイスの光学的可変の外観が、実質的に印象的ではなく、またはその背景から区別可能ではないからである。例えば、色変化ピグメントを用いて印刷された絵像の色変化量は、均一の蛍光の天井照明の下において気付かれ得ず、しかし、直射日光または単一照明の下において気付かれる可能性が大きくあり得る。これは、受取人が光学的可変特徴を気付かなくあり得る故、または、偽造紙幣が特定の状況下において本物の紙幣と実質的に同様に見られ得る故、偽造者にとって光学的可変特徴なしの偽造紙幣を広めることを容易にさせ得る。
【0006】
光学可変デバイスは、磁気ピグメントを用いても製作され得る。これら磁気ピグメントは、表面に(通常、インク伝達手段またはペイント伝達手段のようなキャリアにある)ピグメントが供給された後、磁界と整列され得る。しかしながら、磁気ピグメントを用いてのペイントは、大部分において装飾用として使用されている。例えば、磁気ピグメントの使用は、3次元の型が現れる装飾特徴を有するペイントカバータイヤを製作するために記述されてきた。パターンは、製品に磁界をペイント媒体がまだ液状にある状態のうちに印加することによって、ペイントされた製品の上に形成される。ペイント媒体は、磁力線に沿って整列する磁性非球形小片を分散する。場は2つの領域を有する。第1の領域は、表面に平行に配置される磁力線を含み、所望のパターンの形に整えられる。第2の領域は、ペイントされた製品の表面に平行ではない磁力線を含み、パターンの周辺に位置する。パターンを形成するために、所望のパターンの形に対応する形を有する永久磁石または電磁石は、ペイントがまだ乾いていない間にそのペイントに分散された非球形磁性小片を磁界において配向するように、ペイントされた製品の下に位置される。ペイントが乾いた時、ペイント層に入射する光線が、配向された磁性小片によって異なった影響を及ぼすのと同時に、パターンはペイントされた製品の表面において見られる。
【0007】
同様に、フッ素ポリマーマトリクスにおいての薄片化された磁性小片のパターンの形成のための処理は、以前に説明されている。液状にある構成要素を用いた製品のコーティングの後、所望の形を有する磁石は、基板の底面下に配置される。液体有機媒体に分散された磁性薄片は、初期の平面配向から傾きながら、磁力線に並行に並ぶ。この傾きは、基板の表面に直角から初期の配向まで変化し、製品の表面に実質的に平行である薄片(flake)をも含む。平面配向薄片は、見る人に入射光を反射し返す一方、再配向薄片は反射し返さず、コーティングの3次元パターンの出現を提供する。
【0008】
背景従来技術として、本明細書にて援用されるRaksha等の名前で2005年5月19日に公表され、JDS Uniphase Corporationに譲受された米国特許出願第20050106367号は、光学的可変薄片(optically variable flake)のような磁性薄片を配向するための方法と装置を記載する。
【0009】
視覚的に魅力があり、有用な光学的効果を提供するための前記の一部の方法は、現在ではいたるところにあるが、これらのデバイスは、真正物としてより認識されることを可能にするために強化および付加的な特徴を必要とする。例えば、さらなる付加的なセキュリティー特徴を提供する性能を有することが好ましい。
【0010】
例えば、色変化に関する磁気作用によって整列された薄片およびそれに関する光学的特徴を含む、入射光角の変化または見るときの角度の変化に伴う色変化を提供するセキュリティー装置を有することは、非常に望ましい。そして、適切な量の感度を有するそのような装置を提供することは、非常に有用である。また、機能性の面において異なる装置領域間において重要なコントラスト、および区切りがある場合、そのような装置は好まれる。例えば、浮き出した領域に直接隣接する薄膜色変化薄片における、磁気作用によって整列された領域は、磁気作用によって異なって整列された2つの隣接する領域では実現不可能である利点を提供し得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、絵像の複数のコントラスト、見分けられる領域を形成するための方法を提供することであり、少なくとも1つの領域は、所定の配向を有する印加磁界によって整列される磁性薄片を含み、第1の見分けられる領域に隣接するもう一方の見分けられる領域は、薄片を有するか、あるいは、薄片を機械的に押し付けることによって、または第2の領域から薄片を押し動かすことによって薄片の存在を有さない。
【0012】
本発明の目的は、触知絵像を提供することであり、触知移行(tactile transition)は、少なくとも第1の見分けの付く領域と第2の見分けの付く領域との間の移行を触ることによって触知され得る。
【0013】
本発明の目的は、目の不自由な人が紙幣またはドキュメントの真正性を確認することを助ける触知性質を有する紙幣、またはセキュリティードキュメントを提供することである。
【0014】
本発明の目的は、光学的可変領域およびその光学的可変領域の周辺に触知領域を有する絵像を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に従い、絵像が提供され、その絵像は、
a)共に絵像を規定する、対照が際立つ見分けの付く複数の領域(contransting discernible reagion)を有する基板を備えた絵像であって、該複数の領域の少なくとも第1の見分けの付く領域が、所定の方位を有する印加される磁界によって整列された磁性薄片を有し、
b)該複数の領域の第2の見分けの付く領域が、該第1の見分けの付く領域にある薄片とは異なって配向された薄片を有し、該第1の見分けの付く領域に隣接し、
i)該配向が、該第2の領域にある薄片を機械的に押し付けることによって生じ、または、
ii)該第2の領域には、該第2の領域から押し退かされることによって薄片が存在せず、
該絵像は触知できる絵像を形成し、
触知できる移行が、少なくとも該第1の見分けの付く領域と該第2の見分けの付く領域との移行を触ることによって感知される。
【0016】
本発明に従い、絵像をさらに提供し、その絵像は、複数の光学的に見分けの付く触知できる領域を有する絵像であって、2つの隣接し合う触知できる見分けの付く領域が異なった光学的な特徴を有し、領域の1つが、隣接する領域内にある薄片とは異なり、異なった手段によって整列される磁性薄片を有する。
【0017】
本発明に従い、絵像が提供される。その絵像は、
共に絵像を規定する、対照が際立つ見分けの付く複数の領域を備えた絵像であって、
複数の領域の少なくとも第1の見分けの付く領域が、所定の方位を有する印加される磁界によって整列された磁性薄片を有し、
複数の領域の第2の見分けの付く領域が、第1の見分けの付く領域にある薄片とは異なって配向された薄片を有し、第1の見分けの付く領域に隣接し、
配向が、第2の領域にある薄片を機械的に押し付けることによって生じ、または、
第2の領域には、道具を用いて第2の領域から機械的に押し退かされることによって薄片が存在せず、
絵像は触知できる絵像を形成し、
触知できる移行が、少なくとも第1の見分けの付く領域と第2の見分けの付く領域とのインターフェースを触ることによって感知される。
【0018】
本発明の他の側面に従い、絵像を形成する方法が提供される。その方法は、基板を提供するステップと、基板の第1の領域を磁性非球体薄片を用いてコーティングするステップと、非球体薄片を、所定の方位に合わされた磁界にさらすことによって、第1の領域にある磁性非球体薄片を磁気作用によって配向するステップと、
a)第1の領域において絵像が形成されるように、サブ領域にある薄片の整列を変えるために第1の領域のサブ領域内にある磁気作用によって配向された非球体薄片を押し付けるステップであって、サブ領域内にある薄片が、サブ領域外にある第1の領域内の薄片から異なる視覚的な外見を有する、ステップ、または
b)絵像が形成されるように、サブ領域にある薄片の整列を変えるために、および/または、第1の領域から薄片を押し退けるために、第1の領域のサブ領域内にある磁気作用によって配向された非球体薄片を刻み付ける(scribing)ステップであって、サブ領域がサブ領域外にある第1の領域から異なる視覚的な外見を有する、ステップとを包含する。
【0019】
本発明は、さらに以下の手段を提供する。
(項目1)
a)共に絵像を規定する、対照が際立つ見分けの付く複数の領域を有する基板を備えた絵像であって、該複数の領域の少なくとも第1の見分けの付く領域が、所定の方位を有する印加される磁界によって整列された磁性薄片を有し、
b)該複数の領域の第2の見分けの付く領域が、該第1の見分けの付く領域にある薄片とは異なって配向された薄片を有し、該第1の見分けの付く領域に隣接し、
i)該配向が、該第2の領域にある薄片を機械的に押し付けることによって生じ、または、
ii)該第2の領域には、該第2の領域から押し退かされることによって薄片が存在せず、
該絵像は触知できる絵像を形成し、
触知できる移行が、少なくとも該第1の見分けの付く領域と該第2の見分けの付く領域との移行を触ることによって感知される、絵像。
(項目2)
上記磁性薄片が、入射光の角度の変化、または見る角度の変化によって色が変化する光学的可変薄片である、項目1に記載の絵像。
(項目3)
上記薄片の少なくとも一部が、該薄片内に溝を備える線形回折構造を有する回折薄片である、項目1に記載される絵像。
(項目4)
上記回折薄片の上記溝が上記印加された場に実質的に平行であり、上記基板に直角である、項目3に記載の絵像。
(項目5)
上記第1の、および第2の見分けの付く領域内にある上記薄片が、少なくとも2:1のアスペクト比を有する磁気薄片である、項目1に記載の絵像。
(項目6)
上記第1の領域内にある上記薄片が、該薄片の端に接して、上記基板に対して実質的に垂直に整列される、項目1に記載の絵像。
(項目7)
上記第1の領域内にある上記薄片が非光学的にアクティブであるように整列され、上記第2の領域内にある上記薄片が光学的にアクティブであるように整列される、項目6に記載の絵像。
(項目8)
上記第2の領域にある上記薄片が、彫り込み道具(engraving tool)を用いて所定の形に整列される光学的可変薄片である、項目7に記載の絵像。
(項目9)
入射光が上記第2の領域から実質的に反射され、光が上記第1の領域によって実質的に吸収される、またはトラップされる、項目8に記載の絵像。
(項目10)
上記第2の領域が上記第1の領域に対して比較的窪んでいる、項目9に記載の絵像。
(項目11)
複数の光学的に見分けの付く触知できる領域を有する絵像であって、2つの隣接し合う触知できる見分けの付く領域が異なった光学的な特徴を有し、該領域のうちの1つが、該隣接する領域内にある薄片とは異なって、および異なった手段によって整列される磁性薄片を有する、絵像。
(項目12)
上記領域のうちの1つにある薄片が磁気作用によって整列し、磁気作用によって整列された複数の薄片に上記隣接する領域が、形成道具を用いて機械的に押し付けることによって整列される薄片のある領域である、項目11に記載の絵像。
(項目13)
共に絵像を規定する、対照が際立つ見分けの付く複数の領域を備えた絵像であって、
該複数の領域の少なくとも第1の見分けの付く領域が、所定の方位を有する印加される磁界によって整列された磁性薄片を有し、
該複数の領域の第2の見分けの付く領域が、該第1の見分けの付く領域にある薄片とは異なって配向された薄片を有し、該第1の見分けの付く領域に隣接し、
該配向が、該第2の領域にある薄片を機械的に押し付けることによって生じ、または、
該第2の領域には、道具を用いて該第2の領域から機械的に押し退かされることによって薄片が存在せず、
該絵像は触知できる絵像を形成し、
触知できる移行が、少なくとも該第1の見分けの付く領域と該第2の見分けの付く領域とのインターフェースを触ることによって感知される、絵像。
(項目14)
上記第2の領域にある上記薄片が、該薄片を機械的に押し付けることによって配向される以前に、上記第1の領域にある薄片と磁気作用によって整列される、項目13に記載の絵像。
(項目15)
絵像を形成する方法であって、該方法は、
基板を提供するステップと、
少なくとも該基板の第1の領域を磁性非球体薄片を用いてコーティングするステップであって、該磁性非球体薄片の各々が、実質的に平行な向かい合う第1の面および第2の面を有する、ステップと、
該第1の領域にある薄片の向かい合う面が、該基板の該第1の領域にコートされる非球体薄片を所定の方位に合わされた磁界にさらすことによって、該基板に実質的に直交するように、該第1の領域にある該磁性非球体薄片を整列するステップと、および
該第1の領域において絵像が形成されるように、サブ領域にある薄片の整列を変えるために該第1の領域のサブ領域内にある磁気作用によって配向された非球体薄片を押し付けるステップであって、該サブ領域内にある薄片が、該サブ領域外にある該第1の領域内の薄片から異なる視覚的な外見を有する、ステップと
を包含する方法。
(項目16)
上記コーティングするステップが、上記磁性非球体薄片を含むキャリアを用いて印刷する、ペイントする、またはスプレーすることによって行われる、項目15に記載の方法。
(項目17)
上記薄片がインクまたはペイントを形成するためのキャリア内にあり、上記押し付けるステップが、彫り込み道具の使用を含む、項目15に記載の方法。
(項目18)
絵像を形成する方法であって、該方法は、
基板を提供するステップと、
該基板の第1の領域を磁性非球体薄片を用いてコーティングするステップと、
該非球体薄片を、所定の方位に合わされた磁界にさらすことによって、該第1の領域にある該磁性非球体薄片を磁気作用によって配向するステップと、
a)該第1の領域において絵像が形成されるように、該サブ領域にある薄片の整列を変えるために該第1の領域の該サブ領域内にある磁気作用によって配向された非球体薄片を押し付けるステップであって、該サブ領域内にある薄片が、該サブ領域外にある該第1の領域内の薄片から異なる視覚的な外見を有する、ステップ、または
b)絵像が形成されるように、サブ領域にある薄片の整列を変えるために、および/または、該第1の領域から薄片を押し退けるために、該第1の領域の該サブ領域内にある磁気作用によって配向された非球体薄片を刻み付けるステップであって、サブ領域が、サブ領域外にある第1の領域から異なる視覚的な外見を有する、ステップと
を包含する方法。
(項目19)
項目18に記載の方法によって作成された、少なくとも2つの見分けの付く領域および触知特徴を有する絵像。
【0020】
(摘要)
透明のキャリアにある非球体、磁気作用によって整列可能な光学的ピグメント薄片が、基板に適用され、その基板に磁界を印加することによって整列される方法、およびその方法によって製作される絵像を提供する。ピグメント薄片は磁力線に沿って整列し、薄片を押し付けまたは刻み込むための道具が、薄片を再整列するために、または所望の領域から薄片を除去するために基板のサブ領域に適用される。例えば、刻み込む道具は、磁気作用によって整列された薄片に署名または他のマークを刻み込むために使われ得る。そして、薄片は硬化され、光学的および触知的特徴を有する絵像が保護される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の例示的実施形態が、添付の図面と共にこれより記載される。
【0022】
凹版印刷としても知られるインタリオ印刷は、絵像を形成するための十分に認められた方法である。インタリオ印刷は、光学的可変干渉デバイス(OVID)を印刷するためにも使用され得る。本発明の方法に従い、図1は、インタリオ印刷プレートプレス12内のインク10を示し、図2は、図1に示される印刷プレスを用いて印刷されることによって形成される結果基板20を示す。本発明の一つの重要な特徴は、印加された重い印刷圧力の結果生じた基板の浮き出しによって形成される触覚である。インクは、流体キャリア内に懸濁された光学的可変薄片から形成され得る。光学的可変小片を含むインクは、Phillips等によっての米国特許第5,059,245号および第5,171,363号において記載され、周知である。インタリオ印刷処理を用いてそのようなOVインクを使用する場合、最終的な絵像は、印刷プレートの彫り込まれた範囲に対応する印刷の盛り上がった範囲においてのみインクを含む。
【0023】
図3は、基板から若干盛り上がる印刷された絵像30を示す。光学的可変インクが基板に加えられ得る方法は多数ある。想像され得るものと反し、通常、印刷ヘッドまたは印刷プレスが離されると、キャリア内にある薄片は不配向(disoriented)になり、薄片33の多くは基板と平行にならない。従って、単に印刷をすることによっては、印刷インク内の薄片の配向は非常にわずかにしか制御されない。薄片の配向制御を可能にすることは、絵像の設計および製作の手段を提供する。光学的効果は、薄片の配向に依存し、そのため、多大な努力がピグメント薄片の配向制御手段を提供することに捧げられてきた。
【0024】
図4aを参照に、本発明の第1の実施形態が示される。第1の実施形態において、印刷処理によって供給された磁性薄片は、フレキソ印刷、インタリオ凸版印刷、リソオフセットプレス、シルクスクリーン、またはグラビア印刷においての使用に特に順応される。磁性薄片は、基板に対して直角に立つように、先ず、磁気作用によって整列される。次に、図示されるように、直立した薄片40が配向位置において硬化する前に、彫り込み道具43が適用される。それにより、一部の直立する薄片は、再配向を強いられ、その道具の面に対してわずかなピッチで平らにされる。本質的に、薄片は、道具の接触している表面に実質的に従う配向に置かれる。従って、道具の各々の面にある大部分の薄片は、基板に対して直立を保ち、彫り込み道具の直下および周辺にある薄片は、基板に対して平行またはわずかに傾く。図4bにおいて示されるこの視覚光学的効果は、視覚的に魅力がある。直立する薄片40は、非光学的(non−optically)にアクティブであり、黒く現れる。彫り込み道具43によって再配向された薄片46は、設計された光学的効果を際立たす。光学的可変(OV)薄片が使用される場合、OV効果は、薄片が再配向され直立していない場所において気付かれる。薄片が複数層OV薄片であるか、回折薄片であるかに関らず、基板に対して薄片の平面側が直角に直立する場合、見る人にとって薄片は黒く現れる。
【0025】
図4cは、本発明の他の実施形態を示す。その実施形態において、彫り込み道具48は、道具が基板に接触する際、大半または全ての高アスペクト比の薄片を排除するように構成される。彫り込まれる範囲49の下部は、彫り込み絵像を形成するために使用された道具の深さ、圧力、および、形または材料によって、インクを含み得るか、含み得ない。示されるこの実施形態において、彫り込み道具48は、平らな下部を有し、その下にあるインクの大半を除外させるくさび形の面を有する。図4dにおいて、インクが存在しない場所に隣接する領域にて、つまり、インクが退去させられた領域において、薄片は光学的にアクティブである。しかしながら、基板に対して直立する薄片45は、黒く現れ、非光学的にアクティブである。
【0026】
図4aおよび図4cの処理によって形成された絵像は、高い触知度を有する。ユーザは、盛り上がった非光学的にアクティブな領域から、薄片が光学的にアクティブな領域への移行を感じることができる。この追加的な特徴は、それが付着したデバイスのセキュリティーの強化を提供する。さらに、この感度は、目の不自由な人が紙幣またはセキュリティードキュメントのような物を確認する際、または認証する際に区別可能であるという特徴として特に有用である。
【0027】
凸版印刷、スクリーン、フレキソ、パッド印刷、インクジェットのような他の印刷処理は、存在し得、触知度は乾いたインク層の最終的な厚さに基いて変化する。
【0028】
図5はシステムを示す。そのシステムにおいて、基板は、永久磁石の下に置かれ、中心に向かう力線は、薄片が基板に平行になるように整列させるために用いられる。
【0029】
図6は、本発明に従う絵像の白黒写真である。その絵像は、白色の背景の上に配置された直立する薄片の暗い背景の近くに見られる金色から緑色に変わることができる2つのシンボルを有する。
【0030】
図7を参照すると、本発明の方法に従い形成された絵像が示される。その方法では、薄片は、基板に直角に、薄片のエッジに直立するように先ず整列される。「USA」の文字は、「USA」内に分散される薄片が基板に平行になり、直立する黒に見える薄片に直交するように、彫り込み道具を用いて彫り込まれたので、見ることが可能である。「USA」の文字は、彫り込み道具を用いて基板に押し付けられた故、この領域は、直立する薄片を有する領域に対して引っ込まされ、触ることによって気付くことが可能である。絵像を形成する間、薄片が所望の配向において不動なように設置されることを確実にするために標準的な硬化方法が、使用される。例えば、薄片が故意の配向を和らげたり、または緩めたりする前に、UV硬化されたペイントまたはインクが、配置された薄片を素早く硬化する手段を提供するために使用され得る。示される絵像において、明るさの弱い背景は、見る角度または照射角度によって変化する光学的可変効果を発揮しない。しかし、「USA」とある隣接する領域は、異なった薄片の整列のため、照射角度または見る角度によって変化する大きな光学的可変効果を提示する。
【0031】
絵像が、印刷された絵像の盛り上がった領域からのある程度の触知を表し得る標準的な印刷されたデバイスと対比して、このセキュリティーデバイスの触知は、明るさの弱い背景に彫り込まれた特別な光学的効果領域に起因する。
【0032】
この明細書を通して、印加された磁界という用語は、磁力線に沿って磁性薄片を整列するのに充分な磁界を提供することを意味する。これは、インクが適用された、またはペイントされた基板を磁石の近くまたはそれに隣接することによって達成され得、また、磁界を生成し、その場に薄片をさらす手段を提供することによっても、達成され得る。
【0033】
機械的に薄片を押し付けることは、彫り込み道具、ペン、または鉛筆、または任意の型の機械的手段を用いて薄片を押し付けることにより実施され得る。それらの手段は、薄片を横に押しのけ、または横に払いのけ得、または、基板に対して実質的に直角に直立していた薄片の位置から異なった配向に薄片を機械的に強いる。機械的に押し付けるという用語は、ターゲット領域内において磁気作用によって整列された薄片を拭い去ることも含む。
【0034】
例えば、薄片が基板に対して直立に磁界によって配向される後、図8に示されるような背景から視覚的、および触覚的に区別可能な字、または署名を刻み込むためにペンまたは鉛筆を使用し得る。ペンおよび鉛筆の両者とも、薄片上のそれらがたどった経路において薄片を平らにし、その同じ経路から一部の薄片を動かし得る。
【0035】
背景から窪み、背景から視覚的に区別ができる署名であって、色変化特徴がその署名と関連するそのような署名を提供することは、セキュリティー強化の分野において重要な利点を提供する。
【0036】
図8に示す絵像を実現化することに加え、ローリングバー作用(rolling bar affect)または他の光学的作用は、硬化が行われる前にシンプルに追加的なステップを加えることによって盛り込まれ得る。
【0037】
図10を参照し、絵像は、薄片の背景にペン、鉛筆または刻みつけ道具を用いての署名を有し、それによって薄片を平らにし、または署名領域から薄片を除去する。好ましくは、この署名刻み込みステップの後、または他の道具で細工された特徴のステップの後、ローリングバー作用が付け加えられても良い。署名の周辺の薄片がローリングバーを形成するために整列するように、刻み込まれた絵像を磁界に置くことによってこれは達成される。ローリングバーを形成する詳細なステップは、Raksha等による米国特許出願第20040051297号、および米国特許出願第20050106367号において得られる。
【0038】
代替的に、本発明の他の実施形態において、磁性光学的可変コーティングを基板に提供し、ローリングバーのような光学的特徴を提供するために磁界を用いることによって(例えば、1つ以上のローリングバーを形成することによって)磁性光学的可変薄片を特定の所望のパターンに整列させても良い。次に、コーティングが固くなる前に触知特徴を提供するために基板を刻み込む。
【実施例】
【0039】
(実施例1)
次のようにして、光学的可変絵像を、7層磁性のGold to Green Optical可変設計を用いて製作した。
【0040】
10nm Cr/ 4 QW MgF2 @604nm/ 80nm Al/ 50nm Ni/ 80nm Al/ 4 QW MgF2 @604nm/ 10nm Cr
小片のサイズの分布は、縦が10マイクロメートルから30マイクロメートルの間であり、厚さが1.1マイクロメートルである。
【0041】
インクを、重量の80%をUV硬化可能シルクスクリーンインクベース、20%をピグメントで調合した。インクを、Lenetaカードの黒白領域にシルクスクリーン印刷することによって供給した。一度インクが供給されると、彫り込みされた絵像を含まないプリントされたサンプルを、強い永久磁石の下に置いた。その磁石の極の配向を、磁束線がLenetaカードの面に直角であるようにした。結果として、大量の高いアスペクト比の薄片が基板に対して直角に整列し、デバイスの暗い領域を形成した。その暗い領域は、ピグメントの整列によっての光のトラッピングによるものであり、基板の明るさに依存せずに発生する。
【0042】
絵像を、ピグメントによって光が反射されるような手法において薄片が再整列するように制御された光圧の下において金属スタンプを用いて形成した。観測される色は、前に参照された光学干渉設計に従い金色から緑色に変化する。そして、Lenetaカードを、インクを硬化し永久にピグメントの配置を固定するために大電力のUVランプの下に置いた。
【0043】
(実施例2)
次のようにして、光学的可変絵像を、7層磁性のGold to Green Optical可変設計を用いて製作した。
【0044】
10nm Cr/ 4 QW MgF2 @604nm/ 80nm Al/ 50nm Ni/ 80nm Al/ 4 QW MgF2 @604nm/ 10nm Cr
小片のサイズの分布は、縦が10マイクロメートルから30マイクロメートルの間であり、厚さが1.1マイクロメートルである。
【0045】
実施例1と同様に、インクを、重量の80%をUV硬化可能シルクスクリーンインクベース、20%をピグメントで調合した。インクを、Lenetaカードの黒白領域にシルクスクリーン印刷することによって供給した。一度インクが供給されると、彫り込みされた絵像を含まないプリントされたサンプルを、強い永久磁石の下に置いた。その磁石の極の配向は、磁束線がLenetaカードの面に直角であるようにした。
【0046】
この実施例において、絵像は、尖筆を用いて手動的に彫り込んだ。尖筆の性質に起因し、彫り込みされた下部は、全てのインクが横に押し出されるため、インクを含まない。彫り込まれた領域の壁は、サンプルが目線から直角近くから大きな角度に傾けられる間、金色から緑色に変化する。実施例1のように、サンプルを、その後、UV硬化する。
【0047】
(実施例3)
次のようにして、光学的可変絵像を、7層磁性のMagenta to Green Optical可変設計を用いて製作した。
【0048】
10nm Cr/ 4 QW MgF2 @665nm/ 80nm Al/ 50nm Ni/ 80nm Al/ 4 QW MgF2 @665nm/ 10nm Cr
小片のサイズの分布は、縦が10マイクロメートルから30マイクロメートルの間であり、厚さが1.2マイクロメートルである。
【0049】
準備方法は、実施例1において記載されたものと同様であるが、この実施例において、ハチドリの形をしたゴムのスタンプを、絵像を形成するのに使用した。この場合、絵像の色は、サンプルが目線から直角近くから大きな角度に傾けられる間、深紅色から緑色に変化する。
【0050】
(実施例4)
次のようにして、光学的可変絵像を、7層磁性のGreen to Blue回折Optical可変設計を用いて製作した。
【0051】
10nm Cr/ 4 QW MgF2 @530nm/ 80nm Al/ 50nm Ni/ 80nm Al/ 4 QW MgF2 @530nm/ 10nm Cr
溝の間隔が2マイクロメートルに対応する線形グレーティング周期が500 l/mmを有するフォイルを、ピグメント回折性質を発生させるように基板として使用した。小片のサイズの分布は、縦が10マイクロメートルから30マイクロメートルの間であり、厚さが1マイクロメートルである。
【0052】
前の実施例の場合のように、薄片を、基板に直角に整列した。この場合、薄片は、印加された場に薄片の回折溝が平行になるようにする傾向にあり、従って、基板の面に直角である。
【0053】
実施例2の場合のように、絵像は、尖筆を用いて手動的に彫り込んだ。
【0054】
この実施例において、磁束線が図10に示される所定の方向に配向されるように位置する第2の永久磁石の下にサンプルを置くことによって、エキストラな整列を、彫り込みステップの後に形成した。この第2の整列の結果として、絵像はローリングバー作用を示す。
【0055】
(実施例5)
次のようにして、OVIDを、7層磁性のMagenta to Green Optical可変設計を用いて製作した。
【0056】
10nm Cr/ 4 QW MgF2 @665nm/ 80nm Al/ 50nm Ni/ 80nm Al/ 4 QW MgF2 @665nm/ 10nm Cr
小片のサイズの分布は、縦が10マイクロメートルから30マイクロメートルの間であり、厚さが1.2マイクロメートルである。
【0057】
インクを、重量の80%をUV硬化可能シルクスクリーンインクベース、20%をピグメントで調合した。インクを、Lenetaカードの黒白領域に、今回は、ドクターブレードを用いて供給した。先の実施例のように、一度インクが供給されると、暗い領域を形成するために基板に直角に薄片を整列するように、彫り込みされた絵像を含まないプリントされたサンプルを、強い永久磁石の下に置いた。先の実施例のように、絵像は、尖筆、ゴムのスタンプを用いて、彫り込まれた円柱ロールの下を通過させて、または彫り込まれた絵像を形成する任意の他の方法を用いて形成され得る。暗い背景の上の彫り込まれた領域は、光学的回折設計に従い深紅色から緑色へと変化する。最後に、サンプルはピグメントの位置を固定するためにUV硬化される。
【0058】
UV硬化インクを用いたが、他の硬化インクのタイプが、本発明に従い使用されてもよい。
【0059】
勿論、多数の他の実施形態が、本発明の精神および範囲から逸脱することなく予想され得る。本発明の好ましい実施形態は、光学的可変な、磁気作用によって整列可能な薄片または小片を使用する。しかし、回折薄片または他の金属薄片のような他の光学的性質を有する磁気作用によって整列可能な薄片を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】インクが光学的可変小片を含むインクされたインタリオ印刷プレートの断面図。
【図2】図1の印刷プレートの使用後、盛り上がった部分に示される光学的可変インクを有するインタリオ印刷された絵像の図。
【図3】基板上に若干盛り上がった印刷された絵像を示す基板の側面図。
【図4a】インク内にある薄片が直立して磁気作用によって整列され、基板に対して実質的に直角であり、前もってインクされた基板に彫り込み道具を適用することによって形成される絵像の側面図。
【図4b】図4aにおいて描写される処理によって形成する絵像の側面図。
【図4c】インク内にある薄片が直立して磁気作用によって整列され、基板に対して実質的に直角であり、彫り込み道具が道具の下からインクを除外させ、基板上においてインクがつかない部分を残し、前もってインクされた基板に彫り込み道具を適用することによって形成される絵像の側面図。
【図4d】図4cにおいて描写される処理によって形成する絵像の側面図。
【図5】本発明に従い、印刷された基板の面に直角に薄片を整列するために永久磁石の下に置かれる薄片を有する基板を示す図。
【図6】本発明に従う絵像の白黒写真である。絵像は、金色から緑色に変わることができる2つのシンボルを有し、その2つのシンボルは、白色の背景の上に配置された直立する薄片の暗い背景に隣接し、示される。
【図7】文字「USA」が浮き出す暗い部分および比較的明るい部分を有する白黒写真である。浮き出した文字は、入射光の角度または見られる角度に依存して金色から緑色へと色を変化させる。
【図8】背景が直立する薄片である黒であり、入射光の角度または見られる角度に依存して金色から緑色になる署名の刻まれた絵像の写真である。
【図9】図8に示された写真と同様に刻まれた絵像の写真であるが、ローリングバー作用を発生するように、刻まれた絵像を磁界に導入する追加的なステップが付け加えられた。
【図10】ローリングバー作用を提供するための磁界を示す図。
【符号の説明】
【0061】
10 インク
33 薄片
40 直立した薄片
43 彫りこみ道具
46 再配向された薄片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)共に絵像を規定する、対照が際立つ見分けの付く複数の領域を有する基板を備えた絵像であって、該複数の領域の少なくとも第1の見分けの付く領域が、所定の方位を有する印加される磁界によって整列された磁性薄片を有し、
b)該複数の領域の第2の見分けの付く領域が、該第1の見分けの付く領域にある薄片とは異なって配向された薄片を有し、該第1の見分けの付く領域に隣接し、
i)該配向が、該第2の領域にある薄片を機械的に押し付けることによって生じ、または、
ii)該第2の領域には、該第2の領域から押し退かされることによって薄片が存在せず、
該絵像は触知できる絵像を形成し、
触知できる移行が、少なくとも該第1の見分けの付く領域と該第2の見分けの付く領域との移行を触ることによって感知される、絵像。
【請求項2】
前記磁性薄片が、入射光の角度の変化、または見る角度の変化によって色が変化する光学的可変薄片である、請求項1に記載の絵像。
【請求項3】
前記薄片の少なくとも一部が、該薄片内に溝を備える線形回折構造を有する回折薄片である、請求項1に記載される絵像。
【請求項4】
前記回折薄片の前記溝が前記印加された場に実質的に平行であり、前記基板に直角である、請求項3に記載の絵像。
【請求項5】
前記第1の、および第2の見分けの付く領域内にある前記薄片が、少なくとも2:1のアスペクト比を有する磁気薄片である、請求項1に記載の絵像。
【請求項6】
前記第1の領域内にある前記薄片が、該薄片の端に接し、前記基板に対して実質的に垂直に整列される、請求項1に記載の絵像。
【請求項7】
前記第1の領域内にある前記薄片が非光学的にアクティブであるように整列され、前記第2の領域内にある前記薄片が光学的にアクティブであるように整列される、請求項6に記載の絵像。
【請求項8】
前記第2の領域にある前記薄片が、彫り込み道具を用いて所定の形に整列される光学的可変薄片である、請求項7に記載の絵像。
【請求項9】
入射光が前記第2の領域から実質的に反射され、光が前記第1の領域によって実質的に吸収される、またはトラップされる、請求項8に記載の絵像。
【請求項10】
前記第2の領域が前記第1の領域に対して比較的窪んでいる、請求項9に記載の絵像。
【請求項11】
複数の光学的に見分けの付く触知できる領域を有する絵像であって、2つの隣接し合う触知できる見分けの付く領域が異なった光学的な特徴を有し、該領域のうちの1つが、該隣接する領域内にある薄片とは異なって、および異なった手段によって整列される磁性薄片を有する、絵像。
【請求項12】
前記領域のうちの1つにある薄片が磁気作用によって整列し、磁気作用によって整列された複数の薄片に前記隣接する領域が、形成道具を用いて機械的に押し付けることによって整列される薄片のある領域である、請求項11に記載の絵像。
【請求項13】
共に絵像を規定する、対照が際立つ見分けの付く複数の領域を備えた絵像であって、
該複数の領域の少なくとも第1の見分けの付く領域が、所定の方位を有する印加される磁界によって整列された磁性薄片を有し、
該複数の領域の第2の見分けの付く領域が、該第1の見分けの付く領域にある薄片とは異なって配向された薄片を有し、該第1の見分けの付く領域に隣接し、
該配向が、該第2の領域にある薄片を機械的に押し付けることによって生じ、または、
該第2の領域には、道具を用いて該第2の領域から機械的に押し退かされることによって薄片が存在せず、
該絵像は触知できる絵像を形成し、
触知できる移行が、少なくとも該第1の見分けの付く領域と該第2の見分けの付く領域とのインターフェースを触ることによって感知される、絵像。
【請求項14】
前記第2の領域にある前記薄片が、該薄片を機械的に押し付けることによって配向される以前に、前記第1の領域にある薄片と磁気作用によって整列される、請求項13に記載の絵像。
【請求項15】
絵像を形成する方法であって、該方法は、
基板を提供するステップと、
少なくとも該基板の第1の領域を磁性非球体薄片を用いてコーティングするステップであって、該磁性非球体薄片の各々が、実質的に平行な向かい合う第1の面および第2の面を有する、ステップと、
該第1の領域にある薄片の向かい合う面が、該基板の該第1の領域にコートされる非球体薄片を所定の方位に合わされた磁界にさらすことによって、該基板に実質的に直交するように、該第1の領域にある該磁性非球体薄片を整列するステップと、および
該第1の領域において絵像が形成されるように、サブ領域にある薄片の整列を変えるために該第1の領域のサブ領域内にある磁気作用によって配向された非球体薄片を押し付けるステップであって、該サブ領域内にある薄片が、該サブ領域外にある該第1の領域内の薄片から異なる視覚的な外見を有する、ステップと
を包含する方法。
【請求項16】
前記コーティングするステップが、前記磁性非球体薄片を含むキャリアを用いて印刷する、ペイントする、またはスプレーすることによって行われる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記薄片がインクまたはペイントを形成するためのキャリア内にあり、前記押し付けるステップが、彫り込み道具の使用を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
絵像を形成する方法であって、該方法は、
基板を提供するステップと、
該基板の第1の領域を磁性非球体薄片を用いてコーティングするステップと、
該非球体薄片を、所定の方位に合わされた磁界にさらすことによって、該第1の領域にある該磁性非球体薄片を磁気作用によって配向するステップと、
a)該第1の領域において絵像が形成されるように、該サブ領域にある薄片の整列を変えるために該第1の領域の該サブ領域内にある磁気作用によって配向された非球体薄片を押し付けるステップであって、該サブ領域内にある薄片が、該サブ領域外にある該第1の領域内の薄片から異なる視覚的な外見を有する、ステップ、または
b)絵像が形成されるように、サブ領域にある薄片の整列を変えるために、および/または、該第1の領域から薄片を押し退けるために、該第1の領域の該サブ領域内にある磁気作用によって配向された非球体薄片を刻み付けるステップであって、サブ領域が、サブ領域外にある第1の領域から異なる視覚的な外見を有する、ステップと
を包含する方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法によって作成された、少なくとも2つの見分けの付く領域および触知特徴を有する絵像。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−248224(P2006−248224A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−47565(P2006−47565)
【出願日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(502151820)ジェイディーエス ユニフェイズ コーポレーション (90)
【氏名又は名称原語表記】JDS Uniphase Corporation
【住所又は居所原語表記】1768 Automation Parkway,San Jose,California,USA,95131
【Fターム(参考)】