説明

彫刻刀

【課題】使用したい彫刻刀の選別を容易にする表示部を設けた彫刻刀を提供する。
【解決手段】把持柄に刃体を設けるとともに刃体の刃先の形状を区別するマーク23を付した表示部22を設けている。表示部22は把持柄に設けた突出部24に設けられている。表示部22のマーク23は凹み23aにより描かれている。把持柄は、硬質樹脂により成形されて把持柄の外側に露出する主体部8と、主体部8の硬質樹脂よりも柔軟な軟質樹脂により成形されて主体部8の外側で把持柄の外側に露出する表面部9とを備えている。表示部22を設けた突出部24は表面部9に設けられている。主体部8に設けた貫通孔12,15,16,17に表面部9の一部を充填して設けられた連繋部20,28により表面部9における複数の部分を互いに連結している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は彫刻刀に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1にかかる彫刻刀の柄では、硬質の芯体の外周に軟質樹脂からなる外被部が被覆され、この芯体が露出する露出部で表示面に刃の形状を模した目印が設けられている。
【特許文献1】実用新案登録第2576694号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1では、目印を付した表示面が露出部と面一で設けられているため、その目印が擦り減ったりすると見にくくなって使用したい彫刻刀を容易に選別することができなくなるおそれがあった。また、外被部が芯体から不用意に剥がれたり芯体に対し不用意に動いたりするおそれもあった。
【0004】
この発明は、目印に該当するマークを付した表示部がたとえ擦り減ったりしてもマークとしての機能を維持し易いように改良して使用したい彫刻刀の選別を容易にすることを目的としている。また、外被部に該当する表面部を剥がれにくくするとともに動きにくくすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
後記実施形態の図面(図1〜10)の符号を援用して本発明を説明する。
請求項1の発明にかかる彫刻刀2,3,4,5,6は、下記のように構成されている。
把持柄7に刃体11を設けている。その刃体11の刃先11aの形状を区別するマーク23を付した表示部22を把持柄7に設けている。その表示部22は把持柄7に設けた突出部24に設けられている。この表示部22のマーク23は凹み23aにより描かれている。例えば、マーク23の凹み23aは、突出部24の端面24aに形成され、刃先11aの形状を模した外形縁部23bで囲まれた空間部を内底面23c上に設けてその内底面23cに面して開放したものである。
【0006】
請求項1の発明では、凹み23aにより描いたマーク23を付した表示部22を突出部24に設けているため、たとえその突出部24が擦り減っても突出部24としての形態を残して凹み23aの深さの範囲でマーク23としての機能を維持することができる。従って、使用したい彫刻刀2,3,4,5,6の選別を容易にすることができる。また、表示部22を有する突出部24を使用時に指当部としても機能させたり、ケース1から取り出す場合などに指掛部としても機能させたりすることもできる。さらに、マーク23を付した表示部22を上向きにすることで刃先11aの向きを設定し易いとともに、表示部22を有する突出部24を触れることにより表示部22を直接的に見ずに上向きに設定し易い。
【0007】
請求項1の発明を前提とする請求項2の発明において、前記把持柄7は、樹脂により成形されて把持柄7の外側に露出する主体部8と、その主体部8の樹脂よりも柔軟な樹脂により成形されて主体部8の外側で把持柄7の外側に露出する表面部9とを備え、前記表示部22を設けた突出部24はこの表面部9に設けられている。請求項2の発明では、表示部22を有する突出部24を指当部や指掛部として機能させた場合に指の感触を良くすることができる。
【0008】
請求項2の発明を前提とする請求項3の発明においては、前記主体部8に設けた貫通孔12,15,16,17に前記表面部9の一部を充填して設けられた連繋部20,28によりこの表面部9における複数の部分18,19,25,26,27を互いに連結している。請求項3の発明では、表面部9における複数の部分18,19,25,26,27が主体部8の貫通孔12,15,16,17を通して連繋部20,28により互いに連結されているため、主体部8に対する表面部9の連結強度が高くなる。従って、表面部9を主体部8から剥がれにくくするとともに主体部8に対し動きにくくすることができる。
【0009】
請求項4の発明にかかる彫刻刀2,3,4,5,6は、下記のように構成されている。
刃体11を設けた把持柄7は、把持柄7の外側に露出する主体部8と、その主体部8の成分と異なる成分により成形されて主体部8の外側で把持柄7の外側に露出する表面部9とを備えている。この主体部8に設けた貫通孔12,15,16,17にこの表面部9の一部を充填して設けられた連繋部20,28によりこの表面部9における複数の部分18,19,25,26,27を互いに連結している。例えば、この表面部9に指当部25,26,27を設けている。
【0010】
請求項4の発明では、表面部9における複数の部分18,19,25,26,27が主体部8の貫通孔12,15,16,17を通して連繋部20,28により互いに連結されているため、主体部8に対する表面部9の連結強度が高くなる。従って、表面部9を主体部8から剥がれにくくするとともに主体部8に対し動きにくくすることができる。
【0011】
請求項4の発明を前提とする請求項5の発明において、前記把持柄7で表面部9は主体部8の外側で互いに分離されて把持柄7の外側に露出する複数の島部18,19,26,27を有し、前記連繋部20,28によりこの島部18,19,26,27を互いに連結している。請求項5の発明では、表面部9において互いに分離された複数の島部18,19,26,27を設けた場合にもそれらの島部18,19,26,27を主体部8から剥がれにくくするとともに主体部8に対し動きにくくすることができる。
【0012】
請求項5の発明を前提とする請求項6の発明においては、前記島部18,26,27に指当部25,26,27を設けている。請求項6の発明では、主体部8に対する指当部25,26,27の連結強度が高くなり、指当部25,26,27を主体部8から剥がれにくくするとともに主体部8に対し動きにくくすることができる。
【0013】
次に、請求項以外の技術的思想について実施形態の図面の符号を援用して説明する。
請求項1または請求項2または請求項3の発明を前提とする第7の発明において、前記表示部22のマーク23は刃先11aの形状の模式図である。第7の発明では、その模式図により、使用したい彫刻刀2,3,4,5,6の選別を行い易い。
【0014】
請求項6の発明を前提とする第8の発明においては、前記把持柄7の頭端部7aとその頭端部7aに対し反対側になる把持柄7の尻端部7bとを結ぶ把持柄7の長手方向Xに対する周りで周方向へ前記指当部25,26,27が複数配置されて並んでいる。第8の発明では、各指当部25,26,27により把持柄7を把持し易い。
【0015】
第8の発明を前提とする第9の発明において、前記把持柄7で各指当部25,26,27は前記連繋部28により互いに連結されている。第9の発明では、主体部8に対する各指当部25,26,27の連結強度が高くなり、各指当部25,26,27を主体部8から剥がれにくくするとともに主体部8に対し動きにくくすることができる。
【0016】
請求項3から請求項6のうちいずれかの請求項の発明、または第8の発明または第9の発明を前提とする第10の発明において、前記把持柄7で主体部8の外側にはその外側へ開放された貫通孔12に連通する導入溝13を設け、この導入溝13の有効断面積はこの貫通孔12に接近するほど大きくなっている。第10の発明では、成形時に樹脂がこの導入溝13から貫通孔12へ流れ込み易い。
【0017】
請求項3から請求項6のうちいずれかの請求項の発明、または第8の発明または第9の発明または第10の発明を前提とする第11の発明において、前記把持柄7で主体部8の樹脂よりも柔軟な樹脂により成形された表面部9にはシール貼着凹所21を設け、そのシール貼着凹所21内に主体部8が露出している。第11の発明では、シール貼着凹所21で主体部8が露出しているため、シール貼着凹所21の形態をこの主体部8により安定させることができる。従って、シール貼着凹所21内にシールを貼着し易い。
【0018】
請求項6または第8の発明または第9の発明を前提とする第12の発明において、前記刃体11を設けた把持柄7の頭端部7aに面する指当部25は段差状のストッパ30を有している。
【0019】
第13の発明において、第12の発明に記載の彫刻刀2,3,4,5,6を収容するケース1内にはその彫刻刀2,3,4,5,6を刃体11側からケース1内に挿入する際に前記指当部25のストッパ30に当接するストッパ39を設けている。
【0020】
第12の発明及び第13の発明では、指当部25を有効に利用してケース1内で彫刻刀2,3,4,5,6の動きを規制することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、使用したい彫刻刀2,3,4,5,6の選別を容易にすることができる。また、表面部9を主体部8から剥がれにくくするとともに主体部8に対し動きにくくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態にかかる彫刻刀について図1〜10を参照して説明する。
図1(a)(b)に示すようにケース1に収容された各種彫刻刀2,3,4,5,6において、把持柄7は、把持柄7の外側に露出する主体部8と、その主体部8の外側で把持柄7の外側に露出する表面部9とを備えている。図4(a)(b)及び図5(a)(b)に示す主体部8は、ポリプロピレン樹脂等の硬質樹脂により成形されている。図7(a)(b)及び図8(a)(b)に示す把持柄7の表面部9は、この主体部8を金型のキャビティにインサートした状態で、主体部8の硬質樹脂よりも柔軟なエラストマー樹脂等の軟質樹脂(例えば硬度がショアA20〜ショアD50)によりその主体部8に対し一体成形されている。図1(a)(b)に示す各種彫刻刀2,3,4,5,6のうち3本の彫刻刀3,4,5において図4(a)(b)に示す主体部8の頭端部8aには、図7(a)(b)に示すように把持柄7の頭端部7aと尻端部7bとを結ぶ把持柄7の延設方向に沿う長手方向Xに対し直交する幅方向Yの両側で、一対のガード腕10が一体成形されて互いに間隔をあけて延設されている。図7(a)(b)に示すようにこの両ガード腕10間で刃体11(三角刀または小丸刀または大丸刀)が図4(a)(b)に示す主体部8の頭端部8aに挿着されている。図1(a)(b)に示す各種彫刻刀2,3,4,5,6のうち2本の前記彫刻刀2,6においては、図5(a)(b)にも示すように主体部8の頭端部8aにこのような両ガード腕10がなく、図8(a)(b)に示すように刃体11(切出刀または平刀)が図5(a)(b)に示す主体部8の頭端部8aに挿着されている。
【0023】
図4(a)(b)及び図5(a)(b)に示す主体部8において尻端部8b側には、図6(a)にも示すように、断面円形状の貫通孔12が長手方向X及び幅方向Yに対し直交する上下方向Zの両側で上側開口12aと下側開口12bとにより主体部8の外側へ開放されるように形成されている。この上側開口12aよりも尻端部8b側で主体部8の外側には上側開口12aに連通する導入溝13が形成されている。この導入溝13の底面13aは上側開口12aに接近するほど深くなるように傾斜しているため、この導入溝13において幅方向Y及び上下方向Zを含む面で切断した際の有効断面積は上側開口12aに接近するほど大きくなっている。また、この上側開口12aよりも頭端部8a側で主体部8の外側には突部14が上側開口12aに隣接して形成されている。図6(b)にも示すように、この主体部8の頭端部8a側において、上側には貫通孔15が形成されているとともに、幅方向Yの両側には貫通孔16,17が形成され、この各貫通孔15,16,17は互いに連通されている。ちなみに、前記貫通孔12の内径は1〜10mmに設定してもよく、または把持柄7の幅方向Yの寸法の0.1〜0.6倍に設定してもよい。なお、貫通孔12の断面形状は円形状以外に例えば四角形状等の多角形状にしてもよい。
【0024】
図7(a)(b)及び図8(a)(b)に示す把持柄7の表面部9において、上側と幅方向Yの両側と下側には把持柄7の頭端部7aから尻端部7bにわたり一連に繋がる島部18が露出しているとともに、その島部18で頭端部7a側と尻端部7b側とには長手方向Xに対する周りで周方向全体に環部18a,18bが露出し、その両環部18a,18b間で下側と幅方向Yの両側には把持柄7の頭端部7aと尻端部7bとの間の中間部で一連に繋がる島部19が前記島部18との間で主体部8を挟んで島部18に対し分離して露出している。
【0025】
図10(a)に示すように、前記表面部9の成形時には把持柄7の尻端部7b側で主体部8の貫通孔12に対し導入溝13の浅い底面13a側から深い底面13a側へ樹脂が流れ込んで充填されてこの両島部18,19を互いに連結する連繋部20が形成される。また、この表面部9の成形時、把持柄7の上側で島部18にはこの連繋部20の付近で浅いシート貼着凹所21が形成され、そのシート貼着凹所21内に前記主体部8の突部14が露出する。さらに、この表面部9の成形時、シート貼着凹所21よりも尻端部7b側で把持柄7の上側にある島部18には、刃体11の刃先11aの形状を区別するマーク23を付した表示部22が形成される。この表示部22においては、低い円柱状の突出部24が形成され、その突出部24の端面24aには前記マーク23が図7(c)に示す大丸刀の模式図や図8(c)に示す切出刀の模式図や図9(a)に示す小丸刀の模式図や図9(b)に示す三角刀の模式図や図9(c)に示す平刀の模式図である凹み23aにより描かれている。このマーク23の凹み23aは、刃先11aの形状を模した外形縁部23bで囲まれた空間部を内底面23c上に設けてその内底面23cに面して開放したものである。ちなみに、突出部24の高さHは0.2〜5mmに設定してもよく、凹み23aの深さDも0.2〜5mmに設定してもよい。なお、突出部24の外周面の形状は円形状以外に例えば四角形状等の多角形状にしたり、刃先11aの形状を模したものにしたりしてもよい。図示しないが、凹みとしての線描き溝によりマークとして刃先11aの形状を表してもよい。
【0026】
図10(b)に示すように、前記表面部9の成形時には把持柄7の頭端部7a側で主体部8の各貫通孔15,16,17に樹脂が充填され、把持柄7の上側で露出する前記島部18にはその環部18aよりも頭端部7a側で段差状に突出する指当部25が形成されるとともに、その指当部25よりも下方の幅方向Yの両側で若干突出する両指当部26,27がこの島部18から分離された島部として形成され、この指当部25と両指当部26,27とを互いに連結する連繋部28が形成される。この各指当部25,26,27は長手方向Xに対する周りで周方向へ互いに分離して配置される。上側の指当部25においては、複数の筋溝29aを有する指当面29が尻端部7b側から頭端部7a側へ向かうに従い段差高さを大きくするように傾斜し、この指当面29の頭端部7a側に段差状のストッパ30が形成されている。幅方向Yの両側の指当部26,27においては、指当面31が長手方向Xの中央部で凹んでいるとともに、その指当面31に複数の小突起31aが形成されている。
【0027】
図1(a)(b)、図2(a)(b)及び図3(a)(b)に示す前記ケース1においては、ケース本体32が薄板状のヒンジ36により互いに連結された第一収納部33と第二収納部34とからなり、この第二収納部34に蓋部35が薄板状のヒンジ37により連結されているとともに、半透明の蓋体38がこの第一収納部33上に嵌着されて被せられるようになっている。図1(b)に示すように第一収納部33と第二収納部34と蓋部35とが互いに並べられて第一収納部33上に蓋体38が嵌着されて被せられた展開状態では、ケース本体32の第一収納部33と第二収納部34とに各種彫刻刀2,3,4,5,6が収容され、蓋体38の内側に形成されたストッパ突部39に対し各種彫刻刀2,3,4,5,6における前記指当部25のストッパ30が当接して各種彫刻刀2,3,4,5,6の刃体11を保護する。図2(a)(b)に示す収容状態では、前記展開状態から蓋部35がヒンジ37により折り曲げられて第二収納部34上に被せられる。
【0028】
図3(a)(b)に示す使用状態では、前記展開状態から第二収納部34がヒンジ36により折り曲げられるとともに蓋部35がヒンジ37により折り曲げられて第一収納部33の下側で第二収納部34及び蓋部35が脚として機能する。この使用状態で各種彫刻刀2,3,4,5,6における把持柄7の尻端部7b側が第一収納部33から突出し、その各把持柄7上に明示された前記表示部22のマ−ク23を見て使用したい彫刻刀2,3,4,5,6を容易に選別することができる。各彫刻刀2,3,4,5,6をケース1に収容する際、マーク23を付した表示部22を上向きにすることで刃先11aの向きを設定し易いとともに、表示部22を有する突出部24を触れることにより表示部22を直接的に見ずに上向きに設定し易い。また、マーク23を付した表示部22を上向きにすることで前記指当部25のストッパ30も上向きになるため、前記蓋体38のストッパ突部39に対し前記指当部25のストッパ30を当接させることができる。
【0029】
各種彫刻刀2,3,4,5,6の把持柄7を把持した際、表示部22を有する突出部24を指当部や指掛部としても機能させることもできる。表示部22を有する突出部24に指が頻繁に触れると、その突出部24が擦り減ったりするおそれもあるが、たとえその突出部24が擦り減っても突出部24としての形態を残して凹み23aの深さの範囲でマーク23としての機能を維持することができる。また、前記指当部25を上向きにすると、マーク23を付した表示部22も上向きになるため、その指当部25に指を当てがった際にそのマーク23を見易い。さらに、表面部9において指当部25を含む島部18と島部19と両指当部26,27とが把持柄7の表側で互いに分離されていても把持柄7の内側で主体部8の貫通孔12,15,16,17を通して連繋部20,28により互いに連結されているため、主体部8に対する表面部9の一体成形が容易になるばかりでなく、主体部8に対する表面部9の連結強度が高くなり、把持柄7を把持する際に表面部9に力が加えられても、表面部9が主体部8から剥がれにくくなるとともに主体部8に対し動きにくくなる。
【0030】
前記実施形態以外にも下記のように構成してもよい。
* 図示しないが、前記表面部9において指当部25を含む島部18と島部19と両指当部26,27とを把持柄7の内側で連繋部20,28により互いに連結するとともに把持柄7の表側で一体的に繋いだ状態で成形する。
【0031】
* 図示しないが、主体部8については表面部9の樹脂とは異なる成分の材質例えば金属や木や他の樹脂などにより形成する。例えば、主体部8を軟質樹脂により成形するとともに表面部9を硬質樹脂により成形する。
【0032】
* 図示しないが、主体部8と表面部9とを互いに異なる色にする。例えば、主体部8を黒色にするとともに、表面部9の色を刃体11の種類に応じて黄色や橙色や赤色や緑色や青色などの異なる色にする。
【0033】
* 前記各種彫刻刀2,3,4,5,6の把持柄7において表面部9を成形する際には、その表面部9を成形する型のうち、表面部9の表示部22を成形する型の一部のみを各種彫刻刀2,3,4,5,6ごとに交換し、その表示部22を除く表面部9を成形する型の残部については各種彫刻刀2,3,4,5,6で兼用する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】(a)は本実施形態にかかる各種彫刻刀をケースに収容してそのケースの本体から蓋体を取り外すとともにそのケース本体を展開した状態を示す平面図であり、(b)は(a)のケース本体に蓋体を取り付けたケースを側面側から見た断面図である。
【図2】(a)は図1(b)のケースにおいてケース本体に蓋部を折り畳んだ収容状態を示す平面図であり、(b)は同じく側面側から見た断面図である。
【図3】(a)は図1(b)のケースにおいてケース本体の一部と蓋部とを脚として折り畳んだ使用状態を示す平面図であり、(b)は同じく側面側から見た断面図である。
【図4】(a)(b)は各種彫刻刀のうち把持柄の主体部を示す斜視図である。
【図5】(a)(b)は各種彫刻刀のうち把持柄の主体部を示す斜視図である。
【図6】(a)は図4(a)(b)及び図5(a)(b)に示す把持柄の主体部において尻端部側を示す部分縦断面図であり、(b)は同じく頭端部側を示す横断面図である。
【図7】(a)(b)は各種彫刻刀を示す斜視図であり、(c)は各種彫刻刀の把持柄のマークのみを示す部分斜視図である。
【図8】(a)(b)は各種彫刻刀を示す斜視図であり、(c)は各種彫刻刀の把持柄のマークのみを示す部分斜視図である。
【図9】(a)(b)(c)は他のマークのみを示す部分斜視図である。
【図10】(a)は各種彫刻刀の把持柄において尻端部側を示す部分縦断面図であり、(b)は同じく頭端部側を示す横断面図である。
【符号の説明】
【0035】
2,3,4,5,6…彫刻刀、7…杷持柄、8…杷持柄の主体部、9…杷持柄の表面部、11…刃体、11a…刃先、12,15,16,17…貫通孔、18,19…表面部の島部、20,28…連繋部、22…表示部、23…表示部のマーク、23a…凹み、24…表示部の突出部、25…指当部、26,27…指当部でもある島部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
把持柄に刃体を設けるとともにその刃体の刃先の形状を区別するマークを付した表示部を設け、その表示部は把持柄に設けた突出部に設けられ、この表示部のマークは凹みにより描かれていることを特徴とする彫刻刀。
【請求項2】
前記把持柄は、樹脂により成形されて把持柄の外側に露出する主体部と、その主体部の樹脂よりも柔軟な樹脂により成形されて主体部の外側で把持柄の外側に露出する表面部とを備え、前記表示部を設けた突出部はこの表面部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の彫刻刀。
【請求項3】
前記主体部に設けた貫通孔に前記表面部の一部を充填して設けられた連繋部によりこの表面部における複数の部分を互いに連結したことを特徴とする請求項2に記載の彫刻刀。
【請求項4】
刃体を設けた把持柄は、把持柄の外側に露出する主体部と、その主体部の成分と異なる成分により成形されて主体部の外側で把持柄の外側に露出する表面部とを備え、この主体部に設けた貫通孔にこの表面部の一部を充填して設けられた連繋部によりこの表面部における複数の部分を互いに連結したことを特徴とする彫刻刀。
【請求項5】
前記把持柄において表面部は主体部の外側で互いに分離されて把持柄の外側に露出する複数の島部を有し、前記連繋部によりこの島部を互いに連結したことを特徴とする請求項4に記載の彫刻刀。
【請求項6】
前記島部に指当部を設けたことを特徴とする請求項5に記載の彫刻刀。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−307802(P2007−307802A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−139440(P2006−139440)
【出願日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(591139138)株式会社新学社 (13)
【出願人】(000001454)株式会社貝印刃物開発センター (123)