説明

往復移動機構

【課題】 所定の環境条件に調整された空間内に設置される往復移動機構において、粉塵の発生と出力部の揺動を抑制する。
【解決手段】 本発明に係る往復移動機構8は、昇降板81上に中間スライド板82と搬送テーブル50を往復移動可能に配備して構成され、昇降板81と中間スライド板82の対向部には、一方の対向面に、4つの第1ローラ86〜86からなるローラ列が2列に配備されると共に、他方の対向面に、2つの第1ガイド板84、84が配備され、中間スライド板82と搬送テーブル50の対向部には、一方の対向面に、4つの第2ローラ87〜87からなるローラ列が2列に配備されると共に、他方の対向面に、2つの第2ガイド板85、85が配備されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インキュベータの如き所定の環境条件に調整された空間内に設置されて出力部を1軸に沿って往復移動させる往復移動機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
インキュベータは、開閉扉によって開閉可能なチャンバーの内部に試料容器(マイクロプレート)の設置棚を設けると共に、チャンバー内の温度、湿度、CO濃度等の環境条件を調整するための環境調整装置を設けて、チャンバー内を適切な環境条件に設定することによって、マイクロプレートに収容された各種の微生物や細胞を培養するものである。
【0003】
この様なインキュベータにおいては、培養中の試料の状態を確認するために、チャンバーからマイクロプレートを取り出して、顕微鏡などによる試料の観察や分析が行なわれるが、その際にチャンバーの開閉扉を開く必要があるため、これによってチャンバー内の環境条件が大きく変化する問題があった。
【0004】
そこで、チャンバーに開設したマイクロプレート挿入口とチャンバー内の各マイクロプレート収容部との間で、マイクロプレートの搬送を可能として、各マイクロプレート収容部に対するマイクロプレートの出し入れを自動化したインキュベータが提案されている(例えば特許文献1参照)。
例えば図21に示すインキュベータにおいては、チャンバー(11)内に複数のマイクロプレート収容部を有する複数のスタッカー(3)(3)が配備され、これらのスタッカー(3)(3)の間に、マイクロプレートの搬送テーブル(50)を具えたマイクロプレート搬送装置(5)を配備して、搬送テーブル(50)を3軸方向に駆動することにより、マイクロプレートの搬送を行なっている。
【0005】
マイクロプレート搬送装置(5)は、搬送テーブル(50)を鉛直方向(Z軸方向)及び水平方向(X軸方向)に駆動するために、図17に示す如く、垂直棹(558)に沿って垂直X軸駆動シャフト(540)とガイドレール(563)とを設置し、ガイドレール(563)にZ軸スライダー(564)を摺動可能に係合させて、該Z軸スライダー(564)を図示省略する駆動機構によって昇降駆動すると共に、Z軸スライダー(564)にホルダー(566)を介してX軸搬送機構(54)を連結している。
【0006】
X軸搬送機構(54)は、前記ホルダー(566)上に枢支された第1ピニオン(544)を具え、該第1ピニオン(544)は、X軸駆動シャフト(540)に対して軸方向の摺動が可能且つ相対回転不能に係合している。
又、X軸搬送機構(54)は、前記ホルダー(566)に連結された昇降板(542)と、該昇降板(542)上に下段スライダー(549a)を介して摺動可能に支持された中間スライド板(543)と、該中間スライド板(543)上に上段スライダー(549b)を介して摺動可能に支持された搬送テーブル(50)とを具え、前記第1ピニオン(544)と中間スライド板(543)上の第1ラック(545)とが互いに噛合すると共に、中間スライド板(543)上に枢支した第2ピニオン(546)と昇降板(542)上の第2ラック(547)並びに搬送テーブル(50)裏面の第3ラック(548)とが互いに噛合している。
【0007】
X軸駆動シャフト(540)は、図19及び図20に示す様に角柱状であって、該X軸駆動シャフト(540)の外周面に第1ピニオン(544)が摺動可能に嵌合すると共に、該第1ピニオン(544)がホルダー(566)に相対回転可能に嵌合している。ホルダー(566)は複数本のビス(565)(565)によって前記Z軸スライダー(564)に固定されている。
【0008】
従って、図17に示すZ軸スライダー(564)を昇降駆動することによって、X軸搬送機構(54)が上下に往復駆動され、搬送テーブル(50)上のマイクロプレート(31)がZ軸方向に搬送されることになる。又、X軸駆動シャフト(540)を回転駆動することによって、図18(a)(b)に示す如く、X軸搬送機構(54)を構成する昇降板(542)上の中間スライド板(543)と搬送テーブル(50)とが左右に往復駆動されて、搬送テーブル(50)上のマイクロプレート(31)がX軸方向に搬送されることになる。
【0009】
上述の如きインキュベータによれば、チャンバーに小さなマイクロプレート挿入口を開設すればよいので、マイクロプレートの出し入れ時にチャンバー内の環境条件が大きく変化することはない。
【特許文献1】特開平11−89559号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述のインキュベータにおいては、図17に示す如く、昇降板(542)上に中間スライド板(543)をスライド可能に支持すると共に、中間スライド板(543)上に搬送テーブル(50)をスライド可能に支持するべく、下段スライダー(549a)や上段スライダー(549b)を用いた摺動式のスライド機構が採用されており、摺動に伴う摩擦抵抗を軽減するために、下段スライダー(549a)及び上段スライダー(549b)は、含油樹脂等の滑り樹脂材料から形成されている。
しかしながら、搬送テーブルの頻繁な搬送動作に伴って、下段スライダー(549a)及び上段スライダー(549b)が摺動を繰り返すことにより、両スライダー(549a)の表面から摩耗に伴う粉塵が発生するため、その粉塵がチャンバー内に飛散して、マイクロプレート上の試料に混入する虞があった。
【0011】
又、下段スライダー(549a)及び上段スライダー(549b)が摩耗することによって、スライド機構のクリアランスが増大するため、図18(a)(b)の如く搬送テーブル(50)を何れか一方に移動させる過程で搬送テーブル(50)の姿勢が不安定となり、搬送テーブル(50)上のマイクロプレート(31)が揺動することになる。これによって、マイクロプレート(31)上の培養中の細胞が振動を受けて、培養状態に悪影響を受けることがある。又、搬送テーブル(50)が最も突出した状態では、搬送テーブル(50)が傾斜した姿勢となるため、その傾斜が大きい場合には、搬送テーブル(50)からマイクロプレート(31)が脱落する虞がある。
【0012】
そこで本発明の目的は、所定の環境条件に調整された空間内に設置されて出力部を往復移動させる往復移動機構において、粉塵の発生と出力部の揺動を効果的に抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る往復移動機構は、ベース体と、該ベース体上に1軸方向に沿う往復移動が可能に設置されたスライド体とを具え、該スライド体に出力部が設けられ、前記ベース体とスライド体の対向面の内、何れか一方の対向面には、少なくとも4つのローラからなるローラ列が前記1軸方向に沿って2列に配備されると共に、他方の対向面には、前記2列のローラ列に沿って伸びる2つのガイド面が配備され、各ローラ列を構成する前記4つのローラの内、列端に位置する外側ローラと該外側ローラに隣接する内側ローラの間の距離は、互いに隣接する2つの内側ローラの間の距離よりも大きく、前記スライド体は、前記2つのガイド面がそれぞれ前記4つのローラの全てに当接した第1の位置と、前記2つのガイド面がそれぞれ1つの外側ローラと該外側ローラに隣接する1つの内側ローラの2つのローラのみに当接した第2の位置との間で、往復移動する。
【0014】
上記本発明の往復移動機構においては、ベース体に対してスライド体がスライドする過程で、各ローラ列を構成する複数のローラが各ガイド片に当接した状態で回転し、これによってスライド体のスライドが案内されるので、滑り摩擦は発生しない。従って、ローラは殆ど摩耗することがなく、これによって精度の高いガイド機能が維持されて、出力部を安定した姿勢で往復移動させることが出来る。然も、ローラから粉塵が発生することもない。
【0015】
又、ベース体に対してスライド体が最も突出した第2の位置では、各ローラ列を構成する4つのローラの内、外側ローラと内側ローラがガイド片に当接して、両ローラ列の合計4つのローラでスライド体の姿勢を維持することになるが、外側ローラと内側ローラの間の距離が内側ローラどうしの距離よりも大きく設定されているので、スライド体の移動ストロークが大きい場合にも、スライド体を安定した姿勢で確実に第2の位置に保持することが出来る。
【0016】
具体的構成において、前記4つのローラはそれぞれ外周面が断面V字状に突出したひし形状を呈し、前記ガイド面は、該ローラの断面形状に応じた形状を有している。
該具体的構成によれば、ベース体に対してスライド体が最も突出した状態で、各ローラ列を構成する外側ローラと内側ローラがガイド面に当接して、スライド体の姿勢を維持することになるが、各ローラの外周面の凸とガイド面の凹とが互いに係合しているので、スライド体が自重によって垂れ下がる虞はない。
【0017】
本発明においては、前記ベース体とスライド体によって構成されるスライド機構を複数段に設けることも可能であって、この場合、下段のスライド機構のスライド体が上段のスライド機構のベース体となり、最上段のスライド機構のスライド体に出力部が設けられる。
これによって、最上段のスライド体、即ち出力部のストロークを大きなものとすることが出来る。
【0018】
例えば前記スライド機構を上下2段に設ける構成においては、往復移動機構は、ベース体と、該ベース体上に前記1軸方向に沿う往復移動が可能に設置された第1スライド体と、該第1スライド体上に前記1軸方向に沿う往復移動が可能に設置された第2スライド体とを具え、該第2スライド体に前記出力部が設けられる。前記ベース体と第1スライド体の対向部、並びに第1スライド体と第2スライド体の対向部のそれぞれには、対向する2つの面の内、何れか一方の対向面に、少なくとも4つのローラからなるローラ列が前記1軸方向に沿って2列に配備されると共に、他方の対向面に、前記2列のローラ列に沿って伸びる2つのガイド面が配備され、少なくともベース体と第1スライド体の間の各ローラ列を構成する前記4つのローラの内、列端に位置する外側ローラと該外側ローラに隣接する内側ローラの間の距離は、互いに隣接する2つの内側ローラの間の距離よりも大きく、第1スライド体は、前記2つのガイド面がそれぞれ前記4つのローラの全てに当接した第1の位置と、前記2つのガイド面がそれぞれ1つの外側ローラと該外側ローラに隣接する1つの内側ローラの2つのローラのみに当接した第2の位置との間で、往復移動する。
【0019】
具体的構成において、前記ベース体には、外部から回転力が伝えられるべき第1ピニオン(92a)が配備され、前記第1スライド体には、前記1軸方向に伸びて前記第1ピニオン(92a)と噛合する第1ラック(93)が配備されると共に、第2ピニオン(94)が枢支され、前記ベース体と第2スライド体にはそれぞれ、前記1軸方向に伸びて前記第2ピニオン(94)と同時に噛合する第2ラック(95)及び第3ラック(96)が配備されている。
該具体的構成によれば、第1ピニオン(92a)を回転駆動することによって、第1ラック(93)が前記1軸方向に駆動されて、第1スライド体が同方向に移動し、更に該第1スライド体の移動に伴う第2ラック(95)の駆動によって第2ピニオン(94)が回転駆動され、この結果、第3ラック(96)が同方向に駆動されて、第2スライド体が第1スライド体の2倍の速度で同方向に移動することになる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る往復移動機構によれば、粉塵の発生と出力部の揺動を効果的に抑制することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明をインキュベータに実施した形態につき、図面に沿って具体的に説明する。
全体構成
図13及び図14に示す如く、本発明に係るインキュベータ(1)は、前面に開口(10)が形成されると共に該開口(10)を開閉扉(12)によって開閉することが可能なチャンバー(11)を具え、該チャンバー(11)の内部には、インキュベータユニット(2)が収容されると共に、該チャンバー(11)の側壁に開設したマイクロプレート挿入口(13)には、マイクロプレート搬入機構(4)が接続されている。
【0022】
尚、チャンバー(11)の奥部には、チャンバー内の温度、湿度及びCO濃度を調整するための環境調整装置(図示省略)が配備されており、チャンバー(11)の奥方の壁面には、環境調整装置から得られる環境調整のためのガスをチャンバー内の中央空間へ向けて吹き出すためのファンを具えた吹き出し口(図示省略)が開設されている。
【0023】
チャンバー(11)の側壁には、マイクロプレート挿入口(13)を開閉するためのシャッター機構(14)が配備されている。
又、チャンバー(11)には、マイクロプレート挿入口(13)を通過するマイクロプレートに付けられているバーコードを読み取るためのバーコードセンサー(151)が、マイクロプレート挿入口(13)へ向けて取り付けられている。
【0024】
インキュベータユニット(2)は、図15に示す如く、ベース(21)上に、マイクロプレートの搬送テーブル(50)を具えたマイクロプレート搬送装置(5)を設置すると共に、該マイクロプレート搬送装置(5)の両側に左右一対のスタッカーホルダー(23)(23)を配備して構成されており、各スタッカーホルダー(23)には、マイクロプレートを収容するための複数のスタッカー(3)が、前後方向に配列されて保持されている。
図14に示す如く開閉扉(12)を開いた状態で、引出し台(22)を開口(10)から引き出すことによって、該引出し台(22)上の複数のスタッカー(3)を開口(10)の外側へ脱出させることが可能であり、更に各スタッカー(3)をスタッカーホルダー(23)から引き抜くことが可能である。
これによって、スタッカー(3)を容易に交換することが出来、使用後のスタッカー(3)を洗浄することが可能である。
【0025】
図13に示す如く、チャンバー(11)内にインキュベータユニット(2)が収容された状態で、マイクロプレート搬送装置(5)は、チャンバー(11)内の空間の中央部に位置し、その両側の空間にそれぞれ複数のスタッカー(3)が配列されることになる。
尚、インキュベータユニット(2)の下方には、チャンバー(11)内の空気に湿気を与えるための貯水パン(60)が配置されている。
【0026】
マイクロプレート搬送装置(5)
マイクロプレート搬送装置(5)は、図16に示す如く、ベース(51)上に4本の支柱(52)〜(52)を介して上板(53)を支持してなる枠体を具え、該枠体には、搬送テーブル(50)を左右方向、即ちX軸方向に駆動するためのX軸搬送機構(6)と、搬送テーブル(50)を前後方向、即ちY軸方向に駆動するためのY軸搬送機構(55)と、搬送テーブル(50)を上下方向、即ちZ軸方向に駆動するためのZ軸搬送機構(56)とが配備されている。
ベース(51)には、X軸搬送機構(6)を駆動するX軸モータユニット(図示省略)と、Y軸搬送機構(55)を駆動するY軸モータユニット(58)と、前記Z軸搬送機構(56)を駆動するZ軸モータユニット(59)とが取り付けられている。
【0027】
ベース(51)上には、Y軸方向に伸びる2本の下ガイドレール(554)(554)が設置され、両下ガイドレール(554)(554)には、下スライド板(556)が摺動可能に係合している。又、上板(53)上には、Y軸方向に伸びる1本の上ガイドレール(555)が設置され、該上ガイドレール(555)には、上スライド板(557)が摺動可能に係合している。そして、下スライド板(556)と上スライド板(557)は垂直桿(558)によって互いに連結され、Y軸方向に往復移動可能な往復移動体を構成している。
【0028】
ベース(51)上には、下ガイドレール(554)に沿ってステンレス鋼製のY軸駆動ラダーチェーン(552)が張設されると共に、上板(53)上には、上ガイドレール(555)に沿ってステンレス鋼製のY軸駆動ラダーチェーン(553)が張設されている。そして、下方のY軸駆動ラダーチェーン(552)の一端には下スライド板(556)が連結され、上方のY軸駆動ラダーチェーン(553)の一端には上スライド板(557)が連結されている。
又、ベース(51)と上板(53)には、Y軸モータユニット(58)によって駆動されるY軸駆動シャフト(551)が垂直に架設されており、該Y軸駆動シャフト(551)の回転によって、両Y軸駆動ラダーチェーン(552)(553)が駆動される。
この結果、下スライド板(556)及び上スライド板(557)が下ガイドレール(554)(554)及び上ガイドレール(555)に沿ってY軸方向に往復移動し、これに伴って垂直桿(558)がY軸方向に往復移動することになる。
【0029】
図17に示す如く、垂直桿(558)には、Z軸方向に伸びるガイドレール(563)が取り付けられており、該ガイドレール(563)にZ軸スライダー(564)が摺動可能に係合し、該Z軸スライダー(564)に本発明に係るX軸搬送機構(6)が連結されている。
【0030】
斯くして、搬送テーブル(50)をY軸方向に駆動するY軸搬送機構(55)が構成され、Y軸モータ(図示省略)の回転がY軸駆動ラダーチェーン(552)(553)に伝えられて、下スライド板(556)及び上スライド板(557)がY軸方向に往復移動し、これに伴って昇降板(542)がY軸方向に往復移動する。この結果、搬送テーブル(50)がY軸方向に往復移動するのである。
【0031】
上記Y軸搬送機構(55)においては、下スライド板(556)、上スライド板(557)及び垂直桿(558)からなる往復移動体が、下スライド板(556)及び上スライド板(557)を下ガイドレール(554)(554)及び上ガイドレール(555)によってガイドされているので、搬送テーブル(50)を安定した姿勢でY軸方向へ移動させることが出来る。
【0032】
X軸搬送機構(6)は、図1に示す如く、往復移動機構(8)と、該往復移動機構(8)を駆動する往復式回転駆動機構(7)とから構成され、往復式回転駆動機構(7)にホルダー(70)が設けられ、往復移動機構(8)に搬送テーブル(50)が設けられている。
【0033】
図16に示す如く、ベース(51)には、Z軸モータユニット(59)によって駆動されるZ軸駆動シャフト(561)が、Y軸方向に設置されている。又、下スライド板(556)と上スライド板(557)の間にはステンレス鋼製のZ軸駆動ラダーチェーン(562)が張設され、該Z軸駆動ラダーチェーン(562)には、Z軸駆動シャフト(561)の回転が伝えられる。該Z軸駆動ラダーチェーン(562)の一端には、図1に示す往復式回転駆動機構(7)を構成するホルダー(70)が連結されている。
【0034】
往復式回転駆動機構(7)は、図2乃至図4に示す如く、前記X軸モータユニット(図示省略)によって回転駆動される四角柱の垂直X軸駆動シャフト(540)に嵌合させて取り付けられており、前記ホルダー(70)の昇降駆動によって、垂直X軸駆動シャフト(540)に沿って上下にスライドすると共に、垂直X軸駆動シャフト(540)の回転駆動によって、該シャフト(540)と一体に回転するものである。
【0035】
往復式回転駆動機構(7)は、図6に示す如く、垂直X軸駆動シャフト(540)に対して僅かな遊びをもって嵌合する上リング(71)及び下リング(72)と、上リング(71)及び下リング(72)を互いに連結する一対の支持板(73)(73)とによって、垂直X軸駆動シャフト(540)を包囲するリング状の本体が構成されている。又、下リング(72)の下端部には、垂直X軸駆動シャフト(540)と同軸上に、駆動ギア(79)が固定され、下リング(72)の外周面とホルダー(70)の内周面の間には、ころがり軸受(77)が介在している。
前記本体を構成する一対の支持板(73)(73)の間には、左右上下の4箇所にそれぞれシャフト(75)が水平に架設され、各シャフト(75)の両端部には一対のローラ片(76)(76)が取り付けられて、垂直面内で回転する4つのローラ(74)〜(74)が配備されている。
【0036】
前記4つのローラ(74)〜(74)の内、上方の左右のローラ(74)(74)は、図5に示す如く、垂直X軸駆動シャフト(540)の外周面を構成する左右の両側面を両側から挟持し、各ローラ(74)の2つのローラ片(76)(76)は、各側面の幅方向の両端部に当接している。
又、下方の左右のローラ(74)(74)も同様に、垂直X軸駆動シャフト(540)の外周面を構成する左右の両側面を両側から挟持し、各ローラ(74)の2つのローラ片(76)(76)は、各側面の幅方向の両端部に当接している。
【0037】
図6に示す如く、ホルダー(70)には、2本のソケット(701)(701)を介して2本のビス(702)(702)が挿通され、ホルダー(70)は、該2本のビス(702)(702)によって図1に示す往復移動機構(8)の昇降板(81)と連結される。
【0038】
上記往復式回転駆動機構(7)において、ホルダー(70)が垂直X軸駆動シャフト(540)に沿って昇降駆動されると、上リング(71)、下リング(72)及び両支持板(73)(73)からなる本体、ころがり軸受(77)、4つのローラ(74)〜(74)及び駆動ギア(79)が一体となって、上下に移動する。この過程で、本体と垂直X軸駆動シャフト(540)の外周面との間には余裕(クリアランス)が存在するため、滑り摩擦は発生しない。又、4つのローラ(74)〜(74)は、垂直X軸駆動シャフト(540)の外周面に当接して本体の移動に伴って回転するので、これらのローラ(74)と垂直X軸駆動シャフト(540)の間に滑り摩擦は発生しない。従って、4つのローラ(74)〜(74)には殆ど摩耗が発生しない。
又、上方の2つのローラ(74)(74)と下方の2つのローラ(74)(74)は互いに充分に離間しているので、本体は、垂直X軸駆動シャフト(540)の外周面に沿って安定した姿勢で移動することになる。
【0039】
垂直X軸駆動シャフト(540)を回転駆動した場合は、該シャフト(540)の外周面を4つのローラ(74)〜(74)が包囲して、垂直X軸駆動シャフト(540)とこれらのローラ(74)〜(74)とは互いに相対回転不能に係合しているので、垂直X軸駆動シャフト(540)の回転に伴って、本体、ころがり軸受(77)及び駆動ギア(79)が一体となって、垂直X軸駆動シャフト(540)を中心として回転する。又、各ローラ(74)を構成する一対のローラ片(76)(76)が垂直X軸駆動シャフト(540)の外周面を構成する側面の幅方向の両端部に当接しているので、垂直X軸駆動シャフト(540)の回転トルクが本体に効率良く伝達される。又、本体とホルダー(70)の間にはころがり軸受(77)が介在しているので、滑り摩擦は発生しない。
【0040】
斯くして、図16に示す如く、搬送テーブル(50)をZ軸方向に駆動するZ軸搬送機構(56)が構成される。Z軸モータ(図示省略)によってZ軸駆動シャフト(561)が駆動され、これによってZ軸駆動ラダーチェーン(562)が駆動されると、昇降板(81)が上下に往復移動する。この結果、搬送テーブル(50)は、安定した姿勢を維持してZ軸方向に往復移動することになる。
【0041】
図1に示す如く、往復移動機構(8)は、昇降板(81)上に中間スライド板(82)と搬送テーブル(50)を配備して構成され、中間スライド板(82)及び搬送テーブル(50)は、それぞれX軸方向に沿って往復移動が可能である。
【0042】
図11及び図12に示す如く、昇降板(81)上には、それぞれX軸方向に並ぶ4つの第1ローラ(86)〜(86)からなる2つのローラ列が互いに離間して配備されている。一方、中間スライド板(82)の裏面には、前記2つのローラ列に沿って伸びる2つの第1ガイド板(84)(84)が取り付けられており、各ローラ列を構成する4つの第1ローラ(86)〜(86)は、第1ガイド板(84)の外側の側面に当接して、昇降板(81)に対する中間スライド板(82)のスライドを案内している。
【0043】
又、中間スライド板(82)上には、それぞれX軸方向に並ぶ4つの第2ローラ(87)〜(87)からなる2つのローラ列が互いに離間して配備されている。一方、搬送テーブル(50)の裏面には、前記2つのローラ列に沿って伸びる2つの第2ガイド板(85)(85)が取り付けられており、各ローラ列を構成する4つの第2ローラ(87)〜(87)は、第2ガイド板(85)の内側の側面に当接して、中間スライド板(82)に対する搬送テーブル(50)のスライドを案内している。
【0044】
第1ローラ(86)及び第2ローラ(87)はそれぞれ、図10に示す如く外周面が断面V字状に突出したひし形状を呈し、第1ガイド板(84)及び第2ガイド板(85)は、ローラ(86)(87)との対向面(ガイド面)が該ローラの断面形状に応じた形状を有している。
【0045】
又、図9に示す如く、一列に並ぶ4つの第1ローラ(86)〜(86)によって構成されるローラ列において、列端に位置する外側ローラと該外側ローラに隣接する内側ローラの間の距離Bは、互いに隣接する2つの内側ローラの間の距離Aよりも大きく設定されている。
そして、中間スライド板(82)は、各ローラ列を構成する4つの第1ローラ(86)〜(86)によって保持された第1の位置と、前記外側ローラと内側ローラの2つの第1ローラ(86)(86)のみによって保持された第2の位置との間で、昇降板(81)に対して相対移動する。
又、搬送テーブル(50)は、各ローラ列を構成する4つの第2ローラ(87)〜(87)によって保持された第1の位置と、互いに隣接する3つの第2ローラ(87)(87)(87)によって保持された第2の位置との間で、中間スライド板(82)に対して相対移動する。
【0046】
図7及び図8に示す如く、昇降板(81)の裏面には、互いに噛合する中継ギア(91)と従動ギア(92)が配備され、中継ギア(91)には、前記往復式回転駆動機構(7)の駆動ギア(79)が噛合している。
又、図10乃至図12に示す如く、中間スライド板(82)に取り付けられた一対の第1ガイド板(84)(84)の内、一方の第1ガイド板(84)の内側の側面には、X軸方向に伸びる第1ラック(93)が形成されている。
一方、昇降板(81)には、従動ギア(92)と同軸上にて従動ギア(92)と一体回転する第1ピニオン(92a)が配備され、第1ラック(93)と噛合している。
【0047】
又、昇降板(81)の一方の側部には、昇降板(81)の表面から所定の高さ位置に、X軸方向に伸びる第2ラック(95)が設置されると共に、搬送テーブル(50)の裏面に設置された一対の第2ガイド板(85)(85)の内、一方の第2ガイド板(85)の外側の側面には、前記第2ラック(95)に対向して、X軸方向に伸びる第3ラック(96)が形成されている。
一方、中間スライド板(82)上には、第2ピニオン(94)が枢支され、前記第2ラック(95)と第3ラック(96)に同時に噛合している。
【0048】
上記往復移動機構(8)においては、前記往復式回転駆動機構(7)の駆動ギア(79)が回転することによって、この回転が中継ギア(91)及び従動ギア(92)を経て、第1ピニオン(92a)へ伝えられ、該第1ピニオン(92a)によって第1ラック(93)が駆動され、中間スライド板(82)が往復移動する。
そして、中間スライド板(82)の移動に伴って、第2ピニオン(94)が第2ラック(95)と噛合しつつ回転し、この回転によって第3ラック(96)が駆動され、搬送テーブル(50)が中間スライド板(82)の移動速度の2倍の速度で往復移動することになる。
【0049】
斯くして、搬送テーブル(50)をX軸方向に駆動するX軸搬送機構(6)が構成され、X軸モータ(571)の回転が、水平X軸駆動シャフト(541)及び垂直X軸駆動シャフト(540)を介して、往復式回転駆動機構(7)に伝わり、該往復式回転駆動機構(7)の回転によって搬送テーブル(50)がX軸方向に駆動される。
【0050】
上記X軸搬送機構(6)においては、図18(a)(b)に示す如く、垂直X軸駆動シャフト(540)の正逆の回転によって搬送テーブル(50)がX軸方向に駆動され、図18(a)に示す如く左方の移動端まで移動して、左方のスタッカーの内部へ侵入し、或いは図18(b)に示す如く右方の移動端まで移動して、右方のスタッカーの内部へ侵入することになる。
【0051】
インキュベータ(1)の動作
上記本発明のインキュベータ(1)においては、チャンバー(11)内に複数のスタッカー(3)を設置した状態で、マイクロプレート搬送装置(5)の動作によって、搬送テーブル(50)をX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に移動させることにより、任意のスタッカー(3)の任意のマイクロプレート収容部に対して、マイクロプレートの出し入れが行なわれる。
【0052】
例えば、ある1つのマイクロプレート収容部にマイクロプレートを収容する場合、先ずマイクロプレート搬入機構(4)によってチャンバー(11)内に該マイクロプレートを搬入する。又、マイクロプレート搬送装置(5)のY軸搬送機構(55)及びZ軸搬送機構(56)を動作させて、搬送テーブル(50)をマイクロプレート挿入口(13)との対向位置まで移動させる。そして、X軸搬送機構(6)をマイクロプレート挿入口(13)側へ動作させて、搬送テーブル(50)上にマイクロプレート(31)を搭載した後、X軸搬送機構(6)の動作によって、搬送テーブル(50)を元の位置に復帰させる。
【0053】
続いて、マイクロプレート搬送装置(5)のY軸搬送機構(55)及びZ軸搬送機構(56)を動作させて、搬送テーブル(50)を所定のスタッカー(3)の所定のマイクロプレート収容部との対向位置まで移動させた後、X軸搬送機構(6)を動作させて、搬送テーブル(50)を該マイクロプレート収容部の内部まで移動させる。
その後、Z軸搬送機構(56)の動作によって搬送テーブル(50)を僅かに降下させ、搬送テーブル(50)上のマイクロプレート(31)を該マイクロプレート収容部に引き渡した後、X軸搬送機構(6)の動作によって、搬送テーブル(50)を元の位置まで復帰させる。
【0054】
チャンバー(11)内のある1つのスタッカー(3)の、ある1つのマイクロプレート収容部に収容されているマイクロプレート(31)を、チャンバー(11)の外側に排出する場合は、上記の搬入、搬送動作と逆の動作が実行される。
即ち、マイクロプレート搬送装置(5)のY軸搬送機構(55)及びZ軸搬送機構(56)の動作によって、搬送テーブル(50)を所定のマイクロプレート収容部との対向位置まで移動させ、その後、所定のマイクロプレート収容部がその左側に位置するか、或いは右側に位置するかに応じて、X軸搬送機構(6)を左方若しくは右方に動作させて、搬送テーブル(50)を該マイクロプレート収容部の内部へ移動させて、搬送テーブル(50)上にマイクロプレート(31)を搭載する。
【0055】
その後、マイクロプレート搬送装置(5)の動作によって、搬送テーブル(50)上のマイクロプレート(31)をチャンバー(11)のマイクロプレート挿入口(13)まで搬送した後、搬送テーブル(50)上のマイクロプレート(31)をマイクロプレート搬入機構(4)に引き渡し、該マイクロプレート搬入機構(4)の動作によって、マイクロプレート(31)をチャンバー(11)から排出するのである。
【0056】
本発明に係るインキュベータ(1)においては、往復式回転駆動機構(7)を構成する4つのローラ(74)〜(74)が回転して搬送テーブル(50)のZ軸方向の移動が案内されるので、これらのローラ(74)は殆ど摩耗することがない。又、往復移動機構(8)を構成するそれぞれ8つの第1ローラ(86)及び第2ローラ(87)が回転して搬送テーブル(50)のX軸方向の移動が案内されるので、これらのローラ(86)(87)は殆ど摩耗することがない。
【0057】
この結果、往復式回転駆動機構(7)及び往復移動機構(8)において精度の高いガイド機能が維持されて、搬送テーブル(50)をZ軸方向及びX軸方向に安定した姿勢で往復移動させることが出来る。従って、搬送テーブル(50)上のマイクロプレート(31)が振動することはなく、マイクロプレート(31)上の試料の培養状態に悪影響が及ぶ虞はない。
然も、上記ローラ(74)(86)(87)から粉塵が発生してマイクロプレート(31)上の試料に混入することもない。
【0058】
又、往復移動機構(8)において、昇降板(81)に対して中間スライド板(82)が最も突出した第2の位置では、各ローラ列を構成する4つの第1ローラ(86)〜(86)の内、外側と内側の2つの第1ローラ(86)(86)が第1ガイド板(84)に当接して、両ローラ列の合計4つの第1ローラ(86)〜(86)で中間スライド板(82)の姿勢を維持することになるが、外側の第1ローラ(86)と内側の第1ローラ(86)の間の距離Bが内側の第1ローラ(86)(86)どうしの距離Aよりも大きく設定されているので、中間スライド板(82)及び搬送テーブル(50)のストロークが大きい場合にも、中間スライド板(82)及び搬送テーブル(50)を安定した姿勢で確実に保持することが出来る。
【0059】
然も、第1ローラ(86)及び第2ローラ(87)はそれぞれ外周面が断面V字状に突出したひし形状を呈しており、昇降板(81)に対して中間スライド板(82)及び搬送テーブル(50)が最も突出した状態では、第1ローラ(86)及び第2ローラ(87)の外周面の凸と第1ガイド板(84)及び第2ガイド板(85)の凹とが互いに係合しているので、搬送テーブル(50)が自重によって垂れ下がる虞はない。従って、搬送テーブル(50)からマイクロプレート(31)が脱落することはない。
【0060】
尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。又、本発明はインキュベータに限らず、所定の環境条件に調整された空間内に設置されるべき種々の装置に実施することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明に係るインキュベータに装備される往復移動装置の斜視図である。
【図2】往復移動装置を構成する往復式回転駆動機構の斜視図である。
【図3】往復式回転駆動機構の正面図である。
【図4】往復式回転駆動機構の一部破断正面図である。
【図5】往復式回転駆動機構の水平断面図である。
【図6】往復式回転駆動機構の分解斜視図である。
【図7】X軸搬送機構の平面図である。
【図8】X軸搬送機構の垂直断面図である。
【図9】X軸搬送機構におけるローラの配列を示す平面図である。
【図10】X軸搬送機構の拡大断面図である。
【図11】X軸搬送機構の一部破断平面図である。
【図12】X軸搬送機構の分解斜視図である。
【図13】本発明に係るインキュベータの外観を示す斜視図である。
【図14】チャンバーからスタッカーを引き出した状態を示す斜視図である。
【図15】インキュベータユニットの斜視図である
【図16】マイクロプレート搬送装置の斜視図である。
【図17】従来のX軸搬送機構を示す側面図である。
【図18】該X軸搬送機構の動作を表わす斜視図である。
【図19】従来の往復式回転駆動機構の斜視図である。
【図20】該往復式回転駆動機構の分解斜視図である。
【図21】従来のインキュベータの構成を示す概念図である。
【符号の説明】
【0062】
(1) インキュベータ
(2) インキュベータユニット
(5) マイクロプレート搬送装置
(50) 搬送テーブル
(6) X軸搬送機構
(7) 往復式回転駆動機構
(71) 上リング
(72) 下リング
(73) 支持板
(74) ローラ
(75) シャフト
(76) ローラ片
(77) ころがり軸受
(79) 駆動ギア
(8) 往復移動機構
(81) 昇降板
(82) 中間スライド板
(84) 第1ガイド板
(85) 第2ガイド板
(86) 第1ローラ
(87) 第2ローラ
(91) 中継ギア
(92) 従動ギア
(92a) 第1ピニオン
(93) 第1ラック
(94) 第2ピニオン
(95) 第2ラック
(96) 第3ラック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の環境条件に調整された空間内に設置されて出力部を1軸に沿って往復移動させる往復移動機構であって、ベース体と、該ベース体上に前記1軸方向に沿う往復移動が可能に設置されたスライド体とを具え、該スライド体に前記出力部が設けられ、前記ベース体とスライド体の対向面の内、何れか一方の対向面には、少なくとも4つのローラからなるローラ列が前記1軸方向に沿って2列に配備されると共に、他方の対向面には、前記2列のローラ列に沿って伸びる2つのガイド面が配備され、各ローラ列を構成する前記4つのローラの内、列端に位置する外側ローラと該外側ローラに隣接する内側ローラの間の距離は、互いに隣接する2つの内側ローラの間の距離よりも大きく、前記スライド体は、前記2つのガイド面がそれぞれ前記4つのローラの全てに当接した第1の位置と、前記2つのガイド面がそれぞれ1つの外側ローラと該外側ローラに隣接する1つの内側ローラの2つのローラのみに当接した第2の位置との間で、往復移動することを特徴とする往復移動機構。
【請求項2】
前記4つのローラはそれぞれ外周面が断面V字状に突出したひし形状を呈し、前記ガイド面は、該ローラの断面形状に応じた形状を有している請求項1に記載の往復移動機構。
【請求項3】
前記ベース体とスライド体によって構成されるスライド機構が複数段に設けられ、下段のスライド機構のスライド体が上段のスライド機構のベース体となり、最上段のスライド機構のスライド体に出力部が設けられている請求項1又は請求項2に記載の往復移動機構。
【請求項4】
所定の環境条件に調整された空間内に設置されて出力部を1軸に沿って往復移動させる往復移動機構であって、ベース体と、該ベース体上に前記1軸方向に沿う往復移動が可能に設置された第1スライド体と、該第1スライド体上に前記1軸方向に沿う往復移動が可能に設置された第2スライド体とを具え、該第2スライド体に前記出力部が設けられ、前記ベース体と第1スライド体の対向部、並びに第1スライド体と第2スライド体の対向部のそれぞれには、対向する2つの面の内、何れか一方の対向面に、少なくとも4つのローラからなるローラ列が前記1軸方向に沿って2列に配備されると共に、他方の対向面に、前記2列のローラ列に沿って伸びる2つのガイド面が配備され、少なくともベース体と第1スライド体の間の各ローラ列を構成する前記4つのローラの内、列端に位置する外側ローラと該外側ローラに隣接する内側ローラの間の距離は、互いに隣接する2つの内側ローラの間の距離よりも大きく、第1スライド体は、前記2つのガイド面がそれぞれ前記4つのローラの全てに当接した第1の位置と、前記2つのガイド面がそれぞれ1つの外側ローラと該外側ローラに隣接する1つの内側ローラの2つのローラのみに当接した第2の位置との間で、往復移動することを特徴とする往復移動機構。
【請求項5】
前記ベース体には、外部から回転力が伝えられるべき第1ピニオン(92a)が配備され、前記第1スライド体には、前記1軸方向に伸びて前記第1ピニオン(92a)と噛合する第1ラック(93)が配備されると共に、第2ピニオン(94)が枢支され、前記ベース体と第2スライド体にはそれぞれ、前記1軸方向に伸びて前記第2ピニオン(94)と同時に噛合する第2ラック(95)及び第3ラック(96)が配備されている請求項4に記載の往復移動機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2006−34240(P2006−34240A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−222337(P2004−222337)
【出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】