待合せ場所決定システム、待合せ場所決定方法およびプログラム
【課題】全てのメンバにとって、移動負荷が同程度の待ち合わせ場所を選定すること。
【解決手段】所要時間の場合は候補駅選定部31がバス経路検索41、電車経路検索424、位置情報検索43の検索サービスを用いてメンバ全員からの所要時間が同程度になる駅を選定する。その後、待ち合わせ駅決定部32が乗り換え回数、終電時刻、乗降有無、店数、改札数などのパラメータによって最適な駅を決める。その後同様の方法で、改札口や店などの待ち合わせ場所を決定する。
【解決手段】所要時間の場合は候補駅選定部31がバス経路検索41、電車経路検索424、位置情報検索43の検索サービスを用いてメンバ全員からの所要時間が同程度になる駅を選定する。その後、待ち合わせ駅決定部32が乗り換え回数、終電時刻、乗降有無、店数、改札数などのパラメータによって最適な駅を決める。その後同様の方法で、改札口や店などの待ち合わせ場所を決定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各メンバのアクセスにかかる負荷が同程度になる場所を複数選定し、その中から交通の利便性を意識した複数のパラメータを用いて最適な駅及びその改札口などの待ち合わせ場所を決定するする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ある代表者が複数人の待ち合わせ場所を決定する時(例えば駅など)、適切な場所を決定するのに手間がかかっていた。このような問題を解決するために、
【0003】
特許文献1、特許文献2のように、待ち合わせ場所を自動で決定する方法が考えられている。
【0004】
特許文献1では各メンバが待ち合わせ場所に行くまでの負荷を所要時間や距離で測定し、プライオリティに応じて分割して待ち合わせ場所を決定していた。
【0005】
また特許文献2では待ち合わせ候補駅の選定にメンバの駅利用回数を利用している。ここでは全メンバの駅利用回数を合計し、利用回数の多い駅を待ち合わせ候補駅とし、その後に運賃などを考慮して待ち合わせ駅を決定している。
【特許文献1】特開2004−294342号公報
【特許文献2】特開2006−24194号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の従来技術には、次のような問題があった。
第1の問題点は、待ち合わせ場所への行きやすさが考慮されていない点である。その理由は、待ち合わせ場所の決定に所要時間、距離だけを考慮しているからである。そのため、待ち合わせ場所が駅から遠い場所に設定されるなどの問題が生じる。
【0007】
第2の問題点は、出発地から目的地までの全所要時間を鑑みていない点である。その理由は、所要時間の計算に単一の移動手段のみ考慮しているからである。そのため、電車での所要時間をプライオリティで分割しても、出発地から最寄り駅までの移動時間に大きな差がある場合、プライオリティ付けした意味がなくなってしまう。
【0008】
また、特許文献2の従来技術には、次のような問題があった。
第1の問題点は、各メンバが待ち合わせ駅に行くための負荷に、ばらつきがある点である。その理由は、メンバごとの駅の利用回数にばらつきがあるからである。駅の利用回数が最大になった駅のメンバごとの内訳が例えばAさんは10回、Bさんは9回、Cさんは1回となる場合を想定する。この場合、Cさんにとって今まで一回しか利用していないような駅が待ち合わせ駅に決定されることとなる。候補駅の選定の時点で駅利用回数を使用しているため、その後に運賃を考慮しても、負荷のばらつきは残ってしまう。
【0009】
第2の問題点は、別途待ち合わせ改札口や待ち合わせ場所を指定する必要がある点である。その理由は、待ち合わせ駅までしか考慮されていないからである。結局は改札口や待ち合わせ場所を指定する必要が生じる。
【0010】
本発明は、以上説明した問題点を解決するためになされたものである。その目的は、全てのメンバにとって、移動負荷が同程度の待ち合わせ場所を選定することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、複数のメンバの待ち合わせ場所の選定を支援する待合せ場所決定システムであって、
各メンバの出発地からの所要時間および/または交通費をパラメータとし、
さらに、前記各メンバの利便性をパラメータとして待ち合わせ場所の選定を支援する待合せ場所決定システムを提供する。
【0012】
また、本発明は、複数のメンバの待ち合わせ場所の選定を支援する待合せ場所決定方法であって、
各メンバの出発地からの所要時間および/または交通費をパラメータとし、
さらに、前記各メンバの利便性をパラメータとして待ち合わせ場所の選定を支援する待合せ場所決定方法を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、全てのメンバにとって、移動負荷が同程度の待ち合わせ場所を選定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
図1を参照すると、本実施の形態における待合せ場所決定システムは、待ち合わせ場所の決定権を持つ代表者の携帯電話1と、待ち合わせ場所決定装置2と、インターネット5と、メンバの携帯電話6とから構成されている。
【0016】
メンバの携帯電話6は乗降駅履歴などのメンバの情報の取得や、待ち合わせ情報を受信する時に利用される。
【0017】
待ち合わせ場所決定装置2は待ち合わせ場所決定サーバ3と、Web上の様々な検索サービス4を備えている。
【0018】
待ち合わせ場所決定サーバ3の中には候補駅選定部31、待ち合わせ駅決定部32、改札口決定部33、メンバ情報34、駅情報35、候補駅関連情報36を備えている。候補駅関連情報36は待ち合わせ駅決定部32で作成される情報である。
【0019】
候補駅選定部31の中で、出発地からの所要時間または交通費の負荷が同程度になる駅を選定する。選定された候補駅は待ち合わせ駅決定部32へ送信される。
【0020】
メンバ情報34にはメンバの最寄り駅(電車)や自宅位置情報、乗降駅履歴が記録されている。
【0021】
待ち合わせ駅決定部32では、駅情報35と候補駅関連情報36の情報を用いて最適な待ち合わせ駅を決定する。駅情報35には改札名や改札前混雑度が記録されている。そして候補駅関連情報36には候補駅選定部31で選定された候補駅に対するメンバごとの固有情報の他に、候補駅付近の店数や改札数が記録されている。
【0022】
その後、駅情報35と店情報検索44の情報を用い、改札口決定部33で最適な改札口を決定する。
【0023】
バス経路検索41は出発駅、到着駅(本実施の形態では電車の駅を想定)、出発時間を入力して、到着駅への到着時間、交通費を出力する検索エンジンを想定している。
【0024】
電車経路検索42は出発駅、到着駅、到着予定時刻を入力すれば、到着駅への到着時間、乗り換え回数、交通費、終電案内を出力する検索エンジンを想定している。
【0025】
位置情報検索43はバス停、駅、住所などを入力として、緯度と経度からなる位置情報を返すものとする。さらに、2点間の位置情報を入力として距離を出力する機能を合わせ持つ。
【0026】
店情報検索44は目的、駅名、改札口を入力として、周辺の店数をアウトプットとして返す検索エンジンを想定している。さらに店の様々な情報(予算、禁煙/喫煙、メニュー、看板の有無など)を提供する。
【0027】
次に図1を参照して本実施の形態の動作について詳細に説明する。本実施の形態では出発地から待ち合わせ駅までの負荷の指標を所要時間とした場合の説明である。
【0028】
まず、幹事などの代表者が図7のような初期画面で集合日、集合時刻、目的、待ち合わせ候補駅選定条件、待ち合わせをしたいメンバを入力し、「候補駅検索」ボタンを押下する。本実施の形態では目的に「飲み会」を選択し、候補駅選定条件に「所要時間」を選択した。なお、本実施の形態では田中君が代表者であるとする。
【0029】
その後、入力された内容が図1のインターネット5を通じて待ち合わせ場所決定サーバ3へと送信される。なお、待ち合わせ当日、メンバは自宅から出発すると仮定して以後の話を進める。また、最寄り駅と書かれてある場合、特に断りがなければメンバの出発地から一番近い電車の駅を表すものとする。
【0030】
次に、図1の候補駅選定部31で待ち合わせ候補駅が選定される処理を説明する。候補駅選定部31のフローチャートを詳細に示したものが図2である。
【0031】
まず、S101にて携帯電話から入力された集合時刻を取得する。
【0032】
S102にて集合時刻から20分引いたものをメンバの自宅出発時刻とする。引く時間は状況に応じて変更しても構わない。
【0033】
続いてS103で、設定された出発時刻に自宅を出た場合の最寄り駅到着時刻を計算する。なお、最寄り駅はあらかじめメンバ情報34に格納されているものとし、候補駅選定部31から参照される。メンバ情報34には図6のように氏名、最寄り駅、自宅位置情報、今までの乗降駅が格納されている。本実施の形態では、メンバが入札機能付きの携帯電話を持っていると仮定しており、メンバが改札を通過する時に携帯電話6に乗降履歴が蓄積される。そしてこの乗降履歴が定期的にメンバ情報34へ送信されるものとする。
【0034】
S103の処理のフローチャートが図3である。まず、S201でメンバが最寄り駅まで徒歩で行けるかどうかを判定する。この判定には位置情報検索44により、メンバの自宅と最寄り駅までの移動距離を調べ、徒歩による所要時間を計算する。所要時間の計算には図4の歩行速度を使用する。例えば−10分を一つの目安と考え、最寄り駅まで徒歩10分以内なら徒歩で行けるとし、自宅出発時刻に所要時間を足した時刻を最寄り駅到着時刻とする−10分以上かかる場合はS203へ進む。なお、この10分という判断基準は変更してもよい。
【0035】
S203では最寄り駅へ向かうバスの有無をバス経路検索41により調べる。もし見つからない場合は、S204へ進み、位置情報検索44によって自宅から最寄り駅までの移動距離を調べて、自転車による所要時間を計算する。所要時間の計算には図4の自転車による速度を用いて計算する。ここでも上と同様に出発時刻に自転車による所要時間を足した時刻を最寄り駅到着時刻とする。
【0036】
最寄り駅へ向かうバスがある場合はS205へ進む。まずは最寄りのバス停を位置情報検索44から検索する。そして、自宅から最寄りのバス停までの徒歩による移動時間を自宅出発時刻に足して、バス停に到着する時刻を求める。そしてバス停に到着した時刻を出発時刻として乗車可能なバスをバス経路検索41から決定し、そのバスに乗った場合の最寄り駅到着時刻を算出する。以上によって、ステップS103で最寄り駅到着時刻が定まる。
【0037】
次に、図2のS104で、集合時刻−10分〜集合時刻の間に到着可能な駅を電車経路検索42によって検索する。この際、最寄り駅到着時刻を出発時刻として電車経路検索42を利用することとなる。この時、位置情報検索43を使用して、自宅から100km圏内にある駅を調査対象駅とすればよい。もちろん100kmという値は変更してもよい。
【0038】
調査対象駅を待ち合わせ駅、最寄り駅を出発駅として電車経路検索42を使用して順次検索し、集合時刻−10分〜集合時刻の間に到着可能な待ち合わせ駅を検索する。
【0039】
以上のS103からS104のステップをメンバの数だけ繰り返す。
【0040】
その後S105にて、集合時刻−10分〜集合時刻の間にメンバ全員が到着可能な駅を調べ、ある場合はその駅を候補駅とする。見つからない場合は、S107によって自宅出発時刻を10分間早くして再びS103の処理を行う。なお、最寄り駅到着時刻>集合時刻−10分となった場合はループを抜け出しS107の処理に進む。
【0041】
以上によって、全てのメンバが集合時刻付近に来ることが可能な駅を複数選び出し(1個でも可)、待ち合わせ駅の候補とする。候補駅が決まった段階で代表者の携帯電話は図8のような画面に切り替わる。そして、選定された候補駅は待ち合わせ駅決定部32へ送信される。
【0042】
続いて、待ち合わせ駅決定部32の処理を説明する。待ち合わせ駅決定部32では複数のパラメータを使用して、候補駅を一つに絞る。
【0043】
はじめに候補駅の情報とメンバに依存する情報をまとめ、駅関連情報36を作成する。内容は図10に示すように、候補駅を使った場合のメンバの乗り換え回数、終電時刻、乗降履歴、そして、駅固有の情報である駅周辺の目的の店数、改札数をまとめたものである。乗り換え回数、終電時刻に関しては、電車経路検索42を、乗降履歴に関してはメンバ情報34を、目的の店数に関しては店情報検索44を用いて検索する。
【0044】
ここでは図10の表を用いて候補駅から待ち合わせ駅を決定する方法を説明する。ここでは待ち合わせ駅を決定するためのパラメータとして乗り換え回数、終電時刻、乗降履歴、店数、改札数を用いた。「店数」以外のパラメータは全て交通の利便性と関連のあるパラメータである。本実施の形態では集合目的も意識しているため、目的に適合する店数もパラメータの一つとして選定した。指標は、乗り換え回数においては少ないものがよく、終電時刻においては遅い方がよく、乗降履歴はある方がよく、店数は多いほうがよく、改札数は待ち合わせの観点から少ない方が望ましいことが多い。
【0045】
図10の表から駅ごとにパラメータをまとめたものが図11の表である。図11の上の表は各パラメータに優劣をつけない場合である。この場合、候補駅間でパラメータを比較して、最もよかった駅にポイント1を付与することにした。表を説明すると、乗り換え回数については、駅ごとに各メンバの乗り換え回数を合計したもので、新宿が最も少なく、よい。終電時刻は駅ごとに各メンバで最も早い時刻を記した。乗降履歴はメンバが乗降した場合を1、乗降したことがない場合を0として、駅ごとに合計を求めた。
【0046】
図6のメンバ情報より全てのメンバ(本実施の形態では3人)が新宿駅を乗降したことがあるので、図11の新宿の乗降履歴の数値は「3」となる。ちなみに図11中に灰色で網掛けされた箇所は最も値がいいことを表している。図11の場合、上記の指標に基づき、新宿が「乗り換え回数」「乗降履歴」「店数」において最もよく、合計3ポイントを獲得し、待ち合わせ駅として新宿駅が選択される。
【0047】
次に、図11の下の表でパラメータに優劣をつけた場合の説明をする。図8の画面例のパラメータ選択ラジオボタンにて、あるパラメータの優先度を高くした場合、そのパラメータが最もよい駅に対してポイントを1ではなく、5を付与する。
【0048】
図8は終電時刻を優先させたい場合であって、図11の下の表にようにポイントが付与される。つまり、終電時刻のパラメータが最もよい十条駅が5ポイント獲得し、駅ごとの合計ポイント数が最も高くなる。よって、十条駅が待ち合わせ駅として選択される。以降、十条が待ち合わせ駅として話を進める。
【0049】
次に待合せ場所の決定方法を説明する。本実施の形態では待合せ場所として改札口を想定している。よって、ここでは選択された待ち合わせ駅から改札口を決定する過程を説明する。
【0050】
改札口決定部33では改札ごとの改札前混雑度と改札付近の目的の店数から改札口を決定する。改札前混雑度は駅情報35から取得し、改札前付近の目的の店数は店情報検索44から取得する。駅情報に記した混雑度の基準例として図13のような基準が考えられる。混雑状態の測定には圧力センサーや広角カメラなどを使用して、1m2あたりの人数を測
るといった方法が考えられる。本実施の形態では1時間ごとの混雑度を測定し、駅情報35に更新されることを想定している。
【0051】
本実施の形態では十条駅が待ち合わせ駅として選択されたので、図12に十条駅の改札ごとの店数と混雑度を示す。図12では北口の店数が4、混雑度は1、南口の店数が1、混雑度が2となっている。数値の横に括弧で表しているのは各パラメータの合計を1とした時の割合である。店数と混雑度の割合の値を足し合わせ、合計が最も高い改札口を待ち合わせ改札口とする。
【0052】
図12では北口が「1.13」南口が「0.86」となり、北口が待ち合わせ改札口となる。なお、改札口を決定する際も待ち合わせ駅を決定した時と同様にパラメータ間で優劣を持たせてもよい。
【0053】
以上の方法で待ち合わせ駅と改札口が決定され、代表者の携帯には図9のような画面が表示される。その後「メンバへ送信」ボタンを押下することによって図7で入力されたメンバの携帯電話6の電子メールアドレスに集合日、集合時刻、待ち合わせ場所が送信される。
【0054】
なお、上記の実施の形態において、代表者が携帯電話を使用することを前提に話を進めたが、インターネットに繋がるものであれば何でもよい。
【0055】
また、本実施の形態では待ち合わせメンバが自宅にいることを前提に話を進めたが、各メンバがGPS受信機能付き携帯電話を持っていれば、メンバの現在位置を瞬時に把握することが可能なので、その現在位置を出発地点とすることも可能である。また、GPSでメンバの位置情報と滞在時間を取得し、一週間の間でメンバの最も滞在時間の長かった場所を出発地とするという方法も考えられる。
【0056】
また、メンバに待ち合わせ場所を通知する際に、図2で検索された経路を記憶しておき、待ち合わせ場所までの最適経路情報をメンバごとに送信してもよい。これによってメンバは代表者から受信した情報だけで待ち合わせ場所へ向かうことが可能となる。
【0057】
なお、本実施の形態では交通機関としてバス、電車を想定しているが、新幹線、飛行機なども含めてよい。
【0058】
上記の本実施の形態によれば、全てのメンバにとって、移動負荷が同程度の待ち合わせ場所を選定出来る。その理由は出発地からの所要時間や交通費を考慮したため、最寄り駅から出発地までの距離が遠いメンバと近いメンバとの間で負荷に差がなくなるからである。
【0059】
また、メンバにとって交通の利便性の高い待ち合わせ駅を選定出来る。その理由は乗り換え回数、終電時刻、乗降履歴、改札数など、の交通の利便性を意識したパラメータを考慮して駅を選定したからである。
【0060】
また、メンバにとって交通の利便性の高い待ち合わせ場所(改札口、店など)を決定出来る。
【0061】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態では出発地から待ち合わせ駅までの負荷の指標を交通費とした場合の説明である。なお、本実施の形態でも出発地を自宅とする。代表者の初期画面は図7と同様で今回は目的を飲み会、候補駅選定条件を交通費として待ち合わせ場所決定サーバ3へ送信する。
【0062】
本実施の形態を説明するためのブロック図を図14に表す。図1の改札口決定部33が待ち合わせ場所決定部34に置換された形となる。そして利用する検索サービスとして地図検索45を追加した。地図検索45は位置情報を入力としてその周りの地図を表示する事が出来るものを想定している。また、2点間の位置情報を入力すればその間の経路を表示すると共に2点間の経路の間にある信号の数なども出力されるもとする。
【0063】
駅候補選定部31までの処理については実施の形態1と同じでため省略する。本実施の形態では候補駅選定部31で交通費を指標に候補駅を選定する。その処理を図15のフローチャートで説明する。
【0064】
まず、S301で携帯電話から入力された集合日を取得する。
【0065】
S302で集合日の曜日の種類を特定する。そして出発時刻を仮決めして(例えば18:00)、その曜日のダイヤを使った場合に待ち合わせ候補駅へかかる費用を交通費として算出する。
【0066】
S303で交通費Aを100円と初期設定した。この初期費用は変更しても構わない。
【0067】
その後S304にて最寄り駅までの交通費を算出する(この費用をBとする)。この処理は図3と同じで、前実施の形態で説明している。図3ではバスを使った場合はその交通費を、自転車や徒歩の場合は交通費を0円として交通費を算出する。こうして算出された費用を最寄り駅までの交通費Bとする。
【0068】
続いてS305で、設定された交通費内で到着可能な駅を電車経路検索42を使用して検索する。S305中のAーBは電車の交通費を表している。つまりAーB<電車の交通費<AーB+50となるような駅を検索することとなる。
【0069】
以上S304、S305のステップをメンバの数だけ繰り返す。
【0070】
そしてS306にてメンバ全員が指定された交通費内で到着出来る駅があるならばその駅を候補駅とする。見つからない場合は現在のAの値に50円足したものを新たなAの値としてS304から再び実行する。
【0071】
以上によって全てのメンバが同程度の交通費で到着可能な駅を複数(一つでも可)見つけ出し、待ち合わせの候補駅とする。候補駅が決まった段階で代表者の携帯には図8のような画面が表示される。
【0072】
次に候補駅選定部31で選定された候補駅を待ち合わせ決定部32に送信する。ここで候補駅から、パラメータを使用して待ち合わせ駅を一つに絞る。この処理は上記の第1の実施の形態と同じため重複する説明は省略する。待ち合わせ駅が一つに絞られた後は待ち合わせ場所決定部34へ処理が移る。
【0073】
待ち合わせ場所決定部34では目的に適合する店の中から最適な店を決定し、メンバへ待ち合わせポイントの地図情報を送信する機能を有する。はじめに、待ち合わせ駅周辺の店から目的に適合する店の情報を店情報検索44から取得する。最後に地図検索45で経路情報を取得して、各メンバの携帯電話6に駅から集合場所までの経路を送信する。
【0074】
本実施の形態では飲み会を目的として選択されているため、まずは待ち合わせ駅周辺の飲みの店の情報を店情報検索44から取得する。取得した店の情報と位置情報検索43、地図検索45の情報を基に図16のような表が作成される。
【0075】
この表に示すとおり、店を決定するために3つのパラメータを選定した。「駅からの距離」は位置情報検索45から、「信号の数」は地図検索45、「看板の有無」は店情報検索44から取得する。これらのパラメータを選定した理由は、本発明の目的がメンバの交通の利便性を考慮した場所を決定することにあるからである。よって、交通の利便性の観点から「駅からの距離」「信号の数」「看板の有無」を選定した。
【0076】
本実施の形態の駅周辺の飲み屋の情報は図16のようになり、店ごとに各パラメータを比較し、最も値が良い店にはポイント1を付与した。各パラメータの基準は「駅からの距離」は短い方がよく、「信号の数」は少ない方がよく、看板の有無はある方がよいとした。本実施の形態では黒木屋が「信号の数」「看板の有無」で最も値がよかったためポイントを2獲得し、待ち合わせ場所として決定される。ちなみに図16中に灰色で網掛けされた箇所は最も値がいいことを表している。なお、図11下の表のようにパラメータ間に優劣を持たせてもよい。また、店を決定するためのパラメータとして「交差点の数」や、交通の利便性とは関係ないが、「平均予算」「開店時間」なども追加してもよい。
【0077】
その後、代表者の携帯画面には図17のように、決定した待ち合わせ場所と地図情報が表示される。その後「メンバへ送信」ボタンを押下することによって図7で入力されたメンバの携帯電話6の電子メールアドレスに集合日、集合時刻、駅から待ち合わせ場所までの経路が送信される。
【0078】
なお、上述する実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更実施が可能である。例えば、待ち合わせ場所決定装置2ないしは待ち合わせ場所決定サーバ3等の機能を実現するためのプログラムを各装置に読込ませて実行することにより各装置の機能を実現する処理を行ってもよい。さらに、そのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であるCDーROMまたは光磁気ディスクなどを介して、または伝送媒体であるインターネット、電話回線などを介して伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の第1の実施の形態のシステム構成を示す構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の候補駅選定部の処理動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施の形態の最寄駅到着時刻算出の処理動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施の形態の移動手段ごとの速度目安表である。
【図5】本発明の第1の実施の形態の駅情報を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態のメンバ情報を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態の初期画面例を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態の候補駅決定後画面例を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態の待ち合わせ場所検索結果表示画面例を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態の候補駅関連情報を示す図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態の候補駅ごとのパラメータの値と獲得ポイントを示す図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態の改札口ごとのパラメータの値と獲得ポイントを示す図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態の混雑度基準例を示す図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態のシステム構成を示す構成図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態の候補駅選定部の処理動作を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第2の実施の形態の店ごとのパラメータの値と獲得ポイントを示す図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態の待ち合わせ場所決定後画面例を示す図である。
【符号の説明】
【0080】
1、6 携帯電話
2 待ち合わせ場所決定装置
3 待ち合わせ場所決定サーバ
4 検索サービス
5 インターネット
31 候補駅選定部
32 待ち合わせ駅決定部
33 改札口決定部
34 メンバ情報
35 駅情報
36 候補駅関連情報
41 バス経路検索
42 電車経路検索
43 位置情報検索
44 店情報検索
【技術分野】
【0001】
本発明は、各メンバのアクセスにかかる負荷が同程度になる場所を複数選定し、その中から交通の利便性を意識した複数のパラメータを用いて最適な駅及びその改札口などの待ち合わせ場所を決定するする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ある代表者が複数人の待ち合わせ場所を決定する時(例えば駅など)、適切な場所を決定するのに手間がかかっていた。このような問題を解決するために、
【0003】
特許文献1、特許文献2のように、待ち合わせ場所を自動で決定する方法が考えられている。
【0004】
特許文献1では各メンバが待ち合わせ場所に行くまでの負荷を所要時間や距離で測定し、プライオリティに応じて分割して待ち合わせ場所を決定していた。
【0005】
また特許文献2では待ち合わせ候補駅の選定にメンバの駅利用回数を利用している。ここでは全メンバの駅利用回数を合計し、利用回数の多い駅を待ち合わせ候補駅とし、その後に運賃などを考慮して待ち合わせ駅を決定している。
【特許文献1】特開2004−294342号公報
【特許文献2】特開2006−24194号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の従来技術には、次のような問題があった。
第1の問題点は、待ち合わせ場所への行きやすさが考慮されていない点である。その理由は、待ち合わせ場所の決定に所要時間、距離だけを考慮しているからである。そのため、待ち合わせ場所が駅から遠い場所に設定されるなどの問題が生じる。
【0007】
第2の問題点は、出発地から目的地までの全所要時間を鑑みていない点である。その理由は、所要時間の計算に単一の移動手段のみ考慮しているからである。そのため、電車での所要時間をプライオリティで分割しても、出発地から最寄り駅までの移動時間に大きな差がある場合、プライオリティ付けした意味がなくなってしまう。
【0008】
また、特許文献2の従来技術には、次のような問題があった。
第1の問題点は、各メンバが待ち合わせ駅に行くための負荷に、ばらつきがある点である。その理由は、メンバごとの駅の利用回数にばらつきがあるからである。駅の利用回数が最大になった駅のメンバごとの内訳が例えばAさんは10回、Bさんは9回、Cさんは1回となる場合を想定する。この場合、Cさんにとって今まで一回しか利用していないような駅が待ち合わせ駅に決定されることとなる。候補駅の選定の時点で駅利用回数を使用しているため、その後に運賃を考慮しても、負荷のばらつきは残ってしまう。
【0009】
第2の問題点は、別途待ち合わせ改札口や待ち合わせ場所を指定する必要がある点である。その理由は、待ち合わせ駅までしか考慮されていないからである。結局は改札口や待ち合わせ場所を指定する必要が生じる。
【0010】
本発明は、以上説明した問題点を解決するためになされたものである。その目的は、全てのメンバにとって、移動負荷が同程度の待ち合わせ場所を選定することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、複数のメンバの待ち合わせ場所の選定を支援する待合せ場所決定システムであって、
各メンバの出発地からの所要時間および/または交通費をパラメータとし、
さらに、前記各メンバの利便性をパラメータとして待ち合わせ場所の選定を支援する待合せ場所決定システムを提供する。
【0012】
また、本発明は、複数のメンバの待ち合わせ場所の選定を支援する待合せ場所決定方法であって、
各メンバの出発地からの所要時間および/または交通費をパラメータとし、
さらに、前記各メンバの利便性をパラメータとして待ち合わせ場所の選定を支援する待合せ場所決定方法を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、全てのメンバにとって、移動負荷が同程度の待ち合わせ場所を選定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
図1を参照すると、本実施の形態における待合せ場所決定システムは、待ち合わせ場所の決定権を持つ代表者の携帯電話1と、待ち合わせ場所決定装置2と、インターネット5と、メンバの携帯電話6とから構成されている。
【0016】
メンバの携帯電話6は乗降駅履歴などのメンバの情報の取得や、待ち合わせ情報を受信する時に利用される。
【0017】
待ち合わせ場所決定装置2は待ち合わせ場所決定サーバ3と、Web上の様々な検索サービス4を備えている。
【0018】
待ち合わせ場所決定サーバ3の中には候補駅選定部31、待ち合わせ駅決定部32、改札口決定部33、メンバ情報34、駅情報35、候補駅関連情報36を備えている。候補駅関連情報36は待ち合わせ駅決定部32で作成される情報である。
【0019】
候補駅選定部31の中で、出発地からの所要時間または交通費の負荷が同程度になる駅を選定する。選定された候補駅は待ち合わせ駅決定部32へ送信される。
【0020】
メンバ情報34にはメンバの最寄り駅(電車)や自宅位置情報、乗降駅履歴が記録されている。
【0021】
待ち合わせ駅決定部32では、駅情報35と候補駅関連情報36の情報を用いて最適な待ち合わせ駅を決定する。駅情報35には改札名や改札前混雑度が記録されている。そして候補駅関連情報36には候補駅選定部31で選定された候補駅に対するメンバごとの固有情報の他に、候補駅付近の店数や改札数が記録されている。
【0022】
その後、駅情報35と店情報検索44の情報を用い、改札口決定部33で最適な改札口を決定する。
【0023】
バス経路検索41は出発駅、到着駅(本実施の形態では電車の駅を想定)、出発時間を入力して、到着駅への到着時間、交通費を出力する検索エンジンを想定している。
【0024】
電車経路検索42は出発駅、到着駅、到着予定時刻を入力すれば、到着駅への到着時間、乗り換え回数、交通費、終電案内を出力する検索エンジンを想定している。
【0025】
位置情報検索43はバス停、駅、住所などを入力として、緯度と経度からなる位置情報を返すものとする。さらに、2点間の位置情報を入力として距離を出力する機能を合わせ持つ。
【0026】
店情報検索44は目的、駅名、改札口を入力として、周辺の店数をアウトプットとして返す検索エンジンを想定している。さらに店の様々な情報(予算、禁煙/喫煙、メニュー、看板の有無など)を提供する。
【0027】
次に図1を参照して本実施の形態の動作について詳細に説明する。本実施の形態では出発地から待ち合わせ駅までの負荷の指標を所要時間とした場合の説明である。
【0028】
まず、幹事などの代表者が図7のような初期画面で集合日、集合時刻、目的、待ち合わせ候補駅選定条件、待ち合わせをしたいメンバを入力し、「候補駅検索」ボタンを押下する。本実施の形態では目的に「飲み会」を選択し、候補駅選定条件に「所要時間」を選択した。なお、本実施の形態では田中君が代表者であるとする。
【0029】
その後、入力された内容が図1のインターネット5を通じて待ち合わせ場所決定サーバ3へと送信される。なお、待ち合わせ当日、メンバは自宅から出発すると仮定して以後の話を進める。また、最寄り駅と書かれてある場合、特に断りがなければメンバの出発地から一番近い電車の駅を表すものとする。
【0030】
次に、図1の候補駅選定部31で待ち合わせ候補駅が選定される処理を説明する。候補駅選定部31のフローチャートを詳細に示したものが図2である。
【0031】
まず、S101にて携帯電話から入力された集合時刻を取得する。
【0032】
S102にて集合時刻から20分引いたものをメンバの自宅出発時刻とする。引く時間は状況に応じて変更しても構わない。
【0033】
続いてS103で、設定された出発時刻に自宅を出た場合の最寄り駅到着時刻を計算する。なお、最寄り駅はあらかじめメンバ情報34に格納されているものとし、候補駅選定部31から参照される。メンバ情報34には図6のように氏名、最寄り駅、自宅位置情報、今までの乗降駅が格納されている。本実施の形態では、メンバが入札機能付きの携帯電話を持っていると仮定しており、メンバが改札を通過する時に携帯電話6に乗降履歴が蓄積される。そしてこの乗降履歴が定期的にメンバ情報34へ送信されるものとする。
【0034】
S103の処理のフローチャートが図3である。まず、S201でメンバが最寄り駅まで徒歩で行けるかどうかを判定する。この判定には位置情報検索44により、メンバの自宅と最寄り駅までの移動距離を調べ、徒歩による所要時間を計算する。所要時間の計算には図4の歩行速度を使用する。例えば−10分を一つの目安と考え、最寄り駅まで徒歩10分以内なら徒歩で行けるとし、自宅出発時刻に所要時間を足した時刻を最寄り駅到着時刻とする−10分以上かかる場合はS203へ進む。なお、この10分という判断基準は変更してもよい。
【0035】
S203では最寄り駅へ向かうバスの有無をバス経路検索41により調べる。もし見つからない場合は、S204へ進み、位置情報検索44によって自宅から最寄り駅までの移動距離を調べて、自転車による所要時間を計算する。所要時間の計算には図4の自転車による速度を用いて計算する。ここでも上と同様に出発時刻に自転車による所要時間を足した時刻を最寄り駅到着時刻とする。
【0036】
最寄り駅へ向かうバスがある場合はS205へ進む。まずは最寄りのバス停を位置情報検索44から検索する。そして、自宅から最寄りのバス停までの徒歩による移動時間を自宅出発時刻に足して、バス停に到着する時刻を求める。そしてバス停に到着した時刻を出発時刻として乗車可能なバスをバス経路検索41から決定し、そのバスに乗った場合の最寄り駅到着時刻を算出する。以上によって、ステップS103で最寄り駅到着時刻が定まる。
【0037】
次に、図2のS104で、集合時刻−10分〜集合時刻の間に到着可能な駅を電車経路検索42によって検索する。この際、最寄り駅到着時刻を出発時刻として電車経路検索42を利用することとなる。この時、位置情報検索43を使用して、自宅から100km圏内にある駅を調査対象駅とすればよい。もちろん100kmという値は変更してもよい。
【0038】
調査対象駅を待ち合わせ駅、最寄り駅を出発駅として電車経路検索42を使用して順次検索し、集合時刻−10分〜集合時刻の間に到着可能な待ち合わせ駅を検索する。
【0039】
以上のS103からS104のステップをメンバの数だけ繰り返す。
【0040】
その後S105にて、集合時刻−10分〜集合時刻の間にメンバ全員が到着可能な駅を調べ、ある場合はその駅を候補駅とする。見つからない場合は、S107によって自宅出発時刻を10分間早くして再びS103の処理を行う。なお、最寄り駅到着時刻>集合時刻−10分となった場合はループを抜け出しS107の処理に進む。
【0041】
以上によって、全てのメンバが集合時刻付近に来ることが可能な駅を複数選び出し(1個でも可)、待ち合わせ駅の候補とする。候補駅が決まった段階で代表者の携帯電話は図8のような画面に切り替わる。そして、選定された候補駅は待ち合わせ駅決定部32へ送信される。
【0042】
続いて、待ち合わせ駅決定部32の処理を説明する。待ち合わせ駅決定部32では複数のパラメータを使用して、候補駅を一つに絞る。
【0043】
はじめに候補駅の情報とメンバに依存する情報をまとめ、駅関連情報36を作成する。内容は図10に示すように、候補駅を使った場合のメンバの乗り換え回数、終電時刻、乗降履歴、そして、駅固有の情報である駅周辺の目的の店数、改札数をまとめたものである。乗り換え回数、終電時刻に関しては、電車経路検索42を、乗降履歴に関してはメンバ情報34を、目的の店数に関しては店情報検索44を用いて検索する。
【0044】
ここでは図10の表を用いて候補駅から待ち合わせ駅を決定する方法を説明する。ここでは待ち合わせ駅を決定するためのパラメータとして乗り換え回数、終電時刻、乗降履歴、店数、改札数を用いた。「店数」以外のパラメータは全て交通の利便性と関連のあるパラメータである。本実施の形態では集合目的も意識しているため、目的に適合する店数もパラメータの一つとして選定した。指標は、乗り換え回数においては少ないものがよく、終電時刻においては遅い方がよく、乗降履歴はある方がよく、店数は多いほうがよく、改札数は待ち合わせの観点から少ない方が望ましいことが多い。
【0045】
図10の表から駅ごとにパラメータをまとめたものが図11の表である。図11の上の表は各パラメータに優劣をつけない場合である。この場合、候補駅間でパラメータを比較して、最もよかった駅にポイント1を付与することにした。表を説明すると、乗り換え回数については、駅ごとに各メンバの乗り換え回数を合計したもので、新宿が最も少なく、よい。終電時刻は駅ごとに各メンバで最も早い時刻を記した。乗降履歴はメンバが乗降した場合を1、乗降したことがない場合を0として、駅ごとに合計を求めた。
【0046】
図6のメンバ情報より全てのメンバ(本実施の形態では3人)が新宿駅を乗降したことがあるので、図11の新宿の乗降履歴の数値は「3」となる。ちなみに図11中に灰色で網掛けされた箇所は最も値がいいことを表している。図11の場合、上記の指標に基づき、新宿が「乗り換え回数」「乗降履歴」「店数」において最もよく、合計3ポイントを獲得し、待ち合わせ駅として新宿駅が選択される。
【0047】
次に、図11の下の表でパラメータに優劣をつけた場合の説明をする。図8の画面例のパラメータ選択ラジオボタンにて、あるパラメータの優先度を高くした場合、そのパラメータが最もよい駅に対してポイントを1ではなく、5を付与する。
【0048】
図8は終電時刻を優先させたい場合であって、図11の下の表にようにポイントが付与される。つまり、終電時刻のパラメータが最もよい十条駅が5ポイント獲得し、駅ごとの合計ポイント数が最も高くなる。よって、十条駅が待ち合わせ駅として選択される。以降、十条が待ち合わせ駅として話を進める。
【0049】
次に待合せ場所の決定方法を説明する。本実施の形態では待合せ場所として改札口を想定している。よって、ここでは選択された待ち合わせ駅から改札口を決定する過程を説明する。
【0050】
改札口決定部33では改札ごとの改札前混雑度と改札付近の目的の店数から改札口を決定する。改札前混雑度は駅情報35から取得し、改札前付近の目的の店数は店情報検索44から取得する。駅情報に記した混雑度の基準例として図13のような基準が考えられる。混雑状態の測定には圧力センサーや広角カメラなどを使用して、1m2あたりの人数を測
るといった方法が考えられる。本実施の形態では1時間ごとの混雑度を測定し、駅情報35に更新されることを想定している。
【0051】
本実施の形態では十条駅が待ち合わせ駅として選択されたので、図12に十条駅の改札ごとの店数と混雑度を示す。図12では北口の店数が4、混雑度は1、南口の店数が1、混雑度が2となっている。数値の横に括弧で表しているのは各パラメータの合計を1とした時の割合である。店数と混雑度の割合の値を足し合わせ、合計が最も高い改札口を待ち合わせ改札口とする。
【0052】
図12では北口が「1.13」南口が「0.86」となり、北口が待ち合わせ改札口となる。なお、改札口を決定する際も待ち合わせ駅を決定した時と同様にパラメータ間で優劣を持たせてもよい。
【0053】
以上の方法で待ち合わせ駅と改札口が決定され、代表者の携帯には図9のような画面が表示される。その後「メンバへ送信」ボタンを押下することによって図7で入力されたメンバの携帯電話6の電子メールアドレスに集合日、集合時刻、待ち合わせ場所が送信される。
【0054】
なお、上記の実施の形態において、代表者が携帯電話を使用することを前提に話を進めたが、インターネットに繋がるものであれば何でもよい。
【0055】
また、本実施の形態では待ち合わせメンバが自宅にいることを前提に話を進めたが、各メンバがGPS受信機能付き携帯電話を持っていれば、メンバの現在位置を瞬時に把握することが可能なので、その現在位置を出発地点とすることも可能である。また、GPSでメンバの位置情報と滞在時間を取得し、一週間の間でメンバの最も滞在時間の長かった場所を出発地とするという方法も考えられる。
【0056】
また、メンバに待ち合わせ場所を通知する際に、図2で検索された経路を記憶しておき、待ち合わせ場所までの最適経路情報をメンバごとに送信してもよい。これによってメンバは代表者から受信した情報だけで待ち合わせ場所へ向かうことが可能となる。
【0057】
なお、本実施の形態では交通機関としてバス、電車を想定しているが、新幹線、飛行機なども含めてよい。
【0058】
上記の本実施の形態によれば、全てのメンバにとって、移動負荷が同程度の待ち合わせ場所を選定出来る。その理由は出発地からの所要時間や交通費を考慮したため、最寄り駅から出発地までの距離が遠いメンバと近いメンバとの間で負荷に差がなくなるからである。
【0059】
また、メンバにとって交通の利便性の高い待ち合わせ駅を選定出来る。その理由は乗り換え回数、終電時刻、乗降履歴、改札数など、の交通の利便性を意識したパラメータを考慮して駅を選定したからである。
【0060】
また、メンバにとって交通の利便性の高い待ち合わせ場所(改札口、店など)を決定出来る。
【0061】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態では出発地から待ち合わせ駅までの負荷の指標を交通費とした場合の説明である。なお、本実施の形態でも出発地を自宅とする。代表者の初期画面は図7と同様で今回は目的を飲み会、候補駅選定条件を交通費として待ち合わせ場所決定サーバ3へ送信する。
【0062】
本実施の形態を説明するためのブロック図を図14に表す。図1の改札口決定部33が待ち合わせ場所決定部34に置換された形となる。そして利用する検索サービスとして地図検索45を追加した。地図検索45は位置情報を入力としてその周りの地図を表示する事が出来るものを想定している。また、2点間の位置情報を入力すればその間の経路を表示すると共に2点間の経路の間にある信号の数なども出力されるもとする。
【0063】
駅候補選定部31までの処理については実施の形態1と同じでため省略する。本実施の形態では候補駅選定部31で交通費を指標に候補駅を選定する。その処理を図15のフローチャートで説明する。
【0064】
まず、S301で携帯電話から入力された集合日を取得する。
【0065】
S302で集合日の曜日の種類を特定する。そして出発時刻を仮決めして(例えば18:00)、その曜日のダイヤを使った場合に待ち合わせ候補駅へかかる費用を交通費として算出する。
【0066】
S303で交通費Aを100円と初期設定した。この初期費用は変更しても構わない。
【0067】
その後S304にて最寄り駅までの交通費を算出する(この費用をBとする)。この処理は図3と同じで、前実施の形態で説明している。図3ではバスを使った場合はその交通費を、自転車や徒歩の場合は交通費を0円として交通費を算出する。こうして算出された費用を最寄り駅までの交通費Bとする。
【0068】
続いてS305で、設定された交通費内で到着可能な駅を電車経路検索42を使用して検索する。S305中のAーBは電車の交通費を表している。つまりAーB<電車の交通費<AーB+50となるような駅を検索することとなる。
【0069】
以上S304、S305のステップをメンバの数だけ繰り返す。
【0070】
そしてS306にてメンバ全員が指定された交通費内で到着出来る駅があるならばその駅を候補駅とする。見つからない場合は現在のAの値に50円足したものを新たなAの値としてS304から再び実行する。
【0071】
以上によって全てのメンバが同程度の交通費で到着可能な駅を複数(一つでも可)見つけ出し、待ち合わせの候補駅とする。候補駅が決まった段階で代表者の携帯には図8のような画面が表示される。
【0072】
次に候補駅選定部31で選定された候補駅を待ち合わせ決定部32に送信する。ここで候補駅から、パラメータを使用して待ち合わせ駅を一つに絞る。この処理は上記の第1の実施の形態と同じため重複する説明は省略する。待ち合わせ駅が一つに絞られた後は待ち合わせ場所決定部34へ処理が移る。
【0073】
待ち合わせ場所決定部34では目的に適合する店の中から最適な店を決定し、メンバへ待ち合わせポイントの地図情報を送信する機能を有する。はじめに、待ち合わせ駅周辺の店から目的に適合する店の情報を店情報検索44から取得する。最後に地図検索45で経路情報を取得して、各メンバの携帯電話6に駅から集合場所までの経路を送信する。
【0074】
本実施の形態では飲み会を目的として選択されているため、まずは待ち合わせ駅周辺の飲みの店の情報を店情報検索44から取得する。取得した店の情報と位置情報検索43、地図検索45の情報を基に図16のような表が作成される。
【0075】
この表に示すとおり、店を決定するために3つのパラメータを選定した。「駅からの距離」は位置情報検索45から、「信号の数」は地図検索45、「看板の有無」は店情報検索44から取得する。これらのパラメータを選定した理由は、本発明の目的がメンバの交通の利便性を考慮した場所を決定することにあるからである。よって、交通の利便性の観点から「駅からの距離」「信号の数」「看板の有無」を選定した。
【0076】
本実施の形態の駅周辺の飲み屋の情報は図16のようになり、店ごとに各パラメータを比較し、最も値が良い店にはポイント1を付与した。各パラメータの基準は「駅からの距離」は短い方がよく、「信号の数」は少ない方がよく、看板の有無はある方がよいとした。本実施の形態では黒木屋が「信号の数」「看板の有無」で最も値がよかったためポイントを2獲得し、待ち合わせ場所として決定される。ちなみに図16中に灰色で網掛けされた箇所は最も値がいいことを表している。なお、図11下の表のようにパラメータ間に優劣を持たせてもよい。また、店を決定するためのパラメータとして「交差点の数」や、交通の利便性とは関係ないが、「平均予算」「開店時間」なども追加してもよい。
【0077】
その後、代表者の携帯画面には図17のように、決定した待ち合わせ場所と地図情報が表示される。その後「メンバへ送信」ボタンを押下することによって図7で入力されたメンバの携帯電話6の電子メールアドレスに集合日、集合時刻、駅から待ち合わせ場所までの経路が送信される。
【0078】
なお、上述する実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更実施が可能である。例えば、待ち合わせ場所決定装置2ないしは待ち合わせ場所決定サーバ3等の機能を実現するためのプログラムを各装置に読込ませて実行することにより各装置の機能を実現する処理を行ってもよい。さらに、そのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であるCDーROMまたは光磁気ディスクなどを介して、または伝送媒体であるインターネット、電話回線などを介して伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の第1の実施の形態のシステム構成を示す構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の候補駅選定部の処理動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施の形態の最寄駅到着時刻算出の処理動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施の形態の移動手段ごとの速度目安表である。
【図5】本発明の第1の実施の形態の駅情報を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態のメンバ情報を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態の初期画面例を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態の候補駅決定後画面例を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態の待ち合わせ場所検索結果表示画面例を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態の候補駅関連情報を示す図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態の候補駅ごとのパラメータの値と獲得ポイントを示す図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態の改札口ごとのパラメータの値と獲得ポイントを示す図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態の混雑度基準例を示す図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態のシステム構成を示す構成図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態の候補駅選定部の処理動作を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第2の実施の形態の店ごとのパラメータの値と獲得ポイントを示す図である。
【図17】本発明の第2の実施の形態の待ち合わせ場所決定後画面例を示す図である。
【符号の説明】
【0080】
1、6 携帯電話
2 待ち合わせ場所決定装置
3 待ち合わせ場所決定サーバ
4 検索サービス
5 インターネット
31 候補駅選定部
32 待ち合わせ駅決定部
33 改札口決定部
34 メンバ情報
35 駅情報
36 候補駅関連情報
41 バス経路検索
42 電車経路検索
43 位置情報検索
44 店情報検索
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のメンバの待ち合わせ場所の選定を支援する待合せ場所決定システムであって、
各メンバの出発地からの所要時間および/または交通費をパラメータとし、
さらに、前記各メンバの利便性をパラメータとして待ち合わせ場所の選定を支援することを特徴とする待合せ場所決定システム。
【請求項2】
前記各メンバの利便性は乗り換え回数、終電時刻、乗降有無、店数、改札数の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1記載の待合せ場所決定システム。
【請求項3】
複数のメンバの待ち合わせ場所の選定を支援する待合せ場所決定方法であって、
各メンバの出発地からの所要時間および/または交通費をパラメータとし、
さらに、前記各メンバの利便性をパラメータとして待ち合わせ場所の選定を支援することを特徴とする待合せ場所決定方法。
【請求項4】
前記各メンバの利便性は乗り換え回数、終電時刻、乗降有無、店数、改札数の少なくとも1つであることを特徴とする請求項3記載の待合せ場所決定方法。
【請求項5】
コンピュータシステムに請求項1記載の機能を実現させることを特徴とするプログラム。
【請求項6】
コンピュータシステムに請求項2記載の機能を実現させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
複数のメンバの待ち合わせ場所の選定を支援する待合せ場所決定システムであって、
各メンバの出発地からの所要時間および/または交通費をパラメータとし、
さらに、前記各メンバの利便性をパラメータとして待ち合わせ場所の選定を支援することを特徴とする待合せ場所決定システム。
【請求項2】
前記各メンバの利便性は乗り換え回数、終電時刻、乗降有無、店数、改札数の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1記載の待合せ場所決定システム。
【請求項3】
複数のメンバの待ち合わせ場所の選定を支援する待合せ場所決定方法であって、
各メンバの出発地からの所要時間および/または交通費をパラメータとし、
さらに、前記各メンバの利便性をパラメータとして待ち合わせ場所の選定を支援することを特徴とする待合せ場所決定方法。
【請求項4】
前記各メンバの利便性は乗り換え回数、終電時刻、乗降有無、店数、改札数の少なくとも1つであることを特徴とする請求項3記載の待合せ場所決定方法。
【請求項5】
コンピュータシステムに請求項1記載の機能を実現させることを特徴とするプログラム。
【請求項6】
コンピュータシステムに請求項2記載の機能を実現させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2008−190899(P2008−190899A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−22938(P2007−22938)
【出願日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
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