説明

後部座席用映像表示装置

【課題】後部座席に乗員が搭乗して後席専用車載用映像表示装置を利用している場合に、走行状況に応じて表示されるメッセージ映像の内容により後部座席の乗員に対して現在および次期動作の認識および予知をさせることができる車載用映像表示装置を提供する。
【解決手段】車両の走行状況を検出する走行状況検出手段12で検出した車両の走行状況および車両内の状態を検出する車両状況検出手段13で検出した車両状況に応じて、映像制御手段14が映像生成手段11の生成した映像の上に一定時間メッセージ映像を合成させるため、後部座席の乗員に車両でテレビ等の映像を視聴させながら、同時に乗用車の現在および次期動作の認識および予知をさせることができ、後席乗員の負担および危険性を低減させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗用車の後部座席用に搭載され、車両の後部座席に搭乗する乗員に映像を提供するための後部座席用映像表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、後部座席用に、テレビ、VTR、DVD、ゲーム等の映像を表示するディスプレイを搭載した車両が増えている。
一方、自動車の車内では、車両のエンジン、その他の駆動機構による振動や、操舵走行中の道路地形、うねり、路面状況、縁石などの車両外から車両のシャーシが受ける振動、揺動、衝撃などの振動が存在しており、さらには自動車の加速やブレーキによる振動や揺れも存在している。
【0003】
このように乗用車に乗るなど新しい運動環境に人間が置かれた場合、実際の感覚情報パターンと、中枢神経内に蓄積されている感覚情報パターンとが異なり、中枢神経は自分自身の位置や運動が把握できずに混乱してしまう(感覚混乱)。この場合、中枢神経内で新しい感覚情報のパターン認識が起こるが、この適応過程において動揺病(乗り物酔い)が発症すると考えられている。特に自動車に乗って本を読む場合やディスプレイを注視している場合は、視線は固定しており、これにより視覚情報は自動車の運動による前庭情報や体性感覚情報と一致しないため、乗り物酔いが発生するとされている。視角と前庭の感覚混乱を避けるために、乗用車の中では、目を閉じているか、遠くの方を見るようにすると良いと言われている。また、ドライバーが乗客より酔いにくいのは、運動に伴う緊張と、車両の動きを予測して最も加速度変化の少ない頭の位置を能動的に取るからだと言われている。(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
上述した動揺病対策として、抗ヒスタミン薬などの抗動揺病薬で酔いを防止・軽減することが行われている(例えば、非特許文献2参照)。
【0005】
また、動揺病対策として、ヘッドレストを揺動可能にし、車両の旋回走行時に旋回状態に応じて乗員の頭部を揺動するようにしたものもある(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、動揺病対策として、車両の右左折、加減速および停止の表示装置により、運転手以外の乗員に乗用車の現在および次期動作の認識および予知をさせたものもある(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
一方、運転者への車両の警告案内としては、危険走行を検出して運転者に対して音声で警告する走行警告案内装置というものもある(例えば、特許文献3参照)。
【0008】
さらに、道路交通法により、後部座席でのシートベルトの着用が義務化されている。しかしながら、非着用している場合も多く、その際に交通事故が発生した場合、後部座席の乗員は車外放出と前席の乗員への加害性が問題視されている。
【0009】
また、ドライバーに対して、後部座席の乗員がシートベルトを非着用しているという情報を伝達する表示装置を搭載している車両も存在していない。
【0010】
また、ドライバーは、後部座席のドアが半ドアであったり、窓が開けっ放しであるということに気づかずに運転していることが多く存在する。
【0011】
さらに、後部座席の乗員は、後席ディスプレイに表示されている映像に注視しているあまり、車外の状況(天気、風景、ランドマーク)に気づかずに、車両が通り過ぎてしまうことも多く存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平7−252号公報(第1図)
【特許文献2】特開2002−154350号公報(第1図)
【特許文献3】特開2002−251699号公報(第1図)
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】松永享、武田憲明「動揺病と宇宙酔い」耳鼻臨床、Vol.81、No.8、P.1095−1120、1998
【非特許文献2】豊吉欣一「薬物の内服療法」JOHNS、Vol.6、No.9、1990−9
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上述の薬による動揺病対策は、眠気を催すなど、副作用が懸念され、ヘッドレストによる動揺病対策は、揺れを完全には防止できないという問題があった。
【0015】
また、上述の表示装置による動揺病対策は、乗員がテレビ等の映像を視聴している際には、同時に乗用車の後部座席の乗員は車両の右左折、加減速および停止の表示を確認することは難しく、乗り物酔いを防止することができないという問題があった。
【0016】
後部座席の乗員に映像を視聴させながら、同時に車両の現在および次期動作および車両情報および車外情報の認識および予知をさせることができ、情報が伝わりにくい後部座席の乗員に対し素早く情報を伝え、負担を低減し、また警告や注意を喚起させることが可能な後部座席用映像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の後部座席用映像表示装置は、映像制御手段は、前記走行状況検出手段が検出した車両の走行状況と前記車両状況検出手段が検出した車両内の走行状況に応じてメッセージ映像を生成し、このメッセージ映像を前記表示手段が表示するコンテンツ映像に重畳表示する
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、後部座席の乗員に車両内で映像を視聴させながら、同時に乗用車の現在および次期動作の認識および予知をさせることができ、情報が伝わりにくい後部座席の乗員であっても危険な情報を適切に伝えることが可能であり乗員の安全をはかれる。また、本構成により車酔い等を防止することができ乗員の負担を著しく低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施の形態における後部座席の乗員が車両用映像表示装置を利用している状態を示す図
【図2】本発明の第1の実施の形態における車両用映像表示装置のブロック図
【図3】本発明の第1の実施の形態における車両用映像表示装置による映像制御のフローチャート図
【図4a】本発明の第1の実施の形態における車両用映像表示装置の直進かつ一定速度で走行時の画面例を表わす図
【図4b】本発明の第1の実施の形態における車両用映像表示装置の左急旋回検出時の画面例を表わす図
【図4c】本発明の第1の実施の形態における車両用映像表示装置の右急旋回検出時の画面例を表わす図
【図4d】本発明の第1の実施の形態における車両用映像表示装置の急減速検出時の画面例を表わす図
【図4e】本発明の第1の実施の形態における車両用映像表示装置の急加速検出時の画面例を表わす図
【図4f】本発明の第1の実施の形態における車両用映像表示装置のシートベルト未着用検出時の画面例を表わす図
【図4g】本発明の第1の実施の形態における車両用映像表示装置のドア開閉検出時の画面例を表わす図
【図4h】本発明の第1の実施の形態における車両用映像表示装置の窓開閉検出時の画面例を表わす図
【図5】本発明の第2の実施の形態における車両用映像表示装置のブロック図
【図6】本発明の第3の実施の形態における車両用映像表示装置のブロック図
【図7a】本発明の第3の実施の形態における車両用映像表示装置の車両位置検出(目的地情報)時の画面例を表わす図
【図7b】本発明の第3の実施の形態における車両用映像表示装置の車両位置検出(風景情報)時の画面例を表わす図
【図7c】本発明の第3の実施の形態における車両用映像表示装置の車両位置検出(ランドマーク情報)時の画面例を表わす図
【図8】本発明の第4の実施の形態における車両用映像表示装置のブロック図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態に関して述べる。
【0021】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態における後部座席用映像表示装置について、図1を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態における乗用車において後部座席の乗員が後部座席用映像表示装置を利用している状態を示す図である。
【0022】
乗用車の後部座席の乗員は、前席横のセンターコンソール部やダッシュボード上の映像表示装置では前席シートなどが障害になり、前席横のセンターコンソール部やダッシュボード上の映像の確認困難だが、車両の天井部への吊り下げ型の映像表示装置100、前席のシートバック設置型の映像表示装置101、前席シートバックのコンソールボックス型の映像表示装置102の設置により、乗用車の後部座席であっても各種映像を確実に確認することが可能となる。
【0023】
本発明の第1の実施の形態における後部座席用映像表示装置の構成を、図2を用いて説明する。
【0024】
図2は、本発明の第1の実施の形態における後部座席用映像表示装置のブロック図である。
【0025】
後部座席用映像表示装置1は、映像を生成する映像生成手段11と、車両の走行状況を検出する走行状況手段12と、車両内の車両状況を検出する車両状況検出手段13と、映像生成手段11が生成した映像を制御する映像制御手段14と、映像制御手段14が合成
した映像を表示する映像表示手段15とを備えている。
【0026】
映像生成手段11は、テレビ、VTR、DVD、ゲーム等のコンテンツ映像を生成し、映像制御手段14に出力する。
【0027】
走行状況検出手段12は、ハンドル操作による右左折、ウィンカー操作による右左折、ブレーキ操作による減速、ハザードランプ操作による停止、アクセル操作による加速などの車両操縦状態のいずれかを使って、車両の右左折、加減速をセンサーにより検出する。あるいは速度センサーによる加減速、加速度センサーによる加減速、角速度センサーによる角速度、揺れセンサーによる上下方向の揺れなどのいずれかを使って、車両の上下、左右、前後の加速度を検出するようにしてもよい。
【0028】
車両状況検出手段13は、後部座席のシートベルトの着脱、後部座席のドアの開閉、後部座席ドアの開閉などの車両内状態のいずれかを使って、車両情報をスイッチなどにより検出する。
【0029】
映像制御手段14は、走行状況検出手段12と車両状況検出手段13が検出した、車両の右左折、加減速あるいは、車両の上下、左右、前後の加速度、車両の安全状況のデータを取得する。映像制御手段14は、このデータに基づいて、映像生成手段11にメッセージ映像を生成させる。映像制御手段14は、このメッセージ映像を映像生成手段11が生成したコンテンツ映像に重畳する。そして、映像制御手段14は、この重畳した映像を映像表示手段15に出力する。
【0030】
映像表示手段15は、液晶、CRT(Cathode Ray Tube)、有機EL(Electro−Luminescence)、プラズマなどのディスプレイや、ヘッドアップディスプレイのうち、いずれか1つ以上により構成される。映像表示手段15は、映像制御手段14から取得したコンテンツ映像やこのコンテンツ映像にメッセージ映像が重畳された映像を表示する。
【0031】
次に、本発明の第1の実施の形態における後部座席用映像表示装置による映像制御について説明する。図3は、本発明の第1の実施の形態における後部座席用映像表示装置による映像制御のフローチャート図である。
【0032】
図3において、ステップS200に示すように、後部座席用映像表示装置1の表示手段15は、映像生成手段11にて生成したテレビ、VTR、DVD、ゲーム等の映像の表示を行う。
【0033】
ステップS201に示すように、映像制御手段14は、走行状況検出手段12にて車両の右左折、加減速、車両の上下、左右、前後の加速度などの走行状況を検出したか判定する。
【0034】
ステップS201で「YES」の場合、ステップS202に示すように、映像制御手段14は、走行状況に応じたメッセージ映像を映像生成手段11に生成させる。
【0035】
ステップS201で「NO」の場合、ステップS203に示すように、映像制御手段14は、車両状況検出手段13にて後部座席のシートベルトの着脱、後部座席のドアの開閉、後部座席ドアの開閉などの車両内状態を検出したか判定する。
【0036】
ステップS203で「YES」の場合、ステップS204に示すように、映像制御手段14は、車両状況に応じたメッセージ映像を映像生成手段11に生成させる。
【0037】
そして、ステップS202の後、または、ステップS204の後、ステップS205に示すように、制御手段14は、映像生成手段11が生成したメッセージ映像を映像生成手段11が出力する映像の上に重畳する。
【0038】
ステップS205の後、ステップS206に示すように、映像表示手段15は、映像生成手段11にて生成したテレビ、VTR、DVD、ゲーム等のコンテンツ映像の上にメッセージ映像を重畳した映像を表示する。
【0039】
また、ステップS203で「NO」の場合、換言すると、映像制御手段14が、走行状況検出手段12から走行状況を検出せず、車両状況検出手段13から車両の状況を検出しない場合、ステップS206において、映像表示手段15は、映像生成手段11にて生成したテレビ、VTR、DVD、ゲーム等の映像の表示を行う。
【0040】
本発明の第1の実施の形態における後部座席用映像表示装置の画面例を、図4(a)〜(k)を用いて説明する。
【0041】
図4(a)は、本発明の第1の実施の形態における車両用映像表示装置の直進かつ一定速度で走行時の画面例を表わす図である。図4(a)は、車両が直進かつ一定速度で走行している場合は、車両に左右方向の加速度および前後の加速度がかからない状態を表している。このとき映像制御手段14は映像生成手段11が生成した映像をそのまま映像表示手段15に表示する。このとき映像表示手段15に表示される映像は何のメッセージ映像も表示しない。
【0042】
図4(b)は、本発明の第1の実施の形態における車両用映像表示装置の左急旋回検出時の画面例を表わす図である。車両が左折または左方向に旋回した場合、走行状況検出手段12は、左方向の加速度または左方向の車両操縦状態を検出し、映像制御手段14は、この検出結果に基づいて、基準値以上の加速度であった場合、映像生成手段11が生成した映像の上に一定時間メッセージ映像を生成させ、映像表示手段15に表示する。このとき映像表示手段15に表示される映像は、図4(b)のように表示され、後部座席の乗員に注意を促し、乗員への負担および危険を軽減する。
【0043】
図4(c)は、本発明の第1の実施の形態における車両用映像表示装置の右急旋回検出時の画面例を表わす図である。車両が右折または右方向に旋回した場合、走行状況検出手段12は、右方向の加速度または右方向の車両操縦状態を検出し、映像制御手段14は、この検出結果に基づいて、基準値以上の加速度であった場合、映像生成手段11が生成した映像の上に一定時間メッセージ映像を生成させ、映像表示手段15に表示する。このとき映像表示手段15に表示される映像は、図4(c)のように表示され、後部座席の乗員に注意を促し、乗員への負担および危険を軽減する。
【0044】
図4(d)は、本発明の第1の実施の形態における車両用映像表示装置の急減速検出時の画面例を表わす図である。車両が加速した場合、走行状況検出手段12は、前方向の加速度または加速の車両操縦状態を検出し、映像制御手段14は、この結果に基づいて、基準値以上の加速度であった場合、映像生成手段11が生成した映像の上に一定時間メッセージ映像を生成させ、映像表示手段15に表示する。このとき映像表示手段15に表示される映像は、図4(d)のように表示され、後部座席の乗員に注意を促し、乗員への負担および危険を軽減する。
【0045】
図4(e)は、本発明の第1の実施の形態における車両用映像表示装置の急加速検出時の画面例を表わす図である。車両が減速した場合、走行状況検出手段12は、後ろ方向の
加速度または減速の車両操縦状態を検出し、映像制御手段14は、この結果に基づいて、基準値以上の加速度であった場合、映像生成手段11が生成した映像の上に一定時間メッセージ映像を生成させ、映像表示手段15に表示する。このとき映像表示手段15に表示される映像は、図4(e)のように表示され、後部座席の乗員に注意を促し、乗員への負担および危険を軽減する。
【0046】
図4(f)は、本発明の第1の実施の形態における車両用映像表示装置のシートベルト未着用検出時の画面例を表わす図である。車両が後部座席のシートベルトが着用されずに発進した場合、車両状況検出手段13は後部座席のシートベルト着用状況を検出し、映像制御手段14は、この結果に基づいて、映像生成手段11が生成した映像の上に一定時間メッセージ映像を生成させ、映像表示手段15に表示する。このとき映像表示手段15に表示される映像は、図4(f)のように表示され、後部座席の乗員に注意を促し、乗員への負担および危険を軽減する。
【0047】
図4(g)は、本発明の第1の実施の形態における車両用映像表示装置のドア開閉検出時の画面例を表わす図である。車両が後部座席のドアが半ドア状態で発進した場合、車両状況検出手段13は後部座席のドアの状況を検出し、映像制御手段14は、この結果に基づいて、映像生成手段11が生成した映像の上に一定時間メッセージ映像を生成させ、映像表示手段15に表示する。このとき映像表示手段15に表示される映像は、図4(g)のように表示され、後部座席の乗員に注意を促し、乗員への負担および危険を軽減する。
【0048】
図4(h)は、本発明の第1の実施の形態における車両用映像表示装置の窓開閉検出時の画面例を表わす図である。車両が後部座席の窓が開いている状態で停止した場合、車両状況検出手段13は後部座席のドアの状況を検出し、映像制御手段14は、この結果に基づいて、映像生成手段11が生成した映像の上に一定時間メッセージ映像を生成させ、映像表示手段15に表示する。このとき映像表示手段15に表示される映像は、図4(h)のように表示され、後部座席の乗員に注意を促し、乗員への負担および危険を軽減する。
【0049】
このような本発明の第1の実施の形態の後部座席用映像表示装置1によれば、車両の走行状況を検出する走行状況検出手段12で検出した車両の走行状況および車両内の状態を検出する車両状況検出手段13で検出した車両状況に応じて、映像制御手段14が映像生成手段11の生成した映像の上に一定時間メッセージ映像を合成させるため、後部座席の乗員に車両でテレビ等の映像を視聴させながら、同時に乗用車の現在および次期動作の認識および予知をさせることができ、乗員の負担および危険性を低減させることができる。
【0050】
これにより車酔いの症状を低減させることもできる。特に子供等の後部座席の乗員が映像表示手段15に表示される映像に意識を集中させ、車外の景色を見ていない場合は、車両の加減速、右左折の影響が大きいため、車外の景色を見ている場合に比較して、効果は大きい。
【0051】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態における後部座席用映像表示装置を、図5を用いて説明する。図5は、本発明の第2の実施の形態における後部座席用映像表示装置のブロック図である。なお、本実施の形態は、上述した第1の実施の形態と略同様に構成されているので、同様な構成には同一の符号を付して特徴部分のみ説明する。
【0052】
本実施の形態の後部座席用映像表示装置2は、設定手段22を有することを特徴としている。設定手段22は、タッチパネルや釦で構成され、映像表示手段15上に設けられる。設定手段22は、映像制御手段21が合成する映像のメッセージ映像表示方法やメッセージ映像を表示する時間、メッセージ映像の有無を設定する。設定手段22は加減速時、
旋回時、シートベルトの着用、ドアの開閉、窓の開閉などの検出をそれぞれ有効に設定するか否かの設定を表示画面周辺などに設けられた釦等で行う。
【0053】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態の後部座席用映像表示装置を、図6を用いて説明する。図6は、本発明の第3の実施の形態における後部座席用映像表示装置のブロック図である。なお本実施の形態は、上述の第1、第2の実施の形態と略同様に構成されるので、同様な構成には同一の符号を付して特徴部分のみ説明する。
【0054】
本実施の形態の後部座席用映像表示装置3は、ナビゲーション手段32を有することを特徴とする。ナビゲーション手段32は、GPS(Global Positioning System)やジャイロ等を用いて自車の位置を検出する自車位置検出部と、地図データが記憶されている記憶部とを有し、目的地設定情報と地図データに基づいて目的地までの経路情報を作成する。
【0055】
ナビゲーション手段32は、設定された目的地までの経路探索を行い目的地までの経路情報を作成し、この経路情報に基づいて車両を誘導する誘導情報(次を左折とか何メートル先右折など)を随時出力する。
【0056】
走行状況検出手段31は、ナビゲーション手段32の出力する誘導情報から車両の右左折を事前に検出して映像制御手段21に通知する。
【0057】
映像制御手段21は、この検出結果に基づいて、コンテンツ映像に一定時間メッセージ映像を重畳した映像を表示手段15に表示させる。このようにして、車両が右左折する前に、表示手段15は、メッセージ映像を表示することができる。
【0058】
走行状況検出手段31は、ナビゲーション手段32で登録された車外のポイント情報(天気、風景、ランドマーク)を検出して、映像制御手段21に通知する。映像制御手段21は、この検出結果に基づいて、コンテンツ映像に一定時間メッセージ映像を重畳した映像を表示手段15に表示させる。
【0059】
図7(a)は、本発明の第3の実施の形態における車両用映像表示装置の車両位置検出(目的地情報)時の画面例を表わす図である。図7(a)のような表示によれば、映像表示手段15に表示される映像によって、目的地付近に近づき外部の天候状況を後部座席の乗員に車外情報を案内することができる。これにより、後部座席の乗員に注意を促し、乗員への負担および危険を軽減する。
【0060】
図7(b)は、本発明の第3の実施の形態における車両用映像表示装置の車両位置検出(風景情報)時の画面例を表わす図である。図7(b)のような表示によれば、風景を後部座席の乗員に車外情報を案内することができる。これにより、後部座席の乗員に注意を促し、乗員への負担および危険を軽減する。
【0061】
図7(c)は、本発明の第3の実施の形態における車両用映像表示装置の車両位置検出(ランドマーク情報)時の画面例を表わす図である。図7(c)のような表示によれば、ランドマークを後部座席の乗員に車外情報を案内することができる。これにより、後部座席の乗員に注意を促し、乗員への負担および危険を軽減する。
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態の後部座席用映像表示装置を、図8を用いて説明する。図8は、本発明の第4の実施の形態における後部座席用映像表示装置のブロック図である。なお本実施の形態は、上述の第1〜第3の実施の形態と略同様に構成されるので、同様な構
成には同一の符号を付して特徴部分のみ説明する。
【0062】
本実施の形態の後部座席用映像表示装置4は、車両の進行方向前方を撮影するカメラ手段42を有することを特徴としている。
【0063】
カメラ手段42は、車両前方の景色を撮影し、走行状況検出手段41に撮影情報を出力する。走行状況検出手段41は、カメラ手段42で撮影された映像から、車線や中央線や歩道等の検知など外部からの情報を取得する。これにより走行状態検出手段41は、車両前方の道路の左右のカーブ検出、上下の坂道の検出を行う。
【0064】
走行状況検出手段41は、カメラ手段42の撮像情報を用いることにより、あらかじめ車両情報を検出できる。このため、映像制御手段21は、前もってメッセージ映像を表示手段15のコンテンツ映像に重畳表示させることができる。そして、後部座席の乗員に注意を促し、乗員への負担および危険を軽減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
以上のように、本発明にかかる後部座席用映像表示装置は、後部座席の乗員に車両内で映像を視聴させながら、同時に乗用車の現在および次期動作の認識および予知をさせることができ、乗員の負担を低減させることができるという効果を有し、車両の後部座席の乗員に映像を提供するための車載用映像表示装置等として有用である。
【符号の説明】
【0066】
1、2、3、4 後部座席用映像表示装置
11 映像生成手段
12、31、41 走行状況検出手段
13 車両状況検出手段
14、21 映像制御手段
15 映像表示手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ映像を生成する生成手段と、
この生成手段が生成したコンテンツ映像を表示する表示手段と、
車両の走行状況を検出する走行状況検出手段と、
車両内の車両状況を検出する車両状況検出手段と、
前記表示手段を制御する映像制御手段を備え、
前記映像制御手段は、前記走行状況検出手段が検出した車両の走行状況と前記車両状況検出手段が検出した車両内の走行状況に応じてメッセージ映像を生成し、このメッセージ映像を前記表示手段が表示するコンテンツ映像に重畳表示することを特徴とする後部座席用映像表示装置。
【請求項2】
前記走行状況検出手段は、車両の左右方向、上下方向、前後方向のうち少なくとも1つの加速度を検出することを特徴とする請求項1に記載の後部座席用映像表示装置。
【請求項3】
前記走行状況検出手段は、車両の速度センサーの加減速、加速度センサーの加速度、角速度センサーの角速度、揺れセンサーの揺れ周波数のうち少なくとも1つの信号により加速度を検出することを特徴とする請求項2に記載の後部座席用映像表示装置。
【請求項4】
前記走行状況検出手段は、車両の右左折、加減速のうち少なくとも1つの車両操縦状態を検出することを特徴とする請求項1に記載の後部座席用映像表示装置。
【請求項5】
前記走行状況検出手段は、車両のハンドル操作、アクセル操作、ブレーキ操作、ウィンカー操作、ハザード操作のうち少なくとも1つにより前記車両操縦状態を検出することを特徴とする請求項4に記載の後部座席用映像表示装置。
【請求項6】
経路誘導をおこなうナビゲーション手段をさらに備え、
前記走行状況検出手段は、前記ナビゲーション手段の誘導情報により走行状況を検出することを特徴とする請求項1に記載の後部座席用映像表示装置。
【請求項7】
車両の外の映像を取り込むカメラ手段をさらに備え、
前記走行状況検出手段は、前記カメラ手段の車両位置付近または車両位置前方の撮像情報により走行状況を検出することを特徴とする請求項1に記載の後部座席用映像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図4e】
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【図4f】
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【図4g】
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【図4h】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−20539(P2011−20539A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−166564(P2009−166564)
【出願日】平成21年7月15日(2009.7.15)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】