説明

徐放性ゲルコーティング組成物

【課題】徐放性ゲルコーティングおよびゲルコーティングを含有する徐放性医薬組成物の提供。
【解決手段】活性剤および活性剤周囲に配置されたコーティングを含む経口薬学的剤形であって、前記コーティングがゼラチンおよび疎水性ポリマーの薬学的に許容される混合物を含み、ならびに前記疎水性ポリマーが前記コーティングの総重量に対して少なくとも20%の量で存在する、前記経口薬学的剤形。疎水性ポリマーは、エチルセルロース、Eudragit RL/RS等が好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景技術
本発明は、徐放性ゲルコーティングおよびゲルコーティングを含有する徐放性医薬組成
物に関する。
【0002】
徐放性製剤は、即時放出剤形の投与後に一般に経験されるよりも長期間の投与後におけ
る薬理学的反応を提供する。このようなより長期間の反応は、より短時間作用の即時放出
製品では達成されない治療上の利点を備えている。
【0003】
ゼラチンおよびゲルコーティングは、薬学的剤形の分野で利用されてきた。例えば例え
ば、空のゼラチンカプセルは、単位剤形を作製するためにおよび剤形の嚥下を促進するた
めに、活性薬剤をカプセル化するのに使用される。ゼラチンカプセルは、ゼラチン−グリ
セリン、純ゼラチン、糖ゼラチン、または他の溶解性ゼラチンの併用から製造できる。あ
るゲルコーティング(例えばソフトゲルカプセル)は、ゼラチンを弾性またはプラスチッ
ク状にするためにグリセリンまたはソルビトールをゼラチンシェルに添加することによっ
て調製することができる(Ansel,Howard C.,Introduction to Pharmace
utical Dosage Forms,4th edit.,p.136,1985。他のゲルコーティング(例えば硬質ゼラチ
ンカプセル)は、さらに外観の良い嚥下しやすい剤形を提供するために利用される。米国
特許第3,959,540号;第4,350,679号;第4,820,524号;第5
,459,983号;第6,183,845号および第6,193,999号は、ゲルコ
ーティングを用いた薬学的剤形に関する。
【0004】
当分野において、徐放性ゲルコーティングおよびゲルコーティングを含有する徐放性組
成物への必要性がある。
【0005】
本明細書で引用されるすべての文書は、上述のものを含めて、あらゆる目的のために、
参照としてその全体が組み込まれる。
発明の要約
本発明の目的は、徐放性ゲルコーティング組成物を提供することである。
【0006】
本発明のある実施形態の目的は、徐放性ゲルコーティングによってコーティングされた
活性剤を含む経口徐放性剤形を提供することであり、このゲルコーティングは、剤形から
の活性剤の徐放性を与える。
【0007】
本発明のある実施形態の目的は、経口徐放性剤形を提供することであり、そこで剤形に
さらなる徐放性を与えるために、活性剤を含有する徐放性マトリクスまたは徐放性コアが
徐放性ゲルコーティングによってオーバーコーティングされている。
【0008】
本発明のある実施形態の目的は、(i)オピオイド作用物質;および(ii)オピオイ
ド拮抗物質を、場合により疎水性ポリマーと混合されたゼラチンを含むコーティングによ
ってそれぞれコーティングされた多微粒子の形で含む経口剤形を提供することである。
【0009】
本発明のある実施形態の目的は、ゲルコーティングを備えた経口徐放性組成物を調製す
ることを含む、徐放性組成物中のオピオイド作用物質の乱用可能性を低下させる方法を提
供することであり、このゲルコーティングは、剤形を変化させようとするのを防止するこ
とができる。
【0010】
これらの目的および他の目的は、一部はゼラチンおよび疎水性ポリマーの薬学的に許容
される混合物を含むコーティングに関する本発明によって実現され、この疎水性ポリマー
は、コーティングの総重量に対して少なくとも20%の量で存在する。
【0011】
他の実施形態において、本発明は、ゼラチンおよびアクリルポリマーの薬学的に許容さ
れる混合物を含むコーティングに関する。
【0012】
他の実施形態において、本発明は、活性剤および活性剤周囲に配置されたコーティング
を含む経口薬学的剤形に関し、このコーティングはゼラチンおよび疎水性ポリマーの薬学
的に許容される混合物を含み、疎水性ポリマーは、コーティングの総重量に対して少なく
とも20%の量で存在する。
【0013】
他の実施形態において、本発明は、活性剤および活性剤周囲に配置されたコーティング
を含む経口薬学的剤形に関し、このコーティングはゼラチンおよびアクリルポリマーの薬
学的に許容される混合物を含む。
【0014】
他の実施形態において、本発明は、複数の不活性ビーズ、不活性ビーズ周囲に配置され
た活性剤を含む第一層、ならびに第一層周囲に配置されたゼラチンおよび疎水性ポリマー
の薬学的に許容される混合物を含む第二層を含む、経口薬学的剤形に関する。
【0015】
他の実施形態において、本発明は、不活性コア、第一層および第二層を含む医薬組成物
に関し、第一層はコアと第二層の間にあり、第一層はオピオイド拮抗物質を含み、そして
第二層はゼラチンおよび疎水性ポリマーの混合物を含む。
【0016】
他の実施形態において、本発明は、不活性コア、第一層、第二層および第三層を含む医
薬組成物に関し、第一層はコアと第二層の間にあり、第二層は第一層と第三層の間にあり
、第一層はオピオイド拮抗物質を含み、第二層は疎水性ポリマーを含み、そして第三層は
ゼラチンおよび疎水性ポリマーの混合物を含む。
【0017】
他の実施形態において、本発明は、オピオイド作用物質を含むマトリクスを含む徐放性
基材および基材周囲に配置されたゼラチンを含むコーティングを含む、薬学的剤形に関す
る。
【0018】
他の実施形態において、本発明は、複数の不活性ビーズと、オピオイド作用物質、オピ
オイド拮抗物質およびそれらの混合物から成る群より選択され、不活性ビーズ周囲に配置
された活性剤を含む第一層と、第一層周囲に配置された疎水性材料を含む第二層と、第二
層周囲に配置されたゼラチンを含む第三層とを含む経口薬学的剤形に関する。
【0019】
他の実施形態において、本発明は、オピオイド作用物質、オピオイド拮抗物質およびそ
れらの混合物から成る群より選択される活性剤であって、少なくとも部分的に疎水性ポリ
マー中に相互分散される活性剤およびマトリクス周囲に分散されたゼラチンを含む層を含
む複数のマトリクスを含む、経口薬学的剤形に関する。
【0020】
他の実施形態において、本発明は、オキシコドンヒドロクロライド約10mg、ナルト
レキソンヒドロクロライド約5.0mg未満、ゼラチンおよび疎水性ポリマーを含む医薬
組成物に関し、このゼラチンおよび疎水性ポリマーは場合により少なくとも部分的に相互
分散される。
【0021】
他の実施形態において、本発明は、オキシコドンヒドロクロライド約10mgを含む第
一の成分;およびナルトレキソンヒドロクロライド約5.0mg未満を含む第二の成分、
ゼラチンおよび疎水性ポリマーを含む医薬組成物に関し、このゼラチンおよび疎水性ポリ
マーは場合により少なくとも部分的に相互分散される。
【0022】
他の実施形態において、本発明は、オキシコドンヒドロクロライド約20mg、ナルト
レキソンヒドロクロライド約5.0mg未満、ゼラチンおよび疎水性ポリマーを含む医薬
組成物に関し、このゼラチンおよび疎水性ポリマーは場合により少なくとも部分的に相互
分散される。
【0023】
他の実施形態において、本発明は、オキシコドンヒドロクロライド約20mgを含む第
一の成分;ならびにナルトレキソンヒドロクロライド約5.0mg未満、ゼラチンおよび
疎水性ポリマーを含む第二の成分を含む医薬組成物に関し、このゼラチンおよび疎水性ポ
リマーは場合により少なくとも部分的に相互分散される。
【0024】
他の実施形態において、本発明は、オキシコドンヒドロクロライド約40mg、ナルト
レキソンヒドロクロライド約5.0mg未満、ゼラチンおよび疎水性ポリマーを含む医薬
組成物に関し、このゼラチンおよび疎水性ポリマーは場合により少なくとも部分的に相互
分散される。
【0025】
他の実施形態において、本発明は、オキシコドンヒドロクロライド約40mgを含む第
一の成分;ならびにナルトレキソンヒドロクロライド約5.0mg未満、ゼラチンおよび
疎水性ポリマーを含む第二の成分を含む医薬組成物に関し、このゼラチンおよび疎水性ポ
リマーは場合により少なくとも部分的に相互分散される。
【0026】
他の実施形態において、本発明は、ヒドロコドンビタートレート約5〜20mg、ナル
トレキソンヒドロクロライド約5.0mg未満、ゼラチンおよび疎水性ポリマーを含む医
薬組成物に関し、このゼラチンおよび疎水性ポリマーは場合により少なくとも部分的に相
互分散される。
【0027】
他の実施形態において、本発明は、ヒドロコドンビタートレート約5〜20mgを含む
第一の成分;ならびにナルトレキソンヒドロクロライド約5.0mg未満、ゼラチンおよ
び疎水性ポリマーを含む第二の成分を含む医薬組成物に関し、このゼラチンおよび疎水性
ポリマーは場合により少なくとも部分的に相互分散される。
【0028】
他の実施形態において、本発明は、本明細書で開示するような剤形を調製する方法に関
する。
【0029】
他の実施形態において、本発明は、処置用に指示された薬物(例えば、疼痛のある患者
へのオピオイド鎮痛薬)を含む、本明細書で開示するような剤形を患者に投与することを
含む、患者を処置する方法に関する。
【0030】
他の実施形態において、本発明は、薬剤および剤形を使用するための説明書(例えば印
刷された説明書)を含む、本発明で開示された剤形を含むキットに関する。
【0031】
本発明は経口剤形に関して開示されているが、ある実施形態において本発明は、ゲルコ
ーティングによって投与できるどの剤形(例えば直腸および膣剤形)にも関する。
【0032】
「コーティング」という用語は、基材、例えば不活性ビーズまたは以前にコーティング
されたビーズの周囲に配置された層を含む。基材のコーティングは、当分野で既知の手順
、例えば米国特許第3,959,540号;第4,350,679号;第4,432,7
68号;第4,820,524号;第5,146,730号;第5,200,191号;
第5,459,983号;第5,827,535号;第6,183,845号;および第
6,193,999号で述べられているようなスプレーコーティング、浸漬またはゼラチ
ンコートを用いた被覆によって実施できる。
【0033】
「周囲に配置された」という用語は、基材周囲に配置された物質が、物質と基材の間の
1つまたは複数の中間層があってもなくても、基材の少なくとも一部を覆うことを意味す
る。
発明の説明
本発明の徐放性ゲルコーティングを供給するために使用される材料は、ゼラチン、疎水
性ポリマー、および場合により薬学的に許容される成分、例えば可塑剤、着色料、保存料
および不透明化剤を含む。ゼラチンは好ましくは、動物の皮膚、結合組織および骨から得
られるコラーゲンの部分加水分解に由来する(Ansel,Howard C.,Introd
uction to Pharmaceutical Dosage Forms,4th edit.,p.126,1985)。本発明のゼラチンは
、例えば約40重量パーセントの骨(150ブルーム)、約20重量パーセントのハイド
(hyde)(245ブルーム)、および約40重量%のブタ皮膚(270ブルーム)を
含有する混合物から調製できる。この混合物は、動作温度130°FにてBrookfi
eld Chromatographによって測定したように500cpの粘度を有する
。ゼラチンの粘度は、ゲルコーティングの厚さに影響を及ぼす。
【0034】
好ましくはコーティング厚は約5〜50ミル(1インチの1000分の1)、さらに好
ましくは約10〜30ミルおよび最も好ましくは約15〜25ミルの範囲である。コーテ
ィング厚は、徐放性ゲルコーティング剤形の特性の各種の変化、例えば徐放性期間または
より滑らかな、嚥下しやすい剤形を提供するために変更することができる。一般に疎水性
材料の増加は徐放性を上昇させ、ゼラチンの増加は滑らかさを上昇させるであろう。
【0035】
ゼラチ原材料は、フィルムの弾性、および活性剤を含有する錠剤、カプセルまたはコア
物質に付着するフィルムの能力に影響を及ぼす。好ましくは本発明の徐放性ゼラチンコー
ティングは:(i)コア物質に直接付着して、それによって投薬調合物の一体部分となる
ことができるか、あるいは(ii)徐放性ゲルコーティングがコア物質を被覆して付着効
果を提供し、それによって活性剤の外部表面のある部分のみが徐放性ゲルコーティングと
接触することができるかのどちらかである。コア物質に直接付着する徐放性ゲルコーティ
ングは、例えば徐放性オピオイド調合物において、より不正操作しにくい剤形を供給し、
その中の活性剤の即時放出を供給するために徐放性コーティングを除去する試行または認
知試行において、コーティングをこすり落とすことがさらに困難になるため、前者の効果
が好ましい。
【0036】
ある実施形態において、活性剤はオピオイド作用物質であり、徐放性マトリクスを含む
徐放性基材、徐放性コーティングを備えた即時放出マトリクス、または徐放性コーティン
グを備えた徐放性マトリクスに含まれている。そのような実施形態において、中に含有さ
れたオピオイドの即時放出を遊離および供給する試行において「こすり落とす」ことが困
難であるゼラチンコーティングは、基材に含有されたオピオイドに著しい徐放性特性を提
供しない即時放出ゼラチンコーティングである。それゆえ活性剤が徐放性形のオピオイド
作用物質である場合、本発明のゲルコーティングは、本明細書で開示されるようなゼラチ
ンおよび疎水性ポリマーを含む即時放出ゼラチンコーティングまたは徐放性ゼラチンコー
ティングでもよい。徐放性オピオイド基材は好ましくは、錠剤の形であり、ゼラチンコー
ティングは約5〜100ミル、約60〜100ミルまたは約15〜40ミルの厚さを持ち
うる。場合によりフィルムコーティング、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースを
、マトリクスとゲルコーティングとの、マトリクスと徐放性コーティングとの、または徐
放性コーティングとゲルコーティングとの間に利用することができる。
【0037】
ある実施形態において疎水性ポリマーは、これに限定されるわけではないがセルロース
エステル、セルロースジエステル、セルローストリエステル、セルロースエーテル、セル
ロースエステル−エーテル、セルロースアシレート、セルロースジアシレート、セルロー
ストリアシレート、セルロースアセテート、セルロースジアセテート、セルローストリア
セテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートおよ
びそれらの混合物を含むセルロースポリマーである。好ましくはセルロースポリマーは、
アルキルセルロースポリマー、例えばエチルセルロースである。
【0038】
本発明の他の実施形態において、疎水性ポリマーは、これに限定されるわけではないが
、アクリル酸およびメタクリル酸コポリマー、メタクリル酸コポリマー、メチルメタクリ
レートコポリマー、エトキシエチルメタクリレート、シアノエチルメタクリレート、メチ
ルメタクリレート、コポリマー、メタクリル酸コポリマー、メチルメタクリレートコポリ
マー、メチルメタクリレートコポリマー、メチルメタクリレートコポリマー、メタクリル
酸コポリマー、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、メタクリル酸コポリマー、メ
チルメタクリレートコポリマー、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸、メタクリル
酸アルキルアミドコポリマー、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メタクリル酸)(
無水物)、メチルメタクリレート、ポリメタクリレート、メチルメタクリレートコポリマ
ー、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート)コポリマー、ポリア
クリルアミド、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、ポリ(メタクリル酸無水物)
、グリシジルメタクリレートコポリマーおよび上述のいずれかの混合物を含む、薬学的に
許容されるアクリルポリマーである。
【0039】
ある好ましい実施形態において、アクリルポリマーは1つ以上のアンモニオメタクリレ
ートコポリマーから成る。アンモニオメタクリレートコポリマーは当分野で周知であり、
アクリル酸およびメタクリル酸エステルと少量の第四級アンモニウム基との完全重合コポ
リマーとしてNF XVIIに述べられている。
【0040】
所望の溶解プロフィールを得るために、異なる物理的特性、例えば第四級アンモニウム
基の中性(メタ)アクリル酸エステルに対する異なるモル比を持つ、2つまたはそれ以上
のアンモニオメタクリレートコポリマーを含むことも必要である。
【0041】
疎水性ポリマーは、1つ以上のセルロースポリマーおよび1つ以上のアクリルポリマー
でもよい。本発明の疎水性ポリマーは、徐放性ゲルコーティングの乾燥重量に対して好ま
しくは約20重量%〜約99重量%、好ましくは約20重量%〜約80重量%、および最
も好ましくは約40重量%〜約60重量%の量である。
【0042】
本発明のある実施形態において、徐放性ゲルコーティングは、疎水性ポリマーの水性分
散物に由来する疎水性成分を含む。疎水性ポリマー中の水性分散物中の可塑剤の有効量の
包含は、ゲルコーティングの物理的特性をさらに改善するであろう。例えばエチルセルロ
ースは比較的高いガラス転移温度(Tg)を有し、通常のコーティング条件下で柔軟性フ
ィルムを形成しないため、ゲルコーティング中でそれを使用する前にエチルセルロースを
可塑化することが必要である。ガラス転移温度は、ポリマーの物理的特性の根本的な変化
のある温度または温度範囲に関連付けられる。この変化は、状態の変化を反映しないが、
むしろポリマーの高分子移動性の変化を反映する。Tg未満では、ポリマー鎖移動性は、
厳しく制限される。それゆえ所与のポリマーでは、そのTgが室温以上である場合、ポリ
マーはガラスとして挙動し、堅く非柔軟性で、むしろ脆弱性であり、コーティング剤形は
ある量の外部応力を受けるため、その特性はゲルコーティングにおいて多少制限的である

【0043】
好適な可塑剤のゲルコーティングへの包含は、Tgを効果的に低下させるため、ゲルコ
ーティングは周囲条件下でより柔らかく、さらに柔軟性であり、しばしばより強力であり
、それゆえ機械的応力により良く耐えることができる。
【0044】
可塑剤の適合性は、疎水性ポリマーに対するその親和性または溶媒和力およびポリマー
−ポリマー結合を妨害するその有効性によって変わる。そのような活性は、分子剛性を緩
和することによって望ましい可撓性を付与する。一般に、コーティング溶液に含まれる可
塑剤の量は、ゼラチンの濃度に対して、例えばゼラチンの約1〜約50重量パーセントの
量で含まれる。しかしながら可塑剤の濃度は、特定のコーティング溶液および利用方法を
用いた注意深い実験の後にのみ、正しく決定することができる。可塑剤の使用は、ゲルコ
ーティング弾性を改善し、ゲルコーティングのフィルム形成温度を低下させる。ゲルコー
ティングの可塑化は、いわゆる「内部可塑化」および「外部可塑化」のどちらかによって
実施される。最も好ましくはゲルコーティングの乾燥重量に対して、約5〜12%の可塑
剤が徐放性ゲルコーティングに含まれる。
【0045】
内部可塑化は通例、例えば共重合、例えば官能基の変更および/または置換、側鎖の数
の制御、または疎水性ポリマーの長さの制御による疎水性ポリマーのその製造中の分子修
飾に直接関係する。そのような技法は通例、コーティング溶液の調合者によって実施され
ない。
【0046】
外部可塑化は、ゲルコーティング溶液への物質の添加を包含するため、乾燥ゲルコート
のゲルコーティング特性の必要な変化を達成することができる。
【0047】
本発明の徐放性ゲルコーティングに使用される可塑剤物質は、吸湿性可塑剤、例えばグ
リセリン、ソルビトール、およびアルキレングリコール(例えばプロピレングリコールお
よび低分子量ポリエチレングリコール);非吸湿性可塑剤(例えばマルチトール、ラクチ
トール、キシリトール、水素化(hydrogentated)デンプン加水分解物(hydrolysate)お
よび部分脱水水素化(dehydrated hydrogenated)グルコースシロップ);ジエチルフタ
レート、クエン酸、鉱油およびラノリンアルコール、およびワセリンおよびラノリンアル
コールを含む。徐放性ゲルコーティング中での可塑剤のゼラチンに対する比は、好ましく
は約1:3〜1:15、好ましくは約1:5である。剤形における可塑剤のゼラチンに対
する比が低い場合、コア物質を被覆している徐放性ゲルコーティングは脆弱性でありうる
が、可塑剤のゼラチンに対するより高い比は、コア物質周囲により弾性かつ可撓性のコー
ティングを生じる。
【0048】
ある実施形態において、本発明の徐放性ゲルコーティングは、ゲルコーティングの乾燥
重量に対して、約30〜60%のゼラチン、約20〜80%の疎水性ポリマー、約5〜3
5%の可塑剤、ある量の水および約0.1〜3%の着色料、保存料、不透明化剤および上
述のいずれかの混合物から成る群より選択される薬学的に許容される成分を含有する。い
ったん調製されると、次の徐放性ゲルコーティング剤形は、適切な含水率、例えば約5〜
10重量%または5重量%未満まで乾燥させられる。
【0049】
本発明の徐放性ゲルコーティングは、例えばダイ法によって活性化剤に施すことができ
る。ダイ工程および装置の1つの詳細な使用は、米国特許第5,146,730号に開示
されている。製造工程および機器は、選択された厚さおよび組成の柔らかい弾性ゼラチン
の第一および第二のフィルム、および適合ダイ対(好ましくは回転ダイである)を作製お
よび使用して、コア供給装置が少なくとも一方および好ましくは両方のフィルムおよびダ
イと連動する位置に隣接して、フィルムがダイ対の間を通過する。本発明の徐放性ゲルコ
ーティング剤形は好ましくは、適合ダイの間でフィルムが一体となる前に、剤形のコアが
2枚のフィルムの一方のみと最初に係合する工程に続いて、適切に配置された装置を使用
して作製される。しかしながらコア供給機構は、ダイの間の作業区域内のフィルムにコア
を導入するように配置できるため、各コアは本質的に同時に両方のフィルムに接触する。
【0050】
疎水性物質を含むゼラチンフィルムは、ゼラチンおよび疎水性ポリマーを含む液体の導
入によって、連続方式で独立した回転キャストドラム上にて、適当な処方の適切に調製さ
れた液体が供給される液体分配装置から各ドラムの外部キャスティング表面にそれぞれキ
ャストされる。液体は好ましくは、ヒーター、例えば電気ヒーターによる高温にてゼラチ
ン/疎水性ポリマー液体が液体の状態に維持されているそれぞれの容器から各分配装置に
供給される。各容器は気密性であるため、注入チューブを通じて容器に導入された圧縮空
気の影響下で、液体を容器の内部から移動チューブを通じて隣接する分配装置に移動させ
ることができる。分配装置への液体への重力供給は、所望の場合には使用できる。
【0051】
各キャストドラムは、好ましくは適当な冷却剤の循環によって冷却され、その結果とし
てドラムのキャスト表面は好ましくは、分配装置によって回転キャストドラムの表面に導
入される液体ゼラチン/疎水性ポリマーよりも実質的に低温である。
【0052】
従って、規定の厚さの徐放性フィルムの層として移動するキャスト表面に導入された液
体ゼラチン/疎水性ポリマーはドラムキャスト表面で十分に凝固して、フィルムを十分に
形成するため、フィルムは各キャストドラムからダイまで所望の経路に沿って連続的に導
くことができる。キャストされたゼラチン/疎水性ポリマーフィルムの移動経路は、ロー
ラー経由で潤滑剤浴を通り、そこから駆動トラクタロールまでである。浴中の潤滑剤は、
好ましくは浴中で主にフィルムの裏面、すなわち2枚のフィルムがダイロールの間で相互
に接触する場合にもう一方のフィルムに接触しないゼラチン/疎水性ポリマーフィルムの
表面に対して塗布される。トラクタロールの外面は好ましくは、エラストマーメッシュの
スリーブの形であるトラクション層によって包囲され、そのことは、フィルム表面上の潤
滑剤の薄い層の存在にもかかわらず、トラクションロール上を通過するフィルムの裏面と
の滑りなしに、トラクション層が共動することを可能にする。それゆえフィルムが各トラ
クタロールから隣接ダイまで通過するときに、潤滑剤の薄い層がゼラチン/疎水性ポリマ
ーフィルムの裏面に残り、フィルムと共動するダイの間で機能して、以下でさらに十分に
説明する方法でダイに係合したフィルムに対してダイが作用するときに、ダイとフィルム
が相互に貼り付くのを防止する。
【0053】
好ましい工程において、ダイはコア供給機構の共動部とともに、装置の機能中心面周囲
に相互に対して対称に配置される。共動ダイにすぐ隣接するコア供給機構のその部分は、
隣接するゼラチン/疎水性ポリマーフィルムの幅に渡って延在する成形金属ヒーターブロ
ック対に関連付けられて、その間の機能中心面上に配置されたコア供給ホーンである。各
ヒーターブロックは好ましくはその中に、ヒーターブロックを制御可能に加熱するための
電気抵抗ヒーター素子を含む。ヒーターブロックは、フィルムが好ましくは隣接ダイロー
ル周囲に巻き付けられるフィルム経路のその部分で隣接フィルムの表面と接触するために
、コア供給ホーンおよびダイロールに近接して設けられている。ヒーターブロックはゼラ
チンフィルムの表面を、ダイおよび供給機構の自己計時運転およびフィルムによる各製品
の被覆の特性の主題にとって重要である所望の温度に加熱する。
【0054】
それに応じて、各ヒーターブロックは、それが実質的にダイのニップにおけるコア供給
ホーンのくさび形下部の下端から製品コアそれぞれが出現する箇所にできるだけ近く、隣
接する好ましくは回転ダイの外径に適合するときに、移動するゼラチンフィルムの表面と
の接触のために構成された湾曲フィルム接触表面を有する。ダイニップは、フィルムがダ
イによって相互に接触させられる場所、すなわちダイが錠剤コア(製品予備形成品)を被
覆するために、コアそれぞれの周囲にフィルムをともに密封するために、そして被覆され
たコアをフィルムから切断され続いて相互に対にされるために、相互に接触するフィルム
経路に沿った場所である。上述の装置と異なるフィルム加熱処理の形式は、所望の場合に
は使用できる。
【0055】
ダイロールおよびコア供給ホーンが相互に密接に共動する装置内の場所において、製品
コアは、収束フィルムの制御可能に加熱された表面にそれぞれ接触させられる。フィルム
は、装置中心面に対して対称的にコアの反対側の周囲に引き伸ばされ、それにより所望の
製品のコーティングの塗布層を画成する。フィルムは製品のシームラインに沿って相互に
密封され、それゆえ結合および接着されたフィルムは切断されて、フィルム被覆製品をダ
イの間から出現する有孔フィルムウェブから分離させる。ウェブは、ダイによりフィルム
の相互への接着により形成される。ウェブはダイの間から出現した後、ダイの表面速度よ
りもやや大きい表面速度を持つ駆動圧搾ロールの対の間を通過するため、ウェブはダイと
圧搾ロールとの間で引き伸ばされる。ダイの間から出るときのウェブのこの引き伸ばしは
、フィルム被覆製品コアをウェブから自己分離させ、そして(ダイと圧搾ロールの間のウ
ェブと共動する)製品ガイドの補助によって製品レセプタクル内に移動させ、そこで製品
は必要に応じてさらなる処理を受ける前に回収される。さらなる処理ステップは、浴中で
フィルムに塗布された潤滑剤の残留物をすべて除去するための製品の洗浄および最終乾燥
を含むことがある。
【0056】
本発明の徐放性ゲルコーティングを活性剤に利用するために使用できる別の工程は、米
国特許第4,820,524号に述べられている。この工程は、例えばカプレット形の活
性剤を保持するために中に画成されたチャネルを有する保持手段を提供することと、カプ
レットの第一の端をカプレットチャネルに挿入すると同時に、カプレットの第二の端を露
出させたままにすることによって実施される。保持手段は次に、ゼラチン状コーティング
浴に対して操作されて、各カプレットの第二の露出端が浴に浸漬させられる。次にカプレ
ットの第二の露出端上に生成したゼラチン状コーティングは、乾燥が許され、および好ま
しくは乾燥させられて、コーティング端を形成する。乾燥工程の間、カプレットは乾燥中
にゼラチンを均質に分布させるのを補助するために回転させてもよい。いったん乾燥させ
ると、カプレットのコーティング(第二)端は次にカプレットチャネルを通じて移動させ
られ、その未コーティングの第一端が露出される。続いてゼラチン状コーティングは、上
記カプレットの未コーティングの第一端に塗布される。カプレットの第一端に塗布された
コーティングは次に、コーティングを均一に広げる目的で、望ましい場合には回転を用い
て乾燥が許される(または好ましくは乾燥させられる)。好ましい工程において、カプレ
ット端が浸漬されるゼラチン状コーティング浴は異なる色でもよく、それによって擬似2
ピースカプセル外観を、その横軸周囲にシームを有する完成カプレットのために作製する
ことができる。
【0057】
この工程の装置は、上に取付けられた複数の円筒状保持手段を有するバーを含む。各保
持手段は、それぞれのカプレットを収容、保持し、その移動を促進する。装置は、カプレ
ットを各保持手段に供給するためのカプレットフィーダが装着されている。保持手段は例
えば、両端が開き、そして浸漬工程の間、各カプレットを所定の位置に保持するための固
定手段、例えば「O」リングまたはバネバイアス固定具を含む円筒でもよい。供給手段は
好ましくは、各カプレットの第一端を適当な保持手段に挿入するための、簡単なチャネル
およびプランジャアセンブリである挿入手段と連結されている。供給手段は、カプレット
の第二の端を次の浸漬工程の間にそこから適当に突出させるために、各カプレットを十分
な距離だけ挿入させることを確実にする。いったん各バーにカプレットを装填すると、バ
ーは次にゼラチン状コーティングがそこから突出したカプレットの露出端に塗布される浸
漬ステーションまで進み、このバーは第一の乾燥手段を通じて回転して、コーティングさ
れた第二の端を形成するためにゼラチン状コーティングの乾燥を許す。好ましい実施形態
の装置において、第二の把握手段も、両端が開いており、それを通じて画成された中央穴
を持つ実質的に円筒形のホルダーを含む。この実施形態において、これらの第二のホルダ
ーは、移動位置にて第一のホルダーの孔と軸方向に並べられ、この半分コーティングされ
たカプレットを第一のホルダーの「背面」を通じてそこから第二のホルダーの「背面」に
変位させ、次に第二のホルダーを通じてカプレットの残りの未コーティング端が次の浸漬
のために露出されるまで変位させるために、プランジャまたは他の手段が使用される。続
いて浸漬および乾燥工程は(好ましくは異なる着色ゼラチン状コーティングを用いて)反
復され、このカプレット排出手段がカプレットを第二のホルダーから押し出す。
【0058】
この工程の別の態様において、第二のホルダー手段の「前面」は、第一のホルダー手段
の「前面」と並べられ、そこでカプレットは、追加の位置合わせ装置の必要なく、第一の
ホルダーから第二のホルダーに機械的に移動される。1つの保持手段を使用してカプレッ
トの両端を浸漬させ、それによって第二端を浸漬した後に、カプレットはこの1つの保持
手段を通じて移動させられ、未コーティングの第一端を露出させる。次にこのホルダーは
、カプレットの第一端を浸漬させるために、好ましくは異なる色のゼラチンを含有する第
二のゼラチン状コーティング浴に移動される。この工程はカプレットを用いて例示される
が、工程は他の形、例えば錠剤の活性剤に使用できることが理解される。
【0059】
本発明のある実施形態において、ゼラチン/疎水性ポリマーコーティングは、例えばプ
レート法によって調製されるソフトゲル調合物の製造で利用できる。プレート法は、徐放
性ゼラチンコートの温シートを型の底プレートに置くことを包含する。活性剤を含む液体
物質は、ゼラチンシートの上部に均一に注入する。徐放性ゼラチンコートの第二のシート
を活性剤の上部に注意深く置き、型の上プレートを配置する。型が圧力を受け、それによ
って徐放性ゲルコーティング調合物が同時に形成、充填および密封される。
【0060】
本発明の徐放性ゲルコーティングが硬質ゼラチンカプセルを供給する場合、複数の充填
技法を利用できる。例えば薬局実務設定において、薬剤師は通例、徐放性ゼラチンカプセ
ルを充填するために「パンチ法」を使用する。この方法は、活性薬剤が粉末形の場合に有
益である。粉末は、滅菌面、例えばカウンタトップまたはガラス/磁器板上に均一に分散
されて、包装される。空の徐放性ゼラチンカプセルの本体部は手で保持され、カプセル本
体が充填されるまで粉末中に繰り返し「パンチ」される。カプセル本体がいったん充填さ
れると、徐放性ゼラチンカプセルの上部を用いてキャップが付けられる。カプセルの上部
は異なる技法を用いて本体部に固定される。1つの詳細な例において、徐放性ゼラチンカ
プセルの上部および本体部は、上部をカプセルの本体部に押し下げたときに共にロックさ
れるように刻み目が付けられている。カプセル設計におけるこれらの具体的な技術革新は
、Snap−Fit(商標)、Coni−Snap(商標)、およびConi−Snap
Supro(商標)硬質ゼラチンカプセルとして当分野で既知である。徐放性ゼラチンカ
プセルの2つの部分を密封するための他の技法は、カプセルの上部および本体部の間に形
成されるシーム周囲にゼラチンシールを利用することを含む。
【0061】
活性薬剤が粒状物質の形である場合、カプセルは、カプセルの上部を配置および密封す
る前に、粒状物質を徐放性ゲルコーティングカプセルの本体部に注入することによって充
填できる。
【0062】
本発明の活性剤は、本発明のゲルコーティングによってコーティングされる前には、例
えば錠剤、カプセル、カプレット、回転楕円体、不活性ビーズ、微小球、シード、ペレッ
ト、イオン交換樹脂ビーズ、または他の多微粒子系の形でもよい。顆粒、回転楕円体、ま
たはペレットなどは、カプセルまたはいずれかの他の適切な剤形で示すことができる。本
発明の錠剤、カプセルまたはカプレットは、任意の適切な形状、例えば円形、楕円形、両
凹、半球体、どの多角形形状、例えば正方形、長方形、および五角形などでもよい。
【0063】
本発明の徐放性ゲルコーティング調合物は、ゲルコーティングが例えば活性剤の物理的
特性および所望の放出速度、ゲルコーティングへの可塑剤の包含およびその含有方法によ
って、少なくまたは多くなるが、総剤形の約2〜約25%の乾燥重量ゲインレベルを得る
ために徐放性ゲルコーティングの十分な量によって活性剤をオーバーコーティングするこ
とによって得られる。本発明のある実施形態において、徐放性ゲルコーティングは、活性
剤に例えば50%乾燥重量ゲインまで施すことができる。「乾燥重量」は、コーティング
の乾燥後の投与を目的とした最終剤形を指す。この定義は、コーティングに含まれる残留
水分の可能性を除外しない。
【0064】
活性剤は例えば、治療活性剤を水に溶解させること、および次に溶液をワースターイン
サートを用いて基材、例えばnu pariel 18/20ビーズにスプレーすること
によって調製できる。場合により、活性剤がビーズに結合するのを補助するために、およ
び/または溶液などを着色するためなどに、ビーズをゲルコーティングする前に追加の成
分が添加される。例えば着色料を含むまたは含まない、ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ースを含む製品は溶液に添加され、溶液はそのビーズへの塗布の(例えば約1時間)前に
混合される。生じたコーティング活性剤は次に場合により、治療活性剤を制御放出ゲルコ
ーティングから隔離するために、バリア剤をオーバーコートされる。適切なバリア剤の例
は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含むバリア剤である。しかしながら当分野で
既知のどのフィルム形成剤でも使用できる。バリア剤が最終製品の溶解速度に影響を与え
ないことが好ましい。
【0065】
活性剤、HPMC保護(オプション)ビーズは次に、徐放性ゲルコーティングによって
オーバーコーティングされる。ゲルコーティングは好ましくは、可塑剤、例えばトリエチ
ルシトレートの有効量を含む。エチルセルロースの予備処方水性分散物、例えばAqua
coat(商標)またはSurelease(商標)は、ゲルコーティングに使用できる
。Surelease(商標)を使用する場合、可塑剤を別に添加する必要がない。ある
いはアクリル酸ポリマーの予備処方水性分散物、例えばEudragit(商標)を使用
できる。
【0066】
本発明のゲルコーティング溶液は、好ましくはゼラチン、疎水性ポリマー、可塑剤、お
よび水に加えて、優雅さおよび製品識別を提供するための着色料を含有する。カラーは徐
放性ゲルコーティングの代わりに、またはそれに加えて治療活性剤の溶液に添加できる。
例えばカラーは、アルコールまたはプロピレングリコールベースのカラー分散物、粉砕ア
ルミニウムレーキおよび不透明化剤例えばチタンジオキシド(titanium dioxide)の使用
を通じて、水溶性ポリマー溶液に剪断と共にカラーを添加し、次に可塑化されたAqua
coat(商標)に低剪断を使用することによって、Aquacoat(商標)に添加で
きる。あるいは、本発明の調合物にカラーを提供するどの適切な方法も使用できる。疎水
性ポリマーがアクリルポリマーである場合に調合物にカラーを提供する適切な成分は、チ
タンジオキシドおよびカラー顔料、例えば酸化鉄顔料を含む。顔料の含有はしかしながら
、ゲルコーティングの遅延効果を増大させることがある。
【0067】
広範囲に渡る治療活性剤は、本発明と併せて使用できる。本発明の組成物で使用できる
治療活性剤(例えば製薬剤)は、水溶性および非水溶性薬の両方を含む。そのような治療
活性剤の例は、(例えばジメンヒドリネート、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン
およびデクスクロルフェニラミンマレエート)、鎮痛薬(例えばアスピリン、コデイン、
モルヒネ、ジヒドロモルフォン、オキシコドンなど)、非ステロイド性抗炎症剤(例えば
ナプロキシン、ジクロフェナク、インドメタシン、イブプロフェン、スリンダク)、制吐
薬(例えばメトクロプラミド)、抗てんかん薬(例えばフェニトイン、メプロバメートお
よびニトレゼパム(nitrezepam))、血管拡張薬(例えばニフェジピン、パパ
ベリン、ジルチアゼムおよびニカルジピン)、鎮咳薬および去痰薬(例えばコデインホス
フェート)、抗喘息薬(例えばテオフィリン)、制酸剤、鎮痙薬(例えばアトロピン、ス
コポラミン)、抗糖尿病薬(例えばインスリン)、利尿薬(例えばエタクリン酸、ベンド
ロフルアジド)、抗低血圧薬(例えばプロプラノロール、クロニジン)、抗高血圧薬(例
えばクロニジン、メチルドーパ)、気管支拡張薬(例えばアルブテロール)、ステロイド
(例えばヒドロコルチゾン、トリアムシノロン、プレドニゾン)、抗生剤(例えばテトラ
サイクリン)、抗痔疾薬、睡眠薬、向精神薬、下痢止め薬、粘液溶解薬、鎮静剤、充血除
去剤、下剤、ビタミン、興奮剤(食欲抑制剤、例えばフェニルプロパノラミンを含む)は
もちろんのこと、それらの塩、水和物、および溶媒和物を含む。上のリストは、限定的で
あることを意図されていない。
【0068】
ある好ましい実施形態において、治療活性剤はオピオイド鎮痛薬、例えばヒドロモルフ
ォン、トラマドール、オキシコドン、ジヒドロコデイン、コデイン、ジヒドロモルヒネ、
モルヒネ、ブプレノルフィン、オキシモルフォン、ヒドロコドン、上述のいずれかの塩、
水和物および溶媒和物、上述のいずれかの混合物などを含む。
【0069】
活性剤が即時放出ゲルコーティングを用いた徐放性形のオピオイド作用物質である実施
形態において、徐放性ゲルコーティングを利用する本明細書で開示される方法は、即時放
出ゲルコーティング(疎水性ポリマーの有効量の包含なし)を徐放性オピオイド基材に施
すために利用できる。
【0070】
他の好ましい実施形態において、薬剤はオピオイド拮抗物質、例えばナルトレキソン、
ナロキソン、ナルメフェン、シクラゾシン、レバロルファン、上述のいずれかの塩、水和
物および溶媒和物、上述のいずれかの混合物などである。
【0071】
本発明の別の実施形態において、活性剤は局所活性治療剤であり、使用環境は例えば胃
腸管、または体腔、例えば口腔、歯周ポケット、外科創傷、直腸または膣でもよい。
【0072】
局所活性製薬剤は、抗真菌剤(例えばアンフォテリシンB、クロトリマゾール、ナイス
タチン、ケトコナゾール、ミコナゾールなど)、抗生剤(ペニシリン、セファロスポリン
、エリスロマイシン、テトラサイクリン、アミノグリコシドなど)、抗ウィルス剤(例え
ばアシクロビル、イドクスウリジンなど)、ブレスフレッシャー(例えばクロロフィル)
、鎮咳薬(例えばデキストロメトルファンヒドロクロライド)、抗う食性化合物(例えば
フルオリドの金属塩、ナトリウムモノフルオロホスフェート、フッ化スズ、アミンフルオ
リド)、鎮痛剤(例えばメチルサリチレート、サリチル酸など)、局所麻酔薬(例えばベ
ンゾカイン)、経口消毒剤(例えばクロルヘキシジンおよびその塩、ヘキシルレゾルシノ
ール、デクアリニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド)、抗炎症剤(例えば
デキサメタゾン、ベータメタゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、
ヒドロコルチゾンなど)、ホルモン剤(エストリオール)、歯石防止剤(例えばクロルヘ
キシジンおよびその塩、オクテニジン(octenidine)、およびチモール、メン
トール、メチルサリチレート、ユーカリプトールの混合物)、酸性低下剤(例えば緩衝剤
、例えばカリウムホスフェート二塩基、カルシウムカーボネート、ナトリウムバイカーボ
ネート、ナトリウムおよびカリウムヒドロキシドなど)、および歯減感剤(例えばカリウ
ムニトレート)を含む。上のリストは、限定的であることを意図されていない。
【0073】
本発明の徐放性ゲルコーティングは、好ましくは当分野で既知の任意の適切なスプレー
装置を使用してスプレーすることによって、活性剤に塗布することができる。コーティン
グコア物質がペレット、ビーズ、回転楕円体などを含む場合、スプレー乾燥技法の利用が
好ましい。小型ペレット、ビーズおよび回転楕円体が供給される場合に、どのスプレー乾
燥技法の使用も、ゲルコーティングのより実用的および均一な塗布を可能にする。これら
の徐放性ゲルコーティングペレット、ビーズおよび回転楕円体は、さらに実用的および用
量特異性剤形をさらに供給するために、即時放出ゼラチンカプセル(例えば空のゲルカプ
セル)に含有させてもよい。好ましい方法において、下から噴射されるジェットがコア物
質を流動化して、ゲルコーティングがスプレーされる間に乾燥を実施する、ワースター流
動床システムが使用される。コーティング活性剤が水溶液、例えば胃液に暴露されたとき
に治療活性剤の規定の制御放出を得るために、徐放性ゲルコーティングの十分量が、治療
活性剤の物理的特性、可塑剤などの含有方法を考慮して好ましくは塗布される。
【0074】
コーティングビーズは、治療活性剤の安定した放出速度を得るために硬化(cured)で
きる。硬化ステップは、コーティング活性剤を、約60%〜約100%の相対湿度にて硬
化終点に達するまでゲルコーティング溶液のガラス転移温度より高い温度に暴露すること
によって実施できる。
【0075】
本発明の硬化させた徐放性ゲルコーティング活性剤は好ましくは、室温および周囲湿度
にて長期間貯蔵された場合(例えば長期(リアルタイム)試験)、および加速貯蔵条件下
で試験された場合に、安定な溶解プロフィール(例えば使用環境における活性剤の放出)
を持つ投薬調合物を提供する。
【0076】
本発明の好ましい実施形態において、徐放性ゲルコーティングに由来する安定化製品は
、ゲルコーティング活性剤に高温/湿度レベルにて必要な期間にわたってオーブン硬化を
受けさせることによって得ることができ、特定の調合物の温度、湿度、および時間の最適
値は、実験的に決定される。本発明のある実施形態において、徐放性ゲルコーティングで
コーティングされた安定化製品は、温度約60℃および相対湿度約60%〜約100%に
て24時間以上、例えば最大約72時間の期間にわたるオーブン硬化によって得られる。
しかしながら当業者は、安定化製品を得るために特定の調合物に依存する必要な硬化条件
を認識するであろう。
【0077】
本発明の他の実施形態において、国際公開公報第01/58451号に述べられている
ような、中に含有されたオピオイド鎮痛薬の乱用の可能性を低下させるために有用なオピ
オイド鎮痛薬剤形が提供される。
【0078】
封鎖オピオイド拮抗物質および放出可能なオピオイド作用物質を含有する剤形を調製す
る1つの方法は、封鎖物質によってコーティングされる多微粒子中の拮抗物質を調製する
ことを含む。封鎖多微粒子は次に、放出可能なオピオイドマトリクス調合物と混合され、
固体剤形に圧縮される。本発明のコーティングは、圧縮中の多微粒子のひび割れの発生を
減少させるために、弾性を備えた封鎖多微粒子を提供する。
【0079】
本発明のゼラチン/疎水性コーティング剤形は、米国特許第3,959,540号;第
4,350,679号;第4,432,768号;第4,820,524号;第5,14
6,730号;第5,200,191号;第5,459,983号;第5,827,53
5号;第6,183,845号;および第6,193,999号の教示を利用して調製で
きる。当業者は、本明細書で開示されたコーティング中に疎水性物質を包含させるために
、本発明の徐放性剤形を調製するために、本開示を考慮してこれらの特許の教示を変更す
ることができる。
【0080】
徐放性マトリクス調合物
ある実施形態において、本発明のゲルコーティング組成物は、徐放性マトリクス、例え
ば徐放性オピオイド作用物質組成物を含むことができる。そのような実施形態において、
組成物からの活性剤の徐放性を供給する、または徐放性に寄与するマトリクスを提供する
ために、活性剤は徐放性担体中に分散される。
【0081】
本発明による徐放性マトリクスに包含される適切な徐放性物質の非制限的なリストは、
親水性および/または疎水性物質、例えばゴム、セルロースエーテル、アクリル樹脂、タ
ンパク質誘導物質、ワックス、セラック、および油、例えば水素化ヒマシ油および水素化
植物油を含む。しかしながら活性剤の徐放性を付与できるどの薬学的に許容される疎水性
または親水性徐放性物質も、本発明に従って使用できる。好ましい徐放性ポリマーは、ア
ルキルセルロース、例えばエチルセルロース、アクリル酸およびメタクリル酸ポリマーお
よびコポリマー;およびセルロースエーテル、特にヒドロキシアルキルセルロース(特に
ヒドロキシプロピルメチルセルロース)およびカルボキシアルキルセルロースを含む。好
ましいアクリル酸およびメタクリル酸ポリマーおよびコポリマーは、メチルメタクリレー
ト、メチルメタクリレートコポリマー、エトキシエチルメタクリレート、エチルアクリレ
ート、トリメチルアンモニオエチルメタクリレート、シアノエチルメタクリレート、アミ
ノアルキルメタクリレートコポリマー、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、メ
タクリル酸アルキルアミンコポリマー、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メタクリ
ル酸)(無水物)、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリ(メタクリル酸無水
物)、およびグリシジルメタクリレートコポリマーを含む。ある好ましい実施形態は、本
発明のマトリクス中で上述の徐放性物質のいずれかの混合物を利用する。
【0082】
マトリクスはバインダも含むことがある。そのような実施形態において、バインダは好
ましくは、徐放性マトリクスからの活性剤の徐放性に寄与する。追加の疎水性バインダ物
質が包含される場合、それは好ましくは天然および合成ワックス、脂肪酸、脂肪アルコー
ル、およびそれらの混合物から選択される。例は、ミツロウ、カルナバワックス、ステア
リン酸およびステアリルアルコールを含む。このリストは、限定的であることを意図され
ていない。ある好ましい実施形態において、2つ以上の疎水性バインダ物質の併用がマト
リクス調合物に含有される。
【0083】
本発明によって使用される好ましい疎水性バインダ物質は、消化性の長鎖(C8−C50
、特にC12−C40)、置換または非置換炭化水素、例えば脂肪酸、脂肪アルコール、脂肪
酸のグリセリルエステル、鋼油および植物油、天然および合成ワックスおよびおよびポリ
アルキレングリコールを含む。25〜90℃の融点を有する炭化水素が好ましい。ある実
施形態において、長鎖炭化水素バインダ物質のうち、脂肪(脂肪族)アルコールが好まし
い。経口剤形は、最大80%(重量)の少なくとも1つの消化性長鎖炭化水素を含有する

【0084】
ある実施形態において、疎水性バインダ物質は、これに限定されるわけではないが脂肪
酸エステル、脂肪酸グリセリド(モノ−、ジ−、およびトリ−グリセリド)、水素化脂肪
、炭化水素、通常のワックス、ステアリン酸、ステアリルアルコールおよび炭化水素主鎖
を有する疎水性および親水性物質を含む、天然または合成ワックス、脂肪アルコール(例
えばラウリル、ミリスチル、ステアリル、セチルまたは好ましくはセトステアリルアルコ
ール)、脂肪酸を含む。適切なワックスは例えば、ミツロウ、グリコワックス、カスター
ワックスおよびカルナバワックスを含む。本発明のために、ワックス状物質は、室温にて
通常は固体であり、約30〜約100℃の融点を有する任意の物質として定義される。あ
る好ましい実施形態において、剤形は、活性剤および少なくとも1つの水溶性ヒドロキシ
アルキルセルロース、少なくとも1つのC12−C36、好ましくはC14−C22、脂肪族アル
コールおよび、場合により、少なくとも1つのポリアルキレングリコールを含む徐放性マ
トリクスを含む。ヒドロキシアルキルセルロースは好ましくは、ヒドロキシ(C1−C6
アルキルセルロース、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル
セルロースおよび、特にヒドロキシエチルセルロースである。本経口剤形中の少なくとも
1つのヒドロキシアルキルセルロースの量は、特に、必要な活性剤放出の正確な速度によ
って決定できる。脂肪族アルコールは例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコー
ルまたはステアリルアルコールでもよい。しかしながら本経口剤形の特に好ましい実施形
態において、少なくとも1つの脂肪族アルコールは、セチルアルコールまたはセトステア
リルアルコールである。本経口剤形中の脂肪族アルコールの量は上のように、必要な活性
剤放出の正確な速度によって決定できる。それは、少なくとも1つのポリアルキレングリ
コールが経口剤形に存在するか、またはそこに存在しないかによっても変わる。少なくと
も1つのポリアルキレングリコールの非存在において、経口剤形は好ましくは、約20%
〜約50%(重量)の脂肪族アルコールを含有する。ポリアルキレングリコールが経口剤
形中に存在する場合、この脂肪族アルコールおよびポリアルキレングリコールの合わせた
重量は好ましくは、総剤形の約20%〜約50%(重量)を構成する。
【0085】
1つの好ましい実施形態において、例えば少なくとも1つのヒドロキシアルキルセルロ
ースまたはアクリル樹脂の、少なくとも1つの脂肪族アルコール/ポリアルキレングリコ
ールに対する比は、かなりの程度まで調合物からの活性剤の放出速度を決定する。ある実
施形態において、1:1〜1:4の、ヒドロキシアルキルセルロースの脂肪族アルコール
/ポリアルキレングリコールに対する比が好ましく、1:2〜1:3の比が特に好ましい

【0086】
ある実施形態において、ポリアルキレングリコールは例えば、ポリプロピレングリコー
ル、または好ましいポリエチレングリコールでもよい。少なくとも1つのポリアルキレン
グリコールの平均分子量は好ましくは、1,000〜15,000、特に1,500〜1
2,000である。
【0087】
別の適切な徐放性マトリクスは、アルキルセルロース(特にエチルセルロース)、C12
−C36脂肪族アルコールおよび、場合によりポリアルキレングリコールを含む。上の成分
に加えて、徐放性マトリクスは、適切な量の他の物質、例えば薬学的業界において慣習的
である希釈剤、潤滑剤、バインダ、造粒補助剤、着色料、香味料および流動促進剤も含有
する。
【0088】
本ゲルコーティング剤形に含有される徐放性マトリクスは、例えば(a)上で述べた少
なくとも1つの疎水性および/または親水性物質(例えば水溶性ヒドロキシアルキルセル
ロース)を活性剤と共に含む顆粒を形成すること;(b)少なくとも1つの疎水性および
/または親水性物質を含有する顆粒を少なくとも1つのC12−C36脂肪族アルコールと混
合すること、そして(c)場合により顆粒を圧縮および成形すること、によって調製でき
る。
【0089】
顆粒は、薬学的調合物の当業者に周知のどの手順によっても形成できる。例えば1つの
好ましい方法において、顆粒は、ヒドロキシアルキルセルロースおよび活性剤を水によっ
て湿潤造粒することによって形成できる。この工程の特に好ましい実施形態において、湿
潤造粒ステップ中に添加される水の量は、好ましくは活性剤の乾燥重量の1.5〜5倍、
特に1.75〜3.5倍である。
【0090】
徐放性マトリクスは、例えば溶融造粒または溶融押出技法によっても調製できる。一般
に溶融造粒技法は、通常は固体の疎水性バインダ物質、例えばワックスを溶融すること、
および粉末薬剤を中に含有させることを包含する。徐放性剤形を得るためには、疎水性徐
放性物質、例えばエチルセルロースまたは非水溶性アクリルポリマーを溶融したワックス
疎水性バインダ物質中に含有させることが必要である。
【0091】
別の疎水性バインダ物質は、1つ以上の非水溶性ワックス状熱可塑性物質であって、上
記の1つ以上の非水溶性ワックス状物質よりも疎水性でない1つ以上のワックス状熱可塑
性物質とおそらく混合された1つ以上の非水溶性ワックス状熱可塑性物質を含む。徐放性
を達成するために、調合物中のそれぞれのワックス状物質は、初期放出フェーズの間、胃
腸液中で実質的に非分解性および不溶性であるべきである。有用な非水溶性ワックス状バ
インダ物質は、約1:5,000(w/w)より低い水溶性を備えた物質である。
【0092】
本発明における包含のための適切な溶融押出マトリクスの調製は例えば、均質混合物を
得るために、活性剤を徐放性物質および好ましくはバインダ物質と共に混和させるステッ
プを含む。均質混合物は次に、混合物を十分に押出すために、混合物を少なくとも軟化さ
せるのに足る温度まで加熱される。生じた均質混合物は次に、例えばツインスクリュー押
出機を用いて押出され、ストランドを形成する。押出物は好ましくは、当分野で既知の手
段によって冷却され、多微粒子に切断される。マトリクス多微粒子は次に単位用量に分割
される。押出物は好ましくは、約0.1〜約5mmの直径を有し、活性剤の徐放性を少な
くとも約24時間の期間に渡って提供する。
【0093】
本発明の溶融押出調合物を調製するためのオプションの工程は、押出機内へ疎水性徐放
性物質、オキシコドンまたはその塩、およびオプションのバインダ物質を直接計量するこ
とと;均質混合物を加熱することと;均質混合物を押出し、それによってストランドを形
成することと;均質混合物を含有するストランドを冷却することと;ストランドを約0.
1mm〜約12mmの大きさを有するマトリクス多微粒子に切断することと;を含む。
【0094】
可塑剤、例えば上述した可塑剤は、溶融押出マトリクスに包含される。可塑剤は、好ま
しくはマトリクス重量の約0.1〜約30%として包含される。他の薬学的賦形剤、例え
ばタルク、モノまたはポリサッカライド、着色料、香味料、潤滑剤などは、要望に応じて
本発明の徐放性マトリクスに包含される。包含される量は、達成される所望の特性によっ
て変化するであろう。押出機開口部または出口ポートの直径は、押出ストランドの厚さを
変更するために調整できる。その上、押出機の出口部は丸形である必要がない;それは楕
円形、長方形などでもよい。流出するストランドは、熱線カッター、裁断機などを使用し
て粒子に変形することができる。
【0095】
ゲルコーティングの塗布前に、多微粒子押出物の適切な量が経口錠剤に圧縮される。圧
縮は、約2〜約20Kpの好みの硬度に標準技法を用いた従来の錠剤化装置を使用するこ
とによって行える。錠剤(圧縮および成形)、カプセル(硬質および軟質ゼラチン)およ
び丸薬を作製するための技法および組成物は、Remington’s Pharmaceutical
Sciences,(Arthur Osol,editor),1553-1593(1980)にも述べられている。なお別の好まし
い実施形態において、押出物は、米国特許第4,957,681号(Klimeschら
)に述べるように錠剤に成形することができる。
【0096】
本発明の他の実施形態において、溶融押出調合物は、活性剤の包含なしに調製され、活
性剤はその後に押出物に添加される。そのような調合物は通例、押出マトリクス物質と共
にブレンドされた活性剤を有し、次に混合物は徐放調合物を提供するために錠剤化される
。そのような調合物は、例えば調合物に包含された治療活性剤が疎水性物質および/また
は遅延物質を軟化させるために必要な温度に対して感受性である場合に、好都合である。
【0097】
本発明による使用に適切な代表的な溶融押出製造システムは、可変速度および一定トル
ク制御、作動停止制御、および電流計を有する適切な押出機駆動モータを含む。加えて製
造システムは、押出機の長さに渡る温度センサ、冷却手段および温度インジケータを含む
温度制御コンソールを含むであろう。加えて製造システムは、押出機、例えば、その出口
に開口またはダイを有する円筒またはバレル内に包囲された2個の逆回転相互噛合いスク
リューより成るツインスクリュー押出機を含むであろう。供給物質は、供給ホッパーを通
じて入り、スクリューによってバレル内を移動して、ダイに押し込まれてストランドとな
り、ストランドはその後、例えば連続可動ベルトによって運搬されて冷却され、そして押
出ロープをマトリクス多微粒子系にするためのペレタイザまたは他の適切な装置に送られ
る。ペレタイザは、ローラー、固定ナイフ、回転カッターなどで構成できる。適切な機器
およびシステムは、販売者、例えばニュージャージー州サウスハッケンサックのC.W.
Brabender Instruments,Inc.から入手できる。他の適切な装
置は、当業者に明らかとなるであろう。
【0098】
あるいは溶融押出製品は、Werner−Pfleidererツインスクリュー押出
機を使用して調製される。
【0099】
場合により徐放性マトリクスは、ゲルコーティングの塗布前に、徐放性コーティングに
よってコーティングすることができる。そのようなコーティングは好ましくは、約2〜約
25パーセントの重量ゲインレベルを得るために疎水性および/または親水性徐放性物質
の十分な量を含むが、オーバーコートは例えば所望の放出速度によってより大きいことも
ある。そのような実施形態において、徐放性コーティングは非水溶性物質、例えば(a)
単独か、または脂肪アルコールとの混合物中のワックス;あるいは(b)シェラックまた
はゼインを含んでもよい。コーティングは、好ましくは疎水性徐放性物質の水性分散物に
由来する。
【0100】
ある実施形態において、本発明のマトリクスは、徐放性調合物を得る目的で約2〜約5
0%、例えば約2〜約25%の重量ゲインレベルを得るために、十分な量の水性分散物、
例えばアルキルセルロースまたはアクリルポリマーによってオーバーコーティングされる
。オーバーコートは、例えば所望の放出速度、水性分散物への可塑剤の包含およびその含
有方法によって少なくても多くてもよい。セルロース物質およびポリマーは、アルキルセ
ルロースを含めて、本発明による徐放性回転楕円体、顆粒、またはマトリクス多微粒子を
コーティングするのによく適した徐放性物質である。単に例示の目的で、1つの好ましい
アルキルセルロースポリマーはエチルセルロースであるが、当業者は、他のセルロースお
よび/またはアルキルセルロースポリマーが、本発明による疎水性コーティングの全部ま
たは一部として、単独でまたはいかなる併用においてもただちに利用されることを認識す
るであろう。
【0101】
エチルセルロースの1つの市販水性分散物は、Aquacoat(登録商標)(FMC
Corp.,米国ペンシルバニア州フィラデルフィア)である。Aquacoat(登
録商標)は、エチルセルロースを水非混和性有機溶媒中に溶解させることと、次に表面活
性剤および安定剤の存在下でそれを水中で乳化することによって調製される。サブミクロ
ン液滴を生成するためのホモジネーションの後、有機溶媒は真空下で蒸発されて、擬似ラ
テックスが形成される。可塑剤は、製造フェーズ中に擬似ラテックスに含有されない。そ
れゆえそれをコーティングとして使用する前に、Aquacoat(登録商標)を使用前
に適切な可塑剤と密接に混合する必要がある。
【0102】
エチルセルロースの別の水性分散物は、Surelease(登録商標)(Color
con,Inc.,米国ペンシルバニア州ウェストポイント)として市販されている。こ
の製品は、製造工程中に可塑剤を分散物中に含有させることによって調製される。ポリマ
ー、可塑剤(ジブチルセバケート)、および安定剤(オレイン酸)のホットメルトは、均
質混合物として調製され、次にマトリクスに直接塗布できる水性分散物を得るためにアル
カリ性溶液によって希釈される。
【0103】
本発明の他の好ましい実施形態において、徐放性コーティングを含む徐放性物質は、こ
れに限定されるわけではないが、アクリル酸およびメタクリル酸コポリマー、メチルメタ
クリレートコポリマー、エトキシエチルメタクリレート、シアノエチルメタクリレート、
ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、メタクリル酸アルキルアミドコポリマー、
ポリ(メチルメタクリレート)、ポリメタクリレート、ポリ(メチルメタクリレート)コ
ポリマー、ポリアクリルアミド、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、ポリ(メタ
クリル酸無水物)、およびグリシジルメタクリレートコポリマーを含む、薬学的に許容さ
れるアクリルポリマーである。
【0104】
ある好ましい実施形態において、アクリルポリマーは、1つ以上のアンモニオメタクリ
レートコポリマーを含む。アンモニオメタクリレートコポリマーは当分野で周知であり、
National Formulary(NF)XVIIに、低含有量の第四級アンモニ
ウム基と十分に重合したアクリル酸およびメタクリル酸エステルのコポリマーとして述べ
られている。所望の溶解プロフィールに得るためには、異なる物理的特性、例えば第四級
アンモニウム基の中性(メタ)アクリル酸エステルに対する異なるモル比を有する、2つ
以上のアンモニオメタクリレートコポリマーを含有することが必要である。
【0105】
あるメタクリル酸エステル型ポリマーは、本発明に従って使用されるpH依存性コーテ
ィングを調製するために有用である。例えばドイツのKg DarmstadtのRoh
m GMBH and Co.からEudragit(登録商標)として市販されている
、メタクリル酸コポリマーまたはポリマー性メタクリレートとしても既知である、ジエチ
ルアミノエチルメタクリレートおよび他の中性メタクリル酸エステルから合成されたコポ
リマーの族がある。複数の異なる種類のEudragit(登録商標)がある。例えばE
udragit Eは、酸性溶媒中で膨潤および溶解するメタクリル酸コポリマーの例で
ある。Eudragit Lは、pH<約5.7にて膨潤せず、pH>約6にて溶解する
メタクリル酸コポリマーである。Eudragit SはpH<約6.5では膨潤せず、
pH>約7で溶解性である。Eudragit RLおよびEudragit RSは、
水膨潤性であり、これらのポリマーによって吸収される水の量はpH依存性である;しか
しながらEudragit RLおよびRSによってコーティングされた剤形はpH依存
性である。
【0106】
ある好ましい実施形態において、アクリルコーティングは、それぞれ商標名Eudra
git(登録商標)RL30DおよびEudragit(登録商標)RS30DでRoh
mから市販されている2つのアクリル樹脂ラッカーの混合物を含む。Eudragit(
登録商標)RL30DおよびEudragit(登録商標)RS30Dは、アクリル酸お
よびメタクリル酸エステルと低含有量の第四級アンモニウム基とのコポリマーであり、ア
ンモニウム基の残りの中性(メタ)アクリル酸エステルに対するモル比はEudragi
t(登録商標)RL30Dでは1:20、そしてEudragit(登録商標)RS30
Dでは1:40である。平均分子量は約150,000である。コード表示RL(高浸透
性)およびRS(低浸透性)は、これらの薬剤の浸透性特性を指す。Eudragit(
登録商標)RL/RS混合物は、水および消化液中で非溶解性である。しかしながらそれ
により形成されたコーティングは、水溶液および消化液中で膨潤性および浸透性である。
【0107】
本発明のEudragit(登録商標)RL/RS分散物は、所望の溶解プロフィール
を持つ徐放性調合物を最終的に得るために、任意の所望の比で共に混合できる。所望の徐
放性調合物は、例えば100%Eudragit(登録商標)RL、50%Eudrag
it(登録商標)RLおよび50%Eudragit(登録商標)RS、および10%E
udragit(登録商標)RL:Eudragit(登録商標)90%RSに由来する
遅延コーティングから得られる。もちろん当業者は、他のアクリルポリマー、例えば,E
udragit(登録商標)Lも使用できることを認識するであろう。コーティングが疎
水性徐放性物質の水性分散物を含む本発明の実施形態において、疎水性物質の水性分散物
への可塑剤の有効量の包含は、徐放性コーティングの物理的特性をさらに改善するであろ
う。例えばエチルセルロースは比較的高いガラス転移温度を有し、通常のコーティング条
件下で可撓性フィルムを形成しないため、徐放性コーティングを含有するエチルセルロー
スコーティングに、それをコーティング物質として使用する前に、可塑剤を含有すること
は好ましい。一般にコーティング溶液に包含される可塑剤の量は、フィルム形成剤の濃度
、例えば最も頻繁には約1〜約50重量パーセントのフィルム形成剤に基づく。しかしな
がら可塑剤の濃度は、特定のコーティング溶液および利用方法を用いた注意深い実験の後
にのみ正しく決定できる。
【0108】
エチルセルロースの適切な可塑剤の例は、ジブチルセバケート、ジエチルフタレート、
トリエチルシトレート、トリブチルシトレート、およびトリアセチンなどの非水溶性可塑
剤を含むが、他の非水溶性可塑剤(例えばアセチル化モノグリセリド、フタレートエステ
ル、ヒマシ油など)を使用することは可能である。トリエチルシトレートは本発明のエチ
ルセルロースの水性分散物にとって、特に好ましい可塑剤である。
【0109】
本発明のアクリルポリマーの適切な可塑剤の例は、これに限定されるわけではないが、
クエン酸エステル、例えばトリエチルシトレート NF XVI、トリブチルシトレート
、ジブチルフタレート、およびおそらく1,2−プロピレングリコールを含む。アクリル
フィルム例えばEudragit(登録商標)RL/RSラッカー溶液から形成されたフ
ィルムの弾性を向上させるのに適していることが判明した他の可塑剤は、ポリエチレング
リコール、プロピレングリコール、ジエチルフタレート、ヒマシ油、およびトリアセチン
を含む。トリエチルシトレートは本発明のエチルセルロースの水性分散物にとって、特に
好ましい可塑剤である。
【0110】
(発明の詳細な説明)
以下の実施例は、本発明の種々の態様を説明する。これらは請求項をいかなる方法でも
限定すると解釈されるものではない。
【0111】
実施例1〜4は、本発明の徐放性ゲルコーティングを供給するために使用される成分を
表す。成分のパーセンテージは、乾燥した最終コーティングを表す。
【実施例1】
【0112】
ゼラチン 40%
エチルセルロース 50%
グリセリン 5%
水 5%
【実施例2】
【0113】
ゼラチン 35%
Eudragit RL/RS 50%
グリセリン 10%
水 5%
【実施例3】
【0114】
ゼラチン 30%
エチルセルロース 50%
グリセリン 5%
トリエチルシトレート 10%
水 5%
【実施例4】
【0115】
ゼラチン 30%
Eudragit RL/RS 55%
グリセリン 5%
トリエチルシトレート 5%
水(着色剤を含む) 5%
実施例1〜4のコーティングは、当分野で既知の手順から調製された徐放性または即時
放出オキシコドンマトリクスを被覆することができる。
【実施例5】
【0116】
実施例5では、オピオイド拮抗物質(ナルトレキソンHCL)の実質的に非放出形が、
ナルトレキソン粒子を拮抗物質を実質的に非放出性にするゲルコーティングによってコー
ティングすることによって調製される。

ナルトレキソンHCl 2mgカプセル(調合物A)
【0117】
【表1】

【0118】
工程:
1.粉砕 ステアリルアルコールフレークを粉砕機に通過させる。
2.混合 ナルトレキソンHCl、Eudragit、ゼラチン、粉砕ステアリルアルコ
ール、ステアリン酸およびBHTをツインシェルブレンダー内で混合する。
3.押出 混合した物質をツインスクリュー押出機に連続供給し、生じたストランドをコ
ンベアコンベア上で回収する。
4.冷却 ストランドをコンベア上で冷却させる。
5.ペレット化 冷却したストランドをペレタイザを用いてペレットに切断する。
6.スクリーニング ペレットをスクリーニングして、所望のシーブ部分を回収する。
【0119】
ゼラチンコーティング封鎖ビーズをオキシコドンマトリクス中に圧縮することができる
。適切な薬学的錠剤、例えば目標硬度8kPを得るための条件下で圧縮する場合、本発明
のナルトレキソンビーズのビーズは、コーティングに包含されるゼラチンなしで調製され
たナルトレキソンビーズを用いた圧縮と比較して、実質的により少ないひび割れを示すこ
とが予想される。
【実施例6】
【0120】
オキシコドン徐放性マトリクス錠剤は、以下の表1に示す処方を用いて製造される:
【0121】
【表2】

【0122】
以下の手順に従う:
1.造粒:Eudragit/トリアセチン分散物をオキシコドンHCl、スプレー乾燥
ラクトースおよびポビドンに流動床造粒機を用いてスプレーする。
2.粉砕:造粒を排出し、約1mmの開口(18メッシュスクリーン)を用いて粉砕機を
通過させる。
3.ワックス処理:ステアリルアルコールを約50℃にて溶融させて、高剪断ミキサーを
用いて粉砕造粒に添加する。トレイまたは流動床上で室温まで冷却させる。
4.粉砕:冷却造粒を約18メッシュスクリーンを用いて粉砕機を通過させる。
5.潤滑:造粒をタルクおよびマグネシウムステアレートによってミキサーを用いて潤滑
する。
6.圧縮:Kilian(登録商標)錠剤プレスを用いて、造粒を錠剤に圧縮する。
7.フィルムコーティング:回転パンを使用して、水性フィルムコーティングを錠剤に塗
布する。
【0123】
上の徐放性オキシコドン錠剤は、不正操作できない剤形を提供するために、即時放出ゼ
ラチンコーティングによって被覆することができる。
【実施例7】
【0124】
オキシコドン160mg徐放性カプセルは、以下の表2に示す処方を用いて調製される

【0125】
【表3】

【0126】
上の調合物は、以下の手順に従って調製された:
1.ステアリルアルコールフレークを衝撃式粉砕機に通過させる。
2.オキシコドンHCl、ステアリン酸、ステアリルアルコールおよびEudragit
RSPOを適切なブレンダー/ミキサー内で混合する。
3.混合した物質を高温にてツインスクリュー押出機に連続供給し、生じたストランドを
コンベア上で回収する。
4.ストランドをコンベア上で冷却させる。
5.ストランドをペレタイザを用いて1mmのペレットに切断する。
6.細かいおよび大きすぎるペレットに関して、サイズ約0.8〜1.4mmの許容範囲
までペレットをスクリーニングする。
【0127】
カプセルに充填重量400mg/カプセル(サイズ00カプセルへ充填)を充填する前
に、上の徐放性オキシコドン多微粒子は、不正操作できない剤形を提供するために、即時
放出ゼラチンコーティングによって被覆することができる。
【0128】
場合により、多微粒子は、不正操作できない剤形を提供するために、即時放出ゼラチン
コーティングによって被覆することができる錠剤に圧縮することができる。
【実施例8】
【0129】
モルヒネサルフェート制御放出カプセル
【0130】
【表4】

【0131】
製造工程
1.ポビドンおよびEudragit RS30Dを水に分散させる。モルヒネサルフェ
ートおよびラクトースを混合する。
2.ビーズをロータプロセッサに装填する。薬剤粉末ブレンドおよびバインダ溶液をビー
ズにスプレーする。
3.上のビーズをロータプロセッサでフィルムコーティングする。
4.Eudragit RS30D、RL30D、トリエチルシトレート、タルクおよび
トリエチルシトレートを水に分散させる。ワースターインサートによってコーティングさ
れた流動床にて、上のビーズをコーティングする。
5.ビーズを硬化させる(MSCRビーズ)。
【0132】
カプセルに充填する前に、上の徐放性モルヒネサルフェート多微粒子は、不正操作でき
ない剤形を提供するために、即時放出ゼラチンコーティングによって被覆することができ
る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性剤および活性剤周囲に配置されたコーティングを含む経口薬学的剤形であって、前記コーティングがゼラチンおよび疎水性ポリマーの薬学的に許容される混合物を含み、ならびに前記疎水性ポリマーが前記コーティングの総重量に対して少なくとも20%の量で存在する、前記経口薬学的剤形。

【公開番号】特開2011−201912(P2011−201912A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−125956(P2011−125956)
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【分割の表示】特願2003−579747(P2003−579747)の分割
【原出願日】平成15年3月26日(2003.3.26)
【出願人】(599108792)ユーロ−セルティーク エス.エイ. (134)
【Fターム(参考)】