説明

徐放性剤の送達方法

本発明は、遅延放出のための作用剤の送達方法に関する。特に本発明は、組織への治療剤の部位特定的送達、前記組織中での該作用剤の保留、及び送達部位からの前記作用剤の遅延放出を可能にする。本発明の方法は、組織を除去する工程及び遅延放出のための除去組織に作用剤を注入する工程からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2004年3月18日に出願された米国特許仮出願No.60/554,230の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、遅延放出のための作用剤の送達方法に関する。特に、本発明は組織への治療剤の部位特定的送達、前記組織中での該作用剤の保留、及び送達部位からの前記作用剤の遅延放出を可能にする。
【背景技術】
【0003】
抗生物質及びワクチンの進歩に伴い、多くの感染性疾患の深刻度が減少してきた。しかしながら、癌は依然として、たいていの場合治癒不可能な脅威である。癌の治療における1つの障害は、癌発生及び増殖の機構が多様であり、ほとんど理解されていないことである。したがって、可能な癌治療の調査には、様々に異なる修養由来の知識が必要とされる。更にまた、癌患者は該疾患の長期継続期間に亘って精神及び肉体の衰弱作用に耐えねばならず、該疾患の長期継続はまた、患者とそのコミュニティーとの両方にとって経済的な重荷ともなる。
【0004】
癌の治癒は、ほとんどの場合、主要な腫瘍の外科的切除による。転移性癌の治療は、通常は全身系化学療法であるが、このアプローチにより得られる治療効果は、概ね期待外れである。全身系化学療法薬の毒性の副作用は、患者に送達される薬剤濃度の決定における制限要因になりうる。多くの場合、これらの副作用のために化学療法薬の十分な用量が投与されず、腫瘍細胞が再生し、進展する。
【0005】
転移性疾患が1つの臓器(例えば肝臓)に限られる場合、外科手術または病巣治療が重要になる。肝臓に限定される腫瘍に対する非外科的治療には、化学療法薬が肝腫瘍への血液供給を経て肝腫瘍に直接供給される、様々な経路の化学療法が含まれる。例としては、化学療法薬であるフルオロデオキシウリジン(FUDR)は、ほとんどの正常組織に対してよりも、活発に分裂する細胞、例えばガン細胞に対して高い毒性作用を有することによって作用する。肝臓動脈を通って送達される場合、該腫瘍は、好ましくは身体の別の細胞に比べてより高い薬剤濃度を得る。これにより、患者への副作用全般が最少化される。従来の全身的または局所的な治療では、腫瘍組織に接触しない過剰の薬剤は健常組織の状態を劣化させ、したがって用量濃度の制限要因になりうる。薬剤の毒性作用が肝腫瘍組織内に完全に局在化できて周囲の健常組織には影響が及ばず、全ての癌細胞を完全に殺すためにより高い薬剤濃度が利用可能であるならば、理想的な状況であると云える。
【0006】
別の腫瘍治療には、罹患組織への血液供給を絶ちきることにより、腫瘍を餓死させることが含まれる。近年、肝臓癌及び乳癌の中には、動脈塞栓形成が有効な治療方法であると認められているものがある。この方法によれば、カテーテルの一端を癌もしくは腫瘍組織につながる栄養動脈に挿入し、塞栓性剤、例えばスチールコイル、ポリビニルアルコールスポンジ、(IVALON(登録商標))、コラーゲン、ゼラチンスポンジ(GELFOAM(登録商標))、アルブミン、及び澱粉物質などをカテーテルの他端から注入して血流を止める。これにより、癌または腫瘍組織にさらなる栄養分が欠乏するため、前記癌または腫瘍組織の壊死が起こる。経カテーテル的動脈塞栓術の1つの欠点としては、これが化学療法に補足される点である。二工程の方法が試みられ、ここでは腫瘍に供給する動脈にまず化学療法薬を注入し、その後動脈を塞栓する。通常この方法は、適用される治療剤が標的罹患組織から放出されるのが非常に短時間であるために無効である。治療剤の迅速な喪失は、罹患組織から治療剤を運び去ってしまいがちな、癌または腫瘍組織の側副脈管構造に起因する。近年、研究者は、塞栓処置に引き続いて当該組織を灌流させる試みとして、塞栓性基体(例えばGELFOAM(登録商標))に化学療法薬を含浸させてきた。塞栓形成の後では、栄養動脈の閉塞が当該作用剤の癌または腫瘍組織への到達を妨げるので、経口または注入による抗腫瘍剤の投与は無益である。
【0007】
除放性薬剤もまた、腫瘍組織への直接送達のために開発されている。Batichらの米国特許No.6602524には、腫瘍組織中もしくは近傍に見られるpH範囲で膨潤転換を有する、pH感受性ミクロスフェア中への抗癌剤のカプセル化が開示される。前記ミクロスフェアが膨潤すると、封入された薬剤が腫瘍組織の微小環境中に放出される。
【0008】
Luckらの米国再発行特許No.33375には、基質、例えばコラーゲン、フィブリノーゲン、またはこれらの誘導体中への細胞毒性薬剤の分散が開示される。その後、前記基質を、少量の生理学的に許容される水性媒質中に分散させ、得られる無定形の錬薬を病巣、例えば腫瘍に注入する。いったん注入されると、前記基質は組織に付着し、目に見えて移行することはない。注入後、当該薬剤は直近の環境中に放出され、前記薬剤の細胞毒性作用が望ましくない別の部位へのその実質的な移動は回避される。然るに、前記薬剤の循環血液濃度は低いままである。
【0009】
Sakamotoらの米国特許No.4536387には、例えばシリコーン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ポリビニル、及びポリビニルアルコール等の合成ポリマー;セルロース材料及びその誘導体、例えば綿、ヘンプ、パルプ、エチルセルロース、及びセルロースアセテート等;再生セルロース、例えばビスコースレーヨン及びカプランモニウムレーヨン:並びに様々な生体吸収性材料製の構造に固定された血液凝固剤と抗癌薬剤とを有する抗癌装置が開示される。この抗癌装置は、経カテーテル動脈塞栓及び針治療において使用され、癌組織及びその近傍領域中に滞留することにより長期間に亘って抗癌薬剤をゆっくりと放出する。
【0010】
総じて、除放性薬剤は、高価且つ複雑な調整及び確認を必要とし、疾患治療の費用を増大させる。
【0011】
従って、罹患組織、特に癌及び腫瘍組織の治療のための、単純且つ安価な治療剤送達システムであって、罹患組織内でのみ高濃度で治療剤を放出する一方で健常組織には比較的に影響を与えないシステムが依然として求められている。身体中への遅延放出のために、組織中に物質を移植する方法の提供もまた求められている。
【特許文献1】米国特許No.6602524
【特許文献2】米国再発行特許No.33375
【特許文献3】米国特許No.4536387
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本出願人は、除去された組織が、除去された前記組織中に直接注入された物質を保持可能であり、且つ該物質を長期間に亘って放出可能であることを発見した。
【0013】
本発明の目的は、罹患組織、特に癌または腫瘍組織の治療方法に関する。特に、本発明は、罹患組織への治療剤の部位特定的送達及び、送達の部位からの治療剤の遅延放出を可能にする。罹患組織をまず、例えば高周波(RF)、マイクロ波、超音波、レーザー、他の電磁波、または熱源を用いて除去し、該罹患組織を抵抗性または他の加熱機構によって殺す。除去ではしばしば全罹患細胞を殺し損ない、特に癌または腫瘍の場合には再発に至るため、その後少なくとも1つの治療剤を除去した組織に直接注入する。この方法を用いて、治療剤は当該組織中に保持され、経時的にゆっくりと放出される。この方法の利点は多大である。第一に、組織中の治療剤の保持により、罹患組織とより高濃度の治療剤とのより長期に亘る接触が可能である。第二に、治療剤、特に化学療法薬が細胞毒性であり得ることから、遅延放出であれば患者の他の場所の健常組織を損なうことがない。
【0014】
本発明の別の目的は、例えば動物中における遅延放出のための作用剤の移植方法に関する。選択組織を、例えば高周波(RF)、マイクロ波、超音波、レーザー、他の電磁波、または熱源を用いてまず除去し、該組織を加熱によって殺す。その後、作用剤を除去組織中に注入し、注入部位から長期間に亘って循環系中に放出させる。
【0015】
本発明の別の目的は、免疫療法、特に癌または腫瘍の免疫療法の方法に関する。該方法には、まず免疫化しようとする組織を、例えば高周波(RF)、マイクロ波、超音波、レーザー、または別の電磁波を用いて除去して、加熱により該組織を殺すことを含む。その後免疫調整剤(または該作用剤の組み合わせ)、例えばサイトカインを、除去した前記組織に注入して該組織に対する免疫反応を刺激する。免疫調整剤が除去組織中に保持されるため、特定組織に対する免疫反応が発生する。この方法は、癌及び腫瘍に対する免疫療法において非常に有用である。しかしながら、別の組織に対する免疫療法もまた想定される。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に使用されるように、組織除去を当業者に既知のあらゆる方法、高周波(RF)、マイクロ波、超音波、レーザー、または別の電磁波で実行し、抵抗性または他の加熱機構によって罹患組織を殺すことができる。好ましい方法は、高周波除去(RFA)である。RFAにおいては、電極を罹患組織、例えば癌または腫瘍組織に挿入し、電極から患者に流れ込む電流(電気帰路は典型的には患者の皮膚表面の大面積平面である)が抵抗性加熱により罹患組織を破壊する。簡単なRFA電極は、罹患組織中に配置された非絶縁先端部を有する導電性針である。前記針は、およそ460kHzの電気信号を発振することにより患者の皮膚表面の大面積接触面に電流を流す。前記針の先端部から放射状に流れる電流は、球状または楕円状の領域(暴露した針先端部の長さ及び形状による)に加熱を生じ、究極的には当該領域内の細胞を殺すために十分な温度を有する領域の一部に病巣を包含する。前記電極の電力は、電極に隣接する組織の炭化、沸騰、気化を防ぐように制限されるが、これは電極と残りの罹患組織との間の抵抗を非常に増大させる条件である。電極に隣接する組織は、電極近くの高い電流密度のため、最初に炭化し、かくしてエネルギー伝達の障壁を形成する。
【0017】
RFAを増大させるために、幾つかの改善及び技術開発がなされており、これら全てが本発明に好適である。RFAのための装置及び方法には、以下に制限されるものではないが、Ryanの米国特許No.6280441、及びFoleyらの同6663622、、及びSchaeferらの米国特許出願公報No.2004/0133196、Mulierらの同2004/0236322、Lee, Jr.らの同2005/0010209、及びNahviらの同2002/0022864に開示のものが含まれる。これらの開示は参照のためにここに取り込むこととする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
罹患組織を除去したところで、少なくとも1つの作用剤を除去組織に注入する。所与の体積の作用剤について、単一の注入よりも多数回の注入が好ましい。例えば、1mLの作用剤を除去組織に注入しようとする場合、それぞれ0.1mLの10回の注入が行われることが、1mLの一度の注入よりも好ましい。前記作用剤を除去組織中に分散させるために、別の装置を開発することができる。例えば、本発明を実践するためには、除去組織中の多数の部位に当該作用剤を同時に送達するための、1つ以上の針を含む注入装置を使用することが可能である。
【0019】
治療剤には、以下に限定されるものではないが、小分子、タンパク質、ペプチド、核酸(DNAまたはRNA)、細胞、薬剤、またはこれらの組み合わせであって良い。例示作用剤には、クロラムブチル、メルファラン、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾトシン、チオテパ、デカルバジン(decarbazine)メトトレキサレート、5-フルオロウラシル、シタラビン、アザリビンメルカプトプリン、チオグアニン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、アクチノマイシンD、アドリアマイシン、ブレオマイシン、ミトラマイシン、ミトマイシンC、L-アスパラギナーゼ、シスプラチン、プロカルバジン、プレドニゾン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、テストステロン、エストロゲン、インスリン、ヒドロキシウレア、免疫調整剤、抗体、抗生物質、抗ウィルス剤、及びこれらの組み合わせが使用可能である。免疫調整剤には、以下に限定されるものではないが、サイトカイン、例えばインターロイキン、インターフェロン、成長因子、ケモカイン(ある領域に細胞を誘引する作用剤)、腫瘍抗原、修飾腫瘍抗原、免疫系を修飾するDNA/RNA、または細胞、例えば免疫系由来のものを使用可能である。これらいずれの作用剤の放出もさらに遅延させるために利用しうるさらなる作用剤が使用可能である。前記治療剤は、該作用剤の性質、疾患、及び協同作用が薬理学的に示されているか否かによって、個別にまたは組み合わせとして使用して良い。前記作用剤は、特に酵素開裂、例えば加水分解が可能な結合による薬剤の変性により、あるいは導入部位で薬剤保持の持続を補助する物質を当該組成物中に導入することにより、さらに変性することができる。しかしながら、本発明者が、前記除去組織がおそらくはその脈管構造の欠如により、それ自体で前記作用剤を送達部位からの低速放出をもって長期間に亘り十分に保持することを見いだしているため、前記作用剤は変性されないことが好ましい。
【0020】
さらなる説明がなくとも、通常の知識を有する当業者であれば、以上の記載及び以下の実施例を用いて、本発明の化合物を調製し、また利用することができ、且つ請求項記載の方法を実践することができるはずである。以下の実施例は、本発明の詳説のために記載する。本発明はこの実施例に記載される特定の条件または細部に限定されるべきでないことは理解されるべきである。
【実施例】
【0021】
(実施例1−RF除去組織中におけるフルオレセイン保持)
ウシの肝臓を除去し、フルオレセインを多数回注入した。注入の有効性を示すために、前記組織を2つに分け、1Lのリン酸緩衝食塩水(PBS)中で長時間に亘り撹拌した。PBSを日毎に二週間に亘って交換した。一週間間隔で、除去組織を紫外(UV)線の下で写真に撮った。図1によれば、フルオレセインは除去組織内に少なくとも2週間は容易に検出され、この時点ではフルオレセインは依然として除去組織から溶出していた(図1のパネルC)。このアプローチは、当該技術が人の訓練及び検査の一助となるように使用可能である。
【0022】
(実施例2−RF除去組織による多数回注入)
除去し、実施例1で準備したウシの肝臓に、フルオレセインを3回、10回、または30回(総体積0.5mL)注入した。当該組織を10分間徹底的に洗浄し、保持されたフルオレセインを算出した。保持されたフルオレセインを定量化するために、洗浄した組織をホモジェナイズし、遠心分離にかけ、上澄み中のフルオレセインを、それぞれ485nm及び525nmの励起及び放出フィルターを備えた蛍光計を用いて測定した。
【0023】
図2によれば、30回注入を採用した場合、注入したフルオレセインの最高65%がRF除去した肝臓中に保持される一方で、10回及び3回注入の場合には、それぞれ49%及び41%のフルオレセインを保持していた。これは、フルオレセイン保持量が、単一針の装置を用いる場合には、注入の回数に正相関することを明示している。同様の結果を達成するために、多数針装置を開発することもできる。
【0024】
(実施例3−RF除去組織からのフルオレセインの急激な放出)
フルオレセイン放出の速度を測定するために、ウシの肝臓をRFで除去し、フルオレセインを注入した。図3には、除去組織により放出されたフルオレセインの量、並びに回収されたフルオレセイン全量のパーセンテージとして保持されたフルオレセインが示され、放出されたフルオレセインは急激な急激な減少をたどった。しかしながら、洗浄を一週間継続した後に、除去組織は依然として当初の50%より多量のフルオレセインを含んでいた。これらのデータは、生体外モデルにおいて、RF除去組織が、長期間に亘ってゆっくりと放出可能な、高い局所濃度の分子を送達する機構を提供することを示した。
【0025】
(実施例4−生体内モデルにおける、RF除去した皮下腫瘍のフルオレセイン保持)
雌のBalb/cマウスに、脇腹から106のRas-6腫瘍細胞を注入した。Ras-6腫瘍は、変異ras遺伝子を有するp53-ヌルBALB/cハツカネズミ胚線維芽細胞系列のトランスフェクションによって得た。前記腫瘍が0.5-1cmの大きさに達したところで、前記動物に全身麻酔をかけ、前記腫瘍を0.7cmの多枝(multi-tined)プローブを用いて除去した。RFAは、1-3ワットの電力から開始し、該電力を30秒ごとに増大させることによって達成した。特別の抵抗回路を回路内に設置し、RFAジェネレータに組み込まれた低い抵抗デフォルト割り込みエラーを回避した。RFAに次いで、前記腫瘍に、1乃至3回の注射を利用して全体積で50μlのフルオレセインを注入した。様々な間隔で、前記動物を犠牲にし、保持されているフルオレセインを検定した。図4は、1、3、及び8日後の残留フルオレセインを示す。生体外研究と一貫して、フルオレセインの量はこの時間間隔に亘って減少しているが、しかし、相当量のフルオレセインが、生体内では少なくとも8日間に亘って除去された腫瘍に残存する。
【0026】
(実施例5−臨床研究における、RF除去した肝腫瘍のフルオレセイン保持)
切除不可能な肝転移性または肝細胞性の癌を有する六名の患者が、インフォームドコンセントの後にInternal Review Board認可のプロトコルに参加した。適格性は、患者が治療の目的でRFAを受けることを要する。RFAを、RadioTherapeutics(登録商標)装置をその説明書に従って使用して行った。次いで、1mlの10%フルオレセインを除去組織中に注入した(20回の別々の注入)。
【0027】
98%のフルオレセインが尿中に排出されるため、放出され、保持されるフルオレセインの量は一連の尿サンプルから推定できる。最初の朝に排尿された尿サンプルを連続して回収し、フルオレセイン検出を行った。保持されたフルオレセインは、注入された全フルオレセイン(100mg)から、推定される排出フルオレセイン(測定されたフルオレセイン(mg/mL)×推定される1日当たり2Lの尿体積)を減算することによって算出した。
【0028】
図5は、12日間に亘る6名の患者についての尿中のフルオレセイン濃度を示す。黒線は、6名の患者全員の傾向を示す。点線は、12日後に除去腫瘍中に保持されていたフルオレセインの理論値を表し、これは、12日後にも90%より高い保持を示す。
【0029】
本発明の現在好ましい所定の実施態様がここに特に記載されるが、当業者には、ここに明示され、詳説される様々な実施態様の変形及び修正を、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく実行可能なことが明らかである。したがって、本発明は、添付の請求項及び適用可能な法規則によって要求される程度にのみ制限されることを企図する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、除去されたウシの肝臓におけるフルオレセイン保持の各時点での写真を示す。
【図2】図2は、注入回数に対するフルオレセイン保持量の依存関係を示すグラフである。
【図3】図3は、除去したウシ肝臓組織からのフルオレセインの急激な放出を示す図である。
【図4】図4は、RFAで処理し、フルオレセインを注入したマウス腫瘍における、1、3、及び8日後の残留フルオレセインを示す図である。
【図5】図5は、その腫瘍をRFAで処置し、フルオレセインを注入した六名の患者の尿中のフルオレセイン濃度を示す図である。
【図6】図6は、図5の六名の患者のうち一人の尿中のフルオレセイン濃度及び腫瘍中に保持されたフルオレセインの計算値を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)腫瘍組織を除去する工程;及び
b)除去した腫瘍組織に治療剤を注入する工程;
を含む、腫瘍組織の処理方法。
【請求項2】
前記治療剤が、化学療法薬である、請求項1の方法。
【請求項3】
前記治療剤が、免疫調節剤である、請求項1の方法。
【請求項4】
前記治療剤が、サイトカイン、インターフェロン、成長因子、ケモカイン、腫瘍抗原、修飾腫瘍抗原、DNA/RNA、または細胞からなる群より選択される、請求項1の方法。
【請求項5】
前記工程b)が、多数回注入を含む、請求項1の方法。
【請求項6】
前記工程a)が、高周波除去(RFA)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
a)罹患組織を除去する工程;及び
b)RF除去した罹患組織に前記疾患の治療剤を注入する工程;
を含む、罹患組織の処理方法。
【請求項8】
前記治療剤が、抗生物質、抗ウィルス剤、抗体、サイトカイン、ケモカイン、成長因子、免疫調節化合物、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項7の方法。
【請求項9】
前記工程b)が、多数回注入を含む、請求項7の方法。
【請求項10】
前記工程a)が、高周波除去(RFA)を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
a)選択組織を除去する工程;及び
b)除去した罹患組織に薬剤を注入する工程;
を含む、遅延放出のための組成物の移植方法。
【請求項12】
前記選択組織が、健常組織である、請求項11の方法。
【請求項13】
前記選択組織が、筋組織または肝組織である、請求項11の方法。
【請求項14】
前記組成物が、薬剤、ホルモン、ペプチド、タンパク質、核酸、腫瘍抗原、ケモカイン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項11の方法。
【請求項15】
前記工程b)が、多数回注入を含む、請求項10の方法。
【請求項16】
前記工程a)が、高周波除去(RFA)を含む、請求項10に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−529542(P2007−529542A)
【公表日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−504076(P2007−504076)
【出願日】平成17年3月16日(2005.3.16)
【国際出願番号】PCT/US2005/008796
【国際公開番号】WO2005/089398
【国際公開日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(506313729)
【Fターム(参考)】