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徐放性組成物
説明

徐放性組成物

【課題】タンパク質をポリオール及び金属により安定化させた組成物の提供。
【解決手段】組成物はタンパク質、ポリオール及び金属を含有し、タンパク質はポリオール及び金属により安定化されており、有機溶媒と接触した場合の変性から保護されている。ポリオールと金属とは共同して、ポリオール又は金属が別々に有する効果から予期されるよりも、より高いタンパク質立体構造と活性の相乗的保護性をもたらす。ポリオールは炭素に結合した二又はそれ以上のヒドロキシル基(-OH)を含む炭化水素であり、金属は二価である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
タンパク質ベースの治療は、他の医薬品より、患者に投与することが困難であるとされている。タンパク質の有効性はその立体構造に関与しているため、治療製剤を、タンパク質のアンフォールディング又は変性を助長する条件下におくことはできない。典型的にはタンパク質ベースの治療剤の調製、保管及び投与には特別な注意が必要である。タンパク質の如何なる変性も避けることに加えて、多くの場合、患者に投与されるタンパク質の量を経時的に制御することが望ましい。これは、患者体内のタンパク質濃度が、所望しないほど高くなったり、あまりに低くて有効でなくなったりすることを回避するのに有効である。放出制御されたタンパク質ベースの治療剤は、錠剤又はカプセルの経口送達、パウダーの吸入、及びタンパク質が徐々に放出されるデポーの移植を含む種々の方法により投与することができる。
【0002】
これらの製剤の調製には、典型的にはタンパク質を有機溶媒と混合することが含まれる。例えば、パウダー製剤は、有機溶媒とタンパク質との混合物を液体窒素中にスプレーすることにより製造され得る。別法として、タンパク質を、有機溶媒中に入れた生体内崩壊性ポリマー溶液と混合し、該混合物を凝固させることにより、タンパク質とポリマーを含有する微小粒子を形成してもよい。さらに、タンパク質、パウダー状製剤又は微小粒子を有機溶媒と混合して、患者に注射されうる液体又はゲルを製造することができる。有機溶媒を使用することの欠点は、それらがタンパク質の変性の原因となる傾向があることにある。
【0003】
添加剤が、変性有機溶媒の存在下にあるタンパク質を安定化させるために使用されている。これらの添加剤には界面活性剤(U.S. Pat. No.5,096,885)、アミノ酸(U.S. Pat. No.4,297,344)、ポリオール類(U.S. Pat. No.5,589,167)、天然ポリマー(WO8903671)、合成ポリマー(Pharm. Res. 8:285-291, 1991)、及び金属(U.S. Pat. No.6,191,107B1)が含まれる。
タンパク質ベースの治療剤の調製、保管及び投与中におけるタンパク質の安定化を改善する必要がある。有機溶媒中で良好な安定性を有するタンパク質製剤は、非常に多様な放出制御用途において有用である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5589167号
【特許文献2】米国特許第6191107号
【発明の概要】
【0005】
第1の側面において、本発明は、タンパク質、ポリオール及び金属を含有する組成物である。
第2の側面において、本発明は、タンパク質を必要としている患者に上述した組成物を注射することを含む、タンパク質の投与方法である。
第3の側面において、本発明は、錯体と液状担体を混合して徐放性組成物を生成させることを含む、徐放性組成物の製造方法である。液状担体はスクロースアセタートイソブチラートを含有し;錯体はタンパク質、ポリオール及び亜鉛を含有する。
第4の側面において、本発明は、容器、タンパク質、ポリオール、金属及び液状担体を含むキットである。液状担体はスクロースアセタートイソブチラートを含有する。
【0006】
第5の側面において、本発明は、タンパク質、アルコール及び金属を含有する組成物である。アルコールは、単糖類、多糖類、グリセロール、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、及びポリエチレングリコールからなる群から選択される。
第6の側面において、本発明は、タンパク質を必要としている患者に上述した組成物を注射することを含む、タンパク質の投与方法である。
第7の側面において、本発明は、錯体と液状担体を混合して徐放性組成物を形成させることを含む、徐放性組成物の製造方法である。液状担体はスクロースアセタートイソブチラートを含有し;錯体はタンパク質、アルコール及び亜鉛を含有する。アルコールは、単糖類、多糖類、グリセロール、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、及びポリエチレングリコールからなる群から選択される。
第8の側面において、本発明は、容器、タンパク質、アルコール、金属及び液状担体を含むキットである。液状担体はスクロースアセタートイソブチラートを含有する。アルコールは、単糖類、多糖類、グリセロール、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、及びポリエチレングリコールからなる群から選択される。
本発明の種々の他の目的、特徴及び付随する利点は、同じ部材には幾つかの図面を通して同じ符号が用いられている添付図面と共に、次の詳細な説明を参照することにより、より十分に理解されるであろう。
【0007】
(詳細な説明)
本発明は、ポリオール及び金属によりタンパク質を安定化させ、タンパク質が有機溶媒と接触した際、タンパク質を変性から保護することを含む。天然タンパク質の立体構造の保持度合いは、ポリオールと金属の双方とのタンパク質の組合せの驚くべき、また予期しない効果である。ポリオールと金属とは共同して、ポリオール又は金属が別々に有する効果から予期されるよりも、より高いタンパク質立体構造と活性の相乗的保護性をもたらす。
【0008】
ポリオールはアルコールであり、炭素に結合した二又はそれ以上のヒドロキシル基(-OH)を有する任意の炭化水素であってよく、ここで炭化水素は、酸素、窒素、硫黄、リン及びハロゲン等のヘテロ原子をさらに含有してもよい、炭素及び水素を含有する化合物を称する。ポリオールなる用語では、以下のテストに従い、少なくとも40%のモノマー回収率をもたらさない化合物は除外される。
【0009】
25mMの重炭酸ナトリウムに組換えヒト成長ホルモン(rhGH, GENENTECH, S.San Francisco, CA)が入った混合物(25mg rhGH/mL)を、成長ホルモンに対して亜鉛が10:1のモルになるように、酢酸亜鉛と組み合わせる。この混合物に1重量%(wt%)のテストされるポリオールを添加する。ついで、溶媒の容量(mL)に対するタンパク質質量(mg)の比が5mg/mLになるように、1.0mgのこの混合物のサンプルを、N-メチルピロリジオノン(NMP)に添加する。得られた混合物を、シェア・ホモジナイザー・チップを用い、8000rpmで2分間ホモジナイズし、ついで37℃で24時間インキュベートする。rhGHを10倍過剰の安定化バッファー(5mM EDTA、50mM HEPES、0.01% NaN3、pH8.0)に希釈することにより回収する。この工程で回収されたタンパク質の量及び質を、室温で7.8x300mmのTSK2000-SWXLカラム、移動相50mM NaH2PO4、150mMのNaCl、pH7.2を用い、流量1.0ml/分、操作時間20分にて、サイズ排除クロマトグラフィー-高速液体クロマトグラフィー(SEC-HPLC)によって測定する。タンパク質(10μg)を注入し、溶離液を214nmの吸光度でモニターする。
【0010】
ポリオール類の例には、単糖類、例えばグルコース、フルクトース及びリボースで環状の異性体を含むもの;グリセロール;マンニトール;ソルビトール;イノシトール;二糖類を含む多糖類、例えばスクロース、トレハロース、ラクトース、マルトース及びセロビオース、及び三糖類、例えば3-フコシルラクトース及び血液型Bの三糖類;及びポリエーテル類、例えばポリエチレングリコール類(PEG's)が含まれる。「ポリエーテル」なる用語は、3又はそれ以上のエーテル結合(C-O-C)を有する炭化水素を意味する。ポリオールは置換されていてもよい。「置換された」とは、当該部分が少なくとも一の、好ましくは1-3の置換基(群)を有していることを意味する。適切な置換基には、エーテル(-O-C-)、アミノ(-NH2)、オキシ(-O-)、カルボニル(>C=O)、チオール等が含まれる。好ましくは、ポリオールはマンニトール、トレハロース又はポリエチレングリコールである。好ましいポリエチレングリコールは、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で測定して、400kDa〜8000kDaの分子量を有する。より好ましくは、ポリエチレングリコールは、400kDa〜3500kDaの分子量を有する。ポリオールは約70000kDa未満の分子量を有することが好ましい。
【0011】
製剤中のタンパク質及びポリオールの相対量は、タンパク質の変性が最小になるように選択される。与えられたタンパク質において、理想的な比率は使用されるポリオールに応じて変わり得る。好ましくは、タンパク質に対するトレハロースの質量比は、100:1〜1:100である。より好ましくは、タンパク質に対するトレハロースの質量比は、1:1〜1:10である。さらに好ましくは、タンパク質に対するトレハロースの質量比は、1:3〜1:4である。好ましくは、タンパク質に対するマンニトールの質量比は、100:1〜1:100である。より好ましくは、タンパク質に対するマンニトールの質量比は、1:1〜1:10である。さらに好ましくは、タンパク質に対するマンニトールの質量比は、1:1〜1:2である。好ましくは、タンパク質に対するPEGの質量比は、100:1〜1:100である。より好ましくは、タンパク質に対するPEGの質量比は、1:1〜1:10である。
【0012】
金属は好ましくは二価である。より好ましくは、金属は亜鉛である。金属は金属錯体とタンパク質の水溶液を混合することにより、タンパク質に添加され得る。例えば、酢酸亜鉛、酸化亜鉛、又は炭酸亜鉛等の亜鉛錯体を、バッファーにタンパク質が溶解した溶液又は懸濁した懸濁液に添加してもよい。好ましくは、タンパク質に対する金属のモル比は1:1〜100:1である。より好ましくは、タンパク質に対する金属のモル比は1:1〜20:1である。さらに好ましくは、タンパク質に対する金属のモル比は1:1〜10:1である。
【0013】
本発明で有用なタンパク質には、例えば、分子、例えばサイトカイン類及びそれらのレセプター、並びにサイトカイン類又はそれらのレセプターを含むキメラタンパク質で、例えば腫瘍壊死因子アルファ及びベータ、それらのレセプター(TNFR-1;Grayら,(1990)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:7380-7384;及びTNFR-2;Kohnoら,(1990)Proc. Natl. Acad. Sci.USA 87:8331-8335)及びそれらの誘導体を含むもの;レニン;ヒト成長ホルモン、ウシ成長ホルモン、メチオニン-ヒト成長ホルモン、des-フェニルアラニンヒト成長ホルモン、及びブタ成長ホルモンを含む成長ホルモン;成長ホルモン放出因子(GRF);副甲状腺及び下垂体ホルモン;甲状腺刺激ホルモン;ヒト膵臓ホルモン放出因子;リポタンパク質;コルヒチン;プロラクチン;コルチコトロフィン(corticotrophin);甲状腺ホルモン;オキシトシン;バソプレシン;ソマトスタチン;リプレシン;パンクレオザイミン;ロイプロリド;アルファ-1-アンチトリプシン;インシュリンA鎖;インシュリンB鎖;プロインシュリン;卵胞刺激ホルモン;カルシトニン;黄体形成ホルモン;黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH);LHRHアゴニスト及びアンタゴニスト;グルカゴン;凝固因子、例えば因子VIIIC、因子IX、組織因子、及びフォン・ヴィレブランド因子;抗凝固因子、例えばプロテインC;心房性ナトリウム利尿因子;肺表面活性剤;組織型プラスミノーゲンアクチベータ(t-PA)以外のプラスミノーゲンアクチベータ、例えばウロキナーゼ;ボンベシン;トロンビン;造血成長因子;エンケファリナーゼ;RANTES(regulated on activation normally T-cell expressed and secreted);ヒトマクロファージ炎症タンパク質(MIP-1-アルファ);血清アルブミン、例えばヒト血清アルブミン;ミュラー阻害物質;レラキシンA鎖;レラキシンB鎖;プロレラキシン;マウスゴナドトロピン結合ペプチド;絨毛性ゴナドトロピン;ゴナドトロピン放出ホルモン;ウシソマトトロピン;ブタソマトトロピン;微生物タンパク質、例えばベータ-ラクタマーゼ;DNアーゼ;インヒビン;アクチビン;血管内皮増殖因子(VEGF);ホルモン又は成長因子のレセプター;インテグリン;プロテインA又はD;リウマトイド因子;神経栄養因子、例えば骨由来神経栄養因子(BDNF)、ニューロトロフィン(neurotrophin)-3、-4、-5又は-6(NT-3、NT-4、NT-5又はNT-6)、又は神経成長因子、例えばNGF-β;血小板由来増殖因子(PDGF);線維芽細胞増殖因子、例えばaFGF及びbFGF;表皮増殖因子(EGF);形質転換成長因子(TGF)、例えばTGF-アルファ及びTGF-ベータで、TGF-β1、TGF-β2、TGF-β3、TGF-β4又はTGF-β5を含むもの;インシュリン様成長因子-I及び-II(IGF-I及びIGF-II);des(1-3)-IGF-I(大脳IGF-1)、インシュリン様成長因子結合タンパク質;CDタンパク質、例えばCD-3、CD-4、CD-8及びCD-19;エリスロポエチン;骨誘導性因子;抗毒素;骨形成タンパク質(BMP);インターフェロン、例えばインターフェロン-アルファ、-ベータ、-ガンマ及びコンセンサスインターフェロン;コロニー刺激因子(CSF)、例えばM-CSF、GM-CSF及びG-CSF;インターロイキン類(IL)、例えばIL-1ないしIL-10;スーパーオキシドジスムターゼ;T細胞レセプター;表面膜タンパク質;崩壊促進因子(decay accelerating factor);ウイルス抗原、例えばHIV-1エンベロープ糖タンパク質の一部、gp120、gp160又はそれらの断片;輸送タンパク質;ホーミング受容体;アドレシン;排卵抑制剤、例えばプロスタグランジン類;排卵促進剤;調節タンパク質;抗体及びキメラタンパク質、例えばイムノアドヘシン類;これらの化合物の類似体及び誘導体、及びこれらの化合物の製薬的に許容可能な塩、又はそれらの類似体又は誘導体が含まれる。
【0014】
好ましくは、タンパク質は単鎖当たり120までのアミノ酸を含有する。好ましくは、タンパク質は金属と錯化可能である。タンパク質-金属の錯化は、生理学的温度及びpHの水で測定してマイクロモル(μM)又はより小さいオーダーの解離定数(KD)を有する。KD値は未錯体化金属と未錯体化タンパク質の濃度の積を、タンパク質-金属錯体の濃度で割ったものと定義される。同じ条件下におけるタンパク質と金属との非特異的相互作用では、ミルモル(mM)オーダーのKDを有する。好ましくは、タンパク質-金属錯体は、0.1μM又はそれより小さいKDを有する。より好ましくは、タンパク質-金属錯体は、0.01μM又はそれより小さいKDを有する。
【0015】
より好ましくは、タンパク質は、成長ホルモン、例えばヒト成長ホルモン(hGH)、組換えヒト成長ホルモン(rhGH)、ウシ成長ホルモン、メチオニン-ヒト成長ホルモン、des-フェニルアラニンヒト成長ホルモン、及びブタ成長ホルモン;インシュリン、インシュリンA鎖、インシュリンB鎖及びプロインシュリン;又は成長因子、例えば血管内皮増殖因子(VEGF)、神経成長因子(NGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、表皮増殖因子(EGF)、形質転換成長因子(TGF)、及びインシュリン様成長因子-I及び-II(IGF-I及びIGF-II)である。
【0016】
ポリオール及び金属で安定化されたタンパク質の製剤は、他の成分をさらに含有してよい。これらの成分には、例えば保存料、酸化防止剤、充填剤、界面活性剤、キレート剤、乳化剤、及び他の賦形剤が含まれる。「賦形剤」なる用語は、製薬用組成物に添加されて、所望の粘稠度又は安定化効果を付与する非治療剤を称する。保存料には、例えばフェノール、ベンジルアルコール、メタクレゾール、メチルパラベン、プロピルパラベン、塩化ベンザルコニウム、及び塩化ベンゼトニウムが含まれる。界面活性剤には、例えばポリソルベート(POLYSORBATE)20及び80が含まれる。
任意の他の成分と、タンパク質、ポリオール及び金属は、単一の工程又は二又はそれ以上の工程で組合せられる。好ましくは、タンパク質はポリオールの添加前に金属と錯化される。例えば、タンパク質、ポリオール、金属及び任意の成分は、水性バッファーと混合されて、溶液、エマルション又は懸濁液を形成し得る。有用なバッファーには、例えばホスファート、トリス、シトラート、スクシナート、アセタート及びヒスチジンバッファーが含まれる。典型的には、バッファーは約2mM〜約100mMの範囲である。好ましいバッファーには、コハク酸ナトリウム及びリン酸カリウムバッファーが含まれる。
【0017】
タンパク質、ポリオール及び金属の水性製剤は、タンパク質ベースの治療法において投与するのに使用されてもよく、又は該製剤はさらに加工されてもよい。例えば製剤は、凍結乾燥又はフリーズドライにより固形物に転換されてもよく、又は生体内崩壊性ポリマーに導入されてもよい。生体内崩壊性ポリマーは、生物体内部に配されたとき分解するが、これは、経時的にポリマーの分子量が減少することにより測定される。ポリマーの分子量はサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を含む種々の方法により測定することができ、一般的に重量平均値又は数平均値として表される。ポリマーは、pH7.4で37℃の温度のリン酸バッファー溶液(PBS)中にある場合、その重量平均分子量が、SECで測定して、6ヶ月間以上で少なくとも25%まで低減するならば、生体内崩壊性である。有用な生体内崩壊性ポリマーには、ポリエステル、例えばポリ(カプロラクトン)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(乳酸)及びポリ(ヒドロキシブチラート);ポリ無水物、例えばポリ(無水アジピン酸)及びポリ(無水マレイン酸);ポリジオキサノン;ポリアミン類;ポリアミド類;ポリウレタン類;ポリエステルアミド類;ポリオルトエステル類;ポリアセタール類;ポリケタール類;ポリカーボナート類;ポリオルトカーボナート類;ポリホスファゼン類;ポリ(マレイン酸);ポリ(アミノ酸);ポリビニルピロリドン;ポリ(メチルビニルエーテル);ポリ(アルキレンオキサラート);ポリ(アルキレンスクシナート);ポリヒドロキシセルロース;キチン;キトサン;及びコポリマー、及びそれらの混合物が含まれる。タンパク質は、外科的に移植されるモノリシック移植片を調製し、又はタンパク質を含有する生体内崩壊性ポリマーの微粒子を調製することにより、生体内崩壊性ポリマー内に導入される。
【0018】
本組成物は、液状担体をさらに含有してよい。好ましくは、タンパク質、ポリオール及び金属の製剤が、患者に注射される液状担体と混合され得るが;しかしながらこれらの成分の混合順は任意である。固形製剤及び微小粒子は、液体状担体と混合されて、注射されてもよい。タンパク質と金属とを組合せた質量に対する液状担体の容量の比は、99:1〜70:30w/vであることが好ましい。より好ましくは、タンパク質及び金属に対する液状担体の比は、95:5〜85:15w/vである。注入により移植片を投与するには、液状混合物が、体液との接触時にデポーに転換されることが好ましい。このデポーは、生理学的液体からの相分離と、当初の液体組成物に対するその粘度増加により特徴付けられる。タンパク質を制御して放出する作用をなすのはこのデポーである。
【0019】
液状担体は、投与時に固化する生体内崩壊性ポリマーであってもよい。また、液状担体は、投与時に粘度を増加させる薬剤であってもよい。これらの薬剤の例には、SABER系(SOUTHERN BIOSYSTEMS, Birmingham, AL)に使用されているようなスクロースアセタートイソブチラート(SAIB)、及びヒアルロン酸が含まれる。SABER系は、非重合体の液状物質と有機溶媒とからなる、注射可能な薬物送達系である(U.S. Pat. No.5,747,058;Smith及びTipton(1996) Pharmaceutical Research 13(3):300)。SABERは、注射後に粘度が急速に増加する低粘度の液体として注射される。得られる高粘度のマトリックスには、粘着性、生体内分解性及び生体適合性がある。
SABER系における非重合体の液状物質は、周囲の生理学的条件下でそのままでは結晶化されず、37℃で少なくとも5000センチポアズ(cP)の粘度を有する非水溶性液体である。液体の粘度は、25℃の温度でCANON-FENSKE粘度計を使用して測定することができる。液状物質及び溶媒を含むSABER組成物の動粘度は、好ましくは室温で1000cP未満である。より好ましくは、SABER組成物の動粘度は、室温で200cP未満である。適切な液状物質にはステアリン酸エステル、ステアリン酸アミド類、長鎖の脂肪酸アミド、長鎖の脂肪アルコール、長鎖のエステル、及び二糖類エステルが含まれる。好ましくは、液状物質は、アセチル化されたスクロースジステアラート、二糖類アセタートブチラート、又はSAIBである。溶媒に対する液状物質の質量比は、好ましくは50:50〜85:15w/wである。より好ましくは、溶媒に対する液状物質の質量比は50:50〜70:30w/wである。
【0020】
これらの製剤は、典型的には一又は複数の有機溶媒、例えば塩化メチレン、酢酸エチル、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)、エタノール(EtOH)、N-メチルピロリドン(NMP)、安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール、ミグリオール、及び炭酸プロピレンをさらに含有する。有機溶媒の存在下におけるタンパク質の安定性は、溶媒からタンパク質を回収し、無傷(すなわち変性していない)タンパク質のパーセントを測定することにより決定される。変性したタンパク質は凝集する傾向があるため、変性していないタンパク質はモノマーと称される。モノマーのパーセントは、HPLC-SECにより測定することができる。好ましくは、回収されたモノマーのパーセントは35%〜100%である。より好ましくは、回収されたモノマーのパーセントは70%〜100%である。さらに好ましくは、回収されたモノマーのパーセントは90%〜100%である。またさらに好ましくは、回収されたモノマーのパーセントは95%〜100%である。また好ましくは、回収されたモノマーのパーセントは99%〜100%である。
【0021】
組成物がインビボ投与される場合、好ましくは10%未満のタンパク質が、投与24時間以内に持続性薬剤から放出され、より好ましくは5%未満のタンパク質が、投与24時間以内に持続性薬剤から放出され、さらに好ましくは1%未満のタンパク質が、投与24時間以内に持続性薬剤から放出され、またさらに好ましくは0.2%未満のタンパク質が、投与24時間以内に持続性薬剤から放出され、またさらに好ましくは0.01%未満のタンパク質が、投与24時間以内に持続性薬剤から放出される。組成物が投与される生物体は、例えばラット又はヒトであってよい。
【0022】
タンパク質の放出は、好ましくは数日、数週間又は数ヶ月の期間を超えて生じる。好ましくは、タンパク質の全量の少なくとも25%が投与1年以内に放出され、より好ましくは、タンパク質の全量の少なくとも25%が投与1ヶ月以内に放出され、最も好ましくは、タンパク質の全量の少なくとも25%が投与1週間以内に放出される。また、好ましくは、タンパク質の全量の少なくとも20%が投与1年以内に放出され、より好ましくは、タンパク質の全量の少なくとも20%が投与1ヶ月以内に放出され、最も好ましくは、タンパク質の全量の少なくとも20%が投与1週間以内に放出される。放出期間の所望する長さは、所望する生理学的処理に応じて変えられる。24時間以内に放出されるタンパク質の量は0.01%〜5%であることが好ましい。より好ましくは、24時間以内に放出されるタンパク質の量は0.05%〜3%である。さらにより好ましくは、24時間以内に放出されるタンパク質の量は1%〜3%である。
【0023】
組成物は、図1に例示するバイアル10等の滅菌容器に簡便に包装され得る。この容器は、滅菌シリンジと針を具備していてもよいキットの一部であり得る。バイアル10はセプタム12でシールされていてもよい。このセプタムにより液体14がシールされ、針及びシリンジが貫通して、混合物を取り出せるようになっている。バイアルはタンパク質の放出制御に必要な全ての成分を収容し得る。バイアル中の液状組成物は、好ましくは単位投薬量のタンパク質を収容している。混合物の最終使用者が、さらなる成分を添加したり、又は投与前に用量を測定する必要のないことが好ましい。液状組成物は、注射により直接投与することができるように、シリンジ内に収容されていてもよい。
【0024】
また、本組成物は一を越える容器に包装されていてもよい。例えば、液状担体が一つのバイアル内にあり、溶媒又は溶媒混合物にタンパク質混合物が入ったものが他のバイアル内にあってもよい。溶媒及び/又は溶媒混合物は、液状担体と同一でも異なっていてもよい。バイアルの内容物は組合せて混合されたものであってもよく、最終組成物は注射により投与される。他の例は、タンパク質、ポリオール及び金属の処方物が一つの容器内にあってもよく、液状担体が他の容器内にあってもよい。タンパク質、ポリオール及び金属は共にパウダーとして提供されてもよく、またタンパク質、ポリオール及び金属は共に錠剤又はカプセルとして提供されてもよい。タンパク質、ポリオール及び金属は、液状担体と組み合わされてよく、最終組成物が注射により投与される。他の例において、ポリオール及び金属は、液状担体中の混合物としてバイアルで提供され、タンパク質は別個の容器内に提供され得る。あるいは、タンパク質は液状担体中の混合物としてバイアルで提供され、ポリオール及び金属が別個の容器内に提供され得る。容器内の内容物は、液体製剤が形成され、最終組成物が注射により投与されるように組合せられ得る。
組成物のパッケージ又はその部品は、好ましくは使い捨て、さらに好ましくはリサイクル可能なものである。組成物及びそのパッケージは滅菌されていることが好ましい。
【実施例】
【0025】
実施例1−安定化されたタンパク質製剤
成長ホルモンの固形製剤を、25mMの重炭酸ナトリウムにrhGH(GENENTECH, S. San Francisco, CA)が入ったもの(25mg rhGH/mL)と酢酸亜鉛とを、成長ホルモンに対する亜鉛のモル比が10:1になるように組み合わせることによって製造した。製剤2及び5においては、ポリオールを示した濃度でこの混合物に添加した。製剤3及び4においては、ポリオールの添加前又は添加後のいずれも、亜鉛を添加しなかった。製剤1においては、rhGHと亜鉛の混合物に、ポリオールを添加しなかった。
タンパク質の安定性に対する有機溶媒の効果を、無水エタノール(EtOH)又はN-メチルピロリジオノン(NMP)に、rhGHの固形製剤(1.0mg)を添加することにより測定した。溶媒の容量(mL)に対するタンパク質の質量(mg)比は5mg/mLであった。タンパク質を添加後、シェア・ホモジナイザー・チップを用いて、2分間、8000回転でサンプルをホモジナイズした。得られた懸濁液を37℃で24時間インキュベートした。rhGHを、10倍過多の安定化バッファー(5mM EDTA、50mM HEPES、0.01% NaN3、pH8.0)で希釈することにより回収した。この工程で回収されたタンパク質の量及び質を、サイズ排除クロマトグラフィー-高速液体クロマトグラフィー(SEC-HPLC)で測定し、結果を表1に示す。7.8x300mmTSK2000-SWXLカラム、移動相50mMのNaH2PO4、150mMのNaCl、pH7.2を使用し、室温でSEC-HPLCを作動させた。流量は1.0ml/分であり、作動時間は20分である。タンパク質(10μg)を注射し、溶離液を214nmの吸光度でモニターした。
【0026】
安定した製剤の規準は、凝集を生じることのない単量体rhGHの最大回収率である。各製剤の対照サンプルを、有機溶媒に暴露させることなく、バッファー中でインキュベートすることにより分析したところ、その結果は、各製剤の出発物質が、ほとんど凝集体を含有していなかったことを示している。
ポリオールと亜鉛が存在すると、エタノール及びNMPに暴露された後の変性から、タンパク質が良好に保護される。ポリオールと亜鉛の双方を含有する処方物により、ポリオールのみ、又は亜鉛のみで安定化された処方物よりも、より高いモノマー回収率が生じた。
【表1】

【0027】
実施例2−徐放性製剤
成長ホルモンの固形製剤を、亜鉛及び/又はポリオールとrhGHとを組み合わせることによって製造した。製剤12-20において、25mMの重炭酸ナトリウムにrhGHが入ったもの(25mg rhGH/mL)と酢酸亜鉛とを、成長ホルモンに対する亜鉛のモル比が10:1になるように組み合わせた。製剤12-19において、ポリオールを濃度が示されたこの混合物に添加した。製剤13及び17は、0.02%のポリソルベート20をさらに含有しており、ポリオールが添加されている。製剤6-11においては、亜鉛を添加することなく、rhGH混合物にポリオールが添加された。
【0028】
放出制御系におけるタンパク質の安定性に対するポリオール及び亜鉛の効果は、2mLの放出用バッファーにSABER(100μL)が入ったものに、rhGH製剤を添加することにより測定した。製剤は、SAIB及びベンジルアルコールの80:20混合物中に、5%の量のrhGHを含有する。バッファーは、50mMのHEPES、95mMのKClで、pH7.2であった。得られた懸濁液を、37℃で24時間保管した。この工程で回収されたタンパク質の量及び質をSEC-HPLCにより測定し、その結果を表2に示す。全放出媒体をSEC-HPLCにより分析し、Maa等, J. Pharm Sci. 2(87)152-159, 1998に記載された方法と類似した方法を使用し、存在する非凝集タンパク質のパーセント及びタンパク質の全含有量を測定した。
【0029】
ポリオールのみ又は亜鉛のみを含有する製剤では、最大91.5%のモノマー回収率で、有意なタンパク質の変性が生じる。ポリオールと亜鉛の双方が存在すると、変性からタンパク質が効果的に保護された。これらの製剤では、約99%のモノマー回収率が得られている。ポリオールと亜鉛とを組み合わせると、デポーからのタンパク質の放出速度が、24時間で10〜15%放出されるようにすることができる。
【表2】


本発明の多くの修正及び変形が、上述した教示に鑑みて可能であることは明らかである。よって、添付される特許請求の範囲に入る限り、本発明をここで特に記載したもの以外の形で実施してもよいことが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は注射可能な組成物を含むバイアルの図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンパク質と;
ポリオールと;
金属カチオンと;
を含有する組成物。
【請求項2】
ポリオールが、単糖類、多糖類、グリセロール、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、及びポリエチレングリコールからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ポリオールが、マンニトール、トレハロース及びポリエチレングリコールからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
タンパク質に対するポリオールの質量比が100:1〜1:100である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
タンパク質に対するポリオールの質量比が1:1〜1:10である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
金属カチオンが二価である、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
金属カチオンが亜鉛である、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
タンパク質に対する亜鉛のモル比が1:1〜100:1である、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
タンパク質に対する亜鉛のモル比が1:1〜20:1である、請求項7に記載の組成物。
【請求項10】
タンパク質に対する亜鉛のモル比が1:1〜10:1である、請求項7に記載の組成物。
【請求項11】
タンパク質が、成長ホルモン、インシュリン及び成長因子からなる群から選択される、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
担体物質をさらに含有しており、
該担体物質は、周囲の生理学的条件下でそのままでは結晶化されず、37℃で少なくとも5000cPの粘度を有する非重合体の非水溶性液状物質を含んでなる、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
液状物質が、ステアリン酸エステル、ステアリン酸アミド、長鎖の脂肪酸アミド、長鎖の脂肪アルコール、長鎖のエステル、又は二糖類エステルである、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
液状物質がアセチル化スクロースジステアラートである、請求項12に記載の組成物。
【請求項15】
液状物質が二糖類アセタートブチラートである、請求項12に記載の組成物。
【請求項16】
液状物質がスクロースアセタートイソブチラートである、請求項12に記載の組成物。
【請求項17】
組成物が、室温で1000cP未満の粘度を有する、請求項1ないし16のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項18】
組成物が、室温で200cP未満の粘度を有する、請求項1ないし16のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項19】
タンパク質の投与方法において、前記タンパク質が必要とされている患者に、請求項1ないし18のいずれか1項に記載の組成物を注射することを含む方法。
【請求項20】
10%未満のタンパク質が、投与24時間以内に放出される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
0.2%未満のタンパク質が、投与24時間以内に放出される、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
24時間以内に放出されるタンパク質のパーセントが0.05%〜3%である、請求項19ないし21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
24時間以内に放出されるタンパク質のパーセントが1%〜3%である、請求項19ないし21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
徐放性組成物の製造方法において、
錯体と液状担体を混合して、徐放性組成物を生成させることを含み;
前記液状担体がスクロースアセタートイソブチラートを含み;
前記錯体がタンパク質、ポリオール及び亜鉛を含有する方法。
【請求項25】
前記徐放性組成物が、室温で1000cP未満の粘度を有する、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記徐放性組成物が、室温で200cP未満の粘度を有する、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
タンパク質に対する亜鉛のモル比が100:1〜1:1である、請求項24ないし26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
タンパク質に対する亜鉛のモル比が10:1〜1:1である、請求項24ないし26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記液状担体が溶媒をさらに含有している、請求項24ないし28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記溶媒が、エタノール、安息香酸ベンジル、ミグリオール、炭酸プロピレン又はベンジルアルコールである、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
溶媒に対するスクロースアセタートイソブチラートの比が50:50w/w〜85:15w/wである、請求項29又は30に記載の方法。
【請求項32】
溶媒に対するスクロースアセタートイソブチラートの比が50:50w/w〜70:30w/wである、請求項29又は30に記載の方法。
【請求項33】
前記徐放性組成物が:
前記液状担体を形成するスクロースアセタートイソブチラートと溶媒であって、溶媒に対するスクロースアセタートイソブチラートの比が50:50w/w〜85:15w/wであるものと;
前記錯体を形成する亜鉛とタンパク質であって、タンパク質に対する亜鉛のモル比が100:1〜1:1であるものを含有し;
錯体に対する液状担体の比が95:5w/v〜85:15w/vである、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
溶媒に対するスクロースアセタートイソブチラートの比が50:50w/w〜70:30w/wである、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
タンパク質に対する亜鉛のモル比が10:1〜1:1である、請求項33又は34に記載の方法。
【請求項36】
容器と;
タンパク質と;
ポリオールと;
金属カチオンと;
液状担体とを含むキットであって、
該液状担体がスクロースアセタートイソブチラートを含んでなるキット。
【請求項37】
単位投薬量のタンパク質を含んでいる、請求項36に記載のキット。
【請求項38】
ポリオール、金属カチオン及び液状担体が滅菌されている、請求項36又は37に記載のキット。
【請求項39】
シリンジをさらに具備している、請求項36ないし38のいずれか1項に記載のキット。
【請求項40】
容器がセプタムを具備している、請求項36ないし39のいずれか1項に記載のキット。
【請求項41】
金属カチオンが二価である、請求項36ないし40のいずれか1項に記載のキット。
【請求項42】
金属カチオンが亜鉛である、請求項36ないし41のいずれか1項に記載のキット。
【請求項43】
タンパク質;
アルコール;及び
金属カチオン;
を含有する組成物において、該アルコールが、単糖類、多糖類、グリセロール、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、及びポリエチレングリコールからなる群から選択される組成物。
【請求項44】
前記アルコールが、マンニトール、トレハロース及びポリエチレングリコールからなる群から選択される、請求項43に記載の組成物。
【請求項45】
タンパク質に対するアルコールの質量比が100:1〜1:100である、請求項43又は44に記載の組成物。
【請求項46】
タンパク質に対するアルコールの質量比が1:1〜1:10である、請求項43又は44に記載の組成物。
【請求項47】
金属カチオンが二価である、請求項43ないし46のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項48】
金属カチオンが亜鉛である、請求項43ないし47のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項49】
タンパク質に対する亜鉛のモル比が1:1〜100:1である、請求項48に記載の組成物。
【請求項50】
タンパク質に対する亜鉛のモル比が1:1〜20:1である、請求項48に記載の組成物。
【請求項51】
タンパク質に対する亜鉛のモル比が1:1〜10:1である、請求項48に記載の組成物。
【請求項52】
タンパク質が、成長ホルモン、インシュリン及び成長因子からなる群から選択される、請求項43ないし51のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項53】
担体物質をさらに含有しており、
該担体物質が、周囲の生理学的条件下でそのままでは結晶化されず、37℃で少なくとも5000cPの粘度を有する非重合体の非水溶性液状物質を含む、請求項43ないし52のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項54】
液状物質が、ステアリン酸エステル、ステアリン酸アミド、長鎖の脂肪酸アミド、長鎖の脂肪アルコール、長鎖のエステル、又は二糖類エステルである、請求項53に記載の組成物。
【請求項55】
液状物質がアセチル化されたスクロースジステアラートである、請求項53に記載の組成物。
【請求項56】
液状物質が二糖類アセタートブチラートである、請求項53に記載の組成物。
【請求項57】
液状物質がスクロースアセタートイソブチラートである、請求項53に記載の組成物。
【請求項58】
組成物が、室温で1000cP未満の粘度を有する、請求項43ないし57のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項59】
組成物が、室温で200cP未満の粘度を有する、請求項43ないし57のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項60】
タンパク質の投与方法において、前記タンパク質が必要とされている患者に、請求項43ないし59のいずれか1項に記載の組成物を注射することを含む方法。
【請求項61】
10%未満のタンパク質が、投与24時間以内に放出される、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
0.2%未満のタンパク質が、投与24時間以内に放出される、請求項60に記載の方法。
【請求項63】
24時間以内に放出されるタンパク質のパーセントが0.05%〜3%である、請求項60ないし62のいずれか1項に記載の方法。
【請求項64】
24時間以内に放出されるタンパク質のパーセントが1%〜3%である、請求項60ないし62のいずれか1項に記載の方法。
【請求項65】
徐放性組成物の製造方法において、
錯体と液状担体を混合して、徐放性組成物を生成させることを含み;
前記液状担体がスクロースアセタートイソブチラートを含み;
前記錯体がタンパク質、アルコール及び亜鉛を含有し;
前記アルコールが、単糖類、多糖類、グリセロール、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、及びポリエチレングリコールからなる群から選択される方法。
【請求項66】
前記徐放性組成物が、室温で1000cP未満の粘度を有する、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記徐放性組成物が、室温で200cP未満の粘度を有する、請求項65に記載の方法。
【請求項68】
タンパク質に対する亜鉛のモル比が100:1〜1:1である、請求項65ないし67のいずれか1項に記載の方法。
【請求項69】
タンパク質に対する亜鉛のモル比が10:1〜1:1である、請求項65ないし67のいずれか1項に記載の方法。
【請求項70】
前記液状担体が溶媒をさらに含有している、請求項65ないし69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項71】
前記溶媒が、エタノール、安息香酸ベンジル、ミグリオール、炭酸プロピレン又はベンジルアルコールである、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
溶媒に対するスクロースアセタートイソブチラートの比が50:50w/w〜85:15w/wである、請求項70又は71に記載の方法。
【請求項73】
溶媒に対するスクロースアセタートイソブチラートの比が50:50w/w〜70:30w/wである、請求項70又は71に記載の方法。
【請求項74】
前記徐放性組成物が:
液状担体を形成するスクロースアセタートイソブチラートと溶媒であって、溶媒に対するスクロースアセタートイソブチラートの比が50:50w/w〜85:15w/wであるものと;
錯体を形成する亜鉛とタンパク質であって、タンパク質に対する亜鉛のモル比が100:1〜1:1であるものを含有し;
錯体に対する液状担体の比が95:5w/v〜85:15w/vである、請求項70に記載の方法。
【請求項75】
溶媒に対するスクロースアセタートイソブチラートの比が50:50w/w〜70:30w/wである、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
タンパク質に対する亜鉛のモル比が10:1〜1:1である、請求項74又は75に記載の方法。
【請求項77】
容器と;
タンパク質と;
アルコールと;
金属カチオンと;
液状担体とを含有するキットであって、
該液状担体がスクロースアセタートイソブチラートを含有し;
前記アルコールが、単糖類、多糖類、グリセロール、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、及びポリエチレングリコールからなる群から選択されるキット。
【請求項78】
単位投薬量のタンパク質を含んでいる、請求項77に記載のキット。
【請求項79】
アルコール、金属カチオン及び液状担体が滅菌されている、請求項77又は78に記載のキット。
【請求項80】
シリンジをさらに具備している、請求項77ないし79のいずれか1項に記載のキット。
【請求項81】
容器がセプタムを具備している、請求項77ないし80のいずれか1項に記載のキット。
【請求項82】
金属カチオンが二価である、請求項77ないし81のいずれか1項に記載のキット。
【請求項83】
金属カチオンが亜鉛である、請求項77ないし82のいずれか1項に記載のキット。

【図1】
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【公開番号】特開2010−13456(P2010−13456A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−195264(P2009−195264)
【出願日】平成21年8月26日(2009.8.26)
【分割の表示】特願2003−506926(P2003−506926)の分割
【原出願日】平成14年6月21日(2002.6.21)
【出願人】(596168317)ジェネンテック・インコーポレーテッド (372)
【氏名又は名称原語表記】GENENTECH,INC.
【Fターム(参考)】