説明

従来の電流安定器とトランジスタの負性抵抗特性を利用した電圧安定器

【課題】安定な基準電圧源として使えるような電圧安定器を従来より安く簡単な回路で高い技術を必要とせずに作れる電圧安定器を得ること。
【解決手段】1従来の電圧安定器に負荷になるように、2従来の電流安定器、3固定抵抗器、4ダイオード、5トランジスタ、6ダイオード、7固定抵抗器、8固定抵抗器、9トランジスタ、10ダイオード、11固定抵抗器で電圧電流帰還バイアス回路を構成し、その負荷として12直流を通す抵抗性負荷をつけたもの。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【産業上の利用分野】
電子計測器,電子制御装置,電圧安定器,電流安定器など。
【背景技術】
抵抗器と定電圧ダイオードを直列に接続した電圧安定器では、抵抗器と定電圧ダイオードの抵抗比で決まる安定度しか得られず、定電圧ダイオードに流せる電流もその定格電力で決まってしまうため、抵抗器の抵抗値もおのずと限界があり、安定度が頭打ちとなってしまう。
FETと定電圧ダイオードを直列に接続した電圧安定器では、FETが定電流になる電圧が非常に高くなるし、FETの電流が不安定である為、定電圧ダイオードも定電圧とならない。
トランジスタのベース電流を制御して定電圧を得る電圧安定器では、抵抗器からトランジスタのベースをへてエミッタそして負荷に流れる経路で突入電流が入りやすい。また、アンプの増幅度が無限大でない為、もしも出力電圧が変化したら、そのアンプの増幅度分の1だけ出力電圧が変化する。それは定常状態でも続き基準電圧源として都合が悪い。
【発明が解決しようとする課題】
従来よりも安定な基準電圧源として使えるような電圧安定器を従来より安く簡単な回路で高い技術を必要とせずに作れる電圧安定器を得ること。
【課題を解決するための手段】
前段に(1)従来の電圧安定器を1個もしくは2個以上直列に配し、その後に(1)従来の電圧安定器の負荷となるように(2)従来の電流安定器を直列に配し、電流帰還バイアス回路をまた負荷となるように繋ぐ。A点からバイアス回路として(3)固定抵抗器,(4)定電圧ダイオード,(5)トランジスタのコレクタとベースをB点に接続する。(5)トランジスタのベースはC点で(9)トランジスタのベースとも繋がっている。(5)トランジスタのエミッタから(6)ダイオードの順に直列に接続しグランドに落とす。また、A点から(7)固定抵抗器,(8)固定抵抗器,(9)トランジスタのコレクタ,(9)トランジスタのエミッタから(10)ダイオード, (11)固定抵抗器の順に直列に接続しグランドに落とす。D点から (12)直流を通す抵抗性負荷に接続しグランドに落とした電圧安定器とする。
【作用】
本発明の動作を説明するにあたり、電流が+極よりグランドへ流れるものと仮定して説明する。
(1)従来の電圧安定器により入力電圧のリップル電圧を含む電流を少なくし、かつ入力電圧の不安定さを取り除く。次に、電圧変動に強い電圧電流帰還バイアス回路を構成する(2)従来の電流安定器と電流帰還バイアス回路をつける。(4)定電圧ダイオードで、(12)直流を通す抵抗性負荷にかかる電圧を決める。次に、(5)トランジスタと(9)トランジスタにて(7)固定抵抗器に流れる電流を(2)従来の電流安定器とトランジスタの負性抵抗特性を利用した電圧安定器全体にかかる入力電圧に応じて電流を制御して(12)直流を通す抵抗性負荷にかかる電圧を安定化せしめる。
入力電圧に対する(12)直流を通す抵抗性負荷にかかる電圧特性では、最初のうちは(4)定電圧ダイオードが導通していないので、(12)直流を通す抵抗性負荷にかかる電圧は(9)トランジスタのコレクタ電流が流れず(2)電流安定器(7)固定抵抗器(12)直流を通す抵抗性負荷に流れる電流による電圧が発生し、徐々に電圧が上がってゆく。
入力電圧が上がり(4)定電圧ダイオードが導通し始めると、(9)トランジスタのコレクタ電流が流れ初め、(9)トランジスタのコレクタ電流により電流が適正制御され(12)直流を通す抵抗性負荷にかかる電圧は一定となる。
その後入力電圧が適正制御範囲を超えると(9)トランジスタのコレクタ電流による適正制御ができなくなり、徐々に電圧が上がってゆく。
本発明では適正制御範囲における定電圧特性を利用する。
【発明による効果】
本発明によれば、回路構成が簡単である。
トランジスタの電流増幅率が高くなくてよいので、特殊な部品を必要とせず、人手が容易な安い部品で作れる。
技術的に高度な技術を必要とせず、初歩的な技術で簡単に作ることができる。
電流の足し算引き算で(12)直流を通す抵抗性負荷に流れる電流を制御するため、理論的に(12)直流を通す抵抗性負荷の電圧変動を0にできる。
入力電圧変動に対し、従来より(12)直流を通す抵抗性負荷にかかる電圧変動が小さい。
温度変化に対し、(12)直流を通す抵抗性負荷にかかる電圧変動が小さい。
(2)従来の電流安定器を電圧電流帰還回路に採用しているので、適正制御範囲が広く、入力電圧変動や(1)電圧安定器の出力電圧のばらつきにも安定である。
従来より低電圧で(12)直流を通す抵抗性負荷にかかる電圧を安定化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は本発明のNPNトランジスタのときの従来の電流安定器とトランジスタの負性抵抗特性を利用した電圧安定器である。
【図2】は本発明のPNPトランジスタのときの従来の電流安定器とトランジスタの負性抵抗特性を利用した電圧安定器である。
【図3】は本発明のNPNトランジスタのとき概略図である。
【図4】は本発明の入力電圧に対する(12)直流を通す抵抗性負荷にかかる電圧特性図である。
【図5】は本発明のNPNトランジスタのときの従来の電流安定器とトランジスタの負性抵抗特性を利用した電圧安定器の実施例である。
【図6】は本発明のPNPトランジスタのときの従来の電流安定器とトランジスタの負性抵抗特性を利用した電圧安定器の実施例である。
【符号の説明】
1は従来の電圧安定器
2は従来の電流安定器
3は固定抵抗器
4は定電圧ダイオード
5はトランジスタ
6はダイオード
7は固定抵抗器
8は固定抵抗器
9はトランジスタ
10はダイオード
11は固定抵抗器
12は直流を通す抵抗性負荷
21は定電圧ダイオード
22は固定抵抗器
23は固定抵抗器
24はトランジスタ
30は電流帰還バイアス回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前段に(1)従来の電圧安定器を1個もしくは2個以上直列に配し、その後に(1)従来の電圧安定器の負荷となるように(2)従来の電流安定圄を直列に配し、電流帰還バイアス回路をその負荷となるように繋ぐ。トランジスタの負性抵抗特性を利用した電圧安定器の内容は、A点からバイアス回路として(3)固定抵抗器,(4)定電圧ダイオード,(5)トランジスタのコレクタとベースをB点に接続する。(5)トランジスタのベースはC点で(9)トランジスタのベースとも繋がっている。(5)ランジスタのエミッタから(6)ダイオードの順に直列に接続しグランドに落とす。また、A点から(7)固定抵抗器,(8)固定抵抗器,(9)トランジスタのコレクタ,(9)トランジスタのエミッタから(10)ダイオード,(11)固定抵抗器の順に直列に接続しグランドに落とす。D点から(12)直流を通す抵抗性負荷に接続しグランドに落とした電圧安定器。なお(4)定電圧ダイオード,(5)トランジスタは、ダイオードでも良いものとする。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−282600(P2010−282600A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−151541(P2009−151541)
【出願日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(501256708)
【Fターム(参考)】