説明

御守

【課題】 従来の御守は正式に祈祷したものでないため御守としての信憑性が乏しく、意匠や構造に美観が見られないため、アクセサリーの用途も満たしていない。
【解決手段】 本発明の御守は、ストラップ装着用の突起(1a)を有する正六角形の蓋(1)と、底面に点字を表示した正六角形の筒本体(2)に形成して、透明の合成樹脂を素材に用いて射出成形する。構成は、前記蓋の内側に、本御守の授与暦年を標して暦月を設定した正六角形の十二支表示板(3)を装着して、前記ストラップ装着用の突起に、授与暦月を標す標示リング(4)を嵌める。また、筒本体を正面側と背面側に二等分する内角間に、一対の仕切板を装着して、正面側を向く仕切板(5)に寺社の名称と紋章などを表示、背面側を向く仕切板(6)に祈願文を表示して、塩(7)、米(8)、酒精(9)の供物3品を納める。さらに、筒本体の底面に御守の趣意である福徳または鎮護の一語を点字(2c)で表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
透明の六角筒形内に神社または寺院の名称と祈願文を表示して、供物を納めた御守に関する。
【背景技術】
【0002】
透明の筒形容器を有するお守りまたは御守においては、神社で授与された祈祷部材に其々が祈願文を記入して、その祈願文を用意の透明合成樹脂の円筒形支持体または八角形支持体の中に設置した中核支持体に祈願文を納めて、アクセサリー御守として携帯電話のストラップに装着できるようにしてある(特許文献1参照)。
【0003】
また、透明の容器を有する沖縄の魔除けにおいては、小瓶の中に合成樹脂で固めた塩、米、小石、サン、神酒などの魔除の品を納めて蓋を密封したうえで、小瓶の首の部分にストラップを装着して装身具としてある(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】 特開 2005−168561
【特許文献2】 特開 平成09−238821
【発明の概要】

【発明が解決しょうとする課題】
【0005】
従来のお守りまたは御守は、神社で授与する祈祷部材に、其々が祈願文を記入するとしているが、殆どの神社が絵馬以外の祈祷部材は授与しておらず、産業上の利用可能性が低いという問題がある。また、筒本体の形状・構造に創造性がなく、アクセサリーとしても問題がある。
【0006】
また、従来の沖縄の魔除けは、内部に魔除けの品々を納めて魔物が近づけないようにしているが、神社や寺院などで祓い清めていないため、神仏の御加護には問題がある。また、容器もアクセサリーとしては問題がある。
【0007】
本発明の御守は、従来の御守が有している上述の問題を解決して、御守本来の機能とアクセサリーの用途を満たすものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の御守は、上記の課題を達成するために、外形をストラップ装着用の突起を有する正六角形の蓋と、底面に点字を表示した正六角形の筒本体に形成して、透明の合成樹脂を素材に用いて射出成形とする。構成は、蓋の内側に、本御守の授与暦年月を設定した正六角形の十二支表示板を装着して、その十二支表示板に授与暦月を標すために、ストラップ装着用の突起に標示リングを嵌める。また、筒本体を二等分する内角間に、本御守を授与する社寺の表示と祈願文を表示した一対の仕切板を装着して内部を2つに区切り、その2ヶ所に、本御守を授与する神社または寺院に供えた塩、米および酒の主成分であり塩が溶けない酒精の3品を納めて内部が可視できるようにする。
【0009】
前記正六角形の十二支表示板に本御守の授与暦年月を設定する手段として、干支の十二月建と方位盤を参考にする。まず、表示板の一辺を正面側、対辺を背面側と定めて、正面側に子の干支を配置、対辺に午の干支が位置するように十二支を配置して、本御守を授与する暦年の干支と同一の十二支表示板の干支を四角形または円形で囲む。また、授与暦月は、寅の干支の1月から丑の干支の12月までを一年とした旧暦の月建を対応月とする。以上のように設定した十二支表示板を筒の内側に装着する。
【0010】
前記十二支表示板に、前記ストラップ装着用の突起に嵌めた標示リングを用いて授与暦月を標す手段として、本御守が神社または寺院から授与される際、標示リングはストラップ装着用の突起に半途の状態で嵌めてあり、授与された其々が、授与された際の暦月に該当する十二支表示板の干支に標示リングの矢印を合わせ、その標示リングを蓋に密着するまで押下げて固定する。
【0011】
前記筒本体を二等分する内角間に一対の仕切板を装着するする手段として、まず、筒本体の一辺を正面、対辺を背面と定め、その正面側と背面側を二等分する内角120度の鈍角に、差込み式の一対の仕切板を装着する。
【0012】
上記一対の仕切板の正面側を向く仕切板に、本御守を授与する社寺の名称および紋章などを予め表示して、背面側を向く仕切板に、繁栄、繁盛、安全、成就または魔除、厄除などを付した祈願文の一語を予め表示する。
【0013】
前記筒本体内の2ヶ所に塩、米、酒精の供物3品を納める手段として、供物3品は、本御守を授与する寺社に供えたものであり、正面側に塩を一つまみ納め、背面側に米を干支の数の12粒を納めて、両側に酒精を満タンに近い状態まで注入する。
【0014】
前記筒本体の底面に点字を表示する手段として、幸福と御利益を意味する福徳または災難から身を守ることを意味する鎮護の一語を点字で表示する。
【0015】
以上の手段により課題を解決した本発明は、以下の効果を奏する。
【発明の効果】
【0016】
透明の合成樹脂を素材に用いて射出成形した正六角形筒状の内部に、社寺の名称および紋章と祈願文を表示した仕切板を装着して供物3品を納め、筒内が可視できるようにしたことにより、従来の御守の概念を変えた新規性と創造性を有している。
【0017】
内部に装着した仕切板を差換えることにより、すべての社寺において本御守の授与が可能である。
【0018】
また、御守は基本的に一年祈願であり、一年を経過した御守は授与された社寺に返納するのが一般的である。その授与暦年月を標せる仕組みとしたことにより、凡その返納期日を知ることができる。
【0019】
御守の趣意である福徳または鎮護の一語を点字で表示することにより、身体障害者に配慮した御守であるとの評価が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】 蓋と筒本体を接合した正面側立面図
【図2】 蓋の平面図
【図3】 蓋の立面図
【図4】 十二支表示板を装着した蓋の底面図
【図5】 十二支表示板の平面図
【図6】 標示リングの平面図
【図7】 仕切板を装着した筒本体の平面図
【図8】 点字を表示した筒本体の底面図
【図9】 図1のA−B部分の線断面図
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の正六角形筒状の御守は、透明性、対候性、耐衝撃性、耐薬品性などに優れ、人体に無害の特性を有する合成樹脂を素材にして射出成形加工するものであり、実施の形態を図1から図9に基づいて説明する。
【0022】
図1は、すべての内蔵物を納めて、ストラップ装着用の突起(1a)を一体成形した蓋(1)と、底面に点字(2c)を一体成形した筒本体(2)を、超音波溶着装置を用いて接合した正面側の立面図である。図で示すように、ストラップ装着用の突起には、本御守の授与暦月を標すための標示リング(4)が半途の状態で嵌めてあり、筒本体の下部側面には、本御守の正面側と点字の上部を示す標溝(2d)が設けてある。また、本御守が携帯電話やキーホルダーなどに装着されることを想定して、ストラップ装着用の突起を除く寸法を縦26mm程度、対角間16mm程度、一辺8mm程度としてある。
【0023】
図2、図3、図4は蓋(1)の図である。蓋と一体成形したストラップ装着用の突起(1a)は、装着孔(1b)の下部から下を円錐に形成して、図6の標示リング(4)が半途の状態で嵌るようにしてある。また、底面の筒本体との接合部(1c)には、超音波を発振して溶解する溶着リブ(1d)が一体成形してある。
【0024】
図5は、白色の合成樹脂板を用いた十二支表示板(3)である。図4で示すように、正六角形の蓋の内側と合致する正六角に形成してあり、十二支の表示と暦月は、干支の十二月建と方位盤を参考にしてある。まず、正面側となる一辺に子の干支を配置、背面側となる対辺に午の干支を配置の上、全ての干支を墨色で表示してあり、その十二支の本御守を授与する暦年の干支と同一の干支を朱色の円形または四角形で囲む(図では本発明を申請する平成23年の干支の卯を円形で囲んである)。また、暦月は、寅の1月から丑の12月までの十二月建を対応月としてある。
【0025】
図6は、射出成形した標示リング(4)である。リングの表面には、授与暦月を標すための朱色の矢印(4a)が刻んであり、裏面には、蓋と固定するための両面テープが貼り付けてある。本御守が社寺から授与される際は、図1で示すように、標示リングはストラップ装着用の突起(1a)に半途の状態で嵌めてあり、本御守を授与された其々が、授与された暦月に該当する十二支表示板の干支に矢印を合せ、その標示リングに所定量以上の力を加えて蓋に接着固定する。
【0026】
図7は、筒本体(2)を二等分する対角間に白色の合成樹板を用いた一対の仕切板を装着して内部を正面側と背面側に区分した図であり、正面側を向く仕切板(5)には、本御守を授与する社寺の名称や紋章などが表示してあり、背面側を向く仕切板(6)には、繁栄、繁盛、安全、成就または魔除、厄除などを付した祈願文の一語を墨色または朱色で表示してある。その一対の仕切板は、内角120度の鈍角を利用した差込み式としてあり、縦の寸法は、筒本体の嵌合部(2a)と同じ高さにしてある。
また、内部を区分する手段として、筒本体の中心を基軸に三等分に区切ることもある。
【0027】
図8は筒本体の底面に、御守の趣意である福徳と鎮護のうち、福徳の一語を点字2行で表示した図である。側面の標溝(2d)は、御守の正面側と表示した点字の上部1の点と4の点の位置を示すものである。
【0028】
図9は、図1の線断面図ある。蓋の内側に、本御守の授与暦年月を設定した十二支表示板(3)が装着してあり、その十二支表示板に、授与暦月を標す標示リング(4)がストラップ装着用の突起(1a)に半途の状態で嵌めてある。また、筒本体を正面側と背面側に二等分する内角間に、本御守を授与する社寺の名称や紋章を表示した仕切板(5)と、祈願文を表示した仕切板(6)が装着してあり、その仕切りの正面側に塩(7)を一つまみ納め、背面側に米(8)を干支の数の12粒を納めて、両側に酒精(9)を筒本体の接合部(2b)のラインまで注入してある。
供物3品は本御守を授与する社寺で祈祷したものである。通常は塩、米、酒または真水を納めるが、塩が酒と真水に溶けることから、酒の主成分であり塩が溶けない酒精を代用とする。その酒精を満タンに注入せず、内部に空気層を設けたことにより、酒精が注入されているのを確認することができる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は御守としての信憑性があり、また、従来の御守の概念を変えた創造性、新規性を有しているため、携帯電話やキーホルダーなどのアクセサリーとして提供できる。
【符号の説明】
【0030】
1 蓋
1a ストラップ装着用突起
1b 装着孔
1c 接合部
1d 溶着リブ
2 筒本体
2a 嵌合部
2b 接合部
2c 点字
2d 標溝
3 十二支表示板
4 標示リング
4a 矢印
5 正面側仕切板
6 背面側仕切板
7 塩
8 米
9 酒精

【特許請求の範囲】
【請求項1】
形状を、ストラップ装着用の突起を有する正六角形の蓋と、底面に点字を表示した正六角形の筒本体に形成して、透明の合成樹脂で射出成形してあり、前記蓋は、内側に御守の授与暦年を標した正六角形の十二支表示板を装着して、前記ストラップ装着用の突起に本御守の授与暦月を標すための標示リングが嵌めてあり、また、前記筒本体は、内部を正面側と背面側に二等分する内角間に、本御守の授与場所と祈願文を表示した一対の仕切板を装着して、その仕切板の両側に供物3品を納めて内部が可視できるようにしたことを特徴とする御守。
【請求項2】
前記十二支表示板は、本御守を授与する暦年の干支と同一の干支を、四角形または円形で囲んで授与暦年の標しとし、さらに、十二月建で用いる寅の干支の1月から丑の干支の12月までを、本御守の授与された暦月の対応月としたことを特徴と請求項1記載の御守。
【請求項3】
前記ストラップ装着用の突起に嵌めた標示リングを用いて、前記十二支表示板に本御守の授与された暦月を標せることを特徴とする請求項1または2記載の御守。
【請求項4】
前記一対の仕切板は、正面側を向く仕切板に、本御守を授与する社寺の名称や紋章などを表示して、背面側を向く仕切板に、繁栄、繁盛、安全、成就または魔除、厄除などを付した祈願文の一語を表示したことを特徴とする請求項1記載の御守。
【請求項5】
前記筒本体内に納める供物を、塩、米および酒の主成分であり塩を溶かさない酒精の3品と定めて、正面側に塩を納め、背面側に米を納めて、両側に酒精を注入したことを特徴とする請求項1または4記載の御守。
【請求項6】
前記筒本体の底面に、御守の趣意である福徳または鎮護の一語を点字で表示したことを特徴とする請求項1記載の御守。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−52203(P2013−52203A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205254(P2011−205254)
【出願日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(501335911)
【出願人】(504171248)
【出願人】(508046786)